JPH0116251B2 - - Google Patents
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- JPH0116251B2 JPH0116251B2 JP56080997A JP8099781A JPH0116251B2 JP H0116251 B2 JPH0116251 B2 JP H0116251B2 JP 56080997 A JP56080997 A JP 56080997A JP 8099781 A JP8099781 A JP 8099781A JP H0116251 B2 JPH0116251 B2 JP H0116251B2
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Description
本発明はポリエーテルグリコールの製造方法に
関し、さらに詳しくは比較的低分子量で、高官能
度、高純度のオキシテトラメチレン基を主成分と
するポリエーテルグリコールを製造するための方
法に関する。 テトラヒドロフランあるいはテトラヒドロフラ
ンおよびこれと共重合可能な他の環状エーテルと
の混合物を発煙硫酸やフルオロ硫酸を主成分とす
る開環重合触媒の存在下に重合して得られるポリ
エーテルを酸性条件下で加水分解することによ
り、ポリテトラメチレングリコール(以下
PTMGと略記する)およびオキシテトラメチレ
ン基を主成分とする共重合ポリエーテルグリコー
ル(以下PTMGを含めこれらをPTMG系ポリエ
ーテルグリコールと総称する)を製造することは
知られている(例えば特公昭48−25438、同49−
28917、同45−3104)。かくして得られるPTMG
系ポリエーテルグリコールはポリウレタン、弾性
ポリエステル、弾性ポリアミド等の原料として用
いた場合、機械的特性や耐加水分解性などの物性
のすぐれた材料をあたえるところから、近年その
工業的重要性が注目されている。通常これらの用
途においては数平均分子量で500〜5000程度の比
較的分子量のものが使用され、また特性のすぐれ
た材料を得るためには、その官能度が2に近いこ
と、すなわち分子の両末端が水酸基であることと
ともに、PTMG系ポリエーテルグリコールが、
重合時に生成したポリエーテルの末端硫酸エステ
ル基やポリエーテルの末端硫酸エステル基の加水
分解処理中に生成した酸をほとんど含まないこと
が非常に重要であり、これらの残留量が大きい
と、加熱した場合にPTMG系ポリエーテルグリ
コールの分解反応を引起したり、ウレタン化反応
やエステル化反応において反応を妨害したり、好
ましくない副反応を引起したりして、ポリウレタ
ン、弾性ポリエステルあるいは弾性ポリアミドを
製造する際に、物性のすぐれた材料が得られない
という問題を生じる。 発煙硫酸やフルオロ硫酸を開環重合触媒として
用いて、PTMG系ポリエーテルグリコールを製
造する方法は、上述の比較的低分子量のものを容
易に製造することができ、また加水分解反応も酸
性条件下で行なうことにより比較的速やかに進行
するという利点を有する。しかしながらこの方法
では、加水分解反応が平衡反応であるために、ポ
リエーテル末端に少量の硫酸エステル基が残留し
やすく、また加水分解反応の過程で生成する酸は
ポリエーテルと親和性が大きいためにポリエーテ
ル中に遊離の酸として残留しやすく、得られた
PTMG系ポリエーテルグリコールをポリウレタ
ン等の原料として使用する上で種々問題があつ
た。 ポリエーテルの末端硫酸エステル基の量を減少
させるために、加水分解反応時の硫酸濃度を下げ
て処理することもできるが、この場合には加水分
解するための水の量が極めて大となり、大型の反
応器が必要となつて工業的製造に際して不利にな
る上、生成したPTMG系ポリエーテルグリコー
ルが多量に水層に溶け込んで、製品としての回収
率が低下し、また廃水処理の負担が大きくなる。
ポリエーテルの硫酸エステル基の量を低下させる
今一つの方法は、硫酸濃度の比較的高い条件で加
水分解の一部を行なつたのち、一旦水層を抜出
し、再度水を加えて硫酸濃度の低い条件で加水分
解を続ける方法である。この場合、反応器の大き
さは小さくて済むが、水層中へのPTMG系ポリ
エーテルグリコールの損失はまだかなり有り、特
に分子量1000以下のPTMG系ポリエーテルグリ
コールの場合には工業的実施において許容し得な
い範囲となる。 一方残留する遊離の酸(以下残酸と略記する)
を除くための方法としては、ポリエーテルを加水
分解処理した後、水層を分離しPTMG系ポリエ
ーテルグリコールを水またはアルカリ水溶液で洗
浄する方法が一般的である。しかしながら水洗に
よつて残酸分を除去しようとしても、PTMG系
ポリエーテルグリコール中の少量の残酸分は水で
抽出されにくいため、残酸量を実用的に問題のな
い程度に低下させるためには、洗浄回数を多くす
る必要があり、多大の時間と労力を要する上、水
層中へのPTMG系ポリエーテルグリコールの損
失が多くなり、また廃水処理の負担が大きくな
る。一方水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重
炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリの
水溶液を用いて洗浄した場合には、残酸分を中和
して確実に除くことはできるが、洗浄中に系が乳
化しやすく、洗浄後PTMG系ポリエーテルグリ
コール層と水層を層分離させるのに非常に長時間
を要したり、場合によつては全く層分離ができな
くなる。また長時間をかけて層分離し得たとして
も、分離が十分でなく、微量のアルカリが
PTMG系ポリエーテルグリコール中に残る。こ
のアルカリはたとえ微量であつても、PTMG系
ポリエーテルグリコールをポリウレタンの原料と
して用いる際、ジイソシアネートとの反応におい
て、ゲル化などの異常反応を引起す原因となる。
したがつてアルカリ水溶液で洗浄する場合には、
その後多数回の水洗が必要となり、上述した
PTMG系ポリエーテルグリコールの損失が避け
難いものとなる。 残酸分を除去するための今一つの方法として、
PTMG系ポリエーテルグリコールを水酸化カル
シウムなどの固体アルカリと接触させて酸を中和
除去する方法がある。しかしこの方法では、固体
アルカリの表面しか有効に働かないため、除去す
べき残酸分に比して多量の固体アルカリが必要で
あり不経済である。その上固体アルカリをけん濁
させて使用する場合には移送時に管壁などへの沈
着が起つて操作しにくく、一方固体アルカリを充
填塔にして用いる場合には交換の手間がかかるう
え、目づまりを起しやすいため、工業的に実施す
るには大きな困難がつきまとう。 以上のように残酸分の除去に関して従来知られ
ている方法は、いずれも工業的実施の見地からみ
ると、未だ十分満足できるものとは言い難い。 本発明者らはかかる情況の下で、発煙硫酸およ
び/またはフルオロ硫酸を主成分とする開環重合
触媒を用い、残留硫酸エステル基および残酸分を
ほとんど含まないPTMG系ポリエーテルグリコ
ールを製造する方法について種々検討を重ねた結
果、残留硫酸エステル基をほとんど除くことがで
きるばかりか、驚くべきことに極めて少ない洗浄
回数で残酸分をも大幅に低下させることができ、
しかも水層中へのPTMG系ポリエーテルグリコ
ールの溶解量も極めて小さくなる方法を見出し、
本発明を達成した。すなわち本発明は(A)テトラヒ
ドロフランあるいはテトラヒドロフランおよびこ
れと共重合可能な他の環状エーテルとの混合物
を、発煙硫酸および/またはフルオロ硫酸を主成
分とする開環重合触媒の存在下で重合させ、次い
で(B)重合反応生成物にアルカリ水溶液を加え、強
酸性条件下に加熱加水分解し、さらに(C)加水分解
反応生成物であるポリエーテルグリコールを中性
硫酸塩水溶液または塩基性マグネシウム塩水溶液
で洗浄することを特徴とするポリエーテルグリコ
ールの製造方法である。 本発明の方法において特に(C)工程で中性硫酸塩
水溶液による洗浄を行なう場合には、重合反応生
成物であるポリエーテルの加水分解反応を水層中
の硫酸濃度が高い領域で行なうことができるの
で、加水分解時に添加する液量を減少させること
ができ、大型の加水分解反応器を使う必要はな
く、水層中へのPTMG系ポリエーテルグリコー
ルの溶解による損失も低減することができる。 また(C)工程で塩基性マグネシウム塩を使用する
場合には、加水分解後の水層を抜き出すことなく
塩基性マグネシウム塩をその水層に加えそのまま
洗浄することができ、水層を分離したり、洗浄用
の塩基性マグネシウム塩水溶液を調整する手間が
不必要になる。 (C)工程でいずれの洗浄方法をとる場合において
も、(B)工程の加水分解時に添加するアルカリ水溶
液の濃度を大きくすることによつて液量を減少さ
せ、しかも残留硫酸エステル基の量をも減少させ
得るほか、特に分子量1000以下の低分子量
PTMG系ポリエーテルグリコールの製造におい
て、水層への溶解による損失を少量に抑えること
ができる。さらに水では抽出し難い残酸分もこれ
らの溶液では非常に効率よく抽出され、少ない洗
浄回数で残酸分をゼロ近くまで低下させ得る上、
処理後の層分離も極めて容易に行なうことがで
き、この処理中におけるPTMG系ポリエーテル
グリコールの水層中への溶解量を少なくすること
が可能である。 以下に本発明の方法を詳細に説明する。 本発明の方法においては、まず(A)工程でテトラ
ヒドロフランあるいはテトラヒドロフランおよび
これと共重合可能な他の環状エーテルとの混合物
を発煙硫酸および/またはフルオロ硫酸を主成分
とした開環重合触媒の存在下で重合させる。テト
ラヒドロフランと共重合可能な環状エーテルの具
体例としてはエチレンオキシド、プロピレンオキ
シド、エピクロルヒドリンなどの三員環エーテ
ル、オキサシクロブタン、3,3−ジメチルオキ
サシクロブタン、3,3−ビス(クロルメチル)
オキサシクロブタンなどの四員環エーテル、2−
メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒ
ドロフラン、2,5−ジヒドロフランなどの五員
環エーテル、テトラヒドロピラン、オキサシクロ
ヘプタンなどを挙げることができる。オキシテト
ラメチレン基を主成分とする共重合ポリエーテル
グリコールを得る場合、これらのテトラヒドロフ
ランと共重合可能な環状エーテルの使用量は通常
テトラヒドロフラン100重量部に対して100重量部
以下であり、好ましくは50重量部以下である。 開環重合触媒として用いる発煙硫酸は通常
PTMG系ポリエーテルグリコールの製造におい
て使用されている遊離SO3濃度が約40重量%以下
