JPH10329930A - ラックへのチップ自動挿入装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 向きがばらばらの状態で供給される多数のチ
ップを一定の方向に揃えてラックの挿入部に挿入するラ
ックへのチップ自動挿入装置を提供する。 【解決手段】 ラック６０へのチップ自動挿入装置１
は、チップを排出するホッパ１２と、そのチップを受け
取り所定の位置まで移動すると共に各チップ毎に離隔す
る分離機構２４を設けた移動機構２０と、そこから１個
ずつ供給されるチップを先端部２ｂが下向きとなる姿勢
に整頓して搬送する無限循環手段３０と、搬送路の一端
から供給されるチップの基部を受け入れる櫛状部材４２
を備え櫛状部材を直角方向に１ピッチずつ移動可能な割
出機構４０と、櫛状部材支持された複数のチップを吊持
してラック６０の上方に移動し該ラック６０に設けられ
た挿入部６０ａに一括して装着するチップ移動装置５０
とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、向きがばらばらの
状態で供給される多数のチップを一定の方向に揃えてラ
ックの挿入部に挿入するラックへのチップ自動挿入装置
に係り、特に、相互に入れ子式に嵌合した複数のチップ
があった場合も各チップ毎に離隔して複数の挿入部に一
括して１個ずつ挿入することができるラックへのチップ
自動挿入装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】マイクロピペット類に使用されるチップ
は、予め一定の向きに揃えて縦横方向に複数ずつ、例え
ば、６×１５＝９０本、あるいは、８×１２＝９６本ず
つをラックに挿入して供給される。向きがばらばらの状
態で供給される多数のチップを自動的に整列させるため
のチップの自動整列機の一例が特開平４−３３４５５４
号公報に開示されている。

【０００３】図１２は、特開平４−３３４５５４号公報
に記載のチップ自動整列機の斜視図である。このチップ
自動整列機は、図１１に示すようなマイクロピペット用
のチップ２を、その先端部２ｂを下向きにして整列させ
るための装置である。チップ２は、一端側が大径の基部
２ａとなっており、基部２ａから先端部２ｂに向かって
先細り状になっている。チップ２は、高品質ポリプロピ
レン等の合成樹脂によって製造される。

【０００４】チップ自動整列機は、上方の回転ドラム１
１５から供給される多数のチップ２を１個ずつ通すチッ
プ通路１０４を形成するため、チップ２個分の間隔で配
列された側壁１０５と、これと直交する方向に配置され
た仕切り１０６とからなり、側壁１０５上端の高さを異
なるようにしたチップ２の向を長手方向に揃える配向部
１０７を具備している。各側壁１０５と同一間隔で配列
され、チップ２の先端部２ｂは通過させるが大径の基部
２ａは係止して各チップ２を一定の姿勢に吊持できるレ
ール１０８を各側壁１０５の直下に配設すると共に、こ
の端部にレール１０８により移動してくるチップ２を整
列方向に移動させるチップ移動手段、例えば、レール１
０８を配向部１０７の下位で高く配列部１０９で低くな
るように設定する及び／又はレール１０８に吊持された
複数のチップ２を配列部１０９の方向に押しやる回転部
材１１０をレール１０８の下部に配置している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述したチップ自動整
列機は、チップ２を整列させるだけの装置であり、ラッ
クへの挿入は人手にたよっており作業の完全自動化は果
たされていない欠点を有していた。さらに、この装置で
は、チップ２の移動に確実性がなく、特に、相互に入れ
子式に嵌合した複数のチップがあった場合、これが、側
壁１０５の上端につかえて詰まってしまうことが予想さ
れる。また、隣接する全ての対をなすレール１０８間に
均一にチップ２を供給することは困難であり、配列部１
０９の全ての凹部に常にチップ２を整列することはでき
ない欠点も有している。

【０００６】本発明の目的は、向きがばらばらの状態で
供給される多数のチップを一定の方向に揃えてラックの
挿入部に挿入するラックへのチップ自動挿入装置を提供
することである。

