JPH0547688U - 管継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】気泡を含む液体に用い、流通させながら消泡す
ることのできる管体の着脱が容易な管継手を提供する。 【構成】挿入された管体Ｔの外周面に食い込んでこれを
把持する複数の爪片３Ａを有する把持具３と、この把持
具の爪片３Ａの食い込みを押し込み操作により解除する
開放筒５を継手本体２の中空部２Ａ内に備え、さらに継
手本体２の管体Ｔが挿入されない中空部２Ａ内には、流
路を横切るようにメッシュ７が配置される。 【効果】気泡を含む液体は、メッシュ７を通過する際に
気泡が破壊されて消滅し、液体のみが通過する。このた
め、消泡装置が不要になる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、移送液体中に含まれる気泡を流通させながら除去することができ る管継手に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、化学工場や食品工場などでは、貯液槽にある複数種の液体を配管で一ヵ 所に導き、それら液体を予め決められた重量に計量して混ぜ合わせ、所望の混合 液を調製することが行われている。例えば、色の調整の場合には、使用する液体 の種類も数十種類と多く、これらをコンピュータにより適宜比率で組み合わせる ため、混合装置内の配管系はかなり複雑なものになり、近年この種の装置では配 管作業の容易さから、金属管に代わってプラスチックチューブが一般に使用され 、またその継手についても管体の着脱が簡単な形式のものが使われている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、液体の種類によっては、貯液槽から配管を通過する途中で気泡が多 量に発生する場合がある。このような気泡を含む液体は、そのままでは正確な計 量を行うことができないため、別に設置した消泡装置を通過させてから計量する 必要があり、混合装置全体が大掛かりになるという問題点があった。

【０００４】 そこで、この考案は上記従来技術の問題点に鑑み、配管系に使用することによ り消泡装置を不要とし、混合装置の小型化を可能にする管継手の提供をその目的 とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、この考案では、管体外周面に複数の爪片を食い込ま せてこれを把持する把持具と、この把持具近傍にあって爪片の管体外周面への食 込みを解除する開放筒を継手本体の中空部内に備え、流路となる前記中空部の少 なくとも一端部分に管体を受け入れてこれを着脱自在に把持する管継手において 、前記継手本体の管体が挿入されない中空部に、流路を横切りメッシュを設けた ことを特徴としている。

【０００６】

【作用】

この考案による管継手では、継手本体の管体が挿入されない中空部に、流路を 横切るようにメッシュが設けられているから、配管を流れてきた気泡を含む液体 は、この管継手の流路内に設置されたメッシュを通過する際に、液体中に含まれ る気泡が、メッシュによって破壊、消滅し、液体のみがメッシュを通過する。

【０００７】 したがって、かかる管継手を配管系の一部に設置すれば、消泡装置が不要にな り、混合装置を小型化することができる。

【０００８】

【実施例】

次に、本考案の管継手を図面に基づいて更に詳細に説明するが、もちろん実施 例に限定されるものではなく、本考案の技術思想内での変更実施は可能である。

【０００９】 図１はこの考案による管継手の一実施例を示す上半縦断側面図で、図２はその 正面図である。図示の管継手１は、軸方向に貫通しその一端側に管体を受け入れ る中空部２Ａを有する継手本体２と、この継手本体２内に係止された食い込み爪 片３Ａを有する把持具３と、この把持具３を保持するために継手本体２内に圧入 された押え筒体４と、前記把持具３の爪片３Ａを管体Ｔの挿入方向へ押拡する開 放筒５と、管体挿入時に管体Ｔと継手本体の内壁に弾接するシールリング６、及 び継手本体２の中空部２Ａ内に係止されたメッシュ７とを備えている。

【００１０】 上記継手本体２は、中空部２Ａの内部に３つの段部２Ｂ，２Ｃ，２Ｄを備え、 その一端側には押え筒体４を嵌着固定するための係合部２Ｅを備えている。また 、外周面には六角ナット状のスパナ掛け部２Ｆと雄ネジ部２Ｇが形成されている 。押え筒体４は、一方の端部外周に前記継手本体の係合部２Ｅと係合する突起４ Ａが設けられ、その内周面には突出部４Ｂが形成され、そしてこの押え筒体４は 、突起４Ａの部分を継手本体の係合部２Ｅへの圧入等により継手本体２内に嵌着 固定される。

【００１１】 把持具３は歯付座金状の形状に形成され、円環状の基部３Ｂの内周側には所定 間隔を保って中心方向へ突出した複数の爪片３Ａを有し、その基部３Ｂが前記押 え筒体４の端面と前記継手本体の段部２Ｂとによって形成される環状隙間内に若 干の隙間を残して保持され、回動自在に介装されている。この把持具３は、例え ばステンレス鋼、リン青銅等の疲労強度が大きい耐食性材料により形成されてい る。

