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JPH0681817B2 - 乳化型水性塗料 - Google Patents

乳化型水性塗料

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Publication number
JPH0681817B2
JPH0681817B2 JP63042105A JP4210588A JPH0681817B2 JP H0681817 B2 JPH0681817 B2 JP H0681817B2 JP 63042105 A JP63042105 A JP 63042105A JP 4210588 A JP4210588 A JP 4210588A JP H0681817 B2 JPH0681817 B2 JP H0681817B2
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resin
resin component
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JP63042105A
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瞬治 小島
俊典 森賀
芳樹 渡辺
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Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Kaisha Ltd
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Publication date
Application filed by Toyo Seikan Kaisha Ltd filed Critical Toyo Seikan Kaisha Ltd
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Priority to PCT/JP1989/000188 priority patent/WO1989008133A1/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、乳化型水性塗料に関し、より詳細には、塗膜
表面におけるブツの発生を防止し、塗膜表面の平滑性や
他の塗膜特性を向上させた乳化型水性塗料に関する。
(従来の技術) 従来、缶詰用缶の製造に際し、金属の内容物への溶出を
防止し、また金属の腐食を防止するため、各種の塗料で
金属素材や、缶自体に塗装することが行われている。未
塗装の金属素材を用いた絞りしごき缶の場合は勿論のこ
と、塗装金属素材を用いた絞り缶や、スリーピース缶で
も、製缶工程で入る塗膜のキズを補正塗りし、またトッ
プコートを形成させるために、缶胴や缶蓋に各種塗料を
スプレー塗装し焼付けることが行われている。
金属基体への密着性、耐腐食性、フレーバー特性及び塗
膜加工性の点では、エポキシ樹脂と硬化剤樹脂をの組合
せから成る塗料や、ビニル系塗料が優れたものである。
これらの塗料は有機溶媒溶液の形で塗布するという良い
性能が発現されるが、スプレー塗装に際して、作業環境
中に溶剤が揮散し、大気汚染や環境衛生上の問題を生じ
る。
これらの欠点を解消するために水性塗料、即ち水性分散
体塗料の開発も既に行われている。このような水性塗料
の第一のタイプのものは、塗料樹脂を何等かの手段で微
粒化し、界面活性剤や水溶性乃至親水性樹脂を分散剤と
して水中に分散したものである(例えば特公昭44−1807
6号公報)。第二のタイプのものは、エポキシ樹脂のよ
うに官能基を有する塗料を、アクリル樹脂のようにカル
ボキシ基を有する樹脂と反応させることにより変性し、
この変性樹脂をアンモニアまたはアミン類で中和するこ
とによって、水性媒体中に自己乳化させたものである
(例えば特開昭59−213718号公報)。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、前者のタイプの水性塗料は、塗料樹脂成
分の分散粒径が概して粗大であったり、不揃である傾向
があると共に、水性塗料が分散安定性に乏しく、得られ
る塗膜の性能も溶剤タイプの塗料に比して劣っている。
また、後者のタイプの塗料は、分散性等については前者
のタイプの塗料に比して優れているとしても、塗料樹脂
組成に大きい制約を受け、例えばエポキシ樹脂系塗料の
