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JPH0820108A - インクジェットヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッドおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH0820108A
JPH0820108A JP15726194A JP15726194A JPH0820108A JP H0820108 A JPH0820108 A JP H0820108A JP 15726194 A JP15726194 A JP 15726194A JP 15726194 A JP15726194 A JP 15726194A JP H0820108 A JPH0820108 A JP H0820108A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
ink
buckling
piston
buckling body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP15726194A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Inui
哲也 乾
Koji Matoba
宏次 的場
Susumu Hirata
進 平田
Yorishige Ishii
頼成 石井
Shingo Abe
新吾 阿部
Kenji Ota
賢司 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP15726194A priority Critical patent/JPH0820108A/ja
Priority to DE1995116997 priority patent/DE19516997C2/de
Publication of JPH0820108A publication Critical patent/JPH0820108A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2002/14346Ejection by pressure produced by thermal deformation of ink chamber, e.g. buckling

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 座屈体を用いて効率のよい吐出特性を有する
インクジェットヘッドを得る。 【構成】 基板101にはインク供給孔102が設けら
れている。基板101に両端を固定され座屈変形を生じ
る座屈体106は、これに設けられたヒータ層109で
加熱され、インク供給孔102内部で基板101に垂直
方向に移動する。座屈体106と一体的に構成された、
インク供給孔102とほぼ同等な大きさのピストン10
3の基板に垂直な方向への運動でインクを吐出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液状のインクを微小な
液滴状にして吐出させ、紙面に飛翔させて印刷を行な
う、いわゆるインクジェットヘッドプリンタのヘッドに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】計算機の発達に伴い、その情報の出力装
置としてプリンタの存在が最近重要となっている。すな
わち、計算機からのコード情報,画像情報等を、紙やO
HP(オーバヘッドプロジェクタ)用のフィルムに印
字,印刷するためのプリンタに、計算機の小型高性能化
に伴い、より高性能,小型,高機能化が求められてい
る。このうち、液状のインクを紙,高分子フィルム等に
吐出させ、文字情報,画像を形成するインクジェットプ
リンタは、装置の小型化,高性能化,低消費電力などの
特徴があり、近年開発が盛んに行なわれている。
【0003】インクジェットプリンタの構造のうち、最
も重要なのは、インクを吐出させるインクジェットヘッ
ドと呼ばれる部分であり、このヘッドをいかに小型にか
つ低コストで作成できるかが鍵となる。
【0004】インクジェットヘッドの形式としては、従
来よりいくつかの方式が行なわれてきている。1つは圧
電素子を用いたもので、図13(a)および(b)は、
それぞれ圧電素子に通電した場合および通電を停止した
場合の略断面図である。容器10の内部に圧電素子11
が設けられ、圧電素子11と容器10の内壁との間にイ
ンク圧力室が形成され、容器10の一方にはインク流入
孔12、他方にはノズル13が設けられている。圧電素
子11に高電圧を印加して圧電素子11に機械的な変形
を生じさせ、この機械的な変位を用いてインク圧力室に
圧力を発生させ、これによりノズルよりインクを粒状に
して吐出させるものである。
【0005】また、別の方式として、バブルジェット方
式がある。図14はその一例の分解斜視図である。複数
のノズル22となる溝を形成した蓋20と基板21との
間のキャビティの内部にヒータ23が設けられている。
キャビティにはインクが充満されている。このヒータ2
3を急速に加熱することによりインクを沸騰させて泡を
形成し、この泡の発生による圧力変化でインクをノズル
から吐出させる。
【0006】また、公開特許公報平成2年第30543
号に示したように、インク室中にバイメタル素子を設
け、このバイメタル素子を加熱して変形させ、この変形
によりインクを加圧して吐出させるバックリング方式も
ある。
【0007】さらに、バイメタル素子の代わりに、座屈
構造体(以下座屈体という)を用いその変形によりイン
クを加圧して吐出させる方式がある。本出願人の出願に
係る特願平5−278271,特願平6−55525,
特願平6−96670等である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】まず、第1の圧電素子
を用いた方式では、圧電材料を多層化して圧電素子を形
成し、それを機械的に加工してヘッドを形成するが、圧
