JP7800731B2 - グリースの蒸発量の予測方法、予測装置、およびプログラム - Google Patents
グリースの蒸発量の予測方法、予測装置、およびプログラムInfo
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Description
本発明は、グリースの蒸発量の予測方法、予測装置、およびプログラムに関する。
従来、軸受装置や摺動装置などの機械装置では、その動作における摩擦軽減などを目的として潤滑剤が用いられている。潤滑剤の一例として、グリースが挙げられる。グリースは、時間の経過と共にその成分が蒸発しうる。蒸発に伴って、グリースの量や粘度に変化が生じるが、これらが機械装置の動作に影響を与えうる。
例えば、特許文献1では、グリースの構成として、低温下の低トルク性および酸化安定性に優れたグリース組成物の構成が示されている。
機械装置の動作の安定化や寿命予測などのために、利用されているグリースの蒸発に伴う変化量を予測することが求められている。また、機械装置用のグリースを新たに設計するために、蒸発に係る条件を考慮する場合にも、グリースの蒸発に伴う変化量を簡易に予測することが求められる。このようなグリースの蒸発に伴う変化量やその予測については、特許文献1では考慮されていない。
上記課題を鑑み、本発明は、グリースについて、蒸発に伴う変化量の予測を容易に可能とする手法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は以下の構成を有する。すなわち、グリースの蒸発量の予測方法であって、
前記グリースに含まれる基油と増ちょう剤による蒸気圧降下に基づく第1の式により得られる第1の物質量と、前記増ちょう剤による毛細管力に基づく第2の式により得られる第2の物質量のうち、より小さい物質量の値を用いて、前記グリースの変化量を算出する算出工程と、
前記算出された変化量を前記グリースの蒸発量として出力する出力工程と、
を有する予測方法。
前記グリースに含まれる基油と増ちょう剤による蒸気圧降下に基づく第1の式により得られる第1の物質量と、前記増ちょう剤による毛細管力に基づく第2の式により得られる第2の物質量のうち、より小さい物質量の値を用いて、前記グリースの変化量を算出する算出工程と、
前記算出された変化量を前記グリースの蒸発量として出力する出力工程と、
を有する予測方法。
また、本発明の別の形態は以下の構成を有する。すなわち、グリースの蒸発量の予測装置であって、
前記グリースに含まれる基油と増ちょう剤による蒸気圧降下に基づく第1の式により得られる第1の物質量と、前記増ちょう剤による毛細管力に基づく第2の式により得られる第2の物質量のうち、より小さい物質量の値を用いて、前記グリースの変化量を算出する算出手段と、
前記算出された変化量を前記グリースの蒸発量として出力する出力手段と、
を有する予測装置。
前記グリースに含まれる基油と増ちょう剤による蒸気圧降下に基づく第1の式により得られる第1の物質量と、前記増ちょう剤による毛細管力に基づく第2の式により得られる第2の物質量のうち、より小さい物質量の値を用いて、前記グリースの変化量を算出する算出手段と、
前記算出された変化量を前記グリースの蒸発量として出力する出力手段と、
を有する予測装置。
また、本発明の別の形態は以下の構成を有する。すなわち、プログラムであって、
コンピュータに、
グリースに含まれる基油と増ちょう剤による蒸気圧降下に基づく第1の式により得られる第1の物質量と、前記増ちょう剤による毛細管力に基づく第2の式により得られる第2の物質量のうち、より小さい物質量の値を用いて、前記グリースの変化量を算出する算出工程と、
前記算出された変化量を前記グリースの蒸発量として出力する出力工程と、
を実行させるためのプログラム。
コンピュータに、
グリースに含まれる基油と増ちょう剤による蒸気圧降下に基づく第1の式により得られる第1の物質量と、前記増ちょう剤による毛細管力に基づく第2の式により得られる第2の物質量のうち、より小さい物質量の値を用いて、前記グリースの変化量を算出する算出工程と、
