JPH0873883A - アルミニウム材温間加工用潤滑材 - Google Patents
アルミニウム材温間加工用潤滑材Info
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- JPH0873883A JPH0873883A JP23235994A JP23235994A JPH0873883A JP H0873883 A JPH0873883 A JP H0873883A JP 23235994 A JP23235994 A JP 23235994A JP 23235994 A JP23235994 A JP 23235994A JP H0873883 A JPH0873883 A JP H0873883A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 炭素数12〜18の脂肪族アルカリ金属塩の
2.5〜20%水溶液に粒径80μm以下の二硫化モリ
ブデン、グラファイト、ポリ四フッ化エチレン、タルク
等の粉末を25重量%以下分散したアルミニウム材の温
間加工用潤滑材の耐変色性、耐腐食性、塗布性の改善。 【構成】 高級脂肪酸リン酸エステルおよびアルカリ金
属化合物からなり、該組成物を1%濃度に水に分散、溶
解せしめたときのpHが7.5〜9.0とした後固体潤
滑材を添加したアルミニウム材温間加工用潤滑材。
2.5〜20%水溶液に粒径80μm以下の二硫化モリ
ブデン、グラファイト、ポリ四フッ化エチレン、タルク
等の粉末を25重量%以下分散したアルミニウム材の温
間加工用潤滑材の耐変色性、耐腐食性、塗布性の改善。 【構成】 高級脂肪酸リン酸エステルおよびアルカリ金
属化合物からなり、該組成物を1%濃度に水に分散、溶
解せしめたときのpHが7.5〜9.0とした後固体潤
滑材を添加したアルミニウム材温間加工用潤滑材。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属材料、特に純アルミ
ニウム、アルミニウム合金等のアルミニウムを主体とし
て含有するアルミニウム材の温間成形時に使用する潤滑
材に関する。周知のとおり、温間成形は金属材料を室温
以上、再結晶温度以下の温度において加工を行う方法で
あるが加工温度が材料加工の特性上顕著な効果が確認さ
れており、その際に使用する有効性の高い水性潤滑材組
成物に関する。
ニウム、アルミニウム合金等のアルミニウムを主体とし
て含有するアルミニウム材の温間成形時に使用する潤滑
材に関する。周知のとおり、温間成形は金属材料を室温
以上、再結晶温度以下の温度において加工を行う方法で
あるが加工温度が材料加工の特性上顕著な効果が確認さ
れており、その際に使用する有効性の高い水性潤滑材組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】温間成形法は周知のとおり、金属材料を
室温以上、再結晶温度以下の温度において加工する方法
で、室温以上の温度にする目的は金属材料の延性の向上
や、変形抵抗の低下、その他残留応力の減少による加工
後の変形の防止など種々の目的がある。従って、室温以
上の温度に適用するため潤滑材に要求される項目も一般
の潤滑材とはやや異なったものとなる。例えば高温での
潤滑性の維持、熱変質による潤滑材の脱脂不良の防止、
使用中において潤滑材組成物から発生するガスや煙によ
る作業環境の悪化の防止、引火による火災発生の防止、
かじりの防止等が重要な課題となる。
室温以上、再結晶温度以下の温度において加工する方法
で、室温以上の温度にする目的は金属材料の延性の向上
や、変形抵抗の低下、その他残留応力の減少による加工
後の変形の防止など種々の目的がある。従って、室温以
上の温度に適用するため潤滑材に要求される項目も一般
の潤滑材とはやや異なったものとなる。例えば高温での
潤滑性の維持、熱変質による潤滑材の脱脂不良の防止、
使用中において潤滑材組成物から発生するガスや煙によ
る作業環境の悪化の防止、引火による火災発生の防止、
かじりの防止等が重要な課題となる。
【0003】従来使用されている温間潤滑材としてはポ
リ四フッ化エチレン(商品名:テフロン)製のシート、
大豆油、ポリブテン等の合成油中にグラファイトを混入
させたもの、あるいはグリースや鉱物油にグラファイ
