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JPH108230A - 高速フレーム溶射方法 - Google Patents

高速フレーム溶射方法

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Publication number
JPH108230A
JPH108230A JP8178640A JP17864096A JPH108230A JP H108230 A JPH108230 A JP H108230A JP 8178640 A JP8178640 A JP 8178640A JP 17864096 A JP17864096 A JP 17864096A JP H108230 A JPH108230 A JP H108230A
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JP
Japan
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sprayed
oxygen
thermal
substrate
coating
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JP8178640A
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English (en)
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JP3602918B2 (ja
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Masahiro Nakagawa
政宏 仲川
Mitsumasa Sasaki
光正 佐々木
Hidetada Mima
秀忠 美馬
Hiroyuki Hashimoto
裕之 橋本
Toshio Hotta
敏夫 堀田
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SURUZAA METEKO JAPAN KK
Original Assignee
SURUZAA METEKO JAPAN KK
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Publication date
Application filed by SURUZAA METEKO JAPAN KK filed Critical SURUZAA METEKO JAPAN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速回転、高負荷、無潤滑条件において、耐
摩耗性及び耐焼付性を有する被膜を、高速度で且つ容易
に被溶射基材表面に溶射することのできる高速フレーム
溶射方法を提供する。 【解決手段】 燃焼ガスを用いて高速フレームを発生
し、この高速フレームを用いて被溶射基材表面に溶射原
料粉末を溶射して、被溶射基材表面に被膜を形成する溶
射方法において、溶射原料粉末として、Cu=84〜9
5重量%、Sn=4〜11重量%、Zn=1〜7重量%
及び残部不純物からなるCu基青銅合金粉末90〜70
体積%と、Mo、MoO3 或はポリエステル樹脂粉末1
0〜30体積%とを含んだ混合粉末を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般には、燃焼ガ
スを用いて高速フレーム(火炎)を発生し、この高速フ
レームを用いて被溶射基材表面に溶射原料粉末を溶射し
て、被溶射基材表面に被膜を形成する高速フレーム溶射
方法に関するものであり、特に、アルミニウム合金、鋳
鉄又は鉄鋼系合金にて作製されたエアーコンプレッサー
ポンプ用斜板の一部或は全部の表面に潤滑性、耐摩耗性
に優れた被膜を形成するのに好適に使用される。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばエアーコンプレッサーポン
プの斜板は、回転することによって、斜板の両面円周上
に当接しているシューを介してピストンを往復運動させ
る構成とされ、従って、斜板の円周面上をシューが摺動
する構成となっている。
【0003】通常、斜板はアルミニウム合金、鋳鉄又は
鉄鋼系合金にて作製され、摺動する相手部品のシューは
SUJ2にて形成されており、そのために、潤滑が不十
分な状態になると焼付きが発生する。従って、従来、斜
板の表面は、Snメッキ或はテフロンコーティングを施
し、更に、MoS2 (潤滑剤)を塗布するなどの処理が
施されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Snメ