【０００７】本発明の目的は、また、相互に入れ子式に
嵌合した複数のチップがあった場合も各チップ毎に離隔
して複数の挿入部に一括して１個ずつ挿入することがで
きるラックへのチップ自動挿入装置を提供することであ
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明は、一端に大径の基部を有する細長いチップをその他
端側の先端部が下向きとなる姿勢に整頓して複数個ずつ
ラックに挿入するラックへのチップ自動挿入装置であっ
て、所定数以下のチップずつのみが排出口から排出され
るようになされたホッパと、ホッパから所定数以下ずつ
供給されるチップを受け取り所定の位置まで移動すると
共に相互に入れ子式に嵌合した複数のチップを各チップ
毎に離隔する分離機構を移動路に沿って設けた移動機構
と、チップの基部よりも小さく且つ先端部よりも大きな
間隔に隔てられた一対の無限循環手段であって、移動機
構から１個ずつ供給されるチップを受け取り、先端部が
下向きとなる姿勢に整頓して搬送路に沿って搬送する一
対の無限循環手段と、無限循環手段の搬送路の一端から
供給されるチップの基部を受け入れて支持する等ピッチ
の複数の凹部を有する櫛状部材を備え搬送路に対し櫛状
部材を直角方向に１ピッチずつ移動可能な割出機構と、
そして、櫛状部材の複数の凹部に支持された複数のチッ
プを吊持してラックの上方に移動し該ラックに縦横方向
に整列して設けられた挿入部に一括して装着するチップ
移動装置とを備えて構成されてなるラックへのチップ自
動挿入装置を提供する。

【０００９】ホッパの排出口からは、通常、１個ずつ、
まれに２個又は複数個のチップが入れ子式に嵌合した状
態で排出される。これらチップは、移動機構に沿って移
動されながら、分離機構により確実に１個ずつ離隔され
る。１個ずつに離隔されたチップは方向が前後ろ２通り
あるが、一対の無限循環手段にチップの基部が支持され
た際、先端部が下向きとなる姿勢に整頓される。先端部
が下向きとなる姿勢に整頓されて次々に供給されるチッ
プは、割出機構により１ピッチずつ移動される櫛状部材
の複数の凹部に順次挿入される。櫛状部材の全ての凹部
にチップが挿入された段階で、チップ移動装置は、櫛状
部材の上方に移動して複数のチップを一括して吊持して
ラックの上方に移動する。その位置で、チップ移動装置
は、チップを一括して解放しラックに縦横方向に整列し
て設けられた挿入部にそれらチップを挿入する。

【００１０】請求項２に記載の発明は、請求項１に記載
のラックへのチップ自動挿入装置において、さらに、ラ
ックを縦又は横方向に１ピッチずつ移動するラック移動
装置を備えて構成されていることを特徴とする。

【００１１】ラックを縦又は横方向に１ピッチずつ移動
することにより、櫛状部材の凹部の数と同数のチップず
つラックに挿入される。

【００１２】請求項３に記載の発置は、請求項２に記載
のラックへのチップ自動挿入装置において、ラック移動
装置に隣接して、さらに、複数のラックを高さ方向に積
み重ねて収容するラックマガジンと、そして、最下層の
ラックをラックマガジンから他のラックが自然落下しな
いようにして抜き取りラック移動装置の所定位置に供給
するラック供給装置とを備えて構成されていることを特
徴とする。

【００１３】ラックマガジンに複数のラックを積み重ね
て収容しておき、１つのラックの全ての挿入部にチップ
を挿入し終えた後、ラック移動装置により、新しいラッ
クを所定位置まで供給して連続稼働させる。

【００１４】請求項４に記載の発明は、請求項３に記載
のラックへのチップ自動挿入装置において、ラック供給
装置が、ラックマガジンに収容された最下層のラックを
最下層から二番目のラックを支持しながらラック移動装
置の所定位置に押し出すプッシュ機構と、そして、プッ
シュ機構が復帰してラックマガジンに収容された最下層
から二番目のラックを支持しなくなる以前に当該最下層
から二番目のラックを支持し、プッシュ機構が復帰し終
えた後それより上層のラックを一層分下降させるサポー
ト機構とから構成されてなることを特徴とする。

