【発明の詳細な説明】
インドール−2,3−ジオン−3−オキシム誘導体、その製造および使用
本発明はグルタメートのような興奮性アミノ酸類の生物学的作用を拮抗するこ
とが出来る新規な環融合化合物、それを用いての治療方法、その化合物を含む製
薬組成物に関しそして本発明の新規な化合物の製造方法に関する。発明の目的
本発明の目的は、ヒトを含む哺乳動物における障害または病気の治療において
有用であるそして特にそのような哺乳動物のグルタメートおよび(または)アス
パルテートの受容体拮抗薬に応答性である、障害または病気の治療に有用である
新規なグルタメート拮抗薬を提供することである。
本発明の他の目的は、必要とする哺乳動物に本発明の化合物を投与することか
らなる、グルタメートおよび(または)アスパルテート受容体拮抗薬に応答性で
ある、ヒトを包含する哺乳動物の障害または病気を治療する方法を提供すること
である。
本発明の第3の目的は、グルタミン酸および(または)アスパラギン酸受容体
拮抗薬に応答性である、ヒトを包含する哺乳動物の障害または病気の治療のため
の新規な製薬組成物を提供することである。
本発明の他の目的は以後、当業者に明らかとなるだろう。発明の背景
神経伝達物質による過度の興奮は、神経細胞(ニューロン)の退化および死を
生ずる。この退化は、N−メチル−D−アスパルテート(NMDA)、そのアル
ファ−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチル−4−イソキサゾールプロピオン酸
(AMPA)受容体およびそのカイネート受容体での興奮性アミノ酸(EAA)
、グルタメートおよびアスパルテートの興奮毒性作用により一部分媒介される。
この興奮毒性作用は、溺死に近い状態、肺手術および脳外傷からのような、血栓
塞栓発作または出血性発作、脳血管痙攣、低血糖、心停止、てんかん状態、周生
期窒息、酸素欠乏のような範囲の症状から生ずる脳虚血または脳梗塞のような脳
血
管障害、ならびにいたちささげ中毒(ラチリスム)、アルツハイマー病およびハ
ンチントン病においての神経細胞(ニューロン)の損失に応答性である。
本発明の化合物はまた筋萎縮性側索硬化症(ALS)、精神分裂症、パーキン
ソン症、てんかん、不安症、疼痛および薬物依存症の治療に有用であり得る。発明の概要
したがって本発明はとり分け、次の事項の単独または組み合わせからなる:
式
(式中、R1は水素、アルキルまたはベンジルであり、
XはNOR2(但し、R2はアシルである)であり、
R5はフェニル、
ナフチル、
チェニル、
ピリジル、
(但し、これらのすべては、ハロゲン、CF3、NO2、アミノ、アルキル、アル
コキシ、フェニル、およびSO2NR’R”(但し、R’およびR”は各々独立
して水素またはアルキルであるかあるいはR’とR”とは一緒になって、(CH2
)m(但し、mは2、3、4、5又は6である)である)からなる群から選ばれ
た置換基で1回又はそれ以上の回数で置換されていてよい)であり、
Aは、aおよびbで印された位置でベンゾ環と融合されそして次の二価の基に
より形成される5個〜7個の原子の環である:
(但し、R12は水素、CH2CH2OHまたはアルキルである))を有する化合物
またはその製薬的に許容出来る塩;
式
(式中、X、R1、R5およびR12は上に記載した意味を有する)を有する上記の
とおりの化合物あるいはその製薬的に許容出来る塩;
式
(式中、X、R1、R5およびR12は上に記載した意味を有する)を有する上記の
とおりの化合物あるいはその製薬的に許容出来る塩;
式
(式中、X、R1、R5およびR12は上に記載した意味を有する)を有する上記の
とおりの化合物あるいはその製薬的に許容出来る塩;
式
(式中、X、R1、R5およびR12は上に記載した意味を有する)を有する上記の
とおりの化合物あるいはその製薬的に許容出来る塩;
8−メチル−5−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピロロ〔
3,2−h〕イソキノリン−2,3−ジオン−3−O−アセチルオキシム、
8−メチル−5−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピロロ〔
3,2−h〕イソキノリン−2,3−ジオン−3−O−(N−エチルカルバモイ
ル)オキシム、
8−メチル−5−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピロロ〔
3,2−h〕イソキノリン−2,3−ジオン−3−O−ピバロイルオキシム、
7−エチル−5−フェニル−1,6,7,8−テトラヒドロベンゾ〔2,1−
b:3,4−c〕−ジピロール−2,3−ジオン−3−O−アセチルオキシム、
8−メチル−5−(4−(N,N−ジメチルスルファモイル)フェニル)−6
,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピロロ〔3,2−h〕イソキノリン−2,
3−ジオン−3−O−(N−エチルカルバモイル)オキシム、
8−メチル−5−(4−(N,N−ジメチルスルファモイル)フェニル)−6
,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピロロ〔3,2−h〕イソキノリン−2,
3−ジオン−3−O−(N−シクロヘキシルカルバモイル)オキシム、または
8−メチル−5−(4−(N,N−ジメチルスルファモイル)フェニル)−6
,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピロロ〔3,2−h〕−イソキノリン−2
,3−ジオン−3−O−(N−t−ブチルカルバモイル)オキシム、
である上記のとおりの化合物またはその製薬的に許容出来る塩;
少なくとも1種の製薬的に許容出来る担体または希釈剤と一緒に、任意の上記
のとおりの化合物の治療的に有効な量を含む製薬組成物;
任意の上記のとおりの化合物の有効な量を、必要とする患者に投与することか
らなる、障害または病気がグルタミン酸及び(又は)アスパラギン酸受容体拮抗
薬に応答性である、ヒトを含む哺乳動物の障害または病気を治療する方法;
いたちささげ中毒(ラチリスム)、アルツハイマー病、ハンチントン病、AL
S、精神分裂症、パーキンソン病、てんかん、不安症、疼痛、薬物依存症または
脳血管障害が治療される上記方法;
障害または病気がグルタミン酸および(または)アスパラギン酸受容体拮抗薬
に応答性である、ヒトを含む哺乳動物の障害または病気を治療するための医薬を
製造するために任意の上記のとおりの化合物の使用;
障害または病気が、いたちささげ中毒(ラチリスム)、アルツハイマー病、ハ