ッキされた斜板が無潤滑状態になり、しかも高速回転で
高負荷がかかる運転条件では、斜板表面の摩耗量が増
し、遂には、斜板とシューとが焼付くこととなる。又、
Snメッキを行なう場合、10μmのメッキ被膜を形成
するのに約30分かかり、且つ、メッキ時には、斜板表
面のメッキ不要部位をマスキングする必要があり、マス
キング材料を塗布し、又、それを剥がすのに多くの時間
を要し、作業性の点で問題がある。
【0005】同様に、テフロンコーティングされた斜板
が無潤滑状態になり、しかも高速回転で高負荷がかかる
運転条件では、斜板表面の摩耗量が増す。又、テフロン
コーティング時にも、Snメッキの場合と同様に、斜板
表面のコーティング不要部位をマスキングする必要があ
り、このために、上述のように多くの時間を要し、この
方法も又、作業性の点で問題がある。
【0006】現在、本発明者らの知る限りにおいて、材
料SUJ2にて作製されているシューに対して、高速回
転、高負荷、無潤滑条件において、耐摩耗性、耐焼付性
及び耐圧強度を示す、例えばアルミニウム合金、鋳鉄又
は鉄鋼系合金にて作製された斜板などのための適当な被
覆材料は見当たらない。
【0007】更に、被膜形成が不要な部位を湿式で簡単
にマスキングでき、又、被膜形成後は素早く剥がすこと
ができ、しかも被膜形成(成膜)速度が早い表面改質方
法はない。
【0008】従って、本発明の目的は、高速回転、高負
荷、無潤滑条件において、耐摩耗性及び耐焼付性を有す
る被膜を、高速度で且つ容易に被溶射基材表面に溶射す
ることのできる高速フレーム溶射方法を提供することで
ある。
【0009】本発明の他の目的は、特に、アルミニウム
合金、鋳鉄又は鉄鋼系合金にて作製されたエアーコンプ
レッサーポンプ用斜板の一部或は全部の表面に潤滑性、
耐摩耗性に優れた被膜を形成することのできる高速フレ
ーム溶射方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
高速フレーム溶射方法にて達成される。要約すれば、本
発明は、燃焼ガスを用いて高速フレームを発生し、この
高速フレームを用いて被溶射基材表面に溶射原料粉末を
溶射して、被溶射基材表面に被膜を形成する溶射方法に
おいて、前記溶射原料粉末として、Cu=84〜95重
量%、Sn=4〜11重量%、Zn=1〜7重量%及び
残部不純物からなるCu基青銅合金粉末90〜70体積
%と、Mo、MoO3 或はポリエステル樹脂粉末10〜
30体積%とを含んだ混合粉末を使用することを特徴と
する高速フレーム溶射方法である。好ましくは、前記C
u基鉛青銅合金粉末、及び前記Mo、MoO3 或はポリ
エステル樹脂粉末の粒径は、10〜60μmである。
又、本発明の好ましい実施態様によると、前記被溶射基
材は、その表面を粗度がμRz=10〜60となるよう
にグリットブラスト処理を行ない、次いで50〜150
℃まで加熱した後、溶射を行ない、前記被溶射基材表面
に厚み0.02〜0.5mmの被膜が形成される。又、
前記燃焼ガスとして、酸素/プロパン、酸素/プロピレ
ン、酸素/天然ガス、酸素/エチレン、酸素/灯油又は
酸素/水素のいずれかの混合ガスを用いてフレーム速度
が1000〜2500m/秒、フレーム温度が2200
〜3000℃の高速フレームを発生させ、溶射距離は1
70〜350mmに保持して溶射を行なう。
【0011】又、本発明の好ましい実施態様によれば、
前記被溶射基材表面に形成された被膜は、表面粗度Ra
=0.4〜6.0Sに仕上げる。
【0012】本発明の溶射方法は、アルミニウム合金、
鋳鉄又は鉄鋼系合金にて作製されたエアーコンプレッサ
ーポンプ用斜板への溶射に好適に使用される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る高速フレーム
溶射方法を図面に則して更に詳しく説明する。
【0014】図1に、本発明の高速フレーム溶射方法を
実施する溶射装置(溶射ガン)1の概略構成を示す。簡
単に説明すると、溶射ガン1は、中心部に溶射原料粉末
を投入する粉末投入ポート2が配置され、そして、その
回りに同中心にて、内方より外方へと、ノズルインサー
ト3、シェル4及びエアキャップ5が配置され、燃焼ガ
ス通路8並びに圧縮空気通路7及び9を形成している。
更に、エアキャップ5の外側にはエアキャップボディ6
が配置されている。斯る溶射ガン1の構造は当業者には
周知であるので、これ以上の詳しい説明は省略する。
【0015】溶射原料粉末は、窒素ガスなどの不活性ガ
スで搬送されて前記粉末投入ポート2へと供給され、ポ
ート先端より燃焼炎中に噴出される。一方、燃焼ガス通
路8から供給される高圧燃焼ガスは、ノズルインサート
3及びシェル4の先端外周部にて燃焼する。この燃焼炎
は、圧縮空気に包まれ、高温高圧でエアキャップ5より
噴出し円筒状の超高速炎(フレーム)となる。この超高
