[go: up one dir, main page]

JPH0622776A - 酵素法によるn−長鎖アシルアミノ酸の製造方法 - Google Patents

酵素法によるn−長鎖アシルアミノ酸の製造方法

Info

Publication number
JPH0622776A
JPH0622776A JP4182553A JP18255392A JPH0622776A JP H0622776 A JPH0622776 A JP H0622776A JP 4182553 A JP4182553 A JP 4182553A JP 18255392 A JP18255392 A JP 18255392A JP H0622776 A JPH0622776 A JP H0622776A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
aminoacylase
buffer
long
long chain
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4182553A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Kunieda
勉 国枝
Hironori Murase
博宣 村瀬
Akihiko Nagao
昭彦 長尾
Junji Terao
純二 寺尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
C C I KK
CCI KK
Original Assignee
C C I KK
CCI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by C C I KK, CCI KK filed Critical C C I KK
Priority to JP4182553A priority Critical patent/JPH0622776A/ja
Publication of JPH0622776A publication Critical patent/JPH0622776A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アミノアシラーゼを用いることによる種々の
N−長鎖アシルアミノ酸を効率よく生産する方法を得
る。 【構成】 アミノ酸および長鎖脂肪酸の混合物にペニシ
リウム (Penicillium)属に属する微生物が生産するアミ
ノアシラーゼまたはアミノアシラーゼを生産しうるペニ
シリウム (Penicillium)属に属する微生物を作用させる
ことによるN−長鎖アシルアミノ酸の製造方法。 【効果】 N−長鎖アシルアミノ酸、特に、N−長鎖ア
シルグリシン、N−長鎖アシルセリン等を簡単にかつ高
収量で合成することが可能になった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酵素法によるN−長鎖
アシルアミノ酸の製造方法に関するものである。詳しく
述べると、本発明は、アミノアシラーゼを用いた酵素法
またはアシルアミラーゼを生産しうる微生物を用いるこ
とによって、アミノ酸および長鎖脂肪酸よりN−長鎖ア
シルアミノ酸を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】N−長鎖アシルアミノ酸は、天然の成分
からなる両親媒性物質であり、安全性や優れた生化学的
分解性が確認され、さらに、界面活性作用や殺菌作用等
を有している。このため、N−長鎖アシルアミノ酸は、
安全で生化学的分解性に優れた界面活性剤として、さら
にはアミノ酸と脂肪酸との組み合わせにより抗酸化剤と
なりうるなど、注目を集めている物質である。そして、
現在、N−長鎖アシルアミノ酸は、各種の石鹸、シャン
プー、洗剤、乳化剤、抗菌剤などへの利用が検討されて
おり、その一部は実用化されている。
【0003】従来より、N−長鎖アシルアミノ酸はアミ
ノ酸と脂肪酸とから化学合成法(エム タケハラ(M. Ta
kehara) ら、ジャーナル オブ ザ アメリカン オイ
ルケミスト ソサイエティ(Journal of The American O
il Chemist's Society.)、49巻、ページ157〜16
1(1972年)、ワイ ラピドット(Y. Lapidot)ら、
ジャーナル オブ リピッド リサーチ(Jounal of Lip
id Research)、8巻、ページ142〜145(1967
年)、特公昭31−9,568号、特公昭46−8,6
85号など)により製造されていた。しかしながら、こ
れらの化学合成法は、厳しい温度、圧力、pHなどの条
件下で行われ、副生成物が多いという欠点を有してい
る。また、これらの化学合成法は、合成に際して危険な
試薬を用いるため、その残存性の問題等の様々な欠点を
有している。
【0004】このような問題に対して、シュードモナス
・ディミイニュータ(Pseudomonas diminuta)、キサント
モナス・アルビニアンス、グルコノバクター・リクイフ
