JPH10319971A - 能動型騒音制御装置及び能動型振動制御装置 - Google Patents
能動型騒音制御装置及び能動型振動制御装置Info
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- JPH10319971A JPH10319971A JP12585597A JP12585597A JPH10319971A JP H10319971 A JPH10319971 A JP H10319971A JP 12585597 A JP12585597 A JP 12585597A JP 12585597 A JP12585597 A JP 12585597A JP H10319971 A JPH10319971 A JP H10319971A
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- Japan
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- temperature
- control
- noise
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Abstract
(57)【要約】
【課題】温度環境の変化に伴う伝達特性の変化によっ
て、振動低減制御が発散することを回避する。 【解決手段】初期状態における振動伝達特性に基づいて
設定されたフィルタ係数Wi の更新式に基づいて、初期
状態とは異なる温度環境下で振動低減制御が実行された
ときに、この制御を安定させることの可能な、前記更新
式に含まれる収束係数α及び発散抑制係数βの値を、予
め所定の温度範囲毎にそれぞれ検出しておく。そして、
能動型エンジンマウント1の電磁アクチュエータ10に
設けた温度センサ28の温度検出値tに応じて、この温
度検出値tが含まれる温度範囲に対応する収束係数α及
び発散抑制係数βを特定し、この特定した係数値に基づ
くフィルタ係数Wi の更新式に基づいて振動低減制御を
行う。これにより、温度環境の変化によって振動伝達特
性が変化し、精度の低い伝達特性に基づいて振動低減制
御が行われた場合でも、制御が発散に至る可能性が低減
される。
て、振動低減制御が発散することを回避する。 【解決手段】初期状態における振動伝達特性に基づいて
設定されたフィルタ係数Wi の更新式に基づいて、初期
状態とは異なる温度環境下で振動低減制御が実行された
ときに、この制御を安定させることの可能な、前記更新
式に含まれる収束係数α及び発散抑制係数βの値を、予
め所定の温度範囲毎にそれぞれ検出しておく。そして、
能動型エンジンマウント1の電磁アクチュエータ10に
設けた温度センサ28の温度検出値tに応じて、この温
度検出値tが含まれる温度範囲に対応する収束係数α及
び発散抑制係数βを特定し、この特定した係数値に基づ
くフィルタ係数Wi の更新式に基づいて振動低減制御を
行う。これにより、温度環境の変化によって振動伝達特
性が変化し、精度の低い伝達特性に基づいて振動低減制
御が行われた場合でも、制御が発散に至る可能性が低減
される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、適応アルゴリズ
ムにしたがってフィルタ係数が更新される適応ディジタ
ルフィルタを用いて騒音又は振動の低減制御を実行する
ようになっている能動型騒音制御装置及び能動型振動制
御装置に関し、特に、温度変化に伴う、騒音源又は振動
源から発せられた騒音又は振動の伝達系の特性変化に対
して、適切に対処することができるようにしたものであ
る。
ムにしたがってフィルタ係数が更新される適応ディジタ
ルフィルタを用いて騒音又は振動の低減制御を実行する
ようになっている能動型騒音制御装置及び能動型振動制
御装置に関し、特に、温度変化に伴う、騒音源又は振動
源から発せられた騒音又は振動の伝達系の特性変化に対
して、適切に対処することができるようにしたものであ
る。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の技術としては、本出願人
が先に提案した特開平5−61483号公報に開示され
たものがある。
が先に提案した特開平5−61483号公報に開示され
たものがある。
【0003】すなわち、かかる公報記載の従来技術は、
LMSアルゴリズム等の適応アルゴリズムを利用した能
動型騒音制御装置に関するものであり、より具体的に
は、適応アルゴリズムにおける評価関数として、低減対
象の騒音及び制御音の干渉結果である残留騒音信号の自
乗値と、制御音を発するラウドスピーカへの駆動信号の
自乗値との和を用いた能動型騒音制御装置に関するもの
である。
LMSアルゴリズム等の適応アルゴリズムを利用した能
動型騒音制御装置に関するものであり、より具体的に
は、適応アルゴリズムにおける評価関数として、低減対
象の騒音及び制御音の干渉結果である残留騒音信号の自
乗値と、制御音を発するラウドスピーカへの駆動信号の
自乗値との和を用いた能動型騒音制御装置に関するもの
である。
【0004】そして、上記公報に記載された従来の能動
型騒音制御装置にあっては、評価関数に含まれる駆動信
号の自乗値に掛けられる係数(上記公報内では、努力係
数と称している。)を、制御の発散が進行するに従っ
て、発散を抑制する方向(フィルタ係数を小さくする方
向)に変更するようになっており、これにより、音響伝
達関数が変化したような場合でも制御の発散を有効に抑
制できるから、制御が本格的な発散に至ることを回避で
きて、例えば車両に適用した場合には乗員等に不快感を
与えないで済む、というものであった。
型騒音制御装置にあっては、評価関数に含まれる駆動信
号の自乗値に掛けられる係数(上記公報内では、努力係
数と称している。)を、制御の発散が進行するに従っ
て、発散を抑制する方向(フィルタ係数を小さくする方
向)に変更するようになっており、これにより、音響伝
達関数が変化したような場合でも制御の発散を有効に抑
制できるから、制御が本格的な発散に至ることを回避で
きて、例えば車両に適用した場合には乗員等に不快感を
与えないで済む、というものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】確かに、上述したよう
な先行技術によれば、上記のような発散抑制効果を得る
ことができるが、発散傾向が強くなるにしたがって発散
を抑制するために係数を変更する構成であるため、乗員
等に与える不快感を低減することはできても、発散しや
すい状況を事前に察知して発散をより確実に防止すると
いうものではないから、さらなる改良が望まれていた。
な先行技術によれば、上記のような発散抑制効果を得る
ことができるが、発散傾向が強くなるにしたがって発散
を抑制するために係数を変更する構成であるため、乗員
等に与える不快感を低減することはできても、発散しや
すい状況を事前に察知して発散をより確実に防止すると
いうものではないから、さらなる改良が望まれていた。
【0006】また、制御が発散しているか否かの判定の
一手法として、適応ディジタルフィルタのフィルタ係数
が所定のしきい値を越えた場合に発散が発生したと判断
する方法が考えられるが、発散を判定するために予め設
定されるしきい値は、騒音伝達系が初期状態における環
境下でのしきい値が設定されることになるから、例えば
温度環境等が変化した場合には、温度変化に応じて騒音
伝達系の伝達特性も変化することから、実情に合わない
しきい値となってしまい、発散しているか否かを正確に
判断することができなくなる。このため、騒音伝達系の
伝達特性が変化してしまった結果、発散を誤検出する可
能性や、発散を見逃してしまう可能性が大きくなってし
まう。
一手法として、適応ディジタルフィルタのフィルタ係数
が所定のしきい値を越えた場合に発散が発生したと判断
する方法が考えられるが、発散を判定するために予め設
定されるしきい値は、騒音伝達系が初期状態における環
境下でのしきい値が設定されることになるから、例えば
温度環境等が変化した場合には、温度変化に応じて騒音
伝達系の伝達特性も変化することから、実情に合わない
しきい値となってしまい、発散しているか否かを正確に
判断することができなくなる。このため、騒音伝達系の
伝達特性が変化してしまった結果、発散を誤検出する可
能性や、発散を見逃してしまう可能性が大きくなってし
まう。
【0007】上記のような問題点は、能動型騒音制御装
置に限られたものではなく、同様に適応アルゴリズムを
用いて振動低減制御を実行する能動型振動制御装置にも
当てはまるものであり、特に、振動伝達系にゴム等の温
度変化に応じてその振動伝達特性が大きく変化するよう
なものが含まれている場合には、温度によってはその伝
達特性が大きく変わることから、発散を誤検出する可能
性や発散を見逃してしまう可能性がより大きい。
置に限られたものではなく、同様に適応アルゴリズムを
用いて振動低減制御を実行する能動型振動制御装置にも
当てはまるものであり、特に、振動伝達系にゴム等の温
度変化に応じてその振動伝達特性が大きく変化するよう
なものが含まれている場合には、温度によってはその伝
達特性が大きく変わることから、発散を誤検出する可能
性や発散を見逃してしまう可能性がより大きい。
【0008】そこで、この発明は、上記従来の未解決の
問題に着目してなされたものであり、温度変化に伴う伝
達系の伝達特性の変化によって、制御が発散に至ること
を回避することの可能な能動型騒音制御装置及び能動型
振動制御装置を提供することを目的としている。
問題に着目してなされたものであり、温度変化に伴う伝
達系の伝達特性の変化によって、制御が発散に至ること
を回避することの可能な能動型騒音制御装置及び能動型
振動制御装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る能動型騒音制御装置は、騒音源から
発せられる騒音と干渉する制御音を発生可能な制御音源
と、前記騒音の発生状態を表す基準信号を生成し出力す
る基準信号生成手段と、前記干渉後の騒音を検出し残留
騒音信号として出力する残留騒音検出手段と、フィルタ
係数可変の適応ディジタルフィルタと、前記基準信号を
前記適応ディジタルフィルタでフィルタ処理して前記制
御音源を駆動する駆動信号を生成する駆動信号生成手段
と、前記基準信号及び前記残留騒音信号に基づき前記制
御音源及び前記残留騒音検出手段間の騒音の伝達系の伝
達特性に応じた更新式にしたがって、前記ディジタルフ
ィルタのフィルタ係数を更新するフィルタ係数更新手段
と、を備えた能動型騒音制御装置において、前記伝達系
の温度を検出する温度検出手段と、当該温度検出手段で
検出した検出温度に応じて前記更新式を補正する補正手
段と、を備えることを特徴としている。
に、請求項1に係る能動型騒音制御装置は、騒音源から
発せられる騒音と干渉する制御音を発生可能な制御音源
と、前記騒音の発生状態を表す基準信号を生成し出力す
る基準信号生成手段と、前記干渉後の騒音を検出し残留
騒音信号として出力する残留騒音検出手段と、フィルタ
係数可変の適応ディジタルフィルタと、前記基準信号を
前記適応ディジタルフィルタでフィルタ処理して前記制
御音源を駆動する駆動信号を生成する駆動信号生成手段
と、前記基準信号及び前記残留騒音信号に基づき前記制
御音源及び前記残留騒音検出手段間の騒音の伝達系の伝
達特性に応じた更新式にしたがって、前記ディジタルフ
ィルタのフィルタ係数を更新するフィルタ係数更新手段
と、を備えた能動型騒音制御装置において、前記伝達系
の温度を検出する温度検出手段と、当該温度検出手段で
検出した検出温度に応じて前記更新式を補正する補正手
段と、を備えることを特徴としている。
【0010】この発明によれば、騒音の発生状態を表す
基準信号を適応ディジタルフィルタでフィルタ処理した
駆動信号により制御音源が駆動され、これによって制御
音源から発生された制御音と騒音源から発せられる騒音
とが干渉し、騒音が低減される。前記適応デジタルフィ
ルタのフィルタ係数は、制御音源と残留騒音検出手段と
の間の伝達系の伝達特性に応じた更新式にしたがって、
干渉後の騒音を検出した残留騒音信号と基準信号とに基
づいてフィルタ係数更新手段によって更新される。
基準信号を適応ディジタルフィルタでフィルタ処理した
駆動信号により制御音源が駆動され、これによって制御
音源から発生された制御音と騒音源から発せられる騒音
とが干渉し、騒音が低減される。前記適応デジタルフィ
ルタのフィルタ係数は、制御音源と残留騒音検出手段と
の間の伝達系の伝達特性に応じた更新式にしたがって、
干渉後の騒音を検出した残留騒音信号と基準信号とに基
づいてフィルタ係数更新手段によって更新される。
【0011】このとき、温度検出手段によって伝達系の
温度が検出され、この検出温度に応じて、フィルタ係数
を更新するための更新式が補正される。よって、温度環
境の変化等によって伝達系に温度変化が生じると、温度
変化に伴って伝達系の騒音の伝達特性が変化するから、
実際の伝達特性とは異なった伝達特性に基づく更新式に
基づいて騒音低減制御が行われることになり、伝達特性
の精度が低下する。そのため制御が不安定となって発散
に至る可能性が高くなるが、温度検出手段の検出温度に
応じて、フィルタ係数更新手段の更新式が補正されるか
ら、例えば伝達特性の変化に応じて制御をより安定化さ
せる方向に更新式を補正するようにすれば、温度変化に
伴う伝達特性の変化による制御の発散に至る可能性が低
減される。
温度が検出され、この検出温度に応じて、フィルタ係数
を更新するための更新式が補正される。よって、温度環
境の変化等によって伝達系に温度変化が生じると、温度
変化に伴って伝達系の騒音の伝達特性が変化するから、
実際の伝達特性とは異なった伝達特性に基づく更新式に
基づいて騒音低減制御が行われることになり、伝達特性
の精度が低下する。そのため制御が不安定となって発散
に至る可能性が高くなるが、温度検出手段の検出温度に
応じて、フィルタ係数更新手段の更新式が補正されるか
ら、例えば伝達特性の変化に応じて制御をより安定化さ
せる方向に更新式を補正するようにすれば、温度変化に
伴う伝達特性の変化による制御の発散に至る可能性が低
減される。
【0012】また、本発明の請求項2に係る能動型騒音
制御装置は、前記更新式は、前記駆動信号が大きくなる
につれて前記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数を
小さくするように作用する発散抑制項を含む更新式であ
って、前記補正手段は、前記更新式の前記発散抑制項の
影響度合い及び前記適応ディジタルフィルタのフィルタ
係数の更新速度に影響を与える収束係数のうちの少なく
とも何れか一方を補正するようになっていることを特徴
としている。
制御装置は、前記更新式は、前記駆動信号が大きくなる
につれて前記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数を
小さくするように作用する発散抑制項を含む更新式であ
って、前記補正手段は、前記更新式の前記発散抑制項の
影響度合い及び前記適応ディジタルフィルタのフィルタ
係数の更新速度に影響を与える収束係数のうちの少なく
とも何れか一方を補正するようになっていることを特徴
としている。
【0013】この発明によれば、フィルタ係数更新手段
では、駆動信号が大きくなるにしたがって適応ディジタ
ルフィルタのフィルタ係数を小さくするように作用する
発散抑制項を含む更新式を用いて、フィルタ係数を更新
するようになっている。そして、温度検出手段の検出値
に応じて、補正手段が、更新式の発散抑制項の影響度合
いを更新するか、適応ディジタルフィルタのフィルタ係
数の更新速度に影響を与える収束係数を更新するか、の
少なくとも何れか一方の対処を行うことにより、更新式
が補正される。
では、駆動信号が大きくなるにしたがって適応ディジタ
ルフィルタのフィルタ係数を小さくするように作用する
発散抑制項を含む更新式を用いて、フィルタ係数を更新
するようになっている。そして、温度検出手段の検出値
に応じて、補正手段が、更新式の発散抑制項の影響度合
いを更新するか、適応ディジタルフィルタのフィルタ係
数の更新速度に影響を与える収束係数を更新するか、の
少なくとも何れか一方の対処を行うことにより、更新式
が補正される。
【0014】よって、温度変化に応じて伝達系の伝達特
性が変化した場合でも、この温度変化に応じて、収束係
