JPH0931601A - 耐海水腐食性オーステナイト系ステンレス鋳鋼及び海水用ポンプ - Google Patents
耐海水腐食性オーステナイト系ステンレス鋳鋼及び海水用ポンプInfo
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- JPH0931601A JPH0931601A JP18882295A JP18882295A JPH0931601A JP H0931601 A JPH0931601 A JP H0931601A JP 18882295 A JP18882295 A JP 18882295A JP 18882295 A JP18882295 A JP 18882295A JP H0931601 A JPH0931601 A JP H0931601A
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- Japan
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- austenitic stainless
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Abstract
(57)【要約】
【目的】耐海水腐食性に優れたオーステナイト系ステン
レス鋳鋼及びそれを用いた海水用ポンプを提供する。 【構成】本発明の耐海水腐食性オーステナイト系ステン
レス鋳鋼は、δフェライト相が6vol%以上であるか、
あるいは、清浄度が0.1%以下であり、さらに、この
材料を海水用ポンプのケーシング,ケーシングライナに
用いたことを特徴とする。
レス鋳鋼及びそれを用いた海水用ポンプを提供する。 【構成】本発明の耐海水腐食性オーステナイト系ステン
レス鋳鋼は、δフェライト相が6vol%以上であるか、
あるいは、清浄度が0.1%以下であり、さらに、この
材料を海水用ポンプのケーシング,ケーシングライナに
用いたことを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐孔食性に優れた低コス
トの耐海水腐食性オーステナイト系ステンレス鋳鋼に関
し、特に海洋環境一般における耐孔食性に優れた構造
材,圧延などの加工が困難である大型機器部材としての
海水用ポンプに関する。
トの耐海水腐食性オーステナイト系ステンレス鋳鋼に関
し、特に海洋環境一般における耐孔食性に優れた構造
材,圧延などの加工が困難である大型機器部材としての
海水用ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】火力発電プラント,原子力発電プラント
において、復水器を冷却するための水を汲み揚げる海水
ポンプは近年大型化が進み、より一層の信頼性向上が求
められている。このことから、海水ポンプの各部位にお
いて高級材料化が進み、SCS13などのオーステナイト系
ステンレス鋳鋼が使用されるようになってきている。海
洋環境中における耐食材料としては、例えば特開平1−1
54848 号公報において、耐海水性に優れたオーステナイ
ト系ステンレス鋼の製造方法ということで、Cr,N
i,Moを多く含んだ高合金鋼が発明されているが、コ
ストなどの面からSCS13が広く利用されている。
において、復水器を冷却するための水を汲み揚げる海水
ポンプは近年大型化が進み、より一層の信頼性向上が求
められている。このことから、海水ポンプの各部位にお
いて高級材料化が進み、SCS13などのオーステナイト系
ステンレス鋳鋼が使用されるようになってきている。海
洋環境中における耐食材料としては、例えば特開平1−1
54848 号公報において、耐海水性に優れたオーステナイ
ト系ステンレス鋼の製造方法ということで、Cr,N
i,Moを多く含んだ高合金鋼が発明されているが、コ
ストなどの面からSCS13が広く利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この材料は一般に海洋
環境において高耐食性を示すと言われている。しかし、
反面では局部腐食を起こすことも知られている。問題と
なる局部腐食に至る最初の過程は、腐食ピットすなわち
孔食の発生である。
環境において高耐食性を示すと言われている。しかし、
反面では局部腐食を起こすことも知られている。問題と