のものが適当であり、好ましくは20重量%〜35重
量%のものが使用される。 発煙硫酸はそれ単独で用いることもできるが、
必要とあらば重合速度の増大や分子量調節を達成
するために適当な第2成分を共存させることもで
きる。第2成分としては過塩素酸、過塩素酸塩、
金属フツ化物、金属ホウフツ化物、あるいは芳香
族化合物などを使用することができるが、入手お
よび取扱いの容易さや効果の点から金属ホウフツ
化物、特にホウフツ化ナトリウムあるいはホウフ
ツ化カリウムが好ましい。 開環重合触媒の使用量は特に限定されるもので
はない。通常使用される範囲の例を示すと発煙硫
酸の場合は、単量体100重量部に対して10重量部
〜40重量部、更に第2成分を添加して用いる場合
は発煙硫酸100重量部に対して0.05重量部〜20重
量部使用する。フルオロ硫酸の場合の使用量は単
量体100重量部に対して1重量部〜20重量部であ
る。これらの開環重合触媒の使用量は、要求され
るPTMG系ポリエーテルグリコールの分子量な
どにより適宜選択される。重合温度はテトラヒド
ロフランの重合の天井温度以下であれば等に限定
するものではないが、通常行なわれる温度の範囲
は−30℃〜40℃である。また重合を0℃以下の低
温で所定時間行なつたのち、10℃以上の温度にし
てさらに反応を続ける方法も可能であり、この重
合方法は触媒効率を向上させることができるので
有利である。 重合反応方法は特に限定するものではなく、回
分式反応、連続式反応など種々の実施方法をとる
ことができる。回分式反応を行なう場合には混合
熱の除去を容易ならしめるために、触媒を適当な
速度で単量体中に連続的に添加しつつ、重合系を
撹拌し除熱するなどの方法をとることが好まし
い。また連続式反応においては、テトラヒドロフ
ランなどの単量体と開環重合触媒とを低温で混
合、除熱しながら反応器へ供給するのが有利であ
る。重合成応は、シクロヘキサン、ジクロロエタ
ン、ジクロロメタンなどの不活性溶媒の存在下で
行なうこともできるが、特に必要のない限り溶媒
を使用せずに重合を行なうのが好ましい。また重
合はヘリウメ、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰
囲気中で行なうのが好ましい。 次いで(B)工程として重合で得られた反応生成物
にアルカリ水溶液を加え強酸性下で加熱して加水
分解処理を行なう。この際添加するアルカリ水溶
液の量は、処理後の水層中における硫酸濃度が5
〜40重量%の範囲になるように選ぶことが好まし
い。硫酸濃度が40重量%を超えると加水分解反応
の平衡転化率が低下して残留硫酸エステル基の量
が多くなる傾向があり、一方硫酸濃度が5重量%
未満の場合は加水分解反応の速度が低下して処理
に長時間を要するほか、大量の水が必要となるの
で好ましくない。処理後の水層中における硫酸濃
度は処理によつてポリエーテル末端の硫酸エステ
ル基の大部分が加水分解されて硫酸となることか
ら、重合で使用した量の発煙硫酸および/または
フルオロ硫酸と水との反応〔次式(1)、(2)〕によつ
て生成する硫酸量と実質的に同一となるので生成
する硫酸の量を求め、アルカリによつて中和され
る量を差引いて生成する硫酸の量を計算すればよ
い。 H2SO4・xSO3+H2O→(1+x)H2SO4 (1) FSO3H+H2O→H2SO4+HF (2) 加水分解処理は重合反応生成物に水だけを添加
して行なつてもよいが、発煙硫酸を主成分とした
開環重合触媒を使用する場合、特に低分子量
PTMG系ポリエーテルグリコールの製造におい
て、多量の発煙硫酸を使用するので、水のみを添
加するとかなり多量の水が必要となるので、アル
カリを添加して硫酸の一部を中和すると添加液量
が少なくてすみ、同時に水層中へのPTMG系ポ
リエーテルグリコールの溶解量も低下させ得るの
で好都合である。この場合に使用するアルカリと
してはアルカリ金属およびアルカリ土類金属の水
酸化物、酸化物あるいはアンモニアなどがあり、
アルカリ金属水酸化物および酸化物が好ましい。
アルカリの使用量は重合に使用した量の発煙硫酸
および/またはフルオロ硫酸を中和するに必要な
量の1/4以上で、かつ加水分解反応系のPHが3以
下、好ましくは1以下の強酸性となる量が適当で
ある。アルカリは加水分解処理に先立つて全量を
添加してもよく、また加水分解処理中に段階的あ
るいは連続的に添加することも可能である。 加水分解処理温度は特に限定するものではない
が、50℃以上特に50〜150℃が好ましい。処理温
度が50℃未満の場合、加水分解反応の速度が遅く
なつて処理時間が長くなる上、分子量が2000程度
以上のPTMG系ポリエーテルグリコールの製造
において、処理後の層分離が困難となる。一方処
理温度が150℃を超えると処理中のPTMG系ポリ
エーテルグリコールの分解や変質が起りやすく、
また硫酸またはフツ化水素の腐蝕作用が強くな
り、加水分解反応器の材質として極めて高価な耐
酸材料が必要となる。特に好ましい加水分解処理
温度は60〜120℃である。加水分解処理温度は処
理中を通じて一定に保つてもよく、また処理時間
とともに段階的にあるいは連続的に昇温または降
温しながら処理することもできる。加水分解処理
時間は処理温度、硫酸濃度あるいはPTMG系ポ
リエーテルグリコールの分子量によつてかわり特
に限定するものではないが、上記の条件下では通
常1〜10時間である。加水分解処理を実施する方
法も特に限定するものではなく、回分式および連
続式のいずれでも可能である。またこれらの加水
分解処理において重合反応生成物と水溶液は相分
離し系は不均一となるので、処理にあたつては適
当な方法によつて系を撹拌するのが好ましい。 この加水分解処理によりポリエーテルの末端硫
酸エステル基を水酸基にかえるが、次の(C)工程で
の洗浄でPTMG系ポリエーテルグリコールの洗
浄液に対する溶解量または乳化量を微量に抑える
ためには、残留硫酸エステル基の量がSO4換算値
としてPTMG系ポリエーテルグリコール重量に
対し100ppm以下にすることが好ましく、さらに
洗浄後にPTMG系ポリエーテルグリコール層と
水層との層分離の時間を短かくするためには
20ppm以下が好ましい。PTMG系ポリエーテル
グリコール中の残留硫酸エステル基の量を抑える
ための好ましい加水分解方法としては次の方法を
挙げることができる。第一としては、前例と同様
な条件下で重合反応生成物に水を加え、加熱撹拌
しつつある程度加水分解したのち、該硫酸の90%
程度を中和するに必要な量の水酸化ナトリウムま
たはその水溶液を加えてさらに同条件下で加熱撹
拌する方法である。さらに第二としては、重合反
応生成物に硫酸濃度50%以下に相当する水を加え
たのち、系を60℃〜120℃の温度で加熱撹拌する
ことにより一部を加水分解しながら、該硫酸の80
%〜95%を中和するに必要な量の水酸化ナトリウ
ム水溶液を1〜3時間かかつて連続的に添加し、
添加終了後さらに1〜5時間加熱撹拌して加水分
解を完了する方法を挙げることができる。これら
の例に限らず他にも種々の加水分解方法をとるこ
とができる。 これらの加水分解処理に先立つて、フエノール
系、アミン系などの酸化防止剤を添加して処理を
行なうと、得られるPTMG系ポリエーテルグリ
コールをジイソシアネートと反応させてポリウレ
タンとする際の着色を防止できる。重合反応生成
物は未反応単量体を含むが、この未反応単量体は
加水分解処理に先立つて蒸留などの方法により回
収してもよいが、好ましくは上記処理の間に蒸留
回収する。通常上記の加水分解処理を行なつた
後、静置あるいは遠心分離などの手段によつて水
層とPTMG系ポリエーテルグリコール層を分離
し、水層を抜出す。層分離の温度は特に限定する
ものではないが、層分離の容易さおよび水層中へ
のPTMG系ポリエーテルグリコールの溶解度の
点から高温の方がよく、上記の加水分解処理温度
で層分離を行なうのが特に好適である。 しかし前記のように次の(C)工程で塩基性マグネ
シウム塩を使用する場合には加水分解処理後の水
層を抜出さず、塩基性マグネシウム塩を水層に加
えそのまま洗浄することができる。(C)工程では得
られた加水分解反応生成物であるPTMG系ポリ
エーテルグリコールを中性硫酸塩水溶液または塩
基性マグネシウム塩水溶液で洗浄する。洗浄液と
して中性硫酸塩水溶液を使用する場合の中性硫酸
塩は、水溶液が中性でありかつ処硫温度における
水への溶解度が5重量%以上の中性硫酸塩であれ
ば使用可能であるが、入手の容易さ、価格および
廃水水質の観点から硫酸ナトリウム、硫酸カリウ
ムまたは硫酸マグネシウムが好ましい。硫酸塩水
溶液の使用量は特に限定するものではないが、処
理を効率的に行なうためには、PTMG系ポリエ
ーテルグリコール100重量部あたり、硫酸塩水溶
液として20〜200重量部の範囲とすることが好ま
しい。使用する硫酸塩水溶液は新らたに調製して
用いることもできるが、(B)工程の加水分解処理後
に抜出した水層またはその一部を正確に中性まで
アルカリで中和し、濃度を調節して使用すること
も可能である。加水分解処理時に添加するアルカ
リとして水溶性中性硫酸塩を生成するものを用
い、抜出した水層を同じアルカリを用いて中和す
るのが便利である。中性硫酸塩水溶液による洗浄
処理は好ましくは系を50℃以上の温度に加熱して
行なう。洗浄処理温度が50℃より低いと、特に分
子量2000程度以上のPTMG系ポリエーテルグリ
コールの製造の場合に、処理後の層分離が困難と
なるほか、残留硫酸エステル基および残酸分の量
が低下しにくくなる。(B)工程の説明で記述した装
置の腐蝕や処理圧力等の観点から、処理は150℃
以下、特に120℃以下の温度が好ましい。洗浄処
理温度は処理中一定でも良く、処理中に変化させ
ることもできる。洗浄処理時間は特に限定するも
のではなく、処理温度などの条件に応じて任意に
選ぶことができるが、通常は0.5〜5時間程度で
十分である。洗浄処理方法も回分式、連続式など
種々の方法で行なうことができ、それに応じて処
理装置も種々の型式のものが可能であるが、いず
れの方法においても適当な方法で系を撹拌するこ
とが好ましい。 一回の中性硫酸塩水溶液による洗浄処理によつ
て、残留硫酸エステル基量および残酸量を極めて
少なくすることができるが、必要とあらば二回あ
るいはそれ以上の中性硫酸塩水溶液処理を行なつ
て、残留硫酸エステル基や残酸の量をほとんどゼ
ロにすることが可能である。このような多段洗浄
処理を行なう場合、回分式処理にあつては、処理
後分離した水層をアルカリで正確に中性まで中和
したのち次の段の処理液として使用することがで
きる。また連続式洗浄処理にあつては、処理後分
