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JPH0987199A - 腎糸球体疾患治療剤 - Google Patents

腎糸球体疾患治療剤

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JPH0987199A
JPH0987199A JP7271942A JP27194295A JPH0987199A JP H0987199 A JPH0987199 A JP H0987199A JP 7271942 A JP7271942 A JP 7271942A JP 27194295 A JP27194295 A JP 27194295A JP H0987199 A JPH0987199 A JP H0987199A
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Japan
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cells
hgf
mesangial
glomerular
glomerular disease
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JP7271942A
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Ryuichi Morishita
竜一 森下
Toshio Ogiwara
俊男 荻原
Toshiichi Nakamura
敏一 中村
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Sumitomo Pharma Co Ltd
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Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 腎糸球体疾患の治療・予防の有用な薬剤の提
供 【解決手段】 本発明は、HGFを有効成分する腎糸球
体疾患治療剤に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は腎糸球体疾患の治療
及び予防に有用な薬剤に関する。より詳細には、HGF
(Hepatocyte Growth Factor)を有効成分として含有す
る腎糸球体疾患治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】腎臓は多数のネフロンとよばれる機能単
位と原尿を集める集合管から形成された臓器である。ネ
フロンの盲端部は丸く膨らんだ嚢状の構造、ボーマン嚢
とこれに毛細血管が入り込んだ糸球体が存在し、腎小体
を形成している。扁平な上皮細胞と基底膜からなるボー
マン嚢に包まれた糸球体には、輸入細動脈および輸出細
動脈とよばれる小血管が出入りし、糸球体で濾過された
原尿が近位尿細管へと流れる。糸球体は、大別すると、
糸球体表面を覆う糸球体上皮細胞、糸球体毛細血管の基
底膜、内皮細胞、メサンギウム細胞とメサンギウム基質
から構成される。腎疾患は尿細管に病変を起こしたもの
と糸球体に病変を起こしたものに大別される。糸球体に
病変を起こした糸球体腎炎は、臨床的に急性糸球体腎
炎、急速進行性糸球体腎炎、慢性糸球体腎炎に分類でき
る。慢性疾患である糸球体疾患・糸球体腎炎としては、
IgA腎症、全身性エリテマトーデスに伴うループス腎
炎、グッドパスチャー症候群、ハイマン腎炎、悪性腫
瘍、糖尿病性腎症などが知られている。これらの疾患の
発生機序に関しては不明の点が多いが、免疫機序が関与
していることが解明されつつあり、流血中の抗原と抗体
の免疫複合体、腎組織内での抗原・抗体反応などによ
り、腎炎が惹起されると考えられている。 近年、剖
検、腎生検による検査により、臨床病理学的には慢性糸
球体腎炎の進行に伴い、メサンギウム細胞の増殖並びに
メサンギウム基質の増加により糸球体硬化の進展が起こ
ることが知られている。糸球体硬化の病変において、メ
サンギウム細胞等から産生されるTGF-β、PDGFなどが悪
性因子、メディエーターとして関与することが推定され
ている(例えば、腎と透析37、1994年増刊号、
