[go: up one dir, main page]

JPH08323745A - 型慣れ材タブレット及びそれを用いた型慣れ方法 - Google Patents

型慣れ材タブレット及びそれを用いた型慣れ方法

Info

Publication number
JPH08323745A
JPH08323745A JP13246295A JP13246295A JPH08323745A JP H08323745 A JPH08323745 A JP H08323745A JP 13246295 A JP13246295 A JP 13246295A JP 13246295 A JP13246295 A JP 13246295A JP H08323745 A JPH08323745 A JP H08323745A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
accustomed
tablet
layers
plunger
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP13246295A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Hashimoto
眞治 橋本
Yasuhisa Kishigami
泰久 岸上
Kyoko Shimada
恭子 嶋田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP13246295A priority Critical patent/JPH08323745A/ja
Publication of JPH08323745A publication Critical patent/JPH08323745A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体素子の封止工程において、成形を繰り
返し行っても、プランジャーとカル間の離型及び成形品
と金型間の離型をし易い状態に保つ型慣れ材タブレット
及びそれを用いた型慣れ方法を提供する。 【構成】 エポキシ樹脂組成物をトランスファー成形す
る前に用いて、プランジャー表面に離型成分を付着させ
る、熱硬化性樹脂、離型剤、硬化剤及び硬化促進剤を含
有してなる円柱状、多角柱状又は錠剤状の型慣れ材タブ
レットにおいて、この型慣れ材タブレットが複層構造を
有し、この複層の中で、少なくとも1層が他の層と離型
性能が異なり、かつ、両端の少なくとも一方の外層が、
その他の層より離型性能が良い。前記複層構造が3層で
あり、両端の外層がいずれも、中間層より離型性能が良
い。前記型慣れ材タブレットを用いて、この型慣れ材タ
ブレットで、離型性能が良い方の外層面を、プランジャ
ー表面に当接して成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体素子等を封止用
樹脂によって封止する前段階として、金型からの離型効
果を持たせるために成形する型慣れ材タブレット及びそ
れを用いた型慣れ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ダイオード、トランジスター、集
積回路等の電気・電子部品や半導体装置等の封止方法と
して、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を主成分
とした半導体封止用成形材料を用いて、トランスファー
成形等によって封止する方法が、一般に行われている。
ところが、封止成形後のリードフレーム等のインサート
部品と封止樹脂との密着性を上げるために、半導体封止
用成形材料に含有される離型剤の量を低減したり、高い
密着性を発現しうる分子構造を持った樹脂を使用する必
要があった。これらの方策を採用した半導体封止用成形
材料を成形すると、インサート部品以外のプランジャー
や金型等の金属からの離型効果が小さく、カルや成形品
が金属部分から脱離し難くなってしまうという欠点があ
った。このため、封止成形の前段階として、インサート
部品以外のプランジャーや金型等の金属からの離型効果
を持たせるために、いわゆる型慣れ材と呼ばれる樹脂組
成物を成形することが一般に行われている。この型慣れ
材用樹脂組成物は、例えば、クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂又はビフェニル型エポキシ樹脂等のエポキシ
樹脂主剤、フェノールノボラック等の硬化剤、アミン類
又はホスフィン類等の硬化促進剤、シリカ又はタルク等
の無機粉末充填材、シランカップリング剤等のカップリ
ング剤、カルナウバワックス又はステアリン酸誘導体等
の離型剤(ワックス)及びカーボンブラック等の着色剤
等から構成されている。
【0003】このような型慣れ材を成形しても、その後
に封止成形を繰り返し行ってゆくと、離型効果は低下し
