JPH11107047A - ポリビニルアルコール系難燃繊維の製造方法 - Google Patents
ポリビニルアルコール系難燃繊維の製造方法Info
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- JPH11107047A JPH11107047A JP27403997A JP27403997A JPH11107047A JP H11107047 A JPH11107047 A JP H11107047A JP 27403997 A JP27403997 A JP 27403997A JP 27403997 A JP27403997 A JP 27403997A JP H11107047 A JPH11107047 A JP H11107047A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】高強度を有し、メルトドリップがなく、洗濯等
による難燃性能の低下がなく、かつ難燃性に優れたポリ
ビニルアルコール系繊維を製造工程において膠着や単糸
毛羽の発生等のトラブルを生じることなく安定に得るこ
とができる方法を提供する。 【解決手段】ビニルアルコール系ポリマー(以下PVAと
略記)と含ハロゲンポリマー(以下PVXと略記)を共通の
極性有機溶媒に溶解し、PVAが海成分、 PVXが島成分で
ある紡糸原液とし、これを固化浴に湿式または乾湿式紡
糸し、1.5〜3.0倍の湿延伸後、抽出、乾燥、乾熱延伸、
更に必要に応じて熱処理やアセタール化して、難燃繊維
を製造する。
による難燃性能の低下がなく、かつ難燃性に優れたポリ
ビニルアルコール系繊維を製造工程において膠着や単糸
毛羽の発生等のトラブルを生じることなく安定に得るこ
とができる方法を提供する。 【解決手段】ビニルアルコール系ポリマー(以下PVAと
略記)と含ハロゲンポリマー(以下PVXと略記)を共通の
極性有機溶媒に溶解し、PVAが海成分、 PVXが島成分で
ある紡糸原液とし、これを固化浴に湿式または乾湿式紡
糸し、1.5〜3.0倍の湿延伸後、抽出、乾燥、乾熱延伸、
更に必要に応じて熱処理やアセタール化して、難燃繊維
を製造する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工程通過性の良好
なコストパフォーマンスに優れたポリビニルアルコール
(以下PVAと略す)系難燃繊維の製造方法に関するもの
であり、防護服向などの衣料、カーテンやカーペット向
などの産業資材、カーシートや車両バネ受け材向などの
産業資材など好適に用いることのできる繊維の製造方法
に関するものである。
なコストパフォーマンスに優れたポリビニルアルコール
(以下PVAと略す)系難燃繊維の製造方法に関するもの
であり、防護服向などの衣料、カーテンやカーペット向
などの産業資材、カーシートや車両バネ受け材向などの
産業資材など好適に用いることのできる繊維の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、難燃繊維としては、難燃性コモノ
マーを共重合したアクリル繊維やポリエステル繊維、難
燃性薬剤を練り込んだり反応させたりした再生セルロー
ス繊維、ポリマー自身が難燃性の熱硬化性繊維やアラミ
ド繊維、難燃性薬剤で後加工した木綿や羊毛などが上市
されている。アクリル繊維は燃焼時シアンガスの発生、
ポリエステル繊維はメルトドリップ、熱硬化性繊維は繊
維強度が低い、アラミド繊維は極めて高価、木綿や羊毛
は後加工による風合い硬化や洗濯耐久性不良などの問題
があり、それぞれ改善の検討がなされている。
マーを共重合したアクリル繊維やポリエステル繊維、難
燃性薬剤を練り込んだり反応させたりした再生セルロー
ス繊維、ポリマー自身が難燃性の熱硬化性繊維やアラミ
ド繊維、難燃性薬剤で後加工した木綿や羊毛などが上市
されている。アクリル繊維は燃焼時シアンガスの発生、
ポリエステル繊維はメルトドリップ、熱硬化性繊維は繊
維強度が低い、アラミド繊維は極めて高価、木綿や羊毛
は後加工による風合い硬化や洗濯耐久性不良などの問題
があり、それぞれ改善の検討がなされている。
【0003】一方、PVA系の難燃繊維も例えば特公昭37-
12920号、特公昭49-10823号、特公昭51-19494号公報等
で知られており、防護服向などの衣料、カーテンやカー
ペット向などの生活資材、カーシートや車両バネ受け材
向などの産業資材などに用いられているが、用途によっ
てはコストパフォーマンスの点で不満足となって、更な
る拡販が困難な状況にある。
12920号、特公昭49-10823号、特公昭51-19494号公報等
で知られており、防護服向などの衣料、カーテンやカー
ペット向などの生活資材、カーシートや車両バネ受け材
向などの産業資材などに用いられているが、用途によっ
てはコストパフォーマンスの点で不満足となって、更な
る拡販が困難な状況にある。
【0004】従来のPVA系難燃繊維は、PVXが水には溶解
しないため、安価な市販PVX粉末を使用することは不能
であり、小粒径の高価なポリ塩化ビニル(以下PVCと略
記)エマルジョンを使用せざるを得ない。 またPVAとPV
Cエマルジョンの混合水溶液は紡糸温度近辺の70〜100℃
で安定でなく、特にギヤポンプを通過する際の機械的安
定性が不十分であり、安定化のため低ケン化度のPVAを
使用したり、界面活性剤や水溶性高分子などを添加する
必要があり、更にコストを高くしている。