ンチントン病、ALS、精神分裂症、パーキンソン病、てんかん、不安症、疼痛
、薬物依存症または脳血管障害である、ヒトを含む哺乳動物の障害または病気を
治療するための医薬を製造するために上記のとおりの化合物の使用;
式
(式中、A、a、b、R1およびR5は上に記載した意味を有する)を有する化合
物を、
a)活性化アシル誘導体、好ましくはカルボン酸ハロゲン化物または無水カ
ルボン酸の形の活性化アシル誘導体、あるいは
b)イソシアネート
と反応させて、本発明の化合物を形成する工程からなる、任意の上記のとおりの
化合物の製造方法。
製薬的に許容できる付加塩の例は、塩酸塩、臭化水素酸塩、燐酸塩、硝酸塩、
過塩素酸塩、硫酸塩、くえん酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、フマル酸
塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、けい皮酸塩、ベンゼンスル
ホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ステアリン酸塩、琥珀酸塩、グルタミン酸塩、
グルコール酸塩、トルエン−p−スルホン酸塩、蟻酸塩、マロン酸塩、ナフタレ
ン−2−スルホン酸塩、サリチル酸塩および酢酸塩のような、無機酸および有機
酸の付加塩を包含する。そのような塩は当業界に周知の方法で形成される。
修酸のような他の酸は、それら自体では製薬的に許容できるものではないけれ
ども、本発明の化合物およびそれらの製薬的に許容出来る酸付加塩を得るにあた
っての中間体として有用な塩の製造において有用であろう。
ハロゲンはフッ素、塩素、臭素または沃素である。
アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル
、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペ
ンチル、シクロヘキシル、を包含する(しかしそれらに限定されない)、1〜6
個の炭素原子の直鎖または分枝鎖アルキルあるいは3〜7個の炭素原子の環式ア
ル
キルを意味し、メチル、エチル、プロピルおよびイソプロピルが好ましい基であ
る。
アルコキシはアルキルが上に定義したとおりのO−アルキルである。
アミノは、NH2あるいはNH−アルキルまたはN−(アルキル)2(但し、ア
ルキルは上に定義したとおりである)である。
アシルは(C=O)−R°または(C=S)−R°(但し、R°はアルキル;
ハロゲン、CF3、NO2、アミノ、アルキル、アルコキシ、フェニルおよびSO2
NR’R”(但し、R’およびR”は各々独立して、水素またはアルキルであ
るかあるいはR’とR”とは一緒になって(CH2)m(但し、mは2、3、4、
5または6である)である)からなる群から選ばれた置換基で1回またはそれ以
上の回数で置換されていてもよいフェニルであるか;あるいはR°はベンジル;
またはNRIIIRIV(但し、RIIIおよびRIVは各々独立して水素またはアルキル
であるかあるいはRIIIとRIVとは一緒になって(CH2)p(但し、pは2、3
、4、5または6である)である)である)である。
この発明の化合物は非溶媒和形で存在してもよく、ならびに水、エタノール等
のような製薬的に許容出来る溶媒との溶媒和形で存在してもよい。一般に溶媒和
形は、この発明の目的のために非溶媒和形に均等であると考えられる。
本発明の化合物のあるものは(+)および(−)形で、ならびにラセミ形で存
在する。ラセミ形は公知の方法により、例えば光学的に活性な酸を用いてそのジ
アステレオ異性体塩を分離しそして塩基で処理することにより光学的に活性なア
ミン化合物を遊離することにより、光学対掌体に分割されることが出来る。ラセ
ミ体を光学的対掌体に分割する他の方法は光学的に活性なマトリックス上のクロ
マトグラフィに基づいている。したがって本発明のラセミ化合物は、例えばd−
またはl−(酒石酸塩、マンデル酸塩またはしょうのうスルホン酸塩)の分別結
晶化によりそれらの光学対掌体に分割されることが出来る。本発明の化合物はま
た、本発明の化合物を、(+)または(−)フェニルアラニン、(+)または(
−)フェニルグリシン、(+)または(−)カンファン酸から誘導された酸のよ
うな光学的に活性な活性化されたカルボン酸と反応させることによりジアステレ
オ異性体アミドの形成によりあるいは本発明の化合物を光学的に活性なクロロ
蟻酸塩等と反応させることによりジアステレオ異性体カルバミン酸塩を形成する
ことにより分割されることが出来る。
当業者に知られている光学的異性体を分割するための追加方法が用いられてよ
くそしてそのような方法は平均的当業者に明らかであろう。そのような方法はニ
ューヨークのJohn Wiley and Sons社発行の“Enanti
omers, Racemates, and Resolutions”(1
981)においてJ.Jaques、A.ColletおよびS.Wilenに
より論じられている方法を包含する。
さらに本発明の化合物がオキシム類であるので、それらは−C=N−二重結合
の周りの置換基の配置に依存して、2つの形態、シン形およびアンチ形で存在す
ることが出来る。本発明は本発明の化合物のシン形およびアンチ形の両方を含み
、その上同様に、それらの混合物を含む。酸類はアンチ−シン異性化に触媒作用
する。
本願において記載された方法のための出発物質は公知であるかあるいは市販の
化学物質から慣用の方法により造られることが出来る。
本明細書において記載された反応の生成物は抽出、結晶化、蒸留、クロマトグ
ラフィ等のような慣用の手段により単離される。生物学的活性
本発明の化合物はAMPA((RS)−アルファ−アミノ−3−ヒドロキシ−
5−メチル−4−イソキサゾールプロピオン酸)結合部位でのそれらの強い興奮
性アミノ酸(EAA)拮抗性質の故に価値のある生物学的性質を示す。インビトロ活性(受容体親和性)
本発明の化合物は、Neuroscience Letters,54 27
−32(1985)においてT.Honore等により記載されているようにし
てAMPA受容体に対してそれらの親和性について試験された。IC50値は次の
表1から明らかである。
また、非常に重要なことには本発明の化合物は、すべてAMPA受容体に対し
て非常に高い親和性を有する対応するオキシム化合物の生物学的プロドラッグ(
prodrug)である。WO−A1−94/26747参照。
本発明の化合物は、また以下の試験を用いて培養マウス大脳皮質神経細胞から
GABA放出を阻止するそれらの能力について試験された。 3H−GABA放出,皮質の神経細胞 背景:
興奮性アミノ酸に対する受容体を表す神経細胞(ニューロン)はそのよ
うな化合物により減極化されることが出来る(can be depolari
zed)そしてこの減極化(depolarization)は、神経細胞(ニ
ューロン)から伝達物質の放出に究極的に導く。15日令のマウスの胎児の皮質
から得られた培養神経細胞(ニューロン)は主としてGABAエルギック(GA
BAergic)でありそしてすべてのタイプの興奮性アミノ酸受容体を表す。
これはそれらが高いカリウムによりあるいは興奮性アミノ酸、NMDA、AMP
Aおよびカイニン酸塩により、刺激されてそれらの神経伝達物質GABAを放出
することが出来る。
3H−GABAは神経細胞(ニューロン)におけるGABA伝達物質プールを
標識化するために用いられることが出来そして神経細胞(ニューロン)から3H
−GABAの放出は興奮性アミノ酸およびそれらの拮抗薬の作用の研究のための
単純な機能モデルとして用いられることが出来る。方法:
16日令のマウスの胎児の大脳皮質を0.4×0.4mmの立方体に細
かく切る。その組織をおだやかなトリプシン処理(0.1%(重量/容量)トリ
プシン、37℃、15分)により解離しそして次にp−アミノベンゾエート(7
μM)、インシュリン(100mU/l)および10%(容量/容量)馬血清を
補充したわずかに変性したDMEM(24.5mM KCl、30mMグルコー
ス)を含有するポリ−L−リシン被覆3−cmペトリ皿中に接種する。グリアの
増殖を防止するためにインビトロで2日目から細胞分裂防止剤シトシンアラビノ
シド(40μM)を添加するとともに、細胞を5〜7日間培養に維持する。さら
に詳しいことおよび文献はDrejer等のExp.Brain Res.47
259(1982)を参照。
Life Sci.38,2077(1986)にDrejer等により記載
されたモデルを用いて放出実験を行う。神経細胞(ニューロン)におけるGAB
Aの分解を防止するために実験1時間前にペトリ皿(30mm)中に培養された
大脳皮質神経細胞(ニューロン)に100μMγ−ビニル−GABAが加えられ
る。実験30分前に各々の培養に、5μCi 3H−GABAを加えるそしてこ
の予備装入期間の後に皿の底の細胞単一層をナイロンメッシュのピースでカバー
して機械的損傷に対して細胞を保護しそして細胞層上の媒体の分散を容易にする
。予備装入媒体を除去しそして貯めから、少し傾いたペトリ皿の頂部に、37℃
に恒温にした注入媒体HEPES緩衝塩水(HBS)(10 mM HEPES
、135mM NaCl、5mM KCl、0.6mM MgSO4、1.0m
MのCaCl2および6mM D−グルコース;pH7.4)を連続的に送り込
む蠕動ポンプからなる灌流(superfusion)システム中にペトリ皿を
置く。媒体を皿の低い部分から集めそして分別捕集器に送り込む。最初に細胞を
15分間HBSで灌流する(superfuse)(流速2ml/分)。次にH
BSから拮抗薬を含有する対応媒体に、灌流媒体(superfusion m
edium)を変えることにより4分毎に30秒間細胞を刺激する。
試験物質を50%DMSO、48%エタノールに溶解する。検定における最終
DMSOおよびエタノールの濃度は0.1%を超えてはならない。
3H−GABA(cpm)の刺激された放出は、刺激前および刺激後の平均基
本放出(mean basal release)(cpm)について補正され
る。
拮抗薬の存在下の刺激された放出は、刺激された放出に関連して表されそして
拮抗薬についてのIC50値(刺激された3H−GABA放出の50%を阻止する
試験物質の濃度(μM))が計算される。
得られた結果を次の表2に示す。
また、次の全般的虚血の動物のモデルにおいて、化合物、8−メチル−5−(
4−(N,N−ジメチルスルファモイル)フェニル)−6,7,8,9−テトラ
ヒドロ−1H−ピロロ〔3,2−h〕イソキノリン−2,3−ジオン−3−O−
(N−エチルカルバモイル)オキシムを試験した。一過性前脳虚血モデル(2−VOあれちねずみ)
あれちねずみをハロタンで麻酔し、右および左頸動脈を捜し出しそして4分間
閉塞させた。加熱用ランプを用いて、操作前と操作後に動物を温かく維持した。
操作中あれちねずみを加熱用板上に置き、体温をコントロールしそして37±0
.5℃に維持した。閉塞後あれちねずみを2つのグループに分けた。1つのグル
ープは静脈内ボーラス注射として30mg/kgの試験化合物を、次に30mg
/kgの試験化合物の1時間注入を受けた(合計投与量は60mg/kgであっ
た)。対照グループは処置グループと同じ注入量で0.9%NaClを受けた。
4日後、動物を犠牲にし、脳を取り出しそして−70℃に冷却した。その後、脳
を20mm厚さの断片に切断し、その中で海馬組織を有する5〜7を選びそして
ヘマトキシリン エオシン(HE)で染色した。
海馬損傷の程度に基づいて、各々の海馬を4つのグループ(グループ1:CA
l−層において損傷なし;グループ2:CAl−層が部分的に損傷した;グルー
プ3:CAl−層が完全に損傷した;グループ4:CAl−層そのものより多く
損傷した)の1つの範疇に入れた。合計の虚血スコアは、右スコアと左スコアと
の合計として得られた、したがって2〜8の範囲にわたる虚血スコアになった。
Mann−Whitney Rank Sumテストを統計的評価のために用い
た。試験結果を図1に示す。
化合物、8−メチル−5−(4−(N,N−ジメチルスルファモイル)フェニ
ル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピロロ〔3,2−h〕イソキノリ
ン−2,3−ジオン−3−O−(N−エチルカルバモイル)オキシムは、あれち
ねずみ2−VOモデルにおいて重要な神経細胞保護作用を有する。製薬組成物
治療において使用するために、本発明の化合物は原料化学薬品そのままとして
投与されることが出来るけれども、製薬配合物として活性成分を存在させること
が好ましい。
したがって、本発明は1種またはそれ以上の製薬的に許容出来る担体と一緒に
、本発明の化合物またはその製薬的に許容出来る塩または誘導体および場合によ
り他の治療成分および(または)予防成分を含む製薬配合物をさらに提供する。
担体(1種または複数種)は、配合物の他の成分と相容性でありそしてその受容
者に対して有害でない意味で“許容出来る”ものでなければならない。
製薬配合物は、経口、経直腸、経鼻、(経頬、および舌下を包含する)局所、
経膣、または(筋肉内、皮下および静脈内を包含する)非経口、投与のために適
当な配合物、あるいは吸入または吹き込みによる投与のために適当な形での配合
