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JPH11115308A - 記録用シート - Google Patents

記録用シート

Info

Publication number
JPH11115308A
JPH11115308A JP9296285A JP29628597A JPH11115308A JP H11115308 A JPH11115308 A JP H11115308A JP 9296285 A JP9296285 A JP 9296285A JP 29628597 A JP29628597 A JP 29628597A JP H11115308 A JPH11115308 A JP H11115308A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording sheet
layer
coating
water
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9296285A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuki Suzuki
勝喜 鈴木
Takashi Kobayashi
孝史 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP9296285A priority Critical patent/JPH11115308A/ja
Publication of JPH11115308A publication Critical patent/JPH11115308A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット記録、熱転写記録又は電子写
真記録により画像シートを得ることができ、そして、塗
布乾燥時にヒビ割れが発生することなくなく簡易に形成
することができる色材受容層を有する記録用シートを提
供すること。 【解決手段】 支持体上に色材受容層が設けられた記録
用シートであって、その色材受容層が、無機微粒子と水
溶性樹脂とを含む塗布液を支持体上に塗布し、その塗布
と同時に、あるいは塗布した層が恒率乾燥速度を示す間
(減率乾燥速度を示すようになる前)に、その水溶性樹
脂を架橋させることができる架橋剤を含む溶液を塗布等
の方法で付与して、硬化させることにより得られた層で
あることを特徴とする記録用シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、色材を用いて記録する
記録シートに関するものである。特に、インクジェット
記録、熱転写記録及び電子写真記録等により画像シート
を形成するために有利に用いられる記録シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、情報産業の急速な発展に伴い、種
々の情報処理システムが開発され、また、それぞれの情
報システムに適した記録方法及び装置も開発され、採用
されている。このような記録方法の中で、インクジェッ
トあるいはプロッタを用いたインク記録、および溶融型
色材あるいは昇華型色材を用いた感熱転写記録において
は、使用する装置が軽量化とコンパクト化され、騒音も
なく、操作性、保守性にも優れたものとなっている。さ
らに、このような記録方法で使用される装置はカラー化
も容易であることから、最近広く使用されている。ま
た、従来の電子写真方式においてもカラー化が進み、高
解像度でフルカラーのプリンタや複写機が開発され、商
品化されてきている。
【0003】インクジェット方式は各種の方式が開発さ
れているが、物性的には大きく分けて水溶性色素を含む
色素溶液(水性インク)を用いる方法、及び油溶性色素
を含む色素溶液(油性インク)を用いる方法、そして色
素を含有する低融点固形ワックス(ワックスインク)を
熱溶融させて用いる方法の三種がある。主流は水性イン
クを使用するタイプである。何れにしてもインク記録シ
ートの表面に液状の微粒滴を吐出させて画像を形成する
方法である。
【0004】感熱転写方式は、大きく分けて二種の方式
がある。第1の方式は、支持体上に塗工された熱溶融性
のインクを支持体側からの熱印加により、熱印加したパ
ターン状に溶融させることによって、記録シートに転写
させて画像を得る方法(溶融熱転写)であり、第2の方
式は、支持体上に高軟化点の樹脂と昇華性染料とからな
る感熱記録材料に、前者と同様に支持体側からの熱印加
を行ない、熱印加したパターン状に昇華染料を昇華させ
ることにより記録シートに転写させて画像を得る方法
(昇華熱転写)である。電子写真方式は、帯電した光導
電層に光画像パターンを与えて静電潜像を形成し、次い
でトナー現像後に記録シートに転写し、熱でトナーを溶
融定着する方法が主流である。
【0005】一方、次のような用途では、透明シートを
使用する必要があり、多くは表面に色材受容(吸収)層
を設けた透明フイルムを用いて、上記のように画像形成
して記録シートを作成する。例えば、会議等でスライド
の代わりに使用される機会が増えているOHPフイル
ム、印刷ポスターや表示板の代わりに使用される機会が
増えているバックライトディスプレイ用フイルム、及び
第二原図用フイルム等を挙げることができる。
【0006】上記の記録方式で画像が形成された透明フ
イルムは、得られる画像の色相、彩度、明度に加えて、
色材が記録シートの表面に強固に接着していることが必
要であり、さらにインクジェット記録の場合では、精細
な画像を得る上で、液状インクを早く吸収し、インク滲
みやインク溜まりの無いこと等が要求される。
