JPH1067223A - ビスカスヒータ - Google Patents
ビスカスヒータInfo
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- JPH1067223A JPH1067223A JP22859696A JP22859696A JPH1067223A JP H1067223 A JPH1067223 A JP H1067223A JP 22859696 A JP22859696 A JP 22859696A JP 22859696 A JP22859696 A JP 22859696A JP H1067223 A JPH1067223 A JP H1067223A
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- heat generating
- generating chamber
- fins
- fin
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ロータの外面と発熱室の内壁面との隙間を剪
断発熱を効果的に行われる大きさに確保し、かつロータ
及びハウジングに形成されたラビリンス溝が干渉し難い
ビスカスヒータを提供する。 【解決手段】 前部ハウジング8及び後部ハウジング9
間に区画プレート5,6が配設され、両区画プレート
5,6間に発熱室12が形成されている。発熱室12の前後
にウォータジャケット13,14が形成されている。発熱室
12内に収納されたロータ21は駆動軸20の後端に一体回動
可能に支持されている。ロータ21の前後両側面にはフィ
ン21aが突設され、両区画プレート5,6にはフィン21
aと近接するようにフィン5e,6eが突設されている。各
フィン21a,5e、21a,6e相互の間隔、フィン21aと発
熱室12内壁との間隔及びフィン5e,6eとロータ21との間
隔が駆動軸20に対して外側に位置するほど大きくなるよ
うに形成されている。
断発熱を効果的に行われる大きさに確保し、かつロータ
及びハウジングに形成されたラビリンス溝が干渉し難い
ビスカスヒータを提供する。 【解決手段】 前部ハウジング8及び後部ハウジング9
間に区画プレート5,6が配設され、両区画プレート
5,6間に発熱室12が形成されている。発熱室12の前後
にウォータジャケット13,14が形成されている。発熱室
12内に収納されたロータ21は駆動軸20の後端に一体回動
可能に支持されている。ロータ21の前後両側面にはフィ
ン21aが突設され、両区画プレート5,6にはフィン21
aと近接するようにフィン5e,6eが突設されている。各
フィン21a,5e、21a,6e相互の間隔、フィン21aと発
熱室12内壁との間隔及びフィン5e,6eとロータ21との間
隔が駆動軸20に対して外側に位置するほど大きくなるよ
うに形成されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハウジング内に発
熱室及び放熱室を区画し、発熱室内に収納された粘性流
体をロータで剪断することにより発生した熱を放熱室内
の循環流体に熱交換するビスカスヒータに関する。
熱室及び放熱室を区画し、発熱室内に収納された粘性流
体をロータで剪断することにより発生した熱を放熱室内
の循環流体に熱交換するビスカスヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】車載用の補助熱源として、車両のエンジ
ンの駆動力を利用するビスカスヒータが注目されてお
り、特開平2−246823号公報には車両用暖房装置
に利用されるビスカスヒータが開示されている。このビ
スカスヒータでは、前部及び後部ハウジングが対設され
た状態で通しボルトにより締結され、内部に発熱室と、
この発熱室の外域にウォータジャケットとを形成してい
る。前記ウォータジャケットでは循環水が入水ポートか
ら取り入れられ、出水ポートから外部の暖房回路へ送り
出される。前部ハウジングには軸受装置を介して駆動軸
が回動可能に支承され、駆動軸には発熱室内で回動可能
なロータが固定されている。発熱室の内壁面と、ロータ
の外面とは互いに近接するラビリンス溝を構成し、これ
ら発熱室の壁面とロータの外面との隙間にはシリコーン
オイル等の粘性流体が介在される。ラビリンス溝は、発
熱室の内壁面及びロータにそれぞれ複数突設された環状
のフィンにより形成されている。
ンの駆動力を利用するビスカスヒータが注目されてお
り、特開平2−246823号公報には車両用暖房装置
に利用されるビスカスヒータが開示されている。このビ
スカスヒータでは、前部及び後部ハウジングが対設され
た状態で通しボルトにより締結され、内部に発熱室と、
この発熱室の外域にウォータジャケットとを形成してい
る。前記ウォータジャケットでは循環水が入水ポートか
ら取り入れられ、出水ポートから外部の暖房回路へ送り
出される。前部ハウジングには軸受装置を介して駆動軸
が回動可能に支承され、駆動軸には発熱室内で回動可能
なロータが固定されている。発熱室の内壁面と、ロータ
の外面とは互いに近接するラビリンス溝を構成し、これ
ら発熱室の壁面とロータの外面との隙間にはシリコーン
オイル等の粘性流体が介在される。ラビリンス溝は、発
熱室の内壁面及びロータにそれぞれ複数突設された環状
のフィンにより形成されている。
【0003】このビスカスヒータでは、駆動軸がエンジ
ンにより駆動されると、発熱室内でロータが回動するた
め、粘性流体が発熱室の内壁面とロータの外面との間
隙、主としてラビリンス溝の間隙で剪断されて発熱す
る。そして、発熱室で発生した熱は、ウォータジャケッ
ト内の循環水に熱交換され、加熱された循環水が暖房回
路で車室内の暖房に供される。
ンにより駆動されると、発熱室内でロータが回動するた
め、粘性流体が発熱室の内壁面とロータの外面との間
隙、主としてラビリンス溝の間隙で剪断されて発熱す
る。そして、発熱室で発生した熱は、ウォータジャケッ
ト内の循環水に熱交換され、加熱された循環水が暖房回
路で車室内の暖房に供される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】車両等に搭載され得る
大きさのビスカスヒータにおいてロータの回動による粘
性流体の剪断が効果的に行われるには、一般に発熱室の
内壁面と、ロータ外面との隙間は数百μm程度と非常に
小さくする必要がある。従って、ロータの駆動軸に対す
る組付け時に、ロータと駆動軸との直角度が悪くてロー
