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JPH0788808A - 木材の定着性向上防腐防虫用組成物、木材の防腐防虫処理方法および防腐防虫処理が施された木材 - Google Patents

木材の定着性向上防腐防虫用組成物、木材の防腐防虫処理方法および防腐防虫処理が施された木材

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Publication number
JPH0788808A
JPH0788808A JP17717794A JP17717794A JPH0788808A JP H0788808 A JPH0788808 A JP H0788808A JP 17717794 A JP17717794 A JP 17717794A JP 17717794 A JP17717794 A JP 17717794A JP H0788808 A JPH0788808 A JP H0788808A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wood
copper
zinc
compound
antiseptic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17717794A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazunobu Shiozawa
計信 塩澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KOSHII PUREZAABINGU KK
Koshii Preserving KK
Original Assignee
KOSHII PUREZAABINGU KK
Koshii Preserving KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KOSHII PUREZAABINGU KK, Koshii Preserving KK filed Critical KOSHII PUREZAABINGU KK
Priority to JP17717794A priority Critical patent/JPH0788808A/ja
Publication of JPH0788808A publication Critical patent/JPH0788808A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 注入された有効成分が長期間に亘って木材の
内部に定着するようにする。 【構成】 銅化合物、亜鉛化合物、およびホウ素化合物
の内から選ばれた少なくともいずれか一つからなる防腐
防虫成分と、ケイ酸ソーダとが、揮発性を有する塩基性
化合物を含んだ水に溶解されてなる第一次注入液と、中
和塩の水溶液である第二次注入液とからなる木材の定着
性向上防腐防虫組成物、この組成物を用いた木材の防腐
防虫処理方法およびこの組成物によって防腐防虫処理が
施された木材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、木材を対象として防腐
および防虫用に使用される木材の定着性向上防腐防虫用
組成物、木材の防腐防虫処理方法および防腐防虫処理が
施された木材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ある種の金属化合物および無機化
合物を主成分とする組成物が、木材の防腐および防虫に
関して有効であることが知られている。このような組成
物のうちの金属化合物としては、酢酸銅、クロム酸銅、
クロム酸カリウム、重クロム酸ナトリウム等の銅あるい
はクロム化合物や、塩化第二水銀等の水銀化合物が挙げ
られ、また、無機化合物としてはアヒ酸等のヒ素化合
物、フッ化ナトリウム等のフッ素化合物、ホウ酸やホウ
砂等のホウ素化合物が挙げられる。これらの化合物が適
宜組み合わされて配合され、水溶液として木材の防腐防
虫用組成物とされる。上記水溶液に酢酸、アンモニア等
の定着剤が添加されることも多い。
【0003】このようにして得られた組成物が木材の中
に注入されて防腐防虫機能を発揮する。このような組成
物は本来的に防腐防虫機能を有している。木材の内部に
注入された組成物は、木材の内部で組成物を構成してい
る成分相互間や木材との間で起こる化学反応によって木
材の内部に定着される。しかし定着性が悪く、長期間に
亘って防腐・防虫効果を持続させることができるという
ものではない。
【0004】しかし、上記組成物の構成要素のうち、ヒ
素化合物は猛毒であり、クロム、水銀等の重金属化合物
も毒性が大きく、従ってこのような組成物は、その調製
時はもちろんのこと、木材への注入時においても作業者
が被毒しないように充分に管理する必要があるととも
に、木材加工時に発生する廃材や、古くなった木材製品
の廃棄処分時に環境汚染に留意しなければならない等問
題点が多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そのようなことから、
近年クロム化合物やヒ素化合物に代えてホウ酸銅やホウ
酸亜鉛を主成分とし、これに揮発性塩基性化合物を添加
したものの水溶液が木材の防腐防虫用の組成物として注
目されるに到っている。このような組成物は、銅成分や
亜鉛成分が防腐効果を、ホウ酸成分が防虫効果を発揮す
る。クロム化合物やヒ素化合物が用いられていないため
毒性が低いという利点を有している。
【0006】しかし、上記ホウ酸系の化合物を主成分に
する組成物は、通常木材に対する定着性はそれほど良好
なものではなく、それの注入された木材を土中に埋設す
ると約2年間でホウ酸系の化合物のホウ酸成分75%以
上が溶脱するといわれている。
【0007】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、まず第一に、注入された有
効成分が長期間に亘って木材の内部に定着するような防
腐防虫組成物を提供することを目的とし、第二に、注入
された有効成分が長期間に亘って木材の内部に定着され
るようにする防腐防虫処理方法を提供することを目的と
し、第三に、注入された有効成分が長期間に亘って定着
する防腐防虫処理が施された木材を提供することを目的
としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
木材の定着性向上防腐防虫用組成物は、銅化合物、亜鉛
化合物、およびホウ素化合物の内から選ばれた少なくと
もいずれか一つからなる防腐防虫成分とケイ酸ソーダと
が揮発性を有する塩基性化合物を含んだ水に溶解された
第一次注入液によって形成されていることを特徴とする
ものである。
【0009】本発明の請求項2記載の木材の定着性向上
防腐防虫用組成物は、銅化合物、亜鉛化合物、およびホ
ウ素化合物の内から選ばれた少なくともいずれか一つか
らなる防腐防虫成分が揮発性を有する塩基性化合物を含
んだ水に溶解された第一次注入液と、中和塩が水に溶解
された第二次注入液とから構成されていることを特徴と
するものである。
【0010】本発明の請求項3記載の木材の定着性向上
防腐防虫用組成物は、銅化合物、亜鉛化合物、およびホ
ウ素化合物の内から選ばれた少なくともいずれか一つか
らなる防腐防虫成分とケイ酸ソーダとが揮発性を有する
塩基性化合物を含んだ水に溶解された第一次注入液と、
中和塩が水に溶解された第二次注入液とから構成されて
いることを特徴とするものである。
【0011】本発明の請求項4記載の木材の定着性向上
防腐防虫用組成物は、請求項1乃至3のいずれかに記載
の木材の定着性向上防腐防虫用組成物において、上記銅
化合物が、ホウ酸銅、水酸化銅、酢酸銅、塩化銅および
硫酸銅の内から選ばれた少なくともいずれか一つである
ことを特徴とするものである。
【0012】本発明の請求項5記載の木材の定着性向上
防腐防虫用組成物は、請求項4記載の木材の定着性向上
防腐防虫用組成物において、上記ホウ酸銅が、四ホウ酸
銅、一塩基性四ホウ酸銅、二塩基性四ホウ酸銅および三
塩基性四ホウ酸銅の内から選ばれた少なくともいずれか
一つであることを特徴とするものである。
【0013】本発明の請求項6記載の木材の定着性向上
防腐防虫用組成物は、請求項1乃至3のいずれかに記載
の木材の定着性向上防腐防虫用組成物において、上記亜
鉛化合物は、ホウ酸亜鉛、酢酸亜鉛、水酸化亜鉛、酸化
亜鉛、塩化亜鉛および硫酸亜鉛の内から選ばれた少なく
ともいずれか一つであることを特徴とするものである。
【0014】本発明の請求項7記載の木材の定着性向上
防腐防虫用組成物は、請求項6記載の木材の定着性向上
防腐防虫用組成物において、上記ホウ酸亜鉛は、四ホウ
酸亜鉛、二塩基性四ホウ酸亜鉛、四水酸化亜鉛三(四ホ
ウ酸)塩および水酸化亜鉛ジメタホウ酸塩の内から選ば
れた少なくともいずれか一つであることを特徴とするも
のである。
【0015】本発明の請求項8記載の木材の定着性向上
防腐防虫用組成物は、請求項1乃至3のいずれかに記載
の木材の定着性向上防腐防虫用組成物において、上記ホ
ウ素化合物は、ホウ酸およびホウ砂の内から選ばれた少
なくともいずれか一つであることを特徴とするものであ
る。
【0016】本発明の請求項9記載の木材の定着性向上
防腐防虫用組成物は、請求項1乃至3のいずれかに記載
の木材の定着性向上防腐防虫用組成物において、上記揮
発性を有する塩基性化合物は、Rが水素または低アルキ
ル基である化学式R3Nで表されるものであることを特
徴とするものである。
【0017】本発明の請求項10記載の木材の定着性向
上防腐防虫用組成物は、請求項2または3記載の木材の
定着性向上防腐防虫用組成物において、上記中和塩は、
希土類塩化物またはアルカリ土類塩であることを特徴と
するものである。
【0018】本発明の請求項11記載の木材の定着性向
上防腐防虫用組成物は、請求項10記載の木材の定着性
向上防腐防虫用組成物において、上記希土類塩化物は、
塩化スカンジウム、塩化イットリウムおよび塩化ランタ
ノイドの内から選ばれた少なくともいずれか一つである
ことを特徴とするものである。
【0019】本発明の請求項12記載の木材の定着性向
上防腐防虫用組成物は、請求項10記載の木材の定着性
向上防腐防虫用組成物において、上記アルカリ土類塩