数及び発散抑制項のうちの少なくとも何れかが補正され
るから、これらを、制御がより安定する方向に補正する
ことにより、制御が発散に至る可能性が低減される。
性が変化した場合でも、この温度変化に応じて、収束係
数及び発散抑制項のうちの少なくとも何れかが補正され
るから、これらを、制御がより安定する方向に補正する
ことにより、制御が発散に至る可能性が低減される。
【0015】また、本発明の請求項3に係る能動型騒音
制御装置は、騒音源から発せられる騒音と干渉する制御
音を発生可能な制御音源と、前記騒音の発生状態を表す
基準信号を生成し出力する基準信号生成手段と、前記干
渉後の騒音を検出し残留騒音信号として出力する残留騒
音検出手段と、フィルタ係数可変の適応ディジタルフィ
ルタと、前記基準信号を前記適応ディジタルフィルタで
フィルタ処理して前記制御音源を駆動する駆動信号を生
成する駆動信号生成手段と、前記基準信号及び前記残留
騒音信号に基づき前記制御音源及び前記残留騒音検出手
段間の騒音の伝達系の伝達特性に応じた制御アルゴリズ
ムに従って、前記ディジタルフィルタのフィルタ係数を
更新するフィルタ係数更新手段と、前記適応ディジタル
フィルタのフィルタ係数と所定のしきい値とを比較する
ことにより制御が発散したことを検出する発散検出手段
と、を備えた能動型騒音制御装置において、前記伝達系
の温度を検出する温度検出手段と、当該温度検出手段で
検出した検出温度に応じて前記しきい値を変更するしき
い値変更手段と、を備えることを特徴としている。
制御装置は、騒音源から発せられる騒音と干渉する制御
音を発生可能な制御音源と、前記騒音の発生状態を表す
基準信号を生成し出力する基準信号生成手段と、前記干
渉後の騒音を検出し残留騒音信号として出力する残留騒
音検出手段と、フィルタ係数可変の適応ディジタルフィ
ルタと、前記基準信号を前記適応ディジタルフィルタで
フィルタ処理して前記制御音源を駆動する駆動信号を生
成する駆動信号生成手段と、前記基準信号及び前記残留
騒音信号に基づき前記制御音源及び前記残留騒音検出手
段間の騒音の伝達系の伝達特性に応じた制御アルゴリズ
ムに従って、前記ディジタルフィルタのフィルタ係数を
更新するフィルタ係数更新手段と、前記適応ディジタル
フィルタのフィルタ係数と所定のしきい値とを比較する
ことにより制御が発散したことを検出する発散検出手段
と、を備えた能動型騒音制御装置において、前記伝達系
の温度を検出する温度検出手段と、当該温度検出手段で
検出した検出温度に応じて前記しきい値を変更するしき
い値変更手段と、を備えることを特徴としている。
【0016】この発明によれば、騒音の発生状態を表す
基準信号を適応ディジタルフィルタでフィルタ処理した
駆動信号により制御音源が駆動され、これによって制御
音源から発生された制御音と騒音源から発せられる騒音
とが干渉し、騒音が低減される。前記適応デジタルフィ
ルタのフィルタ係数は、制御音源と残留騒音検出手段と
の間の伝達系の伝達特性に応じた更新式にしたがって、
干渉後の騒音を検出した残留騒音信号と基準信号とに基
づいてフィルタ係数更新手段によって更新される。ま
た、フィルタ係数と、例えば予め設定した値等の所定の
しきい値とを比較する事などによって、発散検出手段に
よって制御が発散したか否かが検出される。さらに、前
記発散検出手段のしきい値は、温度検出手段によって検
出された伝達系の温度に応じて変更される。
基準信号を適応ディジタルフィルタでフィルタ処理した
駆動信号により制御音源が駆動され、これによって制御
音源から発生された制御音と騒音源から発せられる騒音
とが干渉し、騒音が低減される。前記適応デジタルフィ
ルタのフィルタ係数は、制御音源と残留騒音検出手段と
の間の伝達系の伝達特性に応じた更新式にしたがって、
干渉後の騒音を検出した残留騒音信号と基準信号とに基
づいてフィルタ係数更新手段によって更新される。ま
た、フィルタ係数と、例えば予め設定した値等の所定の
しきい値とを比較する事などによって、発散検出手段に
よって制御が発散したか否かが検出される。さらに、前
記発散検出手段のしきい値は、温度検出手段によって検
出された伝達系の温度に応じて変更される。
【0017】よって、例えば温度環境の変化等によって
伝達系に温度変化が生じた場合、これに伴って伝達系の
騒音伝達特性が変化し、これに応じて、更新式にしたが
って設定されるフィルタ係数値が変化して、フィルタ係
数が適切な値であるとしてみなすことの可能な範囲が変
化する。よって、このフィルタ係数が適切な値であるか
どうかの判断基準である所定のしきい値とフィルタ係数
値とを比較した場合、フィルタ係数値のとり得る範囲が
変化することから、発散検出手段では、誤って制御が発
散していると判断したり、或いは実際には発散している
のに発散していないとして判断することがある。
伝達系に温度変化が生じた場合、これに伴って伝達系の
騒音伝達特性が変化し、これに応じて、更新式にしたが
って設定されるフィルタ係数値が変化して、フィルタ係
数が適切な値であるとしてみなすことの可能な範囲が変
化する。よって、このフィルタ係数が適切な値であるか
どうかの判断基準である所定のしきい値とフィルタ係数
値とを比較した場合、フィルタ係数値のとり得る範囲が
変化することから、発散検出手段では、誤って制御が発
散していると判断したり、或いは実際には発散している
のに発散していないとして判断することがある。
【0018】しかしながら、しきい値変更手段によっ
て、温度変化に応じてしきい値を変更することによっ
て、各温度における、フィルタ係数がとり得る値に応じ
たしきい値を設定するようにすれば、発散検出手段によ
る発散の検出精度が低下されないですむようになる。
て、温度変化に応じてしきい値を変更することによっ
て、各温度における、フィルタ係数がとり得る値に応じ
たしきい値を設定するようにすれば、発散検出手段によ
る発散の検出精度が低下されないですむようになる。
【0019】また、本発明の請求項4に係る能動型騒音
制御装置は、前記しきい値変更手段は、前記温度検出手
段の検出温度が低下するほど、前記しきい値を増加させ
るようになっていることを特徴としている。
制御装置は、前記しきい値変更手段は、前記温度検出手
段の検出温度が低下するほど、前記しきい値を増加させ
るようになっていることを特徴としている。
【0020】この発明によれば、温度検出手段の検出温
度が低下するほど、しきい値変更手段ではしきい値を増
加させるようになっている。例えば検出温度の連続的な
低下に応じて連続的にしきい値が増加されたり、或いは
検出温度の段階的な低下に応じてしきい値が段階的に増
加されるようになっている。
度が低下するほど、しきい値変更手段ではしきい値を増
加させるようになっている。例えば検出温度の連続的な
低下に応じて連続的にしきい値が増加されたり、或いは
検出温度の段階的な低下に応じてしきい値が段階的に増
加されるようになっている。
【0021】よって、例えば環境温度が変化し、伝達系
の温度が低下すると、例えば制御音源を駆動するための
例えばスピーカのバネ部分等、伝達系の一部が硬化する
から、これを補助するために、フィルタ係数がより大き
くなる。よって、検出温度が低下するほどしきい値を増
加させれば、実際には発散に至ることのないフィルタ係
数の値である場合でも検出温度の低下に伴ってフィルタ
係数の値が大きくなることによって、しきい値を越え、
これによって発散検出手段によって、制御が発散すると
して誤判断されることが回避される。
の温度が低下すると、例えば制御音源を駆動するための
例えばスピーカのバネ部分等、伝達系の一部が硬化する
から、これを補助するために、フィルタ係数がより大き
くなる。よって、検出温度が低下するほどしきい値を増
加させれば、実際には発散に至ることのないフィルタ係
数の値である場合でも検出温度の低下に伴ってフィルタ
係数の値が大きくなることによって、しきい値を越え、
これによって発散検出手段によって、制御が発散すると
して誤判断されることが回避される。
【0022】また、本発明の請求項5に係る能動型振動
制御装置は、振動源から発せられる振動と干渉する制御
振動を発生可能な制御振動源と、前記振動の発生状態を
表す基準信号を生成し出力する基準信号生成手段と、前
記干渉後の振動を検出し残留振動信号として出力する残
留振動検出手段と、フィルタ係数可変の適応ディジタル
フィルタと、前記基準信号を前記適応ディジタルフィル
タでフィルタ処理して前記制御振動源を駆動する駆動信
号を生成する駆動信号生成手段と、前記基準信号及び前
記残留振動信号に基づき前記制御振動源及び前記残留振
動検出手段間の振動の伝達系の伝達特性に応じた更新式
に従って、前記ディジタルフィルタのフィルタ係数を更
新するフィルタ係数更新手段と、を備えた能動型振動制
御装置において、前記伝達系の温度を検出する温度検出
手段と、当該温度検出手段で検出した検出温度に応じ
て、前記フィルタ係数更新手段の更新式を補正する補正
手段と、を備えることを特徴としている。
制御装置は、振動源から発せられる振動と干渉する制御
振動を発生可能な制御振動源と、前記振動の発生状態を
表す基準信号を生成し出力する基準信号生成手段と、前
記干渉後の振動を検出し残留振動信号として出力する残
留振動検出手段と、フィルタ係数可変の適応ディジタル
フィルタと、前記基準信号を前記適応ディジタルフィル
タでフィルタ処理して前記制御振動源を駆動する駆動信
号を生成する駆動信号生成手段と、前記基準信号及び前
記残留振動信号に基づき前記制御振動源及び前記残留振
動検出手段間の振動の伝達系の伝達特性に応じた更新式
に従って、前記ディジタルフィルタのフィルタ係数を更
新するフィルタ係数更新手段と、を備えた能動型振動制
御装置において、前記伝達系の温度を検出する温度検出
手段と、当該温度検出手段で検出した検出温度に応じ
て、前記フィルタ係数更新手段の更新式を補正する補正
手段と、を備えることを特徴としている。
【0023】この発明によれば、振動の発生状態を表す
基準信号を適応ディジタルフィルタでフィルタ処理した
駆動信号により制御振動源が駆動され、これによって制
御振動源から発生された制御振動と振動源から発せられ
る振動とが干渉し、振動が低減される。前記適応デジタ
ルフィルタのフィルタ係数は、制御振動源と残留振動検
出手段との間の伝達系の伝達特性に応じた更新式にした
がって、干渉後の振動を検出した残留振動信号と基準信
号とに基づいて、フィルタ係数更新手段によって更新さ
れる。このとき、温度検出手段によって伝達系の温度が
検出され、この検出温度に応じて更新式が補正される。
基準信号を適応ディジタルフィルタでフィルタ処理した
駆動信号により制御振動源が駆動され、これによって制
御振動源から発生された制御振動と振動源から発せられ
る振動とが干渉し、振動が低減される。前記適応デジタ
ルフィルタのフィルタ係数は、制御振動源と残留振動検
出手段との間の伝達系の伝達特性に応じた更新式にした
がって、干渉後の振動を検出した残留振動信号と基準信
号とに基づいて、フィルタ係数更新手段によって更新さ
れる。このとき、温度検出手段によって伝達系の温度が
検出され、この検出温度に応じて更新式が補正される。
【0024】よって、温度環境の変化等によって伝達系
に温度変化が生じると、温度変化に伴って伝達系の振動
の伝達特性が変化するから、実際の伝達特性とは異なっ
た伝達特性に基づく更新式に基づいて振動低減制御が行
われることになり、伝達特性の精度が低下する。そのた
め、制御が不安定となって発散に至る可能性が高くなる
が、温度検出手段の検出温度に応じて、フィルタ係数更
新手段の更新式が補正されるから、例えば伝達特性の変
化に応じて制御をより安定化させる方向に更新式を補正
するようにすれば、温度変化に伴う伝達特性の変化によ
る制御の発散に至る可能性が低減される。
に温度変化が生じると、温度変化に伴って伝達系の振動
の伝達特性が変化するから、実際の伝達特性とは異なっ
た伝達特性に基づく更新式に基づいて振動低減制御が行
われることになり、伝達特性の精度が低下する。そのた
め、制御が不安定となって発散に至る可能性が高くなる
が、温度検出手段の検出温度に応じて、フィルタ係数更
新手段の更新式が補正されるから、例えば伝達特性の変
化に応じて制御をより安定化させる方向に更新式を補正
するようにすれば、温度変化に伴う伝達特性の変化によ
る制御の発散に至る可能性が低減される。
【0025】また、本発明の請求項6に係る能動型振動
制御装置は、前記更新式は、前記駆動信号が大きくなる
につれて前記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数を
小さくするように作用する発散抑制項を含む更新式であ
って、前記補正手段は、前記更新式の前記発散抑制項の
影響度合い及び前記適応ディジタルフィルタのフィルタ
係数の更新速度に影響を与える収束係数のうちの少なく
とも何れか一方を補正するようになっていることを特徴
としている。
制御装置は、前記更新式は、前記駆動信号が大きくなる
につれて前記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数を
小さくするように作用する発散抑制項を含む更新式であ
って、前記補正手段は、前記更新式の前記発散抑制項の
影響度合い及び前記適応ディジタルフィルタのフィルタ
係数の更新速度に影響を与える収束係数のうちの少なく
とも何れか一方を補正するようになっていることを特徴
としている。
【0026】この発明によれば、フィルタ係数更新手段
では、駆動信号が大きくなるにしたがって適応ディジタ
ルフィルタのフィルタ係数を小さくするように作用する
発散抑制項を含む更新式を用いて、フィルタ係数を更新
するようになっている。そして、温度検出手段の検出値
に応じて、補正手段が、更新式の発散抑制項の影響度合
いを更新するか、適応ディジタルフィルタのフィルタ係
数の更新速度に影響を与える収束係数を更新するか、の
少なくとも何れか一方の対処を行うことにより、更新式
が補正される。よって、温度変化に応じて伝達系の伝達
特性が変化した場合でも、温度変化に応じて、収束係数
及び発散抑制項のうちの少なくとも何れか一方を、制御
を安定化させる方向に補正するようにすれば、制御が発
散に至る可能性が低減される。
では、駆動信号が大きくなるにしたがって適応ディジタ
ルフィルタのフィルタ係数を小さくするように作用する
発散抑制項を含む更新式を用いて、フィルタ係数を更新
するようになっている。そして、温度検出手段の検出値
に応じて、補正手段が、更新式の発散抑制項の影響度合
いを更新するか、適応ディジタルフィルタのフィルタ係
数の更新速度に影響を与える収束係数を更新するか、の
少なくとも何れか一方の対処を行うことにより、更新式
が補正される。よって、温度変化に応じて伝達系の伝達
特性が変化した場合でも、温度変化に応じて、収束係数
及び発散抑制項のうちの少なくとも何れか一方を、制御
を安定化させる方向に補正するようにすれば、制御が発
散に至る可能性が低減される。
【0027】また、本発明の請求項7に記載の能動方振
動制御装置によれば、振動源から発せられる振動と干渉
する制御振動を発生可能な制御振動源と、前記振動の発
生状態を表す基準信号を生成し出力する基準信号生成手
段と、前記干渉後の振動を検出し残留振動信号として出
力する残留振動検出手段と、フィルタ係数可変の適応デ
ィジタルフィルタと、前記基準信号を前記適応ディジタ
ルフィルタでフィルタ処理して前記制御振動源を駆動す
る駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、前記基準信
号及び前記残留振動信号に基づき前記制御振動源及び前
記残留振動検出手段間の振動の伝達系の伝達特性に応じ
た適応アルゴリズムに従って、前記ディジタルフィルタ
のフィルタ係数を更新するフィルタ係数更新手段と、前
記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数と所定のしき
い値とを比較することにより制御が発散したことを検出
する発散検出手段と、を備えた能動型振動制御装置にお
いて、前記伝達系の温度を検出する温度検出手段と、当
該温度検出手段で検出した検出温度に応じて前記しきい
値を変更するしきい値変更手段と、を備えることを特徴
としている。
動制御装置によれば、振動源から発せられる振動と干渉
する制御振動を発生可能な制御振動源と、前記振動の発
生状態を表す基準信号を生成し出力する基準信号生成手