「専門医のための糸球体障害のすべて」P167−17
2をなど参照)。PDGFはメサンギウム細胞の増殖を促進
し、TGF-βがメサンギウム細胞からの細胞外マトリック
スの合成、分泌を促進し、細胞外マトリックス分解酵素
の活性を抑制することが想定されている。これらの悪性
因子に対する抗体や、悪性因子と結合する高分子を用い
て、糸球体腎炎の動物モデルに対する作用の検討が行わ
れているが、治療薬としての開発には至っていない。
一方、糖尿病性腎症の発症機序に関しても不明の点が多
いが、高血糖の直接の効果とは別に、糖化最終産物のメ
サンギウム細胞に対するメサンギウム基質の産生増加作
用などが報告されている。実際、糖尿病患者に対する腎
生検や糖尿病モデル動物の解析から、糖尿病性腎症の病
変の特徴として糸球体基底膜の肥厚やメサンギウム領域
の拡大などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】糸球体腎症を治療する
為に、生活規制や食事制限に加えて、副腎皮質ステロイ
ド、血圧降下剤、免疫抑制剤、抗凝固剤などの種々の治
療法が試みられているが、糸球体硬化の進行そのものを
抑制したり、回復させるような根本的な治療には至って
いない。そして、腎糸球体疾患の進行を防ぐことができ
ないまま、透析に至る場合が多い。糖尿病患者に関して
も、一度糖尿病性腎症が発症してしまえば、その治療の
現状は慢性糸球体腎炎と同様である。特に近年、食生活
の向上や社会的ストレスの増加などにより糖尿病患者の
増加が著しく、糖尿病を治療できずに糖尿病性合併症を
併発し、糖尿病性腎症により透析に至る患者は年間約1
万人と推定されている。従って、腎糸球体疾患に対する
新たな予防・治療薬の開発が切望されている。 一方、
近年、糸球体腎症における糸球体内皮細胞の重要性が注
目されており、糸球体内皮細胞の障害はメサンギウム細
胞との相互作用等を通して糸球体障害の進展と関わって
いることが指摘されている(例えば、腎と透析37、1
994年増刊号、「専門医のための糸球体障害のすべ
て」P67−74を参照)。また、ネフローゼ症候群
は、高度な蛋白尿及び低蛋白血症、浮腫、高脂血症等を
伴う症候群であるが、その原因は糸球体基底膜による濾
過機能の異常に求められている。 本発明者等は、前述
の発症機序に基づき、糸球体内皮細胞を迅速に修復で
き、メサンギウム細胞の増殖を抑制し、メサンギウム細
胞と糸球体内皮細胞との相互作用を正常化して、メサン
ギウム細胞の増殖を主体とする病変を予防・治療するこ
とが可能であることを想定したが、現在までそのような
作用を持つ因子はほとんど報告されていない。 本発明
者等は、かかる観点から、メサンギウム細胞の増殖を促
進することなく、内皮細胞のみを増殖させる因子につい
て鋭意研究した結果、HGFがかかる作用を有すること
を見出し、HGFが内皮細胞の修復・増殖を促進させ、
サンギウム細胞と糸球体内皮細胞との相互作用を正常化
させることによって、メサンギウム細胞の増殖、メサン
ギウム基質の増加による糸球体硬化を病変とする腎糸球
体疾患の予防・治療に有用であることが判明した。
【0004】上記のHGFは肝実質細胞を in vitro で
増殖させる因子として見出されたタンパク質である(Bio
chem Biophys Res Commun, 122, 1450, 1984 、Proc.
Natl. Acad. Sci, USA, 83, 6489, 1986、FEBS Letter,
22, 311, 1987 、Nature,342, 440, 1989、Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA, 87, 3200, 1990) 。 HGFは、
腎尿細管上皮細胞の増殖を促進し、腎尿細管の損傷を軽
減できることが知られている(例えば、Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA, 91, 4357, 1994、特開平4−49246
号公報など参照)。また、ラットの培養糸球体上皮細胞
株に対し、HGFが増殖促進効果を示すことが報告され
ている(第37回日本腎臓学会学術大会、P−91、平
成6年12月16日)。 上述のようにHGFに関して
は多くの知見が集積されつつあり、HGFが腎臓を構成