【0007】これらの問題点を解決するために、従来か
ら様々な提案がなされている。例えば、特開昭57−1
4091号公報および特開昭61−19389号公報に
は、透明支持体と、その上に設けられたコロイダルシリ
カと水溶性樹脂との透明層からなる記録用シートが提案
されている。しかしながら、この透明層は、コロイダル
シリカの粒子が大きすぎ、また水溶性樹脂の量が多過ぎ
るため充分に大きな空隙率が得られず、このため上記記
録用シートは充分に大きいインキ吸収速度を示しにくい
という問題がある。
【0008】また、特開平2−276670号公報およ
び特開昭3−281383号公報には、擬ベーマイト微
粒子から形成された細孔を有する色材受容層を具備した
記録用シートが開示されている。本発明者の検討によれ
ば、この記録用シートはインキ吸収性は向上するもの
の、屈折率が1.65と高いため、充分に高い透明度が
得られないことが判明した。
【0009】さらにまた、特開昭61−53598号公
報には、支持体と、その上に設けられた合成シリカ、屈
折率1.44〜1.55の微粒子及び水溶性樹脂からな
る透明層を有する記録用シートが開示されている。合成
シリカは、通常10nmを超える一次粒子径を有し、更
に二次粒子は数100nmの粒径となる。このような二
次粒子は、光を散乱し易く、従ってこのような粒子を含
む記録用シートは、充分に高い光線透過率を示さない。
更に、透明層が大きな二次粒子のため比、較的多きな空
孔を有するので、インク滲みやインク溜まりの発生を充
分に防止することができない。
【0010】上記問題を解決した記録用シートとして、
特開平7−276789号公報に、無機微粒子と水溶性
樹脂とから形成された高い空隙率の三次元構造を有する
色材受容層が透明支持体上に設けられた記録用シートが
提案されている。この構成により、上記インク吸収性と
混色滲みの抑制が充分で、解像度が高い画像を得ること
ができるとされている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】無機微粒子及び水溶性
樹脂から形成された高い空隙率の色材受容層は、一般に
粒子が小さく、また粒子の含有量も大きい。そして、こ
のような色材受容層を形成するための材料を含有する塗
布液を塗布した際、塗布層を乾燥させている間にヒビ割
れが発生する場合があることが本発明者の検討により明
らかとなった。そして、このヒビ割れは特に、乾燥時間
を短縮するために、比較的高い温度で乾燥した場合に発
生し易いことが明らかとなった。このヒビ割れを防止す
る方法として、特開平9−109545号公報に、塗布
液のバインダーの粘度を比較的高くする方法が提案され
ているが、この方法では、塗布ムラ等が発生し易く、作
業性の低下につながるので好ましくない。また、この方
法は、ヒビ割れ防止効果においても十分とは言えない。
【0012】上記色材受容層のヒビ割れを防止するた
め、本発明者が検討を重ねたところ、塗布層のヒビ割れ
は、支持体上に色材受容層形成用塗布液を塗布した後、
その乾燥途中、即ち恒率乾燥から減率乾燥へ移行する時
期に発生することが明らかとなった。この知見を基に、
本発明者は更に検討を重ね、減率乾燥状態が始まる前の
恒率乾燥の状態において、できるだけ早く塗布層の膜強
度を高めることにより、ヒビ割れを防止が可能であるこ
とを見いだし、本発明に到達した。
【0013】従って、本発明はインクジェット記録、熱
転写記録又は電子写真記録により画像シートを得ること
ができ、そして、塗布乾燥時にヒビ割れが発生しにく
く、簡易に形成することができる色材受容層を有する記
録用シートを提供することを目的とする。
【0014】特に、本発明は、液状インクを迅速に吸収
してインクの吸収ムラがなく、インク滲みやインク溜ま
りの無い精細な画像を得ることができ、そして、塗布乾
燥時にヒビ割れが発生することなく、簡易に形成するこ
とができる色材受容層を有するインクジェット記録に適
した記録用シートを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体上に色
材受容層が設けられてなる記録用シートにおいて、該色
材受容層が、無機微粒子及び水溶性樹脂を含む塗布液を
支持体上に塗布し、該塗布と同時に、あるいは該塗布し
た層が減率乾燥速度を示すようになる前に、該水溶性樹
脂を架橋させることができる架橋剤を含む溶液を付与
し、硬化させることにより得られた層であることを特徴
とする記録用シートにある。
【0016】上記本発明の記録用シートの好ましい態様
は下記のとおりである。 (1)架橋剤が硼酸又は硼酸塩である。 (2)無機微粒子が、平均1次粒子径が20nm以下
(好ましくは、10nm以下、特に3〜10nmの範
囲)のシリカ微粒子である。 (3)水溶性樹脂がポリビニルアルコールもしくはゼラ
チンである。 (4)無機微粒子と水溶性樹脂の重量比が1.5:1〜
10:1の範囲にある。 (5)色材受容層が40〜80%の空隙率(特に50〜
80%の空隙率)を有する。
【0017】(6)色材受容層が、塩基性基(特に第四
級アンモニウム塩基)を有するシランカップリング剤を
含む (7)色材受容層が、無機微粒子及び水溶性樹脂を含む
塗布液と該架橋剤の溶液とを同時塗布する際に、さらに
該架橋剤と反応しない液を、塗布液の層と架橋剤の溶液
の層との間にその液の層が介在するように同時塗布し、
硬化させることにより得られた層である。 (8)記録用シートがインクジェット記録用である。
【0018】(9)架橋剤含有溶液の色材受容層上の塗
布量が、架橋剤換算で0.01〜10g/m2 の範囲
(0.05〜5g/m2 の範囲)にある。 (10)色材受容層が三次元網目構造を有する。 (11)色材受容層が30%以下のヘイズを有する。 (12)色材受容層の層厚が10〜50μmであるイン
