JPH08108621A - 画像記録媒体及びそれを用いる画像形成方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 重合性樹脂を用いた記録媒体を用いて簡便な
現像方法により高精細なデジタル画像を高感度で得るこ
とのできる画像形成方法、及び簡便な現像方法により高
精細なデジタル画像を高感度で得ることができ、且つ保
存性に優れた画像記録媒体を提供する。 【構成】 光熱変換物質、熱重合性樹脂及び熱重合開始
剤を含有する熱重合性記録層を支持体上に有する画像記
録媒体、熱重合性記録層上に水溶性の保護層を有するこ
と、未露光部を転写するためのシートを熱重合性記録層
上に有すること、及び、これらの画像記録媒体に像様に
光を照射した後、転写、剥離及び現像液への浸漬から選
ばれる方法により現像する画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は画像記録媒体及びそれを
用いる画像形成方法に関し、詳しくは高精細のデジタル
記録に好適で、高感度で保存性に優れた画像記録媒体及
びそれを用いる画像形成保存性に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、高精細な画像記録方法としては、
銀塩方式、電子写真方式やフォトポリマー方式等が用い
られてきた。更に近年は変調可能なレーザーによるデジ
タル記録が上記記録方式に応用されており、それぞれ具
体的には、新聞ファクシミリやＣＴ等の銀塩感光材料へ
のレーザー出力、電子写真方式のレーザープリンタ、フ
ォトポリマー方式ではアルゴンレーザーを用いてＰＳ版
に直接画像記録を行う所謂ＣＴＰ、光熱変換物質と光架
橋性物質を含有する感光感熱層にレーザー記録して転写
現像する方式等が挙げられる。一方、環境への配慮から
現像工程において液体を使用しないで高精細な画像を得
る方法が望まれている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のうち、フォトポ
リマーを用いたレーザーによるデジタル記録方式である
ＣＴＰにおいては、液体現像が必要で、光ラジカル発生
剤が本質的に高感度なものほど保存により失活しやすい
ことから感度と保存性の両立が難しいという問題があ
る。

【０００４】従って本発明の目的は、重合性樹脂を用い
た記録媒体を用いて簡便な現像方法により高精細なデジ
タル画像を高感度で得ることのできる画像形成方法、及
び簡便な現像方法により高精細なデジタル画像を高感度
で得ることができ、且つ保存性に優れた画像記録媒体を
提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、光
熱変換物質、熱重合性樹脂及び熱重合開始剤を含有する
熱重合性記録層を支持体上に有する画像記録媒体、熱重
合性記録層上に水溶性の保護層を有すること、未露光部
を転写するためのシートを熱重合性記録層上に有するこ
と、熱重合性記録層が酸発生剤を含有すること、及び、
これらの画像記録媒体に像様に光を照射した後、転写、
剥離及び現像液への浸漬から選ばれる方法により現像す
る画像形成方法、により達成される。

【０００６】即ち、本発明者は、レーザーを用いる記録
層を熱重合系としてやれば、重合開始剤の活性化エネル
ギーを選定することにより保存性を任意に設定でき、レ
ーザー照射時の記録層の到達温度を高めることにより高
感度化が可能であると考え、光熱変換物質と熱重合性樹
脂と熱重合開始剤を基本構成とする記録層により本発明
に至ったものである。

【０００７】本発明の画像記録媒体は少なくとも支持体
と熱重合性記録層とからなるが、更に接着層及び／又は
剥離層を支持体と該記録層との間に有してもよいし、該
記録層上に水溶性のオーバーコート層を有してもよい。
以下、項目毎に解説する。

【０００８】《支持体》本発明の画像記録媒体に用いる
支持体としては、特に制限はなく、使用目的に応じて種
々の材質、層構成及びサイズを適宜選定すればよい。具
体的には、紙、コート紙、合成紙（ポリプロピレン、ポ
リスチレン若しくはそれらを紙と貼り合わせた複合材
料）等の各種紙類、塩化ビニル系樹脂シート、ＡＢＳ樹
脂シート、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリ
ブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタ
レートフィルム等の樹脂シート、各種の金属で形成され
たフィルム乃至シート等が挙げられる。

【０００９】支持体の厚さは20〜1000μm程度、好まし
くは20〜800μmであり、このような範囲から適宜選定す
る。又、通常、帯電防止処理、マット処理、易接着処理
等の加工を施したものを用いる。

