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JPH077372A - 弾性表面波コンボルバ - Google Patents

弾性表面波コンボルバ

Info

Publication number
JPH077372A
JPH077372A JP30231793A JP30231793A JPH077372A JP H077372 A JPH077372 A JP H077372A JP 30231793 A JP30231793 A JP 30231793A JP 30231793 A JP30231793 A JP 30231793A JP H077372 A JPH077372 A JP H077372A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor layer
layer
surface acoustic
acoustic wave
impurity density
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30231793A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuichi Mitsuzuka
秀一 三塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Faurecia Clarion Electronics Co Ltd
Original Assignee
Clarion Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Clarion Co Ltd filed Critical Clarion Co Ltd
Priority to JP30231793A priority Critical patent/JPH077372A/ja
Publication of JPH077372A publication Critical patent/JPH077372A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Surface Acoustic Wave Elements And Circuit Networks Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧電体層/絶縁体層/半導体層の積層構造を
有する弾性表面波コンボルバの温度特性を改善すること
である。 【構成】 圧電体層1/絶縁体層2/半導体層3の積層
構造の弾性表面波コンボルバにおいて、半導体層3の不
純物密度を、絶縁体層2に接する半導体層表面の部分で
は不純物密度が小さく、半導体層表面から半導体層内部
に向かう方向(絶縁体層2に接する部分から半導体層3
の内部に向かう方向、すなわち半導体層の深さ方向)に
関しては、徐々に不純物密度が増加するような不純物密
度分布となるように形成してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弾性表面波(以下、S
AWと略称する)コンボルバに係り、特にSAWコンボ
ルバの温度特性及びセルフコンボリューション抑圧のた
めの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4(a)と図5(a)に、従来の、圧
電体層/絶縁体層/半導体層の積層構造を有するモノリ
シックSAWコンボルバの代表的な構造を示す。
【0003】同図において、1は圧電体層、2は絶縁体
層、3は半導体層、4は第一導電型半導体層、5は第二
導電型半導体層、6は半導体エピタキシャル層、7はゲ
ート電極、8は裏面電極、9はくし型電極(入力電
極)、10は高濃度半導体基板、11は入力端子、12
は出力端子である。
【0004】図4(a)の構造のSAWコンボルバは、
半導体層3として、半導体エピタキシャル層/高濃度半
導体基板なる積層構造のものを用いていることが特徴で
ある。この場合、半導体層3の不純物密度分布は、図4
(b)のようになる。不純物密度は、半導体エピタキシ
ャル層6と高濃度半導体基板10の界面近傍を除いて、
それぞれ半導体エピタキシャル層6内、および高濃度半
導体基板10内では一様な分布となる。半導体エピタキ
シャル層6と高濃度半導体基板10の界面近傍では、不
純物密度は、半導体エピタキシャル層6から高濃度半導
体基板10に向かうにしたがって徐々に増加する。半導
