[go: up one dir, main page]

JPH11139819A - 高強度軽量シリカエアロゲル成型体とその製造方法 - Google Patents

高強度軽量シリカエアロゲル成型体とその製造方法

Info

Publication number
JPH11139819A
JPH11139819A JP31772997A JP31772997A JPH11139819A JP H11139819 A JPH11139819 A JP H11139819A JP 31772997 A JP31772997 A JP 31772997A JP 31772997 A JP31772997 A JP 31772997A JP H11139819 A JPH11139819 A JP H11139819A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
water glass
silica airgel
soluble
strength
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31772997A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadashi Kitamura
正 北村
Hideki Kuroki
英樹 黒木
Masayoshi Aoki
正義 青木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP31772997A priority Critical patent/JPH11139819A/ja
Publication of JPH11139819A publication Critical patent/JPH11139819A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silicon Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 非常に軽くかつ高い圧縮強度特性と耐水性が
著しく向上した高強度軽量シリカエアロゲル成型体が安
価に得ること。 【解決手段】 アルカリ水ガラス、水ガラス硬化剤、水
溶性有機高分子及び水とを含有し、その混合液がゲル化
前の溶液に於いて海相−島相からなる複相構造をなし、
かつその複相構造を反映した固結ゲルを生成させた後、
取りだし、該ゲル中の水及び必要に応じて更に水溶性有
機成分を燃焼・除去してなる高強度軽量シリカエアロゲ
ル成型体の製造方法および成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ水ガラス
を主剤成分として含有してなる水ガラス溶液組成物から
誘導された高強度軽量シリカエアロゲル成型体とその製
造方法に関する。詳しくはアルカリ水ガラス、水ガラス
硬化剤、水に対しいかなる割合にも相溶および/または
ミクロ分散安定化する性質を示す水溶性有機高分子、水
の4成分系からなる水ガラス溶液組成物が海相−島相か
らなる不均一相構造を成し、該水ガラス溶液組成物を1
ショット、1.5ショット、2ショットのいずれかの方
式で型の中に流し込んで5℃〜80℃未満の範囲でゲル
化・成型固化させてウェットゲルを生成せしめ、必要に
応じて一定時間養生硬化後該ウェットゲルを取りだし、
1000℃未満の温度下で脱水乾燥および/または有機
物を焼成除去する事で高強度軽量なシリカエアロゲルを
得る事を特徴とするいわゆる高強度軽量シリカエアロゲ
ル成型体とその製造方法に関する。
【0002】ここで高強度軽量シリカエアロゲル成型体
とは圧縮変形しずらくみかけ密度が高くとも0.8以下
にある独立気泡を内包する多孔質シリカエアロゲル成型
体の事を言う。
【0003】なお、1ショット方式とは主剤と硬化剤と
を予め一括混合する形で調整して1液化し、その1液を
吐出させる方法であり、また1.5ショット方式とは主
剤と硬化剤とを別々に調整し、その2液をそれぞれべつ
べつに送液すると共に、吐出管入口附近で衝突混合させ
てその混合液を得て、所定の場所に吐出/流出させる方
法を言う。また更に2ショット方式とは主剤と硬化剤と
を別々に調整し、その2液を二重管や2本を束にした流
路を確保する形で別々に供給し、該送液管の先端部や成
型容器内で衝突混合させる方法を言う。
【0004】
【従来の技術】一般に無機質発砲硬化体(無機質軽量硬
化体とも言う)は軽量かつ耐火性や断熱性に優れるとさ
れ、広く建設資材として重宝されている。それら公知の
無機質発砲硬化体の代表的なものには、水硬性微粒子で
ある例えば、セメント、水砕スラグ、半水石膏、生石
灰、消石灰等の少なくとも1種を水と共に懸濁させ同時
に空気等の気泡を含有させた懸濁スラリー溶液を調整
し、そのまま型に流し込んで水和硬化させるなどの方法
で無機質発砲硬化体を得ているが、実用的な機械的強度
を満足する為の該硬化体のみかけ密度の現状は、市場に
出回っている建材用途向けの材料で判断すると、おおよ
そ0.7〜1.2g/cm3となっており、必ずしも十
分軽い素材とは言えない実体にある。すなわち、本来無
機質発砲硬化体はプラスチック発砲硬化体では得られな
い耐熱性、不燃性、耐火性等の性質を保有する半面、前
記した様に、まだより一層の軽量化が強く望まれる課題
を有している。
【0005】また無機質素材の究極的な軽量化を目的に
すでに提案された公知技術には、例えば1931年のN
atuer,vol.127、741ページの記載によ
ればKistler,S.Sによって溶媒置換したシリ
カウェットゲルをオートクレーブ中で超臨界状態で乾燥
することでようやくシリカエアロゲルの製造に初めて成
功した例があげられる。また1968年に至っては、B
ull.Soc.Chem.Fr.,の1906ページ
にNicolsonらとTeichnerらによるウェ
ットシリカゲルの製造方法に関する提案例が見られ、そ
の内容はオルトケイ酸アルキルエステル化合物を出発原
料としたゾルゲル化技術でウェットシリカゲルの製造す
る方法を開示している。なお該エアロゲル製造技術例等
によれば、気孔率がおおよそ85%〜98%の超軽量シ
リカ硬化体を製造可能であるとしている。すなわち、オ
ルトケイ酸アルキルエステル化合物を出発物質とする公
知のエアロゲル製造技術を駆使すれば、みかけ密度で
0.01〜0.3g/cm3の超軽量多孔質無機硬化体
を容易に製造する事が出来る事が判る。しかし、総じて
該エアロゲル製造公知技術で生成する超軽量多孔質硬化
体は高価でありかつその1軸圧縮強度特性は0.5kg
f/cm2に満たない非常に脆い素材である事が広く知
られており、したがって高強度を必要とする例えば建材
用の不燃ボード素材用などの素材としては全く不向きで
ある課題を持つ。特にオルトケイ酸アルキルエステルを
主要な原材料とするゾルゲル法による公知のシリカエア
ロゲルの製造では有機溶媒の大量使用が欠かせない課題
がある。
【0006】また一方、水ガラスとジイソシアナート化
合物とから有機無機複合プラスチック素材を製造する事
が出来ることが古くから知られている。例えば特許公開
公報・昭50−78700号、特許公開公報・昭50−
87191号、同・昭50−87193号、同・昭50
−67194号、同・昭51−105393号、同・昭
51−119095号、同・昭55−65212号など
にその代表的な技術開示例が見られる。それらの公知技
術で得た有機無機複合硬化体は、総じて火炎抵抗性に富
むと同時に弾性や加熱寸法安定性に優れたフォーム等が
容易に形成出来るとしているが、理由は不明だが、具体
的に建設資材として国内で実用に供せられたと言う例は
全く知らない。
【0007】前記した水ガラスと種々のイソシアナート
化合物等とからなる有機無機複合組成物を、近年に於い
ては、岩盤亀裂注入固結剤(単に岩盤固結薬剤とも言
う)として大いに利用している実体があり、該組成物群
からなる岩盤固結薬剤に関する公開技術例としては、例
えば特許公開公報・平4−283290号、同・平4−
309616号、同・平5−78667号、同・平5−
79278号、同・平5−320645号、同・平6−
207174号等が代表的な例である。
【0008】ここで水ガラスとは一般にアルカリ珪酸ナ
トリウムやアルカリ珪酸カリウムで代表されるもので、
安価で入手出来、高アルカリ物質ではあるものの、人体
に対して安全性が高い物質である事が広く知られる。ま
た水ガラスは酸などの水ガラス硬化剤とあわさると直ち
に珪酸高分子となって珪酸コロイド含水硬化体を生成
し、基本的に不燃性の無機高分子ゲルを与えるとされ
る。よって水ガラスは工業用の重要な原材料製品の1つ
である。
【0009】次にその水ガラスを主原料として無機フォ
ームの製造を検討した報告例がある。水ガラスフォーム
の製造報告例としては、例えば、昭和57年5月25日
発行の化学工業時報(第1785号)に記載された「あ
たらしい工業材料として注目されるセラミックフォーム
の技術開発動向」の記事で明らかな様に、水ガラス濃厚
水溶液を釜の中で強加熱または高周波オーブン等で水を
激しく沸騰・蒸発させてフォーム状に固化させて製造す
る方法が知られている。そのフォーム密度は0.08〜
0.24g/cm3、可使最高温度は870℃の物を得
ることができるとされる、しかし全く耐水性に欠け、水
中で溶解または崩壊する課題を持つと述べている。
【0010】この様に見ていくと、安価な水ガラスから
ゾルゲル技術から誘導された軽量かつ高強度なシリカエ
アロゲルを建設資材用の素材として具体的に実用化した
例は全くみあたらない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来に無く軽量でかつ
耐水性、断熱性、耐熱寸法安定性等に優れた高強度なシ
リカエアロゲル成型体の出現が建設資材分野で特に強く
切望されている事に鑑み、市場で安価に入手できるアル
カリ水ガラスを出発原料とし、市場の要望に適合する高
強度軽量シリカエアロゲル成型体とその製造技術を提供
する事にある。より詳しくは、みかけ密度が高くとも
0.8g/cm3の軽量かつその1軸圧縮強度特性が低
くとも3kg/cm2である高強度軽量シリカエアロゲ
ル成型体とその製造方法を提供する事にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する為の
手段として、鋭意研究を行なった結果、水ガラス硬化剤
の存在下、アルカリ水ガラス含有水溶液と水溶性有機高
分子含有水溶液とを相分離状態で安定化させてなる、い
わゆる該水溶性有機高分子相を島相ならびにアルカリ水
ガラス液相を海相とした不均一溶液組成物をゲル化成型
し、取りだして後、該含水複相ゲルを1000℃未満の
温度下で乾燥および/または焼成させることで前記目的
が達成出来る事を見出し、本発明を達成した。
【0013】すなわち本発明の高強度軽量シリカエアロ
ゲル成型体の製造方法とは、離型可能な成型容器中に、
下記(イ)の水ガラス溶液組成物を流し込み、5℃〜8
0℃未満の温度で静置ゲル化させ、脱型したウェットゲ
ルを、1000℃未満の温度下で脱水乾燥および/また
は有機物を焼成除去して成る事を特徴とする高強度軽量
シリカエアロゲル成型体の製造方法である。 (イ)水ガラス溶液組成物として、アルカリ水ガラス、
水に対しいかなる割合にも相溶および/またはミクロ分
散安定化する性質を示す水溶性有機高分子、水ガラス硬
化剤、水とを含有してなり、その溶液が海相−島相から
なる不均一相構造を成すと同時に、該溶液中に配合され
た全アルカリ水ガラス成分の少なくとも60重量%以上
を海相に分配させてなる不均一溶液組成物。
【0014】好ましくは、その(イ)の水ガラス溶液組
成物がアルカリ水ガラスを含む水溶液である主剤液Aと
水ガラス硬化剤を含む水溶液である硬化剤液Bの2液型
からなり、水溶性有機高分子をそのいずれか一方の液に
または両方の液に事前に含有させると共に、かつその主
剤液Aと硬化剤液Bとを主剤液A:硬化剤液Bで表した
容積混合比率で10:100〜100:10の範囲で混
合してなる事を特徴とする前記の高強度軽量シリカエア
ロゲル成型体の製造方法が挙げられる。
【0015】また本発明の高強度軽量シリカエアロゲル
成型体とは、前記の製造方法で得られ、1〜200μm
の独立気泡を多数内包してなる蜂の巣様のミクロ構造を
持つ事を特徴とする高強度軽量シリカエアロゲル成型体
である。より好ましくは角に丸みを持った10〜18多
面体からなる独立気泡を内蔵する構造を成して呈して成
る前記高強度軽量シリカエアロゲル成型体が良い。また
更により好ましくは、連続相を形成している硬化膜の厚
みが、0.1〜5μmの範囲にあることを特徴とする前
記の高強度軽量シリカエアロゲル成型体が挙げられる。
また特に最も好ましい本発明の高強度軽量シリカエアロ
ゲル成型体はみかけの密度が0.1〜0.5g/cm3
の範囲にあるのが最も好ましい。前記した高強度軽量シ
リカエアロゲル成型体のモルフォロジに関する特性値
は、公知の分析方法や観察方法などで求めて良く、特に
制約は無いが、例えば得られた高強度軽量シリカエアロ
ゲル成型体の小片の破断面や切削断面を光学顕微鏡、電
子顕微鏡、マイクロスコープのいずれかで拡大観察しそ
の結果で表されて良く、本発明の高強度軽量シリカエア
ロゲル成型体やその製造方法に関してはノナメーターサ
イズ(以下の記載では単にnmと略す)の相構造やその
1次構造に何等制約を受けない。
【0016】すなわち、本発明は以下の(1)〜(2
8)を提供するものである。
【0017】(1)離型可能な成型容器中に、下記
(イ)の水ガラス溶液組成物を流し込み、5℃〜80℃
未満の温度でゲル化させ、脱型したウェットゲルを、
1,000℃未満の温度下で脱水乾燥および/または有
機物を焼成除去して成る事を特徴とする高強度軽量シリ
カエアロゲル成型体の製造方法。 (イ)水ガラス溶液組成物として、アルカリ水ガラス、
水に対しいかなる割合にも相溶および/またはミクロ分
散安定化する性質を示す水溶性有機高分子、水ガラス硬
化剤、水とを含有してなり、その溶液が海相−島相から
なる不均一相構造を成すと同時に、該溶液中に配合され
た全アルカリ水ガラス成分の少なくとも60重量%以上
を海相に分配させてなる不均一溶液組成物。
【0018】(2)(イ)水ガラス溶液組成物がアルカ
リ水ガラスを含む水溶液である主剤液Aと水ガラス硬化
剤を含む水溶液である硬化剤液Bの2液型からなり、水
溶性有機高分子をそのいずれか一方の液にまたは両方の
液に事前に含有させると共に、かつその主剤液Aと硬化
剤液Bとを主剤液A:硬化剤液Bで表した容積混合比率
で(10:100)〜(100:10)の範囲で混合し
てなる事を特徴とする(1)記載の高強度軽量シリカエ
アロゲル成型体の製造方法。
【0019】(3)水溶性有機高分子の全量が水ガラス
硬化剤を含む硬化剤液Bに事前に配合されてなる事を特
徴とする(1)または(2)記載の高強度軽量シリカエ
アロゲル成型体の製造方法。 (4)アルカリ水ガラスがSiO2/Na2Oおよび/ま
たはSiO2/K2Oで表されるモル比で1〜4.5の範
囲にある珪酸ナトリウムおよび/または珪酸カリウムと
する事を特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の
高強度軽量シリカエアロゲル成型体の製造方法。 (5)アルカリ水ガラスが日本工業規格・JIS−3号
の珪酸ナトリウム溶液とする事を特徴とする(4)に記
載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体の製造方法。
【0020】(6)水に対しいかなる割合にも相溶およ
び/またはミクロ分散安定化する性質を示す水性有機高
分子が以下の(a)〜(h)から選ばれた1種および/
または2種以上からなる事を特徴とする(1)〜(5)
のいずれかに記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体
の製造方法。 (a)水溶性ポリエーテルポリオール (b)水溶性ポリビニルアルコール (c)水溶性デンプン (d)水溶性セルロース誘導体 (e)水溶性ポリアルキレンオキサイド (f)水溶性アクリル (g)水溶性ポリエポキサイド (h)水溶性ウレタン
【0021】(7)水に対しいかなる割合にも相溶およ
び/またはミクロ分散安定化する性質を示す水溶性有機
高分子が、加水分解によってシロキサン架橋する性質を
示す式I
【化2】 式I; −Si(R1n−(X)3-n (但し、R1は水素原子、クロル原子、メチル基、エチ
ル基およびプロピル基かなる群から選ばれた1種、Xは
炭素数が1〜5の整数で表されるアルコキシル基、オキ
シム基およびアセトキシル基からなる群から選ばれた一
種、nは0〜1をそれぞれ表す。)で表される活性シリ
ル基末端を1分子中に少なくとも平均0.7ケ以上導入
され、その活性シリル基を除く主鎖が水溶性の、アクリ
ル、ウレタン、ポリエーテル、ポリエーテルポリエステ
ルおよびポリエステルからなる群から選ばれた1種また
は2種以上であり、重量平均分子量が2,000〜5
0,000の範囲にある活性シリル基含有プレポリマー
および/またはその加水分解生成物である活性シラノー
ル基含有プレポリマーの1種とする事を特徴とする
(1)〜(6)のいずれかに記載の高強度軽量シリカエ
アロゲル成型体の製造方法。
【0022】(8)水に対しいかなる割合にも相溶およ
び/またはミクロ分散安定化する性質を示す水溶性有機
高分子が、前記(a)〜(b)の1種および/または2
種以上で表されるいわゆるアルカリ水ガラスと非反応性
の水溶性有機高分子と、前記活性シリル基含有プレポリ
マーとを併用する形で使用され、その配合比率を非反応
性水溶性有機高分子:活性シリル基含有プレポリマーで
表される重量比率で(1:100)〜(100:1)の
範囲で使用される事を特徴とする(1)〜(7)のいず
れかに記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体の製造
方法。 (9)水ガラス硬化剤が水溶性の有機酸、アルカリ水中
で徐放性の酸を放出する水溶性有機単量硬化剤、無機質
硬化剤およびCO2からなる群から選ばれた少なくとも
1種または2種以上を用いる事を特徴とする(1)〜
(8)のいずれかに記載の高強度軽量シリカエアロゲル
成型体の製造方法。
【0023】(10)アルカリ水中で徐放性の酸を放出
する水溶性有機単量硬化剤が、水溶性アルキレンカーボ
ネート類、水溶性ラクトン類、水溶性アルキレングリコ
ールジアセテート化合物および水溶性2塩基酸アルキル
エステル類等からなる群から選ばれた1種または2種以
上とする事を特徴とする(9)記載の高強度軽量シリカ
エアロゲル成型体の製造方法。 (11)(1)の水ガラス溶液組成物に更に高分子界面
活性剤を0.001〜5重量%の範囲で含有させてなる
事を特徴とする(1)〜(10)にいずれかに記載の高
強度軽量シリカエアロゲル成型体の製造方法。 (12)(1)の水ガラス溶液組成物をゲル化させる際
に更に均一分散可能な有機繊維および/または無機繊維
をそのゲル中に占める割合で0.1〜10重量%の範囲
で複合させる事を特徴とする(1)〜(11)のいずれ
かに記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体の製造方
法。
【0024】(13)2液型から成る(1)の水ガラス
溶液組成物に於いて、主剤と硬化剤の2液をそれぞれ主
剤液:硬化剤液で表した容積混合比率でほぼ1:1に近
似させて混合調整される事を特徴とする(1)〜(1
2)のいずれかに記載の高強度軽量シリカエアロゲル成
型体の製造方法。 (14)主剤液A中のアルカリ水ガラス含有濃度が固形
分換算で5〜50重量%となる様に含有させる事を特徴
とする(2)〜(13)のいずれかに記載の高強度軽量
シリカエアロゲル成型体の製造方法。 (15)主剤液Aの全量と混合された時、その主剤液A
中のNa2Oおよび/またはK2Oで表されるアルカリ分
の50〜250モル%分に相当する水ガラス硬化剤と、
水に対しいかなる割合にも相溶および/またはミクロ分
散安定化する性質を示す水溶性有機高分子の硬化剤液中
に占める含有濃度で2.5〜50重量%とを含有してな
る水溶液を硬化剤液Bとして用いる事を特徴とする
(2)〜(14)のいずれかに記載の高強度軽量シリカ
エアロゲル成型体の製造方法。
【0025】(16)(イ)の水ガラス溶液組成物に於
いて主剤液Aが以下に記載の主剤液E、硬化剤液Bが以
下に記載の硬化剤液Fからなる事を特徴とする(2)〜
(15)のいずれかに記載の高強度軽量シリカエアロゲ
ル成型体の製造方法。主剤液Eとして、SiO2/Na2
Oのモル比が2.5〜3.5からなるアルカリ水ガラス
の固形分15〜40重量%とした水溶液。硬化剤液Fと
して、該主剤液Eの全量と混合された時、その硬化液E
中のNa2Oで表されるアルカリ分の50〜250モル
%分に相当するアルカリ水中で除放性の有機酸を放出す
る水溶性有機単量硬化剤と、水溶性有機高分子がエチレ
ングリコールおよび/またはグリセリンに対し付加変性
量を100とした割合でエチレンオキサイドの80〜9
9重量%、プロピレンオキサイドの20〜1重量%をラ
ンダム付加またはブロック付加させて得られた重量平均
分子量が2,000〜30,000の範囲にあるポリエ
ーテルジオールおよび/またはポリエーテルトリオール
の1種または2種以上の硬化剤F液中に占める含有濃度
で5〜35重量%とを配合してなる水溶液。
【0026】(17)水ガラス硬化剤がグリオキザール