離された水層をそのまま前の段の処理液として供
給し、いわゆる向流接触式の処理を行なうことも
できる。さらに最前段から抜き出された水層をア
ルカリで正確に中性まで中和し、濃度および量を
調節して最後段の処理液として供給することによ
り、処理液の大部分を循環使用することができ
る。これらの方法を採ることによつて、回分式あ
るいは連続式洗浄処理における中性硫酸塩の使用
量を大幅に低減できる。これ以外にも種々の洗浄
処理の実施方法が可能である。 また塩基性マグネシウム塩水溶液を使用する場
合の塩基性マグネシウム塩としては水酸化マグネ
シウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、
塩基性炭酸マグネシウムおよびこれらの混合物な
どを挙げることができる。これらの塩基性マグネ
シウム塩は一般に水に対する溶解度が比較的小さ
く、少量を添加する場合には水溶液の形で使用す
ることができるが、多量に添加する場合にはけん
濁させた状態で使用すれば良い。また炭酸マグネ
シウムや塩基性炭酸マグネシウムなどのマグネシ
ウム塩は水に溶解するに際して、炭酸ガスを吹き
込むとその溶解度をかなり増加させることがで
き、このようにして調製された溶液は本発明の方
法において好適に使用され得る。塩基性マグネシ
ウム塩は水のみで溶解またはけん濁させてもよい
が、特に低分子量のPTMG系ポリエーテルグリ
コールの製造において、PTMG系ポリエーテル
グリコールの水層中への溶解による損失を回避す
るために、適当な中性塩の水溶液に溶解またはけ
ん濁させて用いることも可能である。この場合に
使用する中性塩としては各種のものが使用できる
が、特に好ましいのは前記中性硫酸塩である。塩
基性マグネシウム塩を使用する場合、未洗浄の
PTMG系ポリエーテルグリコールに水または中
性塩水溶液を加えたのち、固体の塩基性マグネシ
ウム塩を添加することももちろん可能である。塩
基性マグネシウム塩の使用量は系のPHが常に7以
上の値となるよう、系中の残酸量に対して過剰に
用いるのが好ましい。塩基性マグネシウム塩の使
用量が少なすぎて洗浄処理中に系のPHが7より小
さくなると残酸分を確実に除きにくい。 塩基性マグネシウム塩水溶液による洗浄処理は
加水分解処理後系を層分離させ、水層を抜き出し
たのち、PTMG系ポリエーテルグリコール層に
塩基性マグネシウム塩を含む水または中性塩水溶
液を添加して行なつてもよいが、好ましい実施態
様としては、加水分解処理後水層を抜き出すこと
なく、直接過剰の塩基性マグネシウム塩を加え、
系のPHを7以上として洗浄を行なう。この場合に
おいて加水分解処理直後の水層には比較的多量の
残酸分が含まれているが、この残酸分の全量を塩
基性マグネシウム塩で中和することは、必ずしも
必要でなく、水層のPHが7に達しない範囲で前も
つて他のアルカリ、例えば水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリ
ウムなどで中和したのち系のPHが7以上となる量
の塩基性マグネシウム塩を添加してよい。加水分
解処理時にアルカリとして塩基性マグネシウム塩
を使用することももちろん可能である。このよう
な方法をとることによつて、水層中に中性硫酸塩
を存在させることができ、特に低分子量の
PTMG系ポリエーテルグリコールの製造におい
て、水層中への溶解による損失を大幅に低減する
ことができるので好都合である。塩基性マグネシ
ウム塩を大過剰に用いてもよいが、この場合には
塩基性マグネシウム塩の溶解度が小さいため、一
部が不溶のまま残つて多少操作がやりにくくな
る。しかしこのような場合においても、残つた塩
基性マグネシウム塩の固体は、過などの方法に
より簡単にPTMG系ポリエーテルグリコールか
ら分離することが可能である。 洗浄処理を行なうに際して、塩基性マグネシウ
ム塩を含む水または中性塩水溶液の量は特に限定
するものではないが、通常はPTMG系ポリエー
テルグリコール100重量部あたり10〜500重量部、
好ましくは20〜200重量部を使用する。塩基性マ
グネシウム塩水溶液を用いた場合の処理温度、処
理時間、処理方法などは中性硫酸塩水溶液を用い
た場合と同様である。 以上の洗浄処理を行なつた後、静置あるいは遠
心分離等の方法によつて水層とPTMG系ポリエ
ーテルグリコール層を分離し水層を抜出す。この
際高温で分離を行なうことが好ましいことは(B)工
程の場合と同様である。 このようにして得られたPTMG系ポリエーテ
ルグリコールはかなりの水分を含むので、常圧あ
るいは減圧で加熱するなどの方法によつて水分お
よびその他の揮発分を除去する。このための装置
としては例えばロータリーエバポレーター、薄膜
式蒸発器など種々のものを使用することができ
る。水分の除去を容易ならしめるために、水と共
沸する低沸点溶剤を少量添加して蒸発、乾燥を行
なうことも可能である。高温におけるPTMG系
ポリエーテルグリコールの分解や変質を防止する
観点から減圧で揮発分の除去を行なうのが好まし
い。得られたPTMG系ポリエーテルグリコール
はこのままでもポリウレタン等の原料として使用
し得るが、好ましくはさらに適当なフイルターを
用いて、固形の夾雑物を過したのち製品とす
る。水および揮発分を完全に除去したのちに過
を行なうことによつて、洗浄処理後の層分離が不
完全であつた場合でも、PTMG系ポリエーテル
グリコール中への中性硫酸塩または塩基性マグネ
シウム塩の混入を防止することが可能である。
PTMG系ポリエーテルグリコールの粘度を下げ、
過を容易にするために、過は60℃〜120℃程
度の高温で実施するのが好ましい。 本発明の方法で得られるPTMG系ポリエーテ
ルグリコールは残留硫酸エステル基や残酸分をほ
とんど含まず、生産性よく、高純度、高品質であ
るため、ポリウレタン、弾性ポリエステル、弾性
ポリアミド等の原料として好適であり、ロール、
ベルト、ソリツドタイヤなどの極めて高度な性能
を要求される用途分野においてその有用性が特に
大きく、その工業的価値は極めて大である。 以下実施例によつて本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はその主旨を越えない限り、こ
れらの実施例によつて限定されるものではない。
なお以下の例において数平均分子量はすべて蒸気
圧浸透計を用いて測定したものであり、水酸基価
(1gのポリマー中のOH基と当量のKOHのmg
数)および酸価はJIS−K1557−1970の方法にし
たがつて分析した値である。 実施例 1 ガラス製撹拌装置、滴下ロート、温度計および
三方コツクを備えた内容積2の四ツ口セパラブ
ルフラスコを真空乾燥したのち仕込んだ−10℃に
保つたテトラヒドロフラン600gに、撹拌下で滴
下ロートからホウフツ化ナトリウム0.9gを含む
25%発煙硫酸126gを40分かけて滴下する。滴下
終了後−10℃で1時間反応させたのち、内温を30
℃に昇温してさらに2時間反応させ、水10gを加
えて重合を停止させる。転化率は60%であつた。
続いて水530g(硫酸濃度約20%)を加え、滴下
ロートを蒸留装置ととりかえて80℃の油浴中で未
反応テトラヒドロフランを蒸留しながら1時間加
熱し加水分解処理し、次いで濃度48重量%の水酸
化ナトリウム水溶液204g(中和率90%に相当)
を1時間かけて連続的に添加するとともに内温を
100℃に上げ加水分解を続ける。添加終了後100℃
で2時間加熱する。これらの操作を行なう間も未
反応テトラヒドロフランを蒸留回収する。100℃
で4時間加熱処理を行つたのち撹拌をとめ、前と
同様に100℃で静置、層分離後水層を抜出し、
PTMG層を、20%硫酸ナトリウム溶液350gを用
い80℃で1時間加熱し洗浄処理をする。水層を分
離し抜き取つたのち、上記各例と同様にして揮発
分を除去し、さらに孔径10μのメンブランフイル
ターを通して過してPTMGを得る。かくして
得られたPTMGの分析結果は表1に示した通り
であつた。 実施例 2 実施例1と同様な反応装置を使用し、−20℃に
保つたテトラヒドロフラン600gに、撹拌下滴下
ロートより25%発煙硫酸120gを40分かけて滴下
し、滴下終了後−20℃で2時間反応させる。次い
で内温を10℃にしてさらに2時間反応させたの
ち、水10gを加えて重合を停止する。最終転化率
は57%であつた。続いて滴下ロートを蒸留装置と
とりかえ、内容物をはげしく撹拌しながら、水酸
化ナトリウム52gを水250gに溶かした溶液(中
和率50%、処理後の硫酸濃度20%に相当)を加え
て混合したのち、80℃の油浴中で2時間加熱し加
水分解処理を行なうとともに未反応テトラヒドロ
フランを回収する。実施例1と同様にして静置、
層分離後水層を抜きとり、PTMG層を、おのお
の15%硫酸ナトリウム溶液300gを用いて、120℃
2時間の加熱洗浄処理を2回行ない、1回目の処
理中には残つた未反応テトラヒドロフランを回収
する。以後実施例1と同様に処理したのち、最後
に孔径10μのメンブランフイルターを通して過
して得られたPTMGの分析結果は表1に示した
通りであつた。 実施例 3 実施例2の実験において25%発煙硫酸の量を
180gとしかつ滴下時間を1時間として、滴下終
了後直ちに内温を30℃に昇温しさらに1時間反応
させる。水130gで重合を停止させたのち転化率
を測定したところ52%であつた。滴下ロートを蒸
留装置と交換したのち、水酸化ナトリウム101g
を水130gに溶かした溶液を1時間かけて連続的
に添加するとともに、80℃の油浴中で加熱し、添
加終了後さらに80℃で1時間加熱し加水分解処理
する。この間同時に未反応テトラヒドロフランを
蒸留回収する。次に再び水酸化ナトリウム23gを
水25gに溶かした溶液を1時間かけて連続的に添
加するとともに油浴の温をを100℃に上げ、未反
応テトラヒドロフランを回収しつつ加熱加水分解
処理する。処理後100℃で静置して層分離し、水
層の約9割を抜き出したのち、20%硫酸ナトリウ
ム溶液150gを加えて100℃で2時間加熱洗浄処理
する。上記各例と同様にして水層を除き、
PTMG層を、再び20%硫酸ナトリウム溶液150g
を用いて、80℃で30分間加熱洗浄処理したのち、
同様の操作をもう一度くり返す。以下実施例2と
同様の操作を行なつて得られたPTMGの分析結
果は表1に示した通りであつた。 実施例 4 水酸化ナトリウム溶液を加えて80℃で加熱加水
分解処理し、水層を分離するまでは実施例2と同
じ実験を行なつたのち、抜き出した水層に、溶液
のPHが6付近になるまで10%水酸化ナトリウム水
溶液を用いて中和する。さらにPHが7になるまで
1%炭酸ナトリウム水溶液を加えたのち水を加え
