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JPH09287056A - 冷間鍛造性に優れた線材および棒鋼並びにそれらの製造方法 - Google Patents

冷間鍛造性に優れた線材および棒鋼並びにそれらの製造方法

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Publication number
JPH09287056A
JPH09287056A JP8101085A JP10108596A JPH09287056A JP H09287056 A JPH09287056 A JP H09287056A JP 8101085 A JP8101085 A JP 8101085A JP 10108596 A JP10108596 A JP 10108596A JP H09287056 A JPH09287056 A JP H09287056A
Authority
JP
Japan
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wire rod
less
steel
balance
steel bar
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8101085A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuaki Fukuoka
和明 福岡
Tatsuo Maeda
龍男 前田
Toyoaki Eguchi
豊明 江口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toa Steel Co Ltd
Original Assignee
Toa Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toa Steel Co Ltd filed Critical Toa Steel Co Ltd
Priority to JP8101085A priority Critical patent/JPH09287056A/ja
Publication of JPH09287056A publication Critical patent/JPH09287056A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱間圧延ままで冷間加工率が高くなってもフ
ェライトとパーライトとの境界で割れが発生せず、且つ
変形抵抗が小さい条件を決定する。 【解決手段】 重量% で、C :0.05〜0.40% 、Si:0.3
〜3.0%、Mn:0.3 〜3.0% を含有し、選択元素として更
に、Cr:2.0%以下、Mo:0.5%以下、Ni:1.0%以下Ti:0.
3 % 以下、Nb:0.3 % 以下V :0.3 % 以下から少なくと
も1種を含有し、残部:Feおよび不可避不純物よりなる
鋼片を熱間圧延して棒鋼または線材にし、次いで、棒鋼
または線材を10℃/ sec 以上の冷却速度で冷却すること
により棒鋼または線材の金属組織を、体積率で3 〜20%
の残留オーステナイトおよび3 〜70% のフェライトで残
部をベイナイトおよび/またはマルテンサイトにする。 【効果】 自動車部品その他機械部品等の製造時に軟化
焼鈍を省略でき、冷間での強加工時の工具寿命を延長で
きるので、省エネ及びコスト低減に寄与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、機械部品を冷間
鍛造によって製造する際に、熱処理を施すことなく熱間
圧延ままで優れた冷間加工性を有する線材および棒鋼並
びにそれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ボルト、軸類、歯車その他の機
械部品として用いられる鋼材の中で、冷間鍛造等の冷間
加工をされる鋼材では、冷間鍛造等の冷間加工時の変形
抵抗が低く、且つ、延性が高いことが求められている。
これは、鋼素材の変形抵抗が大きいと、冷間加工時に工
具寿命が低下し、また、延性が低いと冷間加工時に割れ
が発生し易くなるからである。しかしながら、冷間鍛造
後に行なう焼入れ性を確保するために、C含有量が0.35
wt.%以上の高い鋼を用いる必要があった。ところがこの
ようにC含有量の高い鋼は一般的に熱間圧延ままでは引
張強さが高く、且つ延性が低い。そこで、これらの用途
の鋼材では、一般に冷間加工前に球状化焼きなましを行