てくる。離型効果の低下が最初に現れるのは、トランス
ファープランジャーのタブレット接触面である。その原
因は次のように考えられる。すなわち、樹脂組成物中に
分散されているワックスは、樹脂との相溶性が低いため
樹脂の溶融によって凝集し、樹脂の硬化反応もあいまっ
て樹脂系外に押し出される。ここで、樹脂組成物が流動
する場合にはワックス微粒子の結合機会が増して凝集傾
向が高まり離型性能も増すが、樹脂組成物が流動しない
場合には、ワックス微粒子の結合機会が少なくなり、凝
集傾向が低いままのため、離型性能は高くならない。ト
ランスファー成形では、樹脂組成物タブレットのプラン
ジャーに接する面近傍の部分は成形終了までの間、ほと
んど流動しないので、金型内へ流動した部分に比べる
と、離型性の低下が早く生じることになると考えられ
る。
【0004】型慣れ材用組成物では、離型効果を長期間
保持するため、特定のワックスを特定量含んだ樹脂組成
物を型慣れ材として用いることも行われている。プラン
ジャーの離型効果を長期間維持するには、ワックス量の
多い方が好ましいが、多くなりすぎると、半導体装置の
素子やリードフレームといったインサート部品と封止樹
脂との界面に剥離が生じるという問題があった。これ
は、型慣れ材によってランナー部やキャビティー部の金
型内面に、もたらされた大過剰のワックスが、封止樹脂
成形時に封止樹脂に混入することにより発生すると考え
られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の事情に
鑑みてなされたもので、その目的とするところは、半導
体素子の封止工程において、成形を繰り返し行っても、
プランジャーとカル間の離型及び成形品と金型間の離型
をし易い状態に保つ型慣れ材タブレット及びそれを用い
た型慣れ方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
型慣れ材タブレットは、エポキシ樹脂組成物をトランス
ファー成形する前に用いて、プランジャー表面に離型成
分を付着させる、熱硬化性樹脂、離型剤、硬化剤及び硬
化促進剤を含有してなる円柱状、多角柱状又は錠剤状の
型慣れ材タブレットにおいて、この型慣れ材タブレット
が複層構造を有し、この複層の中で、少なくとも1層が
他の層と離型性能が異なり、かつ、両端の少なくとも一
方の外層が、その他の層より離型性能が良いことを特徴
とする。
【0007】本発明の請求項2に係る型慣れ材タブレッ
トは、前記複層の中で、少なくとも1層が他の層と離型
剤の濃度が異なることを特徴とする。
【0008】本発明の請求項3に係る型慣れ材タブレッ
トは、前記複層の中で、少なくとも1層が他の層と離型
剤の種類が異なることを特徴とする。
【0009】本発明の請求項4に係る型慣れ材タブレッ
トは、前記複層構造が3層であり、両端の外層がいずれ
も、中間層より離型性能が良いことを特徴とする。
【0010】本発明の請求項5に係る型慣れ方法は、型
慣れ材タブレットを用いて、エポキシ樹脂組成物をトラ
ンスファー成形する前に、プランジャー表面に離型成分
を付着させる型慣れ方法において、請求項1乃至請求項
4いずれかに記載の型慣れ材タブレットを用いて、この
型慣れ材タブレットで、離型性能が良い方の外層面を、
プランジャー表面に当接して成形することを特徴とす
る。
【0011】以下、本発明を詳述する。本発明に係る型
慣れ材タブレットは、エポキシ樹脂組成物をトランスフ
ァー成形する前に用いて、プランジャー表面に離型成分
を付着させて、成形品と金型間の離型をし易い状態に保
つものである。本発明に係る型慣れ材タブレットは、熱
硬化性樹脂、離型剤、硬化剤及び硬化促進剤を必須成分
とし、必要に応じて、充填材、カップリング剤、顔料を
含むものである。型慣れ材タブレットの形状としては、
例えば、円柱状、多角柱状又は錠剤状等が挙げられる。
【0012】本発明に用いる熱硬化性樹脂としては、エ
ポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂等を
例示できるが、一般的にはエポキシ系樹脂を用いること
が多い。エポキシ樹脂としては、例えば、クレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂又はビフェ
ニル型エポキシ樹脂等のようなエポキシ樹脂全般を用い
ることができる。
【0013】また、離型剤としては、含まれる不純イオ
ンが半導体装置に対して悪影響を与えない範囲内で、離
型効果を有するものである限りいずれのワックスを使用
して差し支えない。例示すると、ステアリン酸、モンタ
ン酸等の脂肪酸及びその塩やそのアマイド、カルボキシ
ル基含有ポリオレフィン(酸化ポリオレフィンも含
む)、天然カルナウバワックス等が挙げられる。
【0014】硬化剤としては、必要に応じてフェノール
ノボラック樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、イソシ