しないため、安価な市販PVX粉末を使用することは不能
であり、小粒径の高価なポリ塩化ビニル(以下PVCと略
記)エマルジョンを使用せざるを得ない。 またPVAとPV
Cエマルジョンの混合水溶液は紡糸温度近辺の70〜100℃
で安定でなく、特にギヤポンプを通過する際の機械的安
定性が不十分であり、安定化のため低ケン化度のPVAを
使用したり、界面活性剤や水溶性高分子などを添加する
必要があり、更にコストを高くしている。
【0005】また、従来のPVA系難燃繊維は、エマルジ
ョン粒径が0.01〜0.08μmのPVCの水系エマルジョンとPV
A水溶液を混合し、さらに難燃助剤として錫やアンチモ
ン化合物の水分散液を添加した液を紡糸原液とし、ぼう
硝水溶液からなる固化浴に湿式紡糸し、乾燥、乾熱延
伸、熱処理し、更に必要に応じて耐熱水性改善のためホ
ルマリンなどによりアセタール化処理して製造されてい
る。また高強度繊維を得るために、PVAとPVCエマルジョ
ン混合水溶液にほう酸を添加した紡糸原液を苛性ソーダ
とぼう硝の混合水溶液からなる固化浴に吐出し、ほう酸
架橋紡糸することも行われている。しかし、強力な脱水
性塩類であるぼう硝を固化浴として使用するため、得ら
れる繊維断面は不均一なスキンコア構造となり、断面中
央のコア構造部は結晶性が不十分となりやすい。また用
いるPVCエマルジョンの粒子径が0.01〜0.08μmと小さ
く、得られるPVAとPVCのブレンド繊維でのPVCの島径が
せいぜい0.05μmと小さく、数多く存在するため、マト
リックスを形成するPVA相はまとまった状態では存在し
がたい。従ってホルマール化などの耐熱水性改善処理を
行っても、寸法安定性、特に乾湿寸法安定性に改良の余
地がある。
ョン粒径が0.01〜0.08μmのPVCの水系エマルジョンとPV
A水溶液を混合し、さらに難燃助剤として錫やアンチモ
ン化合物の水分散液を添加した液を紡糸原液とし、ぼう
硝水溶液からなる固化浴に湿式紡糸し、乾燥、乾熱延
伸、熱処理し、更に必要に応じて耐熱水性改善のためホ
ルマリンなどによりアセタール化処理して製造されてい
る。また高強度繊維を得るために、PVAとPVCエマルジョ
ン混合水溶液にほう酸を添加した紡糸原液を苛性ソーダ
とぼう硝の混合水溶液からなる固化浴に吐出し、ほう酸
架橋紡糸することも行われている。しかし、強力な脱水
性塩類であるぼう硝を固化浴として使用するため、得ら
れる繊維断面は不均一なスキンコア構造となり、断面中
央のコア構造部は結晶性が不十分となりやすい。また用
いるPVCエマルジョンの粒子径が0.01〜0.08μmと小さ
く、得られるPVAとPVCのブレンド繊維でのPVCの島径が
せいぜい0.05μmと小さく、数多く存在するため、マト
リックスを形成するPVA相はまとまった状態では存在し
がたい。従ってホルマール化などの耐熱水性改善処理を
行っても、寸法安定性、特に乾湿寸法安定性に改良の余
地がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
PVA系難燃繊維は他の難燃性繊維に比較すると優れた点
はあるが、コストパフォーマンスの点で用途が限定され
ていた。本発明は、工程通過性の良好なコストパフォー
マンスに優れた安価なPVA系難燃繊維の製造方法を提供
することを目的とするものであり、特に紡糸の際に抽出
浴ヘ繊維構成ポリマーの一部が脱落することにより生じ
る種々のトラブルを生じることがほとんどないPVA系難
燃繊維の製造方法に関する。
PVA系難燃繊維は他の難燃性繊維に比較すると優れた点
はあるが、コストパフォーマンスの点で用途が限定され
ていた。本発明は、工程通過性の良好なコストパフォー
マンスに優れた安価なPVA系難燃繊維の製造方法を提供
することを目的とするものであり、特に紡糸の際に抽出
浴ヘ繊維構成ポリマーの一部が脱落することにより生じ
る種々のトラブルを生じることがほとんどないPVA系難
燃繊維の製造方法に関する。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、PV
A系ポリマー(1)と含ハロゲンポリマー(2)を共通の溶
媒に溶解し、得られた紡糸原液を(1)に対して固化能
を有する固化溶媒と原液溶媒とを混合した固化浴に湿式
または乾湿式紡糸し、湿延伸した後抽出し、そして乾燥
し、さらに乾熱延伸し、更に必要に応じて熱処理やアセ
タール化してPVA系難燃繊維を製造するにあたり、以
下の条件(a)と(b)、(a)紡糸原液が、(1)の溶液中
に、(2)の溶液からなる2〜100μmの粒子系の島が存
在している相構造であること、(b)湿延伸倍率が1.5
〜3.0倍であること、を満足することを特徴とするPV
A系難燃繊維の製造方法である。
A系ポリマー(1)と含ハロゲンポリマー(2)を共通の溶
媒に溶解し、得られた紡糸原液を(1)に対して固化能
を有する固化溶媒と原液溶媒とを混合した固化浴に湿式
または乾湿式紡糸し、湿延伸した後抽出し、そして乾燥
し、さらに乾熱延伸し、更に必要に応じて熱処理やアセ
タール化してPVA系難燃繊維を製造するにあたり、以
下の条件(a)と(b)、(a)紡糸原液が、(1)の溶液中
に、(2)の溶液からなる2〜100μmの粒子系の島が存
在している相構造であること、(b)湿延伸倍率が1.5
〜3.0倍であること、を満足することを特徴とするPV
A系難燃繊維の製造方法である。
【0008】以下に本発明を詳細に説明する。本発明で
いうPVAとは、ビニルアルコールユニットを70モル%以上