の単独または更に炭酸、硫酸および燐酸からなる群から
選ばれた1種および/または炭酸水素アルカリ金属塩ま
たは硫酸水素アルカリ金属塩との併用のいずれかからな
り、かつその合計量が系中のアルカリ水ガラスの(Na
2O+K2O)で表される全アルカリ分の70〜200モ
ル%分に相当する量を含有させる事を特徴とする(1)
〜(16)のいずれか記載の高強度軽量シリカエアロゲ
ル成型体の製造方法。 (18)水ガラス硬化剤としてエチレンカーボネートお
よびプロピレンカーボネートの何れか一方または両者を
用いかつその量が系中のアルカリ水ガラスの(Na2
+K2O)で表される全アルカリ分の55〜110モル
%分に相当する量を含有させる事を特徴とする(1)〜
(16)のいずれかに記載の高強度軽量シリカエアロゲ
ル成型体の製造方法。 (19)水ガラス硬化剤としてγ−ブチロラクトンの単
独を用い、かつ混和されてなる系中のアルカリ水ガラス
の(Na2O+K2O)で表される全アルカリ分の110
〜210モル%分に相当する量を含有させる事を特徴と
する(1)〜(16)のいずれかに記載の高強度軽量シ
リカエアロゲル成型体の製造方法。 (20)水ガラス硬化剤としてアルキル鎖長部位が炭素
数1から3の整数で表される水溶性ジカルボン酸アルキ
ルエステル化合物の1種を用い、かつ混和されてなる系
中のアルカリ水ガラスの(Na2O+K2O)で表される
全アルカリ分の55〜110モル%分に相当する量を含
有させる事を特徴とする(1)〜(16)のいずれかに
記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体の製造方法。
【0027】(21)鋼鉄製またはプラスチック製の離
型可能な成型容器中に、(イ)の水ガラス溶液組成物を
流し込んで静置ゲル化させ、生成するウェットゲルのゲ
ル1軸圧縮強度が低くとも2kg/cm2を越えた時点
で、型から取りだし、更に以下の(α)〜(δ)に示す
いずれか1つ以上の工程を経て、独立気泡を内包するみ
かけ密度が0.05〜0.8g/cm3の範囲のシリカ
エアロゲル成型体を製造する事を特徴とする(1)〜
(20)のいずれかに記載の高強度軽量シリカエアロゲ
ル成型体の製造方法。 (α)室温から180℃未満の脱水乾燥工程 (β)空気または不活性ガス中1000℃未満の焼成工
程 (γ)冷却・切削工程 (δ)シーラー・塗装工程
【0028】(22)(1)〜(21)記載のいずれか
の製造方法で得られ、1〜200μmの独立気泡を多数
内包してなる蜂の巣様のミクロ構造を持つ事を特徴とす
る高強度軽量シリカエアロゲル成型体。 (23)角に丸みを持った10〜18多面体からなる独
立気泡を内蔵する構造を形成してなる事を特徴とする
(22)記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体。 (24)連続相を形成してなる硬化膜の厚みが、0.3
〜5μmの範囲にあることを特徴とする(22)または
(23)記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体。 (25)みかけの密度が0.1〜0.5g/cm3の範
囲にある事を特徴とする(22)〜(24)のいずれか
に記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体。 (26)片表面にシーラー組成物および/または塗料組
成物を塗付し、片面が化粧コートされた非透水性の性質
を有する事を特徴とする(22)〜(24)のいずれか
に記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体。
【0029】(27)シーラー組成物がシリコンまたは
フッ素化合物を含有してなる溶液またはエマルション組
成物、アクリル樹脂組成物、ウレタン組成物およびエポ
キシ樹脂組成物からなる群から選ばれた少なくとも1種
とする事を特徴とする(26)記載の高強度軽量シリカ
エアロゲル成型体。 (28)塗料組成物がシリコンまたはフッ素化合物を含
有してなる溶液またはエマルション組成物、アクリル樹
脂組成物、ウレタン組成物およびエポキシ樹脂組成物か
らなる群から選ばれた少なくとも1種とする事を特徴と
する(26)記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型
体。
【0030】以下に本発明をより詳細に説明する。
【0031】本発明の高強度軽量シリカエアロゲル成型
体(以下の記載では高強度軽量シリカエアロゲル成型体
を単にシリカエアロゲルと呼ぶ。)の製造方法とは、よ
り詳しくは、特に制約する物では無く例えば鋼製または
強化プラスチック製などで代表される離型可能な成型容
器中に、下記に示す1液または2液型の(イ)水ガラス
溶液組成物を1ショット方式または1.5ショット方式
または2ショット法式のいずれかの方法で混和させて静
かに流し込み、5℃〜80℃未満の温度下で静置ゲル化
させて、少なくとも2kgf/cm2以上の1軸圧縮特
性を発揮する特殊な複相構造を持ったウェットゲルを脱
型製造し、そのウェットゲルを更に 室温〜1,000
℃の温度下で適宜脱水乾燥および/または有機物を焼成
除去する方法で高強度かつ軽量なシリカエアロゲルの成
型体を得る事を特徴とする製造方法である。なお、前記
(イ)の水ガラス溶液組成物は、(I)アルカリ水ガラ
ス(以下の記載ではアルカリ水ガラスを記号のWで表す
ことがある)、(II)水に対しいかなる割合にも相溶
および/またはミクロ分散安定化する性質を示す水溶性
有機高分子[以下単に(II)水溶性有機高分子と呼
び、記号では0で表すことがある]、(III)水ガラ
ス硬化剤、(IV)水とを含有してなり、その溶液が海
相−島相からなる不均一相構造を成すと同時に、該溶液
中に配合された全アルカリ水ガラス成分の少なくとも6
0重量%以上が海相に分配させてなるO/W型の不均一
組成物である。好ましくは、同時に、該溶液中に配合の
全水溶性有機高分子成分の少なくとも50重量%以上が
島相にそれざれ分配させてなるO/W型の該水ガラス溶
液組成物とする事がよい。
【0032】(イ)の水ガラス溶液組成物は、調製直後
からゲル化までの間の該溶液組成物は極く薄い白濁系を
成し、少なくとも2相以上のいわゆる海相−島相からな
る複相構造(以下単に海島構造と呼ぶ)を成している事
が肝要な点として挙げられる。ただし、その調製直後の
液組成物が一旦は均一透明な液系を経た後、水ガラスの
硬化反応の進行に伴ってまたは液温を徐々に下げる等の
操作によって、2つまたはそれ以上の複相が新たに発現
するケースを包含するものである。
【0033】2相またはそれ以上からなる海島構造を成
している事を確認する手段としては、すでに公知の相構
造観察法で判定して良く、特に制約は無いが、好ましく
は以下の方法で判別した結果で表される。その一つに
は、その混合溶液の1滴を透明なスライドガラス上面に
採取した後、すばやく生物顕微鏡または位相差型光学顕
微鏡で覗いて、2相またはそれ以上の液相の存在を示す
光透過画像を得た場合である。その際、肉眼で観察す
る、または静止画写真に取る、またはビデオテープや光
ディスク等にその光透過画像情報を記録すると同時にブ
ラウン管でその像を表示する等の方法を適宜採用して良
い。また別の判別方法の一つとしては、試験管内に一定
量を採取した後、そのまま静置状態ではすぐに上下2層
に分離しないが、毎分100〜50,000回転下に3
0秒〜数時間遠心分離器にかけることにより試験管内部
の液面が2つまたはそれ以上の複層分離が観察されれば
海島構造を成す系であると判別できる。
【0034】また前記の(イ)の水ガラス溶液組成物や
そのウェットゲルのO/W型の海島構造に於いて、特に
島相を形成する液滴の大きさ(島相のサイズ)や形には
特に限定は無い。好ましくは島相サイズとしては0.0
1μm〜1mmの範囲、より好ましくは0.1μm〜5
00μmの範囲、より最も好ましくは1μm〜200μ
mの範囲にある事が良い。またその島相の好ましい形状
には、例えば角に丸みを持つ多面体状、球状、フットボ
ール状、タマゴ状、円柱状、円盤状、ドーナツ状、角柱
状、ダンゴ状、糸状、ブドウの房状、落下途中の雨滴
状、アメーバ状などが挙げられる。特に好ましくは角に
丸みを持つ10〜18多面体状や球状またはフットボー
ル状並びらそれらの2次集合形などで存在している事が
好ましい事である。
【0035】本発明記載の(イ)の水ガラス溶液組成物
に於いては、その系中に含まれる全(I)アルカリ水ガ
ラス量を100とした時、その60〜100重量%相当
量が、より好ましくは80〜100%相当量が海相に分
配されてなるO/W型の溶液とする事が肝要なことであ
るとした。なお、好ましくはその系中に含まれる全(I
I)水溶性有機高分子量を100とした時、その60〜
100重量%相当量が、より好ましくは80〜100%
相当量が島相に多く分配されている事を前記した事と同
時に満足させてなる該組成物がより好ましいものとして
挙げられる。
【0036】前記した要件を満足する(イ)の水ガラス
溶液組成物からは、1軸圧縮強度特性がおよそ2〜30
kgf/cm2の高強度で耐水性に富むウェットゲルが
生成され、本発明記載のO/W型(イ)水ガラス溶液組
成物の特徴の一つである。また更に、そのウェットゲル
を特定された条件下で適宜脱水乾燥および/または高温
で焼成して誘導されるシリカエアロゲルは、非常に軽量
でかつ1軸圧縮強度特性をおよそ3〜50kgf/cm
2程度とかなり超高強度な物とする事が出来、該ウェッ
トゲルの特徴のひとつである。
【0037】前記した逆のW/O型の(イ)の水ガラス
溶液組成物では、しばしば得られるウェットゲルは軟弱
またはペースト状であり、一定の形に附形して取りだす
事が困難である。それ故、W/O型の(イ)の水ガラス
溶液組成物からは本発明目的に合うシリカエアロゲルは
製造出来ない。
【0038】ところで前記(I)〜(IV)の必須4成
分を含有してなる(イ)水ガラス溶液組成物が、前記し
た要件を満足してなるO/W型の溶液であるか否かを事
前に判別する方法としては、特に制約する物では無い
が、以下の方法が判別する事が好ましい。その判別方法
の一つは、水ガラス硬化剤を除いた3成分系、すなわ
ち、(I)アルカリ水ガラス−(II)水溶性有機高分
子−(IV)水の3成分系からなる相平衡図を事前に求
めておいて、その(I)アルカリ水ガラスの海相への分
配率をその相平衡図から概算する方法である。該3成分
からなる相平衡図からは、一般的にアルカリ水ガラスを
高率で分配含有してなる海相を安定的に形成する組成領
域、ならびに均一系しか形成しない組成領域等を知る事
が出来る。なお、(I)アルカリ水ガラス−(II)水
溶性有機高分子−(IV)水の3成分系からなる相平衡
図を作成するに際しては、その構成をかえてなりかつ不
均一溶液な3成分系組成物を一定温度下で数種類調整
し、その組成物をそれぞれ強制的に遠心分離して上下各
層を分別採取秤量する。分別採取した上層、下層の容量
または重量の測定結果からは、海相ならびに島相のそれ
ぞれの分配容積比率または各分配重量比率が判明する。
また採取した上層、下層の各試料を用いてそれぞれの相
中(層中)の(I)アルカリ水ガラス濃度や(II)水
溶性有機高分子濃度ならびに(IV)水濃度を求める事
で容易に作図できる。
【0039】一般的に(I)のアルカリ水ガラス濃度を
求める分析方法としては、例えばJIS−K−1408
に準じた方法が良い。JIS−K−1408はいわゆる
メチルオレンジを指示薬とする既知濃度の塩酸溶液を用
いた中和滴定分析法であり、試料中の(Na2O+K
2O)で表される含有濃度として求められる。またJI
S−K−1408ではSiO2の分析法も開示されてお
り、その両方の測定値から系中(分離された各溶液層
中)のアルカリ水ガラス濃度が判明する。一般に市販の
アルカリ水ガラス溶液を購入して使用する場合では事前
に品質証明としてSiO2/Na2Oのモル比、SiO2
/K2Oのモル比、SiO2濃度、Na2O濃度、K2O濃
度等が明らかになっていることから、市販のアルカリ水
ガラスを用いた該3成分系の相平衡測定では、分離採取
した各層中の例えばSiO2濃度、Na2OまたはK2
濃度のいずれか1つを求め、その値を元にアルカリ水ガ
ラス含有量(珪酸塩濃度)を容易に算出できる。また海
相を占める液層中のアルカリ水ガラス含有総量が求まれ
ば、次の計算式:海相を占めるアルカリ水ガラスの分配
率%=(海相中のアルカリ水ガラス含有総量値/グラウ
ト剤組成物中に配合したアルカリ水ガラス量)×10
0]が求まる。
【0040】また一般的に(II)水溶性有機高分子濃
度を求める方法としては、公知の定量方法を適宜採用し
てよく、例えば吸光度定量法、有機炭素分析換算法、疎
水性有機溶媒抽出法などが挙げられる。また(IV)水
の濃度を求める一般的な方法としては、この系の場合、
たとえば蒸発乾固重量法で無機固形量と蒸発成分量(濃
度)とを求め、その蒸発減量値(濃度)から別に求めた
(II)水溶性有機高分子濃度を差し引いて求めること
でよい。
【0041】前記した方法で求めた相図より、海相中に
占める(I)アルカリ水ガラスの分配率として、仕込の
全アルカリ水ガラス量を100とした時、その60重量
%以上、好ましくは80〜100重量%の範囲となる様
な3成分組成を事前に知ってのち、その系に(III)
水ガラス硬化剤の必要量を加えて本発明記載の(イ)水
ガラス溶液組成物を調製する方法を特に推奨するもので
ある。
【0042】ところで(イ)水ガラス溶液組成物に於け
る海相中に占める(I)アルカリ水ガラスの分配率を直
接求める分析方法は以下の方法が代表的である。例え
ば、ゲルタイムが3分以上あり、かつ(III)水ガラ
ス硬化剤としてアルカリ水中で徐々に酸を遊離放出する
性質を持つ水溶性有機単量硬化剤を用いた溶液系に於い
ては、直接その組成物を短時間内に半強制的に高速遠心
分離器にかけて2層に分離後、すばやく下相または上相
の構成容量や構成重量を実測すると共に、上下2層から
それぞれ一定量の試料を採取し、その秤量サンプルを用
いた500〜800℃焼却加熱残分を[Si2O+Na2
O+K2O]量とする事でアルカリ水ガラス分配相中に
対する全アルカリ水ガラスの分配比率を直接知る事が出
来る。
【0043】また例えば、ゲルタイムが3分未満である
場合、またゲルタイムが3分以上ありかつ(III)水
ガラス硬化剤として無機質硬化剤を用いてなる(イ)水
ガラス溶液組成物とすめケースでは、前記3成分系の相
平衡概念図での値で代用しても良い。好ましくは該組成
物からなる直接ウェットゲル体を得て後、そのミクロな
構造形態観察と同時に同画像を用いた、炭素、Si、N
a、K等の構成要件からくる必須構成元素に着目した元
素分析解析図形から各複相を構成する成分構成比を各相
ごとに定量分析する方法で得た値としてよい。すなわ
ち、前記した方法やその他公知の組成分解析定量法のい
ずれかで求めた(I)アルカリ水ガラスの海相に対する
分配率の値が、前記した要件の範囲にあるものは本発明
記載の(イ)水ガラス溶液組成物として好ましく包含さ
れる。
【0044】ところで、一般的に知られる均一系で取り
あつかわれる公知のアルカリ水ガラス溶液の硬化反応で
は、生成する珪酸コロイドの析出凝集を進めれば進める
ほど、その占有ゲル体積は元の溶液体積よりかなり減少
する事が知られ、その事は離漿水の発生で肉眼でしばし
ば観察される現象である。またその際生成する珪酸コロ
イドは通常数ノナメーターから数十ノナメーターサイズ
の範囲の1次粒子といわれ、その1次粒子が凝集および
/または結合して一定体積の含水ゲルを与える事が公知
である。
【0045】本発明記載の(イ)水ガラス溶液組成物で
はアルカリ水ガラスの硬化挙動が主に海相に局在化され
て発生する点が極めて特徴的である。その為アルカリ水
ガラスの硬化反応の進行に伴う相構造変化は海相の占有
体積を減少しながら進行する硬化挙動を呈する。また島
相は膨張し占有体積を増大させる相構造変化が観察され
る。こうした相構造の変化によって本発明記載の(イ)
水ガラス溶液組成物から生成されるウェットゲルはみか
け蜂の巣様のミクロO/W型の構造を持つ。また該複相
含水ゲルを乾燥および/または焼結することで本発明の
目的の軽量で高強度かつ耐水性に富むシリカエアロゲル
が製造可能となる。
【0046】ところで(イ)水ガラス溶液組成物は、前
記した(I)〜(IV)の各成分を必須成分として構成
された1液型または2液型または3液混合型の組成物と
することで良く、特に制約はない。特に2液型が好まし
い。その2液型とする際には、例えば(I)と(IV)
から成る液、または(I)と(II)と(IV)とを含
む液、またさらには(I)と(II)と(IV)と30
分以内は全くゲルを呈さない範囲で更に(III)とを
含む液をそれぞれ主剤液として取り扱う事が出来る。ま
た一方、硬化剤液としては例えば、(III)と(I
V)からなる液、または(II)と(III)と(I
V)とからなる液、またさらには(II)と(III)
と(IV)と30分以内は全くゲルを呈さない範囲で更
に(I)とを含む液等をそれぞれ硬化剤液として取り扱
う事が出来、特にその調整方法や取扱形態などには制約
は無い。一般にゲルタイムが30分以上ある場合には1
液型の(イ)水ガラス溶液組成物として取り扱うことが
可能で、その際には1ショット方式で取り扱ってよく、
ゲル化しない時間内にすべての液が用意された成型容器
内に1ショットで供給吐出されることが好ましい。また
2液型からなる(イ)水ガラス溶液組成物では主剤液と
硬化剤液とを1.5ショット方式または2ショット方式
のいずれかで取扱、所定の成型容器内に送液すると共に
混和吐出されることが好ましい。
【0047】また(イ)水ガラス溶液組成物に於いて、
好ましくは(I)アルカリ水ガラスと(IV)水とから
なる水溶液を主剤液Aとし、一方下記の水溶性有機高分
子(II)と下記の水ガラス硬化剤(III)と(I
V)水とから成る硬化剤液Bとの2液を事前に用意し、
必要に際してその2液を主剤:硬化剤で表される混和容
量比率で(10:100)〜(100:10)の範囲、
より好ましくは1:1に出来る限り近似混合させて得ら
れる(イ)水ガラス溶液組成物とする事が良い。その理
由は主剤液Aと硬化剤液Bとの混合比率に準じて容易に
任意なゲルタイムおよびウェットゲル強度を任意に調整
可能で有るからである。また各2液自体の保存安定性に
優れていることもその理由の一つに加えられる。
【0048】次に(イ)水ガラス溶液組成物を構成する
上で必須成分の一つである(I)アルカリ水ガラスにつ
いて詳細に記述する。本発明記載の(I)アルカリ水ガ
ラスとは、詳しくは水溶性かつ非晶質な珪酸ナトリウム
および/または珪酸カリウムの事であり、すでに公知の
物を何等問題無く使用でき、特に制約する物では無い
が、具体例としては例えばSiO2/Na2Oおよび/ま
たはSiO2/K2Oで表されるモル比で1〜50で表さ
れる珪酸ナトリウムおよび/または珪酸カリウムがあげ
られる。また更に好ましく物に、SiO2/Na2Oおよ
び/またはSiO2/K2Oのモル比が1〜4.5で表さ
れるものをあげることができる。
【0049】本発明記載の特に推奨される2液主剤型の
(イ)水ガラス溶液組成物に於いては、(I)アルカリ
水ガラスと(IV)水とからなる溶液を主剤液Aとして
用いる事が良い。その主剤液A中に占めるアルカリ水ガ
ラスの含有濃度は水溶液状態で送液できる最高粘度を限
界とし、特に制約は無いが、一般的には固形分換算濃度
で5〜50重量%の範囲、より好ましくは10〜35重
量%の範囲、最も経済的には10〜25重量%が適当で
ある。5重量%以下では1軸圧縮強度で3kgf/cm
2以上のシリカエアロゲルを再現性良く誘導出来ない事
があるので留意が必要である。
【0050】ここでSiO2/Na2Oのモル比が1〜
4.5で表される珪酸ソーダ系水ガラスとしては、例え
ばオルト珪酸ソーダの他、日本工業規格・JIS K−
1408に規定されている1号〜4号珪酸ソーダ等を挙
げることが出来る。特に3号珪酸ソーダは市場で最も入
手しやすい事から大いに好ましい例である。
【0051】JIS3号珪酸ソーダは、SiO2含有量
が28〜30重量%、Na2O含有量が9〜10重量%
と日本工業規格に規定されており、その規定値から算出
されるSiO2/Na2Oのモル比は2.8〜3.33で
ある。
【0052】SiO2/K2Oのモル比が1〜5で表され
る珪酸カリも前記した珪酸ソーダ同様である。
【0053】またSiO2/Na2Oおよび/またはSi
2/K2Oのモル比が5〜50のアルカリ水ガラスに
は、前記JIS適合水ガラスをすでに公知の処理法であ
る例えばイオン交換樹脂で脱アルカリと同時にポリ珪酸
反応を適宜進めて製造された弱アルカリ性のコロイド水
ガラス溶液などを列記できる。SiO2/Na2Oおよび
/またはSiO2/K2Oのモル比が1以下の物を選定使
用した場合、その(I)アルカリ水ガラスのアルカリ分
を中和または凝結活性するに必要な(III)水ガラス
硬化剤を、高濃度かつ大量に使用する必要がある事から
経済的に不利となる傾向がある。
【0054】また前記(I)アルカリ水ガラスにはSi
2/Na2Oおよび/またはSiO2/K2Oのモル比が
50以上からなるアルカリ水ガラスを選定使用する場
合、得られる(イ)水ガラス溶液組成物が高価格となる
傾向にあり不経済である。
【0055】次に本発明記載の(イ)水ガラス溶液組成
物を構成する上で必須成分の一つである(II)水溶性
有機高分子について詳細に記述する。その(II)水溶
