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JP7806205B1 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP7806205B1
JP7806205B1 JP2024230453A JP2024230453A JP7806205B1 JP 7806205 B1 JP7806205 B1 JP 7806205B1 JP 2024230453 A JP2024230453 A JP 2024230453A JP 2024230453 A JP2024230453 A JP 2024230453A JP 7806205 B1 JP7806205 B1 JP 7806205B1
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拓哉 助吉
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Toyo Tire Corp
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Toyo Tire Corp
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Abstract

【課題】サイドウォールに異色ゴムを配設しつつ優れた耐久性を発揮しうる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】実施形態に係る空気入りタイヤ1は、サイドウォール30にサイドウォール30を構成するゴムよりカーボンブラックの含有率が小さいゴムからなる異色ゴム部32を備え、異色ゴム部32のタイヤ径方向外側端からタイヤ加硫金型のセクタとサイドプレートとの境界に形成された環状突起47までのタイヤ径方向の長さCが、タイヤ断面高さHの8%以上28%以下であり、正規リム組み内圧未充填状態のタイヤ軸方向断面における、タイヤ内面から外面までのタイヤ厚みが、接地端Eよりもタイヤ軸方向中央CLにおいて小さい。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
タイヤの視認性やデザイン性を向上させる目的で、サイドウォールに設ける文字や記号やタイヤ周方向に連続あるいは不連続に設けられた線や図形などの模様部分を白色ゴム等の異色ゴム組成物で構成するサイドウォールが知られている。この種のサイドウォールは、例えば、サイドウォールを形成する未加硫の黒色ゴムの所定部分を半径方向に分割した間に異色ゴムを配置し、異色ゴム上に黒色のカバーゴム層を設けて成形され、成形されたグリーンタイヤを所定のモールドで加硫した後、カバーゴム層の一部を研削して異色ゴムを模様部分として露出させることにより形成される。
異色ゴムを配置したサイドウォールに関する技術として、例えば、特許文献1には、黒色ゴムが模様部分に部分的に露出する黒残り現象を抑制するために、異色ゴムの体積を黒色ゴムの体積の60%以上70%以下とすることが開示されている。
特許第6798876号公報
特許文献1のような、異色ゴムを配置したサイドウォールを有するタイヤは、異色ゴムと黒色ゴムとの界面が存在するため、ブラックサイドウォールのみのタイヤに比べて界面が増えてしまい耐久性が低下しやすい。特に、タイヤの断面高さが小さくなると、異色ゴムのタイヤ径方向外側端付近に歪が集中してセパレーションが発生しやすくなる。
本発明の実施形態は、以上の点に鑑み、サイドウォールに異色ゴムを配設しつつ優れた耐久性を発揮しうる空気入りタイヤを提供することを課題とする。
本発明は以下に示される実施形態を含む。
[1] タイヤ軸方向に間隔をあけて配置された一対のビード部と、一対の前記ビード部からタイヤ径方向外側に設けられた一対のサイドウォールと、一対の前記サイドウォールの間に設けられたトレッドと、前記トレッドから前記サイドウォールを経て前記ビード部にて係止されたカーカスプライと、前記サイドウォールにおける前記カーカスプライのタイヤ軸方向外側に設けられ、前記サイドウォールを構成するゴムよりカーボンブラックの含有率が小さいゴムからなる異色ゴム部と、を備え、前記トレッドの少なくとも一部を形成するセクタと、前記セクタに当接して前記サイドウォールの少なくとも一部を形成するサイドプレートと、を有するタイヤ加硫金型で形成された空気入りタイヤにおいて、前記異色ゴム部のタイヤ径方向外側端から前記セクタと前記サイドプレートとの境界に形成されたタイヤ周方向に連続する環状突起までのタイヤ径方向の長さが、タイヤ断面高さの8%以上28%以下であり、正規リム組み内圧未充填状態のタイヤ軸方向断面における、タイヤ内面から外面までのタイヤ厚みが、接地端よりもタイヤ軸方向中央において小さい、空気入りタイヤ。
[2] タイヤ軸方向に間隔をあけて配置された一対のビード部と、一対の前記ビード部からタイヤ径方向外側に設けられた一対のサイドウォールと、一対の前記サイドウォールの間に設けられたトレッドと、前記トレッドから前記サイドウォールを経て前記ビード部にて係止されたカーカスプライと、前記サイドウォールにおける前記カーカスプライのタイヤ軸方向外側に設けられ、前記サイドウォールを構成するゴムよりカーボンブラックの含有率が小さいゴムからなる異色ゴム部と、を備え、前記トレッドの少なくとも一部を形成するセクタと、前記セクタに当接して前記サイドウォールの少なくとも一部を形成するサイドプレートと、を有するタイヤ加硫金型で形成された空気入りタイヤにおいて、前記異色ゴム部のタイヤ径方向外側端から前記セクタと前記サイドプレートとの境界に形成されたタイヤ周方向に連続する環状突起までのタイヤ径方向の長さが、タイヤ断面高さHの8%以上28%以下であり、前記トレッドの接地端で挟まれた領域のうち、タイヤ軸方向中央を中心とした接地幅の60%の範囲を中央領域とし、前記中央領域のタイヤ軸方向外側をショルダー領域とし、前記中央領域の面積に対する前記中央領域に設けられた凹部の開口面積の比率を中央ボイド比とし、前記ショルダー領域の面積に対する前記ショルダー領域に設けられた凹部の開口面積の比率をショルダーボイド比とすると、前記中央ボイド比が前記ショルダーボイド比よりも大きい、空気入りタイヤ。
[3] 前記トレッドは、複数のコードがゴムで被覆されたベルトと、前記ベルトのタイヤ径方向外側に設けられたトレッドゴムと、を備え、タイヤ周方向に対する前記コードの傾斜角が22度以上28度以下である、上記[1]又は[2]に記載の空気入りタイヤ。