有するポリマーを意味しており、従ってエチレン、酢酸
ビニル、イタコン酸、ビニルアミン、アクリルアミド、
ピバリン酸ビニル、無水マレイン酸、スルホン酸含有ビ
ニル化合物などのモノマーが30モル%未満の割合で共重
合されていてもよい。ケン化度は80モル%以上が好まし
く、配向結晶化のためには、全構成ユニットの95モル%
以上がビニルアルコールユニットであるPVAがより好ま
しく、更に好ましくは98モル%以上、もっと好ましくは9
9モル%以上、最も好ましくは99.8モル%以上がビニルア
ルコールユニットであるポリマーである。PVAの重合度
に関しては、特に限定はないが、高強度繊維とするため
には重合度500以上が好ましく、1500以上であると更に
好ましい。また耐熱水性改善のため、繊維化後ホルムア
ルデヒドで代表されるアルデヒド化合物などによりPVA
分子内および/または分子間アセタール化などの後反応
を施してもよい。
いうPVAとは、ビニルアルコールユニットを70モル%以上
有するポリマーを意味しており、従ってエチレン、酢酸
ビニル、イタコン酸、ビニルアミン、アクリルアミド、
ピバリン酸ビニル、無水マレイン酸、スルホン酸含有ビ
ニル化合物などのモノマーが30モル%未満の割合で共重
合されていてもよい。ケン化度は80モル%以上が好まし
く、配向結晶化のためには、全構成ユニットの95モル%
以上がビニルアルコールユニットであるPVAがより好ま
しく、更に好ましくは98モル%以上、もっと好ましくは9
9モル%以上、最も好ましくは99.8モル%以上がビニルア
ルコールユニットであるポリマーである。PVAの重合度
に関しては、特に限定はないが、高強度繊維とするため
には重合度500以上が好ましく、1500以上であると更に
好ましい。また耐熱水性改善のため、繊維化後ホルムア
ルデヒドで代表されるアルデヒド化合物などによりPVA
分子内および/または分子間アセタール化などの後反応
を施してもよい。
【0009】また本発明でいう含ハロゲンポリマー(以
下PVXと略す)とは、ハロゲン元素すなわちフッ素、塩
素、臭素、沃素を含有するユニットを50モル%以上有す
るビニルポリマーである。例えば、塩化ビニル系ポリマ
ー(PVC)、塩化ビニリデン系ポリマー、臭化ビニル系
ポリマー、臭化ビニリデン系ポリマー、塩素化ポリオレ
フィン、臭素化ポリオレフィンなどが包含される。中で
も、難燃性、耐熱分解性、コストの点でPVCが好まし
い。PVXは結晶性が甘く、繊維形成能がないかあるいは
繊維化しても低強度のものしか得られず、特にステープ
ル繊維のコストパフォーマンスに優れた製造法である湿
式紡糸法ではPVXの繊維は製造されていない。そこで、P
VXは本発明繊維では島成分として、難燃性付与のための
機能性ポリマーとして用いる。
下PVXと略す)とは、ハロゲン元素すなわちフッ素、塩
素、臭素、沃素を含有するユニットを50モル%以上有す
るビニルポリマーである。例えば、塩化ビニル系ポリマ
ー(PVC)、塩化ビニリデン系ポリマー、臭化ビニル系
ポリマー、臭化ビニリデン系ポリマー、塩素化ポリオレ
フィン、臭素化ポリオレフィンなどが包含される。中で
も、難燃性、耐熱分解性、コストの点でPVCが好まし
い。PVXは結晶性が甘く、繊維形成能がないかあるいは
繊維化しても低強度のものしか得られず、特にステープ
ル繊維のコストパフォーマンスに優れた製造法である湿
式紡糸法ではPVXの繊維は製造されていない。そこで、P
VXは本発明繊維では島成分として、難燃性付与のための
機能性ポリマーとして用いる。
【0010】PVAが海成分、PVXが島成分の海島構造をと
るには、PVAが55重量%以上、PVXが45重量%以下が好ま
しい。PVAが55重量%以下では一部PVXが海成分となる場
合があり好ましくない。またPVAが95重量%を超えて、P
VXが5重量%未満では、繊維中の塩素量が少なく難燃性
が不十分となるので好ましくない。難燃性、強度などの
バランスより、PVA/PVXの混合重量割合は90/10〜55/45
であると好ましく、80/20〜60/40であると更に好まし
い。なお本発明においてPVAとPVX以外の重合体が
本発明の目的を損なわない範囲内で添加されていてもよ
い。また各種安定剤や着色剤が添加されていてもよい。
るには、PVAが55重量%以上、PVXが45重量%以下が好ま
しい。PVAが55重量%以下では一部PVXが海成分となる場
合があり好ましくない。またPVAが95重量%を超えて、P
VXが5重量%未満では、繊維中の塩素量が少なく難燃性
が不十分となるので好ましくない。難燃性、強度などの
バランスより、PVA/PVXの混合重量割合は90/10〜55/45
であると好ましく、80/20〜60/40であると更に好まし
い。なお本発明においてPVAとPVX以外の重合体が
本発明の目的を損なわない範囲内で添加されていてもよ
い。また各種安定剤や着色剤が添加されていてもよい。
【0011】紡糸原液はPVAとPVXを共通溶媒に溶解し紡
糸原液とする。共通の溶媒としては、ジメチルスルホキ
シド(以下DMSOと略記)、ジメチルアセトアミド、ジメ
チルホルムアミドなどの極性有機溶媒があげられる。特
に低温溶解性、ポリマー低分解性などの点よりDMSOが好
ましい。これに錫化合物およびアンチモン化合物からな
る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を添加し、紡
糸原液を得る。原液中のポリマー濃度としては、10〜30
