JPH10329675A - 液圧ブレーキ装置 - Google Patents
液圧ブレーキ装置Info
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- JPH10329675A JPH10329675A JP14040197A JP14040197A JPH10329675A JP H10329675 A JPH10329675 A JP H10329675A JP 14040197 A JP14040197 A JP 14040197A JP 14040197 A JP14040197 A JP 14040197A JP H10329675 A JPH10329675 A JP H10329675A
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- deceleration
- pressure
- brake
- hydraulic
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、緊急ブレーキ操作が行なわれた場
合に通常時に比して大きな制動力を発生させる液圧ブレ
ーキ装置に関し、緊急ブレーキ操作時に運転者の意図を
反映した減速度を実現することを目的とする。 【解決手段】 時刻t1 においてBA制御が開始される
と、ホイルシリンダ圧P W/C が増圧されるのに伴って減
速度αも目標減速度α0 に向けて増加する。時刻t3 に
おいて減速度αがα1 に達するとホイルシリンダ圧P
W/C の増圧勾配は減少され、更に時刻t4 においてαが
所定値α2 に達すると、以後PW/C は保持される。時刻
t5 においてマスタシリンダ圧PM/C が上昇すると、ブ
レーキペダルが踏み増しされたと判断されて、目標減速
度α0 が増加される。これに応じて、ホイルシリンダ圧
PW/C が増圧されることで、減速度αが増加される。
合に通常時に比して大きな制動力を発生させる液圧ブレ
ーキ装置に関し、緊急ブレーキ操作時に運転者の意図を
反映した減速度を実現することを目的とする。 【解決手段】 時刻t1 においてBA制御が開始される
と、ホイルシリンダ圧P W/C が増圧されるのに伴って減
速度αも目標減速度α0 に向けて増加する。時刻t3 に
おいて減速度αがα1 に達するとホイルシリンダ圧P
W/C の増圧勾配は減少され、更に時刻t4 においてαが
所定値α2 に達すると、以後PW/C は保持される。時刻
t5 においてマスタシリンダ圧PM/C が上昇すると、ブ
レーキペダルが踏み増しされたと判断されて、目標減速
度α0 が増加される。これに応じて、ホイルシリンダ圧
PW/C が増圧されることで、減速度αが増加される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液圧ブレーキ装置
に係り、特に、車両において緊急ブレーキ操作が行われ
た場合に、通常時に比して大きな制動力を発生させる制
動力制御装置に関する。
に係り、特に、車両において緊急ブレーキ操作が行われ
た場合に、通常時に比して大きな制動力を発生させる制
動力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、特開平4−3346
49号に開示される如く、緊急ブレーキ操作が行なわれ
た場合に、通常時に比して大きな制動力を発生させる液
圧ブレーキ装置が知られている。上記従来の液圧ブレー
キ装置は、緊急ブレーキ操作を検出する緊急ブレーキ操
作検出手段と、高圧のアシスト圧を発生する液圧発生機
構と、ホイルシリンダをマスタシリンダ又は液圧発生機
構の何れか一方と連通させる液圧制御手段とを備えてい
る。
49号に開示される如く、緊急ブレーキ操作が行なわれ
た場合に、通常時に比して大きな制動力を発生させる液
圧ブレーキ装置が知られている。上記従来の液圧ブレー
キ装置は、緊急ブレーキ操作を検出する緊急ブレーキ操
作検出手段と、高圧のアシスト圧を発生する液圧発生機
構と、ホイルシリンダをマスタシリンダ又は液圧発生機
構の何れか一方と連通させる液圧制御手段とを備えてい
る。
【0003】上記従来の装置において、緊急ブレーキ操
作が検出されていない場合には、液圧制御手段は、ホイ
ルシリンダをマスタシリンダに連通させる。この場合、
ホイルシリンダには、ブレーキ踏力に応じた液圧が供給
されることで、通常のブレーキ制御が実現される。ま
た、緊急ブレーキ操作が行なわれたことが検出される
と、液圧制御手段は、ホイルシリンダを液圧発生機構に
連通させる。この場合、ホイルシリンダに液圧発生機構
の発生する高圧が供給されることで、ホイルシリンダ圧
は最大値まで増圧される。従って、上記従来の装置によ
れば、緊急ブレーキ操作が検出された場合には、ブレー
キ踏力の大きさにかかわらず、大きな減速度を実現する
ことができる。
作が検出されていない場合には、液圧制御手段は、ホイ
ルシリンダをマスタシリンダに連通させる。この場合、
ホイルシリンダには、ブレーキ踏力に応じた液圧が供給
されることで、通常のブレーキ制御が実現される。ま
た、緊急ブレーキ操作が行なわれたことが検出される
と、液圧制御手段は、ホイルシリンダを液圧発生機構に
連通させる。この場合、ホイルシリンダに液圧発生機構
の発生する高圧が供給されることで、ホイルシリンダ圧
は最大値まで増圧される。従って、上記従来の装置によ
れば、緊急ブレーキ操作が検出された場合には、ブレー
キ踏力の大きさにかかわらず、大きな減速度を実現する
ことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、緊急ブレー
キ操作が行なわれた状況の下でも、走行中の路面状態
や、旋回走行中であるか直進走行中であるか等の走行状
態に応じて、運転者が所望する減速度の大きさは変化す
る。しかしながら、上述の如く、上記従来の装置は、緊
急ブレーキ操作が検出された場合には、一律にホイルシ
リンダ圧を最大値まで増圧させる構成である。このた
め、上記従来の装置によれば、緊急ブレーキ操作が行な
われた後、運転者の意図に応じて減速度を変化させるこ
とができない。
キ操作が行なわれた状況の下でも、走行中の路面状態
や、旋回走行中であるか直進走行中であるか等の走行状
態に応じて、運転者が所望する減速度の大きさは変化す
る。しかしながら、上述の如く、上記従来の装置は、緊
急ブレーキ操作が検出された場合には、一律にホイルシ
リンダ圧を最大値まで増圧させる構成である。このた
め、上記従来の装置によれば、緊急ブレーキ操作が行な
われた後、運転者の意図に応じて減速度を変化させるこ
とができない。
【0005】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、緊急ブレーキ操作が行なわれた場合に、運転者
の意図を反映した減速度を実現することが可能な液圧ブ
レーキ装置を提供することを目的とする。
であり、緊急ブレーキ操作が行なわれた場合に、運転者
の意図を反映した減速度を実現することが可能な液圧ブ
レーキ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、通常時は、ブレーキ踏力に応じたブレ
ーキ液圧を発生させ、緊急ブレーキ操作が行なわれた場
合は、所定の目標減速度が実現されるようにブレーキ液
圧を制御する液圧制御手段と、緊急ブレーキ操作が行な
われた後のブレーキペダルの操作量に応じて前記所定の
目標減速度を変更する目標減速度変更手段と、を備える
液圧ブレーキ装置により達成される。
に記載する如く、通常時は、ブレーキ踏力に応じたブレ
ーキ液圧を発生させ、緊急ブレーキ操作が行なわれた場
合は、所定の目標減速度が実現されるようにブレーキ液
圧を制御する液圧制御手段と、緊急ブレーキ操作が行な
われた後のブレーキペダルの操作量に応じて前記所定の
目標減速度を変更する目標減速度変更手段と、を備える
液圧ブレーキ装置により達成される。
【0007】本発明において、液圧制御手段は、緊急ブ
レーキ操作が行なわれた場合に、所定の目標減速度が実
現されるようにブレーキ液圧を制御する。この目標減速
度は、目標減速度変更手段により、緊急ブレーキ操作が