電素子を形成するときに機械的に加工する必要があるた
め、インク室の間隔をあまり小さくできず、結果的にイ
ンクを吐出させるノズルの間隔を小さくできないという
欠点があった。また、圧電素子の変形には高い電圧を必
要とする。
【0009】第2のバブルジェット方式の場合は、イン
クを沸騰させて泡を形成する必要があるため、ヒータを
瞬間的に数百℃の高温にする必要があり、ヒータの劣化
が避けられず、寿命が短いという欠点があった。
【0010】第3のバックリング方式は、駆動源として
異種材料を積層したバイメタル構造を形成する必要があ
り、構造が複雑となる欠点があった。また駆動源を作成
する場合、微小な駆動源を多数一括して作成することが
要求されるが、前述の公開特許公報の方法では、個別に
部品を作成して組立てなくてはならず、集積化が困難で
あった。さらにインク供給孔とバックリング体の形状に
問題があり、インク供給の効率が悪い。
【0011】座屈体を用いると、従来のバックリング方
式の欠点が除かれるが、さらに吐出特性の向上が望まれ
ている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明においては前記の
課題を解決するため以下のような手段を用いる。
【0013】 基板上にインクを供給するための供給
孔と、基板上に両端を固定され座屈変形を生じる座屈体
と、座屈体に絶縁層を介して取付けられ座屈体を加熱す
るヒータと、インク供給孔内部でその壁面に沿って往復
運動をし座屈体と一体的に構成されたピストン部を設
け、ピストン部の基板に垂直な方向の運動でインクを吐
出させる。
【0014】 座屈体の一方の面に接着層を介してオ
リフィスプレートを接着するとき、接着層と座屈体との
接着面の高さが実質的に等しくされる。
【0015】 基板の材料を単結晶シリコンとし、イ
ンク供給孔壁面が(111)面により構成されるように
する。
【0016】 ピストン部は座屈体とともに殻構造に
より構成される。 基板上にインク供給孔に対応する凹部を形成する工
程と、前記凹部の内部および基板上面に形成する座屈体
下部に犠牲層を形成する工程と、基板上面に座屈体およ
び前記凹部内部にピストン部を形成する工程と、その後
にインク供給孔の形成および犠牲層の除去を行なう工程
とを含む製造方法とする。
【0017】 前記の製造方法において基板にシリコ
ン単結晶を用い、凹部形成をシリコン異方性エッチング
により行なう。
【0018】 前記の製造方法において、座屈体下部
に形成する犠牲層をアルミニウム薄膜により形成する。
【0019】 前記の製造方法においてピストン部お
よび座屈体を同時にめっきにより形成する。
【0020】
【作用】 本発明においては、インクの吐出に座屈体の座屈現
象を用いているので、バイメタルや圧電素子などを用い
る場合に比べて駆動体の構造が簡単である。また、特に
ピストンの寸法を適切な大きさにすると、解像度が高く
かつ小型の集積ヘッドが構成できる。また、ピストンと
その周囲の壁面との隙間を適切に設定すると、インクの
逆流が防止でき、効率的な吐出が行なえる。隙間を基板
に垂直に設けると、ピストンの駆動によっても隙間の大
きさが変化せず、特性が変わりにくいとともに、隙間の
基板方向への長さ、すなわちピストンの厚さを大きくす
ることによって、インクの逆流抵抗(流路抵抗)を容易
に大きくでき、インクの逆流防止の作用を増大できる。
【0021】また、ヒータ回路を別に形成すると、座屈
体に直接電流を流す場合より抵抗値を高くでき、同じ電
力を与える場合に消費電力を小さくできる。また、ヒー
タを犠牲層によってできるギャップの上に形成するとヒ
ータ層が基板から浮いた状態になるため、加熱のとき基
板に逃げる熱が少なく、消費電力を低減できる。
【0022】 接着層をキャビティの形にパターニン
グすることにより、キャビティ形成を容易に行なうこと
が可能となる。また、このとき隣接するキャビティ間に
インクの流通が生じないよう隔離を完全にして作成でき
るので、インク吐出時に圧力の損失がなく効率を高めら
れる。
【0023】 基板の供給孔壁面に(111)面を用
いると、異方性エッチングの速度が遅いため、最後まで
この面が残り、供給孔および隙間の寸法が正確である。
【0024】また、このとき、基板の結晶面方位が(1
00)方位の基板を用いると、基板に垂直に供給孔を形
成でき、ピストンが移動しても隙間の大きさが変わら
ず、特性に変化がない。また、インクの逆流を防止する
作用が大きい。また、基板の結晶面方位が(110)で
ある基板を用いると、この基板は半導体の作成に主に用
いられ大量に消費されているため、安価にできるという
利点があり、コスト削減が可能となる。
【0025】 座屈体の中央部に設けたこれと一体の
殻構造のピストンは、凹形状となっているため、曲げ剛
性が高く変形を生じにくく、強固な構造体を構成でき
る。また、殻構造により構成されているので体積を大き
くしても稼働部の重量が小さく高速で駆動することが可
能となる。
【0026】また、座屈体,ピストンおよび配線部のめ
っきを一度にほぼ同じ厚さで行なうことができる。この
ようにすると、一部に肉厚の部分を設ける必要がなく、
全体を均等な厚さにできる。めっきを行なうときに、各
部の膜厚が異なると、往往にして膜内部に内部応力が発
生し、膜の形成後に残留応力が生じたり、残留応力によ
り膜が剥離したりすることがある。均等な厚さにめっき
が行なえれば、このような問題は解消され、内部応力の
発生を抑えることが可能で、作成後応力により変形した
りすることが避けられ、精密な構造物を作成できる。
【0027】 基板に凹部を形成してそこにピストン
部を形成し、凹部をそのままインク供給部に利用できる
ので、ピストン部の形状を正確に形成できる。また、凹
部に犠牲層を形成してから座屈体,ピストン部を形成す
るので、隙間の大きさを犠牲層の厚さにより制御でき、
極めて小さな隙間を容易に形成することができる。
【0028】 基板にシリコン単結晶を用い、供給孔
壁面に(111)面を残すようなプロセスを用いると、
異方性エッチングの速度が遅いため、最後までこの面が
残り、供給孔および隙間の寸法が正確である。