重量%の範囲が好ましい。
糸原液とする。共通の溶媒としては、ジメチルスルホキ
シド(以下DMSOと略記)、ジメチルアセトアミド、ジメ
チルホルムアミドなどの極性有機溶媒があげられる。特
に低温溶解性、ポリマー低分解性などの点よりDMSOが好
ましい。これに錫化合物およびアンチモン化合物からな
る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を添加し、紡
糸原液を得る。原液中のポリマー濃度としては、10〜30
重量%の範囲が好ましい。
【0012】また紡糸原液は、PVA溶液中にPVXの溶液か
らなる2〜100μmの粒子系の島が存在している相構造で
なければならない。本発明で言う紡糸原液の相構造と
は、紡糸原液をスライドガラス上に約200μmの厚さ
に滴下し、オリンパス光学製微分干渉顕微鏡装置BX−
60型を用いて写真撮影し、測定した値である。また本
発明でいう粒子径とは、上記した微分干渉顕微鏡で観察
した場合に判別できる大多数がその範囲の径を有してい
ることを意味している。粒子径の大多数が100μmを
越える場合には、原液安定性および紡糸安定性の点で好
ましくない。また、大多数が2μm未満であるとPVAが明
確な海相を形成することができなくなる。より好ましく
は5〜80μmの粒子径を有している相構造である。粒子
径が20〜50μmであるともっと好ましい。
らなる2〜100μmの粒子系の島が存在している相構造で
なければならない。本発明で言う紡糸原液の相構造と
は、紡糸原液をスライドガラス上に約200μmの厚さ
に滴下し、オリンパス光学製微分干渉顕微鏡装置BX−
60型を用いて写真撮影し、測定した値である。また本
発明でいう粒子径とは、上記した微分干渉顕微鏡で観察
した場合に判別できる大多数がその範囲の径を有してい
ることを意味している。粒子径の大多数が100μmを
越える場合には、原液安定性および紡糸安定性の点で好
ましくない。また、大多数が2μm未満であるとPVAが明
確な海相を形成することができなくなる。より好ましく
は5〜80μmの粒子径を有している相構造である。粒子
径が20〜50μmであるともっと好ましい。
【0013】このように粒子径を上記したような2〜100
μmの範囲とした紡糸原液の粘度としては、湿式紡糸す
る場合には10〜400ポイズ、乾湿式紡糸する場合に
は50〜2000ポイズの範囲が好ましく、これら粘度
は溶融紡糸の時の粘度よりかなり低い。
μmの範囲とした紡糸原液の粘度としては、湿式紡糸す
る場合には10〜400ポイズ、乾湿式紡糸する場合に
は50〜2000ポイズの範囲が好ましく、これら粘度
は溶融紡糸の時の粘度よりかなり低い。
【0014】ポリマーの溶解方法は特に限定するもので
はなく、2種類のポリマーをそれぞれ単独で原液溶媒に
溶解したものを適当な割合で混合しても良いし、一方の
ポリマーを溶解した溶液に他方のポリマーを添加して溶
解する方法や、2種のポリマーを同時に溶解する方法い
ずれも採用することができ、紡糸原液にはポリマーの安
定化剤として酸類や酸化防止剤などを併用することは何
ら差し支えなく行うことができる。
はなく、2種類のポリマーをそれぞれ単独で原液溶媒に
溶解したものを適当な割合で混合しても良いし、一方の
ポリマーを溶解した溶液に他方のポリマーを添加して溶
解する方法や、2種のポリマーを同時に溶解する方法い
ずれも採用することができ、紡糸原液にはポリマーの安
定化剤として酸類や酸化防止剤などを併用することは何
ら差し支えなく行うことができる。
【0015】このようにして得られた紡糸原液を紡糸ノ
ズルを通して固化浴中に湿式紡糸、あるいは乾湿式紡糸
する。固化浴を紡糸ノズルに直接接触させる湿式紡糸方
法は、ノズル孔ピッチを狭くしても繊維同士が膠着せず
に紡糸できるため、多孔ノズルを用いた紡糸に適してお
り、一方固化浴と紡糸ノズルの間にエアギャップを設け
る乾湿式紡糸の場合は、エアギャップ部での伸びが大き
いことより、高速紡糸に適している。本発明において
は、湿式か乾湿式かは目的や用途に応じて適宜選択する
ことができる。
ズルを通して固化浴中に湿式紡糸、あるいは乾湿式紡糸
する。固化浴を紡糸ノズルに直接接触させる湿式紡糸方
法は、ノズル孔ピッチを狭くしても繊維同士が膠着せず
に紡糸できるため、多孔ノズルを用いた紡糸に適してお
り、一方固化浴と紡糸ノズルの間にエアギャップを設け
る乾湿式紡糸の場合は、エアギャップ部での伸びが大き
いことより、高速紡糸に適している。本発明において
は、湿式か乾湿式かは目的や用途に応じて適宜選択する
ことができる。
【0016】本発明において用いる固化浴は固化溶媒と
原液溶媒からなる混合液であり、そして固化溶媒として
メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセト
ン、メチルエチルケトンなどのケトン類などのPVAに対
して固化能を有する有機溶媒が好ましく、かつ得られる
繊維の強度の点から固化浴中での固化溶媒/原液溶媒の
組成比は重量比で25/75〜85/15が好ましい。
また固化浴は-5〜20℃の低温とすることが均一固化の点
で好ましい。
原液溶媒からなる混合液であり、そして固化溶媒として
メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセト
ン、メチルエチルケトンなどのケトン類などのPVAに対
して固化能を有する有機溶媒が好ましく、かつ得られる
繊維の強度の点から固化浴中での固化溶媒/原液溶媒の