する上皮細胞にも作用することが知られているが、糸球
体腎炎などの腎硬化の進展にとって重要なメサンギウム
細胞の増殖、メサンギウム基質の増加についての知見
や、糸球体疾患の治療に必要と考えられる内皮細胞に対
する効果、メサンギウム細胞と他の細胞との相互調節機
構に関する知見は全く得られていない。 本発明者等
は、HGFが腎糸球体を構成するメサンギウム細胞の増
殖に作用を示さず、内皮細胞の増殖を促進することを明
らかにした。さらに、メサンギウム細胞がHGFを産生
・分泌して、内皮細胞の増殖を促進すること、糸球体硬
化の病変に関与する悪性因子と考えられるアンジオテン
シンII、TGF-βがメサンギウム細胞からのHGFの産生
・分泌を抑制することを見出した。また、本発明者等
は、内皮細胞がメサンギウム細胞の増殖を抑制するこ
と、内皮細胞からHGFが産生・分泌されており、オー
トクライン的に増殖を促進していることを明らかにし
た。そして、内皮細胞からのHGFの産生・分泌も、TG
F-βにより抑制されることを示した。これらの知見か
ら、HGFが糸球体を構成する内皮細胞、メサンギウム
細胞間の相互調節において生理的に重要な役割を示して
いること、糸球体硬化の病態においてHGFの産生が低
下していること、メサンギウム細胞の増殖を促進せずに
内皮細胞の増殖を促進するHGFにより有効な治療がで
きることが明確となった。これらの知見は従来知られて
いない新規の知見である。本発明はかかる知見に基づい
てなされたもので、本発明は新規な腎糸球体疾患治療剤
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明は、(1)HGFを有効成分として
含有することを特徴とする腎糸球体疾患治療剤、(2)
腎糸球体疾患が、メサンギウム細胞の増殖、メサンギウ
ム基質の増加を主体とする腎糸球体疾患である(1)記
載の腎糸球体疾患治療剤、(3)腎糸球体疾患が、内皮
細胞とメサンギウム細胞との相互作用の障害によって惹
起される糸球体の濾過機能の異常を呈する腎糸球体疾患
である(1)記載の腎糸球体疾患治療剤、および(4)
腎糸球体疾患が、糸球体腎症、糖尿病性腎症である
(1)記載の腎糸球体疾患治療剤に関する。
【0006】本発明で使用されるHGFとしては、医薬
として使用できる程度に精製された物であれば、種々の
方法で調製されたものを用いることができる。HGFを
産生する初代培養細胞や株化細胞を培養し、培養物(培
養上清、培養細胞等)から分離精製してHGFを得るこ
ともできる。あるいは遺伝子工学的手法によりHGFを
コードする遺伝子を適切なベクターに組み込み、これを
適当な宿主に挿入して形質転換し、この形質転換体の培
養上清から目的とする組み換えHGFを得ることができ
る(例えば、Nature, 342, 440, 1989、特開平5-111383
号公報、Biochem. Biophys. Res. Commun., 163, 967,
1989など参照)。上記の宿主細胞は特に限定されず、従
来から遺伝子工学的手法で用いられている各種の宿主細
胞、例えば大腸菌、古草菌、酵母、糸状菌、植物又は動
物細胞などを用いることができる。かくして得られたH
GFは、HGFと実質的に同効である限り、そのアミノ
酸配列の一部が欠失又は他のアミノ酸により置換されて
いたり、他のアミノ酸配列が一部挿入されていたり、N
末端及び/又はC末端に1又は2以上のアミノ酸が結合
していたり、あるいは糖鎖が同様に欠失又は置換されて
いてもよい。
【0007】本発明の治療剤は上記のHGFを有効成分
とし、HGFは後記試験例に示されるように、糸球体内
皮細胞を増殖させ、メサンギウム細胞を増殖させる作用
を示さない。糸球体内皮細胞は、増殖抑制作用を示す因
子や血管拡張作用を示す因子を種々産生・分泌している
ことが知られており、内皮細胞の機能不全や内皮細胞の
減少がメサンギウム細胞の増殖を伴う糸球体疾患の引き
金となることが考えられている。従って、本発明の治療
剤は、腎糸球体疾患、特にメサンギウム細胞の増殖、メ
サンギウム基質の増加を主体とする病変の治療・予防に
有効であり、これらには例えば糸球体腎症、糖尿病性腎
症が包含される。慢性糸球体疾患・糸球体腎炎として
は、IgA腎症、全身性エリテマトーデスに伴うループス
腎炎、グッドパスチャー症候群、ハイマン腎炎、悪性腫
瘍などが含まれる。本発明の治療剤は、急性糸球体腎