場合、樹脂硬化剤の含有量を十分に大きくとることが困
難なため、塗膜の硬化を十分に行うことができず、その
ため塗膜の密着性や塗膜の硬さ、緻密さ、腐食成分に対
するバリヤー性等を満足すべきレベルにまで向上させ得
ないという問題を生じる。
本発明者らは先に、エポキシ樹脂成分と、レゾールフェ
ノール樹脂の如き硬化剤樹脂成分とを含有する熱硬化性
樹脂を、アクリル樹脂の界面活性作用を利用して相転換
乳化させて、水性塗料を製造するときには、硬化性能に
優れ、塗膜の密着性や塗膜の硬さ、緻密さ、腐食成分に
対するバリヤー性等に優れた熱硬化性塗料が得られるこ
とを見出した(これについても特許出願中)。
しかしながら、この塗料を用いて形成される塗膜には、
塗膜の平滑性や被覆の完全さにおいて未だ問題を有する
ことがわかった。即ち、この塗料により形成される塗膜
は、その表面にブツを形成する傾向があり、このため表
面の平滑性が低下し、且つ基体の被覆の程度が不完全な
ものとなる。このような現象は前述した3成分の樹脂を
含有する水性塗料において初めて見出されたものであ
り、従来の有機溶媒系の塗料においては全く認められな
かったものである。
従って、本発明の目的は、カルボキシル基含有アクリル
樹脂成分、エポキシ樹脂成分及びレゾール型フェノール
樹脂成分を必須成分として含有する乳化型水性塗料にお
いて、塗装の際の前述したブツの発生を防止し、塗膜の
平滑性や被覆の完全さを向上させることにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明によれば、カルボキシル基含有アクリル樹脂成
分、エポキシ樹脂成分及びレゾール型フェノール樹脂成
分を塗膜形成成分として含有し、該アクリル樹脂成分の
カルボキシル基は、アンモニウム塩またはアミン塩の形
で存在し、該塗膜形成成分はO/W型エマルジョン粒子の
形で存在する乳化型水性塗料であって、レゾール型フェ
ノール樹脂成分の全メチロール基の30モル%以上がアル
キルエーテル化されていることを特徴とする乳化型水性
塗料が提供される。
レゾール型フェノール樹脂成分のエーテル化物はブチル
エーテル化物であることが好ましく、本発明は、レゾー
ル型フェノール樹脂成分が二核体及び一核体から成る低
分子量物を10乃至98重量%、特に20乃至95重量%で含有
するものである場合に特に有用である。
(作 用) 本発明は、カルボキシル基含有アクリル樹脂成分、エポ
キシ樹脂成分及びレゾール型フェノール樹脂の3成分を
塗膜形成成分として含有する乳化型水性塗料において、
前記レゾール型フェノール樹脂成分として全メチロール
基の30モル%以上、特に45乃至90モル%がアルキルエー
テル化されたレゾール型フェノール樹脂成分を使用する
と、塗膜表面におけるブツの発生が解消され、形成され
る塗膜の平滑性及び被覆の完全さが顕著に向上するとい
う知見に基づくものである。
本発明者等の研究によると、上記3成分系の乳化型水性
塗料において、塗膜表面にブツが発生する理由は、塩析
により塗膜樹脂成分が析出するためと考えられる。即
ち、塗料用のレゾール型フェノール樹脂中には必ず、一
核体あるいは二核体等の低分子量成分が含有されてい
る。これらの一核体及び二核体等の低分子量成分はエポ
キシ樹脂成分に対する硬化速度が大きく、しかも基体の
密着性向上に関与する等レゾール型フェノール樹脂にと
って必須不可欠の成分である。これらの低分子量成分
は、乳化の際加えられるアンモニアまたはアミンを含有
する水に可溶であり、従って、水性塗料中では溶液の形
で存在すると信じられる。この水性塗料を基体に塗布
し、湿潤状態の塗膜を形成させると、塗膜形成直後から
表面では水の蒸発が生じるが、この段階で水中に溶解し
た低分子量成分が塗膜形成樹脂を塩析し、これが塗膜表
面のブツの発生の原因と考えられる。
本発明に従い、レゾール型フェノール樹脂中の全メチロ
ール基の少なくとも30モル%をアルキルエーテル化する
と、前述した一核体や二核体等の低分子量成分の水に対
する溶解性が抑制されるか、あるいは水に対する溶解量
が抑制され、塗膜形成樹脂成分の塩析が防止され、その
結果としてブツの発生が抑制されるものと信じられる。
(発明の好適態様) 塗膜形成樹脂成分 i)アクリル樹脂 本発明におけるアクリル樹脂は、カルボキシル基を有す
るものであり、このものは塗膜形成樹脂成分としての機
能と高分子分散剤としての機能とを兼ね備えている。
用いるアクリル樹脂そのものは、35乃至350、特に70乃
至330の酸価を有することが望ましい。