ない、鋼材の引張強さを低下させ、延性を高めている。
ところが、この球状化焼きなまし処理は、10〜20時間と
いう長時間の熱処理であり、且つ700 ℃以上の温度での
熱処理を必要とすることから、この処理を省略すること
ができ、しかも優れた冷間鍛造性を備えた熱間圧延材の
開発が要望されていた。
【0003】これに対し、従来の方法として例えば、特
公昭61-37333号公報および特公平1-12815 号公報は、熱
間圧延時の圧下量および圧延温度を制御し、オーステナ
イト粒の微細化および変形帯の導入を図ることにより、
鋼の焼入れ性を低下させることによって、フェライト・
パーライト変態を促進させ、変形抵抗の増加に寄与する
ベイナイトおよびマルテンサイト組織の発生を防止し、
熱間圧延ままで冷間加工性に優れた性質を備えた鋼材
(以下、「先行技術」という)を開示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術に開示されたフェライト+パーライト鋼では、加工を
施した際に、フェライトでの変形が優先して起こり、こ
の局部的な変形により、フェライトとパーライトとの境
界で割れが発生し易いことが問題であった。また、フェ
ライト+パーライト鋼では、加工率が高くなるほど、徐
々に変形抵抗が高くなり、厳しい加工の場合に変形抵抗
を軽減させるのに限度があり、冷間鍛造に際して工具寿
命が低下するという問題があった。
【0005】従って、この発明が解決すべき課題は、棒
鋼および線材としての所定の機械的性質を具備する化学
成分組成の鋼において、熱間圧延ままの状態において冷
間加工率が高くなってもフェライトとパーライトとの境
界で割れが発生することなく、且つ、変形抵抗が所定値
以下に小さい条件を決定することにある。かくして、こ
の発明の目的は上記課題を解決することにより、熱間加
工された鋼素材としての棒鋼および線材に対して球状化
焼きなましのような熱処理を施すことなく、熱間加工ま
まの状態で割れが発生せず、且つ、工具寿命を損なうこ
とのない冷間鍛造をすることができる線材および棒鋼、
並びに、それらの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、変形抵抗の軽
減に対して、フェライトの中に適正量の残留オーステナ
イトを含む組織を形成させることが有効であることを見
い出した。即ち、熱間圧延後に550℃以下の温度まで
加速冷却を行ない、金属組織中に、体積率で3〜20%
の残留オーステナイトを生成せしめることによって、加
工初期においては残留オーステナイトおよびフェライト
の両方で変形が生じる。この残留オーステナイトの変形
では、残留オーステナイトが加工誘起変態を起こし、硬
質なマルテンサイトになることによって、一定の歪みに
対する硬化の割合、即ち、加工硬化率はフェライト+パ
ーライト鋼のそれよりも大きくなる。しかしながら、パ
ーライト組織に比べてベイナイトおよび/またはマルテ
ンサイト組織は、組織中での塑性変形が生じ易いので、
更に加工を加えた場合には、変形は主にこれらのベイナ
イトおよび/またはマルテンサイトで起きることによ
り、加工硬化率が小さくなることがわった。
【0007】この発明は、上記知見に基づき、熱間圧延
後の冷却時のフェライト変態によるオーステナイト中へ
のCの濃化、および、フェライト変態の後に生成するベ
イナイトおよびマルテンサイトによるオーステナイト中
へのCの濃化により、残留オーステナイトを生成せしめ
る鋼の化学成分組成および熱間圧延後の冷却速度を検討
することにより完成させたものである。
【0008】請求項1記載の冷間鍛造性に優れた棒鋼お
よび線材は、化学成分組成がC :0.05〜0.40wt.%、Si:
0.3 〜3.0wt.% 、および、Mn:0.3 〜3.0 wt.%を含有
し、残部:Feおよび不可避的不純物よりなり、且つ、金
属組織が体積率で3 〜20% の残留オーステナイトおよび
3 〜70% のフェライトで残部がベイナイトおよび/また
はマルテンサイトよりなることに特徴を有するものであ
る。
【0009】請求項2記載の冷間鍛造性に優れた棒鋼お
よび線材は、化学成分組成がC :0.05〜0.40wt.%、Si:
0.3 〜3.0wt.% 、および、Mn:0.3 〜3.0 wt.%を含有
し、更に、下記化学成分組成からなる二つの群の内少な
くとも一つの群を選び、選ばれた各群から少なくとも1
種を含有し、残部:Feおよび不可避的不純物よりなる化
学成分組成を有し、且つ、金属組織が体積率で3 〜20%
の残留オーステナイトおよび3 〜70% のフェライトで残
部がベイナイトおよび/またはマルテンサイトよりなる