行なわれた後のブレーキペダルの操作量に応じて変化さ
れる。ブレーキペダルの操作量には、運転者による減速
の意図が反映されている。従って、本発明によれば、緊
急ブレーキ操作が行なわれた場合に、運転者の意図を反
映した減速度が実現される。
レーキ操作が行なわれた場合に、所定の目標減速度が実
現されるようにブレーキ液圧を制御する。この目標減速
度は、目標減速度変更手段により、緊急ブレーキ操作が
行なわれた後のブレーキペダルの操作量に応じて変化さ
れる。ブレーキペダルの操作量には、運転者による減速
の意図が反映されている。従って、本発明によれば、緊
急ブレーキ操作が行なわれた場合に、運転者の意図を反
映した減速度が実現される。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例である
液圧ブレーキ装置のシステム構成図を示す。本実施例の
液圧ブレーキ装置は、図示しない電子制御ユニット(以
下、ECUと称す)により制御される。なお、図1に
は、左前輪FL及び右後輪RRのブレーキ機構を実現す
る構成要素が示されている。
液圧ブレーキ装置のシステム構成図を示す。本実施例の
液圧ブレーキ装置は、図示しない電子制御ユニット(以
下、ECUと称す)により制御される。なお、図1に
は、左前輪FL及び右後輪RRのブレーキ機構を実現す
る構成要素が示されている。
【0009】図1に示すブレーキ装置は、ブレーキペダ
ル10を備えている。ブレーキペダル10は、ブレーキ
ブースタ12の作動軸14に連結されている。ブレーキ
ブースタ12にはマスタシリンダ16が固定されてい
る。マスタシリンダ16は、その内部に液圧室を備えて
いる。マスタシリンダ16の液圧室には、ブレーキペダ
ル10に付与されたブレーキ踏力に対して所定の倍力比
を有するマスタシリンダ圧PM/C が発生する。
ル10を備えている。ブレーキペダル10は、ブレーキ
ブースタ12の作動軸14に連結されている。ブレーキ
ブースタ12にはマスタシリンダ16が固定されてい
る。マスタシリンダ16は、その内部に液圧室を備えて
いる。マスタシリンダ16の液圧室には、ブレーキペダ
ル10に付与されたブレーキ踏力に対して所定の倍力比
を有するマスタシリンダ圧PM/C が発生する。
【0010】マスタシリンダ16の上部にはリザーバタ
ンク18が配設されている。リザーバタンク18の内部
には、所定量のブレーキフルードが貯留されている。ブ
レーキペダルの踏み込みが解除されている場合、マスタ
シリンダ16の液圧室とリザーバタンク18とは連通し
た状態となる。マスタシリンダ16の液圧室には、液圧
通路20が接続されている。液圧通路20には、油圧セ
ンサ22が連通している。油圧センサ22の出力信号は
ECUに供給されている。ECUは油圧センサ22の出
力信号に基づいてマスタシリンダ圧PM/C を検出する。
ンク18が配設されている。リザーバタンク18の内部
には、所定量のブレーキフルードが貯留されている。ブ
レーキペダルの踏み込みが解除されている場合、マスタ
シリンダ16の液圧室とリザーバタンク18とは連通し
た状態となる。マスタシリンダ16の液圧室には、液圧
通路20が接続されている。液圧通路20には、油圧セ
ンサ22が連通している。油圧センサ22の出力信号は
ECUに供給されている。ECUは油圧センサ22の出
力信号に基づいてマスタシリンダ圧PM/C を検出する。
【0011】液圧通路20には、また、電磁弁24が連
通している。電磁弁24は、第1ポート26、第2ポー
ト28、及び第3ポート30を備える2位置3方の電磁
弁である。第1ポート26は液圧通路20に連通してい
る。第2ポート28は液圧通路40及び41に連通して
いる。また、第3ポート30は液圧通路42に連通して
いる。電磁弁24は、ECUから駆動信号が供給されな
い状態、すなわち、オフ状態では、第1ポート26と第
2ポート28とを導通させ、かつ、第3ポート30を閉
塞した第1の状態を実現し、一方、ECUから駆動信号
が供給された状態、すなわち、オン状態では、第1ポー
ト26と第3ポート30とを導通させ、かつ、第2ポー
ト28を閉塞した第2の状態を実現する。
通している。電磁弁24は、第1ポート26、第2ポー
ト28、及び第3ポート30を備える2位置3方の電磁
弁である。第1ポート26は液圧通路20に連通してい
る。第2ポート28は液圧通路40及び41に連通して
いる。また、第3ポート30は液圧通路42に連通して
いる。電磁弁24は、ECUから駆動信号が供給されな
い状態、すなわち、オフ状態では、第1ポート26と第
2ポート28とを導通させ、かつ、第3ポート30を閉
塞した第1の状態を実現し、一方、ECUから駆動信号
が供給された状態、すなわち、オン状態では、第1ポー
ト26と第3ポート30とを導通させ、かつ、第2ポー
ト28を閉塞した第2の状態を実現する。
【0012】液圧通路20と液圧通路40との間には、
電磁弁24と並列に、逆止弁32、及びリリーフ弁34
が配設されている。逆止弁32は、液圧通路20側から
液圧通路40側へ向かう流体の流れのみを許容する一方
向弁である。また、リリーフ弁34は、液圧通路40側
の液圧が液圧通路20側の液圧に比して所定値以上高圧
となった場合にのみ開弁する弁機構である。
電磁弁24と並列に、逆止弁32、及びリリーフ弁34
が配設されている。逆止弁32は、液圧通路20側から
液圧通路40側へ向かう流体の流れのみを許容する一方
向弁である。また、リリーフ弁34は、液圧通路40側
の液圧が液圧通路20側の液圧に比して所定値以上高圧
となった場合にのみ開弁する弁機構である。
【0013】液圧通路40には、保持ソレノイド44、
46、及び逆止弁48、50が連通している。保持ソレ
ノイド44、46はECUから駆動信号が供給されるこ
とにより閉弁状態となる2位置の電磁弁である。保持ソ
レノイド44及び逆止弁48は右後輪RRのホイルシリ
ンダ52に連通している。逆止弁48は、ホイルシリン
ダ52側から液圧通路40側へ向かう流体の流れのみを
許容する一方向弁である。また、保持ソレノイド46及
び逆止弁50は左前輪FLのホイルシリンダ54に連通
している。逆止弁50は、ホイルシリンダ54側から液
圧通路40側へ向かう流体の流れのみを許容する一方向
弁である。
46、及び逆止弁48、50が連通している。保持ソレ
ノイド44、46はECUから駆動信号が供給されるこ
とにより閉弁状態となる2位置の電磁弁である。保持ソ
レノイド44及び逆止弁48は右後輪RRのホイルシリ
ンダ52に連通している。逆止弁48は、ホイルシリン
ダ52側から液圧通路40側へ向かう流体の流れのみを
許容する一方向弁である。また、保持ソレノイド46及
び逆止弁50は左前輪FLのホイルシリンダ54に連通
している。逆止弁50は、ホイルシリンダ54側から液
圧通路40側へ向かう流体の流れのみを許容する一方向
弁である。
【0014】ホイルシリンダ52及び54には、それぞ
れ、減圧ソレノイド56及び58が連通している。減圧
ソレノイド56、58は、ECUから駆動信号が供給さ
れることにより開弁状態となる2位置の電磁弁である。
減圧ソレノイド56、58は、共に、補助リザーバ60
に連通している。補助リザーバ60には、逆止弁62を
介してポンプ64の吸入側が連通している。また、ポン
プ64の吐出側は逆止弁66を介して液圧通路41に連
通している。ポンプ64はポンプモータ65に駆動信号
が付与されることにより作動状態となる。逆止弁62
は、補助リザーバ60側からポンプ64側へ向かう流体
の流れのみを許容する一方向弁である。また、逆止弁6
6は、ポンプ64側から液圧通路41側へ向かう流体の
流れのみを許容する一方向弁である。
れ、減圧ソレノイド56及び58が連通している。減圧
ソレノイド56、58は、ECUから駆動信号が供給さ
れることにより開弁状態となる2位置の電磁弁である。
減圧ソレノイド56、58は、共に、補助リザーバ60
に連通している。補助リザーバ60には、逆止弁62を
介してポンプ64の吸入側が連通している。また、ポン
プ64の吐出側は逆止弁66を介して液圧通路41に連
通している。ポンプ64はポンプモータ65に駆動信号
が付与されることにより作動状態となる。逆止弁62