ト、二硫化モリブデンあるいはマイカ等を混入させたも
のが使用されていた。
リ四フッ化エチレン(商品名:テフロン)製のシート、
大豆油、ポリブテン等の合成油中にグラファイトを混入
させたもの、あるいはグリースや鉱物油にグラファイ
ト、二硫化モリブデンあるいはマイカ等を混入させたも
のが使用されていた。
【0004】中でもポリ四フッ化エチレン製のシートは
300℃の高温でも使用できる耐熱性があり、性能も優
れたものではあるが、25μm厚のフィルムであっても
同面積の1mm厚のアルミニウム板より数倍の価格であ
り、特殊な場合を除き温間成形加工用の潤滑材として使
用することはコスト的に難しい。またこれ以外の潤滑
材、例えば大豆油は焼付き易くまたあとでの脱脂が困難
であり、合成油類(ポリブテン、シリコーンオイル等)
は200℃を越えると分解し、臭気の発生や着火性を増
し、作業環境を悪化させる。グリースや鉱物油中にグラ
ファイト、二硫化モリブデン、マイカ等を混入した潤滑
材は、使用中に煙を発生し易く、また焼付きやあとでの
脱脂も困難となる。このように従来使用されているアル
ミニウム材の温間成形用潤滑材には満足すべき性能を有
する潤滑材はほとんどなかった。
300℃の高温でも使用できる耐熱性があり、性能も優
れたものではあるが、25μm厚のフィルムであっても
同面積の1mm厚のアルミニウム板より数倍の価格であ
り、特殊な場合を除き温間成形加工用の潤滑材として使
用することはコスト的に難しい。またこれ以外の潤滑
材、例えば大豆油は焼付き易くまたあとでの脱脂が困難
であり、合成油類(ポリブテン、シリコーンオイル等)
は200℃を越えると分解し、臭気の発生や着火性を増
し、作業環境を悪化させる。グリースや鉱物油中にグラ
ファイト、二硫化モリブデン、マイカ等を混入した潤滑
材は、使用中に煙を発生し易く、また焼付きやあとでの
脱脂も困難となる。このように従来使用されているアル
ミニウム材の温間成形用潤滑材には満足すべき性能を有
する潤滑材はほとんどなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らの一部は先
に温間成形用潤滑材として、カーボン数14の脂肪酸を
50%以上含む炭素数12〜18の脂肪酸アルカリ金属
塩の2.5〜20%水溶液に粒径80μm以下の二硫化
モリブデン、グラファイト、ポリ四フッ化エチレン、タ
ルク等の粉末を25重量%以下分散したアルミニウム材
の温間加工用潤滑材について提案した。この温間加工用
潤滑材は経済性に優れ、安全性に優れ、作業環境の対
策、使用時における焼付き防止、かじり防止等の作用も
従来品より優れていた。しかし、一般的な室温で使用す
る潤滑材と比較すると、耐変色性、耐腐食性、塗布性な
どが劣るため使用に際し十分なコントロールが必要であ
った。従って本発明は、前記温間加工用潤滑材のこれら
の問題点の改良を目的とする。
に温間成形用潤滑材として、カーボン数14の脂肪酸を
50%以上含む炭素数12〜18の脂肪酸アルカリ金属
塩の2.5〜20%水溶液に粒径80μm以下の二硫化
モリブデン、グラファイト、ポリ四フッ化エチレン、タ
ルク等の粉末を25重量%以下分散したアルミニウム材
の温間加工用潤滑材について提案した。この温間加工用
潤滑材は経済性に優れ、安全性に優れ、作業環境の対
策、使用時における焼付き防止、かじり防止等の作用も
従来品より優れていた。しかし、一般的な室温で使用す
る潤滑材と比較すると、耐変色性、耐腐食性、塗布性な
どが劣るため使用に際し十分なコントロールが必要であ
った。従って本発明は、前記温間加工用潤滑材のこれら
の問題点の改良を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、高級脂肪酸リ
ン酸エステルおよびアルカリ金属化合物からなり、該組
成物を1%濃度に水に分散、溶解せしめたときのpHが
7.5〜9.0とした後固体潤滑材を添加したことを特
徴とするアルミニウム材温間加工用潤滑材を開発するこ
とにより上記の目的を達成した。
ン酸エステルおよびアルカリ金属化合物からなり、該組
成物を1%濃度に水に分散、溶解せしめたときのpHが
7.5〜9.0とした後固体潤滑材を添加したことを特
徴とするアルミニウム材温間加工用潤滑材を開発するこ
とにより上記の目的を達成した。