速フレームによりポート2の先端から噴出された溶射原
料粉末は、フレーム中心部にて加熱され、溶融され、そ
して加速されて、溶射ガン1より高速で噴出される。そ
して、溶射原料液滴は、所定の距離、即ち、170〜3
50mに配置された所望の基材100へと衝突し、その
表面に溶射被膜102を形成する。
【0016】次に、本発明にて使用される溶射原料粉末
について説明する。
【0017】本発明では、溶射原料粉末としては、硬さ
及び引張強度が大とされるCu基青銅合金粉末と、耐焼
付性と自己潤滑性を有したMo、MoO3 或はポリエス
テル樹脂粉末とを含んだ混合粉末が使用される。
【0018】更に説明すると、Cu基青銅合金は、Cu
=84〜95重量%、Sn=4〜11重量%、Zn=1
〜7重量%及び残部不純物からなる。不純物としては、
通常、Fe、Pb、P、Siなどが挙げられる。
【0019】Cu基青銅合金にて、Cuが84重量%未
満では脆性が起こり、一方、95重量%を超えると、被
膜の結合強度の低下が起こる。そこで、このCuの母相
にSn及びZnが添加される。従って、Cuの量は、8
4〜95重量%、好ましくは、86〜95重量%とされ
る。又、添加されるSnはCuに固溶し、硬さ、引張強
度を向上させる。Snが4重量%未満では靭性が低く、
又、11重量%を超えると脆いδ相が生成し易くなる。
従って、Snの量は、4〜11重量%、好ましくは5〜
10重量%にするのが好ましい。又、Znは、溶融した
時、Sn酸化物の生成を抑える作用がある。Znが1重
量%未満ではSn酸化物の生成を抑える作用が低く、
又、7重量%を超えると溶解鋳造が難しくなる、といっ
た問題が起こる。従って、Znの量は、1〜7重量%、
好ましくは1〜5重量%にするのが好ましい。
【0020】上記Mo、MoO3 或はポリエステル樹脂
は、自己潤滑性のある材料で、添加量が増えると、耐焼
付性が増大する。しかし、これら材料の添加量が多過ぎ
ると被膜の結合強度が損なわれる。従って、高負荷の摺
動条件では、Mo、MoO3或はポリエステル樹脂粉末
の量は、混合粉末中に体積比率で10〜30%、好まし
くは、10〜20%含まれる。
【0021】本発明にて使用する粉末状とされる上記C
u基青銅合金、及びMo、MoO3或はポリエステル樹
脂の粒径は、10〜60μmにすることが望ましい。つ
まり、粒径が60μmを超えると溶射中の粒子温度が低
くなり、未溶融粒子が多くなり、そのために緻密な被膜
が形成しにくくなる。一方、粒径が10μm未満では、
は溶射原料粉末材料の供給性が低下し、連続溶射が難し
くなる。従って、粒径は、上述のように、10〜60μ
mとされ、好ましくは、15〜45μmとされる。
【0022】本発明の溶射方法にて使用する燃焼ガスと
しては、酸素/プロパン、酸素/プロピレン、酸素/天
然ガス、酸素/エチレン、酸素/灯油或は酸素/水素の
いずれかの混合ガスが好適に用いられ、1000〜25
00m/秒のフレーム速度が得られる。フレーム速度が
上がると溶射粒子の速度も上がり、被溶射基材との衝突
時に粒子の基板への食い込み、言い換えるとアンカーリ
ング効果が高くなるため密着性が向上する。又、粒子の
速度が速いと衝突時に運動エネルギーから変換される熱
エネルギーが増し、基板の最表面を溶融させるため密着
性が向上する。この密着性を確保するのに必要なフレー
ム速度は1000m/秒以上である。一方、上述のよう
な構成をした現状の溶射ガン1の構造上からフレームの
最高速度は2500m/秒と制限される。又、上述のよ
うな混合ガスの燃焼ではフレーム温度は2200〜30
00℃とされる。
【0023】例えば、燃焼ガスとして酸素/プロパンの
混合ガスを使用した場合の溶射中のガス条件としては、
酸素ガスを圧力9〜13Bar、流量150〜400L
PM(リットル/分)に、プロパンガスを圧力5〜8B
ar、流量50〜120LPMに、圧縮空気を圧力5〜
7Bar、流量250〜700LPMにする。又、プロ
パンガスと酸素ガスの流量比は、燃焼効率が最適なプロ
パン:酸素=1:3.8〜4.8(標準状態に換算した
場合)になるようにする。このプロパンに対する酸素の
比率が3.8未満では反応しないプロパン量が多くなり
コスト高になる。又、プロパンに対する酸素の比率が
4.8を超えると反応しない酸素量が多くなり溶射被膜
に酸化物が生成し被膜の劣化が生じる。
【0024】燃焼ガスとして酸素/プロピレンの混合ガ
スを使用した場合の溶射中のガス条件としては、酸素ガ
スを圧力9〜13Bar、流量150〜400LPM
に、プロピレンガスを圧力5〜8Bar、流量40〜1
30LPMに、圧縮空気を圧力5〜7Bar、流量25
0〜700LPMにする。又、プロピレンガスと酸素ガ
スの流量比は、燃焼効率が最適なプロピレン:酸素=
1:3.5〜4.5(標準状態に換算した場合)になる
ようにする。このプロピレンに対する酸素の比率が3.