は、補助リザーバ60側からポンプ64側へ向かう流体
の流れのみを許容する一方向弁である。また、逆止弁6
6は、ポンプ64側から液圧通路41側へ向かう流体の
流れのみを許容する一方向弁である。
【0015】補助リザーバ60の内部には、ピストン6
8及びスプリング70が配設されている。ピストン68
はスプリング70によって補助リザーバ60の容積が減
少する向きに付勢されている。補助リザーバ60には、
液圧通路42に連通するリザーバポート72が設けられ
ている。リザーバポート72の内部には、ボール弁74
と押圧軸76とが配設されている。また、リザーバポー
ト72には、ボール弁74の弁座として機能するシート
部78が設けられている。押圧軸76の両端は、それぞ
れ、ピストン68及びボール弁74に当接している。
8及びスプリング70が配設されている。ピストン68
はスプリング70によって補助リザーバ60の容積が減
少する向きに付勢されている。補助リザーバ60には、
液圧通路42に連通するリザーバポート72が設けられ
ている。リザーバポート72の内部には、ボール弁74
と押圧軸76とが配設されている。また、リザーバポー
ト72には、ボール弁74の弁座として機能するシート
部78が設けられている。押圧軸76の両端は、それぞ
れ、ピストン68及びボール弁74に当接している。
【0016】補助リザーバ60の内部にブレーキフルー
ドが流入していない場合は、ピストン68は図1中最上
端位置(以下、原位置と称す)に位置する。補助リザー
バ60の内部には、ピストン68が原位置に位置する場
合に、液圧通路42と減圧ソレノイド56、58及び逆
止弁62との導通状態を確保する液圧経路が確保されて
いる。
ドが流入していない場合は、ピストン68は図1中最上
端位置(以下、原位置と称す)に位置する。補助リザー
バ60の内部には、ピストン68が原位置に位置する場
合に、液圧通路42と減圧ソレノイド56、58及び逆
止弁62との導通状態を確保する液圧経路が確保されて
いる。
【0017】ピストン68が原位置に位置する場合は、
ボール弁74はシート部78から離座する。ボール弁7
4とシート部78との間に形成されるクリアランスは、
補助リザーバ60に貯留されるブレーキフルードの量が
増加するにつれて、すなわち、ピストン68の変位量が
増加するにつれて減少する。そして、補助リザーバ60
に貯留されるブレーキフルードの量が所定値を達した時
点で、ボール弁74はシート部78に着座する。ボール
弁74がシート部78に着座した状態では、液圧通路4
2から補助リザーバ60へのブレーキフルードの流入は
阻止される。
ボール弁74はシート部78から離座する。ボール弁7
4とシート部78との間に形成されるクリアランスは、
補助リザーバ60に貯留されるブレーキフルードの量が
増加するにつれて、すなわち、ピストン68の変位量が
増加するにつれて減少する。そして、補助リザーバ60
に貯留されるブレーキフルードの量が所定値を達した時
点で、ボール弁74はシート部78に着座する。ボール
弁74がシート部78に着座した状態では、液圧通路4
2から補助リザーバ60へのブレーキフルードの流入は
阻止される。
【0018】図1に示す液圧ブレーキ装置は、通常のブ
レーキ装置としての機能(以下、通常ブレーキ機能と称
す)、ブレーキ操作中に車輪に過大なスリップ率が発生
するのを防止するABS機能、及び、運転者によって緊
急ブレーキ操作が実行された際に、通常時に比して大き
な制動力を発生させるブレーキアシスト機能(以下、B
A機能と称す)を実現する。
レーキ装置としての機能(以下、通常ブレーキ機能と称
す)、ブレーキ操作中に車輪に過大なスリップ率が発生
するのを防止するABS機能、及び、運転者によって緊
急ブレーキ操作が実行された際に、通常時に比して大き
な制動力を発生させるブレーキアシスト機能(以下、B
A機能と称す)を実現する。
【0019】通常ブレーキ機能は、図1に示す如く、電
磁弁24をオフ状態とし、保持ソレノイド44、46を
開弁状態とし、減圧ソレノイド56、58を閉弁状態と
し、かつ、ポンプ64を停止状態とすることで実現され
る。以下、この状態を通常ブレーキ状態と称す。通常ブ
レーキ状態が実現されると、マスタシリンダ16とホイ
ルシリンダ52、54とが導通状態となる。この場合、
ホイルシリンダ52、54のホイルシリンダ圧PW/C は
マスタシリンダ圧PM/C に等しい液圧に制御される。従
って、通常ブレーキ状態が実現されている場合は、車両
に発生する制動力はブレーキ踏力に応じた大きさに制御
される。
磁弁24をオフ状態とし、保持ソレノイド44、46を
開弁状態とし、減圧ソレノイド56、58を閉弁状態と
し、かつ、ポンプ64を停止状態とすることで実現され
る。以下、この状態を通常ブレーキ状態と称す。通常ブ
レーキ状態が実現されると、マスタシリンダ16とホイ
ルシリンダ52、54とが導通状態となる。この場合、
ホイルシリンダ52、54のホイルシリンダ圧PW/C は
マスタシリンダ圧PM/C に等しい液圧に制御される。従
って、通常ブレーキ状態が実現されている場合は、車両
に発生する制動力はブレーキ踏力に応じた大きさに制御
される。
【0020】ABS機能は、ブレーキペダル10が踏み
込まれている状況下で、電磁弁24をオフ状態とし、ポ
ンプ64を運転状態とし、かつ、保持ソレノイド44、
46、及び、減圧ソレノイド56、58を適宜開閉させ
ることにより実現される。以下、この状態をABS状態
と称す。ブレーキペダル10が踏み込まれている状況下
で、電磁弁24がオフ状態とされると、液圧通路40に
はマスタシリンダ圧PM/C が導かれる。液圧通路40に
マスタシリンダ圧PM/C が導かれている場合に、保持ソ
レノイド44が開弁状態とされると共に減圧ソレノイド
56が閉弁状態とされると(図1に示す状態)、ホイル
シリンダ52とマスタシリンダ16とは導通状態とな
る。すなわち、ホイルシリンダ圧PW/C はマスタシリン
ダ圧PM/C に向けて増圧される。この状態を、以下、増
圧モードと称す。また、保持ソレノイド44及び減圧ソ
レノイド56が共に閉弁状態とされると、ホイルシリン
ダ圧PM/C は保持される。この状態を、以下、保持モー
ドと称す。更に、増圧ソレノイド44が閉弁状態とされ
ると共に減圧ソレノイド52が開弁状態とされると、ホ
イルシリンダ52と補助リザーバ60とが導通状態とな
る。この場合、ホイルシリンダ52内のブレーキフルー
ドが補助リザーバ60へ向けて流出することで、ホイル
シリンダ圧は減圧される。この状態を、以下、減圧モー
ドと称す。
込まれている状況下で、電磁弁24をオフ状態とし、ポ
ンプ64を運転状態とし、かつ、保持ソレノイド44、
46、及び、減圧ソレノイド56、58を適宜開閉させ
ることにより実現される。以下、この状態をABS状態
と称す。ブレーキペダル10が踏み込まれている状況下
で、電磁弁24がオフ状態とされると、液圧通路40に
はマスタシリンダ圧PM/C が導かれる。液圧通路40に
マスタシリンダ圧PM/C が導かれている場合に、保持ソ
レノイド44が開弁状態とされると共に減圧ソレノイド
56が閉弁状態とされると(図1に示す状態)、ホイル
シリンダ52とマスタシリンダ16とは導通状態とな
る。すなわち、ホイルシリンダ圧PW/C はマスタシリン
ダ圧PM/C に向けて増圧される。この状態を、以下、増
圧モードと称す。また、保持ソレノイド44及び減圧ソ
レノイド56が共に閉弁状態とされると、ホイルシリン
ダ圧PM/C は保持される。この状態を、以下、保持モー
ドと称す。更に、増圧ソレノイド44が閉弁状態とされ
ると共に減圧ソレノイド52が開弁状態とされると、ホ
イルシリンダ52と補助リザーバ60とが導通状態とな
る。この場合、ホイルシリンダ52内のブレーキフルー
ドが補助リザーバ60へ向けて流出することで、ホイル
シリンダ圧は減圧される。この状態を、以下、減圧モー
ドと称す。
【0021】同様に、ホイルシリンダ54についても、
保持ソレノイド46及び減圧ソレノイド58を適宜開閉
することで、増圧モード、保持モード、及び減圧モード
を実現することができる。本実施例の液圧ブレーキ装置
において、車輪のスリップ率が所定値を越えないよう