段と、前記干渉後の振動を検出し残留振動信号として出
力する残留振動検出手段と、フィルタ係数可変の適応デ
ィジタルフィルタと、前記基準信号を前記適応ディジタ
ルフィルタでフィルタ処理して前記制御振動源を駆動す
る駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、前記基準信
号及び前記残留振動信号に基づき前記制御振動源及び前
記残留振動検出手段間の振動の伝達系の伝達特性に応じ
た適応アルゴリズムに従って、前記ディジタルフィルタ
のフィルタ係数を更新するフィルタ係数更新手段と、前
記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数と所定のしき
い値とを比較することにより制御が発散したことを検出
する発散検出手段と、を備えた能動型振動制御装置にお
いて、前記伝達系の温度を検出する温度検出手段と、当
該温度検出手段で検出した検出温度に応じて前記しきい
値を変更するしきい値変更手段と、を備えることを特徴
としている。
【0028】この発明によれば、振動の発生状態を表す
基準信号を適応ディジタルフィルタでフィルタ処理した
駆動信号により制御振動源が駆動され、これによって制
御振動源から発生された制御振動と振動源から発せられ
る振動とが干渉し、振動が低減される。また、適応デジ
タルフィルタのフィルタ係数は、制御振動源と残留振動
検出手段との間の伝達系の伝達特性に応じた更新式にし
たがって、干渉後の振動を検出した残留振動信号と基準
信号とに基づいて、フィルタ係数更新手段によって更新
される。そして、フィルタ係数値と、例えば予め設定し
た値等、所定のしきい値とを比較する事などによって、
発散検出手段によって制御が発散したか否かが検出され
る。また、温度検出手段によって、伝達系の温度が検出
され、この検出温度に応じて、発散検出手段のしきい値
が変更される。
基準信号を適応ディジタルフィルタでフィルタ処理した
駆動信号により制御振動源が駆動され、これによって制
御振動源から発生された制御振動と振動源から発せられ
る振動とが干渉し、振動が低減される。また、適応デジ
タルフィルタのフィルタ係数は、制御振動源と残留振動
検出手段との間の伝達系の伝達特性に応じた更新式にし
たがって、干渉後の振動を検出した残留振動信号と基準
信号とに基づいて、フィルタ係数更新手段によって更新
される。そして、フィルタ係数値と、例えば予め設定し
た値等、所定のしきい値とを比較する事などによって、
発散検出手段によって制御が発散したか否かが検出され
る。また、温度検出手段によって、伝達系の温度が検出
され、この検出温度に応じて、発散検出手段のしきい値
が変更される。
【0029】よって、例えば環境温度の変化等によって
伝達系に温度変化が生じた場合、これに伴って伝達系の
振動伝達特性が変化し、これに応じてフィルタ係数が適
切な値であるとしてみなすことの可能なフィルタ係数値
の範囲が変化するため、所定のしきい値とを比較した場
合、誤って発散していると判断したり、或いは実際には
発散しているのに発散していないとして判断することが
ある。しかしながら、しきい値変更手段によって、温度
変化に応じてしきい値を変更するようにしているから、
温度変化に応じて、それぞれの温度においてフィルタ係
数のとり得る適切な値を判断するしきい値に変更するこ
とによって、温度変化に伴う発散検出手段による検出精
度が低下されないですむようになる。
伝達系に温度変化が生じた場合、これに伴って伝達系の
振動伝達特性が変化し、これに応じてフィルタ係数が適
切な値であるとしてみなすことの可能なフィルタ係数値
の範囲が変化するため、所定のしきい値とを比較した場
合、誤って発散していると判断したり、或いは実際には
発散しているのに発散していないとして判断することが
ある。しかしながら、しきい値変更手段によって、温度
変化に応じてしきい値を変更するようにしているから、
温度変化に応じて、それぞれの温度においてフィルタ係
数のとり得る適切な値を判断するしきい値に変更するこ
とによって、温度変化に伴う発散検出手段による検出精
度が低下されないですむようになる。
【0030】また、本発明の請求項8に記載の能動型振
動制御装置によれば、前記しきい値変更手段は、前記温
度検出手段の検出温度が低下するほど、前記しきい値を
増加させるようになっていることを特徴としている。
動制御装置によれば、前記しきい値変更手段は、前記温
度検出手段の検出温度が低下するほど、前記しきい値を
増加させるようになっていることを特徴としている。
【0031】この発明によれば、温度検出手段の検出温
度が低下するほど、しきい値変更手段によってしきい値
は増加される。例えば検出温度の連続的な低下に応じて
連続的にしきい値が増加されたり、或いは検出温度の段
階的な低下に応じてしきい値が段階的に増加されるよう
になっている。
度が低下するほど、しきい値変更手段によってしきい値
は増加される。例えば検出温度の連続的な低下に応じて
連続的にしきい値が増加されたり、或いは検出温度の段
階的な低下に応じてしきい値が段階的に増加されるよう
になっている。
【0032】よって、例えば伝達系にゴム等の温度低下
に伴って硬化するようなものが含まれている場合、温度
の低下にしたがって、ゴムが硬化し、伝達系のゲインが
大きくなるから、これを打ち消すためにフィルタ係数が
より大きな値となる。よって、検出温度が低下するほど
しきい値を増加させれば、実際には発散に至ることのな
いフィルタ係数の値である場合でも検出温度の低下に伴
ってフィルタ係数の値が大きくなることによって、しき
い値を越え、これによって発散検出手段によって、制御
が発散するとして誤判断されることが回避される。
に伴って硬化するようなものが含まれている場合、温度
の低下にしたがって、ゴムが硬化し、伝達系のゲインが
大きくなるから、これを打ち消すためにフィルタ係数が
より大きな値となる。よって、検出温度が低下するほど
しきい値を増加させれば、実際には発散に至ることのな
いフィルタ係数の値である場合でも検出温度の低下に伴
ってフィルタ係数の値が大きくなることによって、しき
い値を越え、これによって発散検出手段によって、制御
が発散するとして誤判断されることが回避される。
【0033】また、本発明の請求項9に記載の能動型振
動制御装置によれば、車両に適用され、前記振動源はエ
ンジンであり、前記制御振動源は、前記エンジンと車体
側部材との間に介在する支持弾性体を備えた制御振動源
であって、前記温度検出手段は、前記支持弾性体の温度
を検出するようになっていることを特徴としている。
動制御装置によれば、車両に適用され、前記振動源はエ
ンジンであり、前記制御振動源は、前記エンジンと車体
側部材との間に介在する支持弾性体を備えた制御振動源
であって、前記温度検出手段は、前記支持弾性体の温度
を検出するようになっていることを特徴としている。
【0034】この発明によれば、制御振動源は、振動源
としてのエンジンと車体側部材との間に介在する支持弾
性体を備えた制御振動源であって、この支持弾性体の温
度が温度検出手段によって検出される。支持弾性体はエ
ンジンと車体側部材との間に介在しているから、その伝
達特性の変化は伝達系の伝達特性の変化の一因となり、
特に、支持弾性体が温度によってはその振動特性が大き
く変化する、例えばゴム等で形成されている場合等に
は、支持弾性体の特性変化は、伝達系の伝達特性の変化
に大きく起因することになる。
としてのエンジンと車体側部材との間に介在する支持弾
性体を備えた制御振動源であって、この支持弾性体の温
度が温度検出手段によって検出される。支持弾性体はエ
ンジンと車体側部材との間に介在しているから、その伝
達特性の変化は伝達系の伝達特性の変化の一因となり、
特に、支持弾性体が温度によってはその振動特性が大き
く変化する、例えばゴム等で形成されている場合等に
は、支持弾性体の特性変化は、伝達系の伝達特性の変化
に大きく起因することになる。
【0035】よって、この支持弾性体の温度を温度検出
手段によって検出し、温度検出手段の検出温度、つま
り、支持弾性体の温度に基づいて補正手段による補正或
いはしきい値変更手段によるしきい値の変更等を行うこ
とによって、より適切な補正或いはしきい値の設定が行
われる。
手段によって検出し、温度検出手段の検出温度、つま
り、支持弾性体の温度に基づいて補正手段による補正或
いはしきい値変更手段によるしきい値の変更等を行うこ
とによって、より適切な補正或いはしきい値の設定が行
われる。
【0036】さらに、請求項10に記載の能動型振動制
御装置によれば、車両に適用され、前記振動源はエンジ
ンであり、前記制御振動源は、前記エンジンと車体側部
材との間に介在する支持弾性体を備えた制御振動源であ
って、前記温度検出手段は前記支持弾性体の周辺温度を
検出して、当該周辺温度から前記支持弾性体の温度を予
測するようになっていることを特徴としている。
御装置によれば、車両に適用され、前記振動源はエンジ
ンであり、前記制御振動源は、前記エンジンと車体側部
材との間に介在する支持弾性体を備えた制御振動源であ
って、前記温度検出手段は前記支持弾性体の周辺温度を
検出して、当該周辺温度から前記支持弾性体の温度を予
測するようになっていることを特徴としている。
【0037】この発明によれば、制御振動源は、振動源
としてのエンジンと車体側部材との間に介在する支持弾
性体を備えた制御振動源であって、温度検出手段によっ
て、支持弾性体の周辺温度が検出され、この支持弾性体
の周辺温度から、支持弾性体の温度が予測される。そし
て、この予測した予測温度に基づいて、補正手段による
補正或いはしきい値変更手段によるしきい値の変更が行
われる。
としてのエンジンと車体側部材との間に介在する支持弾
性体を備えた制御振動源であって、温度検出手段によっ
て、支持弾性体の周辺温度が検出され、この支持弾性体
の周辺温度から、支持弾性体の温度が予測される。そし
て、この予測した予測温度に基づいて、補正手段による
補正或いはしきい値変更手段によるしきい値の変更が行
われる。
【0038】前記支持弾性体はエンジンと車体側部材と
の間に介在しているから、その伝達特性の変化は伝達系
の伝達特性の変化の一因となるからこの支持弾性体の温
度を検出することが好ましい。しかしながら、この支持
弾性体の温度を直接検出することができない場合でも、
例えば支持弾性体の周辺温度と支持弾性体の温度との相
関関係を実験等によって予め検出しておき、検出した支
持弾性体の周辺温度から、相関関係に基づいて支持弾性
体の温度を予測し、予測温度に基づいて補正手段による
補正、或いは、しきい値変更手段によるしきい値の変更
を行うことによって、より適切な各係数の補正或いはし
きい値の変更が行われる。
の間に介在しているから、その伝達特性の変化は伝達系
の伝達特性の変化の一因となるからこの支持弾性体の温
度を検出することが好ましい。しかしながら、この支持
弾性体の温度を直接検出することができない場合でも、
例えば支持弾性体の周辺温度と支持弾性体の温度との相
関関係を実験等によって予め検出しておき、検出した支
持弾性体の周辺温度から、相関関係に基づいて支持弾性
体の温度を予測し、予測温度に基づいて補正手段による
補正、或いは、しきい値変更手段によるしきい値の変更
を行うことによって、より適切な各係数の補正或いはし
きい値の変更が行われる。
【0039】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る能動型騒音制御
装置によれば、温度検出手段で検出した伝達系の温度に
応じて、適応ディジタルフィルタのフィルタ係数の更新
式を補正手段によって補正するようにしたから、例えば
環境温度の変化等によって、伝達系の温度が変化し、実
際とは異なる伝達特性に応じた更新式に基づいて制御を
行う場合でも、補正手段によって、制御をより安定させ
る方向に更新式を補正することによって、精度の低い伝
達特性に応じた更新式に基づいて騒音低減制御を行うこ
とによって制御が不安定となることを回避し、制御が発
散に至る可能性を低減させて、良好な騒音低減制御を実
行することができる。
装置によれば、温度検出手段で検出した伝達系の温度に
応じて、適応ディジタルフィルタのフィルタ係数の更新
式を補正手段によって補正するようにしたから、例えば
環境温度の変化等によって、伝達系の温度が変化し、実
際とは異なる伝達特性に応じた更新式に基づいて制御を
行う場合でも、補正手段によって、制御をより安定させ
る方向に更新式を補正することによって、精度の低い伝
達特性に応じた更新式に基づいて騒音低減制御を行うこ
とによって制御が不安定となることを回避し、制御が発
散に至る可能性を低減させて、良好な騒音低減制御を実
行することができる。
【0040】また、本発明の請求項2に係る能動型騒音
制御装置によれば、温度検出手段の検出温度に応じて、
更新式に含まれる、駆動信号が大きくなるにしたがって
適応ディジタルフィルタのフィルタ係数を小さくするよ
うに作用する発散抑制項、及び適応ディジタルフィルタ
のフィルタ係数の更新速度に影響を与える収束係数のう
ちの少なくとも何れか一方を補正するようにしたから、
これらを、制御がより安定する方向に補正することによ
り、環境温度の変化に伴う伝達特性の変化によって、制
御が不安定となることを回避して発散に至る可能性を低
減することができる。
制御装置によれば、温度検出手段の検出温度に応じて、
更新式に含まれる、駆動信号が大きくなるにしたがって
適応ディジタルフィルタのフィルタ係数を小さくするよ
うに作用する発散抑制項、及び適応ディジタルフィルタ
のフィルタ係数の更新速度に影響を与える収束係数のう
ちの少なくとも何れか一方を補正するようにしたから、
これらを、制御がより安定する方向に補正することによ
り、環境温度の変化に伴う伝達特性の変化によって、制
御が不安定となることを回避して発散に至る可能性を低
減することができる。
【0041】また、本発明の請求項3に係る能動型騒音
制御装置によれば、温度検出手段で検出した伝達系の温
度に応じて、制御が発散するか否かを判断する基準とな
るしきい値を変更するようにしたから、温度変化に伴っ
て伝達特性が変化しフィルタ係数のとり得る適切な値が
変化した場合でも、発散検出手段での検出精度の低下を
防止することができ、良好な騒音低減処理を実行するこ
とができる。
制御装置によれば、温度検出手段で検出した伝達系の温
度に応じて、制御が発散するか否かを判断する基準とな
るしきい値を変更するようにしたから、温度変化に伴っ
て伝達特性が変化しフィルタ係数のとり得る適切な値が
変化した場合でも、発散検出手段での検出精度の低下を
防止することができ、良好な騒音低減処理を実行するこ
とができる。
【0042】また、本発明の請求項4に係る能動型騒音
制御装置によれば、温度検出手段の検出温度が低下する
ほど、しきい値変更手段ではしきい値を増加させるよう
にしたから、伝達系の温度低下に伴う、フィルタ係数値
の増加に対して、適切に対処することができ、発散検出
手段による検出精度の低下を確実に回避することができ
る。
制御装置によれば、温度検出手段の検出温度が低下する
ほど、しきい値変更手段ではしきい値を増加させるよう
にしたから、伝達系の温度低下に伴う、フィルタ係数値
の増加に対して、適切に対処することができ、発散検出
手段による検出精度の低下を確実に回避することができ
る。
【0043】また、本発明の請求項5に係る能動型振動
制御装置によれば、温度検出手段によって伝達系の温度
を検出し、これに応じて、適応フィルタのフィルタ係数
の更新式を補正するようにしたから、伝達系の温度変化
によって伝達特性が変化し、実際とは異なる伝達特性に
応じた更新式に基づいてフィルタ係数を更新する場合で
も、補正手段によって、制御をより安定させる方向に更
新式を補正することにより、精度の低い伝達特性に応じ
た更新式に基づいて振動低減制御を行うことによって制
御が不安定となることを回避し、制御が発散に至る可能
性を低減させて、良好な振動低減制御を実行することが
できる。
制御装置によれば、温度検出手段によって伝達系の温度
を検出し、これに応じて、適応フィルタのフィルタ係数
の更新式を補正するようにしたから、伝達系の温度変化
によって伝達特性が変化し、実際とは異なる伝達特性に
応じた更新式に基づいてフィルタ係数を更新する場合で
も、補正手段によって、制御をより安定させる方向に更
新式を補正することにより、精度の低い伝達特性に応じ
た更新式に基づいて振動低減制御を行うことによって制
