JPH0467285B2 - - Google Patents
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- JPH0467285B2 JPH0467285B2 JP60114676A JP11467685A JPH0467285B2 JP H0467285 B2 JPH0467285 B2 JP H0467285B2 JP 60114676 A JP60114676 A JP 60114676A JP 11467685 A JP11467685 A JP 11467685A JP H0467285 B2 JPH0467285 B2 JP H0467285B2
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明はCd−Sn(カドミウム−スズ)系酸化物
透明導電性薄膜に関する。 〔従来の技術・発明が解決しようとする問題点〕 透明導電性薄膜は液晶用デイスプレイ、エレク
トロルミネツセンス、エレクトロクロミツク素子
などの表示デバイス、太陽電池などの光電変換デ
バイスの電極材料、あるいは赤外線反射膜として
ますます需要が増加してきている。 これら透明導電性薄膜の組成としては、酸化ス
ズにアンチモンまたはフツ素をドーピングした粗
成(たとえばNESA膜)や酸化インジウムにスズ
をドーピングした組成(以下、ITOと略す)など
が知られており、それぞれつぎのごとき特徴を有
している。 すなわち、酸化スズ系透明導電性膜はスパツタ
リング法でも製造可能であるが、コストおよび性
能上の理由からスプレー法や常圧CVD法などの
方法により製造されており、安価にえられるが、
導電性が1〜6×10-3Ω・cmとITO膜よりもやや
劣ること、膜中のピンホールが多く表面平滑性に
劣ること、また耐酸性があるため逆に酸によるエ
ツチングが困難で精密なパターン加工が困難とな
るなどの欠点がある。 一方、ITO膜は導電性が2〜5×10-4と良好
で、酸によるパターンエツチングが容易である
が、真空蒸着法あるいはスパツタリング法などの
真空系を用いたプロセスにより製造されているた
め、製造装置が高価である、生産にはバツチ方式
が適するため生産性がわるい、大面積の製膜が困
難である、原料であるターゲツトの歩留りがわる
く、インジウム資源の枯渇も予想され、原料費が
高くなるなどの欠点があり、製品が高価になる。 上記のように、ITO膜は高価ではあるが性能が
良好であるため、電子機器関連用の透明導電性薄
膜の用途の大半にはITO膜が使用されているのが
現状である。それゆえ、安価で高性能を有する透
明導電性薄膜の開発が望まれている。 前記真空系プロセス以外のITO膜の製法とし
て、加熱されたガラス基板上に金属塩溶液を噴霧
して熱分解させるスプレー法、基板上に金属塩溶
液を塗布したのち加熱し、熱分解させる塗布法な
どが提案され、検討されてきている。しかしなが
ら、スプレー法には表面が平滑な薄膜を形成させ
にくく、薄膜が白濁しやすい、熱分解したハロゲ
ンなどのガスの後処理が必要で、設備費用がかさ
むなどの問題がある。一方、塗布法では真空プロ
セスで作ったITO膜に比べて、表面抵抗が同レベ
ルのITO膜が製造できないなどの問題がある。 一方、ITO膜と同レベルの導電性、可視光透過
性、エツチング加工性を有する透明導電性薄膜と
して、ノジツク(Nozik)はスパツタリング法に
よつてではあるが、粗成がCd2SnO4であるカドミ
ウム−スズ酸化物膜(以下、CTO膜という)を
見出している(米国特許第3811953号明細書)。ま
た該Cd2SnO4膜よりも導電性はやや劣るが、
CdSnO3膜も透明導電性薄膜として用いうること
が知られ着目されつつある。 これらCTO膜の欠点は、 スパツタリング法により製造する必要がある
ため、成膜速度が遅く、生産性が低いこと、お
よび 可視光平均の透光性は良好であるが、短波長
域の吸収が大きいため黄色に着色しており美感
を損うことがあり、さらに太陽電池に用いるば
あいには、高エネルギーの短波長光をセル中に
通しにくいので効率を低下させること などである。 本発明者らは、すでにの欠点については、カ
ドミウム化合物を含有する複合金属溶液を基板上
で熱分解させることにより、CTO膜を製造する
方法を確立し、特許出願(特願昭58−248342号)
するに至つている。 本発明は、さらに前記の欠点を解消するため
なされたものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、Cd/Snが原子比で0.3〜2.0であり、
Ca、Mg、Ba、Sr、B、Zn、Ni、Fe、Cuおよび
Pよりなる群から選ばれた1種以上の金属元素が
Sn(スズ)に対して原子比で0.01〜1.0含まれてい
ることを特徴とするCd−Sn系酸化物透明導電性
薄膜(以下、CTO系薄膜という)に関する。 〔実施例〕 本発明のCTO系薄膜は、Cd/Snが原子比で0.3
〜2.0、好ましくは0.8〜1.8の範囲で、これに第3
金属成分が加わり形成される。 Cd/Snが原子比で0.3未満になると、CTO系薄
膜の導電性が10Ω-1cm-1程度未満となり、透明導
電性薄膜として用いることができなくなり、また
酸によるエツチングが困難になる傾向が生じる。
一方、Cd/Snが原子比が2.0をこえると、スズと
未反応のCdOの析出が生じて単一相の薄膜となら
ず、また膜が褐色に着色するようになり、透光性
が損なわれる。 本発明に用いる第3金属成分としては、Ca、
Mg、Ba、Sr、B、Zn、Ni、Cu、FeまたはPが
あげられ、これらを単独で用いてもよく、2種以
上併用してもよい。 本発明における第3金属成分は、スズに対して
原子比で0.01〜1.0、好ましくは0.03〜0.5である。
前記原子比が0.01未満になると、第3金属成分を
用いる効果がほとんど生じなくなり、形成される
CTO系薄膜の透光性および導電性が充分改良さ
れない。一方、前記原子比が1.0をこえると、短
波長域の透光性は改良されるが導電性が低下し、
実用的でなくなる。 第3金属成分として、たとえばアルカリ土類金
属であるMg、Ca、Sr、BaまたはB、Pなどを
用い添加すると、添加しないばあいと比較して形