て溶液の硫酸ナトリウム濃度を15%に調節し、得
られた溶液300gずつを、硫酸ナトリウム水溶液
の代りに用いて、実施例2と同一の洗浄処理操作
を行なつた結果、得られたPTMGの分析結果は
表1に示した通りであつた。 実施例 5 実施例2の実験において1回目の硫酸ナトリウ
ム水溶液による洗浄処理を行なつたのち抜き出し
た水層を1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて溶液
のPHが7になるまで中和し、得られた水溶液を
PTMG層に加えてさらに同様に洗浄処理操作を
行なつた結果、得られたPTMGの分析結果は表
1に示した通りであつた。 実施例 6 硫酸ナトリウム水溶液の代りに、20%硫酸マグ
ネシウム水溶液300gを用いて実施例1の実験を
くり返した結果、得られたPTMGの分析結果は
表1に示した通りであつた。
関し、さらに詳しくは比較的低分子量で、高官能
度、高純度のオキシテトラメチレン基を主成分と
するポリエーテルグリコールを製造するための方
法に関する。 テトラヒドロフランあるいはテトラヒドロフラ
ンおよびこれと共重合可能な他の環状エーテルと
の混合物を発煙硫酸やフルオロ硫酸を主成分とす
る開環重合触媒の存在下に重合して得られるポリ
エーテルを酸性条件下で加水分解することによ
り、ポリテトラメチレングリコール(以下
PTMGと略記する)およびオキシテトラメチレ
ン基を主成分とする共重合ポリエーテルグリコー
ル(以下PTMGを含めこれらをPTMG系ポリエ
ーテルグリコールと総称する)を製造することは
知られている(例えば特公昭48−25438、同49−
28917、同45−3104)。かくして得られるPTMG
系ポリエーテルグリコールはポリウレタン、弾性
ポリエステル、弾性ポリアミド等の原料として用
いた場合、機械的特性や耐加水分解性などの物性
のすぐれた材料をあたえるところから、近年その
工業的重要性が注目されている。通常これらの用
途においては数平均分子量で500〜5000程度の比
較的分子量のものが使用され、また特性のすぐれ
た材料を得るためには、その官能度が2に近いこ
と、すなわち分子の両末端が水酸基であることと
ともに、PTMG系ポリエーテルグリコールが、
重合時に生成したポリエーテルの末端硫酸エステ
ル基やポリエーテルの末端硫酸エステル基の加水
分解処理中に生成した酸をほとんど含まないこと
が非常に重要であり、これらの残留量が大きい
と、加熱した場合にPTMG系ポリエーテルグリ
コールの分解反応を引起したり、ウレタン化反応
やエステル化反応において反応を妨害したり、好
ましくない副反応を引起したりして、ポリウレタ
ン、弾性ポリエステルあるいは弾性ポリアミドを
製造する際に、物性のすぐれた材料が得られない
という問題を生じる。 発煙硫酸やフルオロ硫酸を開環重合触媒として
用いて、PTMG系ポリエーテルグリコールを製
造する方法は、上述の比較的低分子量のものを容
易に製造することができ、また加水分解反応も酸
性条件下で行なうことにより比較的速やかに進行
するという利点を有する。しかしながらこの方法
では、加水分解反応が平衡反応であるために、ポ
リエーテル末端に少量の硫酸エステル基が残留し
やすく、また加水分解反応の過程で生成する酸は
ポリエーテルと親和性が大きいためにポリエーテ
ル中に遊離の酸として残留しやすく、得られた
PTMG系ポリエーテルグリコールをポリウレタ
ン等の原料として使用する上で種々問題があつ
た。 ポリエーテルの末端硫酸エステル基の量を減少
させるために、加水分解反応時の硫酸濃度を下げ
て処理することもできるが、この場合には加水分
解するための水の量が極めて大となり、大型の反
応器が必要となつて工業的製造に際して不利にな
る上、生成したPTMG系ポリエーテルグリコー
ルが多量に水層に溶け込んで、製品としての回収
率が低下し、また廃水処理の負担が大きくなる。
ポリエーテルの硫酸エステル基の量を低下させる
今一つの方法は、硫酸濃度の比較的高い条件で加
水分解の一部を行なつたのち、一旦水層を抜出
し、再度水を加えて硫酸濃度の低い条件で加水分
解を続ける方法である。この場合、反応器の大き
さは小さくて済むが、水層中へのPTMG系ポリ
エーテルグリコールの損失はまだかなり有り、特
に分子量1000以下のPTMG系ポリエーテルグリ
コールの場合には工業的実施において許容し得な
い範囲となる。 一方残留する遊離の酸(以下残酸と略記する)
を除くための方法としては、ポリエーテルを加水
分解処理した後、水層を分離しPTMG系ポリエ
ーテルグリコールを水またはアルカリ水溶液で洗
浄する方法が一般的である。しかしながら水洗に
よつて残酸分を除去しようとしても、PTMG系
ポリエーテルグリコール中の少量の残酸分は水で
抽出されにくいため、残酸量を実用的に問題のな
い程度に低下させるためには、洗浄回数を多くす
る必要があり、多大の時間と労力を要する上、水
層中へのPTMG系ポリエーテルグリコールの損
失が多くなり、また廃水処理の負担が大きくな
る。一方水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重
炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリの
水溶液を用いて洗浄した場合には、残酸分を中和
して確実に除くことはできるが、洗浄中に系が乳
化しやすく、洗浄後PTMG系ポリエーテルグリ
コール層と水層を層分離させるのに非常に長時間
を要したり、場合によつては全く層分離ができな
くなる。また長時間をかけて層分離し得たとして
も、分離が十分でなく、微量のアルカリが
PTMG系ポリエーテルグリコール中に残る。こ
のアルカリはたとえ微量であつても、PTMG系
ポリエーテルグリコールをポリウレタンの原料と
して用いる際、ジイソシアネートとの反応におい
て、ゲル化などの異常反応を引起す原因となる。
したがつてアルカリ水溶液で洗浄する場合には、
その後多数回の水洗が必要となり、上述した
PTMG系ポリエーテルグリコールの損失が避け
難いものとなる。 残酸分を除去するための今一つの方法として、
PTMG系ポリエーテルグリコールを水酸化カル
シウムなどの固体アルカリと接触させて酸を中和
除去する方法がある。しかしこの方法では、固体
アルカリの表面しか有効に働かないため、除去す
べき残酸分に比して多量の固体アルカリが必要で
あり不経済である。その上固体アルカリをけん濁
させて使用する場合には移送時に管壁などへの沈
着が起つて操作しにくく、一方固体アルカリを充
填塔にして用いる場合には交換の手間がかかるう
え、目づまりを起しやすいため、工業的に実施す
るには大きな困難がつきまとう。 以上のように残酸分の除去に関して従来知られ
ている方法は、いずれも工業的実施の見地からみ
ると、未だ十分満足できるものとは言い難い。 本発明者らはかかる情況の下で、発煙硫酸およ
び/またはフルオロ硫酸を主成分とする開環重合
触媒を用い、残留硫酸エステル基および残酸分を
ほとんど含まないPTMG系ポリエーテルグリコ
ールを製造する方法について種々検討を重ねた結
果、残留硫酸エステル基をほとんど除くことがで
きるばかりか、驚くべきことに極めて少ない洗浄
回数で残酸分をも大幅に低下させることができ、
しかも水層中へのPTMG系ポリエーテルグリコ
ールの溶解量も極めて小さくなる方法を見出し、
本発明を達成した。すなわち本発明は(A)テトラヒ
ドロフランあるいはテトラヒドロフランおよびこ
れと共重合可能な他の環状エーテルとの混合物
を、発煙硫酸および/またはフルオロ硫酸を主成
分とする開環重合触媒の存在下で重合させ、次い
で(B)重合反応生成物にアルカリ水溶液を加え、強
酸性条件下に加熱加水分解し、さらに(C)加水分解
反応生成物であるポリエーテルグリコールを中性
硫酸塩水溶液または塩基性マグネシウム塩水溶液
で洗浄することを特徴とするポリエーテルグリコ
ールの製造方法である。 本発明の方法において特に(C)工程で中性硫酸塩
水溶液による洗浄を行なう場合には、重合反応生
成物であるポリエーテルの加水分解反応を水層中
の硫酸濃度が高い領域で行なうことができるの
で、加水分解時に添加する液量を減少させること
ができ、大型の加水分解反応器を使う必要はな
く、水層中へのPTMG系ポリエーテルグリコー
ルの溶解による損失も低減することができる。 また(C)工程で塩基性マグネシウム塩を使用する
場合には、加水分解後の水層を抜き出すことなく
塩基性マグネシウム塩をその水層に加えそのまま
洗浄することができ、水層を分離したり、洗浄用
の塩基性マグネシウム塩水溶液を調整する手間が
不必要になる。 (C)工程でいずれの洗浄方法をとる場合において
も、(B)工程の加水分解時に添加するアルカリ水溶
液の濃度を大きくすることによつて液量を減少さ
せ、しかも残留硫酸エステル基の量をも減少させ
得るほか、特に分子量1000以下の低分子量
PTMG系ポリエーテルグリコールの製造におい
て、水層への溶解による損失を少量に抑えること
ができる。さらに水では抽出し難い残酸分もこれ
らの溶液では非常に効率よく抽出され、少ない洗
浄回数で残酸分をゼロ近くまで低下させ得る上、
処理後の層分離も極めて容易に行なうことがで
き、この処理中におけるPTMG系ポリエーテル
グリコールの水層中への溶解量を少なくすること
が可能である。 以下に本発明の方法を詳細に説明する。 本発明の方法においては、まず(A)工程でテトラ
ヒドロフランあるいはテトラヒドロフランおよび
これと共重合可能な他の環状エーテルとの混合物
を発煙硫酸および/またはフルオロ硫酸を主成分
とした開環重合触媒の存在下で重合させる。テト
ラヒドロフランと共重合可能な環状エーテルの具
体例としてはエチレンオキシド、プロピレンオキ
シド、エピクロルヒドリンなどの三員環エーテ
ル、オキサシクロブタン、3,3−ジメチルオキ
サシクロブタン、3,3−ビス(クロルメチル)
オキサシクロブタンなどの四員環エーテル、2−
メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒ
ドロフラン、2,5−ジヒドロフランなどの五員
環エーテル、テトラヒドロピラン、オキサシクロ
ヘプタンなどを挙げることができる。オキシテト
ラメチレン基を主成分とする共重合ポリエーテル
グリコールを得る場合、これらのテトラヒドロフ
ランと共重合可能な環状エーテルの使用量は通常
テトラヒドロフラン100重量部に対して100重量部
以下であり、好ましくは50重量部以下である。 開環重合触媒として用いる発煙硫酸は通常
PTMG系ポリエーテルグリコールの製造におい
て使用されている遊離SO3濃度が約40重量%以下