は、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウ
ム、塩化ストロンチウムおよび硫酸マグネシウムの内か
ら選ばれた少なくともいずれか一つであることを特徴と
するものである。
【0020】本発明の請求項13記載の木材の防腐防虫
処理方法は、銅化合物、亜鉛化合物、およびホウ素化合
物の内から選ばれた少なくともいずれか一つからなる防
腐防虫成分とケイ酸ソーダとが揮発性を有する塩基性化
合物を含んだ水に溶解されてなる第一次注入液を木材に
注入することを特徴とするものである。
【0021】本発明の請求項14記載の木材の防腐防虫
処理方法は、請求項13記載の木材の防腐防虫処理方法
において、上記第一次注入液の注入された木材に、さら
に中和塩が水に溶解されてなる第二次注入液を注入する
ことを特徴とするものである。
【0022】本発明の請求項15記載の木材の防腐防虫
処理方法は、銅化合物、亜鉛化合物、およびホウ素化合
物の内から選ばれた少なくともいずれか一つからなる防
腐防虫成分が揮発性を有する塩基性化合物を含んだ水に
溶解されてなる第一次注入液を木材に注入し、この第一
次注入液が注入された木材に、さらに中和塩が水に溶解
されてなる第二次注入液を注入することを特徴とするも
のである。
【0023】本発明の請求項16記載の防腐防虫処理が
施された木材は、銅化合物、亜鉛化合物、およびホウ素
化合物の内から選ばれた少なくともいずれか一つが揮発
性を有する塩基性化合物を含む水に溶解されてなる、若
しくは、さらにそれにケイ酸ソーダが溶解されてなる第
一次注入液が注入されているか、または、上記第一次注
入液と中和塩が水に溶解された第二次注入液との双方が
注入されていることを特徴とするものである。
【0024】
【作用】上記請求項1乃至3に記載の木材の定着性向上
防腐防虫組成物、請求項13乃至15に記載の木材の防
腐防虫処理方法、および、請求項16に記載の防腐防虫
処理が施された木材によれば、通常の防腐防虫用に用い
られる銅化合物、亜鉛化合物、およびホウ素化合物は、
人体に対する毒性は少ないが、防腐防虫効果が良好であ
り、このような成分が木材に注入されれば、その木材に
は防腐防虫機能が付与された状態になり、木材の腐食お
よび虫害を有効に抑止することができる。
【0025】また、通常、銅化合物、亜鉛化合物、およ
びホウ素化合物は、水のみには溶解し難い場合が多い
が、溶媒として揮発性を有する塩基性化合物を含んだ水
が用いられているため、上記各化合物(有効成分)の水
への溶解度が上昇し、それらは水によく溶けるようにな
る。従って、上記有効成分を高濃度にすることが可能に
なり、木材中への有効成分の注入を効果的に行い得るよ
うになる。また、木材中に注入されて後塩基性成分が揮
散すると、上記有効成分は水に溶け難くなり、その結果
溶脱が有効に抑制され、有効成分は木材内部によく定着
する。
【0026】そして、特に請求項1に記載の組成物およ
び請求項13に記載の処理方法によれば、木材には上記
銅化合物、亜鉛化合物、およびホウ素化合物の内の少な
くともいずれか一つおよびケイ酸ソーダが水に溶解され
た第一次注入液が注入されているため、中和塩を含む第
二次注入液が注入されないが、上記ケイ酸ソーダの添加
によって銅および亜鉛の木材中での定着率は向上する。
【0027】また、請求項2記載の組成物および請求項
15記載の処理方法によれば、木材には、上記銅化合
物、亜鉛化合物、およびホウ素化合物の内の少なくとも
いずれか一つが水に溶解された第一次注入液が注入さ
れ、この第一次注入液にはケイ酸ソーダが含まれていな
いが、その代り中和塩を含む第二次注入液が注入されて
いるため、この中和塩の作用によって銅の木材中での定
着率は向上する。
【0028】さらに、請求項3記載の組成物および請求
項14記載の処理方法によれば、木材には、上記銅化合
物、亜鉛化合物、およびホウ素化合物の内の少なくとも
いずれか一つが水に溶解され、かつ、ケイ酸ソーダが含
まれた第一次注入液と、中和塩を含む第二次注入液との
双方が注入されているため、銅および亜鉛はもちろんの
こと、ホウ酸の木材中の定着率も向上する。
【0029】そして、上記組成物の一成分であるケイ酸
ソーダは、木材の内部の細孔に入り込んでコロイド状の
ゲルになり細孔を塞ぐため、木材内部に注入された上記
有効成分は木材の組織内に閉塞された状態になり、さら
に定着性が向上する。
【0030】また、ケイ酸ソーダと中和塩との双方が木
材に注入されると、ケイ酸ソーダと中和塩とが結合して
水に不溶性の物質に変化するため、それが木材内の細孔
を塞ぎ、その結果有効成分はさらに溶脱し難くなる。
【0031】そして、木材の内部においては、ケイ酸ソ
ーダと中和塩との結合で得られた水不溶性物質によって
閉塞された状態で上記有効成分が定着保持されているた
め、この木材を長期間空中に曝したり、土中に埋設した
としても、上記のケイ酸希土、アルカリ土類塩に阻止さ
れて上記組成物は容易に溶脱しないため、極めて長期間
に亘って組成物が注入された木材の防腐防虫効果が持続
する。
【0032】上記請求項4記載の木材の定着性向上防腐
防虫組成物によれば、銅化合物が、ホウ酸銅、水酸化
銅、酢酸銅、塩化銅および硫酸銅の内から選ばれた少な
くともいずれか一つであり、これらは優れた防腐防虫機
能を有しており、かつ、木材中にケイ酸ソーダおよび中
和塩の注入がなくても木材内部への定着性は優れたもの
になる。
【0033】上記請求項5記載の木材の定着性向上防腐
防虫組成物によれば、ホウ酸銅が、四ホウ酸銅、一塩基
性四ホウ酸銅、二塩基性四ホウ酸銅および三塩基性四ホ
ウ酸銅の内から選ばれた少なくともいずれか一つであ
り、これらは優れた防腐防虫機能を有している。
【0034】上記請求項6記載の木材の定着性向上防腐
防虫組成物によれば、亜鉛化合物は、ホウ酸亜鉛、酢酸
亜鉛、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、塩化亜鉛および硫酸亜鉛
の内から選ばれた少なくともいずれか一つであり、これ
らは優れた防腐防虫機能を有しているとともに、木材中
にケイ酸ソーダおよび中和塩の注入がなくても木材内部
への定着性は優れたものになる。
【0035】上記請求項7記載の木材の定着性向上防腐
防虫組成物によれば、ホウ酸亜鉛は、四ホウ酸亜鉛、二
塩基性四ホウ酸亜鉛、四水酸化亜鉛三(四ホウ酸)塩お
よび水酸化亜鉛ジメタホウ酸塩の内から選ばれた少なく
ともいずれか一つであり、これらは優れた防腐防虫機能
を有している。
【0036】上記請求項8記載の木材の定着性向上防腐
防虫組成物によれば、ホウ酸化合物は、ホウ酸およびホ
ウ砂の内から選ばれた少なくともいずれか一つであり、
これらは優れた防腐防虫機能を有しているとともに、第
一次注入液中にケイ酸ソーダを含ませ、かつ、第二次注
入液を注入することによって木材内での定着性を向上さ
せることができる。
【0037】上記請求項9記載の木材の定着性向上防腐
防虫組成物によれば、揮発性を有する塩基性化合物は、
Rが水素または低アルキル基である化学式R3Nで表さ
れるいわゆるアミン類であり、これらのアミン類は水に
よく溶解するとともに、このようなアミン類が溶解され
た水には上記ホウ酸銅等の銅化合物、上記ホウ酸亜鉛等
の亜鉛化合物およびホウ酸等のホウ素化合物がよく溶解
するようになる。
【0038】上記請求項10記載の木材の定着性向上防
腐防虫組成物によれば、中和塩は、希土類塩化物または
アルカリ土類塩であるため、上記請求項1記載の組成物
である第一次注入液を木材に注入し、さらにその後第一
次注入液が注入された木材に中和塩としての希土類塩化
物またはアルカリ土類塩化物の水溶液である第二次注入
液を注入することによって、水に不溶のケイ素と希土類
塩化物またはアルカリ土類塩化物との化合物が生成し、
それが木材内の細孔を塞ぎ、その結果有効成分はさらに
溶脱し難くなる。
【0039】上記請求項11記載の木材の定着性向上防
腐防虫組成物によれば、希土類塩化物は、塩化スカンジ
ウム、塩化イットリウムまたは塩化ランタノイドである
ため、上記請求項1記載の組成物である第一次注入液を
木材に注入し、さらにその後第一次注入液が注入された
木材に塩化スカンジウム、塩化イットリウムまたは塩化
ランタノイドの水溶液である第二次注入液を注入するこ
とによって、ケイ酸ソーダは例えば次式のごとく反応
し、水に不溶性のケイ酸希土(主体はケイ酸セリウム)
等となり、木材内の細孔を塞ぐことになる。
【0040】3(NaO・2SiO2)+2CeCl3 →6NaCl+Ce23・6SiO2 その結果、上記組成物を木材の内部に、溶脱が起こり難
い状態で保持することが可能になる。
【0041】上記請求項13記載の木材の定着性向上防
腐防虫組成物によれば、アルカリ土類塩は、塩化カルシ
ウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム、塩化ストロン
チウムまたは硫酸マグネシウムであるため、上記請求項
1記載の組成物である第一次注入液を木材に注入し、さ
らにその後第一次注入液が注入された木材に塩化カルシ
ウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム、塩化ストロン
チウムまたは硫酸マグネシウムの水溶液である第二次注
入液を注入することによって、ケイ酸ソーダは例えば次
式のごとく反応し、水に不溶性のケイ酸アルカリ土類等
となり、木材内の細孔を塞ぐことになる。
【0042】Na2O・2SiO2+CaCl2 →2NaCl+CaO・2SiO2 Na2O・2SiO2+MgCl2 →2NaCl+MgO・2SiO2 その結果、上記組成物を木材の内部に、溶脱が起こり難
い状態で保持することが可能になる。
【0043】
【実施例】本発明に係る木材の定着性向上防腐防虫用組
成物は、以下の防腐防虫成分と、ケイ酸ソーダとが溶媒
である水に溶解されてなるものである。
【0044】1)銅化合物 2)亜鉛化合物 3)ホウ素化合物 4)銅化合物、亜鉛化合物およびホウ素化合物の内のい
ずれか二つの混合物、または三つの混合物 これら1)〜4)に掲げた化合物または組成物は、それ
ぞれ優れた防腐防虫機能を有しており、いずれも従来用
いられていたヒ素化合物や、クロム、水銀等の重金属化
合物とは異なり毒性は低い。
【0045】特に、本発明においては、以下の銅化合物