[4]前記トレッドは、複数のコードがゴムで被覆されたベルトと、前記ベルトのタイヤ径方向外側に設けられたトレッドゴムと、を備え、前記トレッドゴムのゴム硬度が52以上68以下である、上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
[5]前記ビード部は、ビードコアと前記ビードコアのタイヤ径方向外側に設けられたビードフィラーとを備え、前記ビードフィラーのタイヤ径方向外側端は、前記異色ゴム部とタイヤ軸方向に重なるように配置されている、上記[1]~[4]のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
[6]前記トレッドは、複数のコードがゴムで被覆されたベルトと、前記ベルトのタイヤ径方向外側に設けられたトレッドゴムと、を備え、前記トレッドゴムは、トレッド面が形成されたキャップゴム層と、前記キャップゴム層のタイヤ径方向内側に設けられ前記キャップゴム層よりもゴム硬度が低いベースゴム層とを備え、タイヤ軸方向中央における前記キャップゴム層のゴム厚みが、タイヤ軸方向中央からタイヤ軸方向外側へ接地幅の37.5%離れた位置における前記キャップゴム層のゴム厚よりも小さい、上記[1]~[5]のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
[7]前記トレッドは、タイヤ周方向に延びる主溝として、少なくとも1本のセンター主溝と、前記センター主溝のタイヤ軸方向両側に位置する一対のショルダー主溝と、を含む少なくとも3本以上の主溝が設けられており、前記センター主溝の溝深さが前記ショルダー主溝の溝深さよりも深い、上記[1]~[6]のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
[8]前記トレッドの接地端で挟まれた領域のうち、タイヤ軸方向中央を中心とした接地幅の60%の範囲を中央領域とし、前記中央領域のタイヤ軸方向外側をショルダー領域とすると、前記中央領域にタイヤ周方向に延びる主溝が設けられ、前記ショルダー領域にタイヤ周方向に延びる主溝が設けられていない、上記[1]~[6]のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
本発明の実施形態によれば、サイドウォールに異色ゴムを配設した空気入りタイヤにおいて、セパレーションの発生を抑制して耐久性を高めることができる。
本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤの半断面図 図1の空気入りタイヤのトレッドパターンを示す展開図 本発明の変更例1に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを示す展開図 本発明の変更例2に係る空気入りタイヤの半断面図 本発明の変更例3に係る空気入りタイヤの半断面図 本発明の変更例4に係る空気入りタイヤの半断面図
以下、実施形態について図面を参照して説明する。
なお、図中、符号CLは、タイヤ赤道面を示しタイヤ軸方向中央に相当する。ここで、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に垂直な方向であり、図において符号RDで示す。タイヤ径方向内側とはタイヤ回転軸に近づく方向であり、タイヤ径方向外側とはタイヤ回転軸から離れる方向である。タイヤ軸方向とは、タイヤ回転軸に平行な方向であり、図において符号WDで示す。タイヤ軸方向内側とはタイヤ軸方向中央CLに近づく方向であり、タイヤ軸方向外側とはタイヤ軸方向中央CLから離れる方向である。タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸を中心とした円周上の方向であり、図において矢印CDで示す。
また、図中、符号Eは、タイヤの接地端を示す。接地端Eとは、接地面におけるタイヤ軸方向WDの最外位置である。接地面は、タイヤを正規リムにリム組みし、正規内圧を充填した状態でタイヤを平坦な路面に垂直に置き、正規荷重を加えたときの路面に接地するトレッド部の表面を指す。
正規リムとは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRA及びETRTOであれば“Measuring Rim”である。
正規荷重は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば上記の表に記載の最大値、ETRTOであれば"LOAD CAPACITY"である。
正規内圧とは、JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRELOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の「最大値」、又はETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」である。
また、本明細書において「重なる」とは、ビードフィラーや、カーカスプライや、ベルトプライやトレッドゴムなどのタイヤ構成部材同士が直接接して重なり合う場合だけでなく、間に別の部材を介して重なり合う場合も含むものとする。
(1)空気入りタイヤ1の基本構成
図1及び図2に示す一実施形態に係る空気入りタイヤ1は、左右一対のビード部20と、ビード部20からタイヤ径方向外方に延びる左右一対のサイドウォール30と、サイドウォール30のタイヤ径方向外方端同士を繋いで接地面を構成するトレッド40とを備える。本実施形態の空気入りタイヤ1は、タイヤ断面高さHが85mm以上150mm以下の低断面の空気入りタイヤである。なお、タイヤ断面高さHとは、正規リムに装着して正規内圧を充填した無負荷の空気入りタイヤ1の内径面から外径面までのタイヤ径方向の長さのことである。
一対のビード部20には、それぞれリング状のビードコア21が埋設されている。ビードコア21のタイヤ径方向外側には、タイヤ径方向外側に向かって先細り状をなす硬質ゴム製のビードフィラー22が設けられている。ビード部20には、ビードフィラー22のタイヤ軸方向WD外側にリムストリップゴム3が設けられている。リムストリップゴム3は、ビード部20の外表面を形成するゴム部材であり、空気入りタイヤ1が装着される不図示のホイールリムと接触する。