ァシエンス(Gluconobacter liquifaciens)の菌体を用い
てアミノ酸と脂肪酸よりN−長鎖アシルアミノ酸を合成
する方法(特開昭57−129,696号)が提案され
ている。しかしながら、上記の方法では、使用した脂肪
酸のモル比で約1〜2%のN−長鎖アシルグルタミン酸
の生成しか認められない。また、上記の方法は、アミノ
酸がグルタミン酸に限定されているなど、工業化を考え
た場合、反応効率等の多くの問題を有してる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、微生物
を用いてN−長鎖アシルアミノ酸を容易にかつ効率的に
合成する方法はいまだ発見されていない。
【0006】したがって、本発明の目的は、アミノアシ
ラーゼを用いて種々のN−長鎖アシルアミノ酸を容易に
かつ効率よく生産する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ペニシリウム(P
enicillium)属に属するペニシリウム・フニコロサム (p
enicillium funiculosum)の生産するアミノアシラーゼ
(特願平3−2,096号)がアミノ酸と長鎖脂肪酸よ
り、効率よく種々のN−長鎖アシルアミノ酸を合成する
ことを見出だし、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、上記目的は、アミノ酸および長
鎖脂肪酸の混合物にペニシリウム (Penicillium)属に属
する微生物が生産するアミノアシラーゼまたはアミノア
シラーゼを生産しうるペニシリウム (Penicillium)属に
属する微生物を作用させることによるN−長鎖アシルア
ミノ酸の製造方法によって達成される。
【0009】また、本発明は、アミノアシラーゼが以下
の理化学的性質を有しているN−長鎖アシルアミノ酸の
製造方法を示すものである。
【0010】1)作用 N−長鎖アシルアミノ酸に作用し、L−アミノ酸を遊離
させる。
【0011】2)基質特異性 炭素数4以上のアシル基を有するN−アシルアミノ酸の
L体に作用し、D体には作用しない。アシル基に対する
特異性は広く、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、芳香族カル
ボン酸からなるN−アシル化合物に作用する。
【0012】3)至適pHおよびpH安定性 N−オレオイル−L−グルタミン酸を基質としたときの
至適pHは、30℃、各種緩衝液(pH5.5〜6.
0:酢酸緩衝液、pH6.0〜8.0:リン酸緩衝液,
pH8.0〜9.5:ホウ酸−塩酸緩衝液、pH9.5
〜11.0:炭酸緩衝液)中で約8.5である。同緩衝
液中、30℃、5時間処理においてpH6〜9まで安定
である。
【0013】4)至適温度および熱安定性 N−オレオイル−L−グルタミン酸を基質としたときの
至適温度は、リン酸緩衝液(pH7)を用いて測定した
ところ、25〜35℃である。20mMトリス−塩酸緩
衝液(pH8)中、40℃、15分処理において全く失
活せず、45℃、15分処理後の残存活性は約80%で
ある。
【0014】5)阻害剤の影響 パラクロロマーキュリーベンゾエートまたはジチオスレ
イトールにより阻害を受ける。
【0015】6)金属イオンの影響 Ni2+、Cu2+、Mg2+などによって活性化され、Hg
2+により阻害を受ける。
【0016】7)サブユニットの分子量 SDS−ポリアクリルアミド電気泳動では分子量約4
8,000。
【0017】8)分子量 ゲル瀘過法では約192,000。
【0018】さらに、本発明は、ペニシリウム (Penici
llium)属に属する微生物がペニシリウム・フニコロサム
(penicillium funiculosum)であるN−長鎖アシルアミ
ノ酸の製造方法を示すものである。
【0019】
【作用】本発明は、アミノ酸水溶液に脂肪酸とアミノア
シラーゼを添加することにより、簡単にかつ高収量で種
々のN−長鎖アシルアミノ酸を合成するものである。
【0020】本発明において使用されるアミノアシラー
ゼは、ペニシリウム (Penicillium)属に属する微生物に
よって生産されるが、好ましくはペニシリウム・フニコ
ロサム (penicillium funiculosum)によって生産され
る。
【0021】上記ペニシリウム・フニコロサム (penici
llium funiculosum)は微工研条寄第3176号(FER
M BP−3176)として寄託されており、その菌学
的性質は以下のとおりである。
【0022】(A)各種培地における生育状態 (a)ツアペック培地 速やかに生育し、25℃、7日間で直径30〜40mm
に達する。コロニーは、黄色の栄養菌糸体と灰色から黄
緑色の分生子柄の混在した緻密な菌糸層からなる。ま
た、コロニーの裏面は、ピンクから深紅色である。ま
た、形態学的性質は以下の通りである。