が防腐防虫成分として適用可能である。 ・四ホウ酸銅(CuB47) ・一塩基性四ホウ酸銅(Cu(OH)2・CuB47) ・二塩基性四ホウ酸銅(2Cu(OH)2・CuB47) ・三塩基性四ホウ酸銅(3Cu(OH)2・CuB47) ・第一水酸化銅(Cu(OH)) ・第二水酸化銅(Cu(OH)2) ・酢酸銅((CH3COO)2Cu) ・塩基性炭酸銅(Cu(OH)2・CuCO3) ・塩化銅(CuCl2) ・硫酸銅(CuSO4)。
【0046】また、本発明においては、以下の亜鉛化合
物が防腐防虫成分として適用可能である。 ・四ホウ酸亜鉛(ZnB47) ・二塩基性四ホウ酸亜鉛(2Zn(OH)2・ZnB47) ・四水酸化亜鉛三(四ホウ酸)塩(4Zn(OH)2・3H
247) ・水酸化亜鉛ジメタホウ酸塩(Zn(OH)2・(2HB
2)) ・酢酸亜鉛((CH3COO)2Zn) ・水酸化亜鉛(Zn(OH)2) ・酸化亜鉛(ZnO) ・塩化亜鉛(ZnCl2) ・硫酸亜鉛(ZnSO4)。
【0047】また、本発明においては、以下のホウ素化
合物が適用可能である。 ・ホウ酸(H3BO3) ・ホウ砂(Na247・10H2O)。
【0048】上記一塩基性四ホウ酸銅(Cu(OH)2・C
uB47)は、硫酸銅にホウ砂を反応させて製造する。
すなわち、硫酸銅とホウ砂とが反応すると、 CuSO4・5H2O+Na247・10H2O →CuB47+Na2SO4+15H2O…(1) 上記のような反応式で四ホウ酸銅(CuB47)が生成
する。この四ホウ酸銅を繰り返し水洗することによって
下記反応式で示すように加水分解を起こさせ、一塩基性
四ホウ酸銅(Cu(OH)2・CuB47)を得ることがで
きる。
【0049】2CuB47+7H2O →(CuOH)2・B47+4H3BO3 →Cu(OH)2・CuB47+4H3BO3…(2) また、上記二塩基性四ホウ酸銅(2Cu(OH)2・CuB4
7)は、硫酸銅にホウ砂の高濃度の水溶液を約50℃
で反応させることによって製造することができる。すな
わち、硫酸銅と高濃度のホウ砂とを約50℃で反応させ
ると、上記(1)式で示すように、まず四ホウ酸銅(CuB
47)が生成し、これが直ちに加水分解して下記反応式
に示すように、二塩基性四ホウ酸銅(2Cu(OH)2・C
4BO7)が得られるのである。
【0050】3CuB47+14H2O →(Cu(OH))3・B47(OH)+2H247+1
0H2O →{2Cu(OH)2}・CuB47+8H3BO3…(3) 具体的な製造例を示すと、まず、硫酸銅五水塩の40%
水溶液(50℃)125重量部にホウ砂10水塩の10
%の水溶液(50℃)763重量部を添加しつつ撹拌す
る。この混合液を50℃で1時間放置し、ついで20〜
30℃に放冷し、一昼夜放置する。この放置によって得
られた沈殿を、未反応のホウ砂がなくなるまで繰り返し
水洗し、その後恒量になるまで乾燥して26.81gの
二塩基性四ホウ酸銅を得ることができた。
【0051】さらに、上記三塩基性四ホウ酸銅(3Cu
(OH)2・CuB47)は、硫酸銅とホウ砂の高濃度水溶
液とを等モル比で、大量の約60℃に加温された水中に
添加することによって得ることができる。まず(1)式の
通りに四ホウ酸銅(CuB47)が生成し、これが直ち
に加水分解して下記式に示すように三塩基性四ホウ酸銅
(3Cu(OH)2・CuB47)が得られるのである。
【0052】4CuB47+21H2O →(Cu(OH))4・B47(OH)2+3H247+15
3O →{3Cu(OH)2}・CuB47+12H3BO3…(4) 具体的な例を示すと、硫酸銅五水塩の40%水溶液(6
0℃)125重量部にホウ砂10水塩の10.2%の水
溶液(60℃)750重量部を等モル比で100重量部
の水(60℃)に添加しつつ撹拌する。この混合液を6
0℃で1時間放置し、ついで20〜30℃に放冷し、一
昼夜放置する。この放置によって得られた沈殿を、未反
応のホウ砂がなくなるまで繰り返し水洗し、その後60
℃で48時間乾燥し、24.3gの三塩基性四ホウ酸銅
を得ることができた。
【0053】上記第一水酸化銅(Cu(OH))は、銅の
電極を用いた食塩水の電気分解によって得ることができ
る。また、銅塩にアルカリ水酸化物を添加することによ
ってクラッシャー1よい沈殿物として第一水酸化銅を得
ることができる。
【0054】上記第二水酸化銅(Cu(OH)2)は、アン
モニア水に硫酸第二銅(CuSO4)を溶解し、その溶液
に水酸化ナトリウムを加えることによって青い結晶とし
て得ることができる。
【0055】上記二塩基性四ホウ酸亜鉛(2Zn(OH)2
・ZnB47)は、塩化亜鉛にホウ砂を反応させて調製
する。これを反応式で示すと以下のようになる。
【0056】ZnCl2+Na247・10H2O →ZnB47+2NaCl+10H2O…(5) 6ZnB47+28H2O →2{(ZnOH)3・B47(OH)}+16H3BO
3 →2[{2Zn(OH)2}・ZnB47]+16H3
3 ………………(6) 具体的には、まず常温で塩化亜鉛の10%溶液27.3
部にホウ砂10水塩の2%水溶液381.5部を添加し
つつ撹拌して白色の沈殿を得た。この沈殿の未反応のホ
ウ砂が完全になくなるまで沈殿の水洗を繰り返し、恒量
になるまで40℃で24時間以上乾燥し、2.90gの
二塩基性四ホウ酸亜鉛を得た。
【0057】二塩基性四ホウ酸亜鉛を揮発性塩基性化合
物の存在下で水に溶解すると、加水分解して以下の反応
式により五塩基性四ホウ酸亜鉛({5Zn(OH)2
・ZnB47)を生成する。
【0058】2[{2Zn(OH)2}・ZnB47+7H2
O →(Zn(OH))647(OH)4+4H3BO3 →{5Zn(OH)2}・ZnB47+4H3BO3…(7) つぎに、四水酸化亜鉛・三(四ホウ酸)塩(4Zn(O
H)2・3H247)は、富田製薬株式会社より、商品
名「ホウ酸亜鉛2335」として販売されている。この
四水酸化亜鉛・三(四ホウ酸)塩を揮発性塩基性化合物
の存在下で水に溶解すると、加水分解して以下の反応式
により四水酸化亜鉛・二(四ホウ酸)塩(4Zn(OH
2)・2H247)が得られる。
【0059】4Zn(OH)2・3H247+5H2O →4Zn(OH)2・2H247+4H3BO3…(8) また、水酸化亜鉛・ジメタホウ酸塩(Zn(OH)2
2HBO2)は、富田製薬株式会社より、商品名「ホウ
酸亜鉛101」として販売されている。この水酸化亜鉛
・ジメタホウ酸塩を揮発性塩基性化合物の存在下で水に
溶解すると、加水分解して以下の反応式により水酸化亜
鉛モノメタホウ酸塩(Zn(OH2)・HBO2)が得ら
れる。
【0060】Zn(OH)2・2HBO2+H2O →Zn(OH)2・HBO2+H3BO3……………(9) 上記ホウ酸(H3BO3)およびホウ砂(Na247・1
0H2O)は、多くの化学関係の会社で製造され、か
つ、販売されている。従って、市場から極めて容易に入
手することができる。
【0061】上記の生成物のうちの亜鉛成分は防腐防虫
機能を有しており、ホウ酸成分は防虫機能を備えてい
る。
【0062】そして、本発明の定着性向上防腐防虫組成
物は、上記1)〜4)に示した組成物に塩基性水溶液の
存在下でケイ酸ソーダが添加されてなるものである。
【0063】上記1)〜4)に示した組成物にケイ酸ソ
ーダが添加される理由は以下の通りである。すなわち、
ケイ酸ソーダは、水に溶かして水溶液にすると、時間の
経過とともにケイ酸ソーダの分子が集合してコロイド状
にゲル化する性質を有している。本発明は、このケイ酸
ソーダのゲル化する性質を利用したものである。すなわ
ち、鋭意研究の結果、木材に上記組成物が注入される
と、上記ゲル化現象によってケイ酸ソーダは木材に形成
している導管、假導管などの細孔を閉鎖し、木材の内部
に銅化合物、亜鉛化合物あるいはホウ素化合物等の上記
1)〜4)に示した有効成分を閉じ込める働きをするか
らである。
【0064】上記塩基性の水溶液としては揮発性塩基性
化合物であるアンモニアが水に溶解されたアンモニア水
を用いることが多いが、特にアンモニアに限定されるも
のではなく、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリ
メチルアミン、モノプロピルアミン、ジプロピルアミ
ン、トリプロピルアミン、モノペンチルアミン等の沸点
100℃以下の第一級アミン、第二級アミン、第三級ア
ミンが好適に適用可能である。
【0065】このような揮発性塩基性化合物の水溶液が
用いられる理由は、上記1)〜4)に示した化合物また
は組成物は水のみには極めて溶けにくい性質を有してい
るが、水が塩基性になるとよく溶解するようになるから
である。
【0066】そして、塩基性化合物として揮発性を有し
ているものが選ばれるのは、木材への注入後の定着性を
向上させるためである。すなわち、例えば塩基性の水溶
液としてアンモニア水が用いられた場合には、実際はよ
り複雑な反応機構が存在するが概略的には、このアンモ
ニア水に溶解された本発明に係る組成物が木材に注入さ
れた後に、NH3が速やかに木材の内部から外部に揮散
するため、溶解していた上記1)〜4)に示す化合物ま
たは組成物は水中から析出し、木材内部に定着するので
ある。一旦析出すると、上記1)〜4)に示す化合物ま
たは組成物は水に溶けにくい性質を有しているため、木
材の内部からの溶脱は有効に抑止されのである。
【0067】そして、木材の内部においては、ケイ酸ソ
ーダ(Na2O・n(SiO2)、nは2〜3)のゲル化が
進行し、木材内部で生成した上記1)〜4)に示す化合
物または組成物を閉じ込めた状態で木材内部に形成され
ている細孔を塞ぐため、有効な防腐防虫機能を有する上
記1)〜4)に示す化合物または組成物は安定的に木材
の内部に定着されることになる。そして、塩基性の水溶
液のPHは略9〜13に設定されている。
【0068】このような水溶液に溶解される銅化合物の
濃度範囲は通常0.1〜10重量%に設定される。具体
的な銅化合物毎の好ましい濃度範囲、すなわち最良の結
果が得られる濃度範囲は以下の通りである。 ・四ホウ酸銅(CuB47) 0.2〜8.0重量% ・三塩基性四ホウ酸銅 (3Cu(OH)2・CuB4O7)0.1〜5.0重量% ・第二水酸化銅(Cu(OH)2) 0.1〜5.0重量% ・塩基性炭酸銅 (Cu(OH)2・CuCO3) 0.1〜5.0重量% ・硫酸銅(CuSO4) 0.3〜6.0重量%。
【0069】また、上記水溶液に溶解される亜鉛化合物
の濃度範囲は通常0.1〜9.4重量%に設定される。