空気入りタイヤ1は、一対のビード部20間にトロイダル状に架け渡して設けられたカーカス50を備える。カーカス50は、トレッド40からサイドウォール30を経て、ビード部20においてビードコア21の周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返すことにより係止されている。カーカス50の内面側には耐空気透過ゴム層としてインナーライナー2が設けられている。
ビード部20におけるビードフィラー22のタイヤ軸方向WD外側には、サイド補強層80が設けられ、ビード部20におけるカーカス50のタイヤ外面側(即ち、タイヤ軸方向WD外側)にはリムストリップゴム3が設けられている。サイドウォール30におけるカーカス50のタイヤ外面側にはサイドウォールゴム31と異色ゴム部32とが設けられている。トレッド40におけるカーカス50のタイヤ径方向RD外側にはベルト70が設けられ、ベルト70のタイヤ径方向RD外側にはベルト補強層73及びトレッドゴム41が積層されている。
図1に示すように、サイドウォール30とトレッド40との境界近傍には、タイヤ周方向CDに延びる環状突起47が設けられている。環状突起47はタイヤ周方向CDの全周にわたって連続して設けられている。環状突起47は、トレッド40を成型する金型であるセクタとサイドウォール30を成型する金型であるサイドプレートとの境界位置(パーティングライン)PLに設けられている。
(2)ベルト70
ベルト70は、ベルトコードをタイヤ周方向CDに対して10度以上35度以下、好ましくは22度以上28度以下の傾斜角度で配列した、少なくとも2枚の交差ベルトプライからなる。この例では、タイヤ径方向RD内側に配された第1ベルトプライ71と、その外周側に配された第2ベルトプライ72との2層構造である。このうち第1ベルトプライ71が最も幅の広い最大幅ベルトであり、そのタイヤ軸方向WD外端がベルト70のタイヤ軸方向外端70Aに相当する。なお、ベルトコードとしては、スチールコードや高張力を有する有機繊維コードが用いられる。
この例では、ベルト70のタイヤ径方向RD外側、即ちベルト70とトレッドゴム41との間にベルト補強層73が設けられている。ベルト補強層73は、タイヤ周方向CDに対して実質的に平行に延びるコードを有するキャッププライにより構成されている。
また、第1ベルトプライ71のタイヤ軸方向WD端部とカーカス50との間には、有機繊維やスチールのコード等のコード補強材を含まないベルト下ゴム層74が設けられている。
(3)カーカス50
カーカス50は、タイヤ周方向CDに対して傾斜して延びる構成コードを有しかつその構成コードが互いに逆向きとなるように積層された2枚のカーカスプライ、即ち第1カーカスプライ51と第2カーカスプライ52を備える。カーカスプライ51,52は、平行に引き揃えた複数本のコードをゴム被覆してなるシート状をなしている。カーカスプライ51,52が有する複数本のコードは、例えば、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維等の有機繊維コード、又はスチールコードなどが挙げられる。
第1カーカスプライ51は、トレッド40からサイドウォール30を経てビード部20のビードコア21に至る第1本体部51Aと、該第1本体部51Aから延びビードコア21の周りにタイヤ軸方向WD内側から外側に向かって折り返された第1折返し部51Bとからなる。
第1本体部51Aは、ビードフィラー22のタイヤ軸方向WD内側を通って、ビードコア21のタイヤ径方向RD内側に達している。第1折返し部51Bは、ビードコア21のタイヤ径方向RD内側から、ビードフィラー22のタイヤ軸方向WD外側を通って、タイヤ径方向RD外側に巻上げられている。
第2カーカスプライ52は、トレッド40からサイドウォール30を経てビード部20のビードコア21に至る第2本体部52Aと、該第2本体部52Aから延びビードコア21の周りにタイヤ軸方向WD内側から外側に向かって折り返された第2折返し部52Bとからなる。
第2本体部52Aは、トレッド40において第1本体部51Aのタイヤ径方向外側に配置されており、第1本体部51Aの外側面に沿ってビード部20に向かって延び、第1本体部51Aとビードフィラー22との間を通って、ビードコア21のタイヤ径方向RD内側に達している。第2折返し部52Bは、ビードコア21のタイヤ径方向RD内側から、ビードフィラー22と第1折返し部51Bとの間を通って、タイヤ径方向RD外側に巻上げられている。
第1カーカスプライ51は、その第1折返し部51Bが、ベルト70の外端70Eよりもタイヤ軸方向WD内側に延びて終端する。すなわち、第1折返し部51Bのタイヤ径方向RD外側端である第1折返し端51BEは、ベルト70の外端70Eよりもタイヤ軸方向WD内側に位置し、第1折返し部51Bの法線方向においてベルト70と重なるように配置されている。なお、この例では、第1折返し端51BEは、第2ベルトプライ72のタイヤ軸方向外端72Eよりもタイヤ軸方向WD内側に位置し、第1折返し部51Bの法線方向において第2ベルトプライ72のタイヤ軸方向WD端部と重なるように配置されている。
また、この例では、ベルト70の第1ベルトプライ71と第1折返し部51Bのタイヤ径方向RD外側端部との間にベルト下ゴム層74が設けられており、第1折返し部51Bの第1折返し端51BEがベルト70の第1ベルトプライ71と直接接触せず、ベルト下ゴム層74を介して重なり合っている。
第2カーカスプライ52は、その第2折返し部52Bが、ビードフィラー22の先端(即ち、タイヤ径方向外端)22Aよりもタイヤ径方向RD外側に延び、かつベルト70の外端70Aよりも手前で終端している。より具体的には、第2折返し部52Bのタイヤ径方向RD外側端である第2折返し端52BEは、第2折返し部52Bの法線方向においてベルト70と重ならず、トレッドゴム41と重なるように配置されている。第2折返し部52Bの第2折返し端52BEは、第2カーカスプライ52の第2本体部52Aと第1カーカスプライ51の第1折返し部51Bとの間に挟まれている。
(4)トレッド40
トレッド40には、ベルト補強層73の外周側(タイヤ径方向外側)にはトレッドゴム41が設けられている。トレッドゴム41は、路面と接触するトレッド面を備えるキャップゴム層42と、キャップゴム層42のタイヤ径方向RD内側に配されたベースゴム層43とからなる二層構造をなす。トレッドゴム41は、サイドウォール30に設けられたサイドウォールゴム31のタイヤ径方向RD外端部を覆っている。なお、サイドウォールゴム31のタイヤ径方向RD外側端部が、トレッドゴム41のタイヤ軸方向WD端部を外側から覆うように、トレッドゴム41及びサイドウォールゴム31を配置してもよい。