物を包含する。
したがって、慣用の助剤、担体または希釈剤はと一緒に本発明の化合物は製薬
組成物およびその単位投与量の形に置かれることが出来、そしてそのような形態
において、すべて経口用のために、錠剤または充填カプセルのような固体として
あるいは溶液、懸濁液、エマルジョン、エリキシルのような液体またはそれらを
充填したカプセルのような液体として;経直腸投与のための坐薬の形で;あるいは
(皮下を包含する)非経口用のための滅菌注射可能な液体の形で使用されること
が出来る。そのような製薬組成物およびその単位投与量形は、追加の活性化合物
またはプリンシプル(principle)と共にあるいはそれら無しで、慣用
の性質の慣用の成分を含んでよく、そしてそのような単位投与量形は使用される
べき意図した毎日の投与量範囲に適合して任意の有効量の活性成分を含有するこ
とが出来る。したがって1つの錠剤当たり10ミリグラムの活性成分またはより
広くは1つの錠剤当たり0.1〜100ミリグラムの活性成分を含有する配合物
は適当な代表的な単位投与量形である。
本発明の化合物は広い種々の経口および非経口投与量形で投与されることが出
来る。以下の投与形は本発明の化合物または本発明の化合物の製薬的に許容出来
る塩のいずれかを、活性成分として含むことが出来ることは当業者に明らかであ
ろう。
本発明の化合物から製薬組成物を造るために、製薬的に許容出来る担体は、固
体または液体のいずれかであることが出来る。固体形製剤は粉末、錠剤、丸薬、
カプセル、カシェー、坐薬、および分散性顆粒を包含する。固体担体は、また希
釈剤、香味料、溶解化剤、潤滑剤、懸濁剤、結合剤、保存料、錠剤崩壊剤または
カプセル化用材料として働くことが出来る1種またはそれ以上の物質であること
が出来る。
粉末において、担体は微粉砕活性成分との混合物にある微粉砕固体である。
錠剤において、活性成分は適当な割合で必要な結合能力を有する担体と結合さ
れそして所望の形および寸法にコンパクト化される。
好ましくは粉末および錠剤は5からまたは10〜約70%の活性化合物を含有
する。適当な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、
ショ糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、でんぷん、ゼラチン、トラガカ
ント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、低融点ワッ
クス、ココアバター等である。用語“製剤”は、担体と共にまたは担体無しで、
活性成分が担体に取り囲まれ、したがってそれと組み合わされているカプセルを
提供する担体としてのカプセル化用材料を用いて活性化合物を配合することを包
含することが意図される。同様に、カシェーおよび舐剤が含まれる。錠剤、粉末
、カプセル、丸薬、カシェーおよび舐剤は経口投与のために適当な固体形として
使用されることが出来る。
坐薬を造るために、脂肪酸グリセリドの混合物またはココアバターのような低
い融点のワックスがまず溶融されそしてかき混ぜることによるように、活性成分
はその中に均一に分散される。溶融した均質な混合物を次に都合のよい寸法の型
に注入し、冷却させそしてそれにより固化させる。
膣投与のために適当な配合物は活性成分に加えて、適当であると当業界に知ら
れているような担体を含有する、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペー
スト、発泡体またはスプレーとして提供されることが出来る。
液体形製剤は、溶液、懸濁液およびエマルジョン、例えば水または水−プロピ
レングリコール溶液を包含する。例えば、非経口注射液体製剤は、水性ポリエチ
レングリコール溶液中の溶液として配合されることが出来る。
したがって、本発明に従う化合物は、(例えば注射、例えばボーラス注射また
は連続注入による)非経口投与のために配合されてよく、そしてアンプル、予備
充填シリンジ、小容量注入においての単位投与量形で提供されてもよくあるいは
添加保存料と共に多投与量容器で提供されてもよい。本組成物は油ビヒクルまた
は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液またはエマルジョンのような形をとってもよく
、そして懸濁剤、安定剤および(または)分散剤のような配合用剤を含有してよ
い。別法として、活性成分は使用前に適当なビヒクル、例えば無菌、発熱性物質
不含有の水を用いて構成するための、無菌固体の無菌単離によりあるいは溶液か
らの凍結乾燥により得られた粉末の形であってよい。
経口用途のために適当な水溶液は水中に活性成分を溶解しそして所望に応じて
適当な着色料、香味料、安定剤および増粘剤を加えることにより造られることが
出来る。
経口用途のために適当な水性懸濁液は、天然または合成のガム、樹脂、メチル
セルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースまたは他の周知の懸濁剤の
ような粘稠な物質を用いて水中に微粉砕活性成分を分散させることにより造られ
ることが出来る。
使用の少し前に経口投与のための液体形製剤に転換されることを意図する固体
形製剤もまた包含される。そのような液体形は溶液、懸濁液およびエマルジョン
を包含する。これらの製剤は活性成分に加えて着色料、香味料、安定剤、緩衝剤
、人工甘味料、天然甘味料、分散剤、増粘剤、溶解化剤等を含有してもよい。
表皮に局所投与するために、本発明に従う化合物は軟膏、クリームまたはロー
ションとして、あるいは経皮パッチ(transdermal patch)と
して配合されてよい。軟膏およびクリームは、例えば適当な増粘剤および(また
は)ゲル化剤の添加とともに水性または油状基材を用いて配合されてよくそして
一般に1種またはそれ以上の乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤または着
色剤を含有するであろう。
口内に局所投与するために適当な配合物は香味づけ基材、通常はショ糖および
アカシアまたはトラガカント中に活性剤含む舐剤;ゼラチンおよびグリセリンま
たはショ糖ような不活性な基材中に活性成分を含むパステル剤;そして適当な液
体担体中に活性成分を含むうがい剤を包含する。
溶液または懸濁液は慣用手段により、例えば滴下器、ピペットまたはスプレー
を用いて直接に鼻腔内に適用される。その配合物は単一投与形または多投与形で
提供されることが出来る。滴下器またはピペットの後者の場合において、このこ
