JPH0518424B2 - - Google Patents
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- JPH0518424B2 JPH0518424B2 JP61299203A JP29920386A JPH0518424B2 JP H0518424 B2 JPH0518424 B2 JP H0518424B2 JP 61299203 A JP61299203 A JP 61299203A JP 29920386 A JP29920386 A JP 29920386A JP H0518424 B2 JPH0518424 B2 JP H0518424B2
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- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03G—ELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
- G03G5/00—Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
- G03G5/02—Charge-receiving layers
- G03G5/04—Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
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- G03G5/0664—Dyes
- G03G5/0696—Phthalocyanines
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- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
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- G03G5/02—Charge-receiving layers
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- G03G5/047—Photoconductive layers characterised by having two or more layers or characterised by their composite structure characterised by the charge-generation layers or charge transport layers
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Description
イ 産業上の利用分野
本発明は感光体、例えば電子写真感光体に関す
るものである。 ロ 従来技術 従来、可視光に光感度を有する電子写真用の感
光体は複写機、プリンター等に広く使用されてい
る。 このような電子写真感光体としては、セレン、
酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機光導電性物質
を主成分とする感光層を設けた無機感光体が広く
使用されている。しかしながら、このような無機
感光体は複写機等の電子写真感光体として要求さ
れる光感度、熱安定性、耐湿性、耐久性等の特性
において必ずしも満足できるものではない。例え
ば、セレンは熱や手で触つたときの指紋の汚れ等
により結晶化するため、電子写真感光体としての
上記特性が劣化し易い。また、硫化カドミウムを
用いた電子写真感光体は耐湿度性、耐久性に劣
り、酸化亜鉛を用いた電子写真感光体は耐久性に
問題がある。また、セレン、硫化カドミウムの電
子写真感光体は共に毒性を有し、製造上、取扱い
上の制約が大きいという欠点がある。 このような無機光導電性物質の問題点を克服す
るために、種々の有機の光導電性物質を電子写真
感光体の感光層に使用することが試みられ、近年
活発に研究、開発が行われている。例えば、特公
昭50−10496号公報には、ポリ−N−ビニルカル
バゾールと、2,4,7−トリニトロ−9−フル
オレノンとのCT錯体(電荷移動錯体)を含有し
た感光層を有する有機感光体が記載されている。
しかし、この感光体も感度及び耐久性において十
分でない。このような欠点を改善するために、感
光層において、キヤリア発生機能とキヤリア輸送
機能とを異なる物質に個別に分担させることによ
り、感度が高くて耐久性の大きい有機感光体を開
発する試みがなされている。このようないわば機
能分離型の電子写真感光体においては、各機能を
発揮する物質を広い範囲のものから選択すること
ができるので、任意の特性を有する電子写真感光
体が比較的容易に得られる。そのため、感度が高
く、耐久性の大きい有機感光体が得られることが
期待されている。 このような機能分離型の電子写真感光体のキヤ
リア発生層に有効なキヤリア発生物質としては、
従来数多くの物質が提案されている。無機物質を
用いる例としては、例えば特公昭43−16198号公
報に記載されているように無定形セレンが挙げら
れる。この無定形セレンを含有するキヤリア発生
層は有機キヤリア輸送物質を含有するキヤリア輸
送層と組み合わされて使用される。しかし、この
無定形セレンからなるキヤリア発生層は、上記し
たように熱等により結晶化してその特性が劣化す
るという問題点がある。 また、有機物質を上記のキヤリア発生物質とし
て用いる例としては、有機染料や有機顔料が挙げ
られる。例えば、ビスアゾ化合物を含有する感光
層を有するものとしては、特開昭47−37543号公
報、特開昭55−22834号公報、特開昭54−79632号
公報、特開昭56−116040号公報等によりすでに知
られている。しかしながら、これらの公知のビス
アゾ化合物は短波長若しくは中波長域では比較的
良好な感度を示すが、長波長域での感度が低く、
高信頼性の期待される半導体レーザー光源を用い
るレーザープリンタに用いることは困難であつ
た。 現在、半導体レーザーとして広範に用いられて
いるガリウム−アルミニウム−ヒ素(Ga−Al−
As)系発光素子は、発振波長が750nm程度以上
である。このような長波長光に高感度の電子写真
感光体を得るために、従来数多くの検討がなされ
てきた。例えば、可視光領域に高感度を有するセ
レン、硫化カドミウム等の感光材料に、新たに長
波長化するための増感剤を添加する方法が考えら
れたが、セレン、硫化カドミウムは上記したよう
に温度、湿度等に対する耐環境性が十分でなく、
毒性もあつて実用化には問題がある。また、多数
知られている有機系光導電材料も、上記したよう
にその感度が通常700nm以下の可視光領域に限定
され、これより長波長域に十分な感度を有する材
料は少ない。 これらのうちで、有機系光導電材料の一つであ
るフタロシアニン系化合物は、他のものに比べ感
光域が長波長域に拡大していることが知られてい
る。そして、α型のフタロシアニンが結晶形の安
定なβ型のフタロシアニンに変わる過程で各種結
晶形のフタロシアニンが見出されている。これら
の光導電性を示すフタロシアニン系化合物として
は、例えば特公昭49−4338号公報に記載されてい
るX線無金属フタロシアニンが挙げられる。この
X線型無金属フタロシアニンは、長波長域に感度
を有し、かつ他の結晶形の無金属フタロシアニン
と比べても優れた特性を有するが、まだ不十分で
ある。 また、フタロシアニン系化合物としては、例え
ば特開昭58−182639号公報に記載されているτ型
無金属フタロシアニンも知られている。このτ型
無金属フタロシアニンは、第18図に示すよう
に、Cu Kα特性X線(波長 1.541Å)(以下、こ
のX線をCu Kα(1.541Å)と記す。)に対するブ
ラツク角度2θは7.6度,9.2度,16.8度,17.4度,
20.4度,20.9度にそれぞれピークを有する。ま
た、赤外線吸収スペクトルでは700〜760cm-1の間
に752±2cm-1が最も強い4本の吸収帯、1320〜
1340cm-1の間に2本のほぼ同じ強さの吸収帯、
3288±2cm-1に特徴的な吸収帯がある。 しかし、このτ型無金属フタロシアニンは、α
型無金属フタロシアニンを食塩等の磨砕助剤、エ
チレングリコール等の不活性有機溶剤とともに50
〜180℃、好ましくは60〜130℃で5〜20時間湿式
混練して製造するので、その製造法が複雑で難し
い。そのため、τ型フタロシアニンであつてかつ
一定の結晶形を有するものを常に得ることはでき
ず、これをキヤリア発生物質として用いたときの
電子写真感光体の特性は安定性が不十分である。
このため、このτ型無金属フタロシアニンは前記
X線無金属フタロシアニンに比べると、製造の容
易性、結晶安定性及び電子写真感光体のキヤリア
発生物質として用いられたときの繰り返し使用に
対する電位安定性に劣る。 ところで、有機光導電性物質を用いる公知の感
光体は通常、負帯電用として使用されている。 この理由は、負帯電使用の場合には、キヤリア
のうちホールの移動度が大きいことから、ホール
輸送性の材料を使用でき、光感度等の点で有利で
あるのに対し、電子輸送性の材料には優れた特性
をもつものがほとんど無く、あるいは発がん性を
有するので使用できないためである。 しかしながら、このような負帯電使用では、次
の如き問題があることが判明している。 (1) 負のコロナ放電時、帯電器による負帯電時
に、雰囲気中のオゾン発生量が多く、環境条件
が悪化する。このため、感光体表面の材質の劣
化や、帯電により生ずるイオン性物質の感光体
表面への付着が生じ、繰り返し使用時に電位低
下をきたすため、画像不良、画像ボケの原因と
なり、感光体の寿命にも影響する。また、コロ
ナ放電器の放電ワイヤの汚れ等により、放電ム
ラが発生し易いため、画像ムラが生ずることも
ある。 (2) 負帯電用感光体の現像には正極性のトナーが
必要となるが、正極性のトナーは強磁性体キヤ
リア粒子に対する摩擦帯電系列からみて製造が
困難である。 そこで、有機光導電性物質を用いる感光体を正
帯電で使用することが提案されている。例えば、
キヤリア発生層上にキヤリア輸送層を積層し、キ
ヤリア輸送層を電子輸送能の大きい物質で形成し
た感光体は、正帯電用として使用できる。しか
し、前述したように、電子輸送性の材料には優れ
た特性を有するものがほとんど無く、あるいは環
境的配慮から使用できないので、上述の正帯電用
感光体は実用的でない。例えば、キヤリア輸送層
に電子輸送能をもたせるため、トリニトロフオレ
ノンを含有させることが行われていたが、この物
質には発がん性があるため不適当である。他方、
ホール輸送能の大きいキヤリア輸送層上にキヤリ
ア発生層を積層した正帯電用感光体が考えられる
が、これでは表面側に非常に薄いキヤリア発生層
が存在するために耐刷性、耐久性、繰り返し使用
時の感度安定性等が悪くなり、実用的な層構成で
はない。 また、正帯電用感光体として、米国特許第
3615414号明細書には、チアピリリウム塩(キヤ
リア発生物質)をポリカーボネート(バインダー
樹脂)と共晶錯体を形成するように含有させたも
のが示されている。しかしこの公知の感光体で
は、メモリー現象が大きく、ゴーストも発生し易
いという欠点がある。米国特許第3357989号明細
書にも、フタロシアニンを含有せしめた感光体が
示されているが、フタロシアニンは結晶型によつ
て特性が変化してしまう上に、結晶型を厳密に制
御する必要があり、更に短波長感度が不足しかつ
メモリー現象も大きく、可視光波長域の光源を用
いる複写機には不適当である。 上記の実情から従来は、有機光導電性物質を用
いた感光体を正帯電使用することは実現性に乏し
く、このためにもつぱら負帯電用として使用され
てきたのである。 ハ 発明の目的 本発明の目的は、半導体レーザー光等の比較的
長波長の光に十分な感度を有し、かつ正帯電で動
作可能であり、特にオゾン発生量等が少なくて環
境条件を良好に保つことができ、耐刷性、電位安
定性、メモリー特性、残留電位特性に優れた感光
体を提供することにある。 ニ 発明の構成及びその作用効果 本発明は、キヤリア輸送物質及びバインダー物
質を含有するキヤリア輸送層と、キヤリア発生物
質及びバインダー物質を含有するキヤリア発生層
とがこの順に積層されている感光体において、 Cu Kα1.541ÅのX線に対するブラツク角度2θ
(但し、誤差は2θ±0.2度)が7.7度,9.3度,16.9
度,17.5度,22.4度,28.8度に主要なピークを有
するX線結晶回折スペクトルを有し、このX線回
折スペクトルの上記ブラツク角度9.3度のピーク
に対するブラツク角度16.9度のピークの強度比が
0.8〜1.0であり、かつ、上記ブラツク角度9.3度の
ピークに対するブラツク角度22.4度及び28.8度の
それぞれのピークの強度が0.4以上であり、かつ、
700〜760cm-1,1320±2cm-1及び3288±3cm-1に
ピークを有する赤外線吸収スペクトルを有し、
700〜760cm-1の吸収帯には4本のピークがあり、
そのうち752±2cm-1が最も強い無金属フタロシ
アニンが前記キヤリア発生層に含有され、 更に該キヤリア発生層に下記一般式〔〕で表
わされる化合物と下記一般式〔〕で表わされる
化合物との少なくとも一方が含有されていること
を特徴とする感光体に係る。 一般式〔〕: 〔式中、 R1及びR2:置換若しくは未置換のアルキル基、
又はアリール基を表わし、置換基としてはア