に、上記した増圧モード、保持モード、及び減圧モード
が適宜実現される。このため、ABS制御が開始される
と、車輪RR,FLのロック傾向が収束される。
保持ソレノイド46及び減圧ソレノイド58を適宜開閉
することで、増圧モード、保持モード、及び減圧モード
を実現することができる。本実施例の液圧ブレーキ装置
において、車輪のスリップ率が所定値を越えないよう
に、上記した増圧モード、保持モード、及び減圧モード
が適宜実現される。このため、ABS制御が開始される
と、車輪RR,FLのロック傾向が収束される。
【0022】なお、減圧モードにおいて、補助リザーバ
60に流入したブレーキフルードは液圧ポンプ64によ
り汲み上げられて液圧通路40に供給される。従って、
ABS状態において、マスタシリンダ16からホイルシ
リンダ52、54へ至る液圧系統内のブレーキフルード
の量が減少することが防止される。BA機能は、ブレー
キペダル10が所定値を越える操作速度で踏み込まれた
場合に、電磁弁24をオン状態とし、増圧ソレノイド4
4、46を開弁状態とし、減圧ソレノイド56、58を
閉弁状態とし、かつ、ポンプ64を運転状態とすること
で実現される。この状態を、以下、BA状態と称す。ま
た、BA状態を実現するための制御を、以下、BA制御
と称する。
60に流入したブレーキフルードは液圧ポンプ64によ
り汲み上げられて液圧通路40に供給される。従って、
ABS状態において、マスタシリンダ16からホイルシ
リンダ52、54へ至る液圧系統内のブレーキフルード
の量が減少することが防止される。BA機能は、ブレー
キペダル10が所定値を越える操作速度で踏み込まれた
場合に、電磁弁24をオン状態とし、増圧ソレノイド4
4、46を開弁状態とし、減圧ソレノイド56、58を
閉弁状態とし、かつ、ポンプ64を運転状態とすること
で実現される。この状態を、以下、BA状態と称す。ま
た、BA状態を実現するための制御を、以下、BA制御
と称する。
【0023】ブレーキペダル10が踏み込まれている状
況下で電磁弁24がオン状態とされると、マスタシリン
ダ16と補助リザーバ60とが導通状態となる。マスタ
シリンダ16と補助リザーバ60とが導通状態となる
と、その後、ボール弁74がシート部78に着座するま
で、ブレーキフルードがマスタシリンダ16から補助リ
ザーバ60へ流入する。そして、補助リザーバ60に流
入したブレーキフルードは、ポンプ64により汲み上げ
られて液圧通路40へ供給される。このため、BA制御
が開始されると、液圧通路40には、ポンプ64を液圧
源として高圧のブレーキフルードが導かれる。
況下で電磁弁24がオン状態とされると、マスタシリン
ダ16と補助リザーバ60とが導通状態となる。マスタ
シリンダ16と補助リザーバ60とが導通状態となる
と、その後、ボール弁74がシート部78に着座するま
で、ブレーキフルードがマスタシリンダ16から補助リ
ザーバ60へ流入する。そして、補助リザーバ60に流
入したブレーキフルードは、ポンプ64により汲み上げ
られて液圧通路40へ供給される。このため、BA制御
が開始されると、液圧通路40には、ポンプ64を液圧
源として高圧のブレーキフルードが導かれる。
【0024】BA制御の実行中に液圧通路40に導かれ
た高圧のブレーキフルードは、保持ソレノイド44、4
6を介して、それぞれ、ホイルシリンダ52、54に導
かれる。このため、BA制御が開始されると、ホイルシ
リンダ圧は速やかにマスタシリンダ圧に比して高い液圧
へ上昇する。このように、BA制御によれば、緊急ブレ
ーキ操作が開始された後、車両の減速度αを速やかに増
加させることができる。
た高圧のブレーキフルードは、保持ソレノイド44、4
6を介して、それぞれ、ホイルシリンダ52、54に導
かれる。このため、BA制御が開始されると、ホイルシ
リンダ圧は速やかにマスタシリンダ圧に比して高い液圧
へ上昇する。このように、BA制御によれば、緊急ブレ
ーキ操作が開始された後、車両の減速度αを速やかに増
加させることができる。
【0025】本実施例の液圧ブレーキ装置において、B
A制御の実行中に、車両の減速度αが所定の目標加速度
α0 に達すると、ホイルシリンダ圧PW/C が一定に保持
されることで、車両の減速度αは目標減速度α0 に保持
される。BA制御中におけるホイルシリンダ圧PW/C の
保持は、電磁弁24をオン・オフ制御することにより実
現される。以下、本実施例において、電磁弁24をオン
・オフ制御することにより実現される状態について説明
する。
A制御の実行中に、車両の減速度αが所定の目標加速度
α0 に達すると、ホイルシリンダ圧PW/C が一定に保持
されることで、車両の減速度αは目標減速度α0 に保持
される。BA制御中におけるホイルシリンダ圧PW/C の
保持は、電磁弁24をオン・オフ制御することにより実
現される。以下、本実施例において、電磁弁24をオン
・オフ制御することにより実現される状態について説明
する。
【0026】図1に示すシステムにおいて、電磁弁24
がオン状態とされた場合、ホイルシリンダ52、54と
ポンプ64とが導通状態となると共に、マスタシリンダ
16とホイルシリンダ52、54及びポンプ64とは遮
断状態となる。従って、BA制御の実行中に、電磁弁2
4がオン状態とされた場合、ホイルシリンダ52、54
には、ポンプ64の吐出流量Q0 に等しい流量のブレー
キフルードが流入する。
がオン状態とされた場合、ホイルシリンダ52、54と
ポンプ64とが導通状態となると共に、マスタシリンダ
16とホイルシリンダ52、54及びポンプ64とは遮
断状態となる。従って、BA制御の実行中に、電磁弁2
4がオン状態とされた場合、ホイルシリンダ52、54
には、ポンプ64の吐出流量Q0 に等しい流量のブレー
キフルードが流入する。
【0027】一方、電磁弁24がオフ状態とされた場
合、マスタシリンダ16とホイルシリンダ52、54と
が導通状態となると共に、ポンプ64とマスタシリンダ
16及びホイルシリンダ52、54とが導通状態とな
る。BA制御の実行中においては、ホイルシリンダ圧P
W/C はマスタシリンダ圧P M/C に比して高圧となってい
る。このため、BA制御の実行中に、マスタシリンダ1
6とホイルシリンダ52、54とが導通状態となると、
ホイルシリンダ52、54からマスタシリンダ16へ、
両者間の差圧に応じた流量Q1 のブレーキフルードが流
出する。また、ポンプ64と、マスタシリンダ16及び
ホイルシリンダ52、54とが導通状態となると、ポン
プ64が吐出するブレーキフルードは、ホイルシリンダ
52、54だけではなく、マスタシリンダ16にも流入
する。この場合、ポンプ54からマスタシリンダ16へ
流入するブレーキフルードの流量をQ2 とすると、ポン
プ54からホイルシリンダ52、54へは流量(Q0 −
Q2 )のブレーキフルードが流入することになる。
合、マスタシリンダ16とホイルシリンダ52、54と
が導通状態となると共に、ポンプ64とマスタシリンダ
16及びホイルシリンダ52、54とが導通状態とな
る。BA制御の実行中においては、ホイルシリンダ圧P
W/C はマスタシリンダ圧P M/C に比して高圧となってい
る。このため、BA制御の実行中に、マスタシリンダ1
6とホイルシリンダ52、54とが導通状態となると、
ホイルシリンダ52、54からマスタシリンダ16へ、
両者間の差圧に応じた流量Q1 のブレーキフルードが流
出する。また、ポンプ64と、マスタシリンダ16及び
ホイルシリンダ52、54とが導通状態となると、ポン
プ64が吐出するブレーキフルードは、ホイルシリンダ
52、54だけではなく、マスタシリンダ16にも流入
する。この場合、ポンプ54からマスタシリンダ16へ
流入するブレーキフルードの流量をQ2 とすると、ポン
プ54からホイルシリンダ52、54へは流量(Q0 −
Q2 )のブレーキフルードが流入することになる。
【0028】すなわち、BA制御の実行中に電磁弁24
がオフ状態とされた場合、ホイルシリンダ52、54か
らマスタシリンダ16へ流量Q1 のブレーキフルードが
流出する一方、ポンプ54からホイルシリンダ52、5
4へ流量(Q0 −Q2 )のブレーキフルードが流入す
る。従って、電磁弁24がオフされた状態で、ホイルシ