なる局部腐食に至る最初の過程は、腐食ピットすなわち
孔食の発生である。
【0004】本発明の目的は、優れた耐孔食性を有する
耐海水腐食性オーステナイト系ステンレス鋳鋼とその製
造法及び海水用ポンプを提供するものである。
耐海水腐食性オーステナイト系ステンレス鋳鋼とその製
造法及び海水用ポンプを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、重量で、C:
0.08wt% 以下,Si:0.5〜1.5wt%,M
n:0.5〜2wt% ,P:0.04wt%以下,S:
0.01wt%以下,Ni:8.0〜9.5wt%,C
r:18〜21wt%、を含むオーステナイト系ステン
レス鋳鋼について、δフェライト相を6vol% 以上にす
るか、あるいは、清浄度を0.1% 以下にすることによ
り達成される。また、%Cr+%Mo+1.5×%Si
で表されるCr当量と、%Ni+30×%C+0.5×
%Mnで表されるNi当量との比(Cr当量/Ni当
量)を1.95 以上にすることで、6vol% 以上のδフ
ェライト相を形成することができる。
0.08wt% 以下,Si:0.5〜1.5wt%,M
n:0.5〜2wt% ,P:0.04wt%以下,S:
0.01wt%以下,Ni:8.0〜9.5wt%,C
r:18〜21wt%、を含むオーステナイト系ステン
レス鋳鋼について、δフェライト相を6vol% 以上にす
るか、あるいは、清浄度を0.1% 以下にすることによ
り達成される。また、%Cr+%Mo+1.5×%Si
で表されるCr当量と、%Ni+30×%C+0.5×
%Mnで表されるNi当量との比(Cr当量/Ni当
量)を1.95 以上にすることで、6vol% 以上のδフ
ェライト相を形成することができる。
【0006】更に、本発明は前述の鋳鋼をケーシングお
よびケーシングライナの少なくとも一方に用いられた海
水用ポンプにある。
よびケーシングライナの少なくとも一方に用いられた海
水用ポンプにある。
【0007】また、本発明は、流速5m/秒の流動海水
に1600時間浸漬した後の腐食ピット数が10個/cm
2 以下であるオーステナイト系ステンレス鋳鋼によって
ケーシング及びケーシングライナの少なくとも一方が構
成されていることを特徴とする海水用ポンプにある。
に1600時間浸漬した後の腐食ピット数が10個/cm
2 以下であるオーステナイト系ステンレス鋳鋼によって
ケーシング及びケーシングライナの少なくとも一方が構
成されていることを特徴とする海水用ポンプにある。
【0008】
【作用】本発明によれば、優れた耐孔食性を有し、低コ
ストの海水ポンプ用オーステナイト系ステンレス鋳鋼を
得ることができる。この材料をケーシング,ケーシング
ライナなどの部位に利用することで、信頼性の高い海水
ポンプを製造することができる。以下に、その成分につ
いて説明する。
ストの海水ポンプ用オーステナイト系ステンレス鋳鋼を
得ることができる。この材料をケーシング,ケーシング
ライナなどの部位に利用することで、信頼性の高い海水
ポンプを製造することができる。以下に、その成分につ
いて説明する。
【0009】Cは耐食性の観点、またオーステナイト生
成元素であるという観点から低いほど好ましく、0.0
8wt%を越えると耐食性を損なうため上限を0.08
wt%とした。特に0.04〜0.06%が好ましい。
成元素であるという観点から低いほど好ましく、0.0
8wt%を越えると耐食性を損なうため上限を0.08
wt%とした。特に0.04〜0.06%が好ましい。
【0010】Siは脱酸のために必要であり、かつフェ
ライト生成元素としても好ましいが、多量の添加は靭性
を害する。よって、0.5〜1.5wt%とした。特に
0.9〜1.3wt% が好ましい。
ライト生成元素としても好ましいが、多量の添加は靭性
を害する。よって、0.5〜1.5wt%とした。特に
0.9〜1.3wt% が好ましい。
【0011】Mnは脱酸のために必要であるが、オース
テナイト生成元素である。また、量が多くなると硫化物
系の介在物を形成し、海水中での耐孔食性を悪化させ
る。よって、0.5〜2wt%とした。特に0.8〜1.
5wt%が好ましい。
テナイト生成元素である。また、量が多くなると硫化物
系の介在物を形成し、海水中での耐孔食性を悪化させ
る。よって、0.5〜2wt%とした。特に0.8〜1.