前記算出された変化量を前記グリースの蒸発量として出力する出力工程と、
を実行させるためのプログラム。
本発明により、グリースの蒸発量を簡易に予測することが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を説明するための一実施形態であり、本発明を限定して解釈されることを意図するものではなく、また、各実施形態で説明されている全ての構成が本発明の課題を解決するために必須の構成であるとは限らない。また、各図面において、同じ構成要素については、同じ参照番号を付すことにより対応関係を示す。
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について説明を行う。本実施形態にて説明する潤滑剤としてのグリースは、例えば、転がり軸受、回転装置、摺動装置などに用いることが可能であるが、これらに限定するものではない。また、本実施形態に係る手法は、グリースを利用もしくは設計する環境下にて利用可能であり、その利用用途を特に限定するものではない。
以下、本発明の第1の実施形態について説明を行う。本実施形態にて説明する潤滑剤としてのグリースは、例えば、転がり軸受、回転装置、摺動装置などに用いることが可能であるが、これらに限定するものではない。また、本実施形態に係る手法は、グリースを利用もしくは設計する環境下にて利用可能であり、その利用用途を特に限定するものではない。
以下において、複数の数式を用いて説明を行う。各数式におけるパラメータは、一部、表現が重複する場合がある。この場合には、数式ごとにパラメータが意味する内容を対応付けて示す。また、変数の単位や粒度についても一例であり、適宜読み替え可能である。
[グリースのモデル化]
グリースは主に、基油と増ちょう剤を含んで構成される。なお、他の成分についてもグリースに含まれ得るが、これらは基油や増ちょう剤の含有割合に対して極めて小さいものであるとしてここでは省略して説明する。
グリースは主に、基油と増ちょう剤を含んで構成される。なお、他の成分についてもグリースに含まれ得るが、これらは基油や増ちょう剤の含有割合に対して極めて小さいものであるとしてここでは省略して説明する。
図1は、グリースのモデル化を説明するための概略図である。図1(a)は、任意の容器100にグリースの主成分である基油101が収容されている例を示している。容器100は円筒状の構成を有し、上部が開口している。矢印102は、容器100の周辺における気体の流れを示している。この場合において、基油101はその液面から気化し、外部へと流出しうる。基油101が気化および流出した場合、その液面高さzが変化(低下)する。
図1(b)は、容器100にグリース110が収容されている例を示している。上述したようにグリース110は、基油と増ちょう剤を含んで構成され、その構成により、図1(a)に示すような基油の蒸発とは振る舞いが異なる。より具体的には、グリース110は、その液面において蒸気圧降下に基づく基油の蒸発と、グリース110内の増ちょう剤の構造に基づく毛細管力による基油の移動との関係により、蒸発の振る舞いを規定できる。
一般的に、純溶媒(ここでは、図1(a)に示すような基油)と比べ、不揮発性の溶質(ここでは、増ちょう剤)を溶かした溶液(ここでは、グリース)では蒸気圧は低下する。このような現象を蒸気圧降下といい、本実施形態ではこれについても考慮する。
図1(c)は、図1(b)に対し、増ちょう剤の構造を考慮して、グリースを屈曲した流路モデルとしてモデル化して示したものである。ある時点tの液面高さをztとした場合において、そこから時間tが経過した後(=Δt)の液面高さをzt+Δtにて示している。この場合の液面高さの変化量はΔz(=zt-zt+Δt)である。
[蒸発に係る試験]
図2は、以下の試験条件に基づくグリースの蒸発に係る試験結果を示すグラフ図である。図2において、横軸は時間t[min]を示し、縦軸はグリースの変化量ΔM[mg]を示す。また、プロット201は、グリースの変化量の実測値を示す。
図2は、以下の試験条件に基づくグリースの蒸発に係る試験結果を示すグラフ図である。図2において、横軸は時間t[min]を示し、縦軸はグリースの変化量ΔM[mg]を示す。また、プロット201は、グリースの変化量の実測値を示す。