アネート、アミン系硬化剤、酸無水物等が用いられ、特
に限定されるものではない。
【0015】硬化促進剤としては、前記熱硬化性樹脂に
対して適当な硬化促進能力を有するものであり、エポキ
シ樹脂に対しては、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,
4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン若しく
はベンジルジメチルアミン等の3級アミン類、2−メチ
ルイミダゾール若しくは2−フェニル−4−メチルイミ
ダゾール等のイミダゾール類、トリブチルホスフィン若
しくはトリフェニルホスフィン等のホスフィン類又はテ
トラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等の
テトラフェニルボロン塩等を用いることができる。
【0016】また、充填材としては、溶融シリカ、結晶
シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、タルク、クレー等を用
いることができる。
【0017】また、充填剤の表面処理に用いるカップリ
ング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン又はγ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン等のシランカップリング剤が用いられる。そし
て、カーボンブラック等の着色剤等も用いることができ
る。
【0018】本発明に係る型慣れ材タブレットは、複層
構造を有し、この複層の中で、少なくとも1層が他の層
と離型性能が異なり、かつ、両端の少なくとも一方の外
層が、その他の層より離型性能が良いことが必要であ
る。前記複層の中で、少なくとも1層が他の層と離型剤
の濃度が異なるようにして、離型性能を変えることもで
きるし、前記複層の中で、少なくとも1層が他の層と離
型剤の種類が異なるようにして、離型性能を変えること
もできる。
【0019】本発明に係る型慣れ材タブレットは、例え
ば、図1に示すように、離型性能が良い方の層1とこの
層1より離型性能が劣る層2との2層構造であってもよ
いが、図2に示すように、両端の外層3、3が中間層4
より離型性能が良い3層構造であることが好ましい。前
記複層構造の外層の中で、離型性能が良い方の外層面
を、プランジャー表面に当接して成形する。例えば、前
記型慣れ材タブレットが2層構造の場合には、離型性能
が良い方の層1をプランジャー側に向けて成形すること
で、プランジャー付近へのみワックスを多く付着させる
ことが可能となり、プランジャーまわりの離型性を長期
間にわたり維持できる。前記型慣れ材タブレットが3層
構造の場合には、図2に示すように、両端の外層3、3
が中間層4より離型性能が良いので、プランジャー側に
向ける層は、両端の外層3、3のいずれの層でもよく、
方向性がないため、成形作業性が良好となり、型慣れ方
法が容易である。以上のようにして、プランジャー付近
へワックスを多く残すことが可能となり、プランジャー
まわりの離型性を長期間にわたり維持できる。また、プ
ランジャーと反対側の端面近傍の材料の大部分は、キャ
ビティーに至るまでのスプルー、ランナー等の流路の壁
面に残るので、半導体素子の封止成形の際に、キャビテ
ィー内のインサート部品と封止樹脂との密着への悪影響
は生じない。
【0020】図1に示すような、離型性能が良い層1
と、この層1より離型性能が劣る層2との2層構造の型
慣れ材タブレットを製造するには、例えば、圧縮成形に
よりタブレット化する際に、タブレット成形ポットの下
部に、ワックスあるいは、通常の型慣れ材よりもワック
ス含有率が高い及び/又は離型性能に優れた種類の異な
るワックスを含む型慣れ材の粉末を少量入れ、次に通常
の型慣れ材粉末を必要量加えて成形する方法により得る
ことができる。また、ワックスを予め溶解させた揮発性
の溶剤を、スプレーや捺染等で、通常の型慣れ材タブレ
ットの片端面に、塗布する方法でも得ることができる。
【0021】図2に示すような、両端の外層3、3が中
間層4より離型性能が良い3層構造の型慣れ材タブレッ
トを製造するには、例えば、圧縮成形によりタブレット
化する際に、タブレット成形ポットの下部に、ワックス
あるいは、通常の型慣れ材よりもワックス含有率が高い
及び/又は離型性能に優れた種類の異なるワックスを含
む型慣れ材の粉末を少量入れ、次に通常の型慣れ材粉末
を必要量加えた後、型慣れ材粉末の上端を低圧成形で平
坦化し、その上からさらに、ワックスあるいは、通常の
型慣れ材よりもワックス含有率が高い及び/又は離型性
能に優れた種類の異なるワックスを含む型慣れ材の粉末
を少量入れて成形する方法により得ることができる。ま
た、ワックスを予め溶解させた揮発性の溶剤を、スプレ