体エピタキシャル層6と高濃度半導体基板10の界面近
傍で不純物密度が徐々に変化しているのは、半導体エピ
タキシャル層6を高濃度半導体基板10の上に堆積する
製造上の工程において、高濃度半導体基板10から不純
物が半導体エピタキシャル層6側に熱拡散することが一
因である。また、絶縁体層2を半導体層3の熱酸化で形
成する場合や、半導体層3を高温熱処理する工程がある
場合には、やはり、高濃度半導体基板10から不純物が
半導体エピタキシャル層6側に熱拡散することが原因と
してあげられる。とは言え、図4(a)に示す従来構造
のものでは、前述したように、半導体エピタキシャル層
6内の不純物密度分布が、半導体エピタキシャル層6と
高濃度半導体基板10の界面近傍以外では、一様である
ことが大きな特徴である。このような図4(a)の従来
構造のSAW素子は、コンボルバとしてのコンボリュー
ション効率が大きいことが特徴としてあげられる。な
お、図1の従来構造のSAW素子に関するより詳細な説
明は、例えば、特開昭63−62281号を参照された
い。
【0005】図5(a)に示す従来構造のSAW素子
は、半導体層3として、第一導電型半導体層/第二導電
型半導体層/高濃度半導体基板なる積層構造のものを用
いていることが特徴である。通常、第二導電型半導体層
5は半導体エピタキシャル層であり、第一導電型半導体
層4は、第二導電型半導体層5の不純物と異なる型の不
純物を、イオン注入、または熱拡散によって第二導電型
半導体層5の表面に注入、または拡散することによって
形成される場合が多い。このような従来構造のSAW素
子の不純物密度分布は図5(b)のようになる。不純物
密度は第一導電型半導体層4内、および第一導電型半導
体層4/第二導電型半導体層5、界面近傍、さらに第二
導電型半導体層5/高濃度半導体基板10の界面近傍を
除いては、それぞれ第二導電型半導体層5内、および高
濃度半導体基板10内では一様な分布となる。
【0006】第一導電型半導体層4内と第一導電型半導
体層4/第二導電型半導体層5の界面近傍で不純物密度
分布が一様とならないのは、前述したように第一導電型
半導体層4が、不純物のイオン注入や熱拡散によって形
成されたためである。また、第二導電型半導体層5/高
濃度半導体基板10の界面近傍で不純物密度分布が一様
でなく徐々に変化しているのは、図4(a)の従来構造
の場合と同じく、半導体エピタキシャル層6の製膜過程
や、半導体層3の熱酸化や高温熱処理の工程において、
高濃度半導体基板10から第二導電型半導体層5側に不
純物が熱拡散したためである。とは言え、図5(a)の
従来構造のSAW素子では、前述したように第二導電型
半導体層5内の不純物密度分布が、第一導電型半導体層
4との界面近傍、および高濃度半導体基板との界面近傍
以外では、一様であることが大きな特徴である。このよ
うな従来構造のSAW素子では、コンボルバとしてのコ
ンボリューション効率が大きいだけでなく、ゲート電極
7に印加する直流バイアス電圧が0Vの時にも大きなコ
ンボリューション効率が得られるようにすることができ
るため、外部直流電源を必要とせずにコンボルバを動作
できるという特徴がある。なお、図5(a)のSAW素
子の従来構造に関するより詳細な説明は、例えば、特開
昭62−64113号または「ゼロバイアス動作型モノ
リシックZnO/SiO2/Siコンボルバの試作」昭
和61年秋季応用物理学会講演予稿集、第905頁を参
照されたい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】さて、以上のような従
来構造のSAW素子は、コンボリューション効率が高い
という利点を有しており、実用上極めて有利であるが、
コンボリューション効率が温度とともに変化するという
問題がある。図6に上述した従来構造のSAWコンボル
バにおけるコンボリューション効率(以下、記号FT
あらわす)の温度特性の例を示す。
【0008】図6は、ZnO/SiO2/n−Si/n+
−Siの積層構造素子で、伝播するSAWのモードがセ
ザワ波であり、ゲートの長さが40mmの場合の例を示し
たものである。図4(a)の従来構造のSAWコンボル
バの場合も図5(a)の従来構造のSAWコンボルバの
場合も、コンボリューション効率FTの温度特性は定性
的に図6のようになる。図6を見るとわかるように、コ
ンボリューション効率FTは通常、温度が上昇すると低
下する。したがって、従来構造のSAWコンボルバを所
定の用途に応用する場合は、SAWコンボルバの周辺回
路としてAGC回路(自動利得調整回路)が必要であっ