性有機高分子とは、水に対しいかなる割合にも相溶およ
び/またはミクロ分散安定化する性質を示すとともに、
その含有水溶液はアルカリ水ガラス溶液と混和させると
相溶せずに不均一相を形成する性質を示す物であれば良
く、すでに公知の水溶性有機高分子やその機能を持って
いると確認される新規な水溶性有機高分子物質等を適宜
選択使用して良く、特に限定は無い。
【0056】好ましくはその(II)水溶性有機高分子
としては、例えば(a)水溶性ポリエーテルポリオー
ル、(b)水溶性ポリビニルアルコール、(c)水溶性
デンプン、(d)水溶性セルロース誘導体、(e)水溶
性ポリアルキレンオキサイド、(f)水溶性アクリル、
(g)水溶性ポリエポキサイド、(h)水溶性ウレタン
ポリビニルアルコール、(i)水溶性ポリビニルピロリ
ドン、(j)水溶性アクリルアミド、(k)水溶性ポリ
−N−ビニルアセトアミド、(l)水溶性アミノ樹脂な
どから選ばれた1種または2種以上の混合物が代表的で
ある。前記(a)〜(l)等はいわゆるアルカリ水ガラ
スと非反応性の水溶性有機高分子である。
【0057】(a)水溶性ポリエーテルポリオールとは
すでに公知のもので良く、特に制約は無い。一般的には
別名水溶性ポリアルキレングリコールまたは水溶性ポリ
オールとも言われ、炭素数2〜5の整数で表されるアル
キレン基のエーテル結合連鎖構造を持ち末端基がヒドロ
キシル基で安定化された水に相溶するポリオールであれ
ば好ましく包含され、好ましくはポリエーテル系ジオー
ルやポリエーテル系トリオールとする事が良い。 (b)水溶性ポリビニルアルコールとはすでに公知のも
ので良く、特に制約は無く、例えばポリ酢酸ビニル重合
体を一部および/または全部ケン化(脱酢酸反応)変性
して得た水に溶解またはミクロ分散安定なものとする事
が良い。 (c)水溶性デンプンとはすでに公知のもので良く、特
に制約は無く、カチオン化デンプン、酸化デンプンなど
であって良い。 (d)水溶性セルロース誘導体とはすでに公知のもので
良く、特に制約は無く、例えばメチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース等であって良い。 (e)水溶性ポリアルキレンオキサイドとはすでに公知
のもので良く、特に制約は無く、例えばポリエチレンオ
キサイドで代表される。
【0058】(f)水溶性ポリアクリルすでに公知のも
ので良く、特に制約は無く、たとえば水溶性ポリヒドロ
キシアクリレート、水溶性ポリヒドロキシメタクリレー
ト、ヒドロキシアクリレートおよび/またはヒドロキシ
メタクリレートとアクリル酸および/またはメタアクリ
ル酸などの水溶性2元共重合体または更にその他の共重
合可能なアクリレート類との水溶性3元共重合体等で代
表される。 (g)水溶性ポリエポキサイドとはすでに公知のもので
良く、特に制約は無く、前記したポリアルキレングリコ
ールのモノエポキサイドを含む多価エポキサイド化合物
で代表される。 (h)水溶性ポリウレタンとはすでに公知のもので良
く、特に制約は無く、前記したポリアルキレングリコー
ルとジイソシアナート化合物から誘導された水溶性の樹
脂やその乳化樹脂溶液が代表的な例である。 (i)水溶性ポリビニルピロリドンとはすでに公知のも
ので良く、特に制約は無く、例えばN−ビニルピロリド
ンの高分子量体やその水溶性の2元共重合体樹脂等で代
表される。
【0059】(j)水溶性アクリルアミドとはすでに公
知のもので良く、特に制約は無く、例えばアクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N−ジメチルアクリルアミド、
N−ジメチルメタクリルアミド等で代表される(メタ)
アクリルアミドモノマーのホモポリマーやコポリマー、
またはそのモノマーと共重合可能なビニル化合物との水
溶性コポリマーが代表的である。 (k)水溶性ポリ−N−ビニルアセトアミドとはすでに
公知のもので良く、特に制約は無く、N−ビニルアセト
アミドモノマーを用いたホモポリマーや水溶性コポリマ
ーが代表的である。
【0060】(l)水溶性アミノ樹脂とはすでに公知の
もので良く、特に制約は無く、エポキシ樹脂の常温硬化
剤として利用されている水溶性または自己乳化型ポリア
ミン樹脂(水溶性ポリアルキレンエーテルモノアミン、
水溶性ポリアルキレンエーテルジアミン、水溶性ポリア
ルキレンエーテルトリアミン等を含む意味である。)
や、また例えば尿素−ホルマリン樹脂、尿素−メラミン
−ホルマリン樹脂等であっても良い。
【0061】特に好ましい(II)水ガラス有機高分子
としては、前記(a)〜(h)から選ばれた1種または
2種以上の混合物とすることが良い。また更に好ましく
は、平均重量平均分子量が2,000〜50,000の
範囲にあり、かつ(a)水溶性ポリエーテルポリオー
ル、(e)水溶性ポリアルキレンオキサイド、(h)水
溶性ウレタンから選ばれた1種または2種以上の混合物
であるとする事が良い。
【0062】また前記した以外で本発明の(II)水ガ
ラス有機高分子として適用出来る物の具体例としては、
加水分解によってシロキサン架橋する性質を示す式I
【化3】 式I; −Si(R1n−(X)3-n (但し、R1は水素原子、クロル原子、メチル基、エチ
ル基、プロピル基から選ばれた1種、Xは炭素数が1〜
5の整数で表されるアルコキシル基、オキシム基、アセ
トキシル基から選ばれた一種、nは0〜1をそれぞれ表
す。)で表される活性シリル基末端を1分子中に少なく
とも平均0.7ケ以上導入され、その活性シリル基を除
く主鎖が水溶性の、アクリル、ウレタン、ポリエーテ
ル、ポリエーテルポリエステル、ポリエステルから選ば
れた1種または2種以上であり、重量平均分子量が2,
000〜50,000の範囲にある活性シリル基含有プ
レポリマー(II−1)および/またはその加水分解生
成物である活性シラノール基含有プレポリマー(II−
2)等が好ましく挙げられる。
【0063】活性シリル基含有プレポリマー(II−
1)はすでに公知の方法で得て良く、製造方法等には制
約は無い。活性シリル基を分子末端に持つ高分子の製造
方法の代表的な公知製造例としては、例えば特開昭50
−156599号に代表されるポリエーテル骨格を持つ
シリル変性組成物の製造方法、または特開昭53−13
9695号に代表されるポリエステル骨格を持つシリル
変性組成物の製造方法等が良く知られている。本発明記
載の活性シリル基含有プレポリマーはその公知方法に準
じた方法で容易に製造可能である。
【0064】活性シリル基含有プレポリマー(II−
1)のより詳細な具体的例を挙げる。例えば、グリセリ
ン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、エチレンジアミン、トリメチロールプロ
パン、ペンタエリスリトール、炭素数1〜8の整数で表
される脂肪族およびまたは芳香族または脂環族のモノア
ルコール類等から選ばれた1種である活性水素基含有低
分子化合物に対し、その全付加変性量を100として算
出されたエチレンオキサイドの60〜100重量%とプ
ロピレンオキサイドおよびまたはブチレンオキサイドの
40〜0重量%の付加変性誘導体であるポリアルキレン
グリコール骨格(以下ではポリエーテル骨格とも呼ぶ)
を成す前記一般式Iで示された末端シリル基変性のポリ
エーテル系プレポリマー、および/または、例えば分子
量が低くとも1,000以上のポリエチレングリコール
と琥珀酸、マレイン酸、アジピン酸等の脂肪族二塩基酸
とから誘導された水溶性のポリエーテルポリエステル骨
格を成す前記式Iで示された末端シリル基変性のポリエ
ーテルポリエステル系プレポリマー、および/または、
例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、テトラエチレングリコール等の
高くとも重量平均分子量が1,000以下のグリコール
類と、琥珀酸、マレイン酸、アジピン酸等の脂肪族二塩
基酸から選ばれた1種または2種以上とをエステル化し
て得た、いわゆるポリエステル骨格を成す前記一般式I
で示された末端シリル基変性のポリエステル系プレポリ
マー、または重量平均分子量が400〜3,000以内
のポリエチレングリコールとヘキサメチレンジイソシア
ネートやノルボルナンジイソシアネートで代表される脂
肪属ジイソシアネート化合物とから誘導される水溶性ポ
リウレタンポリオール骨格を成す前記一般式Iで示され
た末端シリル基変性のポリウレタン系プレポリマー等の
例が挙げられる。特に経済性の点で水溶性の末端シリル
基変性のポリエーテル系プレポリマーまたはポリウレタ
ン系プレポリマーのいずれかとする事が特に好ましい。
【0065】本発明記載の活性シリル基含有プレポリマ
ー(II−1)では、前記式IのR1がメチル基、エチ
ル基、プロピル基から選ばれた1種、Xが炭素数が1〜
5の整数で表されるアルコキシル基、アセトキシル基か
ら選ばれた一種とする活性シリル基末端を1分子中に少
なくとも平均1.2〜6ケ導入され、その活性シリル基
を除く主鎖が水溶性のポリエーテルであり、重量平均分
子量が2,000〜20,000の範囲にある活性シリ
ル基含有プレポリマーとする事がよい更に好ましい。ま
たより得な最も好ましくは、その活性シリル基末端を1
分子中に少なくとも平均2〜3ケ導入されてなるものが
挙げられる。
【0066】次に、活性活性シラノール基含有プレポリ
マー(II−2)とは、下記の式−III
【化4】 −Si(R1n−(Y)3-n 式−III (但し、R1は塩素原子、水素原子、メチル基、エチル
基、プロピル基から選ばれた1種、Yは−O・H基、
−O・Na基、−O・K基、−O・Li基から選
ばれた1種、nは0〜1をそれぞれ表す。)で表される
活性シラノール基末端を1分子中少なくとも平均0.7
ケ以上導入され、かつその活性シラノール基導入部分を
除く主鎖有機高分子の重量平均分子量が2,000〜5
0,000の範囲の1種または2種以上から成る組成物
の事であり、その製造方法などに制約は無い。R1とし
て好ましくはメチル基、エチル基のいずれかであり、ま
た好ましいY基には−O・H基および/または−O
・Na基が挙げられる。
【0067】活性シラノール基含有プレポリマー(II
−2)を事前に得る方法では、例えば前記した活性シリ
ル基含有プレポリマー(II−1)を水で加水分解する
方法等で容易に得ることが出来る。またその際、遊離生
成する加水分解遊離揮発性成分は適宜系外に除去精製す
る方法が特に好ましい。
【0068】本発明記載の(II)水溶性有機高分子の
1種として特に活性シラノール基含有プレポリマー(I
I−2)を使用する事の利点としては以下の点を挙げる
ことができる。水に基本的に非相溶の活性シリル基含有
プレポリマー(II−1)ではそのまま(II)成分の
1種として使用できないが、その水に基本的に非相溶の
活性シリル基含有プレポリマー(II−1)を加水分解
して前記式−IIIに改質すると、そのものは水に相溶
および/またはミクロに懸濁する性質とする事が出来る
利点を示す。すなわち、水に難溶またはすぐ2層分離し
てしまう非相溶性の有機ポリオール類を高分子骨格とす
る活性シリル基含有プレポリマー(II−1)前駆体は
(II)の1成分とは成りえないが、該前駆体を更に加
水分解して製造された活性シラノール基含有プレポリマ
ー(II−2)は(II)の好ましい1種として有効に
使用出来る利点を持つ。
【0069】活性シラノール基含有プレポリマー(II
−2)は、活性シラノール基末端を1分子中に好ましく
は2〜6ケ有してなる物が良く、特に好ましくは2〜3
ケである。またその重量平均分子量は2,000〜3
0,000の範囲がより好ましいと言える。また活性シ
ラノール基含有プレポリマー(II−2)を液状で安定
に取り扱う目的でアルカリ水希釈溶液の形態で取り扱う
事は大いに好ましい。そして該アルカリ度はpH値で9
〜14で良く、より好ましくは10〜13.8の範囲が
より好ましい。また前記したpH値を達成する手段とし
て水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム
などから選ばれた1種を溶存させることで達成すること
が良い。一方、該活性シラノール基含有プレポリマー
(II−2)のpH値で0.1〜6の酸性水希釈溶液と
する事でも良く特に制約は無い。例えば公知の無機酸や
水溶性の有機酸を少量共存させて該pH値領域下の水希
釈溶液とすることで良い。
【0070】また(II)水溶性有機高分子では、前記
(a)〜(h)の1種および/または2種以上で表され
るいわゆるアルカリ水ガラスと非反応性の水溶性有機高
分子と、前記活性シリル基含有プレポリマー(II−
1)とを併用する形で使用されて何等問題無く、その配
合比率を非反応性水溶性有機高分子:活性シリル基含有
プレポリマーで表される重量比率で(1:100)〜
(100:1)の範囲で使用されて良い。
【0071】また(II)水溶性有機高分子成分として
は、それ自体の水溶液安定性からして、活性シラノール
基含有プレポリマー(II−2)よりも活性シリル基含
有プレポリマー(II−1)の方が、活性シリル基含有
プレポリマー(II−1)よりも非反応性の水溶性有機
高分子の方がより優位である。
【0072】(II)水溶性有機高分子の最小使用配合
量としては、(イ)水ガラス溶液組成物が海島のO/W
型複相溶液を成す量(範囲)で表され、一方最大配合量
は系の粘度がB型粘度計測定値で50ポイズを越えない
配合量で用いる事が肝要な事である。特に制約するもの
では無いが、(イ)水ガラス溶液組成物を特に2液主剤
型とした際の主剤液Aおよび/または硬化剤液B中に
は、おおよそ含有濃度が2.5〜50重量%の範囲、よ
り好ましくは5〜35重量%の範囲とする事が良い。そ
の理由は、2.5重量%以下では不均一相を形成しずら
い傾向にあるからであり、50重量%以上では経済的に
不利となる傾向にあるからである。なお、(II)の含
有濃度2.5〜50重量%の範囲は本発明を何等特に制
約するものでは無い。
【0073】次に本発明記載の(イ)水ガラス溶液組成
物の必須構成成分の一つである(III)水ガラス硬化
剤について詳細に記述する。その(III)水ガラス硬
化剤とは、すでに公知のアルカリ水ガラスの硬化剤やそ
の機能を持っている水溶性物質であれば好ましく包含さ
れ、特に制約は無く、以下に代表的な例を列記する。例
えば、塩酸、硝酸、硫酸、ホウ酸、燐酸などで代表され
る無機酸類、水溶性重硫酸塩類、水溶性重炭酸塩類、水
溶性酸性硫酸塩類、水溶性酸性燐酸塩類等で代表される
無機酸塩類、水溶性有機酸類、アルカリ水中で徐放性の
酸を放出する水溶性有機単量硬化剤等が挙げられ、それ
らの1種または2種以上を併用してなる物が好ましい例
である。
【0074】前記の硫酸とは工業的に入手可能なもので
あれば良く、粗硫酸であったり、精製硫酸、濃硫酸、希
薄硫酸溶液、無水硫酸などであって良い。また前記燐酸
についても同様に、燐鉱石と硫酸と水から誘導されかつ
脱石膏、脱フッ素化工程を経て産出される粗燐酸または
精製燐酸またはそれらの希薄溶液であって良い。また水
溶性重硫酸塩類の具体例には例えば重硫酸ナトリウム、
重硫酸カリウム、重硫酸リチウム等が挙げられる。また
水溶性重炭酸塩には例えば重炭酸ナトリウム、重炭酸カ
リウム、重炭酸リチウム等を例示できる。また更に水溶
性酸性硫酸塩には例えば硫酸マグネシウム等の具体例が
あげられる。また水溶性酸性燐酸塩には例えば燐酸2水
素ナトリウム塩、燐酸2水素カリウム塩、酸性ピロ燐酸
ナトリウム塩、酸性ピロ燐酸カリウム塩、メタ燐酸ナト
リウム、メタ燐酸カリウム等を例示できる。
【0075】また前記水溶性有機酸の例としては例えば
蟻酸、無水酢酸または酢酸、グリコール酸、グリオキシ
ル酸、乳酸、リンゴ酸、ソルビン酸、フィチン酸、アビ
エチン酸等やそれら水溶性の酸性塩類等を例示でき、よ
り最も好ましい水溶性有機酸の例には無水酢酸または酢
酸、フィチン酸とその酸性塩類を例示出来る。
【0076】また前記したアルカリ水中で徐放性の酸を
放出する水溶性有機単量硬化剤には、例えばグリオキザ
ールで代表される水溶性アルデヒド化合物類、エチレン
カーボネートやプロピレンカーボネートの如きアルキレ
ンカーボネート化合物類、γ−ブチロラクトンで代表さ
れる環状ラクトン類、2酢酸エチレン(以下の記載では
エチレングリコールジアセテートとも言う)で代表され
る低分子グリコール類のアセテート化合物類、コハク酸
ジメチルエステル、コハク酸ジエチルエステル、コハク
酸ジプロピルエステル、アジピン酸ジメチルエステル、
アジピン酸ジエチルエステル、アジピン酸ジプロピルエ
ステル、マレイン酸ジメチルエステル、マレイン酸ジエ
チルエステル、マレイン酸ジプロピルエステル、イタコ
ン酸ジメチルエステル、イタコン酸ジエチルエステル、
イタコン酸ジプロピルエステル等で代表される2塩基酸
アルキルエステル類(以下の記載では別名:ジカルボン
酸アルキルエステル類とも言う)などが例示出来る。
【0077】(III)水ガラス硬化剤としてより好ま
しくは、アルカリ水中で徐放性の酸を放出する水溶性有
機単量硬化剤が水溶性アルキレンカーボネート類、水溶
性ラクトン類、水溶性アルキレングリコールジアセテー
ト化合物、水溶性ジカルボン酸アルキルエステル類等か
ら選ばれた1種または2種以上とする態様例、また前記
した無機酸の1種とアルカリ水中で徐放性の酸を放出す
る水溶性有機単量硬化剤の1種とを必ず併用してなる態
様例、また塩酸、水溶性の重炭酸塩類、硫酸、水溶性の
重硫酸塩類、燐酸および/またはその水溶性酸性塩類か
ら選ばれた1種または2種以上から成る態様例、高圧炭
酸ガスまたは液化炭酸水とする態様例、水溶性酸性塩類
から選ばれた1種とアルカリ水中で徐放性の酸を放出す
る水溶性有機単量硬化剤の1種とを必ず併用してなる態
様例等がそれぞれ好ましい事として挙げられる。
【0078】ここで(III)をグリオキザールの単独
とした場合には、その使用割合の割に、ゲル化が一般的
にゆっくりと進行する特徴を持つ。すなわち、中結〜超
長結型のゲルタイム特性を与えやすい。一方、(II
I)が水溶性アルキレングリコールジアセテート化合物
であり、それらの内、炭素数が2から4の整数で表され
るアルキレングリコールのモノおよび/またはジアセチ
ル化物またはグリセリンのジおよび/またはトリアセテ
ートから選ばれた少なくとも1種である場合、その使用
割合の割にゲルタイムが比較的早い特徴を持つ。言換え
れば、(イ)水ガラス溶液組成物中に含有される(II
I)の含有モル濃度を一定とした比較で、その作用効果
が比較的緩やかである(III)にはグリオキザールが
挙げられ、その作用効果が強く働く(III)に水溶性
アルキレングリコールジアセテート化合物、アルキレン
カーボネート類、ジカルボン酸アルキルエステル類があ
げられる。環状ラクトン類はそれらの中間的な位置付け
がされる。
【0079】2酢酸エチレン以外の水溶性アルキレング
リコールジアセテート化合物の例には、例えば、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオ−ル、1,5−ペンタンジオールなどのモノおよび
/またはジアセチル化物が好ましい例として挙げられ
る。
【0080】また本発明記載の(III)の更に好まし
い物質としては、エチレンカーボネートまたはプロピレ
ンカーボネートの単独系とする事や、γ−ブチロラクト
ンの単独系とする事がより更に好ましい。その理由の1
つには、それ自体純度の良い物が容易に入手出来、本発
明の記載の硬化剤液Bの溶液保存安定性をより一層確保
出来る点にある。その理由の2つ目には、(イ)水ガラ
ス溶液組成物に於いて前記(I)アルカリ水ガラスを多
く含む液相を海相とするに適した(III)成分と言え
るからである。
【0081】本発明記載の(イ)水ガラス溶液組成物中
に占める(III)水ガラス硬化剤の配合割合は、該組
成物中に存在する(I)アルカリ水ガラスの全アルカリ
分、すなわち(Na2O+K2O)で表される全アルカリ
分の全モル当量に対してその5〜400モル%相当分、
好ましくは10〜300モル%相当分、更により好まし
くは50〜250モル%相当分のモル当量で配合されて
なる事が良い。
【0082】また特に本発明記載の(イ)水ガラス溶液
組成物を2液主剤型とする態様例の場合には、主剤液A
の全量と一括混合された時、そのA液中に含有される
(Na2O+K2O)で表されるアルカリ成分の合計モル
当量に対して前記した割合、好ましくは50〜250モ
ル%分に相当する量とすることが好ましい態様例として
記述出来る。5モル%以下とした場合では、強固なウェ
ットゲルを生成しずらい傾向となる事、主剤の一定量に
対し大量の硬化剤を必要とする等性能と価格がアンバラ
ンスとなりやすい。400モル%以上とした場合では、
生成するゲルの強度や耐久性にそれ以上顕著な優位点を
引出せない事およびコスト面で不利となる傾向にある。
【0083】次に(IV)水成分には特に制約は無く、
例えば地下水、湧き水、雨水、河川水、湖水、イオン交
換水、純水、水道水、海水などが好ましく使用できる。
【0084】本発明の高強度軽量シリカエアロゲル成型
体の製造方法は、(1)として、前記の(イ)水ガラス
溶液組成物を離型可能な成型容器内に注ぎ込み、5℃〜
80℃未満の温度雰囲気下で静置ゲル化させ、少なくと
も2kgf/cm2以上のゲル強度にあるウェットゲル
を脱型して得た後、該ウェットゲルを1,000℃未満
の温度下で脱水乾燥および/または有機物を焼結除去す
る方法で高強度軽量なシリカエアロゲル成型体を得ると
する製造方法である。