(試験条件)
グリース種類:PAO(ポリアルファオレフィン)-ウレアグリース
ちょう度:250
増ちょう剤比率:16.8[%]
初期量:21.49[mg]
周辺温度:180[℃]
雰囲気ガス:N2
ガス流量:100[ml/min]
グリース種類:PAO(ポリアルファオレフィン)-ウレアグリース
ちょう度:250
増ちょう剤比率:16.8[%]
初期量:21.49[mg]
周辺温度:180[℃]
雰囲気ガス:N2
ガス流量:100[ml/min]
上記の試験の結果、変化量ΔM、すなわち、蒸発量が17.88mgで安定した。この時点におけるグリースの残存量は、16.79%(=(21.49-17.88)/21.49)であり、グリース内に含まれる増ちょう剤の比率とほぼ一致する。このことから、グリースの蒸発を考慮する場合、グリース内の基油の蒸発の振る舞いを考慮すればよい。本実施形態では、グリース内の基油の蒸発に着目して、蒸発に係るパラメータの設定および算出式の構築を行う。
図1(c)に示すモデルにおいて、グリース110中の基油が気化し、その気体が動いた量を、グリース110が動いた量、すなわち、グリース110(基油)が蒸発した量とすると、グリース110の蒸発量は、以下の式(1)が定義できる。
N:単位時間、単位面積あたりに液体が移動する物質量[mol/s・m2]
A:粒子層の断面積[m2]
ρ:液体(ここでは、基油)の密度[g/m3]
M:液体(ここでは、基油)の分子量[g/mol]
A:粒子層の断面積[m2]
ρ:液体(ここでは、基油)の密度[g/m3]
M:液体(ここでは、基油)の分子量[g/mol]
式(1)において、左辺の「0」は、グリース110内への気体の流入が無いことを意味し、左辺の「NA」はグリース110外への気体の流出を示す。つまり、グリース110が蒸発して容器100外へ流出する場合を想定している。そして、右辺が、グリース110が動いた量であり、これは、図1(c)に示すΔzに対応する。
そして、式(1)に基づき、ある時点tからtが経過した後(Δt)の液面高さは以下の式(2)にて定義できる。
zt:時点tにおける液面高さ[m]
zt+Δt:時点tから時間tが経過した後の液面高さ[m]
Δz:zの変化量[m]
M:分子量[g/mol]
ρ:液体(ここでは、基油)の密度[g/m3]
N:単位時間、単位面積あたりに液体が移動する物質量[mol/s・m2]
Δt:経過時間[s]
zt+Δt:時点tから時間tが経過した後の液面高さ[m]
Δz:zの変化量[m]
M:分子量[g/mol]
ρ:液体(ここでは、基油)の密度[g/m3]
N:単位時間、単位面積あたりに液体が移動する物質量[mol/s・m2]
Δt:経過時間[s]
ここで、式(1)および式(2)に含まれるパラメータNについて説明する。上述したようにグリースの蒸発は、その液面において蒸気圧降下に基づく基油の蒸発における物質量(以下、「Nm」にて示す)と、グリース内の増ちょう剤の構造に基づく毛細管力による基油の移動における物質量(以下、「Nc」にて示す)との関係によって規定することができる。これらの関係を図3~図6Eを用いて説明する。
(試験1)
図3は、以下の試験条件に基づくグリースの蒸発に係る試験結果を示すグラフ図である。試験1にて用いたグリースを便宜上「グリースA」とする。
基油:PAO2
増ちょう剤:Urea(C18-MDI)
増ちょう剤比率:16.8[%]
動粘度:5.54(40℃下),1.9(100℃下)[mm2/s]
ちょう度:250
温度:180[℃]
雰囲気ガス:N2
ガス流量:100[ml/min]
容器高さ:5[mm]
図3は、以下の試験条件に基づくグリースの蒸発に係る試験結果を示すグラフ図である。試験1にて用いたグリースを便宜上「グリースA」とする。
基油:PAO2
増ちょう剤:Urea(C18-MDI)
増ちょう剤比率:16.8[%]
動粘度:5.54(40℃下),1.9(100℃下)[mm2/s]
ちょう度:250
温度:180[℃]
雰囲気ガス:N2
ガス流量:100[ml/min]