アクリル樹脂としては、酸価が上述した範囲内にある限
り任意のアクリル樹脂を用いることができる。このアク
リル樹脂は、上述した酸価のカルボキシル基を樹脂中に
与えるエチレン系不飽和カルボン酸またはその無水物
と、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル
と、所望によりこれらと共重合可能な他のエチレン系不
飽和単量体との共重合体から成る。エチレン系不飽和カ
ルボン酸またはその無水物としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸、シトラコン酸、無水イタコン酸等である。
アクリル酸やメタクリル酸のエステルとしては、例え
ば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アク
リル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、
(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イ
ソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)
アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n
−オクチルなどがある。ただし上記の(メタ)アクリル
酸とはアクリル酸もしくはメタクリル酸を示す。
これらの単量体と共に共重合される他の共単量体として
は、スチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル等を挙げることができる。
用いるアクリル樹脂はフィルムを形成するに足る分子量
を有するべきであり、一般に10,000乃至200,000、特に2
0,000乃至150,000の範囲内の分子量を有していることが
望ましい。アクリル共重合体の適当な組合せの例は、
(1)メタクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキ
シル/アクリル酸、(2)スチレン/メタクリル酸メチ
ル/アクリル酸エチル/メタクリル酸、(3)スチレン
/アクリル酸エチル/メタクリル酸、(4)メタクリル
酸メチル/アクリル酸エチル/アクリル酸等であるが、
勿論これらに限定されない。
これらのアクリル樹脂は、これらの単量体を有機溶媒
中、アゾビスイソブチロニトリル類や過酸化物の存在下
で重合させることにより容易に得られる。
ii)エポキシ樹脂 エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA等のビスフェ
ノール類とエピハロヒドリンとの重縮合により得られた
ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好適であり、そのエ
ポキシ当量は一般に400乃至20,000、特に1,000乃至5,00
0の範囲及び数平均分子量は、1,000乃至20,000、特に2,
000乃至13,000の範囲にあるものが好ましい。
iii)レゾール型フェノール樹脂 本発明では、レゾール型フェノール樹脂として全メチロ
ール基の30モル%以上、特に45モル%以上がアルキルエ
ーテル化されたものを使用する。このエーテル化の程度
が上記範囲よりも小さい樹脂の場合には、レゾール型樹
脂中の低分子量成分の水への溶解性を減少させることが
困難となり、塗膜表面でのブツの発生を解消することが
困難となる。
レゾール型フェノール樹脂としては、石炭酸、p−クレ
ゾール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−tert−
ブチルフェノール、p−tert−アミルフェノール、p−
フェニルフェノール、キシレノール、o−,p−或はm−
エチルフェノール、レゾルシン、ヒドロキノン、o−,p
−,m−メトキシフェノール、ビスフェノールA等の2官
能性、3官能性あるいは4官能性のフェノール類とホル
ムアルデヒドとを、アルカリ触媒の存在下に縮合させて
得られる初期縮合物が用いられ、一般に数平均分子量が
150乃至1000のものが有利に使用される。
得られるレゾール型フェノール樹脂中には、例えば式 式中、Rはアルキル基である、 の一核体や式 の二核体がある分布量で含有されており、これらの低分
子量成分が塗膜の硬化速度や塗膜の金属基体への密着性
に関して重要な役割を演じることは既に指摘したとおり