クジェット記録用の上記記録用シート。 (13)色材受容層の層厚が0.1〜10μmである電
子写真用又は感熱記録用上記記録用シート。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の記録用シートは、支持体
と、支持体上に形成された色材受容層とからなる基本構
成を有し、例えば下記のようにして製造することができ
る。
【0020】上記支持体として使用できる材料として
は、プラスチック等の透明材料を用いても、紙等の不透
明な材料を用いても良い。本発明では、色材受容層の透
明性を生かす上で、支持体は透明支持体または高光沢の
不透明支持体であることが好ましい。透明支持体として
使用できる材料としては、透明でOHPあるいはバック
ライトディスプレイで使用される時の輻射熱に耐える性
質を有する材料が好ましい。このような材料としては、
ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類;ニト
ロセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセ
テートブチレート等のセルロースエステル類、そしてポ
リスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、
ポリカーボネート、ポリアミド等を挙げることができ
る。これらの中でポリエステル類が好ましく、特にポリ
エチレンフタレートが好ましい。透明支持体の厚さは、
特に制限はないが、50〜200μmのものが取り扱い
易く好ましい。
【0021】高光沢の不透明支持体としては、色材受容
層の設けられる側の表面が40%以上の光沢度を有する
ものが好ましい。上記光沢度は、JIS P−8142
(紙及び板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記載の方
法に従って測定することにより求められる値である。高
光沢の不透明支持体の例としては、アート紙、コート
紙、キャストコート紙、銀塩写真用支持体等に使用され
るバライタ紙等の高光沢の紙;ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)等のポリエステル類、ニトロセルロー
ス、セルロースアセテート及びセルロースアセテートブ
チレート等のセルロースエステル類、あるいはポリスル
ホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカ
ーボネート、ポリアミド等のプラスチックフィルムで、
このフィルムに白色顔料等を含有させて不透明にした高
光沢の(表面カレンダー処理等を行なって)フィルム、
あるいは上記各種紙、上記透明プラスチックフィルムま
たは白色顔料等含有プラスチックの表面に、白色顔料を
含有するか、あるいは含有しないポリオレフィンの被覆
層が設けられたフィルム等を挙げることができる。さら
に、白色顔料含有発泡ポリエステルフィルム(例、ポリ
オレフィン微粒子を含有させ、延伸により空隙を形成し
たカルシウム含有発泡PET)も挙げることができる。
また銀塩写真用支持体として一般的に使用されているポ
リオレフィンコート紙(表面に白色顔料含有ポリオレフ
ィン層が設けられた紙支持体等のポリオレフィンの被覆
層が設けられた支持体の一種)、あるいは金属蒸着層等
が設けられた特種紙等を、好適に使用することができ
る。特に白色顔料含有ポリオレフィン層が設けられた紙
支持体、白色顔料含有ポリオレフィン層が設けられたポ
リエステル(好ましくはPET)フィルム、白色顔料含
有ポリエステルフィルムあるいは白色顔料含有発泡ポリ
エステルフィルムが好ましい。不透明支持体の厚さは、
特に制限はないが、50〜200μmのものが取り扱い
易く好ましい。
【0022】また支持体はコロナ放電処理、火炎処理、
紫外線照射処理を施したものを使用してもよい。
【0023】本発明の色材受容層は、無機微粒子と水溶
性樹脂とを含む塗布液を支持体上に塗布する際、該塗布
と同時に、あるいは該塗布した層が減率乾燥速度を示す
ようになる前に塗布層上に、架橋剤の溶液を付与し、硬
化させることにより得られる水溶性樹脂が架橋剤により
硬化した層である。
【0024】水溶性樹脂の例としては、親水性構造単位
としてヒドロキシル基を有する樹脂である、ポリビニル
アルコール(PVA)、セルロース系樹脂(メチルセル
ロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキ
シエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセル
ロース(CMC)等)、キチン類、及びデンプン;エー
テル結合を有する樹脂であるポリエチレンオキサイド
(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポ
リエチレングリコール(PEG)及びポリビニルエーテ
ル(PVE);そしてアミド基またはアミド結合を有す
る樹脂であるポリアクリルアミド(PAAM)およびポ
リビニルピロリドン(PVP)を挙げることができる。
また、解離性基としてカルボキシル基を有するポリアク
リル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩及びゼラチン
類;スルホン基を有するポリスチレンスルホン酸塩、ア
ミノ基、イミノ基、第3アミン及び第4級アンモニウム
塩を有するポリアリルアミン(PAA)、ポリエチレン
イミン(PEI)、エポキシ化ポリアミド(EPA
m)、ポリビニルピリジン及びゼラチン類を挙げること