のものが適当であり、好ましくは20重量%〜35重
量%のものが使用される。 発煙硫酸はそれ単独で用いることもできるが、
必要とあらば重合速度の増大や分子量調節を達成
するために適当な第2成分を共存させることもで
きる。第2成分としては過塩素酸、過塩素酸塩、
金属フツ化物、金属ホウフツ化物、あるいは芳香
族化合物などを使用することができるが、入手お
よび取扱いの容易さや効果の点から金属ホウフツ
化物、特にホウフツ化ナトリウムあるいはホウフ
ツ化カリウムが好ましい。 開環重合触媒の使用量は特に限定されるもので
はない。通常使用される範囲の例を示すと発煙硫
酸の場合は、単量体100重量部に対して10重量部
〜40重量部、更に第2成分を添加して用いる場合
は発煙硫酸100重量部に対して0.05重量部〜20重
量部使用する。フルオロ硫酸の場合の使用量は単
量体100重量部に対して1重量部〜20重量部であ
る。これらの開環重合触媒の使用量は、要求され
るPTMG系ポリエーテルグリコールの分子量な
どにより適宜選択される。重合温度はテトラヒド
ロフランの重合の天井温度以下であれば等に限定
するものではないが、通常行なわれる温度の範囲
は−30℃〜40℃である。また重合を0℃以下の低
温で所定時間行なつたのち、10℃以上の温度にし
てさらに反応を続ける方法も可能であり、この重
合方法は触媒効率を向上させることができるので
有利である。 重合反応方法は特に限定するものではなく、回
分式反応、連続式反応など種々の実施方法をとる
ことができる。回分式反応を行なう場合には混合
熱の除去を容易ならしめるために、触媒を適当な
速度で単量体中に連続的に添加しつつ、重合系を
撹拌し除熱するなどの方法をとることが好まし
い。また連続式反応においては、テトラヒドロフ
ランなどの単量体と開環重合触媒とを低温で混
合、除熱しながら反応器へ供給するのが有利であ
る。重合成応は、シクロヘキサン、ジクロロエタ
ン、ジクロロメタンなどの不活性溶媒の存在下で
行なうこともできるが、特に必要のない限り溶媒
を使用せずに重合を行なうのが好ましい。また重
合はヘリウメ、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰
囲気中で行なうのが好ましい。 次いで(B)工程として重合で得られた反応生成物
にアルカリ水溶液を加え強酸性下で加熱して加水
分解処理を行なう。この際添加するアルカリ水溶
液の量は、処理後の水層中における硫酸濃度が5
〜40重量%の範囲になるように選ぶことが好まし
い。硫酸濃度が40重量%を超えると加水分解反応
の平衡転化率が低下して残留硫酸エステル基の量
が多くなる傾向があり、一方硫酸濃度が5重量%
未満の場合は加水分解反応の速度が低下して処理
に長時間を要するほか、大量の水が必要となるの
で好ましくない。処理後の水層中における硫酸濃
度は処理によつてポリエーテル末端の硫酸エステ
ル基の大部分が加水分解されて硫酸となることか
ら、重合で使用した量の発煙硫酸および/または
フルオロ硫酸と水との反応〔次式(1)、(2)〕によつ
て生成する硫酸量と実質的に同一となるので生成
する硫酸の量を求め、アルカリによつて中和され
る量を差引いて生成する硫酸の量を計算すればよ
い。 H2SO4・xSO3+H2O→(1+x)H2SO4 (1) FSO3H+H2O→H2SO4+HF (2) 加水分解処理は重合反応生成物に水だけを添加
して行なつてもよいが、発煙硫酸を主成分とした
開環重合触媒を使用する場合、特に低分子量
PTMG系ポリエーテルグリコールの製造におい
て、多量の発煙硫酸を使用するので、水のみを添
加するとかなり多量の水が必要となるので、アル
カリを添加して硫酸の一部を中和すると添加液量
が少なくてすみ、同時に水層中へのPTMG系ポ
リエーテルグリコールの溶解量も低下させ得るの
で好都合である。この場合に使用するアルカリと
してはアルカリ金属およびアルカリ土類金属の水
酸化物、酸化物あるいはアンモニアなどがあり、
アルカリ金属水酸化物および酸化物が好ましい。
アルカリの使用量は重合に使用した量の発煙硫酸
および/またはフルオロ硫酸を中和するに必要な
量の1/4以上で、かつ加水分解反応系のPHが3以
下、好ましくは1以下の強酸性となる量が適当で
ある。アルカリは加水分解処理に先立つて全量を
添加してもよく、また加水分解処理中に段階的あ
るいは連続的に添加することも可能である。 加水分解処理温度は特に限定するものではない
が、50℃以上特に50〜150℃が好ましい。処理温
度が50℃未満の場合、加水分解反応の速度が遅く
なつて処理時間が長くなる上、分子量が2000程度
以上のPTMG系ポリエーテルグリコールの製造
において、処理後の層分離が困難となる。一方処
理温度が150℃を超えると処理中のPTMG系ポリ
エーテルグリコールの分解や変質が起りやすく、
また硫酸またはフツ化水素の腐蝕作用が強くな
り、加水分解反応器の材質として極めて高価な耐
酸材料が必要となる。特に好ましい加水分解処理
温度は60〜120℃である。加水分解処理温度は処
理中を通じて一定に保つてもよく、また処理時間
とともに段階的にあるいは連続的に昇温または降
温しながら処理することもできる。加水分解処理
時間は処理温度、硫酸濃度あるいはPTMG系ポ
リエーテルグリコールの分子量によつてかわり特
に限定するものではないが、上記の条件下では通
常1〜10時間である。加水分解処理を実施する方
法も特に限定するものではなく、回分式および連
続式のいずれでも可能である。またこれらの加水
分解処理において重合反応生成物と水溶液は相分
離し系は不均一となるので、処理にあたつては適
当な方法によつて系を撹拌するのが好ましい。 この加水分解処理によりポリエーテルの末端硫
酸エステル基を水酸基にかえるが、次の(C)工程で
の洗浄でPTMG系ポリエーテルグリコールの洗
浄液に対する溶解量または乳化量を微量に抑える
ためには、残留硫酸エステル基の量がSO4換算値
としてPTMG系ポリエーテルグリコール重量に
対し100ppm以下にすることが好ましく、さらに
洗浄後にPTMG系ポリエーテルグリコール層と
水層との層分離の時間を短かくするためには
20ppm以下が好ましい。PTMG系ポリエーテル
グリコール中の残留硫酸エステル基の量を抑える
ための好ましい加水分解方法としては次の方法を
挙げることができる。第一としては、前例と同様
な条件下で重合反応生成物に水を加え、加熱撹拌
しつつある程度加水分解したのち、該硫酸の90%
程度を中和するに必要な量の水酸化ナトリウムま
たはその水溶液を加えてさらに同条件下で加熱撹
拌する方法である。さらに第二としては、重合反
応生成物に硫酸濃度50%以下に相当する水を加え
たのち、系を60℃〜120℃の温度で加熱撹拌する
ことにより一部を加水分解しながら、該硫酸の80
%〜95%を中和するに必要な量の水酸化ナトリウ
ム水溶液を1〜3時間かかつて連続的に添加し、
添加終了後さらに1〜5時間加熱撹拌して加水分
解を完了する方法を挙げることができる。これら
の例に限らず他にも種々の加水分解方法をとるこ
とができる。 これらの加水分解処理に先立つて、フエノール
系、アミン系などの酸化防止剤を添加して処理を
行なうと、得られるPTMG系ポリエーテルグリ
コールをジイソシアネートと反応させてポリウレ
タンとする際の着色を防止できる。重合反応生成
物は未反応単量体を含むが、この未反応単量体は
加水分解処理に先立つて蒸留などの方法により回
収してもよいが、好ましくは上記処理の間に蒸留
回収する。通常上記の加水分解処理を行なつた
後、静置あるいは遠心分離などの手段によつて水
層とPTMG系ポリエーテルグリコール層を分離
し、水層を抜出す。層分離の温度は特に限定する
ものではないが、層分離の容易さおよび水層中へ
のPTMG系ポリエーテルグリコールの溶解度の
点から高温の方がよく、上記の加水分解処理温度
で層分離を行なうのが特に好適である。 しかし前記のように次の(C)工程で塩基性マグネ
シウム塩を使用する場合には加水分解処理後の水
層を抜出さず、塩基性マグネシウム塩を水層に加
えそのまま洗浄することができる。(C)工程では得
られた加水分解反応生成物であるPTMG系ポリ
エーテルグリコールを中性硫酸塩水溶液または塩
基性マグネシウム塩水溶液で洗浄する。洗浄液と
して中性硫酸塩水溶液を使用する場合の中性硫酸
塩は、水溶液が中性でありかつ処硫温度における
水への溶解度が5重量%以上の中性硫酸塩であれ
ば使用可能であるが、入手の容易さ、価格および
廃水水質の観点から硫酸ナトリウム、硫酸カリウ
ムまたは硫酸マグネシウムが好ましい。硫酸塩水
溶液の使用量は特に限定するものではないが、処
理を効率的に行なうためには、PTMG系ポリエ
ーテルグリコール100重量部あたり、硫酸塩水溶
液として20〜200重量部の範囲とすることが好ま
しい。使用する硫酸塩水溶液は新らたに調製して
用いることもできるが、(B)工程の加水分解処理後
に抜出した水層またはその一部を正確に中性まで
アルカリで中和し、濃度を調節して使用すること
も可能である。加水分解処理時に添加するアルカ
リとして水溶性中性硫酸塩を生成するものを用
い、抜出した水層を同じアルカリを用いて中和す
るのが便利である。中性硫酸塩水溶液による洗浄
処理は好ましくは系を50℃以上の温度に加熱して
行なう。洗浄処理温度が50℃より低いと、特に分
子量2000程度以上のPTMG系ポリエーテルグリ
コールの製造の場合に、処理後の層分離が困難と
なるほか、残留硫酸エステル基および残酸分の量
が低下しにくくなる。(B)工程の説明で記述した装
置の腐蝕や処理圧力等の観点から、処理は150℃
以下、特に120℃以下の温度が好ましい。洗浄処
理温度は処理中一定でも良く、処理中に変化させ
ることもできる。洗浄処理時間は特に限定するも
のではなく、処理温度などの条件に応じて任意に
選ぶことができるが、通常は0.5〜5時間程度で
十分である。洗浄処理方法も回分式、連続式など
種々の方法で行なうことができ、それに応じて処
理装置も種々の型式のものが可能であるが、いず
れの方法においても適当な方法で系を撹拌するこ
とが好ましい。 一回の中性硫酸塩水溶液による洗浄処理によつ
て、残留硫酸エステル基量および残酸量を極めて
少なくすることができるが、必要とあらば二回あ
るいはそれ以上の中性硫酸塩水溶液処理を行なつ
て、残留硫酸エステル基や残酸の量をほとんどゼ
ロにすることが可能である。このような多段洗浄
処理を行なう場合、回分式処理にあつては、処理
後分離した水層をアルカリで正確に中性まで中和
したのち次の段の処理液として使用することがで
きる。また連続式洗浄処理にあつては、処理後分
離された水層をそのまま前の段の処理液として供