具体的な亜鉛化合物の好ましい濃度範囲、すなわち最良
の結果が得られる濃度範囲は以下の通りである。 ・四水酸化亜鉛三(四ホウ酸)塩 (4Zn(OH)2・3H247)0.3〜5.0重量% ・酸化亜鉛(ZnO) 0.2〜5.0重量%。
【0070】さらに、上記水溶液に溶解されるホウ素化
合物の濃度範囲は通常0.1〜5.0重量%に設定され
る。具体的なホウ素化合物の好ましい濃度範囲、すなわ
ち最良の結果が得られる濃度範囲は以下の通りである。 ・ホウ酸(H3BO3) 0.1〜3.0重量% ・ホウ砂(Na247・10H2O)0.1〜3.0重量%。
【0071】ケイ酸ソーダ(Na2O・n(SiO2))の
濃度は通常0.1重量%〜50重量%とされ、好ましく
は0.5重量%〜30重量%とされる。好ましい濃度範
囲にすると最良の結果が得られる。
【0072】上記のような濃度の範囲が設定された理由
は、下限値よりも低いとそれらが注入された木材に効果
的な防腐防虫機能が付与されないためであり、上限値よ
りも高いと木材の表面の木材組織で組成物の付着による
変色や閉塞が発生し、効果的に組成物が木材の内部にま
で浸透しないためである。
【0073】その他の添加剤としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール等の脂肪族2価のアルコー
ル、これら2価のアルコールの水溶性アルキルエーテル
およびアルキルエステルが浸透剤として使用可能であ
る。なお、上記エチレングリコール等の他に、公知の各
種界面活性剤を浸透剤として使用してもよい。また、香
料等の芳香剤、染料等の着色剤が添加されることもあ
る。
【0074】組成物の注入操作については、通常組成物
の水溶液中に木材を浸漬し、減圧後に加圧注入すること
により行う注入法が一般的である。具体的には、各成分
をあらかじめ設定された所定の割合で混合して防腐防虫
用組成物、すなわち注入液を調製し、この注入液を密閉
可能な注入槽に充填し、これに処理対象の木材を浸漬し
てから上記注入層を密閉し、槽内の圧力が600〜70
0mmHgになるように減圧して木材中の空気を除き、
その後常圧に戻して注入液を浸透させる。
【0075】木材に注入液を浸透させるときには常圧以
上に加圧するようにしてもよい。この場合は、注入層内
は通常5〜20kg/cm2Gに加圧される。このようにし
て得られた注入処理済みの木材は、常温で数日間風乾さ
れ、あるいは50〜60℃で強制乾燥されて防腐防虫性
木材になる。
【0076】このようにして得られた防腐防虫性木材の
効力を長期間持続させるために、上記1)〜4)に示し
た化合物または組成物のいずれかと、ケイ酸ソーダとが
塩基性水溶液に溶解されてなる組成物が注入された木材
に、さらに希土類塩化物およびアルカリ土類塩化物のう
ちのいずれか一方または双方が含まれた水溶液を注入す
ることが行われる。
【0077】このように、希土類塩化物やアルカリ土類
塩化物を木材に注入するのは、ケイ酸ソーダは上記希土
類化合物等の存在によって、木材の内部に形成している
より微細な細孔の中にまで入り込んだ状態で、以下の反
応式に示す反応によって、水不溶性のケイ酸カルシウ
ム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸希土等となり、その細
孔を閉塞するので、上記1)〜4)に示した化合物また
は組成物のいずれかが木材の内部で密封定着した状態に
なるのである。
【0078】Na2O・nSiO2+CaCl2 →2NaCl+CaO・nSiO2………(10) Na2O・nSiO2+MgCl2 →2NaCl+MgO・nSiO2………(11) 6(Na2O・nSiO2)+Ce2Cl3 →6NaCl+Ce23・6nSiO2…(12)。
【0079】上記希土類塩化物としては、塩化ランタノ
イドの一種である塩化セリウム、塩化スカンジウム、塩
化イットリウム等が、またアルカリ土類塩化物として
は、カルシウム、マグネシウム、バリウム、ストロンチ
ウム等の塩化物等が好適に適用される。
【0080】上記中和塩化物の木材への注入は、これら
化合物の水溶液中に、すでに上記1)〜4)に示した化
合物または組成物とケイ酸ソーダとが注入された木材を
浸漬することによって行われる。
【0081】そしてこの場合、水溶液中の中和塩の濃度
は、1重量%〜50重量%とされ、さらに好ましくは2
重量%〜40重量%とされる。好ましい濃度範囲に設定
することによって最良の結果が得られる。その理由は、
種々研究の結果上記の下限値以下の濃度では、ケイ酸ソ
ーダを不溶性ケイ酸塩のゲルにする場合の安定性が悪
く、その結果木材の内部における不溶性ケイ酸塩の高い
定着性を得ることができなくなるからである。また上限
値以上の濃度では、中和塩は水溶液中に確実に溶解する
ことができず、溶液の安定性を阻害するからである。
【0082】そして、上記1)〜4)に示した有効成分
が塩基性水溶液に溶解されてなる組成物と、中和塩化
物、すなわち希土類塩化物あるいはアルカリ土類塩化物
またはこれらの混合物が注入されてなる木材の内部にお
いては、不溶性のケイ酸塩によって閉塞された状態で上
記1)〜4)に示した有効成分が定着保持された状態に
なっているのである。
【0083】つぎに、本発明の防腐防虫組成物の具体的
な例を以下の実施例1〜25に示す。また、これらの実
施例の組成物の水溶液を実際に木材に注入し、その効果
を調べる性能試験を実施したが、その結果についても引
き続き説明する。なお、以下の記述における%は重量%
を示している。
【0084】(実施例1) ・四水酸化亜鉛三(四ホウ酸)塩 (4Zn(OH)2・3H247) 0.80% ・塩基性炭酸銅 (Cu(OH)2・CuCO3) 0.30% ・25%アンモニア水(NH4OH) 2.30% ・塩化アンモニウム(NH4Cl) 0.57% ・エチレンジアミン (H2NCH2CH2NH2) 1.22% ・水(H2O) 94.81%。
【0085】(実施例2) ・ホウ酸(H3BO3) 1.71% ・第二水酸化銅(Cu(OH)2) 0.43% ・25%アンモニア水(NH4OH) 2.57% ・塩化アンモニウム(NH4Cl) 0.38% ・水(H2O) 94.91%。
【0086】(実施例3) ・四水酸化亜鉛三(四ホウ酸)塩 (4Zn(OH)2・3H247) 0.80% ・第二水酸化銅Cu(OH)2 0.34% ・48%ケイ酸ソーダ (Na2O・n(SiO2)) 13.28% ・25%アンモニア水(NH4OH) 3.27% ・エチレンジアミン (H2NCH2CH2NH2) 1.22% ・水(H2O) 81.09%。
【0087】(実施例4) ・三塩基性四ホウ酸銅 (3Cu(OH)2・CuB47) 0.34% ・25%アンモニア水(NH4OH) 3.00% ・水(H2O) 96.66%。
【0088】(実施例5) ・四水酸化亜鉛三(四ホウ酸)塩 (4Zn(OH)2・3H247) 0.80% ・第二水酸化銅(Cu(OH)2) 0.34% ・48%ケイ酸ソーダ (Na2O・n(SiO2)) 13.27% ・25%アンモニア水(NH4OH) 3.26% ・エチレンジアミン (H2NCH2CH2NH2) 1.22% ・水(H2O) 81.11%。
【0089】(実施例6) ・四水酸化亜鉛三(四ホウ酸)塩 (4Zn(OH)2・3H247) 0.80% ・第二水酸化銅(Cu(OH)2) 0.34% ・48%ケイ酸ソーダ (Na2O・n(SiO2)) 13.27% ・25%アンモニア水(NH4OH) 3.26% ・エチレンジアミン (H2NCH2CH2NH2) 1.22% ・水(H2O) 81.11%。
【0090】(実施例7) ・四水酸化亜鉛三(四ホウ酸)塩 (4Zn(OH)2・3H247) 0.80% ・第二水酸化銅(Cu(OH)2) 0.34% ・48%ケイ酸ソーダ (Na2O・n(SiO2)) 13.27% ・25%アンモニア水(NH4OH) 3.26% ・エチレンジアミン (H2NCH2CH2NH2) 1.22% ・水(H2O) 81.11%。
【0091】(実施例8) ・四水酸化亜鉛三(四ホウ酸)塩 (4Zn(OH)2・3H247) 0.80% ・第二水酸化銅(Cu(OH)2) 0.34% ・48%ケイ酸ソーダ (Na2O・n(SiO2)) 13.27% ・25%アンモニア水(NH4OH) 3.26% ・エチレンジアミン (H2NCH2CH2NH2) 1.22% ・水(H2O) 81.11%。
【0092】(実施例9) ・四水酸化亜鉛三(四ホウ酸)塩 (4Zn(OH)2・3H247) 0.80% ・第二水酸化銅(Cu(OH)2) 0.34% ・48%ケイ酸ソーダ (Na2O・n(SiO2)) 13.27% ・25%アンモニア水(NH4OH) 3.26% ・エチレンジアミン (H2NCH2CH2NH2) 1.22% ・水(H2O) 81.11%。
【0093】(実施例10) ・四水酸化亜鉛三(四ホウ酸)塩 (4Zn(OH)2・3H247) 0.80% ・第二水酸化銅(Cu(OH)2) 0.34% ・48%ケイ酸ソーダ (Na2O・n(SiO2)) 13.27% ・25%アンモニア水(NH4OH) 3.26% ・エチレンジアミン (H2NCH2CH2NH2) 1.22% ・水(H2O) 81.11%。
【0094】(実施例11) ・四水酸化亜鉛三(四ホウ酸)塩 (4Zn(OH)2・3H247) 0.80% ・第二水酸化銅(Cu(OH)2) 0.34% ・48%ケイ酸ソーダ (Na2O・n(SiO2)) 27.80% ・25%アンモニア水(NH4OH) 3.27% ・エチレンジアミン (H2NCH2CH2NH2) 1.22% ・水(H2O) 66.57%。
【0095】(実施例12) ・四水酸化亜鉛三(四ホウ酸)塩 (4Zn(OH)2・3H247) 0.80% ・第二水酸化銅(Cu(OH)2) 0.34% ・48%ケイ酸ソーダ (Na2O・n(SiO2)) 13.27% ・25%アンモニア水(NH4OH) 3.26% ・エチレンジアミン (H2NCH2CH2NH2) 1.22% ・水(H2O) 81.11%。
【0096】(実施例13) ・四水酸化亜鉛三(四ホウ酸)塩 (4Zn(OH)2・3H247) 0.80% ・第二水酸化銅(Cu(OH)2) 0.34% ・48%ケイ酸ソーダ (Na2O・n(SiO2)) 13.27% ・25%アンモニア水(NH4OH) 3.26% ・エチレンジアミン (H2NCH2CH2NH2) 1.22% ・水(H2O) 81.11%。