【0029】また、このとき基板に(100)方位の基
板を使うプロセスを用いると、基板に垂直に供給孔を形
成でき、ピストンが移動しても隙間の大きさが変わら
ず、特性に変化がない。また、インクの逆流も防止す
る。また、結晶面方位が(110)である基板を使うプ
ロセスを用いると、この基板は半導体の作成に大量に消
費されているため、安価に入手できるという利点があ
り、コストを削減できる。
【0030】 犠牲層としてアルミニウムを用いる
と、犠牲層の形成に蒸着,スパッタを用いることがで
き、薄い犠牲層が容易に形成でき、また容易にエッチン
グが可能なので、微細なパターンの形成が容易である。
また、アルミニウムの場合、エッチングを行なうと薄い
隙間の内部も残渣が残らず容易にエッチングできるとい
う特性があり、薄い犠牲層を形成できる作用があるの
で、インクの逆流を防止する。
【0031】犠牲層にアルミニウムを用いると、異方性
エッチングと同時にアルミニウムのエッチングも進行
し、犠牲層の除去が同時に行なわれるので、プロセスの
簡易化が図れる。
【0032】 ピストン形成をめっきで行なうと、凹
部へのピストン形成を容易に行なうことができる。ま
た、特にめっきの場合、材料としてNi,Cu,Co等
を用いることができるが、これらはめっきが容易で内部
応力の低い膜を形成するのが容易である。また、これら
の金属は熱膨張率もヤング率も比較的大きく、座屈体に
蓄えられる歪みエネルギを大きくすることが可能であ
る。また、これらの合金を作ることも容易であり、この
場合は座屈体の強度を高めて寿命を伸ばすとともに、歪
みエネルギを増やすことが可能である。また、めっきを
用いると、ピストン部を凹部を持つ等しい厚さの殻構造
で構成することが可能である。
【0033】
【実施例】図1は本発明の一実施例の断面図である。シ
リコンの単結晶の基板101の面に垂直にインク供給孔
102が設けられている。インク供給孔102内部に
は、その壁面104に沿って基板101に垂直な方向に
可動なピストン103が設けられている。ピストン10
3とインク供給孔102の壁面104との隙間105
は、およそ0.05〜5μmの範囲に設定される。ピス
トン103は座屈体106と一体的に固着され、支持さ
れる。
【0034】座屈体106の両端部はそれぞれ固定部1
07,107で基板101に固着されるが、それ以外の
部分は固着されることなく、基板101からは隙間10
8を保って浮いた状態にある。座屈体106の端部の裏
面には、それぞれ上部絶縁層110を介してヒータ層1
09が設けられている。ヒータ層109の裏面は下部絶
縁層111により挟まれ、座屈体106と電気的な絶縁
および加熱時の酸化・劣化および腐食の防止の役割を果
たしている。基板101の両面はSiO2 による酸化膜
112が設けられている。図では下部絶縁層111は座
屈体106の全長にわたって設けられているが、特に全
長にわたって設ける必要はなく、ヒータ層109を覆っ
ていれば十分である。
【0035】ヒータ層109へは配線層113により電
気信号が供給され、加熱を行なう。座屈体106に通電
して加熱することもできるが、ヒータ層を設ける方が加
熱に便利である。
【0036】座屈体106の両端の固定部107および
その周囲上には、接着層114が設けられ、その上にオ
リフィス板115を接着している。接着層114で囲ま
れた空間はインクを収容するキャビティ117となる。
オリフィス板115にはノズル116が設けられ、ここ
からインクが吐出する。次に、図1の素子の動作につい
て説明する。
【0037】この素子の動作時には、接着層114によ
り囲まれたキャビティ117にインク供給孔102より
インクが供給され、キャビティ117、隙間108、1
05、インク供給孔102がすべてインクで充満された
状態にされる。
【0038】そしてヒータ層109にパルス状に電流が
外部電源(図示せず)より供給され、急激に加熱され
る。すると、それに接している座屈体106も急激に加
熱されて熱膨張を生じる。ところが、座屈体106の両
端はそれぞれ固定部107により基板101に固定され
ているため、熱膨張は座屈体106内部に圧縮応力をも
たらす。この圧縮応力がある限界を越えると、座屈体1
06は、急激に変形を生じ(座屈し)、図1に点線で示
すように、基板101の垂直方向に変形する。すると、
座屈体106と一体的に構成されているピストン103
も点線の位置まで移動する。
【0039】このとき、キャビティ117にはピストン
103の移動によって、図1で斜線を設けた部分118
だけの体積変化が生じる。この体積変化は、ヒータ10
9の加熱を急速に行なうことにより、座屈体106の変
形を生じさせられるので、急速に生じさせることができ
る。このため、キャビティ117には圧力増大が急速に
生じ、これによりノズル116よりインクを吐出させる
ことができる。
【0040】ヒータ層109への電流パルスが流れなく
なると、座屈体106は冷却され、元の状態に戻り変形
はなくなる。このとき、吐出したインクに見合う量のイ
ンクがインク供給孔102から、隙間105を通ってキ
ャビティ117内に供給されるので、再度電流パルスを
ヒータ層109に加えることによりインクの吐出を行な
うことが可能になる。
【0041】このピストンの動作をさらに詳しく表わし
たものが図9(a),(b)であり、それぞれ座屈体1
06の変形前および変形後の状態を示す断面図である。
座屈体106が加熱により熱膨張し、図9(b)のよう
に座屈変形を生じる。この結果、ピストン103が基板
101に対して垂直方向に駆動される。インクの吐出は
図12(a)および(b)に示される。(a)は座屈体
の変形前の状態であり(b)は座屈体の変形後の状態で
ある。座屈体106の変形によりピストン103は基板
101に垂直に駆動されキャビティ117内に圧力上昇
をもたらしインク滴を吐出させる。
【0042】ここで、インクの吐出を効率的に行なうに
は、次のような点が重要である。 ピストン103の移動によりインクの吐出を行なう
ときに、体積変化118を、吐出させるインク粒の体積
の2〜3倍以上にとる必要がある。したがって、ピスト