ができる。
【0025】無機微粒子としては、例えば、シリカ微粒
子、コロイダルシリカ、珪酸カルシウム、ゼオライト、
カオリナイト、ハロイサイト、白雲母、タルク、炭酸カ
ルシウム、硫酸カルシウム、ベーマイト、擬ベーマイト
等を挙げることができる。透明性を低下させない点か
ら、屈折率が1.40〜1.60の範囲にあるものが好
ましい。これらの中でシリカ微粒子が好ましい。また無
機微粒子の平均一次粒子径は20nm以下(好ましくは
10nm以下、特に3〜10nm)が一般的で、また屈
折率は1.45付近であることが好ましい。
【0026】シリカ粒子は、表面のシラノール基による
水素結合により粒子同士が付着やすい為、上記のように
平均一次粒子径が特に10nm以下の場合に特に空隙率
の大きい構造を形成することができ、インク吸収特性が
向上する。シリカ粒子は製造法により湿式法と乾式法に
大別される。湿式法では、ケイ酸塩の酸分解により活性
シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させ含
水シリカを得る方法が主流である。一方の乾式法シリカ
は、ハロゲン化珪素の高温気相加水分解による方法(火
炎加水分解法)、ケイ砂とコークスを電気炉中でアーク
により加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(ア
ーク法)で無水シリカを得る方法が主流である。これら
の含水シリカ及び無水シリカは、表面のシラノール基の
密度、空孔の有無等に相違があり、それぞれ異なった性
質を示すが、無水珪酸(無水シリカ)の場合に特に空隙
率が高い三次元構造を形成し易く好ましい。この理由は
明らかではないが、表面のシラノール基の密度が含水シ
リカの場合には5〜8個/nm2 と多く粒子が密に凝集
(アグリゲート)し易く、一方の無水シリカの場合は2
〜3個/nm2 と少ない為、粗な軟凝集(フロキュレー
ト)となり空隙率が高い構造になるためであると推定さ
れる。
【0027】透明性の観点から、シリカ微粒子に組み合
わせる樹脂の種類が重要であり、無水シリカの場合は、
PVA、特に低鹸化度(好ましくは鹸化度70〜90
%)のPVAが光透過性の点で好適である。PVAは、
構造単位に水酸基を有するが、この水酸基とシリカ粒子
表面のシラノール基が水素結合を形成して、シリカ粒子
の二次粒子を鎖単位とする三次元網目構造を形成し易く
し、これにより、空隙率の高い構造の色材受容層が得ら
れると考えられる。このようにして得た多孔質層はイン
クジェット記録において、毛細管現象によって急速にイ
ンクを吸収し且つインクにじみやインク溜まりの無い精
細な記録が可能であるばかりでなく、感熱記録における
色材、そして電子写真記録におけるトナーを強固に接着
できる。この理由は、色材やトナーが多孔質層の細孔内
にもぐり込み、その結果として三次元網目構造に起因す
る形状的なアンカー効果が発生し、それにより色材等を
強固に固定する為である。また、無機微粒子の割合が多
い為、耐熱性が高く電子写真記録に於ける耐エンボス性
も高いという特徴がある。
【0028】無機微粒子(好ましくはシリカ微粒子)と
水溶性樹脂の比率(PB比:水溶性樹脂の重量1に対す
る無機微粒子の重量)は、膜構造にも大きな影響を与え
る。PB比が大きくなると空隙率、細孔容積、表面積
(単位重量当たり)が大きくなる。比率が10を超えた
場合には、膜強度、乾燥時のヒビ割れに対する効果が無
く、1.5未満では空隙が樹脂で塞がれ、空隙率が減少
してインク吸収性能が低下する。この為、PB比は1.
5〜10の範囲が好適である。特にOHPフイルムのよ
うに、記録シートの画像に手で直接触る場合は充分な膜
強度を得る必要があり、PB比は5以下が特に好まし
く、またインクジェットプリンタで高速インク吸収性を
得る為にはPB比は2以上が特に好ましく、従ってPB
比は2〜5の範囲がさらに好適である。
【0029】例えば、上述のような平均一次粒子径が1
0nm以下の無水シリカと水溶性樹脂をPB比が2〜5
で水溶液中に完全に分散し塗布乾燥した場合、シリカ粒
子の二次粒子を鎖単位とする三次元網目構造が形成さ
れ、平均細孔が30nm以下、空隙率が50%以上、細
孔比容積0.5ml/g 以上、そして比表面積が100
2/g 以上の透光性の多孔質膜を容易に形成することが
できる。
【0030】本発明の色材受容層は、上記無機微粒子及
び水溶性樹脂を主成分とする層(多孔質層)を、さらに
架橋剤により硬化した層である。しかも、本発明では、
架橋剤の付与は、上記多孔質層形成用塗布液が塗布され
たと同時に、あるいは多孔質層形成用塗布液層が減率乾
燥速度を示すようになる前に行なわれる。この操作によ
り、多孔質層形成用塗布液の塗布層が乾燥する間に発生
するヒビ割れを防止することができる。即ち、上記多孔
質層形成用塗布液が塗布されたと同時に、あるいは塗布
層が減率乾燥速度を示すようになる前に、付与された架
橋剤含有溶液は塗布層内に浸透し、塗布層内の水溶性樹
脂と速やかに反応し、水溶性樹脂を高分子化(硬化)さ
せることにより、塗布層の膜強度を即時に大幅に向上さ
せる。その結果、上記多孔質層形成用塗布液の塗布層の
乾燥時に発生するヒビ割れを防止することができる。
【0031】用いる架橋剤の例としては、硼酸、硼酸塩
(例、オルト硼酸塩、InBO3 、ScBO3 、YBO
3 、LaBO3 、Mg3(BO3)2 、Co3(BO3)2 、二
硼酸塩(例、Mg225 、Co225)、メタ硼
酸塩(例、LiBO2 、Ca( BO2)2 、NaBO2
KBO2 )、四硼酸塩(例、Na247 ・10H2
O) 、五硼酸塩(例、KB58・4H2 O、Ca26
11・ 7H2 O、CsB55)、グリオキザール、メラ