御が不安定となることを回避し、制御が発散に至る可能
性を低減させて、良好な振動低減制御を実行することが
できる。
【0044】また、本発明の請求項6に係る能動型振動
制御装置によれば、温度検出手段の検出値に応じて、更
新式の発散抑制項の影響度合い或いはフィルタ係数の更
新速度に影響を与える収束係数の少なくとも何れか一方
を補正するようにしたから、これらを、温度変化に応じ
て制御を安定化させる方向に補正するようにすれば、制
御が不安定となることを抑制し、発散に至る可能性を低
減させることができる。
制御装置によれば、温度検出手段の検出値に応じて、更
新式の発散抑制項の影響度合い或いはフィルタ係数の更
新速度に影響を与える収束係数の少なくとも何れか一方
を補正するようにしたから、これらを、温度変化に応じ
て制御を安定化させる方向に補正するようにすれば、制
御が不安定となることを抑制し、発散に至る可能性を低
減させることができる。
【0045】また、本発明の請求項7に係る能動型振動
制御装置によれば、温度検出手段で検出した伝達系の温
度に応じて、制御が発散したか否かを検出する基準とな
るしきい値を変更するようにしたから、温度変化に伴っ
て伝達特性が変化しフィルタ係数のとり得る適切な値が
変化した場合でも、発散検出手段での検出精度の低下を
防止することができ、良好な振動低減処理を実行するこ
とができる。
制御装置によれば、温度検出手段で検出した伝達系の温
度に応じて、制御が発散したか否かを検出する基準とな
るしきい値を変更するようにしたから、温度変化に伴っ
て伝達特性が変化しフィルタ係数のとり得る適切な値が
変化した場合でも、発散検出手段での検出精度の低下を
防止することができ、良好な振動低減処理を実行するこ
とができる。
【0046】また、本発明の請求項8に係る能動型振動
制御装置によれば、温度検出手段の検出温度が低下する
ほど、しきい値変更手段ではしきい値を増加させるよう
にしたから、伝達系の温度低下に伴う、フィルタ係数の
増加に対して、適切に対処することができ、発散検出手
段による検出精度の低下を防止することができる。
制御装置によれば、温度検出手段の検出温度が低下する
ほど、しきい値変更手段ではしきい値を増加させるよう
にしたから、伝達系の温度低下に伴う、フィルタ係数の
増加に対して、適切に対処することができ、発散検出手
段による検出精度の低下を防止することができる。
【0047】また、本発明の請求項9に係る能動型振動
制御装置によれば、温度検出手段によって、エンジンと
車体側部材との間に介在され、伝達系の伝達特性の変化
に起因する支持弾性体の温度を検出するようにしたか
ら、補正手段による補正或いはしきい値変更手段による
しきい値の変更をより効果的に行うことができる。
制御装置によれば、温度検出手段によって、エンジンと
車体側部材との間に介在され、伝達系の伝達特性の変化
に起因する支持弾性体の温度を検出するようにしたか
ら、補正手段による補正或いはしきい値変更手段による
しきい値の変更をより効果的に行うことができる。
【0048】さらに、本発明の請求項10に係る能動型
振動制御装置によれば、温度検出手段によって、エンジ
ンと車体側部材との間に介在される支持弾性体の周辺温
度を検出し、この周辺温度に基づいて支持弾性体の温度
を予測するようにしたから、支持弾性体の温度を直接検
出することができない場合でも、伝達系の温度変化に起
因する支持弾性体の温度を的確に検出することができ
る。
振動制御装置によれば、温度検出手段によって、エンジ
ンと車体側部材との間に介在される支持弾性体の周辺温
度を検出し、この周辺温度に基づいて支持弾性体の温度
を予測するようにしたから、支持弾性体の温度を直接検
出することができない場合でも、伝達系の温度変化に起
因する支持弾性体の温度を的確に検出することができ
る。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1乃至図6は、本発明の第1
の実施の形態を示す図であって、図1は、本発明に係る
能動型振動制御装置の実施の形態の一例を車両に適用し
た、概略構成図である。
面に基づいて説明する。図1乃至図6は、本発明の第1
の実施の形態を示す図であって、図1は、本発明に係る
能動型振動制御装置の実施の形態の一例を車両に適用し
た、概略構成図である。
【0050】まず、構成を説明すると、エンジン30が
駆動信号に応じた能動的な支持力を発生可能な能動型エ
ンジンマウント1を介して、サスペンションメンバ等か
ら構成される車体35に支持されている。なお、実際に
は、エンジン30及び車体35間には、能動型エンジン
マウント1の他に、エンジン30及び車体35間の相対
変位に応じた受動的な支持力を発生する複数のエンジン
マウントも介在している。受動的なエンジンマウントと
しては、例えばゴム状の弾性体で荷重を支持する通常の
エンジンマウントや、ゴム状の弾性体内部に減衰力発生
可能に流体を封入してなる公知の流体封入式のマウント
インシュレータ等が適用できる。
駆動信号に応じた能動的な支持力を発生可能な能動型エ
ンジンマウント1を介して、サスペンションメンバ等か
ら構成される車体35に支持されている。なお、実際に
は、エンジン30及び車体35間には、能動型エンジン
マウント1の他に、エンジン30及び車体35間の相対
変位に応じた受動的な支持力を発生する複数のエンジン
マウントも介在している。受動的なエンジンマウントと
しては、例えばゴム状の弾性体で荷重を支持する通常の
エンジンマウントや、ゴム状の弾性体内部に減衰力発生
可能に流体を封入してなる公知の流体封入式のマウント
インシュレータ等が適用できる。
【0051】一方、能動型エンジンマウント1は、例え
ば、図2に示すように構成されている。すなわち、この
実施の形態における能動型エンジンマウント1は、エン
ジン30への取り付け用ボルト2aを上部に一体に備え
且つ内部が空洞で下部が開口したキャップ2を有し、こ
のキャップ2の下部外面には、軸が上下方向を向く内筒
3の上端部がかしめ止めされている。
ば、図2に示すように構成されている。すなわち、この
実施の形態における能動型エンジンマウント1は、エン
ジン30への取り付け用ボルト2aを上部に一体に備え
且つ内部が空洞で下部が開口したキャップ2を有し、こ
のキャップ2の下部外面には、軸が上下方向を向く内筒
3の上端部がかしめ止めされている。
【0052】内筒3は、下端側が縮径した形状となって
いて、その下端部が内側に水平に折り曲げられて、ここ
に円形の開口部3aが形成されている。そして、内筒3
の内側には、キャップ2及び内筒3内部の空間を上下に
二分するように、キャップ2及び内筒3のかしめ止め部
分に一緒に挟み込まれてダイアフラム4が配設されてい
る。ダイアフラム4の上側の空間は、キャップ2の側面
に孔を開けることにより大気圧に通じている。
いて、その下端部が内側に水平に折り曲げられて、ここ
に円形の開口部3aが形成されている。そして、内筒3
の内側には、キャップ2及び内筒3内部の空間を上下に
二分するように、キャップ2及び内筒3のかしめ止め部
分に一緒に挟み込まれてダイアフラム4が配設されてい
る。ダイアフラム4の上側の空間は、キャップ2の側面
に孔を開けることにより大気圧に通じている。
【0053】さらに、内筒3の内側には、オリフィス構
成体5が配設されている。なお、本実施の形態では、内
筒3内面及びオリフィス構成体5間には、薄膜状の弾性
体(ダイアフラム4の外周部を延長させたものでもよ
い)が介在していて、これにより、オリフィス構成体5
は内筒3内側に強固に嵌め込まれている。
成体5が配設されている。なお、本実施の形態では、内
筒3内面及びオリフィス構成体5間には、薄膜状の弾性
体(ダイアフラム4の外周部を延長させたものでもよ
い)が介在していて、これにより、オリフィス構成体5
は内筒3内側に強固に嵌め込まれている。
【0054】このオリフィス構成体5は、内筒3の内部
空間に整合して略円柱形に形成されていて、その上面に
は円形の凹部5aが形成されている。そして、その凹部
5aと、底面の開口部3aに対向する部分との間が、オ
リフィス5bを介して連通するようになっている。オリ
フィス5bは、例えば、オリフィス構成体5の外周面に
沿って螺旋状に延びる溝と、その溝の一端部を凹部5a
に連通させる流路と、その溝の他端部を開口部3aに連
通させる流路とで構成される。
空間に整合して略円柱形に形成されていて、その上面に
は円形の凹部5aが形成されている。そして、その凹部
5aと、底面の開口部3aに対向する部分との間が、オ
リフィス5bを介して連通するようになっている。オリ
フィス5bは、例えば、オリフィス構成体5の外周面に
沿って螺旋状に延びる溝と、その溝の一端部を凹部5a
に連通させる流路と、その溝の他端部を開口部3aに連
通させる流路とで構成される。
【0055】一方、内筒3の外周面には、内周面側が若
干上方に盛り上がった肉厚円筒状の支持弾性体6の内周
面が加硫接着されていて、その支持弾性体6の外周面
は、上端側が拡径した円筒部材としての外筒7の内周面
上部に加硫接着されている。
干上方に盛り上がった肉厚円筒状の支持弾性体6の内周
面が加硫接着されていて、その支持弾性体6の外周面
は、上端側が拡径した円筒部材としての外筒7の内周面
上部に加硫接着されている。
【0056】そして、外筒7の下端部は上面が開口した
円筒形のアクチュエータケース8の上端部にかしめ止め
されていて、そのアクチュエータケース8の下端面から
は、車体35側への取り付け用の取り付けボルト9が突
出している。取り付けボルト9は、その頭部9aが、ア
クチュエータケース8の内底面に張り付いた状態で配設
された平板部材8aの中央の空洞部8bに収容されてい
る。
円筒形のアクチュエータケース8の上端部にかしめ止め
されていて、そのアクチュエータケース8の下端面から
は、車体35側への取り付け用の取り付けボルト9が突
出している。取り付けボルト9は、その頭部9aが、ア
クチュエータケース8の内底面に張り付いた状態で配設
された平板部材8aの中央の空洞部8bに収容されてい
る。
【0057】さらに、アクチュエータケース8の内側に
は、円筒形の鉄製のヨーク10Aと、このヨーク10A
の中央部に軸を上下に向けて巻き付けられた励磁コイル
10Bと、ヨーク10Aの励磁コイル10Bに包囲され
た部分の上面に極を上下に向けて固定された永久磁石1
0Cと、から構成される電磁アクチュエータ10が配設
されている。
は、円筒形の鉄製のヨーク10Aと、このヨーク10A
の中央部に軸を上下に向けて巻き付けられた励磁コイル
10Bと、ヨーク10Aの励磁コイル10Bに包囲され
た部分の上面に極を上下に向けて固定された永久磁石1
0Cと、から構成される電磁アクチュエータ10が配設
されている。
【0058】また、アクチュエータケース8の上端部は
フランジ状に形成されたフランジ部8Aとなっていて、
そのフランジ部8Aに外筒7の下端部がかしめられて両
者が一体となっているのであるが、そのかしめ止め部分
には、円形の金属製の板ばね11の周縁部(端部)が挟
み込まれていて、その板ばね11の中央部の電磁アクチ
ュエータ10側には、リベット11aによって磁化可能
な磁路部材12が固定されている。なお、磁路部材12
はヨーク10Aよりも若干小径の鉄製の円板であって、
その底面が電磁アクチュエータ10に近接するような厚
みに形成されている。
フランジ状に形成されたフランジ部8Aとなっていて、
そのフランジ部8Aに外筒7の下端部がかしめられて両
者が一体となっているのであるが、そのかしめ止め部分
には、円形の金属製の板ばね11の周縁部(端部)が挟
み込まれていて、その板ばね11の中央部の電磁アクチ
ュエータ10側には、リベット11aによって磁化可能
な磁路部材12が固定されている。なお、磁路部材12
はヨーク10Aよりも若干小径の鉄製の円板であって、
その底面が電磁アクチュエータ10に近接するような厚
みに形成されている。
【0059】さらに、上記かしめ止め部分には、フラン
ジ部8Aと板ばね11とに挟まれるように、リング状の
薄膜弾性体13と、力伝達部材14のフランジ部14a
とが支持されている。具体的には、アクチュエータケー
ス8のフランジ部8A上に、薄膜弾性体13と、力伝達
部材14のフランジ部14aと、板ばね11と、をこの
順序で重ね合わせると共に、その重なり合った全体を外
筒7の下端部をかしめて一体としている。
ジ部8Aと板ばね11とに挟まれるように、リング状の
薄膜弾性体13と、力伝達部材14のフランジ部14a
とが支持されている。具体的には、アクチュエータケー
ス8のフランジ部8A上に、薄膜弾性体13と、力伝達
部材14のフランジ部14aと、板ばね11と、をこの
順序で重ね合わせると共に、その重なり合った全体を外
筒7の下端部をかしめて一体としている。
【0060】力伝達部材14は、磁路部材12を包囲す
る短い円筒形の部材であって、その上端部がフランジ部
14aとなっており、その下端部は電磁アクチュエータ
10のヨーク10Aの上面に結合している。具体的に
は、ヨーク10Aの上端面周縁部に形成された円形の溝
に、力伝達部材14の下端部が嵌合して両者が結合され
ている。また、力伝達部材14の弾性変形時のばね定数
は、薄膜弾性体13のばね定数よりも大きい値に設定さ
れている。
る短い円筒形の部材であって、その上端部がフランジ部
14aとなっており、その下端部は電磁アクチュエータ
10のヨーク10Aの上面に結合している。具体的に
は、ヨーク10Aの上端面周縁部に形成された円形の溝
に、力伝達部材14の下端部が嵌合して両者が結合され
ている。また、力伝達部材14の弾性変形時のばね定数
は、薄膜弾性体13のばね定数よりも大きい値に設定さ
れている。
【0061】ここで、本実施の形態では、支持弾性体6
の下面及び板ばね11の上面によって画成された部分に
主流体室15が形成され、ダイアフラム4及び凹部5a
によって画成された部分に副流体室16が形成されてい
て、これら主流体室15及び副流体室16間が、オリフ
ィス構成体5に形成されたオリフィス5bを介して連通
している。なお、これら主流体室15,副流体室16及
びオリフィス5b内には、エチレングリコール等の流体
が封入されている。
の下面及び板ばね11の上面によって画成された部分に
主流体室15が形成され、ダイアフラム4及び凹部5a
によって画成された部分に副流体室16が形成されてい
て、これら主流体室15及び副流体室16間が、オリフ
ィス構成体5に形成されたオリフィス5bを介して連通
している。なお、これら主流体室15,副流体室16及
びオリフィス5b内には、エチレングリコール等の流体
が封入されている。
【0062】かかるオリフィス5bの流路形状等で決ま
る流体マウントとしての特性は、走行中のエンジンシェ
イク発生時、つまり、5〜15Hzで能動型エンジンマ
ウント1が加振された場合に高動ばね定数,高減衰力を
示すように調整されている。
る流体マウントとしての特性は、走行中のエンジンシェ
イク発生時、つまり、5〜15Hzで能動型エンジンマ
ウント1が加振された場合に高動ばね定数,高減衰力を
示すように調整されている。
【0063】そして、電磁アクチュエータ10の励磁コ
イル10Bは、コントローラ25からハーネス23aを
通じて供給される電流である駆動信号yに応じて所定の
電磁力を発生するようになっている。
イル10Bは、コントローラ25からハーネス23aを
通じて供給される電流である駆動信号yに応じて所定の
電磁力を発生するようになっている。
【0064】コントローラ25は、マイクロコンピュー
タ,必要なインタフェース回路,A/D変換器,D/A
変換器,アンプ等を含んで構成され、エンジンシェイク
よりも高周波の振動であるアイドル振動やこもり音振動
・加速時振動が車体35に入力されている場合には、そ
の振動を低減できる能動的な支持力が能動型エンジンマ
ウント1に発生するように、能動型エンジンマウント1
に対する駆動信号yを生成し出力するようになってい
る。
タ,必要なインタフェース回路,A/D変換器,D/A
変換器,アンプ等を含んで構成され、エンジンシェイク
よりも高周波の振動であるアイドル振動やこもり音振動
・加速時振動が車体35に入力されている場合には、そ
の振動を低減できる能動的な支持力が能動型エンジンマ
ウント1に発生するように、能動型エンジンマウント1
に対する駆動信号yを生成し出力するようになってい
る。
【0065】ここで、アイドル振動やこもり音振動は、
例えばレシプロ4気筒エンジンの場合、エンジン回転2
