JPH08199201A - 粉末冶金用部分合金化鋼粉の製造方法 - Google Patents
粉末冶金用部分合金化鋼粉の製造方法Info
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- JPH08199201A JPH08199201A JP7012781A JP1278195A JPH08199201A JP H08199201 A JPH08199201 A JP H08199201A JP 7012781 A JP7012781 A JP 7012781A JP 1278195 A JP1278195 A JP 1278195A JP H08199201 A JPH08199201 A JP H08199201A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】安価な製造コストで、且つに1130〜115
0℃程度の低温焼結でも焼結浸炭熱処理体の強度を従来
に比べて大幅に向上させることのできる粉末冶金用部分
合金化鋼粉の製造方法を提供することを目的とする。 【構成】ベース鉄粉に、予めバインダを均一に混合し、
次いでNi粉を均一混合、付着させた後、難酸化性金属
粉及び易還元性金属酸化物粉の1種以上を混合、付着さ
せ、還元性雰囲気で加熱することを特徴とする粉末冶金
用部分合金化鋼粉の製造方法である。
0℃程度の低温焼結でも焼結浸炭熱処理体の強度を従来
に比べて大幅に向上させることのできる粉末冶金用部分
合金化鋼粉の製造方法を提供することを目的とする。 【構成】ベース鉄粉に、予めバインダを均一に混合し、
次いでNi粉を均一混合、付着させた後、難酸化性金属
粉及び易還元性金属酸化物粉の1種以上を混合、付着さ
せ、還元性雰囲気で加熱することを特徴とする粉末冶金
用部分合金化鋼粉の製造方法である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉末冶金用部分合金化
鋼粉の製造方法に関し、特に、1130〜1150℃程
度の低温度の焼結でも高強度の焼結部品が得られる粉末
冶金用部分合金化鋼粉の製造方法に係わる。
鋼粉の製造方法に関し、特に、1130〜1150℃程
度の低温度の焼結でも高強度の焼結部品が得られる粉末
冶金用部分合金化鋼粉の製造方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】粉末冶金プロセスにおいては、従来、純
鉄粉を主原料とした焼結部品が一般に製造されていた
が、この種の焼結部品は、強度レベルが低く、その用途
が限定されていた。そこで、最近では、高強度焼結部品
を対象とした粉末冶金用原料として、純鉄粉に替えて種
々の合金鋼粉を使用する技術が発達しつつある。
鉄粉を主原料とした焼結部品が一般に製造されていた
が、この種の焼結部品は、強度レベルが低く、その用途
が限定されていた。そこで、最近では、高強度焼結部品
を対象とした粉末冶金用原料として、純鉄粉に替えて種
々の合金鋼粉を使用する技術が発達しつつある。
【0003】ところで、合金化の方法には3種類あっ
て、まず、ある程度以上の合金成分を溶鋼段階で含有さ
せてからアトマイズし、合金鋼粉(以下、予合金鋼粉と
いう)を得る方法は、得られた合金鋼粉の圧縮性が低
く、その成形体及び焼結体は、焼結密度が高くならない
ので、強度が低いという問題があった。一方、純鉄粉と
合金元素の粉末を混合したままの状態で圧縮・成形し、
該成形体を焼結する際に合金元素粉末を純鉄粉と反応さ
せて固溶させる方法もある(以下、予混合という)。し
かしながら、この方法では、混合鋼粉の圧縮性はある程
度確保されるものの、成形性が低下したり、混合後の運
搬、貯蔵中や成形時の粉末偏析、さらには、焼結時の合
金元素の固溶及び拡散が充分でないことに起因して、焼
結体の組織が不均一となったりする問題があった。
て、まず、ある程度以上の合金成分を溶鋼段階で含有さ
せてからアトマイズし、合金鋼粉(以下、予合金鋼粉と
いう)を得る方法は、得られた合金鋼粉の圧縮性が低
く、その成形体及び焼結体は、焼結密度が高くならない
ので、強度が低いという問題があった。一方、純鉄粉と
合金元素の粉末を混合したままの状態で圧縮・成形し、
該成形体を焼結する際に合金元素粉末を純鉄粉と反応さ
せて固溶させる方法もある(以下、予混合という)。し
かしながら、この方法では、混合鋼粉の圧縮性はある程
度確保されるものの、成形性が低下したり、混合後の運
搬、貯蔵中や成形時の粉末偏析、さらには、焼結時の合
金元素の固溶及び拡散が充分でないことに起因して、焼
結体の組織が不均一となったりする問題があった。
【0004】そこで、例えば特公昭45−9649号公
報に開示されているように、純鉄粉に合金粉末を拡散付
着させることによって上記の問題を克服することが提案
された。該公報記載の具体的な方法は、鉄粉と、1.5
0〜2.00%のカーボニルNi粉と、Mo換算で0.
40〜1.00%のMoO3 粉と、Cu換算で0.5〜
2.00%の酸化銅粉あるいは銅粉との混合物を、還元
性雰囲気下で704〜1010℃に加熱して、これら合
金元素粉を部分的に上記鉄粉に拡散付着させ、集合化粒
子の摩粉後、約732℃で再度歪み取り焼鈍をするもの
である。この合金鋼粉は、成形して焼結する際に、さら
に合金元素の拡散を図ることも可能である。
報に開示されているように、純鉄粉に合金粉末を拡散付
着させることによって上記の問題を克服することが提案
された。該公報記載の具体的な方法は、鉄粉と、1.5
0〜2.00%のカーボニルNi粉と、Mo換算で0.