組成比は重量比で25/75〜85/15が好ましい。
また固化浴は-5〜20℃の低温とすることが均一固化の点
で好ましい。
【0017】本発明において、固化レベルを適正に維持
するために、前記したように固化浴中の固化溶媒と原液
溶媒の組成比を特定の範囲とすることが好ましく、本発
明では好適範囲として重量比で25/75〜85/15
の範囲が採用される。固化浴中での原液溶媒濃度が15
重量%より少ないと固化能が高すぎ、ノズル切れとなり
紡糸調子が不良となり、更に得られる繊維の強度・ヤン
グ率等の性能が低下する傾向にある。一方、固化浴中で
の原液溶媒濃度が75重量%より多いと十分な凝固がで
きず、これまた紡糸工程通過性が悪く、強度などの点で
満足できる性能の繊維を得ることができない。より好ま
しい固化浴中の原液溶媒の濃度は20〜70重量%であ
り、25〜65重量%が最も好ましい。なお本発明にお
いては、好適な固化浴として上記したように、有機溶媒
系固化溶媒と原液溶媒との混合液が用いられるが、もち
ろん少量ならばこれら以外の液体や固体が溶解されて存
在してもよい。本発明において、固化溶媒と原液溶媒の
最も好ましい組み合わせはメタノールとDMSOの組み
合わせである。
するために、前記したように固化浴中の固化溶媒と原液
溶媒の組成比を特定の範囲とすることが好ましく、本発
明では好適範囲として重量比で25/75〜85/15
の範囲が採用される。固化浴中での原液溶媒濃度が15
重量%より少ないと固化能が高すぎ、ノズル切れとなり
紡糸調子が不良となり、更に得られる繊維の強度・ヤン
グ率等の性能が低下する傾向にある。一方、固化浴中で
の原液溶媒濃度が75重量%より多いと十分な凝固がで
きず、これまた紡糸工程通過性が悪く、強度などの点で
満足できる性能の繊維を得ることができない。より好ま
しい固化浴中の原液溶媒の濃度は20〜70重量%であ
り、25〜65重量%が最も好ましい。なお本発明にお
いては、好適な固化浴として上記したように、有機溶媒
系固化溶媒と原液溶媒との混合液が用いられるが、もち
ろん少量ならばこれら以外の液体や固体が溶解されて存
在してもよい。本発明において、固化溶媒と原液溶媒の
最も好ましい組み合わせはメタノールとDMSOの組み
合わせである。
【0018】固化浴で形成された糸条は、湿延伸、原液
溶媒の抽出、そして乾燥、乾熱延伸と経ていくが、この
時湿延伸倍率を1.5〜3.0倍としなければならない。従来
高強度繊維を得るためには極力延伸倍率を高くするのが
好ましいとされており、延伸倍率を高めるためには湿延
伸の段階でも十分に延伸倍率を高めるのが好ましいとさ
れている。固化浴で形成された糸条を、従来の考えどう
り湿延伸倍率3倍を超える延伸を行うと、湿延伸以降の
抽出浴、置換浴の濁りが大きく、濁りが凝集して糸塊状
物となり、糸に付着し、後工程で種々のトラブルを引き
起こすことがわかった。この浴の濁りは、PVA単独紡糸
時固化浴にみられるポリマー溶出と同じ現象と考えた
が、糸塊状物分析でPVXと判明、また断面観察より、表
面にPVXからなる島が抜けたと思われる部分があること
などより、ポリマーの溶出ではなく、表面PVXからなる
島の脱落が主因とわかった。そこでこの対策を種々検討
したところ、湿延伸倍率を従来のPVA繊維の製造法では
一般的でない1.5〜3.0倍と著しく低下させたとこ
ろ、浴の濁りが顕著に抑制されることがわかった。湿延
伸倍率が低いと、浴の濁りが抑制される理由は明らかで
はないが、繊維断面の中央部にあったPVX島が湿延伸に
より表面側に押し出され、糸表面からPVX島が脱落した
と考えられるが、湿延伸倍率の低下により押し出される
PVX量が少なくなったためと推定される。湿延伸倍率を
低くすると、必然的に乾熱延伸倍率をあげる必要がある
ため乾熱延伸の工程通過性が悪化する、また乾燥時繊維
間の膠着がおこるということが危惧されるが、本発明の
PVAとPVXの海島繊維では1.5倍の湿延伸倍率でもそのよ
うな問題はなく、このことが本発明のような独特の製法
を可能とするのである。1.5倍未満の湿延伸では、乾熱
延伸の工程通過性悪化、乾燥時の繊維間膠着の発生のた
め好ましくない。好ましい湿延伸倍率は2.0〜3.0倍であ
る。
溶媒の抽出、そして乾燥、乾熱延伸と経ていくが、この
時湿延伸倍率を1.5〜3.0倍としなければならない。従来
高強度繊維を得るためには極力延伸倍率を高くするのが
好ましいとされており、延伸倍率を高めるためには湿延
伸の段階でも十分に延伸倍率を高めるのが好ましいとさ
れている。固化浴で形成された糸条を、従来の考えどう
り湿延伸倍率3倍を超える延伸を行うと、湿延伸以降の
抽出浴、置換浴の濁りが大きく、濁りが凝集して糸塊状
物となり、糸に付着し、後工程で種々のトラブルを引き
起こすことがわかった。この浴の濁りは、PVA単独紡糸
時固化浴にみられるポリマー溶出と同じ現象と考えた
が、糸塊状物分析でPVXと判明、また断面観察より、表
面にPVXからなる島が抜けたと思われる部分があること
などより、ポリマーの溶出ではなく、表面PVXからなる
島の脱落が主因とわかった。そこでこの対策を種々検討
したところ、湿延伸倍率を従来のPVA繊維の製造法では
一般的でない1.5〜3.0倍と著しく低下させたとこ
ろ、浴の濁りが顕著に抑制されることがわかった。湿延
伸倍率が低いと、浴の濁りが抑制される理由は明らかで
はないが、繊維断面の中央部にあったPVX島が湿延伸に
より表面側に押し出され、糸表面からPVX島が脱落した