【0023】分生子柄:気生菌糸から分枝している 25〜40×2.0〜3.0μm メトレ:5〜8本が輪生状となる 10〜13×2.0〜3.0μm フィアライド:3〜6本が輪生状となる ほこ先形 10〜12×1.5〜2.5μm 分生子:亜球形〜楕円形で小さい 表面は滑面〜微細な粗面 2.5〜3.5×2〜2.5μm (b)麦芽エキス寒天培地 生育状態および形態学的性質は、ツアペック寒天培地の
ものとほぼ同様である。ただし、分生糸形成がツアペッ
ク寒天培地のものに比べて優れている。
【0024】(B)各生理的、生態的性質 pH:約6付近で、最良好な生育を示す 温度:5℃では生育はほとんど認められない 約25〜37℃で最適な生育が認められる 本発明に用いる微生物としては、本菌株とその変種、変
異株に限定されるものではなく、上記性質の酵素を有す
るものであればよい。
【0025】本発明におけるペニシリウム (Penicilliu
m)属に属する微生物は、発酵学の分野で公知の情報に従
って培養することができる。使用する培地としては炭素
源、窒素源、無機物およびその他の栄養素を適量含有す
る培地ならば、合成培地または天然培地のいずれでも使
用可能であり、液体培地または固体培地を用いて培養す
ることができる。具体的には炭素源として、グルコー
ス、フラクトース、マルトース、ガラクトース、澱粉、
澱粉加水分解物、糖蜜、廃糖蜜等の糖類、麦、米などの
天然炭水化物、グリセロール、メタノール、エタノール
等のアルコール類、酢酸、グルコン酸、ピルビン酸、ク
エン酸等の脂肪酸類、ノルマルパラフィン等の炭化水素
類、グリシン、グルタミン、アスパラギン等のアミノ酸
類等の一般的な炭素源より使用する微生物の資化性を考
慮して、一種または二種以上選択して使用すればよい。
窒素源としては、肉エキス、ペプトン、酵母エキス、大
豆加水分解物、ミルクカゼイン、カザミノ酸、各種アミ
ノ酸、コーンスティープリカー、その他の動物、植物、
微生物の加水分解物等の有機窒素化合物、アンモニア、
硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウ
ム等のアンモニウム塩、硝酸ナトリウム等の硝酸塩、尿
素等の無機窒素化合物より使用微生物の資化性を考慮し
て、一種または二種以上選択して使用する。
【0026】また、本発明において使用されるアミノア
シラーゼを効率的に生産させるために、誘導物質とし
て、N−長鎖アシルアミノ酸であるアミソフトCS−1
1、LS−11、GS−11、HS−11(味の素
(株))およびその類似物質を一種または二種以上選択
して使用することができる。
【0027】さらに、無機塩として微量のマグネシウ
ム、マンガン、カルシウム、ナトリウム、カリウム、
銅、亜鉛等のリン酸塩、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等より
一種または二種以上を選択して使用することができる。
また、必要に応じて植物油、界面活性剤等の消泡剤を添
加してもよい。
【0028】培養は前記培地成分を含有する液体培地中
で振盪培養、通気撹拌培養、連続培養などの通常の培養
法を用いて行うことができる。
【0029】培養条件は、培地の種類、培養法により適
宜選択すればよく、本菌株が増殖し、アミノアシラーゼ
を産生できる条件であれば特に問題はない。通常は、培
養開始時のpHを6ぐらいに調節し、25〜35℃の温
度条件下で培養することが望ましい。培養日数は5リッ
トルの三角フラスコを用いて培養を行う場合、4〜6日
が適当である。
【0030】本発明において用いられるアミノアシラー
ゼは菌体内に蓄積されるので、上記培養条件下で培養終
了後、菌体そのものを酵素剤として使用しても、また菌
体より抽出後のどの段階の酵素を使用してもよい。菌体
よりアミノアシラーゼを抽出する方法としては以下の方
法が具体的に挙げられる。菌体を瀘過、遠心分離等の方
法で集め、緩衝液等で菌体を洗浄後、例えば凍結融解処
理、超音波処理、加圧処理、浸透圧差処理、磨砕処理等
の物理的手段、もしくはリゾチーム等の細胞壁溶解酵素
処理のような生化学的処理もしくは界面活性剤との接触
処理等の化学的処理を単独または組み合わせて行うこと
により菌体を破砕し、アミノアシラーゼを抽出すること
ができる。こうして得られた粗アミノアシラーゼは塩
析、有機溶媒による分別沈殿、イオン交換クロマトグラ
フィー、ゲル瀘過クロマトグラフィー、疎水クロマトグ
ラフィー、色素クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタ
イトクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラ
フィー等のクロマトグラフィーや高速液体クロマトグラ
フィー(HPLC)および電気泳動等の手段を単独もし
くは組み合わせて用いて精製することができる。
【0031】本発明において用いられるアミノアシラー
ゼをペニシリウム・フニコロサム (penicillium funicu
losum)より得る方法の具体例を以下に示す。60mlの
培地(ペプトン 2.0%、グルコース 0.5%、硝
酸アンモニウム 0.3%、リン酸二水素カリウム