次成分のエンジン振動が車体35に伝達されることが主
な原因であるから、そのエンジン回転2次成分に同期し
て駆動信号yを生成し出力すれば、車体側低減が可能と
なる。そこで、本実施の形態では、燃焼タイミングに同
期するように、エンジン30のクランク軸の回転に同期
した(例えば、レシプロ4気筒エンジンの場合には、ク
ランク軸が180度回転する度に一つの)インパルス信
号を生成しこれを基準信号xとして出力するパルス信号
生成器26(図1)を設けていて、その基準信号xがエ
ンジン30における振動の発生状態を表す信号としてコ
ントローラ25に供給されるようになっている。
例えばレシプロ4気筒エンジンの場合、エンジン回転2
次成分のエンジン振動が車体35に伝達されることが主
な原因であるから、そのエンジン回転2次成分に同期し
て駆動信号yを生成し出力すれば、車体側低減が可能と
なる。そこで、本実施の形態では、燃焼タイミングに同
期するように、エンジン30のクランク軸の回転に同期
した(例えば、レシプロ4気筒エンジンの場合には、ク
ランク軸が180度回転する度に一つの)インパルス信
号を生成しこれを基準信号xとして出力するパルス信号
生成器26(図1)を設けていて、その基準信号xがエ
ンジン30における振動の発生状態を表す信号としてコ
ントローラ25に供給されるようになっている。
【0066】一方、電磁アクチュエータ10のヨーク1
0Aの下端面と、アクチュエータケース8の底面を形成
する平板部材8aの上面との間に挟み込まれるように、
エンジン30から支持弾性体6を通じて伝達する加振力
を検出する荷重センサ22が配設されていて、荷重セン
サ22の検出結果がハーネス23bを通じて残留振動信
号eとしてコントローラ25に供給されるようになって
いる。荷重センサ22としては、具体的には、圧電素
子,磁歪素子,歪ゲージ等が適用可能である。
0Aの下端面と、アクチュエータケース8の底面を形成
する平板部材8aの上面との間に挟み込まれるように、
エンジン30から支持弾性体6を通じて伝達する加振力
を検出する荷重センサ22が配設されていて、荷重セン
サ22の検出結果がハーネス23bを通じて残留振動信
号eとしてコントローラ25に供給されるようになって
いる。荷重センサ22としては、具体的には、圧電素
子,磁歪素子,歪ゲージ等が適用可能である。
【0067】そして、コントローラ25は、供給される
残留振動信号e及び基準信号xに基づき、適応アルゴリ
ズムの一つである同期式Filtered−X LMS
アルゴリズムを実行することにより、能動型エンジンマ
ウント1に対する駆動信号yを演算し、その駆動信号y
を能動型エンジンマウント1に出力するようになってい
る。
残留振動信号e及び基準信号xに基づき、適応アルゴリ
ズムの一つである同期式Filtered−X LMS
アルゴリズムを実行することにより、能動型エンジンマ
ウント1に対する駆動信号yを演算し、その駆動信号y
を能動型エンジンマウント1に出力するようになってい
る。
【0068】具体的には、コントローラ25は、フィル
タ係数Wi (i=0,1,2,……,I−1:Iはタッ
プ数)可変の適応ディジタルフィルタWを有していて、
最新の基準信号xが入力された時点から所定のサンプリ
ング・クロックの間隔で、その適応ディジタルフィルタ
Wのフィルタ係数Wi を順番に駆動信号yとして出力す
る一方、基準信号x及び残留振動信号eに基づいて適応
ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi を適宜更新す
る処理を実行するようになっている。
タ係数Wi (i=0,1,2,……,I−1:Iはタッ
プ数)可変の適応ディジタルフィルタWを有していて、
最新の基準信号xが入力された時点から所定のサンプリ
ング・クロックの間隔で、その適応ディジタルフィルタ
Wのフィルタ係数Wi を順番に駆動信号yとして出力す
る一方、基準信号x及び残留振動信号eに基づいて適応
ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi を適宜更新す
る処理を実行するようになっている。
【0069】ただし、この実施の形態では、同期式Fi
ltered−X LMSアルゴリズムにおける評価関
数として、下記の(1)式を用いている。 Jm={e(n)}2 +β{y(n)}2 ……(1) つまり、LMSアルゴリズムにあっては、評価関数Jm
が小さくなる方向にフィルタ係数Wi が更新されるので
あるから、上記(1)式の右辺の内容からも明らかなよ
うに、フィルタ係数Wi は、残留振動信号eの自乗値が
小さくなると共に、駆動信号yの自乗値をβ倍した値が
小さくなるように、逐次更新されることになる。そし
て、βは発散抑制係数と称される係数であって、この発
散抑制係数βが大きくなる程、駆動信号yは小さくなる
傾向となる。つまり、発散抑制係数βには制御の発散を
抑制する作用がある。
ltered−X LMSアルゴリズムにおける評価関
数として、下記の(1)式を用いている。 Jm={e(n)}2 +β{y(n)}2 ……(1) つまり、LMSアルゴリズムにあっては、評価関数Jm
が小さくなる方向にフィルタ係数Wi が更新されるので
あるから、上記(1)式の右辺の内容からも明らかなよ
うに、フィルタ係数Wi は、残留振動信号eの自乗値が
小さくなると共に、駆動信号yの自乗値をβ倍した値が
小さくなるように、逐次更新されることになる。そし
て、βは発散抑制係数と称される係数であって、この発
散抑制係数βが大きくなる程、駆動信号yは小さくなる
傾向となる。つまり、発散抑制係数βには制御の発散を
抑制する作用がある。
【0070】そして、収束係数をαとし、上記(1)式
で表される評価関数Jmに基づいてフィルタ係数Wi の
更新式を求めると、下記の(2)式のようになる。 Wi (n+1)=Wi (n)+2αRT e(n)−2βαy(n) ……(2) そこで、この(2)式中の「2α」を新たな収束係数α
とし、「2βα」を新たな発散抑制係数βとすれば、適
応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi の更新式は
下記の(3)式のようになる。
で表される評価関数Jmに基づいてフィルタ係数Wi の
更新式を求めると、下記の(2)式のようになる。 Wi (n+1)=Wi (n)+2αRT e(n)−2βαy(n) ……(2) そこで、この(2)式中の「2α」を新たな収束係数α
とし、「2βα」を新たな発散抑制係数βとすれば、適
応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi の更新式は
下記の(3)式のようになる。
【0071】 Wi (n+1)=Wi (n)+αRT e(n)−βy(n) ……(3) ここで、(n),(n+1)が付く項は、サンプリング
時刻n,n+1,における値であることを表している。
また、更新用基準信号RT は、理論的には、基準信号x
を、能動型エンジンマウント1の電磁アクチュエータ1
0及び荷重センサ22間の伝達関数Cをモデル化した伝
達関数フィルタC^でフィルタ処理をした値であるが、
基準信号xの大きさは“1”であるから、伝達関数フィ
ルタC^のインパルス応答を基準信号xに同期して次々
と生成した場合のそれらインパルス応答波形のサンプリ
ング時刻nにおける和に一致する。
時刻n,n+1,における値であることを表している。
また、更新用基準信号RT は、理論的には、基準信号x
を、能動型エンジンマウント1の電磁アクチュエータ1
0及び荷重センサ22間の伝達関数Cをモデル化した伝
達関数フィルタC^でフィルタ処理をした値であるが、
基準信号xの大きさは“1”であるから、伝達関数フィ
ルタC^のインパルス応答を基準信号xに同期して次々
と生成した場合のそれらインパルス応答波形のサンプリ
ング時刻nにおける和に一致する。
【0072】また、理論的には、基準信号xを適応ディ
ジタルフィルタWでフィルタ処理して駆動信号yを生成
するのであるが、基準信号xの大きさが“1”であるた
め、フィルタ係数Wi を順番に駆動信号yとして出力し
ても、フィルタ処理の結果を駆動信号yとしたのと同じ
結果になる。
ジタルフィルタWでフィルタ処理して駆動信号yを生成
するのであるが、基準信号xの大きさが“1”であるた
め、フィルタ係数Wi を順番に駆動信号yとして出力し
ても、フィルタ処理の結果を駆動信号yとしたのと同じ
結果になる。
【0073】さらに、コントローラ25は上記のような
駆動信号yの出力処理及び適応ディジタルフィルタWの
各フィルタ係数Wi の更新処理からなる振動低減処理を
実行する一方で、制御の発散を検出するための発散検出
処理を実行するようになっている。この発散検出処理
は、本実施の形態では適応ディジタルフィルタWのフィ
ルタ係数Wi の絶対値を求め、その絶対値に基づいて演
算される判定値が所定のしきい値WTHを越えている場合
に発散が生じたと判定する処理であり、この発散検出処
理によって発散が生じていると判定された場合には、そ
の発散を抑制するための所定の発散抑制処理が実行され
るようになっている。
駆動信号yの出力処理及び適応ディジタルフィルタWの
各フィルタ係数Wi の更新処理からなる振動低減処理を
実行する一方で、制御の発散を検出するための発散検出
処理を実行するようになっている。この発散検出処理
は、本実施の形態では適応ディジタルフィルタWのフィ
ルタ係数Wi の絶対値を求め、その絶対値に基づいて演
算される判定値が所定のしきい値WTHを越えている場合
に発散が生じたと判定する処理であり、この発散検出処
理によって発散が生じていると判定された場合には、そ
の発散を抑制するための所定の発散抑制処理が実行され
るようになっている。
【0074】さらに、コントローラ25は、前記振動低
減処理において用いられる前記(3)式の適応ディジタ
ルフィルタWのフィルタ係数Wi の更新式を更新する処
理を実行するようになっている。
減処理において用いられる前記(3)式の適応ディジタ
ルフィルタWのフィルタ係数Wi の更新式を更新する処
理を実行するようになっている。
【0075】すなわち、コントローラ25には、アクチ
ュエータケース8を貫通してヨーク10Aに挿入して配
設された、例えば熱電対等で形成される温度センサ28
の温度検出値tが入力され、コントローラ25では、こ
の温度センサ28からの温度検出値tに基づいて、振動
伝達系の伝達特性が変化していても安定性が大きく損な
われないように、前記収束係数α及び発散抑制係数βを
補正する係数補正処理も実行するようになっている。
ュエータケース8を貫通してヨーク10Aに挿入して配
設された、例えば熱電対等で形成される温度センサ28
の温度検出値tが入力され、コントローラ25では、こ
の温度センサ28からの温度検出値tに基づいて、振動
伝達系の伝達特性が変化していても安定性が大きく損な
われないように、前記収束係数α及び発散抑制係数βを
補正する係数補正処理も実行するようになっている。
【0076】この係数補正処理では、入力される温度セ
ンサ28からの温度検出値tに基づいて、予め温度範囲
毎に設定し所定の記憶領域に格納した、各温度範囲毎に
対応する収束係数α及び発散抑制係数βのうち、温度検
出値tに対応する温度範囲に応じた各係数値を選定し、
これを前記(3)式中の収束係数α及び発散抑制係数β
として置き換えるようになっている。そして、前記振動
低減処理では、この置き換えられた収束係数α及び発散
抑制係数βに基づく更新式にしたがって処理を実行する
ようになっている。
ンサ28からの温度検出値tに基づいて、予め温度範囲
毎に設定し所定の記憶領域に格納した、各温度範囲毎に
対応する収束係数α及び発散抑制係数βのうち、温度検
出値tに対応する温度範囲に応じた各係数値を選定し、
これを前記(3)式中の収束係数α及び発散抑制係数β
として置き換えるようになっている。そして、前記振動
低減処理では、この置き換えられた収束係数α及び発散
抑制係数βに基づく更新式にしたがって処理を実行する
ようになっている。
【0077】次に、第1の実施の形態の動作を説明す
る。すなわち、能動型エンジンマウント1内の流体共振
系の共振周波数を20Hzに調節している結果、5〜1
5Hzの振動であるエンジンシェイク発生時にもある程
度の減衰力がこの能動型エンジンマウント1で発生する
ため、エンジン30側で発生したエンジンシェイクが能
動型エンジンマウント1によってある程度減衰されると
共に、図示しない他の流体封入式エンジンマウント等に
よってもエンジンシェイクは減衰されるから、車体35
側の振動レベルが低減される。なお、エンジンシェイク
に対しては、特に磁路部材12を積極的に変位させる必
要はない。
る。すなわち、能動型エンジンマウント1内の流体共振
系の共振周波数を20Hzに調節している結果、5〜1
5Hzの振動であるエンジンシェイク発生時にもある程
度の減衰力がこの能動型エンジンマウント1で発生する
ため、エンジン30側で発生したエンジンシェイクが能
動型エンジンマウント1によってある程度減衰されると
共に、図示しない他の流体封入式エンジンマウント等に
よってもエンジンシェイクは減衰されるから、車体35
側の振動レベルが低減される。なお、エンジンシェイク
に対しては、特に磁路部材12を積極的に変位させる必
要はない。
【0078】一方、アイドル振動周波数以上の周波数の
振動が入力された場合には、コントローラ25は、所定
の演算処理を実行し、電磁アクチュエータ10に駆動信
号yを出力し、能動型エンジンマウント1に振動を低減
し得る能動的な支持力を発生させる。
振動が入力された場合には、コントローラ25は、所定
の演算処理を実行し、電磁アクチュエータ10に駆動信
号yを出力し、能動型エンジンマウント1に振動を低減
し得る能動的な支持力を発生させる。
【0079】これを、アイドル振動,こもり音振動入力
時にコントローラ25内で実行される処理の概要を示す
フローチャートである図3にしたがって具体的に説明す
る。まず、そのステップ101において所定の初期設定
が行われた後に、ステップ102に移行し、予め、能動
型エンジンマウント1と荷重センサ22との間の振動伝
達特性に応じて設定された伝達関数フィルタC^に基づ
いて、更新用基準信号RT が演算される。なお、このス
テップ102では、一周期分の更新用基準信号RT がま
とめて演算される。
時にコントローラ25内で実行される処理の概要を示す
フローチャートである図3にしたがって具体的に説明す
る。まず、そのステップ101において所定の初期設定
が行われた後に、ステップ102に移行し、予め、能動
型エンジンマウント1と荷重センサ22との間の振動伝
達特性に応じて設定された伝達関数フィルタC^に基づ
いて、更新用基準信号RT が演算される。なお、このス
テップ102では、一周期分の更新用基準信号RT がま
とめて演算される。
【0080】そして、ステップ103に移行し、カウン
タiが零クリアされた後に、ステップ104に移行し
て、適応ディジタルフィルタWのi番目のフィルタ係数
Wi が駆動信号yとして出力される。
タiが零クリアされた後に、ステップ104に移行し
て、適応ディジタルフィルタWのi番目のフィルタ係数
Wi が駆動信号yとして出力される。
【0081】ステップ104で駆動信号yを出力した
ら、ステップ105に移行し、残留振動信号eが読み込
まれる。そして、ステップ106に移行して、カウンタ
jが零クリアされ、次いでステップ107に移行し、適
応ディジタルフィルタWのj番目のフィルタ係数Wj が
上記(3)式にしたがって更新される。
ら、ステップ105に移行し、残留振動信号eが読み込
まれる。そして、ステップ106に移行して、カウンタ
jが零クリアされ、次いでステップ107に移行し、適
応ディジタルフィルタWのj番目のフィルタ係数Wj が
上記(3)式にしたがって更新される。
【0082】ステップ107における更新処理が完了し
たら、ステップ108に移行し、次の基準信号xが入力
されているか否かを判定し、ここで基準信号xが入力さ
れていないと判定された場合には、適応ディジタルフィ
ルタWの次のフィルタ係数の更新又は駆動信号yの出力
処理を実行すべく、ステップ109に移行する。
たら、ステップ108に移行し、次の基準信号xが入力
されているか否かを判定し、ここで基準信号xが入力さ
れていないと判定された場合には、適応ディジタルフィ
ルタWの次のフィルタ係数の更新又は駆動信号yの出力