5wt%が好ましい。
【0012】Pはδフェライト/γオーステナイト境界
に偏析し、海水中での耐孔食性を悪化させるので低いほ
ど好ましく、0.04wt%以下とした。
に偏析し、海水中での耐孔食性を悪化させるので低いほ
ど好ましく、0.04wt%以下とした。
【0013】Sは硫化物系の介在物を形成し、海水中で
の耐孔食性を悪化させるので低いほど好ましく、0.0
1wt%以下とした。特に0.006wt%以下が好ま
しい。Niはオーステナイト生成元素であり、δフェラ
イト量を低下させてしまうが、ステンレス鋼本来の耐食
性及び溶接性を考慮して、8.0〜9.5wt%とした。
の耐孔食性を悪化させるので低いほど好ましく、0.0
1wt%以下とした。特に0.006wt%以下が好ま
しい。Niはオーステナイト生成元素であり、δフェラ
イト量を低下させてしまうが、ステンレス鋼本来の耐食
性及び溶接性を考慮して、8.0〜9.5wt%とした。
【0014】Crは海水中での耐孔食性,耐すきま腐食
性向上のために有効であり、かつフェライト生成元素で
あるので多いほど好ましく、18〜21wt%とした。
性向上のために有効であり、かつフェライト生成元素で
あるので多いほど好ましく、18〜21wt%とした。
【0015】次に、Cr当量/Ni当量の値について説
明する。ここでのCr当量,Ni当量とはそれぞれ、フ
ェライト生成元素,オーステナイト生成元素としての当
量を意味する。
明する。ここでのCr当量,Ni当量とはそれぞれ、フ
ェライト生成元素,オーステナイト生成元素としての当
量を意味する。
【0016】本発明のオーステナイト系ステンレス鋳鋼
は溶体化処理が不可欠であり、1050℃〜1150℃で溶
体化処理し、フェライト量を6vol% 以上に制御される
が、大型構造材など部品の肉厚や加工しろが大きいもの
は、組織を均質化するために溶体化処理温度を高くある
いは時間を長くしなければならない。温度が高く、時間
が長くなるほどδフェライト量は少なくなるが、この値
を1.95 以上にすることでδフェライト量6vol% 以
上を達成しやすくなる。後述のように、δフェライト量
を6vol% 以上にすることで耐孔食性を向上させること
ができる。δフェライト量が6vol% 未満では、耐孔食
性が極めて悪くなる。特に、6〜15vol%が好まし
い。
は溶体化処理が不可欠であり、1050℃〜1150℃で溶
体化処理し、フェライト量を6vol% 以上に制御される
が、大型構造材など部品の肉厚や加工しろが大きいもの
は、組織を均質化するために溶体化処理温度を高くある
いは時間を長くしなければならない。温度が高く、時間
が長くなるほどδフェライト量は少なくなるが、この値
を1.95 以上にすることでδフェライト量6vol% 以
上を達成しやすくなる。後述のように、δフェライト量
を6vol% 以上にすることで耐孔食性を向上させること
ができる。δフェライト量が6vol% 未満では、耐孔食
性が極めて悪くなる。特に、6〜15vol%が好まし
い。
【0017】Ni当量は9.5〜11.5、特に10〜1
1及びCr当量は19.5〜22.5、特に20〜22が
好ましい。
1及びCr当量は19.5〜22.5、特に20〜22が
好ましい。
【0018】
(実施例1)本実施例の試験に用いた供試材の化学成分
を表1に示す。また、緒性質を表2
を表1に示す。また、緒性質を表2
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】に示す。いずれの材料も鋳造後に溶体化処
理をしたものである。試験片はこれらのインゴットの内
部から、板状に切り出した。供試材A,Bは、精錬の際
の脱炭処理にそれぞれ、Ar−O2混合ガス吹き付け処
理、減圧下O2吹き付け処理をしているので、鋼中介在
物の量が少なく、清浄度が小さくなっている。なお、清
浄度の値は、JIS G 0555鋼の非金属介在物の顕微鏡試験
方法により測定した。表1及び表2中の供試材A〜Dが
本発明材であり、E〜Gが比較材として作製したもので
ある。発明材と比較材との違いはδフェライト量あるい
は清浄度であり、δフェライト量を6vol% 以上にする
か、清浄度を0.1%以下にしてある。
理をしたものである。試験片はこれらのインゴットの内
部から、板状に切り出した。供試材A,Bは、精錬の際
の脱炭処理にそれぞれ、Ar−O2混合ガス吹き付け処