【００１０】《熱重合性記録層》記録層が含有する光熱
変換物質は、光源によって異なり、光を吸収し効率良く
熱に変換するものが好ましく、例えば半導体レーザーを
光源として使用する場合は特開昭63-123454号、特開平3
-146565号に記載の化合物、カーボンブラック、グラフ
ァイト等近赤外領域に吸収を持つものが好ましい。又、
各種シアニン色素を初めとして、アントラキノン系、イ
ンドアニリン金属錯体系、アズレニウム系、クロコニウ
ム系、スクアリウム系、ジチオール金属錯体系、キレー
ト系、ナフタロシアニン金属錯体系の各色素等を用いる
ことができる。

【００１１】熱重合性樹脂のうちの熱重合性モノマーと
しては、公知のエチレン性不飽和結合を有するモノマー
を特に制限なく使用でき、具体的には2-エチルヘキシル
アクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒ
ドロキシプロピルアクリレート等の単官能アクリル酸エ
ステル及びその誘導体或いはこれらのアクリレートをメ
タクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエー
ト等に代えた化合物、ポリエチレングリコールジアクリ
レート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ビスフ
ェノールＡジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオ
ペンチルグリコールのε-カプロラクトン付加物のジア
クリレート等の２官能アクリル酸エステル及びその誘導
体或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタ
コネート、クロトネート、マレエート等に代えた化合
物、或いはトリメチロールプロパントリ（メタ）アクリ
レート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ピロガロ
ールトリアクリレート等の多官能アクリル酸エステル及
びその誘導体或いはこれらのアクリレートをメタクリレ
ート、イタコネート、クロトネート、マレエート等に代
えた化合物等を挙げることができる。

【００１２】又、適当な分子量のオリゴマーにアクリル
酸、又はメタアクリル酸を導入し、光重合性を付与し
た、所謂プレポリマーも好適に使用できる。

【００１３】この他に特開昭58-212994号、同61-6649
号、同62-46688号、同62-48589号、同62-173295号、同6
2-187092号、同63-67189号、特開平1-244891号等の各公
報に記載の化合物等を挙げることができ、更に「11290
の化学商品」化学工業日報社、第286〜294頁に記載の化
合物、「ＵＶ・ＥＢ硬化ハンドブック（原料編）」高分
子刊行会、第11〜65頁に記載の化合物等も本発明におい
ては好適に用いることができる。

【００１４】これらの中で、分子内に２個以上のアクリ
ル基又はメタクリル基を有する化合物が好ましく、更に
好ましくは分子量が10000以下、より好ましくは5000以
下のものである。

【００１５】これらのモノマー或いはプレポリマーは単
独で用いても良いし、併用しても良い。

【００１６】熱重合性層に用いられる熱重合開始剤とし
ては、一般にラジカル重合による高分子合成反応に用い
られる公知のラジカル重合開始剤を特に制限なく、使用
することができ、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル，
2,2'-アゾビスプロピオニトリル等のアゾビスニトリル
系化合物、過酸化ベンゾイル，過酸化ラウロイル，過酸
化アセチル，過安息香酸-t-ブチル，α-クミルヒドロパ
ーオキサイド，ジ-t-ブチルパーオキサイド，ジイソプ
ロピルパーオキシジカーボネート，t-ブチルパーオキシ
イソプロピルカーボネート，過酸類，アルキルパーオキ
シカルバメート類，ニトロソアリールアシルアミン類等
の有機過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム、過塩素酸カリウム等の無機過酸化物、ジアゾアミノ
ベンゼン，p-ニトロベンゼンジアゾニウム，アゾビス置
換アルカン類，ジアゾチオエーテル類，アリールアゾス
ルホン類等のアゾ又はジアゾ系化合物、ニトロソフェニ
ル尿素、テトラメチルチウラムジスルフィド等のテトラ
アルキルチウラムジスルフィド類、ジベンゾイルジスル
フィド等のジアリールジスルフィド類、ジアルキルキサ
ントゲン酸ジスルフィド類、アリールスルフィン酸類、
アリールアルキルスルホン類、1-アルカンスルフィン酸
類等を挙げることができる。

【００１７】本発明の記録方法では、露光照度にもよる
が、露光面の到達温度が600℃以上にもなり、活性化エ
ネルギーの大きい熱重合開始剤でも充分な感度を得るこ
とができる。