と考えられるが、湿延伸倍率の低下により押し出される
PVX量が少なくなったためと推定される。湿延伸倍率を
低くすると、必然的に乾熱延伸倍率をあげる必要がある
ため乾熱延伸の工程通過性が悪化する、また乾燥時繊維
間の膠着がおこるということが危惧されるが、本発明の
PVAとPVXの海島繊維では1.5倍の湿延伸倍率でもそのよ
うな問題はなく、このことが本発明のような独特の製法
を可能とするのである。1.5倍未満の湿延伸では、乾熱
延伸の工程通過性悪化、乾燥時の繊維間膠着の発生のた
め好ましくない。好ましい湿延伸倍率は2.0〜3.0倍であ
る。
【0019】糸条は抽出後、乾燥を経て、乾熱延伸工程
に送られる。本発明方法においては、全延伸倍率が6倍
以上となるように乾熱延伸を行う。本発明でいう全延伸
倍率とは、湿延伸倍率と乾熱延伸倍率との積で表される
倍率であり、全延伸倍率が6倍未満の場合には強度・ヤ
ング率の優れた繊維を得ることができない。
に送られる。本発明方法においては、全延伸倍率が6倍
以上となるように乾熱延伸を行う。本発明でいう全延伸
倍率とは、湿延伸倍率と乾熱延伸倍率との積で表される
倍率であり、全延伸倍率が6倍未満の場合には強度・ヤ
ング率の優れた繊維を得ることができない。
【0020】さらに、本発明繊維に、錫化合物およびア
ンチモン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種
の化合物を、ポリマー総重量に対して0.1〜10重量%分
散させると、難燃性が改善され、好ましい。本発明にい
う錫化合物とは、錫元素を含む化合物なら特別な限定は
ないが、難燃助剤としての難燃性増強効果とコストパフ
ォーマンスの点で酸化錫やメタ錫酸などの無機酸化物が
好ましい。また本発明にいうアンチモン化合物とは、ア
ンチモン元素を含む化合物なら特別な限定はないが、難
燃助剤としての難燃性増強効果とコストパフォーマンス
の点で五酸化アンチモンや三酸化アンチモンなどの無機
酸化物が好ましい。錫化合物およびアンチモン化合物か
らなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の含有量
がポリマーの総重量に対し0.1%未満であると難燃性が
不十分である。10%を超える量含有させても難燃化効果
は頭打ち状態となり、コストパフォーマンスの点で不利
となる。錫化合物およびアンチモン化合物からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の化合物の含有量が0.5〜8重
量%であるとより好ましく、1〜6重量%であると更に好
ましい。
ンチモン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種
の化合物を、ポリマー総重量に対して0.1〜10重量%分
散させると、難燃性が改善され、好ましい。本発明にい
う錫化合物とは、錫元素を含む化合物なら特別な限定は
ないが、難燃助剤としての難燃性増強効果とコストパフ
ォーマンスの点で酸化錫やメタ錫酸などの無機酸化物が
好ましい。また本発明にいうアンチモン化合物とは、ア
ンチモン元素を含む化合物なら特別な限定はないが、難
燃助剤としての難燃性増強効果とコストパフォーマンス
の点で五酸化アンチモンや三酸化アンチモンなどの無機
酸化物が好ましい。錫化合物およびアンチモン化合物か
らなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の含有量
がポリマーの総重量に対し0.1%未満であると難燃性が
不十分である。10%を超える量含有させても難燃化効果
は頭打ち状態となり、コストパフォーマンスの点で不利
となる。錫化合物およびアンチモン化合物からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の化合物の含有量が0.5〜8重
量%であるとより好ましく、1〜6重量%であると更に好
ましい。
【0021】
【実施例】以下本発明を実施例により更に具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例に何ら制約を受けるもの
ではない。
するが、本発明はこれら実施例に何ら制約を受けるもの
ではない。
【0022】実施例1 重合度1750、ケン化度99.8モル%のPVA、重
合度400のPVC粉末、メタ錫酸をDMSOに投入し、80℃で5
時間窒素気流下で攪拌溶解し、PVA/PVCの重量比が67/3
3、ポリマー濃度が18重量%、メタ錫酸が1重量%の混合
紡糸原液を得た。この原液を微分干渉顕微鏡で観察した
ところ、PVA溶液中にPVC溶液が約40μmの島径からなる
相構造を有していることがわかった。得られた80℃の紡
糸原液を、孔数1000ホール、孔径0.08mmの紡
糸口金を通して、DMSO/メタノールの重量比が30
/70、温度が0℃の固化浴中に湿式紡糸した。つい
で、メタノールでDMSOを抽出しながら、2.0倍の湿延伸
を施し、さらにメタノールで抽出し、100℃の熱風で乾
燥し、228℃で7.0倍乾熱延伸を施し、全延伸倍率14.0倍
の繊維を得た。この繊維の製造において、湿延伸後の抽
出浴では濁りがほとんどみられず、乾燥時、乾熱延伸時
の工程通過性もきわめて良好であった。得られた繊維は
太さが1.8デニールで、繊維断面を透過型電子顕微鏡
(TEM)で20000倍に拡大した断面TEM写真より、PVAが
海、PVCが島の海島構造であり、PVCの島径は0.8μmであ