ミン・ホルムアルデヒド(例、メチロールメラミン、ア
ルキル化メチロールメラミン)、メチロール尿素、レゾ
ール樹脂、ポリイソシアネート等を挙げることができ
る。これらの中で、硼酸あるいは硼酸塩が好ましい。硼
酸、硼酸塩は、水溶性樹脂としてポリビニルアルコール
と組み合わせて使用することが、速やかに架橋反応を起
こすので好ましい。
【0032】水溶性樹脂としてゼラチンを用いる場合に
は、ゼラチンの硬膜剤として知られている、下記の化合
物を架橋剤として用いることができる。ホルムアルデヒ
ド、グリオキザール、グルタールアルデヒド等のアルデ
ヒド系化合物;ジアセチル、シクロペンタンジオン等の
ケトン系化合物;ビス(2−クロロエチル尿素)−2−
ヒドロキシ−4、6−ジクロロ−1、3、5トリアジ
ン、2、4−ジクロロ−6−S−トリアジン・ナトリウ
ム塩等の活性ハロゲン化合物;ジビニルスルホン酸、
1、3−ビニルスルホニル−2−プロパノール、N、
N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセタミド)、
1、3、5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−S−ト
リアジン等の活性ビニル化合物;ジメチロ−ル尿素、メ
チロールジメチルヒダントイン等のN−メチロール化合
物;1、6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソ
シアネート系化合物;米国特許明細書第3017280
号、同第2983611号に記載されたアジリジン系化
合物;米国特許明細書第3100704号に記載される
カルボキシイミド系化合物;グリセロールトリグリシジ
ルエーテル等のエポキシ系化合物;1、6−ヘキサメチ
レン−N、N’−ビスエチレン尿素等のエチレンイミノ
系化合物;ムコクロル酸ムコフェノキシクロル酸等のハ
ロゲン化カルボキシアルデヒド系化合物;2、3−ジヒ
ドロキシジオキサン等のジオキサン系化合物;クロム明
ばん、カリ明ばん、硫酸ジルコニウム、酢酸クロム等。
これらは二種以上組み合わせて用いることもできる。
【0033】上記架橋剤の溶液は、架橋剤を水及び/又
は有機溶剤に溶解して調製される。架橋剤溶液の濃度
は、0.05〜10重量%が好ましく、特に0.1〜7
重量%である。架橋剤の溶媒としては、一般に水が使用
される。有機溶剤としては、各材料が溶解するものを使
用すれば良く、例えば、メタノール、イソプロピルアル
コール等のアルコール;メチルエチルケトン等のケト
ン;酢酸エチル等のエステル;トルエン等の芳香族溶
剤;テトラヒドロフラン等のエーテル及びジクロロメタ
ン等のハロゲン化溶剤等を挙げることができる。
【0034】本発明では、無機微粒子及び水溶性樹脂を
主成分とする塗布液(多孔質層形成用塗布液)を支持体
上に塗布した際、該塗布層がヒビ割れを起こさないよう
に架橋剤を付与し、速やかに塗布層の膜強度を向上させ
ている。実際には、無機微粒子と溶性樹脂とを主成分と
する塗布液の塗布と同時に架橋剤溶液を塗布するか、無
機微粒子と水溶性樹脂とを主成分とする塗布液を塗布し
た後、速やかに架橋剤溶液が付与される。
【0035】次に、無機微粒子と水溶性樹脂とを主成分
とする塗布液(多孔質層形成用塗布液)を塗布した後、
その塗布層が減率乾燥速度を示すようになる前に速やか
に架橋剤溶液を付与する方法について説明する。多孔質
層形成用塗布液は、例えば、平均一次粒子径10nm以
下のシリカ微粒子を水中に添加して(例、10〜15重
量%)、高速回転湿式コロイドミル(例、クレアミック
ス(エム・テクニック(株)製))を用いて、例えば1
0000rpm(好ましくは5000〜20000rp
m)の高速回転の条件で20分間(好ましくは10〜3
0分間)分散させた後、ポリビニルアルコール水溶液
(例、シリカの1/3程度の重量のPVAとなるよう
に)を加え、更に上記と同じ条件で分散を行なうことに
より得ることができる。このようにして得られた塗布液
は、均一ゾルであり、これを下記の塗布方法により、支
持体上に形成することにより、三次元網目構造を有する
多孔質層を得ることができる。
【0036】上記多孔質層形成用塗布液の塗布は、例え
ば、上記塗布液に、所望によりさらに帯電防止剤、媒染
剤等を加えて得られた塗布液を、上記支持体(フィル
ム)上に塗布することにより実施することができる。塗
布は、例えばエクストルージョンダイコーター、エアー
ドクターコーター、ブレッドコーター、ロッドコータ
ー、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロー
ルコーター、バーコーター等の公知の塗布方法で行なう
ことができる。
【0037】多孔質層形成用塗布液の塗布後、その塗布
層が減率乾燥速度を示すようになる前に、塗布層上に、
本発明の架橋剤を含む溶液を、上記多孔質層形成用塗布
液と同様の方法で塗布し、乾燥して、本発明の硬化され
た色材受容層が得られる。なお、架橋剤溶液はスプレー
等の方法で付与してもよい。
【0038】上記塗布層が減率乾燥速度を示すようにな
る前とは、通常、塗布直後から数分の間であり、この間
においては塗布層中の溶剤の含有量が時間に比例して減
少する現象である、恒率乾燥速度を示す。このような恒
率乾燥速度を示す期間については、化学工学便覧(70
7〜712頁、丸善株式会社発行、昭和55年10月2
5日)に記載されている。
【0039】本発明の色材受容層は、多孔質層形成用塗
布液の塗布後、この塗布層が恒率乾燥速度を示している
間に、上記架橋剤含有溶液を塗布またはスプレー等の方
法で付与する。多孔質層形成用塗布液の塗布後乾燥は、
一般に、50〜180℃で0.5〜10分間(特に0.