40〜1.00%のMoO3 粉と、Cu換算で0.5〜
2.00%の酸化銅粉あるいは銅粉との混合物を、還元
性雰囲気下で704〜1010℃に加熱して、これら合
金元素粉を部分的に上記鉄粉に拡散付着させ、集合化粒
子の摩粉後、約732℃で再度歪み取り焼鈍をするもの
である。この合金鋼粉は、成形して焼結する際に、さら
に合金元素の拡散を図ることも可能である。
【0005】しかしながら、上記した部分拡散付着型合
金鋼粉は、1130〜1150℃程度の低温で焼結した
場合、その焼結体の浸炭焼入後に高い強度が得られない
という問題があった。これは、強度向上元素であるN
i、Moの融点が高く、また鉄粉中への拡散速度が遅い
ためであって、十分な拡散を得るには、高温かつ長時間
の焼結処理が必要となると考えられる。また、鉄粉と、
前記合金元素またはその酸化物粉末との混合物は、混合
から拡散付着するまでの間に、比重差によって合金元素
またはその酸化物の粉末が分離、偏析を起こすことも一
因と考えられる。
金鋼粉は、1130〜1150℃程度の低温で焼結した
場合、その焼結体の浸炭焼入後に高い強度が得られない
という問題があった。これは、強度向上元素であるN
i、Moの融点が高く、また鉄粉中への拡散速度が遅い
ためであって、十分な拡散を得るには、高温かつ長時間
の焼結処理が必要となると考えられる。また、鉄粉と、
前記合金元素またはその酸化物粉末との混合物は、混合
から拡散付着するまでの間に、比重差によって合金元素
またはその酸化物の粉末が分離、偏析を起こすことも一
因と考えられる。
【0006】そこで、近年、上記部分拡散付着問題の解
決策が盛んに研究されるようになり、以下に示す方法が
提案され、実用されている。 (1)高純度鉄粉に、Ni、Cu、Moのうち2種類以
上の元素を予め合金化した合金粉を拡散付着させる方法
で、予め合金化させることによって低融点化し、拡散、
合金化を容易にするものである(例えば、特開昭63−
297502号や特開平2−145702号公報等)。
決策が盛んに研究されるようになり、以下に示す方法が
提案され、実用されている。 (1)高純度鉄粉に、Ni、Cu、Moのうち2種類以
上の元素を予め合金化した合金粉を拡散付着させる方法
で、予め合金化させることによって低融点化し、拡散、
合金化を容易にするものである(例えば、特開昭63−
297502号や特開平2−145702号公報等)。
【0007】(2)上記(1)の方法において、Ni;
6〜8wt%、Cu;2wt%以下、Mo;0.5〜
1.0wt%を目標として拡散付着するもので、これは
前記特公昭45−9649号公報開示の技術よりもNi
の配合量を著しく高めて強度向上を図ったものである
(特開平2−145702号公報)。 (3)高純度鉄粉に、Ni、Cu、Moの単体元素の微
粉あるいはこれら元素のうち2種類以上の元素を予め合
金化した合金微粉で、これら微粉のうち1種類以上のも
のが、平均粒径1〜5μm、比表面積が0.45〜0.
80m2 /gである合金用微粉を拡散付着させる方法で
あり、平均粒径1〜5μmの超微粉を用いることによっ
て、微粉末の鉄粉粒子間への分散を良好とし、組織の不
均一化の防止を図るとともに、比表面積を上記の範囲に
特定することによって、微粉同士の絡み合いによる凝集
塊の形成を防止しつつ、鉄粉と合金用粉の絡み性を良く
し、接触面積を大きくして拡散を促進しようとするもの
である(特開平2−145703号公報)。
6〜8wt%、Cu;2wt%以下、Mo;0.5〜
1.0wt%を目標として拡散付着するもので、これは
前記特公昭45−9649号公報開示の技術よりもNi
の配合量を著しく高めて強度向上を図ったものである
(特開平2−145702号公報)。 (3)高純度鉄粉に、Ni、Cu、Moの単体元素の微
粉あるいはこれら元素のうち2種類以上の元素を予め合
金化した合金微粉で、これら微粉のうち1種類以上のも
のが、平均粒径1〜5μm、比表面積が0.45〜0.
80m2 /gである合金用微粉を拡散付着させる方法で
あり、平均粒径1〜5μmの超微粉を用いることによっ
て、微粉末の鉄粉粒子間への分散を良好とし、組織の不
均一化の防止を図るとともに、比表面積を上記の範囲に
特定することによって、微粉同士の絡み合いによる凝集
塊の形成を防止しつつ、鉄粉と合金用粉の絡み性を良く
し、接触面積を大きくして拡散を促進しようとするもの
である(特開平2−145703号公報)。
【0008】(4)上記(1)〜(3)の方法に加え
て、有機溶剤あるいは有機溶剤にレジン等の結合剤を添
加した溶液を用いて湿式混合を行う方法や、鉄粉と、他
の金属粉末または合金粉末とを、ポリ酢酸ビニル、ニト
ロセルロース、ポリアクリル酸エステル及びポリメタク
リル酸エステルよりなる群から選択される少なくとも1
種を主成分とするバインダと共に均一に混合し、乾燥し
た後、還元性雰囲気下で750〜1000℃の温度で加
熱して拡散付着させる方法があり、湿式混合やバインダ
の作用によって、混合時あるいは混合後拡散付着迄の偏
析を防止し、拡散付着が均一、十分に行われるようにす
るものである(上記公報及び特開平3−97801号公
報)。
て、有機溶剤あるいは有機溶剤にレジン等の結合剤を添
加した溶液を用いて湿式混合を行う方法や、鉄粉と、他
の金属粉末または合金粉末とを、ポリ酢酸ビニル、ニト
ロセルロース、ポリアクリル酸エステル及びポリメタク
リル酸エステルよりなる群から選択される少なくとも1
種を主成分とするバインダと共に均一に混合し、乾燥し
た後、還元性雰囲気下で750〜1000℃の温度で加
熱して拡散付着させる方法があり、湿式混合やバインダ
の作用によって、混合時あるいは混合後拡散付着迄の偏
析を防止し、拡散付着が均一、十分に行われるようにす
るものである(上記公報及び特開平3−97801号公
報)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た改良技術にも未だ以下のような問題が内在している。
すなわち、 (A)Ni、Cu、Moのうち2種類以上の元素を予め
合金化した合金粉末を拡散付着させる方法では、予め合
金化した合金粉末の製造コストが高く、また、目標とす