【００１５】プッシュ機構を作動し、ラックマガジンに
収容された最下層のラックを最下層から二番目のラック
を支持しながらラック移動装置の所定位置に押し出す。
サポート機構は、プッシュ機構が復帰してラックマガジ
ンに収容された最下層から二番目のラックを支持しなく
なる以前に当該最下層から二番目のラックを支持し、プ
ッシュ機構が復帰し終えた後最下層から二番目のラック
及びそれより上層のラックを一層分下降させる。サポー
ト機構が、新たに最下層となったラックを支持するのを
止め再び上昇した後、プッシュ機構を作動し上記サイク
ルを繰り返す。これにより、最下層のラックをラックマ
ガジンから他のラックが自然落下しないようにして抜き
取りラック移動装置の所定位置に供給することができ
る。

【００１６】請求項５に記載の発明は、請求項１に記載
のラックへのチップ自動挿入装置において、ホッパは、
移動手段の一端に隣接して設けられた円筒状の回転体で
あって、その外周面に複数条のチップ収納溝が形成さ
れ、所定数以下のチップずつが各チップ収納溝に入れら
れてホッパ底部から排出口に運ばれ移動手段の一端に供
給されるようになされた回転体を有することを特徴とす
る。

【００１７】１又は所定数以下ずつのチップは、回転体
の外周面に形成された複数条のチップ収納溝のそれぞれ
に入れられて排出口に運ばれ、移動手段の一端に供給さ
れる。これにより、チップの供給は、安定して且つ確実
に行われる。

【００１８】請求項６に記載の発明は、請求項５に記載
のラックへのチップ自動挿入装置において、ホッパは、
その底部に隣接してチップ収納溝に収納されるチップの
詰まりを防止するカム駆動の振動板を有することを特徴
とする。

【００１９】チップがホッパ底部に詰まった場合も、振
動により崩され、チップは回転体の外周面に形成された
複数条のチップ収納溝に挿入され、順次、ホッパの排出
口に移動される。

【００２０】請求項７に記載の発明は、請求項１に記載
のラックへのチップ自動挿入装置において、移動機構の
分離機構は、進行方向前方の無限循環ベルトが進行方向
後方の無限循環ベルトよりも高速で移動している移動路
の進行方向に沿って設けた一対の無限循環ベルトである
ことを特徴とする。

【００２１】これにより、相互に入れ子式に嵌合した複
数のチップの前方に位置するチップは後方のチップより
も高速で移動されるから、相互に他方から離隔される。

【００２２】請求項８に記載の発明は、請求項７に記載
のラックへのチップ自動挿入装置において、移動機構
は、断面半円形でホッパに隣接する側が高く設定された
チップを滑落させることにより移動するスライド溝部材
から構成されていることを特徴とする。

【００２３】チップは、通常、高品質のポリプロピレン
等の合成樹脂で製造され滑りやすいから、断面半円形の
スライド溝部材を傾斜して設置することにより、確実
に、移動機構の一端にチップを移動させることができ
る。

【００２４】請求項９に記載の発明は、請求項１に記載
のラックへのチップ自動挿入装置において、チップ移動
装置は、櫛状部材の上方とラックの上方との間の水平移
動及びそれぞれの上方位置における垂直移動が可能なハ
ンド部を有する往復移動機構と、ハンド部の下方に吊設
された櫛状部材の凹部と同じピッチで同数の棒部材と、
各棒部材の下端部付近に取り付けられた弾性を有するリ
ングと、そして、ラックの上方に配置され水平方向に移
動してハンド部が上昇する際その棒部材に支持されてい
た複数のチップの上縁に当接してチップを離脱させる櫛
状部材の凹部と同じピッチで同数の窪み部を有する落下
用櫛状部材とを備えて構成されてなることを特徴とす
る。 往復移動機構は、櫛状部材の全ての凹部にチップ
が挿入された段階で、櫛状部材の上方にハンド部を移動
させる。この位置で、ハンド部を下降させると、その下
方に吊設された棒部材も同様に下降する。各棒部材の下
端部付近に取り付けられた弾性を有するリングは、櫛状
部材の凹部に支持された各チップの基部内側に挿入され
て嵌合する。この状態で、ハンド部を上昇させると、全
てのチップは、一括してハンド部に吊持される。これを
ラックの上方に移動し、その位置で、一端下降させた
後、落下用櫛状部材をハンド部の棒部材の根元に隣接さ
せる。そこで、ハンド部を上昇させると、落下用櫛状部
材は、棒部材に支持されていた複数のチップの上縁に当
接してチップを離脱させる。複数のチップの下方にラッ
クの挿入部が位置するように配置することにより、所定
数のチップをラックに一括して挿入することができる。

