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JPH04124265A - スパッタリング装置および膜作製方法 - Google Patents

スパッタリング装置および膜作製方法

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Publication number
JPH04124265A
JPH04124265A JP24007590A JP24007590A JPH04124265A JP H04124265 A JPH04124265 A JP H04124265A JP 24007590 A JP24007590 A JP 24007590A JP 24007590 A JP24007590 A JP 24007590A JP H04124265 A JPH04124265 A JP H04124265A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
bias voltage
self
target
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24007590A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Hirata
和男 平田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Anelva Corp
Original Assignee
Anelva Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Anelva Corp filed Critical Anelva Corp
Priority to JP24007590A priority Critical patent/JPH04124265A/ja
Publication of JPH04124265A publication Critical patent/JPH04124265A/ja
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、ターゲットの近傍に磁石を配置して高周波
スパッタリングを行うスパッタリング装置に関し、また
、この装置を利用して酸化物薄膜を作製する膜作製方法
に関する。
[従来の技術] 近年、スパッタリング現象を利用して薄膜を作製し、そ
の薄膜の基礎物性を測定したり、薄膜を加工してデバイ
ス等に応用する基礎研究や実用化技術の開発をしたりす
ることが活発に行われている。
スパッタリング現象は、ターゲットに高エネルギーイオ
ンを入射させることにより、ターゲットからスパッタ粒
子(中性粒子)を発生させ、基体上にスパッタ粒子を堆
積させる現象である。
最近脚光を浴びている酸化物超電導体薄膜やITO薄膜
(透明導電膜)等もこのスパッタリンク現象を利用して
作製されている。しかし、これらの薄膜を作製する際に
酸化物ターゲットをスパッタリングすると、次のような
現象が起こることが報告されている。
(1)ターゲットに高エネルギーイオンを入射して、タ
ーゲットから放出される2次イオンを分析すると、酸素
の負イオンが主ピークとして検出される(第50回応用
物理学会学術講演会 講演予稿集 28a−PB−17
,1989)。
(2)ターゲットから放出された負イオンは、ターゲッ
ト上のシース電界により基体方向に加速される。この負
イオンはターゲットのセルフバイアス電圧による加速エ
ネルギーとほぼ同等なエネルギーを持つ(第37回応用
物理学関係連合講演会 講演予稿集 29a−V−9,
1990)。
(3)カソードシース電界により加速された高エネルギ
ー負イオンは基体表面を衝撃し、基体表面に付着してい
るスパッタ粒子(膜)を再スパツタリングする現象を起
こす(第37回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集
 29a−■8、1990)。
酸化物超電導体薄膜においては、この再スパツタリング
現象により、その組成がターゲットの組成と一致しなく
