[go: up one dir, main page]

JPH11111426A - スパークプラグおよびその製造方法 - Google Patents

スパークプラグおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH11111426A
JPH11111426A JP27007697A JP27007697A JPH11111426A JP H11111426 A JPH11111426 A JP H11111426A JP 27007697 A JP27007697 A JP 27007697A JP 27007697 A JP27007697 A JP 27007697A JP H11111426 A JPH11111426 A JP H11111426A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal layer
layer
metal
alloy
spark plug
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27007697A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiji Kanou
啓二 金生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP27007697A priority Critical patent/JPH11111426A/ja
Publication of JPH11111426A publication Critical patent/JPH11111426A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Spark Plugs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 3層構造を有する接地電極を備えたスパーク
プラグにおいて、使用時に、接地電極内部の層界面にお
ける界面剥離発生を低減する。 【解決手段】 接地電極4は、純ニッケル製の第1の金
属層41、該第1の金属層41を被覆する銅製の第2の
金属層42、該第2の金属層42を被覆するインコネル
製の第3の金属層43の3層構造を有している。そし
て、第1の金属層41と第2の金属層42との界面44
には、ニッケル−銅合金からなる第1の拡散層が形成さ
れ、第2の金属層42と第3の金属層43との界面45
には、銅−インコネル合金からなる第2の拡散層が形成
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関等に使用
されるスパークプラグに関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のスパークプラグとして、特開平
4−294085号公報に記載のものが提案されてい
る。これは、接地電極(外側電極)と中心電極との放電
ギャップ(火花放電間隔)を使用条件下において適切な
値に保つために、接地電極を3層構造としたものであ
る。
【0003】すなわち、純ニッケルの芯材を熱伝導性に
優れた銅で被覆し、さらに、銅の回りを、芯材である純
ニッケルと略同等の熱膨張係数(線膨張率)を有し且つ
耐熱、耐腐食性に優れたニッケル合金にて被覆してい
る。このような3層構造は、次のようにして作られる。
銅を押し出し成形してカップ形状の第1被覆体を形成
し、ニッケル合金を押し出し成形してカップ形状の第2
被覆体を形成する。そして、純ニッケルの芯材を上記第
1被覆体で覆った第1複合体を形成し、この第1複合体
を上記第2被覆体で覆い3層構造からなる第2複合体を
形成する。続いて、この第2複合体を押し出し成形して
スパークプラグの適所に溶接して接地電極を形成する。
【0004】接地電極をこのような3層構造とした場
合、最外周層のニッケル合金により耐熱および耐腐食性
に優れるとともに、2層目の銅によって熱引きに優れた
ものとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者が上記構成のスパークプラグを検討した結果、実際に
内燃機関に使用した際、例えば内燃機関の負荷の高低に
対応するような急激な温度変化が生じた場合、接地電極
が塑性変形し放電ギャップが変化してプラグ特性に悪影
響を与えるという不具合が発生することがわかった。
【0006】さらに、調査を進め、この不具合は、接地
電極内部の各層のそれぞれの界面において隙間(界面剥
離)が生じるためであることを確認した。この界面剥離
は、隣接層間において、互いの金属の温度変化に対する
熱膨張係数(線膨張率)が異なることによって熱応力が
発生するため起こると考えられる。そして、一旦隣接層