【００２５】請求項１０に記載の発明は、請求項９に記
載のラックへのチップ自動挿入装置において、櫛状部材
の凹部、ハンド部の棒部材及び落下用櫛状部材の窪み部
のピッチは、ラック挿入部のピッチに対応して調節可能
とされていることを特徴とする。

【００２６】ある種のラックは、その上面及び下面に異
なるピッチで挿入部を設けてあり、また、チップのサイ
ズに合わせてラックに設けられる挿入部のピッチが異な
っている。櫛状部材、ハンド部及び落下用櫛状部材を、
それぞれ、機械本体又は所定の部材に対して交換可能と
することで、異なるピッチのものに対応可能とすること
ができる。

【００２７】請求項１１に記載の発明は、請求項１０に
記載のラックへのチップ自動挿入装置において、櫛状部
材及び／又はラック移動装置は、等間隔に一直線状に設
けられた複数のステムと、そして、回転駆動される円盤
に固定され隣接するステム間に挿入される一対の駆動ス
テムとにより割出し駆動する割出駆動機構により１ピッ
チずつ駆動されることを特徴とする。

【００２８】割出駆動機構の円盤を半回転すると、一対
の駆動ステムの一方が等間隔に一直線状に設けられた複
数のステムを１ピッチ分だけ移動する。この時、一対の
駆動ステムの他方は、一直線状に設けられた複数のステ
ムの内、一方の駆動ステムが係合していた隣接する一対
のステムの隣の対のステムと係合する。円盤をさらに半
回転すると、他方の駆動ステムは、複数のステムを１ピ
ッチ分だけ移動し、以下同様のサイクルを繰り返す。

【００２９】

【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明のラッ
クへのチップ自動挿入装置について詳細に説明する。図
１は、本発明に係るラックへのチップ自動挿入装置の一
実施形態の概略的な斜視図である。

【００３０】チップ自動挿入装置１は、概略的に、多数
のチップ２をばらばらにして投入するホッパ装置１０
と、所定数以下ずつ供給されるチップを滑落させながら
入れ子式に嵌合した複数のチップを各チップ毎に離隔す
る分離機構２４付きのスライダ装置２０と、スライダ装
置２０から離隔して供給されるチップ２を先端部が下向
きとなる姿勢に整頓しながら搬送する一対の無限循環ベ
ルト装置３０と、櫛状部材４２の凹部４２ａにチップを
１個ずつ挿入する割出機構４０と、そして、櫛状部材４
２の凹部４２ａに挿入された全部のチップ２を一括して
吊持しラック６０の上方に移動した後該ラック６０の挿
入部６０ａに一括してチップ２を装着するチップ移動装
置５０とを備えて構成されている。

【００３１】ホッパ装置１０は、図１及び図５に詳細に
図示されているように、ばらばらにして投入された多数
のチップ２を収納する概略直方体状のケーシング１２
と、その底部に隣接して設けられた円筒状の回転体１４
とを備えている。ケーシング１２の底部は投入された多
数のチップ２が底部開口１２ａに集まってくるように底
面１２ｂが傾斜している。図示された好ましい実施形態
では、底部開口１２ａに隣接する底面１２ｂの一部がヒ
ンジ結合された振動板１２ｃとされており、図示されて
いない回転駆動源によって回転駆動されるカム１２ｄに
よって周期的に振動される。これにより、ケーシング１
２の底部開口１２ａに集まっているチップ２に振動を与
え、チップ２の詰まりを防止する。