5〜5分間)行なわれる。この乾燥時間は、当然塗布量
により異なるが、上記範囲が適当である。
【0040】多孔質層形成用塗布液の塗布層には、その
塗布層が恒率乾燥速度を示す期間内に、架橋剤含有溶液
に該塗布層を有する支持体を浸漬することにより、ある
いは塗布層に、架橋剤含有溶液をスプレー塗布すること
により、該塗布層中に架橋剤を導入あ巣される。架橋剤
含有塗布液の塗布は、上記の方法の他、カーテンフロー
コーター、エクストルージョンダイコーター、エアード
クターコーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、
ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコ
ーター、バーコーター等の公知の塗布方法を利用するこ
とができるが、エクストリュージョンダイーコーター、
カーテンフローコーター、バーコーター等を用いて塗布
層にコーターが直接接触しない方法が好ましい。
【0041】架橋剤含有塗布液の色材受容層上の塗布量
は、架橋剤換算で0.01〜10g/m2 の範囲が一般
的であり、0.05〜5g/m2 の範囲が好ましい。架
橋剤含有塗布液の塗布後、塗布層は一般に40〜180
℃で0.5〜30分間加熱され、乾燥及び硬化が行なわ
れる。40〜150℃で1〜20分間で加熱することが
好ましい。例えば、架橋剤として硼酸を使用する場合
は、60〜100℃で5〜20分間加熱することが好ま
しい。
【0042】次に、本発明の色材受容層の別の形成方法
である、無機微粒子及び水溶性樹脂を主成分とする塗布
液(多孔質層形成用塗布液)の塗布と同時に架橋剤溶液
を塗布する方法について説明する。多孔質層形成用塗布
液と架橋剤含有溶液を、多孔質層形成用塗布液が支持体
と接触するように、支持体上に同時塗布し、硬化させる
ことにより得ることができる。多孔質層形成用塗布液及
び架橋剤含有溶液の同時塗布は、例えば、例えばエクス
トルージョンダイーコーター、カーテンフローコーター
を用いる塗布方法で行なうことができる。同時塗布(重
層塗布)後の乾燥は一般に、40〜150℃で0.5〜
10分間加熱することにより行なわれ、塗布層は硬化さ
れる。更に40〜100℃で0.5〜5分間加熱するこ
とが好ましい。例えば、架橋剤として硼酸を使用する場
合は、60〜100℃で5〜20分間加熱することが好
ましい。
【0043】上記重層塗布を、例えば、エクストルージ
ョンダイコーターで行なった場合、二種の塗布液はエク
ストルージョンダイコーター上で、即ち支持体上に移る
前に重層が形成される。そして、二層の塗布層(重層)
が支持体に移る際に、すでに二層の界面で架橋反応が起
こっているため、エクストルージョンダイコーターの吐
出口付近で吐出塗布液の混合による増粘が発生し易くな
り、塗布操作に支障をきたす場合がある。従って、上記
同時塗布を行なう際は、多孔質層形成用塗布液及び該架
橋剤含有溶液の塗布と共に、さらに架橋剤と反応しない
液を、塗布液の層と溶液の層との間に層を介在するよう
に同時三層塗布することが好ましい。架橋剤と反応しな
い液としては、例えば、架橋剤と反応しない水溶性樹脂
(増粘剤として使用)を微量含む水溶液を挙げることが
できる。
【0044】また、塗布、乾燥後、得られた色材受容層
は、例えばスーパーカレンダ、グロスカレンダなどを用
い、加熱、加圧下にロールニップ間を通すことにより、
表面平滑性、透明性及び塗膜強度を向上させることが可
能である。しかしながら、このような処理は空隙率を低
下させるため(即ちインク吸収性が低下するため)、空
隙率の低下が少ない条件を設定して行なう必要がある。
【0045】得られた色材受容層の層厚は、インクジェ
ット記録の場合では、液滴を全て吸収するだけの吸収容
量をもつ必要があり、これは塗膜の空隙率との関連で決
定する必要がある。例えばインク量が8nL/mm2 で、
空隙率が60%の場合であれば膜厚が約15μm以上の
膜が必要となる。インクジェット記録の場合は、10〜
50μmの範囲の膜厚が好ましい。感熱転写や電子写真
方式の場合は、色材あるいはトナーを表面に吸着するこ
とから薄膜で十分であり、0.1〜10μmの膜厚が好
ましい。
【0046】また、上記色材受容層を主として構成する
無機微粒子と水溶性樹脂とは、それぞれ単一素材でも良
いし複数の素材の混合系でもよい。また色材受容層は主
として上記無機微粒子と水溶性樹脂からなるがそれ以外
に粒子の分散性を高める為に各種の無機塩類、PH調整
剤として酸アルカリを含んでいてもよい。また塗布適性
や表面品質を高める目的で各種の界面活性剤を使用して
もよい。表面の摩擦帯電や剥離帯電を抑制する為、ある
いは電子写真法に於いて表面電気抵抗を調整する為にイ
オン導電性を持つ界面活性剤や電子導電性を持つ金属酸
化物微粒子を含んでいてもよい。またインクジェット記
録に於いて色素を固定し耐水性を高める目的で媒染剤を
使用してもよい。また表面の摩擦特性を低減する目的で
各種のマット剤を含んでいてもよい。更にまた色材の劣