5未満では反応しないプロピレン量が多くなりコスト高
になる。又、プロピレンに対する酸素の比率が4.8を
超えると反応しない酸素量が多くなり溶射被膜に酸化物
が生成し被膜の劣化が生じる。
【0025】燃焼ガスとして酸素/水素の混合ガスを使
用した場合の溶射中のガス条件としては酸素ガスを圧力
9〜13Bar、流量150〜400LPMに、水素ガ
スを圧力8〜12Bar、流量500〜900LPM
に、圧縮空気を圧力5〜7Bar、流量250〜700
LPMにする。又、酸素ガスと水素ガスの流量比は、燃
焼効率が最適な酸素:水素=1:2.0〜2.6(標準
状態に換算した場合)になるようにする。この酸素に対
する水素の比率が2.0未満では反応しない酸素量が多
くなり溶射被膜に酸化物が生成し被膜の劣化が生じ、
又、この酸素に対する水素の比率が2.6を超えると反
応しない水素量が多くなりコスト高になる。
【0026】本発明にて、溶射時の溶射距離(溶射ガン
1と被溶射基材100との距離)は170〜350mm
にする。この理由は、170mm未満では粉末が加速、
加熱されず、又、350mmを超えると、一旦加速、加
熱された粉末の温度及び速度が低下し、基材と粉末粒
子、及び粒子間の密着強さが下がり好ましくないからで
ある。
【0027】なお、被溶射基材100の表面は、密着表
面を拡大し、溶射被膜102との密着強さを高く維持す
るために、被膜形成する前に、溶射すべき基材表面の一
部或は全部のスケールを取り除き、予め洗浄化し、粗面
化処理を行うことが必要である。粗面化処理は、グリッ
トブラスト処理にて行うのが好適であり、SiC、アル
ミナなどのグリットを0.5MPa程度の圧力で被溶射
基材表面に吹き付けて行なう。粗面化処理後の基材の表
面は、表面粗度μRz=10〜60の凹凸を形成するの
が好ましい。この凹凸により溶射被膜と基材との接触面
積が増しアンカーリング効果、即ち、機械的結合が強化
される。ここで、表面粗度が10μRz未満であるとア
ンカーリング効果が不十分であるため密着強度が低下
し、一方、表面粗度が60μRzを超えると被膜の表面
粗度が粗くなり後の仕上げ工数が多くなり効果的でな
い。
【0028】このようなブラスト処理をした後、被溶射
基材を50〜150℃に加熱した後に溶射することが好
ましい。温度を50℃以上に上げるのは結露の発生を抑
えたり、密着力を増すために必要である。又、基材を1
50℃以下にするのは基材の熱変形や基材の強度劣化を
防ぐために必要である。被膜の厚みは耐摩耗性効果を得
るためには0.02mm以上に、また溶射中の剥離や摺
動中の熱応力による剥離を防ぐために0.5mm以下に
することが好ましい。又、溶射後の被膜表面粗度は、R
a=0.4〜6.0Sに仕上げ加工するのが好ましい。
Raが6.0Sを超えると耐焼付性を損ない、0.4S
未満ではコスト高になる。
【0029】次に、本発明を実施例について更に詳しく
説明する。
【0030】実施例1 溶射原料粉末としては、下記表1に示す組成とされるC
u基青銅合金を70体積%、Mo(純度99.7%(不
純物として微量のW、Crなど)、粒径10〜60μ
m)を30体積%含む混合粉末を調製して使用した。
【0031】被溶射基材としては、外径105mm×内
径60mm×厚さ6.5mmのエアーコンプレッサーポ
ンプ用斜板を使用した。斜板の材質はFCD440であ
った。
【0032】先ず、前処理として、この斜板表面に、ア
ルミナグリット(粒度#30)を圧力0.5MPaで吹
き付け、グリットブラスト処理を行なった。この前処理
にて、斜板の表面粗度はμRz=40〜55となった。
【0033】次いで、図1に示す溶射ガン1を使用し
て、予熱処理を行なった。このとき、溶射ガン1は、下
記に示す溶射条件にて、但し、溶射原料粉末を供給しな
いで、溶射距離を300mmに保ち、フレームのみを噴
射するように作動させ、斜板を150℃に加熱して、斜
板表面の湿気、水、水蒸気を除去した。
【0034】次いで、溶射ガン1を使用して、下記溶射
施工条件にて斜板に被膜を形成した。
【0035】 (溶射施工条件) ・燃焼ガス 酸素 :圧力=12Bar、流量=310SLM プロピレンガス:圧力= 7Bar、流量= 75SLM 空気 :圧力= 7Bar、流量=400SLM ここで、「SLM」は、標準状態に換算したガス流量