ーや捺染等で、通常の型慣れ材タブレットの両端の外層
面に、塗布する方法でも得ることができる。
【0022】なお、型慣れ材タブレットの製造方法は前
記に例示した方法に限定されるものではない。
【0023】
【作用】本発明の請求項1乃至請求項4に係る型慣れ材
タブレットは、エポキシ樹脂組成物をトランスファー成
形する前に用いて、プランジャー表面に離型成分を付着
させる、熱硬化性樹脂、離型剤、硬化剤及び硬化促進剤
を含有してなる円柱状、多角柱状又は錠剤状の型慣れ材
タブレットにおいて、この型慣れ材タブレットが複層構
造を有し、この複層の中で、少なくとも1層が他の層と
離型性能が異なり、かつ、両端の少なくとも一方の外層
が、その他の層より離型性能が良いので、プランジャー
付近へのみワックスを多く付着させることが可能とな
り、プランジャーまわりの離型性を長期間にわたり維持
できるとともに、キャビティー内のインサート部品と封
止樹脂との密着への悪影響は生じない。
【0024】特に、本発明の請求項4に係る型慣れ材タ
ブレットは、前記複層構造が3層であり、両端の外層が
いずれも、中間層より離型性能が良いので、プランジャ
ー側に向ける層は、両端の外層のいずれの層でもよく、
方向性がないため、成形作業性が良好となり、型慣れ方
法が容易である。
【0025】本発明の請求項5に係る型慣れ方法は、型
慣れ材タブレットを用いて、エポキシ樹脂組成物をトラ
ンスファー成形する前に、プランジャー表面に離型成分
を付着させる型慣れ方法において、請求項1乃至請求項
4いずれかに記載の型慣れ材タブレットを用いて、この
型慣れ材タブレットで、離型性能が良い方の外層面を、
プランジャー表面に当接して成形するので、プランジャ
ーまわりの離型性を長期間にわたり維持できるととも
に、キャビティー内のインサート部品と封止樹脂との密
着への悪影響は生じない。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0027】実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例
4の配合成分については、エポキシ樹脂としては、エポ
キシ当量195、軟化点70℃のクレゾールノボラック
型エポキシ樹脂(住友化学工業株式会社製;品番ESC
N195XL−4)を96.1重量部、硬化剤として
は、水酸基当量105のフェノールノボラック樹脂(群
栄化学株式会社製;品番PSM6200)を51.7重
量部、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(TP
P)を1.6重量部、着色剤としてカーボンブラックを
0.1重量部、充填材としては、非晶質シリカを360
重量部、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシランを2.0重量部、それぞれ用い
た。ワックスは、天然カルナウバワックス、酸化ポリエ
チレンワックス(ヘキストジャパン株式会社製;品番P
ED191)を用いた。
【0028】(型慣れ材aの作製)作製した材料のワッ
クス以外の配合量は前記の通りであり、充填材の表面を
カップリング剤で処理し、前記の配合量に加えて、天然
カルナウバワックスを5.2重量部添加した配合物をミ
キサーで3分間均一に混合分散した後、ロール温度75
℃のミキシングロールで6分間混練した。この混練物を
室温まで冷却し、粉砕し、6メッシュのふるいを通過し
た型慣れ材aを得た。
【0029】(型慣れ材bの作製)型慣れ材aの作製に
おいて、天然カルナウバワックスを32.6重量部添加
した以外は、型慣れ材aの作製と同様にして、型慣れ材
bを得た。
【0030】(型慣れ材cの作製)型慣れ材aの作製に
おいて、天然カルナウバワックスに代えて、酸化ポリエ
チレンワックス(ヘキストジャパン株式会社製;品番P
ED191)を用いた以外は、型慣れ材aの作製と同様
にして、型慣れ材cを得た。
【0031】(型慣れ材dの作製)型慣れ材bの作製に
おいて、天然カルナウバワックスに代えて、酸化ポリエ
チレンワックス(ヘキストジャパン株式会社製;品番P
ED191)を用いた以外は、型慣れ材bの作製と同様
にして、型慣れ材dを得た。
【0032】なお、型慣れ材タブレットの成形後に半導
体素子を封止成形する半導体封止用エポキシ樹脂成形材
料については、エポキシ樹脂として、エポキシ当量19
5のビフェニル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株
式会社製;品番YX4000H)を78重量部、硬化剤
として水酸基当量180のジシクロペンタジエン・フェ
ノール共重合体(三井東圧化学株式会社製;品番DPR
−5000)を72重量部、硬化促進剤としてTPPを
1.8重量部、ワックスとして、モンタン酸エチレンビ
スアマイドと天然カルナウバを各1.3重量部、カーボ