容器高さ:5[mm]
図3(a)~図3(c)において、横軸は時間t[min]を示し、これらは対応しているものとする。図3(a)の縦軸は、変化量ΔM[mg]を示す。図3(b)の縦軸は濃度[-]を示す。図3(c)の縦軸は、蒸発に係るパラメータN[mol/m2・s]を示す。
また、図3(a)において、プロット301は温度の実測値を示し、プロット302はグリースAの蒸発量の実測値を示す。図3(b)の実線311は、グリースAにおける増ちょう剤濃度の計算値を示す。つまり、グリースA全体に対する増ちょう剤の割合を示す。図3(c)の実線321は、グリースA内の増ちょう剤の構造に起因した毛細管力による基油の移動における物質量(Nc)を示す。図3(c)の実線322は、蒸気圧降下を考慮した基油の蒸発における物質量(Nm)を示す。実線321と実線322にて示すように、基準時間(t=0)から時間が経過したある時点において、毛細管力による基油の移動における物質量(Nc)と、蒸気圧降下を考慮した基油の蒸発における物質量(Nm)の大小が入れ替わる。当初は毛細管力による基油の移動における物質量(Nc)の方が大きいが、ある時間が経過した後、蒸気圧降下を考慮した基油の蒸発における物質量(Nm)の方が大きくなる。この大小が入れ替わるタイミングを破線323にて示している。
(試験2)
図4は、以下の試験条件に基づくグリースの蒸発に係る試験結果を示すグラフ図である。試験2にて用いたグリースを便宜上「グリースB」とする。
基油:PAO2
増ちょう剤:Urea(C18-MDI)
増ちょう剤比率:13.3[%]
動粘度:5.54(40℃下),1.9(100℃下)[mm2/s]
ちょう度:350
温度:180[℃]
雰囲気ガス:N2
ガス流量:100[ml/min]
容器高さ:5[mm]
図4は、以下の試験条件に基づくグリースの蒸発に係る試験結果を示すグラフ図である。試験2にて用いたグリースを便宜上「グリースB」とする。
基油:PAO2
増ちょう剤:Urea(C18-MDI)
増ちょう剤比率:13.3[%]
動粘度:5.54(40℃下),1.9(100℃下)[mm2/s]
ちょう度:350
温度:180[℃]
雰囲気ガス:N2
ガス流量:100[ml/min]
容器高さ:5[mm]
図4(a)~図4(c)の各軸の構成は、図3と同様である。図4(a)において、プロット401は温度の実測値を示し、プロット402はグリースBの蒸発量の実測値を示す。図4(b)の実線411は、グリースBにおける増ちょう剤濃度の計算値を示す。つまり、グリース全体に対する増ちょう剤の割合を示す。図4(c)の実線421は、グリースB内の増ちょう剤の構造に起因した毛細管力による基油の移動の物質量(Nc)を示す。図4(c)の実線422は、蒸気圧降下を考慮した基油の蒸発における物質量(Nm)を示す。図3の場合と同様、実線421と実線422にて示すように、時間経過のある時点において、毛細管力による基油の移動における物質量(Nc)と、蒸気圧降下を考慮した基油の蒸発における物質量(Nm)の大小が入れ替わる。当初は毛細管力による基油の移動における物質量(Nc)の方が大きいが、ある時間が経過した後、蒸気圧降下を考慮した基油の蒸発における物質量(Nm)の方が大きくなる。この大小が入れ替わるタイミングを破線423にて示している。
本実施形態では、図3(a)のプロット302や、図4(a)のプロット402に示す実測値に対応する予測値を算出するための算出式を規定する。
上記の式(2)におけるNに関し、蒸気圧降下を考慮した油の蒸発による物質量(Nm)は、以下の式(3)~式(6)にて規定することができる。なお、式(3)~式(6)は、ラウールの法則およびFickの法則に基づく。これらについては公知であるため、ここでの詳細な説明については省略するが、例えば、“James R.Welty,Gregory L.Rorrer,David G.Foster,A.N.Bhaskarwar,“Fundamentals of Momentum, Heat and Mass Transfer Sixth Edition”,wiley,2013”などが詳しい。ここでは、液体である基油を液体Aとも記載し、気体である基油を気体Aとも記載する。また、容器周辺の気体を気体Bとも記載する。したがって、図1(b)の例の場合、液体Aは、グリース110内の基油に相当し、気体Aは、容器100内の気化した基油に相当する。また、気体Bの流れが矢印102にて示されていることとなる。