【0085】離型可能な成型容器には特に限定は無い。
一般的には寸法安定性に富む物とする事が良く、鋼製容
器や硬質なプラステック容器などとすることが良い。該
容器内面には成型に際し事前に公知の離型剤を塗付する
など、本発明記載の(イ)水ガラス溶液組成物から誘導
される高強度なウェットゲルを容易に脱型する事が出来
る様に表面加工されている物を使用する事が好ましい。
【0086】本発明の高強度軽量シリカエアロゲルの製
造方法では、(イ)水ガラス溶液組成物を前記型に流し
込み、静置ゲル化させる事が重要であるが、静置とは連
続攪伴をしないと言う意味であり、またその際のゲル化
温度を5℃〜80℃の範囲とする事が肝要な点である。
5℃未満の低温下では著しくゲル化時間が長くなり、生
産性と経済性に欠ける傾向にからである。また80℃を
超えると逆にゲル化が極端に早くなり過ぎて均一なO/
W型の複相構造を持つウェットゲルからなる大型成型体
が得られにくい傾向にあるからである。より好ましいゲ
ル化熟成温度としては、10〜50℃の範囲、より最も
好ましくは15〜35℃の範囲とする事が再現性の点で
良い。
【0087】本発明の高強度軽量シリカエアロゲル成型
体の製造方法では、脱型する際のウェットゲルの強度は
低くとも2kgf/cm2以上、好ましくは5kgf/
cm2以上、最も好ましくは7kgf/cm2から最終到
達強度の範囲となっていることが肝要な事として挙げら
れる、すなわち、生成するウェットゲル強度が前記値に
達するまで、一定時間内の養生または塾成工程を経る事
が次に重要な点として挙げられる。2kgf/cm2
至らないウェットゲルでは脱型時に割れたり欠けたりす
ることが多く好ましく無いからである。
【0088】前記の養生または熟成工程(以下総称して
養生工程と言う)には、特に制約は無いが、例えば(I
II)水ガラス硬化剤にアルカリ水中で徐放性の酸を放
出する水溶性有機単量硬化剤の単独からなる本発明記載
の(イ)水ガラス溶液組成物から製造されたウェットゲ
ルの養生工程では、特に制約する物では無いが、例えば
室温で3時間〜28日間程度、また例えば80℃では1
0分間〜10日間程度とすることが代表的である。また
例えば(III)水ガラス硬化剤に無機酸とアルカリ水
中で徐放性の酸を放出する水溶性有機単量硬化剤の併用
系からなる本発明記載の(イ)水ガラス溶液組成物から
製造されたウェットゲルの養生工程では、特に制約する
物では無いが、例えば室温で1時間〜120時間程度と
することが好ましい。また養生の方法としては、オート
クレーブ容器中で高圧下で加熱養生促進する方法、温水
浴に浸漬して養生促進する方法、有機溶剤を温めた浴槽
に一定時間浸漬促進する方法などを適宜採用しても本発
明の高強度軽量シリカエアロゲル成型体の製造方法に好
ましく包含される。
【0089】また(1)のより好ましい高強度軽量シリ
カエアロゲル成型体の製造例としては以下の(2)〜
(21)があり、記載順により好ましい製造方法であ
る。 (2)(イ)水ガラス溶液組成物がアルカリ水ガラスを
含む水溶液を主剤液Aと水ガラス硬化剤を含む水溶液を
硬化剤液Bの2液型からなり、水溶性有機高分子をその
いずれか一方の液にまたは両方の液に事前に含有させる
と共に、かつその主剤液Aと硬化剤液Bとを主剤液A:
硬化剤液Bで表した容積混合比率で(10:100)〜
(100:10)の範囲で混合してなる事を特徴とする
(1)記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体の製造
方法。
【0090】(3)水溶性有機高分子の全量が水ガラス
硬化剤を含む硬化剤液Bに事前に配合されてなる事を特
徴とする(1)または(2)記載の高強度軽量シリカエ
アロゲル成型体の製造方法。 (4)アルカリ水ガラスがSiO2/Na2Oおよび/ま
たはSiO2/K2Oで表されるモル比で1〜4.5の範
囲にある珪酸ナトリウムおよび/または珪酸カリウムと
する事を特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の
高強度軽量シリカエアロゲル成型体の製造方法。 (5)アルカリ水ガラスが日本工業規格・JIS−3号
の珪酸ナトリウム溶液とする事を特徴とする(4)記載
の高強度軽量シリカエアロゲル成型体の製造方法。
【0091】(6)水に対しいかなる割合にも相溶およ
び/またはミクロ分散安定化する性質を示す水性有機高
分子が以下の(a)〜(h)から選ばれた1種および/
または2種以上からなる事を特徴とする(1)〜(5)
のいずれかに記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体
の製造方法。 (a)水溶性ポリエーテルポリオール (b)水溶性ポリビニルアルコール (c)水溶性デンプン (d)水溶性セルロース誘導体 (e)水溶性ポリアルキレンオキサイド (f)水溶性アクリル (g)水溶性ポリエポキサイド (h)水溶性ウレタン
【0092】(7)水に対しいかなる割合にも相溶およ
び/またはミクロ分散安定化する性質を示す水溶性有機
高分子が、加水分解によってシロキサン架橋する性質を
示す式I
【化5】 式I; −Si(R1n−(X)3-n (但し、R1は水素原子、クロル原子、メチル基、エチ
ル基、プロピル基から選ばれた1種、Xは炭素数が1〜
5の整数で表されるアルコキシル基、オキシム基、アセ
トキシル基から選ばれた一種、nは0〜1をそれぞれ表
す。)で表される活性シリル基末端を1分子中に少なく
とも平均0.7ケ以上導入され、その活性シリル基を除
く主鎖が水溶性の、アクリル、ウレタン、ポリエーテ
ル、ポリエーテルポリエステル、ポリエステルから選ば
れた1種または2種以上であり、重量平均分子量が2,
000〜50,000の範囲にある活性シリル基含有プ
レポリマーおよび/またはその加水分解生成物である活
性シラノール基含有プレポリマーの1種とする事を特徴
とする(1)〜(6)のいずれかに記載の高強度軽量シ
リカエアロゲル成型体の製造方法。
【0093】(8)水に対しいかなる割合にも相溶およ
び/またはミクロ分散安定化する性質を示す水溶性有機
高分子が、前記(a)〜(b)の1種および/または2
種以上で表されるいわゆるアルカリ水ガラスと非反応性
の水溶性有機高分子と、前記活性シリル基含有プレポリ
マーとを併用する形で使用され、その配合比率を非反応
性水溶性有機高分子:活性シリル基含有プレポリマーで
表される重量比率で(1:100)〜(100:1)の
範囲で使用される事を特徴とする(1)〜(7)のいず
れかに記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体の製造
方法。 (9)水ガラス硬化剤が水溶性の有機酸、アルカリ水中
で徐放性の酸を放出する水溶性有機単量硬化剤、無機質
硬化剤、CO2などから選ばれた少なくとも1種または
2種以上を用いる事を特徴とする(1)〜(8)のいず
れかに記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体の製造
方法。
【0094】(10)アルカリ水中で徐放性の酸を放出
する水溶性有機単量硬化剤が、水溶性アルキレンカーボ
ネート類、水溶性ラクトン類、水溶性アルキレングリコ
ールジアセテート化合物、水溶性2塩基酸アルキルエス
テル類等から選ばれた1種または2種以上とする事を特
徴とする(9)記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型
体の製造方法。 (11)(1)水ガラス溶液組成物に更に高分子界面活
性剤を0.001〜5重量%の範囲で添加含有させてな
る事を特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載の
高強度軽量シリカエアロゲル成型体の製造方法。 (12)(1)水ガラス溶液組成物をゲル化させる際に
更に均一分散可能な有機繊維および/または無機繊維を
そのゲル中に占める割合で0.1〜10重量%の範囲で
複合させる事を特徴とする(1)〜(11)のいずれか
に記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体の製造方
法。
【0095】(13)2液型から成る(1)水ガラス溶
液組成物に於いて、主剤と硬化剤の2液をそれぞれ主剤
液:硬化剤液で表した容積混合比率でほぼ1:1に近似
させて混合調整される事を特徴とする(1)〜(12)
のいずれかに記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体
の製造方法。 (14)主剤液A中のアルカリ水ガラス含有濃度が固形
分換算で5〜50重量%となる様に含有させる事を特徴
とする(2)〜(13)のいずれかに記載の高強度軽量
シリカエアロゲル成型体の製造方法。 (15)主剤液Aの全量と混合された時、その主剤液A
中のNa2Oおよび/またはK2Oで表されるアルカリ分
の50〜250モル%分に相当する水ガラス硬化剤と、
水に対しいかなる割合にも相溶および/またはミクロ分
散安定化する性質を示す水溶性有機高分子の硬化剤液中
に占める含有濃度で2.5〜50重量%とを含有してな
る水溶液を硬化剤液Bとして用いる事を特徴とする
(2)〜(14)のいずれかに記載の高強度軽量シリカ
エアロゲル成型体の製造方法。
【0096】(16)(イ)水ガラス溶液組成物に於い
て主剤液Aが以下に記載の主剤液E、硬化剤液Bが以下
に記載の硬化剤液Fからなる事を特徴とする(2)〜
(15)のいずれかに記載の高強度軽量シリカエアロゲ
ル成型体の製造方法。主剤液Eとして、SiO2/Na2
Oのモル比が2.5〜3.5からなるアルカリ水ガラス
の固形分15〜40重量%とした水溶液。硬化剤液Fと
して、該主剤液Eの全量と混合された時、その硬化液E
中のNa2Oで表されるアルカリ分の50〜250モル
%分に相当するアルカリ水中で徐放性の有機酸を放出す
る水溶性有機単量硬化剤と、水溶性有機高分子がエチレ
ングリコールおよび/またはグリセリンに対し付加変性
量を100とした割合でエチレンオキサイドの80〜9
9重量%、プロピレンオキサイドの20〜1重量%をラ
ンダム付加またはブロック付加させて得られた重量平均
分子量が2,000〜30,000の範囲にあるポリエ
ーテルジオールおよび/またはポリエーテルトリオール
の1種または2種以上の硬化剤F液中に占める含有濃度
で5〜35重量%とを配合してなる水溶液。
【0097】(17)水ガラス硬化剤がグリオキザール
の単独または更に炭酸、硫酸、燐酸から選ばれた1種お
よび/または炭酸水素アルカリ金属塩または硫酸水素ア
ルカリ金属塩との併用のいずれかからなり、かつその合
計量が系中のアルカリ水ガラスの(Na2O+K2O)で
表される全アルカリ分の70〜200モル%分に相当す
る量を含有させる事を特徴とする(1)〜(16)のい
ずれか記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体の製造
方法。 (18)水ガラス硬化剤としてエチレンカーボネートま
たはプロピレンカーボネートの単独を用い、かつその合
計量が系中のアルカリ水ガラスの(Na2O+K2O)で
表される全アルカリ分の55〜110モル%分に相当す
る量を含有させる事を特徴とする(1)〜(16)のい
ずれかに記載の高強度軽量多孔質成型体の製造方法。 (19)水ガラス硬化剤としてγ−ブチロラクトンの単
独を用い、かつ混和されてなる系中のアルカリ水ガラス
の(Na2O+K2O)で表される全アルカリ分の110
〜210モル%分に相当する量を含有させる事を特徴と
する(1)〜(16)のいずれかに記載の高強度軽量シ
リカエアロゲル成型体の製造方法。 (20)水ガラス硬化剤としてアルキル鎖長部位が炭素
数1から3の整数で表される水溶性ジカルボン酸アルキ
ルエステル化合物の1種を用い、かつ混和されてなる系
中のアルカリ水ガラスの(Na2O+K2O)で表される
全アルカリ分の55〜110モル%分に相当する量を含
有させる事を特徴とする(1)〜(16)のいずれかに
記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体の製造方法。
【0098】(21) 鋼鉄製またはプラスチック製の
離型可能な成型容器中に、(イ)水ガラス溶液組成物を
流し込んで静置ゲル化させ、生成するウェットゲルのゲ
ル1軸圧縮強度が低くとも2kg/cm2を越えた時点
で、型から取りだし、更に以下の(α)〜(δ)に示す
いずれか1つ以上の工程を経て、独立気泡を内包するみ
かけ密度が0.05〜0.8g/cm3の範囲のシリカ
エアロゲル成型体を製造する事を特徴とする(1)〜
(20)のいずれかに記載の高強度軽量シリカエアロゲ
ル成型体の製造方法。 (α)室温から180℃未満の脱水乾燥工程 (β)空気または不活性ガス中1000℃未満の焼成工
程 (γ)冷却・切削工程 (δ)シーラー・塗装工程
【0099】前記(α)室温から180℃未満の脱水乾
燥工程には、特に制約は無いが、例えば40℃で30日
〜1日程度、100〜120℃では10日〜30分程度
行う事で良く、シリカエアロゲル中の自由水の含有濃度
として30重量%以内、好ましくは15重量%以内、最
も好ましくは0.01〜5%の範囲内に至るまで脱水乾
燥する事が良く、特に制約は無い。またその乾燥の方法
には公知の乾燥方法を採用して良く、例えば天日乾燥、
電熱加熱乾燥、赤外線加熱乾燥、熱風加熱乾燥、電子線
照射加熱乾燥などであって良い。
【0100】また前記(β)空気中や不活性ガス中の
1,000℃未満の焼成工程には、すでに公知の焼結方
法や焼成方法を採用して良く、例えば電気炉焼成法、ガ
ス燃焼複写熱による焼成法などを好ましく採用出来る。
好ましくは800℃未満の低温焼成法とする事、より最
も好ましくは室温または120℃乾燥温度から引続き等
速昇温し800℃とする低温昇温焼成法を採用すること
が良い。 焼成中の温度は任意に昇温または下温させて
行って良い。特に最も好ましくは、(α)工程を経た後
引続き(β)の工程を経て本発明のシリカエアロゲルを
製造する方法が特に好ましい。また更に最もおおいに好
ましくは、(α)工程を経た後引続き(β)の工程を経
て製造されるシリカエアロゲル製造方法に際して、
(β)の焼成工程を120℃から徐々に昇温させて80
0℃とし、同温度で1〜48時間保つ焼成方法を経てな
るシリカエアロゲルの製造方法がおおいに好ましい方法
である。
【0101】また前記(γ)冷却・切削工程には、特に
制約は無く、室温冷却法、冷風による強制冷却法、フロ
ン浴などによる浸漬冷却法など任意でよい。
【0102】また(ε)シーラー・塗装工程には、すで
に公知の各種発砲無機硬化体に用いられている有機高分
子および/または無機高分子からなる公知のシーラー組
成物や同塗料組成物をそのまま使用して目的を達成して
よく、特に制約は無い。好ましい例をあげれば、湿気硬
化型および/または熱硬化型のポリエステルウレタン樹
脂組成物、湿気硬化型および/または熱硬化型のアクリ
ル樹脂組成物、湿気硬化型および/または熱硬化型のシ
リコン樹脂組成物、湿気硬化型および/または熱硬化型
のフッ素樹脂組成物、熱硬化型のエポキシ樹脂組成物、
熱硬化型のメラミン樹脂組成物、熱硬化型のフェノール
樹脂組成物、熱硬化型の尿素樹脂組成物、水和硬化性セ
メント組成物、水和硬化性しっくい組成物、水和硬化性
スラグ組成物、それらの複合シーラー組成物および/ま
たは塗料組成物を用いることができる。塗付する際の制
約は無く、ハケ塗り、スプレー塗付、ロールコーター塗
付、バーコーター塗付などで行って良い。また特に制約
するものでは無いが、例えば0.01〜5kg/m2
塗付量とすることが良い。
【0103】また本発明の高強度軽量シリカエアロゲル
成型体とは、前記した(1)〜(21)のいずれかに記
載の製造方法で得られ、その破断面や切削断面の光学顕
微鏡、電子顕微鏡、マイクロスコープのいずれかで観察
測定され、多数内蔵する独立気泡サイズがおよそ0.0
1μm〜1mm未満、好ましくは1〜250μmの範囲
にある多孔質構造体からなっていることを特徴とするシ
リカエアロゲル成型物である。
【0104】また本発明の高強度軽量シリカエアロゲル
成型体のより好ましいものとしては、前記(1)〜(2
1)のいずれかに記載の製造方法で得られ、かつ1〜2
00μmサイズの独立気泡を多数内蔵すると共に角に丸
みを持つ10〜18多面体構造の該独立気泡を持つ構造
とすることが大いに好ましい態様例である。また更には
以下の(24)〜(28)で示す順により好ましい高強
度軽量シリカエアロゲル成型体の態様例である。 (24)連続相を形成している硬化膜の厚みが、0.1
μm〜5μmの範囲にあることを特徴とする(22)ま
たは(23)記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型
体。 (25)みかけの密度が0.1〜0.5g/cm3の範
囲にある事を特徴とする(22)〜(24)のいずれか
に記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体。 (26)片表面にシーラー組成物および/または塗料組
成物を塗付し、片面が化粧コートされた非透水性の性質
を有する事を特徴とする(22)〜(24)のいずれか
に記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体。
【0105】(27)シーラー組成物が以下の、シリコ
ンまたはフッ素化合物を含有してなる溶液またはエマル
ション組成物、アクリル樹脂組成物、ウレタン組成物、
エポキシ樹脂組成物等から選ばれた少なくとも1種とす
る事を特徴とする(26)記載の高強度軽量シリカエア
ロゲル成型体。 (28)塗料組成物がシリコンまたはフッ素化合物を含
有してなる溶液またはエマルション組成物、アクリル樹
脂組成物、ウレタン組成物、エポキシ樹脂組成物から選
ばれた少なくとも1種とする事を特徴とする(26)記
載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体。
【0106】ここで本発明を特に限定するものでは無い
が、(イ)水ガラス溶液組成物の室温下での好ましい溶
液粘度は、BL型粘度計による4番ローターを用いた6
0回転測定値で200psを超える物はあまり最適では
ない。200psを越える物では粘性抵抗で高すぎて型
投入時のフロー性や附形再現性に著しく欠ける傾向にあ
るからであり、より好ましくは1cps〜100psの
範囲、最も好ましくは1cps〜1psの範囲とする事
が良い。
【0107】本発明の高強度軽量シリカエアロゲル成型
体の用途には特に限定が無く、例えば、建設資材向けの
パネル強化芯材としての用途、断熱パネル芯材への用
途、遮音材への用途、農医薬製品の固定化材への用途な
どで代表され多孔質無機成型体の特徴を活かした各種の
用途に使用されて良い。
【0108】
【実施例】以下に本発明の実施例および比較例を示すが
記載の部または%はそれぞれ重量部、重量%を意味する
と共に、記載の実施例によって本発明が特に限定される
ものでは無い。また例中に相構造を表す記号として、O
/Wとの表示記号はアルカリ水ガラスを多く含む液相が
連続した相すなわち海相を成し一方水溶性有機高分子を
多く含む液相が非連続な液滴分離相すなわち島相を成し
た状態で不均一安定な混合溶液を形成している状態の相
構造形態を意味する。またW/Oとの表示記号は水ガラ
スを多く含む液相が非連続相すなわち島相を成し一方水
溶性有機高分子をおおく含む液相が連続した相すなわち
海相を成す状態で不均一安定な混合溶液を形成している
状態の相構造形態を意味するものである。
【0109】なお実施例や比較例に供したアルカリ水ガ
ラス成分には以下の物を使用した。すなわち市販されて
いるJIS−2号珪酸ソーダ系水ガラス(2号水ガラス
と表示)、JIS−3号珪酸ソーダ系水ガラス(3号水
ガラスと表示)、JIS−4号珪酸ソーダ系水ガラス
(4号水ガラスと表示)をそれぞれ用いた。
【0110】次に実施例や比較例に供した水溶性有機高
分子成分については以下の記号で表される各成分を用い
た。(記号とその水溶性有機高分子の内容説明) PEG−2,000 GPC測定でポリスチレン換算値で表される重量平均分
子量が1,980のポリエチレングリコール。水に可
溶。 PEG−3,000 GPC測定でポリスチレン換算値で表される重量平均分
子量が3,060のポリエチレングリコール。水に可
溶。 PEG−20,000 GPC測定でポリスチレン換算値で表される重量平均分
子量が20,000のポリエチレングリコール。水に可
溶。
【0111】トリオール1 グリセリンを出発原料としエチレンオキサイド(EO)
とプロピレンオキサイド(PO)のランダム付加重量比
率で75:25で付加変性して得たヒドロキシル価が5
5mgKOH/g のポリエーテルトリオール。OH価から換算
した分子量が3,060、水に可溶。 トリオール2 トリエタノールアミンを出発原料としエチレンオキサイ
ド(EO)とプロピレンオキサイド(PO)のランダム
付加モル比率で80:20で付加変性して得たヒドロキ
シル価が57mgKOH/g のポリエーテルトリオール。ただ
しOH価から換算した分子量が2,950、水に可溶。 PEO ポリアルキレンオキサイド樹脂の事であり、黒金化成社
製品の商品名:「アルコックスR−150」を用いた。
該樹脂の重量平均分子量はGPC測定で約13万。水に
可溶。 デンプン カチオン化デンプン(試薬品)、水に可溶。 HEC GPC測定による重量平均分子量が約8〜9万程度のヒ