【0097】(実施例14) ・四水酸化亜鉛三(四ホウ酸)塩 (4Zn(OH)2・3H247) 0.80% ・第二水酸化銅(Cu(OH)2) 0.34% ・48%ケイ酸ソーダ (Na2O・n(SiO2)) 13.27% ・25%アンモニア水(NH4OH) 3.26% ・エチレンジアミン (H2NCH2CH2NH2) 1.22% ・水(H2O) 81.11%。
【0098】(実施例15) ・四水酸化亜鉛三(四ホウ酸)塩 (4Zn(OH)2・3H247) 1.92% ・第二水酸化銅(Cu(OH)2) 0.82% ・48%ケイ酸ソーダ (Na2O・n(SiO2)) 31.88% ・25%アンモニア水(NH4OH) 7.84% ・エチレンジアミン (H2NCH2CH2NH2) 2.93% ・水(H2O) 54.61%。
【0099】(実施例16) ・四水酸化亜鉛三(四ホウ酸)塩 (4Zn(OH)2・3H247) 0.48% ・第二水酸化銅(Cu(OH)2) 0.21% ・48%ケイ酸ソーダ (Na2O・n(SiO2)) 7.97% ・25%アンモニア水(NH4OH) 1.96% ・エチレンジアミン (H2NCH2CH2NH2) 0.74% ・水(H2O) 88.64%。
【0100】(実施例17) ・四ホウ酸銅(CuB47) 0.57% ・48%ケイ酸ソーダ (Na2O・n(SiO2)) 10.42% ・25%アンモニア水(NH4OH) 5.20% ・水(H2O) 83.81%。
【0101】(実施例18) ・三塩基性四ホウ酸銅 (3Cu(OH)2・CuB47) 0.34% ・48%ケイ酸ソーダ (Na2O・n(SiO2)) 10.42% ・25%アンモニア水(NH4OH) 5.20% ・水(H2O) 84.04%。
【0102】(実施例19) ・三塩基性四ホウ酸銅 (3Cu(OH)2・CuB47) 0.34% ・48%ケイ酸ソーダ (Na2O・n(SiO2)) 10.42% ・25%アンモニア水(NH4OH) 5.20% ・水(H2O) 84.04%。
【0103】(実施例20) ・三塩基性四ホウ酸銅 (3Cu(OH)2・CuB47) 0.35% ・酸化亜鉛(ZnO) 0.31% ・48%ケイ酸ソーダ (Na2O・n(SiO2)) 35.60% ・25%アンモニア水(NH4OH) 3.38% ・エチレンジアミン (H2NCH2CH2NH2) 3.38% ・水(H2O) 56.98%。
【0104】(実施例21) ・四水酸化亜鉛三(四ホウ酸)塩 (4Zn(OH)2・3H247) 1.64% ・48%ケイ酸ソーダ (Na2O・n(SiO2)) 16.40% ・25%アンモニア水(NH4OH) 4.92% ・エチレンジアミン (H2NCH2CH2NH2) 4.92% ・水(H2O) 72.12%。
【0105】(実施例22) ・四水酸化亜鉛三(四ホウ酸)塩 (4Zn(OH)2・3H247) 0.82% ・塩基性炭酸銅 (Cu(OH)2・CuCO3) 0.31% ・48%ケイ酸ソーダ (Na2O・n(SiO2)) 35.60% ・25%アンモニア水(NH4OH) 3.38% ・エチレンジアミン (H2NCH2CH2NH2) 3.38% ・水(H2O) 56.51%。
【0106】(実施例23) ・ホウ砂(Na247・10H2O) 2.64% ・第二水酸化銅(Cu(OH)2) 0.43% ・48%ケイ酸ソーダ (Na2O・n(SiO2)) 17.06% ・25%アンモニア水(NH4OH) 1.11% ・エチレンジアミン (H2NCH2CH2NH2) 0.33% ・水(H2O) 78.43%。
【0107】(実施例24) ・ホウ酸(H3BO3) 1.71% ・第二水酸化銅(Cu(OH)2) 0.43% ・48%ケイ酸ソーダ (Na2O・n(SiO2)) 17.06% ・25%アンモニア水(NH4OH) 1.11% ・エチレンジアミン (H2NCH2CH2NH2) 0.33% ・水(H2O) 79.36%。
【0108】(実施例25) ・ホウ酸(H3BO3) 1.71% ・硫酸銅五水塩(CuSO4・5H2O)0.83% ・48%ケイ酸ソーダ (Na2O・n(SiO2)) 17.06% ・エチレンジアミン (H2NCH2CH2NH2) 1.00% ・水(H2O) 79.40%。
【0109】なお、上記実施例2,3,5〜16,23
および24で用いた第二水酸化銅(Cu(OH)2)の銅の
純分は48.8重量%である。また、実施例20で用い
た酸化亜鉛(ZnO)の亜鉛純分は80.3重量%であ
る。また、実施例1および22で用いた塩基性炭酸銅
(Cu(OH)2・CuCO3)の銅の純分は56.4%であ
る。さらに、実施例25で用いた硫酸銅五水塩(CuS
4・5H2O)の銅の純分は25.5%である。
【0110】そして、アンモニア水およびエチレンジア
ミンは上記ホウ酸亜鉛、水酸化銅およびケイ酸ソーダを
水によく溶けるようにする溶解助剤であり、かつ、溶解
状態を安定化させるための安定剤である。
【0111】つぎに、上記実施例1〜25からなるそれ
ぞれの第一次注入液に木片のテストピースを浸漬してそ
れに本発明に係る防腐防虫組成物(薬剤)を注入する操
作(第一次液注入処理)を行った。具体的には、まず密
閉構造の注入処理層に上記それぞれの第一次注入液を充
填した。この第一次注入液で満たされた処理槽内に、日
本赤松からなる1cm×2cm×5cm立方のテストピ
ースを投入した。
【0112】そして最初の30分間は処理槽内の空気を
吸引除去して内部を700mmHgの減圧状態にした。
この減圧処理によってテストピースの木材組織内に保持
されていた空気の一部が吸引除去されるため、以後のテ
ストピースの木材組織内への薬剤の注入が良好に行われ
る。その後、実施例1,2,12〜22の薬剤について
は、常圧に戻されてからテストピースに対し30分間の
注入処理が施され、実施例5〜11のテストピースにつ
いては、24時間の常圧における注入処理が施された。
【0113】実施例5〜25の第一次注入液が注入され
たテストピースについては、揮発性の化合物と水とを取
り除くための強制乾燥が施された。この強制乾燥は、7
00mmHgに減圧された乾燥室において行われた。実
施例5〜10、および実施例12〜16に係るテストピ
ースについては上記減圧下で30分間の乾燥処理が施さ
れ、実施例17〜21に係るテストピースについては同
4時間の乾燥処理が施されている。また、実施例23〜
25に係るテストピースについては同1時間の乾燥処理
が施され、実施例22に係るテストピースについては同
3.5時間の乾燥処理が施されている。なた、実施例1
1のテストピースについては常圧下での2日間の風乾が
施されている。
【0114】以上の第一次液注入処理の条件については
表1に示す通りである。表1において、注入量(kg/
3)は、それぞれのテストピースに注入された第一次
注入液の液量である。また、事後減量(kg/m3
は、上記強制乾燥による第一次注入液の蒸発減量であ
る。
【0115】
【表1】
【0116】実施例4〜25に係る薬剤が注入されたテ
ストピースを対象として、引き続き希土類塩化物または
アルカリ土類塩化物が溶解された第二次注入液を注入す
る第二次注入処理が施された。それぞれの第二次注入液
の組成成分は以下の通りである。なお、以下%は重量%
を示している。
【0117】(実施例4) ・塩化セリウム(III)(CeCl3) 2.0% ・エチレングリコール (HOCH2CH2OH) 2.0% ・水(H2O) 96.0%。
【0118】(実施例5) ・塩化セリウム(III)(CeCl3) 7.7% ・水(H2O) 92.3%。
【0119】(実施例6) ・塩化セリウム(III)(CeCl3) 7.7% ・水(H2O) 92.3%。
【0120】(実施例7) ・塩化セリウム(III)(CeCl3) 7.7% ・水(H2O) 92.3%。
【0121】(実施例8) ・塩化セリウム(III)(CeCl3) 7.7% ・水(H2O) 92.3%。
【0122】(実施例9) ・塩化セリウム(III)(CeCl3) 7.7% ・水(H2O) 92.3%。
【0123】(実施例10) ・塩化セリウム(III)(CeCl3) 7.7% ・水(H2O) 92.3%。
【0124】(実施例11) ・塩化セリウム(III)(CeCl3) 22.1% ・水(H2O) 77.9%。
【0125】(実施例12) ・塩化セリウム(III)(CeCl3) 5.0% ・塩化カルシウム(CaCl2) 3.0% ・水(H2O) 92.0%。
【0126】(実施例13) ・塩化セリウム(III)(CeCl3) 22.1% ・水(H2O) 77.9%。
【0127】(実施例14) ・塩化マグネシウム(MgCl2) 7.7% ・水(H2O) 92.3%。
【0128】(実施例15) ・塩化セリウム(III)(CeCl3) 18.2% ・水(H2O) 81.8%。
【0129】(実施例16) ・塩化セリウム(III)(CeCl3) 4.6% ・水(H2O) 95.4%。
【0130】(実施例17) ・塩化セリウム(III)(CeCl3) 23.9% ・水(H2O) 76.1%。
【0131】(実施例18) ・塩化セリウム(III)(CeCl3) 23.9% ・水(H2O) 76.1%。
【0132】(実施例19) ・塩化マグネシウム(MgCl2) 12.0% ・水(H2O) 88.0%。
【0133】(実施例20) ・塩化セリウム(III)(CeCl3) 10.0% ・水(H2O) 90.0%。
【0134】(実施例21) ・塩化セリウム(III)(CeCl3) 8.0% ・水(H2O) 92.0%。
【0135】(実施例22) ・硫酸マグネシウム(MgSO4) 39.8% ・水(H2O) 60.2%。
【0136】(実施例23) ・塩化セリウム(III)(CeCl3) 2.0% ・エチレングリコール (HOCH2CH2OH) 2.0% ・水(H2O) 96.0%。
【0137】(実施例24) ・塩化セリウム(III)(CeCl3) 2.0% ・エチレングリコール (HOCH2CH2OH) 2.0% ・水(H2O) 96.0%。
【0138】(実施例25) ・塩化セリウム(III)(CeCl3) 2.0% ・エチレングリコール (HOCH2CH2OH) 2.0% ・水(H2O) 96.0%。
【0139】上記塩化セリウム(III)(CeCl3
は、新日本金属化学株式会社が製造販売しているもので
あり、塩化ランタノイドの純分は68.9重量%であ