【００３２】回転体１４は、スライダ装置２０の上端に
隣接して設けられるもので、その外周面に複数条のチッ
プ収納溝１４ａが形成されている。このチップ収納溝１
４ａには、１又は２〜３個（相互に入れ子式に嵌合して
いるので１個のものと長さはそれ程変わらない）のチッ
プ２が挿入される。回転体１４は、図示されていない回
転駆動源によって回転駆動され、チップ収納溝１４ａに
入れられた所定数以下のチップずつをケーシング１２の
底部開口１２ａから排出口１６に運び、さらに、それら
をスライダ装置２０に落下供給する。スライダ装置２０
は、図６及び図７に示されているように、斜めに配置さ
れた断面半円形のスライド溝部材２２と、そして、スラ
イド溝部材２２の下端付近に設置された分離機構２４と
から構成される。チップ２は、高品質ポリプロピレン等
の合成樹脂で作られており滑り易いので、所定の傾斜を
付けるだけで、スライド溝部材２２中を滑落させること
ができる。分離機構２４は、スライダ装置２０の移動路
２２ａの進行方向に沿って設けた一対の無限循環ベルト
２４ａ，２４ｂから構成される。進行方向前方の無限循
環ベルト２４ａは進行方向後方の無限循環ベルト２４ｂ
よりも高速で移動しており、これにより、相互に入れ子
式に嵌合した複数のチップ２の前方に位置するチップ２
を後方のチップ２から確実に離隔させる。これにより、
チップ２は、１個ずつ無限循環ベルト装置３０に供給さ
れることになる。

【００３３】無限循環ベルト装置３０は、チップ２の基
部２ａよりも小さく且つ先端部２ｂよりも大きな間隔に
隔てられた一対の無限循環ベルト３２、３２から構成さ
れており、隣接する一対の無限循環ベルト３２、３２の
間にチップ２が移動する搬送路３４が形成される。異な
るサイズのチップ２に対応できるように、一対の無限循
環ベルト３２、３２の一方を他方に対して移動可能とす
ることが好ましい。スライダ装置２０から１個ずつ供給
されるチップ２は、その基部２ａが一対の無限循環ベル
ト３２、３２に引っ掛かり先端部２ｂが下向きとなる姿
勢に整頓され、その状態で搬送路３４に沿って搬送され
る。

【００３４】一対の無限循環ベルト３２の進行方向先端
には、割出機構４０が設置されており、複数の凹部４２
ａを有する櫛状部材４２を図１のＸ１の方向に１ピッチ
ずつ移動させる。これにより、全ての凹部４２ａにチッ
プ２を１個ずつ挿入する。凹部４２ａは、先端部２ｂよ
り大きく基部２ａよりも小さな幅を有することが必要
で、これにより、チップ２の基部２ａは凹部４２ａの両
側の壁に引っ掛かり支持される。

【００３５】図示された好ましい実施形態では、割出機
構４０は、櫛状部材４２の裏面に複数のステム４２ｂを
等間隔に且つ一直線状に設け、一方、モータ４４により
回転駆動される円盤４４ａに一対の駆動ステム４４ｂ，
４４ｂを固定し、この駆動ステム４４ｂを隣接する対を
なすステム４２ｂの間に挿入した構造を有している。こ
の状態で、モータ４４を半回転させると、櫛状部材４２
はステム４２ｂの間隔分、すなわち、凹部４２ａの１ピ
ッチ分だけＸ１の方向に移動される。勿論、割出機構４
０としては、従来周知の種々の機構、例えば、ボールネ
ジ機構、ステップモータ制御の位置決め機構等を用いる
こともできる。

【００３６】チップ移動装置５０は、ハンド部５２を櫛
状部材４２の上方とラック６０の上方との間で水平移動
（図１のＸ２方向）及びそれぞれの上方位置における垂
直移動（図１のＺ１方向）させる往復移動機構５４と、
ハンド部５２の下方に吊設された櫛状部材４２の凹部４
２ａと同じピッチで同数の棒部材５２ａと、各棒部材５
２ａの下端部付近に取り付けられた弾性を有するリング
５２ｂと、そして、ラック６０の上方に配置され水平方
向（図１のＹ１方向）に移動してハンド部５２が上昇す
る際その棒部材５２ａに支持されていた複数のチップ２
の上縁に当接してチップ２を離脱させる櫛状部材４２の
凹部４２ａと同じピッチで同数の窪み部５６ａを有する
落下用櫛状部材５６とを備えて構成されている。