ドロキシエチルセルロース。水に可溶。
【0112】PVA ポリビニルアルコールであり、電気化学社製品である商
品名「デンカポバールK−17」を用いた。該樹脂の重
量平均分子量はGPC測定で約7.5万、かつケン化度
は99モル%。水に可溶。 水溶性アクリル ヒドロキシメタクリレートとメタクリル酸の重量配合比
で8:2からなるアクリルモノマーの30部とイオン交
換水の67部からなる80℃の溶液に、pH値を9〜1
1に保持しつつ過硫酸カリウムの3部を加えて5時間重
合反応をおこなって、最終的にGPCによる重量平均分
子量が3,640のアクリル樹脂30重量%からなる水
溶液を得て、それを水溶性アクリルとして用いた。 水溶性ウレタン OH価から求められた重量平均分子量が9,200のポ
リエチレングリコールの100部に対し、ヘキサメチレ
ンジイソシアネートの1.83部を窒素気流中120℃
で60分作用させてGPC測定でその重量平均分子量が
29万の水に相溶するウレタン樹脂を得た。
【0113】エマルゲン840S 水溶性高分子界面活性剤(ノニオン界面活性剤)の1種
として花王社製品:商品名「エマルゲン840S」を使
用。なお、エマルゲン840Sとはポリオキシエチレン
アルキルエーテル系高分子海面活性剤の1種で、HLB
(Hydrophiie Lipophile Bal
ance)値17.9である。
【0114】また水溶性の活性シリル基含有有機高分子
には以下の物を用いた。 プレポリマー1 環流冷却器付きの1リットル容量の4ツ口反応フラスコ
を用意し、ポリエーテルポリオールとして、重量平均分
子量が6,000のポリエチレングリコールの500部
(0.0833モル)とγ−イソシアナートプロピルト
リメトキシシランの35部(0.167モル/活性NC
O当量)および触媒として0.1部のアセチルアセトン
アルミ錯体とを仕込、窒素気流中、110℃で5時間反
応させた後冷却し、ジブチルアミン溶液法によるNCO
基含有定量分析結果で0%を確認し、結果として、分子
量6,000ポリエーテル主鎖の末端に加水分解活性シ
リル基が平均2ケ導入された活性シリル基含有のプレポ
リマー1を得た。該活性シリル基含有のプレポリマー1
は水溶性の溶液型樹脂であり、その5〜30重量%含有
水希釈溶液は数時間は安定であるが燐酸などの無機酸触
媒を1重量%存在させると数分で含水ゲルを与える性質
を示す樹脂であった。
【0115】プレポリマー2 環流冷却器付きの1リットル容量の4ツ口反応フラスコ
を用意し、トリオール1の500部(0.163モル)
とγ−イソシアナートプロピルトリエトキシシランの1
22.5部(0.490モル/活性NCO当量)および
触媒としてジブチルチンオキサイドの0.01部とを仕
込、窒素気流中、80℃で2時間反応させた後冷却し、
ほぼ定量的に分子量3,060/ポリエーテル主鎖に加
水分解活性シリル基末端を3ケ持つ活性シリル基含有の
プレポリマー2を得た。該活性シリル基含有のプレポリ
マー2は水溶性の溶液型樹脂であり、その5〜30重量
%含有水希釈溶液は数時間は安定であるが燐酸などの無
機酸触媒を1重量%存在させると数分で含水ゲルを与え
る性質を示す樹脂であった。
【0116】プレポリマー3 前記のプレポリマー2に於いて、γ−イソシアナートプ
ロピルトリエトキシシランの仕込量を147部とした以
外は同様にして、ほぼ定量的に分子量3,060/ポリ
エーテル主鎖に加水分解活性シリル基末端3ケを持つ樹
脂前駆体96.2%と未反応γ−イソシアナートプロピ
ルトリエトキシシラン3.8%とを含むプレポリマー液
3を得た。その末端シリル基含有水溶性有機高分子の1
種であるプレポリマー3は水溶性を示し、5〜30重量
%水溶液は長時間安定に取り扱うことが出来た。またそ
の5〜30重量%水溶液は燐酸や硫酸などの無機強酸溶
液を1重量%添加すると数分以内に透明な含水ゲルを生
成する性質を有していた。
【0117】プレポリマー4 前記のプレポリマー1に於いて、γ−イソシアナートプ
ロピルトリメトキシシランの0.167モルを同モル量
のγ−イソシアナートプロピルトリアセトキシシランに
した以外は同様にして、プレポリマー4を得た。その末
端シリル基含有水溶性有機高分子の1種であるプレポリ
マー4は水溶性を示し、5〜30重量%水溶液は長時間
安定に取り扱うことが出来た。またその5〜30重量%
水溶液は燐酸や硫酸などの無機強酸溶液を1重量%添加
すると数分以内に透明な含水ゲルを生成する性質を有し
ていた。
【0118】プレポリマー5 前記のプレポリマー1に於いて、γ−イソシアナートプ
ロピルトリメトキシシランを31部とした以外は同様に
して、プレポリマーの一分子中平均1.8ケ活性トリメ
チルシラン基が分子末端に導入されたプレポリマー5を
得た。その末端シリル基含有水溶性有機高分子の1種で
あるプレポリマー5は水溶性を示し、5〜30重量%水
溶液は長時間安定に取り扱うことが出来た。またその5
〜30重量%水溶液は燐酸や硫酸などの無機強酸溶液を
1重量%添加すると10分以内に透明な含水ゲルを生成
する性質を有していた。
【0119】また例中の各種試験方法は以下のとおりで
ある。
【0120】ゲルタイム 一定温度下で、水ガラス溶液組成物の溶液流動性が完全
になくなるまでに要した時間でり、その時間が59秒以
内の物を[瞬結]と表示、1〜5分以内を[中結]と表
示、5〜30分以内を[中長結]と表示、30分以上1
時間未満のものを[長結]とした。また1時間〜1昼夜
かかる物を[超長結]と表示した。
【0121】ウェットゲル強度 水ガラス溶液組成物の静置ゲル化して、厚さ15mm×
50mm×50mm大の板状のウェットゲル成型硬化体
を得た後、1軸圧縮強度試験器にかけて破壊に至る単位
面積当りの強度値を求め、その値をウェットゲル強度と
した。1軸圧縮試験はJIS−A−1216に準じた方
法で実施し、測定機器としては丸東製作所のSG−20
33B型電動式1軸圧縮試験器を用い、圧縮速度1mm
/分でおこなった。
【0122】ゲル化時の体積収縮率 測定に際しては、直径50mm,100mm高さの円柱
状のモールド中に水ガラス溶液組成物を180ml流し
込み、室温でゲル化させて後、24時間内後のゲル容積
を求め、水ガラス溶液組成物の容積180mlからゲル
容積値を引いて得られた数値を180mlで割って10
0をかけた値を体積収縮率とした。
【0123】エアロゲル1の外観、同密度、同強度 各例で得られた厚さ15mm×50mm×50mm大の
板状に成型されてなるウェットゲル硬化体を用いて、例
中に記載された条件下で脱水乾燥して得られた未焼成な
シリカエアロゲル1をエアロゲル1と表し、そのシリカ
エアロゲル1の外観を肉眼で観察し、ミクロクラックや
異常な反りなどの変化の無いものを○の記号で、また顕
著なヒビ割れは無いが、1mm以内のごく僅かな反りが
ある場合を△の記号で、1mmを超える反りや多数のミ
クロクラックの発生や割れが観察された場合を×の記号
で表示した。またそのシリカエアロゲル1のみかけ密度
測定結果を、各表中では単にエアロゲル1密度として表
示。また該シリカエアロゲル1の1軸圧縮強度試験結果
を、各表中では単にエアロゲル1強度として表示した。
【0124】エアロゲル2の外観、同密度、同強度 各例で得られた厚さ15mm×50mm×50mm大の
板状に成型されてなるウェットゲル硬化体を用いて、例
中に記載された条件下で有機物を焼成除去して製造され
たシリカエアロゲル2を単にエアロゲル2と表し、その
シリカエアロゲル2の外観を肉眼で観察し、ミクロクラ
ックや異常な反りなどの変化の無いものを○の記号で、
また顕著なヒビ割れは無いが、1mm以内のごく僅かな
反りがある場合を△の記号で、1mmを超える反りや多
数のミクロクラックの発生や割れが観察された場合を×
の記号で表示した。 またそのシリカエアロゲル2のみ
かけ密度測定結果を、各表中では単にエアロゲル2密度
として表示。また該シリカエアロゲル2の1軸圧縮強度
試験結果を、各表中では単にエアロゲル2強度として表
示した。
【0125】エアロゲルの耐水性 各例で得られた厚さ15mm×50mm×50mm大の
板状ウェットゲルを室温から800℃まで昇温する方法
で有機物を焼成除去して得られたシリカエアロゲル3を
冷却して取りだし、厚さ15mm×25mm×50mm
と半分に切削した。その内の1つから試験前の圧縮強度
値を測定しその値を耐水試験前の基準値100とする。
一方、もう一つの試料片を40℃温水に30日間浸漬し
て後取り出し、再び40℃で3日間乾燥させた試料の1
軸圧縮試験を実施し、水浸漬後の外観変化ならびに強度
保持率が90%以上確保されている場合には◎の記号
で、外観変化がほとんど無くかつ強度保持率が70〜8
9.9%にある場合には○の記号で、強度保持率が50
〜79.9%の範囲にある場合には△の記号で、それ以
下の場合では×の記号で表す。
【0126】混和液の粘度 300ml容量のビーカーに20℃に調整した試料20
0mlを採り、、BLまたはBM型粘度計を用いて測定
した値で表示。
【0127】Na2Oに対する理論中和率 なお各表中に記載のNa2Oに対する理論中和率 (%)とは主
剤液A液の全量とあわさった時その主剤液A液中に含ま
れるNa2Oで表されるアルカリ分に対する硬化剤B液
中の水ガラス硬化剤が100%作用したと仮定した際の
理論中和率を意味する。
【0128】実施例1〜実施例5 主剤液Aとして比重1.41のJIS−3号珪酸ソーダ
系水ガラスの50〜65mlと残り水道水からなる液を
表1記載の様にそれぞれ用意し、一方硬化剤液Bとして
はそれぞれ水溶性有機高分子の1種であるPEG−3,
000、PEG−20,000、ポリオール1と水ガラ
ス硬化剤として純度75%の精製燐酸、純度40%のグ
リオキザール溶液、γ−ブチロラクトン、エチレンカー
ボネート、2酢酸エチレンのいずれかを用いて表1記載
の各硬化剤液Bを用意した。なお、表1の硬化剤B液に
於いて、合計容量と各成分の配合部との関係は、各実施
例の硬化剤B液の調整方法として、まず水以外の各成分
をメスシリンダー中に採取し、残り水を加えて合計容量
となる様に調整されてなる事を表す。
【0129】それらの主剤液Aと硬化剤液Bとを23℃
雰囲気下で表1記載の容量比率に従って2ショット方式
で混和させて成型容器中に流し込み、それぞれ水ガラス
溶液組成物番号GU1(実施例1)、水ガラス溶液組成
物番号GU2(実施例2)、水ガラス溶液組成物番号G
U3(実施例3)、水ガラス溶液組成物番号GU4(実
施例4)、水ガラス溶液組成物番号GU5(実施例5)
とその溶液を静置ゲル化させて24時間程放置して各例
のウェットゲル成型体をそれぞれ調製した。
【0130】また各水ガラス溶液組成物の1滴をスライ
ドガラスに取り、カバーグラスを載せ、位相差型光学顕
微鏡で覗いて、該混和液が不均一な海島構造を有する液
であるか否かの観察を行った。その結果を表1の混和液
の観察結果の欄に記載した。またその顕微鏡観察を水ガ
ラス溶液組成物のゲル化まで観察を継続し、析出する不
透明な珪酸コロイドゲルがどの相に発生するかを観察
し、海相が濃く不透明化(ゲル化網目構造を形成相)す
る観察結果をアルカリ水ガラス含有相が海相を形成して
なるウェットゲルを与える性質の該組成物であると判断
した場合はO/W型の相構造を持つものとして、表1に
O/W型と表示した。
【0131】また各水ガラス溶液組成物の溶液粘度結果
やゲル化後24時間経過した段階で取りだしたウェット
ゲルに関するゲル物性を表1に記載した。またウェット
ゲル物性測定用と並んでシリカエアロゲル1の物性測定
用に、ウェットゲル物性測定用と同様に、実施例1〜実
施例5の各水ガラス溶液組成物を20±2℃の温度下で
厚さ15mm×50mm×50mmの板状に複数個ゲル
化させ、更に室温で3日間養生後、取りだした各ウェッ
トゲル体を以下の脱水乾燥試験と有機物の焼成除去試験
に供した。
【0132】実施例1〜実施例5の各ウェットゲル成型
体(厚さ15mm×50mm×50mmの板状型から取
りだした含水ゲル成型体)の1ケを用いて、40℃の乾
燥器中に3〜5日間放置してなる脱水乾燥試験に供し、
その結果得られたシリカエアロゲル−1の外観、みかけ
密度、1軸圧縮強度特性をそれぞれ測定し、表1のエア
ロゲル−1の物性覧に合せて記載した。また別個に用意
した実施例1〜実施例5の各ウェットゲル成型体(厚さ
15mm×50mm×50mmの板状型から取りだした
含水ゲル成型体)の1〜2ケを用いて、それぞれ毎分3
℃の等速昇温可能な電気炉中で800℃まで昇温焼成
し、引続き800℃一定温度下で約2〜3時間焼成を継
続して後、加熱を止め室温まで放冷する、有機物の焼成
除去試験を行った。その試験後で得られたシリカエアロ
ゲル−2の外観、みかけ密度、1軸圧縮強度特性をそれ
ぞれ測定し、表1のエアロゲル−2の物性覧に合せて記
載した。
【0133】なお、実施例1記載の水ガラス溶液組成物
に於いて、水ガラス硬化剤を除きアルカリ水ガラスと水
溶性有機高分子の含有濃度を同一とした、アルカリ水ガ
ラス−水溶性有機高分子−水の3成分系からなるの組成
物を別個に調製した。その組成物は実施例1とほぼ同一
の海島構造を持つものであった。そしてまたその組成物
の200分を試験管に取り、毎分5000回転の遠心分
離器で1時間強制的に2層分離させて各上層と下層に分
離採取して、その占有体積を計測した結果、上層が35
容量%、下層が65容量%と判明した。またその上層ま
たは下層の1gを秤量採取してJIS−K−1408
(1966年)に準じてメチルオレンジ指示薬の存在下
に、およそ0.1モル/リットルの既知濃度の塩酸溶液
で中和滴定して試料中のアルカリ量(Na2O)濃度を
求めた結果、上層液中のアルカリ水ガラス濃度が6.5
%、下層液中のアルカリ水ガラス濃度が21%程度と計
算された。すなわち系中の全アルカリ水ガラスを100
とするとその33%が上層に、またその67%が下層に
分配されていると判明した。また各層のアルカリ分析結
果と採取した各層分配平衡の結果および光学顕微鏡観察
によるミクロ相構造観察等を総合判断し、実施例1の水
ガラス溶液組成物は何等疑問を呈することなくO/W型
の複相溶液であった。
【0134】また更に、実施例1の水ガラス溶液組成物
(B型粘度計測定値で20mpa・sec)で使用した
水ガラス硬化剤を100として時、その25モル%相当
量を配合した以外は全く同様にした作成された水ガラス
溶液組成物(数時間はゲルしない系)を用意し、その組
成物を毎分5000回転の遠心分離器で1時間強制的に
2層分離させた結果、上層(島相)が前記同様35容量
%、下層(海相)が65容量%と判明し、その分配比率
は前記実施例1で示した基本3成分系からなる組成物、
すなわちアルカリ水ガラス−水溶性有機高分子−水の3
成分系の結果となんら大差が無いことが判明した。
【0135】また実施例1組成物の混合後30秒前後の
位相差光学顕微鏡観察写真を用いた海島の画像解析で海
相の占有面積が66〜68%、島相の占有面積が34〜
32%と判明した。以上の総合結果から、実施例1の水
ガラス溶液組成物は連続相(海相)が調製時におよそ約
67容量%を占めかつその海相はアルカリ水ガラスを6
7%以上分配されてなる液相から成っていることが判明
した。また実施例1のウェットゲルの小片を一部採取
し、光学顕微鏡またはマイクロスコープの50〜100
0倍に拡大した硬化体のゲル断面観察結果は、蜂の巣構
造の複相構造からなっていることが観察された。また画
像解析値よりおおよそ島相部分が約77容量%、連続相
部分が約23容量%を占める有機無機複合複相ゲルと判
明した。
【0136】また実施例1(ガラス溶液組成物番号GU
1)の脱水乾燥試験後のシリカエアロゲル1の小片を、
走査型電子顕微鏡で100倍から50,000倍の任意
に拡大して観察した結果、珪酸質コロイド凝結相が蜂の
巣様の連続相を成し、主に10〜100ミクロンサイ
ズ、平均38ミクロンの角に丸みを持つ12面体〜16
面体からなる独立した気泡を数多く内包構造が観察され
た。また同画像観察結果からは、連続した無機質固結相
の気泡面と接する界面近傍の構造を見ると、およそ2〜
5nmの範囲にある超微粒子珪酸質コロイド粒子が高密
度に凝結した硬化体構造から成っていた。またその固結
層中心部にあるコロイド粒子はやや大きい20〜30n
mサイズの珪酸質コロイド粒子が高密度に強凝結してな
る硬化構造とそれぞれ判明した。
【0137】すなわち3次元的に連続かつ蜂の巣様に広
がってなる硬化層の芯層部が主に20〜30nm大の無
機コロイド粒子凝集構造、独立気泡境界面部へ向かって
その硬化層の構造は、無機コロイド粒子サイズが2〜5
nmへと微小化し、かつより一層高密度と成っているシ
リカエアロゲル1であった。
【0138】実施例1の有機物の焼成除去試験後のシリ
カエアロゲル2の小片についても前記同様走査型電子顕
微鏡で100倍から50,000倍の任意に拡大して観
察した結果、平均35ミクロンサイズの独立気泡が内蔵
されてなる空隙気泡占有体積率がおよそ77%を占める
シリカエアロゲル2であると判明した。またその連続相
の破断面の形状がまるで蜂の巣状のシリカエアロゲル2
であり、独立気泡膜を内包する硬化膜の肉厚は細い所で
0.7ミクロン厚い所で6ミクロン、平均すると4ミク
ロンであった。シリカエアロゲル2の断熱性能は電冷用
途に使用されている硬質ウレタンフォームと比較し遜色
の無い(ほぼ同等)高断熱特性を示す高強度軽量シリカ
エアロゲル成型体であった。
【0139】また実施例1で示される水ガラス溶液組成
物(GU1組成物)のゲル化挙動は、調製直後の相構造
を全くそのまま保持してなるウェットゲル体を与えるの
では無く、アルカリ水ガラスの硬化が進行するに伴いそ
の相構造は次の様に変化した。調製直後に連続相が約6
7容量%、島相が約33容量%であったものが、硬化完
了段階ではほぼその比率が連続相22容量%、島相78
容量%と大きく変化減少した。(光学顕微鏡観察を配合
時からゲル化までの過程を継続観察しても同様な結果に
至った。)
【0140】また実施例2〜実施例6の水ガラス溶液組
成物に於いても、前記実施例1のケースと同様に、調製
直後の海/島の体積占有比と硬化体となってからの海/
島の体積構成比率の変化挙動現象は減少し、そのいずれ
のゲルもみかけ蜂の巣様の構造を持つウェットゲルなら
びにシリカエアロゲル1またはシリカエアロゲル2が生
成した。
【0141】次に、実施例2記載の水ガラス溶液組成物
では調製直後の液滴を採取して位相差型光学顕微鏡によ
る観察画像を解析すると、おおよそ海相が83容量%、
島相が17容量%から成るO/W型の溶液であり、生成
したウェットゲルでは5〜20ミクロンサイズの液滴島
相を内包する海相の占有容積率で20%前後、島相の占
有容積率で約80%のO/W型含水ゲルであった。また
その有機物を焼成除去してなるシリカエアロゲル2は無
機質硬化相の占有面積で20%前後、独立気泡の占有面
積で約80%と、前記ウェットゲル体とほぼ同じ値が得
られ、高強度かつ軽量なシリカエアロゲル成型体であっ
た。
【0142】実施例3記載の水ガラス溶液組成物を別個
に調製して、直ちに位相差型光学顕微鏡を用いた画像写
真解析による海相分配容積率で68%、島相容積分配率
32%と判明。またその200容量部を用いて毎分3
0,000回転の遠心分離器で1〜2分間強制的に2層
分離させた上層および下層の5〜10gをそれぞれ秤量
採取してJIS−K−1408(1966年)に準じて
濃塩酸10〜20mlを加えて蒸発乾固させ、析出した
固体を純水で洗浄ロ過乾燥してSiO2分として定量し
た。SiO2濃度からそれぞれ上層液中のアルカリ水ガ
ラス含有濃度が約5%、下層液中のアルカリ水ガラス含
有濃度が約17%と計算された。すなわち位相差型光学
顕微鏡画像解析結果およびアルカリ水ガラス濃度分配分
析結果から、該系中の全アルカリ水ガラスを100とす
るとその12%弱が上層に、またその88%強が下層に
分配されていた事から、アルカリ水ガラスの海相への分
配率は88%と判明。
【0143】また生成したウェットゲルを用いた脱水乾
燥試験後のシリカエアロゲル1は、みかけ蜂の巣状の無
機質硬化相を持つシリカエアロゲル1であり、光学顕微
鏡によるゲル化後の画像写真から解析した値で無機質硬
化連続相占有面積が17〜19容量%を占め、かつ気泡
サイズとしておよそ10〜150μmの範囲、平均する
と40μmサイズの独立気泡を数多く内蔵する高強度軽
量シリカエアロゲル成型体であった。また無機硬化膜の
厚みはおよそ0.5〜5μmの範囲、平均膜厚値では約
2.8μmな特性を持つ高強度軽量シリカエアロゲル成
型体であった。なお、実施例3のウェットゲルはO/W
型のゲルであり、海相がおよそ22容積%、島相がおよ
そ78容積%を占めるものとなっていた。
【0144】実施例4記載の水ガラス溶液組成物を別個
に調製して、直ちに位相差型光学顕微鏡を用いた画像写
真解析または遠心分離による分配容量比測定から海相分
配率80容量%、島相分配率20容量%なO/W型溶液
組成物であると判明。またその200容量部を用いて毎
分30,000回転の遠心分離器で1〜2分間強制的に
2層分離させ、その上層または下層の5〜10gを秤量
採取してJIS−K−1408(1966年)に準じて
濃塩酸10〜15mlを加えて加熱蒸発乾固させ、析出
した固体を純水で洗浄ロ過してSiO2分として定量し
た。SiO2濃度から、概略それぞれ上層液中のアルカ
リ水ガラス含有濃度で約6.4%、下層液中のアルカリ
水ガラス濃度が約16.5%と判明した。すなわち系中
の全アルカリ水ガラスを100とするとその10%弱が