給し、いわゆる向流接触式の処理を行なうことも
できる。さらに最前段から抜き出された水層をア
ルカリで正確に中性まで中和し、濃度および量を
調節して最後段の処理液として供給することによ
り、処理液の大部分を循環使用することができ
る。これらの方法を採ることによつて、回分式あ
るいは連続式洗浄処理における中性硫酸塩の使用
量を大幅に低減できる。これ以外にも種々の洗浄
処理の実施方法が可能である。 また塩基性マグネシウム塩水溶液を使用する場
合の塩基性マグネシウム塩としては水酸化マグネ
シウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、
塩基性炭酸マグネシウムおよびこれらの混合物な
どを挙げることができる。これらの塩基性マグネ
シウム塩は一般に水に対する溶解度が比較的小さ
く、少量を添加する場合には水溶液の形で使用す
ることができるが、多量に添加する場合にはけん
濁させた状態で使用すれば良い。また炭酸マグネ
シウムや塩基性炭酸マグネシウムなどのマグネシ
ウム塩は水に溶解するに際して、炭酸ガスを吹き
込むとその溶解度をかなり増加させることがで
き、このようにして調製された溶液は本発明の方
法において好適に使用され得る。塩基性マグネシ
ウム塩は水のみで溶解またはけん濁させてもよい
が、特に低分子量のPTMG系ポリエーテルグリ
コールの製造において、PTMG系ポリエーテル
グリコールの水層中への溶解による損失を回避す
るために、適当な中性塩の水溶液に溶解またはけ
ん濁させて用いることも可能である。この場合に
使用する中性塩としては各種のものが使用できる
が、特に好ましいのは前記中性硫酸塩である。塩
基性マグネシウム塩を使用する場合、未洗浄の
PTMG系ポリエーテルグリコールに水または中
性塩水溶液を加えたのち、固体の塩基性マグネシ
ウム塩を添加することももちろん可能である。塩
基性マグネシウム塩の使用量は系のPHが常に7以
上の値となるよう、系中の残酸量に対して過剰に
用いるのが好ましい。塩基性マグネシウム塩の使
用量が少なすぎて洗浄処理中に系のPHが7より小
さくなると残酸分を確実に除きにくい。 塩基性マグネシウム塩水溶液による洗浄処理は
加水分解処理後系を層分離させ、水層を抜き出し
たのち、PTMG系ポリエーテルグリコール層に
塩基性マグネシウム塩を含む水または中性塩水溶
液を添加して行なつてもよいが、好ましい実施態
様としては、加水分解処理後水層を抜き出すこと
なく、直接過剰の塩基性マグネシウム塩を加え、
系のPHを7以上として洗浄を行なう。この場合に
おいて加水分解処理直後の水層には比較的多量の
残酸分が含まれているが、この残酸分の全量を塩
基性マグネシウム塩で中和することは、必ずしも
必要でなく、水層のPHが7に達しない範囲で前も
つて他のアルカリ、例えば水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリ
ウムなどで中和したのち系のPHが7以上となる量
の塩基性マグネシウム塩を添加してよい。加水分
解処理時にアルカリとして塩基性マグネシウム塩
を使用することももちろん可能である。このよう
な方法をとることによつて、水層中に中性硫酸塩
を存在させることができ、特に低分子量の
PTMG系ポリエーテルグリコールの製造におい
て、水層中への溶解による損失を大幅に低減する
ことができるので好都合である。塩基性マグネシ
ウム塩を大過剰に用いてもよいが、この場合には
塩基性マグネシウム塩の溶解度が小さいため、一
部が不溶のまま残つて多少操作がやりにくくな
る。しかしこのような場合においても、残つた塩
基性マグネシウム塩の固体は、過などの方法に
より簡単にPTMG系ポリエーテルグリコールか
ら分離することが可能である。 洗浄処理を行なうに際して、塩基性マグネシウ
ム塩を含む水または中性塩水溶液の量は特に限定
するものではないが、通常はPTMG系ポリエー
テルグリコール100重量部あたり10〜500重量部、
好ましくは20〜200重量部を使用する。塩基性マ
グネシウム塩水溶液を用いた場合の処理温度、処
理時間、処理方法などは中性硫酸塩水溶液を用い
た場合と同様である。 以上の洗浄処理を行なつた後、静置あるいは遠
心分離等の方法によつて水層とPTMG系ポリエ
ーテルグリコール層を分離し水層を抜出す。この
際高温で分離を行なうことが好ましいことは(B)工
程の場合と同様である。 このようにして得られたPTMG系ポリエーテ
ルグリコールはかなりの水分を含むので、常圧あ
るいは減圧で加熱するなどの方法によつて水分お
よびその他の揮発分を除去する。このための装置
としては例えばロータリーエバポレーター、薄膜
式蒸発器など種々のものを使用することができ
る。水分の除去を容易ならしめるために、水と共
沸する低沸点溶剤を少量添加して蒸発、乾燥を行
なうことも可能である。高温におけるPTMG系
ポリエーテルグリコールの分解や変質を防止する
観点から減圧で揮発分の除去を行なうのが好まし
い。得られたPTMG系ポリエーテルグリコール
はこのままでもポリウレタン等の原料として使用
し得るが、好ましくはさらに適当なフイルターを
用いて、固形の夾雑物を過したのち製品とす
る。水および揮発分を完全に除去したのちに過
を行なうことによつて、洗浄処理後の層分離が不
完全であつた場合でも、PTMG系ポリエーテル
グリコール中への中性硫酸塩または塩基性マグネ
シウム塩の混入を防止することが可能である。
PTMG系ポリエーテルグリコールの粘度を下げ、
過を容易にするために、過は60℃〜120℃程
度の高温で実施するのが好ましい。 本発明の方法で得られるPTMG系ポリエーテ
ルグリコールは残留硫酸エステル基や残酸分をほ
とんど含まず、生産性よく、高純度、高品質であ
るため、ポリウレタン、弾性ポリエステル、弾性
ポリアミド等の原料として好適であり、ロール、
ベルト、ソリツドタイヤなどの極めて高度な性能
を要求される用途分野においてその有用性が特に
大きく、その工業的価値は極めて大である。 以下実施例によつて本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はその主旨を越えない限り、こ
れらの実施例によつて限定されるものではない。
なお以下の例において数平均分子量はすべて蒸気
圧浸透計を用いて測定したものであり、水酸基価
(1gのポリマー中のOH基と当量のKOHのmg
数)および酸価はJIS−K1557−1970の方法にし
たがつて分析した値である。 実施例 1 ガラス製撹拌装置、滴下ロート、温度計および
三方コツクを備えた内容積2の四ツ口セパラブ
ルフラスコを真空乾燥したのち仕込んだ−10℃に
保つたテトラヒドロフラン600gに、撹拌下で滴
下ロートからホウフツ化ナトリウム0.9gを含む
25%発煙硫酸126gを40分かけて滴下する。滴下
終了後−10℃で1時間反応させたのち、内温を30
℃に昇温してさらに2時間反応させ、水10gを加
えて重合を停止させる。転化率は60%であつた。
続いて水530g(硫酸濃度約20%)を加え、滴下
ロートを蒸留装置ととりかえて80℃の油浴中で未
反応テトラヒドロフランを蒸留しながら1時間加
熱し加水分解処理し、次いで濃度48重量%の水酸
化ナトリウム水溶液204g(中和率90%に相当)
を1時間かけて連続的に添加するとともに内温を
100℃に上げ加水分解を続ける。添加終了後100℃
で2時間加熱する。これらの操作を行なう間も未
反応テトラヒドロフランを蒸留回収する。100℃
で4時間加熱処理を行つたのち撹拌をとめ、前と
同様に100℃で静置、層分離後水層を抜出し、
PTMG層を、20%硫酸ナトリウム溶液350gを用
い80℃で1時間加熱し洗浄処理をする。水層を分
離し抜き取つたのち、上記各例と同様にして揮発
分を除去し、さらに孔径10μのメンブランフイル
ターを通して過してPTMGを得る。かくして
得られたPTMGの分析結果は表1に示した通り
であつた。 実施例 2 実施例1と同様な反応装置を使用し、−20℃に
保つたテトラヒドロフラン600gに、撹拌下滴下
ロートより25%発煙硫酸120gを40分かけて滴下
し、滴下終了後−20℃で2時間反応させる。次い
で内温を10℃にしてさらに2時間反応させたの
ち、水10gを加えて重合を停止する。最終転化率
は57%であつた。続いて滴下ロートを蒸留装置と
とりかえ、内容物をはげしく撹拌しながら、水酸
化ナトリウム52gを水250gに溶かした溶液(中
和率50%、処理後の硫酸濃度20%に相当)を加え
て混合したのち、80℃の油浴中で2時間加熱し加
水分解処理を行なうとともに未反応テトラヒドロ
フランを回収する。実施例1と同様にして静置、
層分離後水層を抜きとり、PTMG層を、おのお
の15%硫酸ナトリウム溶液300gを用いて、120℃
2時間の加熱洗浄処理を2回行ない、1回目の処
理中には残つた未反応テトラヒドロフランを回収
する。以後実施例1と同様に処理したのち、最後
に孔径10μのメンブランフイルターを通して過
して得られたPTMGの分析結果は表1に示した
通りであつた。 実施例 3 実施例2の実験において25%発煙硫酸の量を
180gとしかつ滴下時間を1時間として、滴下終
了後直ちに内温を30℃に昇温しさらに1時間反応
させる。水130gで重合を停止させたのち転化率
を測定したところ52%であつた。滴下ロートを蒸
留装置と交換したのち、水酸化ナトリウム101g
を水130gに溶かした溶液を1時間かけて連続的
に添加するとともに、80℃の油浴中で加熱し、添
加終了後さらに80℃で1時間加熱し加水分解処理
する。この間同時に未反応テトラヒドロフランを
蒸留回収する。次に再び水酸化ナトリウム23gを
水25gに溶かした溶液を1時間かけて連続的に添
加するとともに油浴の温をを100℃に上げ、未反
応テトラヒドロフランを回収しつつ加熱加水分解
処理する。処理後100℃で静置して層分離し、水
層の約9割を抜き出したのち、20%硫酸ナトリウ
ム溶液150gを加えて100℃で2時間加熱洗浄処理
する。上記各例と同様にして水層を除き、
PTMG層を、再び20%硫酸ナトリウム溶液150g
を用いて、80℃で30分間加熱洗浄処理したのち、
同様の操作をもう一度くり返す。以下実施例2と
同様の操作を行なつて得られたPTMGの分析結
果は表1に示した通りであつた。 実施例 4 水酸化ナトリウム溶液を加えて80℃で加熱加水
分解処理し、水層を分離するまでは実施例2と同
じ実験を行なつたのち、抜き出した水層に、溶液
のPHが6付近になるまで10%水酸化ナトリウム水
溶液を用いて中和する。さらにPHが7になるまで
1%炭酸ナトリウム水溶液を加えたのち水を加え
て溶液の硫酸ナトリウム濃度を15%に調節し、得