成されるCTO系薄膜の密度が増加して硬度が増
すとともに、短波長可視光および近紫外線の透光
性が向上し、無添加系の黄色っぽい透明膜に対し
て青色がかつた無色に近いCTO系薄膜がえられ
る。なおえられるCTO系薄膜の導電性は、前記
第3金属成分を用いないばあいと同程度から50%
近い導電性の向上が見られる。 前記第3金属成分としてZnを用いると、CTO
系薄膜の短波長可視光および近紫外線の透光性が
著しく改良され、4000Åにおける透光性が未添加
系に比べて30〜50%向上しており、かつ導電性も
向上する。 一方、第3金属成分としてFe、NiまたはCuを
用いると、えられるCTO系薄膜の透光性はほと
んど改良されないが、導電性は向上し、中でも
Ni、Cuの添加効果が大きい。 前記のごとき第3金属成分を用いてCTO系薄
膜を製造すると、第3金属成分を用いないばあい
と比較して、短波長可能視光および近紫外線の透
光性ならびに導電性が向上する。この理由につい
ては詳細には解明されていないが、CTO相中に
3金属成分が固溶しているために、 第3金属成分が入つたことにより、本来の
CTO化合物半導体のバンドギヤツプ(Egap)
が大きくなり、基礎吸収端が短波長側にシフト
する ドーピング効果により自由電子の数が増加
し、導電性が向上する のであろうと考えている。 つぎに本発明のCTO系薄膜の製法について説
明する。 CTO系薄膜はスパツタリング法により製造し
てもよいが、本発明者らが開発した特願昭58−
248342号明細書記載の製法と同様の製法、すなわ
ち有機溶媒中にカドミウム化合物、スズ化合物お
よび第3金属成分となる第3金属化合物を含有さ
せた複合金属溶液を基板上で熱分解させることに
より製造してもよく、この方法によると高い生産
性および低い製造コストで目的物をうることがで
きる。 CTO系薄膜の形成に用いるカドミウム化合物
としては、一般に市販のカドミウム化合物が使用
可能であるが、炭素数1〜30程度の有機物とカド
ミウムとから製造されるカドミウム化合物が、製
造しやすく、かつ取扱いやすいため好適である。
このようなカドミウム化合物の典型的なものとし
ては、カドミウムカルボン酸塩類、カドミウムア
ルコキシド類、カドミウムβ−ジケトン錯体類、
カドミウムα−ケト酸錯体類、カドミウムβ−ケ
ト酸錯体類、カドミウムα−ケト酸エステル錯体
類、カドミウムβ−ケト酸エステル錯体類などが
あげられる。前記カドミウムカルボン酸塩類の具
体例としては、ギ酸カドミウム、酢酸カドミウ
ム、酪酸カドミウム、乳酸カドミウム、マレイン
酸カドミウム、シユウ酸カドミウム、オクチル酸
カドミウム、オレイン酸カドミウム、ステアリン
酸カドミウム、リノール酸カドミウム、ナフテン
酸カドミウムなどの炭素数1〜30の1価または多
価カルボン酸カドミウムとの塩が好ましい。カド
ミウムアルコキシド類の具体例としては、カドミ
ウムと炭素数1〜20の1価または多価のアルコー
ルとの反応によりえられたカドミウムアルコキシ
ドが用いられる。カドミウムβ−ジケトン錯体類
の具体例としては、アセチルアセトンカドミウ
ム、ベンゾイルアセトンカドミウムなど、カドミ
ウムα−またはβ−ケイ酸錯体類の具体例として
は、アセチルギ酸、アセト酢酸、プロピオニル−
iso−酪酸、ベンゾイル酢酸などとカドミウムと
の錯体、カドミウムα−またはβ−ケト酸エステ
ル類の具体例としては、上記α−またはβ−ケト
酸とメチルアルコール、エチルアルコール、プロ
ピルアルコール、ブチルアルコールなどとのエス
テルとカドミウムとの錯体などがあげられ、これ
ら以外にもグリコール酸、乳酸、α−オキシ酪
酸、ヒドロアクリル酸、サリチル酸などのα−ま
たはβ−オキシ酸とメチルアルコール、エチルア
ルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコー
ルなどとのエステルとカドミウムの錯体などやこ
れらの縮合体、多量体、混合物なども使用しう
る。なかんづく、有機溶媒に可溶で、400℃以下
の加熱で、無機カドミウム化合物に分解するもの
がとくに好ましい。 CTO系薄膜の形成に用いるスズ化合物として
は、一般式(): Sn(OR1)2 () (式中、R1は炭素数1〜20の炭化水素基である)
で表わされる2価のスズのアルコキシド類、一般
式(): Sn(OR1)4 () (式中、R1は前記と同じ)で表わされる4価の
スズのアルコキシド類、一般式(): Sn(OR1)4-xYx () (式中、R1は前記と同じ、Yはキレート能を有
する官能基またはハロゲン原子、xは1〜3の整
数である)で表わされる4価のスズの部分アルコ
キシド類または一般式()、一般式()、一般
式()で表わされる化合物の縮合多量体などが
あげられる。また一般式(): Sn(OCOR2)2 () (式中、R2は水素または炭素数1〜30の炭化水
素基である)で表わされる2価のスズのカルボン
酸塩類、一般式(): Sn(OCOR2)4 () (式中、R2は前記と同じ)で表わされる4価の
スズのカルボン酸塩類があげられ、さらに2価ま
たは4価のスズとアセチルアセトン、ベンゾイル
アセトンなどとの反応物であるβ−ジケトン錯体
類、スズオキシβ−ジケトン錯体類、テトラメチ
ルスズ、テトラエチルスズなどのアルキルスズ
類、テトラフエニルスズなどの有機スズ類、さら
に一般式(): RxSnX4-x () (式中、Rは水素原子または炭素数1〜20の炭化
水素基、Xは塩素原子、フツ素原子などのハロゲ
ン原子、アルコキシ基、カルボン酸残基、xは前
記と同じ)で表わされる化合物などがあげられる
が、これらに限定されるものではない。 前記一般式()で示される化合物の具体例と
しては、ジエトキシスズ、ジプロポキシスズ、ジ
−2−エチルヘキソキシスズ、ジステアロキシス
ズなど、一般式()で示される化合物の具体例
としては、テトラエトキシスズ、テトラプロポキ
シスズ、テトラブトキシスズ、テトラキシ(2−
エチルヘキソキシ)スズ、テトラステアロキシス
ズなど、一般式()で示される化合物の具体例
としては、スズブトキシジクロライド、トリステ
アロキシスズモノクロライドなど、一般式()
で示される化合物の具体例としては、酢酸第1ス
ズ、シユウ酸第1スズ、酒石酸第1スズ、オクチ