る。さらに詳しく述べると、上記塩化セリウム(III)
(CeCl3)は、以下の組成を有している。
【0140】 ・塩化セリウム(CeCl3) 35.5% ・塩化ランタン(LaCl3) 18.2% ・塩化ネオジム(NdCl3) 11.2% ・塩化プラセオジム(PrCl3) 3.5% ・塩化サマリウム(SmCl3) 0.5% ・水(H2O) 31.1%。
【0141】また、塩化マグネシウムと、硫酸マグネシ
ウムとは純分100%のものを使用している。
【0142】実施例13,17〜22に係るテストピー
スは、上記第二次注入液の充填された注入槽において3
0分間の減圧処理(700mmHg)を施したが、その
他のテストピースについては減圧処理は施さなかった。
そして、それぞれの実施例に係るテストピースを対象と
して、すべて常圧下でかつ以下の条件下で第二次注入液
の注入が施された。
【0143】 (実施例4) 60℃、5日間 (実施例5) 常温、3日間 (実施例6) 常温、5日間 (実施例7) 常温10日間 (実施例8) 40℃、4日間 (実施例9) 60℃、1日間 (実施例10) 60℃、4日間 (実施例12) 常温、7日間 (実施例13) 60℃、6日間 (実施例14) 40℃、4日間 (実施例15) 常温、8日間 (実施例16) 常温、8日間 (実施例17) 常温、30分間 (実施例18) 常温、30分間 (実施例19) 常温、30分間 (実施例20) 常温、30分間 (実施例21) 常温、30分間 (実施例22) 常温、60分間 (実施例23) 60℃、5日間 (実施例24) 60℃、5日間 (実施例25) 60℃、5日間。
【0144】ただし、実施例11に係るテストピースに
ついては、減圧状態で60分間に亘り第二次注入液の注
入処理を行った。これらの第二次注入液の注入処理条件
については表2に取り纏めている。
【0145】
【表2】
【0146】上記表2に示す第二次液注入処理が完了し
た木材を対象として、溶脱率を調べる試験を実施した。
この試験は、上記第二次液注入処理が完了した木材を、
室温で二日間風乾し、さらに60℃の乾燥器中で2日間
乾燥し、その後60℃に加熱した温水中に10日間浸漬
するものである。そして、上記温水に溶脱したホウ酸、
銅および、亜鉛の量を測定した(促進野外溶脱試験
法)。
【0147】なお、木材中に含浸されたホウ酸等の溶脱
に関しては、木材の60℃の温水への10日間の浸漬
が、木材を二年間土中に埋設した場合に匹敵すること
は、B.R.Johnsonがホウ酸銅を吸収した杭に
つき行った、野外における2年間に亘る土中埋設試験の
結果を検討することによって今回新たに得られた知見で
ある。すなわち、B.R.Johnsonは、ホウ酸銅
吸収杭を2年間土中に埋設し、2年後に杭中に残留して
いるCuおよびホウ酸の分析値を公開している(Forest
Product Journal Vol.33,No.9,1983,P59〜P63)。
【0148】そこで、発明者は木片に上記と同等のホウ
酸銅を吸収させ、それを60℃の温水に10日間浸漬
し、その液を分析してCuおよびホウ酸の溶脱量を得た
が、木片中のCu、ホウ酸の残存率が両者で一致した。
そこで、2年間の野外土中埋設試験に相当するものとし
て、上記促進溶脱試験を採用した。この促進溶脱試験を
行うことによって、実際に木材が土中に埋設された場合
の溶脱の状況がよく把握できる。試験結果を表3に示
す。
【0149】
【表3】
【0150】図1は、表3に示す試験結果を基に、常温
での上記第二次液注入処理における木材の液中浸漬日数
(表2)と、上記促進溶脱試験の試験結果(溶脱率)を
示すグラフであり、横軸に第二次注入液への浸漬日数が
設定され、縦軸にホウ酸、銅および亜鉛の溶脱率が設定
されている。また図2は、第二次液注入処理が60℃で
行われた以外は図1と同様のグラフである。
【0151】図1のグラフから判る通り、第二次液注入
処理が常温で行われた場合には、木材に注入された第一
次注入液の有効成分の定着処理が施されていない(すな
わち第二次注入液に浸漬されていない)実施例1(図中
EX1で表示、以下同様)においては、ホウ酸の溶脱率
は約80.6%、亜鉛の溶脱率は約56.2%、銅のそ
れは約27.1%になっている。また同様の条件の実施
例2においては、グラフ上にはプロットしていないが、
ホウ酸の溶脱率は約97.7%、銅のそれは約17.8
%になっている。
【0152】実施例3は、第一次注入液にケイ酸ソーダ
が添加されているが、第二次注入液の注入処理が施され
ていない例である。この例では、ホウ酸は高い溶脱率を
示しているが、銅および亜鉛の溶脱率は、ケイ酸ソーダ
が添加されず、かつ、第二次注入処理が施されていない
実施例1および2に比べて極めて低い。
【0153】そして、実施例3の結果をみれば、銅の溶
脱率が7.7%で、亜鉛の溶脱率が3.1%のときに、
ホウ酸の溶脱率が100%を示している。また、実施例
1において、銅および亜鉛の溶脱率がそれぞれ27.1
%および56.2%であり、実施例2において銅の溶脱
率が17.8%であるという事実を勘案すれば、ケイ酸
ソーダの添加はホウ酸の定着率向上には効果はないが、
銅および亜鉛の定着率向上に貢献していることが判る。
【0154】また、実施例4は、第一次注入液にケイ酸
ソーダが添加されていない例である。この例において
は、ホウ酸の溶脱率は100%と高いが、第二次注入処
理が施されていない実施例1および2の場合よりも銅の
溶脱率は3.3%と極めて低くなっている。これに対し
て実施例1および2の場合の銅の溶脱率は27.1%お
よび17.8%であり、この事実から、第二次注入処理
のみではホウ酸の定着性向上に効果がないが、銅の定着
性を向上させる効果の存在することが判る。
【0155】さらに、実施例5〜25の場合は、ケイ酸
ソーダが添加された第一次注入液が用いられ、かつ第二
次注入処理が施されているが、このように双方が適用さ
れると、銅および亜鉛の定着率向上と同様にホウ酸の定
着率も改良される。明らかに実施例5〜25の場合のホ
ウ酸の溶脱率は、実施例1〜4の場合のホウ酸の溶脱率
よりも減少している。また、実施例3および4の銅およ
び亜鉛の溶脱率は、実施例1および2の溶脱率よりも低
くなっている。
【0156】また、ホウ酸の溶脱率は、第二次注入液へ
の浸漬時間を長くすればする程減少する。例えば、実施
例7の場合は、10日間の浸漬が行われているが、ホウ
酸の溶脱率は44.6%にまで減少している。その結果
ホウ酸の定着率は55.4%になっている。実施例1の
場合の亜鉛の溶脱率は56.2%であるが、実施例5の
場合のように、3日間の第二次注入液への浸漬によっ
て、1.1%に減少している。しかし亜鉛の場合は、そ
れよりも浸漬時間が長くなると徐々に溶脱率は増加する
傾向になる。
【0157】また、実施例1および実施例2における銅
の27.1%および17.8%の溶脱率は、例えば実施
例5におけるように3日間の浸漬で6.4%にまで減少
している。亜鉛についても同様の挙動を示し、浸漬時間
がそれより長くなると徐々に溶脱率が増加する。
【0158】浸漬日数が3日間経過後の上記銅と亜鉛と
の溶脱率の増加の理由は詳らかではないが、おそらく、
浸漬日数があまり長くなると、希土類やアルカリ土類塩
化物の作用によって生成した木材内部のケイ酸希土、ア
ルカリ土類塩のコロイド状ゲルに浸透した塩化希土類、
CaCl2およびMgCl2が、銅化合物や亜鉛化合物と
反応し、CuCl2、ZnCl2となって溶脱すると考え
られる。
【0159】なお、実際の操業規模では、第二次注入処
理を常温で施す限り、図1のグラフのAに示すように、
ホウ酸の溶脱率が50%になる浸漬日数、すなわち7日
を採用するのが適切である。すなわち、浸漬日数が7日
より短いとホウ酸の定着率が悪く、7日よりも長いと銅
および亜鉛の定着率が悪くなるからである。第二次注入
液への浸漬日数をこのように7日にすると、ホウ酸の定
着率は50%になり、また銅、亜鉛の定着率はそれぞれ
87%、95%になって良好な状態になる。
【0160】上記常温で第二次液注入処理が行われた結
果を示す図1のグラフに対し、60℃で第二次液注入処
理が行われた図2のグラフにおいては、ホウ酸の溶脱率
は顕著に少なくなっている。実施例13においては、ホ
ウ酸の溶脱率は22%にまで減少し、常温で7日間の浸
漬を行った実施例12の場合の約半分の値になってい
る。
【0161】銅および亜鉛については第二次注入処理を
常温で行う場合と、60℃で行う場合とで溶脱率につい
て顕著な差は認められない。ホウ酸の溶脱率を50%に
するのであれば、60℃処理においては2日間浸漬で充
分であり、さらにホウ酸の溶脱率を減少させようとすれ
ば、所望の溶脱率が得られるように、図2を参照して浸
漬日数を増加させていけばよい。
【0162】以上詳述したように、銅、亜鉛およびホウ
素の化合物は優れた防腐防虫効果を有しており、ケイ酸
ソーダはそれらの木材内における定着率を上昇させる効
果を有しているとともに、さらにこれらの化合物は木材
を難燃性の備わったものにする効果も備えている。そこ
で防腐防虫処理が施された木材の難燃効果を示すため
に、以下の比較試験を実施した。
【0163】1cm×2cm×5cm立方の木片からな
る複数の第1テストピースを用意した。この第1テスト
ピースには、四水酸化亜鉛トリ四ホウ酸亜鉛(4Zn(O
H)2・3H247)、第二水酸化銅(Cu(OH)2)、およ
びケイ酸ソーダ(Na2O・n(SiO2)を含浸させてい
る。一方、上記と同じ寸法の第二テストピースを用意し
た。この第二テストピースには如何なる溶液も含浸させ
ていない。
【0164】そして、上記各テストピースを実験用バー
ナの炎の最上部に1分間位置させた。その後、テストピ
ースをバーナ炎の最上部から取り去り、炎が継続してい
る時間(残炎時間)、および炎が消滅した後炎のない状
態で残り火がくすぶっている時間(残り火時間)、およ
び炭化した部分の長さ(炭化長)を測定した。表4に比
較試験の結果を示す。
【0165】
【表4】
【0166】この表から判るように、薬剤処理が施され
た第1テストピースは、バーナ炎を取り去った後に残炎
は生じなかったが、薬剤処理を施していない第2テスト
ピースについては、110秒間残炎が継続し、この残炎
が消滅した後もさらに330秒間残り火が存在した。ま
た、炭化した部分の長さは、第1テストピースの場合は
2.5cmであったが、第2テストピースの場合は3.