たり、あるいは使用温度範囲が狭い範囲に限定されたり
することがある。すなわち、従来構造のSAWコンボル
バにおいては、使用温度範囲が狭かったり、あるいは周
辺回路としてAGC回路が必要で、そのためにコストが
高くなったり、周辺回路の小型化が困難であったりする
という問題があった。
【0009】本発明の目的は、圧電体層/絶縁体層/半
導体層の積層構造を有するSAWコンボルバにおいて、
コンボリューション効率の温度特性を改善するような新
しい構造のSAWコンボルバを提案することにある。本
発明の他の目的はSAWコンボルバにおいて簡単な手段
を付加するだけで、セルフコンボリューション信号の抑
圧を可能とすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、上記目的
を達成するため、上記弾性表面波コンボルバにおいて、
半導体層の不純物密度を、絶縁体層に接する半導体層表
面の部分では不純物密度が小さく、半導体層表面から半
導体層内部に向かうに従って徐々に不純物密度が増加す
るような不純物密度分布となるように形成したことを要
旨とする。
【0011】第2の発明は、圧電体層/絶縁体層/第一
導電型半導体層/第二導電型半導体層の積層構造を有す
る弾性表面波コンボルバにおいて、第二導電型半導体層
の不純物密度を、第一導電型半導体層と接する部分では
不純物密度が小さく、その部分から第二導電型半導体層
の内部に向かうに従って徐々に第二導電型半導体層の不
純物密度が増加するような不純物密度分布となるように
形成したことを要旨とする。更に第3の発明は、圧電体
層上に弾性表面波の強度減衰用の吸音材を設けることを
要旨とする。
【0012】
【作用】半導体層の不純物密度分布を以上のように形成
することにより、半導体層表面の非線型定数を、温度の
上昇とともに増加するようにすることができ、その結果
としてコンボルバのコンボリューション効率が温度の上
昇とともに低下するのを防ぎ、コンボルバの温度特性を
改善することができる。更に吸音材が弾性表面波の反射
を吸収してセルフコンボリューション信号を抑圧する。
【0013】
【実施例】以下図面に示す本発明の実施例を説明する。
図1及び図2に、本発明の実施例を示す。図1(a)は
図4(a)の従来構造を改良した構造のSAWコンボル
バを示すものであり、図2(a)は図5(a)の従来構
造を改良した構造のSAWコンボルバを示すものであ
る。
【0014】同図において図4(a)、図5(a)と同
一符号は同一又は類似の部材を表わし、特に従来構造と
の違いは、半導体層3内の不純物密度分布にある。図1
(a)に示す圧電体層/絶縁体層/半導体層の積層構造
を有するSAWコンボルバにおいて、図1(b)に示す
ように半導体層3の不純物密度を、絶縁体層2に接する
半導体層表面の部分では不純物密度が小さく、半導体層
表面から半導体層内部に向かうに従って、徐々に不純物
密度が増加するような不純物密度分布となるように形成
したことを特徴としている。これに対し、図4(a)の
従来構造のものでは、半導体層3の不純物密度は、絶縁
体層2に接する半導体層表面の部分から、半導体エピタ
キシャル層6/高濃度半導体基板10、界面近傍までは
不純物密度が一様となっており、その点で図1の実施例
の半導体の不純物密度分布と異なっている。
【0015】一方、図2(a)の実施例は、圧電体層/
絶縁体層/第一導電型半導体層/第二導電型半導体の積
層構造を有するSAWコンボルバにおいて、図2(b)
に示すように第二導電型半導体層5の不純物密度を、第
一導電型半導体層4と接する部分では不純物密度が小さ
く、その部分から第二導電型半導体層の内部に向かう方
向に関しては、徐々に第二導電型半導体層の不純物密度
が増加するような不純物密度分布となるように形成した
ことを特徴としている。これに対し図5(a)の従来構
造のものでは、第二導電型半導体層5の不純物密度は、
第一導電型半導体層4と接する部分近傍から、第二導電
型半導体層4/高濃度半導体層基板10、界面近傍まで
は不純物密度が一様となっており、その点で図2(a)
の実施例の半導体の不純物密度と異なっている。
【0016】図1及び図3の実施例において、半導体層
3の不純物密度分布を以上のように図4、図5の従来構
造のものと異なる分布に形成するのは、半導体層表面の
非線型定数が温度の上昇とともに増加するようにし、そ
の結果としてコンボルバのコンボリューション効率FT
が温度の上昇とともに低下するのを防ぎ、FTの温度変
化を小さくして、FTの温度特性を改善するためであ
る。以下、その点を順次説明する。