ン103は大きい方がよい。しかし大き過ぎるとヘッド
全体が大型化するため、適度な大きさを選択しなくては
ならない。一般に、プリンタの解像度は300〜600
dpi(dot per inch)必要とされている。ノズルがこ
の間隔で並ぶと、一体的に構成されたヘッドが作成でき
る。したがって、ヘッドの横幅は80から40μm以下
であるのが望ましい。したがって、ピストン103の長
さを300から600μmにし、インク滴の直径をおよ
そ40μmとすると最低5から6μmの変位が必要であ
る。一方、座屈体106の加熱される部分の長さ(ピス
トン103を除いた片側の長さ)が300μmとする
と、厚さ,上昇温度にもよるが5から20μmの変形が
可能であり、インクの吐出が可能になる。
【0043】特に、ピストン103の長さを300μ
m、幅を50μm、厚さを50μm程度にすると、解像
度が高くかつ小型の集積ヘッドが構成できる。
【0044】 ピストン103が移動してインクの吐
出を行なうときは、キャビティ117のインクは加圧さ
れ、ノズル116から吐出するが、同時に隙間105を
通って供給孔102側に逆流する。したがって、隙間1
05はできるだけ小さい方が好ましい。ただし、あまり
小さくし過ぎると、ピストン103の駆動が終わって、
元の位置に戻るときに、キャビティ117へのインクの
供給が追いつかず、キャビティ117にノズル116か
ら空気を吸い込んで、動作不良の原因になるので適度な
隙間を選択するのが重要である。
【0045】隙間105は、実施例に示したように基板
に垂直方向に設け、その大きさを5μm以下特に好まし
くは1から0.05μmの間に設定すると、インクの逆
流が防止でき効率的な吐出が行なえる。隙間105を基
板に垂直に設けると、ピストン103の駆動によっても
隙間105の大きさが変化せず、特性が変わりにくい。
【0046】また、隙間105を基板に垂直に設ける
と、隙間105の基板101に垂直方向への長さ、すな
わちピストン103の厚さを大きくすることによって、
インクの逆流抵抗(流路抵抗)を容易に大きくでき、イ
ンクの逆流防止の作用を増大できる。ピストン103の
厚さとしては、ピストンの移動距離より大きいことが望
ましく、最低5μm、好ましくは20μm以上である。
【0047】図2(a)〜(f)は、前述の第1の実施
例の素子を作成する各工程の略断面図である。
【0048】まず図2(a)に示すように、基板101
の両面に酸化膜112を形成しこれにパターニングを行
なって窓をあけた後、KOH溶液を用いて異方性エッチ
ングを行なう。ここで基板101に基板面の結晶面方位
が(110)である基板を用いると、エッチング速度の
遅い(111)面が残り、基板101に垂直な方向にエ
ッチングが進行し、両面に凹部203−a,203−b
が形成されるので、図1で説明したインクの逆流を防止
する隙間105を正確に形成できる。凹部203−a,
203−bで挟まれる残存部212はピストン形成のた
めの土台となる。
【0049】次に図2(b)に示すように、犠牲層20
4を形成する。犠牲層204は、最後にエッチングによ
り除去され、図1の隙間105,108を形成するため
のもので、材料としてはアルミニウム、二酸化シリコ
ン、フォトレジスト、ポリイミド樹脂を用いることがで
きる。アルミニウム、二酸化シリコンを犠牲層として作
成する方法としては、蒸着,スパッタ,CVD等の方法
を用いることができる。次に上方の凹部203−aに金
属をめっきすることによりピストン103を作成する。
これは、めっき前に全体に下地となる導電層(たとえば
Ni,Ta,Ag)を0.01〜1μmの厚さで形成
し、この上に、めっきしたくない部分をフォトレジスト
で覆い、部分めっきを行なうことで達成できる。この場
合、凹部203−aの角部217によって前記の導電層
が断線しないよう、導電層の作成時に基板101の回転
や斜め方向からの成膜を行なうことが有効である。ま
た、段差の被覆を良好にできるCVD等の成膜方法を採
用するのも特に有効である。ピストン103は、ほぼ基
板101の上面と同じ高さまで形成する。ピストン10
3を構成する材料としては、Ni,Cu,Co,P,S
あるいはそれらの合金を用いることができる。
【0050】ここで犠牲層204としてアルミニウムを
用いると、犠牲層の形成に、蒸着,スパッタを用いるこ
とができ、薄い犠牲層が容易に形成でき、また、容易に
エッチングが可能なので、微細なパターンの形成が容易
である。また、アルミニウムの場合、エッチングを行な
うと薄い隙間の内部も残渣が残らず容易にエッチングが
できるという特性があり、薄い犠牲層を形成できるの
で、隙間を小さくしインクの逆流を防止する。
【0051】また、ピストン103の材料としてNiを
用いると、めっきが容易で特に内部応力の低い膜を容易
に形成できる。
【0052】次に図2(c)に示すように、下部絶縁層
111,ヒータ層109、上部絶縁層110を順次形成
する。
【0053】上部および下部絶縁層110,111の材
料としては、SiO2 ,Al2 3等の酸化物、Si
N,AlN,TaN,MoN等の窒化物、SiC等の炭
化物を用いることができる。
【0054】ヒータ層109の材料は、Ni,Co,C
r,Hf,Mo,Taまたはその合金を用いることがで
きる。ヒータ層109はジグザグ状、あるいは鋸歯状等
長さを長くするように形成することが可能で、このこと
により抵抗値を大きくし、消費電流を低減できる作用が
ある。
【0055】また、ヒータ層109を犠牲層204の上
に形成すると、図1のようにヒータ層109が基板10
1から浮いた状態になるため、加熱のとき基板101に
逃げる熱が少なく、消費電力を低減できる。
【0056】次に図2(d)に示すように、座屈体10
6および配線パターン210をめっきにより形成する。
めっきの方法は、めっきの不要な部分211にフォトレ
ジストでパターンを形成し、めっき後レジストを除去す
ることで行なえる。配線パターン210は、配線をヒー
タ層109に接続するようなパターンに形成する。座屈
体106を構成する材料としてはNi,Cu,Co,
P,Sあるいはそれらの合金を用いることができる。