【００１８】熱重合開始剤のラジカル発生のための活性
化エネルギーは30Kcal／モル以上であることが好まし
く、そのようなものとしてアゾビスニトリル系化合物、
有機過酸化物が挙げられる。

【００１９】中でも、常温で安定性に優れ、過熱時の分
解速度が速く、分解時に無色となる化合物が好ましく、
過酸化ベンゾイル、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル
等を挙げることができる。

【００２０】これらの熱重合開始剤は単独で用いても２
種以上併用しても良く、感光性組成分の全固形分に対し
0.5〜30重量％程度、好ましくは２〜10重量％で用い
る。

【００２１】熱重合性層には必要に応じて熱可塑性樹脂
からなるバインダーを用いても良く、ポリエステル系樹
脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、ポリアミド系樹脂、セルロース系樹脂、オレフィン
系樹脂、塩化ビニル系樹脂、（メタ）アクリル系樹脂、
スチレン系樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドン、ポリサルホン、ポリカプ
ロラクトン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、尿素樹
脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ゴム系樹脂等から
選ばれるものを単独又は併用で用いることができる。
又、樹脂内に不飽和結合を有する樹脂、例えばジアリル
フタレート樹脂及びその誘導体、塩素化ポリプロピレン
等は前述のエチレン性不飽和結合を有する化合物と重合
させることが可能なため用途に応じて好適に用いること
ができる。

【００２２】これらのバインダー樹脂は、エチレン性不
飽和結合を有する熱重合性化合物100重量部に対して、5
00重量部以下、好ましくは200重量部以下で添加混合し
て用いる。

【００２３】更に熱重合性層には、従来公知の光重合転
写現像系で用いられる各種添加剤を適宜添加し使用でき
る。

【００２４】熱重合抑制剤として、ハイドロキノン、ピ
ロガロール、p-メトキシフェノール、カテコール、β-
ナフトール、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール等のキノン
系、フェノール系化合物が好ましく用いられ、エチレン
性不飽和結合を有する重合性化合物とバインダー樹脂と
の合計100重量部に対して、10重量部以下で、好ましく
は0.01〜５重量部程度で用いる。

【００２５】酸素クエンチャーとして、米国特許第4772
541号の第11カラム58行目〜第12カラム35行目に記載の
化合物等のN,N-ジアルキルアニリン誘導体が好ましく用
いられる。

【００２６】可塑剤として、フタル酸エステル類、トリ
メリット酸エステル類、アジピン酸エステル類、その他
飽和或いは不飽和カルボン酸エステル類、クエン酸エス
テル類、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、ステ
アリン酸エポキシ類、正リン酸エステル類、亜燐酸エス
テル類、グリコールエステル類等が挙げられる。

【００２７】加熱により酸を発生し開始剤の分解を促進
する酸発生剤を用いるのが好ましく、ジフェニルヨード
ニウム塩、1,3,5-トリアリルスルホニウム塩、トリアジ
ン類等が挙げられる。

【００２８】上述の各成分を適宜選択して、熱重合性記
録層が構成されるが、その厚さは0.5〜３μm程度が好ま
しい。光熱変換物質は記録波長における透過濃度が0.5
〜３の範囲になるように添加する。又、光熱変換物質、
熱重合性化合物及び熱重合開始剤等は、感度を向上させ
ることを目的として、マイクロカプセル内に局在化させ
ても良い。この場合、熱重合系は露光により局所的に加
熱されるため、更に高感度が可能となる。マイクロカプ
セルとしては熱応答性（露光時の加熱により内包物が放
出されるもの）を有することが好ましく、このようなマ
イクロカプセルを形成する方法については特開平1-1451
90号に詳しく記載されている。

【００２９】《その他の層》酸素による重合阻害を防止
するために、オーバーコート層を設けてもよい。オーバ
ーコート層の素材としては、ポリビニルアルコール、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶
性樹脂が好ましく、膜厚は0.2〜３μm程度が適当であ
る。

【００３０】又、転写現像を補助するために支持体との
間に剥離層を設けてもよい。剥離層の素材としては、上
記水溶性樹脂やポリビニルブチラール、ポリエチレン、
ワックス類等を採用できる。