ルキル基、アルコキシ基、置換アミノ基、水
酸基、ハロゲン原子、又はアリール基が用い
られる。 Ar1及びAr2:置換若しくは未置換のアリール
基を表わし、置換基としてはハロゲン原子、
ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、
置換アミノ基又はアリール基が用いられる。 R3及びR4:置換若しくは未置換のアリール基、
又は水素原子を表わし、置換基としてはハロ
ゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アル
コキシ基、置換アミノ基又はアリール基が用
いられる。〕 一般式〔〕: (但し、この一般式中 Ar3,Ar4:置換若しくは未置換のフエニル基
を表わし、置換基としてはハロゲン原子、ア
ルキル基、ニトロ基、アルコキシ基を用い
る。 Ar5:置換若しくは未置換のフエニル基、ナフ
チル基、アントリル基、フルオレニル基、複
素環基を表わし、置換基としてはアルキル
基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、
アリールオキシ基、アリール基、アミノ基、
ニトロ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ナ
フチル基、アンスリル基及び置換アミノ基を
用いる。但し、置換アミノ基の置換基として
アシル基、アルキル基、アリール基、アラル
キル基を用いる。) 本発明の感光体は、キヤリア輸送層上にキヤリ
ア発生層を積層せしめて構成した積層構造のもの
である。尚、上記クレーム中における「層」は、
後述するようにキヤリア発生物質及びキヤリア輸
送物質(一般式〔〕,〔〕で表わされる化合物
を併有しており、感光体が積層構造の場合は上記
「層」がキヤリア発生層に該当する。 本発明の感光体の感光層は、上述のような構成
を有しているので、特に正帯電で使用するのに好
適である。 しかも、上述の感光体は、上記「層」中にキヤ
リア発生物質として上記のブラツク角の主要ピー
クを有する無金属フタロシアニンを使用している
ので、感光体の繰り返し使用時の電位安定性が良
くなり、メモリー現象も少なく、残留電位も少な
くかつ安定となり、かつフタロシアニン自体の結
晶が安定であり、その製造も容易である。これに
加え、この無金属フタロシアニンが長波長域に高
感度を示すことから、本発明の感光体は半導体レ
ーザー等に好適である。 また、本発明の感光体によれば、キヤリア発生
物質とキヤリア輸送物質とをバインダー物質で結
着してなる「層」を使用しているが、この「層」
を厚めに設けることにより、種々の利点がある。 即ち、前記「層」即ちキヤリア発生層を上層に
設けたために正帯電用としての構成となつている
が、ここではキヤリア発生層を厚めに設けること
によつて既述した問題点である耐刷性を十分満足
することができる。例えば、通常考えられる厚さ
(負荷電使用では0.2μm程度)よりもずつと厚い
0.6〜10μm(好ましくは1〜8μm)の厚さにキヤ
リア発生層を設けると、良好な耐刷性、耐久性及
び繰り返し使用時の感度安定性を得ることができ
る。 また、本発明の感光体において、前記「層」の
バインダー物質の含有量を高めれば、感光体表面
の膜強度が向上し、クリーニング等の工程におい
て感光体表面の削れを防止でき、耐摩耗性、耐刷
性及び繰り返し使用時の感度安定性を向上させる
ことが可能となる。 しかしながら、このような上記「層」を用いた
感光体において、「層」を厚めに設けると、キヤ
リア発生物質のみを包含させた場合は、「層」の
膜厚が大きくなるに従い、「層」中のキヤリア発
生物質の濃度は相対的に低下し、かつ正負のキヤ
リアのキヤリア発生位置からの輸送距離が大きく
なることから、結果としてキヤリアの輸送能が著
しく低下する。また、「層」中のバインダー物質
の量を増やすと、キヤリア発生物質の濃度は低下
し、キヤリア輸送能は低下する。このため、感光
層の感度低下、残留電位の上昇、メモリー現象の
増大、繰り返し使用時の感度低下及び帯電電位の
低下を招くこととなる。 これに対し、本発明の感光体では、前記「層」
中に特定のキヤリア輸送物質を加えているので、
上場の問題の技術的解決が可能となる。ここで、
特定のキヤリア輸送物質とは、前記した一般式
〔〕で表わされる化合物(スチリル化合物)と
一般式〔〕で表わされる化合物(アミン誘導
体)との少なくとも一方である。 このように特定のキヤリア輸送物質を選択した
のは、前記「層」内部において、キヤリア発生物
質である前記の無金属フタロシアニンから同一層
内のキヤリア輸送物質へのキヤリア注入に選択性
があると考えられるからである。 即ち、本発明のキヤリア輸送物質を選択すれ
ば、イオン化ポテンシヤルが本発明の無金属フタ
ロシアニンと適合している等の理由で上記のキヤ
リア注入が効率的に行われるので、「層」の膜厚
を大きくし、またバインダー物質の濃度を高めて
も、「層」内で発生したキヤリアの輸送能は低下
することなくむしろ向上し、従つて常に良好な感
度特性、残留電位特性、メモリー特性、繰り返し
使用時の感度特性及び帯電電位特性を享受するこ
とができる。 また、本発明のキヤリア輸送物質は、ホール輸
送能に優れており、これを前記「層」中に含有さ
せることにより、正帯電使用に好適な感光体を得
ることができる。 本発明の感光体を構成する前記「層」において
は、粒状のキヤリア発生物質とキヤリア輸送物質
とがバインダー物質で結着されている(即ち、層
中に顔料の形で分散されている)のがよい。この
場合、「層」の耐刷性、耐久性等が良好となり、
メモリー現象も少なく、残留電位も安定となる。 上記した「層」の構造から、キヤリア輸送物質
とバインダー物質との相溶性は感光層の特性に影
響する。その点、本発明のキヤリア輸送物質は上
記の相溶性に優れている。 また、正帯電使用の際には、負帯電使用の場合
と異なり、オゾン発生量を低く抑えることができ
るが、それでも少量のオゾン発生は避けられな
い。しかし、本発明の電荷輸送物質には、オゾン
吸着による劣化が生じにくく、従つて画像ボケや
画像欠陥は発生し難い。 更に、本発明の電荷輸送物質は、安全で環境的
に好ましく、化学的にも安定である。 以上述べてきたように、本発明によつて、正帯
電使用に好適な感光体の提供が可能となる。これ
により正帯電使用の特有の特徴が発揮でき、従来
技術の項で述べた負帯電使用に伴う問題を解決す
ることができる。即ち、オゾン発生量を低く抑え
環境条件を良好なものとすることができ、これに
伴い放電電極の汚れによる放電ムラ等種々の問題
を回避でき、また、製造容易な負極性トナーを使
用できる。更に、機能分離型であることから、高
感度、高耐久性であつて、構成材料の選択も容易
となる。 本発明に使われる無金属フタロシアニンは、従
来の無金属フタロシアニン(例えば、第12図に
示したτ型無金属フタロシアニン)に無い特徴的
なX線回折スペクトルを有する。即ち、ブラツク
角度28.8度に特徴なピークを有することである。
例えば、本発明に使われる無金属フタロシアニン
が示すX線回折スペクトルの例として、第3図に
示すようなものが挙げられる。 また、本発明に使われる無金属フタロシアニン
は、第4図に示すように、700〜760cm-1にピーク
を有する赤外線吸収スペクトルを有し、700〜760
cm-1の吸収帯には4本のピークがあり、そのうち
720±2cm-1が最も強いことが特徴である。 また、第3図の無金属フタロシアニンの可視、
近赤外線吸収スペクトルは第5図に実線で示すよ
うに、770nm以上790nm未満に吸収極大があるこ
とが望ましく、破線で示すτ型無金属フタロシア
ニンが790〜820nmに吸収極大を持ち、多くは約
810nmに吸収極大を持つものと異なる。 本発明における上記無金属フタロシアニンを製
造するには、α型無金属フタロシアニンを結晶転
移するに十分な時間攪拌するか、あるいは機械的
歪力(例えば混練)をもつてミリングすることに
より第1図の無金属フタロシアニンを得、ついで
この無金属フタロシアニンをテトラハイドロフラ
ン等の非極性溶剤による分散処理等の溶剤処理を
することにより第3図の無金属フタロシアニンが
得られる。攪拌、あるいは混練をもつてミリング
するには、通常顔料の分散や乳化、混合等に用い
られている分散メデイア、例えばガラスビーズ、
スチールビーズ、アルミナボール、フリント石等
が用いられる。しかし、分散メデイアは必ずしも
必要とするものでない。磨砕助剤も用いられ、こ
の磨砕助剤としては通常顔料用に使用されている
ものが用いられてもよく、例えば食塩、重炭酸ソ
ーダ、ぼう硝等が挙げられる。しかし、この磨砕
助剤も必ずしも必要としない。 第1図に示す無金属フタロシアニンは、Cu
Kα(1.541Å)のX線に対するブラツク角度(但
し、誤差は2θ±0.2度)7.5度,9.1度,16.7度,
17.3度,22.3度にピークを有し、また、その赤外
線回折スペクトルは、第2図のように746cm-1,
700〜750cm-1の間に3つのピーク、1318cm-1,
1330cm-1の強度の等しいピークがある。 攪拌、混練、磨砕時に溶媒を必要とする場合に
はこれらが行われているときの温度において液状
のものがよく、このようなものには、例えばアル
コール系溶媒、即ちグリセリン、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール若しくはポリエチレ
ングリコール系溶剤、エチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノエチルエ
ーテル等のセロソルブ系溶剤、ケトン系溶剤、エ
ステルケトン系溶剤等の群から選ばれた1種類以
上の溶剤を選択することが好ましい。 上記結晶転移工程において使用される装置とし
て代表的なものを挙げると、一般的な攪拌装置、
例えばホモミキサー、デイスパーザー、アジタ
ー、スターラー、あるいはニーダ、バンバリーミ
キサー、ボールミル、サンドミル、アトライター
等がある。 上記のようにして製造される本発明の無金属フ
タロシアニンの性質の優れた点は、その製造法が
必ずしも磨砕助剤を必要とせず、そのためその除
去も必要がないようにでき、また温度コントロー
ルも厳密なものでなくても良く、例えば室温でも
よい等容易であることであり、この点はτ型フタ
ロシアニンの製造法が磨砕助剤を必要とし、厳密
な温度コントロールを必要とするものとは異な
る。 また、本発明の無金属フタロシアニンは極めて
結晶形で安定であり、アセトン、テトラヒドロフ
ラン、トルエン、酢酸エチル、1,2−ジクロロ
エタン等の有機溶剤に浸漬したり、例えば200℃
の雰囲気下に50時間以上放置する等の耐熱試験を
行つたり、またミリング等の機械的歪力を加えて
も他の結晶形への転移が起こり難く、これは従来
のτ型よりは勿論優れている(この点は第3図の
フタロシアニンが特に良好である)。このことは、
本発明の無金属フタロシアニンの製造をその品質
のぶれを少なくして行えることを可能にし、上記
のこととともに更にその製造を容易にするととも
に、電子写真感光体に用いたときの繰り返し使用
のときの電位安定性等の特性を向上できる。 本発明に用いる上記無金属フタロシアニンは次
の構造式からなつており、その熱力学的状態で主
として第1図のものと第3図のものとに分けられ
る。 次に、本発明においてキヤリア輸送物質として
使用する前記一般式〔〕のスチリル化合物を例
示すると、例えば次の構造式を有するものを挙げ
ることができるが、むろんこれらに限定されるも
のではない。
るものである。 ロ 従来技術 従来、可視光に光感度を有する電子写真用の感
光体は複写機、プリンター等に広く使用されてい
る。 このような電子写真感光体としては、セレン、
酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機光導電性物質
を主成分とする感光層を設けた無機感光体が広く
使用されている。しかしながら、このような無機
感光体は複写機等の電子写真感光体として要求さ
れる光感度、熱安定性、耐湿性、耐久性等の特性
において必ずしも満足できるものではない。例え
ば、セレンは熱や手で触つたときの指紋の汚れ等
により結晶化するため、電子写真感光体としての
上記特性が劣化し易い。また、硫化カドミウムを
用いた電子写真感光体は耐湿度性、耐久性に劣
り、酸化亜鉛を用いた電子写真感光体は耐久性に
問題がある。また、セレン、硫化カドミウムの電
子写真感光体は共に毒性を有し、製造上、取扱い
上の制約が大きいという欠点がある。 このような無機光導電性物質の問題点を克服す
るために、種々の有機の光導電性物質を電子写真
感光体の感光層に使用することが試みられ、近年
活発に研究、開発が行われている。例えば、特公
昭50−10496号公報には、ポリ−N−ビニルカル
バゾールと、2,4,7−トリニトロ−9−フル
オレノンとのCT錯体(電荷移動錯体)を含有し
た感光層を有する有機感光体が記載されている。
しかし、この感光体も感度及び耐久性において十
分でない。このような欠点を改善するために、感
光層において、キヤリア発生機能とキヤリア輸送
機能とを異なる物質に個別に分担させることによ
り、感度が高くて耐久性の大きい有機感光体を開
発する試みがなされている。このようないわば機
能分離型の電子写真感光体においては、各機能を
発揮する物質を広い範囲のものから選択すること
ができるので、任意の特性を有する電子写真感光
体が比較的容易に得られる。そのため、感度が高
く、耐久性の大きい有機感光体が得られることが