化を抑制する目的で各種の酸化防止剤、紫外線吸収剤を
含んでいてもよい。
【0047】また色材受容層と支持体の間に接着性を高
めたり、電気抵抗を調整する等の目的で下塗層を設けて
もよい。さらに色材受容層は、支持体の片面に設けても
良いし、またカール等を抑制する為に、両面に設けても
良い。また、OHP等で用いる場合には、色材受容層を
片面のみに設ける場合は、その反対面あるいは両面に光
透過性を高めるために、反射防止膜を設けても良い。
【0048】
【実施例】
【0049】[実施例1] (1)多孔質層(架橋前色材受容層)形成用塗布液の組
成(以下の全ての塗布液の配合量を示す重量部の値は、
全て固形分又は不揮発分を表わす) 無水シリカ微粒子(平均1次粒子径:7nm; 10重量部 表面シラノール基:2〜3個/nm2 ;屈折率:1.45; アエロジル300(日本アエロジル(株)製)) ポリビニルアルコール(鹸化度81.8%; 3.3重量部 重合度4000;PVA440(クラレ(株)製)) イオン交換水 136.0重量部 のシリカ微粒子を、のイオン交換水(73.3重量
部)中に添加して、高速回転湿式コロイドミル(クレア
ミックス(エム・テクニック(株)製))を用いて、1
0000rpmの条件で20分間分散させた後、ポリビ
ニルアルコール水溶液(イオン交換水の残り62.7重
量部に溶解させたもの)を加えて、更に上記と同じ条件
で分散を行なって多孔質層形成用塗布液を得た。
【0050】上記塗布液を200μmの厚みの写真印画
紙用ラミネート紙の表面に、エクストルージョンダイコ
ーターを用いて200cc/m2 の塗布量で塗布し、熱風
乾燥機により80℃(風速3m/秒)で3分間乾燥し
た。塗布層は、この間恒率乾燥速度を示した。この3分
間乾燥後、直ちに下記(2)の硼酸含有溶液に、この塗
布層を1秒間浸漬させ、80℃で10分間乾燥した。こ
れにより乾燥膜厚が27μmの色材受容層を形成した。
【0051】 (2)硼酸含有溶液 硼酸 1 重量部 界面活性剤(F−144D、大日本インキ化学工業(株)製)0.2重量部 イオン交換水 98.8重量部
【0052】 (3)第四級アンモニウム塩を有するシランカップリング剤溶液の組成 M−100C(住友化学工業(株)製) 1.6重量部 パラトルエンスルホン酸(10重量%メタノール溶液) 1.6重量部 シランカップリング剤(AZ-6160、日本ユニカー(株)製) 4.0重量部 メタノール 32.8重量部 上記シランカップリング剤溶液を、上記色材受容層上
に、#3.1バーコーターを用いて2.1g/m2 の塗
布量(固形分)で塗布し、その後80℃で5分間加熱し
て、第四級アンモニウム塩を有するシランカップリング
剤で処理された色材受容層を形成した。 上記のように
してインクジェット用の記録用シートを得た。
【0053】[実施例2]多孔質層(架橋前色材受容
層)形成用塗布液を下記の塗布液を使用した以外は実施
例1と同様にして、色材受容層の形成、シランカップリ
ング剤の処理を行なってインクジェット用の記録用シー
トを得た。 (1)多孔質層(架橋前色材受容層)形成用塗布液の組
成(以下の全ての塗布液の配合量を示す重量部の値は、
全て固形分又は不揮発分を表わす) 乾式シリカ微粒子(平均1次粒子径:7nm; 10重量部 表面シラノール基:2〜3個/nm2 ;屈折率:1.45; アエロジル300(日本アエロジル(株)製)) ポリビニルアルコール(鹸化度81.8%; 3.0重量部 重合度4000;PVA440(クラレ(株)製)) ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチル 1.5重量部 メタクリレート4級塩共重合体(ルビカットPQ11、 ビーエーエスエフジャパン(株)製) イオン交換水 136.0重量部
【0054】のシリカ微粒子を、のイオン交換水
(73.3重量部)中に添加して、高速回転湿式コロイ
ドミル(クレアミックス(エム・テクニック(株)
製))を用いて、10000rpmの条件で20分間分
散させた後、ポリビニルアルコール水溶液(イオン交換
水の残り62.7重量部に溶解させたもの)との共重
合体を加えて、更に上記と同じ条件で分散を行ない、次
いでpHを8〜9に調整して多孔質層形成用塗布液を得
た。
【0055】[比較例1]実施例1において、(2)の
硼酸含有溶液を塗布しなかった以外は同様にしてインク
ジェット用の記録用シートを作製した。
【0056】[比較例2]実施例2において、(2)の
硼酸含有溶液を塗布しなかった以外は同様にしてインク
ジェット用の記録用シートを作製した。
【0057】[比較例3]実施例1において、熱風乾燥
機により80℃(風速3m/秒)で3分間の乾燥を、同
温度で4分間乾燥に変えた(塗布層は、この間減率乾燥
速度を示した)以外は同様にしてインクジェット用の記
録用シートを作製した。
【0058】上記で得られたインクジェット用の記録用
シートについて、以下の測定方法によってそのインクジ
ェット適性を評価した。 (1)ヘイズ ヘイズメーター(HGM−2DP;スガ試験機(株)