P:絶対圧[Pa]
Pvap:液体A(基油)の蒸気圧[Pa]
noil:液体A(基油)の物質量[mol]
nthick:増ちょう剤の物質量[mol]
DAB:二成分(気体Aおよび気体B)拡散係数[m2/s]
yB,lm:雰囲気ガス(気体B)に対流の影響で変化する値[-]
R:ガス定数[J/K・mol]
T:温度[K]
Z:容器上面から液面までの距離(=z2-z1)[m]
z1:液面高さ[m]
z2:容器高さ(>z1)[m]
yB1:液面高さz1の位置における気体Bのモル分率[-]
yB2:容器高さz2における気体Bのモル分率[-]
MA:気体Aの分子量[g/mol]
MB:気体Bの分子量[g/mol]
σAB:衝突距離[nm](=(σA+σB)/2)
σA:気体Aの分子径[nm]
σB:気体Bの分子径[nm]
ΩD:衝突積分[-]
Pvap:液体A(基油)の蒸気圧[Pa]
noil:液体A(基油)の物質量[mol]
nthick:増ちょう剤の物質量[mol]
DAB:二成分(気体Aおよび気体B)拡散係数[m2/s]
yB,lm:雰囲気ガス(気体B)に対流の影響で変化する値[-]
R:ガス定数[J/K・mol]
T:温度[K]
Z:容器上面から液面までの距離(=z2-z1)[m]
z1:液面高さ[m]
z2:容器高さ(>z1)[m]
yB1:液面高さz1の位置における気体Bのモル分率[-]
yB2:容器高さz2における気体Bのモル分率[-]
MA:気体Aの分子量[g/mol]
MB:気体Bの分子量[g/mol]
σAB:衝突距離[nm](=(σA+σB)/2)
σA:気体Aの分子径[nm]
σB:気体Bの分子径[nm]
ΩD:衝突積分[-]
また、上記の式(2)におけるNに関し、毛細管力による基油の移動における物質量Ncは、以下の式(7)~式(8)にて規定することができる。
δ:フィッティングパラメータ[m2]
ε:粒子層の空間率[-]
k:フィッティングパラメータ[-]
k’:フィッティングパラメータ[-]
m:フィッティングパラメータ[-]
ρ:液体の密度[g/m3]
T:温度[K]
θ:液体の粒子に対する接触角[rad.]
M:分子量[g/mol]
μ:液体の粘度[Pa・s]
z:粒子層の長さ[m]
za:屈曲した流路の平均長さ[m]
ε:粒子層の空間率[-]
k:フィッティングパラメータ[-]
k’:フィッティングパラメータ[-]
m:フィッティングパラメータ[-]
ρ:液体の密度[g/m3]
T:温度[K]
θ:液体の粒子に対する接触角[rad.]
M:分子量[g/mol]
μ:液体の粘度[Pa・s]
z:粒子層の長さ[m]
za:屈曲した流路の平均長さ[m]
定数k’は、図2に示したような基油の蒸発試験に基づいて導出する。そして、本実施形態では、以下の式(9)に示すように、NmとNcのうち小さい方を式(2)のNとして用いる。
[フィッティングパラメータ]
ここで、式(7)および式(8)に含まれるフィッティングパラメータδ、k、mについて説明する。本実施形態では、これらのフィッティングパラメータは、毛細管力を想定して遠心離油試験を行い、その実測値に対してフィッティングを行うことで求める。遠心離油試験は、開口部にフィルタを設けた容器にグリースを封入し、フィルタが回転軸回りの外側を向くようにして当該容器を回転させて遠心力を付与させる。このとき、遠心力とグリースの毛細管力との差により、グリースにおいて離油が生じる。そして、グリースが離油しなくなる、すなわち、外向きの遠心力と内向きの毛細管力が一致するまで試験を行う。遠心離油試験については、例えば、“相馬実波 他,“遠心離油試験によるグリースのパーミアビリティの計測”,トライボロジー会議2018秋予稿集”、“相馬実波 他,“遠心離油試験によるグリースのパーミアビリティの計測(第2報)”,トライボロジー会議2019春予稿集”などが詳しい。