なり、その超電導特性が著しく劣化する。また、ITO
薄膜においても同様な原因により、その導電性が著しく
劣化する。
この再スパツタリング現象は、負イオンがカッドシース
の電界により高エネルギーを与えられることに起因する
ので、再スパツタリング現象を防止するには、カソード
シースの電界を小さくすればよい。すなわち、高周波ス
パッタリングにおいて、カソードのセルフバイアス電圧
の絶対値を小さくすればよい。このセルフバイアス電圧
の値は次の条件に依存している。
(a)カソードのセルフバイアス電圧は、カソードに印
加する高周波電力に依存する。つまり、電力が大きくな
れば、セルフバイアス電圧の絶対値も大きくなる。第6
図にセルフバイアス電圧と印加電力の関係を示す。
(b)カソードのセルフバイアス電圧は、真空容器内の
圧力に依存する。つまり、圧力が高くなれば、セルフバ
イアス電圧の絶対値は小さくなる。
第7図にセルフバイアス電圧と圧力の関係を示す。
(C)カソードのセルフバイアス電圧は、印加する高周
波電力の周波数に依存する。つまり、周波数が高くなれ
ば、セルフバイアス電圧の絶対値は小さくなる(参考文
献コTHE 5ECOND l5TECWORKSI(
OP ON 5IjPERCOND[1CTIVIY、
 MAY28−30゜1990、9.21)。
したがって、カソードに印加する電力や、真空容器内の
圧力、印加電力の周波数を制御すれば、セルフバイアス
電圧を制御できることになる。
[発明が解決しようとする課題] しかし、これらの条件を制御するには次のような問題が
ある。
上述の(a)の電力制御には次のような問題がある。電
力を低くするとセルフバイアス電圧の絶対値は小さくな
る傾向にあるが、セルフバイアス電圧の絶対値を100
v以下にするには、印加電力を30W以下にしなければ
ならない。しかし、こうすると膜堆積速度が小さくなっ
てしまう。また、電力を0〜30Wの範囲内で変化させ
た場合は、セルフバイアス電圧が急激に変化してしまい
、実用的には、精密にセルフバイアス電圧を制御するこ
とはできない。
上述の(b)の圧力制御には次のような問題がある。ガ
ス圧力を高くするとセルフバイアス電圧の絶対値は低く
なる傾向にあるが、セルフバイアス電圧の絶対値を10
0V以下にするには、圧力を500mTorr以上にし
なければならない。しかし、こうするとスパッタ粒子と
ガス粒子とが衝突して散乱を起こし、膜厚分布や膜組成
分布の面内の変動が大きくなる。したがって、有効な膜
の面積は小さくなってしまう。また、」二連の(a)の
場合と同様に極端に膜堆積速度が小さくなる傾向があり
、実用的でない。
上述の(c)の周波数制御には次のような問題がある。
周波数を13.56MHzから100MHzに上昇させ
るとセルフバイアス電圧の絶対値は小さくなる傾向があ
る。しかし、」二連の(C)で引用した文献に示されて
いるように、周波数を100MH2に」1昇させたとし
てもセルフバイアス電圧の絶対値は100V以下にはな
らない。また、この文献から明らかなように、確かに膜
組成の均一性は良好となるが、ターゲット組成と膜組成
とが一致していない。これは、セルフバイアス電圧の絶
対値が100■と高いために組成変動を起こしているか
らである。さらに、周波数を変化させるためには、発振
器や、電源、インピーダンス整合器を変更する必要があ
り、非常に費用がかかる。また、周波数を高くすること
により浮遊容量の影響を受け、インピーダンスマツチン
クの調整等に非常に手間がかかる。
そこで、この発明の目的は、上に挙げた方法以外の方法
によってセルフバイアス電圧を小さくすることのできる
スパッタリング装置を提供することと、この装置を利用
した膜作製方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 第1の発明のスパッタリング装置は、ターゲットの近傍
に磁石を配置した高周波スパッタリング装置において、 導入ガスの一部としてハロゲン系のガスを導入するガス
導入部を有することを特徴としている。
第2の発明のスパッタリング装置は、第1の発明の特徴
に加えて、ターゲット表面において、タゲット表面に垂
直な磁界成分がゼロになる位置でのターゲット表面に平