間に隙間が生じると、この隙間はずっと残るため、接地
電極が変形しても元の形状に戻らなくなってしまうので
ある。
【0007】本発明は上記点に鑑みて、3層構造を有す
る接地電極を備えたスパークプラグにおいて、使用時
に、接地電極内部の層界面における界面剥離発生を低減
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討の
結果、接地電極内部の各金属層の界面に熱膨張係数(線
膨張率)の差を小さくすることにより、界面剥離の発生
を低減することとした。すなわち、請求項1記載の発明
においては、接地電極(4)は、第1の金属層(4
1)、第1の金属層(41)を被覆し第1の金属層(4
1)よりも熱伝導性に優れた第2の金属層(42)、第
2の金属層(42)を被覆し熱膨張係数が第2の金属層
(42)よりも第1の金属層(41)に近い耐熱性およ
び耐腐食性に優れた第3の金属層(43)の3層構造を
有しており、第1の金属層(41)と第2の金属層(4
2)との界面(44)には、第1の金属層(41)の金
属と第2の金属層(42)の金属との合金からなる第1
の合金層が形成され、第2の金属層(42)と第3の金
属層(43)との界面(45)には、第2の金属層(4
2)の金属と第3の金属層(43)の金属との合金から
なる第2の合金層が形成されていることを特徴とする。
【0009】そのため、本発明では、各合金層の熱膨張
係数は、隣接する各金属層(41、42、43)の熱膨
張係数の中間的な性質を有するため、界面における隣接
金属層同士の熱膨張係数差を小さくできる。従って、ス
パークプラグの使用時に界面(44、45)発生する熱
応力を緩和でき、界面剥離を低減でき、接地電極(4)
の塑性変形が起こらず適切な放電ギャップ(6)を維持
することができる。
【0010】ここで、請求項2記載の発明のように、第
1および第2の合金層の平均厚さが10μm以上であれ
ば、確実に熱応力緩和作用を行うことができる。また、
さらに検討を進め、界面剥離が上記の各界面(44、4
5)の20%以内程度であれば、放電ギャップ(6)が
変化しないことを実験的に確認した。つまり、界面剥離
を上記20%以内程度とするには、請求項3記載の発明
のように、第1および第2の合金層が、それぞれ各界面
(44、45)の80%以上に形成されていればよい。
【0011】ここで、各金属層(41〜43)として
は、請求項4記載の発明のように、第1の金属層(4
1)は純ニッケル(純Ni)からなり、第2の金属層
(42)は銅(Cu)からなり、第3の金属層(43)
はニッケル基合金(Ni基合金)からなるものにでき
る。また、接地電極の製造方法についても検討を進めた
結果、次のようにすれば、上記請求項1〜4記載のスパ
ークプラグを製造できることを見出した。
【0012】すなわち、請求項5記載の発明において
は、3層構造からなる複合体(64)を形成した後、該
複合体(64)を熱処理することにより隣接層の金属同
士を拡散させて第1および第2の合金層を形成すること
を特徴とする。本発明によれば、熱処理を行うことで、
隣接する各金属層(41、42、43)の界面において
互いの金属原子が熱拡散し、拡散層として合金層を形成
することができる。従って、上記請求項1〜4記載の効
果を有する接地電極を備えるスパークプラグを提供する
ことができる。
【0013】さらに、請求項6記載の発明は、上記請求
項5の製造方法において、複合体(64)を熱処理する
のに必要な温度に昇温した後、所定時間の間、複合体
(64)を所定温度に維持することにより熱処理するこ
とを特徴とする。それによって、複合体(64)を略一
定温度で熱処理することになり、温度変化が小さいた
め、界面(44、45)での熱応力発生を抑制でき、拡
散層形成中における界面剥離を防止できる。
【0014】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すもの
である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。本実施形態は例えば内燃機関の点火
栓として用いられる。図1に本実施形態のスパークプラ
グの全体構成を示す半断面図である。スパークプラグ
は、円筒形状の取付金具1を有しており、この取付金具
1は、図示しないエンジンブロックに固定するための取
付ネジ部1aを備えている。取付金具1の内部には、ア
ルミナセラミック(Al2 3 )等からなる絶縁体2が
固定されており、この絶縁体2の軸孔2aに中心電極3
が固定されている。絶縁体2の先端部2bは、取付金具
1から露出するように設けられている。
【0016】中心電極3は、内材がCu等の熱伝導性に
優れた金属材料、外材がNi基合金等の耐熱性および耐
食性に優れた金属材料により構成された円柱体で、図1
に示すように、その先端部3aが絶縁体2の先端部2b