ことに特徴を有するものである。但し、上記二つの群と
は、Cr:2.0wt.% 以下、Mo:0.5wt.% 以下、および、N
i:1.0 wt.%以下からなる群、および、Ti:0.3 wt.%以
下、Nb:0.3 wt.%以下、および、V :0.3 wt.%以下から
なる群である。
【0010】請求項3記載の冷間鍛造性に優れた棒鋼お
よび線材の製造方法は、化学成分組成がC :0.05〜0.40
wt.%、Si:0.3 〜3.0wt.% 、および、Mn:0.3 〜3.0 w
t.%を含有し、残部:Feおよび不可避的不純物よりなる
鋼片に対して熱間圧延を施すことにより棒鋼または線材
に成形し、前記熱間圧延に次いで、前記棒鋼または線材
を10℃/ sec 以上の冷却速度で冷却することにより前記
棒鋼または線材の金属組織を、体積率で3 〜20% の残留
オーステナイトおよび3 〜70% のフェライトで残部がベ
イナイトおよび/またはマルテンサイトにすることに特
徴を有するものである。
【0011】請求項4記載の冷間鍛造性に優れた棒鋼お
よび線材の製造方法は、化学成分組成がC :0.05〜0.40
wt.%、Si:0.3 〜3.0wt.% 、および、Mn:0.3 〜3.0 w
t.%を含有し、更に、下記化学成分組成からなる二つの
群の内少なくとも一つの群を選び、選ばれた各群から少
なくとも1種を含有し、残部:Feおよび不可避的不純物
よりなる鋼片に対して熱間圧延を施すことにより棒鋼ま
たは線材に成形し、前記熱間圧延に次いで、前記棒鋼ま
たは線材を10℃/ sec 以上の冷却速度で冷却することに
より前記棒鋼または線材の金属組織を、体積率で3 〜20
% の残留オーステナイトおよび3 〜70% のフェライトで
残部がベイナイトおよび/またはマルテンサイトにする
ことに特徴を有するものである。但し、上記二つの群と
は、Cr:2.0wt.% 以下、Mo:0.5wt.% 以下、および、N
i:1.0 wt.%以下からなる群、および、Ti:0.3 wt.%以
下、Nb:0.3 wt.%以下、および、V :0.3 wt.%以下から
なる群である。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明においては、熱間加工ま
まで優れた冷間鍛造性を有する鋼材を得るために、鋼材
の化学成分組成および熱間圧延後の鋼材の冷却速度を上
記の通り限定しなければならない。以下、その限定理由
について説明する。
【0013】(1) 炭素(C) Cは、所望の残留オーステナイトの生成量、および、所
望の引張強さを得るために必須の元素である。しかしな
がら、その含有量が0.05wt.%未満では熱間圧延後に
冷却速度を10℃/sec 以上で冷却しても残留オーステ
ナイトを得ることができず、また、十分な引張強さを得
ることもできない。一方、0.40wt.%を超えると鋼の
焼入れ性が過度に高くなり、残留オーステナイトを得る
ことができない。従って、熱間圧延ままでは限界据込み
率が低くなり過ぎる。従って、C含有量は0.05〜
0.40wt.%の範囲内に限定すべきである。
【0014】(2) シリコン( Si) Siは、熱間圧延後の冷却時のフェライト変態の温度域
を拡大することに効果があり、Cが未変態オーステナイ
トへ凝集するのを助け、またセメンタイトの析出を遅ら
せる作用を有するので、有効に残留オーステナイトを生
成・残留させるのに極めて有効な作用をする。しかしな
がら、Si含有量が0.3wt.%未満では上記効果が得ら
れず、一方、その含有量が3.0wt.%を超えると強度が
高くなり過ぎ変形抵抗が大きくなり過ぎ、また、熱間圧
延前の加熱時および圧延中に鋼材表面の脱炭が進行する
ので製品の表面品質を劣化させる。従って、Si含有量
は0.3〜3.0wt.%の範囲内に限定すべきである。
【0015】(3) マンガン(Mn) Mnは、未変態オーステナイトのMS 点を低下させるの
に有効であるため、所望の残留オーステナイトの生成量
を得るのに必要な元素であって、且つ、ベイナイトおよ
び/またはマルテンサイトの組織を微細にし、それらの
靱性および延性を高める作用をする。しかしながら、M
n含有量が0.3wt.%未満では上記効果が得られにく
い。一方、その含有量が3.0wt.%を超えると、強度が
高くなり過ぎて変形抵抗が大きくなり過ぎるとともに、
熱間圧延時に発生するスケールが剥離しにくくなり、冷
間鍛造などの冷間加工前の酸洗およびショットブラスト
での脱スケールが困難となり、製品加工での製造コスト
の上昇を招くことがある。従って、Mn含有量は0.3