とは溶液または懸濁液の適当な予め定められた容量を投与する患者により行われ
る。スプレーの場合において、これは例えば計量噴霧用スプレーポンプにより行
われる。
呼吸道への投与はまた、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えばジクロロ
ジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、またはジクロロテトラフルオロ
エタン、二酸化炭素または他の適当なガスのような適当な推進薬を有する加圧パ
ック中に活性成分が提供されるエーロゾル配合物により行われることが出来る。
エーロゾルは、レシチンのような界面活性剤をまた含有するのが都合がよいだろ
う。薬剤の投与量は計量バルブを設けることによりコントロールされることが出
来る。
別法として、活性成分は、乾燥粉末の形、例えばラクトース、でんぷん、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロースのようなでんぷん誘導体およびポリビニルピロ
リドン(PVP)のような適当な粉末基材中の本化合物の粉末混合物の形で提供
されることが出来る。粉末担体は鼻腔中でゲルを形成するのが都合がよい。粉末
組成物は例えばゼラチンのカプセルまたはカートリッジ中の単位投与量形である
いは吸入器により粉末を投与することが出来るブリスタパックで提供されてもよ
い。
鼻内配合物を包含する呼吸道への投与のために意図される配合物において、本
化合物は、一般に例えば5ミクロンまたはそれ以下の程度の小さな粒子寸法を有
する。そのような粒子寸法は当業界に知られている手段により、例えば微粒子化
(micronization)により得られることが出来る。
所望の場合、活性成分の持続放出(徐放性)を与えるのに適した配合物が使用
されてよい。
製薬製剤は単位投与量形であるのが好ましい。そのような形において、製剤は
活性成分の適当な量を含有する単位投与量に、小区分に分けられる。単位投与量
形は、小包にされた錠剤、カプセルおよび小瓶またはアンプル中の粉末のような
、包装が別々の量の製剤を含有する包装製剤であることが出来る。また、単位投
与
量形はカプセル、錠剤、カシェーまたは舐剤、それ自体であることが出来るかあ
るいはこれらの任意の数を包装した形であることが出来る。
経口投与のための錠剤またはカプセルおよび静脈内投与のための液体が好まし
い組成物である。治療方法
この発明の化合物は、それらの生物学的活性に関連して、中枢神経系の障害の
治療において非常に有用である。したがってこの発明の化合物は、その化合物の
生物学的活性に伴って、障害または病気の治療、緩和または排除を必要とする、
ヒトを含む対象に投与されることが出来る。これは、特にグルタメートおよび(
または)アスパルテート依存性を包含する興奮性アミノ酸依存性の精神病、グル
タメートおよび(または)アスパルテート依存性を包含する興奮性アミノ酸依存
性の酸素欠乏症、グルタメートおよび(または)アスパルテート依存性を包含す
る興奮性アミノ酸依存性の虚血、グルタメートおよび(または)アスパルテート
依存性を包含する興奮性アミノ酸依存性のパーキンソン病、グルタメートおよび
(または)アスパルテート依存性を包含する興奮性アミノ酸依存性の全身痙攣そ
してグルタメートおよび(または)アスパルテート依存性を包含する興奮性アミ
ノ酸依存性の片頭痛ならびにALSを包含する。適当な投与量範囲は、通常のと
おり、投与の確実な方法、投与される形、投与が向けられる指示、包含する対象
および包含する対象の体重そしてさらに担当医者または獣医の好みおよび経験に
依存して、1日当たり0.1〜1000ミリグラム、1日当たり10〜500ミ
リグラムそして特に1日当たり30〜100ミリグラムである。
以下の非限定的例は本発明をさらに例示する。例1:
トリフルオロ酢酸(150ml)中の4−アセトアミド−2−メチル−2H−
−1,3−ジヒドロ−イソインドール(10g)及び臭素(3.0g)の溶液を
40時間50℃でかき混ぜた。溶液を真空蒸発させた。残留物を水(300ml
)中に溶解しそして飽和Na2CO3を用いて中性になるまでpHを調節した。こ
の処理は生成物の結晶沈殿物を提供し、これを濾過により集めた。収量9g、融
点145〜148℃。例2:
硝酸カリウム(1.78g、8.56ミリモル)の溶液を、12mlのH2S
O4中の5−ブロモイソキノリンの溶液中にゆっくりと加えた。3時間かき混ぜ
た後に、反応混合物を氷上に注入しそして濃水酸化アンモニウムで中和した。黄
色の沈殿物を酢酸エチル(3x)で抽出しそして合併した有機層を飽和NaCl
で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、濾過しそして濃縮した。残留物をシリカゲル
上でクロマトグラフィ(溶離剤としてヘキサン中の40%酢酸エチル)にかけて
96%の収率で5−ブロモ−8−ニトロイソキノリンを得た。例3:
無水DMF(20ml)中の5−ブロモ−8−ニトロイソキノリン(0.99
g、3.91ミリモル)および硫酸ジメチル(0.41ml)の混合物を24時
間80℃に加熱した。DMFを真空除去後、イソキノリンメチルアンモニウム塩
を得た(これをさらに精製することなしに用いた)。
同様な方法で次の化合物を造った:
硫酸ジエチルとの反応により2−エチル-5−ブロモ−8−ニトロキノリニウ
ムエチルサルフェート。例4:
該イソキノリニウム塩(3.9ミリモル)を酢酸(10ml)中に溶解しそし
て水素化硼素ナトリウム(0.15g、3.97ミリモル)を加えた。24時間
かき混ぜた後、反応混合物を酢酸エチルと水との混合物で希釈しそして炭酸カリ
ウムを少しづつ加えて酢酸を中和した。水性層を酢酸エチル(2x)で抽出し、
飽和NaClで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、濾過しそして蒸発させた。残留
物をシリカゲル上でクロマトグラフィ(溶離剤としてヘキサン中の30%酢酸エ
チル)にかけて弱い敏感性のN−メチル5−ブロモ−8−ニトロ−1,2,3,
4−テトラヒドロイソキノリン(0.47g、45%収率)を得た。
同じ方法にしたがって、N−エチル−5−ブロモ−8−ニトロ−1,2,3,
4−テトラヒドロイソキノリンを造った。融点52〜53℃。例5:
4−アセトアミド−7−ブロモ−2−メチル−2H−1,3−ジヒドロ−イソ
インドール(0.2g)、フェニルボロン酸(137mg)、テトラキス(トリ
フェニルホスフィン)パラジウム〔0〕(26mg)、NaHCO3(315m
g)の混合物を水(3.75ml)とジメトキシエタン(7.5ml)との混