理、減圧下O2吹き付け処理をしているので、鋼中介在
物の量が少なく、清浄度が小さくなっている。なお、清
浄度の値は、JIS G 0555鋼の非金属介在物の顕微鏡試験
方法により測定した。表1及び表2中の供試材A〜Dが
本発明材であり、E〜Gが比較材として作製したもので
ある。発明材と比較材との違いはδフェライト量あるい
は清浄度であり、δフェライト量を6vol% 以上にする
か、清浄度を0.1%以下にしてある。
【0022】図1は天然海水中における孔食電位とδフ
ェライト量との関係を示している。なお分極曲線は、液
温30℃,N2 脱気,電位送り速度20mV/min の条
件で測定した。比較材ではδフェライト量が5vol% 以
下であり、アノード電流密度が100μA/cm2となる
孔食電位が150mV vs.Ag/AgCl以下とな
り耐孔食性が悪い。δフェライト量が6vol% 以上であ
れば、アノード電流密度が100μA/cm2となる孔食
電位が200mV vs.Ag/AgCl以上となり耐
孔食性が良くなる。
ェライト量との関係を示している。なお分極曲線は、液
温30℃,N2 脱気,電位送り速度20mV/min の条
件で測定した。比較材ではδフェライト量が5vol% 以
下であり、アノード電流密度が100μA/cm2となる
孔食電位が150mV vs.Ag/AgCl以下とな
り耐孔食性が悪い。δフェライト量が6vol% 以上であ
れば、アノード電流密度が100μA/cm2となる孔食
電位が200mV vs.Ag/AgCl以上となり耐
孔食性が良くなる。
【0023】図2は各試験片を流速5m/sの流動海水
中に1676h浸漬した後の、腐食ピットの発生数を示
している。比較材である供試材Eでは17.8個/cm
2と、多くピットが発生しているが、発明材である供試
材A,B,Dでは、それぞれ、4.4個/cm2,4.0個
/cm2,5.2個/cm2と、ピットの数は10個/cm2 以
下と少なくなっている。つまり、清浄度の値が小さい材
料ではピットの数は少なく、また、清浄度が供試材Eと
同程度である供試材Dにおいても、δフェライト量が大
きいものではピットの数は少なくなっている。
中に1676h浸漬した後の、腐食ピットの発生数を示
している。比較材である供試材Eでは17.8個/cm
2と、多くピットが発生しているが、発明材である供試
材A,B,Dでは、それぞれ、4.4個/cm2,4.0個
/cm2,5.2個/cm2と、ピットの数は10個/cm2 以
下と少なくなっている。つまり、清浄度の値が小さい材
料ではピットの数は少なく、また、清浄度が供試材Eと
同程度である供試材Dにおいても、δフェライト量が大
きいものではピットの数は少なくなっている。
【0024】天然海水中にそれぞれ、96h,647
h,856h浸漬した供試材Eの試験片の表面を光学顕
微鏡写真にて観察した結果、腐食ピットは主にδ/γ境
界に多く発生し、これらのピットは時間とともにδ/γ
境界に沿って増えていき、最終的にはδフェライトの脱
落に到る。
h,856h浸漬した供試材Eの試験片の表面を光学顕
微鏡写真にて観察した結果、腐食ピットは主にδ/γ境
界に多く発生し、これらのピットは時間とともにδ/γ
境界に沿って増えていき、最終的にはδフェライトの脱
落に到る。
【0025】図3,図4は分析電子顕微鏡により得られ
た、δ/γ境界近傍におけるPの分布を示している。図
3は発明材である供試材Bの分布であり、図4は比較材
である供試材Eの分布で、P量が約0.47% と高くな
っている。供試材Bは供試材Eよりもδ/γ境界におけ
るPの偏析量が少なくなっている。一般にδフェライト
相とγオーステナイト相とでは、前者の方がPなどの不
純物をより多く固溶する。δフェライトの量を大きくす
れば、結果としてδ/γ境界におけるPの偏析量が0.
32% 以下と少なくなり、腐食ピットの発生数が少な
くなり、耐孔食性が良くなるのである。
た、δ/γ境界近傍におけるPの分布を示している。図
3は発明材である供試材Bの分布であり、図4は比較材
である供試材Eの分布で、P量が約0.47% と高くな
っている。供試材Bは供試材Eよりもδ/γ境界におけ
るPの偏析量が少なくなっている。一般にδフェライト
相とγオーステナイト相とでは、前者の方がPなどの不
純物をより多く固溶する。δフェライトの量を大きくす
れば、結果としてδ/γ境界におけるPの偏析量が0.