から露出するように設けられている。接地電極4は、取
付金具1の一端に溶接により固定され、途中で略L字に
曲げられて、溶接部分とは反対の対向部4aにおいて中
心電極3の先端部3aと放電ギャップ6を隔てて対向し
ている。なお、接地電極4の内部構造等の詳細は後述す
る。
【0017】そして、中心電極3の先端部3aには、例
えばIr合金材料からなる貴金属チップ51が溶接等に
より固定され、一方、接地電極4の対向部4aには例え
ばIr合金材料からなる貴金属チップ52が抵抗溶接に
より固定されている。ここで、上記の放電ギャップ6は
両チップ51、52の隙間であり、例えば約1mmであ
る。
【0018】以下、本発明の特徴である接地電極4につ
いて、更に詳述する。図2は、図1における接地電極4
の拡大図であり、(a)は接地電極4の曲がり形状を示
すものであり、(b)は(a)においてA方向からみた
ものである。また図3において(a)は図2(b)のB
−B断面図であり、(b)は図2(a)のC−C断面図
である。なお図2および図3において貴金属チップ52
は省略してある。
【0019】接地電極4は、図2(a)に示すように、
全長L1(例えば10mm)、断面四角形(L2が例え
ば2.8mm、L3が例えば1.6mm)の角柱が、略
L字に曲げられた形状を成している。そして、図3に示
すように、接地電極4の中心に配された断面偏平の棒材
である第1の金属層(芯材)41と、第1の金属層41
を被覆する断面偏平のパイプ状の第2の金属層42と、
さらに、最外周層として第2の金属層42を被覆する角
柱パイプ状の第3の金属層43との3層構造を構成して
いる。
【0020】ここで、第1の金属層41は、偏平断面の
長径d1が例えば1.8mm、短径f1が例えば0.6
mmであり、耐熱性に優れ又熱伝導性に比較的優れた金
属(本実施形態では、純ニッケル)からなる。なお、純
ニッケル(Ni)は、熱膨張係数(線膨張率)が1.3
3(10-5/deg)、熱伝導度が68(kcal/m
・h・deg)である。
【0021】第2の金属層42は、断面肉厚d2(この
肉厚d2は全体に略一定である)が例えば0.2mmで
あり、熱伝導性に優れた金属(本実施形態では、銅)か
らなる。なお、銅(Cu)は、熱膨張係数が1.7(1
-5/deg)、熱伝導度が340(kcal/m・h
・deg)である。第3の金属層43は、断面肉厚が、
角部を除いて上記第1の金属層41の長径d1方向およ
び短径f1方向ともに略一定であり、例えば0.3mm
である。その材質は、耐熱性および耐腐食性に優れた金
属、例えば、Ni−Mn−Si合金、インコネル600
(商標名)等のニッケルを主成分とするニッケル基合金
(本実施形態ではインコネル600)からなる。なお、
インコネル600は、熱膨張係数が1.3(10-5/d
eg)、熱伝導度が25(kcal/m・h・deg)
である。
【0022】なお、第1の金属層41のうち接地電極4
の対向部4a側の先端部分(図3(a)中のL4)は、
第2の金属層42は無く、直接第3の金属層43にて被
覆された2層構造となっている。本実施形態において、
この部分だけ2層構造としているのは、この部分は内燃
機関の燃焼によって特に高温となる部分であり、もし第
2の金属層42である銅があると、この銅が溶けて隙間
を発生してしまうためである。ちなみに、図3(a)に
おいて、L4は例えば0.2〜2mm、L5は例えば1
〜4mmとしている。
【0023】なお、上記の接地電極4における各金属層
41〜43の形状寸法値は一例であり、本実施形態はこ
れら寸法値に限定されるものではない。また、各金属層
41〜43の材質も、上記に限定されるものではない。
但し、第1と第3の金属層は略同じ熱膨張係数(線膨張
率)であり、第2の金属層は熱引きに優れたものである
ことが好ましい。
【0024】そして、第1の金属層41と第2の金属層
42との界面44には、純ニッケルと銅との合金からな
る第1の拡散層(第1の合金層)が形成され、第2の金
属層42と第3の金属層43との界面45には、銅とイ
ンコネル600との合金からなる第2の拡散層(第2の
合金層)が形成されている。また、各拡散層の平均厚さ
は10μm以上としており、各拡散層は少なくとも各界
面44、45において80%以上に形成されている。な
お、平均厚さは、各界面44、45において、それぞれ
任意の10箇所の平均値である。
【0025】両拡散層は、隣接する互いの層を構成する
金属が拡散して合金を形成する拡散層であり、この拡散
層はEPMA(Electron Probe X−r
ayMicroanalysis)による元素分析によ
り確認する。分析は、接地電極4を図3(a)に示す断
面状態として、各金属層間の各界面44、45近傍を、
スポットサイズ1μmにてEPMA分析を行う。
【0026】例えば、図3(a)にマーク■で示す測定