(リットル/分(LPM))を意味する。 ・フレーム温度 2700℃ ・フレーム速度 1500m/秒 ・溶射距離 225mm ・溶射原料粉末供給量 70g/分
【0036】
【表1】
【0037】このようにして得られた斜板表面の溶射被
膜の厚さは、0.20mmであり、この被膜表面は、そ
の後、切削加工後バフ研磨にて、被膜厚さ0.12mm
とし、且つ表面粗度Ra=0.8〜1.0Sに仕上げ
た。
【0038】上述のようにして作製した溶射被膜を有す
る斜板を用い、この斜板表面にSUJ2からなるシュー
を面圧330MPaで押圧し、且つ斜板を周速20m/
秒で回転することにより、実機摩擦摩耗試験を行なっ
た。又、比較例として従来の表面にSnメッキした斜板
(メッキ厚さ0.01mm)を使用し、同じ条件にて実
機摩擦摩耗試験を行なった。その結果、従来品のSnメ
ッキのものでは最大摩耗深さが0.05mm以上にまで
摩耗し、下地のFCD440が露出して焼付いたのに対
し、本発明にて作製した斜板表面の摩耗量は3μmで、
耐摩耗性及び耐焼付性に優れていることが分かった。
【0039】実施例2〜4 溶射原料粉末としては、下記表2に示す組成とされるC
u基青銅合金(A)と、下記表2に示すMo、MoO3
或はポリエステル樹脂(B)とを表に示す混合割合にて
含む混合粉末を調製して使用した。
【0040】被溶射基材としては、外径115mm×内
径65mm×厚さ6.5mmの寸法を有し、FCD44
0で作製したリング状の摩擦摩耗用試験片を使用した。
【0041】先ず、前処理として、この試験片の表面
に、アルミナグリット(粒度#30)を圧力0.5MP
aで吹き付け、グリットブラスト処理を行なった。この
前処理にて、試験片の表面粗度はμRz=40〜55と
なった。
【0042】次いで、図1に示す溶射ガン1を使用し
て、予熱処理を行なった。このとき、溶射ガン1は、下
記に示す溶射条件にて、但し、溶射原料粉末を供給しな
いで、溶射距離を300mmに保ち、フレームのみを噴
射するように作動させ、試験片を150℃に加熱して、
試験片表面の湿気、水、水蒸気を除去した。
【0043】次いで、溶射ガン1を使用して、下記溶射
施工条件にて試験片に被膜を形成した。
【0044】 (溶射施工条件) ・燃焼ガス 酸素 :圧力=12Bar、流量=200SLM 水素 :圧力=10Bar、流量=880SLM 空気 :圧力= 7Bar、流量=420SLM ここで、「SLM」は、標準状態に換算したガス流量
(リットル/分(LPM))を意味する。 ・フレーム温度 2700℃ ・フレーム速度 2100m/秒 ・溶射距離 225mm ・溶射原料粉末供給量 80g/分
【0045】
【表2】
【0046】このようにして得られた各試験片表面の溶
射被膜の厚さは、0.2mmであった。これら各試験片
の被膜表面は、その後、切削加工後バフ研磨にて、被膜
厚さ0.10mmとし、且つ表面粗度はRa=0.4〜
0.8Sに仕上げた。
【0047】上述のようにして作製した溶射被膜を有す
るリング状の摩擦摩耗用試験片を用い、この試験片表面
にSUJ2からなるブロックを面圧10MPaで押圧
し、且つ試験片を周速1m/秒で回転することにより、
被膜の摩耗量を測定した。又、比較例(従来品)とし
て、表面にSnメッキ(メッキ厚さ0.01mm)或は
テフロンコーティング(被膜厚さ0.3mm)した同じ
形状寸法、材料(FCD440)で作製したリングを使
用した。その結果を図2に示す。更に、ブロックにかか
る荷重を段階的に上げて焼付き荷重を測定した。その結
果を図3に示す。
【0048】図2及び図3に示す結果から、本発明に従
って作製した実施例2、3、4に示す溶射被膜を有する
ものが、従来品に比べて耐摩耗性及び耐焼付性の点で優
れていることが分かった。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の高速フレ
ーム溶射方法は、溶射原料粉末として、Cu=84〜9
5重量%、Sn=4〜11重量%、Zn=1〜7重量%
及び残部不純物からなるCu基青銅合金粉末90〜70
体積%と、Mo、MoO3 或はポリエステル樹脂粉末1