キャップゴム層42には、タイヤ周方向CDに沿って延びる複数の主溝44A、44Bがタイヤ軸方向WDに間隔をあけて形成されている。この例では、タイヤ軸方向中央CLの両側に設けられた一対のセンター主溝44Aと、その外側にそれぞれ配された一対のショルダー主溝44Bである。
キャップゴム層42には複数の主溝44A,44Bによって複数の陸部45A、45B,45Cがタイヤ軸方向WDに区画形成されている。すなわち、一対のセンター主溝44A、44Aの間に挟まれたセンター陸部45Aと、センター主溝44Aとショルダー主溝44Bの間に挟まれた左右一対の中間陸部45Bと、ショルダー主溝44Bと接地端Eとの間に形成された左右一対のショルダー陸部45Cとが設けられている。各陸部45A、45B,45Cには、タイヤ周方向CDに対して交差する方向に延びる横溝46が設けられている。
ベースゴム層43は、ベルト補強層73のタイヤ径方向外側に設けられたゴム厚みが略一定のゴム層からなる。ベースゴム層43は、キャップゴム層42を構成するゴム組成物と同一のゴム硬度を有するゴム組成物が用いられてもよい。また、ベースゴム層43は、キャップゴム層42を構成するゴム組成物よりもゴム硬度が低いゴム組成物が用いられてもよい。
トレッドゴム41を構成するキャップゴム層42及びベースゴム層43には、ゴム硬度が52~68の範囲内のゴム組成物を用いることが好ましい。
なお、本明細書において、ゴム硬度は、JIS K6253-1-2012 3.2デュロメータ硬さ(durometer hardness)であり、一般ゴム(中硬さ)用のタイプAデュロメータを用いて、23℃の雰囲気下で測定される。
本実施形態の空気入りタイヤ1では、正規リムにリム組し、内圧を充填していない状態(正規リム組み内圧未充填状態)のタイヤ軸方向WD断面において、タイヤ軸方向WD中央におけるタイヤ厚みTHcが、接地端Eにおけるタイヤ厚みTeよりも小さい。
ここで、タイヤ軸方向中央CLにおけるタイヤ厚みTHcとは、タイヤ表面プロファイルに対するタイヤ軸方向中央CLにおける法線でのタイヤ厚みであり、接地端Eにおけるタイヤ厚みTeとは、タイヤ表面プロファイルに対する接地端Eにおける法線でのタイヤ厚みである。タイヤ表面プロファイルは、主溝44A,44Bを除いたトレッド40外表面の輪郭線であり、通常、複数の円弧を滑らかに接続した曲線によって規定される。
つまり、タイヤ軸方向中央CLにおけるタイヤ厚みTHcは、図1及び図2に示すように、タイヤ軸方向中央CLに主溝44Aや横溝46等の溝が設けられていない場合、タイヤ外面を構成するキャップゴム層42の外側面からタイヤ内面を構成するインナーライナー2の内側面までのトレッド40外表面の法線方向の長さであり、タイヤ軸方向中央CLに溝が設けられている場合、当該溝の開口面からインナーライナー2の内側面までのトレッド40外表面の法線方向の長さである。
また、接地端Eにおけるタイヤ厚みTHeは、接地端Eに横溝46等の溝が設けられていない場合、キャップゴム層42の外側面からインナーライナー2の内側面までのトレッド40外表面の法線方向の長さであり、接地端Eに溝が設けられている場合、当該溝の開口面からインナーライナー2の内側面までのトレッド40外表面の法線方向の長さである。
(5)サイドウォール30
サイドウォール30にはサイドウォールゴム31と異色ゴム部32とが設けられている。サイドウォールゴム31は、タイヤ径方向RD外側端部においてトレッドゴム41の軸方向WD端部と接合され、タイヤ径方向RD内側端部においてリムストリップゴム3の径方向RD外側端部と接合されている。サイドウォールゴム31は、トレッドゴム41やリムストリップゴム3と同様、補強性充填材としてのカーボンブラックを配合した黒色のゴム組成物(黒色ゴム)が使用されている。
異色ゴム部32は、本実施形態では白色ゴムからなるが、サイドウォールゴム31よりもカーボンブラックの含有量が小さいゴムであれば任意の色に着色されているゴムであってもよい。異色ゴム部32を構成する白色のゴム組成物としては、当該用途に通常用いられる公知の白色のゴム組成物を用いることができ、特に限定されない。
一例を挙げると、異色ゴム部32は、補強性充填剤としてカーボンブラックを配合しておらず、例えばシリカやタルク、クレーなどのカーボンブラック以外の充填剤(即ち、非カーボンブラック系充填剤)を配合したゴム組成物からなる。
サイドウォールゴム31は、リムストリップゴム3より軟らかく(硬度が低く)低剛性のゴム組成物からなる。異色ゴム部32は、リムストリップゴム3やサイドウォールゴム31を構成するカーボンブラックを配合した黒色のゴム組成物より硬度が低く低剛性のゴム組成物を用いることができる。一例として、リムストリップゴム3のゴム硬度を60~85、サイドウォールゴム31のゴム硬度を50~70、異色ゴム部12のゴム硬度を40~70とすることができる。
異色ゴム部32は、サイドウォール30における半径方向の一部において周方向に沿って環状に配設されている。異色ゴム部32の外面の一部は、サイドウォールゴム31と同色の黒色ゴムからなる不図示のカバーゴム層によって覆われており、覆われていない異色ゴム部32の露出部分が異色表示部33となる。
異色表示部33は、所定の絵柄、文字、記号、模様、タイヤ周方向に連続あるいは不連続に設けられた線や図形などの表示を、サイドウォールゴムと異なる色による表示としてタイヤ外表面に表示する。この異色表示部33は、タイヤ外表面に突出して設けられてもよい。また、異色表示部33は、タイヤ周方向CDに連続して環状に設けられてもよく、表示の形状に応じて周方向に沿って不連続に設けられてもよい。
図1に示すように、異色ゴム部32のタイヤ径方向外側端32E1からサイドウォール30とトレッド40との境界近傍に設けられた環状突起47までのタイヤ径方向RDの長さCがタイヤ断面高さHの8%以上28%以下となる位置に、異色ゴム部32が設けられている。好ましくは、長さCはタイヤ断面高さHの17%以上26%以下である。