合物中で90分間還流温度でかき混ぜた。室温に冷却後、反応混合物をAtOA
c(25ml)と水性NaOH(2x5ml 1N)とに分配した。次に有機相
をNa2SO4上で乾燥しそして蒸発させて4−アセトアミド−7−フェニル−2
−メチル−2H−1,3−ジヒドロ−イソインドールを得た。融点160〜16
2℃。
同様な方法で、適当な臭化物およびボロン酸から以下の化合物を造った:
4−アセトアミド−7−フェニル−2−エチル−2H−1,3−ジヒドロ−イ
ソインドール、融点67〜68℃。
4−アセトアミド−7−(1−ナフチル)−2−メチル−2H−1,3−ジヒ
ドロ−イソインドール、融点260〜262℃。
4−アセトアミド−5−ニトロ−7−フェニル−2−メチル−2H−1,3−
ジヒドロ−イソインドール、融点270〜272℃。
5−アセトアミド−2−メチル−6−ニトロ−8−フェニル−1,2,3,4
−テトラヒドロ−イソキノリン、融点214〜217℃。
フェニルボロン酸と5−ブロモ−2−メチル−8−ニトロ−1,2,3,4−
テトラヒドロイソキノリンとから、2−メチル−5−フェニル−8−ニトロ−1
,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン、融点75〜78℃。
2−メチル−5−(4−クロロフェニル)−8−ニトロ−1,2,3,4−テ
トラヒドロ−イソキノリン、融点162〜163℃。
2−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−8−ニトロ−1,2
,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン、融点133〜134℃。
2−メチル−5−(4−フルオロフェニル)−8−ニトロ−1,2,3,4−
テトラヒドロ−イソキノリン、159〜160℃。
5−アセトアミド−2−メチル−8−フェニル−1,2,3,4−テトラヒド
ロ−イソキノリン、融点140〜143℃。例6:
4−アセトアミド−7−ブロモ−2−メチル−2H−1,3−ジヒドロ−イソ
インドール(8ミリモル)、ジエチル(3−ピリジル)ボラン、テトラキス(ト
リフェニルホスフィン)パラジウム(0)(400mg)、粉末水酸化カリウム
(32ミリモル)およびテトラブチルアンモニウムブロマイド(4ミリモル)の
混合物を48時間THF(50ml)中で還流させた。次に混合物を室温に冷却
させ、その後、EtOAc(100ml)を加えた。得られた混合物を次にフィ
ルター助材を通して濾過しそして濾液を蒸発させた。残留物を水(50ml)と
ジエチルエーテル(25ml)とに分配した。この処理により生成物の結晶性沈
殿物が得られ、これを濾過により集めそして水およびジエチルエーテルで洗浄し
た。 融点180〜186℃例7:
4−アセトアミド−7−フェニル−2−メチル−2H−1,3−ジヒドロ−イ
ソインドール(2.6g)を硫酸(66%、25ml)中で48時間80℃でか
き混ぜ熱し、その後、溶液を氷上に注入し、次に水性NaOHで中和した。沈殿
した生成物を濾過により集めそして水で洗浄した。融点154〜155℃。
同様な脱アセチル化反応により下記の化合物を得た:
4−アミノ−7−(1−ナフチル)−2−メチル−2H−1,3−ジヒドロ−
イソインドール、融点145〜148℃。
4−アミノ−5−ニトロ−7−フェニル−2−メチル−2H−1,3−ジヒド
ロ−イソインドール、融点170〜172℃。
5−アミノ−2−メチル−6−ニトロ−8−フェニル−1,2,3,4−テト
ラヒドロ−イソキノリン、融点128〜130℃。
4−アミノ−7−フェニル−2−エチル−2H−1,3−ジヒドロ−イソイン
ドール塩酸塩、融点222〜225℃。
5−アミノ−2−メチル−8−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イ
ソキノリン、融点273〜275℃。例8:
8−アミノ−2−メチル−5−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イ
ソキノリン塩酸塩、融点210〜221℃、
8−アミノ−2−メチル−5−(4−フルオロフェニル)−1,2,3,4−
テトラヒドロ−イソキノリン、融点141℃、
8−アミノ−2−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1,2
,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン、融点132〜134℃、および
8−アミノ−2−メチル−5−(4−クロロフェニル)−1,2,3,4−テ
トラヒドロ−イソキノリン塩酸塩、融点213〜215℃、
はすべて触媒としてPd/C)および溶媒としてエタノールを用いての水素添加
により得られた。例9:
水(60ml)中の4−アミノ−7−フェニル−2−メチル−2H−1,3−
ジヒドロ−イソインドール(2.0g、9ミリモル)、濃HCl(0.83ml
)、1.5mlのクロラール、10gのNa2SO4、NH2OH(2.0g)の
混合物を2時間還流させ、その後にそれを冷却しそして飽和NaHCO3で中和
した。水性溶液を油状残留物から傾瀉し、その残留物を塩化メチレン(100m
l)中に溶解した。この溶液をNa2SO4上で乾燥しそして溶媒を蒸発により除
去した。残留物をメタンスルホン酸(3ml)中に溶解し、そして30分間12
0℃に加熱した。周囲の温度に冷却後、溶液を水(20ml)で希釈しそして飽
和Na2CO3で中和した。不純な生成物を濾過した。純粋な7−メチル−5−フ
ェニル−1,6,7,8−テトラヒドロベンゾ〔2,1−b:3,4−c〕ジピ
ロール−2,3−ジオン(融点187〜190℃)は、溶離剤として塩化メチレ
ン:アセトン:メタノール(4:1:1)を用いてシリカゲル上でカラム精製後
に得られた。
同様な方法で、以下の化合物を造った、
7−エチル−5−フェニル−1,6,7,8−テトラヒドロベンゾ〔2,1−
b:3,4−c〕ジピロール−2,3−ジオン、融点>250℃(分解)。
7−メチル−5−(1−ナフチル)−1,6,7,8−テトラヒドロベンゾ〔
2,1−b:3,4−c〕ジピロール−2,3−ジオン−3−オキシム(低い収
量)、融点>300℃。
7−メチル−5−(3−ピリジル)−1,6,7,8−テトラヒドロベンゾ〔
2,1−b:3,4−c〕ジピロール−2,3−ジオン−3−オキシム、
NMR(1H,500MHz,6−D DMSO):2.5ppm(3H,S
),3.8ppm(2H,S),3.9ppm(2H,S),6.5−8.7p
pm(5H芳香族,1S,4M),11.0ppm(1H,S,NH),13.