32% 以下と少なくなり、腐食ピットの発生数が少な
くなり、耐孔食性が良くなるのである。
【0026】以上の通り、本発明によりP量を0.40
% 以下で、耐孔食性に優れたオーステナイト系ステン
レス鋳鋼を得ることができる。
% 以下で、耐孔食性に優れたオーステナイト系ステン
レス鋳鋼を得ることができる。
【0027】(実施例2)図5は、本発明に係る火力発
電プラントにおける復水器冷却用立軸斜流海水ポンプの
断面図である。吸込水路から入った海水を整流するFC
25製のベルマウス7,原動機の回転動力を伝達するSU
S304製のシャフト1,シャフトに固定されたSCS13
製のインペラハブ5,原動機の回転動力を効率良く海水
に与えるSCS13製のインペラベーン3,インペラベ
ーン外周の隙間が常に一定になるよう内側を球面にした
ケーシングライナ4,インペラベーンから海水に与えた
速度エネルギーを圧力エネルギーに変換するケーシング
2,加圧された海水が内部を通っていくFC25製のコ
ラムパイプ9およびディスチャージケーシング10、な
どからなる。ケーシングライナ4,ケーシング2を各々
実施例1のNo.DおよびNo.Aのオーステナイト系ステ
ンレス鋳鋼によって構成した。Dについては鋳造後、1
100℃×4h水冷の溶体化処理を行い、δフェライト
量を10〜15%とした。Aについては清浄度を0.0
5% 程度にした。本実施例によれば、信頼性が高く、
使用寿命の長い海水ポンプを製作することできた。
電プラントにおける復水器冷却用立軸斜流海水ポンプの
断面図である。吸込水路から入った海水を整流するFC
25製のベルマウス7,原動機の回転動力を伝達するSU
S304製のシャフト1,シャフトに固定されたSCS13
製のインペラハブ5,原動機の回転動力を効率良く海水
に与えるSCS13製のインペラベーン3,インペラベ
ーン外周の隙間が常に一定になるよう内側を球面にした
ケーシングライナ4,インペラベーンから海水に与えた
速度エネルギーを圧力エネルギーに変換するケーシング
2,加圧された海水が内部を通っていくFC25製のコ
ラムパイプ9およびディスチャージケーシング10、な
どからなる。ケーシングライナ4,ケーシング2を各々
実施例1のNo.DおよびNo.Aのオーステナイト系ステ
ンレス鋳鋼によって構成した。Dについては鋳造後、1
100℃×4h水冷の溶体化処理を行い、δフェライト
量を10〜15%とした。Aについては清浄度を0.0
5% 程度にした。本実施例によれば、信頼性が高く、
使用寿命の長い海水ポンプを製作することできた。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
δフェライト量を6vol% 以上にするか、清浄度を0.
1% 以下にすることで、耐孔食性に優れたオーステナ
イト系ステンレス鋳鋼を得ることができる。この材料を
海水ポンプの各部位に利用することで、定期検査毎の補
修に手間がかからなくなり、信頼性が高く、使用寿命の
長い海水ポンプを製作することが可能になる。海洋環境
中においては、藻などが付着することが避けられない場
合がよくあるが、本発明によるオーステナイト系ステン
レス鋳鋼は、優れた耐孔食性を有することから、すきま
腐食に対しても優れた耐食性を有することが期待され
る。よって、この材料は海水ポンプに限らず、海洋環境
における構造材としても利用することができる。
δフェライト量を6vol% 以上にするか、清浄度を0.