【0007】本発明において、アルミニウム材とは、純
アルミニウムおよびアルミニウムを主とした銅、マグネ
シウム、鉄等の合金からなる板材、型材等を意味する。
高級脂肪酸としては、主として炭素数10〜20の飽和
脂肪酸、あるいはこれに少量の不飽和脂肪酸を含むもの
またはヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸等の天然油脂肪酸であ
る。脂肪酸が炭素数10未満の脂肪酸においては潤滑性
が劣り、また炭素数20を越えると乳化分散性が低下
し、潤滑材の塗布ムラができ易く、良好な成形品が得ら
れにくい。脂肪酸としてはラウリン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸を例示できる。脂肪酸は3〜20重量部配
合することが必要である。脂肪酸が3重量部未満では潤
滑性が劣り、一方20重量部を越えると潤滑材の流動性
を低下させ、塗布しにくくなり実用性を阻害する。
アルミニウムおよびアルミニウムを主とした銅、マグネ
シウム、鉄等の合金からなる板材、型材等を意味する。
高級脂肪酸としては、主として炭素数10〜20の飽和
脂肪酸、あるいはこれに少量の不飽和脂肪酸を含むもの
またはヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸等の天然油脂肪酸であ
る。脂肪酸が炭素数10未満の脂肪酸においては潤滑性
が劣り、また炭素数20を越えると乳化分散性が低下
し、潤滑材の塗布ムラができ易く、良好な成形品が得ら
れにくい。脂肪酸としてはラウリン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸を例示できる。脂肪酸は3〜20重量部配
合することが必要である。脂肪酸が3重量部未満では潤
滑性が劣り、一方20重量部を越えると潤滑材の流動性
を低下させ、塗布しにくくなり実用性を阻害する。
【0008】リン酸エステルとしては、脂肪族アルコー
ル、アルキルアリールアルコール、ポリオキシエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール誘導体等の水酸
基をリン酸エステル化したものであり、例えばトリデシ
ルリン酸エステル、2−エチルヘキシルリン酸エステ
ル、ノニルフェノールリン酸エステル、ポリオキシエチ
レントリデシルエーテルリン酸エステルなどを示すこと
ができる。リン酸エステルの配合量が1重量部未満では
変色や腐食の防止に効果が不十分であり、また10重量
部を越えると乳化分散性を損なうことになる。
ル、アルキルアリールアルコール、ポリオキシエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール誘導体等の水酸
基をリン酸エステル化したものであり、例えばトリデシ
ルリン酸エステル、2−エチルヘキシルリン酸エステ
ル、ノニルフェノールリン酸エステル、ポリオキシエチ
レントリデシルエーテルリン酸エステルなどを示すこと
ができる。リン酸エステルの配合量が1重量部未満では
変色や腐食の防止に効果が不十分であり、また10重量
部を越えると乳化分散性を損なうことになる。
【0009】固体潤滑材としては、粒度80μm以下の
グラファイト、二硫化モリブデン、タルク、マイカ、四
フッ化エチレン樹脂またはチッ化ホウ素等の固体潤滑材
の一種ないし数種を、1重量部以上15重量部以下分散
含有させる。粒度80μmを越える固体潤滑材は均一な
分散が難しく、またコストが高いため粒度80μm以下
とする。また配合量が1重量部未満では耐かじり性が劣
り、15重量部以上添加量を増やすと、高温で潤滑材が
片状となり脱落しやすく、このためにかじり性が安定し
なくなる。アルカリ性化合物としては、ナトリウム、カ
リウム等のアルカリ金属の水酸化物がコストおよび性能
の面からいっても好ましい。他のアルカリ性金属はその
脂肪酸塩の溶解性が劣り、ゲル化し易い傾向があり、長
期保存性に乏しい。
グラファイト、二硫化モリブデン、タルク、マイカ、四
フッ化エチレン樹脂またはチッ化ホウ素等の固体潤滑材
の一種ないし数種を、1重量部以上15重量部以下分散
含有させる。粒度80μmを越える固体潤滑材は均一な
分散が難しく、またコストが高いため粒度80μm以下