【0017】コンボルバのコンボリューション効率FT
は、一般に次式で表わされる。
【数1】 FT=20logγ2−αLg−30+Le (1)
【0018】ここで、γ2は半導体層表面の非線型定
数、αは表面波の伝播損失、Lgはゲート長である。L
eは温度と無関係に定まる項であり、ここではFTの温
度変化を説明することに重点を置くので、Leの表式に
ついては省略する。
【0019】式(1)から、コンボリューション効率F
Tの温度変化は、非線型定数γ2の温度変化と、表面波の
伝播損失αの温度変化の影響を受ける(ゲート長Lgは
一定)ことがわかる。このうち、SAWの伝播損失α
は、圧電体層/絶縁体層/半導体層の構造の場合は、一
般に温度の上昇とともに増加することが知られている。
これは、圧電体自身の損失が温度の上昇とともに増加す
ることと、電気音響効果による半導体層中の損失も温度
の上昇とともに増加するからである。伝播損失αの定性
的な温度変化を図3(a)に示す。伝播損失αの温度変
化は、従来構造の場合も、本発明の場合も定性的に同じ
である。なお、伝播損失αの温度変化に関する詳細は、
例えば、次の文献を参照されたい。
【0020】S.Mitsutsuka,et.al“Propagation lo
ss of surface acoustic waves on a monolithic meta
l-insulator semiconductor structure ”Journal of A
pplied Physics ,vol.65, No.2,January 1989,pp651-66
1
【0021】伝播損失αが図3(a)のように温度の上
昇とともに増加するということは、式(1)から、コン
ボリューション効率FTを温度の上昇とともに低下させ
ようとする作用があることを示す。FTの実際の温度変
化は他のパラメータである非線型定数γ2の温度変化が
どのようになるかに依存する。
【0022】次に非線型定数γ2の温度変化について、
従来構造の場合と本発明の場合について比較する。非線
型定数γ2は、コンボルバの半導体層表面が空乏状態な
いし反転状態の時は、空乏端の位置での半導体の不純物
密度Nに対し、一般に次の関係を持つ。
【0023】
【数2】 γ2 ∝ 1/N (2)
【0024】FTは半導体層表面が空乏ないし弱反転の
状態の時に大きな値となるから、コンボルバの動作状態
では式(2)が成立すると考えてよい。すなわち、コン
ボルバの動作状態では、非線型定数γ2は、空乏端での
不純物密度Nに逆比例すると考えて良い。したがって、
γ2の温度変化は空乏端での不純物密度Nの温度変化に
よって左右される。ところで、半導体層の空乏幅は、温
度が変わると変化する。空乏幅は一般に、温度が上昇す
ると小さくなる。したがって、半導体層中の空乏端の位
置は、温度が上昇するにつれて、半導体の内部から、半
導体層の表面(絶縁体層2と半導体層3の界面)側に近
づいてくる。一方、空乏端の位置は図4(a)の従来構
造のものでは、半導体エピタキシャル層6内で、不純物
密度Nが一様な領域にあり、図5(a)の従来構造のも
のでは、第二導電型半導体層5内で、やはり不純物密度
Nが一様な領域にある。したがって、従来構造のもので
は、温度が上昇して空乏端の位置が半導体層表面側に近
づいても、空乏端の位置での不純物密度Nは一定であ
る。よって、式(2)の関係から、従来構造のものの非
線型定数γ2は温度が変わってもほぼ一定である。従来
構造のγ2の定性的な温度特性を図3(b)の点線で示
した。これに対し、本発明の図1のものでは、空乏端の
位置は、半導体層3内で、不純物密度Nが深さ方向に徐
々に増加している領域にあり、本発明の図2のもので
は、やはり空乏端の位置は、第二導電型半導体層5内
で、不純物密度Nが深さ方向に徐々に増加している領域
にある。したがって、本発明においては、温度が上昇し
て空乏端の位置が半導体表面側に近づくと、空乏端の位
置での不純物密度Nは徐々に小さくなる。よって式
(2)の関係から、本発明の非線型定数γ2は、温度が
上昇すると増加することになる。本発明の構造における
γ2の定性的な温度特性を図3(b)の実線で示した。
【0025】以上の伝播損失αの温度変化(図3
(a))と非線型定数γ2の温度変化(図3(b))を
総合すると、式(1)の関係から、コンボリューション
効率FTの温度変化は、定性的に図3(c)のようにな
る。すなわち、本発明では、従来構造の場合と比較し
て、コンボリューション効率FTの温度変化を改善する
ことができる(FTの温度上昇による低下を防ぐことが