部分Kを測定した場合の分析例を、図4の説明図に示
す。第2の金属層42から界面44を経て第1の金属層
41にX線を走査する。この走査部位を横軸とし、同時
に検出される元素のX線強度を縦軸としている。第1お
よび第2の金属層41、42の界面44では、銅とニッ
ケルの両元素がX線強度約1:1にて存在することが確
認され、これら両元素からなる合金にて第1の拡散層が
形成されていることがわかる。また走査距離から拡散層
の厚さがわかる。
【0027】同様にして、第2の金属層42と第3の金
属層43との界面45において、銅とインコネル600
(商標名)とからなる第2の拡散層(主成分は銅−ニッ
ケル合金)が形成されていることを確認できる。このよ
うに、本実施形態では、EPMAによって拡散層の形成
の確認ができ、また、各界面44、45の任意の10箇
所を分析し、各箇所の拡散層の厚さの平均値をとること
で平均厚さを求めることができる。
【0028】次に、本実施形態のスパークプラグの製造
方法について述べるが、主として本発明の特徴である接
地電極4について述べることとし、他の部分の製造工程
については、周知であるため説明を省略する。図5およ
び図6は接地電極4の製造工程を示す説明図である。ま
た、以下の工程中の各寸法値は、上記した各金属層41
〜43の一例の形状寸法に基づくものである。
【0029】まず、図5(a)に示すように、所定の外
径(例えばφ2.15mm)の純ニッケル製のニッケル
線60を芯材として、このニッケル線60を所定の外径
t1(例えばφ3mm)の銅パイプ61(例えば肉厚
0.4mm)で囲む。そして、このニッケル線60を囲
んだ銅パイプ61をダイス80にてスウェージングを行
い、その外径を前記のt1(例えば3mm)から、この
t1よりも小さいt2(例えば2.35mm)とする
(スウェージング工程)。
【0030】スウェージングした銅パイプ61を、例え
ば長さ3.0mmでカットして、図5(b)に示すニッ
ケル−銅の線材62を形成する(線材カット工程)。こ
こで、図5(c)に示すように、予め切削(冷間鍛造で
もよい)により加工されたインコネル600(商標名)
よりなるカップ63を作成しておく。このカップ63
は、一端が開口部63a、他端が閉塞した底部63bを
有し、円筒形のカップ部63cの内径t3が上記線材6
2の外径t2よりやや大きく(例えば、φ2.4m
m)、カップ部63cの深さd3は、上記線材62の長
さより長く例えば5mmとしている。なお、カップ部6
3cの底面は、凹形状としている。
【0031】このカップ63のカップ部63cに、上記
線材62を入れ、図5(d)に示すように、パンチ81
にて定圧プレス(600kg)を行い、線材62とカッ
プ63とを密着させる。こうして第1の金属層として純
ニッケル、第2の金属層として銅、第3の金属層として
インコネル600からなる3層構造の複合体64が形成
される(複合体形成工程)。
【0032】なお、この複合体64の外径t4は上記カ
ップ63の外径と同じで例えばφ3.5mmである。ま
た、上記定圧プレスの際にカップ部63c底面の凹形状
によって、第1の金属層が第2の金属層からはみ出し
て、上記した第2の金属層の無い2層構造が形成され
る。続いて、複合体64を高温炉に入れ、例えば100
0℃まで昇温し、1000℃(±80℃)で所定時間
(例えば3時間)、真空雰囲気で熱処理を行う。それに
よって、上記した界面44、45の各々80%以上に、
平均厚さ10μm以上の拡散層(第1および第2の合金
層)が形成される(拡散層形成工程)。
【0033】その後、図5(e)に示すように、複合体
64をダイス82に入れ、プレスして、複合体64の開
口部(カップ63の開口部63aと同じ)64aをかし
める。そして、図6(a)に示すように、押し出し成形
(冷間鍛造加工)を行い、複合体64を外径t4(例え
ば3.5mm)の円筒体から、端部に鍔部65aを有す
る断面四角形(例えば1.6mm×2.8mm)の角柱
体65とする(角柱体形成工程)。
【0034】この角柱体65を850℃、30分で焼鈍
した後、図6(b)に示すように、取付金具1に抵抗溶
接する(溶接工程)。そして、図6(c)に示すよう
に、鍔部65aをカットする(顎部カット工程)。続い
て、絶縁体2および貴金属チップ51(図示せず)の設
けられた中心電極3を、取付金具1に組み付けるととも
に、角柱体65に貴金属チップ52(図示せず)を溶接
する。そして、図6(d)に示すように、角柱体65を
略L字に変形させ放電ギャップ6を形成し(放電ギャッ
プ形成工程)、接地電極4を形成する。こうしてスパー
クプラグが完成する。
【0035】ところで、各界面44、45に、設けられ
た第1および第2の拡散層は、上記拡散層形成工程によ
って、隣接金属層の金属同士が拡散してできた合金層で
ある。従って、第1の拡散層の熱膨張係数は、第1およ