リンダ52、54から流出するブレーキフルードの総流
量は、(Q1 −Q0 +Q 2 )となる。
がオフ状態とされた場合、ホイルシリンダ52、54か
らマスタシリンダ16へ流量Q1 のブレーキフルードが
流出する一方、ポンプ54からホイルシリンダ52、5
4へ流量(Q0 −Q2 )のブレーキフルードが流入す
る。従って、電磁弁24がオフされた状態で、ホイルシ
リンダ52、54から流出するブレーキフルードの総流
量は、(Q1 −Q0 +Q 2 )となる。
【0029】このように、電磁弁24がオンされた状態
では、ホイルシリンダ52、54に流量Q0 のブレーキ
フルードが流入し、その一方、電磁弁24がオフされた
状態では、ホイルシリンダ52、54から流量(Q1 −
Q0 +Q2 )のブレーキフルードが流出する。ホイルシ
リンダ圧PW/C 及びマスタシリンダ圧PM/C が一定に保
持されている場合には、流量Q0 、Q1 、及びQ2 も一
定となる。従って、電磁弁24をオン・オフ制御するこ
とにより、ホイルシリンダ52、54へ流入するブレー
キフルードの流量Q0 の時間平均qIN(以下、平均流入
流量qINと称す)、及び、ホイルシリンダ52、54か
ら流出するブレーキフルードの流量(Q 1 −Q0 +
Q2 )の時間平均qOUT (以下、平均流出流量qOUT と
称す)を変化させることができる。そして、平均流入流
量qINと平均流出流量qOUT とが等しくなるように、電
磁弁24のオン・オフのデューティ比が設定することに
より、ホイルシリンダ52、54に対するブレーキフル
ードの流量の収支がゼロとなった状態、すなわち、ホイ
ルシリンダ圧PW/C が一定に保持された状態を形成する
ことができる。かかる状態を、以下、平衡保持モードと
称する。
では、ホイルシリンダ52、54に流量Q0 のブレーキ
フルードが流入し、その一方、電磁弁24がオフされた
状態では、ホイルシリンダ52、54から流量(Q1 −
Q0 +Q2 )のブレーキフルードが流出する。ホイルシ
リンダ圧PW/C 及びマスタシリンダ圧PM/C が一定に保
持されている場合には、流量Q0 、Q1 、及びQ2 も一
定となる。従って、電磁弁24をオン・オフ制御するこ
とにより、ホイルシリンダ52、54へ流入するブレー
キフルードの流量Q0 の時間平均qIN(以下、平均流入
流量qINと称す)、及び、ホイルシリンダ52、54か
ら流出するブレーキフルードの流量(Q 1 −Q0 +
Q2 )の時間平均qOUT (以下、平均流出流量qOUT と
称す)を変化させることができる。そして、平均流入流
量qINと平均流出流量qOUT とが等しくなるように、電
磁弁24のオン・オフのデューティ比が設定することに
より、ホイルシリンダ52、54に対するブレーキフル
ードの流量の収支がゼロとなった状態、すなわち、ホイ
ルシリンダ圧PW/C が一定に保持された状態を形成する
ことができる。かかる状態を、以下、平衡保持モードと
称する。
【0030】上述の如く、BA制御は、緊急ブレーキ操
作が行なわれた場合に、減速度を速やかに増加させるた
めに実行されるブレーキ制御である。しかしながら、B
A制御の実行中においても、運転者が所望する減速度の
大きさは一定ではなく、走行中の路面状況や、旋回走行
中であるか直進走行中であるか等の走行状態に応じて変
化する。本実施例の液圧ブレーキ装置は、BA制御の実
行中において、運転者の意図を反映した減速度を実現し
得る点に特徴を有している。
作が行なわれた場合に、減速度を速やかに増加させるた
めに実行されるブレーキ制御である。しかしながら、B
A制御の実行中においても、運転者が所望する減速度の
大きさは一定ではなく、走行中の路面状況や、旋回走行
中であるか直進走行中であるか等の走行状態に応じて変
化する。本実施例の液圧ブレーキ装置は、BA制御の実
行中において、運転者の意図を反映した減速度を実現し
得る点に特徴を有している。
【0031】図2は、本実施例の液圧ブレーキ装置によ
り実現されるマスタシリンダ圧PM/ C 、ホイルシリンダ
圧PW/C 、及び車両の減速度αの時間変化を例示してい
る。なお、図2において、所定値α1 及びα2 は、それ
ぞれ、目標減速度α0 に対して所定の比率a及びbとな
るように、すなわち、α1 =a・α1 、及び、α2 =b
・α0 となるように設定された値である。ここで、bは
十分に1に近い値であり、1>b>aなる関係が成立す
る。また、BA制御が開始される前の状態において、目
標減速度α0 は所定の初期値に設定されている。
り実現されるマスタシリンダ圧PM/ C 、ホイルシリンダ
圧PW/C 、及び車両の減速度αの時間変化を例示してい
る。なお、図2において、所定値α1 及びα2 は、それ
ぞれ、目標減速度α0 に対して所定の比率a及びbとな
るように、すなわち、α1 =a・α1 、及び、α2 =b
・α0 となるように設定された値である。ここで、bは
十分に1に近い値であり、1>b>aなる関係が成立す
る。また、BA制御が開始される前の状態において、目
標減速度α0 は所定の初期値に設定されている。
【0032】図2に例示する状況においては、時刻t1
において、マスタシリンダ圧PM/Cの増加勾配が所定値
を上回り、緊急ブレーキ操作が行なわれたことが検出さ
れている。このため、時刻t1 においてBA制御が開始
され、以後、ホイルシリンダ圧PW/C が大きな勾配で増
圧されている。ホイルシリンダ圧PW/C の増圧に伴っ
て、減速度αも速やかに増加している。また、BA制御
が開始された後、時刻t 2 までは、ブレーキペダル10
の踏み込みに伴ってマスタシリンダ圧PM/C が上昇して
いるため、これに応じて、目標減速度α0 が増加されて
いる。そして、時刻t2 において、マスタシリンダ圧P
M/C の上昇が終わると、以後、目標減速度α0 は一定の
値に維持される。
において、マスタシリンダ圧PM/Cの増加勾配が所定値
を上回り、緊急ブレーキ操作が行なわれたことが検出さ
れている。このため、時刻t1 においてBA制御が開始
され、以後、ホイルシリンダ圧PW/C が大きな勾配で増
圧されている。ホイルシリンダ圧PW/C の増圧に伴っ
て、減速度αも速やかに増加している。また、BA制御
が開始された後、時刻t 2 までは、ブレーキペダル10
の踏み込みに伴ってマスタシリンダ圧PM/C が上昇して
いるため、これに応じて、目標減速度α0 が増加されて
いる。そして、時刻t2 において、マスタシリンダ圧P
M/C の上昇が終わると、以後、目標減速度α0 は一定の
値に維持される。
【0033】時刻t3 において、減速度αは所定値α1
に到達し、減速度αが目標減速度α 0 に近づいてきたと
判断される。このため、時刻t3 以降、減速度αが緩や
かに目標減速度α0 に到達するように、ホイルシリンダ
圧PW/C の増圧勾配が減少される。時刻t3 以降におけ
るホイルシリンダ圧PW/C の増圧勾配の減少は、ポンプ
モータ65に供給する駆動信号をオン・オフ制御するこ
とにより実現される。ポンプモータ65に供給する駆動
信号がオン・オフ制御されると、ポンプモータ65の回
転数は、連続的な駆動信号が付与される場合に比して低
下する。ポンプモータ65の回転数が低下すると、ポン
プ64の吐出流量が減少する。そして、ポンプ64の吐
出流量が減少すると、ホイルシリンダ52、54に流入
するブレーキフルードの流量が減少する。従って、ポン
プモータ65に供給する駆動信号をオン・オフ制御する
ことで、ホイルシリンダ圧PW/C の増圧勾配を減少させ
ることができる。
に到達し、減速度αが目標減速度α 0 に近づいてきたと
判断される。このため、時刻t3 以降、減速度αが緩や
かに目標減速度α0 に到達するように、ホイルシリンダ
圧PW/C の増圧勾配が減少される。時刻t3 以降におけ
るホイルシリンダ圧PW/C の増圧勾配の減少は、ポンプ
モータ65に供給する駆動信号をオン・オフ制御するこ
とにより実現される。ポンプモータ65に供給する駆動
信号がオン・オフ制御されると、ポンプモータ65の回
転数は、連続的な駆動信号が付与される場合に比して低
下する。ポンプモータ65の回転数が低下すると、ポン
プ64の吐出流量が減少する。そして、ポンプ64の吐