〜3.0wt.%の範囲内に限定すべきである。
【0016】上述した必須成分元素としてのC、Siお
よびMnの他に、選択成分元素としてのCr、Moおよ
びNi、並びに、Ti、NbおよびVを添加すると、下
記に述べる作用効果を生じ、冷間鍛造性に優れた棒鋼お
よび線材として一層望ましいものが得られる。
【0017】(4) クロム(Cr)、モリブデン(Mo)
およびニッケル(Ni) Cr、MoおよびNiは、マルテンサイトの靱性を向上
させる作用を有するとともに、冷間鍛造後に焼入れ・焼
戻しして使用する製品においては、有効に焼入れ性を高
める元素である。
【0018】しかしながら、Cr含有量が2.0wt.%を
超えると、またはMo含有量が0.5wt.%を超えると、
熱間圧延後の鋼材の焼入れ性が高くなることによって、
組織がベイナイトおよび/またはマルテンサイトにな
り、所望の残留オーステナイト量が得られず、冷間鍛造
時の変形抵抗が高くなる。
【0019】また、Ni含有量が1.0wt.%を超える
と、残留オーステナイトの冷間加工に対する安定性が増
し、高い加工度の変形に至るまで、残留オーステナイト
として金属組織中に残り、高い加工度での変形抵抗の低
下に寄与しない。従って、Cr含有量は2.0wt.%以下
に、Moは0.5wt.%に、そして、Niは1.0wt.%以
下に限定すべきである。
【0020】(5) チタン(Ti)、ニオブ(Nb)およ
びバナジウム(V) Tiは、鋼の溶製時にTiNとして析出する。また、N
bおよびVは、熱間圧延時およびその後の冷却時にNb
CNあるいはVNとして析出する。これらの炭窒化物あ
るいは窒化物の析出によって、鋼中の固溶N量が減少
し、冷間加工時の歪み硬化が減少する。これによって、
冷間加工時の変形抵抗を低く抑えることが可能となる。
従って、Ti、NbおよびVの添加は、鋼の冷間鍛造性
を高めるために有効な手段である。
【0021】しかしながら、Ti、NbおよびV含有量
の内いずれかが0.3wt.%を超えると、窒化物の析出量
が過度に増加するのみならず、炭化物が析出するので、
鋼の硬化が生じ、鋼の冷間鍛造性は悪化する。このた
め、Ti、NbおよびV含有量はいずれも0.3wt.%以
下に限定すべきである。
【0022】この発明では、化学成分組成を上記の通り
限定した線材および棒鋼を熱間圧延により製造するが、
熱間圧延後の冷却速度を10℃/sec 以上に限定するの
は下記理由による。
【0023】(6) 熱間圧延後の冷却速度と金属組織 室温において、体積率で3〜20%の残留オーステナイ
トおよび3〜70% のフェライトで残部がベイナイトお
よび/またはマルテンサイトからなる組織を有する鋼材
を得るために、熱間圧延後の冷却時に、フェライトとベ
イナイト、更にマルテンサイトのそれぞれの変態によっ
て、残部のオーステナイト中にC原子を濃縮させ、この
C濃度が濃縮したオーステナイトのマルテンサイト変態
終了点(Mf 点)を室温以下の温度に下げるために、熱
間圧延時の冷却速度を10℃/sec 以上に限定しなけれ
ばならない。即ち、冷却速度が10℃/sec 未満では、
ベイナイトおよびマルテンサイトを得ることができず、
鋼材の組織はフェライト+パーライト組織となり、十分
な量のフェライトが得られないばかりでなく、最終的に
十分な量の残留オーステナイトが得られなくなってしま
う。
【0024】体積率で、3〜20%の残留オーステナイ
トおよび3〜70%のフェライトであって、残部がベイ
ナイトおよび/またはマルテンサイトである組織とする
ためには、熱間圧延後の冷却速度を10℃/sec 以上に
しなければならない。また、冷却速度は大きくなるほど
合金元素を低減することができるので上限に制限はな
い。
【0025】(7) 金属組織 この発明による棒鋼および線材を製造する過程におい
て、熱間圧延後の鋼材の残留オーステナイト組織は変形
抵抗を低減させて冷間鍛造用工具の寿命を延長する作用
を有し、フェライト組織は鋼の延性を向上させ、変形能
を向上させる作用を有し、ベイナイトおよびマルテンサ
イト組織は鋼の強度を確保するのに必要である。そし
て、残留オーステナイトが3%未満では変形抵抗を低減
させる効果が小さいから不可であり、20%を超えると
効果は飽和するのみならず、合金元素を多量に必要とし
コスト高になるから不可であり、フェライト組織が3%
未満では延性不足で、冷間成形能が劣るので不可であ
り、70%を超えると鋼の強度を確保するのが困難であ
るから不可である。
【0026】従って、冷間鍛造性に優れた熱間圧延棒鋼
および線材であるためには、金属組織としては体積率
で、残留オーステナイトを3〜20%の範囲内、フェラ