炎、急速進行性糸球体腎炎、ネフローゼを伴う腎糸球体
疾患に対しても有効である。
【0008】本発明の治療剤は、ヒトの他、哺乳動物
(例えば、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、イヌ、ネコ等)
における腎糸球体疾患の治療・予防に適用される。
【0009】
【発明の効果】本発明において、有効成分であるHGF
は、メサンギウム細胞の増殖を促進せず、さらに内皮細
胞の増殖を促進し、修復された内皮細胞を介してメサン
ギウム細胞の異常な増殖を抑える作用をも有している。
従って、本発明剤は、前述した腎糸球体疾患、特にメサ
ンギウム細胞の増殖とメサンギウム基質の増加を主体と
する障害に起因する各種疾患、内皮細胞とメサンギウム
細胞との相互作用の障害によって惹起される糸球体の濾
過機能の異常を呈する腎糸球体疾患などの治療・予防に
有用である。
【0010】
【実施例】以下、実験例及び実施例に基づいて本発明を
より詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定され
るものではない。なお、以下の実験で使用した材料及び
方法は以下のとおりである。
【0011】実験材料及び方法細胞培養 ラットのメサンギウム細胞(以下、メサンギウム細胞を
MCという)の単離・培養は、基本的には既報(J. Cli
n. Invest. 78, 1443, 1986)に従って行った。ウシの
糸球体内皮細胞およびラット内皮細胞(以下、内皮細胞
をECという)の単離・培養は、ボーラーマンらの方法
(Am. J. Physiol., 256, C182, 1989)に従って行っ
た。メサンギウム細胞の培養は、10%ウシ血清、ペニ
シリン(100U/ml)、ストレプトマイシン(10
0mg/ml)を含むDMEM培地を使用した。糸球体
内皮細胞の培養は、10%ウシ血清、ペニシリン(10
0U/ml)、ストレプトマイシン(100mg/m
l)を含むDMEM培地を使用した。因子を添加する試
験では、無血清培地または0.5%ウシ血清を加えた培
地を用いた。細胞は、摂氏37度Cにて水蒸気に満たさ
れた95%空気−5%二酸化炭素の条件下に培養し、2
日に1度培地の交換を行った。
【0012】生存細胞数の測定法 生存細胞数の測定は、WST−細胞数測定キット(ワコ
ー社製)を用いて行った。
【0013】DNA合成の測定法 糸球体内皮細胞は、96穴組織培養用プレート上にまい
た。細胞が隙間なく付着した状態において、MCは0.
5%ウシ血清を含むDMEM培地にて48時間培養して
も増殖しなかった。細胞の相対的なDNA合成速度は、
24時間のトリチウムラベル化チミジン(〔 3H〕Td
R)の細胞中トリクロロ酢酸(TCA)沈殿物質中への
取り込みを測定することで評価した。
【0014】共細胞培養 メサンギウム細胞の増殖に対する内皮細胞の効果を検討
する試験では、内皮細胞を細胞培養用インサート(コー
スター社、孔径0.45μm)にまき、10%ウシ血清
を加えたDMEM培地にて増殖させた。メサンギウム細
胞は、6穴プレートにまき、10%ウシ血清を加えたD
MEM培地にて増殖させた。細胞が60%から80%コ
ンフルエントに増殖した状態で、内皮細胞を含有したイ
ンサートを、同様に60%から80%コンフルエントに
増殖したメサンギウム細胞を入れたウェル中に入れた。
内皮細胞とメサンギウム細胞は、0.5%のウシ血清を
加えたDMEM培地中にて24時間培養し、6穴プレー
トのメサンギウム細胞の生存数をWST法にて測定し
た。内皮細胞の増殖に対するメサンギウム細胞の効果を
検討する試験では、メサンギウム細胞を細胞培養用イン
サートにまき、内皮細胞を6穴プレートにまいて、同様
に実験した。
【0015】材料 HGFは組換えヒトHGFを用いた。アンジオテンシン
IIはシグマ社より、TGF-βはジェンザイム社より入手し
た。
【0016】HGFの測定法 培養上清中のHGF濃度は、抗HGFモノクローナル抗
体を使用したELISAのキット(特殊免疫研究所)により
測定した。
【0017】逆転写(RT)−PCR ラット・メサンギウム細胞、糸球体内皮細胞よりRNA
をRNAゾル(Tel-Test Inc, Texas)を用いて抽出し
た。HGF及びc−met(HGFレセプター)メッセ