出流量が減少すると、ホイルシリンダ52、54に流入
するブレーキフルードの流量が減少する。従って、ポン
プモータ65に供給する駆動信号をオン・オフ制御する
ことで、ホイルシリンダ圧PW/C の増圧勾配を減少させ
ることができる。
【0034】このように、時刻t3 以後、ホイルシリン
ダ圧PW/C の増圧勾配が減少することで、減速度αは緩
やかな勾配で増加するようになり、時刻t4 において、
α2に到達している。上述の如く、α2 はほぼ目標加速
度α0 に等しい値に設定されている。従って、減速度α
がα2 に到達すると、目標減速度α0 が達成されたと判
断される。このため、時刻t4 以降、上記平衡保持モー
ドが形成されることでホイルシリンダ圧PW/C は保持さ
れ、これにより、減速度αはα2 に維持される。
ダ圧PW/C の増圧勾配が減少することで、減速度αは緩
やかな勾配で増加するようになり、時刻t4 において、
α2に到達している。上述の如く、α2 はほぼ目標加速
度α0 に等しい値に設定されている。従って、減速度α
がα2 に到達すると、目標減速度α0 が達成されたと判
断される。このため、時刻t4 以降、上記平衡保持モー
ドが形成されることでホイルシリンダ圧PW/C は保持さ
れ、これにより、減速度αはα2 に維持される。
【0035】その後、時刻t5 において、マスタシリン
ダ圧PM/C が上昇を開始している。マスタシリンダ圧P
M/C が上昇すると、運転者がブレーキペダル10を踏み
増ししている、すなわち、運転者が更に大きな減速度を
所望していると判断される。この場合、タイヤの発生し
得る制動力に増加の余地があることを条件に、目標減速
度α0 が増加される。目標減速度α0 が増加されると、
これに応じてα2 も増加される。このため、時刻t5 以
降、再びホイルシリンダ圧PW/C が増圧されることによ
り、減速度αはα2 に追従するように増加される。
ダ圧PM/C が上昇を開始している。マスタシリンダ圧P
M/C が上昇すると、運転者がブレーキペダル10を踏み
増ししている、すなわち、運転者が更に大きな減速度を
所望していると判断される。この場合、タイヤの発生し
得る制動力に増加の余地があることを条件に、目標減速
度α0 が増加される。目標減速度α0 が増加されると、
これに応じてα2 も増加される。このため、時刻t5 以
降、再びホイルシリンダ圧PW/C が増圧されることによ
り、減速度αはα2 に追従するように増加される。
【0036】時刻t6 において、マスタシリンダ圧P
M/C の上昇が終わると、運転者はこれ以上減速度を増加
させることを所望していないと判断される。このため、
時刻t 6 以降、目標減速度α0 は一定に保持され、時刻
t7 において減速度αがα2 に達すると、以後、再びホ
イルシリンダ圧PW/C は保持される。上述の如く、本実
施例においては、BA制御が開始されると、加速度αが
目標減速度α0 に向けて増加するように、ホイルシリン
ダ圧PW/C が増圧される。この場合、BA制御の開始直
後にはホイルシリンダ圧PW/C は比較的大きな勾配で増
圧され、減速度αが目標加速度α0 に近づくとその増圧
勾配が減少されることにより、加速度αを速やかに増加
させ、かつ、目標加速度α0 に到達する際の加速度αの
増加勾配を抑制することが可能となっている。従って、
本実施例の液圧ブレーキ装置によれば、乗員に対して、
減速度αの変化率が急変することに伴う違和感を与える
ことなく、緊急ブレーキ操作が行なわれた後、速やかに
目標減速度α0 を達成することができる。
M/C の上昇が終わると、運転者はこれ以上減速度を増加
させることを所望していないと判断される。このため、
時刻t 6 以降、目標減速度α0 は一定に保持され、時刻
t7 において減速度αがα2 に達すると、以後、再びホ
イルシリンダ圧PW/C は保持される。上述の如く、本実
施例においては、BA制御が開始されると、加速度αが
目標減速度α0 に向けて増加するように、ホイルシリン
ダ圧PW/C が増圧される。この場合、BA制御の開始直
後にはホイルシリンダ圧PW/C は比較的大きな勾配で増
圧され、減速度αが目標加速度α0 に近づくとその増圧
勾配が減少されることにより、加速度αを速やかに増加
させ、かつ、目標加速度α0 に到達する際の加速度αの
増加勾配を抑制することが可能となっている。従って、
本実施例の液圧ブレーキ装置によれば、乗員に対して、
減速度αの変化率が急変することに伴う違和感を与える
ことなく、緊急ブレーキ操作が行なわれた後、速やかに
目標減速度α0 を達成することができる。
【0037】また、本実施例において、BA制御の実行
中に、運転者がブレーキペダル10を踏み増した場合に
は、目標減速度α0 が増加される。従って、本実施例に
よれば、BA制御の実行中において、運転者がより大き
な減速度を所望している場合には、その意図に応じて減
速度を増加させることができる。このように、本実施例
の液圧ブレーキ装置によれば、BA制御の実行中におい
ても、運転者の意図を反映した減速度を実現することが
できる。
中に、運転者がブレーキペダル10を踏み増した場合に
は、目標減速度α0 が増加される。従って、本実施例に
よれば、BA制御の実行中において、運転者がより大き
な減速度を所望している場合には、その意図に応じて減
速度を増加させることができる。このように、本実施例
の液圧ブレーキ装置によれば、BA制御の実行中におい
ても、運転者の意図を反映した減速度を実現することが
できる。
【0038】本実施例の液圧ブレーキ装置の上記機能は
ECUが所定のルーチンを実行することにより実現され
る。以下、図3を参照して、ECUが上記機能を実現す
べく実行する処理の内容を説明する。図3は、ECUが
実行するルーチンのフローチャートである。図3に示す
ルーチンは、BA制御を開始すべき条件(以下、BA開
始条件と称す)が成立するまで所定の時間間隔で繰り返
し実行される。
ECUが所定のルーチンを実行することにより実現され
る。以下、図3を参照して、ECUが上記機能を実現す
べく実行する処理の内容を説明する。図3は、ECUが
実行するルーチンのフローチャートである。図3に示す
ルーチンは、BA制御を開始すべき条件(以下、BA開
始条件と称す)が成立するまで所定の時間間隔で繰り返
し実行される。
【0039】図3に示すルーチンが起動されると、ま
ず、ステップ98の処理が実行される。ステップ98で
は、BA開始条件が成立するか否か、すなわち、緊急ブ
レーキ操作が行なわれたか否かが判別される。ステップ
98において、BA開始条件が不成立ならば、以後、何
ら処理が実行されることなく今回のルーチンは終了され
る。一方、ステップ98においてBA開始条件が成立す
るならば、以後、ステップ100以降においてBA制御
を実行するための処理が行なわれる。
ず、ステップ98の処理が実行される。ステップ98で
は、BA開始条件が成立するか否か、すなわち、緊急ブ
レーキ操作が行なわれたか否かが判別される。ステップ
98において、BA開始条件が不成立ならば、以後、何
ら処理が実行されることなく今回のルーチンは終了され
る。一方、ステップ98においてBA開始条件が成立す
るならば、以後、ステップ100以降においてBA制御
を実行するための処理が行なわれる。
【0040】ステップ100では、α/α0 >aが成立
するか否か、すなわち、α>α1 が成立する否かが判別
される。その結果、α/α0 >aが不成立ならば、減速
度αは未だ目標減速度α0 に対して十分な大きさに達し
ていないと判断されて、次に、ステップ102の処理が
実行される。ステップ102では、上記BA状態を形成
するための処理、すなわち、ポンプ64を運転状態と
し、電磁弁24をオン状態とするための処理が実行され
る。ステップ102の処理が終了されると、次にステッ
プ104において、BA制御を終了すべき条件(以下、
BA終了条件と称す)が成立するか否かが判別される。
かかる判別は、例えば、マスタシリンダ圧PM/C が所定
値以下に低下したか否かに基づいて行なうことができ
る。ステップ104において、BA終了条件が成立する
ならば、次にステップ106において、BA制御を終了