期待されている。 このような機能分離型の電子写真感光体のキヤ
リア発生層に有効なキヤリア発生物質としては、
従来数多くの物質が提案されている。無機物質を
用いる例としては、例えば特公昭43−16198号公
報に記載されているように無定形セレンが挙げら
れる。この無定形セレンを含有するキヤリア発生
層は有機キヤリア輸送物質を含有するキヤリア輸
送層と組み合わされて使用される。しかし、この
無定形セレンからなるキヤリア発生層は、上記し
たように熱等により結晶化してその特性が劣化す
るという問題点がある。 また、有機物質を上記のキヤリア発生物質とし
て用いる例としては、有機染料や有機顔料が挙げ
られる。例えば、ビスアゾ化合物を含有する感光
層を有するものとしては、特開昭47−37543号公
報、特開昭55−22834号公報、特開昭54−79632号
公報、特開昭56−116040号公報等によりすでに知
られている。しかしながら、これらの公知のビス
アゾ化合物は短波長若しくは中波長域では比較的
良好な感度を示すが、長波長域での感度が低く、
高信頼性の期待される半導体レーザー光源を用い
るレーザープリンタに用いることは困難であつ
た。 現在、半導体レーザーとして広範に用いられて
いるガリウム−アルミニウム−ヒ素(Ga−Al−
As)系発光素子は、発振波長が750nm程度以上
である。このような長波長光に高感度の電子写真
感光体を得るために、従来数多くの検討がなされ
てきた。例えば、可視光領域に高感度を有するセ
レン、硫化カドミウム等の感光材料に、新たに長
波長化するための増感剤を添加する方法が考えら
れたが、セレン、硫化カドミウムは上記したよう
に温度、湿度等に対する耐環境性が十分でなく、
毒性もあつて実用化には問題がある。また、多数
知られている有機系光導電材料も、上記したよう
にその感度が通常700nm以下の可視光領域に限定
され、これより長波長域に十分な感度を有する材
料は少ない。 これらのうちで、有機系光導電材料の一つであ
るフタロシアニン系化合物は、他のものに比べ感
光域が長波長域に拡大していることが知られてい
る。そして、α型のフタロシアニンが結晶形の安
定なβ型のフタロシアニンに変わる過程で各種結
晶形のフタロシアニンが見出されている。これら
の光導電性を示すフタロシアニン系化合物として
は、例えば特公昭49−4338号公報に記載されてい
るX線無金属フタロシアニンが挙げられる。この
X線型無金属フタロシアニンは、長波長域に感度
を有し、かつ他の結晶形の無金属フタロシアニン
と比べても優れた特性を有するが、まだ不十分で
ある。 また、フタロシアニン系化合物としては、例え
ば特開昭58−182639号公報に記載されているτ型
無金属フタロシアニンも知られている。このτ型
無金属フタロシアニンは、第18図に示すよう
に、Cu Kα特性X線(波長 1.541Å)(以下、こ
のX線をCu Kα(1.541Å)と記す。)に対するブ
ラツク角度2θは7.6度,9.2度,16.8度,17.4度,
20.4度,20.9度にそれぞれピークを有する。ま
た、赤外線吸収スペクトルでは700〜760cm-1の間
に752±2cm-1が最も強い4本の吸収帯、1320〜
1340cm-1の間に2本のほぼ同じ強さの吸収帯、
3288±2cm-1に特徴的な吸収帯がある。 しかし、このτ型無金属フタロシアニンは、α
型無金属フタロシアニンを食塩等の磨砕助剤、エ
チレングリコール等の不活性有機溶剤とともに50
〜180℃、好ましくは60〜130℃で5〜20時間湿式
混練して製造するので、その製造法が複雑で難し
い。そのため、τ型フタロシアニンであつてかつ
一定の結晶形を有するものを常に得ることはでき
ず、これをキヤリア発生物質として用いたときの
電子写真感光体の特性は安定性が不十分である。
このため、このτ型無金属フタロシアニンは前記
X線無金属フタロシアニンに比べると、製造の容
易性、結晶安定性及び電子写真感光体のキヤリア
発生物質として用いられたときの繰り返し使用に
対する電位安定性に劣る。 ところで、有機光導電性物質を用いる公知の感
光体は通常、負帯電用として使用されている。 この理由は、負帯電使用の場合には、キヤリア
のうちホールの移動度が大きいことから、ホール
輸送性の材料を使用でき、光感度等の点で有利で
あるのに対し、電子輸送性の材料には優れた特性
をもつものがほとんど無く、あるいは発がん性を
有するので使用できないためである。 しかしながら、このような負帯電使用では、次
の如き問題があることが判明している。 (1) 負のコロナ放電時、帯電器による負帯電時
に、雰囲気中のオゾン発生量が多く、環境条件
が悪化する。このため、感光体表面の材質の劣
化や、帯電により生ずるイオン性物質の感光体
表面への付着が生じ、繰り返し使用時に電位低
下をきたすため、画像不良、画像ボケの原因と
なり、感光体の寿命にも影響する。また、コロ
ナ放電器の放電ワイヤの汚れ等により、放電ム
ラが発生し易いため、画像ムラが生ずることも
ある。 (2) 負帯電用感光体の現像には正極性のトナーが
必要となるが、正極性のトナーは強磁性体キヤ
リア粒子に対する摩擦帯電系列からみて製造が
困難である。 そこで、有機光導電性物質を用いる感光体を正
帯電で使用することが提案されている。例えば、
キヤリア発生層上にキヤリア輸送層を積層し、キ
ヤリア輸送層を電子輸送能の大きい物質で形成し
た感光体は、正帯電用として使用できる。しか
し、前述したように、電子輸送性の材料には優れ
た特性を有するものがほとんど無く、あるいは環
境的配慮から使用できないので、上述の正帯電用
感光体は実用的でない。例えば、キヤリア輸送層
に電子輸送能をもたせるため、トリニトロフオレ
ノンを含有させることが行われていたが、この物
質には発がん性があるため不適当である。他方、
ホール輸送能の大きいキヤリア輸送層上にキヤリ
ア発生層を積層した正帯電用感光体が考えられる
が、これでは表面側に非常に薄いキヤリア発生層
が存在するために耐刷性、耐久性、繰り返し使用
時の感度安定性等が悪くなり、実用的な層構成で
はない。 また、正帯電用感光体として、米国特許第
3615414号明細書には、チアピリリウム塩(キヤ
リア発生物質)をポリカーボネート(バインダー
樹脂)と共晶錯体を形成するように含有させたも
のが示されている。しかしこの公知の感光体で
は、メモリー現象が大きく、ゴーストも発生し易
いという欠点がある。米国特許第3357989号明細
書にも、フタロシアニンを含有せしめた感光体が
示されているが、フタロシアニンは結晶型によつ
て特性が変化してしまう上に、結晶型を厳密に制
御する必要があり、更に短波長感度が不足しかつ
メモリー現象も大きく、可視光波長域の光源を用
いる複写機には不適当である。 上記の実情から従来は、有機光導電性物質を用
いた感光体を正帯電使用することは実現性に乏し
く、このためにもつぱら負帯電用として使用され
てきたのである。 ハ 発明の目的 本発明の目的は、半導体レーザー光等の比較的
長波長の光に十分な感度を有し、かつ正帯電で動
作可能であり、特にオゾン発生量等が少なくて環
境条件を良好に保つことができ、耐刷性、電位安
定性、メモリー特性、残留電位特性に優れた感光
体を提供することにある。 ニ 発明の構成及びその作用効果 本発明は、キヤリア輸送物質及びバインダー物
質を含有するキヤリア輸送層と、キヤリア発生物
質及びバインダー物質を含有するキヤリア発生層
とがこの順に積層されている感光体において、 Cu Kα1.541ÅのX線に対するブラツク角度2θ
(但し、誤差は2θ±0.2度)が7.7度,9.3度,16.9
度,17.5度,22.4度,28.8度に主要なピークを有
するX線結晶回折スペクトルを有し、このX線回
折スペクトルの上記ブラツク角度9.3度のピーク
に対するブラツク角度16.9度のピークの強度比が
0.8〜1.0であり、かつ、上記ブラツク角度9.3度の
ピークに対するブラツク角度22.4度及び28.8度の
それぞれのピークの強度が0.4以上であり、かつ、
700〜760cm-1,1320±2cm-1及び3288±3cm-1に
ピークを有する赤外線吸収スペクトルを有し、
700〜760cm-1の吸収帯には4本のピークがあり、
そのうち752±2cm-1が最も強い無金属フタロシ
アニンが前記キヤリア発生層に含有され、 更に該キヤリア発生層に下記一般式〔〕で表
わされる化合物と下記一般式〔〕で表わされる
化合物との少なくとも一方が含有されていること
を特徴とする感光体に係る。 一般式〔〕: 〔式中、 R1及びR2:置換若しくは未置換のアルキル基、
又はアリール基を表わし、置換基としてはア
ルキル基、アルコキシ基、置換アミノ基、水
酸基、ハロゲン原子、又はアリール基が用い
られる。 Ar1及びAr2:置換若しくは未置換のアリール
基を表わし、置換基としてはハロゲン原子、
ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、
置換アミノ基又はアリール基が用いられる。 R3及びR4:置換若しくは未置換のアリール基、
又は水素原子を表わし、置換基としてはハロ
ゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アル
コキシ基、置換アミノ基又はアリール基が用
いられる。〕 一般式〔〕: (但し、この一般式中 Ar3,Ar4:置換若しくは未置換のフエニル基
を表わし、置換基としてはハロゲン原子、ア
ルキル基、ニトロ基、アルコキシ基を用い
る。 Ar5:置換若しくは未置換のフエニル基、ナフ
チル基、アントリル基、フルオレニル基、複
素環基を表わし、置換基としてはアルキル
基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、
アリールオキシ基、アリール基、アミノ基、
ニトロ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ナ
フチル基、アンスリル基及び置換アミノ基を
用いる。但し、置換アミノ基の置換基として
アシル基、アルキル基、アリール基、アラル
キル基を用いる。) 本発明の感光体は、キヤリア輸送層上にキヤリ
ア発生層を積層せしめて構成した積層構造のもの
である。尚、上記クレーム中における「層」は、
後述するようにキヤリア発生物質及びキヤリア輸
送物質(一般式〔〕,〔〕で表わされる化合物
を併有しており、感光体が積層構造の場合は上記
「層」がキヤリア発生層に該当する。 本発明の感光体の感光層は、上述のような構成
を有しているので、特に正帯電で使用するのに好
適である。 しかも、上述の感光体は、上記「層」中にキヤ
リア発生物質として上記のブラツク角の主要ピー
クを有する無金属フタロシアニンを使用している
ので、感光体の繰り返し使用時の電位安定性が良
くなり、メモリー現象も少なく、残留電位も少な
くかつ安定となり、かつフタロシアニン自体の結
晶が安定であり、その製造も容易である。これに
加え、この無金属フタロシアニンが長波長域に高
感度を示すことから、本発明の感光体は半導体レ
ーザー等に好適である。 また、本発明の感光体によれば、キヤリア発生
物質とキヤリア輸送物質とをバインダー物質で結
着してなる「層」を使用しているが、この「層」
を厚めに設けることにより、種々の利点がある。 即ち、前記「層」即ちキヤリア発生層を上層に
設けたために正帯電用としての構成となつている
が、ここではキヤリア発生層を厚めに設けること
によつて既述した問題点である耐刷性を十分満足
することができる。例えば、通常考えられる厚さ
(負荷電使用では0.2μm程度)よりもずつと厚い
0.6〜10μm(好ましくは1〜8μm)の厚さにキヤ
リア発生層を設けると、良好な耐刷性、耐久性及
び繰り返し使用時の感度安定性を得ることができ
る。 また、本発明の感光体において、前記「層」の
バインダー物質の含有量を高めれば、感光体表面
の膜強度が向上し、クリーニング等の工程におい
て感光体表面の削れを防止でき、耐摩耗性、耐刷
性及び繰り返し使用時の感度安定性を向上させる
ことが可能となる。 しかしながら、このような上記「層」を用いた
感光体において、「層」を厚めに設けると、キヤ
リア発生物質のみを包含させた場合は、「層」の
膜厚が大きくなるに従い、「層」中のキヤリア発
生物質の濃度は相対的に低下し、かつ正負のキヤ
リアのキヤリア発生位置からの輸送距離が大きく
なることから、結果としてキヤリアの輸送能が著
しく低下する。また、「層」中のバインダー物質
の量を増やすと、キヤリア発生物質の濃度は低下
し、キヤリア輸送能は低下する。このため、感光
層の感度低下、残留電位の上昇、メモリー現象の
増大、繰り返し使用時の感度低下及び帯電電位の
低下を招くこととなる。 これに対し、本発明の感光体では、前記「層」
中に特定のキヤリア輸送物質を加えているので、
上場の問題の技術的解決が可能となる。ここで、
特定のキヤリア輸送物質とは、前記した一般式
〔〕で表わされる化合物(スチリル化合物)と
一般式〔〕で表わされる化合物(アミン誘導
体)との少なくとも一方である。 このように特定のキヤリア輸送物質を選択した
のは、前記「層」内部において、キヤリア発生物
質である前記の無金属フタロシアニンから同一層
内のキヤリア輸送物質へのキヤリア注入に選択性
があると考えられるからである。 即ち、本発明のキヤリア輸送物質を選択すれ
ば、イオン化ポテンシヤルが本発明の無金属フタ
ロシアニンと適合している等の理由で上記のキヤ
リア注入が効率的に行われるので、「層」の膜厚
を大きくし、またバインダー物質の濃度を高めて
も、「層」内で発生したキヤリアの輸送能は低下