である。本発明では、上に例示したような一核体及び二
核体から成る低分子量成分を10乃至98重量%、特に20乃
至95重量%の量で含むレゾール型フェノール樹脂を用い
ることが好ましい。
レゾール型フェノール樹脂のメチロール基のアルキルエ
ーテル化は式 −CH2OH+CnH2n+1OH → −CH2OCnH2n+1+H2O …(3) で示されるように、樹脂中のメチロール基をアルコール
とをエーテル化触媒、特に酸触媒の存在下に反応される
ことにより行われる。
アルコール類としては、メタノール、エタノール、n−
またはiso−プロパノール、n−,iso−,tert−ブタノー
ル等を用いることができるが、炭素数3乃至6のアルコ
ール、特にブタノールが好適である。
エーテル化触媒としては、リン酸、硫酸、塩酸、芳香族
スルホン酸(例えばp−トルエンスルホン酸)、シュウ
酸、酢酸等を用いることができる。この樹脂の合成に際
し、溶解したメチロール基含有熱硬化性樹脂とアルコー
ルとを、適当な溶媒中で前記触媒の存在下に反応させ
る。触媒の使用量は、反応系のpHが4乃至6となるよう
な量であり、反応温度は70乃至90℃の範囲が望ましい。
溶媒としては、過剰のアルコール、トルエン、キシレン
等が単独あるいは組合せで使用される。上述した反応で
副生する水を除去しながら反応を行うのが有利であり、
この目的のために、反応系中の水を溶媒との共沸蒸留の
形で系外に取出しつつ反応を行うことが望ましい。勿論
系中のアルコールの量が不足する場合には、これを反応
系中に追加すればよい。
フェノール樹脂の製造とアルキルエーテル化とは同一の
工程でも別個の工程でも行い得る。例えば、フェノール
類とホルムアルデヒドとの反応を、アルコールを含む媒
質中でアルカリ触媒の存在下に行い、所望のメチロール
化樹脂が得られた後、この系中に酸触媒を添加して、前
記pHに維持してアルキルエーテル化反応を行うことがで
きる。あるいは形成するメチロール化樹脂をそれ自体公
知の手段で分離し、これを別の系中でアルキルエーテル
化してもよい。
得られたアルキルエーテル化樹脂は、中和、水洗、乾燥
して塗膜形成樹脂成分としてもよいし、中和により生成
する塩などを何らかの手段で除去してそのまま樹脂溶液
の形で使用してもよい。
iv)組 成 本発明は、エポキシ樹脂とフェノール樹脂との組成比が
任意の範囲内にある場合にも、この塗料樹脂を微細な分
散粒径に乳化分散させ得ることが顕著な特徴である。エ
ポキシ樹脂とフェノール樹脂との割合は、95:5乃至40:6
0の重量比、特に90:10乃至50:50の重量比の範囲内にあ
るのが一般的である。
高分子分散剤としてのアクリル樹脂は、塗料樹脂成分基
準で2乃至30の酸価、特に5乃至20の酸価となり且つ全
塗膜形成成分当り3乃至30重量%、特に5乃至25重量%
となる量で存在させることが重要である。酸価が上記範
囲を下回るような量では、樹脂成分をO/W型エマルジョ
ンの形で分散させることが困難となり、また強いて分散
させたとしても、分散安定性が乏しい。また、酸価が上
記範囲を上回るような量では、缶用塗料として塗膜の耐
熱水性が低下し、レトルト殺菌後の耐腐食性等が低下す
る。
本発明において、各樹脂成分の間には、予め共重合やグ
ラフト重合乃至ブロック重合等により反応が行われてい
ても何等差し支えなく、例えばエポキシ樹脂成分とフェ
ノール樹脂成分とは予備縮合が行われていてもよいし、
またアクリル樹脂成分とエポキシ樹脂成分とをクッキン
グして、カルボキシル基過剰のアクリル樹脂−エポキシ
樹脂共重合体として用いることもできる。
乳化型水性塗料 本発明の乳化型水性塗料、即ちO/W型エマルジョンは、
前記3成分樹脂を含有する有機溶媒溶液に、アンモニア
またはアミン含有水を混合するか、あるいは、3成分樹
脂を含有する溶融物にアンモニアまたはアミン含有水を
混合するいわゆる相転換法により形成することができ
る。
エポキシ−フェノール系樹脂及びアクリル樹脂を含有す
る有機溶媒溶液または溶融物にアンモニアまたはアミン
水を添加すると、添加の初期においては系の粘度が上昇
するが、添加を続けていくと系の粘度が徐々に低下し始
める。この段階で添加を中断して系全体を攪拌により均
質化し、再びアンモニアまたはアミン水の添加を続ける
と所定量のアンモニアまたはアミン水の添加で系の粘度
は急激に低下する。樹脂溶液にアンモニアまたはアミン
水を添加した初期においては、水相は分散相の形で存在
するが、前述した系の粘度が急激に低下した段階では水
相が連続(分散媒)相及び樹脂分が分散質相となってO/
W型乳化液が安定に生成するのである。