る合金元素配合が多種にわたる場合、種々の合金粉末を
用意しなければならない。さらに、上記特開平2−14
5702号のように、Ni粉の配合量を高めると、製造
コストは更に上昇する。
た改良技術にも未だ以下のような問題が内在している。
すなわち、 (A)Ni、Cu、Moのうち2種類以上の元素を予め
合金化した合金粉末を拡散付着させる方法では、予め合
金化した合金粉末の製造コストが高く、また、目標とす
る合金元素配合が多種にわたる場合、種々の合金粉末を
用意しなければならない。さらに、上記特開平2−14
5702号のように、Ni粉の配合量を高めると、製造
コストは更に上昇する。
【0010】(B)Ni、Cu、Moの単体元素の微粉
を用いる場合、上記(3)や(4)の方法を採用すれ
ば、従来よりも焼結体の強度は向上するものの、高温、
長時間の焼結処理を行った場合に比べると十分な強度は
得られない。そして、低温焼結体の組織には、強度の低
い粗大なオーステナイト領域が多く観察され、これが強
度不足の原因となっていた。
を用いる場合、上記(3)や(4)の方法を採用すれ
ば、従来よりも焼結体の強度は向上するものの、高温、
長時間の焼結処理を行った場合に比べると十分な強度は
得られない。そして、低温焼結体の組織には、強度の低
い粗大なオーステナイト領域が多く観察され、これが強
度不足の原因となっていた。
【0011】本発明は、かかる事情を鑑み、安価な製造
コストで、且つに1130〜1150℃程度の低温焼結
でも焼結浸炭熱処理体の強度を従来に比べて大幅に向上
させることのできる粉末冶金用部分合金化鋼粉の製造方
法を提供することを目的とする。
コストで、且つに1130〜1150℃程度の低温焼結
でも焼結浸炭熱処理体の強度を従来に比べて大幅に向上
させることのできる粉末冶金用部分合金化鋼粉の製造方
法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため鋭意研究し、従来の部分拡散付着型合金鋼粉
を原料とした焼結体の組織中に粗大なオーステナイト領
域が多く観察されることに気が付き、この低強度の粗大
なオーステナイト領域をできるだけ小さくし、マルテン
サイト組織の領域を大きくすることを着想した。
成するため鋭意研究し、従来の部分拡散付着型合金鋼粉
を原料とした焼結体の組織中に粗大なオーステナイト領
域が多く観察されることに気が付き、この低強度の粗大
なオーステナイト領域をできるだけ小さくし、マルテン
サイト組織の領域を大きくすることを着想した。
【0013】その結果、合金元素Ni、Cu、Moのう
ち、Ni、Cuがオーテナイト形成元素であり、Niの
方がCuよりもその作用が強く、またNiはこれら3元
素のうち最もFe中で拡散速度が低いことから、焼結時
にNiをできるだけ均一に分布させておく必要性を見出
した。さらに、詳細な研究を進めた結果、Niの鉄粉粒
子の回りの均一な拡散付着は、部分合金化熱処理の前
の、鉄粉と各添加合金用粉の混合方法に大きく影響され
ることが判明した。つまり、混合時に先ずNi粉を鉄粉
粒子の回りの均一に付着させ、その状態を拡散付着処理
時、つまり還元性雰囲気での加熱まで維持しておくこと
が重要であることがわかった。
ち、Ni、Cuがオーテナイト形成元素であり、Niの
方がCuよりもその作用が強く、またNiはこれら3元
素のうち最もFe中で拡散速度が低いことから、焼結時
にNiをできるだけ均一に分布させておく必要性を見出
した。さらに、詳細な研究を進めた結果、Niの鉄粉粒
子の回りの均一な拡散付着は、部分合金化熱処理の前
の、鉄粉と各添加合金用粉の混合方法に大きく影響され
ることが判明した。つまり、混合時に先ずNi粉を鉄粉
粒子の回りの均一に付着させ、その状態を拡散付着処理
時、つまり還元性雰囲気での加熱まで維持しておくこと
が重要であることがわかった。
【0014】本発明は、上記の知見に基づきなされたも
ので、ベース鉄粉に、予めバインダを均一に混合し、次
いでNi粉を均一混合、付着させた後、難酸化性金属粉
及び/又は易還元性金属酸化物粉の1種以上を混合、付
着させ、還元性雰囲気で加熱することを特徴とする粉末
冶金用部分合金化鋼粉の製造方法である。また、本発明
は、ベース鉄粉に、予めバインダを均一に混合し、次い
で1.5〜5wt%のNi粉を均一混合、付着した後、
2重量%以下のCu粉及びMo換算で0.4〜1.5重
量%のMoO3 粉の1種以上を混合、付着させ、還元性
雰囲気で加熱することを特徴とする粉末冶金用部分合金
化鋼粉の製造方法である。さらに、本発明は、上記ベー
ス鉄粉が、Mn;0.04wt%以下、P;0.003
wt%以下、残部鉄及び不可避的不純物からなる高純度
鉄粉であったり、上記Ni粉が、最大粒子45μm未満
で平均フィッシャ(Fisher:人名)粒度3〜5μ
mのカーボニルNi粉であったり、あるいは上記混合を
固定容器回転翼形高速混合機で行うことを特徴とする粉
末冶金用部分合金化鋼粉の製造方法でもある。
ので、ベース鉄粉に、予めバインダを均一に混合し、次
いでNi粉を均一混合、付着させた後、難酸化性金属粉
及び/又は易還元性金属酸化物粉の1種以上を混合、付
着させ、還元性雰囲気で加熱することを特徴とする粉末
冶金用部分合金化鋼粉の製造方法である。また、本発明
は、ベース鉄粉に、予めバインダを均一に混合し、次い
で1.5〜5wt%のNi粉を均一混合、付着した後、
2重量%以下のCu粉及びMo換算で0.4〜1.5重
量%のMoO3 粉の1種以上を混合、付着させ、還元性
雰囲気で加熱することを特徴とする粉末冶金用部分合金
化鋼粉の製造方法である。さらに、本発明は、上記ベー
ス鉄粉が、Mn;0.04wt%以下、P;0.003
wt%以下、残部鉄及び不可避的不純物からなる高純度
鉄粉であったり、上記Ni粉が、最大粒子45μm未満
で平均フィッシャ(Fisher:人名)粒度3〜5μ
mのカーボニルNi粉であったり、あるいは上記混合を
固定容器回転翼形高速混合機で行うことを特徴とする粉
末冶金用部分合金化鋼粉の製造方法でもある。
【0015】なお、ベース鉄粉は、必ずしも純鉄を意味
せず、他の合金成分を含む所謂合金鋼粉であっても良
い。
せず、他の合金成分を含む所謂合金鋼粉であっても良
い。
【0016】