行な磁界成分が400ガウス以上であることを特徴とし
ている。
第3の発明のスパッタリング装置は、第2の発明の特徴
に加えて、被処理基体を保持する基体ホルダーに負電圧
を印加する基体バイアス機構を有することを特徴として
いる。
第4の発明の膜作製方法は、ターゲットの近傍に磁石を
配置して、前記ターゲットを高周波スパッタリングする
ことによって被処理基体上に酸化物薄膜を作製する膜作
製方法において、導入ガスの一部としてハロゲン系ガス
を真空容器内に導入することを特徴としている。
第5の発明の膜作製方法は、第4の発明におけるハロゲ
ン系ガスとして臭素系ガスまたはフッ素系ガスを利用す
ることを特徴としている。
第6の発明の膜作製方法は、第4の発明におけるハロゲ
ン系ガスの流量を制御することによってカソードのセル
フバイアス電圧を制御することを特徴としている。
第7の発明の膜作製方法は、第4の発明の特徴に加えて
、ターゲット表面において、ターゲット表面に垂直な磁
界成分がゼロになる位置でのターゲット表面に平行な磁
界成分が400ガウス以上であることを特徴としている
第8の発明の膜作製方法は、第7の発明の特徴に加えて
、被処理基体を保持する基体ホルダーに負電圧を印加す
ることを特徴としている。
第9の発明の膜作製方法は、第8の発明において、カソ
ードのセルフバイアス電圧よりも絶対値の小さい負電圧
を前記基体ホルダーに印加することを特徴としている。
[作用] 導入ガスの一部にハロゲン系のガスを利用すると、プラ
ズマ中にハロゲンの負イオン(例えばBr−1F−)を
生じる。この負イオンは、カソードのセルフバイアス電
圧の絶対値を低下させるように作用する。ハロゲン系の
ガスの流量を制御すると、プラスマ中のハロゲンの負イ
オンの量を制御できるので、カソードのセルフバイアス
電圧を精密に制御できる。セルフバイアス電圧を精密に
制御できると、膜堆積速度を精密に制御することができ
る。
ターゲット表面に磁界を形成してプラスマ密度を高める
、いわゆるマグネトロンスパッタリングにおいては、磁
界がターゲット表面に平行になる位置、すなわちターゲ
ラ)・表面に垂直な磁界成分(以下、Bvという。)が
ゼロになる位置で、プラズマ密度が高くなる。そして、
このBvがゼロになる位置での、ターゲット表面に平行
な磁界成分(以下、Bhという。)が大きければ大きい
ほどプラスマ密度が高くなり、それに伴ってカッドのセ
ルフバイアス電圧の絶対値が小さくなる。
好ましくはセルフバイアス電圧の絶対値が100V以下
になるようにする。この発明では、Bhが400ガウス
以上となるようにしている。このような大きな磁界を得
るには希土類磁石を利用するとよい。なお、マグネトロ
ンスパッタリング用の通常の磁石では、Bhは250ガ
ウス程度である。
以上のように、ハロゲン系のガスを利用したり、大きな
磁界を利用したりすることによって、カソードのセルフ
バイアス電圧の絶対値を小さくすることかできる。その
結果、ターケラI・から放出される負イオンの加速エネ
ルギーを小さくすることができて、この負イオンによる
基体への衝撃を緩和することができる。
さらに、基体ホルダーの側でも上述の負イオン衝撃を緩
和するための工夫をすることができる。
すなわち、基体ホルダーに負電圧を印加することによっ
て負イオン衝撃を緩和することができる。
基体ホルダーに印加する負電圧は、カソードのセルフバ
イアス電圧よりも絶対値が小さくなるようにしている。
[実施例] 次に、図面を参照してこの発明の詳細な説明する。
第1図は、この発明のスパッタリング装置の一実施例の
正面断面図である。真空容器1は矢印6方向に設置しで
ある主排気系で排気できて]0−7T orr以下の圧
力に保つことができる。真空容器1には、薄膜を作製す
るために必要なガスを供給するためのガス導入系29を
設け、バルブ23.24.25を介して真空容器1の中
へガスを導入できるようにしている。例えば、矢印10
方向からArガス、矢印11方向から02ガス、矢印1
2方向からBr2ガスを導入し、これらを混合して真空
容器1の中へ導入する。真空容器]内の圧力は、ガス導
入系29のマスフローメータ(図示せず)と、矢印6方
向に設置しである主排気系とを調節することにより、適
切な値に設定できる。