0.4%、リン酸水素二カリウム 0.1%、塩化ナト
リウム 0.1%、硫酸マグネシウム 0.02%、p
H6.0)を500ml容量の坂口フラスコに入れ、ペ
ニシリウム・フニコロサム (penicillium funiculosum)
の一白金耳を接種し、30℃で48時間培養し、種培養
液を得る。上記培養組成の培地にアミソフトGS−11
(味の素(株))0.5%を加え、pHを6.0に調整
した培地1リットルを5リットル容量の三角フラスコに
入れ、これに種培養液60mlを加え、30℃で約12
0時間培養を行う。このようにして計9リットルの本培
養を行い、培養した菌体を吸引濾過によって集めると、
約570g(湿重量)の菌体が集められる。次に、この
菌体を0.85%塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、菌体
の湿重量に対して5倍量の50mMトリス−塩酸緩衝液
(pH8.0)に菌体を懸濁させ、4分間の磨砕処理
(ビード・ビーター(Bead-Beater) 、バイオスペック
プロダクト(BIOSPEC PRODUCTS)社製)により菌体を破砕
する。このようにして得られた処理液を遠心分離(2
0,000×g、30分間)することにより、アミノア
シラーゼ抽出液を得る。この時のアミノアシラーゼの総
活性は20,817U、比活性は1.5U/mgであ
る。なお、タンパク質の定量は、色素結合法に準じて行
った。この粗アミノアシラーゼ抽出液を硫安30%飽和
にし、セライトを用いて沈殿を除去した後、得られた上
澄み液を硫安80%飽和にし、遠心分離(12,000
×g、30分間)により沈殿を回収する。次に、この沈
殿を20mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)に溶解
させ、同緩衝液に対して透析した。このアミノアシラー
ゼ溶液を同緩衝液で平衡化したDEAE−トヨパール6
50Mに通過させ、アミノアシラーゼを吸着させた後、
同緩衝液で充分洗浄することによって、非吸着物質を除
き、さらに、0〜0.5M塩化ナトリウム水溶液の直線
的濃度勾配溶出法により、アミノアシラーゼを溶出し
た。さらに、このアミノアシラーゼ活性画分を濃縮し、
水に対して透析し、さらに凍結乾燥する。このようにし
て得られたアミノアシラーゼ標品の総活性は14,00
0U、比活性は79U/mgである。
【0032】なお、本アミノアシラーゼの活性測定法
は、10mM N−オレオイル−L−グルタミン酸を含
んだ100mMリン酸緩衝液(pH7)250μlに蒸
留水200μlを加え、30℃において5分間インキュ
ベートした後、酵素液50μlを加え、15分間反応さ
せ、生成したL−グルタミン酸をニンヒドリン−ヒドリ
ンダンチン法(ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケ
ミストリー (Journal ofBiological Chemistry)、第2
11巻、907頁(1957))に従って測定した。な
お、1Uは、1分間に1μmolのL−グルタミン酸の
生成を触媒する酵素量とした。
【0033】本発明において使用することができるアミ
ノ酸としては、L−体、D−体、DL−体のアミノ酸お
よびそれらの塩またはエステルである。具体的には、ア
ラニン、β−アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシ
ン、メチオニン、トリプトファン、フェニルアラニン、
グリシン、セリン、トレオニン、システイン、チロシ
ン、アスパラギン、グルタミン、リシン、ヒスチジン、
アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒドロキ
シリシン、ドーパー、オルニチンおよびそれらの塩、エ
ステルが挙げられる。
【0034】脂肪酸としては、炭素数6から24、好ま
しくは6から20の飽和または不飽和脂肪酸およびその
塩であり、例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキ
ジン酸およびそれらの塩が挙げられる。
【0035】本発明においてN−長鎖アシルアミノ酸を
アミノ酸と脂肪酸より合成する方法は、アミノ酸水溶液
に脂肪酸を加え、それにアミノアシラーゼまたはアミノ
アシラーゼを生産しうる微生物を添加し、所定温度で振
盪または攪拌することにより達せられる。このときのア
ミノ酸水溶液のpHは、6〜9、好ましくは7〜8.5
である。アミノ酸の濃度は、用いるアミノ酸の飽和濃度
に近いことが好ましい。また、脂肪酸の量は、アミノ酸
水溶液1mlに対して、50〜200mgが好ましい。
さらに、添加するアミノアシラーゼの酵素量は、アミノ
酸水溶液1mlに対して50U以上が好ましい。反応温
度は、20〜50℃、好ましくは30〜40℃である。
また、反応中は脂肪酸を分散させることが好ましく、そ
の方法は、振盪法、攪拌法が具体的に挙げられる。反応
時間は、上記の方法を満たしていれば30時間以上でほ