【作用】本発明では、ベース鉄粉に、予めバインダを均
一に混合し、次いでNi粉を均一混合、付着させた後、
難酸化性金属粉及び/又は易還元性金属酸化物粉の1種
以上を混合、付着させ、還元性雰囲気で加熱するように
したので、鉄粉と合金粉の混合時に先ずNi粉を鉄粉粒
子の回りに均一に付着させ、その状態を拡散付着処理時
の加熱後まで維持しておけるようになる。その結果、得
られた合金鋼粉は、成形体として焼結中にNiと、M
o、Cu等拡散付着処理時酸化しない合金元素の1種以
上が鉄粉中に拡散し、さらに、その後の浸炭熱処理によ
って、焼結体組織は、Ni含有量の大きい残留オーステ
ナイト相が減少し、マルテンサイト相が増加するように
なる。
一に混合し、次いでNi粉を均一混合、付着させた後、
難酸化性金属粉及び/又は易還元性金属酸化物粉の1種
以上を混合、付着させ、還元性雰囲気で加熱するように
したので、鉄粉と合金粉の混合時に先ずNi粉を鉄粉粒
子の回りに均一に付着させ、その状態を拡散付着処理時
の加熱後まで維持しておけるようになる。その結果、得
られた合金鋼粉は、成形体として焼結中にNiと、M
o、Cu等拡散付着処理時酸化しない合金元素の1種以
上が鉄粉中に拡散し、さらに、その後の浸炭熱処理によ
って、焼結体組織は、Ni含有量の大きい残留オーステ
ナイト相が減少し、マルテンサイト相が増加するように
なる。
【0017】また、本発明では、ベース鉄粉に、予めバ
インダを均一に混合し、次いで1.5〜5wt%のNi
粉を均一混合、付着した後、2重量%以下のCu粉及び
Mo換算で0.4〜1.5重量%のMoO3 粉の1種以
上を混合、付着させ、還元性雰囲気で加熱するようにし
たので、上記効果が一層確実に達成できるようになる。
インダを均一に混合し、次いで1.5〜5wt%のNi
粉を均一混合、付着した後、2重量%以下のCu粉及び
Mo換算で0.4〜1.5重量%のMoO3 粉の1種以
上を混合、付着させ、還元性雰囲気で加熱するようにし
たので、上記効果が一層確実に達成できるようになる。
【0018】さらに、本発明では、上記ベース鉄粉が、
Mn;0.04wt%以下、P;0.003wt%以
下、残部鉄及び不可避的不純物からなる高純度鉄粉であ
ったり、上記Ni粉が、最大粒子45μm未満で、平均
フィッシャ(Fisher)粒度3〜5μmのカーボニ
ルNi粉であったり、あるいは上記混合を固定容器回転
翼形高速混合機で行うようにしたので、比較的入手が容
易な原料及び設備で製造コストを高めず、容易に所定の
目的が達成できるようになる。以下に、本発明の内容補
足と合金成分の限定理由について述べておく。
Mn;0.04wt%以下、P;0.003wt%以
下、残部鉄及び不可避的不純物からなる高純度鉄粉であ
ったり、上記Ni粉が、最大粒子45μm未満で、平均
フィッシャ(Fisher)粒度3〜5μmのカーボニ
ルNi粉であったり、あるいは上記混合を固定容器回転
翼形高速混合機で行うようにしたので、比較的入手が容
易な原料及び設備で製造コストを高めず、容易に所定の
目的が達成できるようになる。以下に、本発明の内容補
足と合金成分の限定理由について述べておく。
【0019】まず、実際の大量生産を行う工程では、単
に混合機で鉄粉とNi粉等を均一に混合することは困難
であり、コストの上昇も可能な限り低く抑えた方が良
い。そこで、本発明では、バインダを使用することで特
に特殊な機能を有するミキサの使用を排除した。また、
その際、ベース鉄粉に、予めバインダを均一に混合して
おく方が、Ni粉等の合金用粉と同時に添加、混合する
よりも、均一混合、均一付着に効果が大きい。さらに、
バインダの使用によって、一旦均一に付着したNi粉
等、その他の合金用粉が拡散付着処理時まで分離、偏析
を起こすことがなく、拡散付着時の均一な付着が保証さ
れるのである。
に混合機で鉄粉とNi粉等を均一に混合することは困難
であり、コストの上昇も可能な限り低く抑えた方が良
い。そこで、本発明では、バインダを使用することで特
に特殊な機能を有するミキサの使用を排除した。また、
その際、ベース鉄粉に、予めバインダを均一に混合して
おく方が、Ni粉等の合金用粉と同時に添加、混合する
よりも、均一混合、均一付着に効果が大きい。さらに、
バインダの使用によって、一旦均一に付着したNi粉
等、その他の合金用粉が拡散付着処理時まで分離、偏析
を起こすことがなく、拡散付着時の均一な付着が保証さ
れるのである。
【0020】使用するバインダは、拡散付着処理により
除去される成分でなければならない。その意味で、安価
で粘性が低く、扱い易いスピンドル油が優れているが、
他のオイルやオレイン酸等であっても良い。その添加量
は、Ni粉やその他の合金用粉をベース鉄粉に付着させ
るに足る必要最小限の量で良く、多過ぎると拡散付着処
理時においてNiが鉄粉表面へ拡散し難くなる。Ni粉
やその他の合金用粉の添加量及び鉄粉の粒度によりバイ
ンダの最適量は変化するので、この必要最小限量を本発
明では特に限定しない。そして、バインダを使用するの
で、混合機としてはかかる場合に広く使用されているダ
ブルコーン型ミキサやV型ブレンダ等、容器回転型のも
ので良いが、内部に回転翼を持つ容器固定回転翼型高速
混合機、例えばヘンシェル・ミキサの使用が均一混合の
観点から最も好適である。
除去される成分でなければならない。その意味で、安価
で粘性が低く、扱い易いスピンドル油が優れているが、
他のオイルやオレイン酸等であっても良い。その添加量
は、Ni粉やその他の合金用粉をベース鉄粉に付着させ
るに足る必要最小限の量で良く、多過ぎると拡散付着処
理時においてNiが鉄粉表面へ拡散し難くなる。Ni粉
やその他の合金用粉の添加量及び鉄粉の粒度によりバイ
ンダの最適量は変化するので、この必要最小限量を本発
明では特に限定しない。そして、バインダを使用するの
で、混合機としてはかかる場合に広く使用されているダ
ブルコーン型ミキサやV型ブレンダ等、容器回転型のも
ので良いが、内部に回転翼を持つ容器固定回転翼型高速
混合機、例えばヘンシェル・ミキサの使用が均一混合の
観点から最も好適である。
【0021】次に、付着合金元素の混合順であるが、最
もオーステナイト生成能が大きく、かつFe中での拡散