ル酸第1スズ、オレイン酸第1スズ、リノール酸
第1スズ、ステアリン酸第1スズなど、一般式
()で示される化合物の具体例としては、酢酸
第2スズ、乳酸第2スズ、酪酸第2スズ、オクチ
ル酸第2スズ、リノール酸第2スズなど、一般式
()で示される化合物の具体例としては、ジオ
クチルスズジアセテート、ジエチルスズオキサイ
ド、ジブチルスズマレエート、ジフエニルスズジ
クロライド、ジベンジルスズジヒドロキシド、ト
リブチルスズラウレート、ジブチルスズジラウレ
ート、ジブチルスズプロポキシド、ジビニルスズ
ジクロライドなどがあげられる。これらの化合物
は単独で用いてもよく、2種以上混合して用いて
もよいが、有機溶媒に可溶で400℃以下の加熱で、
無機スズ化合物に分解するものがとくに好まし
い。 CTO系薄膜の形成に用いる第3金属化合物と
しては、前述のカドミウム、スズを含む溶液中に
相溶し、熱分解後膜中に金属成分が残存すること
が重要であり、具体例としてCa、Mg、Ba、B、
Zn、Ni、Cu、Fe、Pとギ酸、酢酸、プロピオン
酸、乳酸、酪酸、ナフテン酸、オクチル酸、アク
リル酸、メタクリル酸などのカルボン酸との塩類
またはアセチルアセトンなどのβ−ジケトン錯
体、あるいはαまたはβ−オキシ酸、β−ケトン
酸との錯体などの有機金属化合物、あるいは上記
金属の塩化物、硝酸化合物が好ましい。 CTO系薄膜の形成に用いる有機溶媒としては、
たとえばメチルアルコール、エチルアルコール、
イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ペ
ンタノールなどの1価アルコール類、エチレング
リコール、グリセリン、1,4−ブタンジオール
などの多価アルコール類、酢酸エチル、酢酸プロ
ピル、酢酸イソアミル、蟻酸プロピルなどのカル
ボン酸エステル類、アセトン、アセチルアセト
ン、ジエチルケトン、メチルエチルケトンなどの
ケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの
芳香族溶媒類、ジオキサン、テトラヒドロフラン
などのエーテル類、メチルセロソルブ、エチルセ
ロソルブなどのグリコールエーテル類、N−メチ
ル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミドなどのチツ素含有有機溶媒類
などがあげられるが、これらに限定されるもので
はない。これらの有機溶媒は単独で用いてもよ
く、2種以上混合して用いてもよい。該有機溶媒
が1価または多価の低級アルコール類、カルボン
酸エステル類、ジオキサン、テトラヒドロフラン
などのエーテル類のばあいには、カドミウム化合
物、スズ化合物および第3金属化合物の種々の組
合せに広く用いることができるが、カドミウム化
合物、スズ化合物および第3金属化合物の組合せ
に応じて適宜選択することが好ましい。 CTO系薄膜の形成に用いる複合金属溶液は、
カドミウム化合物、スズ化合物および第3金属化
合物を有機溶媒に理解することにより調製され
る。 前記複合金属溶液におけるカドミウム化合物、
スズ化合物および第3金属化合物(以下、金属成
分という)の濃度は、金属分として通常0.01〜40
%(重量%、以下同様)程度で使用されるが、作
業性などの点から3〜20℃にするのが好ましい。 CTO系薄膜の形成に用いる複合金属溶液には
必要に応じて、たとえば有機金属化合物の加水分
解を防止するためのオルトギ酸エステル系の有機
系脱水剤などを加えてもよい。 本発明において、複合金属溶液が石英ガラス、
透明アルミナ、ソーダガラスあるいはアルカリ拡
散防止のためシリカコート処理したソーダガラス
などから形成された基板上で熱分解されることに
より、CTO系薄膜が形成される。 形成されるCTO系薄膜の性質は、前記カドミ
ウム化合物、スズ化合物および第3金属化合物の
組合せにより大きく変わつてくる。これらの組合
せの中では、カドミウムカルボン酸塩とスズカル
ボン酸塩と第3金属成分のカルボン酸塩あるいは
第3金属成分のアセチルアセトネート錯体との組
合せ、カドミウムカルボン酸塩とスズアルコキシ
ドと第3金属成分のカルボン酸塩あるいは第3金
属成分のアセチルアセトネート錯体との組合せ、
カドミウムβ−ジケトン錯体とスズアルコキシド
と第3金属成分のカルボン酸塩あるいは第3金属
成分のアセチルアセトネート錯体との組合せなど
が、つぎのような理由から好ましい。すなわち、
カドミウムカルボン酸とスズカルボン酸塩と第3
金属成分のカルボン酸塩あるいは第3金属成分の
アセチルアセトネート錯体の組合せは、原料が最
も安価であり、有用である。その上オレイン酸、
リノール酸、リノレイン酸などの酸化硬化反応を
おこす不飽和カルボン酸を添加するか、これら不
飽和カルボン酸のカドミウム塩、第3金属成分塩
あるいはスズ塩を用いるなどの硬化性基を液中に
存在させると、さらに表面状態の良好な薄膜がえ
られる。該硬化性基を有する化合物は複合金属溶
液中に0.1%以上含有されていることが好ましく、
カルボン酸塩化合物に対して5〜100%含有され
ていることがさらに好ましく、このようなばあい
に著しい効果を奏する。カドミウムカルボン酸塩
とスズアルコキシドと第3金属成分のカルボン酸
塩あるいは第3金属成分のアセチルアセトネート
錯体との組合せ、あるいはカドミウムβ−ジケト
ン錯体とスズアルコキシドと第3金属成分のカル
ボン酸塩あるいは第3金属成分のアセチルアセト
ネート錯体との組合せのばあいには、加えている
スズアルコキシドの加水分解性がスズアルコキシ
ド単体のばあいと比較して極めて弱くなつてお
り、単なる混合組成ではなく共反応をおこして配
位化合物になつていると考えられ、このような加
水分解性のため、基板上と製膜性がとくに優れて
いる。溶液を共沸処理することが目的の化合物膜
を作るためにとくに好ましい効果が期待できる。 また、これらの化合物同士の共反応を促進させ
るため、かかる複合金属溶液を基板上に浸漬塗布
などしたのち70〜150℃にて5〜60分間程度オー
ブンにて乾燥させ、ついで空気中または酸素分圧
を調整した酸化雰囲気にて400〜700℃程度で15分
間〜2時間程度熱処理することにより、一時焼成
が行なわれる。もちろん該温度を700℃をこえる