ンブラックを1.8重量部、粒子形状が球状の非晶質シ
リカ粉末を726.6重量部、カップリング剤としてγ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを7.2重
量部用いた。充填材の表面をカップリング剤で処理し、
前記配合成分をミキサーで3分間均一に混合した後、ロ
ール温度85℃のミキシングロールで6分間混練した。
この混練物を室温まで冷却し、6メッシュアンダーに粉
砕して半導体封止用エポキシ樹脂成形材料を得た。
【0033】(実施例1)内径13mmのタブレット成
形金型の底部に型慣れ材bを0.2gを平坦になるよう
入れた後、型慣れ材aを5.8g入れ、荷重1トンで成
形して型慣れ材タブレットを得た。この型慣れ材タブレ
ットを、外形寸法19mm×15mm、厚み2.4mm
の60ピンフラットパッケージ(FP)型IC金型が装
着され、かつトランスファープランジャー駆動時の圧力
検出が可能なトランスファー成形機を用いて、前記型慣
れ材タブレットを型慣れ材bのある面をプランジャー側
に向けてセットして、金型温度175℃、成形時間50
秒で成形した。次いで、前述の半導体封止用エポキシ樹
脂成形材料を用い、7.6mm×7.6mm、厚み0.
4mmの半導体素子を実装したダイパッド寸法8.2m
m×8.2mmの42アロイリードフレームを前記IC
金型で繰り返し50回成形した。
【0034】50回目のトランスファー成形の際に、5
0秒間の成形が終了し、トランスファープランジャーを
カルから引き離すのに必要な油圧系統の圧力を測定し、
プランジャーにかかる総圧力から、封止材とプランジャ
ーの接触面積の単位面積当たりの離型に必要な圧力(離
型抵抗)を算出した。この離型抵抗の小さい方が、離型
性能が良い。
【0035】半導体封止用エポキシ樹脂成形材料による
1回目のFP成形品は、超音波探査装置により、リード
フレームと封止樹脂間の界面剥離の有無を調べること
で、リードフレームと封止樹脂との密着性を評価した。
以上の結果を表1に示した。
【0036】(実施例2)実施例1において、内径13
mmのタブレット成形金型の底部に型慣れ材dを0.2
gを平坦になるよう入れた後、型慣れ材aを5.8g入
れ、荷重1トンで成形して型慣れ材タブレットを得た。
この型慣れ材タブレットを、成型時に型慣れ材dのある
面をプランジャー側に向けてセットした以外は、実施例
1と同様にして、離型抵抗、界面剥離の有無を調べて、
その結果を表1に示した。
【0037】(実施例3)実施例1において、内径13
mmのタブレット成形金型の底部に型慣れ材bを0.2
gを平坦になるよう入れた後、型慣れ材aを5.6g入
れ、表面を平坦にした後、型慣れ材bを0.2g入れて
平坦化してから荷重1トンで成形して型慣れ材タブレッ
トを得た以外は、実施例1と同様にして、離型抵抗、界
面剥離の有無を調べて、その結果を表1に示した。な
お、この型慣れ材タブレットは、両端面が型慣れ材bで
あるので、必然的に、成型時に型慣れ材bのある面がプ
ランジャー側に向くことになった。
【0038】(実施例4)実施例1において、内径13
mmのタブレット成形金型の底部に型慣れ材dを0.2
gを平坦になるよう入れた後、型慣れ材aを5.6g入
れ、表面を平坦にした後、型慣れ材dを0.2g入れて
平坦化してから荷重1トンで成形して型慣れ材タブレッ
トを得た以外は、実施例1と同様にして、離型抵抗、界
面剥離の有無を調べて、その結果を表1に示した。な
お、この型慣れ材タブレットは、両端面が型慣れ材dで
あるので、必然的に、成型時に型慣れ材dのある面がプ
ランジャー側に向くことになった。
【0039】(比較例1)実施例1において、内径13
mmのタブレット成形金型の底部に型慣れ材aのみ6g
を入れ、荷重1トンで成形して型慣れ材タブレットを得
た以外は、実施例1と同様にして、離型抵抗、界面剥離
の有無を調べて、その結果を表1に示した。
【0040】(比較例2)比較例1において、型慣れ材
aに代えて、型慣れ材bを用いた以外は、比較例1と同
様にして、離型抵抗、界面剥離の有無を調べて、その結
果を表1に示した。
【0041】(比較例3)比較例1において、型慣れ材
aに代えて、型慣れ材cを用いた以外は、比較例1と同
様にして、離型抵抗、界面剥離の有無を調べて、その結
果を表1に示した。
【0042】(比較例4)比較例1において、型慣れ材
aに代えて、型慣れ材dを用いた以外は、比較例1と同
様にして、離型抵抗、界面剥離の有無を調べて、その結
果を表1に示した。
【0043】
【表1】
【0044】表1から明らかなように、実施例1乃至実
施例4は、比較例1及び比較例3に比べて、離型抵抗が
小さく、繰り返し成型時の離型性に優れ、比較例2及び
比較例4に比べて、離型抵抗が同等で、かつ、半導体封
止材とインサート部品との密着性に悪影響を及ぼさない
ことが確認できた。
【0045】また、実施例1及び実施例2は、成形する