製)を用い平行光線透過率を測定し、ヘイズを得た。た
だし、各実施例、比較例において、支持体として写真印
画紙用ラミネート紙の代わりに厚さ100μmのポリエ
チレンテレフタレートフィルムを用いて得られた記録用
シートを用いて、上記ヘイズを測定した。
【0059】(2)空隙率 水銀ポロシメータ(ポアサイザー9320−PC2、
(株)島津製作所製)を用いて測定し、分布を得、平均
値を計算した。 (3)光沢度 得られた記録シートについて、JIS−P−8142
(紙及び板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記載の方
法に従って、光沢度を測定した。
【0060】(4)インク吸収速度 インクジェットプリンター(PM−700C;セイコー
エプソン(株)製)により、記録用シートへのY
(黄)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)、B
(青)、G(緑)及びR(赤)のベタ印字し、その直後
(約10秒後)に紙を接触押圧し、インクの紙への転写
の有無で下記のように判定した。 AA:紙にインキが転写されなかった。 CC:紙にインキが転写された。 (5)ヒビ割れの発生 得られた記録用シートを目視で観察し、表面に発生した
ヒビ割れの有無、及びその大きさに従い、下記のように
評価した。 AA:ヒビ割れが見られない BB:1〜2mmの長さのヒビ割れが見られる CC:3mm以上の長さのヒビ割れが見られる 上記評価の結果を下記の表1に示す。
【0061】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── ヘイズ 空隙率 光沢度 インク ヒビ割れ (%) (%) (%) 吸収速度 ──────────────────────────────────── 実施例1 13.3 62 53 AA AA 実施例2 14.0 60 55 AA AA ──────────────────────────────────── 比較例1 16.0 61 53 AA BB 比較例2 17.0 60 54 AA CC 比較例3 13.8 62 53 AA BB ────────────────────────────────────
【0062】
【発明の効果】本発明の記録用シートは、インクジェッ
ト記録においては液状インクを早く吸収し、インク滲み
やインク溜まりの無い精細な画像が得ることができるの
みならず、多孔質層である色材受容層をヒビ割れの発生
を起こすことなく、高画質の画像を簡易に形成すること
ができる。また、本発明の記録シートの吸収性、滲み防
止に優れていることから、熱転写記録や電子写真記録の
各種記録方式においても色材あるいはトナーの接着性が
向上する。従って、本発明の記録用シートは、種々の記
録方法に適し、かつ生産性に優れた記録用シートである
ということができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に色材受容層が設けられてなる
    記録用シートにおいて、該色材受容層が、無機微粒子及
    び水溶性樹脂を含む塗布液を支持体上に塗布し、該塗布
    と同時に、あるいは該塗布した層が減率乾燥速度を示す
    ようになる前に、該水溶性樹脂を架橋させることができ
    る架橋剤を含む溶液を付与し、硬化させることにより得
    られた層であることを特徴とする記録用シート。
  2. 【請求項2】 架橋剤が硼酸または硼酸塩である請求項
    1に記載の記録用シート。
  3. 【請求項3】 無機微粒子が、平均1次粒子径が20n
    m以下のシリカ微粒子である請求項1又は2に記載の記
    録用シート。
  4. 【請求項4】 水溶性樹脂がポリビニルアルコールであ
    る請求項1〜3のいずれかに記載の記録用シート。
  5. 【請求項5】 無機微粒子と水溶性樹脂の重量比が1.
    5:1〜10:1の範囲にある請求項1〜4のいずれか
    に記載の記録用シート。
  6. 【請求項6】 上記色材受容層が40〜80%の空隙率
    を有する請求項1〜5のいずれかに記載の記録用シー
    ト。
  7. 【請求項7】 上記色材受容層が、塩基性基を有するシ
    ランカップリング剤を含む請求項1〜6のいずれかに記
    載の記録用シート。
  8. 【請求項8】 該色材受容層が、無機微粒子及び水溶性
    樹脂を含む塗布液と該架橋剤の溶液とを同時塗布する際
    に、さらに該架橋剤と反応しない液を、塗布液の層と架
    橋剤の溶液の層との間にその液の層が介在するように同
    時塗布し、硬化させることにより得られた層である請求
    項1〜7のいずれかに記載の記録用シート。
  9. 【請求項9】 インクジェット記録用である請求項1〜
    8のいずれかに記載の記録用シート。
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