の遅いNi粉を先に混合し、その後にMo,Cu等の他
の合金用粉を混合させることが、前記ベース鉄粉にNi
粉を均一に付着させるのに都合が良かった。また、Ni
粉としては、フィッシャ(Fisher)平均粒度で3
〜5μmのカーボニルNiを使うことが好ましいが、そ
のままでは粗粒粉や疑似粒子が混入しているため、目開
き45μmの篩でこれらを除去したカーボニルNiを使
うと、均一混合、均一付着に効果がある他に、鉄中への
Niの拡散を促進するので、前記の均一付着のための方
法と併用すると効果が大きい。粗大なNi粒子や擬似粒
子が混入していると、焼結時に十分に拡散せず、オース
テナイトを安定化するので、前記のように、予め篩で除
去しておく方がよい。篩で篩うことはまた絡み合ってい
るNi粉粒子がほぐれて分散しやすくなるので、均一混
合、均一付着し易くなるという効果もある。Ni粉の平
均粒子径がフィッシャ(Fisher)粒度で3μm未
満では、微粉の飛散によって合金歩留りが低下し、5μ
mを超えると微粉粒子の鉄粉粒子間への分散が悪くな
り、かつ、焼結時に拡散しにくくなるため、焼結体組織
の不均一化が起こりやすくなる。そこで、本発明では、
平均フィッシャ(Fisher)粒度で3〜5μmのカ
ーボニルNiを使うことが好ましい。
もオーステナイト生成能が大きく、かつFe中での拡散
の遅いNi粉を先に混合し、その後にMo,Cu等の他
の合金用粉を混合させることが、前記ベース鉄粉にNi
粉を均一に付着させるのに都合が良かった。また、Ni
粉としては、フィッシャ(Fisher)平均粒度で3
〜5μmのカーボニルNiを使うことが好ましいが、そ
のままでは粗粒粉や疑似粒子が混入しているため、目開
き45μmの篩でこれらを除去したカーボニルNiを使
うと、均一混合、均一付着に効果がある他に、鉄中への
Niの拡散を促進するので、前記の均一付着のための方
法と併用すると効果が大きい。粗大なNi粒子や擬似粒
子が混入していると、焼結時に十分に拡散せず、オース
テナイトを安定化するので、前記のように、予め篩で除
去しておく方がよい。篩で篩うことはまた絡み合ってい
るNi粉粒子がほぐれて分散しやすくなるので、均一混
合、均一付着し易くなるという効果もある。Ni粉の平
均粒子径がフィッシャ(Fisher)粒度で3μm未
満では、微粉の飛散によって合金歩留りが低下し、5μ
mを超えると微粉粒子の鉄粉粒子間への分散が悪くな
り、かつ、焼結時に拡散しにくくなるため、焼結体組織
の不均一化が起こりやすくなる。そこで、本発明では、
平均フィッシャ(Fisher)粒度で3〜5μmのカ
ーボニルNiを使うことが好ましい。
【0022】ベース鉄粉の純度を高めることも、Niの
鉄粉への拡散を促進する手段として効果があるが、前記
のようなNi粉の均一付着のための方法と併用して、M
n;0.04wt%以下、P;O.OO3%以下その他
鉄及び不可避的不純物からなる高純度鉄粉を使用すると
Niの均一拡散に特に有効であった。最後に、ベース鉄
粉に拡散付着させる合金元素を、Ni;1.5〜5wt
%を必須として、MoO3 をMo換算で0.4〜1.5
wt%、Cu:2%以下の1種以上としたのは以下の理
由による。
鉄粉への拡散を促進する手段として効果があるが、前記
のようなNi粉の均一付着のための方法と併用して、M
n;0.04wt%以下、P;O.OO3%以下その他
鉄及び不可避的不純物からなる高純度鉄粉を使用すると
Niの均一拡散に特に有効であった。最後に、ベース鉄
粉に拡散付着させる合金元素を、Ni;1.5〜5wt
%を必須として、MoO3 をMo換算で0.4〜1.5
wt%、Cu:2%以下の1種以上としたのは以下の理
由による。
【0023】Ni;焼結体中に拡散するNiは、該焼結
体の焼入性を改善して強度を向上させ、また靱性を改善
する。また、Niは、収縮を促進させる元素であり、焼
結時の寸法変化の調整に重要な元素である。そして、N
iの添加量が5wt%を越えると、合金鋼粉の圧縮性が
低下し実用上好ましくないので、5wt%以下とする。
さらに、Niが1.5wt%未満では、焼結時の寸法収
縮が少なく焼結密度が低下し、実用上好ましくないので
1.5wt%以上とする。
体の焼入性を改善して強度を向上させ、また靱性を改善
する。また、Niは、収縮を促進させる元素であり、焼
結時の寸法変化の調整に重要な元素である。そして、N
iの添加量が5wt%を越えると、合金鋼粉の圧縮性が
低下し実用上好ましくないので、5wt%以下とする。
さらに、Niが1.5wt%未満では、焼結時の寸法収
縮が少なく焼結密度が低下し、実用上好ましくないので
1.5wt%以上とする。
【0024】Mo;焼結体の焼入性を高め、焼入れ、焼
戻しの処理時の軟化を防止する。Moが0.4wt%未
満では強度が低く、1.5wt%を越えると、焼結体の
硬度が高く成りすぎ,該焼結体の加工性に問題が生じる
ので、0.4〜1.5wt%の範囲とした。 Cu;Cuは、Mo、Niに比べ最も焼入性改善効果が
小さいが、その添加によって通常の焼結温度で液相を出
現させ、焼結の進行を促進し、強度の向上に寄与する。
あわせてCu膨張とよばれる作用により、焼結時の寸法
変化を膨張気味とする。このため圧縮性に害を及ぼさな
い範囲で寸法変化を考慮して選択的に添加すれば良く2
%以下とする。
戻しの処理時の軟化を防止する。Moが0.4wt%未
満では強度が低く、1.5wt%を越えると、焼結体の
硬度が高く成りすぎ,該焼結体の加工性に問題が生じる
ので、0.4〜1.5wt%の範囲とした。 Cu;Cuは、Mo、Niに比べ最も焼入性改善効果が
小さいが、その添加によって通常の焼結温度で液相を出
現させ、焼結の進行を促進し、強度の向上に寄与する。
あわせてCu膨張とよばれる作用により、焼結時の寸法
変化を膨張気味とする。このため圧縮性に害を及ぼさな
い範囲で寸法変化を考慮して選択的に添加すれば良く2
%以下とする。
【0025】
(実施例−1)まず、ベース鉄粉1.5トンに対しバイ
ンダとしてスピンドル油を0〜200ccの範囲で添加し
た。このベース鉄粉は、(A)Mn;0.05〜O.0
7wt%、P;0.004〜0.010wt%、残部鉄
及び不可避的不純物よりなるものと、(B)Mn;0.