上層(島相)に、またその90%強が下層(連続相・海
相)に分配されていた。
【0145】実施例4の水ガラス溶液組成物の硬化養生
5日後のウェットゲルの約5mm大に破壊した小片を純
水で洗浄し更に40℃雰囲気下で乾燥したシリカエアロ
ゲルの小片試料を用いて、走査型電子顕微鏡の100倍
または50,000倍で観察した結果、珪酸質連続相が
平均70μmで比較的揃った独立気泡の存在が見られ、
その独立気泡体の形状は角が丸みを持った12〜18面
体様であった。連続相は蜂の巣状のマトリックス構造を
持つシリカエアロゲル1であった。またその脱水乾燥試
験後のシリカエアロゲル1のモルフォロジーは、およそ
1.5〜8nmの範囲にある超微粒子珪酸質コロイド粒
子が細密充填されて成る蜂の巣様構造の高強度軽量シリ
カエアロゲル硬化体と判明した。かつまたその断面膜中
心層部の珪酸質コロイド粒子はやや大きい10〜30n
mサイズの該コロイド粒子が密接に強凝集した網目構造
が観察された。なお実施例4で使用した水溶性有機単量
硬化剤(水ガラス硬化剤)の1種であるエチレンカーボ
ネートは、一般にアルカリ水中で適宜加水分解し、アル
カリ水ガラスを硬化可能なCO2(炭酸)を徐々に系中
に放出する物質として公知で、従って実施例4(水ガラ
ス溶液組成物番号GU−4)の組成物では実質炭酸ガス
によってアルカリ水ガラスが硬化している系であるとみ
なす事が出来る。
【0146】なお実施例4のシリカエアロゲル1の同走
査型電子顕微鏡の100倍の観測画像写真では乾燥ゲル
の破断面形状はまるで蜂の巣状であると記載したが、よ
り詳しくは、ひとつひとつの独立気泡が角に丸みを持っ
た12面体〜18面体の球状多面体または楕円状の多面
体形状を持つ物であった。該シリカエアロゲル1の連続
相形成相の肉厚は細い所で0.7μm厚い所で5μm、
平均すると3μmであり、断面Y字状部の構造観察で
は、その所々に周辺のコア(島)サイズと明らかに違っ
た0.1〜5ミクロン程度の更に微小な独立気泡体を内
臓するミクロ相構造が観察された。
【0147】なお、実施例4記載のO/W型の水ガラス
溶液組成物では、海相が約80容量%一方島相が約20
%の溶液組成物であったものが、ゲル化後の段階ではほ
ぼその比率が逆転し連続硬化相占有率が約18容量%、
島相(液滴相)が約82容量%を示すウェットゲルが生
成した。
【0148】実施例5記載の水ガラス溶液組成物を別個
に調製して、直ちに位相差型光学顕微鏡を用いた画像写
真解析の結果は、実施例4と同様、島相分配率18〜2
3容量%、海相分配率77〜82容量%であった。この
結果から、水ガラス硬化剤種を変更してもその溶液調整
時の海島分配比率に大差が無いことが判明した。またそ
の200容量部を用いて毎分30,000回転の遠心分
離器で1〜2分間強制的に2層分離させ、その上層また
は下層の5〜10gを秤量採取してJIS−K−140
8(1966年)に準じて濃塩酸10〜15mlを加え
て加熱蒸発乾固させ、析出した固体を純水で洗浄ロ過し
てSiO2分として定量した。SiO2濃度からそれぞれ
上層液中のアルカリ水ガラス含有濃度で約6.4%、下
層液中のアルカリ水ガラス濃度が約16.5%と計算さ
れた。すなわち系中の全アルカリ水ガラスを100とす
るとその10%弱が上層(島相)に、またその90%強
が下層(連続相・海相)に分配されていた。またそのウ
ェットゲル硬化体は蜂の巣状のミクロ構造を持つ事が判
明。また同様にその乾燥試験または焼結試験を経て誘導
されたシリカエアロゲルもウェットゲルと同様のミクロ
な蜂の巣様の構造を持ち、平均70ミクロンで比較的揃
った独立気泡を多数内蔵する軽量なシリカエアロゲルで
あった。
【0149】
【表1】
【0150】実施例6〜実施例10 主剤液Aとして比重1.6のJIS−2号珪酸ソーダ系
水ガラスの50mlまたは比重1.41のJIS−3号
珪酸ソーダ系水ガラスの50mlまたは比重1.27の
JIS−4号珪酸ソーダ系水ガラスの50mlと残り水
道水からなる液を表2記載の様にそれぞれ用意し、一方
硬化剤液Bとしてはそれぞれ表2記載の水溶性有機高分
子およびアルカリ水中で徐放性の酸成分を遊離放出する
水溶性有機単量硬化剤を用いて表2記載の各硬化剤液B
を用意した。なお、表2の硬化剤B液に於いて、合計容
量と各成分の配合部との関係は、各実施例の硬化剤B液
の調整方法として、まず水以外の各成分をメスシリンダ
ー中に採取し、残り水を加えて合計容量となる様に調整
されてなる事を表す。それらの主剤液Aと硬化剤液Bと
をそれぞれ18℃前後の液温調製後に、表2記載の容量
比率に従って水ガラス溶液組成物番号GU6(実施例
6)、水ガラス溶液組成物番号GU7(実施例7)、水
ガラス溶液組成物番号GU8(実施例8)、水ガラス溶
液組成物番号GU9(実施例9)、水ガラス溶液組成物
番号GU10(実施例10)を調製した。
【0151】混合は30秒間すばやく行ってのち、その
1滴をスライドガラスに取りカバーグラスを載せ位相差
型光学顕微鏡で覗いて該混和液が不均一な海島構造を有
する液であるか否かの観察を行った。その結果を表2の
混和液の観察結果の欄に記載した。またその顕微鏡観察
をグラウト剤組成物のゲル化まで観察を継続し、析出す
る不透明な珪酸コロイドゲルがどの相に発生するかを観
察し、海相が濃く不透明化(ゲル化網目構造を形成相)
する観察結果をアルカリ水ガラス含有相が海相を形成し
て有機無機複合複相ゲルを与える性質の薬液組成物であ
ると判断し、表中ではO/W型のグラウト剤組成物であ
るとした。各水ガラス溶液組成物の溶液物性とシリカエ
アロゲル物性を合せて表2に記載した。なお、表2中記
載の島:海分配比率とは各水ガラス溶液組成物の混和時
点からおおよそ30秒前後の液滴を採取し、すばやく位
相差型光学顕微鏡観察しその画像を採取解析算出して海
相と島相の容積比率を求めた結果を表す。なお、各シリ
カエアロゲル物性測定用に、実施例6〜実施例10の各
水ガラス溶液組成物を1液化しすばやく離型可能な容器
中に流し込み、18℃の温度下で静置ゲル化させて、厚
さ15mm×50mm×50mmの板状に複数個ゲル化
・成型した。更に室温で3日間養生後、取りだした各ウ
ェットゲル体を以下の乾燥試験と焼結試験に供した。
【0152】実施例6〜実施例10の各ウェットゲル成
型体(厚さ15mm×50mm×50mmの板状型から
取りだした含水ゲル成型体)の1ケを用いて、80℃の
乾燥器中に24時間入れて脱水乾燥乾燥試験に供した。
その結果得られたシリカエアロゲル1の外観、みかけ密
度、1軸圧縮強度特性をそれぞれ測定し、表2のシリカ
エアロゲル−1の物性覧に合せて記載した。また別個に
用意した実施例6〜実施例10の各ウェットゲル成型体
(厚さ15mm×50mm×50mmの板状型から取り
だした含水ゲル成型体)の1〜2ケを用いて、それぞれ
40℃で3日間脱水乾燥した後、毎分1℃の等速昇温可
能な電気炉中で窒素雰囲気下で800℃まで昇温焼成し
た後加熱を止め室温まで放冷する有機物の焼成除去試験
を行った。その焼成試験で得られたシリカエアロゲル−
2の外観、みかけ密度、1軸圧縮強度特性をそれぞれ測
定し、表2のシリカエアロゲル−2の物性覧に合せて記
載した。
【0153】前記の実施例1〜実施例10の水ガラス溶
液組成物は瞬結型から長結型の特徴を持ち、1次的に誘
導されるウェットゲルを乾燥/または焼成すると驚愕的
なシリカエアロゲルが製造出来る事が明らかである。な
お実施例8で使用した水溶性有機単量硬化剤(水ガラス
硬化剤)の1種であるプロピレンカーボネートは、一般
にアルカリ水中で適宜加水分解し、アルカリ水ガラスを
硬化可能なCO2(炭酸)を徐々に系中に放出する物質
として公知で、従って実施例8(水ガラス溶液組成物番
号:GU−8)の組成物では実質炭酸ガスによってアル
カリ水ガラスが硬化している系であるとみなす事が出来
る。
【0154】
【表2】
【0155】実施例11 表1、実施例3の水ガラス溶液組成物に於いて、γ−ブ
チロラクトンの12.6部(主剤液A中の全Na2Oに
対する仕込モル比で140モル%に相当する、またはN
2Oに対する理論中和率では70%相当量)に替え
て、プロピレンカーボネートの7.5部(主剤液A中の
全Na2Oに対する仕込モル比で70モル%に相当す
る、またはNa2Oに対する理論中和率では70%相当
量)とした以外は全く実施例3と同様にして得た水ガラ
ス溶液組成物番号GU−11は、GU−3と同様10〜
12mpa・secと低粘度、その混和液の相構造がO
/W型、室温下で測定したゲルタイムで約1〜1.5分
と中結型の溶液組成物であった。なお、その1日養生し
てなるウェットゲルの1軸圧縮強度特性は6.3kgf
/cm2と超高強度特性を示した。また該ウェットゲル
を50℃で2日乾燥して得たシリカエアロゲル1は光学
顕微鏡観察で独立気泡サイズが35〜150ミクロン、
平均75ミクロンであり、ミクロな蜂の巣様の連続硬化
相をもち、みかけ密度が0.33g/cm3、1軸圧縮
強度は約10kgf/cm2を示し高強度な軽量多孔質
固結体であった。また該シリカエアロゲル1の走査型電
子顕微鏡観察では、シリカ質硬化膜が実施例3で得たシ
リカエアロゲル1の膜厚より0.15〜0.2μm程厚
くなっていた。また更に、該ウェットゲルを室温から8
00℃まで昇温し800℃で5時間焼結させて得たシリ
カエアロゲル2の1軸圧縮強度は18.5kgf/cm
2を示し、外観は○、みかけ密度が0.15g/cm3
軽量かつ高強度な多孔質固結体であった。
【0156】実施例12 表1、実施例3の水ガラス溶液組成物に於いて、γ−ブ
チロラクトンの12.6部(主剤液A中の全Na2Oに
対する仕込モル比で140モル%に相当する、またはN
2Oに対する理論中和率では70%相当量)に替え
て、エチレンカーボネートの6.5部((主剤液A中の
全Na2Oに対する仕込モル比で70モル%に相当す
る、またはNa2Oに対する理論中和率では70%相当
量)とし、更にPEG−20,000の10部の内、そ
の半量の5部を両末端に活性なトリアルコキシシリル基
末端を有するプレポリマー1で代替した以外は全く実施
例3と同様にして得た水ガラス溶液組成物は、実施例3
と同様10〜11mpa・secと低粘度、その混和液
の相構造がO/W型、室温下で測定したゲルタイムで約
1.5〜2分を示し中結型の溶液組成物であった。な
お、その1日養生してなるウェットゲルの1軸圧縮強度
特性は8.5kgf/cm2と超高強度を持つものであ
った。また該ウェットゲルを50℃で2日乾燥して得た
シリカエアロゲル1は光学顕微鏡観察で独立気泡サイズ
が平均65ミクロンであり、ミクロな蜂の巣様の連続硬
化相をもち、みかけ密度が0.32g/cm2、1軸圧
縮強度は約13kgf/cm2を示し高強度な軽量多孔
質固結体であった。また更に、該ウェットゲルを室温か
ら800℃まで昇温し800℃で5時間焼結させて得た
シリカエアロゲル2の1軸圧縮強度は約20kgf/c
2を示し、外観は○、みかけ密度が0.15g/cm3
と軽量かつ高強度な多孔質固結体であった。
【0157】実施例13 表1、実施例5の水ガラス溶液組成物に於いて、硬化剤
液B中に配合された75%精製燐酸の2.75部に替え
て、75%濃度の硫酸2.8部とした以外は全く実施例
5と同様にした得た水ガラス溶液組成物は粘度20mp
a・sec未満と低粘度中結型ゲル特性を示した。そし
てそのウェットゲル強度は6kgf/cm2のものが得
られ、実施例5のGU−5ウェットゲル物性と大差無
く、ほとんど一緒であった。また該ウェットゲルを50
℃で2日乾燥して得たシリカエアロゲル1はミクロな蜂
の巣様の連続無機質硬化相をもち、みかけ密度が0.2
9g/cm3、1軸圧縮強度は約12kgf/cm2を示
し高強度な軽量多孔質固結体であった。
【0158】実施例14 表1の実施例5で75%精製燐酸に替えてその2倍モル
当量に相当する量の酢酸を用いた以外は全く同様にした
得た水ガラス溶液組成物から誘導されたウェットゲルを
50℃で2日乾燥して得たシリカエアロゲル1はミクロ
な蜂の巣様の連続硬化相をもち、みかけ密度が0.30
g/cm3、1軸圧縮強度は約12kgf/cm2を示し
高強度な軽量多孔質固結体であり、実施例5で得たシリ
カエアロゲル1と大差無いことが判明した。
【0159】実施例15 表1の実施例5で75%精製燐酸に替えてその2倍モル
当量に相当する量の重炭酸ナトリウムと重炭酸カリウム
の重量比1:1の混合してなる重炭酸塩を用いた以外は
全く同様にした得たシリカエアロゲル1は実施例5で得
たシリカエアロゲル1と何等ゲル強度、密度、耐水性な
どの特性はほとんど一緒で変らなかった。
【0160】実施例16 表1の実施例5で75%精製燐酸に替えて2倍モル当量
に相当する量の硫酸水素ナトリウムと硫酸水素カリウム
の重量比1:1の混合してなる重硫酸塩を用いた以外は
全く同様にした得たシリカエアロゲル1は実施例5で得
たシリカエアロゲル1と何等ゲル強度、密度、耐水性な
どの特性はほとんど一緒で変らなかった。
【0161】実施例17 表1の実施例5で75%精製燐酸に替えて2倍モル当量
に相当する量の1N−塩酸溶液を用いた以外は全く同様
にした得た水ガラス溶液組成物はゲルタイムが2分55
秒とやや早くなった以外は実施例5と何等溶液物性、ウ
ェットゲル強度特性、シリカエアロゲル1の強度、密
度、耐水性などの特性はほとんど一緒で変らなかった。
【0162】実施例18 表2の実施例6の水ガラス溶液組成物に於いて、使用し
たトリオール3の15部の替りに、トリオール1の15
部とした以外は全く実施例6と同様にして得た水ガラス
溶液組成物は、実施例6とほぼ同様に、その溶液粘度と
して20mpa・secに満たない低粘度なO/W型の
複相溶液であり、ゲルタイムが2分10秒、ウェットゲ
ルの1軸圧縮強度が13.8kgf/cm2を与える組
成物であった。得られたウェットゲルを、40℃で8時
間、120℃で8時間の2段階で脱水乾燥させて得たシ
リカエアロゲル1はみかけ密度が0.44g/cm3
圧縮強度が16.5kg/cm2と高強度な軽量多孔質
固結体であった。また該シリカエアロゲル1の元素分析
マップ解析からは、実施例18の水ガラス溶液組成物に
於いてアルカリ水ガラスの分配率として概略88%以上
が海相に分配されてなる溶液組成物であると判明。実施
例18のウェットゲルならびにシリカエアロゲルの諸性
質は実施例6で得られたウェットゲルならびとシリカエ
アロゲル1とほぼ同様な高強度軽量シリカエアロゲル成
型体が製造される事が判明した。
【0163】実施例19 表2の実施例7の水ガラス溶液組成物に於いて、使用し
たPEOの3部の替りに、HECの2部とした以外は全
く実施例7と同様にして得た水ガラス溶液組成物は、実
施例7とほぼ同様の、溶液粘度として30mpa・se
cに満たない低粘度の粘性挙動を示し、ゲルタイムが5
分40秒、ウェットゲル強度が1.8kgf/cm2
O/W型の複相構造を持った水ガラス溶液組成物である
事が判明し、そのウェットゲル物性がほとんど実施例7
で得たウェットゲル物性と同一であった。また実施例7
と同一条件下で製造されたシリカエアロゲル1の強度、
密度、耐水性などの特性も実施例7で得たシリカエアロ
ゲル1とほとんど一緒であった。
【0164】比較例1〜比較例5 表3記載の様に主剤液Aと硬化剤液Bの2液をそれぞれ
用意し、その主剤液Aと硬化剤液Bとを表3記載の配合
容量比率で混和して比較水ガラス溶液組成物E−1(比
較例1)、比較水ガラス溶液組成物E−2(比較例
2)、比較水ガラス溶液組成物E−3(比較例3)、比
較水ガラス溶液組成物E−4(比較例3)、比較水ガラ
ス溶液組成物E−5(比較例5)をそれぞれ調整した。
なお、表3の硬化剤B液に於いて、合計容量と各成分の
配合部との関係は、各硬化剤B液の調整方法として、ま
ず水以外の各成分をメスシリンダー中に採取し、残り水
を加えて合計容量となる様に調整されてなる事を表す。
各比較例1〜5の水ガラス溶液組成物を用いて溶液特性
試験に供し、その結果を表3の合せて記載した。比較例
1〜5の水ガラス溶液組成物を用いたシリカエアロゲル
製造可否適性試験を以下の様にして行い、その適性結果
を表3に合せて示した。
【0165】シリカエアロゲル製造可否適性試験 高さ15mm×50mm×50mm成型容器中で型一杯
に直前に1液化して成る該溶液組成物をそれぞれすばや
く流し込み、静置ゲル化させた。その後、2日間養生さ
せて得られた脱型可能なウェットゲル成型体についての
み、引続いて脱型ウェットゲル成型体を50℃乾燥器中
に3日間入れてシリカエアロゲル1の製造試験を試み
た。なお、乾燥中に多数の崩壊に通じるクラックの発
生、または激しい日割れを伴う微細化などで代表される
いわゆる乾燥崩壊現象が著しく観察された場合にはシリ
カエアロゲル1の製造が不可と判定、また極く僅かなミ
クロクラックの発生はあるが全体の形状をそのまま保っ
ているシリカエアロゲル体が得られた場合を製造可と判
定し、表3中に記載した。
【0166】比較例1と比較例2は本発明記載の水ガラ
ス溶液組成物と同様にアルカリ水ガラスと水ガラス硬化
剤と水溶性有機高分子と水とからなる組成物であるが、
その系が均一な混和液を呈し、ゲル化に至るまで光学顕
微鏡観察レベルで認識可能な不均一溶液を形成せずにゲ
ル化した。位相差透過型光学顕微鏡観察でも珪酸質コロ
イドゲルは全体に均一に生成している像がそれぞれ観察
された。したがって比較例1〜2の水ガラス溶液組成物
は低強度なウェットゲルしか生成せず、体積収縮率も実
施例2や実施例10の物と比較して大きく、成型時の寸
法安定性に欠ける課題がある事が判明。またシリカエア
ロゲル製造可否適性試験により、激しい乾燥崩壊が観察
された事からシリカエアロゲル製造は不可であることが
判明した。
【0167】また比較例3と比較例4は本発明記載の水
ガラス溶液組成物と同様にアルカリ水ガラスと水ガラス
硬化剤と水溶性有機高分子と水とからなる組成物である
が、その系が不均一なW/O型の混和液を呈し、アルカ
リ水ガラスを主成分として多く含む液滴相が調製直後か
ら安定な島相を形成した状態のままゲル化に至る事か
ら、系がみかけ白く白濁増粘固化した様に硬化反応が更
に進行しても該系はペースト状になるだけであり、脱型
が不可であった。位相差透過型光学顕微鏡観察でも珪酸
質コロイドゲルは、みかけ200〜400ミクロンサイ
ズの固体凝結島相として析出する挙動が観察された。従
ってそれ以降のウェットゲル物性試験やシリカエアロゲ
ル製造適性試験は行えなかった。すなわち、比較例3と
比較例4に示される様に、アルカリ水ガラスと水ガラス
硬化剤と水溶性有機高分子と水とを含有してなるW/O
型の水ガラス溶液組成物では、本発明が目的とする高強
度かつ耐水性や断熱性に富む多孔質無機成型体を製造出
来なかった。
【0168】また比較例5はアルカリ水ガラスと水ガラ
ス硬化剤と水とからなる水ガラス溶液組成物であるが、
水溶性有機高分子が当然含まれない事から混和時からゲ
ル化に至る系でほぼその液は調整時均一溶液であった。
比較例5の水ガラス溶液組成物から誘導されたウェット
ゲル強度は0.7kgf/cm2に満たない低強度な含
水ゲルであり、シリカエアロゲル製造適性試験に供した
結果、表3に示めした様に、製造適性不可と判明。尚該
シリカエアロゲル製造適性試験では割れに通じる崩壊が
多数観察され、成型形状を保持した軽量なシリカエアロ
ゲル1を得ることができなかった。
【0169】また更に、比較例5の室温下密閉して5日
養生後のウェットゲルを液体窒素で冷凍乾燥し、その1
mm大の粉末小片を採取し、走査型電子顕微鏡の30,
000倍でシリカエアロゲルのモルフォロジーを観察し
た結果、およそ20〜30nmの珪酸質コロイドが粗密
な状態に2次凝集してなる解析像を得た。従って比較例
5の含水してなるウェットゲル体のノナメーターサイズ
のミクロ構造はおよそ20〜30nmの珪酸質コロイド
粒子が粗密状態に凝集結合してなる含水珪酸コロイド質
ゲルと判明した。
【0170】
【表3】
【0171】実施例20 3号水ガラスの100mlと水道水の100mlとから
なる主剤液を45℃に加温し用意し、一方硬化剤液とし
て、水溶性有機高分子の1種としてOH価から算出され
た分子量で約9,000のポリエチレングリコールの両
末端ヒドロキシル基に対して化学的理論量のエピクロル
ヒドリンを作用させて後、脱塩酸・精製してなる分子量
で約9,140のポリエチレングリコールジグリシジル
エーテル(別名;PEGのジエポキサイド変性物)の2
2部と、40%グリオキザールの49.5ml(アルカ
リ水ガラスのNa2Oに対するモル当量比率で210
%)と水の128mlとからなる45℃に加温調整して
なる溶液を用意した。その主剤液と硬化剤液を2ショッ
ト方式で容量比率が1:1で混和吐出して成る水ガラス
溶液組成物GU−20を調整した。
【0172】なお、事前に3号水ガラスの100mlと
分子量が約9,140のポリエチレングリコールジグリ
シジルエーテルの22部と水の288部とからなる3成
分で構成された溶液でアルカリ水ガラスの分配平衡と相
構造の関係を調査した。その結果該3成分系水ガラス溶
液組成物は不均一かつ安定な海島複相溶液を呈し、海相
の容積分配率が66%、島相の容積分配率が34%と判
明。また遠心分離した上または下層を採取し成分分析を
試みた結果から、海相を形成する液はアルカリ水ガラス
含有濃度が16.8〜17%、水として82〜82.5
%、残り0.5〜0.7%がポリエチレングリコールジ
グリシジルエーテルから成っている事が判明。また島相
を形成する液はアルカリ水ガラス濃度が約4.8〜5%
の範囲、水が82〜81.5%、残り16.5〜16.