とする。また配合量が1重量部未満では耐かじり性が劣
り、15重量部以上添加量を増やすと、高温で潤滑材が
片状となり脱落しやすく、このためにかじり性が安定し
なくなる。アルカリ性化合物としては、ナトリウム、カ
リウム等のアルカリ金属の水酸化物がコストおよび性能
の面からいっても好ましい。他のアルカリ性金属はその
脂肪酸塩の溶解性が劣り、ゲル化し易い傾向があり、長
期保存性に乏しい。
【0010】上記の原材料を用いて本発明のアルミニウ
ム材温間加工用潤滑材の製造法の一例を説明する。少量
の80℃の温水に、高級脂肪酸、リン酸エステルを投入
し、撹拌しながらアルカリ金属化合物を添加し、全体を
乳化分散させ、これを1%濃度に水に分散、溶解(一部
は溶解、一部は乳濁状態)させたときのpHが7.5〜
9.0とした後、これに固体潤滑材を添加し、水で10
0重量部に調製し、水系のアルミニウム材温間加工用潤
滑材とする。
ム材温間加工用潤滑材の製造法の一例を説明する。少量
の80℃の温水に、高級脂肪酸、リン酸エステルを投入
し、撹拌しながらアルカリ金属化合物を添加し、全体を
乳化分散させ、これを1%濃度に水に分散、溶解(一部
は溶解、一部は乳濁状態)させたときのpHが7.5〜
9.0とした後、これに固体潤滑材を添加し、水で10
0重量部に調製し、水系のアルミニウム材温間加工用潤
滑材とする。
【0011】なお1%濃度におけるpHが7.5未満の
ときは潤滑材組成物の乳化分散性が損われ、長期保存性
が低下する。一方pHが9.0を越えるときはリン酸エ
ステルの変色防止作用、腐食防止作用が損われ本発明の
目的を達成し得なくなるのでpHは7.5〜9.0に限
定される。
ときは潤滑材組成物の乳化分散性が損われ、長期保存性
が低下する。一方pHが9.0を越えるときはリン酸エ
ステルの変色防止作用、腐食防止作用が損われ本発明の
目的を達成し得なくなるのでpHは7.5〜9.0に限
定される。
【0012】本発明の温間加工用潤滑材が有効に作用す
る温度領域はアルミニウム材の種類により若干変動する
が、350℃以下、例えば180℃〜350℃において
加工する場合に有効に使用できる。温間成形加工作業と
しては成形金型や工具、ロールを予め加熱し成形する場
合と金属材料を予め熱しておく場合があるが、いずれの
場合も本発明の潤滑材を被加工アルミニウム材に予め室
温で塗布し、乾燥した後、成形に供する。また成形金型
や工具、ロールの表面にも加熱前に予め塗布しておくと
その効果はさらに安定する。
る温度領域はアルミニウム材の種類により若干変動する
が、350℃以下、例えば180℃〜350℃において
加工する場合に有効に使用できる。温間成形加工作業と
しては成形金型や工具、ロールを予め加熱し成形する場
合と金属材料を予め熱しておく場合があるが、いずれの
場合も本発明の潤滑材を被加工アルミニウム材に予め室
温で塗布し、乾燥した後、成形に供する。また成形金型
や工具、ロールの表面にも加熱前に予め塗布しておくと
その効果はさらに安定する。
【0013】
【作用】成形加工において潤滑材は生産効率や製品の品
位に大きく影響を与える。本発明の温間成形加工用潤滑
材のうち高級脂肪酸とアルカリ金属化合物とから得られ
る高級脂肪酸アルカリ塩はそれだけでも低温においては
潤滑作用を有し、これにリン酸エステルを配合すれば、
アルミニウム材の変色や腐食防止作用を有する潤滑材と
して用いることができる。しかし約200℃以上の温度
においては潤滑性が低下するので固体潤滑材を配合する
必要がある。
位に大きく影響を与える。本発明の温間成形加工用潤滑
材のうち高級脂肪酸とアルカリ金属化合物とから得られ
る高級脂肪酸アルカリ塩はそれだけでも低温においては
潤滑作用を有し、これにリン酸エステルを配合すれば、
アルミニウム材の変色や腐食防止作用を有する潤滑材と
して用いることができる。しかし約200℃以上の温度
においては潤滑性が低下するので固体潤滑材を配合する
必要がある。
【0014】本発明の温間成形用潤滑材は、配合された
高級脂肪酸、リン酸エステルおよびアルカリ金属化合物
の組成物がアルミニウム材表面に、潤滑性、かじり性、
脱脂性、耐食性に優れた潤滑皮膜を形成する。さらにこ
の潤滑皮膜は固体粉末潤滑材を保持し、分散させ、固着
させる役割を果し、固体潤滑材の高温で優れた潤滑性を
活かし、高温でも安定した固体潤滑皮膜を形成させる。