び第2の金属層41、42の間の値すなわち純ニッケル
と銅の熱膨張係数の間の値を有し、第2の拡散層の熱膨
張係数は、第2および第3の金属層42、43の間の値
すなわち銅とインコネル600(商標名)の熱膨張係数
の間の値を有する。
【0036】そのため、金属層同士が直接密着している
場合に比べて界面における熱膨張係数の差を小さくで
き、界面44、45の熱応力を緩和することができる。
また、拡散層の形成によって、金属層同士が直接密着し
ている場合に比べて、界面接合力が優れる。従って、本
実施形態では、使用時において、界面剥離を抑えること
ができ、接地電極4の塑性変形が起こらず適切な放電ギ
ャップ6を維持することができるため、信頼性に優れた
スパークプラグを提供することができる。
【0037】次に、拡散層の平均厚さ10μm以上およ
び形成面積80%以上の根拠について述べる。拡散層形
成工程において、温度等の条件を変えることにより、接
地電極4の拡散層の平均厚さを種々変えたスパークプラ
グを作製した。そして、これらスパークプラグを、冷熱
衝撃試験(室温1分、950℃1分の1000サイク
ル)に供した。ここで、この冷熱衝撃試験は、スパーク
プラグの実際の使用に相当するものである。そして、冷
熱衝撃試験後、放電ギャップ6の変化を調べるととも
に、接地電極4内部の各金属層41〜43の各界面4
4、45における剥離状態を調べた。剥離状態の一例を
図7に示す。
【0038】図7は、上記図3に示す断面に相当するも
のである。剥離状態は、拡大鏡を用いて剥離部分(図7
のハッチング部分)を特定した。そして、この断面にお
ける界面44の全長と界面45の全長との和で、この断
面における各剥離部分の長さの総和(R1〜R5の総
和、図7中ΣRi)を除したものを、剥離比率(%)と
して評価した。この剥離比率が0であれば、おおよそ、
界面44および45において剥離は発生していないとい
える。
【0039】図8に、上記冷熱衝撃試験における剥離比
率(横軸%)と放電ギャップ6の変化(縦軸mm)との
関係を示す。これから、ギャップ変化が発生しないため
には、剥離比率が20%以下であれば良いといえる。ま
た、図9に、各拡散層の平均厚さ(横軸μm)と剥離比
率(縦軸%)との関係を示す。これから、剥離比率0%
すなわち剥離を起こさないためには、各拡散層の平均厚
さを、おおよそ10μm以上とすれば良いといえる。
【0040】従って、図8の結果と併せて考えると、厚
さ10μm以上の拡散層が、各界面44、45におい
て、80%以上形成されていれば、剥離比率を20%以
下にすることができ、放電ギャップ6の変化を防止でき
るといえる。また、本実施形態によれば、拡散層形成工
程で、複合体64を熱処理するのに必要な温度(例えば
1000℃)に昇温した後、所定時間の間、複合体64
を所定温度(例えば1000℃±80℃)に維持してい
る。そのため、複合体64を略一定温度で熱処理するこ
とになり、温度変化が小さいため、界面44、45での
熱応力発生を抑制でき、拡散層形成中における界面剥離
を防止できる。
【0041】以上本実施形態について述べてきたが、換
言すれば、本実施形態は、熱引き性能確保のために、第
1の金属層と第3の金属層との間に、熱引きの良い第2
の金属層を介在させた3層構造とした接地電極におい
て、第2の金属層が他の金属層と熱膨張係数が異なるた
めに発生する界面剥離を、界面に拡散層を形成すること
で防止するものである。 (他の実施形態)なお、上記実施形態においては、各金
属層の界面における合金層を、隣接金属層の金属の熱拡
散による拡散層として形成したが、各界面をろう付けす
ることにより、剥離を防止することもできる。この場
合、ろう付けの接合力により、熱応力が発生しても、剥
離が生じにくくなる。
【0042】また、ろう材が隣接金属層の間の熱膨張係
数を有する場合には、熱応力の緩和層として、働かせる
ことができる。上記実施形態のように第1の金属層が純
ニッケル、第2の金属層が銅、第3の金属層がニッケル
基合金の場合、各界面のろう材としては、例えば銅−ニ
ッケル合金ろうが採用可能である。また、熱処理を行う
拡散層形成工程は、上記実施形態のように、冷間鍛造加
工による押し出し成形(角柱体形成工程)前でなくとも
後であってもよい。但し、冷間鍛造加工を容易化させる
ためには、押し出し成形前が好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るスパークプラグの全体
構成を示す半断面図である。
【図2】図1のスパークプラグにおける接地電極形状を
示す構成図であり、(a)は接地電極の曲がり形状を示
すものであり、(b)は(a)のA矢視図である。
【図3】(a)は図2(b)のB−B断面図であり、
(b)は図2(a)のC−C断面図である。
【図4】上記実施形態におけるEPMAによる拡散層分
析の説明図である。