5cmであった。以上の比較試験の結果、本発明の防腐
防虫処理が施された木材は、先に詳述した防腐防虫効果
に加えて燃焼速度遅延効果の存在することが確認され
た。従って、木材に本発明に係る防腐防虫処理を施せ
ば、その木材は燃え難い難燃性の備わったものになる。
【0167】さらに、本発明に係る組成物がケイ酸ソー
ダおよび上記中和塩の内のいずれか一方または双方が添
加されたものである場合には、防腐防虫効果が長期間に
亘って持続されるのと同様に、難燃効果も長期間に亘っ
て持続される。
【0168】以上より、本発明の木材の防腐防虫処理方
法は、木材が本発明の防腐防虫機能を有する組成物とケ
イ酸ソーダとを含む溶液に浸漬され、または、木材がケ
イ酸ソーダの含まれていない上記組成物の溶解した第一
次注入液に浸漬され、その後中和塩を含む第二次注入液
に浸漬され、若しくは、木材がケイ酸ソーダの含まれて
いる上記組成物の溶解した第一次注入液に浸漬され、そ
の後中和塩を含む第二次注入液に浸漬されるものであ
り、優れた方法である。
【0169】従って、この発明方法によって処理された
木材の中には、木材の防腐防虫機能を有するホウ酸、銅
あるいは亜鉛が、第一次注入液の成分であるケイ酸ソー
ダによって良好に定着されている。そして、ケイ酸ソー
ダは、第二次注入液の木材組織内への浸入によって不溶
性のケイ素化合物に変化する。従って、たとえ上記のよ
うに木材が土中に埋設されたとしても、有効成分は長期
間に亘って溶脱することはなく、有効成分の注入処理が
施された木材は、腐食と白あり等の害虫による損害を確
実に防ぐことができる。
【0170】以上詳述したように、本発明の定着性向上
防腐防虫組成物は、第一次注入液中にケイ素、銅および
亜鉛の化合物のいずれか、またはそれらの組み合わせか
らなる防腐防虫機能を備えた有効成分と、木材内部での
上記有効成分の定着剤としてのケイ酸ソーダとを溶解さ
せることによって得られる。そして、上記有効成分のい
ずれもが優れた防腐防虫機能を備えかつ人体に対する毒
性は低い。このような有効成分の木材への注入によっ
て、木材は防腐防虫機能を発揮するようになる。
【0171】第一次注入液の注入された木材は、さら
に、希土類塩化物やアルカリ土類塩化物のような中和塩
を含む第二次注入液に浸漬される。このような中和塩
は、第一次注入液中のケイ酸ソーダを木材の組織中の細
孔内で水に不溶性のコロイドに変える。その結果、上記
有効成分の木材組織内への閉じ込め効果が発揮され、木
材に有効成分が注入された状態で、有効成分は確実に定
着され、有効成分の溶脱率が確実に減少する。
【0172】そして、たとえ銅または亜鉛化合物の溶解
された第一次注入液にケイ酸ソーダが含まれていなくて
も、第一次注入液で処理後の木材を中和塩の溶解された
第二次注入液に浸漬することによって、銅および亜鉛の
溶脱率を減少させることが可能になる。
【0173】さらに、銅化合物および/または亜鉛化合
物と、ケイ酸ソーダとが溶解された第一次注入液に木材
を浸漬する場合は、たとえ中和塩を含む第二次注入液に
上記木材を浸漬しなくても、銅化合物および/または亜
鉛化合物の溶脱率は減少させることが可能になる。
【0174】本発明の木材の防腐防虫処理方法は、木材
に上記有効成分およびケイ酸ソーダが溶解された本発明
の防腐防虫組成物を注入し、その後さらに上記有効成分
およびケイ酸ソーダが注入された木材に、希土類塩化物
やアルカリ土類塩化物のような中和塩を注入するように
構成されているため、この中和塩の存在によって上記組
成物中のケイ酸ソーダのファインなコロイドの不溶化が
実現し、木材のより微細な内部にケイ酸塩は到達可能に
なり、より微細な細孔においてその細孔を閉塞し、結局
全体的な閉塞効果は向上する。そして、その結果より多
くの上記組成物を木材の内部に、溶脱が起こり難い状態
で保持することが可能になる。
【0175】さらに、本発明の防腐防虫処理が施された
木材は、上記有効成分と、ケイ酸ソーダとが塩基性水溶
液に溶解されてなる木材の定着性向上防腐防虫用組成
物、並びに希土類塩化物およびアルカリ土類塩化物のう
ちのいずれか一方または双方が注入されてなるものであ
るため、木材の内部においては、ゲル化した水不溶性の
ケイ酸塩によって閉塞された状態で上記有効成分が定着
保持されているため、この木材を長期間空中に曝した
り、土中に埋設したとしても、上記ゲル化した水不溶性
のケイ酸塩に阻止されて上記組成物は容易に溶脱ぜず、
極めて長期間に亘って組成物が注入された木材の防腐防
虫効果が持続する。
【0176】さらにまた、上記有効成分としての銅、亜
鉛およびホウ素化合物を含有する木材は、高い難燃性を
有しており、火災対策の上からも好都合である。
【0177】
【発明の効果】本発明の請求項1乃至3に記載の木材の
定着性向上防腐防虫組成物、請求項13乃至15に記載
の木材の防腐防虫処理方法、および、請求項16に記載
の防腐防虫処理が施された木材によれば、通常の防腐防
虫用に用いられる銅化合物、亜鉛化合物、およびホウ素
化合物は、人体に対する毒性は少ないが、防腐防虫効果
が良好であり、このような成分が木材に注入されれば、
その木材には防腐防虫機能が付与された状態になり、木
材の腐食および虫害を有効に抑止することができ好都合
である。
【0178】また、通常、銅化合物、亜鉛化合物、およ
びホウ素化合物は、水のみには溶解し難い場合が多い
が、溶媒として揮発性を有する塩基性化合物を含んだ水
が用いられているため、上記各化合物(有効成分)の水
への溶解度が上昇し、それらは水によく溶けるようにな
る。従って、上記有効成分を高濃度にすることが可能に
なり、木材中への有効成分の注入を効果的に行い得るよ
うになる。また、木材中に注入されて後塩基性成分が揮
散すると、上記有効成分は水に溶け難くなり、その結果
溶脱が有効に抑制され、有効成分は木材内部によく定着
する。
【0179】そして、特に請求項1に記載の組成物およ
び請求項13に記載の処理方法によれば、木材には上記
銅化合物、亜鉛化合物、およびホウ素化合物の内の少な
くともいずれか一つおよびケイ酸ソーダが水に溶解され
た第一次注入液が注入されているため、中和塩を含む第
二次注入液が注入されないが、上記ケイ酸ソーダの添加
によって銅および亜鉛の木材中での定着率は向上する。
【0180】また、請求項2記載の組成物および請求項
15記載の処理方法によれば、木材には、上記銅化合
物、亜鉛化合物、およびホウ素化合物の内の少なくとも
いずれか一つが水に溶解された第一次注入液が注入さ
れ、この第一次注入液にはケイ酸ソーダが含まれていな
いが、その代り中和塩を含む第二次注入液が注入されて
いるため、この中和塩の作用によって銅の木材中での定
着率は向上する。
【0181】さらに、請求項3記載の組成物および請求
項14記載の処理方法によれば、木材には、上記銅化合
物、亜鉛化合物、およびホウ素化合物の内の少なくとも
いずれか一つが水に溶解され、かつ、ケイ酸ソーダが含
まれた第一次注入液と、中和塩を含む第二次注入液との
双方が注入されているため、銅および亜鉛はもちろんの
こと、ホウ酸の木材中の定着率も向上する。
【0182】そして、上記組成物の一成分であるケイ酸
ソーダは、木材の内部の細孔に入り込んでコロイド状の
ゲルになり細孔を塞ぐため、木材内部に注入された上記
有効成分は木材の組織内に閉塞された状態になり、さら
に定着性が向上する。
【0183】また、ケイ酸ソーダと中和塩との双方が木
材に注入されると、ケイ酸ソーダと中和塩とが結合して
水に不溶性の物質に変化するため、それが木材内の細孔
を塞ぎ、その結果有効成分はさらに溶脱し難くなる。
【0184】そして、木材の内部においては、ケイ酸ソ
ーダと中和塩との結合で得られた水不溶性物質によって
閉塞された状態で上記有効成分が定着保持されているた
め、この木材を長期間空中に曝したり、土中に埋設した
としても、上記のケイ酸希土、アルカリ土類塩に阻止さ
れて上記組成物は容易に溶脱しないため、極めて長期間
に亘って組成物が注入された木材の防腐防虫効果が持続
する。
【0185】本発明の請求項4記載の木材の定着性向上
防腐防虫組成物によれば、銅化合物が、ホウ酸銅、水酸
化銅、酢酸銅、塩化銅および硫酸銅の内から選ばれた少
なくともいずれか一つであり、これらは優れた防腐防虫
機能を有しており、かつ、木材中にケイ酸ソーダおよび
中和塩の注入がなくても木材内部への定着性は優れたも
のになる。
【0186】本発明の請求項5記載の木材の定着性向上
防腐防虫組成物によれば、ホウ酸銅が、四ホウ酸銅、一
塩基性四ホウ酸銅、二塩基性四ホウ酸銅および三塩基性
四ホウ酸銅の内から選ばれた少なくともいずれか一つで
あり、これらは優れた防腐防虫機能を有している。
【0187】本発明の請求項6記載の木材の定着性向上
防腐防虫組成物によれば、亜鉛化合物は、ホウ酸亜鉛、
酢酸亜鉛、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、塩化亜鉛および硫酸
亜鉛の内から選ばれた少なくともいずれか一つであり、
これらは優れた防腐防虫機能を有している。
【0188】本発明の請求項7記載の木材の定着性向上
防腐防虫組成物によれば、ホウ酸亜鉛は、四ホウ酸亜
鉛、二塩基性四ホウ酸亜鉛、四水酸化亜鉛三(四ホウ
酸)塩および水酸化亜鉛ジメタホウ酸塩の内から選ばれ
た少なくともいずれか一つであり、これらは優れた防腐
防虫機能を有している。