イトを3〜70%の範囲内とし、残部をベイナイトおよ
び/またはマルテンサイトにすべきである。
【0027】
【実施例】次に、この発明を、実施例により比較例と対
比しながら説明する。 〔試験1〕所定の化学成分組成の溶鋼を150kg真空溶
解炉にて溶製し、160mm角または116mm角の鋼
塊を鋳造した。得られた鋼塊を用いて熱間圧延により、
160mm角鋼塊は30mm径の棒鋼に、また116m
m角鋼塊は16mm径の線材に圧延した後、10℃/se
c の冷却速度にて冷却した。なお、従来鋼であるJIS
S45Cの化学成分組成に該当する比較例No.20
(後述の表1参照)については、熱間圧延後の線材に球
状化焼きなまし処理を施した。
【0028】上記で得られた線材および棒鋼から採取し
た試験片について、所定のX線回折法により残留オース
テナイト量を測定し、また、ナイタール腐食を用いて金
属組織を現出した後、フェライト量を画像処理装置によ
り測定し、残部をベイナイトおよび/またはマルテンサ
イトとし、光学顕微鏡によりその組織を確認した。
【0029】表1に、本発明の範囲内にある線材および
棒鋼である実施例No.1〜13、並びに、本発明の範囲
外にある線材および棒鋼である比較例No.14〜20を
示す。
【0030】
【表1】
【0031】上記実施例および比較例の供試体につい
て、引張特性および冷間鍛造特性を評価した。各評価方
法はつぎの通りである。引張特性はJIS14A号引張
試験片(平行部:10mm径、標点距離:50mm)を
用いて引張強さ、伸びおよび絞りを測定した。また、冷
間鍛造特性は圧縮試験片(14mmφ×21mm溝付
き、および、溝無し)を用いて限界圧縮率および70%
圧縮加工時の変形抵抗を測定した。
【0032】図1に、限界圧縮率測定用試験片の平面図
(a)および側面図(b)を示す。限界圧縮率測定用試
験片1は直径a=14mm、高さb=21mmの円柱体
の円周表面の高さ方向にV状溝2が形成されている。
【0033】図2に、V状溝2の詳細形状を示す。V状
溝2は、深さc=8±0.05mmであり、溝の底部形状は
半径R=0.15±0.05mmでV状溝2の開き角度θ=
30±0.4 °である。限界圧縮率の測定は、限界圧縮率
測定用試験片1の高さ方向に圧縮荷重を加え、V状溝2
の底部3に割れが発生する限界の圧縮率(限界圧縮率)
φc を求めた。限界圧縮率φc は下記(1)式で求め
た。
【0034】 図3に、変形抵抗測定用試験片の平面図(a)および側
面図(b)を示す。変形抵抗測定用試験片4は直径d=
8mm、高さe=12mmの円柱体である。変形抵抗測
定用試験片の上面図および側面図を示す。変形抵抗の測
定は、変形抵抗測定用試験片4の高さ方向に圧縮変形を
加え、試験片に付与される歪みが0.5および1.2の
時点における試験片に対するそれぞれの負荷応力、即ち
変形抵抗の平均値を求め、変形抵抗と定めた。
【0035】表2に、上記測定試験の結果を示す。
【0036】
【表2】
【0037】表2から下記事項がわかる。本発明の範囲
内にある実施例No.1〜13はすべて、従来鋼であるJ
IS S45Cを用い熱間圧延後球状化熱処理を施した
比較例No.20よりも、限界圧縮率および70%圧縮加
工時変形抵抗において優れている。即ち、冷間鍛造性に
おいて優れている。
【0038】比較例No.14〜16、18および19
は、実施例1〜13のいずれよりも、圧縮限界率および
70%加工時変形抵抗の内少なくとも一つにおいて劣っ
ている。即ち、C含有量が本発明の範囲よりも低い比較
例No.14、およびSi含有量が本発明の範囲よりも低
い比較例No.16は、残留オーステナイトが残存してお
らず限界圧縮率には優れているが、変形抵抗において劣
っている。C含有量が本発明の範囲よりも高い比較例N
o.15は、変形抵抗および限界圧縮率いずれにおいても
劣っている。但し、Si含有量が本発明の範囲よりも若
干高い比較例No.17は、変形抵抗は小さいが、変形能
が劣っている。
【0039】Mn含有量が本発明の範囲よりも低い比較
例No.18は、残留オーステナイトが残存しておらず、
限界圧縮率において劣っている。Mn含有量が本発明の
範囲よりも高い比較例No.19は、残留オーステナイト
が残存しておらず、限界圧縮率において劣っており、ま
た伸びおよび絞りにおいても劣っている。
【0040】実施例および比較例ともに全体として伸
び、絞りは良好である。しかし、比較例No.17および
19は伸びにおいて劣り、比較例No.17、19および
20は絞りにおいて劣っている。
【0041】〔試験2〕実施例No.1および比較例No.