【図5】上記実施形態における製造工程のうちスウェー
ジング工程から複合体形成工程までを示す説明図であ
る。
【図6】上記製造工程のうち角柱体形成工程から放電ギ
ャップ形成工程までを示す説明図である。
【図7】接地電極内部の界面剥離状態を示す断面図であ
る。
【図8】剥離比率と放電ギャップの変化との関係を示す
グラフである。
【図9】拡散層の平均厚さと剥離比率との関係を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1…取付金具、2…絶縁体、3…中心電極、3a…中心
電極の先端部、4…接地電極、4a…対向部、6…放電
ギャップ、41…第1の金属層、42…第2の金属層、
43…第3の金属層、44…第1の金属層と第2の金属
層との界面、45…第2の金属層と第3の金属層との界
面、64…複合体。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心電極(3)と、 前記中心電極(3)の先端部(3a)を露出させた状態
    で前記中心電極(3)の周囲を覆う絶縁体(2)と、 前記絶縁体(2)の周囲に配設され前記絶縁体(2)を
    保持する取付金具(1)と、 前記取付金具(1)に固定され、前記中心電極(3)の
    前記先端部(3a)に、放電ギャップ(6)を隔てて対
    向する対向部(4a)を有する接地電極(4)とを備え
    るスパークプラグにおいて、 前記接地電極(4)は、第1の金属層(41)、該第1
    の金属層(41)を被覆し前記第1の金属層(41)よ
    りも熱伝導性に優れた第2の金属層(42)、該第2の
    金属層(42)を被覆し熱膨張係数が前記第2の金属層
    (42)よりも前記第1の金属層(41)に近い耐熱性
    および耐腐食性に優れた第3の金属層(43)の3層構
    造を有しており、 前記第1の金属層(41)と前記第2の金属層(42)
    との界面(44)には、前記第1の金属層(41)の金
    属と前記第2の金属層(42)の金属との合金からなる
    第1の合金層が形成され、前記第2の金属層(42)と
    前記第3の金属層(43)との界面(45)には、前記
    第2の金属層(42)の金属と前記第3の金属層(4
    3)の金属との合金からなる第2の合金層が形成されて
    いることを特徴とするスパークプラグ。
  2. 【請求項2】 前記第1および第2の合金層の平均厚さ
    は、10μm以上であることを特徴とする請求項1に記
    載のスパークプラグ。
  3. 【請求項3】 前記第1および第2の合金層は、それぞ
    れ前記各界面(44、45)の80%以上に形成されて
    いることを特徴とする請求項1または2に記載のスパー
    クプラグ。
  4. 【請求項4】 前記第1の金属層(41)は純ニッケル
    からなり、前記第2の金属層(42)は銅からなり、前
    記第3の金属層(43)はニッケル基合金からなること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の
    スパークプラグ。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4に記載のスパークプラ
    グの製造方法であって、 前記3層構造からなる複合体(64)を形成した後、該
    複合体(64)を熱処理することにより隣接層の金属同
    士を拡散させて前記第1および第2の合金層を形成する
    ことを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記複合体(64)を熱処理するのに必
    要な温度に昇温した後、所定時間の間、前記複合体(6
    4)を所定温度に維持することにより熱処理することを
    特徴とする請求項5に記載のスパークプラグの製造方
    法。
JP27007697A 1997-10-02 1997-10-02 スパークプラグおよびその製造方法 Pending JPH11111426A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27007697A JPH11111426A (ja) 1997-10-02 1997-10-02 スパークプラグおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27007697A JPH11111426A (ja) 1997-10-02 1997-10-02 スパークプラグおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11111426A true JPH11111426A (ja) 1999-04-23