04wt%以下、P;0.003wt%以下、残部鉄及
び不可避的不純物よりなる高純度鉄粉の2種類使用す
る。一方、合金元素源のNi粉も、(a)フィッシャ
(Fisher)平均粒度3〜5μmのカーボニルNi
粉市販品と、(b)前記市販品を目開き45μmの篩で
篩い、45μm以上の粗粒、擬似粒子を除去したカーボ
ニルNi粉の2種類準備し、混合機も回転容器形のダブ
ルコーン・ミキサと容器固定回転翼形のヘンシェル・ミ
キサの2種類採用することにした。
ンダとしてスピンドル油を0〜200ccの範囲で添加し
た。このベース鉄粉は、(A)Mn;0.05〜O.0
7wt%、P;0.004〜0.010wt%、残部鉄
及び不可避的不純物よりなるものと、(B)Mn;0.
04wt%以下、P;0.003wt%以下、残部鉄及
び不可避的不純物よりなる高純度鉄粉の2種類使用す
る。一方、合金元素源のNi粉も、(a)フィッシャ
(Fisher)平均粒度3〜5μmのカーボニルNi
粉市販品と、(b)前記市販品を目開き45μmの篩で
篩い、45μm以上の粗粒、擬似粒子を除去したカーボ
ニルNi粉の2種類準備し、混合機も回転容器形のダブ
ルコーン・ミキサと容器固定回転翼形のヘンシェル・ミ
キサの2種類採用することにした。
【0026】次に、混合方法として、(ア)ベース鉄
粉、バインダ、合金用添加粉の同時混合(比較例)、
(イ)鉄粉とバインダを事前混合後に合金用添加粉の同
時混合(比較例)、(ウ)鉄粉とバインダ事前混合後に
Ni粉を混合し、その後に他の合金用添加粉の混合(本
発明に対応)の3水準行い、鉄粉とNi粉末、MoO3
粉末、Cu粉末を4wt%Ni−1.5wt%Cu−
0.5wt%Mo−残りFeの組成になるよう乾式もし
くは湿式で混合し、得られた混合粉を水素雰囲気中で8
50〜900℃の温度で30〜60分間拡散焼鈍後、解
砕、分級するという工程で種々の部分合金化鋼粉を得
た。
粉、バインダ、合金用添加粉の同時混合(比較例)、
(イ)鉄粉とバインダを事前混合後に合金用添加粉の同
時混合(比較例)、(ウ)鉄粉とバインダ事前混合後に
Ni粉を混合し、その後に他の合金用添加粉の混合(本
発明に対応)の3水準行い、鉄粉とNi粉末、MoO3
粉末、Cu粉末を4wt%Ni−1.5wt%Cu−
0.5wt%Mo−残りFeの組成になるよう乾式もし
くは湿式で混合し、得られた混合粉を水素雰囲気中で8
50〜900℃の温度で30〜60分間拡散焼鈍後、解
砕、分級するという工程で種々の部分合金化鋼粉を得
た。
【0027】これらの部分合金化鋼粉の使用成績を調べ
るために、該部分合金化鋼粉のそれぞれに黒鉛粉0.5
wt%と潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を0.8wt%
添加し、密度が7Mg/m3 となるように外径35m
m、内径14mm、高さ10mmの中空円筒体に成形
し、1130℃で20分間、RXガス雰囲気中で焼結し
た。その後、該焼結体を900℃、カーボン・ポテンシ
ャル0.9%で60分間浸炭処理し、温度60℃の油で
焼き入れ、200℃×60分の条件で焼戻しを行い、得
られた中空円筒試料を円筒長さ方向に圧縮試験を行って
それぞれの圧環強さを測定した。
るために、該部分合金化鋼粉のそれぞれに黒鉛粉0.5
wt%と潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を0.8wt%
添加し、密度が7Mg/m3 となるように外径35m
m、内径14mm、高さ10mmの中空円筒体に成形
し、1130℃で20分間、RXガス雰囲気中で焼結し
た。その後、該焼結体を900℃、カーボン・ポテンシ
ャル0.9%で60分間浸炭処理し、温度60℃の油で
焼き入れ、200℃×60分の条件で焼戻しを行い、得
られた中空円筒試料を円筒長さ方向に圧縮試験を行って
それぞれの圧環強さを測定した。
【0028】上記の混合条件と、測定した圧環強さを表
1に示す。
1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1によれば、鉄粉にNi粉末、MoO3
粉末、Cu粉末を4wt%Ni−1.5wt%Cu−
0.5wt%Mo−残りFeの組成になるように拡散附
着させた部分合金化鋼粉の製造方法において、拡散附着
させる前の混合工程で、ベース鉄粉とバインダを適量事
前混合後に、先ずNi粉を混合し、その後にその他の合
金用添加粉を混合する(上記(ウ)の方法)ことによ
り、1130℃の低温焼結、浸炭・焼入体において高い
焼結体強度が得られることがわかる。ただし、比較例2
と3、比較例4と5、発明例1と2とをそれぞれ比較す
れば明らかなように、バインダ量が多過ぎると、部分合
金化熱処理時にFeとNiの相互拡散を阻害するため、
かえって焼結体強度が低くなっており、バインダ添加量
には最適量があることもわかった。
粉末、Cu粉末を4wt%Ni−1.5wt%Cu−
0.5wt%Mo−残りFeの組成になるように拡散附
着させた部分合金化鋼粉の製造方法において、拡散附着
させる前の混合工程で、ベース鉄粉とバインダを適量事
前混合後に、先ずNi粉を混合し、その後にその他の合
金用添加粉を混合する(上記(ウ)の方法)ことによ
り、1130℃の低温焼結、浸炭・焼入体において高い
焼結体強度が得られることがわかる。ただし、比較例2
と3、比較例4と5、発明例1と2とをそれぞれ比較す
れば明らかなように、バインダ量が多過ぎると、部分合
金化熱処理時にFeとNiの相互拡散を阻害するため、
かえって焼結体強度が低くなっており、バインダ添加量
には最適量があることもわかった。
【0031】ベース鉄粉にバインダを事前混合後、他の
合金用添加粉の混合に先立ってNi粉の混合を行う本発