することなくむしろ向上し、従つて常に良好な感
度特性、残留電位特性、メモリー特性、繰り返し
使用時の感度特性及び帯電電位特性を享受するこ
とができる。 また、本発明のキヤリア輸送物質は、ホール輸
送能に優れており、これを前記「層」中に含有さ
せることにより、正帯電使用に好適な感光体を得
ることができる。 本発明の感光体を構成する前記「層」において
は、粒状のキヤリア発生物質とキヤリア輸送物質
とがバインダー物質で結着されている(即ち、層
中に顔料の形で分散されている)のがよい。この
場合、「層」の耐刷性、耐久性等が良好となり、
メモリー現象も少なく、残留電位も安定となる。 上記した「層」の構造から、キヤリア輸送物質
とバインダー物質との相溶性は感光層の特性に影
響する。その点、本発明のキヤリア輸送物質は上
記の相溶性に優れている。 また、正帯電使用の際には、負帯電使用の場合
と異なり、オゾン発生量を低く抑えることができ
るが、それでも少量のオゾン発生は避けられな
い。しかし、本発明の電荷輸送物質には、オゾン
吸着による劣化が生じにくく、従つて画像ボケや
画像欠陥は発生し難い。 更に、本発明の電荷輸送物質は、安全で環境的
に好ましく、化学的にも安定である。 以上述べてきたように、本発明によつて、正帯
電使用に好適な感光体の提供が可能となる。これ
により正帯電使用の特有の特徴が発揮でき、従来
技術の項で述べた負帯電使用に伴う問題を解決す
ることができる。即ち、オゾン発生量を低く抑え
環境条件を良好なものとすることができ、これに
伴い放電電極の汚れによる放電ムラ等種々の問題
を回避でき、また、製造容易な負極性トナーを使
用できる。更に、機能分離型であることから、高
感度、高耐久性であつて、構成材料の選択も容易
となる。 本発明に使われる無金属フタロシアニンは、従
来の無金属フタロシアニン(例えば、第12図に
示したτ型無金属フタロシアニン)に無い特徴的
なX線回折スペクトルを有する。即ち、ブラツク
角度28.8度に特徴なピークを有することである。
例えば、本発明に使われる無金属フタロシアニン
が示すX線回折スペクトルの例として、第3図に
示すようなものが挙げられる。 また、本発明に使われる無金属フタロシアニン
は、第4図に示すように、700〜760cm-1にピーク
を有する赤外線吸収スペクトルを有し、700〜760
cm-1の吸収帯には4本のピークがあり、そのうち
720±2cm-1が最も強いことが特徴である。 また、第3図の無金属フタロシアニンの可視、
近赤外線吸収スペクトルは第5図に実線で示すよ
うに、770nm以上790nm未満に吸収極大があるこ
とが望ましく、破線で示すτ型無金属フタロシア
ニンが790〜820nmに吸収極大を持ち、多くは約
810nmに吸収極大を持つものと異なる。 本発明における上記無金属フタロシアニンを製
造するには、α型無金属フタロシアニンを結晶転
移するに十分な時間攪拌するか、あるいは機械的
歪力(例えば混練)をもつてミリングすることに
より第1図の無金属フタロシアニンを得、ついで
この無金属フタロシアニンをテトラハイドロフラ
ン等の非極性溶剤による分散処理等の溶剤処理を
することにより第3図の無金属フタロシアニンが
得られる。攪拌、あるいは混練をもつてミリング
するには、通常顔料の分散や乳化、混合等に用い
られている分散メデイア、例えばガラスビーズ、
スチールビーズ、アルミナボール、フリント石等
が用いられる。しかし、分散メデイアは必ずしも
必要とするものでない。磨砕助剤も用いられ、こ
の磨砕助剤としては通常顔料用に使用されている
ものが用いられてもよく、例えば食塩、重炭酸ソ
ーダ、ぼう硝等が挙げられる。しかし、この磨砕
助剤も必ずしも必要としない。 第1図に示す無金属フタロシアニンは、Cu
Kα(1.541Å)のX線に対するブラツク角度(但
し、誤差は2θ±0.2度)7.5度,9.1度,16.7度,
17.3度,22.3度にピークを有し、また、その赤外
線回折スペクトルは、第2図のように746cm-1,
700〜750cm-1の間に3つのピーク、1318cm-1,
1330cm-1の強度の等しいピークがある。 攪拌、混練、磨砕時に溶媒を必要とする場合に
はこれらが行われているときの温度において液状
のものがよく、このようなものには、例えばアル
コール系溶媒、即ちグリセリン、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール若しくはポリエチレ
ングリコール系溶剤、エチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノエチルエ
ーテル等のセロソルブ系溶剤、ケトン系溶剤、エ
ステルケトン系溶剤等の群から選ばれた1種類以
上の溶剤を選択することが好ましい。 上記結晶転移工程において使用される装置とし
て代表的なものを挙げると、一般的な攪拌装置、
例えばホモミキサー、デイスパーザー、アジタ
ー、スターラー、あるいはニーダ、バンバリーミ
キサー、ボールミル、サンドミル、アトライター
等がある。 上記のようにして製造される本発明の無金属フ
タロシアニンの性質の優れた点は、その製造法が
必ずしも磨砕助剤を必要とせず、そのためその除
去も必要がないようにでき、また温度コントロー
ルも厳密なものでなくても良く、例えば室温でも
よい等容易であることであり、この点はτ型フタ
ロシアニンの製造法が磨砕助剤を必要とし、厳密
な温度コントロールを必要とするものとは異な
る。 また、本発明の無金属フタロシアニンは極めて
結晶形で安定であり、アセトン、テトラヒドロフ
ラン、トルエン、酢酸エチル、1,2−ジクロロ
エタン等の有機溶剤に浸漬したり、例えば200℃
の雰囲気下に50時間以上放置する等の耐熱試験を
行つたり、またミリング等の機械的歪力を加えて
も他の結晶形への転移が起こり難く、これは従来
のτ型よりは勿論優れている(この点は第3図の
フタロシアニンが特に良好である)。このことは、
本発明の無金属フタロシアニンの製造をその品質
のぶれを少なくして行えることを可能にし、上記
のこととともに更にその製造を容易にするととも
に、電子写真感光体に用いたときの繰り返し使用
のときの電位安定性等の特性を向上できる。 本発明に用いる上記無金属フタロシアニンは次
の構造式からなつており、その熱力学的状態で主
として第1図のものと第3図のものとに分けられ
る。 次に、本発明においてキヤリア輸送物質として
使用する前記一般式〔〕のスチリル化合物を例
示すると、例えば次の構造式を有するものを挙げ
ることができるが、むろんこれらに限定されるも
のではない。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
また、本発明においてキヤリア輸送物質として
使用する前記一般式〔〕のアミン誘導体を例示
すると、例えば次の構造式を有するものを挙げる
ことができるが、むろんこれらに限定されるもの
ではない。
使用する前記一般式〔〕のアミン誘導体を例示
すると、例えば次の構造式を有するものを挙げる
ことができるが、むろんこれらに限定されるもの
ではない。
【表】
【表】
【表】
【表】
本発明においては、前述した無金属フタロシア
ニンと共に、他のキヤリア発生物質の一種又は二
種以上を併用しても差し支えない。併用できるキ
ヤリア発生物質としては、例えばα型、β型、γ
型、τ型、τ′型、η型、η′型の無金属フタロシア
ニンが挙げられる。また、上記以外のフタロシア
ニン顔料、アゾ顔料、アントラキノン顔料、ペリ
レン顔料、多環キノン顔料、スクアリツク酸メチ
ン顔料等が挙げられる。 アゾ顔料としては、例えば以下のものが挙げら
れる。 (−5) A−N=N−Ar4−CH=CH−Ar5
−N=N−A (−6) A−N=N−Ar4−CH=CH−Ar5
−CH=CH−Ar6−N=N−A (−8) A−N=N−Ar4−N=N−Ar5−
N=N−A (−9) A−N=N−Ar4−N=N−Ar5−
N=N−Ar6−N=N−A 〔但し、上記各一般式中、 Ar4,Ar5及び
Ar6:それぞれ、置換若しくは未置換の炭素環式
芳香族環基、 R8,R9,R10及びR11:それぞれ、電子吸引性
基又は水素原子であつて、R8〜R11の少なくとも
1つはシアノ基等の電子吸引性基、 A:
ニンと共に、他のキヤリア発生物質の一種又は二
種以上を併用しても差し支えない。併用できるキ
ヤリア発生物質としては、例えばα型、β型、γ
型、τ型、τ′型、η型、η′型の無金属フタロシア
ニンが挙げられる。また、上記以外のフタロシア
ニン顔料、アゾ顔料、アントラキノン顔料、ペリ
レン顔料、多環キノン顔料、スクアリツク酸メチ
ン顔料等が挙げられる。 アゾ顔料としては、例えば以下のものが挙げら
れる。 (−5) A−N=N−Ar4−CH=CH−Ar5
−N=N−A (−6) A−N=N−Ar4−CH=CH−Ar5
−CH=CH−Ar6−N=N−A (−8) A−N=N−Ar4−N=N−Ar5−
N=N−A (−9) A−N=N−Ar4−N=N−Ar5−
N=N−Ar6−N=N−A 〔但し、上記各一般式中、 Ar4,Ar5及び
Ar6:それぞれ、置換若しくは未置換の炭素環式
芳香族環基、 R8,R9,R10及びR11:それぞれ、電子吸引性
基又は水素原子であつて、R8〜R11の少なくとも
1つはシアノ基等の電子吸引性基、 A:
【式】
【式】ま
たは
【式】
(Xは、ヒドロキシ基、
【式】又は−NHSO2−R15
<但し、R13及びR14はそれぞれ水素原子又は
置換若しくは未置換のアルキル基、R15は置換若
しくは未置換のアルキル基又は置換若しくは未置
換のアリール基>、 Yは、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは
未置換のアルキル基、アルコキシ基、カルボキシ
ル基、スルホ基、置換若しくは未置換のカルバモ
イル基又は置換若しくは未置換のスルフアモイル
基(但し、mが2以上のときは、互いに異なる基
であつてもよい。)、 Zは、置換若しくは未置換の炭素環式芳香族環
又は置換若しくは未置換の複素環式芳香族環を構
成するに必要な原子群、 R12は、水素原子、置換若しくは未置換のアミ
ノ基、置換若しくは未置換のカルバモイル基、カ
ルボキシル基又はそのエステル基、 Ar7は、置換若しくは未置換のアリール基、 nは、1又は2の整数、 mは、0〜4の整数である。)〕 また、次の一般式〔〕群の多環キノン顔料も
キヤリア発生物質として使用できる。 一般式〔〕: (但し、この一般式中、X′はハロゲン原子、
ニトロ基、シアノ基、アシル基又はカルボキシル
基を表わし、pは0〜4の整数、qは0〜6の整
数を表わす。) 本発明においては、前記「層」中において、前
記したスチリル化合物及び/又はアミン誘導体と
共に、次の一般式〔〕のピラゾリン化合物も使
用可能である。 一般式〔〕: 〔但し、この一般式中、 l:0又は1、 〔但し、この一般式中、 l:0又は1、 R16,R17及びR18:置換若しくは未置換のアリー
ル基、 R19及びR20:水素原子、炭素原子数1〜4のア
ルキル基、又は置換若しくは未置換のアリー
ル基若しくはアラルキル基(但し、R19及び
R20は共に水素原子であることはなく、lが
0のときはR19は水素原子ではない。)〕 また、キヤリア輸送物質として下記一般式
〔〕,〔〕のヒドラゾン化合物も併用可能であ
る。 (但し、この一般式中、 R21:メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチ
ル基又は2−クロルエチル基、 R22:メチル基、エチル基、ベンジル基又はフエ
ニル基、 R23:メチル基、エチル基、ベンジル基又はフエ
ニル基を示す。) 一般式〔〕: (但し、この一般式中、 R24は置換若しくは非置換のナフチル基; R25は置換若しくは非置換のアルキル基、アラ
ルキル基又はアリール基;R26は水素原子、アル
キル基又はアルコキシ基;R27及びR28は置換若
しくは非置換のアルキル基、アラルキル基又はア
リール基からなる互いに同一の若しくは異なる基
を示す。) なお、本発明において、キヤリア輸送物質とし
て、前記のスチリル化合物及び/又はアミン誘導
体と共に、側鎖に縮合芳香環又は複素環を有する
高分子有機半導体を使用すれば、この高分子有機
半導体が紫外光吸収によつて光キヤリアを生成す
る性質を有していて、光増感に効果的に寄与す
る。このため、放電曲線の裾切れが良くなり、特
に低電界領域での感度が向上する。この結果、導
電性又は絶縁性一成分現像プロセスにおいて、現
像段階でバイアス電圧を印加しなくてもカブリの
ない良好なコピー画像を得ることができる。一成
分現像プロセスにおいてバイアス電圧を印加する
と、いわゆるフリンジ現象によつて画像端部の鮮
明度が低下し、滲みを生じるが、上記高分子有機
半導体によつてそうした問題は少なくなる。ま
た、上記高分子有機半導体は紫外光領域の吸光度
が高くて大部分の紫外光を吸収し、紫外光に対し
て一種のフイルター効果を有するので、前記スチ
リル化合物又はアミン誘導体の劣化を防止する作
用があり、感光層の紫外光安定性、耐久性を向上
させることができる。 上記のような高分子有機半導体としては、例え
ば次に例示するものを挙げることができるが、む
ろんこれらに限定されるものではない。 上記した高分子有機半導体のうちポリ−N−ビ
ニルカルバゾール又はその誘導体が効果が大であ
り、好ましくは用いられる。かかるポリ−N−ビ
ニルカルバゾール誘導体とは、その繰り返し単位
における全部又は一部のカルバゾール環が種々の
置換基、例えばアルキル基、ニトロ基、アミノ