【0057】特にNi,Cu,Coは熱膨張率もヤング
率も比較的大きく、座屈体に蓄える歪みエネルギを大き
くすることが可能で大きな吐出エネルギを得られる。ま
た、これらの合金を用いると座屈体106の強度を向上
させ、寿命を伸ばすとともに、ヤング率を増大させて歪
みエネルギを増やして吐出エネルギを増大させる。
【0058】次に図2(e)に示すように、以上の処理
を施した基板101全体をKOH溶液に浸して異方性エ
ッチングを行ない、残っていた残存部212を除く。こ
のとき犠牲層204にアルミニウムを用いていると、異
方性エッチングと同時にアルミニウムのエッチングも進
行し、犠牲層204の除去が同時に行なわれるので、プ
ロセスの簡略化が図れる。
【0059】次に図2(f)に示すように基板101の
上部に、ノズル116を有するオリフィス板115を接
着層114により接着する。接着層114としては紫外
線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤を用いることができ
る。
【0060】図3は接着層114のパターンおよびその
周辺の平面図である。接着層114は斜線のような形状
に構成され、これによりキャビティ117を形成する。
ヒータ層109は座屈体106の固定部107の下をく
ぐって座屈体106の下部に形成されているヒータ層に
接続されている。ヒータ層109は配線層113に接続
されている。座屈体106は、たとえばニッケルめっき
層に隙間301,301を穿設して形成される。
【0061】ここで、接着層114が形成される図2
(f)の面216の高さは、基板全体にわたってほぼ等
しく設定する。ヒータ層109が固定部107をくぐる
一部分のみ高くなるが、ヒータ層109ならびに上部お
よび下部絶縁層110,111の厚さを薄くしておけ
ば、実質的に無視できる程度に構成することができる。
第1の実施例の場合、キャビティ117の高さは10か
ら50μmは必要であるため、接着層114の厚さはこ
の厚さに設定する。一方ヒータ層109、上部および下
部絶縁層110,111の厚さはいずれも0.1から1
μm程度の厚さに形成する。本発明の場合、ヒータ層は
薄い方が座屈体に対する熱伝導が良くなり、効率的に加
熱することが可能になる。また、ヒータ層、上部および
下部絶縁層は薄膜プロセスで構成するので、前記のよう
な厚さに形成することが可能である。すると、面216
の高さは実質的に同じ高さに構成することができる。こ
のようにすると接着層114を図3のようにキャビティ
の形にパターニングした時、隣接するキャビティ間にイ
ンクの流通が生じないよう、隔離を完全にすることが容
易にできる。もし、段差があると、その部分に隙間が生
じてインク吐出の時に圧力の損失が生じて吐出が行なえ
なくなる。したがって、このようにするとインクを吐出
させるときに圧力の損失がなく効率を高められる。
【0062】図4は本発明の第2の実施例の略断面図で
ある。シリコン単結晶の基板101の基板面に斜めに上
下の斜面404−a,404−bを有するインク供給孔
402が設けられている。供給孔402内部には、供給
孔402の上部の壁面404−aとほぼ同等な断面をも
ち、基板101に垂直な方向に可動な断面台形のピスト
ン403が設けられている。ピストン403とインク供
給孔402の上方の壁面404−aとの隙間405は、
およそ0.05〜5μmの範囲に設定される。ピストン
403は座屈体106と一体的に固着され支持される。
座屈体106の両端部は、シリコン基板101に固着さ
れるが、それ以外の部分は固着されることなく、基板1
01からは隙間408を保って浮いた状態にある。座屈
体106の裏面にはヒータ層109が設けられ、図4の
例では左右に1個ずつ設けられている。ヒータ層109
は上部絶縁層110、下部絶縁層111により挟まれ、
座屈体106と電気的な絶縁および加熱時の酸化・劣化
および腐食の防止の役割を果たしている。シリコン基板
101の両面には、それぞれ酸化膜112が設けられて
いる。
【0063】ヒータ層109へは配線層113により電
気信号が供給され加熱を行なう。座屈体106の固定部
107およびその周囲上には接着層114が設けられ、
その上にオリフィス板115を接着している。オリフィ
ス板115にはノズル116が設けられ、ここからイン
クが吐出する。
【0064】第2の実施例では、インク供給孔404の
壁面404−a,404−bが基板101に対して垂直
でなく、ある角度を有している以外構造的には第1の実
施例と全く等価であり、これと同じ構造的な利点を有す
る。ただし、ピストン403の往復に際し隙間405が
変動する。ここで、インク供給孔402は酸化膜112
にパターニングを行なって窓を開けた後、KOH溶液を
用いて異方性エッチングを行なう。この際基板101に
基板面の結晶面方位が(100)であるシリコン単結晶
を用いると、エッチング速度の遅い(111)面が残
り、基板101に対し55°の方向に壁面404−a,
404−bが形成される。
【0065】結晶面方位が(100)である基板は、半
導体の作成に主に用いられ、大量に消費されているた
め、安価に入手できるという利点があり、コストを削減
できる。
【0066】また、この吐出の動作についても、図1に
示した第1の実施例と全く同じで、基板に対し垂直方向
にピストン403が移動し、インクをノズル116から
吐出させる。図10(a)および(b)はこのピストン
の動作をさらに詳しく表わしたもので、それぞれ、座屈
体106の変形前および変形後の断面図である。座屈体
106は加熱により熱膨張し、図10(b)のように座
屈変形を生じる。この結果、ピストン403が基板10
1に対して垂直方向に駆動される。
【0067】ここで、インクの吐出を効率的に行なう点
についても第1の実施例と同じであり、次のような点が
重要であり、ピストン403の大きさに関して同じ議論
を行なうことができ、その結果、特にピストン403の
長さを断面台形の長辺の長さを300μm、幅を50μ
m、厚さを50μm程度にすると、解像度が高く、かつ
小型の集積ヘッドが構成できる。
【0068】また隙間405の大きさについても第1の