させるための処理、すなわち、ポンプ64を停止状態と
し、電磁弁24をオフ状態とするための処理が実行され
た後、本ルーチンは終了される。一方、ステップ104
においてBA終了条件が不成立ならば、再びステップ1
00の処理が実行される。従って、ステップ100にお
いてα/α0 >aが成立するまでは、BA終了条件が成
立しない限り、BA状態が維持されることによりホイル
シリンダ圧PW/C は比較的大きな勾配で増圧される。一
方、ステップ100において、α/α0 >aが成立する
場合には、減速度αが目標減速度α0 に近づいてきたと
判断されて、次にステップ108の処理が実行される。
するか否か、すなわち、α>α1 が成立する否かが判別
される。その結果、α/α0 >aが不成立ならば、減速
度αは未だ目標減速度α0 に対して十分な大きさに達し
ていないと判断されて、次に、ステップ102の処理が
実行される。ステップ102では、上記BA状態を形成
するための処理、すなわち、ポンプ64を運転状態と
し、電磁弁24をオン状態とするための処理が実行され
る。ステップ102の処理が終了されると、次にステッ
プ104において、BA制御を終了すべき条件(以下、
BA終了条件と称す)が成立するか否かが判別される。
かかる判別は、例えば、マスタシリンダ圧PM/C が所定
値以下に低下したか否かに基づいて行なうことができ
る。ステップ104において、BA終了条件が成立する
ならば、次にステップ106において、BA制御を終了
させるための処理、すなわち、ポンプ64を停止状態と
し、電磁弁24をオフ状態とするための処理が実行され
た後、本ルーチンは終了される。一方、ステップ104
においてBA終了条件が不成立ならば、再びステップ1
00の処理が実行される。従って、ステップ100にお
いてα/α0 >aが成立するまでは、BA終了条件が成
立しない限り、BA状態が維持されることによりホイル
シリンダ圧PW/C は比較的大きな勾配で増圧される。一
方、ステップ100において、α/α0 >aが成立する
場合には、減速度αが目標減速度α0 に近づいてきたと
判断されて、次にステップ108の処理が実行される。
【0041】ステップ108では、マスタシリンダ圧P
M/C の時間変化率ΔPM/C (=dP M/C /dt)が所定
値βに比して小さいか否かが判別される。その結果、Δ
PM/ C <βが成立するならば、マスタシリンダ圧PM/C
は上昇していないことになる。この場合、ブレーキペダ
ル10は踏み増しされおらず、従って、運転者は制動力
の増加を望んでいない判断されて、次にステップ110
の処理が実行される。ステップ110では、ポンプモー
タ65のオン・オフ制御が開始される。ポンプモータ6
5がオン・オフ制御されることで、上述の如く、ホイル
シリンダ圧PW/ C の増圧勾配PW/C が減少される。一
方、ステップ108において、ΔPM/C <βが成立しな
い場合は、ブレーキペダル10が踏み増しされており、
従って、運転者は制動力の増加を望んでいると判断され
て、次にステップ112の処理が実行される。
M/C の時間変化率ΔPM/C (=dP M/C /dt)が所定
値βに比して小さいか否かが判別される。その結果、Δ
PM/ C <βが成立するならば、マスタシリンダ圧PM/C
は上昇していないことになる。この場合、ブレーキペダ
ル10は踏み増しされおらず、従って、運転者は制動力
の増加を望んでいない判断されて、次にステップ110
の処理が実行される。ステップ110では、ポンプモー
タ65のオン・オフ制御が開始される。ポンプモータ6
5がオン・オフ制御されることで、上述の如く、ホイル
シリンダ圧PW/ C の増圧勾配PW/C が減少される。一
方、ステップ108において、ΔPM/C <βが成立しな
い場合は、ブレーキペダル10が踏み増しされており、
従って、運転者は制動力の増加を望んでいると判断され
て、次にステップ112の処理が実行される。
【0042】ステップ112では、基準輪のスリップ率
sが所定値Cに比して小さいか否かが判別される。ここ
で、基準輪は、4つの車輪のうちの何れか1つの車輪で
あり、荷重分布等を考慮してスリップが生じやすい車輪
が基準輪として選択される。。ステップ112におい
て、s<Cが成立するならば、タイヤの発生し得る制動
力に十分な余裕があると判断されて、次に、ステップ1
14において、目標減速度α0 が所定値dだけ増加され
る。ステップ114の処理が終了されると、再び、ステ
ップ100の処理が実行される。一方、ステップ112
において、s<Cが不成立ならば、車輪が発生し得る制
動力に十分な余裕はないと判断される。この場合、次に
ステップ110の処理が実行されることで、ホイルシリ
ンダ圧PW/ C の増圧勾配が減少される。
sが所定値Cに比して小さいか否かが判別される。ここ
で、基準輪は、4つの車輪のうちの何れか1つの車輪で
あり、荷重分布等を考慮してスリップが生じやすい車輪
が基準輪として選択される。。ステップ112におい
て、s<Cが成立するならば、タイヤの発生し得る制動
力に十分な余裕があると判断されて、次に、ステップ1
14において、目標減速度α0 が所定値dだけ増加され
る。ステップ114の処理が終了されると、再び、ステ
ップ100の処理が実行される。一方、ステップ112
において、s<Cが不成立ならば、車輪が発生し得る制
動力に十分な余裕はないと判断される。この場合、次に
ステップ110の処理が実行されることで、ホイルシリ
ンダ圧PW/ C の増圧勾配が減少される。
【0043】ステップ110の処理が終了されると、次
に、ステップ116の処理が実行される。ステップ11
6では、α/α0 >bが成立するか否か、すなわち、α
>α 2 が成立するか否かが判別される。その結果、α/
α0 >bが成立するならば、減速度αはほぼ目標減速度
α0 に達したと判断されて、次に、ステップ118の処
理が実行される。ステップ118では、平衡保持モード
が形成されることにより、ホイルシリンダ圧PW/C が一
定に保持される。ステップ118の処理が終了される
と、次にステップ104の処理が実行される。一方、ス
テップ116において、α/α0 >bが不成立ならば、
減速度αは未だ目標減速度α0 に達していないと判断さ
れる。この場合、ステップ114はスキップされて、次
にステップ104の処理が実行される。
に、ステップ116の処理が実行される。ステップ11
6では、α/α0 >bが成立するか否か、すなわち、α
>α 2 が成立するか否かが判別される。その結果、α/
α0 >bが成立するならば、減速度αはほぼ目標減速度
α0 に達したと判断されて、次に、ステップ118の処
理が実行される。ステップ118では、平衡保持モード
が形成されることにより、ホイルシリンダ圧PW/C が一
定に保持される。ステップ118の処理が終了される
と、次にステップ104の処理が実行される。一方、ス
テップ116において、α/α0 >bが不成立ならば、
減速度αは未だ目標減速度α0 に達していないと判断さ
れる。この場合、ステップ114はスキップされて、次
にステップ104の処理が実行される。
【0044】ステップ104では、上述の如く、BA終
了条件が成立するか否かが判別される。その結果、BA
終了条件が成立するならば、次にステップ106におい
てBA制御を終了させるための処理が実行された後、本
ルーチンは終了される。一方、ステップ104におい
て、BA終了条件が不成立ならば、再びステップ100
の処理が実行される。
了条件が成立するか否かが判別される。その結果、BA
終了条件が成立するならば、次にステップ106におい
てBA制御を終了させるための処理が実行された後、本
ルーチンは終了される。一方、ステップ104におい
て、BA終了条件が不成立ならば、再びステップ100
の処理が実行される。
【0045】上述の如く、図3に示すルーチンによれ
ば、BA開始条件の成立後、BA終了条件が成立するま
で、車両の減速度αを目標減速度α0 に一致するように
制御することができると共に、ブレーキペダル10が踏
み増しされた場合には、目標加速度α0 を増加させるこ
とで、運転者の意図に応じて減速度αを変化させること
ができる。