基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子によつて置換
されたものである。 また、積層構造を有する感光体において、キヤ
リア輸送層に用いるキヤリア輸送物質は、前述の
スチリル化合物又はアミン誘導体であつてよい
が、キヤリア発生層と異なり、必ずしもこれらを
主成分とするものに限られるわけではない。即
ち、スチリル化合物、アミン誘導体、オキサゾー
ル誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール
誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘
導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導
体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン
誘導体、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン誘導体、
オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、
ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、
ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フエナ
ジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ポリ−N
−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレ
ン、ポリ−9−ビニルアントラセン等から選ばれ
た一種又は二種以上であつてよい。 本発明に基づく感光体、例えば電子写真感光体
の構成は、種々の形態をとり得る。 第6図〜第9図に一般的な構成を例示する。第
6図の感光体は、積層構造のものであつて、導電
性支持体1上に、キヤリア輸送物質がバインダー
物質中に分散されたキヤリア輸送層3を設け、こ
の層3の上に、前述の無金属フタロシアニンと、
前述のスチリル化合物及び/又はアミン誘導体と
をバインダー物質中に主成分として含有するキヤ
リア発生層2を形成して、感光層4を構成してあ
る。第8図の感光体は、単層構造のものであつ
て、導電性支持体1上に、上記の無金属フタロシ
アニンと、上記のスチリル化合物及び/又はアミ
ン誘導体とをバインダー物質中に主成分として含
有する層6を形成して、単層型の感光層4とした
ものである。 第7図、第9図の感光体は、それぞれ第6図、
第8図の層構成において、感光層4と導電性支持
体1との間に中間層5を設け、導電性支持体1の
フリーエレクトロンの注入を効果的に防止するよ
うにしたものである。中間層5としては、上記の
バインダー樹脂として説明したような高分子重合
体、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース等の有機高分子物質
又は酸化アルミニウム等より成るものが用いられ
る。 第6図〜第9図において、耐刷性向上等のため
に更に表面に保護層(膜)を形成してよく、例え
ば合成樹脂被膜をコーテイングしてよい。 上記構成の感光層を形成する場合におけるキヤ
リア発生層2又は層6は、次の如き方法によつて
設けることができる。 (イ) キヤリア発生物質を適当な溶剤に溶解した溶
液あるいはこれにバインダーを加えて混合溶解
した溶液を塗布する方法。 (ロ) キヤリア発生物質をボールミル、ホモミキサ
ー等によつて分散媒中で微細粒子とし、必要に
応じてバインダー加えて混合分散して得られる
分散液を塗布する方法。 これらの方法において超音波の作用下に粒子を
分散させると、均一分散が可能になる。 キヤリア発生層2又は層6の形成に使用される
溶剤あるいは分散媒としては、n−ブチルアミ
ン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプ
ロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリ
エチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロ
ホルム、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタ
ン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド等を挙げ
ることができる。 感光層の形成にバインダーを用いる場合に、こ
のバインダーとしては任意のものを用いることが
できるが、特に疎水性でかつ誘電率が高い電気絶
縁性のフイルム形成能を有する高分子重合体が好
ましい。こうした重合体としては、例えば次のも
のを挙げることができるが、勿論これらに限定さ
れるものではない。 a ポリカーボネート b ポリエステル c メタクリル樹脂 d アクリル樹脂 e ポリ塩化ビニル f ポリ塩化ビニリデン g ポリスチレン h ポリビニルアセテート i スチレン−ブタジエン共重合体 j 塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体 k 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 l 塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共
重合体 m シリコン樹脂 n シリコン−アルキツド樹脂 o フエノール−ホルムアルデヒド樹脂 p スチレン−アルキツド樹脂 q ポリ−N−ビニルカルバゾール r ポリビニルブチラール これらのバインダーは、単独あるいは2種以上
の混合物として用いることができる。 本発明に基づく感光体を構成する「層」(第6
図、第7図のキヤリア発生層2及び第8図、第9
図の単相構造の感光層6のいずれをも含む)にお
いては、キヤリア発生物質をバインダー物質に対
し、キヤリア発生物質/バインダー物質=5〜
150%(即ち、バインダー物質100重量部に対し5
〜150重量部、望ましくは10〜100重量部)と特定
の範囲で含有せしめれば、残留電位及び受容電位
低下の少ない正帯電用感光体を提供できる。上記
範囲を外れて、キヤリア発生物質が少ないと光感
度が悪くて残留電位が増え、また多いと受容電位
の低下が多くなり、メモリーも増え易い。また、
上記「層」中のキヤリア輸送物質の含有量も重要
であり、キヤリア輸送物質/バインダー物質=20
〜200%(即ち、バインダー物質100重量部に対し
20〜200重量部、望ましくは50〜120重量部)とす
るのがよく、この範囲によつて残留電位が少なく
かつ光感度が良好となり、キヤリア輸送物質の溶
媒溶解性も良好に保持される。この範囲を外れ
て、キヤリア輸送物質が少ないと残留電位や光感
度が劣化し易く、画像不良、白斑点、ボケ等が生
じ易く、また多いと溶媒溶解性が悪くなり易く、
膜強度が小となる傾向がある。このキヤリア輸送
物質の含有量範囲は、第6図、第7図のキヤリア
輸送層3でも同様であつてよい。 また、上記「層」における上記キヤリア発生物
質と上記キヤリア輸送物質との割合は、両物質の
それぞれの機能を有効に発揮させる上で、キヤリ
ア発生物質:キヤリア輸送物質は重量比で(1:
0.2)〜(1:10)とするのが望ましく、(1:
0.5)〜(1:7)が更によい。 この範囲よりキヤリア発生物質の割合が小さい
と感度不足となり、またその割合が大きいとキヤ
リア輸送能が低下するためやはり感度不足とな
る。 上記「層」がキヤリア発生層である場合、キヤ
リア発生層2の厚さは0.6〜10μmであることが好
ましく、1〜8μmであれば更に好ましい。この厚
さが0.6μm未満の場合には、繰り返し使用時にキ
ヤリア発生層表面が現像及びクリーニング等の使
用態様により機械的ダメージを受け、層の一部が
削れたり、画像上には黒スジとなつて表われてし
まうことがある。また、0.6μm未満では却つて感
度不足となり易い。但し、キヤリア発生層の膜厚
が10μmを越えると、熱励起キヤリアの発生数が
増加し、環境温度の上昇に伴ない、受容電位が低
下し、メモリー現象が増え、画像上の濃度低下が
生じ易い。 更に、キヤリア発生物質の吸収端より長波長の
光を照射した場合には、光キヤリアは電荷発生層
中の最下部近くでも発生する。この場合には、電
子は層中を表面まで移動しなければならず、一般
に十分な輸送能は得がたくなる傾向がある。従つ
て、繰り返し使用時には残留電位の上昇が起こり
易くなる。 また、上記「層」が単層構造の感光層である場
合、感光層の厚さは10〜50μmであることが好ま
しく、15〜30μmであれば更に好ましい。この膜
厚が15μm未満の場合は、薄いために帯電電位が
小さくなり、耐刷性にも劣る。また、感光層2の
厚さが50μmを越えると却つて残留電位は上昇す
る上に、上記したキヤリア発生層が厚すぎる場合
と同様の現象が発生して、十分な輸送能が得がた
くなる傾向が現われ、このため繰り返し使用時に
は残留電位の上昇が起り易くなる。また、第6
図、第7図のキヤリア輸送層3の厚みは5〜
50μm、好ましくは5〜30μmであるのがよい。こ
の厚さが5μm未満では薄いために帯電電位が小と
なり、また50μmを越えると却つて残留電位が大
きくなり易い。 また、キヤリア発生層とキヤリア輸送層の膜厚
比は、1:(1〜30)であるのが望ましい。 上記キヤリア発生物質を分散せしめて感光層を
形成する場合においては、当該キヤリア発生物質
は5μm以下0.1μm以上、好ましくは2μm以下
0.2μm以上の平均粒径の粉粒体とされるのが好ま
しい。即ち、粒径があまり大きいと層中への分散
が悪くなると共に、粒子が表面に一部突出して表
面の平滑性が悪くなり、場合によつては粒子の突
出部分で放電が生じたり、或いはそこにトナー粒
子が付着してトナーフイルミング現象が生じ易
い。 キヤリア発生物質として長波長光(〜700nm)
に対して感度を有するものは、キヤリア発生物質
の中での熱励起キヤリアの発生により表面電荷が
中和され、キヤリア発生物質の粒径が大きいとこ
の中和効果が大きいと思われる。従つて、粒径を
微小化することによつてはじめて高抵抗化、高感
度化が達成できる。但し、上記粒径があまり小さ
いと却つて凝集し易く、層の抵抗が上昇したり、
結晶欠陥が増えて感度及び繰返し特性が低下した
り、帯電能も小さくなる。また、微細化する上で
限界があるから、平均粒径の下限を0.01μmとす
るのが望ましい。 更に、上記感光層には感度の向上、残留電位乃
至反復使用時の疲労低減等を目的として、一種又
は二種以上の電子受容性物質を含有せしめること
ができる。ここに用いることのできる電子受容性
物質としては、例えば無水コハク酸、無水マレイ
ン酸、ジブロム無水コハク酸、無水フタル酸、テ
トラクロル無水フタル酸、テトラブロム無水フタ
ル酸、3−ニトロ無水フタル酸、4−ニトロ無水
フタル酸、無水ピロメリツト酸、無水メリツト
酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジ
メタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベ
ンゼン、1,3,5−トリニトロベンゼン、パラ
ニトロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、キ
ノンクロルイミド、クロラニル、ブルマニル、ジ
クロロジシアノパラベンゾキノン、アントラキノ
ン、ジニトロアントラキノン、9−フルオレニリ
デン〔ジシアノメチレンマロノジニトリル〕、ポ
リニトロ−9−フルオレニリデン−〔ジシアノメ
チレンマロノジニトリル〕、ピクリン酸、o−ニ
トロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、3,5−ジ
ニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、5−
ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリチル
酸、フタル酸、メリツト酸、その他の電子親和力
の大きい化合物を挙げることができる。 また、電子受容性物質の添加割合は、重量比で
キヤリア発生物質:電子受容性物質=100:0.01
〜200、好ましくは100:0.1〜100である。 なお、上述した感光層を設けるべき支持体1は
金属板、金属ドラム又は導電性ポリマー、酸化イ
ンジウム等の導電性化合物若しくはアルミニウ
ム、パラジウム、金等の金属より成る導電性薄層
を、塗布、蒸着、ラミネート等の手段により、
紙、プラスチツクフイルム等の基体に設けて成る
ものが用いられる。接着層或いはバイヤー層等と
して機能する中間層としては、上記のバインダー
樹脂として説明したような高分子重合体、ポリビ
ニルアルコール、エチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース等の有機高分子物質または酸化
アルミニウム等より成るものが用いられる。 本発明の感光体の大きな特長は、本発明におい
て用いる無金属フタロシアニンの感光波長域の極
大値が770nm以上、790nm未満に存在すると、半
導体レーザー用感光体として最適であること、こ
の無金属フタロシアニンは上記したように極めて
結晶形が安定であり、他の結晶形への転移は起り
難いことである。このことは前記した本発明に使