できる)。これは、本発明では、非線型定数γ2を温度
の上昇とともに増加させることができるため、伝播損失
αの温度変化による効果を打ち消すことができるからで
ある。以上が本発明において、従来構造よりもコンボリ
ューション効率の温度特性を改善することができる理由
である。
【0026】なお、本発明の構造のSAWコンボルバを
形成するにあたり、図1の半導体層3内や図2の第二導
電型半導体層5内の不純物密度を深さ方向に徐々に変化
させる方法としては、高濃度半導体基板上に半導体層を
エピタキシャル成長させる過程で、不純物量を徐々に変
えることによっても形成できるし、高濃度半導体基板上
に低濃度半導体層をエピタキシャル成長させ、その後、
高温熱処理することによって不純物を熱拡散させる方法
によっても形成することができる。しかし本発明では、
不純物密度分布が所望の分布になっていることが重要で
あり、そのような分布を形成する方法については、特に
限定しない。
【0027】ところで、本発明の各構成要素の材質は、
従来構造と同様のものを用いることができる。すなわ
ち、圧電体層層1としてはZnOやAlN、絶縁体層2
としてはSiO2やSiNx、半導体層3としてSiや
GaAs等を用いることができる。また、各電極にはA
lやAu等を用いることができる。
【0028】なお、図1や図2のような構造のSAWコ
ンボルバでは、2つのくし形電極9(以後I.D.Tと
称す)に入力した信号の間のコンボリューション信号の
他に、セルフコンボリューション信号と呼ばれる不必要
な信号が生じる。セルフコンボリューション信号とは、
1つのI.D.Tによって生起された表面波が、対向す
るI.D.Tによって反射されることによって生ずる信
号であり、自分自身のコンボリューション信号に対応す
る。図7にその様子を示す。図7において、入力信号P
1,P2により生ずる弾性表面波S1とS2から、目的とす
るコンボリューション信号Poutが生じるが、その他に
1とその反射波S1rの間、及びS2とその反射波S2r
間、においてもコンボリューション信号が生じることは
明らかであろう。後者の2つの信号がセルフコンボリュ
ーション信号である。
【0029】さて、このようなセルフコンボリューショ
ン信号は、コンボルバの出力にとっては、スプリアスノ
イズとしてあらわれ、コンボルバのダイナミックレンジ
を低下させるという好ましくない影響を与える。特に、
図1、図2のような構造のSAWコンボルバでは、ゲー
ト電極7の長さが短くなると、対向するI.D.Tの間
を伝わる表面波の減衰の度合いが小さくなり、対向する
I.D.Tから反射される表面波の強度が大きくなるた
め、セルフコンボリューション信号の大きさが大きくな
り、セルフコンボリューション信号によるスプリアスノ
イズが顕著になる。
【0030】図8は上記セルフコンボリューション信号
を抑圧するための本発明の実施例で、素子端部に設置し
た吸音材13の他に、圧電膜1/絶縁体2/半導体3の
積層基板上に配置した各くし形電極(入力電極)9とゲ
ート電極7の間の領域で、しかも圧電膜1上に、吸音材
14を設置したことに特徴がある。
【0031】以上のように、図8の実施例の特徴は、素
子端部に設置した吸音材13の他に、基板上のくし形電
極(入力電極)9とゲート電極7の間の領域に新たに吸
音材14を設置することである。SAW素子端部に設置
した吸音材13の役目は素子の端面から表面波が反射す
るのを防ぐことであり、したがって、素子端部に設置し
た吸音材13の部分では表面波は、ほぼ完全に減衰させ
られる。しかし、本発明で新たに設置した吸音材14の
部分では、表面波は完全には減衰されずに、ある程度の
度合いの減衰を受けて伝播するようにされるものとす
る。それは吸音材14の塗布幅や塗布量を調整すること
によって可能である。例えば、吸音材14の塗布幅を狭
くしたり、塗布量を少なくすれば、吸音材14の部分で
の表面波の減衰の度合いを小さくできる。
【0032】次に、図8において、吸音材14を新たに
設置することによってセルフコンボリューション信号を
抑圧できる理由を説明する。その理由は、吸音材14を
入力電極9とゲート電極7の間に設置することによっ
て、入力電極9とゲート電極7の間を伝わる表面波の伝
播損失を大きくすることができるため、図7の反射波S
1r,S2rを小さくすることができるからである。図7に
おいて、入力電極(I.D.T)9と、ゲート電極7の
間を伝わる表面波の伝播損失をL(dB)とする。図8
の場合は、吸音材14の存在によってL(dB)の減衰
(伝播損失)が生じることになる。簡単のために、入力