明に係る製造方法で得た鋼粉からは、ベース鉄粉の高純
度化、45μm以上の粗粒、擬似粒子を篩で除去した3
〜5μmの微細なカーボニルNi粉の使用、容器固定回
転翼形高速ミキサ使用等により相乗作用を発揮して、さ
らに高強度の焼結体を得ている。
合金用添加粉の混合に先立ってNi粉の混合を行う本発
明に係る製造方法で得た鋼粉からは、ベース鉄粉の高純
度化、45μm以上の粗粒、擬似粒子を篩で除去した3
〜5μmの微細なカーボニルNi粉の使用、容器固定回
転翼形高速ミキサ使用等により相乗作用を発揮して、さ
らに高強度の焼結体を得ている。
【0032】高純度のベース鉄粉、スピンドル油100
ccをダブルコーン・ミキサで事前混合し、次いで、4
5μm以上の粗粒、擬似粒子を篩で除去した3〜5μm
の微細なカーボニルNi粉を混合、その後他の合金用添
加粉を混合した発明例5の焼結体圧環強さは、1494
MPaであり、非高純度のベース鉄粉、スピンドル油1
00cc、45μm以上の粗粒、擬似粒子を篩で除去し
ない3〜5μmの市販のカーボニルNi粉、その他の合
金用添加粉をダブルコーン・ミキサで同時混合した比較
例2の焼結体圧環強さ1338MPaよりも約12%の
強度向上が得られた。さらに、発明例5のダブルコーン
型に代えてヘンシェル・ミキサを用いた発明例9の焼結
体圧環強さは、1525MPaで、前記比較例2よりも
約14%の強度向上が得られている。 (実施例−2)まず、鉄粉1.5トンに対しバインダと
してスピンドル油を200cc添加した。このベース鉄
粉は、Mn;0.05〜O.07wt%、P;0.00
4〜0.010wt%、残部鉄及び不可避的不純物より
なるもの、Ni粉は、フィッシャ(Fisher)平均
粒度3〜5μmのカーボニルNi粉市販品を目開き45
μmの篩で篩い、45μm以上の粗粒、擬似粒子を除去
したものを準備し、混合機は、回転容器型ダブルコーン
・ミキサを用いた。
ccをダブルコーン・ミキサで事前混合し、次いで、4
5μm以上の粗粒、擬似粒子を篩で除去した3〜5μm
の微細なカーボニルNi粉を混合、その後他の合金用添
加粉を混合した発明例5の焼結体圧環強さは、1494
MPaであり、非高純度のベース鉄粉、スピンドル油1
00cc、45μm以上の粗粒、擬似粒子を篩で除去し
ない3〜5μmの市販のカーボニルNi粉、その他の合
金用添加粉をダブルコーン・ミキサで同時混合した比較
例2の焼結体圧環強さ1338MPaよりも約12%の
強度向上が得られた。さらに、発明例5のダブルコーン
型に代えてヘンシェル・ミキサを用いた発明例9の焼結
体圧環強さは、1525MPaで、前記比較例2よりも
約14%の強度向上が得られている。 (実施例−2)まず、鉄粉1.5トンに対しバインダと
してスピンドル油を200cc添加した。このベース鉄
粉は、Mn;0.05〜O.07wt%、P;0.00
4〜0.010wt%、残部鉄及び不可避的不純物より
なるもの、Ni粉は、フィッシャ(Fisher)平均
粒度3〜5μmのカーボニルNi粉市販品を目開き45
μmの篩で篩い、45μm以上の粗粒、擬似粒子を除去
したものを準備し、混合機は、回転容器型ダブルコーン
・ミキサを用いた。
【0033】混合方法は、(I)ベース鉄粉とバインダ
を事前混合後に合金用添加粉の同時混合(比較例)、
(II)ベース鉄粉とバインダの事前混合後にNi粉を
混合し、その後に他の合金用添加粉の混合(本発明に対
応)の2水準行った。そして、ベース鉄粉とNi粉末、
MoO3 粉末を2wt%Ni−1.0wt%Mo−残り
Feの組成になるように湿式混合し、得られた混合粉を
水素雰囲気中で850〜900℃の温度で30〜60分
間拡散焼鈍後、解砕、分級するという工程で部分合金化
鋼粉を得た。
を事前混合後に合金用添加粉の同時混合(比較例)、
(II)ベース鉄粉とバインダの事前混合後にNi粉を
混合し、その後に他の合金用添加粉の混合(本発明に対
応)の2水準行った。そして、ベース鉄粉とNi粉末、
MoO3 粉末を2wt%Ni−1.0wt%Mo−残り
Feの組成になるように湿式混合し、得られた混合粉を
水素雰囲気中で850〜900℃の温度で30〜60分
間拡散焼鈍後、解砕、分級するという工程で部分合金化
鋼粉を得た。
【0034】これらの部分合金化鋼粉に、黒鉛粉0.3
wt%と潤滑材としてステアリン酸亜鉛を0.8wt%
添加後、成形圧力686MPaで中空円筒状に成形し、
1150℃で60分間、RXガス雰囲気中で焼結した。
その後、該焼結体を920℃、カーボン・ポテンシャル
0.9%で150分間浸炭処理し、温度60℃の油で焼
入れ、180℃×60分の条件で焼戻しを行い、得られ
た試料の引張試験を行ってそれぞれの引張強さを測定し
た。
wt%と潤滑材としてステアリン酸亜鉛を0.8wt%
添加後、成形圧力686MPaで中空円筒状に成形し、
1150℃で60分間、RXガス雰囲気中で焼結した。
その後、該焼結体を920℃、カーボン・ポテンシャル
0.9%で150分間浸炭処理し、温度60℃の油で焼
入れ、180℃×60分の条件で焼戻しを行い、得られ
た試料の引張試験を行ってそれぞれの引張強さを測定し
た。
【0035】ベース鉄粉とバインダの事前混合後に合金
用添加粉を同時混合した部分合金化鋼粉を用いた試料の
引張強さは、1150N/mm2 であったのに対して、
ベース鉄粉とバインダの事前混合後に先ずNi粉を混合
し、その後にMoO3 粉末を混合した部分合金化鋼粉
(本発明に対応)を用いた試料の引張強さは、1260
N/mm2 で約6%の焼結体強度の向上が見られた。
用添加粉を同時混合した部分合金化鋼粉を用いた試料の
引張強さは、1150N/mm2 であったのに対して、
ベース鉄粉とバインダの事前混合後に先ずNi粉を混合
し、その後にMoO3 粉末を混合した部分合金化鋼粉