高温にしてもよいが、700℃をこえる高温にして
も特別な利点がえられるわけではない。なお該一
次焼成を600℃程度以下で行なうと、一般に非結
晶質となることが薄膜とX線回折の結果から判明
しており、500℃程度以下で行なうと、薄膜全体
がほとんどアモルフアスとなり、600℃程度以上
では結晶化することが判明している。 かかるCTO系薄膜の膜厚は、塗布する複合金
属溶液の濃度や、たとえば浸漬塗布を行なうばあ
いには浸漬塗布時の引上げ速度などによつて制御
しうる。複合金属溶液の濃度についてはすでに記
載したとおりであるが、引上げ速度については任
意に調節可能であり、とくに限定されるものでは
ないが、たとえばカルボン酸金属化合物を使用す
る際には5〜30cm/分程度を目安にすればよい。
複合金属溶液の濃度や浸漬塗布時の引上げ速度な
どはカドミウム化合物、スズ化合物、第3金属化
合物、有機溶媒の組合せや熱分解法、所望する膜
厚などに応じて適宜決定すればよい。このように
して形成される膜厚は、用途などに応じて適宜選
択すればよいが、通常200〜20000Å程度であるこ
とが好ましく、500〜10000Å程度であることがさ
らに好ましい。 一時焼成工程によりえられたCTO系薄膜は、
通常導電率が10-1〜102Ω-1cm-1とかなり低いが、
該薄膜に紫外線を照射したり、つぎのごときアニ
ーリングをほどこすことにより、導電率が約1〜
2桁向上する。 アニーリングとは複合金属溶液と分解を目的と
する一次焼成をおえた薄膜を還元雰囲気下、不活
性ガス雰囲気下または通常50mmHg以下程度の減
圧下で、再び熱処理を行なうことである。還元雰
囲気下での熱処理とは、たとえば水素や一酸化炭
素などの還元性ガス中にて50〜400℃程度の条件
で1〜90分間程度、不活性ガス雰囲気下での熱処
理とは、たとえばアルゴン、チツ素、ヘリウムな
どの不活性ガス中で200〜700℃程度で5〜180分
程度、また減圧下での熱処理とは、前記のような
減圧下、200〜700℃程度で5分間〜3時間程度行
なう方法である。またこれらアニーリングは一次
焼成工程と連続して実施しても構わない。これら
のアニーリングにより、CTOT系薄膜の導電率
が向上する以外に、透光性の領域が紫外域側にシ
フトする。 一次焼成をおえた薄膜に紫外線を照射しても、
アニーリングと同様の効果がえられる。照射する
紫外線としては、波長が2000〜4000Å程度の紫外
線を、基板上の照度が50〜100万ルツクスになる
ような条件で1分間〜10時間照射することによ
り、導電性および可視光透過性が向上するという
効果がえられる。 本発明のCTO系薄膜と製法を浸漬塗布法にも
とづいて説明したが、浸漬塗布法以外の塗布法、
たとえばスピンコーテイング法、ドクタープレー
ド法なども採用することができる。また加熱され
た基板に、CTO系薄膜の形成に用いる複合金属
溶液を吹きつけて熱分解させてCTO系薄膜を製
造することもできる。 このようにして製造されたCTO系薄膜は、液
晶用デイスプレイ、エレクトロルミネツセンス、
太陽電池などの電極材料として好適に使用されう
る。 つぎに本発明のCTO系薄膜を実施例ちもとづ
き説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。 実施例1〜10および比較例1〜4 金属カドミウム含有量14.5%のオクチル酸カド
ミウムエチルセルソルブ溶液15.0g、金属スズ含
有量28.0%のオクチル酸スズ8.2g、さらに第1
表の第3金属成分を金属スズに対して10モル%に
なるようにオクチル酸金属塩の状態で加え、さら
にリノール酸15.0g、酢酸イソアミル21.8gを加
え、4時間共沸処理をして塗布溶液を調製した
(金属含有量約8%、Cd/Snと原子比1.5)。 この溶液中に厚さ0.8mmの石英ガラス板を浸漬
し、引上げ速度10cm/minで引き上げて塗布した
のち、乾燥機中で150℃×30分間乾燥させて石英
ガラス板上に透明な硬化膜を形成した。つぎにこ
の試料を大気中で600℃×1時間焼成し、透明無
機化合物をえて、直流四端子法による表面抵抗
値、X線回折および可視光の透過性を測定した。 引き続き、これらの基板をH2:N2が1:1
(モル比)の混合ガス中で300℃×30分間アニール
処理を施し、前記と同様な測定を実施した。 また、これらの薄膜を蛍光X線分析法により、
Cd、Sn、第3金属の組成比を求め、アニール前
および出発組成と組成比が殆んど変化していない
ことを確認した。 さらに、酸によるエツチング処理をして膜に段
差を作り、段差型膜厚計により各薄膜の膜厚を測
定して、各々の体積抵抗率を求めた。 これらの実施例の結果を第1表にまとめた。
透明導電性薄膜に関する。 〔従来の技術・発明が解決しようとする問題点〕 透明導電性薄膜は液晶用デイスプレイ、エレク
トロルミネツセンス、エレクトロクロミツク素子
などの表示デバイス、太陽電池などの光電変換デ
バイスの電極材料、あるいは赤外線反射膜として
ますます需要が増加してきている。 これら透明導電性薄膜の組成としては、酸化ス
ズにアンチモンまたはフツ素をドーピングした粗
成(たとえばNESA膜)や酸化インジウムにスズ
をドーピングした組成(以下、ITOと略す)など
が知られており、それぞれつぎのごとき特徴を有
している。 すなわち、酸化スズ系透明導電性膜はスパツタ
リング法でも製造可能であるが、コストおよび性
能上の理由からスプレー法や常圧CVD法などの
方法により製造されており、安価にえられるが、
導電性が1〜6×10-3Ω・cmとITO膜よりもやや
劣ること、膜中のピンホールが多く表面平滑性に
劣ること、また耐酸性があるため逆に酸によるエ
ツチングが困難で精密なパターン加工が困難とな
るなどの欠点がある。 一方、ITO膜は導電性が2〜5×10-4と良好
で、酸によるパターンエツチングが容易である
が、真空蒸着法あるいはスパツタリング法などの
真空系を用いたプロセスにより製造されているた
め、製造装置が高価である、生産にはバツチ方式
が適するため生産性がわるい、大面積の製膜が困
難である、原料であるターゲツトの歩留りがわる
く、インジウム資源の枯渇も予想され、原料費が
高くなるなどの欠点があり、製品が高価になる。 上記のように、ITO膜は高価ではあるが性能が