ンジャー(m)RNAのレベルは、RT−PCR法(Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA, 90, 8474, 1993)にて測定
した。なお、プライマーとしては下記の配列のものを使
用した。 HGF: 5’側プライマー:5’ーATGCTCATGGACC
CTGGTー3’ 3’側プライマー:5’ーGCCTGGCAAGCTT
CATTAー3’ c−met: 5’側プライマー:5’ーCAGTGATGATCTC
AATGGGCAATー3’ 3’側プライマー:5’ーAATGCCCTCTTCC
TATGACTTCー3’ 増幅したDNAは2%アガロース電気泳動にかけ、エチ
ジウムプロマイドにて染色した。
【0018】統計解析 すべての値は、平均値±標準誤差にて現した。すべての
実験は最低3回繰り返した。測定値の統計的解析、有意
差検定には、ダンカン法を用いた。
【0019】試験例1糸球体内皮細胞の増殖に対するメサンギウム細胞の効果 ウシ糸球体内皮細胞の増殖に対するメサンギウム細胞の
効果を、MCを糸球体内皮細胞に添加する共培養法にお
けるWSTを用いた糸球体内皮細胞の生存細胞数の測定
で試験した。その結果を図1に示す。図中、(−)はM
C細胞なしを、(+)はMC細胞有りを示す。1群8ウ
ェルで実験を行った。図1に示されるように、糸球体内
皮細胞の細胞数が有意に増加しており、MCは糸球体内
皮細胞の増殖を促進していることが認められた。MCは
増殖因子を分泌してMCの機能を維持していることが示
唆された。
【0020】試験例2ECの増殖に対するMCの効果と抗HGF抗体の作用 試験例1に記載のようにMCにECの増殖を促進する効
果が認められたことから、この効果におけるHGFの関
与を検討するため、抗HGF抗体(2ng/ml)の存
在下にMCをECに添加する共培養において、WSTを
用いてECの生存細胞数の測定を行った。その結果を図
2に示す。左図中、(−)はMC細胞なしを、(+)は
MC細胞有りを示す。1群8ウェルで実験を行った。図
2に示されるように、ECの細胞数が有意に増加が再現
された。さらに、このEC細胞増加の割合は、抗HGF
抗体の添加により80±5%まで有意に減少した。
【0021】試験例3MCからのHGFの分泌及びそれに対するアンジオテン
シンII、TGF-βの影響 試験例2に記載のように、抗HGF抗体はMCによるE
C細胞の増殖促進効果を抑制したことから、MCの培養
上清中のHGF量をELISA法により測定した。さら
に、アンジオテンシンII(10−6M)、TGF-β(10
ng/ml)存在下におけるMCの培養上清中のHGF
量を測定し、無添加の時と比較した。その結果を図3に
示す。図中、DSFは対照群を示す。1群8ウェルで実験
を行った。図3に示されるように、MCの培養上清中に
はHGFが検出された。MCにより確かにHGFが分泌
されていることが分かった。以上の結果及び試験例2の
結果からして、MCはHGFを分泌してECの増殖を促
進し、ECの機能を維持していることが示された。さら
に、アンジオテンシンII、TGF-βの添加したMCの培養
上清中のHGF量は、無添加の時のよりも有意に減少し
た。アンジオテンシンII、TGF-βにより、MCからのH
GFの分泌が抑制されることが明らかになった。
【0022】試験例4MCの増殖に対するECの効果 MCの増殖に対するECの効果をECをMCに添加する
共培養法におけるWST法を用いたMCの生存細胞数の
測定で試験した。その結果を図4に示す。図中、(−)
はEC細胞なしを、(+)はMC細胞有りを示す。1群
8ウェルで実験を行った。 図4に示されるように、M
Cの細胞数が有意に減少しており、ECはMCの増殖を
抑制していることが認められた。
【0023】試験例5ECの増殖における抗HGF抗体の作用 ECの増殖速度に対する抗HGF抗体(2ng/ml)
の影響をIgG(10ng/ml)をコントロールとし
て、WST法により検討した。その結果を図5に示す。
図中、DSFは対照群を示す。1群8ウェルで実験を行っ
た。図5に示されるように、EC細胞の増殖速度はIg
Gにより影響を受けないが、抗HGF抗体により有意に
減少した。
【0024】試験例6ECからのHGFの分泌及びそれに対するTGF-βの影響 ECの培養上清中のHGF量をELISA法により測定