タイヤ断面高さHに対する異色ゴム部32のタイヤ径方向外側端32E1から環状突起47までの長さCの比率を8%以上とすることで、異色ゴム部32とサイドウォールゴム31とのタイヤ径方向RD外側の界面を、歪が発生しやすいトレッド40とサイドウォール30との境界部分から離れた位置に配置することができ、セパレーションの発生を抑制することができ、タイヤ断面高さHに対する長さCの比率を17%以上とすることで更なる耐久性の向上を図ることができる。
また、当該比率を28%以下とすることで、サイドウォール30の目に付きやすい位置に異色ゴム部32を配置することができ、絵柄、文字などの表示部に黒色のサイドウォールゴムを露出させることなく、異色ゴムを露出させることができ、外観品質を悪化させることがない。また、異色ゴム部32とサイドウォールゴム31とのタイヤ径方向RD内側の界面4を、車両装着時にホイールリムに当接するリムストリップゴム3から離れた位置に配置することができ、セパレーションの発生を抑制することができる。当該比率を26%以下とすることで、タイヤ径方向の広い範囲にわたってサイドウォールゴムを露出させることなく、異色ゴムを露出させることができるとともに、セパレーションの発生を更に抑制することができる。
また、本実施形態では、異色ゴム部32と上側サイドウォールゴム32Aとの界面6のタイヤ軸方向内側端6aから第1カーカスプライ51の第1折返し部51Bの第1折返し端51BEまでのタイヤ径方向の長さDが、タイヤ断面高さHの3.0%以上30%以下となるように、異色ゴム部32が設けられている。
なお、異色ゴム部32はタイヤ最大幅位置P1を含む位置に設けられてもよく、タイヤ最大幅位置P1に異色表示部33が位置するように異色ゴム部32を設けてもよい。ここで、タイヤ最大幅位置P1とは、正規リムに装着され正規内圧が付与され正規荷重が負荷されたときに、空気入りタイヤ1のタイヤ軸方向WDの長さが最大となる位置のことである。
図1に示すように、異色ゴム部32は、サイドウォール30のタイヤ径方向RD内側の領域において、タイヤ軸方向WDにタイヤ外面から第1カーカスプライ51の第1折返し部51Bまで設けられている。このように異色ゴム部32を設けることにより、異色ゴム部32が黒色のサイドウォールゴム31をタイヤ径方向RD中央部付近において半径方向に分断し、異色ゴム部32のタイヤ径方向RD外側に位置する上側サイドウォールゴム31Aと、異色ゴム部32のタイヤ径方向RD内側に位置する下側サイドウォールゴム31Bとが形成されている。
なお、本実施形態では、サイドウォールゴム31は異色ゴム部32によってタイヤ径方向RDに分断されているが、異色ゴム部32と第1カーカスプライ51の第1折返し部51Bとの間にサイドウォールゴム31が設けられ、上側サイドウォールゴム31Aと下側サイドウォールゴム31Bとが繋がっていてもよい。
また、異色ゴム部32のタイヤ径方向外側端32E1は、ビードフィラー22のタイヤ径方向外側端(先端)22Eよりタイヤ径方向外側に位置し、異色ゴム部32のタイヤ径方向内側端32E2が、ビードフィラー22の先端22Eよりタイヤ径方向内側に位置してもよい。つまり、ビードフィラー22の先端22Eが、カーカス50の第1折返し部51B及び第2折返し部52Bを介して異色ゴム部32とタイヤ軸方向WDに重なるように配置されてもよい。本実施形態では、ビードフィラー22の先端22Eが、異色表示部33とタイヤ軸方向WDに重なる位置までタイヤ径方向外側へ延びている。
このようにビードフィラー22の先端22Eを、異色ゴム部32とタイヤ軸方向WDに重なるように配置することで、サイドウォール30の剛性を高めてサイドウォール全体の歪を抑制することができる。また、異色ゴム部32がタイヤ径方向全体にわたってビードフィラー22とタイヤ軸方向WDに重なることがないため、乗り心地が悪化しにくい。
本実施形態では、異色ゴム部32のタイヤ径方向の両端部がタイヤ軸方向内側に行くほど窄まるように傾斜しており、異色ゴム部32のタイヤ外面側の径方向長さがタイヤ内面側の径方向長さよりも長く設定されている。
なお、異色ゴム部32の断面形状は、種々の形状に設けることができる。例えば、異色ゴム部32のタイヤ径方向の両端部がタイヤ軸方向内側に行くほど広がるように傾斜したり、異色ゴム部32のタイヤ径方向の両端部がタイヤ軸方向に略平行に設けられたり、異色ゴム部32のタイヤ径方向の一端部がタイヤ軸方向に対して傾斜し、タイヤ径方向の他端部がタイヤ軸方向に略平行に設けられてもよい。
また、本実施形態では、下側サイドウォールゴム31Bとリムストリップゴム3との界面5が、タイヤ軸方向WD外側に行くほどタイヤ径方向RD内側に向かうように傾斜して設けられ、異色ゴム部32と下側サイドウォールゴム31Bとの界面4と同じ方向へ略平行に傾斜している。
本実施形態では、異色ゴム部32のタイヤ径方向内側端32E2が、リムストリップゴム3のタイヤ径方向外側端3Eよりもタイヤ径方向RD内側に位置しており、下側サイドウォールゴム31Bを介してリムストリップゴム3のタイヤ径方向外側端部とタイヤ軸方向に重なっている。
(6)サイド補強層80
サイド補強層80は、複数本のスチールコードあるいは有機繊維コードからなる補強コードを所定間隔で平行に配列し、ゴム被覆してなるゴム層である。サイド補強層80は、ビードフィラー22と第2折返し部52Bとの間に設けられている。サイド補強層80のタイヤ径方向内側端80E2は、タイヤ軸方向WDにビードコア21と重なる位置に配置され、ビードフィラー22のタイヤ軸方向WD外側に沿ってタイヤ径方向RD外方に延び、少なくとも下側サイドウォールゴム31Bよりもタイヤ径方向RD外方に延びて終端している。
すなわち、サイド補強層80は、タイヤ径方向内側端80E2がリムストリップゴム3と下側サイドウォールゴム31Bとの界面5のタイヤ軸方向内側端5Eよりもタイヤ径方向RD内側に位置し、タイヤ径方向外側端80E1が下側サイドウォールゴム31Bと異色ゴム部32との界面4のタイヤ軸方向内側端4Eよりもタイヤ径方向RD外側に位置している。
なお、サイド補強層80のタイヤ径方向外側端80E1は、異色ゴム部32とタイヤ軸方向WDに重なる位置に設けられてもよく、異色ゴム部32の異色表示部33とタイヤ軸方向WDに重なる位置に設けられてもよく、上側サイドウォールゴム31Aとタイヤ軸方向にWDに重なるように設けられてもよい。また、サイド補強層80のタイヤ径方向外側端80E1は、タイヤ最大幅位置P1よりもタイヤ径方向RD内側に設けられてもよく、タイヤ最大幅位置P1よりもタイヤ径方向RD外側に設けられてもよい。
(7)効果