4ppm(1H,S,NOH)。
8−メチル−5−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピロロ〔
3,2−h〕イソキノリン−2,3−ジオン、融点280〜282℃。
8−メチル−5−(4−クロロフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−
1H−ピロロ〔3,2−h〕イソキノリン−2,3−ジオン、融点225℃(分
解)。
8−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−6,7,8,9−テ
トラヒドロ−1H−ピロロ〔3,2−h〕イソキノリン−2,3−ジオン、融点
220〜225℃。
8−メチル−5−(4−フルオロフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ
−1H−ピロロ〔3,2−h〕−イソキノリン−2,3−ジオン、 融点220
〜221℃。
7−メチル−5−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピロロ〔
2,3−f〕イソキノリン−2,3−ジオン、融点>300℃。例10:
8−メチル−5−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピロロ〔
3,2−h〕イソキノリン−2,3−ジオンの4gを少しづつ、氷冷クロロスル
ホン酸(20ml)に加えた。溶液を1/2時間室温でかき混ぜながら放置し、
その後に、氷上で冷却した。次に過剰のクロロスルホン酸を水で注意深く分解し
た。40mlの水の添加後、塩化スルホニルの重い沈殿物が得られた。この固体
を濾過しそして水で洗浄し、その後、乾燥することなしにそれをテトラヒドロフ
ラン(100ml)中に溶解した。この溶液に、テトラヒドロフラン中のジメチ
ルアミン(100ml、0.5M)の溶液を滴下して加えた。最終の混合物を3
時間室温でかき混ぜそして次に蒸発させた。油状残留物を水/酢酸エチル間に分
配した。有機相を100mlの0.5N塩酸で抽出した。水性相を分離しそして
pHを9に調節した。これは粗製生成物の沈殿を生じ、これをカラムクロマトグ
ラフィにより精製することが出来た。例11:
例10の生成物(150mg)、NH2OH、CH3SO3H(100mg)を
エタノール(5ml)中で還流温度で1時間かき混ぜ、その後、沈殿した生成物
を濾過した。融点242〜243℃。例12:
7−メチル−5−フェニル−1,6,7,8−テトラヒドロベンゾ〔2,1−
b:3,4−c〕ジピロール−2,3−ジオン(150mg)、NH2OH,H
Cl(75mg)およびNa2CO3の混合物をメタノール(5ml)中で室温で
一夜かき混ぜた。水(10ml)を加えそして沈殿した生成物を濾過した。融点
>300℃。
同様な方法で以下の化合物を造る:
8−メチル−5−(4−ニトロフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−
1H−ピロロ〔3,2−h〕イソキノリン−2,3−ジオン3−オキシム、融点
>300℃。
8−メチル−5−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピロロ〔
3,2−h〕イソキノリン−2,3−ジオン3−0−メチルオキシム塩酸塩、融
点284〜290℃。
7−エチル−5−フェニル−1,6,7,8−テトラヒドロベンゾ〔2,1−
b:3,4−c〕ジピロール−2,3−ジオン3−オキシム塩酸塩、融点>30
0℃。
8−メチル−5−(4−クロロフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−
1H−ピロロ〔3,2−h〕イソキノリン−2,3−ジオン3−オキシム、融点
300〜305℃。
8−メチル−5−(4−フルオロフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ
−1H−ピロロ〔3,2−h〕イソキノリン−2,3−ジオン3−オキシム、融
点295〜300℃。
8−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−6,7,8,9−テ
トラヒドロ−1H−ピロロ〔3,2−h〕イソキノリン−2,3−ジオン3−オ
キシム、融点295〜300℃。
7−メチル−5−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピロロ〔
2,3−f〕イソキノリン−2,3−ジオン−3−オキシム、融点>300℃。
8−メチル−5−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピロロ〔
3,2−h〕イソキノリン−2,3−ジオン3−オキシム、融点280〜282
℃。例13:
窒素の雰囲気下、7−エチル−5−ブロモ−1,6,7,8−テトラヒドロベ
ンゾ〔2,1−b:3,4−c〕ジピロール−2,3−ジオン3−オキシム(0
.2g)およびフェニルトリメチル錫(0.22g)の混合物をジメチルホルム
アミド(2ml)中で80℃に加熱した。次に触媒量のビス−〔トリフェニルホ
スフィン〕−パラジウム〔2〕クロライドを加えた。80℃で72時間かき混ぜ
続け、その後に溶媒を蒸発させた。溶離剤としてEtOAc:MeOH(9:1
)を用いてシリカゲル上で残留物をクロマトグラフィにかけることにより生成物
を得た。融点>300℃。例14:
AcOH(5ml)中のオキシム(300mg)のかき混ぜた溶液に無水酢酸
(2ml)を加えた。反応混合物を30分間80℃に加熱し、その後に真空蒸発
させた。残留物をEtOH(10ml)の添加の際に結晶化させた。結晶生成物
を濾過により集めた。融点190〜192℃。
同様な方法で次の化合物を造る。
7−エチル−5−フェニル−1,6,7,8−テトラヒドロベンゾ〔2,1−
b:3,4−c〕ジピロール−2,3−ジオン3−O−アセチルオキシム メシ
ラート、融点211〜213℃。
8−メチル−5−(4−ニトロフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−
1H−ピロロ〔3,2−h〕イソキノリン−2,3−ジオン3−O−ベンゾイル
オキシム。
8−メチル−5−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピロロ〔
3,2−h〕イソキノリン−2,3−ジオン3−O−ピバロイルオキシム メタ
ンスルホネート、融点175〜176℃。
7−エチル−5−フェニル−1,6,7,8−テトラヒドロベンゾ〔2,1−
b:3,4−c〕ジピロール−2,3−ジオン3−O−フェニルアセチルオキシ
ム。
8−メチル−5−(4−クロロフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−
1H−ピロロ〔3,2−h〕イソキノリン−2,3−ジオン3−O−ピバロイル
オキシム、融点175〜176℃。
8−メチル−5−(4−フルオロフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ
−1H−ピロロ〔3,2−h〕イソキノリン−2,3−ジオン3−O−アセチル
オキシム。
8−メチル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−6,7,8,9−テ
トラヒドロ−1H−ピロロ〔3,2−h〕イソキノリン−2,3−ジオン3−O
−カルバモイルオキシム。例15:
DMF(5ml)中のオキシム(0.5g)のかき混ぜた懸濁液に0.2ml
のイソシアン酸エチルを加えた。反応混合物を3時間室温でかき混ぜ、その後に
生成物を水(5ml)の添加により沈殿させ、濾過しそしてエタノールで洗浄し
た。融点140〜145℃分解(ガス発生)。
同様な方法で以下の化合物を造った:
8−メチル−5−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピロロ〔
3,2−h〕イソキノリン−2,3−ジオン−3−O−(N−エチル−カルバモ
イル)オキシム、融点117〜118℃。
8−メチル−5−(4−(N,N−ジメチルスルファモイル)フェニル)−6
,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピロロ〔3,2−h〕イソキノリン−2,