溶液相転換法の場合は、エポキシ−フェノール系塗料用
樹脂の有機溶媒溶液(I)及びアクリル樹脂の有機溶媒
溶液(II)を調整し、これら溶液(I)及び(II)を均
密に混合して原料溶液とする。この溶液用の有機溶媒と
しては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶
媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;エタノー
ル、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;
エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系
溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒等の
1種または2種以上を用いることができる。原料溶液中
の樹脂分濃度は、一般に5乃至80重量%、特に20乃至70
重量%の範囲内にあるのがよい。この原料溶液には、そ
れ自体公知の塗料用配合剤、例えば可塑剤、滑剤、顔
料、充填剤、安定剤等を所望により配合してよい。
中和に使用するアミン類としては、トリメチルアミン、
トリエチルアミン、ブチルアミン等のアルキルアミン
類、2−ジメチルアミノエタノール、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノー
ル、ジメチルアミノメチルプロパノール等アルコールア
ミン類、モルホリン等が使用される。またエチレンジア
ミン、ジエチレントリアミン等多価アミンも使用でき
る。アンモニア及びアミン類は、アクリル樹脂のカルボ
キシル基に対して、少なくとも0.3化学当量、特に0.7乃
至2.5化学当量の量で用いるのがよい。
相転換に使用する水の量は、樹脂の種類や原料溶液の濃
度によっても相違するが、一般に、原料溶液当り0.5乃
至2.0重量倍、特に0.7乃至1.5重量倍の水の使用が推奨
される。樹脂溶液とアンモニアまたはアミン水との混合
は、室温で十分であるが、所望によっては100℃程度の
温度にまで加温してもよい。添加混合は、通常の攪拌機
を備えた反応槽内で行うことができるが、所望によって
は、ホモミキサーのような高剪断攪拌装置を使用した
り、超音波振動の照射を用いることもできる。
相転換により水性分散液には、水と有機溶媒との双方が
含有されている。この水性分散液を共沸減圧蒸留に付す
ることにより有機溶媒を水との共沸により除去し、また
水性分散液の濃縮を行うことができる。有機溶媒の共沸
蒸留に際しては、外部から水を補給しながら行うことも
可能なことが了解されるべきである。
最終水性塗料における塗料樹脂固形分の濃度は10乃至70
重量%、特に20乃至60重量%の範囲にあることが望まし
く、且つ水性塗料中の有機溶媒の含有量は15重量%以
下、特に5重量%以下であることが望ましい。また、塗
料中の樹脂分の分散安定性を向上させる目的で、任意の
段階で若干量の界面活性剤や高分子分散剤を系中に添加
することは許容される。
溶融物相転換法の場合、塗料用樹脂とアクリル樹脂とを
含有する溶融物を調整する。この溶融物の溶融粘度は一
般に10乃至100,000センチポイズ、特に100乃至30,000セ
ンチポイズの範囲内にあるのが適当であり、上記範囲よ
りも高粘度では両者の均密且つ一様な混練が困難となる
場合がある。また溶融物の温度は10乃至150℃、特に20
乃至120℃にあるのが適当であり、上記温度範囲よりも
高い場合には、塗料樹脂成分の部分ゲル化や早期ゲル化
(プレメーチュア)を生じやすくなるので好ましくな
い。混練温度を下げ且つ溶融粘度を下げる目的で前述し
た有機溶媒を用いることができる。
有機溶媒の使用量は、樹脂分当り30重量%以下、特に15
重量%以下とするのが適当である。一方あるいは両方の
樹脂成分が有機溶媒溶液の形で混練に供給してもよいこ
とは勿論である。
溶融混練は、ニーダー、バンバリミキサー、単軸または
二軸の押出式混練装置を用いて行うことができる。
水の添加量や、有機溶媒の除去等は、溶液相転換法の場
合に準ずる。
本発明による水性塗料は、塗装に適した粘度で、各種金
属素材や、缶胴、缶蓋あるいはその他の部材の塗布に用
いることができる。この水性塗料は、通常のスプレー塗
装や静電塗装に用いられるばかりでなく、ローラ塗布、
ブラシ塗布、ドクターコーター、エアナイフコーター、
リバースコーター等の各種コーターによる塗布作業に用
いることができる。