1% 以下にすることで、耐孔食性に優れたオーステナ
イト系ステンレス鋳鋼を得ることができる。この材料を
海水ポンプの各部位に利用することで、定期検査毎の補
修に手間がかからなくなり、信頼性が高く、使用寿命の
長い海水ポンプを製作することが可能になる。海洋環境
中においては、藻などが付着することが避けられない場
合がよくあるが、本発明によるオーステナイト系ステン
レス鋳鋼は、優れた耐孔食性を有することから、すきま
腐食に対しても優れた耐食性を有することが期待され
る。よって、この材料は海水ポンプに限らず、海洋環境
における構造材としても利用することができる。
【図1】天然海水中における孔食電位とδフェライト量
との関係。
との関係。
【図2】各試験片を流動海水中に浸漬した後のピットの
発生数。
発生数。
【図3】発明材Bのδ/γ境界近傍におけるPの分布
図。
図。
【図4】比較材Eのδ/γ境界近傍におけるPの分布
図。
図。
【図5】火力発電プラント用立軸斜流海水ポンプの概略
図。
図。
1…シャフト、2…ケーシング、3…インペラベーン、
4…ケーシングライナ、5…インペラハブ、6…インペ
ラキャップ、7…ベルマウス、8…コーン、9…コラム
パイプ、10…ディスチャージケーシング。
4…ケーシングライナ、5…インペラハブ、6…インペ
ラキャップ、7…ベルマウス、8…コーン、9…コラム
パイプ、10…ディスチャージケーシング。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 仁治 茨城県土浦市神立町603番地 株式会社日 立製作所土浦工場内
Claims (7)
- 【請求項1】重量で、C:0.08wt%以下,Si:
0.5〜1.5wt%,Mn:0.5〜2wt%,P:0.
04wt%以下,S:0.01wt%以下,Ni:8.0
〜9.5wt%,Cr:18〜21wt%を含み、δフェ
ライト相が6vol% 以上であることを特徴とする耐海水
腐食性オーステナイト系ステンレス鋳鋼。 - 【請求項2】%Cr+%Mo+1.5×%Si で表され
るCr当量と、%Ni+30×%C+0.5×%Mnで
表されるNi当量との比(Cr当量/Ni当量)が1.
95以上であることを特徴とする請求項1に記載の耐海
水腐食性オーステナイト系ステンレス鋳鋼。 - 【請求項3】重量で、C:0.08wt%以下,Si:
0.5〜1.5wt%,Mn:0.5〜2wt%,P:0.
04wt%以下,S:0.01wt%以下,Ni:8.0
〜9.5wt%,Cr:18〜21wt%を含み、清浄度
が0.1% 以下であることを特徴とする耐海水腐食性オ
ーステナイト系ステンレス鋳鋼。 - 【請求項4】重量で、C:0.08wt%以下,Si:
0.5〜1.5wt%,Mn:0.5〜2wt%,P:0.
04wt%以下,S:0.01wt%以下,Ni:8.0
〜9.5wt%,Cr:18〜21wt%を含み、δフェ
ライト相が6vol% 以上であるオーステナイト系ステン
レス鋳鋼によってケーシング及びケーシングライナの少
なくとも一方が構成されていることを特徴とする海水用
ポンプ。 - 【請求項5】流速5m/秒の流動海水に1600時間浸
漬した後の腐食ピット数が10個/cm2 以下であること
を特徴とする耐海水腐食性オーステナイト系ステンレス
鋳鋼。 - 【請求項6】重量で、C:0.08wt%以下,Si:
0.5〜1.5wt%,Mn:0.5〜2wt%,P:0.
04wt%以下,S:0.01wt%以下,Ni:8.0
〜9.5wt%,Cr:18〜21wt%を含み、清浄度
が0.1%以下 であるオーステナイト系ステンレス鋳鋼
によってケーシング及びケーシングライナの少なくとも
一方が構成されていることを特徴とする海水用ポンプ。 - 【請求項7】流速5m/秒の流動海水に1600時間浸
漬した後の腐食ピット数が10個/cm2 以下であるオー
ステナイト系ステンレス鋳鋼によってケーシング及びケ
ーシングライナの少なくとも一方が構成されていること
を特徴とする海水用ポンプ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18882295A JP3336820B2 (ja) | 1995-07-25 | 1995-07-25 | 耐海水腐食性オーステナイト系ステンレス鋳鋼及び海水用ポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18882295A JP3336820B2 (ja) | 1995-07-25 | 1995-07-25 | 耐海水腐食性オーステナイト系ステンレス鋳鋼及び海水用ポンプ |
Related Child Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001308148A Division JP2002161344A (ja) | 2001-10-04 | 2001-10-04 | 耐海水腐食性オーステナイト系ステンレス鋳鋼及び海水用ポンプ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0931601A true JPH0931601A (ja) | 1997-02-04 |
| JP3336820B2 JP3336820B2 (ja) | 2002-10-21 |
Family
ID=16230435
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
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