実施例と同じであり、第2の実施例では基板に55°の
面方向に設けられるが、その大きさを5μm以下、特に
好ましくは1から0.05μmの間に設定するとインク
の逆流が防止でき、効率的な吐出を行なえる。また、隙
間405の長さ、すなわちピストン403の厚さを大き
くすることによって、インクの逆流抵抗(流路抵抗)を
容易に大きくでき、インクの逆流防止の作用を増大でき
る。ピストン403の厚さとしては、ピストン403の
移動距離より大きいことが望ましく、最低5μm、好ま
しくは20μm以上であるということについても同じで
ある。
【0069】図5(a)〜(f)は、第2の実施例の構
成を作成する各工程の略断面図である。この各工程が図
2(a)〜(f)の各工程と同じプロセスを用いて行な
うことができる。異なるのは最初のシリコン単結晶の基
板101に(100)の方位を持つ基板を用いることで
ある。したがって、図5(a)で示すように、凹部20
3−aおよび203−bが基板101に対して55°の
角度で形成される。その他のプロセスは全く同一であ
り、したがって、各工程の説明は省略する。
【0070】オリフィス板115の接着についても第1
の実施例と同じ方法を採用できる。すなわち、接着層1
14が形成される図5(f)の面216の高さは、基板
全体にわたってほぼ等しく設定し、接着層114を図3
と同じように、キャビティの形にパターニングすると、
隣接するキャビティ間にインクの流通が生じないよう、
隔離を完全にして容易に作成できる。もし段差がある
と、その部分に隙間を生じて、インク吐出のときに圧力
の損失が生じて吐出が行なえなくなる。したがって、こ
のようにするとインクを吐出させるときに圧力の損失が
なく効率を高められる。
【0071】次に、本発明の第3の実施例を説明する。
図6(a)は本発明の第3の実施例の断面図であり、図
6(b)はオリフィス板を除いた略平面図である。シリ
コン単結晶の基板101の面に垂直にインク供給孔10
2が設けられている。供給孔102内部にはその壁面1
04に沿って基板101に垂直な方向に可動なピストン
603が設けられている。ピストン603とインク供給
孔102の壁面104との隙間105はおよそ0.05
〜5μmの範囲に設定される。ピストン603は座屈体
606と一体的に固着され支持される。座屈体606の
両端部はそれぞれ固定部107でシリコンの基板101
に固着されるが、それ以外の部分は固着されることな
く、基板101からは隙間108を保って浮いた状態に
ある。また、座屈体606、ピストン603はおよそ等
厚の部材により一体的に構成されている。ピストン60
3は座屈体606に凹部619を設けることにより構成
されている。
【0072】図7は、座屈体606およびピストン60
3の中心線付近に沿った断面斜視図である。すなわち、
座屈体606の中央に凹部619が設けられ、これによ
りピストン603が構成されている。
【0073】図6(a)に示されるように、座屈体60
6の裏面にはヒータ層109が設けられ、この例では左
右に1個ずつ設けられている。ヒータ層109は上部絶
縁層110,下部絶縁層111により挟まれ、座屈体6
06と、電気的な絶縁および加熱時の酸化・劣化および
腐食の防止の役割を果たしている。シリコン基板101
の両面には酸化膜112が設けられている。
【0074】ヒータ層109へは配線層113により電
気信号が供給され加熱を行なう。座屈体606の固定部
107およびその周囲上には接着層114が設けられ、
オリフィス板115を接着している。オリフィス板11
5にはノズル116が設けられ、ここからインクが吐出
する。
【0075】図6(b)に示されるように、座屈体60
6はめっき層に設けた2本の間隙601,601により
分離され座屈するようになっている。中央部に一体でめ
っきにより形成された凹部619は中空のピストン60
3の内面となる。
【0076】次に、図6の素子の動作について説明す
る。この素子の動作時には、接着層114により囲まれ
た空間であるキャビティ117にはインク供給孔100
によりインクが供給され、キャビティ117、隙間10
8,105、インク供給孔102がすべてインクで充填
された状態にされる。
【0077】そして、ヒータ層109にパルス状に電流
が図示されない外部電源より供給され加熱される。する
と、それに接している座屈体606も急速に加熱されて
熱膨張を生じる。ところが座屈体606の両端はそれぞ
れ固定部107により基板101に固定されているた
め、熱膨張は座屈体606内部に圧縮応力をもたらす。
この圧縮応力がある限界を越えると、座屈体606は急
激に変形を生じ(座屈し)、基板101の垂直方向に変
形する。すると、座屈体606と一体的に構成されてい
るピストン603も垂直方向に移動する。
【0078】この場合、座屈体606の中央部のピスト
ン603は、図7に示すように凹形状となっているた
め、曲げ剛性が高く変形を生じにくい。したがって、座
屈変形は座屈体606のピストン部以外の部分にのみ生
じる。また、座屈体606に生じる変形は、座屈体60
6のピストン部以外の中央部620を腹とした変形が生
じて座屈体606とピストン603との境界の端部62
1の変形が生じない懸念もあるが、本発明の構成では、
この変形のエネルギは座屈体606の固定部107を節
として端部621を腹とする変形のエネルギより大きい
ので、変形としては端部621を腹として所望の変形を
生じさせる。
【0079】このように変形するとき、キャビティ11
7にはピストン603の移動によって、図1で斜線を設
けた部分に対応するだけの体積変化が生じる。この体積
変化はヒータ109の加熱を急速に行なうことにより、
座屈体606の変形を生じさせられるので、急速に生じ
させることができる。このためキャビティ117には圧
力増大が急速に生じ、これによりノズル116よりイン
クを吐出させることができる。
【0080】ヒータ層109への電流パルスが流れなく
なると、座屈体606は冷却され、元の状態に戻り変形
はなくなる。このとき吐出したインクに見合う量のイン
クがインク供給孔102から隙間105を通ってキャビ