ここで、式(7)および式(8)に含まれるフィッティングパラメータδ、k、mについて説明する。本実施形態では、これらのフィッティングパラメータは、毛細管力を想定して遠心離油試験を行い、その実測値に対してフィッティングを行うことで求める。遠心離油試験は、開口部にフィルタを設けた容器にグリースを封入し、フィルタが回転軸回りの外側を向くようにして当該容器を回転させて遠心力を付与させる。このとき、遠心力とグリースの毛細管力との差により、グリースにおいて離油が生じる。そして、グリースが離油しなくなる、すなわち、外向きの遠心力と内向きの毛細管力が一致するまで試験を行う。遠心離油試験については、例えば、“相馬実波 他,“遠心離油試験によるグリースのパーミアビリティの計測”,トライボロジー会議2018秋予稿集”、“相馬実波 他,“遠心離油試験によるグリースのパーミアビリティの計測(第2報)”,トライボロジー会議2019春予稿集”などが詳しい。
上記離油試験に基づくと、グリースの離油度は以下の各式にて規定することができる。まず、グリースに働く遠心力による圧力勾配は以下の式(10)にて規定される。
ΔPe/L:グリースに働く遠心力による圧力勾配[Pa/m]
L:遠心方向におけるグリースの厚さ[m]
ω:回転角速度[rad/s]
ρ:溶液の密度[kg/m3]
R:回転半径[m]
L:遠心方向におけるグリースの厚さ[m]
ω:回転角速度[rad/s]
ρ:溶液の密度[kg/m3]
R:回転半径[m]
また、グリースに働く毛細管力による圧力勾配は以下の式(11)~式(12)にて規定される。
ΔPc/Lk:グリースに働く毛細管力による圧力勾配[Pa/m]
L:遠心方向におけるグリースの厚さ[m]
k:フィッティングパラメータ[-]
Kp:パーミアビリティ[m2]
T:表面張力[kg/s2]
θ:液体の粒子に対する接触角[rad.]
ε:粒子層の空間率[-]
L:遠心方向におけるグリースの厚さ[m]
k:フィッティングパラメータ[-]
Kp:パーミアビリティ[m2]
T:表面張力[kg/s2]
θ:液体の粒子に対する接触角[rad.]
ε:粒子層の空間率[-]
そして、グリースに働く圧力勾配は、式(10)と式(11)の差分として、式(13)を用いて求める。
さらに、Darcyの法則に基づくと、以下の式(14)~式(16)により、離油度Sを規定できる。
V:離油体積[m3]
t:時間[s]
A:断面積[m2]
Kp:パーミアビリティ[m2]
ΔP/L’:グリースに働く圧力勾配[Pa/m]
μ0:基油粘度[Pa・s]
ρ:液体の密度[g/m3]
Mg0:初期のグリースの量[g]
δ:フィッティングパラメータ[m2]
S:離油度[-]
t:時間[s]
A:断面積[m2]
Kp:パーミアビリティ[m2]
ΔP/L’:グリースに働く圧力勾配[Pa/m]
μ0:基油粘度[Pa・s]
ρ:液体の密度[g/m3]
Mg0:初期のグリースの量[g]
δ:フィッティングパラメータ[m2]
S:離油度[-]
そして、離油試験の実測値を、上記の各式にフィッティングすることで、フィッティングパラメータδ、k、mを導出し、式(7)に適用する。
図5は、上述したような遠心離油試験に基づく測定結果の例を示す。図5(a)~図5(c)は、グリースAを、温度を40[℃]、回転速度を8000[rpm]として得られた測定結果を示す。また、図5(d)~図5(f)は、グリースAを、温度40[℃]、回転速度を4000[rpm]として得られた結果を示す。
図5(a)~図5(c)において、横軸は時間[h]を示し、それぞれ対応しているものとする。図5(a)において、縦軸はΔP/L[MPa/m]を示す。図5(b)において、縦軸はdV/dt[m3/s]を示す。図5(c)において、縦軸は離油度S[-]を示す。
プロット501は、遠心力による圧力勾配を示し、プロット502は毛細管力による圧力勾配を示す。また、プロット511は実測値を示し、これに対してフィッティングした値を実線512にて示す。同様に、プロット521は実測値を示し、これに対してフィッティングした値を実線522にて示す。