0〜30体積%とを含んだ混合粉末を使用する構成とさ
れるので、 (1)高速回転、高負荷、無潤滑条件において、耐摩耗
性、耐焼付性を有する被膜を、高速度で且つ容易に被溶
射基材表面に溶射することができる。 (2)特に、アルミニウム合金、鋳鉄又は鉄鋼系合金に
て作製されたエアーコンプレッサーポンプ用斜板の一部
或は全部の表面に潤滑性、耐摩耗性に優れた被膜を形成
することができる。 といった多くの効果を達成し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高速フレーム溶射方法を実施するため
の溶射ガンの概略構成を示す図である。
【図2】本発明の高速フレーム溶射方法にて得られる溶
射被膜と、従来品とにおける耐摩耗性を示す図である。
【図3】本発明の高速フレーム溶射方法にて得られる溶
射被膜と、従来品とにおける焼付荷重を示す図である。
【符号の説明】
1 溶射ガン 2 粉末投入ポート 3 ノズルインサート 4 シェル 5 エアキャップ 6 エアキャップボディ 7 圧縮空気通路 8 燃焼ガス通路 100 被溶射基材 102 溶射被膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 裕之 東京都千代田区二番町11番19号 スルザー メテコジャパン株式会社内 (72)発明者 堀田 敏夫 東京都千代田区二番町11番19号 スルザー メテコジャパン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼ガスを用いて高速フレームを発生
    し、この高速フレームを用いて被溶射基材表面に溶射原
    料粉末を溶射して、被溶射基材表面に被膜を形成する溶
    射方法において、前記溶射原料粉末として、Cu=84
    〜95重量%、Sn=4〜11重量%、Zn=1〜7重
    量%及び残部不純物からなるCu基青銅合金粉末90〜
    70体積%と、Mo、MoO3 或はポリエステル樹脂粉
    末10〜30体積%とを含んだ混合粉末を使用すること
    を特徴とする高速フレーム溶射方法。
  2. 【請求項2】 前記Cu基鉛青銅合金粉末及び前記M
    o、MoO3 或はポリエステル樹脂粉末の粒径は、10
    〜60μmである請求項1の高速フレーム溶射方法。
  3. 【請求項3】 前記被溶射基材は、その表面を粗度がμ
    Rz=10〜60となるようにグリットブラスト処理を
    行ない、次いで50〜150℃まで加熱した後、溶射を
    行ない、前記被溶射基材表面に厚み0.02〜0.5m
    mの被膜を形成する請求項1又は2の高速フレーム溶射
    方法。
  4. 【請求項4】 前記燃焼ガスとして、酸素/プロパン、
    酸素/プロピレン、酸素/天然ガス、酸素/エチレン、
    酸素/灯油又は酸素/水素のいずれかの混合ガスを用い
    てフレーム速度が1000〜2500m/秒、フレーム
    温度が2200〜3000℃の高速フレームを発生さ
    せ、溶射距離は170〜350mmに保持して溶射を行
    なう請求項1、2又は3の高速フレーム溶射方法。
  5. 【請求項5】 前記被溶射基材表面に形成された被膜
    は、表面粗度Ra=0.4〜6.0Sに仕上げる請求項
    1〜4のいずれかの項に記載の高速フレーム溶射方法。
  6. 【請求項6】 前記被溶射基材は、アルミニウム合金、
    鋳鉄又は鉄鋼系合金にて作製されたエアーコンプレッサ
    ーポンプ用斜板である請求項1〜5のいずれかの項に記
    載の高速フレーム溶射方法。
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JP2007308800A (ja) * 2006-05-18 2007-11-29 Hamilton Sundstrand Corp コーティングの形成方法およびベアリングコーティング
JP2021127476A (ja) * 2020-02-12 2021-09-02 トーカロ株式会社 摺動部品

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