良好であるため、電子機器関連用の透明導電性薄
膜の用途の大半にはITO膜が使用されているのが
現状である。それゆえ、安価で高性能を有する透
明導電性薄膜の開発が望まれている。 前記真空系プロセス以外のITO膜の製法とし
て、加熱されたガラス基板上に金属塩溶液を噴霧
して熱分解させるスプレー法、基板上に金属塩溶
液を塗布したのち加熱し、熱分解させる塗布法な
どが提案され、検討されてきている。しかしなが
ら、スプレー法には表面が平滑な薄膜を形成させ
にくく、薄膜が白濁しやすい、熱分解したハロゲ
ンなどのガスの後処理が必要で、設備費用がかさ
むなどの問題がある。一方、塗布法では真空プロ
セスで作ったITO膜に比べて、表面抵抗が同レベ
ルのITO膜が製造できないなどの問題がある。 一方、ITO膜と同レベルの導電性、可視光透過
性、エツチング加工性を有する透明導電性薄膜と
して、ノジツク(Nozik)はスパツタリング法に
よつてではあるが、粗成がCd2SnO4であるカドミ
ウム−スズ酸化物膜(以下、CTO膜という)を
見出している(米国特許第3811953号明細書)。ま
た該Cd2SnO4膜よりも導電性はやや劣るが、
CdSnO3膜も透明導電性薄膜として用いうること
が知られ着目されつつある。 これらCTO膜の欠点は、 スパツタリング法により製造する必要がある
ため、成膜速度が遅く、生産性が低いこと、お
よび 可視光平均の透光性は良好であるが、短波長
域の吸収が大きいため黄色に着色しており美感
を損うことがあり、さらに太陽電池に用いるば
あいには、高エネルギーの短波長光をセル中に
通しにくいので効率を低下させること などである。 本発明者らは、すでにの欠点については、カ
ドミウム化合物を含有する複合金属溶液を基板上
で熱分解させることにより、CTO膜を製造する
方法を確立し、特許出願(特願昭58−248342号)
するに至つている。 本発明は、さらに前記の欠点を解消するため
なされたものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、Cd/Snが原子比で0.3〜2.0であり、
Ca、Mg、Ba、Sr、B、Zn、Ni、Fe、Cuおよび
Pよりなる群から選ばれた1種以上の金属元素が
Sn(スズ)に対して原子比で0.01〜1.0含まれてい
ることを特徴とするCd−Sn系酸化物透明導電性
薄膜(以下、CTO系薄膜という)に関する。 〔実施例〕 本発明のCTO系薄膜は、Cd/Snが原子比で0.3
〜2.0、好ましくは0.8〜1.8の範囲で、これに第3
金属成分が加わり形成される。 Cd/Snが原子比で0.3未満になると、CTO系薄
膜の導電性が10Ω-1cm-1程度未満となり、透明導
電性薄膜として用いることができなくなり、また
酸によるエツチングが困難になる傾向が生じる。
一方、Cd/Snが原子比が2.0をこえると、スズと
未反応のCdOの析出が生じて単一相の薄膜となら
ず、また膜が褐色に着色するようになり、透光性
が損なわれる。 本発明に用いる第3金属成分としては、Ca、
Mg、Ba、Sr、B、Zn、Ni、Cu、FeまたはPが
あげられ、これらを単独で用いてもよく、2種以
上併用してもよい。 本発明における第3金属成分は、スズに対して
原子比で0.01〜1.0、好ましくは0.03〜0.5である。
前記原子比が0.01未満になると、第3金属成分を
用いる効果がほとんど生じなくなり、形成される
CTO系薄膜の透光性および導電性が充分改良さ
れない。一方、前記原子比が1.0をこえると、短
波長域の透光性は改良されるが導電性が低下し、
実用的でなくなる。 第3金属成分として、たとえばアルカリ土類金
属であるMg、Ca、Sr、BaまたはB、Pなどを
用い添加すると、添加しないばあいと比較して形
成されるCTO系薄膜の密度が増加して硬度が増
すとともに、短波長可視光および近紫外線の透光
性が向上し、無添加系の黄色っぽい透明膜に対し
て青色がかつた無色に近いCTO系薄膜がえられ
る。なおえられるCTO系薄膜の導電性は、前記
第3金属成分を用いないばあいと同程度から50%
近い導電性の向上が見られる。 前記第3金属成分としてZnを用いると、CTO
系薄膜の短波長可視光および近紫外線の透光性が
著しく改良され、4000Åにおける透光性が未添加
系に比べて30〜50%向上しており、かつ導電性も
向上する。 一方、第3金属成分としてFe、NiまたはCuを
用いると、えられるCTO系薄膜の透光性はほと
んど改良されないが、導電性は向上し、中でも
Ni、Cuの添加効果が大きい。 前記のごとき第3金属成分を用いてCTO系薄
膜を製造すると、第3金属成分を用いないばあい
と比較して、短波長可能視光および近紫外線の透
光性ならびに導電性が向上する。この理由につい
ては詳細には解明されていないが、CTO相中に
3金属成分が固溶しているために、 第3金属成分が入つたことにより、本来の
CTO化合物半導体のバンドギヤツプ(Egap)
が大きくなり、基礎吸収端が短波長側にシフト
する ドーピング効果により自由電子の数が増加
し、導電性が向上する のであろうと考えている。 つぎに本発明のCTO系薄膜の製法について説
明する。 CTO系薄膜はスパツタリング法により製造し
てもよいが、本発明者らが開発した特願昭58−
248342号明細書記載の製法と同様の製法、すなわ
ち有機溶媒中にカドミウム化合物、スズ化合物お
よび第3金属成分となる第3金属化合物を含有さ
せた複合金属溶液を基板上で熱分解させることに
より製造してもよく、この方法によると高い生産
性および低い製造コストで目的物をうることがで
きる。 CTO系薄膜の形成に用いるカドミウム化合物
としては、一般に市販のカドミウム化合物が使用
可能であるが、炭素数1〜30程度の有機物とカド
ミウムとから製造されるカドミウム化合物が、製
造しやすく、かつ取扱いやすいため好適である。
このようなカドミウム化合物の典型的なものとし
ては、カドミウムカルボン酸塩類、カドミウムア
ルコキシド類、カドミウムβ−ジケトン錯体類、
カドミウムα−ケト酸錯体類、カドミウムβ−ケ
ト酸錯体類、カドミウムα−ケト酸エステル錯体
類、カドミウムβ−ケト酸エステル錯体類などが
あげられる。前記カドミウムカルボン酸塩類の具