3−ジオン−3−O−(N−シクロヘキシルカルバモイル)オキシム塩酸塩。
8−メチル−5−(4−(N,N−ジメチルスルファモイル)フェニル)−6
,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピロロ〔3,2−h〕イソキノリン−2,
3−ジオン−3−O−(N−t−ブチルカルバモイル)オキシム、融点250〜
260℃分解。
7−メチル−5−(4−(N,N−ジメチルスルファモイル)フェニル)−6
,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピロロ〔2,3−f〕イソキノリン−2,
3−ジオン−3−O−(N−エチルカルバモイル)オキシム。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1996年8月9日
【補正内容】
請求の範囲
1. 式
(式中、R1は水素、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキルまたはベンジルであ
り、
XはNOR2(但し、R2は(C=O)−R0または(C=S)−R0(但
し、R0はC1-6アルキル;C3-7シクロアルキル;ハロゲン、CF3、NO2、ア
ミノ、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C1-6アルコキシ、フェニルおよ
び SO2NR’R”(但し、R’およびR”は各々独立して、水素、C1-6アル
キルまたはC3-7シクロアルキルであるかあるいはR’とR”とは一緒になって
(CH2)m(但し、mは2、3、4、5または6である)である)からなる群か
ら選ばれた置換基で1回またはそれ以上の回数で置換されていてもよいフェニル
であるか;あるいはR0はベンジル;またはNRIIIRIV(但し、RIIIおよびRI V
は各々独立して水素C1-6アルキルまたはC3-7シクロアルキルであるかあるい
はRIIIとRIVとは一緒になって(CH2)p(但し、pは2、3、4、5または
6である)である)である)である)であり、
R5はフェニル、
ナフチル、
チェニル、
ピリジル、
(但し、これらのすべては、ハロゲン、CF3、NO2、アミノ、C1-6アルキル
、C3-7シクロアルキル、C1-6アルコキシ、フェニルおよびSO2NR’R”(
但し、R’およびR”は各々独立して、水素C1-6アルキルまたはC3-7シク
ロアルキルであるかあるいはR’とR”とは一緒になって、(CH2)m(但し、
mは2、3、4、5または6である)である)からなる群から選ばれた置換基で
1回またはそれ以上の回数で置換されていてもよい)であり、
Aは、aおよびbで印された位置でベンゾ環と融合されそして次の2価
の基により形成される5個〜7個の原子の環である:
(但し、R12は水素、CH2CH2OH、C1-6アルキルまたはC3-7シクロアルキ
ルである))を有する化合物またはその製薬的に許容出来る塩。
2. 式
(式中、X、R1、R5およびR12は上に記載した意味を有する)を有する請求項
1の化合物またはその製薬的に許容出来る塩。
3. 式
(式中、X、R1、R5およびR12は上に記載した意味を有する)を有する請求項
1の化合物またはその製薬的に許容出来る塩。
4. 式
(式中、X、R1、R5およびR12は上に記載した意味を有する)を有する請求項
1の化合物またはその製薬的に許容出来る塩。
5. 式
(式中、X、R1、R5およびR12は上に記載した意味を有する)を有する請求項
1の化合物またはその製薬的に許容出来る塩。
6. 8−メチル−5−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピ
ロロ〔3,2−h〕イソキノリン−2,3−ジオン−3−O−アセチルオキシム
、
8−メチル−5−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピロロ
〔3,2−h〕イソキノリン−2,3−ジオン−3−O−(N−エチルカルバモ
イル)オキシム、
8−メチル−5−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピロロ〔
3,2−h〕イソキノリン−2,3−ジオン−3−O−ピバロイルオキシム、
7−エチル−5−フェニル−1,6,7,8−テトラヒドロベンゾ〔2,1−
b:3,4−c〕−ジピロール−2,3−ジオン−3−O−アセチルオキシム、
8−メチル−5−(4−(N,N−ジメチルスルファモイル)フェニル)−6
,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピロロ〔3,2−h〕イソキノリン−2,
3−ジオン−3−O−(N−エチルカルバモイル)オキシム、
8−メチル−5−(4−(N,N−ジメチルスルファモイル)フェニル)−6
,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピロロ〔3,2−h〕イソキノリン−2,
3−ジオン−3−O−(N−シクロヘキシルカルバモイル)オキシム、または
8−メチル−5−(4−(N,N−ジメチルスルファモイル)フェニル)−6
,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピロロ〔3,2−h〕イソキノリン−2,
3−ジオン−3−O−(N−t−ブチルカルバモイル)オキシム、
である、請求項1の化合物またはその製薬的に許容出来る塩。
7. 少なくとも1種の製薬的に許容出来る担体または希釈剤と一緒に、請求
項1の化合物の治療的に有効な量を含む製薬組成物。
8. 請求項1の化合物の友好量を必要とする患者に投与することからなる、
障害または病気がグルタミン酸および(または)アスパラギン酸受容体拮抗約に
応答性である、ヒトを含む哺乳動物の障害または病気を治療する方法。
9. いたちささげ中毒(ラチリスム)、アルツハイマー病、ハンチントン病
、ALS、精神分裂症、パーキンソン病、てんかん、不安症、疼痛、薬物依存症
または脳血管障害を治療する請求項6に記載の方法。
10. 障害または病気がグルタミン酸および(または)アスパラギン酸受容
体拮抗薬に応答性である、ヒトを含む噛乳動物の障害または病気を治療するため
の医薬を製造するために、請求項1の化合物の使用。
11. 障害または病気がいたちささげ中毒(ラチリスム)、アルツハイマー
病、ハンチントン病、ALS、精神分裂症、パーキンソン病、てんかん、不安症
、
疼痛、薬物依存症または脳血管障害である、ヒトを含む咄乳動物の障害または病
気を治療するための医薬を製造するために請求項1の化合物の使用。
12. 式
(式中、A、a、b、R1およびR5は上に記載した意味を有する)を有する化合
物を、
a)活性化アシル誘導体、好ましくはカルボン酸ハロゲン化物または無水カ
ルボン酸の形の活性化アシル誘導体、あるいは
b)イソシアネート
と反応させて、本発明の化合物を形成する工程からなる、請求項1の化合物の製
造方法。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
A61K 31/40 AAM 9454−4C A61K 31/40 AAM
AAN 9454−4C AAN
ABR 9454−4C ABR
ABS 9454−4C ABS
ADQ 9454−4C ADQ
31/435 ABN 9454−4C 31/435 ABN
C07D 487/04 137 9271−4C C07D 487/04 137
150 9271−4C 150
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C
H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB
,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR,
KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M
K,MN,WM,MX,NO,NZ,PL,PT,RO
,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,
TT,UA,UG,US,UZ,VN