タが発熱室に対して傾斜した状態になると、ロータの外
面が発熱室の内壁面と干渉して摩耗する。また、ロータ
が駆動軸に対して精度良く組み付けられた場合でも、粘
性流体の発熱時における熱膨張に起因してロータ及びハ
ウジングの変形によりロータが駆動軸に対して傾いた
り、駆動軸にエンジンの回転を伝達する電磁クラッチの
接続時の衝撃によりロータが駆動軸に対して傾く場合も
ある。ロータが駆動軸に対して傾くことに起因するロー
タの外面と発熱室の内壁面との干渉を回避するため、発
熱室の内壁面とロータの外面との間隔を拡大すると、粘
性流体が剪断され難くなってロータの1回転当たりの発
熱量が低下する。
大きさのビスカスヒータにおいてロータの回動による粘
性流体の剪断が効果的に行われるには、一般に発熱室の
内壁面と、ロータ外面との隙間は数百μm程度と非常に
小さくする必要がある。従って、ロータの駆動軸に対す
る組付け時に、ロータと駆動軸との直角度が悪くてロー
タが発熱室に対して傾斜した状態になると、ロータの外
面が発熱室の内壁面と干渉して摩耗する。また、ロータ
が駆動軸に対して精度良く組み付けられた場合でも、粘
性流体の発熱時における熱膨張に起因してロータ及びハ
ウジングの変形によりロータが駆動軸に対して傾いた
り、駆動軸にエンジンの回転を伝達する電磁クラッチの
接続時の衝撃によりロータが駆動軸に対して傾く場合も
ある。ロータが駆動軸に対して傾くことに起因するロー
タの外面と発熱室の内壁面との干渉を回避するため、発
熱室の内壁面とロータの外面との間隔を拡大すると、粘
性流体が剪断され難くなってロータの1回転当たりの発
熱量が低下する。
【0005】本発明は前記従来の問題点に鑑みてなされ
たものであってその目的は、ロータの外面と発熱室の内
壁面との隙間を剪断発熱を効果的に行われる大きさに確
保し、かつロータ及びハウジングに形成されたラビリン
ス溝が干渉し難いビスカスヒータを提供することにあ
る。
たものであってその目的は、ロータの外面と発熱室の内
壁面との隙間を剪断発熱を効果的に行われる大きさに確
保し、かつロータ及びハウジングに形成されたラビリン
ス溝が干渉し難いビスカスヒータを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、請求項1の発明は、ハウジング内に発熱室及び放熱
室を区画し、前記発熱室内に収納された粘性流体を駆動
軸と一体に回転するロータの剪断により発生した熱を前
記放熱室内の循環流体に熱交換するビスカスヒータにお
いて、前記発熱室の内部と前記ロータとに互いに近接す
る状態で相対回転するフィンを設け、ロータ及びロータ
側のフィンと、発熱室及び発熱室側のフィンとの間に、
前記発熱室と前記ロータとの干渉を防止する干渉防止手
段を設けた。干渉防止手段とはロータが駆動軸あるいは
発熱室に対して傾いた状態で回転しても、ロータ及び発
熱室に形成されたフィンが対向する発熱室壁面又はロー
タ壁面と接触するのを防止するように、フィン及びフィ
ンと対向する壁面との間隔を拡げる手段を意味する。
め、請求項1の発明は、ハウジング内に発熱室及び放熱
室を区画し、前記発熱室内に収納された粘性流体を駆動
軸と一体に回転するロータの剪断により発生した熱を前
記放熱室内の循環流体に熱交換するビスカスヒータにお
いて、前記発熱室の内部と前記ロータとに互いに近接す
る状態で相対回転するフィンを設け、ロータ及びロータ
側のフィンと、発熱室及び発熱室側のフィンとの間に、
前記発熱室と前記ロータとの干渉を防止する干渉防止手
段を設けた。干渉防止手段とはロータが駆動軸あるいは
発熱室に対して傾いた状態で回転しても、ロータ及び発
熱室に形成されたフィンが対向する発熱室壁面又はロー
タ壁面と接触するのを防止するように、フィン及びフィ
ンと対向する壁面との間隔を拡げる手段を意味する。
【0007】このビスカスヒータでは、発熱室の内部と
ロータとに互いに近接する状態で相対回転するフィンが
形成されているため、発熱室の容積当たりのロータ外面
と発熱室内面との対向面の面積が増加し、粘性流体の剪
断発熱効率が高まる。また、ベルト張力や製造時の公差
等により、ロータが発熱室に対して傾斜した状態で回転
しても、発熱室とロータとの干渉が、ロータ及びロータ
側のフィンと、発熱室及び発熱室側のフィンとの間に設
けられた干渉防止手段により防止される。その結果、こ
のビスカスヒータでは、ロータ外周面と発熱室内壁面と
の隙間をある程度縮小でき、ロータの1回転当たりの発
熱量が増大する。
ロータとに互いに近接する状態で相対回転するフィンが
形成されているため、発熱室の容積当たりのロータ外面
と発熱室内面との対向面の面積が増加し、粘性流体の剪
断発熱効率が高まる。また、ベルト張力や製造時の公差
等により、ロータが発熱室に対して傾斜した状態で回転
しても、発熱室とロータとの干渉が、ロータ及びロータ
側のフィンと、発熱室及び発熱室側のフィンとの間に設
けられた干渉防止手段により防止される。その結果、こ
のビスカスヒータでは、ロータ外周面と発熱室内壁面と
の隙間をある程度縮小でき、ロータの1回転当たりの発
熱量が増大する。
【0008】請求項2の発明は、請求項1に記載の発明
において、前記干渉防止手段は、ロータ及び発熱室のフ
ィン相互の間隔と、ロータ側のフィンと発熱室内壁との
間隔と、発熱室側のフィンとロータとの間隔とが駆動軸
に対して外側に位置するほど大きくなるように形成され
た間隙である。
において、前記干渉防止手段は、ロータ及び発熱室のフ
ィン相互の間隔と、ロータ側のフィンと発熱室内壁との
間隔と、発熱室側のフィンとロータとの間隔とが駆動軸
に対して外側に位置するほど大きくなるように形成され
た間隙である。
【0009】ロータが駆動軸に対して傾いた場合、その
傾動中心からの距離が大きいほど移動距離が大きくな
る。従って、フィンを含めたロータと発熱室の内壁面と
の間隙が従来のように一定であると、駆動軸に対して外
側に位置する部分ほど干渉し易くなる。しかし、このビ
スカスヒータでは、ロータと発熱室との間隙が駆動軸に
対して外側ほど大きいため、ロータと発熱室との干渉が
防止される。
傾動中心からの距離が大きいほど移動距離が大きくな
る。従って、フィンを含めたロータと発熱室の内壁面と
の間隙が従来のように一定であると、駆動軸に対して外
側に位置する部分ほど干渉し易くなる。しかし、このビ
スカスヒータでは、ロータと発熱室との間隙が駆動軸に
対して外側ほど大きいため、ロータと発熱室との干渉が
防止される。
【0010】請求項3の発明は、請求項1に記載の発明
