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JPH08503250A - ガンマ相重合体のナノ複合材料 - Google Patents

ガンマ相重合体のナノ複合材料

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JPH08503250A
JPH08503250A JP51230294A JP51230294A JPH08503250A JP H08503250 A JPH08503250 A JP H08503250A JP 51230294 A JP51230294 A JP 51230294A JP 51230294 A JP51230294 A JP 51230294A JP H08503250 A JPH08503250 A JP H08503250A
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nylon
polyamide
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polymer
gamma
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JP51230294A
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マックスフィールド,マクレイ
クリスティアニ,ブライアン・アール
マーシー,サンジーヴァ・エヌ
タラー,ハロルド
Original Assignee
アライド−シグナル・インコーポレーテッド
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、分散された、例えばモンモリロナイトなどのフィロ珪酸塩のような微粒子材料を含む、ナイロン6のようなガンマ相ポリアミドから製造された複合材に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 ガンマ相重合体のナノ複合材料 発明の背景 1.発明の分野 本発明は、膨潤性の層間挿入層状材料から誘導される親有機性血小板状粒子、 および無機フィブリル状材料のような、ナノメーターサイズの異方性粒子が分散 されている重合体マトリックスからなる複合材料、および本発明の複合材料から 作られる製品に関する。さらに特定すれば、本発明は、重合体マトリックスがガ ンマ相の重合体から形成されている複合材料および複合材に関する。 2.従来の技術 ポリアミド類は各種の結晶形で存在する。ナイロン6の二つの基本的結晶形で あるアルファおよびガンマ形が構造的および熱力学的に特性化されている[例え ば、ポリマー コミュニケーション(Polymer Communicati ons)、1991、301、およびその中に引用されている文献を参照された い]。 ナイロン6を改質してアルファまたはガンマ形への結晶化速度を増加させるた めに各種の添加剤が用いられている。例えば、米国特許第4,397,979号 および同第4,290,935号明細書および日本特許第55-149346号 明細書を参照されたい。 親有機性フィロ珪酸塩から誘導され、約5Åから12Åの厚みを有する粒子分 散物を含んでなるナイロン6のようなポリアミド類が文献に報告されている。例 えば、米国特許第4,739,007号および同第4,810,754号明細書 および特開昭51−109998号公報を参照されたい。 発明の要約 本発明は少くとも一種のガンマ相ポリアミドを含む重合体マトリックスからな る複合材に関し、該ポリアミドの総量を基に、該ポリアミドの少くとも1重量パ ーセントがガンマ相であり、該重合体マトリックスはその中に約200Åに等し いか、またはそれ以下の厚みを有する層状材料および約100Åに等しいか、ま たはそれ以下の直径を有するフィブリル状材料から成る群から選ばれる、マトリ ックスの約0.5重量%未満のナノスケールの微粒子材料を分散して含んでいる 。本発明のもう一つ態様は、本発明の複合材から全部または一部が形成されてい る物体を含んでなる製品に関する。 本発明の複合材は幾つかの有利な性質を発揮する。例えば、その重合体の一部 がガンマ相結晶形である複合材中ではアルファ結晶形への転移が起こり難い。更 に、ガンマ相重合体がポリ(ε-カプロラクタム)(ナイロン6)のようなポリ アミドである場合には、その組成物は改善された剛さと耐水強さ(ASTM D 638およびASTM D790)を示し、一方靭性(ASTM D256)、 表面光沢(ASTM D0523)および耐磨耗性(ASTM D1044)の ような他の性質は実質的に保持される。 推奨される態様の説明 本発明の組成物は二つの基本成分を含んでいる。一つの基本成分は少くとも約 1重量パーセントがガンマ結晶相であるガンマ相ポリアミドを含んでなる重合体 マトリックスである。本明細書で用いられる“ガンマ相ポリアミド”とは二つま たはそれ以上の結晶相を形成し得る半-結晶性ポリアミドであり、そしてエヌ. エス.マーシーおよびエイチ.マイナー,ポリマー31,996−1002頁 (1990)[N.S.Murthy and H.Minor,Polyme 31,pp996−1002頁(1990)]に説明されているように、X -線回折法(XRD)、赤外線スペクトル分析法(IR)、示差走査熱量測定法 (DSC)および核磁気共鳴法(NMR)によって測定される、少くとも一つの 安定性の小さい結晶相を含んでなる。例えば、ナイロン6は二つの結晶相を形成 し得るガンマ相ポリアミドである。このナイロン6の分子鎖は、結晶相中の隣接 分子鎖セグメントが平行または逆-平行のいずれかをとり得る、方向性を有して いる。より安定なアルファ相中では逆-平行な分子鎖セグメントの間に水素結合 が形成され、一方より安定性の低いガンマ相中では平行なセグメントの間に水素 結合が形成される。これと対照的に、ナイロン6,6はガンマ相重合体でなく、 その分子鎖が方向性を有しないので単一結晶相を形成し得る。 本発明の方法で用いられるポリアミドは広い範囲で変えられるが、唯一必要な 条件は、それらがガンマ相結晶度を有することであり、望ましくは溶融成形可能 なことである。本明細書で用いられる“ポリアミド”とは、同一または異なる1 0またはそれ以上の繰返しカーボンアミド単量体単位から成る物質である。本発 明の望ましい態様では、このポリアミドは少くとも30の繰返し単量体単位を含 む。繰返し単量体単位の数の上限は、使用条件下でのその重合体のメルトインデ ックスが、そのポリアミドが本発明の物品に加工できるところの複合材料を生成 するような値であるという前提で、非限定的である。更に望ましくは、このポリ アミドは少くとも約30から約100の繰返し単量体単位を含んでいる。本発明 の最も望ましい態様での繰返し単位の数は、そのポリアミドがASTM試験番号 D-1238により、加工温度で、荷重1000グラムで測定したメルトインデ ックスが10分当たり約0.01から約12グラム、望ましくは約0.01から 約10グラム/10分、そしてより望ましくは約0.5から約10グラム/10 分の値を有するような数である。 ガンマ相結晶度を有し得る有用なポリアミドの例は、アミノ酸および、例えば ラクタムのようなその誘導体の重合で作られるポリアミド類である。このような ポリアミドにはナイロン4、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン6、ナイロン 12、ナイロン8、ナイロン10、ナイロン18等が含まれる。望ましいガンマ 相ポリアミド類はアミノ酸および、例えばラクタムのようなその誘導体の反応で 作られる物である。より望ましいガンマ相ポリアミド類はナイロン11、ナイロ ン6およびナイロン12であり、そして最も望ましいガンマ相ポリアミド類はナ イロン6とナイロン12である。ナイロン6は、特に、そのナイロン6が、AS TM試験番号D-1238により、荷重1000グラム、235℃で測定したメ ルトインデックスが約0.01から約10グラム/10分、そして望ましくは約 0.5から約10グラム/10分、の値を有する場合、えり抜きのガンマ相重合 体である。 ガンマ相結晶度を有するポリアミドの分率は広い範囲で変えられる。一般に、 ガンマ相にあるポリアミドの量はそのポリアミドの全重量に対し少くとも約1重 量%である。ガンマ相結晶度を有するポリアミドの量は少くとも約10重量%で あることが望ましく、より望ましくはそのポリアミドの約20から約50重量% で、最も望ましくは上の基準で約20から約50重量%である。えり抜きの態様 では、ガンマ相にあるポリアミドの量はそのポリアミドの全重量に対して約30 から約50重量%である。 本発明の複合材は第二基本成分として層状およびフィブリル状無機材料から成 る群から選ばれる分散粒子を含んでいる。有用な無機のフィブリル状材料は広い 範囲で変えられ、平均直径が約100Åに等しいか、それ以下であり、最大直径 200Åの材料、望ましくは約10Åから約100Åで、最大直径200Åの材 料、より望ましくは約10Åから約50Åで、最大直径100Åの材料、そして 最も望ましくは約10Åから約20Åで、最大直径50Åの材料である。有用な フィブリル状材料の平均長は広い範囲で変えられ、通常、約2000Åに等しい か、それ以下であり、最大長約10,000Åの材料、望ましくは約200Åか ら約2,000Åで、最大長5,000Åの材料、より望ましくは約300Åか ら約2,000Åで、最大長2,000Åの材料、そして最も望ましくは約40 0Åから約1,000Åで、最大長2,000Åの材料である。有用なフィブリ ル状材料の例はイモゴライトおよび酸化バナジウムである。 有用な層状材料は層の平均の厚みが約25Åに等しいか、それ以下であり、最 大厚みが100Åの材料、望ましくは約5Åから約25Åで、最大厚みが75Å の材料、より望ましくは約5Åから約20Åで、最大厚みが50Åの材料、そし て最も望ましくは約7Åから約25Åで、最大厚みが直径25Åの材料である。 本発明で用いられる層状材料は広い範囲で変えられ、フィロ珪酸塩類が含まれ る。このような材料の実例はモンモリロナイト、ノントロナイト、バイデライト 、フォルコンスコイト(volkonskoite),ヘクトライト、サポナイ ト、サウコナイト、マガダイト、およびケニアイト(kenyaite)のよう なスメクタイト粘土鉱物;バーミキュライト等である。その他の有用な層状材料 はレディカイトのようなイライト鉱物およびイライトと上に挙げた粘土鉱物との 混合物である。他の有用な層状材料、特にアニオン性重合体を含む有用な材料は 、正に荷電した層とその層間空隙に交換可能なアニオンを有する、Mg6Al3.4 (OH)18.8(CO31.72Oのような二重層化水酸化物である[ダブリュー .テー.ライヒレ,触媒ジャーナル,94(1985)547(W.T.R eichle,J.Catal.,94(1985),547)参照]。層上に 電荷を有しないか、殆ど有しない他の層状材料は、それらが層間距離を広げる膨 潤剤を挿入できることを前提として、本発明で有用である。そのような材料に含 まれるのは、ReCl3およびFeOClのような塩化物、TiS2、MoS2、 およびMoS3のようなカルコゲナイド、Ni(CN)2のようなシアン化物、H2 Si25、V613、HTiNbO5、Cr0.50.52、W0.22.87、Cr38、MoO3(OH)2、VOPO4-2H2O、CaPO4CH3・H2O、MnH AsO4・H2O、Ag6Mo1033等のような酸化物である。望ましい膨潤性層 状材料は層上に化学式単位当たり約0.25から約0.9の範囲の負の電荷と層 間空隙中に同一基準の交換可能なカチオンを有する2:1型のフィロ珪酸塩であ る。最も望ましい層状材料はモンモリロナイト、ノントロナイト、バイデライト 、ボルコンスコイト、ヘクトライト、サポナイト、サウコナイト、マガダイト、 およびケニアイトのようなスメクタイト粘土鉱物である。 この複合材料に含まれる層状またはフィブリル状材料の量、即ちガンマ相重合 体のガンマ相含量を有意に増加させるのに十分な量は重量で約5ppmのように 小さい。 この複合材料に含まれる層状およびフィブリル状材料の量は、その量がマトリ ックスの約0.5重量%未満であるという条件下で、この複合材の予定される用 途に依存して広い範囲に変えられる。その下限量は、その量が本発明の利点を提 供するのに十分な量であるという前提で、限定的でない。例えば、このような材 料の量は約5ppmのように小量である。望ましくは、含まれる層状またはフィ ブリル状材料の量は約10ppmに等しいか、それ以上、より望ましくは約20 ppmに等しいか、それ以上で、約0.4重量%に等しいか、それ以下、そして 最も望ましくは約1000pmに等しいか、それ以上で、約0.3重量%に等し いか、それ以下である。 これら層状およびフィブリル状材料はガンマ相重合体マトリックス中に実質的 に均一に分散されている。層状材料の場合、その層状材料は血小板状微粒子とし て分散されている。本明細書で用いられている“血小板状微粒子”とは、二つの 比較的平たい対向面を有し、その両面間の距離である厚みが面の大きさに比べて 比較的小さい粒子である。重合体マトリックス中に分散されたこの血小板状微粒 子は、個々の層の厚み、即ち約10未満の小さい倍数、望ましくは約5未満、そ してより望ましくは3未満、そして更により望ましくは1または2層の厚みを有 する。この血小板状微粒子のその他の寸法は大きく変えられるが、粘土鉱物から 誘導された粒子の場合、粒子の面は大体円形または長円形で、約10,000Å と約50Åの間の平均直径を有し、その縦横比:長さ/厚み比が約1000から 約1の範囲にある。本発明の目的のために、その平均直径は血小板形状粒子の一 つの広い表面の表面積に等しい面積を有する円の直径と定義される。その平均直 径は、完全コンピュータ化し、自動化した方式のライツ(Leitz)の組織分 析計システムで測定した粒子表面積から求められる。本発明の望ましい態様では 、血小板状微粒子の平均の厚みは約20Åに等しいか、それ以下で、最大厚みが 50Å、そして平均直径は5,000Åと100Åの間で、最大直径は10,0 00Åである。より望ましくは、その平均の厚みは約15Åに等しいか、それ以 下で、最大厚みが25Å、そして平均直径は約2,000Åと約200Åの間で 、最大直径は5,000Åである。最も望ましくは、平均の厚みは約5Åから約 15Åの間で、最大厚みが25Åの間で、最大直径は5,000Åである。 層状材料の層間、およびフィブリル状材料のフィブリル間の平均粒子間距離は 材料の濃度に依存して広い範囲で変化する。一般に、重合体マトリックス中のこ れら材料の濃度が高ければ高い程粒子間距離は小さくなり、逆に材料の濃度が低 ければ低い程粒子間距離は大きくなる。一般に、粒子間距離は約15Åか、約1 5Å以上、約40ミクロンまでである。この粒子間距離は、望ましくは約30Å に等しいか、約30Å以上、約20ミクロンまでであり、より望ましくは約50 Åに等しいか、約50Å以上、約5ミクロンまでであり、そして最も望ましくは 約100Åに等しいか、約100Å以上、約1ミクロンまでである。 本明細書で用いられている“均一分散”とは粒子の分散度の度合いを示す用語 であって、透過電子顕微鏡で測定して粒子密度が所定の標準偏差以下であること を言う。ただし、試料の採取容積は10-153と言う極微量である。その分散度 は、望ましくは平均値の約50%未満、より望ましくは平均値の約30%未満、 最も望ましくは平均値の約20%未満である。 本発明の複合材料はポリアミド類と一緒に用いられる添加剤である各種の任意 の追加成分を含むことができる。このような追加成分に含まれるのは核化剤、充 填材、可塑剤、耐衝撃性改質剤、鎖長延長剤、可塑剤、染料、紫外線安定剤、熱 安定剤、離型潤滑剤、帯電防止剤、顔料、耐火剤等である。これらの追加成分お よび適正量はこの技術分野で良く知られており、従って本明細書では、望ましい 追加成分についてだけ詳細に説明される。 本発明の複合材は本発明の複合材を製造する任意の適切な方法によって作られ る。例えば、本発明の複合材は米国特許第4,739,007号および同第5, 810,734号明細書中に記載されている反応器内混合法でうまく製造でき、 この方法ではラクタムののようなポリアミドの単量体前駆体が幾つかの適した方 法、例えば縮合重合、アニオン重合、加水分解重合等の方法を用いて、膨潤およ び相溶化された微粒子材料の存在下で重合される。例えば、このような方法の一 つでは、プロトン化11-アミノウンデカン酸を挿入したモンモリロナイトをカ プロラクタムおよびアミノカプロン酸と4:95:1重量比で組合わせる。この 混合物を不活性気体中、255℃で3時間かき混ぜ、その間にカプロラクタムと アミノ酸が実質的に反応してポリアミドを生成する。モンモリロナイトの一つま たは少数の層を含んでなる血小板状粒子がポリアミド中に分散される。本発明の 複合材は、望ましくは融解混合法で製造される。その方法では、一つまたはそれ 以上のガンマ相ポリアミドおよび一つまたはそれ以上の相溶化微粒子材料をその 混合物中の少くとも一種のポリアミドの融点に等しいか、またはそれ以上の温度 で、融解状態で微粒子材料が層間剥離(exfoliate)し、希望の程度に 分散される迄剪断混合する。例えば、ナイロン6のペレットのような適したポリ アミドと希望量のモンモリロナイトのような微粒子材料とをポリアミド融解物が 生成するのに十分な温度に加熱し、次いで適した方法で剪断混合する。本発明の 望ましい態様では、押出成形機、射出成形機、バンバリーミキサー、ブラベンダ ーミキサー等の混合機のような機械的剪断混合法が用いられる。本発明のより望 ましい態様では、剪断混合は押出成形機(単軸または二軸)の一方の端に重合体 融解物を導入し、その押出成形機の他の端で剪断混合された重合体を受取ること により行われる。重合体融解物の温度、押出成形機中での滞留時間および押出成 形機の設計仕様[単軸、二軸、単位長当たりの段数(number of fl ights)、溝の深さ、段間隔(flight clearance)、混合 ゾーンなど]が加えられる剪断の量を左右する変数である。 膨潤性挿入材料とポリアミドの融解物は、その材料の希望量が、希望の程度ま で剥脱する迄剪断混合される。一般に、その材料の少くとも約80重量%、望ま しくは少くとも約85重量%、より望ましくは少くとも約90重量%、最も望ま しくは少くとも約95重量%が層間剥離してその重合体マトリックス中に実質的 に均一に分散されたフィブリルまたは血小板状粒子を生成する。 反応器内混合法または融解混合法のいずれでも、有用な層状およびフィブリル 状無機材料は、膨潤によって、層間またはフィブリル間距離を広げることにより 、層およびフィブリル間の凝集エネルギーを弱める親有機性挿入剤で膨潤され、 層間またはフィブリル間に挿入された材料であることが望ましい。本発明の望ま しい態様では、一つまたは複数の挿入剤が、フィブリルまたは層の表面とポリア ミドの両方と吸引的相互作用を有することにより、層またはフィブリルとポリア ミドとの相溶性と結合を増大する。層間またはフィブリル間距離を広げる作用を する挿入剤は今後“膨潤剤”と呼ばれ、層またはフィブリルとポリアミド融解物 との相溶性および結合性を増加させる作用をする挿入剤は今後“相溶化剤”と呼 ばれ、そして膨潤剤および相溶化剤として作用をする挿入剤は今後“膨潤/相溶 化剤”と呼ばれる。 膨潤性材料は密着した、同一平面構造に配列した平面層またはフィブリルを含 んでなる材料であり、その層またはフィブリル内の結合はその層またはフィブリ ル間の結合より強く、挿入化合物中で層間またはフィブリル間距離を増加する。 “挿入剤”と呼ばれる中性またはイオン性分子は、層間またはフィブリル間の空 隙に中性分子の場合には、挿入により、イオンの場合にはイオン交換により導入 される。これら挿入剤は固体、液体、気体または溶質の形で挿入される。これら 挿入剤は、各層または各フィブリル、殆んど各層または各フィブリル、またはそ の材料の層またはフィブリルの大多数の間の空隙に導入され、その結果粒子は厚 み方向に約10未満の層をまたは直径方向に約10未満のフィブリルを含むこと になる。望ましくは、これら粒子は厚み方向に約8未満の層をまたは直径方向に 約8未満のフィブリルを、より望ましくは厚み方向に約5未満の層を、または直 径方向に約5未満のフィブリルを、そして最も望ましくは厚み方向に約1または 2つの層を、または直径方向に約1または2つのフィブリルを含む。 推奨されるスメクタイト粘土材料のような膨潤性層状またはフィブリル状材料 は、一般に、必要な層間またはフィブリル間膨潤性および/または重合体相溶性 を提供するために、一つまたはそれ以上の挿入剤による処理が必要である。その 結果生じる層間またはフィブリル間距離は本発明の実施における層間挿入材料の 性能に極めて重要である。本明細書で用いられている“層間またはフィブリル間 距離”とは、何等かの層間剥離(delaminaion)[または剥脱(ex foliation)]が起きる前に挿入材料中で集積していた層の面の間の距 離またはフィブリルの間の距離のことである。望ましい粘土鉱物は、一般に、N a+、Ca+2、K+、Mg+2等のような層間または交換性カチオンを含んでいる。 この状態では、これら材料は混合処理してもホスト重合体融解物中では層間剥離 を起こさない。何故なら、それらの層間またはフィブリル間距離は、通常、約4 Åに等しいかそれ以下であり、従ってその層間またはフィブリル間凝集エネルギ ーが比較的強いからである。更にこれら金属カチオンは層およびフィブリルと重 合体融解物の間の相溶性を増加させない。望ましい態様では、これらの層状材料 には層間またはフィブリル間距離を希望する程度まで増加させるのに十分な大き さの膨潤剤が挿入される。一般に、ナノスケールでの層状材料またはフィブリル 材料の層間剥離を促進するためには、X-回折法で測定した層間またはフィブリ ル間距離が少くとも約4Åであるべきである。本発明の望ましい態様では、層間 またはフィブリル間距離は少くとも約8Åで、より望ましい層間またはフィブリ ル間距離は少くとも約15Åである。これらの望ましい態様では、膨潤剤は中性 の有機分子またはLi+、Na+、K+、Mg+2およびCa+2のような層間または フィブリル間カチオンと交換することが可能で、且つ必要な層間またはフィブリ ル間距離を与えるのに十分な大きさのイオン種である。このようなイオン種に含 まれるのはNH4 +、Al+3、Cu+2、Fe+3、NH31+、NH212+、NH R123+、NR1234+(式中、R1、R2、R3およ びR4は同一または異なる有機置換基である)等である。 層状材料またはフィブリル材料の血小板状粒子への層間剥離をさらに促進し、 そしてその粒子の再凝集を防ぐために、これらの層およびフィブリルは重合体相 溶性であることが望ましい。重合体融解物がこれら層状材料と相溶性でない場合 には、膨潤性層状材料またはフィブリル材料はその一部が層の表面に結合し、他 の部分が重合体と結合するか、または好都合に相互作用するような相溶化剤が層 間に挿入される。幾つかの場合には、膨潤作用と相溶化作用を共に提供する膨潤 /相溶化剤である挿入剤が用いられる。このような挿入剤は層の表面と相互作用 し、元の金属イオンを全部または一部置き換え、そして層の表面に結合する一つ または複数の部位を含んでいるのが望ましく;そしてその凝集エネルギーが重合 体の凝集エネルギーに十分近く、血小板状粒子の表面をその重合体に対しより親 和性にし、従って重合体マトリックス中でのその分散の均質性を高めるところの 一つまたは複数の部位を含んでいるのが望ましい。本明細書で用いられる“相溶 性”というのは、重合体マトリックスと血小板状粒子の表面上の表面被覆(相溶 化剤)が相間領域でのその重合体マトリックスと表面層との混ざり合いを促進す るのに好都合な相互作用を有する程度のことである。相溶性は一つまたはそれ以 上の次の基準から生じる:その重合体とその誘導された血小板状粒子との凝集エ ネルギー密度が似ていること、および分散、極性または水素結合相互作用、また は酸/塩基またはルイス酸/ルイス塩基相互作用のような特異相互作用に対する 能力が類似または相補的であること。相溶化により、重合体マトリックス中での 血小板状粒子の分散が向上し、厚みが50Å未満の層間剥離した血小板状粒子の 割合が増えることになる。 膨潤/相溶化剤、膨潤剤/相溶化剤の性質は特定の重合体および特定の層状材 料に対応して広い範囲で変えられる。例えば、膨潤性層状材料が、例えばスメク タイト粘土のようなフィロ珪酸塩であり、ポリアミドがポリ(カプロラクタム) のようなポリラクタムである場合には、望ましい膨潤/相溶化剤は両性イオンお よびイオン性界面活性剤タイプの分子であり、そして最も望ましくは中性の有機 分子または両性イオンおよびカチオン性界面活性剤タイプの分子である。有用な 有機中性分子には、アミド類、エステル類、ラクタム類、ニトリル類、尿素類、 カーボナート類、ホスフェート類、ホスホネート類、サルフェート類、スルホネ ート類類、ニトロ化合物等のような極性分子が含まれる。推奨される中性有機物 はその重合体マトリックスの単量体またはオリゴマーである。有用なカチオン性 界面活性剤には脂肪族、芳香族またはアリール脂肪族アミン類、ホスフィン類お よびスルフィド類のアンモニウム(第1、第2、第3、および第4)、ホスホニ ウムまたはスルホニウム誘導体のようなオニウム化合物が含まれる。このような 材料の例は次式のオキソニウム化合物である: X+−R5 式中、X+は-NH3 +、-N(CH33 +、-N(CH32(CH2CH3+、-S( CH33、-+P(CH33、-NH4[この場合R5は、-(CH)5=]等のよう なアンモニウム、スルホニウムまたはホスホニウム基であり、R5は、例えば、 アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、アジド、アルケニル、ア ルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルカノイル、アルキルチオ、 アルキル、アリールオキシ、アリールアルキルアミノ、アルキルアミノ、アリー ルアミノ、ジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、アリール、アルキルスルフィ ニル、アリールオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリール チオ、アリールスルフィニル、アルコキシカルボニル、アリールスルホニル、ア ルキルシラン、および次式で示される部位: (-ZCH2-CHR´)q−ZR6 式中、R6はアルキル、シクロアルキル、アリールであり、R´は水素、アルキ ルまたはアリールであり、そしてZは-O-または-NR7-(ここで、R7は水素、 アルキル、アリールまたはアルキルシランである)で置換された、または未置換 の置換または未置換アルキル、シクロアルケニル、シクロアルキル、アリールま たはアルキルアリール基である。有用なR5基の例は水素、メチル、エチル、オ クチル、ノニル、t−ブチル、ネオペンチル、イソプロピル、s-ブチル、ドデ シル等のようなアルキル基;1-プロペニル、1-ブテニル、1-ペンテニル、1- ヘキセニル、1-ヘプテニル、1-オクテニル等のようなアルケニル基;プロポキ シ、ブトキシ、メトキシ、イソプロポキシ、ペントキシ、ノナキシ、エトキシ、 オクトキシ、プロポキシ等のようなアルコキシ基;シクロヘキセニ ル、シクロペンテニル等のようなシクロアルケニル基;ブタノイル・オクタデシ ル、ペンタノイル・ノナデシル、オクタノイル・ペンタデシル、エタノイル・ウ ンデシル、プロパノイル・ヘキサデシル等のようなアルカノイルアルキル基;ア ミノ基;メチルアミノ・オクタデシル、エチルアミノ・ペンタデシル、ブチルア ミノ・ノナデシル等のようなアルキルアミノアルキル基;ジメチルアミノ・オク タデシル、メチルエチルアミノ・ノナデシル等のようなジアルキルアミノアルキ ル基;フェニルアミノ・オクタデシル、p-メチルフェニルアミノ・ノナデシル 等のようなアリールアミノアルキル基;ジフェニルアミノ・ペンタデシル、p- ニトロフェニル-p´-メチルフェニルアミノ・オクタデシル等のようなジアリー ルアミノアルキル基;2-フェニル-4-メチルアミノ・ペンタデシル等のような アルキルアリールアミノアルキル基;ブチルチオオクタデシル、ネオペンチルチ オ・ペンタデシル、メチルスルフィニル・ノナデシル、ベンジルスルフィニル・ ペンタデシル、フェニルスルフィニル・オクタデシル、ベンジルスルフィニル・ ペンタデシル、フェニルスルフィニル・オクタデシル、プロピルチオ・オクタデ シル、オクチルチオ・ペンタデシル、ノニルスルホニル・ノナデシル、オクチル スルホニル・ヘキサデシル、メチルチオ・ノナデシル、イソプロピルチオ・オク タデシル、フェニルスルホニル・ペンタデシル、メチルスルホニル・ノナデシル 、ノニルチオペンタデシル、フェニルチオ・ペンタデシル、フェニルチオ・オク タデシル、エチルチオ・ノナデシル、ベンジルチオ・ウンデシル、フェニルチオ ・ペンタデシル、s-ブチルチオ・オクタデシル、ナフチルチオ・ウンデシル等 のようなアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アリール チオ、アリールスルフィニルおよびアリールスルホニル基;メトキシカルボニル 、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル等のようなアルコキシカルボニルア ルキル基;シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロオクチル、シクロヘプチル 等のようなシクロアルキル基;メトキシメチル、エトキシメチル、ブトキシメチ ル、プロポキシエチル、ペントキシブチル等のようなアルコキシアルキル基;フ ェノキシフェニル、フェノキシメチル等のようなアリールオキシアルキルおよび アリールオキシアリール基;フェノキシデシル、フェノキシオクチル等のような アリールオキシアルキル基;ベンジル、フェネチル、8-フェニルオクチル 、10-フェニルデシル等のようなアリールアルキル基;およびエチル、プロピ ル、ブチル、フェニル、ベンジル、トリール、p-スチリル、p-フェニルメチル クロリド、オクチル、ドデシル、オクタデシル、メトキシ・エチル、式、-C36 COOH、 -C510COOH、 -C710COOH、 -C714COOH、 -C916COOH、 -C1122COOH、 -C1326COOH、 -C1530COO H、および、 -C1734COOH、および、CH=C(CH3)COOCH2CH2 -で表される部位等のような置換基を有するポリプロピレングリコールおよびポ リエチレングリコールである。このようなアンモニウム、スルホニウムおよびホ スホニウム基はこの技術分野で良く知られており、対応するアミン類、ホスフィ ン類、およびスルフィド類から誘導できる。 有用な膨潤/相溶化剤には、中性化合物も含まれる。例えば、有用な膨潤/相 溶化剤は上に挙げたオキソニウム化合物の中性型である層状材料と水素結合する アミン、ホスフィンおよびスルフィドを含んでいる。この場合、元の金属カチオ ンは置き換えられない。 他のクラスの膨潤/相溶化剤は層状材料と共有結合する物である。本発明の実 施において有用なグループの例は次式のシランカップリン剤である: -Si(R928 式中、R9は、各場合、同一または異なる基であって、アルキル、アルコキシま たは、例えばオクタデシルトリメトキシシラン、ガンマ-アミノプロピルトリエ トキシシラン、ガンマ-アミノプロピルトリメトキシシラン、ガンマ-アミノプロ ピルフェニルジメトキシシラン、ガンマ-グリシドオキシプロピルトリプロポキ シシラン、3,3-エポキシシクロヘキシルエチル・トリメトキシシラン、ガン マ-プロピオンアミド・トリエトキシシラン、N-トリメトキシシリルプロピル- N(ベーターアミノエチル)アミン、トリメトキシシリルウンデシルアミン、ト リメトキシシリル-2-クロロメチルフェニルエタン、トリメトキシシリル-エチ ルフェニルスルホニルアジド、N-トリメトキシシリルプロピル-N,N,N-ト リメチルアンモニウムクロリド、N-(トリメトキシシリルプロピル)-N-メチ ル-N,N-ジアリルアンモニウムクロリド、トリメトキシシリルプロピルシンナ メート、3-メルカプトプロピル・トリメトキシシラン、3-イソ シアナートプロピル・トリエトキシシラン等のようなトリアルコキシシランのよ うなオキシシランであり:R8は複合材を形成する重合体と相溶性である有機の 基から成る群から選ばれる。 他の例では、膨潤剤とは異なる相溶化剤を使用するのが便利である。例えば、 アルキルアンモニウムカチオンを用いてスメクタイト鉱物の金属カチオンを置き 換え、それに続いてシランカップリン剤で部分的に置き換えられる。この場合、 このアルキルアンモニウムカチオンは普通の目的の膨潤剤の作用を有するが、一 方シランは選ばれた重合体系に対し非常に特異的な相溶化剤として作用する。 本発明の望ましい態様では、膨潤剤、相溶化剤および/または膨潤/相溶化剤 は層状材料の表面に結合し、重合体とは反応しない部位を含んでいると考えられ る。この試剤は層状材料と結合しないで、重合体と相溶性である部位も含んでい ることが望ましい。本発明の望ましい態様では、膨潤/相溶化剤、特にオニウム 試剤およびシラン剤が用いられる。本発明の望ましい態様では、親油性の膨潤剤 と相溶化剤が用いられる。このような試剤は、例えば長鎖アルキル、アルケニル またはアルキルアリール基(約9個以上の脂肪族炭素原子が望ましい)のような 親油性部分を含んでいることが望ましい。このような試剤はこの技術分野で良く 知られており、シラン化合物およびオクタデシルアミン、トリメチルドデシルス ルフィド、オクタデシルスルフィド、ジメチルジドデシルアミン、オクタデシル アミン、ジオクチルホスフィン、メチルオクタデシルアミン、ジオクチルスルフ ィド、デシルスルフィド等のアンモニウム、スルホニウムおよびホスホニウム誘 導体を含んでいる。 本発明で用いられる膨潤性材料に挿入される膨潤剤/相溶化剤および膨潤/相 溶化剤の量は膨潤に有効な量で、望ましくは挿入される材料の層またはフィブリ ルを実質的に均一な希望の分散物を提供するために必要な程度に相溶化する量で あるという前提で、実質的に変えられる。膨潤/相溶化剤が用いられる本発明の 望ましい態様では、用いられる相溶化剤の量は約10ミリモル/材料100gか ら約1000ミリモル/材料100gの範囲である。より望ましい量は約20ミ リモル/100gから約200ミリモル/100gの範囲である。推奨されるス メクタイト粘土鉱物の場合、より望ましい量は約80ミリモル/100gから約 120ミリモル/100gの範囲である。 膨潤性で重合体相溶性の層間挿入された材料は任意の方法で作られる。望まし くは、このような材料は一種または複数の適した挿入剤を任意の適切な方法で膨 潤性の材料の層間またフィブリル間の空隙に挿入することにより作られる。膨潤 /相溶化剤は膨潤性材料の層間またはフィブリル間の空隙に適切な手段、例えば 中性分子の挿入により、またはイオン性分子のイオン交換により、在来の方法を 用いて導入される。中性分子の挿入は、微粉にした層状材料を気体、稀釈してい ない液体、微粉状の固体または(望ましくは、その材料を膨潤させる)溶媒に溶 かした溶質の形になっている挿入剤に曝すことにより行われる。挿入は、一般に 、挿入剤と層状材料の混合物に剪断力、熱、超音波キャビテーションを加えるこ とにより促進される。イオン性分子によるイオン交換は層状材料またはフィブリ ルを剥脱および分散させる能力があり、イオン性挿入剤の塩および層状材料から 置換されて生成するイオン(例えば、Na+、Mg+2、Ca+2)の塩を溶解する 能力のある比較的揮発性の大きい液体中に懸濁させ、イオン性挿入剤を加え、そ して(その新しく加えられた挿入剤と錯体を生成した)層状材料を(置換された イオンの溶けた塩を含む)液から取出すことにより行われる。例えば、(その層 間空隙に主としてNa+カチオンを有する)モンモリロナイトおよびヘクトライ トのような膨潤性層状鉱物には、層が層間剥離を起こし、水中に均一に分散され るそのような点まで水が挿入される。水中での分散は、一般に、比較的大きい剪 断応力で混合することにより促進される。ジメチルドデシルアミンの塩酸塩のよ うな適切な膨潤/相溶化剤を希望量添加し、その後このアンモニウムカチオンと 錯体を生成した層状材料を分散液から分離し、残留したNaClを洗って乾燥す る。本発明の望ましい態様では、膨潤性層状材料はイオン交換によって挿入され る。例えば、モンモリロナイトまたはサポナイトの水中分散液を、分散されない 粒子がその液から沈降法で分離できるような低粘度分散液となるのに十分な低い 濃度で約80℃に加熱し、高速ホモゲナイザー混合機を用いて攪拌される(鉱物 濃度は約2重量%、またはヘキサメタリン酸ソーダのような解こう剤を添加した 場合には5%から15%である)。この分散液はアンモニウム塩のような適した 膨潤/相溶化剤(例えば、オクタデシルアミン、11-アミノウンデカン酸、ジ オクチルアミン、ジメチルドデシルアミン、メチルオクタデシルアミン、ジメチ ルジドデシルアミン等の塩酸塩)の溶液とを、このアンモニウム塩とその鉱物中 の交換可能なイオンのモル比が0.5と5の間になるような割合で混合される。 このアミン-錯化層状材料は濾過または遠心分離のような適切な方法で溶液から 分離され、次いで新鮮な水で洗浄し、大体乾燥し、ボールミルで約100メッシ ュの粉末に粉砕する。この粉末を五酸化リンのような乾燥剤の存在下、100℃ から160℃で8から24時間真空で強く乾燥すると、希望の膨潤性/重合体相 溶性層間挿入層状材料が得られる。 シラン類を挿入した層間挿入層状材料は、既に、オニウムカチオンが挿入され た膨潤性の重合体相溶性の層間挿入層状材料をジオキサン、グライム、ジグライ ム、ジメチルスルホキシド、メチルエチルケトン等のような膨潤性液体中でシラ ンカップリング剤で処理するか、または層状材料の水懸濁液をトリアルコキシシ ランのような水溶性のシランカップリング剤で処理することにより製造される。 望ましい態様では、シランを挿入した膨潤性/重合体相溶性層間挿入層状材料は 以下のようにして製造される:望ましくは、上に説明したようにして製造したオ ニウム-挿入層状材料を膨潤性有機液体中に懸濁して、膨潤させ、トリアルコキ シシランで処理する。例えば、アンモニウムカチオン約80ミリモル/鉱物10 0gの割合でオクタデシルアンモニウムカチオンを挿入したモンモリロナイトを 、5重量%の懸濁液が生成するようにジオキサンと混合し、60℃に加熱し、次 いでアミノエチルアミノプロピル・トリエトキシシランのジオキサン溶液と、シ ランと鉱物の比が約20ミリモル/100gになるような割合で混合する。この シランは、アンモニウムカチオンを定量的に置換し、鉱物100g当たり約60 ミリモルアンモニウムカチオンと20ミリモルのシランを有する混合挿入層状材 料が得られる。 本発明の望ましい態様で、膨潤性の重合体相溶性の層間挿入層状化合物は、オ クタデシルアンモニウムカチオン(100ミリモル/100g鉱物)で錯化した 、モンモリロナイト[ゲルホワイト エイチエヌエフ、サザーン・クレー・プロ ダクト社(Gelwhite HNF,Southern Clay Prod ucts);N,N-ジメチルオクタデシルアンモニウムカチオン(100ミリ モル/100g)で錯化した、モンモリロナイト[ボルクレー、アメリカン コ ロイド社(Volclay,American Colloid Compan y);ジメチルジオクチルアンモニウムカチオン(80ミリモル/100g)で 錯化した、合成ヘクトライト[ラポナイト エス、ラポート インダストリー社 (Laponite S,Laporte Industries);市販のオ ルガノクレー[クレイトン エイピーエイ、サザーン・クレー・プロダクト社( Claytone APAR,Southern Clay Products );オクタデシルアンモニウムカチオン(80ミリモル/100g)で錯化し、 アミノエチルアミノプロピル・トリメトキシシラン(20ミリモル/100g) で修飾したモンモリロナイト等である。 ナノ複合材の製造に利用するために、望ましくは膨潤/相溶化剤はマトリック ス重合体(複数)の加工温度に加熱した時に分子鎖の切断またはマトリックス重 合体のその他の分解に起因する分解生成物を発生しないように選ばれる。高い加 工温度を必要とする重合体が用いられる場合には、特別の注意を払わなければな らない。例えば、第4アンモニウムカチオンは、約220から260℃で熱分解 が始まり、アルケン類とアミン類を生成する。熱安定性から考えると、ベーター 脱離反応を起こさないシラン類と、例えば次式のオニウムカチオンが推奨される [(R123N-CR10-CR11] 式中、R10は水素または有機部位であり、R11は有機部位であり、そしてR12は 各場合に同一または異なる基であって、有機の基である。 本発明によるナノ複合材組成物は熱可塑性材料であり、それから優れた性質を 有する成形製品を溶融紡糸、注型成形、真空成形、シート成形、射出成形および 押出成型などの従来の成型法で製造できる。そのような成型物品の例は技術装置 、キャスティング装置、家庭用装置、スポーツ装置、びん類、容器類、電気およ び電子工業用部品、自動車部品、回路基板、繊維、機械加工で成型できる半製品 および類似物である。それらはホットメルト接着剤として用いられるので、粉末 塗装法によって物品塗装用の材料としても用いられる。本発明による成型組成物 はその性質のスペクトルを種々の方法で希望する方向に変えることができるので 、全てのタイプの特殊の用途に極めて適している。 分散された血小板状粒子を含む本発明の組成物は、例えば食品包装用フィルム のような押出成型フィルムおよびラミネートフィルムの製造に特に有用である。 このようなフィルムは常用のフィルム押出成型法を用いて製造できる。このフィ ルムの厚みは、望ましくは約10から約100ミクロン、より望ましくは約20 から約100ミクロン、そして最も望ましくは約25から約75ミクロンである 。このフィルムの中で、血小板状充填材の主要面はフィルムの主要面に実質的に 平行に並んでいる。粒子とフィルムの平行性の程度はX線分析により求めること ができる。X線分析は高分子結晶の結晶度と配向および血小板状粒子の配向を記 述するための有用な方法である。便利なX線分析の方法はX線回折法、高分子科 学、エル.イー.アレキサンダー、ワイリー出版、ニューヨーク、137〜22 9頁(1969)[X-ray Diffraction Methods i n Polymer Science,L.E.Alexander,Wile y,NY,pp.137−229(1969)]に説明されている。 本発明の目的のために、Op、即ち血小板状粒子の配向ファクターはそのフィ ルム中での血小板状粒子の配向の指標である。このOpは、そのフィルムの縁に 入射X線を当てることにより得られるX線写真のデンシトメータ・トレーシング から方位角走査によって求められた。この角度は、そのフィルムの法線である基 準方向と血小板状粒子の主要面である問題の面の法線の間の角度である。このO p値は、血小板状粒子の平滑な面への法線に対する平均余弦二乗(<cos2Φ >、ここで、Φは血小板状粒子の法線とフィルムの法線の間の角度である)であ る。1.0のOpは、血小板状粒子の面がフィルムの面に完全に平行なことを示 す。そして、0.0のOpは、血小板状粒子の面がフィルムの面に垂直なことを 示す。本発明のフィルム中の血小板状粒子のOpは、望ましくは、約0.70か ら約1.0、より望ましくは約0.90から約1.0、そして最も望ましくは約 0.95から約1.0、である。血小板状粒子の、このような望ましい配向の結 果、バリヤー性が向上し、引裂き強さが増す。 均一に分散された血小板状粒子と重合体は適したフィルム成形法によってフィ ルムに成形される。通常、この組成物を融解し、フィルム成形ダイを通して強制 的に押出す。このダイはフラットダイでも環状ダイでもよい。典型的なフラット ダイはハンガー状ダイであり、典型的な環状ダイは筒状フィルムダイである。 本発明のナノ複合材のフィルムは、その血小板状粒子をさらに配向させて血小 板状粒子を通る主要面をフィルムを通る主要面に対し実質的に平行にする工程に 通される。これを行う方法はフィルムを二軸延伸することである。例えば、フィ ルムはダイから押出されたままのフィルムを引張るテンション・ローラーによっ て軸方向または装置方向に延伸される。このフィルムは、同時に、その縁を把持 して引離すことにより、横方向にも延伸される。他の代替法では、このフィルム は筒状フィルム・ダイを用い、その筒状フィルム・ダイを通ったフィルムを膨ら ませることにより横方向に延伸される。本発明のフィルムは一つまたはそれ以上 の次の利点を示す:モジュラス、湿潤強度および寸法安定性の増大および吸湿性 および酸素のような気体および水、アルコール類およびその他の溶剤透過性の減 少。 以下の実施例は本発明をより特定して例示するために提示されるものであり、 それを限定するものと考えるべきでない。実施例1 オルガノクレー/ナイロン6-稀薄ナノ複合材を押出成形混練法で製造し、押 出し物のX線回折(XRD)と射出成形試験試料の機械的性質とによって特性化 した。 この稀薄ナノ複合材は、(1)ベントン(Bentone)34TM粉末[その 元の層間カチオンをレオックス社(Rheox Inc.)から入手したジメチ ルジオクタデシルアンモニウム・カチオンでイオン交換したモンモリロナイト] と(2)無充填ナイロン6ペレット[アライド-シグナル社(Allied-Si gnal)から入手したカプロン(Capron)8209F]とのドライ混合 物から、それを一般用混合スクリューを備えた二軸押出成型機を用いて混練する ことにより製造された。混練の前に、ベントン34粉末を60℃で検出水分が約 0.2%未満の水準になる迄真空乾燥し、そしてナイロン6ペレットを80℃で 検出水分が約0.1%未満の水準になる迄真空乾燥機で乾燥した。ベントン34 粉末とナイロン6ペレットの混合物を先ず混練してマスターバッチにし、その 灰分含有量を測定し、ベントン34からのアルミノシリケートと考えられる無機 成分として約0.2%であることを見いだした。このマスターバッチの一部を追 加のナイロン6と混練し、鉱物の計算濃度が約0.1、0.05、および0.0 1重量%である押出試料片を得た。 真空乾燥後、最終押出成形物をXRDで分析し、一般に非晶相約65%、ガン マ結晶相30%およびアルファ結晶相5%の割合であることを見いだした。これ ら各種ナノ複合材と無充填ナイロン6対照試料を、アルバー(Arburgh) 射出成形機を用いて射出成形して試験用試料を調製し、この一連の試料の一部を 約20℃の温度で21日間水中に浸漬した。これら乾燥および湿潤試料の曲げ強 さと引張り強さを夫々ASTM D790およびASTM D638の方法で測 定した。乾燥試料のノッチ衝撃強さをASTM D256の方法で測定し、それ らの平均値を表3に示した。曲げ強さと引張り強さは、表1から4に示される。 a.Bentone 34(第4アンモニウムカチオンで錯化したモンモリロナ イト)から誘導したクレー鉱物の重量% a.Bentone 34(第4アンモニウムカチオンで錯化したモンモリロナ イト)から誘導したクレー鉱物の重量% 乾燥ナイロン6の強さと剛さは0.01重量%(または約0.005容量%) のような低濃度の分散オルガノクレーを添加することにより少くとも10%まで 増加する。また、乾燥ナイロン6の靭性は(極限伸びとノッチ衝撃強さから示唆 されるように)低濃度の分散オルガノクレーの添加により極く僅か低下する。湿 度含有量が高い場合、ナイロン6の強さと剛さは分散オルガノクレーの添加によ り少くとも22%まで増加する。比較例1 オルガノクレー(レオックス社からのベントン34)/ナイロン66[デュポ ン社のザイテル(Zytel 101)]の稀薄ナノ複合材を調製し、射出成形 し、実施例1で説明した方法に従って特性化した。結果を表1から4に示した。 XRDパターンによると、これらナイロン66-ナノ複合材の結晶度は無充填ナ イロン66と実質的に同じで、アルファ結晶相が約20%で、ガンマ結晶相は生 成していない。 ナイロン6の場合とは異なり、(乾燥および水に浸けた、両方の)ナイロン6 6の強さと剛さは、分散オルガノクレーを0.05重量%またはそれ以下の濃度 で添加することにより約1%から3%まで増加するだけである。(極限伸びとノ ッチ衝撃強さから示唆される)乾燥ナイロン66の靭性はナイロン6に比べて低 いままである。実施例2 オルガノクレー(Claytone APATM:Southern Clay Products Inc.から入手した、テトラアルキルアンモニウムカチ オンで錯化したモンモリロナイトとナイロン6(Allied-Signalか ら入手した、カプロン 8209F)の混合物を押出し、射出成形で試験試料片 を作り、ASTM D3029の方法に従ってそれらの落重衝撃強さを測定した 。灰分含量から推定した、押出し試料の鉱物含有量は約0.018重量%であっ た。実施例1で説明した方法に従って、このオルガノクレーとナイロン6の複合 材を調製し、押出成形した。落重衝撃強さの測定結果を曲げ試験および引張り試 験の結果と合わせて表5に示した。 XRDパターンによると、これらナイロン/オルガノクレー複合材の結晶度は 40%で、ガンマ相微結晶に富んでいた。 a.X線回折法で測定した押出し物の結晶度 b.ASTM D3029、タイプAのタップ比較例2 超微粉タルク[ファイザー社(Pfizer)から入手したABT-2500 )とナイロン6(カプロン 8209F)の混合物を押出し、射出成形で試験試 料片を作り、ASTM D3029の方法に従ってそれらの落重衝撃強さを測定 した。灰分含量から推定した押出し試料の鉱物含有量は約0.018重量%であ った。実施例3 先ず、実施例1で説明した方法に従ってクレイトンAPAとナイロン6(カプ ロン 8209F)を混練してマスターバッチを製造し、次いでこのマスターバ ッチの一部を無充填ナイロン6と共に再押出し成形することにより一連の超稀薄 ナノ複合材を製造した。得られたナノ複合材の、マスターバッチの灰分含量(0 .018重量%)を基に計算した鉱物含有量は0.009重量%、0.0036 重量%および0.0018重量%であった。この稀薄ナノ複合材、無充填820 9F ナイロン6および比較例2のタルク核化ナイロン6の射出成形試料をXR Dで特性化し、その機械的性質をASTM D790の方法で試験し、また長時 間浸漬時の吸水性を調べた。これら試験の結果を表6に示した。 a.Claytone APATMから誘導された鉱物の含有量 b.XRD分析による1/4インチ成形試料の結晶度 c.水中に、20℃で2週間浸漬後測定 ナイロン6/オルガノクレー稀薄ナノ複合材は全て無充填ナイロン6より剛さ と強さが大きく、比較例2のタルク含有ナイロン6より耐吸水性が大きい。成形 試料をXRDで特性化し、これらは約35から42%のガンマ結晶ナイロン6か ら成り、アルファ相は約2%未満であることを示した。一方、同じ条件で成形し た無充填8209F ナイロン6は総結晶度は同程度(40%)であるが、アル ファ相/ガンマ相の比が72/28であることが分かった。微結晶の大きさと完 全さはクレー含有量の増加と共に増加した。0.0018%複合材と無充填ナイ ロン6のXDRパターンを図1と2に示した。実施例4 実施例1で説明した方法に従ってプロトン化11-アミノウンデカン酸で錯化 した粉末モンモリロナイトとナイロン6ペレット(カプロン 8207F)の混 合物を混練して、粘土鉱物を約0.27%含むナイロン6/オルガノクレー複合 材を製造した。 モンモリロナイト(Gelwhite HNF,Southern Clay Products)の4%懸濁液と11-アミノウンデカン酸-塩酸塩(100 ミリモル/100gクレー)とを約80℃で高剪断混合してオルガノクレー粉末 を調製した。凝集沈降物を濾取し、熱水で4回洗い、60℃で真空乾燥し、ボー ルミル中で回転し、200メッシュの篩を通した。ナイロン6/オルガノクレー 複合材のペレットおよび市販のガンマ相に富むナイロン6[東レ(Toray) から入手した1017K]のペレットを異なる温度で徐冷熱処理し、それらのX RDパターンで特性化した。徐冷熱処理後の試料の結晶度を表7に示した。 a.各試料の総結晶度は、約50から60%であった。実施例5 数種の異なるオルガノクレーを用い、実施例1で説明した方法に従ってナイロ ン6/オルガノクレー・ナノ複合材を製造した。これらには、アルキルアンモニ ウムカチオン類、オルガノシラン類およびオニウムカチオン類とシラン類との混 合物で処理したモンモリロナイト、ヘクトライトおよび合成リチウム-マグネシ ウム・シリケート(Laporte社から入手したLaponite)から誘導 したオルガノクレーが含まれる。 シラン処理鉱物はシランの水または水/イソプロパノール溶液と、類似の液体 (水または水/イソプロパノール)中で急速に攪拌している鉱物の4%分散液と を混合することにより調製された。シラン類とアンモニウムカチオン類との両方 で処理した鉱物は、通常、先ず、鉱物分散液を(その鉱物を凝集させるには不十 分な量の)シラン溶液で処理し、次いでオニウム塩酸塩で処理することにより調 製される。得られたオルガノクレーを実施例4で説明したようにして濾取し、洗 浄し、乾燥した。場合によっては、シラン類とオニウムカチオン類の両方で処理 する鉱物は、予め、還流イソプロパノール中で、アンモニウムカチオンで十分錯 化した鉱物の急速に攪拌している分散液にシランを添加することにより調製され た。 これらナノ複合材の結晶度を表8に示した。 b.オルガノクレーを800℃に加熱した時の重量損失から、処理量は、一般に 、約100ミリモル/100g鉱物、であった。 c.ナノ複合材中のアルファ相は、非常に無秩序であり、10%を超えないと推 定される。 d.Murakiの方法(米国特許第4,290,935)により、アルファ相 (928cm-1)および、ガンマ相(977cm-1)の特性赤外線吸収バンドの 吸光度を、アルファ相とガンマ相の比が既知のナイロン6試料での対応値と比較 して求めた。実施例6 オルガノクレーのナイロン6ナノ複合材を懸濁親有機性層状材料の存在下でカ プロラクタムを重合することにより製造した。約2%の鉱物を含む、得られたナ ノ複合材はXRDにより35から45%のガンマ結晶性ナイロン6を含み、結晶 化性の悪いアルファ相は10%以下であることを示した。 実施例1で説明した方法に従って誘導し、湿潤状態に放置したモンモリロナイ トを、溶融カプロラクタムとアミノカプロン酸と共に混合物の組成が誘導モンモ リロナイト2.5%:水10%:カプロラクタム85%:アミノカプロン酸2% になるようにして、高速剪断混合機[ロス(Ross)ミキサー]を用いて急速 に攪拌混合した。この混合物を窒素気流中で、定速で攪拌しながら、255℃で 5時間加熱した。冷却後、粗生成物を1ミリの大きさの粒子に粉砕し、沸騰水中 で3回、2時間攪拌し、次いで水分含有量が約0.1重量%未満の水準になるま で乾燥した。XRDで評価し、射出成形の前後で共にガンマ相に富んだ結晶性を 示しすことを確かめた。実施例7 分散されたオルガノクレーを含むナイロン6とゴム系変性材との非相溶性ブレ ンドはオルガノクレーを含まない類似のブレンドに比べて曲げ強さとモジュラス が増加し、一方衝撃強さは保持される。このブレンドは、(1)ナイロン6とプ ロトン化ジペンチル・アンモニウムカチオンで錯化したモンモリロナイトとを、 その複合材が約0.2重量%の鉱物を含むような割合で二軸押出成形機中で混練 し、そして(2)このナイロン6/オルガノクレー複合材を、ポリ(エチレン- 共-メタクリル酸)[デュポン社から入手したサーリン(Surlyn)]のZ nイオノマーと、そのブレンドが約20重量%のサーリンを含むような割合で混 練することにより製造された。得られたブレンドはそのナイロン6フラクション 中で主としてガンマ結晶度を示し、一方サーリンとナイロン6重合体単独とのブ レンドでは、そのナイロン6フラクション中で主としてアルファ結晶度を示した 。実施例8 ナイロン6と粘土に共有結合したオニウム基または有機性基を含まない、血小 板状分散クレー粒子との稀薄複合材は強さと剛さが大きく、主としてガンマ結晶 度を示す。この複合材は、(1)高剪断速度で、Na+カチオンを挿入したモン モリロナイトと融解カプロラクタムおよび水を約1:3:1の比で混合し、(2 )粉末状のその混合物から真空乾燥によって水を除去し、(3)その混合物とナ イロン6を押出成形機中で混練し、そして(4)押出し成形物からカプロラクタ ムを沸騰水で抽出することにより製造された。実施例9 ナイロン6、オルガノクレー、およびガラス繊維および全ての他の非-核形成 充填材(名目上は、長さ1/8インチ)の84.8:0.2:15重量比の複合 材はオルガノクレーを含まない類似の組成物に比べてより高い強さと剛さを示す 。この複合材はまたそのナイロン・フラクションで主としてガンマ結晶度を示す 。この複合材はナイロン6とプロトン化オクタデシルアンモニウムカチオンで錯 化したヘクトライトを混練し、次いでこのナノ複合材をガラス繊維と混練するこ とにより製造された。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1994年11月7日 【補正内容】補正された用紙第1頁、第2頁及び第2A頁の翻訳文:原翻訳文第1頁1行〜第 2頁22行(明細書・・・含んでなる。)と差し替える 明細書 ガンマ相重合体のナノ複合材料 発明の背景 1.発明の分野 本発明は、膨潤性の層間挿入層状材料から誘導される親有機性血小板状粒子、 および無機フィブリル状材料のような、ナノメーターサイズの異方性粒子が分散 されている重合体マトリックスからなる複合材料、および本発明の複合材料から 作られる製品に関する。さらに特定すれば、本発明は、重合体マトリックスがガ ンマ相の重合体から形成されている複合材料および複合材に関する。 2.従来の技術 ポリアミド類は各種の結晶形で存在する。ナイロン6の二つの基本的結晶形で あるアルファおよびガンマ形が構造的および熱力学的に特性化されている[例え ば、ポリマー コミュニケーシヨン(Polymer Communicati ons)、1991、301、およびその中に引用されている文献を参照された い]。 ナイロン6を改質してアルファまたはガンマ形への結晶化速度を増加させるた めに各種の添加剤が用いられている。例えば、米国特許第4,397,979号 および同第4,290,935号明細書および日本特許第55-149346号 明細書を参照されたい。 親有機性フィロ珪酸塩から誘導され、約0.5nm(5Å)から約1.2nm (12Å)の厚みを有する粒子分散物を含んでなるナイロン6のようなポリアミ ド類が文献に報告されている。例えば、米国特許第4,739,007号および 同第4,810,754号明細書および特開昭51−109998号公報を参照 されたい。 発明の要約 本発明は少くとも一種のガンマ相ポリアミドを含む重合体マトリックスからな る複合材に関し、該ポリアミドの総量を基に、該ポリアミドの少くとも1重量パ ーセントがガンマ相であり、該重合体マトリックスはその中に約20nm(20 0Å)に等しいか、またはそれ以下の厚みを有する層状材料および約10nm (100Å)に等しいか、またはそれ以下の直径を有するフィブリル状材料から 成る群から選ばれる、マトリックスの約0.5重量%未満のナノスケールの微粒 子材料を分散して含んでいる。本発明のもう一つ態様は、本発明の複合材から全 部または一部が形成されている物体を含んでなる製品に関する。 本発明の複合材は幾つかの有利な性質を発揮する。例えば、その重合体の一部 がガンマ相結晶形である複合材中ではアルファ結晶形への転移が起こり難い。更 に、ガンマ相重合体がポリ(ε-カプロラクタム)(ナイロン6)のようなポリ アミドである場合には、その組成物は改善された剛さと耐水強さ(ASTM D 638およびASTM D790)を示し、一方靭性(ASTM D256)、 表面光沢(ASTM D0523)および耐磨耗性(ASTM D1044)の ような他の性質は実質的に保持される。 推奨される態様の説明 本発明の組成物は二つの基本成分を含んでいる。一つの基本成分は少くとも約 1重量パーセントがガンマ結晶相であるガンマ相ポリアミドを含んでなる重合体 マトリックスである。本明細書で用いられる“ガンマ相ポリアミド”とは二つま たはそれ以上の結晶相を形成し得る半-結晶性ポリアミドであり、そしてエヌ. エス.マーシーおよびエイチ.マイナー,ポリマー31,996−1002頁 (1990)[N.S.Murthy and H.Minor,Polyme 31,pp996−1002頁(1990)]に説明されているように、X -線回折法(XRD)、赤外線スペクトル分析法(IR)、示差走査熱量測定法 (DSC)および核磁気共鳴法(NMR)によって測定される、少くとも一つの 安定性の小さい結晶相を含んでなる。補正された用紙第4頁、第4A頁、第5頁及び第5A頁の翻訳文:原翻訳文第3 頁8行〜第4頁下から4行(本発明の・・・層状材料、)と差し替える 本発明の最も望ましい態様での繰返し単位の数は、そのポリアミドがASTM試 験番号D-1238により、加工温度で、荷重1000グラムで測定したメルト インデックスが10分当たり約0.01から約12グラム、望ましくは約0.0 1から約10グラム/10分、そしてより望ましくは約0.5から約10グラム /10分の値を有するような数である。 ガンマ相結晶度を有し得る有用なポリアミドの例は、アミノ酸および、例えば ラクタムのようなその誘導体の重合で作られるポリアミド類である。このような ポリアミドにはナイロン4、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン6、ナイロン 12、ナイロン8、ナイロン10、ナイロン18等が含まれる。望ましいガンマ 相ポリアミド類はアミノ酸および、例えばラクタムのようなその誘導体の反応で 作られる物である。より望ましいガンマ相ポリアミド類はナイロン11、ナイロ ン6およびナイロン12であり、そして最も望ましいガンマ相ポリアミド類はナ イロン6とナイロン12である。ナイロン6は、特に、そのナイロン6が、AS TM試験番号D-1238により、荷重1000グラム、235℃で測定したメ ルトインデックスが約0.01から約10グラム/10分、そして望ましくは約 0.5から約10グラム/10分、の値を有する場合、えり抜きのガンマ相重合 体である。 ガンマ相結晶度を有するポリアミドの分率は広い範囲で変えられる。一般に、 ガンマ相にあるポリアミドの量はそのポリアミドの全重量に対し少くとも約1重 量%である。ガンマ相結晶度を有するポリアミドの量は少くとも約10重量%で あることが望ましく、より望ましくはそのポリアミドの約20から約50重量% で、最も望ましくは上の基準で約20から約50重量%である。えり抜きの態様 では、ガンマ相にあるポリアミドの量はそのポリアミドの全重量に対して約30 から約50重量%である。 本発明の複合材は第二基本成分として層状およびフィブリル状無機材料から成 る群から選ばれる分散粒子を含んでいる。有用な無機のフィブリル状材料は広い 範囲で変えられ、平均直径が約10nm(100Å)に等しいか、それ以下であ り、最大直径20nm(200Å)の材料、望ましくは約1.0nm(10Å) から約10nm(100Å)で、最大直径20nm(200Å)の材料、より望 ましくは約1.0nm(10Å)から約5.0nm(50Å)で、最大直径10 nm(100Å)の材料、そして最も望ましくは約1.0nm(10Å)から約 2.0nm(20Å)で、最大直径5.0nm(50Å)の材料である。有用な フィブリル状材料の平均長は広い範囲で変えられ、通常、約200nm(200 0Å)に等しいか、それ以下であり、最大長約1,000nm(10,000Å )の材料、望ましくは約20nm(200Å)から約200nm(2,000Å )で、最大長500nm(5,000Å)の材料、より望ましくは約30nm( 300Å)から約200nm(2,000Å)で、最大長200nm(2,00 0Å)の材料、そして最も望ましくは約40nm(400Å)から約100nm (1,000Å)で、最大長200nm(2,000Å)の材料である。有用な フィブリル状材料の例はイモゴライトおよび酸化バナジウムである。 有用な層状材料は層の平均の厚みが約2.5nm(25Å)に等しいか、それ 以下であり、最大厚みが10nm(100Å)の材料、望ましくは約0.5nm (5Å)から約2.5nm(25Å)で、最大厚みが7.5nm(75Å)の材 料、より望ましくは約0.5nm(5Å)から約2.0nm(20Å)で、最大 厚みが5nm(50Å)の材料、そして最も望ましくは約0.7nm(7Å)か ら約2.5nm(25Å)で、最大厚みが直径2.5nm(25Å)の材料であ る。 本発明で用いられる層状材料は広い範囲で変えられ、フィロ珪酸塩類が含まれ る。このような材料の実例はヘクトライト、サポナイト、サウコナイト、マガダ イト、およびケニアイト(kenyaite)のようなスメクタイト粘土鉱物; バーミキュライト等である。その他の有用な層状材料はレディカイトのようなイ ライト鉱物およびイライトと上に挙げた粘土鉱物との混合物である。他の有用な 層状材料、補正された用紙第7頁、第7A頁、第8頁及び第8A頁の翻訳文:原翻訳文第5 頁22行〜第7頁3行(望ましくは、・・・含むことができる。)と差し替える 望ましくは、含まれる層状またはフィブリル状材料の量は約10ppmに等しい か、それ以上、より望ましくは約20ppmに等しいか、それ以上で、約0.4 重量%に等しいか、それ以下、そして最も望ましくは約100ppmに等しいか 、それ以上で、約0.3重量%に等しいか、それ以下である。 これら層状およびフィブリル状材料はガンマ相重合体マトリックス中に実質的 に均一に分散されている。層状材料の場合、その層状材料は血小板状微粒子とし て分散されている。本明細書で用いられている“血小板状微粒子”とは、二つの 比較的平たい対向面を有し、その両面間の距離である厚みが面の大きさに比べて 比較的小さい粒子である。重合体マトリックス中に分散されたこの血小板状微粒 子は、個々の層の厚み、即ち約10未満の小さい倍数、望ましくは約5未満、そ してより望ましくは3未満、そして更により望ましくは1または2層の厚みを有 する。この血小板状微粒子のその他の寸法は大きく変えられるが、粘土鉱物から 誘導された粒子の場合、粒子の面は大体円形または長円形で、約1,000nm (10,000Å)と約5.0nm(50Å)の間の平均直径を有し、その縦横 比:長さ/厚み比が約1000から約1の範囲にある。本発明の目的のために、 その平均直径は血小板形状粒子の一つの広い表面の表面積に等しい面積を有する 円の直径と定義される。その平均直径は、完全コンピュータ化し、自動化した方 式のライツ(Leitz)の組織分析計システムで測定した粒子表面積から求め られる。本発明の望ましい態様では、血小板状微粒子の平均の厚みは約2nm (20Å)に等しいか、それ以下で、最大厚みが5nm(50Å)、そして平均 直径は500nm(5,000Å)と10nm(100Å)の間で、最大直径は 1,000(10,000Å)である。より望ましくは、その平均の厚みは約1 .5nm(15Å)に等しいか、それ以下で、最大厚みが2.5nm(25Å) 、そして平均直径は約200nm(2,000Å)と約20nm(200Å)の 間で、最大直径は500nm(5,000Å)である。最も望ましくは、平均の 厚みは約0.5(5Å)から約1.5nm(15Å)の間で、最大厚みが2.5 n m(25Å)の間で、最大直径は500nm(5,000Å)である。 層状材料の層間、およびフィブリル状材料のフィブリル間の平均粒子間距離は 材料の濃度に依存して広い範囲で変化する。一般に、重合体マトリックス中のこ れら材料の濃度が高ければ高い程粒子間距離は小さくなり、逆に材料の濃度が低 ければ低い程粒子間距離は大きくなる。一般に、粒子間距離は約1.5nm(1 5Å)か、約1.5nm(15Å)以上、約40,000nm(40ミクロン) までである。この粒子間距離は、望ましくは約3nm(30Å)に等しいか、約 3nm(30Å)以上、約20,000nm(20ミクロン)までであり、より 望ましくは約5nm(50Å)に等しいか、約5nm(50Å)以上、約5,0 00nm(5ミクロン)までであり、そして最も望ましくは約10nm(100 Å)に等しいか、約10nm(100Å)以上、約1,000nm(1ミクロン )までである。 本明細書で用いられている“均一分散”とは粒子の分散度の度合いを示す用語 であって、透過電子顕微鏡で測定して粒子密度が所定の標準偏差以下であること を言う。ただし、試料の採取容積は10-153と言う極微量である。その分散度 は、望ましくは平均値の約50%未満、より望ましくは平均値の約30%未満、 最も望ましくは平均値の約20%未満である。 本発明の複合材料はポリアミド類と一緒に用いられる添加剤である各種の任意 の追加成分を含むことができる。補正された用紙第12頁、第12A頁、第13頁、第13A頁、第14頁、第1 4A頁、第15〜16頁、第16A頁、第17頁、第17A頁及び第18頁の翻 訳文:原翻訳文第9頁1行〜第14頁下から9行(望ましくは、・・・含んでい る。)と差し替える 望ましくは、これら粒子は厚み方向に約8未満の層をまたは直径方向に約8未満 のフィブリルを、より望ましくは厚み方向に約5未満の層を、または直径方向に 約5未満のフィブリルを、そして最も望ましくは厚み方向に約1または2つの層 を、または直径方向に約1または2つのフィブリルを含む。 推奨されるスメクタイト粘土材料のような膨潤性層状またはフィブリル状材料 は、一般に、必要な層間またはフィブリル間膨潤性および/または重合体相溶性 を提供するために、一つまたはそれ以上の挿入剤による処理が必要である。その 結果生じる層間またはフィブリル間距離は本発明の実施における層間挿入材料の 性能に極めて重要である。本明細書で用いられている“層間またはフィブリル間 距離”とは、何等かの層間剥離(delamination)[または剥脱(e xfoliation)]が起きる前に挿入材料中で集積していた層の面の間の 距離またはフィブリルの間の距離のことである。望ましい粘土鉱物は、一般に、 Na+、Ca+2、K+、Mg+2等のような層間または交換性カチオンを含んでいる 。この状態では、これら材料は混合処理してもホスト重合体融解物中では層間剥 離を起こさない。何故なら、それらの層間またはフィブリル間距離は、通常、約 0.4nm(4Å)に等しいかそれ以下であり、従ってその層間またはフィブリ ル間凝集エネルギーが比較的強いからである。更にこれら金属カチオンは層およ びフィブリルと重合体融解物の間の相溶性を増加させない。望ましい態様では、 これらの層状材料には層間またはフィブリル間距離を希望する程度まで増加させ るのに十分な大きさの膨潤剤が挿入される。一般に、ナノスケールでの層状材料 またはフィブリル材料の層間剥離を促進するためには、X-回折法で測定した層 間またはフィブリル間距離が少くとも約0.4nm(4Å)であるべきである。 本発明の望ましい態様では、層間またはフィブリル間距離は少くとも約0.8n m(8Å)で、より望ましい層間またはフィブリル間距離は少くとも約1.5n m(15Å)である。これらの望ましい態様では、膨潤剤は中性の有機分子また はLi+、Na+、K+、Mg+2およびCa+2のような層間またはフィブリル間カ チオンと交換することが可能で、且つ必要な層間またはフィブリル間距離を与え るのに十分な大きさのイオン種である。このようなイオン種に含まれるのはNH4 + 、Al+3、Cu+2、Fe+3、NH31+、NH212+、NHR123+、N R1234+(式中、R1、R2、R3およびR4は同一または異なる有機置換基 である)等である。 層状材料またはフィブリル材料の血小板状粒子への層間剥離をさらに促進し、 そしてその粒子の再凝集を防ぐために、これらの層およびフィブリルは重合体相 溶性であることが望ましい。重合体融解物がこれら層状材料と相溶性でない場合 には、膨潤性層状材料またはフィブリル材料はその一部が層の表面に結合し、他 の部分が重合体と結合するか、または好都合に相互作用するような相溶化剤が層 間に挿入される。幾つかの場合には、膨潤作用と相溶化作用を共に提供する膨潤 /相溶化剤である挿入剤が用いられる。このような挿入剤は層の表面と相互作用 し、元の金属イオンを全部または一部置き換え、そして層の表面に結合する一つ または複数の部位を含んでいるのが望ましく;そしてその凝集エネルギーが重合 体の凝集エネルギーに十分近く、血小板状粒子の表面をその重合体に対しより親 和性にし、従って重合体マトリックス中でのその分散の均質性を高めるところの 一つまたは複数の部位を含んでいるのが望ましい。本明細書で用いられる“相溶 性”というのは、重合体マトリックスと血小板状粒子の表面上の表面被覆(相溶 化剤)が相間領域でのその重合体マトリックスと表面層との混ざり合いを促進す るのに好都合な相互作用を有する程度のことである。相溶性は一つまたはそれ以 上の次の基準から生じる:その重合体とその誘導された血小板状粒子との凝集エ ネルギー密度が似ていること、および分散、極性または水素結合相互作用、また は酸/塩基またはルイス酸/ルイス塩基相互作用のような特異相互作用に対する 能力が類似または相補的であること。相溶化により、重合体マトリックス中での 血小板状粒子の分散が向上し、厚みが5nm(50Å)未満の層間剥離した血小 板状粒子の割合が増えることになる。 膨潤/相溶化剤、膨潤剤/相溶化剤の性質は特定の重合体および特定の層状材 料に対応して広い範囲で変えられる。例えば、膨潤性層状材料が、例えばスメク タイト粘土のようなフィロ珪酸塩であり、ポリアミドがポリ(カプロラクタム) のようなポリラクタムである場合には、望ましい膨潤/相溶化剤は両性イオンお よびイオン性界面活性剤タイプの分子であり、そして最も望ましくは中性の有機 分子または両性イオンおよびカチオン性界面活性剤タイプの分子である。有用な 有機中性分子には、アミド類、エステル類、ラクタム類、ニトリル類、尿素類、 カーボナート類、ホスフェート類、ホスホネート類、サルフェート類、スルホネ ート類類、ニトロ化合物等のような極性分子が含まれる。推奨される中性有機物 はその重合体マトリックスの単量体またはオリゴマーである。有用なカチオン性 界面活性剤には脂肪族、芳香族またはアリール脂肪族アミン類、ホスフィン類お よびスルフィド類のアンモニウム(第1、第2、第3、および第4)、ホスホニ ウムまたはスルホニウム誘導体のようなオニウム化合物が含まれる。このような 材料の例は次式のオキソニウム化合物である: X+−R5 式中、X+は-NH3 +、-N(CH33 +、-N(CH32(CH2CH3+、-S( CH33 +、-+P(CH33、ピリジニウム等のようなアンモニウム、スルホニ ウムまたはホスホニウム基であり、そしてR5は、例えば、アミノ、アルキルア ミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、アジド、アルケニル、アルコキシ、シクロア ルキル、シクロアルケニル、アルカノイル、アルキルチオ、アルキル、アリール オキシ、アリールアルキルアミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキ ルアミノ、ジアリールアミノ、アリール、アルキルスルフィニル、アリールオキ シ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールチオ、アリールスル フィニル、アルコキシカルボニル、アリールスルホニルおよびアルキルシランで で置換された、または未置換の置換または未置換アルキル、シクロアルケニル、 シクロアルキル、アリールまたはアルキルアリール基である。 有用なR5基の例は水素、メチル、エチル、オクチル、ノニル、t-ブチル、ネ オペンチル、イソプロピル、s-ブチル、ドデシル等のようなアルキル基;1-プ ロペニル、1-ブテニル、1-ペンテニル、1-ヘキセニル、1-ヘプテニル、 1-オクテニル等のようなアルケニル基;プロポキシ、ブトキシ、メトキシ、イ ソプロポキシ、ペントキシ、ノナキシ、エトキシ、オクトキシ、プロポキシ等の ようなアルコキシ基;シクロヘキセニル、シクロペンテニル等のようなシクロア ルケニル基;ブタノイル・オクタデシル、ペンタノイル・ノナデシル、オクタノ イル・ペンタデシル、エタノイル・ウンデシル、プロパノイル・ヘキサデシル等 のようなアルカノイルアルキル基;アミノ基;メチルアミノ・オクタデシル、エ チルアミノ・ペンタデシル、ブチルアミノ・ノナデシル等のようなアルキルアミ ノアルキル基;ジメチルアミノ・オクタデシル、メチルエチルアミノ・ノナデシ ル等のようなジアルキルアミノアルキル基;フェニルアミノ・オクタデシル、p -メチルフェニルアミノ・ノナデシル等のようなアリールアミノアルキル基;ジ フェニルアミノ・ペンタデシル、p-ニトロフェニル-p´-メチルフェニルアミ ノ・オクタデシル等のようなジアリールアミノアルキル基;2-フェニル-4-メ チルアミノ・ペンタデシル等のようなアルキルアリールアミノアルキル基;ブチ ルチオオクタデシル、ネオペンチルチオ・ペンタデシル、メチルスルフィニル・ ノナデシル、ベンジルスルフィニル・ペンタデシル、フェニルスルフィニル・オ クタデシル、ベンジルスルフィニル・ペンタデシル、フェニルスルフィニル・オ クタデシル、プロピルチオ・オクタデシル、オクチルチオ・ペンタデシル、ノニ ルスルホニル・ノナデシル、オクチルスルホニル・ヘキサデシル、メチルチオ・ ノナデシル、イソプロピルチオ・オクタデシル、フェニルスルホニル・ペンタデ シル、メチルスルホニル・ノナデシル、ノニルチオペンタデシル、フェニルチオ ・ペンタデシル、フェニルチオ・オクタデシル、エチルチオ・ノナデシル、ベン ジルチオ・ウンデシル、フェニルチオ・ペンタデシル、s-ブチルチオ・オクタ デシル、ナフチルチオ・ウンデシル等のようなアルキルスルフィニル、アルキル スルホニル、アルキルチオ、アリールチオ、アリールスルフィニルおよびアリー ルスルホニル基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニ ル等のようなアルコキシカルボニルアルキル基;シクロヘキシル、シクロペンチ ル、シクロオクチル、シクロヘプチル等のようなシクロアルキル基;メトキシメ チル、エトキシメチル、ブトキシメチル、プロポキシエチル、ペントキシブチル 等のようなアルコキシアルキル基;フェノキシフェニル、フェノキシメチル等の ような アリールオキシアルキルおよびアリールオキシアリール基;フェノキシデシル、 フェノキシオクチル等のようなアリールオキシアルキル基;ベンジル、フェネチ ル、8-フェニルオクチル、10-フェニルデシル等のようなアリールアルキル基 ;およびエチル、プロピル、ブチル、フェニル、ベンジル、トリール、p-スチ リル、p-フェニルメチルクロリド、オクチル、ドデシル、オクタデシル、メト キシ・エチル、式、-C36COOH、-C510COOH、-C710COOH、- C714COOH、-C916COOH、-C1122COOH、-C1326COOH 、-C1530COOH、および、-C1734COOH、および、CH=C(CH3 )COOCH2CH2-で表される部位等のような置換基で終わっているポリプロ ピレングリコールおよびポリエチレングリコールである。このようなアンモニウ ム、スルホニウムおよびホスホニウム基はこの技術分野で良く知られており、対 応するアミン類、ホスフィン類、およびスルフィド類から誘導できる。 有用な膨潤/相溶化剤には、中性化合物も含まれる。例えば、有用な膨潤/相 溶化剤は上に挙げたオキソニウム化合物の中性型である層状材料と水素結合する アミン、ホスフィンおよびスルフィドを含んでいる。この場合、元の金属カチオ ンは置き換えられない。 他のクラスの膨潤/相溶化剤は層状材料と共有結合する物である。本発明の実 施において有用なグループの例は次式のシランカップリン剤である: -Si(R938 式中、R9は、各場合、同一または異なる基であって、少なくとも1個がアルコ キシであると言う条件でアルキル、アルコキシまたはオキシシランであり、そし てR8は複合材を形成する重合体と相溶性である有機の基よりなる群から選ばれ る;このような試剤の例に、例えばオクタデシルトリメトキシシラン、ガンマ- アミノプロピルトリエトキシシラン、ガンマ-アミノプロピルトリメトキシシラ ン、ガンマ-アミノプロピルフェニルジメトキシシラン、ガンマ-グリシドオキシ プロピルトリプロポキシシラン、3,3-エポキシシクロヘキシルエチル・トリ メトキシシラン、ガンマ-プロピオンアミド・トリエトキシシラン、N-トリメト キシシリルプロピル-N(ベーターアミノエチル)アミン、トリメトキシシ リルウンデシルアミン、トリメトキシシリル-2-クロロメチルフェニルエタン、 トリメトキシシリル-エチルフェニルスルホニルアジド、N-トリメトキシシリル プロピル-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド、N-(トリメトキシシ リルプロピル)-N-メチル-N,N-ジアリルアンモニウムクロリド、トリメトキ シシリルプロピルシンナメート、3-メルカプトプロピル・トリメトキシシラン 、3-イソシアナートプロピル・トリエトキシシラン等のようなアルコキシシラ ンがある。 他の例では、膨潤剤とは異なる相溶化剤を使用するのが便利である。例えば、 アルキルアンモニウムカチオンを用いてスメクタイト鉱物の金属カチオンを置き 換え、それに続いてシランカップリン剤で部分的に置き換えられる。この場合、 このアルキルアンモニウムカチオンは普通の目的の膨潤剤の作用を有するが、一 方シランは選ばれた重合体系に対し非常に特異的な相溶化剤として作用する。 本発明の望ましい態様では、膨潤剤、相溶化剤および/または膨潤/相溶化剤 は層状材料の表面に結合し、重合体とは反応しない部位を含んでいると考えられ る。この試剤は層状材料と結合しないで、重合体と相溶性である部位も含んでい ることが望ましい。本発明の望ましい態様では、膨潤/相溶化剤、特にオニウム 試剤およびシラン剤が用いられる。本発明の望ましい態様では、親油性の膨潤剤 と相溶化剤が用いられる。このような試剤は、例えば長鎖アルキル、アルケニル またはアルキルアリール基(約9個以上の脂肪族炭素原子が望ましい)のような 親油性部分を含んでいることが望ましい。このような試剤はこの技術分野で良く 知られており、シラン化合物およびオクタデシルアミン、トリメチルドデシルス ルフィド、オクタデシルスルフィド、ジメチルジドデシルアミン、オクタデシル アミン、ジオクチルホスフィン、メチルオクタデシルアミン、ジオクチルスルフ ィド、デシルスルフィド等のアンモニウム、スルホニウムおよびホスホニウム誘 導体を含んでいる。補正された用紙第22頁及び第22A頁の翻訳文:原翻訳文第16頁下から9行 〜第17頁下から9行(このシランは、・・・有機の基である。)と差し替える このシランは、アンモニウムカチオンを定量的に置換し、鉱物100g当たり約 60ミリモルアンモニウムカチオンと20ミリモルのシランを有する混合挿入層 状材料が得られる。 本発明の望ましい態様で、膨潤性の重合体相溶性の層間挿入層状化合物は、オ クタデシルアンモニウムカチオン(100ミリモル/100g鉱物)で錯化した 、モンモリロナイト[ゲルホワイト エイチエヌエフ、サザーン・クレー・プロ ダクト社(Gelwhite HNF,Southern Clay Prod ucts);N,N-ジメチルオクタデシルアンモニウムカチオン(100ミリ モル/100g)で錯化した、モンモリロナイト[ボルクレー、アメリカン コ ロイド社(Volclay,American Colloid Compan y);ジメチルジオクチルアンモニウムカチオン(80ミリモル/100g)で 錯化した、合成ヘクトライト[ラポナイト エス、ラポート インダストリー社 (Laponite S,Laporte Industries);市販のオ ルガノクレー[クレイトン エイピーエイ、サザーン・クレー・プロダクト社( Claytone APAR,Southern Clay Products );オクタデシルアンモニウムカチオン(80ミリモル/100g)で錯化し、 アミノエチルアミノプロピル・トリメトキシシラン(20ミリモル/100g) で修飾したモンモリロナイト等である。 ナノ複合材の製造に利用するために、望ましくは膨潤/相溶化剤はマトリック ス重合体(複数)の加工温度に加熱した時に分子鎖の切断またはマトリックス重 合体のその他の分解に起因する分解生成物を発生しないように選ばれる。高い加 工温度を必要とする重合体が用いられる場合には、特別の注意を払わなければな らない。例えば、第4アンモニウムカチオンは、約220から260℃で熱分解 が始まり、アルケン類とアミン類を生成する。熱安定性から考えると、ベータ- 脱離反応を起こさないシラン類と、例えば次式のオニウムカチオンが推奨される [(R123NC(R102-C(R113+ 式中、R10は水素または有機部位であり、R11は有機部位であり、そしてR12は 各場合に同一または異なる基であって、有機の基である。補正された用紙第30〜34頁の翻訳文:原翻訳文第24頁下から5行〜第31 頁最下行(灰分含量から・・・製造された。)と差し替える 灰分含量から推定した、押出し試料の鉱物含有量は約0.018重量%であった 。実施例1で説明した方法に従って、このオルガノクレーとナイロン6の複合材 を調製し、押出成形した。落重衝撃強さの測定結果を曲げ試験および引張り試験 の結果と合わせて表5に示した。 XRDパターンによると、これらナイロン/オルガノクレー複合材の結晶度は 40%で、ガンマ相微結晶に富んでいた。 a.X線回折法で測定した押出し物の結晶度 b.ASTM D3029、タイプAのタップ比較例2 超微粉タルク[ファイザー社(Pfizer)から入手したABT−2500 )とナイロン6(カプロン 8209F)の混合物を押出し、射出成形で試験試 料片を作り、ASTM D3029の方法に従ってそれらの落重衝撃強さを測定 した。灰分含量から推定した押出し試料の鉱物含有量は約0.018重量%であ った。実施例3 先ず、実施例1で説明した方法に従ってクレイトンAPAとナイロン6(カプ ロン 8209F)を混練してマスターバッチを製造し、次いでこのマスターバ ッチの一部を無充填ナイロン6と共に再押出し成形することにより一連の超稀薄 ナノ複合材を製造した。得られたナノ複合材の、マスターバッチの灰分含量(0 .018重量%)を基に計算した鉱物含有量は0.009重量%、0.0036 重量%および0.0018重量%であった。この稀薄ナノ複合材、無充填820 9F ナイロン6および比較例2のタルク核化ナイロン6の射出成形試料をXR Dで特性化し、その機械的性質をASTM D790の方法で試験し、また長時 間浸漬時の吸水性を調べた。これら試験の結果を表6に示した。 a.Claytone APATMから誘導された鉱物の含有量 b.XRD分析による1/4インチ成形試料の結晶度 c.水中に、20℃で2週間浸漬後測定 ナイロン6/オルガノクレー稀薄ナノ複合材は全て無充填ナイロン6より剛さ と強さが大きく、比較例2のタルク含有ナイロン6より耐吸水性が大きい。成形 試料をXRDで特性化し、これらは約35から42%のガンマ結晶ナイロン6か ら成り、アルファ相は約2%未満であることを示した。一方、同じ条件で成形し た無充填8209F ナイロン6は総結晶度は同程度(40%)であるが、アル ファ相/ガンマ相の比が72/28であることが分かった。微結晶の大きさと完 全さはクレー含有量の増加と共に増加した。実施例4 実施例1で説明した方法に従ってプロトン化11-アミノウンデカン酸で錯化 した粉末モンモリロナイトとナイロン6ペレット(カプロン 8207F)の混 合物を混練して、粘土鉱物を約0.27%含むナイロン6/オルガノクレー複合 材を製造した。 モンモリロナイト(Gelwhite HNF,Southern Clay Products)の4%懸濁液と11-アミノウンデカン酸-塩酸塩(100 ミリモル/100gクレー)とを約80℃で高剪断混合してオルガノクレー粉末 を調製した。凝集沈降物を濾取し、熱水で4回洗い、60℃で真空乾燥し、ボー ルミル中で回転し、200メッシュの篩を通した。ナイロン6/オルガノクレー 複合材のペレットおよび市販のガンマ相に富むナイロン6[東レ(Toray) から入手した1017K]のペレットを異なる温度で徐冷熱処理し、それらのX RDパターンで特性化した。徐冷熱処理後の試料の結晶度を表7に示した。 a.各試料の総結晶度は、約50から60%であった。実施例5 分散されたオルガノクレーを含むナイロン6とゴム系変性材との非相溶性ブレ ンドはオルガノクレーを含まない類似のブレンドに比べて曲げ強さとモジュラス が増加し、一方衝撃強さは保持される。このブレンドは、(1)ナイロン6とプ ロトン化ジペンチル・アンモニウムカチオンで錯化したモンモリロナイトとを、 その複合材が約0.2重量%の鉱物を含むような割合で二軸押出成形機中で混練 し、そして(2)このナイロン6/オルガノクレー複合材を、ポリ(エチレン- 共-メタクリル酸)[デュポン社から入手したサーリン(Surlyn)]のZ nイオノマーと、そのブレンドが約20重量%のサーリンを含むような割合で混 練することにより製造された。得られたブレンドはそのナイロン6フラクション 中で主としてガンマ結晶度を示し、一方サーリンとナイロン6重合体単独とのブ レンドでは、そのナイロン6フラクション中で主としてアルファ結晶度を示した 。実施例6 ナイロン6と粘土に共有結合したオニウム基または有機性基を含まない、血小 板状分散クレー粒子との稀薄複合材は強さと剛さが大きく、主としてガンマ結晶 度を示す。この複合材は、(1)高剪断速度で、Na+カチオンを挿入したモン モリロナイトと融解カプロラクタムおよび水を約1:3:1の比で混合し、(2 )粉末状のその混合物から真空乾燥によって水を除去し、(3)その混合物とナ イロン6を押出成形機中で混練し、そして(4)押出し成形物からカプロラクタ ムを沸騰水で抽出することにより製造された。実施例7 ナイロン6、オルガノクレー、およびガラス繊維および全ての他の非-核形成 充填材(名目上は、長さ1/8インチ)の84.8:0.2:15重量比の複合 材はオルガノクレーを含まない類似の組成物に比べてより高い強さと剛さを示す 。この複合材はまたそのナイロン・フラクションで主としてガンマ結晶度を示す 。この複合材はナイロン6とプロトン化オクタデシルアンモニウムカチオンで錯 化したヘクトライトを混練し、次いでこのナノ複合材をガラス繊維と混練するこ とにより製造された。補正された用紙第35〜36頁(請求の範囲)の翻訳文:原翻訳文第32頁と差 し替える 請求の範囲 1.ガンマ相ポリアミドを含んでなる重合体マトリックスからなる複合材料に して、該ポリアミドの総重量を基準にして該ポリアミドの少くとも約1重量パー セントがガンマ相であり、その中に分散された約20nm(200Å)に等しい かまたはそれ以下の厚みを有する層状材料および約10nm(100Å)に等し いかまたはそれ以下の平均直径を有するフィブリル状材料から成る群から選ばれ た、マトリックスの約0.5重量%未満の親有機性の微粒子材料を含んでいる複 合材料。 2.分散された微粒子材料の量がマトリックス100万部当たり5部(ppm )に等しいか、またはそれ以上である、請求の範囲第1項に記載の複合材。 3.該量が10ppmに等しいか、またはそれ以上である、請求の範囲第2項 に記載の複合材。 4.該量が20ppmに等しいか、またはそれ以上である、請求の範囲第3項 に記載の複合材。 5.該量が100ppmに等しいか、またはそれ以上である、請求の範囲第4 項に記載の複合材。 6.該微粒子材料が層状材料である、請求の範囲第2項に記載の複合材。 7.該層状材料がフィロ珪酸塩である、請求の範囲第6項に記載の複合材。 8.該重合体がアミノ酸またはその誘導体の重合によって製造されたポリアミ ド類から成る群から選ばれる、請求の範囲第7項に記載の複合材。 9.該ポリアミドがナイロン6またはナイロン12である、請求の範囲第8項 に記載の複合材。 10.該ポリアミドがナイロン6である、請求の範囲第9項に記載の複合材。 11.請求の範囲第1項に記載の複合材から形成された製品。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クリスティアニ,ブライアン・アール アメリカ合衆国ニュージャージー州07040, メイプルウッド,インディアナ・ストリー ト 139 (72)発明者 マーシー,サンジーヴァ・エヌ アメリカ合衆国ニュージャージー州08853, ネシャニック・ステーション,マザーズ・ レーン 405 (72)発明者 タラー,ハロルド アメリカ合衆国ニュージャージー州07853, ロング・ヴァレー,ジョーンズ・レーン (番地なし)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ガンマ相ポリアミドを含んでなる重合体マトリックスからなる複合材料に して、該ポリアミドの総重量を基準にして該ポリアミドの少くとも約1重量パー セントがガンマ相であり、その中に分散された約200Åに等しいかまたはそれ 以下の厚みを有する層間剥離した層状材料および約100Åに等しいかまたはそ れ以下の直径を有するフィブリル状材料から成る群から選ばれた、マトリックス の約0.5重量%未満の微粒子材料を含んでいる複合材料。 2.分散された微粒子材料の量がマトリックス100万部当たり5部(ppm )に等しいか、またはそれ以上である、請求の範囲第1項に記載の複合材。 3.該量が10ppmに等しいか、またはそれ以上である、請求の範囲第2項 に記載の複合材。 4.該量が20ppmに等しいか、またはそれ以上である、請求の範囲第3項 に記載の複合材。 5.該量が100ppmに等しいか、またはそれ以上である、請求の範囲第4 項に記載の複合材。 6.該微粒子材料が層状材料である、請求の範囲第2項に記載の複合材。 7.該層状材料がフィロ珪酸塩である、請求の範囲第6項に記載の複合材。 8.該重合体がアミノ酸またはその誘導体の重合によって製造されたポリアミ ド類から成る群から選ばれる、請求の範囲第7項に記載の複合材。 9.該ポリアミドがナイロン6またはナイロン12である、請求の範囲第8項 に記載の複合材。 10.該ポリアミドがナイロン6である、請求の範囲第9項に記載の複合材。
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