ティ117内に供給されるので、再度電流パルスをヒー
タ層109に加えることによりインクの吐出を行なうこ
とが可能になる。このピストンの動作をさらに詳しく表
わしたものが図11(a),(b)であり、それぞれ座
屈体の変形前および変形後の状態を示す断面図である。
座屈体606が加熱により熱膨張し、同図(b)のよう
に座屈変形を生じる。この結果、ピストン603が基板
101に対して垂直方向に駆動される。
【0081】第3の実施例では、ピストン603が薄い
構造体の立体的な殻により構成されているので、殻の厚
さが薄いにもかかわらず剛性が高く強固な構造体を構成
できる。また殻構造により構成されているので、可動部
の重量が小さく高速で駆動することが可能となる。
【0082】ここでインクの吐出を効率的に行なうため
の、ピストンの寸法,隙間の大きさ等に関する配慮は第
1の実施例の場合と同様である。
【0083】図8(a)〜(f)は第3の実施例の構造
を作成する各工程の略断面図である。図8(a)は図2
(a)と同様であるから説明を省略する。
【0084】図8(b)は図2(b)とほぼ同様である
が、この場合は凹部203−aにピストンを形成しな
い。
【0085】次に図8(c)に示すように、下部絶縁層
111,ヒータ層109,上部絶縁層110を順次形成
する。各絶縁層の材料、ヒータ層の材料および形状、ヒ
ータ層を犠牲層の上に形成することによる利点等につい
ては図2(c)について説明したのと同様であるから省
略する。
【0086】次に図8(d)に示すように凹部203−
aにピストン603、座屈体606および配線パターン
210をめっきにより形成する。これは、めっき前に全
体に下地の導電層(たとえばNi,Ta,Ag)を0.
01〜1μmの厚さで形成し、この上に、めっきの不要
な部分211にフォトレジストでパターンを形成し、め
っき後レジストを除去することによって行なうことがで
きる。この場合、凹部203−aの角部217によって
前記の導電層が断線しないよう、導電層の作成時に基板
101の回転や斜め方向からの成膜を行なうことが有効
である。また段差の被覆を良好にできるCVD等の成膜
方法を採用するのも特に有効である。
【0087】配線パターン210はヒータ層109に接
続するようなパターンに形成する。座屈体606を構成
する材料としてはNi,Cu,Co,P,Sあるいはそ
れらの合金を用いることができる。特にNi,Cu,C
oは熱膨張率もヤング率も比較的大きく、座屈体に蓄え
る歪みエネルギを大きくすることが可能で大きな吐出エ
ネルギを得られる。また、これらの合金を用いると座屈
体606の強度を向上させ、寿命を伸ばすとともにヤン
グ率を増大させて歪みエネルギを増やして吐出エネルギ
を増大させることは、図2(d)の説明において述べた
と同様である。
【0088】本実施例の場合、座屈体606、ピストン
603および配線部のめっきを一度にほぼ同じ厚さで行
なう。このようにすると、一部に肉厚の部分を設ける必
要がなく全体を均等な厚さにできる。めっきを行なうと
きに、各部の膜厚が異なると、往々にして膜内部に内部
応力が発生し、膜の形成後に残留応力が生じたり、残留
応力により膜が剥離したりすることがある。均等にめっ
きが行なえれば、このような問題は解消され、内部応力
の発生を抑えることが可能で、作成後応力により変形し
たりすることが避けられ、精密な構造物を作成できる。
【0089】次に図8(e)に示すように、前記の処理
を施した基板101全体をKOH溶液に浸して異方性エ
ッチングを行ない、残存部212を除く。このとき犠牲
層204にアルミニウムを用いていると、異方性エッチ
ングと同時にアルミニウムのエッチングも進行し、犠牲
層204の除去が同時に行なわれるのでプロセスの簡略
化が図れる。これは図2(e)について説明したのと同
様である。次に図8(f)に示すようにノズル115を
有するオリフィス板115を接着層114により接着す
る。接着層114としては紫外線硬化型接着剤、熱硬化
型接着剤を用いることができる。接着層114のパター
ンの平面図は図3に示すような形状にすることで、簡便
にキャビティの隔離が行なえるのは第1および第2の実
施例について説明したのと同様である。
【0090】
【発明の効果】簡単な構造のヘッドが実現できるのでコ
ストの低減が可能となる。また、集積化が容易な構造で
あるので、小型のヘッドが実現でき、また同時に高解像
度のヘッドが得られ高品質の印字が行なえる。インク供
給孔の隙間が狭いので吐出時にインクの逆流が防止で
き、効率の高いヘッドが実現できる。逆流の抵抗を高め
るのも容易であるから効率の向上が容易である。効率の
向上により消費電力の低減が図れる。ヒータ層を別に設
けると消費電流を低減でき、駆動電源の電流容量を小さ
くでき、駆動装置の小型軽量化が図れる。
【0091】キャビティ形成を容易にできるので製造コ
ストが低減される。また、インクの隔離が完全に行なえ
るので効率の向上や、隣接するヘッドのクロストークが
防止できる。
【0092】供給孔,隙間等の形成が正確に行なえるの
で、作成の精度が向上し、高集積度のヘッドが得られ、
解像度の高い小型のヘッドが得られる。また、作成時に
ばらつきの少ない歩留りの高いヘッドが得られる。結晶
面方位が(100)の基板を用いると特性変化の少ない
ヘッドが得られ、使用時に耐環境性の高いヘッドが得ら
れる。また、結晶面方位が(110)の基板を用いると
安価なヘッドが得られる。
【0093】ピストンを殻構造にすると、厚さを薄くし
てもピストンの剛性を高められる結果、駆動時に変形せ
ず効率の高いヘッドが得られる。また、剛性の高い薄い
軽量のピストンを作れるから、周波数応答の高いヘッド
が得られる。めっきの厚さを一様にでき残留応力を低減
できるので、精密な構造物の形成が可能で、集積度の高
いヘッドを歩留りよく作成できる。
【0094】各部の寸法および形状を正確に作成できる
ので、特性の揃ったヘッドを一度に形成することが可能
で、ヘッド作成コストの低減が図れる。また作成時のば
らつきを低減できるので、特性の向上や歩留りの向上が
図れる。さらに隙間の大きさを極めて小さく、しかも正
確に形成できるので逆流を防止する効果が大きく、効率