体例としては、ギ酸カドミウム、酢酸カドミウ
ム、酪酸カドミウム、乳酸カドミウム、マレイン
酸カドミウム、シユウ酸カドミウム、オクチル酸
カドミウム、オレイン酸カドミウム、ステアリン
酸カドミウム、リノール酸カドミウム、ナフテン
酸カドミウムなどの炭素数1〜30の1価または多
価カルボン酸カドミウムとの塩が好ましい。カド
ミウムアルコキシド類の具体例としては、カドミ
ウムと炭素数1〜20の1価または多価のアルコー
ルとの反応によりえられたカドミウムアルコキシ
ドが用いられる。カドミウムβ−ジケトン錯体類
の具体例としては、アセチルアセトンカドミウ
ム、ベンゾイルアセトンカドミウムなど、カドミ
ウムα−またはβ−ケイ酸錯体類の具体例として
は、アセチルギ酸、アセト酢酸、プロピオニル−
iso−酪酸、ベンゾイル酢酸などとカドミウムと
の錯体、カドミウムα−またはβ−ケト酸エステ
ル類の具体例としては、上記α−またはβ−ケト
酸とメチルアルコール、エチルアルコール、プロ
ピルアルコール、ブチルアルコールなどとのエス
テルとカドミウムとの錯体などがあげられ、これ
ら以外にもグリコール酸、乳酸、α−オキシ酪
酸、ヒドロアクリル酸、サリチル酸などのα−ま
たはβ−オキシ酸とメチルアルコール、エチルア
ルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコー
ルなどとのエステルとカドミウムの錯体などやこ
れらの縮合体、多量体、混合物なども使用しう
る。なかんづく、有機溶媒に可溶で、400℃以下
の加熱で、無機カドミウム化合物に分解するもの
がとくに好ましい。 CTO系薄膜の形成に用いるスズ化合物として
は、一般式(): Sn(OR1)2 () (式中、R1は炭素数1〜20の炭化水素基である)
で表わされる2価のスズのアルコキシド類、一般
式(): Sn(OR1)4 () (式中、R1は前記と同じ)で表わされる4価の
スズのアルコキシド類、一般式(): Sn(OR1)4-xYx () (式中、R1は前記と同じ、Yはキレート能を有
する官能基またはハロゲン原子、xは1〜3の整
数である)で表わされる4価のスズの部分アルコ
キシド類または一般式()、一般式()、一般
式()で表わされる化合物の縮合多量体などが
あげられる。また一般式(): Sn(OCOR2)2 () (式中、R2は水素または炭素数1〜30の炭化水
素基である)で表わされる2価のスズのカルボン
酸塩類、一般式(): Sn(OCOR2)4 () (式中、R2は前記と同じ)で表わされる4価の
スズのカルボン酸塩類があげられ、さらに2価ま
たは4価のスズとアセチルアセトン、ベンゾイル
アセトンなどとの反応物であるβ−ジケトン錯体
類、スズオキシβ−ジケトン錯体類、テトラメチ
ルスズ、テトラエチルスズなどのアルキルスズ
類、テトラフエニルスズなどの有機スズ類、さら
に一般式(): RxSnX4-x () (式中、Rは水素原子または炭素数1〜20の炭化
水素基、Xは塩素原子、フツ素原子などのハロゲ
ン原子、アルコキシ基、カルボン酸残基、xは前
記と同じ)で表わされる化合物などがあげられる
が、これらに限定されるものではない。 前記一般式()で示される化合物の具体例と
しては、ジエトキシスズ、ジプロポキシスズ、ジ
−2−エチルヘキソキシスズ、ジステアロキシス
ズなど、一般式()で示される化合物の具体例
としては、テトラエトキシスズ、テトラプロポキ
シスズ、テトラブトキシスズ、テトラキシ(2−
エチルヘキソキシ)スズ、テトラステアロキシス
ズなど、一般式()で示される化合物の具体例
としては、スズブトキシジクロライド、トリステ
アロキシスズモノクロライドなど、一般式()
で示される化合物の具体例としては、酢酸第1ス
ズ、シユウ酸第1スズ、酒石酸第1スズ、オクチ
ル酸第1スズ、オレイン酸第1スズ、リノール酸
第1スズ、ステアリン酸第1スズなど、一般式
()で示される化合物の具体例としては、酢酸
第2スズ、乳酸第2スズ、酪酸第2スズ、オクチ
ル酸第2スズ、リノール酸第2スズなど、一般式
()で示される化合物の具体例としては、ジオ
クチルスズジアセテート、ジエチルスズオキサイ
ド、ジブチルスズマレエート、ジフエニルスズジ
クロライド、ジベンジルスズジヒドロキシド、ト
リブチルスズラウレート、ジブチルスズジラウレ
ート、ジブチルスズプロポキシド、ジビニルスズ
ジクロライドなどがあげられる。これらの化合物
は単独で用いてもよく、2種以上混合して用いて
もよいが、有機溶媒に可溶で400℃以下の加熱で、
無機スズ化合物に分解するものがとくに好まし
い。 CTO系薄膜の形成に用いる第3金属化合物と
しては、前述のカドミウム、スズを含む溶液中に
相溶し、熱分解後膜中に金属成分が残存すること
が重要であり、具体例としてCa、Mg、Ba、B、
Zn、Ni、Cu、Fe、Pとギ酸、酢酸、プロピオン
酸、乳酸、酪酸、ナフテン酸、オクチル酸、アク
リル酸、メタクリル酸などのカルボン酸との塩類
またはアセチルアセトンなどのβ−ジケトン錯
体、あるいはαまたはβ−オキシ酸、β−ケトン
酸との錯体などの有機金属化合物、あるいは上記
金属の塩化物、硝酸化合物が好ましい。 CTO系薄膜の形成に用いる有機溶媒としては、
たとえばメチルアルコール、エチルアルコール、
イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ペ
ンタノールなどの1価アルコール類、エチレング
リコール、グリセリン、1,4−ブタンジオール
などの多価アルコール類、酢酸エチル、酢酸プロ
ピル、酢酸イソアミル、蟻酸プロピルなどのカル
ボン酸エステル類、アセトン、アセチルアセト
ン、ジエチルケトン、メチルエチルケトンなどの
ケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの
芳香族溶媒類、ジオキサン、テトラヒドロフラン
などのエーテル類、メチルセロソルブ、エチルセ
ロソルブなどのグリコールエーテル類、N−メチ
ル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミドなどのチツ素含有有機溶媒類
などがあげられるが、これらに限定されるもので