Family

ID=17481200

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27007697A Pending JPH11111426A (ja) 1997-10-02 1997-10-02 スパークプラグおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11111426A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009187721A (ja) * 2008-02-05 2009-08-20 Ngk Spark Plug Co Ltd スパークプラグの製造方法及びスパークプラグ
WO2010029944A1 (ja) * 2008-09-09 2010-03-18 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグ
CN102142660A (zh) * 2009-11-23 2011-08-03 罗伯特.博世有限公司 带有多层结构的火花塞接地电极及其制造方法
WO2013084468A1 (ja) * 2011-12-08 2013-06-13 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグ
WO2015093003A1 (ja) * 2013-12-17 2015-06-25 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグ
WO2016096464A1 (de) 2014-12-16 2016-06-23 Robert Bosch Gmbh Zündkerze mit masseelektrode mit kleinem querschnitt
DE112015000475B4 (de) 2014-01-23 2022-04-28 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Zündkerze

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009187721A (ja) * 2008-02-05 2009-08-20 Ngk Spark Plug Co Ltd スパークプラグの製造方法及びスパークプラグ
WO2010029944A1 (ja) * 2008-09-09 2010-03-18 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグ
US8410673B2 (en) 2008-09-09 2013-04-02 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Spark plug having a ground electrode of specific alloy composition to which a noble metal tip is joined
CN102142660A (zh) * 2009-11-23 2011-08-03 罗伯特.博世有限公司 带有多层结构的火花塞接地电极及其制造方法
WO2013084468A1 (ja) * 2011-12-08 2013-06-13 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグ
JP2013120701A (ja) * 2011-12-08 2013-06-17 Ngk Spark Plug Co Ltd スパークプラグ
US8896193B2 (en) 2011-12-08 2014-11-25 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Spark plug
WO2015093003A1 (ja) * 2013-12-17 2015-06-25 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグ
JP2015118770A (ja) * 2013-12-17 2015-06-25 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグ
DE112015000475B4 (de) 2014-01-23 2022-04-28 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Zündkerze
WO2016096464A1 (de) 2014-12-16 2016-06-23 Robert Bosch Gmbh Zündkerze mit masseelektrode mit kleinem querschnitt

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4419327B2 (ja) 内燃機関用スパークプラグ及びその製造方法
US8106572B2 (en) Spark plug and process for producing the spark plug
JPH11185928A (ja) スパークプラグ
JP5978348B1 (ja) スパークプラグ
EP0474351B1 (en) An outer electrode for spark plug and a method of manufacturing thereof
US20100264801A1 (en) Spark plug and process for producing the spark plug
US6759795B2 (en) Spark plug
EP2028736B1 (en) Spark plug for internal combustion engine
CN101861685A (zh) 内燃机用火花塞
US6177647B1 (en) Electrode for plasma arc torch and method of fabrication
JPH11111426A (ja) スパークプラグおよびその製造方法
EP1168542B1 (en) Spark plug for internal combustion engine
JPH09303137A (ja) 高温被加熱体の電極の構造
JP3776499B2 (ja) 金属部材とセラミックス部材との接合構造およびその製造方法
JP3071236B2 (ja) 点火栓用複合外側電極の製造方法
JPH0737678A (ja) スパークプラグ用電極の製造方法
JPH0567488A (ja) スパークプラグ
JP7157000B2 (ja) スパークプラグ
JP3128254B2 (ja) 点火栓用複合電極の製造方法
JPH0343982A (ja) 点火プラグの中心電極の製造方法
JPH07103478A (ja) グロープラグ
JP2001155840A (ja) スパークプラグの製造方法
JPH04118882A (ja) 点火栓の外側電極の製造方法
JPS6337848B2 (ja)
JP3295730B2 (ja) スパークプラグ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060410

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060418

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060606

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20061114

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20061225

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070703

A521 Written amendment

Effective date: 20070830

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Effective date: 20070905

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20071207