において、前記干渉防止手段は、前記フィンの形状を先
端部の角を落とした形状に形成したものである。このビ
スカスヒータでは、ロータが駆動軸あるいは発熱室に対
して傾いたとき発熱室あるいはロータの対向する面に当
接し易いフィンの先端部が、その角を落とした形状に形
成されているため、ロータが駆動軸あるいは発熱室に対
して傾いた状態で回動しても、ロータと発熱室との干渉
が防止される。
において、前記干渉防止手段は、前記フィンの形状を先
端部の角を落とした形状に形成したものである。このビ
スカスヒータでは、ロータが駆動軸あるいは発熱室に対
して傾いたとき発熱室あるいはロータの対向する面に当
接し易いフィンの先端部が、その角を落とした形状に形
成されているため、ロータが駆動軸あるいは発熱室に対
して傾いた状態で回動しても、ロータと発熱室との干渉
が防止される。
【0011】請求項4の発明は、前記干渉防止手段とし
て、請求項2及び請求項3に記載の干渉防止手段を備え
た。このビスカスヒータでは、ロータが駆動軸あるいは
発熱室に対して傾いた状態で回動しても、ロータと発熱
室との干渉がより確実に防止される。
て、請求項2及び請求項3に記載の干渉防止手段を備え
た。このビスカスヒータでは、ロータが駆動軸あるいは
発熱室に対して傾いた状態で回動しても、ロータと発熱
室との干渉がより確実に防止される。
【0012】請求項5の発明は、請求項3又は請求項4
に記載の発明において、前記先端部の角を落とした形状
とは、先端部を外側に凸の曲面に形成した形状である。
請求項6の発明は、請求項3又は請求項4に記載の発明
において、前記先端部の角を落とした形状とは、前記先
端部に面取りを施した形状である。
に記載の発明において、前記先端部の角を落とした形状
とは、先端部を外側に凸の曲面に形成した形状である。
請求項6の発明は、請求項3又は請求項4に記載の発明
において、前記先端部の角を落とした形状とは、前記先
端部に面取りを施した形状である。
【0013】請求項7の発明は、請求項1に記載の発明
において、前記干渉防止手段は、前記フィンの先端部の
角と対向する部分に形成された凹部である。このビスカ
スヒータでは、ロータが駆動軸に対して傾いた状態で回
動しても、フィンの角が凹部と対応するため、ロータと
発熱室との干渉が防止される。
において、前記干渉防止手段は、前記フィンの先端部の
角と対向する部分に形成された凹部である。このビスカ
スヒータでは、ロータが駆動軸に対して傾いた状態で回
動しても、フィンの角が凹部と対応するため、ロータと
発熱室との干渉が防止される。
【0014】
(第1の実施の形態)以下、本発明を具体化した第1の
実施の形態を図1〜図3に従って説明する。図1に示す
ように、前部ハウジング本体(第1のハウジング本体)
1及び後部ハウジング本体(第2のハウジング本体)2
は、各ハウジング本体1,2に設けられた凹部が互いに
対向する状態で複数本のボルト3(図1では一本のみ図
示)によって締結されている。両ハウジング本体1,2
間にはシールのためのガスケット4が介在されている。
両ハウジング本体1,2の凹部内には前部区画プレート
5及び後部区画プレート6が収容されている。両区画プ
レート5,6はその外周縁部が互いに当接し、その当接
面にOリング7が配設されている。両区画プレート5,
6は、熱伝導性に優れた材料(例えば、アルミニウムあ
るいはアルミニウム系合金)で形成されている。前部ハ
ウジング本体1及び前部区画プレート5により前部ハウ
ジング8が構成され、後部ハウジング本体2及び後部区
画プレート6により後部ハウジング9が構成されてい
る。
実施の形態を図1〜図3に従って説明する。図1に示す
ように、前部ハウジング本体(第1のハウジング本体)
1及び後部ハウジング本体(第2のハウジング本体)2
は、各ハウジング本体1,2に設けられた凹部が互いに
対向する状態で複数本のボルト3(図1では一本のみ図
示)によって締結されている。両ハウジング本体1,2
間にはシールのためのガスケット4が介在されている。
両ハウジング本体1,2の凹部内には前部区画プレート
5及び後部区画プレート6が収容されている。両区画プ
レート5,6はその外周縁部が互いに当接し、その当接
面にOリング7が配設されている。両区画プレート5,
6は、熱伝導性に優れた材料(例えば、アルミニウムあ
るいはアルミニウム系合金)で形成されている。前部ハ
ウジング本体1及び前部区画プレート5により前部ハウ
ジング8が構成され、後部ハウジング本体2及び後部区
画プレート6により後部ハウジング9が構成されてい
る。
【0015】前部区画プレート5は、その中央部に形成
された支持筒部5aが前部ハウジング本体1と嵌合する
状態で配設され、支持筒部5aの外周部にOリング10
が配設されている。後部区画プレート6は、その後端側
に突設された筒部6aの内面が、後部ハウジング本体2
に突設された支持凸部2aに嵌合する状態で配設され、
支持凸部2aの外周部にOリング11が配設されてい
る。Oリング10,11は区画プレート5,6がハウジ
ング本体1,2に対して前後方向に相対移動可能に緩く
嵌合された状態であっても、その当接面の隙間のシール
を確保する役割を果たす。
された支持筒部5aが前部ハウジング本体1と嵌合する
状態で配設され、支持筒部5aの外周部にOリング10
が配設されている。後部区画プレート6は、その後端側
に突設された筒部6aの内面が、後部ハウジング本体2
に突設された支持凸部2aに嵌合する状態で配設され、
支持凸部2aの外周部にOリング11が配設されてい
る。Oリング10,11は区画プレート5,6がハウジ
ング本体1,2に対して前後方向に相対移動可能に緩く
嵌合された状態であっても、その当接面の隙間のシール
を確保する役割を果たす。
【0016】前部区画プレート5の後端側に設けられた
凹部と、後部区画プレート6の前端面とによって発熱室
12が形成される。前部ハウジング本体1の内壁と前部
区画プレート5の前端面との間には、発熱室12の前側
に隣接する円環状の前部ウォータジャケット13が区画
され、後部区画プレート6の外周部後端面と後部ハウジ
ング本体2の内壁との間には、発熱室12の後側に隣接
する円環状の後部ウォータジャケット14が区画され
る。前部ウォータジャケット13及び後部ウォータジャ
ケット14は、発熱室12に隣接する放熱室を構成す
る。
凹部と、後部区画プレート6の前端面とによって発熱室
12が形成される。前部ハウジング本体1の内壁と前部
区画プレート5の前端面との間には、発熱室12の前側
に隣接する円環状の前部ウォータジャケット13が区画