はない。これらの有機溶媒は単独で用いてもよ
く、2種以上混合して用いてもよい。該有機溶媒
が1価または多価の低級アルコール類、カルボン
酸エステル類、ジオキサン、テトラヒドロフラン
などのエーテル類のばあいには、カドミウム化合
物、スズ化合物および第3金属化合物の種々の組
合せに広く用いることができるが、カドミウム化
合物、スズ化合物および第3金属化合物の組合せ
に応じて適宜選択することが好ましい。 CTO系薄膜の形成に用いる複合金属溶液は、
カドミウム化合物、スズ化合物および第3金属化
合物を有機溶媒に理解することにより調製され
る。 前記複合金属溶液におけるカドミウム化合物、
スズ化合物および第3金属化合物(以下、金属成
分という)の濃度は、金属分として通常0.01〜40
%(重量%、以下同様)程度で使用されるが、作
業性などの点から3〜20℃にするのが好ましい。 CTO系薄膜の形成に用いる複合金属溶液には
必要に応じて、たとえば有機金属化合物の加水分
解を防止するためのオルトギ酸エステル系の有機
系脱水剤などを加えてもよい。 本発明において、複合金属溶液が石英ガラス、
透明アルミナ、ソーダガラスあるいはアルカリ拡
散防止のためシリカコート処理したソーダガラス
などから形成された基板上で熱分解されることに
より、CTO系薄膜が形成される。 形成されるCTO系薄膜の性質は、前記カドミ
ウム化合物、スズ化合物および第3金属化合物の
組合せにより大きく変わつてくる。これらの組合
せの中では、カドミウムカルボン酸塩とスズカル
ボン酸塩と第3金属成分のカルボン酸塩あるいは
第3金属成分のアセチルアセトネート錯体との組
合せ、カドミウムカルボン酸塩とスズアルコキシ
ドと第3金属成分のカルボン酸塩あるいは第3金
属成分のアセチルアセトネート錯体との組合せ、
カドミウムβ−ジケトン錯体とスズアルコキシド
と第3金属成分のカルボン酸塩あるいは第3金属
成分のアセチルアセトネート錯体との組合せなど
が、つぎのような理由から好ましい。すなわち、
カドミウムカルボン酸とスズカルボン酸塩と第3
金属成分のカルボン酸塩あるいは第3金属成分の
アセチルアセトネート錯体の組合せは、原料が最
も安価であり、有用である。その上オレイン酸、
リノール酸、リノレイン酸などの酸化硬化反応を
おこす不飽和カルボン酸を添加するか、これら不
飽和カルボン酸のカドミウム塩、第3金属成分塩
あるいはスズ塩を用いるなどの硬化性基を液中に
存在させると、さらに表面状態の良好な薄膜がえ
られる。該硬化性基を有する化合物は複合金属溶
液中に0.1%以上含有されていることが好ましく、
カルボン酸塩化合物に対して5〜100%含有され
ていることがさらに好ましく、このようなばあい
に著しい効果を奏する。カドミウムカルボン酸塩
とスズアルコキシドと第3金属成分のカルボン酸
塩あるいは第3金属成分のアセチルアセトネート
錯体との組合せ、あるいはカドミウムβ−ジケト
ン錯体とスズアルコキシドと第3金属成分のカル
ボン酸塩あるいは第3金属成分のアセチルアセト
ネート錯体との組合せのばあいには、加えている
スズアルコキシドの加水分解性がスズアルコキシ
ド単体のばあいと比較して極めて弱くなつてお
り、単なる混合組成ではなく共反応をおこして配
位化合物になつていると考えられ、このような加
水分解性のため、基板上と製膜性がとくに優れて
いる。溶液を共沸処理することが目的の化合物膜
を作るためにとくに好ましい効果が期待できる。 また、これらの化合物同士の共反応を促進させ
るため、かかる複合金属溶液を基板上に浸漬塗布
などしたのち70〜150℃にて5〜60分間程度オー
ブンにて乾燥させ、ついで空気中または酸素分圧
を調整した酸化雰囲気にて400〜700℃程度で15分
間〜2時間程度熱処理することにより、一時焼成
が行なわれる。もちろん該温度を700℃をこえる
高温にしてもよいが、700℃をこえる高温にして
も特別な利点がえられるわけではない。なお該一
次焼成を600℃程度以下で行なうと、一般に非結
晶質となることが薄膜とX線回折の結果から判明
しており、500℃程度以下で行なうと、薄膜全体
がほとんどアモルフアスとなり、600℃程度以上
では結晶化することが判明している。 かかるCTO系薄膜の膜厚は、塗布する複合金
属溶液の濃度や、たとえば浸漬塗布を行なうばあ
いには浸漬塗布時の引上げ速度などによつて制御
しうる。複合金属溶液の濃度についてはすでに記
載したとおりであるが、引上げ速度については任
意に調節可能であり、とくに限定されるものでは
ないが、たとえばカルボン酸金属化合物を使用す
る際には5〜30cm/分程度を目安にすればよい。
複合金属溶液の濃度や浸漬塗布時の引上げ速度な
どはカドミウム化合物、スズ化合物、第3金属化
合物、有機溶媒の組合せや熱分解法、所望する膜
厚などに応じて適宜決定すればよい。このように
して形成される膜厚は、用途などに応じて適宜選
択すればよいが、通常200〜20000Å程度であるこ
とが好ましく、500〜10000Å程度であることがさ
らに好ましい。 一時焼成工程によりえられたCTO系薄膜は、
通常導電率が10-1〜102Ω-1cm-1とかなり低いが、
該薄膜に紫外線を照射したり、つぎのごときアニ
ーリングをほどこすことにより、導電率が約1〜
2桁向上する。 アニーリングとは複合金属溶液と分解を目的と
する一次焼成をおえた薄膜を還元雰囲気下、不活
性ガス雰囲気下または通常50mmHg以下程度の減
圧下で、再び熱処理を行なうことである。還元雰
囲気下での熱処理とは、たとえば水素や一酸化炭
素などの還元性ガス中にて50〜400℃程度の条件
で1〜90分間程度、不活性ガス雰囲気下での熱処
理とは、たとえばアルゴン、チツ素、ヘリウムな
どの不活性ガス中で200〜700℃程度で5〜180分
程度、また減圧下での熱処理とは、前記のような
減圧下、200〜700℃程度で5分間〜3時間程度行
なう方法である。またこれらアニーリングは一次
焼成工程と連続して実施しても構わない。これら
のアニーリングにより、CTOT系薄膜の導電率
が向上する以外に、透光性の領域が紫外域側にシ
フトする。 一次焼成をおえた薄膜に紫外線を照射しても、
アニーリングと同様の効果がえられる。照射する
紫外線としては、波長が2000〜4000Å程度の紫外