本実施形態の空気入りタイヤ1では、異色ゴム部32のタイヤ径方向外側端32E1から環状突起47までのタイヤ径方向の長さCが、タイヤ断面高さの8%以上28%以下であり、サイドウォール30とトレッド40との境界近傍からの距離が確保されているため、異色ゴム部32と上側サイドウォールゴム31Aとの界面に作用する応力を低減することができ、当該界面におけるセパレーションの発生を抑制し、耐久性を向上することができる。
本実施形態のようなタイヤ断面高さHが85mm以上150mm以下の低断面の空気入りタイヤでは、トレッド40とサイドウォール30との境界近傍で歪が集中しやすいため、上記のように長さCを設定してトレッド40とサイドウォール30との境界近傍から距離を確保することで、異色ゴム部32と上側サイドウォールゴム31Aとの界面に作用する応力を低減することができる。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、正規リム組み内圧未充填状態のタイヤ軸方向断面における、タイヤ内面から外面までのタイヤ厚みが、接地端よりもタイヤ軸方向中央において小さいため、トレッド40が撓み変形しやすくなる。これにより、トレッド40にタイヤ全体の撓みが分散されやすくなり、サイドウォール30に生じる撓み変形を抑えることができ、異色ゴム部32とサイドウォールゴム31との界面におけるセパレーションの発生を抑制し、耐久性を向上することができる。
特に、タイヤ断面高さHが150mm以下の低断面の空気入りタイヤの場合、サイドウォール30の目に付きやすい位置に異色表示部33を配置すると、荷重入力時に変形しやすいタイヤ最大幅位置P1付近に異色ゴム部32が配置されるが、本実施形態では、トレッド40が撓み変形しやすい構成を採用しているため、タイヤ最大幅位置P1付近における変形が軽減され、異色ゴム部32とサイドウォールゴム31との界面におけるセパレーションの発生を効果的に抑制し、耐久性を向上することができる。
本実施形態において、ベルト70に設けられたベルトコードのタイヤ周方向CDに対する角度を22度以上28度以下に設定することで、適度な変形を許容しつつトレッド40をタイヤ径方向に拘束することができ、タイヤの走行性能を損なうことなく、サイドウォール30における撓み変形を抑制して異色ゴム部32の界面におけるセパレーションの発生を抑制し、耐久性を向上することができる。
また、ベルトコードのタイヤ周方向CDに対するベルト角度を上記の範囲で調整することで、タイヤの接地圧が均一になり、歪をタイヤ全体に分散させることで、サイドウォール30やビード部20における撓み変形を抑えることができる。
本実施形態において、ビードフィラー22の先端22Eがタイヤ軸方向から見て異色ゴム部32と重なるように配置することで、異色ゴム部32とサイドウォールゴム31との界面を補強することができ、異色ゴム部32の界面におけるセパレーションの発生を抑制し、耐久性を向上することができる。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、第1カーカスプライ51の第1折返し部51Bがベルト70の外端70Eよりもタイヤ軸方向内側に延び、第1折返し端51BEが折返し部51Bの法線方向においてベルト70と重なるように配置されているため、トレッド40とサイドウォール30との境界近傍における剛性を高めることで歪を抑制し、異色ゴム部32と上側サイドウォールゴム31Aとの界面6におけるセパレーションの発生を抑制し、耐久性を向上することができる。
本実施形態のように、第2ベルトプライ72のタイヤ軸方向外端72Eよりもタイヤ軸方向WD内側に第1折返し端51BEを配置し、第1折返し部51Bの法線方向において第2ベルトプライ72と重なるように第1折返し端51BEを配置することで、トレッド40とサイドウォール30との境界近傍における補強効果が高まり、界面6におけるセパレーションの発生をより一層抑制することができる。
また、第2カーカスプライ52の第2折返し部52Bは、異色ゴム部32と上側サイドウォールゴム31Aとの界面6よりもタイヤ径方向RD外側に延び、第2折返し端52BEが上側サイドウォールゴム31Aを介してトレッドゴム41と重なるように配置されている。そのため、異色ゴム部32と上側サイドウォールゴム31Aとの界面6近傍における剛性を高め、当該界面6におけるセパレーションの発生を抑制し、耐久性を向上することができる。
第2折返し端52BEは、第2折返し部52Bの法線方向においてベルト70と重なっておらず、ベルト70との間に距離が確保されている。そのため、歪が集中しやすいベルトプライ71,72やカーカスプライ51,52の端部がトレッドゴム41とサイドウォールゴム31の境界近傍に重ねて配置されずタイヤ耐久性を向上させることができるとともに、タイヤ製造時に部材間にエアが残りにくい。
本実施形態では、界面6のタイヤ軸方向内側端6aから第1折返し部51Bの第1折返し端51BEまでのタイヤ径方向の長さDが、タイヤ断面高さHの3.0%以上30%以下に設定されている。上記長さDがタイヤ断面高さHの3.0%以上であると、界面6と第1折返し部51Bとの距離を確保しつつ、異色ゴム部32付近の剛性を高めることができ、タイヤ耐久性を向上させることができる。また、上記長さDがタイヤ断面高さHの30%以下であると、重量が増加し過ぎることがなく、転がり抵抗が悪化して燃費性が低下することがない。
本実施形態のようにビードフィラー22と第2折返し部52Bとの間にサイド補強層80を設けることにより、サイドウォール30全体の剛性を高めて、入力された荷重を低減させて、異色ゴム部32とサイドウォールゴム31との界面4、6にかかる歪を抑制することができる。
(8)変更例
次に変更例について説明する。以上の実施形態に対し、発明の趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更を行うことができる。以下では複数の変更例について説明するが、上記の実施形態に対して、以下に説明する複数の変更例のうちいずれか1つを適用しても良いし、以下に説明する変更例のうちいずれか2つ以上を組み合わせて適用しても良い。また、以下の変更例の他にも発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。なお、変更例を示す図では、上記実施形態と同様のものには、上記実施形態と同じ符号が付されている。
(8-1)変更例1
本変更例では、トレッド40の中央領域TCのボイド比である中央ボイド比が、ショルダー領域TSのボイド比であるショルダーボイド比よりも大きくなるように各領域のボイド比が設定されている。