【００３１】転写現像を行う場合には、被転写体との密
着性を確保するためにクッション層を設けることが好ま
しい。クッション層としては、熱により軟化するか、転
写時に弾性体であることが好ましく、具体的には軟化点
が80℃以下のエチレン-酢酸ビニル共重合体（ＥＶ
Ａ）、エチレン-アクリル酸エチル共重合体（ＥＥ
Ａ）、ポリエステル、スチレン-ブチレン樹脂（ＳＢ
Ｒ）、スチレン-イソプレン-スチレン樹脂（ＳＩＳ）、
スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン樹脂（ＳＥＢ
Ｓ）、ワックス等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。
又、軟化性の樹脂を発泡構造にしたものも採用できる。
発泡性の層を形成するものとしては、例えば日清紡(株)
が市販しているピーチコートが挙げられる。

【００３２】剥離現像を行う場合は予め剥離支持体を熱
重合性記録層上に設ける。剥離支持体はフィルムを熱重
合性記録層に貼合するか、塗布して設ける。フィルムの
素材としては、前記支持体と同様の素材を用いることが
できる。塗布して設ける場合は、前記オーバーコート層
に用いる素材が好適である。剥離支持体の厚さは５〜25
μmが好ましい。

【００３３】《記録方法》本発明はレーザーによるデジ
タル記録に有利なものであり、レーザー光源としては、
近赤外領域に発振波長を有するものであれば、一般によ
く知られているYAGレーザー，ガラスレーザー等の固体
レーザー、He−Neレーザー，CO₂レーザー，COレーザ
ー，その他の放電励起分子レーザー、エキシマレーザー
等の気体レーザー、化学レーザー、色素レーザー、半導
体レーザー等を使用することができる。中でも、YAGレ
ーザー、He-Neレーザー、半導体レーザーが好ましく、
特に半導体レーザーは、小型で安価であり、その組成に
より発振波長を変化させることができるので、使用する
感光性組成物の感光波長域に合わせて適宜選択すること
も可能であり好ましい。又、YAGレーザーは高出力のも
のを入手できるので感度の面で有利である。

【００３４】好ましく用いられる半導体レーザーの組成
とその発振波長域としては、InGaPレーザー(0.65〜1.0
μm)、AlGaAsレーザー(0.7〜1.0μm)、GaAsPレーザー
(0.7〜1.0μm)、InGaAsレーザー(1.0〜3.5μm)、InAsP
レーザー(1.0〜3.5μm)、CdSnP₂レーザー(1.01μm)、Ga
Sbレーザー(1.53μm)等が挙げられる。

【００３５】記録面における露光照度は露光感度を得る
という点から0.1メガワット／cm²以上であることが好ま
しい。高照度短時間露光とするほど熱拡散の影響を受け
にくく、最高到達温度が高くなるので高感度である。

【００３６】又、熱重合を促進するため、記録時にプレ
ヒートすることが好ましい。プレヒートの温度は実質的
に熱重合が起こらない程度であれば特に制限はないが、
好ましくは熱重合性層の主たるバインダー樹脂のガラス
転移点以上の温度に加熱する。

【００３７】《現像方法》本発明においては、簡便な転
写現像や剥離現像で高精細な画像を得ることができる
が、液体現像ももちろん可能である。

【００３８】転写現像においては、未露光部が他のシー
トへ熱転写される。熱転写は熱重合性記録層面側を別の
シートと対面させてラミネーター等により加熱及び加圧
して行う。転写現像においては、未露光部までも熱重合
することによるＳＮ比の低下を避けるため、一定以上の
熱量を与えない様に配慮する必要がある。好ましい熱転
写条件は、60℃以上、200℃以下、加熱時間0.01〜10秒
である。尚、クッション層は低温による転写現像を助け
る働きがある。よってクッション層を有する時は、その
軟化点以上の温度で加熱することが好ましい。又、未重
合部分は軟化点以上で且つ重合部分の軟化点以下で加熱
することが好ましいのは言うまでもない。

【００３９】転写画像を形成するシートとしては、未露
光部転写画像を最終画像として用いる場合、前記支持体
と同様の素材で寸法安定性の良いものとする。記録媒体
に残る露光部を最終画像として用いる場合、転写シート
はコストを考え、厚さ25μm未満のフィルムを用いるの
が良い。どちらの場合も転写性を向上するため転写シー
トに易接着処理を施しても良い。