7%がポリエチレングリコールジグリシジルエーテルの
組成物である事が判明した。
【0173】したがって該3成分系からなる水ガラス溶
液組成物では、海相に分配されるアルカリ水ガラスの割
合は87〜89%であると求められた。また同様に、島
相に分配されるポリエチレングリコールジグリシジルエ
ーテルの割合は96〜97%であると求められる。また
なおGU−29の水ガラス溶液組成物を混和配合時の温
度として2℃の極低温とし、ゲルタイムを大幅に遅延さ
せて強制的に毎分数万回転下で5分間かけて遠心分離し
た結果、上層と下層の容量比は上層:下層で約31:6
9であり、前記3成分系での分配容量比率(上層:下層
で34:66の結果)とほぼ同じであった。また分離採
取した下層サンプル中のシリカ分分析値を基に算出され
たアルカリ水ガラス含有濃度も17%と求められ、結果
として該4成分系からなる水ガラス溶液組成物GU−2
0では海相に分配されるアルカリ水ガラスの割合は87
〜89%であると知れ、前記3成分の場合の分配率とほ
ぼ一緒であった。
【0174】水ガラス溶液組成物GU−20の45℃時
のゲルタイムは3分以内と早く、該温度下では中結型特
性を示した。また一方25℃時のゲルタイムは12〜1
5分と長く、室温下では中長結型特性を持つ事が判明。
また45℃でゲル化誘導されたウェットゲルはみかけ蜂
の巣状の珪酸コロイド高分子凝集層を連続層とし、容積
比率で17〜18%を占め、その45℃/1日養生後の
ウェットゲルの1軸圧縮強度が14.5Kgf/cm2
と超高強度特性を持つものが製造された。また該養生後
の体積収縮率は2%以下と低かった。該特性を持つGU
−20のウェットゲル成型体を更に50℃乾燥器に2日
間入れて製造されたシリカエアロゲル1は外観が○であ
り、みかけ密度0.22g/cm3、1軸圧縮強度が1
9kg/cm2と判明し、軽量かつ超高強度なシリカエ
アロゲル1が製造された事が判明した。
【0175】また更には、該特性を持つGU−20のウ
ェットゲル成型体を更に室温から800℃まで3℃/毎
分等速昇温下に空気中で焼成する有機物の燥成除去試験
に供した結果、外観は△であったが、およそみかけ密度
が0.15g/cm3、1軸圧縮強度が最大で27kg
/cm2、また断熱特性は公知の電冷用硬質ウレタン発
砲体並みのシリカエアロゲル2が製造された。
【0176】比較例6 3号水ガラスの100mlと水道水の100mlとから
なる主剤液200mlを25℃に加温し用意し、一方、
40%グリオキザールの49.5ml(アルカリ水ガラ
スのNa2Oに対するモル当量比率で210%)と水の
150.5mlとからなる25℃に加温調整してなる硬
化剤溶液200mlをそれぞれ用意した。その主剤液と
硬化剤液を2ショット方式で容量比率が1:1で混和吐
出して成る均一系からなる比較水ガラス溶液組成物E−
6を得た。その25℃に加温されてなる比較水ガラス溶
液組成物E−6はゲルタイムが23分11秒(中長結
型)、溶液粘度が5mpa・secで示される溶液特性
を持っていた。またE−6のゲル化後1日密閉養生させ
て得たウェットゲルの1軸圧縮強度特性は0.62Kg
f/cm2(破壊歪は2%)であり、きわめて脆弱な含
水ゲルしか製造されなかった。養生を10日まで延長し
た製造されたE−6のウェットゲルについても、そのゲ
ル強度は最大で1Kgf/cm2程度であり、養生時間
を高めても何等脆弱性を改良する事は困難であった。該
特性を持つE−6のウェットゲル成型体を更に50℃乾
燥器に3日間入れて行ったシリカエアロゲル製造適性試
験の結果、乾燥途中で自己崩壊(割れ)性が顕著に観察
された為シリカエアロゲル製造は不可と判明した。
【0177】実施例21〜実施例25 主剤液Aとして比重1.41のJIS−3号珪酸ナトリ
ウム系水ガラスの50mlと残り水道水からなる液を表
4記載の様にそれぞれ用意し、一方硬化剤液Bとしては
末端シリル基含有水溶性有機高分子と、水溶性有機単量
硬化剤ならびに必要に応じて水溶性有機界面活性剤等を
併用使用してなる表4記載配合からなる各硬化剤液Bを
用意した。なお、硬化剤B液の表5記載の合計容量(m
l)と各成分の配合部との関係は、末端シリル基含有水
溶性有機高分子と水溶性有機単量硬化剤また更に必要に
応じて有機界面活性剤等を表4記載の配合割合となる様
にそれぞれメスシリンダー中に秤量採取し、水道水を加
えて表4記載の硬化剤B液の合計容量に調整して成る組
成物である事を表す。
【0178】その主剤液Aと硬化剤液Bとを20℃で表
4記載の配合比率ですばやく混和し、水ガラス溶液組成
物番号GU−21(実施例21)、水ガラス溶液組成物
番号GU−22(実施例22)、水ガラス溶液組成物番
号GU−23(実施例23)、水ガラス溶液組成物番号
GU−24(実施例24)、水ガラス溶液組成物番号G
U−25(実施例25)の各200mlを調整した。混
合は30秒間すばやく行って1液化したのち、その1滴
をスライドガラスに取りカバーガラスを静かにのせて位
相差透過型光学顕微鏡で覗いて該混和溶液が不均一な海
島構造を有する系であるか否かの観察を行った結果、実
施例21〜実施例25のすべて系で不均一な海島構造を
有する系であった為、表4ではその相構造の特徴のみを
記載し、その結果をO/W型(アルカリ水ガラス溶液が
連続相を形成する系)、W/O型(アルカリ水ガラス溶
液が島相を形成する系)のいずれかで記号で判定し記載
した。また混合は30秒間すばやく行って1液化した実
施例21〜実施例25の各水ガラス溶液組成物を所定の
ウェットゲル製造用の型容器中に静かに流し込んで静置
し、ゲル化させて1日養生させた。その後脱型し、その
ウェットゲル成型体を用いて下記の各脱水乾燥法で、各
実施例ごとに各シリカエアロゲル1の製造した。また更
に、その該シリカエアロゲル1を用い、更に下記の各焼
成方法を経て各シリカエアロゲル2をそれぞれ製造して
物性を評価検討した。なお、シリカエアロゲル1または
シリカエアロゲル2製造時の寸法安定性に関する観察結
果は、体積変化率で1%未満変化する場合を◎の記号
で、1.1〜5%の変化がある場合を○の記号で、それ
以下は場合は×の記号で表4に示した。
【0179】実施例21の硬化剤液Bで、水ガラス硬化
剤であるエチレンカーボネートとγ−ブチロラクトンを
除き、その分を水道水とした以外は全く同様に配合して
なる3成分系混合液の200部を別個に調整した。その
溶液を試験管に採取し毎分500回転で1時間遠心分離
操作をして2層分離させた結果、上層として40容量
%、下層が60容量%と判明。またその上層または下層
のそれぞれ1g程度を採取・秤量してJIS−K−14
08に準じてNa2Oで表されるアルカリ分濃度を測定
した結果、上層で5.5%、下層で17.8%と判明。
すなわち別個に調製した該3成分系組成物では仕込アル
カリ水ガラスを100とした時、その18%が上層中に
またその82%が下層中に分配平衡が成立していること
が判明した。したがって水ガラス溶液組成物番号GU−
21の調整直後の溶液下ではO/W型の海島構造を持つ
組成物であることが判った。また実際に実施例21の水
ガラス溶液組成物番号GU−21の位相差透過型光学顕
微鏡観察による海島構造とそのゲル化過程の継続観察で
は、海相の占める体積を減少させながらも全く転相する
ことなくゲル化し、O/W型溶液組成物であることが明
らかであった。
【0180】また実施例21の水ガラス溶液組成物番号
GU−21のゲル化養生1日後のウェットゲル物性を調
べた結果は表4のとおりであり、そのウェットゲルから
誘導するシリカエアロゲル1の製造方法として、50℃
で2日間乾燥させて製造されたシリカエアロゲル1は、
走査型電子顕微鏡の100倍および50,000倍で観
察した結果、およそ40〜100μmサイズの角に丸み
を持つ12〜18面体状の独立気泡を数多く内包する、
いわゆる破断面が蜂の巣様のシリカエアロゲル1が製造
され、それらのみかけ密度と強度は表4に記載の様に、
たいへん軽量かつ超高強度なシリカエアロゲル1であっ
た。また実施例21で製造され、あらかじめ高さ15m
m×幅50mm×長さ50mmに切削加工したウェット
ゲル成型体を用いて、室温から800℃まで毎分2℃で
昇温し800℃で12時間焼結させて製造されたシリカ
エアロゲル2のみかけ密度と同強度ならびに耐水性結果
も合せて表5に示した。
【0181】実施例21で製造された該シリカエアロゲ
ル1は40〜100μmの独立気泡を内包する有機無機
ハイブリッド型の多孔質複相キセロゲルであり、特に走
査型電子顕微鏡による20,000〜50,000倍で
観察結果では、該複相シリカエアロゲル成型体の独立気
泡膜近傍の超ミクロ構造(図4参照)はおよそ2〜5n
mの超微粒子が緻密に凝集結合されてなる硬化膜構造か
らなっていた。また更にその硬化相の深層附近の超ミク
ロ構造はおよそ10〜45nmサイズの超微粒子が細密
に凝集結合されてなる多孔質硬化膜構造からなってい
た。すなわち気泡と接する表面境界部ほどより小さいサ
イズのコロイド粒子の局在化した高密度な超ミクロ構造
が観察された。また硬化膜の厚みは細い所で0.5μ
m、厚い所で3μm、平均1.5μmの厚みを有する
等、特殊かつ微細な多孔質成型体構造を持つシリカエア
ロゲル1が製造されていることが判明した。
【0182】前記した様に、仕込アルカリ水ガラスの8
2%以上を分配してなるO/W型、かつ海相が60容量
%からなる実施例21の水ガラス溶液組成物番号GU−
21から誘導されるウェットゲルは、海相:島相で表さ
れる容積分配比率が19:81へと変化してなる複相ゲ
ルであった。19容積%と極めて低い海相容積占有率で
あるにもかかわらず転相する事O/W型の複相ウェット
ゲルを製造でき、よって該ウェットゲル成型体からは独
立気泡として占有する空隙体積占有比率が80%以上と
軽量で、シリカエアロゲル1の1軸圧縮強度特性値はお
よそ17〜19kgf/cm2と驚異的な高強度特性と
共に、耐水性に優れるシリカエアロゲル1が製造可能で
あった。のホモゲルの1軸圧縮強度特性値は12kgf
/cm2と驚異的な超高強度値が得られた。
【0183】
【表4】
【0184】次に実施例22の水ガラス溶液組成物GU
−22の調製直後の溶液は、位相差型光学顕微鏡による
観察画像から、おおよそ海相が77容量%、島相が23
容量%を占め、かつ島相が15〜25μmの島相からな
る液滴相を安定的に含有するミクロ複相溶液であった。
また一方十分ゲル化に至ったGU−22のウットゲル成
型体を40℃で5日間乾燥して製造されたシリカエアロ
ゲル1は、およそ30〜125μmの範囲、平均すると
80μmの独立気泡を内包し、比較的無機質に富む連続
硬化膜(独立気泡シェル膜の厚み)の厚みが0.4〜4
μm、平均膜厚で約3.5μmにある有機無機ハイブリ
ッド複相ゲルからなるシリカエアロゲル1であった。ま
た該GU−22の水ガラス溶液組成物に於いては、全ア
ルカリ水ガラス成分の内、その17%弱が島相形成液
に、またその83%強が海相形成液にそれぞれ分配され
てなる組成物である事が、該GU−22溶液組成物を3
℃低温下で遠心分離し、分取した各液の組成分析結果か
ら前記結果が判明。また該GU−22のウットゲル成型
体を80℃で5時間、続いて450℃で20時間焼成す
る方法で製造されたシリカエアロゲル2の諸物性は表4
に示す通りであり、軽量かつ超高強度特性に富みかつ耐
水性に優れるシリカエアロゲル2が製造された。また該
シリカエアロゲル2の断熱性能は電冷用途に使用されて
いる硬質ウレタンフォームと遜色の無い高断熱特性を持
つことが判明した。またシリカエアロゲル1およびシリ
カエアロゲル2共にその破断面のミクロ構造はみかけ蜂
の巣様を呈しており、独立気泡の占める占有体積がおよ
そ80容量%と判明した。
【0185】表4に示す実施例23の水ガラス溶液組成
物GU−23を別個に調製し海島分配比率を測定した結
果、O/W型溶液であり、海相分配容積率で78%、島
相容積分配率22%と判明。またその5℃に冷却してな
る200容量部を用いて毎分30,000回転の遠心分
離器で1〜2分間強制的に2層分離させた上層および下
層の5〜10gをそれぞれ秤量採取してJIS−K−1
408(1966年)に準じて濃塩酸10〜20mlを
加えて蒸発乾固させ、析出した固体を純水で洗浄ロ過乾
燥してSiO2分として定量した。SiO2濃度からそれ
ぞれ上層液中のアルカリ水ガラス含有濃度が約7%、下
層液中のアルカリ水ガラス含有濃度が約13.7%と計
算された。すなわち位相差型光学顕微鏡画像解析結果お
よびアルカリ水ガラス濃度分配分析結果から、該水ガラ
ス溶液組成物番号GU−23の溶液では全アルカリ水ガ
ラス量を100とするとその17%弱が上層(島相)
に、またその83%強が下層(海相)に分配されてなる
不均一溶液組成物であった。また実施例22と同様な方
法で製造されたシリカエアロゲル1とシリカエアロゲル
2の諸物性は表4にそれぞれ示した。なお、該シリカエ
アロゲル1およびシリカエアロゲル2共にその破断面の
ミクロ構造はみかけ蜂の巣様を呈しており、独立気泡の
占める占有体積がおよそ75容量%程度と判明。該シリ
カエアロゲル2の断熱性能は電冷用途に使用されている
硬質ウレタンフォームと遜色の無い高断熱特性を持つこ
とが判明した。
【0186】実施例24の水ガラス溶液組成物GU−2
4を別個に調製し、直ちに位相差型光学顕微鏡を用いた
画像写真解析した結果、O/W型溶液であり、海相分配
容積率で78%、島相容積分配率22%と判明。またそ
の3℃に冷却してなる200容量部を用いて毎分30,
000回転の遠心分離器で1〜2分間強制的に2層分離
させた上層および下層の5〜10gをそれぞれ秤量採取
してJIS−K−1408(1966年)に準じて濃塩
酸10〜20mlを加えて蒸発乾固させ、析出した固体
を純水で洗浄ロ過乾燥してSiO2分として定量した。
SiO2濃度からそれぞれ上層液中のアルカリ水ガラス
含有濃度が約6.9%、下層液中のアルカリ水ガラス含
有濃度が約13.6%と判明。すなわち位相差型光学顕
微鏡画像解析結果およびアルカリ水ガラス濃度分配分析
結果から、該GU−23溶液組成物中の全アルカリ水ガ
ラスを100とするとその約16%が上層(島相)に、
またその約84%が下層(海相)に分配されてなる不均
一溶液系であった。また実施例22と同様な方法で製造
されたシリカエアロゲル1とシリカエアロゲル2の諸物
性は表5にそれぞれ示した。なお、該シリカエアロゲル
1およびシリカエアロゲル2共にその破断面のミクロ構
造はみかけ蜂の巣様を呈しており、独立気泡の占める占
有体積がおよそ70容量%程度と判明。該シリカエアロ
ゲル2の断熱性能は電冷用途に使用されている硬質ウレ
タンフォームと遜色の無い高断熱特性を持つことが判明
した。
【0187】実施例25の水ガラス溶液組成物GU−2
5はその3℃の200容量部を用い、毎分30,000
回転の遠心分離器で1〜2分間強制的に2層分離させ、
その上層または下層の5〜10gを秤量採取してJIS
−K−1408(1966年)に準じて濃塩酸10〜1
5mlを加えて加熱蒸発乾固させ、析出した固体を純水
で洗浄ロ過してSiO2分として定量した。SiO2濃度
から、概略それぞれ上層液中のアルカリ水ガラス含有濃
度で約5.6%、下層液中のアルカリ水ガラス濃度が約
16%と判明した。すなわち系中の全アルカリ水ガラス
を100とするとその12%弱が上層(島相)に、また
その88%強が下層(海相)に分配されてなるO/W型
溶液組成物と判明した。また実施例22と同様な方法で
製造されたシリカエアロゲル1とシリカエアロゲル2の
諸物性は表4にそれぞれ示した。なお、該シリカエアロ
ゲル1およびシリカエアロゲル2共にその破断面のミク
ロ構造は平均100ミクロンと比較的揃ったサイズの角
が丸みを持った12〜18面体の独立気泡を数多く内包
するみかけ蜂の巣様のミクロ構造を持つゲル成型物であ
り、その独立気泡の占める占有体積がおよそ70容量%
程度と判明。該シリカエアロゲル2の断熱性能は電冷用
途に使用されている硬質ウレタンフォームと遜色の無い
高断熱特性を持つことが判明した。
【0188】また製造された実施例22のシリカエアロ
ゲル2の走査型電子顕微鏡観察からは気泡を取り巻く連
続硬化相の肉厚は細い所で0.3ミクロン厚い所で3ミ
クロン、平均すると約1.5ミクロンと判明。またY字
型硬化断面部の内部の所々には、周辺の気泡サイズと明
らかに違った0.5〜3ミクロン程度の更に微小な不定
形な気泡を内蔵することものであることが判明した。
【0189】比較例7 表4の実施例22の水ガラス溶液組成物GU−22に於
いて、硬化剤液Bの液中に配合されているプレポリマー
2を全く使用せず、その分を水道水とした以外は全く同
様に調整された比較水ガラス溶液組成物E−7は、透明
均一な系を呈し、ゲル化に至るまでミクロな海島相構造
を取る溶液では無かった。その25℃に加温されてなる
比較水ガラス溶液組成物E−7は溶液粘度が5mpa・
secでゲルタイムが4分40秒(中長結型)であっ
た。またE−7から製造されたウェットゲルの1軸圧縮
強度特性は0.7Kgf/cm2(破壊歪は3%)と低
く、きわめて脆弱なウェットゲル成型体しか生成しなか
った。養生を10日まで延長して製造された該E−7の
ウェットゲルについても、そのゲル強度は最大で0.9
Kgf/cm2程度であり、養生時間を高めても何等脆
弱性を改良する事は困難であった。該特性を持つE−7
のウェットゲル成型体を更に50℃乾燥器に3日間入れ
て行ったシリカエアロゲル製造適性試験の結果、乾燥途
中の振動や内部応力の蓄積などが原因と思われる自己崩
壊(割れ)現象が顕著に観察された。従ってE−7の脆
弱なウェットゲルを用いた高強度かつ軽量なシリカエア
ロゲルの製造は不可と結論された。
【0190】実施例26〜実施例30 実施例6で製造されたシリカエアロゲル1と同様にした
得たシリカエアロゲル1成型体を5ケ用意し、それぞれ
その1ケづつの片面に以下のシーラー剤および/または
塗料組成物をそれぞれ合計10kg/cm2の塗工量と
なる様に塗付し、室温で/30分更に80℃/30分の
2段方式で乾燥焼き付け処理して、各実施例26〜実施
例30の各片面塗装シールして成るシリカエアロゲル成
型体を製造した。その結果得られた塗工シリカエアロゲ
ル1の塗工面の性質を表5に合せて記載した。
【0191】
【表5】
【0192】記号の説明 Em1;東レ・ダウコーニング社製品である#SH82
00(シリコンエマルション)。 Em2;水性ウレタン樹脂である三井東圧化学社製品
「ユーバン」を使用。 AEアルマテックス;溶剤型アクリルラッカー塗料組成
物である三井東圧化学社製品「アルマテックス」を使
用。 ポリクリート;2液エポキシ塗料組成物である三井東圧
化学社製品「ポリクリート」を使用。 MTエラスタイル;特殊アクリルゴム系エマルション塗
料組成物である三井東圧化学社製品の「MTエラスタイ
ル」を使用。 速硬化ウレタン;2液速硬化型ウレタン塗料組成物であ
る三井東圧化学社製品で商品名「リムスプレー」を使
用。 塗膜密着性の判定基準;セロテープを密着させてよ90
゜ピールで剥離が無い場合を記号◎で、また極く極く僅
かにセロテープに塗膜の付着が観察される場合を○の記
号で、下地が出る様な場合を×の記号で表した。 耐透水性付与効果の判定;透水係数が1×10-6cc/
sec以下と非透水材料となっている場合を○の記号
で、1×10-4〜0.9×10-6cc/secの範囲に
ある場合を△の記号で、0.9×10-4以上と悪い場合
は×の記号で表した。
【0193】
【発明の効果】実施例1〜実施例25と比較例1〜比較
例7との対比から明らかな様に、不均一かつ安定なミク
ロ海島構造を有しかつアルカリ水ガラスを主成分とする
液相が海相に高分配率で含有されてなる本発明記載のO
/W型の水ガラス溶液組成物を用い、低温領域下に脱型
可能な成型容器中にそのO/W型の溶液を注いでゲル化
させ、必要に応じて養生するなどの工程を経て製造され
るウェットゲルは、高い寸法安定性と高強度圧縮特性な
どに富む事、また該ウェットゲル成型体を製造して後、
800℃未満の範囲で加熱脱水乾燥および/または焼結
させる方法で製造されたシリカエアロゲルは、新規な構
造を持ち、そのミクロ構造はおおむね蜂の巣様のミクロ
構造をもっといることが特徴と言える。また本発明の高
強度軽量多孔質成型体の製造方法により製造されたシリ
カエアロゲル体は、みかけ密度が0.5g/cm3に満
たない極めて軽量性と同時に超高強度な圧縮強度を有
し、耐水浸漬時の寸法安定性に優れ、また更に、ウレタ
ン発砲体と同等な断熱性を有するなどの優れた性能を持
つことが判明した。一方、各比較例からは従来公知のア
ルカリ水ガラス含有組成物や均一溶液系からなる水ガラ
ス溶液組成物では、本発明の目的の、非常に軽く、かつ
高い圧縮強度特性と耐水性が著しく向上した高強度軽量
多孔質成型体が製造困難であることが明らか。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で製造されたシリカエアロゲル1の走
査型電子顕微鏡観察像の100倍拡大写真である。
【図2】実施例21で製造されたシリカエアロゲル2の
走査型電子顕微鏡観察像の100倍拡大写真である。

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離型可能な成型容器中に、下記(イ)の
    水ガラス溶液組成物を流し込み、5℃〜80℃未満の温
    度で静置ゲル化させ、脱型したウェットゲルを、100
    0℃未満の温度下で脱水乾燥および/または有機物を焼
    成除去して成る事を特徴とする高強度軽量シリカエアロ
    ゲル成型体の製造方法。 (イ)水ガラス溶液組成物として、アルカリ水ガラス、
    水に対しいかなる割合にも相溶および/またはミクロ分
    散安定化する性質を示す水溶性有機高分子、水ガラス硬
    化剤、水とを含有してなり、その溶液が海相−島相から
    なる不均一相構造を成すと同時に、該溶液中に配合され
    た全アルカリ水ガラス成分の少なくとも60重量%以上
    を海相に分配させてなる不均一溶液組成物。
  2. 【請求項2】 (イ)の水ガラス溶液組成物がアルカリ
    水ガラスを含む水溶液である主剤液Aと水ガラス硬化剤
    を含む水溶液である硬化剤液Bの2液型からなり、水溶
    性有機高分子をそのいずれか一方の液にまたは両方の液
    に事前に含有させると共に、かつその主剤液Aと硬化剤
    液Bとを主剤液A:硬化剤液Bで表した容積混合比率で
    (10:100)〜(100:10)の範囲で混合して
    なる事を特徴とする請求項1記載の高強度軽量シリカエ
    アロゲル成型体の製造方法。
  3. 【請求項3】 水溶性有機高分子の全量が水ガラス硬化
    剤を含む硬化剤液Bに事前に配合されてなる事を特徴と
    する請求項1または2記載の高強度軽量シリカエアロゲ
    ル成型体の製造方法。
  4. 【請求項4】 アルカリ水ガラスがSiO2/Na2Oお
    よび/またはSiO2/K2Oで表されるモル比で1〜
    4.5の範囲にある珪酸ナトリウムおよび/または珪酸