【００３７】往復移動機構５４は、上述したＸＺ方向の
移動を行える限りどのような構成を有するものであって
も良い。リング５２ｂとしては、シリコンゴムを用いる
ことができる。落下用櫛状部材５６は、櫛状部材４２と
同じものとすることもできる。落下用櫛状部材５６を図
１のＹ１方向に往復移動させる機構としては、従来周知
の種々の往復運動機構、例えば、エアーアクチュエータ
等を用いることができる。

【００３８】櫛状部材４２の全ての凹部４２ａにチップ
が挿入された段階で、櫛状部材４２の上方にハンド部５
２を移動させる。この位置で、ハンド部５２を下降させ
ると、その下方に吊設された棒部材５２ａも同様に下降
する。各棒部材５２ａの下端部付近に取り付けられた弾
性を有するリング５２ｂは、櫛状部材４２の凹部４２ａ
に支持された各チップ２の基部２ａ内側に挿入されて嵌
合する。この状態で、ハンド部５２を上昇させると、全
てのチップ２は、一括してハンド部５２に吊持される。
往復移動機構５４を作動させることによりこれをラック
６０の上方に移動する。その位置で、ハンド部５２を一
端下降させた後、落下用櫛状部材５６をハンド部５２の
棒部材５２ａの根元に隣接させる。そこで、ハンド部５
２を上昇させると、落下用櫛状部材５６は、棒部材５２
ａに支持されていた複数のチップ２の上縁に当接してチ
ップ２を離脱させる。複数のチップ２の下方にラック６
０の挿入部６０ａが位置するように配置することによ
り、所定数のチップ２をラック６０に一括して挿入する
ことができる。

【００３９】一列、５個のチップ２がラック６０に挿入
された後、図９及びず１０に示したのと同様のラック移
動装置６２を用いてラック６０を１ピッチ分だけ図１の
Ｙ２方向に移動させ、次列の挿入部６０ａに上述と同様
の動作で一列、５個のチップ２を挿入する。全ての挿入
部６０ａにチップ２を挿入し終えた後、ラック移動装置
６２を作動させＹ２方向にラック６０を送り新しいラッ
ク６０に交換する。

【００４０】次に、ラック６０の交換システムについて
説明する。

【００４１】ラック移動装置６２に隣接して、さらに、
複数のラック６０を高さ方向に積み重ねて収容するラッ
クマガジン７０と、そして、最下層のラック６０をラッ
クマガジン７０から他のラックが自然落下しないように
して抜き取りラック移動装置６２の所定位置に供給する
ラック供給装置８０とが設けられている。

【００４２】図示された好ましい実施形態では、ラック
供給装置８０は、ラックマガジン７０に収容された最下
層のラック６０を最下層から二番目のラックを支持しな
がらラック移動装置６２の所定位置に押し出すプッシュ
機構８２と、そして、プッシュ機構８２が復帰してラッ
クマガジンに収容された最下層から二番目のラック６０
を支持しなくなる以前に当該最下層から二番目のラック
を支持し、プッシュ機構８２が復帰し終えた後それより
上層のラックを一層分下降させるサポート機構８４とか
ら構成されてなることを特徴とする。プッシュ機構８２
の本体８２ａは、ラック６０の高さとほぼ同じ高さとす
ることにより、最下層から二番目のラック６０を支持し
ながら最下層のラック６０をラック移動装置６２の所定
位置に押し出すことができる。

【００４３】櫛状部材４２の凹部４２ａ、ハンド部５２
の棒部材５２ａ及び落下用櫛状部材５６の窪み部５６ａ
のピッチは、ラック６０の挿入部６０ａのピッチに対応
して調節可能とすることが好ましい。ある種のラック
は、その上面及び下面に異なるピッチで挿入部６０ａを
設けてあり、また、チップ２のサイズに合わせて、ある
いは、製造会社によってラック６０に設けられる挿入部
６０ａのピッチが異なっている。櫛状部材４２、ハンド
部５２及び落下用櫛状部材５６を、それぞれ、機械本体
又は所定の部材に対してネジ、ボルト等で固定し、それ
らを交換可能とすることで異なるピッチのものに簡単に
対応可能とすることができる。