ぼその反応の平衡時間に達する。ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸など
の融点の高い脂肪酸を用いるときは、用いた脂肪酸を均
一に分散する程度のヘキサン等の不活性有機溶媒を反応
液に添加してもよい。
【0036】反応液中に生成したN−長鎖アシルアミノ
酸は、各種抽出法および結晶化法を用いることにより、
容易に精製することができる。
【0037】
【実施例】つぎに、実施例により本発明を説明するが、
これらにより本発明の範囲がなんら制限されるものでな
いことはいうまでもない。
【0038】実施例1 60mlの培地(ペプトン 2.0%、グルコース
0.5%、硝酸アンモニウム 0.3%、リン酸二水素
カリウム 0.4%、リン酸水素二カリウム 0.1
%、塩化ナトリウム 0.1%、硫酸マグネシウム
0.02%、pH6.0)を500ml容量の坂口フラ
スコに入れ、ペニシリウム・フニコロサム (penicilliu
m funiculosum)の一白金耳を接種し、30℃で48時間
培養し、種培養液を得た。上記培養組成の培地にアミソ
フトGS−11(味の素(株))0.5%を加え、pH
を6.0に調整した培地1リットルを5リットル容量の
三角フラスコに入れ、これに種培養液60mlを加え、
30℃で約120時間培養した。
【0039】このようにして計9リットルの本培養を行
い、培養した菌体を吸引濾過によって集めると、約57
0g(湿重量)の菌体が集められた。
【0040】次に、このようにして集められた菌体57
0g(湿重量)を0.85%塩化ナトリウム水溶液で洗
浄し、菌体の湿重量に対して5倍量の50mMトリス−
塩酸緩衝液(pH8.0)に菌体を懸濁させ、4分間の
磨砕処理(ビード・ビーター(Bead-Beater) 、バイオス
ペック プロダクト(BIOSPEC PRODUCTS)社製)により菌
体を破砕した。このようにして得られた処理液を遠心分
離(20,000×g、30分間)することにより、ア
ミノアシラーゼ抽出液を得た。この時のアミノアシラー
ゼの総活性は20,817U、比活性は1.5U/mg
であった。なお、タンパク質の定量は、色素結合法に準
じて行った。
【0041】この粗アミノアシラーゼ抽出液を硫安30
%飽和にし、セライトを用いて沈殿を除去した後、得ら
れた上澄み液を硫安80%飽和にし、遠心分離(12,
000×g、30分間)により沈殿を回収した。次に、
この沈殿を20mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)
に溶解させ、同緩衝液に対して透析した。このアミノア
シラーゼ溶液を同緩衝液で平衡化したDEAE−トヨパ
ール650Mに通過させ、アミノアシラーゼを吸着させ
た後、同緩衝液で充分洗浄することによって、非吸着物
質を除き、さらに、0〜0.5M塩化ナトリウム水溶液
の直線的濃度勾配溶出法により、アミノアシラーゼを溶
出した。さらに、このアミノアシラーゼ活性画分を濃縮
し、水に対して透析し、さらに凍結乾燥した。このよう
にして、総活性が14,000U、比活性が79U/m
gであるアミノアシラーゼの酵素標品を得た。
【0042】実施例2〜5 表1に示されるアミノ酸溶液1mlおよび脂肪酸として
オレイン酸100mgにそれぞれ実施例1で得られたア
ミノアシラーゼ80Uを加えた。この混合溶液を、40
℃においてマグネチックスターラーを用いて、750r
pmで攪拌した。
【0043】20時間攪拌後、残存する脂肪酸をn−ヘ
キサン:イソプロパノール(3:2(v/v))の混合
溶液で完全に抽出し、水酸化ナトリウムを用いた滴定法
によって、脂肪酸の減少量を調べた。結果を表1に示
す。
【0044】なお、表1に示されるアミノ酸溶液のpH
は、pH8.5の場合、100mMトリス−塩酸緩衝液
(pH8.5)、pH7.0の場合、100mMリン酸
緩衝液(pH7.0)を用い、アミノ酸を溶解後、4N
水酸化ナトリウム水溶液を用いてそれぞれの所定のpH
に調整した。
【0045】
【表1】
【0046】実施例6〜7 表1に示されるアミノ酸溶液1mlおよび脂肪酸として
オレイン酸100mgのかわりに、表2に示されるアミ
ノ酸溶液1mlおよび脂肪酸としてカプリン酸100m
gを用いる以外は、実施例2〜5と同様にして実験を行
った。
【0047】結果を表2に示す。
【0048】実施例8〜9 表1に示されるアミノ酸溶液1mlおよび脂肪酸として
オレイン酸100mgのかわりに、表2に示されるアミ
ノ酸溶液1mlおよび脂肪酸としてミリスチン酸100
mgを用いた以外は、実施例2〜5と同様にして実験を
行った。
【0049】結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】実施例10 100mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)を用いて
調整した3Mグリシン溶液5ml(最終のpHは4N水
酸化ナトリウム水溶液を用いて、pH8.5に調整し
た)に、オレイン酸500mgおよび実施例1で得られ
たアミノアシラーゼ400Uを加え、40℃において、