ば、BA開始条件の成立後、BA終了条件が成立するま
で、車両の減速度αを目標減速度α0 に一致するように
制御することができると共に、ブレーキペダル10が踏
み増しされた場合には、目標加速度α0 を増加させるこ
とで、運転者の意図に応じて減速度αを変化させること
ができる。
【0046】なお、上記実施例においては、BA制御の
実行中において、ブレーキペダル10が踏み増しされた
場合に、目標減速度α0 を増加することとしたが、本発
明はこれに限定されるものではなく、ブレーキペダル1
0が踏み増しされた場合に、目標減速度α0 を増加させ
ると共に、ブレーキペダル10の戻し操作が行なわれた
場合には、目標減速度α0 を減少させることとしてもよ
い。
実行中において、ブレーキペダル10が踏み増しされた
場合に、目標減速度α0 を増加することとしたが、本発
明はこれに限定されるものではなく、ブレーキペダル1
0が踏み増しされた場合に、目標減速度α0 を増加させ
ると共に、ブレーキペダル10の戻し操作が行なわれた
場合には、目標減速度α0 を減少させることとしてもよ
い。
【0047】また、上記実施例においては、マスタシリ
ンダ圧PM/C に基づいてブレーキペダル10が踏み増し
されているか否かを判別することとしたが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、ブレーキペダル10に付
与されるペダル踏力を検出する踏力センサを設け、その
出力信号に基づいて同様の判別を行なうこととしてもよ
い。
ンダ圧PM/C に基づいてブレーキペダル10が踏み増し
されているか否かを判別することとしたが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、ブレーキペダル10に付
与されるペダル踏力を検出する踏力センサを設け、その
出力信号に基づいて同様の判別を行なうこととしてもよ
い。
【0048】なお、上記実施例においては、ECUが図
3に示すルーチンのステップ98〜106、110、1
16、及び118の処理を実行することにより上記した
液圧制御手段が、ステップ108及び114の処理を実
行することにより上記した目標減速度変更手段が、それ
ぞれ実現されている。
3に示すルーチンのステップ98〜106、110、1
16、及び118の処理を実行することにより上記した
液圧制御手段が、ステップ108及び114の処理を実
行することにより上記した目標減速度変更手段が、それ
ぞれ実現されている。
【0049】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、緊急ブレ
ーキ操作が行なわれた場合に、ブレーキペダルの操作量
に応じて目標減速度を変化させることができる。従っ
て、本発明に係る液圧ブレーキ装置によれば、緊急ブレ
ーキ操作時において、運転者の意図を反映した減速度を
実現することができる。
ーキ操作が行なわれた場合に、ブレーキペダルの操作量
に応じて目標減速度を変化させることができる。従っ
て、本発明に係る液圧ブレーキ装置によれば、緊急ブレ
ーキ操作時において、運転者の意図を反映した減速度を
実現することができる。
【図1】本発明の一実施例である液圧ブレーキ装置のシ
ステム構成図である。
ステム構成図である。
【図2】本実施例の液圧ブレーキ装置により実現される
マスタシリンダ圧PM/C 、ホイルシリンダ圧PW/C 、及
び、車両の加速度αの時間変化を例示する図である。
マスタシリンダ圧PM/C 、ホイルシリンダ圧PW/C 、及
び、車両の加速度αの時間変化を例示する図である。
【図3】本実施例においてECUが実行するルーチンの
フローチャートである。
フローチャートである。
10 ブレーキペダル 16 マスタシリンダ 52、54 ホイルシリンダ 64 ポンプ
Claims (1)
- 【請求項1】 通常時は、ブレーキ踏力に応じたブレー
キ液圧を発生させ、緊急ブレーキ操作が行なわれた場合
は、所定の目標減速度が実現されるようにブレーキ液圧
を制御する液圧制御手段と、 緊急ブレーキ操作が行なわれた後のブレーキペダルの操
作量に応じて前記所定の目標減速度を変更する目標減速
度変更手段と、を備えることを特徴とする液圧ブレーキ
装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14040197A JPH10329675A (ja) | 1997-05-29 | 1997-05-29 | 液圧ブレーキ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14040197A JPH10329675A (ja) | 1997-05-29 | 1997-05-29 | 液圧ブレーキ装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10329675A true JPH10329675A (ja) | 1998-12-15 |
Family
ID=15267926
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14040197A Pending JPH10329675A (ja) | 1997-05-29 | 1997-05-29 | 液圧ブレーキ装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10329675A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001010467A (ja) * | 1999-06-25 | 2001-01-16 | Honda Motor Co Ltd | 車両用ブレーキ制御装置 |
| JP2005247092A (ja) * | 2004-03-03 | 2005-09-15 | Toyota Motor Corp | 車両用ブレーキ装置 |
| JP2010111176A (ja) * | 2008-11-04 | 2010-05-20 | Toyota Motor Corp | ブレーキ制御装置 |
| US7722133B2 (en) | 2007-03-30 | 2010-05-25 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Hydraulic brake system |
| CN108394389A (zh) * | 2018-03-13 | 2018-08-14 | 安徽诺电动科技有限公司 | 一种电动观光车自动紧急制动执行装置 |
-
1997
- 1997-05-29 JP JP14040197A patent/JPH10329675A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001010467A (ja) * | 1999-06-25 | 2001-01-16 | Honda Motor Co Ltd | 車両用ブレーキ制御装置 |
| JP2005247092A (ja) * | 2004-03-03 | 2005-09-15 | Toyota Motor Corp | 車両用ブレーキ装置 |
| US7722133B2 (en) | 2007-03-30 | 2010-05-25 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Hydraulic brake system |
| JP2010111176A (ja) * | 2008-11-04 | 2010-05-20 | Toyota Motor Corp | ブレーキ制御装置 |
| CN108394389A (zh) * | 2018-03-13 | 2018-08-14 | 安徽诺电动科技有限公司 | 一种电动观光车自动紧急制动执行装置 |
| CN108394389B (zh) * | 2018-03-13 | 2023-08-04 | 安徽一诺电动科技有限公司 | 一种电动观光车自动紧急制动执行装置 |
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