【００４０】剥離現像する場合、予め画像記録媒体に剥
離支持体を積層しておいて、露光現像後該支持体を剥離
することにより露光部を剥離支持体上に付着せしめる。
同様に剥離支持体に易接着処理を施しても良い。剥離
角、剥離速度、環境温度等の剥離条件は材料に応じて適
宜設定する。

【００４１】尚、上記いずれの現像においても最終画像
を未露光部にて形成する場合、後加熱処理を行って熱重
合せしめることにより画像を安定させることができる。

【００４２】液体現像する場合、未露光部が現像により
溶出される。現像液としては、珪酸ナトリウム、珪酸カ
リウム、珪酸アンモニウム、第２燐酸ナトリウム、第２
燐酸カリウム、第２燐酸アンモニウム、重炭酸ナトリウ
ム、重炭酸カリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナト
リウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、硼
酸ナトリウム、硼酸カリウム、硼酸アンモニウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム及
び水酸化リチウム等の無機アルカリ剤、又はモノメチル
アミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチ
ルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイ
ソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプ
ロピルアミン、n-ブチルアミン、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ
イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、
エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン等の有機
アルカリ剤から選ばれる少なくとも１種のアルカリ剤の
水溶液が使用できる。

【００４３】現像液中には、必要に応じて、アニオン性
界面活性剤、両性界面活性剤及びアルコール等の有機溶
媒を添加してもよい。

【００４４】

【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。

【００４５】実施例１ 帯電防止処理を施された厚さ100μmの透明ポリエチレン
テレフタレート（ＰＥＴ）フィルム上に、酢酸ビニル
（ＶＡ）の比率が40モル％であるエチレン-酢酸ビニル
共重合体（ＥＶＡ〜Vicat試験による軟化点＝40℃）か
らなる５μmのクッション層と、メチルセルロースから
なる0.5μmの剥離層を順次塗布にて形成し、その上に以
下の熱重合性記録層用組成物を乾燥時の膜厚が１μmに
なるように塗布し、80℃を越えない程度の温風で乾燥し
た。

【００４６】 熱可塑性樹脂 アクリル樹脂 0.75ｇ 〔三菱レーヨン(株)製；ＢＲ−83〕 光熱変換物質 カーボンブラック分散物 1.21ｇ （カーボン含有率33重量％） 熱重合性化合物 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 0.74ｇ （ＤＰＨＡ）〔日本化薬(株)製〕 熱重合開始剤 ベンゾイルパーオキサイド 0.1ｇ 溶媒 メチルエチルケトン 7.19ｇ 熱重合性記録層の波長830nmにおける透過濃度は0.8であ
った。

【００４７】得られた記録媒体に以下の条件で露光し、
画像記録した。

【００４８】 光源 ：発振波長830nmの半導体レーザー 露光スポット径：６μm 露光強度 ：0.069〜0.198メガワット／cm² 露光エネルギー：200〜550mJ／cm²（露光スポットより
外の部分も含む） 次に市販のアート紙〔三菱製紙(株)製；三菱特両アー
ト〕と熱重合記録層を対面させて、110℃，30cm／min，
0.5Kg／cm²の条件でラミネートを行い、室温まで冷却し
た後、記録媒体を曲げるようにして支持体を紙から剥離
したところ、1000〜2000ＤＰＩ程度の解像度の画像が得
られた。

【００４９】明瞭な画像が得られる感度（露光エネルギ
ー）は露光強度に大きく依存し、露光強度が大きいほ
ど、見かけの感度が増加した。画像が確認できる感度
は、0.07メガワット／cm²で450mJ／cm²、0.1メガワット
で350mJ／cm²、0.14メガワット／cm²で300mJ／cm²、0.2
メガワット／cm²で250mJ／cm²であった。

【００５０】実施例２ 記録媒体の重合開始剤をベンゾイルパーオキサイド（活
性化エネルギーが31.1Kcal／モル）に代えてジクミルパ
ーオキサイド（活性化エネルギーが約40.6Kcal／モル）
とした以外は実施例１と同様にして、記録媒体を作成し
転写現像を行ったところ、露光強度が0.069〜0.198メガ
ワット／cm²の範囲では殆ど感度に差が見られなかっ
た。

【００５１】更に、実施例１の記録媒体と実施例２の記
録媒体を55℃、20％RHの条件で１週間保存して両者の感
度を比較したところ、ジクミルパーオキサイドを含有す
る実施例２の記録媒体の方が感度の劣化が小さかった。