った。またこの繊維の強度は8.5g/d、LOI値は37であっ
た。
合度400のPVC粉末、メタ錫酸をDMSOに投入し、80℃で5
時間窒素気流下で攪拌溶解し、PVA/PVCの重量比が67/3
3、ポリマー濃度が18重量%、メタ錫酸が1重量%の混合
紡糸原液を得た。この原液を微分干渉顕微鏡で観察した
ところ、PVA溶液中にPVC溶液が約40μmの島径からなる
相構造を有していることがわかった。得られた80℃の紡
糸原液を、孔数1000ホール、孔径0.08mmの紡
糸口金を通して、DMSO/メタノールの重量比が30
/70、温度が0℃の固化浴中に湿式紡糸した。つい
で、メタノールでDMSOを抽出しながら、2.0倍の湿延伸
を施し、さらにメタノールで抽出し、100℃の熱風で乾
燥し、228℃で7.0倍乾熱延伸を施し、全延伸倍率14.0倍
の繊維を得た。この繊維の製造において、湿延伸後の抽
出浴では濁りがほとんどみられず、乾燥時、乾熱延伸時
の工程通過性もきわめて良好であった。得られた繊維は
太さが1.8デニールで、繊維断面を透過型電子顕微鏡
(TEM)で20000倍に拡大した断面TEM写真より、PVAが
海、PVCが島の海島構造であり、PVCの島径は0.8μmであ
った。またこの繊維の強度は8.5g/d、LOI値は37であっ
た。
【0023】比較例1 実施例1において、4.0倍の湿延伸、3.5倍の乾熱延伸を
施したものを製造した。全延伸倍率は、実施例1と同じ1
4倍とした。得られた紡糸原液を微分干渉顕微鏡で観察
したところ、PVA溶液中にPVC溶液が約40μmの島径から
なる相構造を有していることがわかった。この繊維の製
造において、湿延伸後の抽出浴は激しく濁り、またその
糸条に付着した糸塊状物が乾燥機のガイドに付着し、乾
燥機内で毛羽発生を激しく誘発した。またそのため乾熱
延伸時の工程通過性も不良であった。得られた繊維は、
断面をTEMで20000倍に拡大した断面TEM写真より、PVAが
海、PVCが島の海島構造であり、PVCの島径は0.8μmであ
った。またこの繊維の強度は8.5g/d、LOI値は37であっ
た。
施したものを製造した。全延伸倍率は、実施例1と同じ1
4倍とした。得られた紡糸原液を微分干渉顕微鏡で観察
したところ、PVA溶液中にPVC溶液が約40μmの島径から
なる相構造を有していることがわかった。この繊維の製
造において、湿延伸後の抽出浴は激しく濁り、またその
糸条に付着した糸塊状物が乾燥機のガイドに付着し、乾
燥機内で毛羽発生を激しく誘発した。またそのため乾熱
延伸時の工程通過性も不良であった。得られた繊維は、
断面をTEMで20000倍に拡大した断面TEM写真より、PVAが
海、PVCが島の海島構造であり、PVCの島径は0.8μmであ
った。またこの繊維の強度は8.5g/d、LOI値は37であっ
た。
【0024】比較例2 実施例1において、1.2倍の湿延伸、11.7倍の乾熱延伸を
施したものを製造した。全延伸倍率は、実施例1と同じ1
4倍とした。得られた紡糸原液を微分干渉顕微鏡で観察
したところ、PVA溶液中にPVC溶液が約40μmの島径から
なる相構造を有していることがわかった。この繊維の製
造において、湿延伸後の抽出浴では濁りはみられなかっ
たが、乾燥時繊維間の膠着が生じ、正常な繊維を得るこ
とはできなかった。また乾熱延伸倍率が大きいため、乾
熱延伸時の工程通過性も不良であった。何とかして得ら
れた繊維は、断面をTEMで20000倍に拡大した断面TEM写
真より、PVAが海、PVCが島の海島構造であり、PVCの島
径は0.8μmであった。またこの繊維の強度は7.6g/d、Ws
rは2.9%、LOI値は37であった。
施したものを製造した。全延伸倍率は、実施例1と同じ1
4倍とした。得られた紡糸原液を微分干渉顕微鏡で観察
したところ、PVA溶液中にPVC溶液が約40μmの島径から
なる相構造を有していることがわかった。この繊維の製
造において、湿延伸後の抽出浴では濁りはみられなかっ
たが、乾燥時繊維間の膠着が生じ、正常な繊維を得るこ
とはできなかった。また乾熱延伸倍率が大きいため、乾
熱延伸時の工程通過性も不良であった。何とかして得ら
れた繊維は、断面をTEMで20000倍に拡大した断面TEM写
真より、PVAが海、PVCが島の海島構造であり、PVCの島
径は0.8μmであった。またこの繊維の強度は7.6g/d、Ws
rは2.9%、LOI値は37であった。
【0025】実施例2 実施例1において、 PVA/PVCの重量比を60/40に変更した
ものを製造した。得られた紡糸原液を微分干渉顕微鏡で
観察したところ、PVA溶液中にPVC溶液が約45μmの島径
からなる相構造を有していることがわかった。この繊維
の製造において、湿延伸後の抽出浴での濁りは実施例1
より若干多かったものの問題ないレベルであり、乾燥
時、乾熱延伸時の工程通過性も良好であった。得られた
繊維は、断面をTEMで20000倍に拡大した断面TEM写真よ
り、PVAが海、PVCが島の海島構造であり、PVCの島径は
0.9μmであった。またこの繊維の強度は7.5g/d、LOI値
は40であった。
ものを製造した。得られた紡糸原液を微分干渉顕微鏡で
観察したところ、PVA溶液中にPVC溶液が約45μmの島径
からなる相構造を有していることがわかった。この繊維
の製造において、湿延伸後の抽出浴での濁りは実施例1
より若干多かったものの問題ないレベルであり、乾燥
時、乾熱延伸時の工程通過性も良好であった。得られた