られた溶液300gずつを、硫酸ナトリウム水溶液
の代りに用いて、実施例2と同一の洗浄処理操作
を行なつた結果、得られたPTMGの分析結果は
表1に示した通りであつた。 実施例 5 実施例2の実験において1回目の硫酸ナトリウ
ム水溶液による洗浄処理を行なつたのち抜き出し
た水層を1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて溶液
のPHが7になるまで中和し、得られた水溶液を
PTMG層に加えてさらに同様に洗浄処理操作を
行なつた結果、得られたPTMGの分析結果は表
1に示した通りであつた。 実施例 6 硫酸ナトリウム水溶液の代りに、20%硫酸マグ
ネシウム水溶液300gを用いて実施例1の実験を
くり返した結果、得られたPTMGの分析結果は
表1に示した通りであつた。
【表】
比較例 1
実施例2の実験において、1回目の硫酸ナトリ
ウム水溶液による洗浄処理を行なう前にPTMG
層をとり出し、ロータリーエバポレーターを用い
て減圧下、80℃で揮発分を除去しようとしたが、
ポリマーの分解が起つて、乾燥したPTMGを得
ることはできなかつた。とり出したPTMG層自
身について硫酸エステル量、残酸量および酸価を
測定した結果は表2に示した通りであつた。この
結果を表1の実施例4の結果と比べると中性硫酸
塩水溶液で洗浄処理することによつてこれらの量
が大幅に減少することが明白である。 比較例 2 水酸化ナトリウム溶液による加水分解処理まで
は実施例2と同じ条件下で実験を行なつたのち、
水層を分離して得たPTMG層に15%炭酸ナトリ
ウム水溶液350gを加え、撹拌しながら120℃で2
時間加熱し洗浄処理したところ、内容物は乳化状
態となりなかなか層分離しなかつた。内容物を数
日静置したのちさらに遠心分離にかけ、分離した
水層を抜き出し、さらに水350gを加えて100℃で
2時間撹拌し洗浄処理する。この時も内容物は乳
化状態となるので、前と同様に数日放置したのち
遠心分離にかけ分離した水層を抜きとる。かくし
て得られた白濁したPTMG層をとり出しロータ
リーエバポレーターで揮発分を除去したのち、孔
径10μのメンブランフイルターを通して過す
る。得られたPTMGの分析結果は表2に示した
通りである。この結果からアルカリ洗浄によつて
残酸分は除去できるが、硫酸エステル基はほとん
ど減少しないことがわかる。またこのPTMGは
アルカリ性を示し、これと過剰のトリレンジイソ
シアネート(NCO/OHモル比約2)とを80℃で
加熱したところゲル化を起した。 比較例 3 実施例2と同一条件下で、水酸化ナトリウム溶
液による加熱加水分解処理までを行ない、水層を
分離したPTMG層について、水250gを用い120
℃30分間の加熱洗浄処理をくり返したときの、処
理回数とPTMGの酸価の関係を表3に示した。
また6回洗浄後のPTMG層を減圧乾燥および
過して得られたPTMGの分析結果を表2に示し
た。これらの結果から水だけで洗浄処理した場合
には、硫酸エステル基の量は低下するが、残酸分
は処理をくり返してもかなり高い値にしかならな
いことがわかる。 比較例 4 硫酸ナトリウム溶液の代りに硫酸水素ナトリウ
ムの15%水溶液300gを用いて実施例2の実験を
くり返したが、PTMG層中の残酸含率が多いた
め減圧乾燥の間にPTMGの分解が起つた。乾燥
前のPTMG層についての分析結果は表2に示し
た通りであつた。
ウム水溶液による洗浄処理を行なう前にPTMG
層をとり出し、ロータリーエバポレーターを用い
て減圧下、80℃で揮発分を除去しようとしたが、
ポリマーの分解が起つて、乾燥したPTMGを得
ることはできなかつた。とり出したPTMG層自
身について硫酸エステル量、残酸量および酸価を
測定した結果は表2に示した通りであつた。この
結果を表1の実施例4の結果と比べると中性硫酸
塩水溶液で洗浄処理することによつてこれらの量
が大幅に減少することが明白である。 比較例 2 水酸化ナトリウム溶液による加水分解処理まで
は実施例2と同じ条件下で実験を行なつたのち、
水層を分離して得たPTMG層に15%炭酸ナトリ
ウム水溶液350gを加え、撹拌しながら120℃で2
時間加熱し洗浄処理したところ、内容物は乳化状
態となりなかなか層分離しなかつた。内容物を数
日静置したのちさらに遠心分離にかけ、分離した
水層を抜き出し、さらに水350gを加えて100℃で
2時間撹拌し洗浄処理する。この時も内容物は乳
化状態となるので、前と同様に数日放置したのち
遠心分離にかけ分離した水層を抜きとる。かくし
て得られた白濁したPTMG層をとり出しロータ
リーエバポレーターで揮発分を除去したのち、孔
径10μのメンブランフイルターを通して過す
る。得られたPTMGの分析結果は表2に示した
通りである。この結果からアルカリ洗浄によつて
残酸分は除去できるが、硫酸エステル基はほとん
ど減少しないことがわかる。またこのPTMGは
アルカリ性を示し、これと過剰のトリレンジイソ
シアネート(NCO/OHモル比約2)とを80℃で
加熱したところゲル化を起した。 比較例 3 実施例2と同一条件下で、水酸化ナトリウム溶
液による加熱加水分解処理までを行ない、水層を
分離したPTMG層について、水250gを用い120
℃30分間の加熱洗浄処理をくり返したときの、処
理回数とPTMGの酸価の関係を表3に示した。
また6回洗浄後のPTMG層を減圧乾燥および
過して得られたPTMGの分析結果を表2に示し
た。これらの結果から水だけで洗浄処理した場合
には、硫酸エステル基の量は低下するが、残酸分
は処理をくり返してもかなり高い値にしかならな
いことがわかる。 比較例 4 硫酸ナトリウム溶液の代りに硫酸水素ナトリウ
ムの15%水溶液300gを用いて実施例2の実験を
くり返したが、PTMG層中の残酸含率が多いた
め減圧乾燥の間にPTMGの分解が起つた。乾燥
前のPTMG層についての分析結果は表2に示し
た通りであつた。
【表】
【表】
実施例 7
実施例1と同様の反応装置を用い、−20℃に冷
却したテトラヒドロフラン500g中に25%発煙硫
酸100gを40分かけて滴下する。滴下終了後さら
に−20℃で2時間、次に10℃に昇温して2時間反
応させたのち水10gを添加して得た重合反応生成
物に水440gを加え、80℃の油浴中で撹拌下に1
時間加熱加水分解処理し、留出する未反応テトラ
ヒドロフランを回収する。次に油浴の温度を100
℃に上げ、濃度48%の水酸化ナトリウム水溶液
170gを1時間かけて連続的に添加し、さらに100
℃で2時間、撹拌を続け加水分解処理すると同時
に未反応テトラヒドロフランを回収したのち、
100℃で静置、層分離させる。分離したPTMG層
の一部をとつて残留硫酸エステル基量および酸価
を分析した結果、3ppm以下および0.25であつた。
次に水層を抜出すことなく系に固体の塩基性炭酸
マグネシウム5.4gを加えゆつくり撹拌する。固
体の大部分は水層に溶解し、系のPHは8となつ
た。続いて80℃の油浴中で2時間加熱、撹拌する
ことによつて洗浄処理したのち80℃で静置、層分
離させる。これらの処理中を通じて系のPHは8程
度であり、系の乳化や層分離の困難さも全くな
く、分離後のPTMG層はほとんど透明であつた。
このPTMG層からロータリーエバポレーターを
用いて、減圧下80℃で揮発分を完全に除去し、さ
ら孔径10μのメンブランフイルターで過して得
たPTMGの分析結果は表4に示した通りであつ
た。 実施例 8 加水分解処理までは実施例7と同じ実験を行な
つたのち、水層を抜出すことなく、濃度20%の水
酸化ナトリウム水溶液21gを加えて、80℃の油浴
中で約20分間加熱撹拌する。このときの系のPHは
約5であつた。次いで濃度15%の塩基性炭酸マグ
ネシウムけん濁水溶液1.5gを加え、80℃で1時
間加熱撹拌することによつて洗浄処理したのち静
置、層分離させる。処理中を通じて系のPHは8程
度であり、系の乳化もなく層分離も容易で、分離
後のPTMG層はほとんど透明であつた。さらに
実施例7と同様に処理して得たPTMGの分析結
果は表4に示した通りであつた。 実施例 9 実施例7と同様にして、−10℃に冷却したテト
ラヒドロフラン500g中に25%発煙硫酸55gにホ
ウフツ化ナトリウム1.5gを溶解した溶液を30分
間かけて滴下したのち、さらに−10℃で1時間、
続いて20℃に昇温して2時間反応させる。ガスク
ロマトグラフイーでもとめた転化率は61%であつ
た。次いで重合反応生成物に水520gを加え、80
℃の油浴中で未反応テトラヒドロフランを蒸留、
回収しつつ、2時間加熱、撹拌したのち、油浴の
温度を100℃に上げるとともに、48%水酸化ナト
リウム溶液50gを1時間かけて連続的に添加し加
水分解処理をする。添加中も未反応テトラヒドロ
フランの回収を続け、添加終了後直ちに系を100
℃で静置、層分離させて、水層を抜出す。残つた
PTMG層に水250gおよび抜出した水層の一部を
加えて、水層中の硫酸濃度が約1%となるように
調製したのち、再び100℃の油浴中で2時間、加
熱、撹拌し加水分解を完了させ、100℃で静置し
て層分離させる。分離したPTMG層の一部をと
つて残留硫酸エステル基量および酸価を分析した
結果、4ppmおよび0.27であつた。次に水層を抜
出すことなく、20%水酸化ナトリウム溶液9.7g
を加えて80℃の油浴中で約15分間加熱、撹拌した
のち、濃度15%の塩基性炭酸マグネシウムけん濁
水1.3gを加えて系のPHを約8とし、80℃の油浴
中で2時間加熱撹拌することによつて洗浄処理
し、静置、層分離させる。処理中を通じて系の乳
化現象はなく、層分離も容易で、分離後の
PTMG層はわずかに濁つているだけであつた。
水層を抜取つたのち、PTMG層を実施例7と同
様に処理して得たPTMGの分析結果は表4に示
した通りであつた。 実施例 10 実施例7と同様にしてテトラヒドロフラン500
gに、20℃でフルオロ硫酸70gを30分間かけて添
加したのち、さらに20℃で5時間反応させる。転
化率71%。次に得られた重合反応生成物に水350
gおよび45%水酸化ナトリウム水溶液56gを加
え、95℃の油浴中で、未反応テトラヒドロフラン
を蒸留回収しながら撹拌下に2時間加熱し加水分
解処理する。系を95℃で静置して層分離させ、水
層を抜出したのち、PTMG層に10%硫酸ナトリ
ウム水溶液250gおよび濃硫酸5gを加え、100℃
の油浴中で撹拌下に2時間加熱し洗浄処理すると
ともに、未反応テトラヒドロフランを回収する。
処理後100℃で静置、層分離させ、水層を抜出す
ことなく固体の塩基性炭酸マグネシウム5.1gを
加えて、80℃の油浴中で2時間加熱撹拌すること
によつて洗浄処理したのち、80℃で静置、層分離