したところ、1.16±0.01ng/mlであった。
ECにより確かにHGFが分泌されていることが明らか
になった。また、RT−PCR法により、培養したEC
からHGFの受容体であるc−metのmRNAが検出
された。以上の結果及び試験例5の結果からして、EC
は自らHGFを分泌してオートクライン的にECの増殖
を促進し、ECの機能を維持していることが示された。
さらに、TGF-β(10ng/ml)存在下におけるE
Cの培養上清中のHGF量を測定し、無添加の時と比較
した。その結果、TGF-β存在下のECの培養上清中には
0.77±0.03ng/mlのHGFが検出され、無
添加のときと比べて有意に(P<0.05)減少した。
TGF-βにより、MCからのHGFの分泌が抑制されるこ
とが明らかになった。
【0025】試験例7RT−PCR法によるHGF mRNAレベルの測定 ラットMC、ECよりmRNA
を抽出し、HGF特異的プライマーを用いてRT−PC
Rを行った。MC、ECでHGFのmRNAの発現が確
認された。
【0026】試験例8糸球体内皮細胞の細胞増殖に対するHGFの効果 ウシ糸球体内皮細胞の増殖に対するHGFの効果を、〔
3H〕TdR取り込み量で試験した。その結果を図7に
示す。1群8ウェルで実験を行った。図7に示されるよ
うに、HGFの添加により、糸球体内皮細胞の細胞数が
有意に増加していることが認められた。
【0027】試験例9MCの細胞増殖に対するHGFの効果 MCの増殖に対するHGFの効果を、WSTを用いたM
Cの生存細胞数の測定で試験した。その結果を図8に示
す。1群8ウェルで実験を行った。図8に示されるよう
に、HGFの添加(100ng/ml)によっては、M
Cの細胞数は影響を受けないことが認められた。
【0028】実施例1 生理食塩水100ml中にHGF1mg、マンニトール
1g及びポリソルベート80 10mgを含む溶液を無
菌的に調製し、1mlずつバイアルに分注した後、凍結
乾燥して密封することにより凍結乾燥製剤を得た。
【0029】実施例2 0.02Mリン酸緩衝液(0.15M NaCl及び
0.01%ポリソルベート80含有、pH7.4)10
0ml中にHGF1mgとヒト血清アルブミン100m
gを含む水溶液を無菌的に調製し、1mlずつバイアル
に分注した後、凍結乾燥して密封することにより凍結乾
燥製剤を得た。
【0030】実施例3 注射用蒸留水100ml中にHGF1mg、ソルベート
2g、グリシン2g及びポリソルベート80 10mg
を含む溶液を無菌的に調製し、1mlずつバイアルに分
注した後、凍結乾燥して密封することにより凍結乾燥製
剤を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】糸球体内皮細胞の細胞増殖に対するMCの効果
を示す図である。
【図2】MCのEC細胞増殖促進作用に対する抗HGF
抗体の効果を示す図である。
【図3】MCからのHGFの分泌量およびそれに対する
アンジオテンシンII、TGF-βの効果を示す図である。
【図4】MCの細胞増殖に対するECの効果を示す図で
ある。
【図5】ECの細胞増殖に対する抗HGF抗体の効果を
示す図である。
【図6】ECからのHGFの分泌量およびそれに対する
TGF-βの効果を示す図である。
【図7】糸球体内皮細胞の細胞増殖に対するHGFの効
果を示す図である。
【図8】MCの細胞増殖に対するHGFの効果を示す図
である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 HGFを有効成分として含有すること
    を特徴とする腎糸球体疾患治療剤。
  2. 【請求項2】 腎糸球体疾患が、メサンギウム細胞の
    増殖、メサンギウム基質の増加を主体とする腎糸球体疾
    患である請求項1記載の腎糸球体疾患治療剤。
  3. 【請求項3】 腎糸球体疾患が、内皮細胞とメサンギ
    ウム細胞との相互作用の障害によって惹起される糸球体
    の濾過機能の異常を呈する腎糸球体疾患である請求項1
    記載の腎糸球体疾患治療剤。
  4. 【請求項4】 腎糸球体疾患が、糸球体腎症、糖尿病
    性腎症である請求項1記載の腎糸球体疾患治療剤。
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