(発明の効果) 本発明によれば、カルボキシル基含有アクリル樹脂成
分、エポキシ樹脂成分及びレゾール型フェノール樹脂の
3成分を塗膜形成成分として含有する乳化型水性塗料に
おいて、上記レゾール型フェノール樹脂として、アルキ
ルエーテル化されたものを用いることにより、塗膜表面
におけるブツの発生が解消され、塗膜の平滑性及び被覆
の完全さの程度を顕著に向上させることが可能となっ
た。
(実施例) 実施例1 ビスフェノールAとp−クレゾール、及びホルムアルデ
ヒドよりアンモニア触媒を用いて誘導されたレゾール型
フェノール樹脂(ビスフェノールA/p−クレゾール=80/
20,数平均分子量650)20重量部をキシレンとメチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン及びn−ブタノールの
混合溶媒(キシレン/メチルイソブチルケトン/シクロ
ヘキサノン/n−ブタノール=1/1/1/1)40重量部に溶解
した溶液を作製した。ゲル・パーミュエーション・クロ
マトグラフィー(以下GPCと略す)で分析して、このフ
ェノール樹脂にはベンゼン環が1乃至2個の成分が26%
含有されていることを確認した。このフェノール樹脂溶
液を115℃で2時間還流下で攪拌することによりフェノ
ール樹脂中のメチロール基の一部をブチエーテル化させ
た。核磁気共鳴法(以下NMRと略す)により分析したと
ころ、全メチロール基の68%がブチルエーテル化されて
いた。
別に数平均分子量約3750、エポキシ当量約3000のビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂80重量部をブチルセロソルブ
160重量部に溶解した溶液を準備し、前記のフェノール
樹脂溶液と混合した。
一方、エチルアクリレート20重量部、メチルメタクリレ
ート20重量部、メタクリル酸40重量部、スチレン20重量
部と、tert−ブチルヒドロパーオキサイド1重量部の混
合物を準備し、攪拌機、温度計、滴下漏斗、還流冷却管
及び不活性ガス導入口を備えたフラスコにエチルセロソ
ルブ50重量部と前記の混合物25重量部に仕込み、窒素気
流下で攪拌しながら90℃に昇温した後、同温度で保持さ
れたフラスコ中へ前記のモノマー混合物の残量を3時間
にわたって滴下して共重合せしめ、更に、tert−ブチル
ヒドロパーオキサイド0.1重量部を添加して同温度で3
時間攪拌を継続した後エチルセロソルブ50重量部を添加
して冷却し、反応を完結させた。得られたアクリル樹脂
の重量平均分子量は、約12万、酸価は124、樹脂溶液の
固形分は50%であった。
次に、前記のエポキシ樹脂溶液とフェノール樹脂溶液の
混合溶液300重量部を115℃で4時間予備縮合させた後、
前記のアクリル樹脂の溶液を20重量部添加して均一にな
るまで攪拌した。
更に、脱イオン水450重量部に濃度28%のアンモニア水
6重量部を溶解したアンモニア水を準備し、前記のエポ
キシ樹脂とフェノール樹脂、及びアクリル樹脂の混合溶
液の全量を激しく攪拌している中へ徐々に滴下した。ア
ンモニア水の添加の初期には系の粘度が上昇して白色の
クリーム状となるが、アンモニア水の添加が進むと系の
粘度は徐々に低下し始める。この段階でアンモニア水の
添加を中断して攪拌を続け、全体が均一に分散した状態
となった後でアンモニア水の添加を再開したところ、系
の粘度は急激に低下した。攪拌下でアンモニア水の滴下
を続行したところ、全量の滴下が終了した後には安定な
O/W型のエマルジョンが形成された。
このエマルジョンを、ロータリーエバポレーターで濃縮
し、水約300重量部と有機溶剤約200重量部を回収して固
形分40%とし、更に、#1のガラスフィルターで濾過し
て乳化型水性塗料(水性塗料1)とした。この乳化型水
性塗料は、樹脂粒子の平均粒径は0.61μmであり、塗料
当り3.6%の有機溶剤を含有している。
この乳化型水性塗料100mlを内容量100mlのガラス製広口
ビンに入れて密栓し、50℃の恒温槽中に1ヶ月間保存し
た後開封して調査したところ、液面に皮張りは生じてい
なかった。また、乳化型水性塗料の粘度、樹脂粒子の平
均粒径ともに保存前と比較して変化していなかった。
一方、前記乳化型水性塗料をロールコーターを用いて電
解クロム酸処理鋼板(以下TFSと呼ぶ)に塗装し、210℃
で10分間焼付けて硬化させた。塗装面を目視観察したと
ころ、ブツの存在は認められなかった。
この塗装板をナイロン系の接着剤を用いて200℃に加熱
されたホットプレスで2分間押圧することにより接着し