際に型慣れ材タブレットに方向性があり、プランジャー
に接触すべき面を逆向きにセットすると十分な離型性の
維持ができなくなるが、実施例3及び実施例4では、型
慣れ材タブレットには方向性が無いので成形の際のトラ
ブル低減、作業性の向上が図られている。
【0046】
【発明の効果】本発明の請求項1乃至請求項4に係る型
慣れ材タブレットによると、型慣れ材タブレットが複層
構造を有し、この複層の中で、少なくとも1層が他の層
と離型性能が異なり、かつ、両端の少なくとも一方の外
層が、その他の層より離型性能が良いので、プランジャ
ー付近へのみワックスを多く付着させることが可能とな
り、プランジャーまわりの離型性を長期間にわたり維持
できるので、成形を繰り返し行っても、プランジャーと
カル間の離型及び成形品と金型間の離型をし易い状態に
保つことができるとともに、キャビティー内のインサー
ト部品と封止樹脂との密着への悪影響が生じない。
【0047】特に、本発明の請求項4に係る型慣れ材タ
ブレットによると、前記複層構造が3層であり、両端の
外層がいずれも、中間層より離型性能が良いので、プラ
ンジャー側に向ける層は、両端の外層のいずれの層でも
よく、方向性がないため、成形作業性が良好となり、成
形工程のトラブル低減が図れ、型慣れ方法が容易であ
る。
【0048】本発明の請求項5に係る型慣れ方法による
と、請求項1乃至請求項4いずれかに記載の型慣れ材タ
ブレットを用いて、この型慣れ材タブレットで、離型性
能が良い方の外層面を、プランジャー表面に当接して成
形するので、プランジャーまわりの離型性を長期間にわ
たり維持できるとともに、キャビティー内のインサート
部品と封止樹脂との密着への悪影響が生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る2層構造の型慣れ材タブ
レットの斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係る3層構造の型慣れ材タブ
レットの斜視図である。
【符号の説明】
1 離型性能が良い層 2 離型性能が劣る層 3 外層 4 中間層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂組成物をトランスファー成
    形する前に用いて、プランジャー表面に離型成分を付着
    させる、熱硬化性樹脂、離型剤、硬化剤及び硬化促進剤
    を含有してなる円柱状、多角柱状又は錠剤状の型慣れ材
    タブレットにおいて、この型慣れ材タブレットが複層構
    造を有し、この複層の中で、少なくとも1層が他の層と
    離型性能が異なり、かつ、両端の少なくとも一方の外層
    が、その他の層より離型性能が良いことを特徴とする型
    慣れ材タブレット。
  2. 【請求項2】 前記複層の中で、少なくとも1層が他の
    層と離型剤の濃度が異なることを特徴とする請求項1記
    載の型慣れ材タブレット。
  3. 【請求項3】 前記複層の中で、少なくとも1層が他の
    層と離型剤の種類が異なることを特徴とする請求項1又
    は請求項2記載の型慣れ材タブレット。
  4. 【請求項4】 前記複層構造が3層であり、両端の外層
    がいずれも、中間層より離型性能が良いことを特徴とす
    る請求項1乃至請求項3いずれかに記載の型慣れ材タブ
    レット。
  5. 【請求項5】 型慣れ材タブレットを用いて、エポキシ
    樹脂組成物をトランスファー成形する前に、プランジャ
    ー表面に離型成分を付着させる型慣れ方法において、請
    求項1乃至請求項4いずれかに記載の型慣れ材タブレッ
    トを用いて、この型慣れ材タブレットで、離型性能が良
    い方の外層面を、プランジャー表面に当接して成形する
    ことを特徴とする型慣れ方法。
JP13246295A 1995-05-31 1995-05-31 型慣れ材タブレット及びそれを用いた型慣れ方法 Withdrawn JPH08323745A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13246295A JPH08323745A (ja) 1995-05-31 1995-05-31 型慣れ材タブレット及びそれを用いた型慣れ方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13246295A JPH08323745A (ja) 1995-05-31 1995-05-31 型慣れ材タブレット及びそれを用いた型慣れ方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08323745A true JPH08323745A (ja) 1996-12-10

Family

ID=15081939