1側も入力2側も同じ伝播損失を受けるものとする。
【0033】もし、図1,図2のように、吸音材14が
無い場合は、コンボリューション出力Pout(dBm)
は、図7において、
【数3】 Pout=FTo+P1+P2 (3) ここで、FToはコンボリューション効率(dBm)であ
り、P1,P2は各I.D.Tへの入力電極(dBm)で
ある。この時入力1の影響によるセルフコンボリューシ
ョン出力Ps1(dBm)は、
【数4】 Ps1=FTo+2P1+R−L0 (4) ここで、Rは各I.D.Tでの表面波の反射率(dB)
である。またL0はゲート中を伝わる間の表面波の伝播
損失(dB)である。入力2によるセルフコンボリュー
ションは(4)で、添字を1から2に変えればよい。今
後、簡単のために入力1によるセルフコンボリューショ
ンの影響のみを考える。
【0034】(3)と(4)からセルフコンボリューシ
ョン信号の抑圧比Co≡log(Ps1/Pout)(dB)
は、
【数5】 Co=log(Ps1/Pout)=P1−P2+R−L0 (5)
【0035】次に、図8のように吸音材14が存在する
場合は、I.D.Tとゲート電極間でL(dB)の減衰が
生じるので、コンボリューション出力Pout(dBm)
は、
【数6】 Pout=FTo+P1+P2−2L (6) また、入力1によるセルフコンボリューション出力Ps1
(dBm)は、
【数7】 Ps1=FTo+2P1+R−L0−3L (7) よって、図7の構造の場合のセルフコンボリューション
信号の抑圧比C≡log(Ps1/Pout)(dB)は、
(6),(7)より、
【数8】 C=log(Ps1/Pout)=P1−P2+R−L0−L (8)
【0036】(5)と(8)を比較すると、図8の場合
は、図1,図2の構造よりもセルフコンボリューション
抑圧比をC−Co倍だけ、すなわち、(5),(8)よ
り、
【数9】 C−Co=−L (dB) (9) 倍だけの大きさにすることができる。(7)式を見る
と、Lが大きいほど図8におけるセルフコンボリューシ
ョン信号を図1,図2の構造より小さくすることができ
ることがわかる。すなわち、図8において、吸音材14
を設置し、そこで表面波に伝播損失を与えることによ
り、セルフコンボリューション信号を図1,図2の構造
より小さくし、抑圧できることがわかる。
【0037】なお、吸音材14は、素子端部に設置する
吸音材13と同じ材質のものを用いてもよいし、異なる
材質のものを用いてもよい。吸音材14や吸音材13の
材質は、弾性表面波素子で一般に用いられている材質の
ものを用いることができ、例えばシリコン系ゴムを用い
ることができる。しかし、吸音材14や吸音材13の材
質は、特に限定しない。なお、吸音材14を適用できる
SAWコンボルバとしては一般的な圧電体/絶縁体/半
導体積層構造のコンボルバでもよく、また図9のような
エラスティックコンボルバでもよく、その場合圧電体基
板15としては、従来構造のものと同じ材質のものを用
いることができ、例えば、LiNbO3を用いることが
できる。図9において、図8と同一符号は同一または類
似の部材をあらわす。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
圧電体層/絶縁体層/半導体層の積層構造を有するSA
Wコンボルバにおいて、コンボリューション効率の温度
特性を改善することができる。そのため、SAWコンボ
ルバの使用温度範囲を従来より拡げることができる。ま
た、従来構造の応用の場合のように周辺回路としてAG
C回路を設ける必要がなく、そのために従来よりも周辺
回路の小型化や低コスト化を図ることができる。更には
吸音材のような簡単な手段を付加するだけでセルフコン
ボリューション信号を抑圧することができる。なお、本
発明によるSAWコンボルバの具体的な応用例としては
スペクトラム拡散通信機、相関器、レーダー、画像処
理、フーリエ変換器などを上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図及び半導体の不
純物密度分布を示す図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す断面図及び半導体の
不純物密度分布を示す図である。
【図3】従来構造の素子と、本発明素子との温度特性の
比較を示す特性図である。
【図4】従来のSAWコンボルバの構造を示す断面図及
び不純物密度分布を示す図である。
【図5】従来の他のSAWコンボルバの構造及び不純物
密度分布を示す図である。