真空容器1内には、基体14を保持してこれを800℃
まで加熱することができる基体ホルダー13を設置して
いる。加熱方式は、温調計19とサイリスタユニット1
8と基体ホルダー13の表面に取り付1プた熱電対26
とによりランプヒータ15を制御する方式である。
基体ホルダー13は絶縁石17によって真空容器1に対
して電気的に絶縁されている。基体ホルダー13はリー
ド線16によって真空容器1の外にあるバイアス電源2
0に接続されている。このバイアス電源20はバイポー
ラ方式の電源で、正の電圧と負の電圧のいずれかを選択
して基体ホルダー13に印加できる。基体ホルダー13
にバイアス電圧を印加することにより、ターゲットから
基体に入射する負イオンのエネルギーを制御することが
できる。
基体ホルダー13に対向する位置にはターゲットシール
ド2を設置し、このターゲットシールド2の内側に絶縁
リング8(フッ素樹脂製)を介してターゲット3とカソ
ードボディ30を設置している。このカソードボディ3
0には冷却水(矢印9a、、9b)を流して冷却してい
る。また、カソードボディ30にはインピーダンス整合
器21、高周波電源22が接続している。この高周波電
源22によりカソードボディ30に電力を供給している
カソードボディ30の中には希土類磁石で構成した円筒
形の高磁界磁石7を収納している。第2図は高磁界磁石
7の正面断面図である。この高磁界磁石7は磁界4を発
生し、ターゲット3の表面において、ターゲソ)・3の
表面に垂直な磁界成分Bvがゼロになる位置で、ターゲ
ソ)・3の表面に平行な磁界成分Bhか1200ガウス
となる磁界強度を持っている。
第1図に戻って、カソードボディ30にはロバスフィル
タ27を介して電圧計28を接続している。カソードボ
ディ30に高周波電力を印加すると、真空容器1内で放
電が生じたときにカッドボディ30にセルフバイアス電
圧が誘起される。
このセルフバイアス電圧Vsを電圧計28によってモニ
ターする。
高周波電力=150W、圧力=25mTorrのときの
、Bv=0の位置での磁界成分Bhとセルフバイアス電
圧Vsとの関係を第3図に示す。
Bh=Oすなわち磁石がない場合は、Vs−−933V
である。磁界成分Bhを大きくすると、セルフバイアス
電圧Vsの絶対値は急激に減少する。
B h、 = 1200ガウスのときは、Vs=−70
Vとなる。このように磁界成分Bhを大きくすることに
よりセルフバイアス電圧Vsの絶対値を低下させること
ができる。ただし、高磁界磁石7は永久磁石であるため
、いったん磁石を設置してしまうと磁石によってセルフ
バイアス電圧Vsを制御することはできない。すなわち
、磁石の選択によって大まかには磁石強度を設定できる
が、精密にBhを制御するには別の工夫か必要となる。
そこで、この実施例においては、ハロゲン系のガスの導
入によってセルフバイアス電圧Vsの精密な制御を行っ
ている。この実施例では、ガス導入系29において、臭
素ガス(Br2)をマスフロメーター(図示せず)とバ
ルブ25を介して真空容器1内に導入している。このと
きのセルフバイアス電圧Vsと、Br2ガスの分圧比r
B r2/(Ar+02十Br2)」との関係を第4図
に示す。Br2ガスの分圧比を増加させることによリセ
ルツバイアスミ圧Vsの絶対値を低下させることかでき
る。したがって、高周波電力と真空容器内の圧力を一定
にしておいて、Br2ガスの分圧比を調節することによ
り、セルフバイアス電圧Vsを精密に制御することがで
きる。
スパッタリングによる膜堆積速度はセルフバイアス電圧
に依存するので、セルフバイアス電圧を精密に制御でき
るようになると、これによって膜堆積速度を精密に制御
することができる。特に、マルチカソードスパッタリン
グによって超格子薄膜を数オングストロームずつ積層し
ていくような場合には、膜堆積速度を精密に制御する必
要があり、セルフバイアス電圧の精密制御はこのような
場合に有効である。
第4図から明らかなように、Br2ガスの分圧比が大き
くなるほどセルフバイアス電圧の絶対値は低下するが、
Br2ガスは腐食性が強いので、あまり分圧比を太き(
するとガス導入系やチャンバ内が腐食によって汚染され
る恐れがある。したがって、Br2ガスの分圧比は0.