処理を実行すべく、ステップ109に移行する。
【0083】ステップ109では、カウンタjが出力回
数Ty (正確には、カウンタjは0からスタートするた
め、出力回数Ty から1を減じた値)に達しているか否
かを判定する。この判定は、ステップ104で適応ディ
ジタルフィルタWのフィルタ係数Wi を、駆動信号yと
して出力した後に、適応ディジタルフィルタWのフィル
タ係数Wi を、駆動信号yとして必要な数だけ更新した
か否かを判断するためのものである。そこで、このステ
ップ109の判定が「NO」の場合には、ステップ11
0でカウンタjをインクリメントした後に、ステップ1
07に戻って上述した処理を繰り返し実行する。
数Ty (正確には、カウンタjは0からスタートするた
め、出力回数Ty から1を減じた値)に達しているか否
かを判定する。この判定は、ステップ104で適応ディ
ジタルフィルタWのフィルタ係数Wi を、駆動信号yと
して出力した後に、適応ディジタルフィルタWのフィル
タ係数Wi を、駆動信号yとして必要な数だけ更新した
か否かを判断するためのものである。そこで、このステ
ップ109の判定が「NO」の場合には、ステップ11
0でカウンタjをインクリメントした後に、ステップ1
07に戻って上述した処理を繰り返し実行する。
【0084】しかし、ステップ109の判定が「YE
S」の場合には、適応ディジタルフィルタWのフィルタ
係数のうち、駆動信号yとして必要な数のフィルタ係数
の更新処理が完了したと判断できるから、ステップ11
1に移行してカウンタiをインクリメントした後に、所
定時間待機する。この所定時間は、上記ステップ104
の処理を実行してから所定のサンプリング・クロックの
間隔に対応する時間が経過するまでの時間である。そし
て、サンプリング・クロックに対応する時間が経過した
ら、上記ステップ104に戻って上述した処理を繰り返
し実行する。
S」の場合には、適応ディジタルフィルタWのフィルタ
係数のうち、駆動信号yとして必要な数のフィルタ係数
の更新処理が完了したと判断できるから、ステップ11
1に移行してカウンタiをインクリメントした後に、所
定時間待機する。この所定時間は、上記ステップ104
の処理を実行してから所定のサンプリング・クロックの
間隔に対応する時間が経過するまでの時間である。そし
て、サンプリング・クロックに対応する時間が経過した
ら、上記ステップ104に戻って上述した処理を繰り返
し実行する。
【0085】一方、ステップ108で基準信号xが入力
されたと判断された場合には、ステップ112に移行
し、カウンタi(正確には、カウンタiは0からスター
トするため、カウンタiに1を加えた値)を最新の出力
回数Ty として保存した後に、ステップ102に戻っ
て、上述した処理を繰り返し実行する。
されたと判断された場合には、ステップ112に移行
し、カウンタi(正確には、カウンタiは0からスター
トするため、カウンタiに1を加えた値)を最新の出力
回数Ty として保存した後に、ステップ102に戻っ
て、上述した処理を繰り返し実行する。
【0086】このような図3の処理を繰り返し実行する
結果、コントローラ25から能動型エンジンマウント1
の電磁アクチュエータ10に対しては、基準信号xが入
力された時点から、サンプリング・クロックの間隔で、
適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi が順番に
駆動信号yとして供給される。
結果、コントローラ25から能動型エンジンマウント1
の電磁アクチュエータ10に対しては、基準信号xが入
力された時点から、サンプリング・クロックの間隔で、
適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi が順番に
駆動信号yとして供給される。
【0087】この結果、励磁コイル10Bに駆動信号y
に応じた磁力が発生するが、磁路部材12には、すでに
永久磁石10Cによる一定の磁力が付与されているか
ら、その励磁コイル10Bによる磁力は永久磁石10C
の磁力を強める又は弱めるように作用すると考えること
ができる。つまり、励磁コイル10Bに駆動信号yが供
給されていない状態では、磁路部材12は、板ばね11
による支持力と、永久磁石10Cとの磁力との釣り合っ
た中立の位置に変位することになる。そして、この中立
の状態で励磁コイル10Bに駆動信号yが供給される
と、その駆動信号yによって励磁コイル10Bに発生す
る磁力が永久磁石10Cの磁力と逆方向であれば、磁路
部材12は電磁アクチュエータ10とのクリアランスが
増大する方向に変位する。逆に、励磁コイル10Bに発
生する磁力が永久磁石10Cの磁力と同じ方向であれ
ば、磁路部材12は電磁アクチュエータ10とのクリア
ランスが減少する方向に変位する。
に応じた磁力が発生するが、磁路部材12には、すでに
永久磁石10Cによる一定の磁力が付与されているか
ら、その励磁コイル10Bによる磁力は永久磁石10C
の磁力を強める又は弱めるように作用すると考えること
ができる。つまり、励磁コイル10Bに駆動信号yが供
給されていない状態では、磁路部材12は、板ばね11
による支持力と、永久磁石10Cとの磁力との釣り合っ
た中立の位置に変位することになる。そして、この中立
の状態で励磁コイル10Bに駆動信号yが供給される
と、その駆動信号yによって励磁コイル10Bに発生す
る磁力が永久磁石10Cの磁力と逆方向であれば、磁路
部材12は電磁アクチュエータ10とのクリアランスが
増大する方向に変位する。逆に、励磁コイル10Bに発
生する磁力が永久磁石10Cの磁力と同じ方向であれ
ば、磁路部材12は電磁アクチュエータ10とのクリア
ランスが減少する方向に変位する。
【0088】このように磁路部材12は、正逆両方向に
変位可能であり、磁路部材12が変位すれば主流体室1
5の容積が変化し、その容積変化によって支持弾性体6
の拡張ばねが変形するから、この能動型エンジンマウン
ト1に正逆両方向の能動的な支持力が発生するのであ
る。
変位可能であり、磁路部材12が変位すれば主流体室1
5の容積が変化し、その容積変化によって支持弾性体6
の拡張ばねが変形するから、この能動型エンジンマウン
ト1に正逆両方向の能動的な支持力が発生するのであ
る。
【0089】そして、駆動信号yとなる適応ディジタル
フィルタWの各フィルタ係数Wi は、同期式Filte
red−X LMSアルゴリズムにしたがった上記
(1)式によって逐次更新されるため、ある程度の時間
が経過して適応ディジタルフィルタWの各フィルタ係数
Wi が最適値に収束した後は、駆動信号yが能動型エン
ジンマウント1に供給されることによって、エンジン3
0から能動型エンジンマウント1を介して車体35側に
伝達されるアイドル振動やこもり音振動が低減されるよ
うになるのである。
フィルタWの各フィルタ係数Wi は、同期式Filte
red−X LMSアルゴリズムにしたがった上記
(1)式によって逐次更新されるため、ある程度の時間
が経過して適応ディジタルフィルタWの各フィルタ係数
Wi が最適値に収束した後は、駆動信号yが能動型エン
ジンマウント1に供給されることによって、エンジン3
0から能動型エンジンマウント1を介して車体35側に
伝達されるアイドル振動やこもり音振動が低減されるよ
うになるのである。
【0090】一方、コントローラ25内では、図3に示
した振動低減処理の実行中に、所定の割り込みタイミン
グで、図4に示す発散検出処理が実行される。すなわ
ち、所定の割り込み間隔で、図4に示す処理が実行され
ると、まず、そのステップ121において、適応ディジ
タルフィルタWのフィルタ係数Wi の絶対値に基づい
て、発散判定用の判定値WH を演算する。この判定値W
H は、例えばフィルタ係数Wi の絶対値のうちの最大値
としてもよいし、或いはそのフィルタ係数Wi の絶対値
の所定個数の和としてもよい。
した振動低減処理の実行中に、所定の割り込みタイミン
グで、図4に示す発散検出処理が実行される。すなわ
ち、所定の割り込み間隔で、図4に示す処理が実行され
ると、まず、そのステップ121において、適応ディジ
タルフィルタWのフィルタ係数Wi の絶対値に基づい
て、発散判定用の判定値WH を演算する。この判定値W
H は、例えばフィルタ係数Wi の絶対値のうちの最大値
としてもよいし、或いはそのフィルタ係数Wi の絶対値
の所定個数の和としてもよい。
【0091】次いで、ステップ122に移行し、その判
定値WH が所定のしきい値Wthよりも大きいか否かを判
定する。このしきい値Wthは、判定値WH が過大である
か否かを判定するためのしきい値であって、このステッ
プ122の判定が「NO」の場合には、判定値WH は特
に過大ではなく、したがってその演算根拠であるフィル
タ係数Wi は、適切な振動低減制御実行中にとり得る通
常の範囲内に収まっていると判断することができる。そ
こで、制御には特に発散傾向は認められないと判断し
て、このまま今回の発散検出処理を終了する。
定値WH が所定のしきい値Wthよりも大きいか否かを判
定する。このしきい値Wthは、判定値WH が過大である
か否かを判定するためのしきい値であって、このステッ
プ122の判定が「NO」の場合には、判定値WH は特
に過大ではなく、したがってその演算根拠であるフィル
タ係数Wi は、適切な振動低減制御実行中にとり得る通
常の範囲内に収まっていると判断することができる。そ
こで、制御には特に発散傾向は認められないと判断し
て、このまま今回の発散検出処理を終了する。
【0092】しかし、ステップ122の判定が「YE
S」の場合には、判定値WH は過大であり、その演算根
拠であるフィルタ係数Wi は、適切な振動低減制御実行
中にはとり得ない大きな値に至っていると判断すること
ができる。そこで、振動低減制御は発散傾向にあると判
断し、ステップ123に移行して、発散抑制処理を実行
する。
S」の場合には、判定値WH は過大であり、その演算根
拠であるフィルタ係数Wi は、適切な振動低減制御実行
中にはとり得ない大きな値に至っていると判断すること
ができる。そこで、振動低減制御は発散傾向にあると判
断し、ステップ123に移行して、発散抑制処理を実行
する。
【0093】このステップ123における発散抑制処理
は、ここでは特に限定されるものではないが、例えば、
適応ディジタルフィルタWの各フィルタ係数Wi の値を
初期値にリセットする,適応ディジタルフィルタWの各
フィルタ係数Wi の値を所定比率(例えば50%)で縮
小する,適応ディジタルフィルタWをローパスフィルタ
処理して高周波成分を除去する等が考えられる。或い
は、発散抑制処理として、図3に示したような振動低減
制御自体を禁止して、能動型エンジンマウント1を単な
る受動的なエンジンマウントとして機能させるようにす
る、ということも考えられる。この振動低減制御自体を
禁止する対処は、他の発散抑制処理を実行しても繰り返
し発散が発生する場合には有効である。なお、振動低減
制御を禁止した場合には、それを知らしめるために、例
えばダッシュパネルに設けられた所定のランプを点灯さ
せることが望ましい。
は、ここでは特に限定されるものではないが、例えば、
適応ディジタルフィルタWの各フィルタ係数Wi の値を
初期値にリセットする,適応ディジタルフィルタWの各
フィルタ係数Wi の値を所定比率(例えば50%)で縮
小する,適応ディジタルフィルタWをローパスフィルタ
処理して高周波成分を除去する等が考えられる。或い
は、発散抑制処理として、図3に示したような振動低減
制御自体を禁止して、能動型エンジンマウント1を単な
る受動的なエンジンマウントとして機能させるようにす
る、ということも考えられる。この振動低減制御自体を
禁止する対処は、他の発散抑制処理を実行しても繰り返
し発散が発生する場合には有効である。なお、振動低減
制御を禁止した場合には、それを知らしめるために、例
えばダッシュパネルに設けられた所定のランプを点灯さ
せることが望ましい。
【0094】さらに、コントローラ25内では、図3に
示した振動低減処理,図4に示す発散検出処理の実行中
に、所定の割り込みタイミングで、図5に示す係数補正
処理が実行される。
示した振動低減処理,図4に示す発散検出処理の実行中
に、所定の割り込みタイミングで、図5に示す係数補正
処理が実行される。
【0095】すなわち、所定の割り込み間隔で、図5に
示す処理が実行されると、まず、そのステップ131の
処理で、温度センサ28からの温度検出値tを読み込
む。次いで、ステップ132に移行し、予め設定されて
所定の記憶領域に格納されている、例えば図6に示す対
応テーブルM1 を参照し、読み込んだ温度検出値tが含
まれる温度範囲を特定する。
示す処理が実行されると、まず、そのステップ131の
処理で、温度センサ28からの温度検出値tを読み込
む。次いで、ステップ132に移行し、予め設定されて
所定の記憶領域に格納されている、例えば図6に示す対
応テーブルM1 を参照し、読み込んだ温度検出値tが含
まれる温度範囲を特定する。
【0096】この対応テーブルM1 は図6に示すよう
に、例えば4つの温度範囲毎に、それぞれ対応する収束
係数α及び発散抑制係数βが設定されて、所定の記憶領
域に格納されている。この温度範囲は、例えば、−50
〜0〔℃〕の第1の範囲,0〜50〔℃〕の第2の範
囲,50〜100〔℃〕の第3の範囲,100〜150
〔℃〕の第4の範囲に分割されている。そして、これら
の各温度範囲の温度環境化において、振動伝達系におけ
る伝達特性に応じて、予め設定された伝達関数フィルタ
C^に基づく更新用基準信号RT を含む前記(3)の更
新式に基づいて、各温度範囲においてフィルタ係数Wi
を更新した際に、その制御の発散を回避することの可能
な、収束係数α及び発散抑制係数βが、予め実験を行う
こと等によって設定されている。
に、例えば4つの温度範囲毎に、それぞれ対応する収束
係数α及び発散抑制係数βが設定されて、所定の記憶領
域に格納されている。この温度範囲は、例えば、−50
〜0〔℃〕の第1の範囲,0〜50〔℃〕の第2の範
囲,50〜100〔℃〕の第3の範囲,100〜150
〔℃〕の第4の範囲に分割されている。そして、これら
の各温度範囲の温度環境化において、振動伝達系におけ
る伝達特性に応じて、予め設定された伝達関数フィルタ
C^に基づく更新用基準信号RT を含む前記(3)の更
新式に基づいて、各温度範囲においてフィルタ係数Wi
を更新した際に、その制御の発散を回避することの可能
な、収束係数α及び発散抑制係数βが、予め実験を行う
こと等によって設定されている。
【0097】そして、第2の温度範囲(0〜50℃)を
基準とし、このときの収束係数α2及び発散抑制係数β
2 を基準としたとき、基準温度範囲から温度範囲がずれ
るに応じて、収束係数αは小さくなるように、つまり、
α2 >α1 ,α2 >α3 >α 4 を満足するように設定さ
れ、逆に発散抑制係数βは大きくなるように、つまり、
β2 <β1 ,β2 <β3 <β4 を満足するように設定さ
れ、それぞれ、制御の安定性がより高まるように設定さ
れている。
基準とし、このときの収束係数α2及び発散抑制係数β
2 を基準としたとき、基準温度範囲から温度範囲がずれ
るに応じて、収束係数αは小さくなるように、つまり、
α2 >α1 ,α2 >α3 >α 4 を満足するように設定さ
れ、逆に発散抑制係数βは大きくなるように、つまり、
β2 <β1 ,β2 <β3 <β4 を満足するように設定さ
れ、それぞれ、制御の安定性がより高まるように設定さ
れている。
【0098】したがって、ステップ132の処理では、
温度検出値tが第1〜第4の温度範囲の何れに含まれる
かを特定し、特定した温度範囲を所定の記憶領域に更新
記憶する。次にステップ133に移行して、予め所定の
記憶領域に保持している前回特定した温度範囲と、今回
特定した温度範囲とを比較し、温度範囲が変化したか否
かを判定する。
温度検出値tが第1〜第4の温度範囲の何れに含まれる
かを特定し、特定した温度範囲を所定の記憶領域に更新
記憶する。次にステップ133に移行して、予め所定の
記憶領域に保持している前回特定した温度範囲と、今回
特定した温度範囲とを比較し、温度範囲が変化したか否
かを判定する。
【0099】そして、温度範囲が変化していない場合に
は、収束係数α,発散抑制係数βを変更する必要はない
ものとして、処理を終了する。一方、温度範囲が変化し
た場合には、ステップ134に移行し、対応テーブルM
1 を参照し、特定した温度範囲に対応する収束係数α及