させ、水層を抜出す。処理中を通じて系のPHは約
8、系の乳化はみられず、層分離も容易であつ
た。かくして得られたPTMG層を実施例7と同
様に処理して得たPTMGの分析結果は表4に示
した通りであつた。
却したテトラヒドロフラン500g中に25%発煙硫
酸100gを40分かけて滴下する。滴下終了後さら
に−20℃で2時間、次に10℃に昇温して2時間反
応させたのち水10gを添加して得た重合反応生成
物に水440gを加え、80℃の油浴中で撹拌下に1
時間加熱加水分解処理し、留出する未反応テトラ
ヒドロフランを回収する。次に油浴の温度を100
℃に上げ、濃度48%の水酸化ナトリウム水溶液
170gを1時間かけて連続的に添加し、さらに100
℃で2時間、撹拌を続け加水分解処理すると同時
に未反応テトラヒドロフランを回収したのち、
100℃で静置、層分離させる。分離したPTMG層
の一部をとつて残留硫酸エステル基量および酸価
を分析した結果、3ppm以下および0.25であつた。
次に水層を抜出すことなく系に固体の塩基性炭酸
マグネシウム5.4gを加えゆつくり撹拌する。固
体の大部分は水層に溶解し、系のPHは8となつ
た。続いて80℃の油浴中で2時間加熱、撹拌する
ことによつて洗浄処理したのち80℃で静置、層分
離させる。これらの処理中を通じて系のPHは8程
度であり、系の乳化や層分離の困難さも全くな
く、分離後のPTMG層はほとんど透明であつた。
このPTMG層からロータリーエバポレーターを
用いて、減圧下80℃で揮発分を完全に除去し、さ
ら孔径10μのメンブランフイルターで過して得
たPTMGの分析結果は表4に示した通りであつ
た。 実施例 8 加水分解処理までは実施例7と同じ実験を行な
つたのち、水層を抜出すことなく、濃度20%の水
酸化ナトリウム水溶液21gを加えて、80℃の油浴
中で約20分間加熱撹拌する。このときの系のPHは
約5であつた。次いで濃度15%の塩基性炭酸マグ
ネシウムけん濁水溶液1.5gを加え、80℃で1時
間加熱撹拌することによつて洗浄処理したのち静
置、層分離させる。処理中を通じて系のPHは8程
度であり、系の乳化もなく層分離も容易で、分離
後のPTMG層はほとんど透明であつた。さらに
実施例7と同様に処理して得たPTMGの分析結
果は表4に示した通りであつた。 実施例 9 実施例7と同様にして、−10℃に冷却したテト
ラヒドロフラン500g中に25%発煙硫酸55gにホ
ウフツ化ナトリウム1.5gを溶解した溶液を30分
間かけて滴下したのち、さらに−10℃で1時間、
続いて20℃に昇温して2時間反応させる。ガスク
ロマトグラフイーでもとめた転化率は61%であつ
た。次いで重合反応生成物に水520gを加え、80
℃の油浴中で未反応テトラヒドロフランを蒸留、
回収しつつ、2時間加熱、撹拌したのち、油浴の
温度を100℃に上げるとともに、48%水酸化ナト
リウム溶液50gを1時間かけて連続的に添加し加
水分解処理をする。添加中も未反応テトラヒドロ
フランの回収を続け、添加終了後直ちに系を100
℃で静置、層分離させて、水層を抜出す。残つた
PTMG層に水250gおよび抜出した水層の一部を
加えて、水層中の硫酸濃度が約1%となるように
調製したのち、再び100℃の油浴中で2時間、加
熱、撹拌し加水分解を完了させ、100℃で静置し
て層分離させる。分離したPTMG層の一部をと
つて残留硫酸エステル基量および酸価を分析した
結果、4ppmおよび0.27であつた。次に水層を抜
出すことなく、20%水酸化ナトリウム溶液9.7g
を加えて80℃の油浴中で約15分間加熱、撹拌した
のち、濃度15%の塩基性炭酸マグネシウムけん濁
水1.3gを加えて系のPHを約8とし、80℃の油浴
中で2時間加熱撹拌することによつて洗浄処理
し、静置、層分離させる。処理中を通じて系の乳
化現象はなく、層分離も容易で、分離後の
PTMG層はわずかに濁つているだけであつた。
水層を抜取つたのち、PTMG層を実施例7と同
様に処理して得たPTMGの分析結果は表4に示
した通りであつた。 実施例 10 実施例7と同様にしてテトラヒドロフラン500
gに、20℃でフルオロ硫酸70gを30分間かけて添
加したのち、さらに20℃で5時間反応させる。転
化率71%。次に得られた重合反応生成物に水350
gおよび45%水酸化ナトリウム水溶液56gを加
え、95℃の油浴中で、未反応テトラヒドロフラン
を蒸留回収しながら撹拌下に2時間加熱し加水分
解処理する。系を95℃で静置して層分離させ、水
層を抜出したのち、PTMG層に10%硫酸ナトリ
ウム水溶液250gおよび濃硫酸5gを加え、100℃
の油浴中で撹拌下に2時間加熱し洗浄処理すると
ともに、未反応テトラヒドロフランを回収する。
処理後100℃で静置、層分離させ、水層を抜出す
ことなく固体の塩基性炭酸マグネシウム5.1gを
加えて、80℃の油浴中で2時間加熱撹拌すること
によつて洗浄処理したのち、80℃で静置、層分離
させ、水層を抜出す。処理中を通じて系のPHは約
8、系の乳化はみられず、層分離も容易であつ
た。かくして得られたPTMG層を実施例7と同
様に処理して得たPTMGの分析結果は表4に示
した通りであつた。
【表】
比較例 5
塩基性炭酸マグネシウムを含む硫酸マグネシウ
ム水溶液の代りに0.074%水酸化ナトリウム溶液
300gを使用して、実施例7と同じ実験をくり返
した。100℃において洗浄処理している間に系は
徐々に乳化状態になり、処理後静置して層分離さ
せるのに極めて長時間を要した上、分離後も
PTMG層を乳濁状態のままであつた。 比較例 6 塩基性炭酸マグネシウムを含む水の代りに水酸
化カルシウム0.21gを含む水300gを使用して、
実施例7と同じ実験を行なつた。洗浄処理中に系
は乳化状態となり、洗浄処理後の層分離が全くで
きなくなつた。
ム水溶液の代りに0.074%水酸化ナトリウム溶液
300gを使用して、実施例7と同じ実験をくり返
した。100℃において洗浄処理している間に系は
徐々に乳化状態になり、処理後静置して層分離さ
せるのに極めて長時間を要した上、分離後も
PTMG層を乳濁状態のままであつた。 比較例 6 塩基性炭酸マグネシウムを含む水の代りに水酸
化カルシウム0.21gを含む水300gを使用して、
実施例7と同じ実験を行なつた。洗浄処理中に系
は乳化状態となり、洗浄処理後の層分離が全くで
きなくなつた。
Claims (1)
- 1 (A)テトラヒドロフランあるいはテトラヒドロ
フランおよびこれと共重合可能な他の環状エーテ
ルとの混合物を、発煙硫酸および/またはフルオ
ロ硫酸を主成分とする開環重合触媒の存在下で重
合させ、次いで(B)重合反応生成物にアルカリ水溶
液を加え、強酸性条件下に加熱加水分解し、さら
に(C)加水分解反応生成物であるポリエーテルグリ
コールを中性硫酸塩水溶液または塩基性マグネシ
ウム塩水溶液で洗浄することを特徴とするポリエ
ーテルグリコールの製造方法。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8099781A JPS57195730A (en) | 1981-05-29 | 1981-05-29 | Preparation of polyether glycol |
| US06/316,287 US4371713A (en) | 1980-11-04 | 1981-10-29 | Process for the preparation of polyether glycol |
| DE8181305252T DE3173834D1 (en) | 1980-11-04 | 1981-11-04 | A process for the preparation of polyether glycols |
| EP81305252A EP0051499B1 (en) | 1980-11-04 | 1981-11-04 | A process for the preparation of polyether glycols |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8099781A JPS57195730A (en) | 1981-05-29 | 1981-05-29 | Preparation of polyether glycol |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS57195730A JPS57195730A (en) | 1982-12-01 |
| JPH0116251B2 true JPH0116251B2 (ja) | 1989-03-23 |
Family
ID=13734122
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8099781A Granted JPS57195730A (en) | 1980-11-04 | 1981-05-29 | Preparation of polyether glycol |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS57195730A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS59189120A (ja) * | 1983-04-13 | 1984-10-26 | Daicel Chem Ind Ltd | 新規なポリアルキレンエ−テルグリコ−ル共重合体 |
| JP4800568B2 (ja) * | 2002-12-20 | 2011-10-26 | 保土谷化学工業株式会社 | 分子量分布の狭められたポリエーテルポリオールの製造方法 |
| JP2011162780A (ja) * | 2010-01-15 | 2011-08-25 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリエーテルポリオールの製造方法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5232799B2 (ja) * | 1974-04-16 | 1977-08-24 |
-
1981
- 1981-05-29 JP JP8099781A patent/JPS57195730A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS57195730A (en) | 1982-12-01 |
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