【0189】本発明の請求項8記載の木材の定着性向上
防腐防虫組成物によれば、ホウ酸化合物は、ホウ酸およ
びホウ砂の内から選ばれた少なくともいずれか一つであ
り、これらは優れた防腐防虫機能を有しているととも
に、第一次注入液中にケイ酸ソーダを含ませ、かつ、第
二次注入液を注入することによって木材内での定着性を
向上させることができる。
【0190】本発明の請求項9記載の木材の定着性向上
防腐防虫組成物によれば、揮発性を有する塩基性化合物
は、Rが水素または低アルキル基である化学式R3Nで
表されるいわゆるアミン類であり、これらのアミン類は
水によく溶解するとともに、このようなアミン類が溶解
された水には上記ホウ酸銅等の銅化合物、上記ホウ酸亜
鉛等の亜鉛化合物およびホウ酸等のホウ素化合物がよく
溶解するようになる。
【0191】本発明の請求項10記載の木材の定着性向
上防腐防虫組成物によれば、中和塩は、希土類塩化物ま
たはアルカリ土類塩であるため、上記請求項1記載の組
成物である第一次注入液を木材に注入し、さらにその後
第一次注入液が注入された木材に中和塩としての希土類
塩化物またはアルカリ土類塩化物の水溶液である第二次
注入液を注入することによって、水に不溶のケイ素と希
土類塩化物またはアルカリ土類塩化物との化合物が生成
し、それが木材内の細孔を塞ぎ、その結果有効成分はさ
らに溶脱し難くなる。
【0192】本発明の請求項11記載の木材の定着性向
上防腐防虫組成物によれば、希土類塩化物は、塩化スカ
ンジウム、塩化イットリウムまたは塩化ランタノイドで
あるため、上記請求項1記載の組成物である第一次注入
液を木材に注入し、さらにその後第一次注入液が注入さ
れた木材に塩化スカンジウム、塩化イットリウムまたは
塩化ランタノイドの水溶液である第二次注入液を注入す
ることによって、ケイ酸ソーダは水に不溶性のケイ酸希
土(主体はケイ酸セリウム)等となり、木材内の細孔を
塞ぐことになる。その結果、上記組成物を木材の内部
に、溶脱が起こり難い状態で保持することが可能にな
る。
【0193】本発明の請求項13記載の木材の定着性向
上防腐防虫組成物によれば、アルカリ土類塩は、塩化カ
ルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム、塩化スト
ロンチウムまたは硫酸マグネシウムであるため、上記請
求項1記載の組成物である第一次注入液を木材に注入
し、さらにその後第一次注入液が注入された木材に塩化
カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム、塩化ス
トロンチウムまたは硫酸マグネシウムの水溶液である第
二次注入液を注入することによって、ケイ酸ソーダは水
に不溶性のケイ酸アルカリ土類等となり、木材内の細孔
を塞ぐことになる。その結果、上記組成物を木材の内部
に、溶脱が起こり難い状態で保持することが可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第二次液注入処理における木材の常圧、常温の
液中浸漬日数と、促進溶脱試験の試験結果(溶脱率)と
の関係を示すグラフであり、横軸に第二次注入液への浸
漬日数が設定され、縦軸にホウ酸、銅および亜鉛の溶脱
率が設定されている。
【図2】第二次液注入処理における木材の常圧で60℃
の液中浸漬日数と、促進溶脱試験の試験結果(溶脱率)
との関係を示すグラフであり、横軸に第二次注入液への
浸漬日数が設定され、縦軸にホウ酸、銅および亜鉛の溶
脱率が設定されている。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅化合物、亜鉛化合物、およびホウ素化
    合物の内から選ばれた少なくともいずれか一つからなる
    防腐防虫成分とケイ酸ソーダとが揮発性を有する塩基性
    化合物を含んだ水に溶解された第一次注入液によって形
    成されていることを特徴とする木材の定着性向上防腐防
    虫用組成物。
  2. 【請求項2】 銅化合物、亜鉛化合物、およびホウ素化
    合物の内から選ばれた少なくともいずれか一つからなる
    防腐防虫成分が揮発性を有する塩基性化合物を含んだ水
    に溶解された第一次注入液と、中和塩が水に溶解された
    第二次注入液とから構成されていることを特徴とする木
    材の定着性向上防腐防虫用組成物。
  3. 【請求項3】 銅化合物、亜鉛化合物、およびホウ素化
    合物の内から選ばれた少なくともいずれか一つからなる
    防腐防虫成分とケイ酸ソーダとが揮発性を有する塩基性
    化合物を含んだ水に溶解された第一次注入液と、中和塩
    が水に溶解された第二次注入液とから構成されているこ
    とを特徴とする木材の定着性向上防腐防虫用組成物。
  4. 【請求項4】 上記銅化合物が、ホウ酸銅、水酸化銅、
    酢酸銅、塩化銅および硫酸銅の内から選ばれた少なくと
    もいずれか一つであることを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれかに記載の木材の定着性向上防腐防虫用組成
    物。
  5. 【請求項5】 上記ホウ酸銅が、四ホウ酸銅、一塩基性
    四ホウ酸銅、二塩基性四ホウ酸銅および三塩基性四ホウ
    酸銅の内から選ばれた少なくともいずれか一つであるこ
    とを特徴とする請求項4記載の木材の定着性向上防腐防
    虫用組成物。
  6. 【請求項6】 上記亜鉛化合物は、ホウ酸亜鉛、酢酸亜
    鉛、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、塩化亜鉛および硫酸亜鉛の
    内から選ばれた少なくともいずれか一つであることを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の木材の定着
    性向上防腐防虫用組成物。
  7. 【請求項7】 上記ホウ酸亜鉛は、四ホウ酸亜鉛、二塩
    基性四ホウ酸亜鉛、四水酸化亜鉛三(四ホウ酸)塩およ
    び水酸化亜鉛ジメタホウ酸塩の内から選ばれた少なくと
    もいずれか一つであることを特徴とする請求項6記載の
    木材の定着性向上防腐防虫用組成物。
  8. 【請求項8】 上記ホウ素化合物は、ホウ酸およびホウ
    砂の内から選ばれた少なくともいずれか一つであること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の木材の
    定着性向上防腐防虫用組成物。
  9. 【請求項9】 上記揮発性を有する塩基性化合物は、R
    が水素または低アルキル基である化学式R3Nで表され
    るものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    かに記載の木材の定着性向上防腐防虫用組成物。
  10. 【請求項10】 上記中和塩は、希土類塩化物またはア
    ルカリ土類塩であることを特徴とする請求項2または3
    記載の木材の定着性向上防腐防虫用組成物。
  11. 【請求項11】 上記希土類塩化物は、塩化スカンジウ
    ム、塩化イットリウムおよび塩化ランタノイドの内から
    選ばれた少なくともいずれか一つであることを特徴とす
    る請求項10記載の木材の定着性向上防腐防虫用組成
    物。
  12. 【請求項12】 上記アルカリ土類塩は、塩化カルシウ
    ム、塩化マグネシウム、塩化バリウム、塩化ストロンチ
    ウムおよび硫酸マグネシウムの内から選ばれた少なくと
    もいずれか一つであることを特徴とする請求項10記載
    の木材の定着性向上防腐防虫用組成物。
  13. 【請求項13】 銅化合物、亜鉛化合物、およびホウ素
    化合物の内から選ばれた少なくともいずれか一つからな
    る防腐防虫成分とケイ酸ソーダとが揮発性を有する塩基
    性化合物を含んだ水に溶解されてなる第一次注入液を木
    材に注入することを特徴とする木材の防腐防虫処理方
    法。
  14. 【請求項14】 上記第一次注入液の注入された木材
    に、さらに中和塩が水に溶解されてなる第二次注入液を
    注入することを特徴とする請求項13記載の木材の防腐
    防虫処理方法。
  15. 【請求項15】 銅化合物、亜鉛化合物、およびホウ素
    化合物の内から選ばれた少なくともいずれか一つからな
    る防腐防虫成分が揮発性を有する塩基性化合物を含んだ
    水に溶解されてなる第一次注入液を木材に注入し、この
    第一次注入液が注入された木材に、さらに中和塩が水に
    溶解されてなる第二次注入液を注入することを特徴とす
    る木材の防腐防虫処理方法。
  16. 【請求項16】 銅化合物、亜鉛化合物、およびホウ素
    化合物の内から選ばれた少なくともいずれか一つが揮発
    性を有する塩基性化合物を含む水に溶解されてなる、若
    しくは、さらにそれにケイ酸ソーダが溶解されてなる第
    一次注入液が注入されているか、または、上記第一次注
    入液と中和塩が水に溶解された第二次注入液との双方が
    注入されていることを特徴とする防腐防虫処理が施され
    た木材。
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