1程度に抑えるのが好ましい。
セルフバイアス電圧の絶対値を小さくすることは基体へ
の負イオン衝撃を緩和する上で重要であるが、セルフバ
イアス電圧の絶対値を小さくし過ぎると膜堆積速度が小
さくなり過ぎて実用的でない。そこで、セルフバイアス
電圧の絶対値は50V以下にならないようにするのが好
ましい。
次に、このスパッタリング装置を用いて酸化物薄膜を作
製する方法について説明する。
ターゲットから負イオンが発生する物質の一例として、
酸化物超電導体Y、Ba2Cug O,がある。そこで
、ターゲット3として、直径4インチのYIBa2 C
u30.焼結体ターゲットを用いる。第1図のガス導入
系29において、バルブ23.24とマス70メータ(
図示せず)を介して、矢印10方向からArガスを、矢
印11方向から02ガスを供給し、これらを混合して真
空容器1の中へ導入する。このときのArガスと02ガ
スとの混合比は1対1である。真空容器1内の圧力は2
5mTorrにする。ターゲット3と基体ホルダー13
との間隔は25mmである。ターゲット3の近傍には高
磁界磁石7により高磁界が形成されている。すなわち、
ターゲット表面において、磁界成分Bvがゼロになる位
置で、磁界成分Bhが1200ガウスとなっている。タ
ーゲット3には、高周波電源22から13.56MHz
の周波数で150Wの高周波電力を印加し、インピーダ
ンス整合器2]により、反射波がOW(ゼロワット)に
なるように調整している。このとき、フィルター27を
介して電圧計28によってモニターしたセルフバイアス
電圧Vsは一70Vであった。
セルフバイアス電圧Vsをさらに下げるために、矢印1
2方向からマスフロメーター(図示せず)を介して真空
容器1内にBr2ガスを導入した。
そして、真空容器内の圧力が25mTorrになるよう
にArガス、0□ガス、Br2ガスの各流量を調整し、
Br2ガスの分圧比rB r2 / (A r+02 
+ B r 2 ) Jが0.1になるようにした。
このときのセルフバイアス電圧Vsは一50Vとなった
as−grown状態で超電導特性を得るために、基体
14を600〜700℃に加熱した状態で、上記の条件
で薄膜を堆積させた。基体14にはMgO(100)を
用いて、C軸配向の膜を得た。そして、この膜が再現性
よく得られることを確認した後、基体バイアス電圧の影
響を調べた。
すなわち、バイアス電源20によって基体14に負のバ
イアス電圧を印加し、バイアス電圧の値をいろいろに変
えて超電導体薄膜を作製した。その結果、バイアス電圧
vbが一10Vのときに最も良好な特性を有する膜を得
た。
第5図に基体上の膜の組成比分布を示す。(a)は実施
例の場合を、(b)は従来例の場合を示している。以下
に、実施例と従来例を比較して示す。
(a)実施例 (1)組成比の変動が±5%以内の均一膜組成領域:直
径100mm以内 (2)膜の超電導臨界温度;90K (3)セルフバイアス電圧: −50V(b)従来例 (1)組成比の変動が±5%以内の均−膜組成領域二直
径45mm以内 (2)膜の超電導臨界温度=82K (3)セルフバイアス電圧−一1B2V実施例において
は高磁界磁石を利用することによりセルフバイアス電圧
を低下させ、さらに、Br2ガスの流量を制御すること
によりセルフバイアス電圧を精密に制御した。その結果
、実施例と従来例とを比較すると、実施例では膜組成が
改善され、特に、均一膜組成領域は従来例の4倍以上の
面積になった。また、膜中には、YSBa。
Cu10のほかにBrのピークが見られたが、Brが超
電導特性を劣化させることはない。なお、上述の従来例
は、標準磁石を利用し、Br2ガスを導入せずに、基体
バイアスも印加しない条件で膜作成を行ったものである
Brガスの他に以下に示す臭素系ガス、フッ素系ガスを
用いても、上記と同様な膜を得ることができる。すなわ
ち、Br系ガスとしては、BBr3、HBr、BrF3
 、BrF5、CBrF3 、C2Br2 F4 、C
H3Brを用いることができる。また、フッ素系ガスと
しては、NF3、BF3、SF4、SF6、CF4、H
F1CIF3、C2F6、C3F8、CH3Fを用いる
ことができる。
なお、この実施例においてはターゲット材料として酸化
物超電導体を用いたが、ターゲットから負イオンが放出
されるようなその他の酸化物をターゲットに使う場合に
も、同様な効果が得られる。
[発明の効果コ この発明によれば次のような効果が得られる。
(1)ターゲット電極の近傍に高磁界磁石を設置するこ
とにより、カソードのセルフバイアス電圧の絶対値を小
さくできる。
(2)導入ガスの一部にハロゲン系ガスを使うことによ
り、カソードのセルフバイアス電圧の絶対値を小さくす
ることができる。さらに、このハロゲン系ガスの流量を