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13246295A Withdrawn JPH08323745A (ja) 1995-05-31 1995-05-31 型慣れ材タブレット及びそれを用いた型慣れ方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08323745A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003037589A1 (en) * 2001-10-30 2003-05-08 Hitachi Chemical Co., Ltd. Sealing material tablet, method of manufacturing the tablet, and electronic component device

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003037589A1 (en) * 2001-10-30 2003-05-08 Hitachi Chemical Co., Ltd. Sealing material tablet, method of manufacturing the tablet, and electronic component device
US7208113B2 (en) 2001-10-30 2007-04-24 Hitachi Chemical Co., Ltd. Sealing material tablet method of manufacturing the tablet and electronic component device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10292094A (ja) エポキシ樹脂組成物、これを用いた樹脂封止型半導体装置、エポキシ樹脂成形材料、およびエポキシ樹脂複合タブレット
JP3455667B2 (ja) 樹脂封止型半導体装置の製造方法および樹脂封止型半導体装置
WO2014080717A1 (ja) 電子部品装置の製造方法、及び、電子部品装置
JP4148434B2 (ja) 半導体装置の製法
JPH08323745A (ja) 型慣れ材タブレット及びそれを用いた型慣れ方法
JP2006008956A (ja) 半導体封止用樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JP2000332165A (ja) 半導体封止用樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JP2001354754A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JP2003213087A (ja) 片面封止用エポキシ樹脂組成物及び片面封止型半導体装置
JP3152119B2 (ja) 封止用エポキシ樹脂タブレット
JP2000103938A (ja) 封止用のエポキシ樹脂組成物および半導体装置
JPH10324795A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置
JP4750518B2 (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JP3792870B2 (ja) 半導体封止用樹脂組成物
JP2002220511A (ja) 封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP4156083B2 (ja) 半導体封止用樹脂ペレットおよび半導体封止用樹脂ペレットの製造方法
JP4105344B2 (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物の製法
JP3591377B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JPH10324794A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置
JPH0794640A (ja) 樹脂封止型半導体装置の製法
JP2000007900A (ja) 封止用のエポキシ樹脂組成物および半導体装置
JPH05152363A (ja) 封止用エポキシ樹脂組成物の製法、該組成物を用いた樹脂封止型半導体装置の製法
JP4013049B2 (ja) 封止用エポキシ樹脂組成物及び樹脂封止型半導体装置
JP4265679B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2005314684A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020806