線を、基板上の照度が50〜100万ルツクスになる
ような条件で1分間〜10時間照射することによ
り、導電性および可視光透過性が向上するという
効果がえられる。 本発明のCTO系薄膜と製法を浸漬塗布法にも
とづいて説明したが、浸漬塗布法以外の塗布法、
たとえばスピンコーテイング法、ドクタープレー
ド法なども採用することができる。また加熱され
た基板に、CTO系薄膜の形成に用いる複合金属
溶液を吹きつけて熱分解させてCTO系薄膜を製
造することもできる。 このようにして製造されたCTO系薄膜は、液
晶用デイスプレイ、エレクトロルミネツセンス、
太陽電池などの電極材料として好適に使用されう
る。 つぎに本発明のCTO系薄膜を実施例ちもとづ
き説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。 実施例1〜10および比較例1〜4 金属カドミウム含有量14.5%のオクチル酸カド
ミウムエチルセルソルブ溶液15.0g、金属スズ含
有量28.0%のオクチル酸スズ8.2g、さらに第1
表の第3金属成分を金属スズに対して10モル%に
なるようにオクチル酸金属塩の状態で加え、さら
にリノール酸15.0g、酢酸イソアミル21.8gを加
え、4時間共沸処理をして塗布溶液を調製した
(金属含有量約8%、Cd/Snと原子比1.5)。 この溶液中に厚さ0.8mmの石英ガラス板を浸漬
し、引上げ速度10cm/minで引き上げて塗布した
のち、乾燥機中で150℃×30分間乾燥させて石英
ガラス板上に透明な硬化膜を形成した。つぎにこ
の試料を大気中で600℃×1時間焼成し、透明無
機化合物をえて、直流四端子法による表面抵抗
値、X線回折および可視光の透過性を測定した。 引き続き、これらの基板をH2:N2が1:1
(モル比)の混合ガス中で300℃×30分間アニール
処理を施し、前記と同様な測定を実施した。 また、これらの薄膜を蛍光X線分析法により、
Cd、Sn、第3金属の組成比を求め、アニール前
および出発組成と組成比が殆んど変化していない
ことを確認した。 さらに、酸によるエツチング処理をして膜に段
差を作り、段差型膜厚計により各薄膜の膜厚を測
定して、各々の体積抵抗率を求めた。 これらの実施例の結果を第1表にまとめた。
【表】
カドミウム−スズ系酸化物透明導電性薄膜の成
分として特定の金属を加えることによつて、導電
性や透明性と改善されたカドミウム−スズ系酸化
物透明導電性薄膜がえられる。
分として特定の金属を加えることによつて、導電
性や透明性と改善されたカドミウム−スズ系酸化
物透明導電性薄膜がえられる。
第1図は実施例11においてえられた膜の体積抵
抗率をSnに対するZnの添加量の関数として表わ
したグラフ、第2図は実施例12でえられた膜の波
長と透過率との関係を示すグラフである。
抗率をSnに対するZnの添加量の関数として表わ
したグラフ、第2図は実施例12でえられた膜の波
長と透過率との関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 1 Cd/Snが原子比で0.3〜2.0であり、Ca、
Mg、Ba、Sr、B、Zn、Ni、Fe、CuおよびPよ
りなる群から選ばれた1種以上の金属元素がSn
に対して原子比で0.01〜1.0含まれていることを
特徴とするCd−Sn系酸化物透明導電性薄膜。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60114676A JPS61273807A (ja) | 1985-05-28 | 1985-05-28 | 酸化物透明導電性薄膜 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60114676A JPS61273807A (ja) | 1985-05-28 | 1985-05-28 | 酸化物透明導電性薄膜 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61273807A JPS61273807A (ja) | 1986-12-04 |
| JPH0467285B2 true JPH0467285B2 (ja) | 1992-10-27 |
Family
ID=14643833
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60114676A Granted JPS61273807A (ja) | 1985-05-28 | 1985-05-28 | 酸化物透明導電性薄膜 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61273807A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6290809A (ja) * | 1985-06-21 | 1987-04-25 | 鐘淵化学工業株式会社 | 酸化物透明導電性薄膜の製法 |
| JP2838111B2 (ja) * | 1988-12-02 | 1998-12-16 | 横河電機株式会社 | 薄膜el素子およびその製造方法 |
| JP3660372B2 (ja) * | 1994-06-29 | 2005-06-15 | セイコーインスツル株式会社 | 透明導電性薄膜の製造方法 |
| EP1577949A1 (en) * | 2004-03-16 | 2005-09-21 | Nederlandse Organisatie voor toegepast-natuurwetenschappelijk Onderzoek TNO | Flexible organic electronic device and methods for preparing the same |
-
1985
- 1985-05-28 JP JP60114676A patent/JPS61273807A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61273807A (ja) | 1986-12-04 |
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