制御することによりカソードのセルフバイアス電圧を精
密に制御できる。
(3)以上のようにカソードのセルフバイアス電圧の絶
対値を小さくすることにより、カソードから放出された
負イオンによる基体上の膜の再スパッドリングを防止で
きる。
(4)被処理基体に負のバイアス電圧をかけることによ
り、基体に入射する負イオンの入射エネルギーを制御す
ることができる。その結果、負イオンの入射エネルギー
を適当な値に低下させることができて、基体表面上での
スパッタ粒子と負イオンとの化学反応を促進させ、酸化
物膜の膜質や結晶構造を良好なものにてきる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明のスパッタリング装置の一実施例の正
面断面図、 第2図は高磁界磁石の正面断面図、 第3図は磁界の強さとセルフバイアス電圧との関係を示
すグラフ、 第4図はセルフバイアス電圧と臭素′ガスの分圧比の関
係を示すグラフ、 第5図は基体上の膜の組成比分布を示すクラブ、第6図
はカソードのセルフバイアス電圧と印加電力の関係を示
すグラフ、 第7図はカソードのセルフバイアス電圧と真空容器内圧
力の関係を示すクラブである。 1・・・真空容器 3・・・ターゲット 7・・・高磁界磁石 13・・・基体ボルダ− 14・・・基体 20・・・基体バイアス電源 22・・・高周波電源 29・・・ガス導入系 30・・・カソードボディ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ターゲットの近傍に磁石を配置した高周波スパッ
    タリング装置において、 導入ガスの一部としてハロゲン系のガスを導入するガス
    導入部を有することを特徴とするスパッタリング装置。
  2. (2)ターゲット表面において、ターゲット表面に垂直
    な磁界成分がゼロになる位置でのターゲット表面に平行
    な磁界成分が400ガウス以上であることを特徴とする
    請求項1記載のスパッタリング装置。
  3. (3)被処理基体を保持する基体ホルダーに負電圧を印
    加する基体バイアス機構を有することを特徴とする請求
    項2記載のスパッタリング装置。
  4. (4)ターゲットの近傍に磁石を配置して、前記ターゲ
    ットを高周波スパッタリングすることによって被処理基
    体上に酸化物薄膜を作製する膜作製方法において、 導入ガスの一部としてハロゲン系ガスを真空容器内に導
    入することを特徴とする膜作製方法。
  5. (5)前記ハロゲン系ガスとして臭素系ガスまたはフッ
    素系ガスを利用することを特徴とする請求項4記載の膜
    作製方法。
  6. (6)前記ハロゲン系ガスの流量を制御することによっ
    てカソードのセルフバイアス電圧を制御することを特徴
    とする請求項4記載の膜作製方法。
  7. (7)ターゲット表面において、ターゲット表面に垂直
    な磁界成分がゼロになる位置でのターゲット表面に平行
    な磁界成分が400ガウス以上であることを特徴とする
    請求項4記載の膜作製方法。
  8. (8)被処理基体を保持する基体ホルダーに負電圧を印
    加することを特徴とする請求項7記載の膜作製方法。
  9. (9)カソードのセルフバイアス電圧よりも絶対値の小
    さい負電圧を前記基体ホルダーに印加することを特徴と
    する請求項8記載の膜作製方法。
JP24007590A 1990-09-12 1990-09-12 スパッタリング装置および膜作製方法 Pending JPH04124265A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998003988A3 (en) * 1996-07-24 1998-03-26 Univ Nanyang Cathode arc source and graphite target

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WO1998003988A3 (en) * 1996-07-24 1998-03-26 Univ Nanyang Cathode arc source and graphite target
US6761805B1 (en) 1996-07-24 2004-07-13 Filplas Vacuum Technology Pte. Ltd. Cathode arc source with magnetic field generating means positioned above and below the cathode

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