繊維は、断面をTEMで20000倍に拡大した断面TEM写真よ
り、PVAが海、PVCが島の海島構造であり、PVCの島径は
0.9μmであった。またこの繊維の強度は7.5g/d、LOI値
は40であった。
【0026】
【発明の効果】本発明方法は、固化浴で形成された糸条
を、湿延伸、原液溶媒の抽出、そして乾燥、乾熱延伸と
経ていく難燃性PVA繊維の製造方法において、抽出浴
で生じる濁りが原因で、濁りが凝集して糸塊状物とな
り、糸に付着し、後工程で種々のトラブルを引き起こす
ことを防止するために、湿延伸倍率を通常行われる倍率
よりも低くする方法であり、それにより後工程がトラブ
ルなく製造できることがわかった。本発明方法により得
られる繊維は、戦闘服や消防服などの防護衣料分野、カ
ーシートや車両バネ受け材やエアフィルターなどの産業
資材分野、カーテン、カーペット、毛布、布団側地、シ
ーツカバー、中入綿などの生活資材分野に有効に用いる
ことができる。
を、湿延伸、原液溶媒の抽出、そして乾燥、乾熱延伸と
経ていく難燃性PVA繊維の製造方法において、抽出浴
で生じる濁りが原因で、濁りが凝集して糸塊状物とな
り、糸に付着し、後工程で種々のトラブルを引き起こす
ことを防止するために、湿延伸倍率を通常行われる倍率
よりも低くする方法であり、それにより後工程がトラブ
ルなく製造できることがわかった。本発明方法により得
られる繊維は、戦闘服や消防服などの防護衣料分野、カ
ーシートや車両バネ受け材やエアフィルターなどの産業
資材分野、カーテン、カーペット、毛布、布団側地、シ
ーツカバー、中入綿などの生活資材分野に有効に用いる
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大森 昭夫 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内
Claims (2)
- 【請求項1】ビニルアルコール系ポリマー(1)と含ハロ
ゲンポリマー(2)を共通の溶媒に溶解し、得られた紡糸
原液を(1)に対して固化能を有する固化溶媒と原液溶
媒とを混合した固化浴に湿式または乾湿式紡糸し、湿延
伸した後、抽出し、そして乾燥し、さらに乾熱延伸し、
更に必要に応じて熱処理やアセタール化してポリビニル
アルコール系難燃繊維を製造するにあたり、以下の条件
(a)と(b)、(a)紡糸原液が、(1)の溶液中に、(2)
の溶液からなる2〜100μmの粒子系の島が存在している
相構造であること、(b)湿延伸倍率が1.5〜3.0倍であ
ること、を満足することを特徴とするポリビニルアルコ
ール系難燃繊維の製造方法。 - 【請求項2】紡糸原液に、錫化合物およびアンチモン化
合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物
が、ポリマー総重量に対して0.1〜10重量%分散、混合
されている請求項1記載の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27403997A JPH11107047A (ja) | 1997-10-07 | 1997-10-07 | ポリビニルアルコール系難燃繊維の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27403997A JPH11107047A (ja) | 1997-10-07 | 1997-10-07 | ポリビニルアルコール系難燃繊維の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11107047A true JPH11107047A (ja) | 1999-04-20 |
Family
ID=17536122
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27403997A Pending JPH11107047A (ja) | 1997-10-07 | 1997-10-07 | ポリビニルアルコール系難燃繊維の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11107047A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2010055668A1 (ja) * | 2008-11-14 | 2010-05-20 | 興研株式会社 | 細径繊維のシート状集合体、その製造方法およびその製造装置 |
-
1997
- 1997-10-07 JP JP27403997A patent/JPH11107047A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2010055668A1 (ja) * | 2008-11-14 | 2010-05-20 | 興研株式会社 | 細径繊維のシート状集合体、その製造方法およびその製造装置 |
| JP4902788B2 (ja) * | 2008-11-14 | 2012-03-21 | 興研株式会社 | 細径繊維のシート状集合体、その製造方法およびその製造装置 |
| US10815587B2 (en) | 2008-11-14 | 2020-10-27 | Koken, Ltd. | Sheet of microfiber assembly |
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