【図6】従来のSAWコンボルバのコンボリューション
効率の温度特性を示す図である。
【図7】セルフコンボリューション信号発生の説明図で
ある。
【図8】本発明の更に他の実施例の上面図及び断面図で
ある。
【図9】(a),(b)は図8の実施例の変形例を示す
上面図及び断面図である。
【符号の説明】
1 圧電体層 2 絶縁体層 3 半導体層 4 第一導電型半導体層 5 第二導電型半導体層 13 吸音材 14 吸音材

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電体層/絶縁体層/半導体層の積層構
    造を有する弾性表面波コンボルバにおいて、上記半導体
    層の不純物密度を、絶縁体層に接する半導体層表面の部
    分では不純物密度が小さく、半導体層表面から半導体層
    内部に向かうに従って徐々に不純物密度が増加するよう
    な不純物密度分布となるように形成したことを特徴とす
    る弾性表面波コンボルバ。
  2. 【請求項2】 圧電体層/絶縁体層/第一導電型半導体
    層/第二導電型半導体層の積層構造を有する弾性表面波
    コンボルバにおいて、第二導電型半導体層の不純物密度
    を、第一導電型半導体層と接する部分では不純物密度が
    小さく、その部分から第二導電型半導体層の内部に向か
    うに従って徐々に第二導電型半導体層内の不純物密度が
    増加するような不純物密度分布となるように形成したこ
    とを特徴とする弾性表面波コンボルバ。
  3. 【請求項3】 弾性表面波コンボルバの圧電体層上に弾
    性表面波の強度減衰用の吸音材を設けたことを特徴とす
    る請求項1に記載の弾性表面波コンボルバ。
  4. 【請求項4】 弾性表面波コンボルバの圧電体層上に弾
    性表面波の強度減衰用の吸音材を設けたことを特徴とす
    る請求項2に記載の弾性表面波コンボルバ。
  5. 【請求項5】 前記吸音材を入力電極と出力電極との間
    の圧電体層上の領域に配設したことを特徴とする請求項
    3に記載の弾性表面波コンボルバ。
  6. 【請求項6】 前記吸音材を入力電極と出力電極との間
    の圧電体層上の領域に配設したことを特徴とする請求項
    4に記載の弾性表面波コンボルバ。
  7. 【請求項7】 吸音材を圧電体層上の端縁に配設したこ
    とを特徴とする請求項5に記載の弾性表面波コンボル
    バ。
  8. 【請求項8】 吸音材を圧電体層上の端縁に配設したこ
    とを特徴とする請求項6に記載の弾性表面波コンボル
    バ。
  9. 【請求項9】 少なくとも圧電体基板を有する弾性表面
    波コンボルバにおいて、入力電極と出力電極との間の圧
    電体基板上の領域に弾性表面波の強度減衰用の吸音材を
    設けたことを特徴とする弾性表面波コンボルバ。
  10. 【請求項10】 前記圧電体基板上の端縁に吸音材を配
    設したことを特徴とする請求項9に記載の弾性表面波コ
    ンボルバ。
JP30231793A 1993-04-21 1993-11-08 弾性表面波コンボルバ Pending JPH077372A (ja)

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JP30231793A JPH077372A (ja) 1993-04-21 1993-11-08 弾性表面波コンボルバ

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JP5-116602 1993-04-21
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7454864B2 (en) 2003-04-25 2008-11-25 Smith Thomas J Planting pots and multi-compartment tray having self-orienting configuration

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7454864B2 (en) 2003-04-25 2008-11-25 Smith Thomas J Planting pots and multi-compartment tray having self-orienting configuration

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