14を対象として、種々の圧縮率に対する変形抵抗を測
定し、圧縮率と変形抵抗との関係を調査した。
【0042】図4に、実施例No.1および比較例No.1
4についての、圧縮率と変形抵抗との関係を示す。実施
例No.1と比較例No.14との化学成分組成上のおもな
相違点は、C含有量が比較例No.14の方が実施例No.
1よりも低いことであり、そのため、比較例No.14で
は残留オーステナイトが残存していない。同図よりわか
るように、圧縮加工が小さい領域では残留オーステナイ
トの残存している実施例No.1よりもその残存のない比
較例No.14の方が小さな変形抵抗を有するが、約50
%以上の圧縮加工領域では、残留オーステナイトの存在
により変形抵抗の増大が抑制されて実施例No.1の変形
抵抗の方が小さくなっている。
【0043】同様に、実施例No.4および比較例No.1
6を対象として、種々の圧縮率に対する変形抵抗を測定
し、圧縮率と変形抵抗との関係を調査した。図5に、実
施例No.4および比較例No.16についての、圧縮率と
変形抵抗との関係を示す。同様に同図よりわかるよう
に、圧縮加工が小さい領域では残留オーステナイトの残
存している実施例No.4よりもその残存のない比較例N
o.16の方が小さな変形抵抗を有するが、約30%以上
の圧縮加工領域では、残留オーステナイトの存在により
変形抵抗の増大が抑制されて実施例No.4の方が小さく
なっている。
【0044】〔試験3〕実施例No.6および9とそれぞ
れ同一の化学成分組成を有する16mm径の熱間圧延後
の線材について、冷却速度を5〜45°/secの範囲
内の種々の一定値で冷却した。かくして得られた供試体
について、引張特性および冷間鍛造特性を試験1におけ
ると同じ方法で評価試験を行なった。
【0045】表3に、上記試験結果を示す。
【0046】
【表3】
【0047】表3から下記事項がわかる。本発明の範囲
内の化学成分組成を有する線材の熱間圧延後の冷却速度
が5および7℃/secの場合の残留オーステナイト量
は3%未満であり、本発明の範囲よりも少ないが、これ
に対して上記冷却速度が15および45℃/secの場
合の残留オーステナイト量は12〜17%であり、本発
明の範囲内にある。そして、本発明の範囲内の冷却速度
である15および45℃/secで冷却した実施例No.
21〜24は、本発明の範囲外の冷却速度である5およ
び7℃/secで冷却した比較例No.25〜28より
も、引張強さは大きいにもかかわらず、70%圧縮加工
を施したときの変形抵抗は小さくなっている。また、伸
びは実施例No.21〜24および比較例No.25〜28
共に良好であるが、絞りは冷却速度の大きい実施例No.