用する無金属フタロシアニン自体の製造、性質の
みならず、電子写真用感光体を製造するときや、
その使用時にも大きな長所となるものである。 本発明の他の大きな特長は、上記無金属フタロ
シアニンを含有する層中に、上記無金属フタロシ
アニンと適合性のある特定の電荷輸送物質とし
て、スチリル化合物又はアミン誘導体を含有させ
たことであり、これにより特に正帯電使用に好適
な感光体の提供が可能となつたのである。 ホ 実施例 以下、本発明を具体的な実施例について、比較
例を参照しながら詳細に説明する。 まず、第1図〜第2図に示す特性をもつ無金属
フタロシアニン化合物A、第3図〜第5図に示す
特性をもつ無金属フタロシアニン化合物Bの合成
例及びτ型無金属フタロシアニン化合物の合成例
を示す。 <合成例 1> リチウムフタロシアニン50gを0℃において十
分攪拌した600mlの濃硫酸に加えた。次いで、そ
の混合物はこの温度において2時間攪拌された。
次いで、できた溶液は粗い焼結されたガラス漏斗
を通して濾過されて、4リツトルの氷と水の中へ
攪拌しながら徐々に注入された。数時間放置した
後に、その混合物は濾過され、得られた塊は中性
になるまで水で洗浄された。次いで、その塊は最
終的にメタノールで数回洗浄され、かつ空気中で
乾燥させられた。この乾燥された粉末は24時間連
続抽出装置中でアセトンによつて抽出され、かつ
空気中で乾燥させられて青い粉末となつた。 上記において、リチウムに対して塩の残渣を保
証するために析出は反復された。このようにして
30.5gの青い粉末が得られた。この得られたもの
は、そのX線回折図形が、すでに出版されている
資料に記載されているα型フタロシアニン化合物
のX線回折図形と一致していた。 このようにして得られた、金属を含まないα型
フタロシアニン化合物30gを直径13/16インチの
ボールで半分満たされた内容積900mlの磁製ボー
ルミル中に仕込み、約80rpmで164時間ミリング
して無金属フタロシアニン化合物Aを得た。この
化合物は第1図に示すX線回折スペクトルを示し
た。 <合成例 2> 合成例1の無金属フタロシアニン化合物Aとテ
トラヒドロフラン、1,2−ジクロロエタン等の
有機溶剤200mlをボールミル中に加え、24時間再
度ミリングした。このミリングした後の分散液に
ついて有機溶剤の除去及び乾燥を行い、無金属フ
タロシアニン化合物B28.2gを得た。この化合物
は第3図に示すX線回折スペクトルを示した。 <合成例 3> α型無金属フタロシアニン化合物(ICI製モノ
ライトフアーストブルGS)を、加熱したジメチ
ルホルムアルデヒドにより3回抽出して精製し
た。この操作により精製物はβ型に転移した。次
に、このβ型無金属フタロシアニン化合物の一部
分を濃硫酸に溶解し、この溶液を氷水中に注いで
再沈澱させることにより、α型に転移させた。こ
の再沈澱物をアンモニア水、メタノール等で洗浄
後10℃で乾燥した。次に、上記により精製したα
型無金属フタロシアニン化合物を磨砕助剤及び分
散剤とともにサンドミルに入れ、温度100±20℃
で15〜25時間混練した。この操作により結晶形が
τ型に転移したのを確認後、容器より取り出し、
水及びメタノール等で磨砕助剤及び分散剤を十分
除去した後、乾燥して、鮮明な青味を帯びたτ型
無金属フタロシアニンの青色結晶を得た。このフ
タロシアニンは第12図のX線回折スペクトルを
示した。 実施例1〜11、比較例1,2 アルミニウム箔をラミネートしたポリエステル
フイルムより成る導電性支持体上に、塩化ビニル
−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体「エスレ
ツクMF−10」(積水化学社製)より成る厚さ
0.05μmの中間層を形成した。次いで、第10図
に示したキヤリア輸送物質とバインダー樹脂(ポ
リカーボネート:パンライトL−1250)とを1,
2−ジクロロエタン67mlに溶かした溶液を前記中
間層上に塗布してキヤリア輸送層を形成した。次
いで第10図に示した平均粒径1μmの各キヤリア
発生物質及び各キヤリア輸送物質とバインダー樹
脂とを1,2−ジクロロエタン67mlに加えてボー
ルミルで12時間分散せしめ得られる分散液を、前
記キヤリア輸送層上に塗布乾燥してキヤリア発生
層を形成し、各電子写真感光体を作製した。 こうして得られた電子写真感光体を静電試験機
「EPA−8100型」(川口電機製作所製)に装着し、
以下の特性試験を行つた。即ち、帯電器に+6kV
の電圧を印加して5秒間コロナ放電により感光層
を帯電せしめた後5秒間の間放置し、次いで、感
光層表面に分光器により分光された780nmの光を
照射して、感光層の表面電位を1/2に減衰せしめ
るのに必要な露光量、即ち半減露光量E1/2を求
めた。また、上記コロナ放電による帯電時の受容
電位VA及び10lux・sec露光後の残留電位VRにつ
いての値を測定した。 また、実施例に示したものと同様の感光体層を
Alドラム上に形成し、レーザービームプリンタ
ーLP−3010(小西六写真工業(株)製)改造機(半導
体レーザー光源使用)に搭載し、画像評価を実施
した(但し、CDは画像濃度、Rは解像度であ
る)。 ◎:濃度が十分に高く、解像力も非常に良好。 (CD≧1.2,R≧6.0) ○:濃度、解像力共良好。 (1.2>CD≧0.7,6.0>R≧4.0) ×:濃度が低く、解像力も十分でない。且つ又、
カブリや白又は黒斑点が表われる。 なお、CDはサクラ濃度計(Model PDA−
65:小西六写真工業製)にて測定し、Rはサクラ
濃度計(Model PDM−5:小西六写真工業製)
にて測定した。CD及びR共、白紙の濃度を0.0と
し、反射濃度を測定して評価を行つた。 但し、Rについての測定法は具体的には次の通
りであつた。即ち、スリツト500μ×20μのマイク
ロデンシトメーターで解像力チヤートを測定す
る。解像力チヤートの判定基準は、下記の式が30
%以上のレスポンスを有する解像力チヤートから
判定する。コピー画像の画像部濃度をDcdpy nax、非
画像部の濃度をDcopy nio、オリジナル原稿の画像部
濃度をDorig nax、非画像部の濃度をDorig nioとすると、 Dcopy/nax−Dcopy/nio/Dcopy/nax+Dcopy/nio/Do
rig/nax−Dorig/nio/Dorig/nax+Dorig/nio≧30(
%) この結果によれば、本発明に基づく実施例1〜
11の試料はいずれも、比較例1,2に比べてかな
り良好な電子写真特性を示すことが分る。 特に、CGMとして本発明の無金属フタロシア
ニン化合物Bを使用すること、及びキヤリア発生
層にCTMとしてスチリル化合物を添加すること
は、共に感光体の特性を大きく左右し、高帯電電
位及びその安定性を良くし、光感度も大きく向上
させる等の正帯電用感光体としての顕著な結果を
得ることができる。また、半導体レーザー使用の
テストでも、高濃度、高解像力が得られ、長波長
感度が向上することが明らかとなつた。 実施例12〜22、比較例3,4 実施例1においてそれぞれ、使用したスチリル
化合物及びキヤリア発生物質をアミン誘導体及び
無金属フタロシアニン化合物Bに変えた以外は同
様にして、各電子写真感光体を作製し、同様の試
験を行つたところ、第11図に示す結果が得られ
た。 この結果から、本発明に基づく実施例12〜22の
試料はいずれも良好な結果を示すが、キヤリア発
生層にキヤリア輸送物質を添加しない比較例3の
もの、あるいはアミン誘導体を使用していない比
較例4のものは、いずれも特性不十分であること
が理解される。
置換若しくは未置換のアルキル基、R15は置換若
しくは未置換のアルキル基又は置換若しくは未置
換のアリール基>、 Yは、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは
未置換のアルキル基、アルコキシ基、カルボキシ
ル基、スルホ基、置換若しくは未置換のカルバモ
イル基又は置換若しくは未置換のスルフアモイル
基(但し、mが2以上のときは、互いに異なる基
であつてもよい。)、 Zは、置換若しくは未置換の炭素環式芳香族環
又は置換若しくは未置換の複素環式芳香族環を構
成するに必要な原子群、 R12は、水素原子、置換若しくは未置換のアミ
ノ基、置換若しくは未置換のカルバモイル基、カ
ルボキシル基又はそのエステル基、 Ar7は、置換若しくは未置換のアリール基、 nは、1又は2の整数、 mは、0〜4の整数である。)〕 また、次の一般式〔〕群の多環キノン顔料も
キヤリア発生物質として使用できる。 一般式〔〕: (但し、この一般式中、X′はハロゲン原子、
ニトロ基、シアノ基、アシル基又はカルボキシル
基を表わし、pは0〜4の整数、qは0〜6の整
数を表わす。) 本発明においては、前記「層」中において、前
記したスチリル化合物及び/又はアミン誘導体と
共に、次の一般式〔〕のピラゾリン化合物も使
用可能である。 一般式〔〕: 〔但し、この一般式中、 l:0又は1、 〔但し、この一般式中、 l:0又は1、 R16,R17及びR18:置換若しくは未置換のアリー
ル基、 R19及びR20:水素原子、炭素原子数1〜4のア
ルキル基、又は置換若しくは未置換のアリー
ル基若しくはアラルキル基(但し、R19及び
R20は共に水素原子であることはなく、lが
0のときはR19は水素原子ではない。)〕 また、キヤリア輸送物質として下記一般式
〔〕,〔〕のヒドラゾン化合物も併用可能であ
る。 (但し、この一般式中、 R21:メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチ
ル基又は2−クロルエチル基、 R22:メチル基、エチル基、ベンジル基又はフエ
ニル基、 R23:メチル基、エチル基、ベンジル基又はフエ
ニル基を示す。) 一般式〔〕: (但し、この一般式中、 R24は置換若しくは非置換のナフチル基; R25は置換若しくは非置換のアルキル基、アラ
ルキル基又はアリール基;R26は水素原子、アル
キル基又はアルコキシ基;R27及びR28は置換若
しくは非置換のアルキル基、アラルキル基又はア
リール基からなる互いに同一の若しくは異なる基
を示す。) なお、本発明において、キヤリア輸送物質とし
て、前記のスチリル化合物及び/又はアミン誘導
体と共に、側鎖に縮合芳香環又は複素環を有する
高分子有機半導体を使用すれば、この高分子有機
半導体が紫外光吸収によつて光キヤリアを生成す
る性質を有していて、光増感に効果的に寄与す
る。このため、放電曲線の裾切れが良くなり、特
に低電界領域での感度が向上する。この結果、導
電性又は絶縁性一成分現像プロセスにおいて、現
像段階でバイアス電圧を印加しなくてもカブリの
ない良好なコピー画像を得ることができる。一成
分現像プロセスにおいてバイアス電圧を印加する
と、いわゆるフリンジ現象によつて画像端部の鮮
明度が低下し、滲みを生じるが、上記高分子有機
半導体によつてそうした問題は少なくなる。ま
た、上記高分子有機半導体は紫外光領域の吸光度
が高くて大部分の紫外光を吸収し、紫外光に対し
て一種のフイルター効果を有するので、前記スチ
リル化合物又はアミン誘導体の劣化を防止する作
用があり、感光層の紫外光安定性、耐久性を向上
させることができる。 上記のような高分子有機半導体としては、例え
ば次に例示するものを挙げることができるが、む
ろんこれらに限定されるものではない。 上記した高分子有機半導体のうちポリ−N−ビ
ニルカルバゾール又はその誘導体が効果が大であ
り、好ましくは用いられる。かかるポリ−N−ビ
ニルカルバゾール誘導体とは、その繰り返し単位
における全部又は一部のカルバゾール環が種々の
置換基、例えばアルキル基、ニトロ基、アミノ
基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子によつて置換
されたものである。 また、積層構造を有する感光体において、キヤ
リア輸送層に用いるキヤリア輸送物質は、前述の
スチリル化合物又はアミン誘導体であつてよい
が、キヤリア発生層と異なり、必ずしもこれらを
主成分とするものに限られるわけではない。即
ち、スチリル化合物、アミン誘導体、オキサゾー
ル誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール
誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘
導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導
体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン
誘導体、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン誘導体、
オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、
ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、
ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フエナ
ジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ポリ−N
−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレ
ン、ポリ−9−ビニルアントラセン等から選ばれ
た一種又は二種以上であつてよい。 本発明に基づく感光体、例えば電子写真感光体