び発散抑制係数βを特定し、前記(3)式の、収束係数
α及び発散抑制係数βの値を、新たに特定した収束係数
α及び発散抑制係数βの値に置き換える。そして、処理
を終了する。
は、収束係数α,発散抑制係数βを変更する必要はない
ものとして、処理を終了する。一方、温度範囲が変化し
た場合には、ステップ134に移行し、対応テーブルM
1 を参照し、特定した温度範囲に対応する収束係数α及
び発散抑制係数βを特定し、前記(3)式の、収束係数
α及び発散抑制係数βの値を、新たに特定した収束係数
α及び発散抑制係数βの値に置き換える。そして、処理
を終了する。
【0100】したがって、温度センサ28の温度検出値
t、すなわち、能動型エンジンマウント1の温度に応じ
て、収束係数α及び発散抑制係数βが変更され、これら
係数α及びβが変更された、前記(3)式の適応ディジ
タルフィルタWのフィルタ係数Wi の更新式に基づい
て、フィルタ係数Wi が設定されてこれに基づいて振動
低減制御が行われる。
t、すなわち、能動型エンジンマウント1の温度に応じ
て、収束係数α及び発散抑制係数βが変更され、これら
係数α及びβが変更された、前記(3)式の適応ディジ
タルフィルタWのフィルタ係数Wi の更新式に基づい
て、フィルタ係数Wi が設定されてこれに基づいて振動
低減制御が行われる。
【0101】よって、例えば車両走行中に、温度環境が
変化すること等に伴って、振動伝達系の伝達特性が変化
した場合に、実際の振動伝達特性とは異なる伝達特性に
応じたフィルタ係数Wiの更新式に基づいて、振動低減
制御が行われた場合でも、温度検出値tに応じて収束係
数α及び発散抑制係数βを変更することによって、制御
をより安定化させる方向に制御するから、精度の低い伝
達特性に応じて制御を行うことによって、制御が不安定
となることを抑制し、発散に至る可能性を低減し、良好
な振動低減制御を実行することができる。
変化すること等に伴って、振動伝達系の伝達特性が変化
した場合に、実際の振動伝達特性とは異なる伝達特性に
応じたフィルタ係数Wiの更新式に基づいて、振動低減
制御が行われた場合でも、温度検出値tに応じて収束係
数α及び発散抑制係数βを変更することによって、制御
をより安定化させる方向に制御するから、精度の低い伝
達特性に応じて制御を行うことによって、制御が不安定
となることを抑制し、発散に至る可能性を低減し、良好
な振動低減制御を実行することができる。
【0102】また、特に、能動型エンジンマウント1の
支持弾性体6等、振動伝達系にゴム等が介在している場
合、ゴムは温度が例えば0〜100℃程度の範囲を越え
るとその伝達特性が大きく変わり、例えば温度が0℃以
下となると硬化してしまうため、これによって振動伝達
系の伝達特性が変化し、初期状態の伝達特性との差が大
きくなり、不安定となりやすい。しかしながら、上記実
施の形態では、収束係数α及び発散抑制係数βを、能動
型エンジンマウント1の温度変化に応じて、温度が基準
値からずれるにしたがって、収束係数α及び発散抑制係
数βを、それぞれ制御の安定性が高まる方向に変更する
ようにしているから、制御が発散に至る可能性を低減す
ることができる。
支持弾性体6等、振動伝達系にゴム等が介在している場
合、ゴムは温度が例えば0〜100℃程度の範囲を越え
るとその伝達特性が大きく変わり、例えば温度が0℃以
下となると硬化してしまうため、これによって振動伝達
系の伝達特性が変化し、初期状態の伝達特性との差が大
きくなり、不安定となりやすい。しかしながら、上記実
施の形態では、収束係数α及び発散抑制係数βを、能動
型エンジンマウント1の温度変化に応じて、温度が基準
値からずれるにしたがって、収束係数α及び発散抑制係
数βを、それぞれ制御の安定性が高まる方向に変更する
ようにしているから、制御が発散に至る可能性を低減す
ることができる。
【0103】また、このとき、振動伝達系の伝達特性の
変化に影響を与えるゴム部等を含む能動型エンジンマウ
ント1の温度変化に応じて、各係数α及びβを変更して
いるから、より的確に且つ効果的に変更することができ
る。
変化に影響を与えるゴム部等を含む能動型エンジンマウ
ント1の温度変化に応じて、各係数α及びβを変更して
いるから、より的確に且つ効果的に変更することができ
る。
【0104】ここで、本実施の形態では、エンジン30
が振動源に対応し、能動型エンジンマウント1が制御振
動源に対応し、パルス信号生成器26が基準信号生成手
段に対応し、荷重センサ22が残留振動検出手段に対応
し、図3の処理において、所定のサンプリング・クロッ
クに同期してステップ104でフィルタ係数Wi を駆動
信号yとして出力する処理が駆動信号生成手段に対応
し、図3のステップ107野処理がフィルタ係数更新手
段に対応し、温度センサ28が温度検出手段に対応し、
図5の処理が補正手段に対応している。
が振動源に対応し、能動型エンジンマウント1が制御振
動源に対応し、パルス信号生成器26が基準信号生成手
段に対応し、荷重センサ22が残留振動検出手段に対応
し、図3の処理において、所定のサンプリング・クロッ
クに同期してステップ104でフィルタ係数Wi を駆動
信号yとして出力する処理が駆動信号生成手段に対応
し、図3のステップ107野処理がフィルタ係数更新手
段に対応し、温度センサ28が温度検出手段に対応し、
図5の処理が補正手段に対応している。
【0105】次に、本発明の第2の実施の形態を説明す
る。この第2の実施の形態においては、前記第1の実施
の形態における係数補正処理に代えて、発散検出処理に
おいて発散傾向にあるか否かを判定するための発散のし
きい値Wthを、温度変化に基づいて変更するようにして
いること以外は、上記第1の実施の形態と同様であり、
全体的な構成や振動低減処理の処理内容は同様であるた
め、その重複する説明は省略する。
る。この第2の実施の形態においては、前記第1の実施
の形態における係数補正処理に代えて、発散検出処理に
おいて発散傾向にあるか否かを判定するための発散のし
きい値Wthを、温度変化に基づいて変更するようにして
いること以外は、上記第1の実施の形態と同様であり、
全体的な構成や振動低減処理の処理内容は同様であるた
め、その重複する説明は省略する。
【0106】この第2の実施の形態においては、図3の
振動低減処理,図4の発散検出処理をそれぞれ所定時間
毎に実行すると共に、図7に示すしきい値変更処理が実
行される。
振動低減処理,図4の発散検出処理をそれぞれ所定時間
毎に実行すると共に、図7に示すしきい値変更処理が実
行される。
【0107】つまり、振動伝達系に温度変化が生じる
と、これに応じて振動伝達系の伝達特性に変化が生じる
から、前記(3)式におけるフィルタ係数Wi の更新式
に基づいてフィルタ係数Wi を更新した場合、実際の伝
達特性とは異なる伝達特性に基づく更新式に基づいてフ
ィルタ係数Wi を更新することになり、通常とり得るフ
ィルタ係数Wi の値とは異なる値をとることになる。よ
って、この通常とり得る値とは異なるフィルタ係数Wi
の値としきい値Wthとをもとに、発散の判断を行った場
合、フィルタ係数Wi が正常値であっても、発散傾向に
あると誤判断したり、発散傾向にあるのに、正常値であ
ると誤判断することがある。
と、これに応じて振動伝達系の伝達特性に変化が生じる
から、前記(3)式におけるフィルタ係数Wi の更新式
に基づいてフィルタ係数Wi を更新した場合、実際の伝
達特性とは異なる伝達特性に基づく更新式に基づいてフ
ィルタ係数Wi を更新することになり、通常とり得るフ
ィルタ係数Wi の値とは異なる値をとることになる。よ
って、この通常とり得る値とは異なるフィルタ係数Wi
の値としきい値Wthとをもとに、発散の判断を行った場
合、フィルタ係数Wi が正常値であっても、発散傾向に
あると誤判断したり、発散傾向にあるのに、正常値であ
ると誤判断することがある。
【0108】これを回避するために、コントローラ25
では、しきい値変更手段としてのしきい値変更処理を実
行し、温度検出値tに応じて、しきい値Wthを変更する
ようにしている。
では、しきい値変更手段としてのしきい値変更処理を実
行し、温度検出値tに応じて、しきい値Wthを変更する
ようにしている。
【0109】すなわち、所定の割り込み間隔で、図7に
示す処理が実行されると、コントローラ25では、ま
ず、温度センサ28からの温度検出値tを読み込み(ス
テップ201)、続いて、ステップ202に移行して、
予め設定されて所定の記憶領域に格納されている、例え
ば図8に示す対応テーブルM2 を参照し、読み込んだ温
度検出値tに対応する温度範囲を特定する。
示す処理が実行されると、コントローラ25では、ま
ず、温度センサ28からの温度検出値tを読み込み(ス
テップ201)、続いて、ステップ202に移行して、
予め設定されて所定の記憶領域に格納されている、例え
ば図8に示す対応テーブルM2 を参照し、読み込んだ温
度検出値tに対応する温度範囲を特定する。
【0110】この対応テーブルM2 は、図8に示すよう
に、例えば4つの温度範囲毎に、それぞれ対応するしき
い値Wthが設定されている。この温度範囲は、例えば、
−50〜0〔℃〕の第1の範囲,0〜50〔℃〕の第2
の範囲,50〜100〔℃〕の第3の範囲,100〜1
50〔℃〕の第4の範囲に分割されている。そして、こ
れらの各温度範囲の温度環境化において、振動伝達系に
おける伝達特性に応じて予め設定された伝達関数フィル
タC^に基づく更新用基準信号RT を含む前記(3)の
更新式に基づいて、各温度範囲においてフィルタ係数W
i を更新した際に、制御が発散に至ることなく正常な制
御を行うことの可能なフィルタ係数Wiのとり得る値を
判定するためのしきい値Wthが、予め実験を行うこと等
に基づいて設定されている。
に、例えば4つの温度範囲毎に、それぞれ対応するしき
い値Wthが設定されている。この温度範囲は、例えば、
−50〜0〔℃〕の第1の範囲,0〜50〔℃〕の第2
の範囲,50〜100〔℃〕の第3の範囲,100〜1
50〔℃〕の第4の範囲に分割されている。そして、こ
れらの各温度範囲の温度環境化において、振動伝達系に
おける伝達特性に応じて予め設定された伝達関数フィル
タC^に基づく更新用基準信号RT を含む前記(3)の
更新式に基づいて、各温度範囲においてフィルタ係数W
i を更新した際に、制御が発散に至ることなく正常な制
御を行うことの可能なフィルタ係数Wiのとり得る値を
判定するためのしきい値Wthが、予め実験を行うこと等
に基づいて設定されている。
【0111】そして、温度が上昇する毎に、しきい値W
thはより小さくなるように、つまり、第1の温度範囲に
おけるしきい値Wth1 が最も大きく、第4の温度範囲に
おけるしきい値Wth4 が最も小さくなるように設定され
ている。
thはより小さくなるように、つまり、第1の温度範囲に
おけるしきい値Wth1 が最も大きく、第4の温度範囲に
おけるしきい値Wth4 が最も小さくなるように設定され
ている。
【0112】したがって、ステップ202の処理では、
温度検出値tが第1〜第4の温度範囲の何れに該当する
か否かを特定し、これを所定の記憶領域に更新記憶す
る。次にステップ203の処理に移行して、予め所定の
記憶領域に保持している前回特定した温度範囲と、今回
特定した温度範囲とを比較し、温度範囲が変化したか否
かを判定する。
温度検出値tが第1〜第4の温度範囲の何れに該当する
か否かを特定し、これを所定の記憶領域に更新記憶す
る。次にステップ203の処理に移行して、予め所定の
記憶領域に保持している前回特定した温度範囲と、今回
特定した温度範囲とを比較し、温度範囲が変化したか否
かを判定する。
【0113】そして、温度範囲が変化していない場合に
は、しきい値Wthを変更する必要はないものとして、処
理を終了する。一方、温度範囲が変化した場合には、ス
テップ204に移行し、対応テーブルM1 を参照して、
特定した温度範囲に対応するしきい値Wthを特定し、図
4の発散検出処理における発散のしきい値Wthの値を、
新たに特定したしきい値Wthの値に置き換える。そし
て、処理を終了する。
は、しきい値Wthを変更する必要はないものとして、処
理を終了する。一方、温度範囲が変化した場合には、ス
テップ204に移行し、対応テーブルM1 を参照して、
特定した温度範囲に対応するしきい値Wthを特定し、図
4の発散検出処理における発散のしきい値Wthの値を、
新たに特定したしきい値Wthの値に置き換える。そし
て、処理を終了する。
【0114】したがって、温度センサ28の温度検出値
tに応じてしきい値Wthが変更され、このしきい値Wth
に基づいて、発散検出処理における発散の判断が行われ
ることになる。よって、例えば車両走行中に、温度環境
が変化すること等に伴って、振動伝達系の伝達特性が変
化した場合に、実際の振動伝達特性とは異なる伝達特性
に応じた発散のしきい値Wthに基づいて、発散検出処理
が行われた場合でも、発散しきい値Wthを、温度検出値
tに応じて変更することによって、適切に発散の判断を
行うことができ、発散の誤検出或いは発散の見落としを
回避し、適切に判断を行うことができる。
tに応じてしきい値Wthが変更され、このしきい値Wth
に基づいて、発散検出処理における発散の判断が行われ
ることになる。よって、例えば車両走行中に、温度環境
が変化すること等に伴って、振動伝達系の伝達特性が変
化した場合に、実際の振動伝達特性とは異なる伝達特性
に応じた発散のしきい値Wthに基づいて、発散検出処理
が行われた場合でも、発散しきい値Wthを、温度検出値
tに応じて変更することによって、適切に発散の判断を
行うことができ、発散の誤検出或いは発散の見落としを
回避し、適切に判断を行うことができる。
【0115】また、能動型エンジンマウント1の支持弾
性体6等、振動伝達系にゴム等が介在している場合、温
度変化に伴うその伝達特性の変化が大きく、例えば温度
が0℃以下となったときには硬化してしまい、その分、
フィルタ係数Wi の値が大きくなるが、温度検出値tが
低下するほど、しきい値Wthが大きくなるようにしてい
るから、発散の判断を的確に行うことができる。
性体6等、振動伝達系にゴム等が介在している場合、温
度変化に伴うその伝達特性の変化が大きく、例えば温度
が0℃以下となったときには硬化してしまい、その分、
フィルタ係数Wi の値が大きくなるが、温度検出値tが
低下するほど、しきい値Wthが大きくなるようにしてい
るから、発散の判断を的確に行うことができる。
【0116】また、振動伝達系の伝達特性の変化に影響
を与えると予測される能動型エンジンマウント1の温度
変化に応じて、しきい値Wthを変更するようにしている
から効果的である。
を与えると予測される能動型エンジンマウント1の温度
変化に応じて、しきい値Wthを変更するようにしている
から効果的である。
【0117】なお、この第2の実施の形態においては、
前記係数補正処理に代えてしきい値変更処理を行うよう
にした場合について説明したが、前記係数補正処理と共
にしきい値変更処理を実行するようにしてもよく、この
ようにすることによって、制御を安定化させ、制御が発
散に至る可能性を低減することができると共に、発散の
誤検出及び見落としを回避し、適切に発散の検出を行う
ことができる。
前記係数補正処理に代えてしきい値変更処理を行うよう
にした場合について説明したが、前記係数補正処理と共
にしきい値変更処理を実行するようにしてもよく、この
ようにすることによって、制御を安定化させ、制御が発
散に至る可能性を低減することができると共に、発散の
誤検出及び見落としを回避し、適切に発散の検出を行う
ことができる。
【0118】また、上記第1及び第2の実施の形態にお
いては、温度範囲を4段階に分けて、収束係数α及び発
散抑制係数β、或いはしきい値Wthを段階的に変化させ
るようにした場合について説明したが、これに限るもの
ではなく、より細かい温度範囲或いはより大まかな温度
範囲に分けるようにしてもよく、また、温度変化に応じ
て連続的に変化させるようにしてもよい。
いては、温度範囲を4段階に分けて、収束係数α及び発
散抑制係数β、或いはしきい値Wthを段階的に変化させ
るようにした場合について説明したが、これに限るもの
ではなく、より細かい温度範囲或いはより大まかな温度
範囲に分けるようにしてもよく、また、温度変化に応じ
て連続的に変化させるようにしてもよい。
【0119】また、上記各実施の形態においては、温度