21〜24が、比較例No.25〜28よりも組織が微細
となるため良好である。
【0048】このように、残留オーステナイトおよびフ
ェライトが適正比率だけ存在し、且つ残部がベイナイト
および/またはマルテンサイトであると、熱間圧延まま
で延性を確保し、且つ冷間鍛造性に優れた線材を得るこ
とができる。
【0049】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、熱間
圧延ままで限界圧縮率が高く、強加工を施した場合にも
変形抵抗が小さい冷間鍛造用線材および棒鋼を製造する
ことができる。従って、自動車部品その他機械部品等の
製造時に軟化焼鈍を省略することができ、且つ冷間での
強加工時の工具寿命を延長することができるので、省エ
ネルギーおよびコスト低減に寄与する冷間鍛造性に優れ
た線材および棒鋼、並びに、それらの製造方法を提供す
ることができ、工業上極めて大きな効果がもたらされ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】限界圧縮率測定用試験片の平面図(a)および
側面図(b)を示す図である。
【図2】V状溝の詳細形状を示す図である。
【図3】変形抵抗測定用試験片の平面図(a)および側
面図(b)を示す図である。
【図4】実施例No.1および比較例No.14について、
種々の圧縮率に対する変形抵抗を測定し、圧縮率と変形
抵抗との関係を示すグラフである。
【図5】実施例No.4および比較例No.16について
の、圧縮率と変形抵抗との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 限界圧縮率測定用試験片 2 V状溝 3 底部 4 変形抵抗測定用試験片 a 直径 b 高さ c 深さ d 直径 e 高さ R 半径 θ 開き角度

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C :0.05〜0.40wt.%、Si:0.3 〜3.0wt.
    % 、および、Mn:0.3 〜3.0 wt.%を含有し、残部:Feお
    よび不可避的不純物よりなる化学成分組成を有し、且
    つ、金属組織が体積率で3 〜20% の残留オーステナイト
    および3 〜70%のフェライトで残部がベイナイトおよび
    /またはマルテンサイトよりなることを特徴とする冷間
    鍛造性に優れた線材および棒鋼。
  2. 【請求項2】 C :0.05〜0.40wt.%、Si:0.3 〜3.0wt.
    % 、および、Mn:0.3 〜3.0 wt.%を含有し、更に、下記
    化学成分組成からなる群: Cr:2.0wt.% 以下、 Mo:0.5wt.% 以下、および、 Ni:1.0 wt.%以下 の内少なくとも1種、並びに/または、下記化学成分組
    成からなる群: Ti:0.3 wt.%以下、 Nb:0.3 wt.%以下、および、 V :0.3 wt.%以下 の内少なくとも1種を含有し、残部:Feおよび不可避的
    不純物よりなる化学成分組成を有し、且つ、金属組織が
    体積率で3 〜20% の残留オーステナイトおよび3〜70%
    のフェライトで残部がベイナイトおよび/またはマルテ
    ンサイトよりなることを特徴とする冷間鍛造性に優れた
    線材および棒鋼。
  3. 【請求項3】 C :0.05〜0.40wt.%、Si:0.3 〜3.0wt.
    % 、および、Mn:0.3 〜3.0 wt.%を含有し、残部:Feお
    よび不可避的不純物よりなる化学成分組成を有する鋼片
    に対して熱間圧延を施すことにより棒鋼または線材に成
    形し、前記熱間圧延に次いで、前記棒鋼または線材を10
    ℃/ sec 以上の冷却速度で冷却することにより前記棒鋼
    または線材の金属組織を、体積率で3 〜20% の残留オー
    ステナイトおよび3 〜70% のフェライトで残部がベイナ
    イトおよび/またはマルテンサイトにすることを特徴と
    する冷間鍛造性に優れた線材および棒鋼の製造方法。
  4. 【請求項4】 C :0.05〜0.40wt.%、Si:0.3 〜3.0wt.
    % 、および、Mn:0.3 〜3.0 wt.%を含有し、更に、下記
    化学成分組成からなる群: Cr:2.0wt.% 以下、 Mo:0.5wt.% 以下、および、 Ni:1.0 wt.%以下 の内少なくとも1種、並びに/または、下記化学成分組
    成からなる群: Ti:0.3 wt.%以下、 Nb:0.3 wt.%以下、および、 V :0.3 wt.%以下 の内少なくとも1種を含有し、残部:Feおよび不可避的
    不純物よりなる化学成分組成を有する鋼片に対して熱間
    圧延を施すことにより棒鋼または線材に成形し、前記熱
    間圧延に次いで、前記棒鋼または線材を10℃/ sec 以上
    の冷却速度で冷却することにより前記棒鋼または線材の
    金属組織を、体積率で3 〜20% の残留オーステナイトお
    よび3 〜70% のフェライトで残部がベイナイトおよび/
    またはマルテンサイトにすることを特徴とする冷間鍛造
    性に優れた線材および棒鋼の製造方法。
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