の構成は、種々の形態をとり得る。 第6図〜第9図に一般的な構成を例示する。第
6図の感光体は、積層構造のものであつて、導電
性支持体1上に、キヤリア輸送物質がバインダー
物質中に分散されたキヤリア輸送層3を設け、こ
の層3の上に、前述の無金属フタロシアニンと、
前述のスチリル化合物及び/又はアミン誘導体と
をバインダー物質中に主成分として含有するキヤ
リア発生層2を形成して、感光層4を構成してあ
る。第8図の感光体は、単層構造のものであつ
て、導電性支持体1上に、上記の無金属フタロシ
アニンと、上記のスチリル化合物及び/又はアミ
ン誘導体とをバインダー物質中に主成分として含
有する層6を形成して、単層型の感光層4とした
ものである。 第7図、第9図の感光体は、それぞれ第6図、
第8図の層構成において、感光層4と導電性支持
体1との間に中間層5を設け、導電性支持体1の
フリーエレクトロンの注入を効果的に防止するよ
うにしたものである。中間層5としては、上記の
バインダー樹脂として説明したような高分子重合
体、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース等の有機高分子物質
又は酸化アルミニウム等より成るものが用いられ
る。 第6図〜第9図において、耐刷性向上等のため
に更に表面に保護層(膜)を形成してよく、例え
ば合成樹脂被膜をコーテイングしてよい。 上記構成の感光層を形成する場合におけるキヤ
リア発生層2又は層6は、次の如き方法によつて
設けることができる。 (イ) キヤリア発生物質を適当な溶剤に溶解した溶
液あるいはこれにバインダーを加えて混合溶解
した溶液を塗布する方法。 (ロ) キヤリア発生物質をボールミル、ホモミキサ
ー等によつて分散媒中で微細粒子とし、必要に
応じてバインダー加えて混合分散して得られる
分散液を塗布する方法。 これらの方法において超音波の作用下に粒子を
分散させると、均一分散が可能になる。 キヤリア発生層2又は層6の形成に使用される
溶剤あるいは分散媒としては、n−ブチルアミ
ン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプ
ロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリ
エチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロ
ホルム、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタ
ン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド等を挙げ
ることができる。 感光層の形成にバインダーを用いる場合に、こ
のバインダーとしては任意のものを用いることが
できるが、特に疎水性でかつ誘電率が高い電気絶
縁性のフイルム形成能を有する高分子重合体が好
ましい。こうした重合体としては、例えば次のも
のを挙げることができるが、勿論これらに限定さ
れるものではない。 a ポリカーボネート b ポリエステル c メタクリル樹脂 d アクリル樹脂 e ポリ塩化ビニル f ポリ塩化ビニリデン g ポリスチレン h ポリビニルアセテート i スチレン−ブタジエン共重合体 j 塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体 k 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 l 塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共
重合体 m シリコン樹脂 n シリコン−アルキツド樹脂 o フエノール−ホルムアルデヒド樹脂 p スチレン−アルキツド樹脂 q ポリ−N−ビニルカルバゾール r ポリビニルブチラール これらのバインダーは、単独あるいは2種以上
の混合物として用いることができる。 本発明に基づく感光体を構成する「層」(第6
図、第7図のキヤリア発生層2及び第8図、第9
図の単相構造の感光層6のいずれをも含む)にお
いては、キヤリア発生物質をバインダー物質に対
し、キヤリア発生物質/バインダー物質=5〜
150%(即ち、バインダー物質100重量部に対し5
〜150重量部、望ましくは10〜100重量部)と特定
の範囲で含有せしめれば、残留電位及び受容電位
低下の少ない正帯電用感光体を提供できる。上記
範囲を外れて、キヤリア発生物質が少ないと光感
度が悪くて残留電位が増え、また多いと受容電位
の低下が多くなり、メモリーも増え易い。また、
上記「層」中のキヤリア輸送物質の含有量も重要
であり、キヤリア輸送物質/バインダー物質=20
〜200%(即ち、バインダー物質100重量部に対し
20〜200重量部、望ましくは50〜120重量部)とす
るのがよく、この範囲によつて残留電位が少なく
かつ光感度が良好となり、キヤリア輸送物質の溶
媒溶解性も良好に保持される。この範囲を外れ
て、キヤリア輸送物質が少ないと残留電位や光感
度が劣化し易く、画像不良、白斑点、ボケ等が生
じ易く、また多いと溶媒溶解性が悪くなり易く、
膜強度が小となる傾向がある。このキヤリア輸送
物質の含有量範囲は、第6図、第7図のキヤリア
輸送層3でも同様であつてよい。 また、上記「層」における上記キヤリア発生物
質と上記キヤリア輸送物質との割合は、両物質の
それぞれの機能を有効に発揮させる上で、キヤリ
ア発生物質:キヤリア輸送物質は重量比で(1:
0.2)〜(1:10)とするのが望ましく、(1:
0.5)〜(1:7)が更によい。 この範囲よりキヤリア発生物質の割合が小さい
と感度不足となり、またその割合が大きいとキヤ
リア輸送能が低下するためやはり感度不足とな
る。 上記「層」がキヤリア発生層である場合、キヤ
リア発生層2の厚さは0.6〜10μmであることが好
ましく、1〜8μmであれば更に好ましい。この厚
さが0.6μm未満の場合には、繰り返し使用時にキ
ヤリア発生層表面が現像及びクリーニング等の使
用態様により機械的ダメージを受け、層の一部が
削れたり、画像上には黒スジとなつて表われてし
まうことがある。また、0.6μm未満では却つて感
度不足となり易い。但し、キヤリア発生層の膜厚
が10μmを越えると、熱励起キヤリアの発生数が
増加し、環境温度の上昇に伴ない、受容電位が低
下し、メモリー現象が増え、画像上の濃度低下が
生じ易い。 更に、キヤリア発生物質の吸収端より長波長の
光を照射した場合には、光キヤリアは電荷発生層
中の最下部近くでも発生する。この場合には、電
子は層中を表面まで移動しなければならず、一般
に十分な輸送能は得がたくなる傾向がある。従つ
て、繰り返し使用時には残留電位の上昇が起こり
易くなる。 また、上記「層」が単層構造の感光層である場
合、感光層の厚さは10〜50μmであることが好ま
しく、15〜30μmであれば更に好ましい。この膜
厚が15μm未満の場合は、薄いために帯電電位が
小さくなり、耐刷性にも劣る。また、感光層2の
厚さが50μmを越えると却つて残留電位は上昇す
る上に、上記したキヤリア発生層が厚すぎる場合
と同様の現象が発生して、十分な輸送能が得がた
くなる傾向が現われ、このため繰り返し使用時に
は残留電位の上昇が起り易くなる。また、第6
図、第7図のキヤリア輸送層3の厚みは5〜
50μm、好ましくは5〜30μmであるのがよい。こ
の厚さが5μm未満では薄いために帯電電位が小と
なり、また50μmを越えると却つて残留電位が大
きくなり易い。 また、キヤリア発生層とキヤリア輸送層の膜厚
比は、1:(1〜30)であるのが望ましい。 上記キヤリア発生物質を分散せしめて感光層を
形成する場合においては、当該キヤリア発生物質
は5μm以下0.1μm以上、好ましくは2μm以下
0.2μm以上の平均粒径の粉粒体とされるのが好ま
しい。即ち、粒径があまり大きいと層中への分散
が悪くなると共に、粒子が表面に一部突出して表
面の平滑性が悪くなり、場合によつては粒子の突
出部分で放電が生じたり、或いはそこにトナー粒
子が付着してトナーフイルミング現象が生じ易
い。 キヤリア発生物質として長波長光(〜700nm)
に対して感度を有するものは、キヤリア発生物質
の中での熱励起キヤリアの発生により表面電荷が
中和され、キヤリア発生物質の粒径が大きいとこ
の中和効果が大きいと思われる。従つて、粒径を
微小化することによつてはじめて高抵抗化、高感
度化が達成できる。但し、上記粒径があまり小さ
いと却つて凝集し易く、層の抵抗が上昇したり、
結晶欠陥が増えて感度及び繰返し特性が低下した
り、帯電能も小さくなる。また、微細化する上で
限界があるから、平均粒径の下限を0.01μmとす
るのが望ましい。 更に、上記感光層には感度の向上、残留電位乃
至反復使用時の疲労低減等を目的として、一種又
は二種以上の電子受容性物質を含有せしめること
ができる。ここに用いることのできる電子受容性
物質としては、例えば無水コハク酸、無水マレイ
ン酸、ジブロム無水コハク酸、無水フタル酸、テ
トラクロル無水フタル酸、テトラブロム無水フタ
ル酸、3−ニトロ無水フタル酸、4−ニトロ無水
フタル酸、無水ピロメリツト酸、無水メリツト
酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジ
メタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベ
ンゼン、1,3,5−トリニトロベンゼン、パラ
ニトロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、キ
ノンクロルイミド、クロラニル、ブルマニル、ジ
クロロジシアノパラベンゾキノン、アントラキノ
ン、ジニトロアントラキノン、9−フルオレニリ
デン〔ジシアノメチレンマロノジニトリル〕、ポ
リニトロ−9−フルオレニリデン−〔ジシアノメ
チレンマロノジニトリル〕、ピクリン酸、o−ニ
トロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、3,5−ジ
ニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、5−
ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリチル
酸、フタル酸、メリツト酸、その他の電子親和力
の大きい化合物を挙げることができる。 また、電子受容性物質の添加割合は、重量比で
キヤリア発生物質:電子受容性物質=100:0.01
〜200、好ましくは100:0.1〜100である。 なお、上述した感光層を設けるべき支持体1は
金属板、金属ドラム又は導電性ポリマー、酸化イ
ンジウム等の導電性化合物若しくはアルミニウ
ム、パラジウム、金等の金属より成る導電性薄層
を、塗布、蒸着、ラミネート等の手段により、
紙、プラスチツクフイルム等の基体に設けて成る
ものが用いられる。接着層或いはバイヤー層等と
して機能する中間層としては、上記のバインダー
樹脂として説明したような高分子重合体、ポリビ
ニルアルコール、エチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース等の有機高分子物質または酸化
アルミニウム等より成るものが用いられる。 本発明の感光体の大きな特長は、本発明におい
て用いる無金属フタロシアニンの感光波長域の極
大値が770nm以上、790nm未満に存在すると、半
導体レーザー用感光体として最適であること、こ
の無金属フタロシアニンは上記したように極めて
結晶形が安定であり、他の結晶形への転移は起り
難いことである。このことは前記した本発明に使
用する無金属フタロシアニン自体の製造、性質の
みならず、電子写真用感光体を製造するときや、
その使用時にも大きな長所となるものである。 本発明の他の大きな特長は、上記無金属フタロ
シアニンを含有する層中に、上記無金属フタロシ
アニンと適合性のある特定の電荷輸送物質とし
て、スチリル化合物又はアミン誘導体を含有させ
たことであり、これにより特に正帯電使用に好適
な感光体の提供が可能となつたのである。 ホ 実施例 以下、本発明を具体的な実施例について、比較
例を参照しながら詳細に説明する。 まず、第1図〜第2図に示す特性をもつ無金属
フタロシアニン化合物A、第3図〜第5図に示す
特性をもつ無金属フタロシアニン化合物Bの合成
例及びτ型無金属フタロシアニン化合物の合成例
を示す。 <合成例 1> リチウムフタロシアニン50gを0℃において十
分攪拌した600mlの濃硫酸に加えた。次いで、そ
の混合物はこの温度において2時間攪拌された。
次いで、できた溶液は粗い焼結されたガラス漏斗
を通して濾過されて、4リツトルの氷と水の中へ
攪拌しながら徐々に注入された。数時間放置した
後に、その混合物は濾過され、得られた塊は中性
になるまで水で洗浄された。次いで、その塊は最
終的にメタノールで数回洗浄され、かつ空気中で
乾燥させられた。この乾燥された粉末は24時間連
続抽出装置中でアセトンによつて抽出され、かつ
空気中で乾燥させられて青い粉末となつた。 上記において、リチウムに対して塩の残渣を保
証するために析出は反復された。このようにして
30.5gの青い粉末が得られた。この得られたもの
は、そのX線回折図形が、すでに出版されている
資料に記載されているα型フタロシアニン化合物
のX線回折図形と一致していた。 このようにして得られた、金属を含まないα型
フタロシアニン化合物30gを直径13/16インチの