され、後部区画プレート6の外周部後端面と後部ハウジ
ング本体2の内壁との間には、発熱室12の後側に隣接
する円環状の後部ウォータジャケット14が区画され
る。前部ウォータジャケット13及び後部ウォータジャ
ケット14は、発熱室12に隣接する放熱室を構成す
る。
【0017】図1及び図2に示すように、後部区画プレ
ート6には後部ウォータジャケット14を区画して半径
方向に延びるように形成された隔壁6bと、筒部6aの
外側に沿って周方向に延びる円弧状の2条のフィン6c
とが突設されている。筒部6a、隔壁6b及びフィン6
cの各先端は、図1に示すように、後部ハウジング本体
2の内壁面に当接されている。また、前部区画プレート
5にも同様に、前部ウォータジャケット13を区画して
半径方向に延びるように形成された隔壁5bと、支持筒
部5aの外側に沿って周方向に延びる円弧状の2条のフ
ィン5cとが突設されている。隔壁5b及びフィン5c
の各先端は、図1に示すように、前部ハウジング本体1
の内壁面に当接されている。
ート6には後部ウォータジャケット14を区画して半径
方向に延びるように形成された隔壁6bと、筒部6aの
外側に沿って周方向に延びる円弧状の2条のフィン6c
とが突設されている。筒部6a、隔壁6b及びフィン6
cの各先端は、図1に示すように、後部ハウジング本体
2の内壁面に当接されている。また、前部区画プレート
5にも同様に、前部ウォータジャケット13を区画して
半径方向に延びるように形成された隔壁5bと、支持筒
部5aの外側に沿って周方向に延びる円弧状の2条のフ
ィン5cとが突設されている。隔壁5b及びフィン5c
の各先端は、図1に示すように、前部ハウジング本体1
の内壁面に当接されている。
【0018】後部ハウジング本体2の外周部(図1,2
の上部)には、車両内に設けられた暖房回路(図示略)
から後部ウォータジャケット14に循環水を取り入れる
入水ポート15が形成され、後部区画プレート6には入
水ポート15と連通する孔6dが形成されている。前部
ハウジング本体1の外周部(図1,2の上部)には、前
部ウォータジャケット13から循環水を暖房回路に送り
出す出水ポート16が形成され、前部区画プレート5に
は出水ポート16と連通する孔5dが形成されている。
また、両ハウジング本体1,2及び両区画プレート5,
6には前部ウォータジャケット13及び後部ウォータジ
ャケット14とを連通する連通路17が形成されてい
る。連通路17はガスケット4を貫通している。従っ
て、入水ポート15から後部ウォータジャケット14に
導入された循環流体としての循環水は、フィン6cにガ
イドされて連通路17に到る。そして、連通路17を経
て前部ウォータジャケット13に導入され、フィン5c
にガイドされて出水ポート16へ導かれる。
の上部)には、車両内に設けられた暖房回路(図示略)
から後部ウォータジャケット14に循環水を取り入れる
入水ポート15が形成され、後部区画プレート6には入
水ポート15と連通する孔6dが形成されている。前部
ハウジング本体1の外周部(図1,2の上部)には、前
部ウォータジャケット13から循環水を暖房回路に送り
出す出水ポート16が形成され、前部区画プレート5に
は出水ポート16と連通する孔5dが形成されている。
また、両ハウジング本体1,2及び両区画プレート5,
6には前部ウォータジャケット13及び後部ウォータジ
ャケット14とを連通する連通路17が形成されてい
る。連通路17はガスケット4を貫通している。従っ
て、入水ポート15から後部ウォータジャケット14に
導入された循環流体としての循環水は、フィン6cにガ
イドされて連通路17に到る。そして、連通路17を経
て前部ウォータジャケット13に導入され、フィン5c
にガイドされて出水ポート16へ導かれる。
【0019】前部区画プレート5には発熱室12に隣接
して軸封装置18が、前部ハウジング1には軸受装置1
9がそれぞれ設けられ、これらの装置18,19を介し
て駆動軸20が回動可能に支持されている。軸封装置1
8は主としてオイルシールのような部材からなる。駆動
軸20の後端部(図1の右端部)には、発熱室12内に
収納される円盤状のロータ21が一体回転可能に圧入固
定されている。駆動軸20の後端部及びロータ21を収
納する発熱室12には、粘性流体としてのシリコーンオ
イルが充填され、発熱室12の内壁面とロータ21の外
面との隙間には、表面張力に基づいてシリコーンオイル
が満遍なく介在されている。
して軸封装置18が、前部ハウジング1には軸受装置1
9がそれぞれ設けられ、これらの装置18,19を介し
て駆動軸20が回動可能に支持されている。軸封装置1
8は主としてオイルシールのような部材からなる。駆動
軸20の後端部(図1の右端部)には、発熱室12内に
収納される円盤状のロータ21が一体回転可能に圧入固
定されている。駆動軸20の後端部及びロータ21を収
納する発熱室12には、粘性流体としてのシリコーンオ
イルが充填され、発熱室12の内壁面とロータ21の外
面との隙間には、表面張力に基づいてシリコーンオイル
が満遍なく介在されている。
【0020】図1,3に示すように、ロータ21の外周
寄り前後両側面には円環状のフィン21aが駆動軸20
を中心とした同心円状に複数突設され、ラビリンス部
(溝)22が形成されている。また、前部区画プレート
5及び後部区画プレート6には、隣接するフィン21a
の間に突出するように円環状のフィン5e,6eが複数
突設され、各フィン5e,6eによりラビリンス部
(溝)23が形成されている。
寄り前後両側面には円環状のフィン21aが駆動軸20
を中心とした同心円状に複数突設され、ラビリンス部
(溝)22が形成されている。また、前部区画プレート
5及び後部区画プレート6には、隣接するフィン21a
の間に突出するように円環状のフィン5e,6eが複数
突設され、各フィン5e,6eによりラビリンス部
(溝)23が形成されている。
【0021】ロータ21側のフィン21aと、両区画プ
レート5,6側(即ち、発熱室側)のフィン5e,6e
との相互の間隔δ1は、駆動軸20に対して外側ほど大
きくなるように形成されている。また、フィン21aの
先端と各区画プレート5,6の内壁との間隔δ2及びフ
ィン5e,6eの先端とロータ21の側面との間隔δ3
も、駆動軸20に対して外側ほど大きくなるように形成
されている。この実施の形態ではロータ21側のフィン
21aの長さが全て同じに形成され、両区画プレート
5,6の肉厚が径方向に変更されることにより、前記間
隔δ2,δ3が所定の値に設定されている。また、フィ