【００５２】実施例３ 酸発生剤〔住友化学(株)製；架橋促進剤ＡＣＸ−Ｐ、有
効成分35％〕を0.1ｇ熱重合性記録層用組成物に添加し
た以外は実施例１と同様にして、記録媒体を作成し転写
現像を行ったところ、露光強度が0.2メガワット／cm²で
画像視認可能感度が200mJ／cm²にまで増加した。

【００５３】実施例４ 平版印刷版用の砂目立て処理を施したアルミニウム支持
体上に、以下の熱重合性記録層用組成物を塗布・乾燥し
て膜厚２μmの熱重合性記録層を形成した。更にその上
にポリビニルアルコール〔日本合成化学(株)製；ＥＧ−
30〕水溶液を膜厚１μmのオーバーコート層になるよう
に塗布・乾燥して画像記録媒体を得た。

【００５４】 光熱変換物質 カーボンブラック分散物 1.21ｇ （カーボン含有率33重量％） 熱重合性化合物 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 0.74ｇ （ＤＰＨＡ）〔日本化薬(株)製〕 アルカリ可溶性熱可塑性樹脂 メチルメタクリレート(ＭＭＡ)-メタクリル酸(ＭＡＡ)共 重合体（モル比８：２、Ｍ_W＝25000） 0.75ｇ 熱重合開始剤 ベンゾイルパーオキサイド 0.1ｇ 溶媒 メチルエチルケトン 7.19ｇ 尚、熱重合性記録層の波長830nmにおける透過濃度は0.8
であった。

【００５５】得られた記録媒体に実施例１と同様に画像
露光を行い、以下の組成の現像液に、25℃で30秒浸漬し
て未露光部分を溶出した。

【００５６】現像液組成 珪酸ナトリウム 25ｇ 水酸化カリウム 15ｇ 水 1000ｇ 露光強度0.2メガワット／cm²における画像視認可能感度
が200mJ／cm²で、2000ＤＰＩ以上の解像度が得られた。
又、記録媒体を60℃に加熱しながら露光したところ、露
光強度0.2メガワット／cm²における画像視認可能感度は
100mJ／cm²にまで上昇した。

【００５７】実施例５ 実施例１と同様に作成した画像記録媒体の熱重合性記録
層面に、厚さ14μmの易接着層付きＰＥＴフィルムにメ
チルセルロースをコーティングした剥離支持体をラミネ
ートした画像記録媒体を作成した。

【００５８】実施例１と同様に画像露光を行った後、剥
離支持体を曲げるようにして画像記録媒体から剥離した
ところ、露光強度0.2メガワット／cm²における画像視認
可能感度が300mJ／cm²で、1000ＤＰＩの解像度が得られ
た。

【００５９】

【発明の効果】本発明により、簡便な現像方法により高
精細なデジタル画像を高感度で得ることができ、又、画
像記録媒体の保存性にも優れる。

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光熱変換物質、熱重合性樹脂及び熱重合
   開始剤を含有する熱重合性記録層を支持体上に有するこ
   とを特徴とする画像記録媒体。
2. 【請求項２】 熱重合性記録層上に水溶性の保護層を有
   することを特徴とする請求項１に記載の画像記録媒体。
3. 【請求項３】 未露光部を転写するためのシートを熱重
   合性記録層上に有することを特徴とする請求項１に記載
   の画像記録媒体。
4. 【請求項４】 熱重合性記録層が酸発生剤を含有するこ
   とを特徴とする請求項１，２又は３に記載の画像記録媒
   体。
5. 【請求項５】 熱重合開始剤のラジカル発生のための活
   性化エネルギーが30Kcal／モル以上であることを特徴と
   する請求項１，２，３又は４に記載の画像記録媒体。
6. 【請求項６】 請求項１，２，３，４又は５に記載の画
   像記録媒体に像様に光を照射した後、転写、剥離及び現
   像液への浸漬から選ばれる方法により現像することを特
   徴とする画像形成方法。
7. 【請求項７】 記録媒体の記録面における露光照度が0.
   1メガワット／cm²以上であることを特徴とする請求項６
   に記載の画像形成方法。
8. 【請求項８】 予め画像記録媒体を加熱して光照射を行
   うことを特徴とする請求項６又は７に記載の画像形成方
   法。