(本発明に対応)を用いた試料の引張強さは、1260
N/mm2 で約6%の焼結体強度の向上が見られた。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る粉末冶
金用部分合金化鋼粉の製造方法により、鉄粉にNi粉を
均一に混合、付着できるようにした。その結果、この方
法で製造した部分合金化粉を用いれば、製造コストの高
い予め完全合金化した合金微粉末を用いたり、また値段
の高いNi粉の配合量を高めこともなく、粉末冶金プロ
セスによる焼結部品の製造に際して、圧縮・成形が容易
で、かつ広く普及している1130〜1150℃の低温
焼結でも、高い強度が得られ、大量生産焼結部品の高強
度化に大きく貢献できる。
金用部分合金化鋼粉の製造方法により、鉄粉にNi粉を
均一に混合、付着できるようにした。その結果、この方
法で製造した部分合金化粉を用いれば、製造コストの高
い予め完全合金化した合金微粉末を用いたり、また値段
の高いNi粉の配合量を高めこともなく、粉末冶金プロ
セスによる焼結部品の製造に際して、圧縮・成形が容易
で、かつ広く普及している1130〜1150℃の低温
焼結でも、高い強度が得られ、大量生産焼結部品の高強
度化に大きく貢献できる。
Claims (5)
- 【請求項1】 ベース鉄粉に、予めバインダを均一に混
合し、次いでNi粉を均一混合、付着させた後、難酸化
性金属粉及び/又は易還元性金属酸化物粉の1種以上を
混合、付着させ、還元性雰囲気で加熱することを特徴と
する粉末冶金用部分合金化鋼粉の製造方法。 - 【請求項2】 ベース鉄粉に、予めバインダを均一に混
合し、次いで1.5〜5wt%のNi粉を均一混合、付
着した後、2重量%以下のCu粉及びMo換算で0.4
〜1.5重量%のMoO3 粉の1種以上を混合、付着さ
せ、還元性雰囲気で加熱することを特徴とする粉末冶金
用部分合金化鋼粉の製造方法。 - 【請求項3】 上記ベース鉄粉が、Mn;0.04wt
%以下、P;0.003wt%以下、残部鉄及び不可避
的不純物からなる高純度鉄粉であることを特徴とする請
求項1又は2記載の粉末冶金用部分合金化鋼粉の製造方
法。 - 【請求項4】 上記Ni粉が、最大粒子が45μm未満
で、平均フィッシャ(Fisher)粒度3〜5μmの
カーボニルNi粉であることを特徴とする請求項1又は
2記載の粉末冶金用部分合金化鋼粉の製造方法。 - 【請求項5】 上記混合を固定容器回転翼形高速混合機
で行うことを特徴とする請求項1又は2記載の粉末冶金
用部分合金化鋼粉の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7012781A JPH08199201A (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | 粉末冶金用部分合金化鋼粉の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7012781A JPH08199201A (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | 粉末冶金用部分合金化鋼粉の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08199201A true JPH08199201A (ja) | 1996-08-06 |
Family
ID=11814950
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7012781A Withdrawn JPH08199201A (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | 粉末冶金用部分合金化鋼粉の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08199201A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2015045273A1 (ja) * | 2013-09-26 | 2015-04-02 | Jfeスチール株式会社 | 粉末冶金用合金鋼粉および鉄基焼結体の製造方法 |
| US10265766B2 (en) | 2013-06-07 | 2019-04-23 | Jfe Steel Corporation | Alloy steel powder for powder metallurgy and method of producing iron-based sintered body |
-
1995
- 1995-01-30 JP JP7012781A patent/JPH08199201A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US10265766B2 (en) | 2013-06-07 | 2019-04-23 | Jfe Steel Corporation | Alloy steel powder for powder metallurgy and method of producing iron-based sintered body |
| WO2015045273A1 (ja) * | 2013-09-26 | 2015-04-02 | Jfeスチール株式会社 | 粉末冶金用合金鋼粉および鉄基焼結体の製造方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
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