ン21aの間隔及びフィン5e,6eの間隔を変更する
ことにより前記間隔δ1が所定の値に設定されている。
前記各間隔δ1,δ2,δ3を駆動軸20に対して外側
に位置するほど大きくなるように設定することにより、
発熱室12とロータ21との干渉を防止する干渉防止手
段が構成されている。
レート5,6側(即ち、発熱室側)のフィン5e,6e
との相互の間隔δ1は、駆動軸20に対して外側ほど大
きくなるように形成されている。また、フィン21aの
先端と各区画プレート5,6の内壁との間隔δ2及びフ
ィン5e,6eの先端とロータ21の側面との間隔δ3
も、駆動軸20に対して外側ほど大きくなるように形成
されている。この実施の形態ではロータ21側のフィン
21aの長さが全て同じに形成され、両区画プレート
5,6の肉厚が径方向に変更されることにより、前記間
隔δ2,δ3が所定の値に設定されている。また、フィ
ン21aの間隔及びフィン5e,6eの間隔を変更する
ことにより前記間隔δ1が所定の値に設定されている。
前記各間隔δ1,δ2,δ3を駆動軸20に対して外側
に位置するほど大きくなるように設定することにより、
発熱室12とロータ21との干渉を防止する干渉防止手
段が構成されている。
【0022】駆動軸20の外端部及び前部ハウジング1
から前方に突設された支持筒部1aの近傍には、電磁ク
ラッチ24が設けられている。電磁クラッチ24は、ア
ンギュラベアリング25を介して支持筒部1a上に回転
可能に支持されたプーリ26と、駆動軸20の外端部に
止着された支持リング27上にスライド可能に設けられ
た円板形状のクラッチ板28とを備えている。クラッチ
板28の背面側には、板バネ29が配設されている。板
バネ29は、その略中央部において支持リング27に固
定されるとともに、その外端部(図1では上下両端部)
はクラッチ板28の外周部に対しリベット等で連結され
ている。クラッチ板28の正面は、プーリ26の側端面
26aと対向しており、プーリ側端面26aがもう一つ
のクラッチ板としての役目を果たす。
から前方に突設された支持筒部1aの近傍には、電磁ク
ラッチ24が設けられている。電磁クラッチ24は、ア
ンギュラベアリング25を介して支持筒部1a上に回転
可能に支持されたプーリ26と、駆動軸20の外端部に
止着された支持リング27上にスライド可能に設けられ
た円板形状のクラッチ板28とを備えている。クラッチ
板28の背面側には、板バネ29が配設されている。板
バネ29は、その略中央部において支持リング27に固
定されるとともに、その外端部(図1では上下両端部)
はクラッチ板28の外周部に対しリベット等で連結され
ている。クラッチ板28の正面は、プーリ26の側端面
26aと対向しており、プーリ側端面26aがもう一つ
のクラッチ板としての役目を果たす。
【0023】プーリ26は、ベルトを介して車両のエン
ジン(いずれも図示せず)に作動連結される。また、前
部ハウジング8には環状のソレノイドコイル30が支持
されている。ソレノイドコイル30は、プーリ26の外
周部とアンギュラベアリング25との間においてプーリ
26内に入り込むように配置されており、プーリ側端面
26aを介してクラッチ板28に電磁力(吸引力)を及
ぼす。
ジン(いずれも図示せず)に作動連結される。また、前
部ハウジング8には環状のソレノイドコイル30が支持
されている。ソレノイドコイル30は、プーリ26の外
周部とアンギュラベアリング25との間においてプーリ
26内に入り込むように配置されており、プーリ側端面
26aを介してクラッチ板28に電磁力(吸引力)を及
ぼす。
【0024】前記のように構成されたビスカスヒータが
外部暖房回路に接続された状態でエンジンが駆動される
と、ベルトを介してプーリ26にエンジンの回転力が伝
達される。この状態で電磁クラッチ24のソレノイドコ
イル30が励磁されると、その電磁力によりクラッチ板
28が板バネ29のバネ力に抗してプーリ26の側端面
26aに吸引接合される。そして、クラッチ板28とプ
ーリ26との接合により、プーリ26の回転がクラッチ
板28及び支持リング27を介して駆動軸20に伝達さ
れ、ロータ21が一体的に回転される。ロータ21の回
転に伴い、シリコーンオイルが発熱室12の内壁面とロ
ータ21の外面との間隙、即ち各ラビリンス溝22,2
3間で剪断されて発熱する。この熱は区画プレート5,
6を介してウォータジャケット13,14内の循環水に
熱交換され、加熱された循環水が暖房回路(図示略)を
介して車室内の暖房に供される。
外部暖房回路に接続された状態でエンジンが駆動される
と、ベルトを介してプーリ26にエンジンの回転力が伝
達される。この状態で電磁クラッチ24のソレノイドコ
イル30が励磁されると、その電磁力によりクラッチ板
28が板バネ29のバネ力に抗してプーリ26の側端面
26aに吸引接合される。そして、クラッチ板28とプ
ーリ26との接合により、プーリ26の回転がクラッチ
板28及び支持リング27を介して駆動軸20に伝達さ
れ、ロータ21が一体的に回転される。ロータ21の回
転に伴い、シリコーンオイルが発熱室12の内壁面とロ
ータ21の外面との間隙、即ち各ラビリンス溝22,2
3間で剪断されて発熱する。この熱は区画プレート5,
6を介してウォータジャケット13,14内の循環水に
熱交換され、加熱された循環水が暖房回路(図示略)を
介して車室内の暖房に供される。
【0025】ロータ21が駆動軸20と直交する理想的
な状態で回転する場合、各ラビリンス溝22,23間の
間隙はそれぞれ所定の大きさに保持され、ロータ21は
粘性流体から前後でバランスが取れた力を受けて安定し
た状態で回転する。ロータ21が駆動軸20に対して傾
斜した状態、即ち発熱室12に対して傾斜した状態で回
転する場合、その傾動中心からの距離が大きいほど移動
距離が大きくなる。従って、従来装置のようにフィン2
1aを含めたロータ21と発熱室12の内壁面(フィン
5e,6eを含む)の間隙が一定であると、駆動軸20
に対して外側の部分ほど干渉し易くなる。例えばロータ
21の上側部が後方へ傾いた状態では、駆動軸20より
上側においてロータ21後面のラビリンス溝22が後部
区画プレート6のラビリンス溝23と干渉する。また、
駆動軸20より下側においてロータ21前面のラビリン
ス溝22が前部区画プレート5のラビリンス溝23と干
渉する。
な状態で回転する場合、各ラビリンス溝22,23間の
間隙はそれぞれ所定の大きさに保持され、ロータ21は
粘性流体から前後でバランスが取れた力を受けて安定し