マグネチックスターラーを用いて750rpmで反応液
を攪拌させながら、60時間反応を行った。反応終了
後、ヘキサン抽出により残存するオレイン酸を除去し、
塩酸で反応液を酸性にし、N−オレオイルグリシンを酢
酸エチルで抽出後、酢酸エチル中で結晶化させ、170
mgのN−オレオイルグリシンを得た。
【0052】実施例11 100mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)を用いて
調整した3Mグリシン溶液5ml(最終のpHは4N水
酸化ナトリウム水溶液を用いて、pH8.5に調整し
た)に、カプリン酸500mgおよび実施例1で得られ
たアミノアシラーゼ400Uを加え、40℃において、
マグネチックスターラーを用いて750rpmで反応液
を攪拌させながら、60時間反応を行った。反応終了
後、ヘキサン抽出により残存するカプリン酸を除去し、
塩酸で反応液を酸性にし、N−カプリノイルグリシンを
酢酸エチルで抽出後、酢酸エチル中で結晶化させ、12
3.5mgのN−カプリノイルグリシンを得た。
【0053】実施例12 100mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)を用いて
調整した2.9Mセリン溶液5ml(最終のpHは4N
水酸化ナトリウム水溶液を用いて、pH8.5に調整し
た)に、オレイン酸500mgおよび実施例1で得られ
たアミノアシラーゼ400Uを加え、40℃において、
マグネチックスターラーを用いて750rpmで反応液
を攪拌させながら、60時間反応を行った。反応終了
後、ヘキサン抽出により残存するオレイン酸を除去し、
塩酸で反応液を酸性にし、N−オレオイルセリンを酢酸
エチルで抽出後、酢酸エチル中で結晶化させ、196m
gのN−オレオイルセリンを得た。
【0054】実施例13 100mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)を用いて
調整した2.9Mセリン溶液5ml(最終のpHは4N
水酸化ナトリウム水溶液を用いて、pH8.5に調整し
た)に、カプリン酸500mgおよび実施例1で得られ
たアミノアシラーゼ400Uを加え、40℃において、
マグネチックスターラーを用いて750rpmで反応液
を攪拌させながら、60時間反応を行った。反応終了
後、ヘキサン抽出により残存するカプリン酸を除去し、
塩酸で反応液を酸性にし、N−カプリノイルセリンを酢
酸エチルで抽出後、酢酸エチル中で結晶化させ、24
0.5mgのN−カプリノイルセリンを得た。
【0055】実施例14 100mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)を用いて
調整した3Mグリシン溶液5ml(最終のpHは4N水
酸化ナトリウム水溶液を用いて、pH8.5に調整し
た)に、ミリスチン酸500mgおよび実施例1で得ら
れたアミノアシラーゼ400Uを加え、40℃におい
て、マグネチックスターラーを用いて750rpmで反
応液を攪拌させながら、60時間反応を行った。反応終
了後、ヘキサン抽出により残存するミリスチン酸を除去
し、塩酸で反応液を酸性にし、N−ミリストイルグリシ
ンを酢酸エチルで抽出後、酢酸エチル中で結晶化させ、
143.7mgのN−ミリストイルグリシンを得た。
【0056】実施例15 100mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.5)を用いて
調整した2.9Mセリン溶液5ml(最終のpHは4N
水酸化ナトリウム水溶液を用いて、pH8.5に調整し
た)に、ミリスチン酸500mgおよび実施例1で得ら
れたアミノアシラーゼ400Uを加え、40℃におい
て、マグネチックスターラーを用いて750rpmで反
応液を攪拌させながら、60時間反応を行った。反応終
了後、ヘキサン抽出により残存するミリスチン酸を除去
し、塩酸で反応液を酸性にし、N−ミリストイルセリン
を酢酸エチルで抽出後、酢酸エチル中で結晶化させ、1
65.8mgのN−ミリストイルセリンを得た。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、ペニシリ
ウム・フニコロサム (penicillium funiculosum)の生産
するアミノアシラーゼを用いることによって、N−長鎖
アシルアミノ酸、特に、N−長鎖アシルグリシン、N−
長鎖アシルセリン等を簡単にかつ高収量で合成すること
が可能になった。さらに、本発明は、N−長鎖アシルア
ミノ酸をより安価に提供することを可能とするものであ
る。これらのことにより、N−長鎖アシルアミノ酸の用
途開発はより活発になっていくことが期待できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミノ酸および長鎖脂肪酸の混合物にペ
    ニシリウム (Penicillium)属に属する微生物が生産する
    アミノアシラーゼまたはアミノアシラーゼを生産しうる