の向上が図れ、その結果小型で消費電力の小さなヘッド
が得られる。その作成を異方性エッチングを用いて一度
に行なうことができるので作成プロセスが簡便となりコ
スト低減の効果がある。
【0095】アルミニウムを犠牲層として用いると、微
細なパターン形成が容易なので、集積度が高く、解像度
の高い小型のヘッドが構成できる。薄い隙間を形成で
き、インク逆流を防止できるので、効率の高いヘッドを
構成でき、小型,低消費電力のヘッドが得られる。シリ
コン異方性エッチングと同時に犠牲層の除去が行なわれ
るのでプロセスの簡略化が図れる。
【0096】座屈体,ピストン等の形成にめっきを用い
ると、残留応力の小さな膜を容易に形成できる。したが
って微細で精密な構造体を形成でき、集積度が高く小型
のヘッドを形成できる。また、Ni,Co,Cu等の座
屈体の歪みエネルギの大きな材料を用いることができ、
吐出速度の大きいインクジェットヘッドが得られ、印字
品質の向上が図れる。また、めっきを用いると殻構造の
ピストンを容易に形成でき、周波数応答が高く軽量で剛
性の高いピストンが得られ、高速で印字品質の高いヘッ
ドが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の略断面図である。
【図2】(a)〜(f)はそれぞれ第1の実施例の作成
の各工程の略断面図である。
【図3】接着層およびその周辺の平面図である。
【図4】本発明の第2の実施例の略断面図である。
【図5】(a)〜(f)はそれぞれ第2の実施例の作成
の各工程の略断面図である。
【図6】(a)および(b)はそれぞれ本発明の第3の
実施例の断面図および接着層およびその周辺の平面図で
ある。
【図7】第3の実施例の座屈体およびピストンの断面斜
視図である。
【図8】(a)〜(f)はそれぞれ第3の実施例の作成
の各工程の略断面図である。
【図9】(a)および(b)はそれぞれ第1の実施例に
おける座屈体の変形前および変形後の説明図である。
【図10】(a)および(b)はそれぞれ第2の実施例
の座屈体の変形前および変形後の説明図である。
【図11】(a)および(b)はそれぞれ第2の実施例
の座屈体の変形前および変形後の説明図である。
【図12】(a)および(b)はそれぞれ座屈体の変形
前と変形によるインクの吐出の説明図である。
【図13】(a)および(b)はそれぞれ従来の一例の
圧電素子の変形前および変形後の断面図である。
【図14】従来の他の一例の分解斜視図である。
【符号の説明】
101 基板 102 インク供給孔 103 ピストン 104 壁面 105 隙間 106 座屈体 107 固定部 108 隙間 109 ヒータ層 110 上部絶縁層 111 下部絶縁層 112 酸化膜 113 配線層 114 接着層 115 オリフィス板 116 ノズル 117 キャビティ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 頼成 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 阿部 新吾 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 太田 賢司 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク供給孔を有する基板と、 インク供給孔をまたいで両端を基板の一方の面に固定さ
    れた加熱により座屈変形を生じる座屈体と、 座屈体を加熱する手段と、 インク供給孔の壁面に沿って往復運動をするように座屈
    体の一方の面にこれと一体に構成されたピストン部と、 座屈体の他方の面に接着層を介して取付けられたノズル
    を有するオリフィス板と、 オリフィス板と接着層と座屈体とにより囲まれるキャビ
    ティとを有し、 座屈体の座屈変形によるピストンの運動による加圧によ
    りノズルよりインクを吐出させることを特徴とするイン
    クジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 座屈体を構成する材料と接着層との接着
    面との高さは全面にわたり実質的に等しいことを特徴と
    する請求項1記載のインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 基板の材料は単結晶シリコンであり、イ
    ンク供給孔壁面が(111)面により構成されているこ
    とを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 ピストン部は座屈体と一体に殻構造によ
    り構成されていることを特徴とする請求項1記載のイン
    クジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 基板にインク供給孔に対応する凹部を形
    成する工程と、 前記凹部の内部および基板上面に形成する座屈体下部
    に、犠牲層を形成する工程と、 基板上面に座屈体、前記の凹部内部にピストン部を形成
    する工程と、 その後にインク供給孔の形成および犠牲層の除去を行な
    う工程とを含むインクジェットヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 基板にシリコン単結晶を用い、凹部形成
    をシリコン異方性エッチングにより行なうことを特徴と
    する請求項5記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 座屈体下部に形成する犠牲層をアルミニ
    ウム薄膜によって形成することを特徴とする請求項5記
    載のインクジェットヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 ピストン部と座屈体を同時にめっきによ
    り形成することを特徴とする請求項5記載のインクジェ
    ットヘッドの製造方法。
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