高級脂肪酸、リン酸エステルおよびアルカリ金属化合物
の組成物がアルミニウム材表面に、潤滑性、かじり性、
脱脂性、耐食性に優れた潤滑皮膜を形成する。さらにこ
の潤滑皮膜は固体粉末潤滑材を保持し、分散させ、固着
させる役割を果し、固体潤滑材の高温で優れた潤滑性を
活かし、高温でも安定した固体潤滑皮膜を形成させる。
【0015】なお市販のアルカリ金属石鹸(高級脂肪酸
アルカリ金属塩)ではpHが9を越え、水を含む状態で
はアルミニウム材を腐食し易い組成物となるが、本発明
においてはpHを制御することと、リン酸エステルの効
果によりアルミニウム材の変色と腐食を効果的に抑制で
きた。またこの配合は理由は明確ではないが、潤滑材組
成物を安定した粘性状態に変え、塗布性を向上させ、同
時に長期保存をした時においても液体のゲル化や分離を
防ぎ、長期安定性に優れた温間加工用潤滑材となってい
る。
アルカリ金属塩)ではpHが9を越え、水を含む状態で
はアルミニウム材を腐食し易い組成物となるが、本発明
においてはpHを制御することと、リン酸エステルの効
果によりアルミニウム材の変色と腐食を効果的に抑制で
きた。またこの配合は理由は明確ではないが、潤滑材組
成物を安定した粘性状態に変え、塗布性を向上させ、同
時に長期保存をした時においても液体のゲル化や分離を
防ぎ、長期安定性に優れた温間加工用潤滑材となってい
る。
【0016】
[試験方法] 1.液安定性(耐分離性、耐ゲル化性) 被試験剤を1リットルポリエチレンビンに室温で1ヶ月
間保管し、液の分離、固体粉末潤滑材の分離沈澱、ゲル
化等の状況を評価。 液に変化のないもの ○ 簡単な撹拌で元に戻るもの △ 簡単な撹拌で元に戻らない ×
間保管し、液の分離、固体粉末潤滑材の分離沈澱、ゲル
化等の状況を評価。 液に変化のないもの ○ 簡単な撹拌で元に戻るもの △ 簡単な撹拌で元に戻らない ×
【0017】2.塗布性 液安定性の◎、○、△のものを評価対象とした、常温で
刷毛塗り、スポンジ塗りの可否で評価。 刷毛塗り、スポンジ塗り可で均一 ○ スポンジ塗り可で均一 △ スポンジ塗り可だが不均一 ×
刷毛塗り、スポンジ塗りの可否で評価。 刷毛塗り、スポンジ塗り可で均一 ○ スポンジ塗り可で均一 △ スポンジ塗り可だが不均一 ×
【0018】3.摩擦特性 バウデン摩擦摩耗試験機で評価 摺動工具:径10mmφベアリング球、垂直荷重W:1
kgf、摺動速度:0.57mm/min アルミニウム板材(5182-0 1.0t)の両面に被試験
剤を10〜20g/m2 の割合にスポンジ塗りし、室温
乾燥後、設定温度(300℃)に加熱したバウデン試験
機摺動台上に載せ、アルミニウム板材が290℃に達し
た時、摺動試験を開始し、摺動抵抗Fを測定し、μ=F
/Wで摩擦係数を算出する。 摩擦係数が0.1以下 ○ 摩擦係数が0.25以下 △ 摩擦係数が0.25を越える ×
kgf、摺動速度:0.57mm/min アルミニウム板材(5182-0 1.0t)の両面に被試験
剤を10〜20g/m2 の割合にスポンジ塗りし、室温
乾燥後、設定温度(300℃)に加熱したバウデン試験
機摺動台上に載せ、アルミニウム板材が290℃に達し
た時、摺動試験を開始し、摺動抵抗Fを測定し、μ=F
/Wで摩擦係数を算出する。 摩擦係数が0.1以下 ○ 摩擦係数が0.25以下 △ 摩擦係数が0.25を越える ×
【0019】4.かじり性 バウデン摩擦摩耗試験機で評価 摩擦係数測定と同条件で限界往復摺動回数を測定。摺動
限界は摩擦係数が0.3を越える回数とする。 限界往復摺動回数5回以上 ○ 限界往復摺動回数2回以上 △ 限界往復摺動回数2回未満 ×
限界は摩擦係数が0.3を越える回数とする。 限界往復摺動回数5回以上 ○ 限界往復摺動回数2回以上 △ 限界往復摺動回数2回未満 ×
【0020】5.脱脂性試験 アルミニウム板材(5182-0 1.0t)の両面に被試験
剤をスポンジ塗りし、室温乾燥後、設定温度(300
℃)に加熱した鋼板熱板間で2min間挟み、その後脱
脂試験を行う。 脱脂液:2%アルカリ脱脂液(市販品)44℃ 120
sec浸漬 水洗:水道水流水 室温30sec 判定:取り出し後30sec後の水漏れ面積% 水漏れ面積 95%以上 ○ 80%以上 △ 80%未満 ×
剤をスポンジ塗りし、室温乾燥後、設定温度(300
℃)に加熱した鋼板熱板間で2min間挟み、その後脱
脂試験を行う。 脱脂液:2%アルカリ脱脂液(市販品)44℃ 120
sec浸漬 水洗:水道水流水 室温30sec 判定:取り出し後30sec後の水漏れ面積% 水漏れ面積 95%以上 ○ 80%以上 △ 80%未満 ×
【0021】6.耐食性試験 アルミニウム板材(5182-0 1.0t)の両面に被試験
剤をスポンジ塗りし、室温乾燥後、設定温度(300
℃)に加熱した加熱鋼板間に2min間挟み、その後耐
食試験を行う。 試験条件:40℃×湿度80% 1ヶ月 垂直立てかけ 判定:取り出し後の外観観察 腐食無し ○ 点状腐食わずかあり △ 多数の点状腐食か面腐食あり ×
剤をスポンジ塗りし、室温乾燥後、設定温度(300
℃)に加熱した加熱鋼板間に2min間挟み、その後耐
食試験を行う。 試験条件:40℃×湿度80% 1ヶ月 垂直立てかけ 判定:取り出し後の外観観察 腐食無し ○ 点状腐食わずかあり △ 多数の点状腐食か面腐食あり ×
【0022】7.コスト 潤滑材の価格が高い(1m×1m材塗布価格100円以
上) × 安い(1m×1m材塗布価格100円未満) ○
上) × 安い(1m×1m材塗布価格100円未満) ○
【0023】[実施例1〜9]高級脂肪酸として牛脂脂
肪酸、リン酸エステルとしてトリデシルリン酸エステル
およびポリオキシエチレンラウリルリン酸エステルを少
量の水に添加し、苛性ソーダおよび水を加えてその1%
濃度の分散・水溶液のpHが表1に示す所定の値となる
様に調整したのち固体潤滑材として粒度2μmの二硫化
モリブデンおよび粒度2μmのグラファイトを表1に示
す所定量配合し、更に水を加えて全量を100重量部と
した。この様にして得られた温間加工用潤滑材組成物を
前記試験方法により測定を行った。評価の結果は表3に
示す。
肪酸、リン酸エステルとしてトリデシルリン酸エステル
およびポリオキシエチレンラウリルリン酸エステルを少
量の水に添加し、苛性ソーダおよび水を加えてその1%
濃度の分散・水溶液のpHが表1に示す所定の値となる
様に調整したのち固体潤滑材として粒度2μmの二硫化
モリブデンおよび粒度2μmのグラファイトを表1に示
す所定量配合し、更に水を加えて全量を100重量部と
した。この様にして得られた温間加工用潤滑材組成物を
前記試験方法により測定を行った。評価の結果は表3に
示す。
【0024】[比較例1〜10]高級脂肪酸として牛脂
脂肪酸、カプリン酸、ベヘニン酸を、リン酸エステルと
してトリデシルリン酸エステル、ポリオキシエチレンラ
ウリルリン酸エステルを、固体潤滑材として粒度2μm
および100μmの二硫化モリブデンおよび粒度2μm
のグラファイトおよび苛性ソーダを用い、表2に示す組
成割合で実施例に準じ潤滑材組成物を調製し、実施例と
同じ試験方法で評価を行った。結果を表3に示す。
脂肪酸、カプリン酸、ベヘニン酸を、リン酸エステルと
してトリデシルリン酸エステル、ポリオキシエチレンラ
ウリルリン酸エステルを、固体潤滑材として粒度2μm
および100μmの二硫化モリブデンおよび粒度2μm
のグラファイトおよび苛性ソーダを用い、表2に示す組
成割合で実施例に準じ潤滑材組成物を調製し、実施例と
同じ試験方法で評価を行った。結果を表3に示す。
【0025】[比較例11〜17]従来の温間加工潤滑
材として使用されている下記の潤滑材を同じ様に評価し
た。但し比較例11のポリ四フッ化エチレンは固体であ
るため液安定性の試験は行わない。 比較例11.ポリ四フッ化エチレンシート(通称テフロ
ン:デュポン製 厚さ25μm) 比較例12.大豆油 比較例13.グラファイト分散合成油(ポリブテン) 比較例14.グラファイトグリース(市販品) 比較例15.シリコーンオイル 比較例16.プレス油 鉱物油+リン系添加剤(市販
品) 比較例17.水溶性WAX ジョンソンWAX#700
(市販品) 評価結果を表3に示す。
材として使用されている下記の潤滑材を同じ様に評価し
た。但し比較例11のポリ四フッ化エチレンは固体であ
るため液安定性の試験は行わない。 比較例11.ポリ四フッ化エチレンシート(通称テフロ
ン:デュポン製 厚さ25μm) 比較例12.大豆油 比較例13.グラファイト分散合成油(ポリブテン) 比較例14.グラファイトグリース(市販品) 比較例15.シリコーンオイル 比較例16.プレス油 鉱物油+リン系添加剤(市販
品) 比較例17.水溶性WAX ジョンソンWAX#700
(市販品) 評価結果を表3に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【発明の効果】以上詳細に説明し、実施例にも示した様
に、本発明の温間加工用潤滑材は、アルミニウム材の高
温の加工に適した温間加工用潤滑材である。例えば実施
例で示す様にアルミニウム材を室温以上再結晶温度以下
の温度、特に180℃以上350℃以下の高温で加工す
る際に使用したときは、 (1)耐かじり性に優れ、連続作業が可能であり、 (2)潤滑性に優れ、加工限界を向上させ (3)耐焼付け性が優れ、脱脂性が安定し、良好な製品
表面品質が得られ、 (4)着火や発煙、臭気等もなく作業環境が悪化せず、 (5)また長期保存にあっても長期安定性に優れ固体潤
滑材の分散も安定し、 (6)塗布に際しては、錦糸状にならず粘度が均一でハ
ケ塗り、ロールコート、浸漬等の各種塗布法が可能であ
る。 (7)潤滑材を塗布し、温間加工し長期間放置したあと
であっても、アルミニウム材を変色させず、また腐食さ
せず、安全に使用できる。等の特徴がある。
に、本発明の温間加工用潤滑材は、アルミニウム材の高
温の加工に適した温間加工用潤滑材である。例えば実施
例で示す様にアルミニウム材を室温以上再結晶温度以下
の温度、特に180℃以上350℃以下の高温で加工す
る際に使用したときは、 (1)耐かじり性に優れ、連続作業が可能であり、 (2)潤滑性に優れ、加工限界を向上させ (3)耐焼付け性が優れ、脱脂性が安定し、良好な製品
表面品質が得られ、 (4)着火や発煙、臭気等もなく作業環境が悪化せず、 (5)また長期保存にあっても長期安定性に優れ固体潤
滑材の分散も安定し、 (6)塗布に際しては、錦糸状にならず粘度が均一でハ
ケ塗り、ロールコート、浸漬等の各種塗布法が可能であ
る。 (7)潤滑材を塗布し、温間加工し長期間放置したあと
であっても、アルミニウム材を変色させず、また腐食さ
せず、安全に使用できる。等の特徴がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 103:06 C F 107:38) C10N 10:02 10:12 20:00 Z 30:12 30:20 40:24 A (72)発明者 吉田 正勝 東京都中央区日本橋室町4−13−8スカイ アルミニウム株式会社内 (72)発明者 小林 敏明 東京都中央区日本橋室町4−13−8スカイ アルミニウム株式会社内 (72)発明者 橋本 浩二 東京都千代田区大手町2−6−3新日本製 鐵株式会社内 (72)発明者 奥山 毅 大阪府高槻市道鵜町4−22−1日油工業株 式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 高級脂肪酸リン酸エステルおよびアルカ
リ金属化合物からなり、該組成物を1%濃度に水に分
散、溶解せしめたときのpHが7.5〜9.0とした後
固体潤滑材を添加したことを特徴とするアルミニウム材
温間加工用潤滑材。 - 【請求項2】 高級脂肪酸が主として炭素数10〜20
の飽和脂肪酸あるいはこれに少量の不飽和脂肪酸を含む
もの、またはヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸等の天然油脂肪
酸3〜20重量部、アルキルリン酸エステル、アルキル
−アリールリン酸エステルまたはポリオキシアルキレン
リン酸エステルの少なくとも一種からなるリン酸エステ
ル1〜10重量部にアルカリ金属化合物を加え、該組成
物を1%濃度に水に分散、溶解せしめたときのpHが
7.5〜9.0とした後粒度80μm以下のグラファイ
ト、二硫化モリブデン、タルク、マイカ、フッ素系樹
脂、チッ化ホウ素の少なくとも一種を含む固体潤滑材1
〜15重量部を添加した請求項1記載のアルミニウム材
温間加工用潤滑材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23235994A JPH0873883A (ja) | 1994-08-31 | 1994-08-31 | アルミニウム材温間加工用潤滑材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23235994A JPH0873883A (ja) | 1994-08-31 | 1994-08-31 | アルミニウム材温間加工用潤滑材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0873883A true JPH0873883A (ja) | 1996-03-19 |
Family
ID=16937982
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23235994A Withdrawn JPH0873883A (ja) | 1994-08-31 | 1994-08-31 | アルミニウム材温間加工用潤滑材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0873883A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5998018A (en) * | 1996-04-04 | 1999-12-07 | Sony Chemicals Corp. | Coat masking tape base material, and coat masking tape |
| JP2003089797A (ja) * | 2001-09-18 | 2003-03-28 | Cosmo Sekiyu Lubricants Kk | マグネシウム合金用塑性加工潤滑剤 |
| WO2005095564A1 (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-13 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | 水系金属材料加工用潤滑剤組成物 |
| US20060063684A1 (en) * | 2002-11-21 | 2006-03-23 | Oiles Corporation | Solid lubricant and sliding member |
-
1994
- 1994-08-31 JP JP23235994A patent/JPH0873883A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5998018A (en) * | 1996-04-04 | 1999-12-07 | Sony Chemicals Corp. | Coat masking tape base material, and coat masking tape |
| JP2003089797A (ja) * | 2001-09-18 | 2003-03-28 | Cosmo Sekiyu Lubricants Kk | マグネシウム合金用塑性加工潤滑剤 |
| US20060063684A1 (en) * | 2002-11-21 | 2006-03-23 | Oiles Corporation | Solid lubricant and sliding member |
| US8304373B2 (en) * | 2002-11-21 | 2012-11-06 | Oiles Corporation | Solid lubricant and sliding member |
| WO2005095564A1 (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-13 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | 水系金属材料加工用潤滑剤組成物 |
| JP2005290154A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-20 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 水系金属材料加工用潤滑剤組成物 |
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Legal Events
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