    ペニシリウム (Penicillium)属に属する微生物を作用さ
    せることによるN−長鎖アシルアミノ酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 該アミノアシラーゼが以下の理化学的性
    質を有するアミノアシラーゼである請求項1記載のN−
    長鎖アシルアミノ酸の製造方法。 1)作用 N−長鎖アシルアミノ酸に作用し、L−アミノ酸を遊離
    させる。 2)基質特異性 炭素数4以上のアシル基を有するN−アシルアミノ酸の
    L体に作用し、D体には作用しない。アシル基に対する
    特異性は広く、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、芳香族カル
    ボン酸からなるN−アシル化合物に作用する。 3)至適pHおよびpH安定性 N−オレオイル−L−グルタミン酸を基質としたときの
    至適pHは、30℃、各種緩衝液(pH5.5〜6.
    0:酢酸緩衝液、pH6.0〜8.0:リン酸緩衝液,
    pH8.0〜9.5:ホウ酸−塩酸緩衝液、pH9.5
    〜11.0:炭酸緩衝液)中で約8.5である。同緩衝
    液中、30℃、5時間処理においてpH6〜9まで安定
    である。 4)至適温度および熱安定性 N−オレオイル−L−グルタミン酸を基質としたときの
    至適温度は、リン酸緩衝液(pH7)を用いて測定した
    ところ、25〜35℃である。20mMトリス−塩酸緩
    衝液(pH8)中、40℃、15分処理において全く失
    活せず、45℃、15分処理後の残存活性は約80%で
    ある。 5)阻害剤の影響 パラクロロマーキュリーベンゾエートまたはジチオスレ
    イトールにより阻害を受ける。 6)金属イオンの影響 Ni2+、Cu2+、Mg2+などによって活性化され、Hg
    2+により阻害を受ける。 7)サブユニットの分子量 SDS−ポリアクリルアミド電気泳動では分子量約4
    8,000。 8)分子量 ゲル瀘過法では約192,000。
  3. 【請求項3】 該ペニシリウム (Penicillium)属に属す
    る微生物がペニシリウム・フニコロサム (penicillium
    funiculosum)である請求項1記載のN−長鎖アシルアミ
    ノ酸の製造方法。
JP4182553A 1992-07-09 1992-07-09 酵素法によるn−長鎖アシルアミノ酸の製造方法 Pending JPH0622776A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4182553A JPH0622776A (ja) 1992-07-09 1992-07-09 酵素法によるn−長鎖アシルアミノ酸の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4182553A JPH0622776A (ja) 1992-07-09 1992-07-09 酵素法によるn−長鎖アシルアミノ酸の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0622776A true JPH0622776A (ja) 1994-02-01

Family

ID=16120292

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4182553A Pending JPH0622776A (ja) 1992-07-09 1992-07-09 酵素法によるn−長鎖アシルアミノ酸の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0622776A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6514742B1 (en) 1998-07-29 2003-02-04 Daicel Chemical Industries, Ltd. D-aminoacylases, method for producing the same, and method for producing D-amino acids using the same
JP2018085969A (ja) * 2016-11-29 2018-06-07 公立大学法人 富山県立大学 Nα−アシル−L−アミノ酸の製造方法
WO2021070942A1 (ja) * 2019-10-10 2021-04-15 味の素株式会社 N-アシル化活性を有する改変酵素

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6514742B1 (en) 1998-07-29 2003-02-04 Daicel Chemical Industries, Ltd. D-aminoacylases, method for producing the same, and method for producing D-amino acids using the same