【００４４】

【発明の効果】本発明のラックへのチップ自動挿入装置
は、所定数以下のチップずつのみが排出口から排出され
るようになされたホッパと、ホッパから所定数以下ずつ
供給されるチップを受け取り所定の位置まで移動すると
共に相互に入れ子式に嵌合した複数のチップを各チップ
毎に離隔する分離機構を移動路に沿って設けた移動機構
と、チップの基部よりも小さく且つ先端部よりも大きな
間隔に隔てられた一対の無限循環手段であって、移動機
構から１個ずつ供給されるチップを受け取り、先端部が
下向きとなる姿勢に整頓して搬送路に沿って搬送する一
対の無限循環手段と、無限循環手段の搬送路の一端から
供給されるチップの基部を受け入れて支持する等ピッチ
の複数の凹部を有する櫛状部材を備え搬送路に対し櫛状
部材を直角方向に１ピッチずつ移動可能な割出機構と、
そして、櫛状部材の複数の凹部に支持された複数のチッ
プを吊持してラックの上方に移動し該ラックに縦横方向
に整列して設けられた挿入部に一括して装着するチップ
移動装置とを備えて構成されてなるため、一端に大径の
基部を有する細長いチップをその他端側の先端部が下向
きとなる姿勢に整頓して複数個ずつ自動的にラックに挿
入することができる効果を有する。さらに、分離機構に
より、相互に入れ子式に嵌合した複数のチップがあった
場合も各チップ毎に離隔して複数の挿入部に一括して１
個ずつ挿入することができる効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係るラックへのチップ自動挿入装置
の一実施形態の概略的な斜視図である。

【図２】 図１に示されたチップ自動挿入装置の平面図
である。

【図３】 図１に示されたチップ自動挿入装置の左側面
図である。

【図４】 図１に示されたチップ自動挿入装置の要部正
面図である。

【図５】 図１に示されたホッパ装置の縦断面図であ
る。

【図６】 図１に示されたスライダ装置付近の正面図で
ある。

【図７】 図１に示された分離機構の拡大正面図であ
る。

【図８】 図１に示された無限循環ベルト装置の平面図
である。

【図９】 図１に示された割出機構の左側面図である。

【図１０】 図９に示された割出機構の横断面図であ
る。

【図１１】 チップの斜視図である。

【図１２】 従来のチップ自動整列機の斜視図である。

【符号の説明】

１ チップ自動挿入装置 １０ ホッパ装置 ２０ スライダ装置 ３０ 無限循環ベルト装置 ４０ 割出機構 ５０ チップ移動装置 ６０ ラック ７０ ラックマガジン ８０ ラック供給装置