た。T−ピールにより剥離強度を測定したところ、接着
直後の初期剥離強度は約7.1Kg/5mm巾であり、90℃の温
水中に1週間浸漬した後の経時剥離強度は4.5Kg/5mm巾
以上の値を保持していた。また、この接着試験片を125
℃30分のレトル処理に付した後評価をしたところ、塗膜
の白化は認められず、4.5Kg/5mm巾以上の接着強度を保
持していた。
また、ロールコーターでTFSの片面に塗装し、210℃で10
分間焼付・乾燥した後、他の片面も同様塗装・焼付して
両面塗装板を準備し、この塗装板とナイロン系の接着剤
を用いて202ダイヤの接着缶胴(両端部はネックイン加
工されて200ダイヤになっている)を作製し、底蓋を二
重巻締めした後、コーヒー飲料を充填して天蓋を二重巻
締めし、コーヒー飲料の缶詰とした。このコーヒー飲料
の缶詰を125℃で30分間レトルト殺菌処理し、冷却・風
乾後、倉庫に保存した。6ヶ月保存後、開缶して評価し
たところ、塗膜の白化や内面腐食などの異常は認められ
なかった。
比較例1 実施例1に使用したレゾール型フェノール樹脂をブチル
エーテル化することなく使用した他は実施例1に準じて
乳化型水性塗料(比較塗料1)を作製した。この水性塗
料をロールコーターを用いてTFSに塗装し、焼付後に目
視観察したところ、塗膜表面にブツ状の凹凸が目立ち、
実施例1で作製した塗装板と比較して塗装外観が劣って
いた。
実施例2 数平均分子量約3400、エポキシ当量約1100のビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂80重量部をブチルセロソルブ80重
量部に溶解した溶液を準備し、実施例1のアクリル樹脂
の溶液80重量部と混合した。この混合溶液を4ッ口フラ
スコに仕込み、攪拌しながらジエチルアミノエタノール
16重量部を添加してアクリル樹脂中のカルボキシル基を
中和し、液温を80℃に上昇せしめた。同温度で30分間攪
拌を継続した後、室温に冷却した。GPC測定により、エ
ポキシ樹脂とアクリル樹脂が共重合して分子量が増大し
ていることを確認した。更に、赤外線分光光度計によ
り、エポキシ基とカルボキシル基のアミン塩の存在を確
認した。
上記の共重合樹脂溶液240重量部と実施例1のブチルエ
ーテル化したレゾール型フェノール樹脂の溶液60重量部
を混合し、以下、実施例1に準じて乳化型水性塗料(水
性塗料2)を作製した。この乳化型水性塗料の樹脂粒子
の平均粒径は0.58μm、固形分は約49%、有機溶剤含有
量は塗料当り4.6%であった。
この乳化型水性塗料をロールコーターを用いてTFSに塗
装し、210℃で10分間焼付けて硬化させた。塗装面を目
視観察したところ、ブツの存在は認められなかった。
比較例2 実施例1に使用したレゾール型フェノール樹脂をブチル
エーテル化することなく使用した他は実施例2に準じて
乳化型水性塗料(比較塗料2)を作製した。この水性塗
料をロールコーターを用いてTFSに塗装し、焼付け後に
目視観察したところ、塗膜表面にブツ状の凹凸が目立
ち、実施例2で作製した塗装板と比較して塗装外観が劣
っていた。
実施例3 p−クレゾールとホルムアルデヒドを原料として、水酸
化マグネシウム触媒を用いてレゾール型フェノール樹脂
を合成した。得られたフェノール樹脂の数平均分子量は
350で、ベンゼン環が1乃至2個の成分が56%含有され
ていることを確認した。こフェノール樹脂溶液を実施例
1と同じ溶剤に溶解し、115℃で所定の時間還流下で攪
拌することによりフェノール樹脂中のメチロール基の一
部をブチルエーテル化させ、ブチルエーテル化度の異な
る5種のブチルエーテル化されたフェノール樹脂の溶液
を得た。NMRにより分析し、元の全メチロール基に対す
るブチルエーテル化されたメチロール基の割合(ブチル
エーテル化度)を求め、その結果を表1に示した。
これらのブチルエーテル化フェノール樹脂の溶液及びブ
チルエーテル化していないフェノール樹脂の溶液と、実
施例1のエポキシ樹脂及びアクリル樹脂の溶液を用い
て、実施例1に示した方法に準じて6種の乳化型水性塗
料(水性塗料3〜8)を作製した。
これらの乳化型水性塗料をロールコーターを用いてTFS
に塗装し、210℃で10分間焼付けて硬化させた。塗装面
を目視観察した結果を表1に併記した。
実施例4 実施例3で合成したレゾール型フェノール樹脂50重量部
をキシレンとメチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン及びアルコール類の混合溶媒(キシレン/メチルイソ