た状態で回転する。ロータ21が駆動軸20に対して傾
斜した状態、即ち発熱室12に対して傾斜した状態で回
転する場合、その傾動中心からの距離が大きいほど移動
距離が大きくなる。従って、従来装置のようにフィン2
1aを含めたロータ21と発熱室12の内壁面(フィン
5e,6eを含む)の間隙が一定であると、駆動軸20
に対して外側の部分ほど干渉し易くなる。例えばロータ
21の上側部が後方へ傾いた状態では、駆動軸20より
上側においてロータ21後面のラビリンス溝22が後部
区画プレート6のラビリンス溝23と干渉する。また、
駆動軸20より下側においてロータ21前面のラビリン
ス溝22が前部区画プレート5のラビリンス溝23と干
渉する。
【0026】しかし、この実施の形態では、ラビリンス
溝22,23の各部の間隔δ1,δ2,δ3が駆動軸2
0に対して外側ほど大きくなるように設定されているた
め、ラビリンス溝22,23の干渉(ロータと発熱室と
の干渉)が防止される。その結果、フィン21a,5e
間及びフィン21a,6e間の接触面の摩耗が防止され
るとともに、エンジンによけいな負荷が加わらず燃料消
費量の増大も防止される。
溝22,23の各部の間隔δ1,δ2,δ3が駆動軸2
0に対して外側ほど大きくなるように設定されているた
め、ラビリンス溝22,23の干渉(ロータと発熱室と
の干渉)が防止される。その結果、フィン21a,5e
間及びフィン21a,6e間の接触面の摩耗が防止され
るとともに、エンジンによけいな負荷が加わらず燃料消
費量の増大も防止される。
【0027】この実施の形態では以下の効果を有する。 (イ) 発熱室12の内部とロータ21とに互いに近接
するラビリンス溝23,22が形成されているため、発
熱室12の容積当たりのロータ21の外面と発熱室12
の内面との対向面の面積が増加し、粘性流体の剪断発熱
量が高まる。
するラビリンス溝23,22が形成されているため、発
熱室12の容積当たりのロータ21の外面と発熱室12
の内面との対向面の面積が増加し、粘性流体の剪断発熱
量が高まる。
【0028】(ロ) ラビリンス溝22,23の各部の
間隔δ1,δ2,δ3が駆動軸20に対して外側に位置
するほど大きくなるように設定されているため、ロータ
21が駆動軸20あるいは発熱室12に対して傾いた状
態で回転しても、ラビリンス溝22,23の相互の干渉
(ロータと発熱室との干渉)が防止される。その結果、
フィン21a,5e間及びフィン21a,6e間の接触
面の摩耗が防止されるとともに、エンジンによけいな負
荷が加わらず燃料消費量の増大も防止される。
間隔δ1,δ2,δ3が駆動軸20に対して外側に位置
するほど大きくなるように設定されているため、ロータ
21が駆動軸20あるいは発熱室12に対して傾いた状
態で回転しても、ラビリンス溝22,23の相互の干渉
(ロータと発熱室との干渉)が防止される。その結果、
フィン21a,5e間及びフィン21a,6e間の接触
面の摩耗が防止されるとともに、エンジンによけいな負
荷が加わらず燃料消費量の増大も防止される。
【0029】(ハ) ロータ21は円盤状に形成され、
ラビリンス溝22がその両面に形成され、発熱室12側
にもそれに対応してラビリンス溝23が形成されている
ため、ロータ21の両側面において大きな発熱量が確保
される。
ラビリンス溝22がその両面に形成され、発熱室12側
にもそれに対応してラビリンス溝23が形成されている
ため、ロータ21の両側面において大きな発熱量が確保
される。
【0030】(ニ) 発熱室12が前部ウォータジャケ
ット13及び後部ウォータジャケット14によって挟ま
れるように配置されているため、発熱室12で発生した
熱の大部分が両区画プレート5,6を介して両ウォータ
ジャケット13,14の循環水(循環流体)に伝達さ
れ、循環流体の加熱に有効に使用される。
ット13及び後部ウォータジャケット14によって挟ま
れるように配置されているため、発熱室12で発生した
熱の大部分が両区画プレート5,6を介して両ウォータ
ジャケット13,14の循環水(循環流体)に伝達さ
れ、循環流体の加熱に有効に使用される。
【0031】(ホ) 両区画プレート5,6が熱伝導率
の良い材質(アルミニウム又はアルミニウム合金)で形
成されているため、発熱室12で発生した熱が効率良く
ウォータジャケット13,14の循環水に伝達される。
の良い材質(アルミニウム又はアルミニウム合金)で形
成されているため、発熱室12で発生した熱が効率良く
ウォータジャケット13,14の循環水に伝達される。
【0032】(ヘ) 循環水が両ウォータジャケット1
3,14内をフィン5c,6cに案内されて定められた
順路で循環するため、ウォータジャケット13,14内
で循環水の流路の短絡や滞留を生じることがない。この
ため、前後両区画プレート5,6を挟んで、発熱室12
の粘性流体からウォータジャケット13,14の循環水
への熱交換を効率良く行うことができる。また、フィン
5c,6cの存在により、ウォータジャケット13,1
4内の循環水と、両区画プレート5,6の接触面積が増
大し、熱交換効率が向上する。
3,14内をフィン5c,6cに案内されて定められた
順路で循環するため、ウォータジャケット13,14内
で循環水の流路の短絡や滞留を生じることがない。この
ため、前後両区画プレート5,6を挟んで、発熱室12
の粘性流体からウォータジャケット13,14の循環水
への熱交換を効率良く行うことができる。また、フィン
5c,6cの存在により、ウォータジャケット13,1
4内の循環水と、両区画プレート5,6の接触面積が増
大し、熱交換効率が向上する。
【0033】(第2の実施の形態)次に第2の実施の形
態を図4に従って説明する。この実施の形態では干渉防
止手段の構成が前記実施の形態と異なり、その他の構成
は同じである。ロータ21に突設された各フィン21a
の間隔及び発熱室12側に突設されたフィン5e,6e
の間隔はそれぞれ一定に設定されている。この実施の形
態では、発熱室12とロータ21との干渉を防止する干
渉防止手段として、各フィン21a,5e,6eを、そ
れぞれ先端部の角を落とした形状に形成することを採用
している。先端部の角を落とした形状として、図4
(a)に示すように、先端部を外側に凸の曲面31を有
する形状がある。また、図4(b)に示すように、先端
部の角を落とした形状として、先端部に面取り32を施
した形状としてもよい。
態を図4に従って説明する。この実施の形態では干渉防
止手段の構成が前記実施の形態と異なり、その他の構成