ボールで半分満たされた内容積900mlの磁製ボー
ルミル中に仕込み、約80rpmで164時間ミリング
して無金属フタロシアニン化合物Aを得た。この
化合物は第1図に示すX線回折スペクトルを示し
た。 <合成例 2> 合成例1の無金属フタロシアニン化合物Aとテ
トラヒドロフラン、1,2−ジクロロエタン等の
有機溶剤200mlをボールミル中に加え、24時間再
度ミリングした。このミリングした後の分散液に
ついて有機溶剤の除去及び乾燥を行い、無金属フ
タロシアニン化合物B28.2gを得た。この化合物
は第3図に示すX線回折スペクトルを示した。 <合成例 3> α型無金属フタロシアニン化合物(ICI製モノ
ライトフアーストブルGS)を、加熱したジメチ
ルホルムアルデヒドにより3回抽出して精製し
た。この操作により精製物はβ型に転移した。次
に、このβ型無金属フタロシアニン化合物の一部
分を濃硫酸に溶解し、この溶液を氷水中に注いで
再沈澱させることにより、α型に転移させた。こ
の再沈澱物をアンモニア水、メタノール等で洗浄
後10℃で乾燥した。次に、上記により精製したα
型無金属フタロシアニン化合物を磨砕助剤及び分
散剤とともにサンドミルに入れ、温度100±20℃
で15〜25時間混練した。この操作により結晶形が
τ型に転移したのを確認後、容器より取り出し、
水及びメタノール等で磨砕助剤及び分散剤を十分
除去した後、乾燥して、鮮明な青味を帯びたτ型
無金属フタロシアニンの青色結晶を得た。このフ
タロシアニンは第12図のX線回折スペクトルを
示した。 実施例1〜11、比較例1,2 アルミニウム箔をラミネートしたポリエステル
フイルムより成る導電性支持体上に、塩化ビニル
−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体「エスレ
ツクMF−10」(積水化学社製)より成る厚さ
0.05μmの中間層を形成した。次いで、第10図
に示したキヤリア輸送物質とバインダー樹脂(ポ
リカーボネート:パンライトL−1250)とを1,
2−ジクロロエタン67mlに溶かした溶液を前記中
間層上に塗布してキヤリア輸送層を形成した。次
いで第10図に示した平均粒径1μmの各キヤリア
発生物質及び各キヤリア輸送物質とバインダー樹
脂とを1,2−ジクロロエタン67mlに加えてボー
ルミルで12時間分散せしめ得られる分散液を、前
記キヤリア輸送層上に塗布乾燥してキヤリア発生
層を形成し、各電子写真感光体を作製した。 こうして得られた電子写真感光体を静電試験機
「EPA−8100型」(川口電機製作所製)に装着し、
以下の特性試験を行つた。即ち、帯電器に+6kV
の電圧を印加して5秒間コロナ放電により感光層
を帯電せしめた後5秒間の間放置し、次いで、感
光層表面に分光器により分光された780nmの光を
照射して、感光層の表面電位を1/2に減衰せしめ
るのに必要な露光量、即ち半減露光量E1/2を求
めた。また、上記コロナ放電による帯電時の受容
電位VA及び10lux・sec露光後の残留電位VRにつ
いての値を測定した。 また、実施例に示したものと同様の感光体層を
Alドラム上に形成し、レーザービームプリンタ
ーLP−3010(小西六写真工業(株)製)改造機(半導
体レーザー光源使用)に搭載し、画像評価を実施
した(但し、CDは画像濃度、Rは解像度であ
る)。 ◎:濃度が十分に高く、解像力も非常に良好。 (CD≧1.2,R≧6.0) ○:濃度、解像力共良好。 (1.2>CD≧0.7,6.0>R≧4.0) ×:濃度が低く、解像力も十分でない。且つ又、
カブリや白又は黒斑点が表われる。 なお、CDはサクラ濃度計(Model PDA−
65:小西六写真工業製)にて測定し、Rはサクラ
濃度計(Model PDM−5:小西六写真工業製)
にて測定した。CD及びR共、白紙の濃度を0.0と
し、反射濃度を測定して評価を行つた。 但し、Rについての測定法は具体的には次の通
りであつた。即ち、スリツト500μ×20μのマイク
ロデンシトメーターで解像力チヤートを測定す
る。解像力チヤートの判定基準は、下記の式が30
%以上のレスポンスを有する解像力チヤートから
判定する。コピー画像の画像部濃度をDcdpy nax、非
画像部の濃度をDcopy nio、オリジナル原稿の画像部
濃度をDorig nax、非画像部の濃度をDorig nioとすると、 Dcopy/nax−Dcopy/nio/Dcopy/nax+Dcopy/nio/Do
rig/nax−Dorig/nio/Dorig/nax+Dorig/nio≧30(
%) この結果によれば、本発明に基づく実施例1〜
11の試料はいずれも、比較例1,2に比べてかな
り良好な電子写真特性を示すことが分る。 特に、CGMとして本発明の無金属フタロシア
ニン化合物Bを使用すること、及びキヤリア発生
層にCTMとしてスチリル化合物を添加すること
は、共に感光体の特性を大きく左右し、高帯電電
位及びその安定性を良くし、光感度も大きく向上
させる等の正帯電用感光体としての顕著な結果を
得ることができる。また、半導体レーザー使用の
テストでも、高濃度、高解像力が得られ、長波長
感度が向上することが明らかとなつた。 実施例12〜22、比較例3,4 実施例1においてそれぞれ、使用したスチリル
化合物及びキヤリア発生物質をアミン誘導体及び
無金属フタロシアニン化合物Bに変えた以外は同
様にして、各電子写真感光体を作製し、同様の試
験を行つたところ、第11図に示す結果が得られ
た。 この結果から、本発明に基づく実施例12〜22の
試料はいずれも良好な結果を示すが、キヤリア発
生層にキヤリア輸送物質を添加しない比較例3の
もの、あるいはアミン誘導体を使用していない比
較例4のものは、いずれも特性不十分であること
が理解される。
第1図〜第11図は本発明を説明するものであ
つて、第1図及び第3図は無金属フタロシアニン
の二例の各X線回折スペクトル図、第2図及び第
4図は無金属フタロシアニンの二例の各赤外線吸
収スペクトル図、第5図は無金属フタロシアニン
の近赤外スペクトル図、第6図、第7図はそれぞ
れ層分離型の感光体の部分断面図、第8図、第9
図はそれぞれ単層構造の感光体の部分断面図、第
10図、及び第11図は各電子写真感光体の特性
変化を比較して示す図である。第12図は従来の
τ型無金属フタロシアニンのX線回折スペクトル
図である。 なお、図面に示す符号において、1……導電性
支持体、2……キヤリア発生層、3……キヤリア
輸送層、4……感光層、5……中間層、6……
層、である。
つて、第1図及び第3図は無金属フタロシアニン
の二例の各X線回折スペクトル図、第2図及び第
4図は無金属フタロシアニンの二例の各赤外線吸
収スペクトル図、第5図は無金属フタロシアニン
の近赤外スペクトル図、第6図、第7図はそれぞ
れ層分離型の感光体の部分断面図、第8図、第9
図はそれぞれ単層構造の感光体の部分断面図、第
10図、及び第11図は各電子写真感光体の特性
変化を比較して示す図である。第12図は従来の
τ型無金属フタロシアニンのX線回折スペクトル
図である。 なお、図面に示す符号において、1……導電性
支持体、2……キヤリア発生層、3……キヤリア
輸送層、4……感光層、5……中間層、6……
層、である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 キヤリア輸送物質及びバインダー物質を含有
するキヤリア輸送層と、キヤリア発生物質及びバ
インダー物質を含有するキヤリア発生層とがこの
順に積層されている感光体において、 Cu Kα 1.541ÅのX線に対するブラツク角度2θ
(但し、誤差は2θ±0.2度)が7.7度,9.3度,16.9
度,17.5度,22.4度,28.8度に主要なピークを有
するX線結晶回折スペクトルを有し、このX線回
折スペクトルの上記ブラツク角度9.3度のピーク
に対するブラツク角度16.9度のピークの強度比が
0.8〜1.0であり、かつ、上記ブラツク角度9.3度の
ピークに対するブラツク角度22.4度及び28.8度の
それぞれのピークの強度が0.4以上であり、かつ、
700〜760cm-1,1320±2cm-1及び3288±3cm-1に
ピークを有する赤外線吸収スペクトルを有し、
700〜760cm-1の吸収帯には4本のピークがあり、
そのうち752±2cm-1が最も強い無金属フタロシ
アニンが前記キヤリア発生層に含有され、 更に該キヤリア発生層に下記一般式〔〕で表
わされる化合物と下記一般式〔〕で表わされる
化合物との少なくとも一方が含有されていること
を特徴とする感光体。 一般式〔〕: 〔式中、 R1及びR2:置換若しくは未置換のアルキル基、
又はアリール基を表わし、置換基としてはア
ルキル基、アルコキシ基、置換アミノ基、水
酸基、ハロゲン原子、又はアリール基が用い
られる。 Ar1及びAr2:置換若しくは未置換のアリール基
を表わし、置換基としてはハロゲン原子、ヒ
ドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、置
換アミノ基又はアリール基が用いられる。 R3及びR4:置換若しくは未置換のアリール基、
又は水素原子を表わし、置換基としてはハロ
ゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アル
コキシ基、置換アミノ基又はアリール基が用
いられる。〕 一般式〔〕: (但し、この一般式中 Ar3,Ar4:置換若しくは未置換のフエニル基
を表わし、置換基としてはハロゲン原子、ア
ルキル基、ニトロ基、アルコキシ基を用い
る。 Ar5:置換若しくは未置換のフエニル基、ナフ
チル基、アントリル基、フルオレニル基、複
素環基を表わし、置換基としてはアルキル
基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、
アリールオキシ基、アリール基、アミノ基、
ニトロ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ナ
フチル基、アンスリル基及び置換アミノ基を
用いる。但し、置換アミノ基の置換基として
アシル基、アルキル基、アリール基、アラル
キル基を用いる。)
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29920386A JPS63149652A (ja) | 1986-12-15 | 1986-12-15 | 感光体 |
| PCT/JP1987/000803 WO1988002880A1 (fr) | 1986-10-20 | 1987-10-20 | Element photosensible |
| GB8814374A GB2205659B (en) | 1986-10-20 | 1987-10-20 | Photoreceptor |
| DE19873790622 DE3790622T1 (ja) | 1986-10-20 | 1987-10-20 | |
| US07/216,906 US4975350A (en) | 1986-10-20 | 1987-10-20 | Photoreceptor having a metal-free phthalocyanine charge generating layer |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29920386A JPS63149652A (ja) | 1986-12-15 | 1986-12-15 | 感光体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63149652A JPS63149652A (ja) | 1988-06-22 |
| JPH0518424B2 true JPH0518424B2 (ja) | 1993-03-11 |
Family
ID=17869477
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP29920386A Granted JPS63149652A (ja) | 1986-10-20 | 1986-12-15 | 感光体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS63149652A (ja) |
Families Citing this family (3)
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Family Cites Families (21)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JPS6153647A (ja) * | 1984-08-24 | 1986-03-17 | Fuji Xerox Co Ltd | 電子写真用感光体 |
| JPS61210363A (ja) * | 1985-03-15 | 1986-09-18 | Canon Inc | 電子写真感光体 |
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-
1986
- 1986-12-15 JP JP29920386A patent/JPS63149652A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63149652A (ja) | 1988-06-22 |
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