ブチルケトン/シクロヘキサノン/アルコール類=1/1/
1/1)100重量部に溶解し、所定の温度で所定の時間還流
下で攪拌することによりフェノール樹脂中のメチロール
基の一部をアルキルエーテル化させた。アルキルエーテ
ル化させるために使用したアルコール類(溶剤)の種類
は表2に示した。NMRにより分析し、元の全メチロール
基に対するアルキルエーテル化されたメチロール基の割
合(アルキルエーテル化度)を求め、その結果を表2に
示した。
これらのアルキルエーテル化フェノール樹脂の溶液と、
実施例1のエポキシ樹脂及びアクリル樹脂の溶液を用い
て、実施例1に示した方法に準じて5種の乳化型水性塗
料(水性塗料9〜13)を作製した。
これらの乳化型水性塗料をロールコーターを用いてTFS
に塗装し、210℃で10分間焼付けて硬化させた。塗装面
を目視観察した結果を表2に併記した。
実施例5 ビスフェノールAとp−クレゾール、及びホルムアルデ
ヒドより水酸化マグネシウム触媒を用いて分子量分布の
異なる7種のレゾール型フェノール樹脂(ビスフェノー
ルA/p−クレゾール=80/20)を合成した。これらのフェ
ノール樹脂の数平均分子量と、ベンゼン環が1乃至2個
の成分の含有量(低分子量成分含有量)を表3に示し
た。これらの50重量部をキシレンとメチルイソブチルケ
トン、シクロヘキサノン及びi−ブタノールの混合溶媒
(キシレン/メチルイソブチルケトン/シクロヘキサノ
ン/i−ブタノール=1/1/1/1)100重量部に溶解し、110
℃で2時間還流下で攪拌することによりフェノール樹脂
中のメチロール基の一部をブチルエーテル化させた。NM
Rにより分析し、元の全メチロール基に対するブチルエ
ーテル化されたメチロール基の割合(ブチルエーテル化
度)を求め、その結果を表3に示した。
これらのブチルエーテル化フェノール樹脂の溶液と、実
施例1のエポキシ樹脂及びアクリル樹脂の溶液を用い
て、実施例1に示した方法に準じて7種の乳化型水性塗
料(水性塗料14〜20)を作製した。
これらの乳化型水性塗料をロールコーターを用いてTFS
に塗装し210℃で10分間焼付けて硬化させた。塗装面を
目視観察した結果と、実施例1に準じて初期密着性と経
時密着性を評価した結果を表3に併記した。
実施例6 実施例1のレゾール型フェノール樹脂溶液をフェノール
樹脂をブチルエーテル化することなく使用して、実施例
1のエポキシ樹脂溶液と混合した後、115℃で4時間予
備縮合させた。予備縮合後にNMRで確認したところ、フ
ェノール樹脂中のメチロール基の85%がブチルエーテル
化されていた。
この予備縮合物と実施例1のアクリル樹脂の溶液を用い
て、実施例1に準じて乳化型水性塗料(水性塗料21)を
作製した。
この乳化型水性塗料をロールコーターを用いてTFSに塗
装し、210℃で10分間焼付けて硬化させた。塗装面を目
視観察したところ、ブツの存在は認められなかった。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルボキシル基含有アクリル樹脂成分、エ
    ポキシ樹脂成分及びレゾール型フェノール樹脂成分を塗
    膜形成成分として含有し、該アクリル樹脂成分のカルボ
    キシル基は、アンモニウム塩またはアミン塩の形で存在
    し、該塗膜形成成分はO/W型エマルジョン粒子の形で存
    在する乳化型水性塗料であって、 レゾール型フェノール樹脂成分の全メチロール基の30モ
    ル%以上がアルキルエーテル化されていることを特徴と
    する乳化型水性塗料。
  2. 【請求項2】カルボキシル基含有アクリル樹脂成分とエ
    ポキシ樹脂成分とが共重合体の形で存在する請求項第1
    項記載の水性塗料。
  3. 【請求項3】前記共重合体が遊離のカルボキシル基及び
    エポキシ基を含有するものである請求項第1項記載の水
    性塗料。
  4. 【請求項4】カルボキシル基含有アクリル樹脂成分とエ
    ポキシ樹脂成分とがブレンドの状態で存在する請求項第
    1項記載の水性塗料。
  5. 【請求項5】レゾール型フェノール樹脂成分のエーテル
    化物がブチルエーテル化物である請求項第1項記載の水
    性塗料。
  6. 【請求項6】レゾール型フェノール樹脂成分が二核体及
    び一核体から成る低分子量成分を10乃至98重量%の量で
    含有するものから成る請求項第1項記載の水性塗料。
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