具体的には、図3に示すように、トレッド40において接地端Eで挟まれた領域のタイヤ軸方向WDの長さ、つまり、タイヤ軸方向WD両側の接地端Eの間隔を接地幅TWとすると、中央領域TCとはタイヤ軸方向中央CLを中心とした接地幅TWの60%の範囲の領域である。ショルダー領域TSとは、中央領域TCのタイヤ軸方向WDの両側の接地端Eまでの領域である。
中央ボイド比とは、中央領域TCの面積に対する中央領域TCに設けられた凹部の開口面積の比をいい、すなわち、中央領域TCに占める非接地部分の面積比率である。ショルダーボイド比とは、ショルダー領域TSの面積に対するショルダー領域TSに設けられた凹部の開口面積の比をいい、すなわち、ショルダー領域TSに占める非接地部分の面積比率である。
ここで、非接地部分の面積は、主溝44A,44B、横溝46の開口面積の総和である。なお、中央領域TCやショルダー領域TSにサイプと呼ばれる溝幅が1.5mm以下の細溝が設けられていれば、当該細溝の開口面積も非接地部分の面積に含まれる。
本変更例では、中央ボイド比がショルダーボイド比よりも大きいため、トレッド40が撓み変形しやすくなる。これにより、荷重入力時にサイドウォール30に集中しやすい歪をトレッドの中央領域に分散して、サイドウォール30に生じる撓み変形を抑えることができ、異色ゴム部32とサイドウォールゴム31との界面におけるセパレーションの発生を抑制することができる。
(8-2)変更例2
図4に示すように、変更例2では、タイヤ軸方向中央CLにおけるトレッド40のキャップゴム層42のゴム厚みTGcが、タイヤ軸方向中央CLからタイヤ軸方向WD外側へ接地幅TWの37.5%離れた位置におけるキャップゴム層42のゴム厚TGsよりも小さく設けられている。また、本変更例では、ベースゴム層43は、キャップゴム層42を構成するゴム組成物よりもゴム硬度が低いゴム組成物が用いられている。
本変更例では、キャップゴム層42の厚みが、タイヤ軸方向中央CLからタイヤ軸方向WD外側へ離れた位置に比べてタイヤ軸方向中央CLにおいて小さく設定されているため、トレッド40が撓み変形しやすくなる。これにより、荷重入力時にサイドウォール30に集中しやすい荷重をトレッド40へ分散して、サイドウォール30に生じる撓み変形を抑えることができ、異色ゴム部32とサイドウォールゴム31との界面におけるセパレーションの発生を抑制することができる。
(8-3)変更例3
図5に示すように、変更例3では、センター主溝44Aの溝深さDAが、ショルダー主溝44Bの溝深さDBよりも深くなっている。このようにセンター主溝44A及びショルダー主溝44Bの溝深さを設けることで、トレッド40が撓み変形しやすくなり、荷重入力時にサイドウォール30に集中しやすい歪をトレッド40の中央領域に集中させることで、サイドウォール30に生じる撓み変形を抑えることができ、異色ゴム部32とサイドウォールゴム31との界面におけるセパレーションの発生を抑制することができる。
なお、図5では、センター主溝44A及びショルダー主溝44Bをそれぞれ2本ずつ設ける場合について説明したが、トレッド40のタイヤ軸方向中央CLにセンター主溝を1本設け、そのタイヤ軸方向両側にショルダー主溝を設け、トレッド40に3本の主溝を設ける場合や、1本のセンター主溝のタイヤ軸方向両側に中間主溝とショルダー主溝をそれぞれ設けトレッド40に5本の主溝を設ける場合など、トレッド40に3本以上の主溝を設ける場合において、センター主溝の溝深さをショルダー主溝の溝深さよりも深くすることで、荷重入力時にサイドウォール30に集中しやすい歪をトレッドの中央領域に分散して、サイドウォール30に生じる撓み変形を抑え、異色ゴム部32とサイドウォールゴム31との界面におけるセパレーションの発生を抑制することができる。
(8-4)変更例4
図6に示すように、変更例4では、トレッド40の接地端Eで挟まれた領域のうち、タイヤ軸方向中央CLを中心とした接地幅TWの60%の範囲を中央領域TCとし、中央領域TCのタイヤ軸方向WDの両側の接地端Eまでの領域をショルダー領域TSとすると、中央領域TCにタイヤ周方向CDに延びる主溝44Aが設けられ、ショルダー領域TSにタイヤ周方向CDに延びる主溝が設けられていない。
本変更例においても、トレッド40が撓み変形しやすくなり、荷重入力時にサイドウォール30に集中しやすい荷重をトレッド40へ分散して、サイドウォール30に生じる撓み変形を抑えることができ、異色ゴム部32とサイドウォールゴム31との界面におけるセパレーションの発生を抑制することができる。
(8-5)変更例5
本発明は、上記実施形態において説明したようなタイヤ断面高さHが150mm以下の低断面の空気入りタイヤに限られず、タイヤ断面高さHが150mmを超える空気入りタイヤにも適用可能である。
(9)実施例
以下、実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
上記実施形態の効果を示すために、実施例1~3及び比較例1、2の空気入りタイヤを試作した。
実施例1~3及び比較例1、2の空気入りタイヤは、図1に示す断面形状及び図2に示すようなトレッドパターンを持つタイヤサイズ165/60R15のラジアルタイヤであり、異色ゴム部32のタイヤ径方向外側端32E1から環状突起47までのタイヤ径方向の長さCが異なる。実施例1~3及び比較例1、2の空気入りタイヤにおける長さC、タイヤ断面高さH及びタイヤ断面高さHに対する長さCの比率は表1に示すとおりである。
なお、いずれの例も、断面高さが99mmであり、長さC以外の構成は同じ構成とした。
これらの各タイヤについて、耐久性能を評価した。各評価方法は以下の通りである。
・耐久性能:JISD4230に規定する方法に準拠して耐久性能試験を行った。試験段階3を終えてもセパレーション等の故障が確認されない場合は、継続してタイヤに負荷を与えることとし、故障が確認されるまでの走行距離を計測し、実施例1の値を100とした指数で示した。指数が大きいほど耐久性能に優れることを意味する。
・外観品質:得られた空気入りタイヤの異色表示部に黒色ゴムが入り込んでいるか否か目視で観察し、黒色ゴムが入り込んでいない場合は「〇」、黒色ゴムが入り込んでいる場合は「×」とした。
結果は表1に示す通りであり、実施例1~3では、異色ゴム部32と上側サイドウォールゴム31Aとの界面においてセパレーションが発生しにくく、優れた耐久性能を発揮した。また、実施例1~3では、異色表示部に黒色ゴムが入り込むことがなく外観品質も優れていた。