    カリウムとする事を特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 アルカリ水ガラスが日本工業規格・JI
    S−3号の珪酸ナトリウム溶液とする事を特徴とする請
    求項4に記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 水に対しいかなる割合にも相溶および/
    またはミクロ分散安定化する性質を示す水溶性有機高分
    子が、以下の(a)〜(h)から選ばれた1種および/
    または2種以上からなる事を特徴とする請求項1〜5の
    いずれかに記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体の
    製造方法。 (a)水溶性ポリエーテルポリオール (b)水溶性ポリビニルアルコール (c)水溶性デンプン (d)水溶性セルロース誘導体 (e)水溶性ポリアルキレンオキサイド (f)水溶性アクリル (g)水溶性ポリエポキサイド (h)水溶性ウレタン
  7. 【請求項7】 水に対しいかなる割合にも相溶および/
    またはミクロ分散安定化する性質を示す水溶性有機高分
    子が、加水分解によってシロキサン架橋する性質を示す
    式I 【化1】 式I; −Si(R1n−(X)3-n (但し、R1は水素原子、クロル原子、メチル基、エチ
    ル基およびプロピル基からなる群から選ばれた1種、X
    は炭素数が1〜5の整数で表されるアルコキシル基、オ
    キシム基およびアセトキシル基からなる群から選ばれた
    一種、nは0〜1をそれぞれ表す。) で表される活性シリル基末端を1分子中に少なくとも平
    均0.7ケ以上導入され、その活性シリル基を除く主鎖
    が水溶性の、アクリル、ウレタン、ポリエーテル、ポリ
    エーテルポリエステルおよびポリエステルからなる群か
    ら選ばれた1種または2種以上であり、重量平均分子量
    が2,000〜50,000の範囲にある活性シリル基
    含有プレポリマーおよび/またはその加水分解生成物で
    ある活性シラノール基含有プレポリマーの1種とする事
    を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の高強度軽
    量シリカエアロゲル成型体の製造方法。
  8. 【請求項8】 水に対しいかなる割合にも相溶および/
    またはミクロ分散安定化する性質を示す水溶性有機高分
    子が、前記(a)〜(h)の1種および/または2種以
    上で表されるアルカリ水ガラスと非反応性の水溶性有機
    高分子と、前記活性シリル基含有プレポリマーとを併用
    する形で使用され、その配合比率を非反応性水溶性有機
    高分子:活性シリル基含有プレポリマーで表される重量
    比率で(1:100)〜(100:1)の範囲で使用さ
    れる事を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の高
    強度軽量シリカエアロゲル成型体の製造方法。
  9. 【請求項9】 水ガラス硬化剤が水溶性の有機酸、アル
    カリ水中で徐放性の酸を放出する水溶性有機単量硬化剤
    および無機質硬化剤および、CO2からなる群から選ば
    れた少なくとも1種または2種以上を用いる事を特徴と
    する請求項1〜8のいずれかに記載の高強度軽量シリカ
    エアロゲル成型体の製造方法。
  10. 【請求項10】 アルカリ水中で徐放性の酸を放出する
    水溶性有機単量硬化剤が、水溶性アルキレンカーボネー
    ト類、水溶性ラクトン類、水溶性アルキレングリコール
    ジアセテート化合物および水溶性2塩基酸アルキルエス
    テル類からなる群から選ばれた1種または2種以上とす
    る事を特徴とする請求項9記載の高強度軽量シリカエア
    ロゲル成型体の製造方法。
  11. 【請求項11】 (1)の水ガラス溶液組成物に更に高
    分子界面活性剤を0.001〜5重量%の範囲で含有さ
    せてなる事を特徴とする請求項1〜10にいずれかに記
    載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体の製造方法。
  12. 【請求項12】 (1)の水ガラス溶液組成物をゲル化
    させる際に更に有機繊維および/または無機繊維をその
    ゲル中に占める割合で0.1〜10重量%の範囲で複合
    させる事を特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載
    の高強度軽量シリカエアロゲル成型体の製造方法。
  13. 【請求項13】 2液型から成る(1)の水ガラス溶液
    組成物に於いて、主剤と硬化剤の2液をそれぞれ主剤
    液:硬化剤液で表した容積混合比率でほぼ1:1に近似
    させて混合調整される事を特徴とする請求項1〜12の
    いずれかに記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体の
    製造方法。
  14. 【請求項14】 主剤液A中のアルカリ水ガラス含有濃
    度が固形分換算で5〜50重量%となる様に含有させる
    事を特徴とする請求項2〜13のいずれかに記載の高強
    度軽量シリカエアロゲル成型体の製造方法。
  15. 【請求項15】 主剤液Aの全量と混合された時、その
    主剤液A中のNa2Oおよび/またはK2Oで表されるア
    ルカリ分の50〜250モル%分に相当する水ガラス硬
    化剤と、水に対しいかなる割合にも相溶および/または
    ミクロ分散安定化する性質を示す水溶性有機高分子の硬
    化剤液中に占める含有濃度で2.5〜50重量%とを含
    有してなる水溶液を硬化剤液Bとして用いる事を特徴と
    する請求項2〜14のいずれかに記載の高強度軽量シリ
    カエアロゲル成型体の製造方法。
  16. 【請求項16】 (イ)の水ガラス溶液組成物に於いて
    主剤液Aが以下に記載の主剤液E、硬化剤液Bが以下に
    記載の硬化剤液Fからなる事を特徴とする請求項2〜1
    5のいずれかに記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型
    体の製造方法。主剤液Eとして、SiO2/Na2Oのモ
    ル比が2.5〜3.5からなるアルカリ水ガラスの固形
    分15〜40重量%とした水溶液。硬化剤液Fとして、
    該主剤液Eの全量と混合された時、その硬化液E中のN
    2Oで表されるアルカリ分の50〜250モル%分に
    相当するアルカリ水中で徐放性の有機酸を放出する水溶
    性有機単量硬化剤と、水溶性有機高分子がエチレングリ
    コールおよび/またはグリセリンに対し付加変性量を1
    00とした割合でエチレンオキサイドの80〜99重量
    %、プロピレンオキサイドの20〜1重量%をランダム
    付加またはブロック付加させて得られた重量平均分子量
    が2,000〜30,000の範囲にあるポリエーテル
    ジオールおよび/またはポリエーテルトリオールの1種
    または2種以上の硬化剤F液中に占める含有濃度で5〜
    35重量%とを配合してなる水溶液。
  17. 【請求項17】 水ガラス硬化剤がグリオキザールの単
    独または更に炭酸、硫酸および燐酸からなる群から選ば
    れた1種および/または炭酸水素アルカリ金属塩または
    硫酸水素アルカリ金属塩との併用のいずれかからなり、
    かつその合計量が系中のアルカリ水ガラスの(Na2
    +K2O)で表される全アルカリ分の70〜200モル
    %分に相当する量を含有させる事を特徴とする請求項1
    〜16のいずれかに記載の高強度軽量シリカエアロゲル
    成型体の製造方法。
  18. 【請求項18】 水ガラス硬化剤としてエチレンカーボ
    ネートおよびプロピレンカーボネートの何れか一方また
    は両者を用いかつその量が系中のアルカリ水ガラスの
    (Na2O+K2O)で表される全アルカリ分の55〜1
    10モル%分に相当する量を含有させる事を特徴とする
    請求項1〜16のいずれかに記載の高強度軽量シリカエ
    アロゲル成型体の製造方法。
  19. 【請求項19】 水ガラス硬化剤としてγ−ブチロラク
    トンの単独を用い、かつ混和されてなる系中のアルカリ
    水ガラスの(Na2O+K2O)で表される全アルカリ分
    の110〜210モル%分に相当する量を含有させる事
    を特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の高強度
    軽量シリカエアロゲル成型体の製造方法。
  20. 【請求項20】 水ガラス硬化剤としてアルキル鎖長部
    位が炭素数1から3の整数で表される水溶性ジカルボン
    酸アルキルエステル化合物の1種を用い、かつ混和され
    てなる系中のアルカリ水ガラスの(Na2O+K2O)で
    表される全アルカリ分の55〜110モル%分に相当す
    る量を含有させる事を特徴とする請求項1〜16のいず
    れかに記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体の製造
    方法。
  21. 【請求項21】 鋼鉄製またはプラスチック製の離型可
    能な成型容器中に、(イ)の水ガラス溶液組成物を流し
    込んで静置ゲル化させ、生成するウェットゲルのゲル1
    軸圧縮強度が低くとも2kg/cm2を越えた時点で、
    型から取りだし、更に以下の(α)〜(δ)に示すいず
    れか1つ以上の工程を経て、独立気泡を内包するみかけ
    密度が0.05〜0.8g/cm3の範囲のシリカエア
    ロゲル成型体を製造する事を特徴とする請求項1〜20
    のいずれかに記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体
    の製造方法。 (α)室温から180℃未満の脱水乾燥工程 (β)空気または不活性ガス中1000℃未満の焼成工
    程 (γ)冷却・切削工程 (δ)シーラー・塗装工程
  22. 【請求項22】 請求項1〜21記載のいずれかの製造
    方法で得られ、1〜200μmの独立気泡を多数内包し
    てなる蜂の巣様のミクロ構造を持つ事を特徴とする高強
    度軽量シリカエアロゲル成型体。
  23. 【請求項23】 角に丸みを持った10〜18多面体か
    らなる独立気泡を内蔵する構造を形成してなる事を特徴
    とする請求項22の高強度軽量シリカエアロゲル成型
    体。
  24. 【請求項24】 連続相を形成してなる硬化膜の厚み
    が、0.1〜10μmの範囲にあることを特徴とする請
    求項22または23記載の高強度軽量シリカエアロゲル
    成型体。
  25. 【請求項25】 みかけの密度が0.1〜0.5g/c
    3の範囲にある事を特徴とする請求項22〜24のい
    ずれかに記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体。
  26. 【請求項26】 片表面にシーラー組成物および/また
    は塗料組成物を塗付し、片面が化粧コートされた非透水
    性の性質を有する事を特徴とする請求項22〜24のい
    ずれかに記載の高強度軽量シリカエアロゲル成型体。
  27. 【請求項27】 シーラー組成物がシリコンまたはフッ
    素化合物を含有してなる溶液またはエマルション組成
    物、アクリル樹脂組成物、ウレタン組成物およびエポキ
    シ樹脂組成物からなる群から選ばれた少なくとも1種と
    する事を特徴とする請求項26記載の高強度軽量シリカ
    エアロゲル成型体。
  28. 【請求項28】 塗料組成物がシリコンまたはフッ素化
    合物を含有してなる溶液またはエマルション組成物、ア
    クリル樹脂組成物、ウレタン組成物およびエポキシ樹脂
    組成物からなる群から選ばれた少なくとも1種とする事
    を特徴とする請求項26記載の高強度軽量シリカエアロ
    ゲル成型体。
JP31772997A 1997-11-05 1997-11-05 高強度軽量シリカエアロゲル成型体とその製造方法 Pending JPH11139819A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31772997A JPH11139819A (ja) 1997-11-05 1997-11-05 高強度軽量シリカエアロゲル成型体とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31772997A JPH11139819A (ja) 1997-11-05 1997-11-05 高強度軽量シリカエアロゲル成型体とその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11139819A true JPH11139819A (ja) 1999-05-25

Family

ID=18091396

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31772997A Pending JPH11139819A (ja) 1997-11-05 1997-11-05 高強度軽量シリカエアロゲル成型体とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11139819A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002308736A (ja) * 2001-04-06 2002-10-23 Hoyu Co Ltd 毛髪化粧料及び毛髪化粧料用組成物
WO2002085785A1 (en) * 2001-04-17 2002-10-31 Tokuyama Corporation Method for producing inorganic porous material
JP2007524739A (ja) * 2004-01-06 2007-08-30 アスペン エアロゲルズ,インコーポレイティド ケイ素結合線状ポリマーを含有するオルモシルエーロゲル
WO2016195380A1 (ko) * 2015-06-01 2016-12-08 주식회사 엘지화학 금속산화물-실리카 복합 에어로겔의 제조방법 및 이를 이용하여 제조된 금속산화물-실리카 복합 에어로겔
US10526207B2 (en) 2015-06-01 2020-01-07 Lg Chem, Ltd. Method of preparing metal oxide-silica composite aerogel and metal oxide-silica composite aerogel prepared by using the same
US10752509B2 (en) 2015-06-01 2020-08-25 Lg Chem, Ltd. Method of preparing metal oxide-silica composite aerogel and metal oxide-silica composite aerogel prepared by using the same
CZ308490B6 (cs) * 2019-08-07 2020-09-16 First Point a.s. Izolační materiál a způsob jeho výroby
WO2020188867A1 (ja) * 2019-03-19 2020-09-24 パナソニックIpマネジメント株式会社 断熱シートの製造方法
US10941043B2 (en) 2015-06-01 2021-03-09 Lg Chem, Ltd. Method of preparing metal oxide-silica composite aerogel and metal oxide-silica composite aerogel prepared by using the same
US12071580B2 (en) 2019-08-06 2024-08-27 First Point a.s. Fire-proof material
US12168628B2 (en) 2019-08-06 2024-12-17 First Point a.s. Fire-proof insulation material and a method for its production

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002308736A (ja) * 2001-04-06 2002-10-23 Hoyu Co Ltd 毛髪化粧料及び毛髪化粧料用組成物
WO2002085785A1 (en) * 2001-04-17 2002-10-31 Tokuyama Corporation Method for producing inorganic porous material
US7045106B2 (en) 2001-04-17 2006-05-16 Tokuyama Corporation Method for producing inorganic porous material
JP2007524739A (ja) * 2004-01-06 2007-08-30 アスペン エアロゲルズ,インコーポレイティド ケイ素結合線状ポリマーを含有するオルモシルエーロゲル
KR101298047B1 (ko) * 2004-01-06 2013-08-20 아스펜 에어로겔, 인코포레이티드 규소 결합 선형 중합체를 함유하는 오르모실 에어로겔
US10526207B2 (en) 2015-06-01 2020-01-07 Lg Chem, Ltd. Method of preparing metal oxide-silica composite aerogel and metal oxide-silica composite aerogel prepared by using the same
WO2016195380A1 (ko) * 2015-06-01 2016-12-08 주식회사 엘지화학 금속산화물-실리카 복합 에어로겔의 제조방법 및 이를 이용하여 제조된 금속산화물-실리카 복합 에어로겔
US10752509B2 (en) 2015-06-01 2020-08-25 Lg Chem, Ltd. Method of preparing metal oxide-silica composite aerogel and metal oxide-silica composite aerogel prepared by using the same
US10941043B2 (en) 2015-06-01 2021-03-09 Lg Chem, Ltd. Method of preparing metal oxide-silica composite aerogel and metal oxide-silica composite aerogel prepared by using the same
WO2020188867A1 (ja) * 2019-03-19 2020-09-24 パナソニックIpマネジメント株式会社 断熱シートの製造方法
US12071580B2 (en) 2019-08-06 2024-08-27 First Point a.s. Fire-proof material
US12168628B2 (en) 2019-08-06 2024-12-17 First Point a.s. Fire-proof insulation material and a method for its production
CZ308490B6 (cs) * 2019-08-07 2020-09-16 First Point a.s. Izolační materiál a způsob jeho výroby

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11139819A (ja) 高強度軽量シリカエアロゲル成型体とその製造方法
JP4994360B2 (ja) アルコキシシラン基で修飾したシリカ/ラテックスハイブリッドからなるモノリシックキセロゲル及びエーロゲルの臨界未満の条件下における製造方法。
KR101083133B1 (ko) 단열 코팅 및 성형판 제조하기 위한 에어로젤 함유 유·무기계 복합체 조성물.
JP2014051643A (ja) 2剤式エアロゲル成形体材料、及び、それを用いた断熱材、並びに、断熱材の製造方法
US5028360A (en) Method of manufacturing spherical silica particles
KR960007474B1 (ko) 연속기공 다공체와 그 제조방법 및 그것을 사용한 도자기의 가압주입 성형용형
KR101236584B1 (ko) 고강도 에어로젤 도료 조성물
CN1171093A (zh) 含气凝胶的组合材料及其制备方法和用途
JPWO2014132656A1 (ja) 断熱成形体及びその製造方法
An et al. Synthesis and characterization of robust SiO2-phase change materials (PCM) microcapsules
CN107055556A (zh) 一种亲水二氧化硅气凝胶微球及其制备方法
JPWO2014024413A1 (ja) 断熱材及びその製造方法
JP2000034117A (ja) シリカ質アエロゲル球体の製造方法
JPH11268950A (ja) 軽量無機質ボード成型体とその製造方法
JPWO2014132655A1 (ja) 断熱成形材料、断熱成形体及びその製造方法
JP5822663B2 (ja) 耐湿性を備えたシリカ系粒子とその製造方法、該粒子を含む半導体封止用樹脂組成物、および該樹脂組成物により塗膜を形成された基材
CN101204830B (zh) 用于陶瓷注浆成型的改进的石膏模具及其制作方法
CN119100406B (zh) 改性二氧化硅气凝胶粉及制备方法、气凝胶浆料及制备方法和应用
CN116419913A (zh) 具有受控密度的基于聚氨酯的聚合物混凝土和浇注砂浆
JP2003267719A (ja) 多孔体、多孔体膜を有する基体およびこれらの製造方法
CN109850909B (zh) 一种超疏水二氧化硅气凝胶的常压制备方法
CN115818994B (zh) 一种硅灰基碱激发剂及制备方法
JP2014035045A (ja) 断熱材
KR100295583B1 (ko) 입자형태의 유기 겔의 제조방법
JP2004359543A (ja) 発泡シリカゲル及びその製造方法