US6905861B2 (en) 1998-07-29 2005-06-14 Daicel Chemical Industries, Ltd. D-aminoacylases, method for producing the same, and method for producing D-amino acids using the same
JP2018085969A (ja) * 2016-11-29 2018-06-07 公立大学法人 富山県立大学 Nα−アシル−L−アミノ酸の製造方法
WO2021070942A1 (ja) * 2019-10-10 2021-04-15 味の素株式会社 N-アシル化活性を有する改変酵素
JPWO2021070942A1 (ja) * 2019-10-10 2021-04-15
CN114761554A (zh) * 2019-10-10 2022-07-15 味之素株式会社 具有n-酰化活性的修饰酶

Similar Documents

Publication Publication Date Title
FI87579C (fi) Foerfarande foer framstaellning av amider anvaendande mikroorganismer
US4080259A (en) Process of preparing L and D α-amino acids by enzyme treatment of DL-α-amino acid amide
EP0610049B1 (en) Process for producing optically active alpha-hydroxycarboxylic acid having phenyl group
US4506011A (en) Process for preparation of aspartylphenylalanine alkyl esters
JP3951008B2 (ja) カプサイシン分解合成酵素及びその生産方法
US5587303A (en) Production process of L-amino acids with bacteria
JPH0552195B2 (ja)
JP4300289B2 (ja) 加水分解又は脱水縮合酵素、及び当該酵素の生産方法、並びに当該酵素を用いたアミドの合成方法
JPS6322188A (ja) 新規なl−アミノアシラ−ゼ
JP2840134B2 (ja) 新規なアミノアシラーゼおよびその製造方法
JPH0622776A (ja) 酵素法によるn−長鎖アシルアミノ酸の製造方法
CA2203981C (en) Process for producing optically active aminopolycarboxylic acid
JP4941990B2 (ja) Nε−アシル−L−リジン特異的アミノアシラーゼ
JP2670838B2 (ja) L―α―アミノ酸類の製造方法
JP2006067870A (ja) 新規なアミノアシラーゼおよびその製造方法、並びに新規アミノアシラーゼを利用したアミノ酸誘導体の製造方法
EP0102529B1 (en) Process for preparation of aspartylphenylalanine alkyl esters
GB2075026A (en) Process for producing l-amino and oxidase
WO1999032650A1 (fr) Procede de production de [s,s]-ethylenediamine-n,n'-acide disuccinique
JP2674078B2 (ja) D−α−アミノ酸の製造法
CH643299A5 (fr) Procede de preparation de d-alpha-amino-acides.
US5134073A (en) Microbiologically produced n-acetyl-2,3-didehydroleucine acylase
US5212069A (en) Method of using N-acetyl-2,3-Didehydroleucine acylase for the preparation of D- or L-tryptophyl glycine, D- or L-tryptophyl-D-methionine or L-tryptophyl-D-cysteine
GB1577087A (en) Enzyme preparation having l-amino acyl amidase activity
JPH0646939B2 (ja) クリプトコッカス・ラウレンティdsm2762
EP0455170A2 (en) Process for culturing microorganisms of the genus Pseudomonas and process for producing L-alanine using said microorganisms