は同じである。ロータ21に突設された各フィン21a
の間隔及び発熱室12側に突設されたフィン5e,6e
の間隔はそれぞれ一定に設定されている。この実施の形
態では、発熱室12とロータ21との干渉を防止する干
渉防止手段として、各フィン21a,5e,6eを、そ
れぞれ先端部の角を落とした形状に形成することを採用
している。先端部の角を落とした形状として、図4
(a)に示すように、先端部を外側に凸の曲面31を有
する形状がある。また、図4(b)に示すように、先端
部の角を落とした形状として、先端部に面取り32を施
した形状としてもよい。
【0034】このビスカスヒータでは、ロータ21が駆
動軸20あるいは発熱室12に対して傾いたとき、発熱
室12あるいはロータ21の対向する面に当接し易いフ
ィン21a,5e,6eの先端部が、その角を落とした
形状に形成されているため、ロータ21が駆動軸20あ
るいは発熱室12に対して傾いた状態で回動しても、ロ
ータ21と発熱室12との干渉が防止される。
動軸20あるいは発熱室12に対して傾いたとき、発熱
室12あるいはロータ21の対向する面に当接し易いフ
ィン21a,5e,6eの先端部が、その角を落とした
形状に形成されているため、ロータ21が駆動軸20あ
るいは発熱室12に対して傾いた状態で回動しても、ロ
ータ21と発熱室12との干渉が防止される。
【0035】なお、本発明は前記各実施の形態に限定さ
れるものではなく、例えば次のように具体化してもよ
い。 (1) 干渉防止手段として、ラビリンス溝22,23
の各部の間隔δ1,δ2,δ3が駆動軸20に対して外
側ほど大きくなるように設定することと、フィン21
a,5e,6eをその先端部の角を落とした形状とする
こととの両方を採用する。例えば、図5に示すように、
第1の実施の形態の構成のフィン21a,5e,6eの
先端部を外側に凸の曲面31を有する形状、あるいは面
取り32を施した形状に形成する。この場合、前記2種
類の干渉防止手段の存在により、ロータ21が駆動軸2
0あるいは発熱室12に対して傾いた状態で回動して
も、ロータ21と発熱室12との干渉がより確実に防止
される。
れるものではなく、例えば次のように具体化してもよ
い。 (1) 干渉防止手段として、ラビリンス溝22,23
の各部の間隔δ1,δ2,δ3が駆動軸20に対して外
側ほど大きくなるように設定することと、フィン21
a,5e,6eをその先端部の角を落とした形状とする
こととの両方を採用する。例えば、図5に示すように、
第1の実施の形態の構成のフィン21a,5e,6eの
先端部を外側に凸の曲面31を有する形状、あるいは面
取り32を施した形状に形成する。この場合、前記2種
類の干渉防止手段の存在により、ロータ21が駆動軸2
0あるいは発熱室12に対して傾いた状態で回動して
も、ロータ21と発熱室12との干渉がより確実に防止
される。
【0036】(2) 干渉防止手段として、図6(a)
に示すように、区画プレート5,6及びロータ21のフ
ィン21a,5e,6eの先端部の角と対向する部分
に、凹部33を形成する。この場合、ロータ21が駆動
軸20あるいは発熱室12に対して傾いた状態で回動し
ても、フィン21a,5e,6eの角が凹部33と対応
するため、ロータ21と発熱室12との干渉が防止され
る。
に示すように、区画プレート5,6及びロータ21のフ
ィン21a,5e,6eの先端部の角と対向する部分
に、凹部33を形成する。この場合、ロータ21が駆動
軸20あるいは発熱室12に対して傾いた状態で回動し
ても、フィン21a,5e,6eの角が凹部33と対応
するため、ロータ21と発熱室12との干渉が防止され
る。
【0037】(3) 図6(b)に示すように、ラビリ
ンス溝22,23をロータ21の片面(前面又は後面)
のみに設けてもよい。この場合、剪断発熱に寄与する面
積が少なくなるが、ロータ21及びハウジング(具体的
には前部区画プレート5又は後部区画プレート6)の加
工が簡単となる。
ンス溝22,23をロータ21の片面(前面又は後面)
のみに設けてもよい。この場合、剪断発熱に寄与する面
積が少なくなるが、ロータ21及びハウジング(具体的
には前部区画プレート5又は後部区画プレート6)の加
工が簡単となる。
【0038】(4) ロータ21を駆動軸20の後端部
に一体回転可能に圧入固定する構成に代えて、ロータ2
1と駆動軸20とをスプラインを介して相対回動不能、
かつ軸方向の変位可能に嵌合してもよい。
に一体回転可能に圧入固定する構成に代えて、ロータ2
1と駆動軸20とをスプラインを介して相対回動不能、
かつ軸方向の変位可能に嵌合してもよい。
【0039】(5) フィン21a,5e,6eの先端
の角を全て落とす必要は必ずしもなく、外側に位置する
フィン21a,5e,6eの先端部のみの角を落とした
形状としてもよい。内側に位置するフィン21a,5
e,6eの移動量は外側に位置するフィンに比べて小さ
いため、対向する壁面と干渉し難い。また、凹部33を
設ける場合も、外側に位置するフィン21a,5e,6
eの先端部の角部と対向する部分にのみ凹部33を設け
てもよい。
の角を全て落とす必要は必ずしもなく、外側に位置する
フィン21a,5e,6eの先端部のみの角を落とした
形状としてもよい。内側に位置するフィン21a,5
e,6eの移動量は外側に位置するフィンに比べて小さ
いため、対向する壁面と干渉し難い。また、凹部33を
設ける場合も、外側に位置するフィン21a,5e,6
eの先端部の角部と対向する部分にのみ凹部33を設け
てもよい。
【0040】(6) プーリ26と駆動軸20との間に
電磁クラッチ24を設けずに、プーリ26の回転を直接
駆動軸20に伝達する構成としてもよい。 (7) 区画プレート5,6に形成されたフィン5c,
6cをハウジングと当接しないように形成したり、完全
に省略してもよい。
電磁クラッチ24を設けずに、プーリ26の回転を直接
駆動軸20に伝達する構成としてもよい。 (7) 区画プレート5,6に形成されたフィン5c,
6cをハウジングと当接しないように形成したり、完全
に省略してもよい。
【0041】(8) 両ウォータジャケット13,14
を連通路17で連通させずに、入水ポート15及び出水
ポート16を両ウォータジャケット13,14で共用可
能な形状としてもよい。両ウォータジャケット13,1
4に入水ポート15から同時に循環水が導入され、それ
ぞれウォータジャケット13,14内を通過した循環水
は出水ポート16から外部暖房回路に送り出される。
を連通路17で連通させずに、入水ポート15及び出水