一方、比較例1では、実施例1~3と比較して耐久性が劣っていた。また、比較例2ででは、異色表示部に黒色ゴムが入り込んでいた。
1…空気入りタイヤ、2…インナーライナー、3…リムストリップゴム、20…ビード部、21…ビードコア、22…ビードフィラー、30…サイドウォール、31…サイドウォールゴム、32…異色ゴム部、33…異色表示部、40…トレッド、41…トレッドゴム、42…キャップゴム層、43…ベースゴム層、44A…センター主溝、44B…ショルダー主溝、45A…センター陸部、45B…中間陸部、45C…ショルダー陸部、46…横溝、47…環状突起、50…カーカス、51…第1カーカスプライ、51A…第1本体部、51B…第1折返し部、52…第2カーカスプライ、52A…第2本体部、52B…第2折返し部、70…ベルト、71…第1ベルトプライ、72…第2ベルトプライ

Claims (8)

  1. タイヤ軸方向に間隔をあけて配置された一対のビード部と、
    一対の前記ビード部からタイヤ径方向外側に設けられた一対のサイドウォールと、
    一対の前記サイドウォールの間に設けられたトレッドと、
    前記トレッドから前記サイドウォールを経て前記ビード部にて係止されたカーカスプライと、
    前記サイドウォールにおける前記カーカスプライのタイヤ軸方向外側に設けられ、前記サイドウォールを構成するゴムよりカーボンブラックの含有率が小さいゴムからなる異色ゴム部と、
    を備え、
    前記トレッドの少なくとも一部を形成するセクタと、前記セクタに当接して前記サイドウォールの少なくとも一部を形成するサイドプレートと、を有するタイヤ加硫金型で形成された空気入りタイヤにおいて、
    前記異色ゴム部のタイヤ径方向外側端から前記セクタと前記サイドプレートとの境界に形成されたタイヤ周方向に連続する環状突起までのタイヤ径方向の長さが、タイヤ断面高さの8%以上28%以下であり、
    正規リム組み内圧未充填状態のタイヤ軸方向断面における、タイヤ内面から外面までのタイヤ厚みが、接地端よりもタイヤ軸方向中央において小さい、空気入りタイヤ。
  2. タイヤ軸方向に間隔をあけて配置された一対のビード部と、
    一対の前記ビード部からタイヤ径方向外側に設けられた一対のサイドウォールと、
    一対の前記サイドウォールの間に設けられたトレッドと、
    前記トレッドから前記サイドウォールを経て前記ビード部にて係止されたカーカスプライと、
    前記サイドウォールにおける前記カーカスプライのタイヤ軸方向外側に設けられ、前記サイドウォールを構成するゴムよりカーボンブラックの含有率が小さいゴムからなる異色ゴム部と、
    を備え、
    前記トレッドの少なくとも一部を形成するセクタと、前記セクタに当接して前記サイドウォールの少なくとも一部を形成するサイドプレートと、を有するタイヤ加硫金型で形成された空気入りタイヤにおいて、
    前記異色ゴム部のタイヤ径方向外側端から前記セクタと前記サイドプレートとの境界に形成されたタイヤ周方向に連続する環状突起までのタイヤ径方向の長さCが、タイヤ断面高さHの8%以上28%以下であり、
    前記トレッドの接地端で挟まれた領域のうち、タイヤ軸方向中央を中心とした接地幅の60%の範囲を中央領域とし、前記中央領域のタイヤ軸方向外側をショルダー領域とし、前記中央領域の面積に対する前記中央領域に設けられた凹部の開口面積の比率を中央ボイド比とし、前記ショルダー領域の面積に対する前記ショルダー領域に設けられた凹部の開口面積の比率をショルダーボイド比とすると、前記中央ボイド比が前記ショルダーボイド比よりも大きい、空気入りタイヤ。
  3. 前記トレッドは、複数のコードがゴムで被覆されたベルトと、前記ベルトのタイヤ径方向外側に設けられたトレッドゴムと、を備え、タイヤ周方向に対する前記コードの傾斜角が22度以上28度以下である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記トレッドは、複数のコードがゴムで被覆されたベルトと、前記ベルトのタイヤ径方向外側に設けられたトレッドゴムと、を備え、
    前記トレッドゴムのゴム硬度が52以上68以下である、請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ビード部は、ビードコアと前記ビードコアのタイヤ径方向外側に設けられたビードフィラーとを備え、
    前記ビードフィラーのタイヤ径方向外側端は、前記異色ゴム部とタイヤ軸方向に重なるように配置されている、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記トレッドは、複数のコードがゴムで被覆されたベルトと、前記ベルトのタイヤ径方向外側に設けられたトレッドゴムと、を備え、
    前記トレッドゴムは、トレッド面が形成されたキャップゴム層と、前記キャップゴム層のタイヤ径方向内側に設けられ前記キャップゴム層よりもゴム硬度が低いベースゴム層とを備え、
    タイヤ軸方向中央における前記キャップゴム層のゴム厚みが、タイヤ軸方向中央からタイヤ軸方向外側へ接地幅の37.5%離れた位置における前記キャップゴム層のゴム厚よりも小さい、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記トレッドは、タイヤ周方向に延びる主溝として、少なくとも1本のセンター主溝と、前記センター主溝のタイヤ軸方向両側に位置する一対のショルダー主溝と、を含む少なくとも3本以上の主溝が設けられており、
    前記センター主溝の溝深さが前記ショルダー主溝の溝深さよりも深い、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記トレッドの接地端で挟まれた領域のうち、タイヤ軸方向中央を中心とした接地幅の60%の範囲を中央領域とし、前記中央領域のタイヤ軸方向外側をショルダー領域とすると、
    前記中央領域にタイヤ周方向に延びる主溝が設けられ、前記ショルダー領域にタイヤ周方向に延びる主溝が設けられていない、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
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