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端に大径の基部を有する細長いチップ
   をその他端側の先端部が下向きとなる姿勢に整頓して複
   数個ずつラックに挿入するラックへのチップ自動挿入装
   置であって、 所定数以下のチップずつのみが排出口から排出されるよ
   うになされたホッパと、 前記ホッパから所定数以下ず
   つ供給されるチップを受け取り所定の位置まで移動する
   と共に相互に入れ子式に嵌合した複数のチップを各チッ
   プ毎に離隔する分離機構を移動路に沿って設けた移動機
   構と、 チップの基部よりも小さく且つ先端部よりも大きな間隔
   に隔てられた一対の無限循環手段であって、前記移動機
   構から１個ずつ供給されるチップを受け取り、先端部が
   下向きとなる姿勢に整頓して搬送路に沿って搬送する一
   対の無限循環手段と、 無限循環手段の搬送路の一端か
   ら供給されるチップの基部を受け入れて支持する等ピッ
   チの複数の凹部を有する櫛状部材を備え前記搬送路に対
   し櫛状部材を直角方向に１ピッチずつ移動可能な割出機
   構と、そして、 櫛状部材の複数の凹部に支持された複数のチップを吊持
   してラックの上方に移動し該ラックに縦横方向に整列し
   て設けられた挿入部に一括して装着するチップ移動装置
   と、 を備えて構成されてなるラックへのチップ自動挿入装
   置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載のラックへのチップ自動
   挿入装置において、さらに、ラックを縦又は横方向に１
   ピッチずつ移動するラック移動装置を備えて構成されて
   いることを特徴とするラックへのチップ自動挿入装置。
3. 【請求項３】 請求項２に記載のラックへのチップ自動
   挿入装置において、ラック移動装置に隣接して、さら
   に、複数のラックを高さ方向に積み重ねて収容するラッ
   クマガジンと、そして、最下層のラックをラックマガジ
   ンから他のラックが自然落下しないようにして抜き取り
   ラック移動装置の所定位置に供給するラック供給装置と
   を備えて構成されていることを特徴とするラックへのチ
   ップ自動挿入装置。
4. 【請求項４】 請求項３に記載のラックへのチップ自動
   挿入装置において、ラック供給装置が、ラックマガジン
   に収容された最下層のラックを最下層から二番目のラッ
   クを支持しながらラック移動装置の所定位置に押し出す
   プッシュ機構と、そして、プッシュ機構が復帰してラッ
   クマガジンに収容された最下層から二番目のラックを支
   持しなくなる以前に当該最下層から二番目のラックを支
   持し、プッシュ機構が復帰し終えた後それより上層のラ
   ックを一層分下降させるサポート機構とから構成されて
   なることを特徴とするラックへのチップ自動挿入装置。
5. 【請求項５】 請求項１に記載のラックへのチップ自動
   挿入装置において、前記ホッパは、移動手段の一端に隣
   接して設けられた円筒状の回転体であって、その外周面
   に複数条のチップ収納溝が形成され、所定数以下のチッ
   プずつが各チップ収納溝に入れられてホッパ底部から排
   出口に運ばれ移動手段の一端に供給されるようになされ
   た回転体を有することを特徴とするラックへのチップ自
   動挿入装置。
6. 【請求項６】 請求項５に記載のラックへのチップ自動
   挿入装置において、ホッパは、その底部に隣接してチッ
   プ収納溝に収納されるチップの詰まりを防止するカム駆
   動の振動板を有することを特徴とするラックへのチップ
   自動挿入装置。
7. 【請求項７】 請求項１に記載のラックへのチップ自動
   挿入装置において、移動機構の分離機構は、移動路の進
   行方向に沿って設けた一対の無限循環ベルトであって、
   進行方向前方の無限循環ベルトは進行方向後方の無限循
   環ベルトよりも高速で移動しており、これにより、相互
   に入れ子式に嵌合した複数のチップの前方に位置するチ
   ップを後方のチップから離隔する一対の無限循環ベルト
   であることを特徴とするラックへのチップ自動挿入装
   置。
8. 【請求項８】 請求項７に記載のラックへのチップ自動
   挿入装置において、前記移動機構は、断面半円形でホッ
   パに隣接する側が高く設定されたチップを滑落させるこ
   とにより移動するスライド溝部材から構成されているこ
   とを特徴とするラックへのチップ自動挿入装置。
9. 【請求項９】 請求項１に記載のラックへのチップ自動
   挿入装置において、前記チップ移動装置は、櫛状部材の
   上方とラックの上方との間の水平移動及びそれぞれの上
   方位置における垂直移動が可能なハンド部を有する往復
   移動機構と、ハンド部の下方に吊設された櫛状部材の凹
   部と同じピッチで同数の棒部材と、各棒部材の下端部付
   近に取り付けられた弾性を有するリングと、そして、ラ
   ックの上方に配置され水平方向に移動してハンド部が上
   昇する際その棒部材に支持されていた複数のチップの上
   縁に当接してチップを離脱させる櫛状部材の凹部と同じ
   ピッチで同数の窪み部を有する落下用櫛状部材とを備え
   て構成されてなることを特徴とするラックへのチップ自
   動挿入装置。
10. 【請求項１０】 請求項９に記載のラックへのチップ自
    動挿入装置において、櫛状部材の凹部、ハンド部の棒部
    材及び落下用櫛状部材の窪み部のピッチは、ラック挿入
    部のピッチに対応して調節可能とされていることを特徴
    とするラックへのチップ自動挿入装置。
11. 【請求項１１】 請求項１０に記載のラックへのチップ
    自動挿入装置において、櫛状部材及び／又はラックは、
    等間隔に一直線状に設けられた複数のステムと、そし
    て、回転駆動される円盤に固定され前記隣接するステム
    間に挿入される一対の駆動ステムとにより割出し駆動す
    る割出駆動機構により１ピッチずつ駆動されることを特
    徴とするラックへのチップ自動挿入装置。