センサ28を電磁アクチュエータ10のヨーク10Aに
挿入してここの温度を検出するようにした場合について
説明したが、これに限るものではない。例えば、能動型
エンジンマウント1の温度変化の影響を受けやすいの
は、例えば支持弾性体6等、温度変化に伴いその振動の
伝達関数が大きく変化するゴム等で形成された部分であ
るから、この支持弾性体6に温度センサを設けて支持弾
性体6の温度を検出するようにしてもよい。
センサ28を電磁アクチュエータ10のヨーク10Aに
挿入してここの温度を検出するようにした場合について
説明したが、これに限るものではない。例えば、能動型
エンジンマウント1の温度変化の影響を受けやすいの
は、例えば支持弾性体6等、温度変化に伴いその振動の
伝達関数が大きく変化するゴム等で形成された部分であ
るから、この支持弾性体6に温度センサを設けて支持弾
性体6の温度を検出するようにしてもよい。
【0120】このとき、支持弾性体6はその耐久性の問
題から、温度センサを支持弾性体6に挿入することは困
難であるから、例えばその表面に温度センサを設けるよ
うにしてもよく、また、予め実験等によって、ヨーク1
0Aと支持弾性体6との温度の相関関係を求めておき、
この相関関係と温度センサ28で検出したヨーク10A
の温度検出値tとに基づいて支持弾性体6の温度を予測
し、この予測した温度に基づいて、同定処理を実行する
か否かの判定を行うようにしてもよい。
題から、温度センサを支持弾性体6に挿入することは困
難であるから、例えばその表面に温度センサを設けるよ
うにしてもよく、また、予め実験等によって、ヨーク1
0Aと支持弾性体6との温度の相関関係を求めておき、
この相関関係と温度センサ28で検出したヨーク10A
の温度検出値tとに基づいて支持弾性体6の温度を予測
し、この予測した温度に基づいて、同定処理を実行する
か否かの判定を行うようにしてもよい。
【0121】また、支持弾性体6に限らず、主流体室1
5内の作動流体の温度,或いは能動型エンジンマウント
1本体が設置されている場所の温度,等を測定するよう
にしてもよい。
5内の作動流体の温度,或いは能動型エンジンマウント
1本体が設置されている場所の温度,等を測定するよう
にしてもよい。
【0122】また、上記各実施の形態においては、残留
振動を能動型エンジンマウント1に内蔵した荷重センサ
22によって検出しているが、これに限定されるもので
はなく、例えば車室内の乗員足元位置にフロア振動を検
出する加速度センサを配設し、その加速度センサの出力
信号を残留振動信号eとしてもよい。
振動を能動型エンジンマウント1に内蔵した荷重センサ
22によって検出しているが、これに限定されるもので
はなく、例えば車室内の乗員足元位置にフロア振動を検
出する加速度センサを配設し、その加速度センサの出力
信号を残留振動信号eとしてもよい。
【0123】また、上記各実施の形態においては、本発
明における能動型振動制御装置をエンジン30から車体
35に伝達される振動を低減する車両用の能動型振動制
御装置に適用した場合について説明したが、本発明の対
象はこれに限定されるものではなく、エンジン30以外
で発生する振動を低減するための能動型振動制御装置で
あっても本発明は適用可能である。
明における能動型振動制御装置をエンジン30から車体
35に伝達される振動を低減する車両用の能動型振動制
御装置に適用した場合について説明したが、本発明の対
象はこれに限定されるものではなく、エンジン30以外
で発生する振動を低減するための能動型振動制御装置で
あっても本発明は適用可能である。
【0124】また、例えば騒音源としてのエンジン30
から車室内に伝達される騒音を低減する能動型騒音制御
装置であってもよく、かかる能動型騒音制御装置とする
場合には、車室内に制御音を発生するための制御音源と
してのラウドスピーカと、車室内の残留騒音を検出する
残留騒音検出手段としてのマイクロフォンと、車室内の
温度を測定する温度検出手段としての温度センサを設
け、上記各実施の形態と同様の演算処理によって得られ
る駆動信号yに応じてラウドスピーカを駆動させると共
に、マイクロフォンの出力を残留騒音信号eとして適応
ディジタルフィルタWの各フィルタ係数Wi の更新処理
に用い、係数補正処理或いはしきい値変更処理等を実行
すれば、上記各実施の形態と同様の作用効果を得ること
ができる。
から車室内に伝達される騒音を低減する能動型騒音制御
装置であってもよく、かかる能動型騒音制御装置とする
場合には、車室内に制御音を発生するための制御音源と
してのラウドスピーカと、車室内の残留騒音を検出する
残留騒音検出手段としてのマイクロフォンと、車室内の
温度を測定する温度検出手段としての温度センサを設
け、上記各実施の形態と同様の演算処理によって得られ
る駆動信号yに応じてラウドスピーカを駆動させると共
に、マイクロフォンの出力を残留騒音信号eとして適応
ディジタルフィルタWの各フィルタ係数Wi の更新処理
に用い、係数補正処理或いはしきい値変更処理等を実行
すれば、上記各実施の形態と同様の作用効果を得ること
ができる。
【0125】また、本発明の適用対象は車両に限定され
るものではなく、エンジン30以外で発生する周期的な
振動や騒音を低減するための能動型振動制御装置,能動
型騒音制御装置や、非周期的な振動や騒音(ランダム・
ノイズ)を低減するための能動型振動制御装置,能動型
騒音制御装置であっても適用可能であり、適用対象に関
係なく上記各実施の形態と同様の作用効果を奏すること
ができる。例えば、工作機械からフロアや室内に伝達さ
れる振動を低減する装置等であっても、本発明は適用可
能である。
るものではなく、エンジン30以外で発生する周期的な
振動や騒音を低減するための能動型振動制御装置,能動
型騒音制御装置や、非周期的な振動や騒音(ランダム・
ノイズ)を低減するための能動型振動制御装置,能動型
騒音制御装置であっても適用可能であり、適用対象に関
係なく上記各実施の形態と同様の作用効果を奏すること
ができる。例えば、工作機械からフロアや室内に伝達さ
れる振動を低減する装置等であっても、本発明は適用可
能である。
【0126】さらに、上記各実施の形態では、駆動信号
yを生成するアルゴリズムとして同期式Filtere
d−X LMSアルゴリズムを適用しているが、適用可
能なアルゴリズムはこれに限定されるものではなく、例
えば、通常のFiltered−X LMSアルゴリズ
ム等であってもよい。
yを生成するアルゴリズムとして同期式Filtere
d−X LMSアルゴリズムを適用しているが、適用可
能なアルゴリズムはこれに限定されるものではなく、例
えば、通常のFiltered−X LMSアルゴリズ
ム等であってもよい。
【図1】第1の実施の形態を示す概略構成図である。
【図2】能動型エンジンマウントの一例を示す断面図で
ある。
ある。
【図3】振動低減処理の概要を示すフローチャートであ
る。
る。
【図4】発散検出処理の概要を示すフローチャートであ
る。
る。
【図5】係数補正処理の概要を示すフローチャートであ
る。
る。
【図6】温度範囲と、これに対応する収束係数α及び発
散抑制係数βとの対応を表す対応テーブルM1 である。
散抑制係数βとの対応を表す対応テーブルM1 である。
【図7】しきい値変更処理の概要を示すフローチャート
である。
である。
【図8】温度範囲と、これに対応するしきい値Wthとの
対応を表す対応テーブルM2 である。
対応を表す対応テーブルM2 である。
1 能動型エンジンマウント(制御振動源) 10 電磁アクチュエータ 11 板ばね 22 荷重センサ(残留振動検出手段) 25 コントローラ 26 パルス信号生成器(基準信号生成手段) 28 温度センサ(温度検出手段) 30 エンジン(振動源) 35 車体
Claims (10)
- 【請求項1】 騒音源から発せられる騒音と干渉する制
御音を発生可能な制御音源と、前記騒音の発生状態を表
す基準信号を生成し出力する基準信号生成手段と、前記
干渉後の騒音を検出し残留騒音信号として出力する残留
騒音検出手段と、フィルタ係数可変の適応ディジタルフ
ィルタと、前記基準信号を前記適応ディジタルフィルタ
でフィルタ処理して前記制御音源を駆動する駆動信号を
生成する駆動信号生成手段と、前記基準信号及び前記残
留騒音信号に基づき前記制御音源及び前記残留騒音検出
手段間の騒音の伝達系の伝達特性に応じた更新式にした
がって、前記ディジタルフィルタのフィルタ係数を更新
するフィルタ係数更新手段と、を備えた能動型騒音制御
装置において、 前記伝達系の温度を検出する温度検出手段と、当該温度
検出手段で検出した検出温度に応じて前記更新式を補正
する補正手段と、を備えることを特徴とする能動型騒音
制御装置。 - 【請求項2】 前記更新式は、前記駆動信号が大きくな
るにつれて前記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数
を小さくするように作用する発散抑制項を含む更新式で
あって、前記補正手段は、前記更新式の前記発散抑制項
の影響度合い及び前記適応ディジタルフィルタのフィル
タ係数の更新速度に影響を与える収束係数のうちの少な
くとも何れか一方を補正するようになっていることを特
徴とする請求項1記載の能動型騒音制御装置。 - 【請求項3】 騒音源から発せられる騒音と干渉する制
御音を発生可能な制御音源と、前記騒音の発生状態を表
す基準信号を生成し出力する基準信号生成手段と、前記
干渉後の騒音を検出し残留騒音信号として出力する残留
騒音検出手段と、フィルタ係数可変の適応ディジタルフ
ィルタと、前記基準信号を前記適応ディジタルフィルタ
でフィルタ処理して前記制御音源を駆動する駆動信号を
生成する駆動信号生成手段と、前記基準信号及び前記残
留騒音信号に基づき前記制御音源及び前記残留騒音検出
手段間の騒音の伝達系の伝達特性に応じた制御アルゴリ
ズムに従って、前記ディジタルフィルタのフィルタ係数
を更新するフィルタ係数更新手段と、前記適応ディジタ
ルフィルタのフィルタ係数と所定のしきい値とを比較す
ることにより制御が発散したことを検出する発散検出手
段と、を備えた能動型騒音制御装置において、 前記伝達系の温度を検出する温度検出手段と、当該温度
検出手段で検出した検出温度に応じて前記しきい値を変
更するしきい値変更手段と、を備えることを特徴とする
能動型騒音制御装置。 - 【請求項4】 前記しきい値変更手段は、前記温度検出
手段の検出温度が低下するほど、前記しきい値を増加さ
せるようになっていることを特徴とする請求項3記載の
能動型騒音制御装置。 - 【請求項5】 振動源から発せられる振動と干渉する制
御振動を発生可能な制御振動源と、前記振動の発生状態
を表す基準信号を生成し出力する基準信号生成手段と、
前記干渉後の振動を検出し残留振動信号として出力する
残留振動検出手段と、フィルタ係数可変の適応ディジタ
ルフィルタと、前記基準信号を前記適応ディジタルフィ
ルタでフィルタ処理して前記制御振動源を駆動する駆動
信号を生成する駆動信号生成手段と、前記基準信号及び
前記残留振動信号に基づき前記制御振動源及び前記残留
振動検出手段間の振動の伝達系の伝達特性に応じた更新
式に従って、前記ディジタルフィルタのフィルタ係数を
更新するフィルタ係数更新手段と、を備えた能動型振動
制御装置において、 前記伝達系の温度を検出する温度検出手段と、当該温度
検出手段で検出した検出温度に応じて、前記フィルタ係
数更新手段の更新式を補正する補正手段と、を備えるこ
とを特徴とする能動型振動制御装置。 - 【請求項6】 前記更新式は、前記駆動信号が大きくな
るにつれて前記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数
を小さくするように作用する発散抑制項を含む更新式で
あって、前記補正手段は、前記更新式の前記発散抑制項
の影響度合い及び前記適応ディジタルフィルタのフィル
タ係数の更新速度に影響を与える収束係数のうちの少な
くとも何れか一方を補正するようになっていることを特
徴とする請求項5記載の能動型振動制御装置。 - 【請求項7】 振動源から発せられる振動と干渉する制
御振動を発生可能な制御振動源と、前記振動の発生状態
を表す基準信号を生成し出力する基準信号生成手段と、
前記干渉後の振動を検出し残留振動信号として出力する
残留振動検出手段と、フィルタ係数可変の適応ディジタ
ルフィルタと、前記基準信号を前記適応ディジタルフィ
ルタでフィルタ処理して前記制御振動源を駆動する駆動
信号を生成する駆動信号生成手段と、前記基準信号及び
前記残留振動信号に基づき前記制御振動源及び前記残留
振動検出手段間の振動の伝達系の伝達特性に応じた適応
アルゴリズムに従って、前記ディジタルフィルタのフィ
ルタ係数を更新するフィルタ係数更新手段と、前記適応
ディジタルフィルタのフィルタ係数と所定のしきい値と
を比較することにより制御が発散したことを検出する発
散検出手段と、を備えた能動型振動制御装置において、 前記伝達系の温度を検出する温度検出手段と、当該温度
検出手段で検出した検出温度に応じて前記しきい値を変
更するしきい値変更手段と、を備えることを特徴とする
能動型振動制御装置。 - 【請求項8】 前記しきい値変更手段は、前記温度検出
手段の検出温度が低下するほど、前記しきい値を増加さ
せるようになっていることを特徴とする請求項7記載の
能動型振動制御装置。 - 【請求項9】 車両に適用され、前記振動源はエンジン
であり、前記制御振動源は、前記エンジンと車体側部材
との間に介在する支持弾性体を備えた制御振動源であっ
て、前記温度検出手段は、前記支持弾性体の温度を検出
するようになっていることを特徴とする請求項5乃至8
の何れかに記載の能動型振動制御装置。 - 【請求項10】 車両に適用され、前記振動源はエンジ
ンであり、前記制御振動源は、前記エンジンと車体側部
材との間に介在する支持弾性体を備えた制御振動源であ
って、前記温度検出手段は前記支持弾性体の周辺温度を
検出して、当該周辺温度から前記支持弾性体の温度を予
測するようになっていることを特徴とする請求項5乃至
8の何れかに記載の能動型振動制御装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12585597A JPH10319971A (ja) | 1997-05-15 | 1997-05-15 | 能動型騒音制御装置及び能動型振動制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12585597A JPH10319971A (ja) | 1997-05-15 | 1997-05-15 | 能動型騒音制御装置及び能動型振動制御装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10319971A true JPH10319971A (ja) | 1998-12-04 |
Family
ID=14920618
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12585597A Pending JPH10319971A (ja) | 1997-05-15 | 1997-05-15 | 能動型騒音制御装置及び能動型振動制御装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10319971A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2018139529A1 (ja) * | 2017-01-26 | 2018-08-02 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 電動ブレーキ装置 |
-
1997
- 1997-05-15 JP JP12585597A patent/JPH10319971A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2018139529A1 (ja) * | 2017-01-26 | 2018-08-02 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 電動ブレーキ装置 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20040817 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |