JPH0840774A - 窒化珪素質焼結体 - Google Patents
窒化珪素質焼結体Info
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- JPH0840774A JPH0840774A JP6178228A JP17822894A JPH0840774A JP H0840774 A JPH0840774 A JP H0840774A JP 6178228 A JP6178228 A JP 6178228A JP 17822894 A JP17822894 A JP 17822894A JP H0840774 A JPH0840774 A JP H0840774A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】窒化珪素からなる主結晶相と、その主結晶相の
粒界に少なくともRE2Si2 O7 (REは周期律表第
3a族元素)で表されるダイシリケート相と、融点が1
500℃以上のAl、Ga、Ti、Hf、Zr、Nb、
Ta、V、W、Mo、CrおよびFeの群から選ばれる
少なくとも1種の元素と周期律表第3a族元素との複合
酸化物相が存在することを特徴とするもので、さらに
は、粒界相にシリコンオキシナイトライド相が存在する
ことを特徴とする。 【効果】高温酸化雰囲気中で高い耐酸化性を有するとと
もに、室温から高温まで高い強度を有するとともに耐ク
リープ特性に優れた窒化珪素質焼結体を作製することが
でき、高温で使用される自動車部品やガスタービン用部
品として高い信頼性を付与することができる。
粒界に少なくともRE2Si2 O7 (REは周期律表第
3a族元素)で表されるダイシリケート相と、融点が1
500℃以上のAl、Ga、Ti、Hf、Zr、Nb、
Ta、V、W、Mo、CrおよびFeの群から選ばれる
少なくとも1種の元素と周期律表第3a族元素との複合
酸化物相が存在することを特徴とするもので、さらに
は、粒界相にシリコンオキシナイトライド相が存在する
ことを特徴とする。 【効果】高温酸化雰囲気中で高い耐酸化性を有するとと
もに、室温から高温まで高い強度を有するとともに耐ク
リープ特性に優れた窒化珪素質焼結体を作製することが
でき、高温で使用される自動車部品やガスタービン用部
品として高い信頼性を付与することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温での耐酸化性に優
れるとともに、高温での耐クリープ性に優れ、特にピス
トン、シリンダー、バルブ、カムローラ、ロッカーアー
ム、ピストンリング、ピストンピンなどの自動車用部品
や、タービンロータ、タービンブレード、ノズル、コン
バスタ、スクロール、ノズルサポート、シールリング、
スプリングリング、ディフューザ、ダクトなどのガスタ
−ビンエンジン用部品等に好適に使用される窒化珪素質
焼結体に関する。
れるとともに、高温での耐クリープ性に優れ、特にピス
トン、シリンダー、バルブ、カムローラ、ロッカーアー
ム、ピストンリング、ピストンピンなどの自動車用部品
や、タービンロータ、タービンブレード、ノズル、コン
バスタ、スクロール、ノズルサポート、シールリング、
スプリングリング、ディフューザ、ダクトなどのガスタ
−ビンエンジン用部品等に好適に使用される窒化珪素質
焼結体に関する。
【0002】
【従来技術】従来から、窒化珪素質焼結体は、高靱性、
耐熱性、耐熱衝撃性、および耐酸化特性に優れることか
らエンジニアリングセラミックス、特にタ−ボロ−タ−
等の熱機関用として応用が進められている。この窒化珪
素質焼結体は、一般には窒化珪素に対してY2 O3 、A
l2 O3 あるいはMgOなどの焼結助剤を添加すること
により高密度で高強度の特性が得られている。このよう
な窒化珪素質焼結体に対しては、さらにその使用条件が
高温化するに際して、高温における強度および耐酸化特
性のさらなる改善が求められている。かかる要求に対し
て、これまで焼結助剤の検討や焼成条件等を改善する等
各種の改良が試みられている。
耐熱性、耐熱衝撃性、および耐酸化特性に優れることか
らエンジニアリングセラミックス、特にタ−ボロ−タ−
等の熱機関用として応用が進められている。この窒化珪
素質焼結体は、一般には窒化珪素に対してY2 O3 、A
l2 O3 あるいはMgOなどの焼結助剤を添加すること
により高密度で高強度の特性が得られている。このよう
な窒化珪素質焼結体に対しては、さらにその使用条件が
高温化するに際して、高温における強度および耐酸化特
性のさらなる改善が求められている。かかる要求に対し
て、これまで焼結助剤の検討や焼成条件等を改善する等
各種の改良が試みられている。
【0003】その中で、従来より焼結助剤として用いら
れてきたAl2 O3 等の非晶質相あるいは低融点結晶相
を形成する酸化物が高温特性を劣化させるという見地か
ら、窒化珪素に対してY2 O3 等の周期律表第3a族元
素(RE)および酸化珪素からなる単純な3元系(Si
3 N4 −SiO2 −RE2 O3 )の組成からなる焼結体
において、その焼結体の粒界にSi−RE−O−Nから
なるYAM相、アパタイト相、シリコンオキシナイトラ
イド相等の結晶相を析出させることにより粒界相の高融
点化および安定化を図ることが提案されている。これら
の中でも、粒界にシリコンオキシナイトライド相および
/またはダイシリケート相が析出した焼結体は、優れた
高温での耐酸化性を有するものである。
れてきたAl2 O3 等の非晶質相あるいは低融点結晶相
を形成する酸化物が高温特性を劣化させるという見地か
ら、窒化珪素に対してY2 O3 等の周期律表第3a族元
素(RE)および酸化珪素からなる単純な3元系(Si
3 N4 −SiO2 −RE2 O3 )の組成からなる焼結体
において、その焼結体の粒界にSi−RE−O−Nから
なるYAM相、アパタイト相、シリコンオキシナイトラ
イド相等の結晶相を析出させることにより粒界相の高融
点化および安定化を図ることが提案されている。これら
の中でも、粒界にシリコンオキシナイトライド相および
/またはダイシリケート相が析出した焼結体は、優れた
高温での耐酸化性を有するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、粒界
にシリコンオキシナイトライド相および/またはダイシ
リケート相を析出させることにより、粒界が非晶質ある
いは低融点結晶相である場合に比較して高温特性はある
程度改善されるが、ダイシリケート自体は、1400℃
の高温で塑性変形するために焼結体全体としての高温強
度の向上を阻害する要因となっていた。そのために、粒
界にダイシリケート相を有する窒化珪素質焼結体の実用
化するには、未だ不十分であり、さらに高温強度の改善
が要求される。
にシリコンオキシナイトライド相および/またはダイシ
リケート相を析出させることにより、粒界が非晶質ある
いは低融点結晶相である場合に比較して高温特性はある
程度改善されるが、ダイシリケート自体は、1400℃
の高温で塑性変形するために焼結体全体としての高温強
度の向上を阻害する要因となっていた。そのために、粒
界にダイシリケート相を有する窒化珪素質焼結体の実用
化するには、未だ不十分であり、さらに高温強度の改善
が要求される。
【0005】従って、本発明は、低温から高温までの耐
酸化性に優れるとともに、室温から1400℃の高温ま
での抗折強度に優れた窒化珪素質焼結体を提供すること
を目的とするものである。
酸化性に優れるとともに、室温から1400℃の高温ま
での抗折強度に優れた窒化珪素質焼結体を提供すること
を目的とするものである。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、上記の
問題点に対し、粒界にダイシリケート相が析出した焼結
体の高温強度を改善すべく検討を重ねた結果、ダイシリ
ケート相の中に、特定の複合酸化物を分散析出させるこ
とにより、ダイシリケート自体の変形抵抗を大きくする
ことができ、高温強度を高めることができることを見い
だし、本発明に至った。
問題点に対し、粒界にダイシリケート相が析出した焼結
体の高温強度を改善すべく検討を重ねた結果、ダイシリ
ケート相の中に、特定の複合酸化物を分散析出させるこ
とにより、ダイシリケート自体の変形抵抗を大きくする
ことができ、高温強度を高めることができることを見い
だし、本発明に至った。
【0007】即ち、本発明の窒化珪素質焼結体は、窒化
珪素からなる主結晶相と、その主結晶相の粒界に少なく
ともRE2 Si2 O7 (REは周期律表第3a族元素)
で表されるダイシリケート相と、融点が1500℃以上
のAl、Ga、Ti、Hf、Zr、Nb、Ta、V、
W、Mo、CrおよびFeの群から選ばれる少なくとも
1種の元素と周期律表第3a族元素との複合酸化物相が
存在することを特徴とするものである。
珪素からなる主結晶相と、その主結晶相の粒界に少なく
ともRE2 Si2 O7 (REは周期律表第3a族元素)
で表されるダイシリケート相と、融点が1500℃以上
のAl、Ga、Ti、Hf、Zr、Nb、Ta、V、
W、Mo、CrおよびFeの群から選ばれる少なくとも
1種の元素と周期律表第3a族元素との複合酸化物相が
存在することを特徴とするものである。
【0008】以下、本発明を詳述する。本発明の窒化珪
素質焼結体の全体的な組織としては、窒化珪素結晶相を
主相とするものであり、この主相は、平均粒径1〜10
μmのβ−Si3 N4 相からなる。また、その主相の粒
界には少なくとも周期律表第3a族元素、Si(珪
素)、O(酸素)および/またはN(窒素)が存在す
る。本発明の構成において重要なのは、第1に粒界結晶
相としてダイシリケート相が存在することである。この
ダイシリケート相は、RE2 Si2 O7 (REは周期律
表第3a族元素)で表されるものであるが、場合によっ
てはSi2 N2 Oが析出する場合もある。
素質焼結体の全体的な組織としては、窒化珪素結晶相を
主相とするものであり、この主相は、平均粒径1〜10
μmのβ−Si3 N4 相からなる。また、その主相の粒
界には少なくとも周期律表第3a族元素、Si(珪
素)、O(酸素)および/またはN(窒素)が存在す
る。本発明の構成において重要なのは、第1に粒界結晶
相としてダイシリケート相が存在することである。この
ダイシリケート相は、RE2 Si2 O7 (REは周期律
表第3a族元素)で表されるものであるが、場合によっ
てはSi2 N2 Oが析出する場合もある。
【0009】本発明の窒化珪素質焼結体によれば、さら
に粒界相に複合酸化物相が分散していることが大きな特
徴である。この複合酸化物相は、融点が1500℃以上
のAl、Ga、Ti、Hf、Zr、Nb、Ta、V、
W、Mo、CrおよびFeの群から選ばれる少なくとも
1種の元素と周期律表第3a族元素との複合酸化物であ
り、一般式RExMyOz(Mは、Al、Ga、Ti、
Hf、Zr、Nb、Ta、V、W、Mo、CrおよびF
eの群から選ばれる少なくとも1種の元素、REは周期
律表第3a族元素)で表されるものである。この複合酸
化物の代表的なものを表1に示した。
に粒界相に複合酸化物相が分散していることが大きな特
徴である。この複合酸化物相は、融点が1500℃以上
のAl、Ga、Ti、Hf、Zr、Nb、Ta、V、
W、Mo、CrおよびFeの群から選ばれる少なくとも
1種の元素と周期律表第3a族元素との複合酸化物であ
り、一般式RExMyOz(Mは、Al、Ga、Ti、
Hf、Zr、Nb、Ta、V、W、Mo、CrおよびF
eの群から選ばれる少なくとも1種の元素、REは周期
律表第3a族元素)で表されるものである。この複合酸
化物の代表的なものを表1に示した。
【0010】
【表1】
【0011】これらの複合酸化物の中でも特に融点が2
000℃以上のものが好適に使用される。
000℃以上のものが好適に使用される。
【0012】更に好ましくは周期律表第3a族元素とし
ては、特にSc、Y、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、
Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素はイオン半径
が小さいために結晶の結合強度が高く、より粒界相の強
度を高めることから望ましく、周期律表第3a族元素と
複合酸化物を構成する金属としては、上記の中でも特に
Zr、Cr、Hf、Ta、Wは室温から1500℃まで
の温度範囲で相変態を起こさないため最も望ましい。
ては、特にSc、Y、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、
Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素はイオン半径
が小さいために結晶の結合強度が高く、より粒界相の強
度を高めることから望ましく、周期律表第3a族元素と
複合酸化物を構成する金属としては、上記の中でも特に
Zr、Cr、Hf、Ta、Wは室温から1500℃まで
の温度範囲で相変態を起こさないため最も望ましい。
【0013】この複合酸化物相は、窒化珪素主結晶粒子
の粒界に前記ダイシリケート相とともに粒界に0.05
〜2μmの大きさで点在するが、場合によってはダイシ
リケート粒内に点在する場合もある。
の粒界に前記ダイシリケート相とともに粒界に0.05
〜2μmの大きさで点在するが、場合によってはダイシ
リケート粒内に点在する場合もある。
【0014】なお、本発明によれば、上記組織および特
性を劣化させない範囲で、他の独立した相、例えば、周
期律表第4a、5a、6a族金属やそれらの炭化物、窒
化物、珪化物またはSiCなどが、分散粒子やウイスカ
ーとして存在してもよい。
性を劣化させない範囲で、他の独立した相、例えば、周
期律表第4a、5a、6a族金属やそれらの炭化物、窒
化物、珪化物またはSiCなどが、分散粒子やウイスカ
ーとして存在してもよい。
【0015】次に、本発明の窒化珪素質焼結体を製造す
るための具体的な方法について説明する。本発明によれ
ば、出発原料として窒化珪素粉末を主成分とし、添加成
分として周期律表第3a族元素酸化物酸化物粉末、酸化
珪素粉末と、周期律表第3a族元素とAl、Ga、T
i、Hf、Zr、Nb、Ta、V、W、Mo、Crおよ
びFeの群から選ばれる少なくとも1種の元素の複合酸
化物粉末を用いる。この複合酸化物粉末は、周期律表第
3a族元素酸化物とAl、Ga、Ti、Hf、Zr、N
b、Ta、V、W、Mo、CrおよびFeの群から選ば
れる少なくとも1種の金属の酸化物とを用いて、前述し
たRExMyOzの組成となるように調合した後、これ
を1000℃以上、融点以下の温度で仮焼することによ
り得られ、これを粉砕して平均粒径が0.3〜2μmと
したものを用いる。
るための具体的な方法について説明する。本発明によれ
ば、出発原料として窒化珪素粉末を主成分とし、添加成
分として周期律表第3a族元素酸化物酸化物粉末、酸化
珪素粉末と、周期律表第3a族元素とAl、Ga、T
i、Hf、Zr、Nb、Ta、V、W、Mo、Crおよ
びFeの群から選ばれる少なくとも1種の元素の複合酸
化物粉末を用いる。この複合酸化物粉末は、周期律表第
3a族元素酸化物とAl、Ga、Ti、Hf、Zr、N
b、Ta、V、W、Mo、CrおよびFeの群から選ば
れる少なくとも1種の金属の酸化物とを用いて、前述し
たRExMyOzの組成となるように調合した後、これ
を1000℃以上、融点以下の温度で仮焼することによ
り得られ、これを粉砕して平均粒径が0.3〜2μmと
したものを用いる。
【0016】また、周期律表第3a族元素酸化物や酸化
珪素粉末の添加形態として周期律表第3a族元素酸化物
とSiO2 からなる化合物、または窒化珪素と周期律表
第3a族元素酸化物とSiO2 との複合酸化物粉末を用
いることもできる。
珪素粉末の添加形態として周期律表第3a族元素酸化物
とSiO2 からなる化合物、または窒化珪素と周期律表
第3a族元素酸化物とSiO2 との複合酸化物粉末を用
いることもできる。
【0017】用いられる窒化珪素粉末は、α型、β型の
いずれでも使用することができ、その粒子径は0.4〜
1.2μm、不純物酸素量が0.8〜2.0重量%が適
当であり、直接窒化法、イミド分解法などのいずれの製
法によるものであっても構わない。
いずれでも使用することができ、その粒子径は0.4〜
1.2μm、不純物酸素量が0.8〜2.0重量%が適
当であり、直接窒化法、イミド分解法などのいずれの製
法によるものであっても構わない。
【0018】本発明によれば、上記の原料粉末を用い
て、3つの成分基準で、周期律表第3a族元素酸化物を
1〜15モル%、特に3〜8モル%、SiO2 を2〜3
0モル%残部Si3 N4 とし、更に上記3成分に対する
重量比で前記複合酸化物を1〜20重量%、特に3〜1
0重量%の割合で添加する。
て、3つの成分基準で、周期律表第3a族元素酸化物を
1〜15モル%、特に3〜8モル%、SiO2 を2〜3
0モル%残部Si3 N4 とし、更に上記3成分に対する
重量比で前記複合酸化物を1〜20重量%、特に3〜1
0重量%の割合で添加する。
【0019】上記組成において、焼結助剤としての周期
律表第3a族酸化物が1モル%より少ないと緻密化が難
しく、15モル%より多いと粒界相の絶対量が多くなり
焼結体の高温強度が低下する傾向にある。
律表第3a族酸化物が1モル%より少ないと緻密化が難
しく、15モル%より多いと粒界相の絶対量が多くなり
焼結体の高温強度が低下する傾向にある。
【0020】また、複合酸化物の量が1重量%より少な
いと強化効果が得られず、20重量%より多いと焼結過
程を阻害する。
いと強化効果が得られず、20重量%より多いと焼結過
程を阻害する。
【0021】さらに、本発明によれば、前記周期律表第
3a族酸化物と窒化珪素粉末中の不純物酸素分を含む酸
化珪素とのSiO2 /RE2 O3 で表されるモル比が2
〜20となるように制御する。これは、粒界相における
結晶相を上述したように制御するために必要であり、こ
の比率が2より小さいと、ダイシリケート相などの結晶
相が生成されずに、アパタイト相やYAM相などが粒界
の主結晶相として析出しやすくなり、20より大きいと
焼結性が低下するためである。
3a族酸化物と窒化珪素粉末中の不純物酸素分を含む酸
化珪素とのSiO2 /RE2 O3 で表されるモル比が2
〜20となるように制御する。これは、粒界相における
結晶相を上述したように制御するために必要であり、こ
の比率が2より小さいと、ダイシリケート相などの結晶
相が生成されずに、アパタイト相やYAM相などが粒界
の主結晶相として析出しやすくなり、20より大きいと
焼結性が低下するためである。
【0022】上記の割合で各粉末を秤量後、振動ミル、
回転ミル、バレルミルなどで十分に混合した後、混合粉
末を所望の成形手段、例えば、金型プレス、鋳込み成
形、押し出し成形、射出成形、冷間静水圧プレス等によ
り任意の形状に成形する。
回転ミル、バレルミルなどで十分に混合した後、混合粉
末を所望の成形手段、例えば、金型プレス、鋳込み成
形、押し出し成形、射出成形、冷間静水圧プレス等によ
り任意の形状に成形する。
【0023】その後、この成形体を公知の焼成方法、例
えば、ホットプレス法、常圧焼成法、窒素ガス加圧焼成
法などにより緻密化する。さらには、これらの焼成後に
熱間静水圧焼成(HIP)法により処理することにより
緻密化を高めることができる。また、その他の方法とし
て上記成形体または焼結体をガラスシールしてHIP法
により焼成することもできる。
えば、ホットプレス法、常圧焼成法、窒素ガス加圧焼成
法などにより緻密化する。さらには、これらの焼成後に
熱間静水圧焼成(HIP)法により処理することにより
緻密化を高めることができる。また、その他の方法とし
て上記成形体または焼結体をガラスシールしてHIP法
により焼成することもできる。
【0024】これらの焼成における具体的な焼成条件
は、窒素圧1〜100気圧の窒化珪素が分解しない窒素
圧下で1500〜1900℃の温度で焼成する。なお、
焼成温度が1900℃を越えると窒化珪素結晶が粒子成
長を起こし強度劣化を引き起こす。
は、窒素圧1〜100気圧の窒化珪素が分解しない窒素
圧下で1500〜1900℃の温度で焼成する。なお、
焼成温度が1900℃を越えると窒化珪素結晶が粒子成
長を起こし強度劣化を引き起こす。
【0025】次に、焼成終了後、冷却過程で熱処理を施
すか、または得られた焼結体を非酸化性雰囲気中で10
00〜1600℃の温度で熱処理することにより、粒界
相にダイシリケート相、またはダイシリケート相とシリ
コンオキシナイトライド相を析出させるとともに、複合
酸化物相を分散させることができる。
すか、または得られた焼結体を非酸化性雰囲気中で10
00〜1600℃の温度で熱処理することにより、粒界
相にダイシリケート相、またはダイシリケート相とシリ
コンオキシナイトライド相を析出させるとともに、複合
酸化物相を分散させることができる。
【0026】上記製造方法によれば、出発原料として複
合酸化物粉末を用いる場合について述べたが、他の方法
としてAl、Ga、Ti、Hf、Zr、Nb、Ta、
V、W、Mo、CrおよびFeの群から選ばれる少なく
とも1種の元素の単金属酸化物粉末を用いることもでき
る。その場合、焼成後の冷却過程で徐冷してRE2 Si
2 O7 (RE:周期律表第3a族元素)で表されるダイ
シリケート相中のREにCr,Hf、Nb、Zr、Ta
などを固溶させた後、1000〜1600℃の温度域で
再度熱処理を加えることにより、過飽和に固溶した金属
元素をRE2 Si2 O7 粒内にRExMyOzの複合酸
化物としてダイシリケート相中に微細に析出させて粒界
相にナノコンポジットの組織を形成することができ、こ
れにより粒界相の高温強度、さらに焼結体の高温強度を
一層向上させることができる。
合酸化物粉末を用いる場合について述べたが、他の方法
としてAl、Ga、Ti、Hf、Zr、Nb、Ta、
V、W、Mo、CrおよびFeの群から選ばれる少なく
とも1種の元素の単金属酸化物粉末を用いることもでき
る。その場合、焼成後の冷却過程で徐冷してRE2 Si
2 O7 (RE:周期律表第3a族元素)で表されるダイ
シリケート相中のREにCr,Hf、Nb、Zr、Ta
などを固溶させた後、1000〜1600℃の温度域で
再度熱処理を加えることにより、過飽和に固溶した金属
元素をRE2 Si2 O7 粒内にRExMyOzの複合酸
化物としてダイシリケート相中に微細に析出させて粒界
相にナノコンポジットの組織を形成することができ、こ
れにより粒界相の高温強度、さらに焼結体の高温強度を
一層向上させることができる。
【0027】
【作用】窒化珪素質焼結体は、1400℃より高い高温
で負荷が印加された状態で、変形から破壊に至ることが
知られている。焼結体の変形に対する抵抗は、粒界相の
高温におけるヤング率および高温耐塑性変形抵抗に大き
く影響される。周期律表第3a族元素のダイシリケート
相を粒界に有する窒化珪素質焼結体は、高温酸化雰囲気
においても非常に優れた耐酸化性を有するものである
が、ダイシリケート相自体はイオン結合型結晶であるた
め、高温で転位により塑性変形しやすい傾向にある。従
って、これを粒界相に有する窒化珪素質焼結体は、高温
における変形抵抗が低いものとなっている。
で負荷が印加された状態で、変形から破壊に至ることが
知られている。焼結体の変形に対する抵抗は、粒界相の
高温におけるヤング率および高温耐塑性変形抵抗に大き
く影響される。周期律表第3a族元素のダイシリケート
相を粒界に有する窒化珪素質焼結体は、高温酸化雰囲気
においても非常に優れた耐酸化性を有するものである
が、ダイシリケート相自体はイオン結合型結晶であるた
め、高温で転位により塑性変形しやすい傾向にある。従
って、これを粒界相に有する窒化珪素質焼結体は、高温
における変形抵抗が低いものとなっている。
【0028】本発明によれば、この高温強度を向上させ
るのに、高温で安定な粒子を組織中、特に粒界相に分散
させることにより塑性変形性を抑制しようとするもので
ある。よって、融点が1500℃以上の周期律表第3a
族元素と所定の金属元素との複合酸化物を用い、これを
粒界に分散させることによりダイシリケート相の高温に
おける転位を抑制し粒界の複合強化粒子として作用させ
ることにより高温酸化雰囲気中において優れた耐酸化性
を保持しつつ高温において高い強度を有するものが得ら
れる。
るのに、高温で安定な粒子を組織中、特に粒界相に分散
させることにより塑性変形性を抑制しようとするもので
ある。よって、融点が1500℃以上の周期律表第3a
族元素と所定の金属元素との複合酸化物を用い、これを
粒界に分散させることによりダイシリケート相の高温に
おける転位を抑制し粒界の複合強化粒子として作用させ
ることにより高温酸化雰囲気中において優れた耐酸化性
を保持しつつ高温において高い強度を有するものが得ら
れる。
【0029】
【実施例】原料粉末として窒化珪素粉末(BET比表面
積10m2 /g、α率95%、酸素量1.2重量%、イ
ミド熱分解原料)と、純度99.9%以上の周期律表第
3a族酸化物粉末(RE2 O3 )および純度99.9%
以上の酸化珪素粉末を準備した。
積10m2 /g、α率95%、酸素量1.2重量%、イ
ミド熱分解原料)と、純度99.9%以上の周期律表第
3a族酸化物粉末(RE2 O3 )および純度99.9%
以上の酸化珪素粉末を準備した。
【0030】一方、複合酸化物として、各種の周期律表
第3a族元素酸化物と、Al、Ga、Ti、Hf、Z
r、Nb、Ta、V、W、Mo、CrおよびFeの各金
属の酸化物を用いて、これらを所定の表1に示した所定
の比率で混合したものを1000〜1500℃で5時間
熱処理した後、これを粉砕して平均粒径が0.3〜2μ
mの粉末を得た。
第3a族元素酸化物と、Al、Ga、Ti、Hf、Z
r、Nb、Ta、V、W、Mo、CrおよびFeの各金
属の酸化物を用いて、これらを所定の表1に示した所定
の比率で混合したものを1000〜1500℃で5時間
熱処理した後、これを粉砕して平均粒径が0.3〜2μ
mの粉末を得た。
【0031】次に、上記の原料粉末を用いて表1に示す
モル比で秤量したものをイソプロピルアルコールを溶媒
として窒化珪素ボールを用いて72時間振動ミルで混合
粉砕し、スラリーを乾燥後、直径60mm、厚み10m
mの形状に3ton/cm2の圧力でラバープレス成形
した。
モル比で秤量したものをイソプロピルアルコールを溶媒
として窒化珪素ボールを用いて72時間振動ミルで混合
粉砕し、スラリーを乾燥後、直径60mm、厚み10m
mの形状に3ton/cm2の圧力でラバープレス成形
した。
【0032】そして、その成形体を表2に示す条件で焼
成し冷却した後、さらに窒素中で1400℃の温度で2
4時間熱処理した。
成し冷却した後、さらに窒素中で1400℃の温度で2
4時間熱処理した。
【0033】得られた焼結体に対してアルキメデス法に
よる比重から対理論密度比を算出するとともに、3×4
×40mmのテストピース形状に切断研磨し、JISR
1601に基づき室温および1500℃での4点曲げ抗
折強度試験を実施し、10個の試験結果の平均値を、耐
酸化性特性として焼結体を1400℃の大気中に100
時間保持した後の重量増加を測定し表2に示した。また
抗折試験片をJISR1601の3点曲げ試験と同様に
支持し、400MPaの負荷を印加し1400℃で最高
100時間保持し、破壊に至るまでの時間を測定した。
さらに、焼結体の表面のX線回折測定し粒界結晶相を同
定した。これらの測定結果は、表2に示した。
よる比重から対理論密度比を算出するとともに、3×4
×40mmのテストピース形状に切断研磨し、JISR
1601に基づき室温および1500℃での4点曲げ抗
折強度試験を実施し、10個の試験結果の平均値を、耐
酸化性特性として焼結体を1400℃の大気中に100
時間保持した後の重量増加を測定し表2に示した。また
抗折試験片をJISR1601の3点曲げ試験と同様に
支持し、400MPaの負荷を印加し1400℃で最高
100時間保持し、破壊に至るまでの時間を測定した。
さらに、焼結体の表面のX線回折測定し粒界結晶相を同
定した。これらの測定結果は、表2に示した。
【0034】
【表2】
【0035】表2から明らかなように、複合酸化物を全
く添加しない試料No.20、22では、耐クリープ性が
低く、また粒界結晶中にダイシリケートが析出していな
い試料No.21では、耐酸化性が低く、また耐クリープ
性も低いものであった。
く添加しない試料No.20、22では、耐クリープ性が
低く、また粒界結晶中にダイシリケートが析出していな
い試料No.21では、耐酸化性が低く、また耐クリープ
性も低いものであった。
【0036】これらの比較例に対して、上記以外の本発
明品は、いずれも抗折強度が室温で820MPa以上、
1400℃で660MPa以上、酸化重量増加分が0.
1mg/cm2 以下、耐クリープ特性が3.2hr以上
の優れた特性を示した。
明品は、いずれも抗折強度が室温で820MPa以上、
1400℃で660MPa以上、酸化重量増加分が0.
1mg/cm2 以下、耐クリープ特性が3.2hr以上
の優れた特性を示した。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
高温における耐酸化性を維持しつつ、高温強度および高
温での耐クリープ特性を向上することができる。これに
より自動車部品やガスタービン用部品などに用いた場合
においても高い信頼性を付与することができる。
高温における耐酸化性を維持しつつ、高温強度および高
温での耐クリープ特性を向上することができる。これに
より自動車部品やガスタービン用部品などに用いた場合
においても高い信頼性を付与することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】窒化珪素からなる主結晶相と、その主結晶
相の粒界に少なくともRE2 Si2 O7 (REは周期律
表第3a族元素)で表されるダイシリケート相と、融点
が1500℃以上のAl、Ga、Ti、Hf、Zr、N
b、Ta、V、W、Mo、CrおよびFeの群から選ば
れる少なくとも1種の元素と周期律表第3a族元素との
複合酸化物相が存在することを特徴とする窒化珪素質焼
結体。 - 【請求項2】前記粒界相に、さらにシリコンオキシナイ
トライド相が存在することを特徴とする請求項1記載の
窒化珪素質焼結体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6178228A JPH0840774A (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | 窒化珪素質焼結体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6178228A JPH0840774A (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | 窒化珪素質焼結体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0840774A true JPH0840774A (ja) | 1996-02-13 |
Family
ID=16044838
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6178228A Pending JPH0840774A (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | 窒化珪素質焼結体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0840774A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN1078715C (zh) * | 1995-07-24 | 2002-01-30 | 株式会社理光 | 墨筒 |
| CN114105672A (zh) * | 2020-08-31 | 2022-03-01 | 厦门稀土材料研究所 | 一种锆钽复合稀土基多孔高熵陶瓷及其制备方法 |
-
1994
- 1994-07-29 JP JP6178228A patent/JPH0840774A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN1078715C (zh) * | 1995-07-24 | 2002-01-30 | 株式会社理光 | 墨筒 |
| CN114105672A (zh) * | 2020-08-31 | 2022-03-01 | 厦门稀土材料研究所 | 一种锆钽复合稀土基多孔高熵陶瓷及其制备方法 |
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