【００１２】 開放筒５は、前記押え筒体４に摺動可能に内嵌したときに前記把持具３に臨む 側の端部に斜面５Ａが形成され、他端にはこの開放筒５を継手本体２内へ押し込 むときの押圧部となるフランジ５Ｂが設けられている。

【００１３】 シールリング６はＯリングであって、継手本体の段部２Ｃに掛止されるごとく 内嵌され、管体Ｔが継手本体の中空部２Ａ内に嵌入されたときに、継手本体２の 内壁面と管体Ｔの外周面に弾接することにより気密性を保つようになっている。 なお、シールリングはＶリング等の他の形状のものであってもよい。

【００１４】 メッシュ７は、円形をなす金属製の網であって、その周縁部には補強のための リング状部材（図示せず）を備えている。そして、このメッシュ７は前記継手本 体の段部２Ｄにその周縁部分において掛合し、管体Ｔの挿入方向側の端面に配置 されたＯリング８により係止されている。なお、メッシュ７の材質は金属製のも のに限定されることはなく、例えばプラスチックなど、流通させる液体の種類に 応じて適宜選択することができ、その網目の大きさについても液体の粘度等によ り選択される。また、メッシュは網目状の他に、櫛歯形であってもよい。

【００１５】 次に、上記実施例の動作を説明する。管体Ｔを継手本体２に装着するには、管 体Ｔを開放筒５内へ挿入する。挿入につれて管体Ｔは、その先端部がまず初めに 把持具の爪片３Ａに当接すると共に、その弾性に抗して爪片３Ａを継手本体２の 内壁面側へ押拡し、次いでシールリング６の内周面に摺接しつつ進入し、メッシ ュ７を押さえるＯリング８に当接する状態となって管体Ｔは継手本体２に装着さ れる。即ち、この状態においては把持具の爪片３Ａがその弾力によって管体Ｔに 圧接しているので、管体Ｔを抜き出そうとすると、爪片３Ａの先端が管体Ｔの外 周面に食い込み、管体Ｔは強固に保持される。また、このような状態にある管体 Ｔを継手本体２から取り外すには、開放筒５を継手本体２内へ押し込み、その先 端の斜面５Ａを爪片３Ａに当接させてこれをその弾性に抗して押拡し、管体Ｔに 食い込んでいた爪片３Ａの先端を管体Ｔの表面から離脱させ、食い込みを解除す ることにより、管体Ｔを継手本体２から容易に引き抜くことができる。

【００１６】 本考案においては、管体Ｔから管継手１へ、あるいは管継手１から管体Ｔへと 流れる気泡を含む液体がメッシュ７を通過するとき、気泡が破壊、消滅し、気泡 の除去された液体となる。したがって、従来の混合装置で必要とされていた消泡 装置が不要になり、装置の小型化が可能になる。

【００１７】 図３は、この考案による管継手の別の実施例であって、同一部分は同一符号で 示す。この場合、メッシュ７は継手本体２の他端側に形成された段部２Ｈに配置 され、ストップリング９により固定されている。この実施例では、前記実施例と は異なり、メッシュ７が管体Ｔの着脱機構とは離れた継手本体２の他端側の端面 近くに配置され、ストップリング９により固定される構造であるため、前記実施 例のものに比べて管継手の組立てが容易であるばかりか、メッシュ７の交換を簡 単に行うことができるという利点がある。

【００１８】 なお、メッシュの位置並びに固定方法についてはもちろんこれら実施例に限定 されるものではなく、さらに継手本体の形状を例えばエルボ型にしたり、また管 体の着脱機構を別のものにするなど、変更実施は可能である。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案による管体の着脱が容易な管継手は、その流路 内にメッシュを有するから、例えば液体の混合装置などに使用した場合に、従来 の混合装置で必要とされていた消泡装置が不要になり、装置の小型化が可能にな るという実用上優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による管継手の一実施例で、上半部を切
り欠いた側面図である。

【図２】図１に示す管継手の正面図である。

【図３】本考案による管継手の他の実施例で、上半部を
切り欠いた側面図である。

【符号の説明】

２ 継手本体 ２Ａ 中空部 ３ 把持具 ４ 押え筒体 ５ 開放筒 ６，８ Ｏリング ７ メッシュ ９ ストップリング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】管体外周面に複数の爪片を食い込ませてこ
   れを把持する把持具と、この把持具近傍にあって爪片の
   管体外周面への食込みを解除する開放筒を継手本体の中
   空部内に備え、流路となる前記中空部の少なくとも一端
   部分に管体を受け入れてこれを着脱自在に把持する管継
   手において、前記継手本体の管体が挿入されない中空部
   に、流路を横切りメッシュを設けたことを特徴とする管
   継手。