ポート16を両ウォータジャケット13,14で共用可
能な形状としてもよい。両ウォータジャケット13,1
4に入水ポート15から同時に循環水が導入され、それ
ぞれウォータジャケット13,14内を通過した循環水
は出水ポート16から外部暖房回路に送り出される。
【0042】(9) 放熱室(ウォータジャケット)を
発熱室12の片側のみに設けてもよい。 (10) 区画プレート5,6の材質をアルミニウム及
びアルミニウム系合金以外のものとしてもよい。
発熱室12の片側のみに設けてもよい。 (10) 区画プレート5,6の材質をアルミニウム及
びアルミニウム系合金以外のものとしてもよい。
【0043】なお、本明細書で言う「粘性流体」とは、
ロータの剪断作用を受けて流体摩擦に基づく熱を発生す
るあらゆる媒体を意味するものであり、高粘度の液体や
半流動体に限定されず、ましてやシリコーンオイルに限
定されるものではない。
ロータの剪断作用を受けて流体摩擦に基づく熱を発生す
るあらゆる媒体を意味するものであり、高粘度の液体や
半流動体に限定されず、ましてやシリコーンオイルに限
定されるものではない。
【0044】前記実施の形態及び変更例から把握できる
請求項記載以外の発明について、以下にその効果ととも
に記載する。 (1) 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の発明に
おいて、前記ロータの片面及び対向するハウジングにの
みフィンが形成されている。この場合、フィンを有する
ロータ及びハウジングの加工が簡単となる。
請求項記載以外の発明について、以下にその効果ととも
に記載する。 (1) 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の発明に
おいて、前記ロータの片面及び対向するハウジングにの
みフィンが形成されている。この場合、フィンを有する
ロータ及びハウジングの加工が簡単となる。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜請求項
7に記載の発明によれば、ロータの外面と発熱室の内壁
面との隙間を剪断発熱を効果的に行われる大きさに確保
し、かつロータ及びハウジングに形成されたラビリンス
溝の干渉を防止できる。
7に記載の発明によれば、ロータの外面と発熱室の内壁
面との隙間を剪断発熱を効果的に行われる大きさに確保
し、かつロータ及びハウジングに形成されたラビリンス
溝の干渉を防止できる。
【0046】請求項4に記載の発明によれば、2種類の
干渉防止手段を備えているため、より確実にラビリンス
溝同士の干渉を防止できる。
干渉防止手段を備えているため、より確実にラビリンス
溝同士の干渉を防止できる。
【図1】 第1の実施の形態を示す図2のI−I線断面
図。
図。
【図2】 プーリを省略した図1のII−II線断面図。
【図3】 ロータ及び発熱室の部分断面図。
【図4】 第2の実施の形態を示すロータ及び発熱室の
部分断面図。
部分断面図。
【図5】 変更例のロータ及び発熱室の部分断面図。
【図6】 (a),(b)はそれぞれ別の変更例のロー
タ及び発熱室の部分断面図。
タ及び発熱室の部分断面図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 努 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内
Claims (7)
- 【請求項1】 ハウジング内に発熱室及び放熱室を区画
し、前記発熱室内に収納された粘性流体を駆動軸と一体
に回転するロータの剪断により発生した熱を前記放熱室
内の循環流体に熱交換するビスカスヒータにおいて、 前記発熱室の内部と前記ロータとに互いに近接する状態
で相対回転するフィンを設け、ロータ及びロータ側のフ
ィンと、発熱室及び発熱室側のフィンとの間に、前記発
熱室と前記ロータとの干渉を防止する干渉防止手段を設
けたビスカスヒータ。 - 【請求項2】 前記干渉防止手段は、ロータ及び発熱室
のフィン相互の間隔と、ロータ側のフィンと発熱室内壁
との間隔と、発熱室側のフィンとロータとの間隔とが駆
動軸に対して外側に位置するほど大きくなるように形成
された間隙である請求項1に記載のビスカスヒータ。 - 【請求項3】 前記干渉防止手段は、前記フィンの形状
を先端部の角を落とした形状に形成したものである請求
項1に記載のビスカスヒータ。 - 【請求項4】 前記干渉防止手段として、請求項2及び
請求項3に記載の干渉防止手段を備えたビスカスヒー
タ。 - 【請求項5】 前記先端部の角を落とした形状とは、先
端部を外側に凸の曲面に形成した形状である請求項3又
は請求項4に記載のビスカスヒータ。 - 【請求項6】 前記先端部の角を落とした形状とは、前
記先端部に面取りを施した形状である請求項3又は請求
項4に記載のビスカスヒータ。 - 【請求項7】 前記干渉防止手段は、前記フィンの先端
部の角と対向する部分に形成された凹部である請求項1
に記載のビスカスヒータ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22859696A JPH1067223A (ja) | 1996-08-29 | 1996-08-29 | ビスカスヒータ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22859696A JPH1067223A (ja) | 1996-08-29 | 1996-08-29 | ビスカスヒータ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1067223A true JPH1067223A (ja) | 1998-03-10 |
Family
ID=16878842
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP22859696A Pending JPH1067223A (ja) | 1996-08-29 | 1996-08-29 | ビスカスヒータ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1067223A (ja) |
-
1996
- 1996-08-29 JP JP22859696A patent/JPH1067223A/ja active Pending
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