図5(d)~図5(f)において、横軸は時間[h]を示し、それぞれ対応しているものとする。図5(d)において、縦軸はΔP/L[MPa/m]を示す。図5(e)において、縦軸はdV/dt[m3/s]を示す。図5(f)において、縦軸は離油度S[-]を示す。
プロット531は、遠心力による圧力勾配を示し、プロット532は毛細管力による圧力勾配を示す。また、プロット541は実測値を示し、これに対してフィッティングした値を実線542にて示す。同様に、プロット551は実測値を示し、これに対してフィッティングした値を実線552にて示す。
上記の測定結果から、一例としてグリースAに対するフィッティングパラメータδ、k、mは以下のように得られる。
δ=1.56×10-22
k=15.5
m=7.69
δ=1.56×10-22
k=15.5
m=7.69
このフィッティングパラメータを用いて、グリースAに対する蒸発量を計算した場合、図3(a)の破線303に示す結果が得られる。これは、プロット302に示す実測値と比べても高い精度の計算結果が得られている。
同様の手法により、グリースBに対するフィッティングパラメータδ、k、mを導出した場合、一例として以下の値が得られる。
δ=3.88×10-23
k=18.9
m=7.64
δ=3.88×10-23
k=18.9
m=7.64
このフィッティングパラメータを用いて、グリースBに対する蒸発量を計算した場合、図4(a)の破線403に示す結果が得られる。これは、プロット402に示す実測値と比べても高い精度の計算結果が得られている。
[パラメータの影響]
ここで、グリースの蒸発を算出するための算出式にて用いられる各パラメータの影響について説明する。図6A~図6Eは、蒸発量に対する各パラメータの影響を説明するためのグラフ図である。図6A~図6Eにおいて、横軸は時間t[min]を示し、縦軸は変化量ΔM[mg]を示す。
ここで、グリースの蒸発を算出するための算出式にて用いられる各パラメータの影響について説明する。図6A~図6Eは、蒸発量に対する各パラメータの影響を説明するためのグラフ図である。図6A~図6Eにおいて、横軸は時間t[min]を示し、縦軸は変化量ΔM[mg]を示す。
また、各パラメータの測定の際の計算条件は以下の通りとし、いずれも共通である。
グリース初期量:10[mg]
基油:PAO2
温度:180[℃]
容器の直径:5[mm]
容器の高さ:5[mm]
グリース初期量:10[mg]
基油:PAO2
温度:180[℃]
容器の直径:5[mm]
容器の高さ:5[mm]
図6Aは、増ちょう剤の濃度1-εを変化させた際の変化量ΔMの変化を説明するためのグラフ図である。実線601、602、603、604、605は順に、濃度が0.60、0.45、0.30、0.15、0.05の場合を示す。図6Aの結果によると、増ちょう剤濃度がより高いほど、グリース(すなわち、基油)の蒸発が抑制される。
図6Bは、フィッティングパラメータδを変化させた際の変化量ΔMの変化を説明するためのグラフ図である。実線611、612、613、614、615は順に、δが1.5×10-30、1.5×10-28、1.5×10-26、1.5×10-24、1.5×10-22の場合を示す。図6Bの結果によると、δがより小さいほど、グリース(すなわち、基油)の蒸発が抑制される。なお、δが小さい場合とは、増ちょう剤の比面積が大きいことに対応する。言い換えると、これは、増ちょう剤の表面により多くの凹凸があることに相当する。
図6Cは、フィッティングパラメータkを変化させた際の変化量ΔMの変化を説明するためのグラフ図である。実線621、622、623、624、625は順に、kが5400、1800、600、150、15の場合を示す。図6Cの結果によると、kがより大きいほど、グリース(すなわち、基油)の蒸発が抑制される。kが大きい場合とは、グリース内の真の流路が長いことに対応する。言い換えると、これは、増ちょう剤の網目がより複雑に絡み合った構造であることに相当する。
図6Dは、フィッティングパラメータmを変化させた際の変化量ΔMの変化を説明するためのグラフ図である。ここでは、mを0.001、0.01、0.1、8、80に変化させたが、実線641~645に示すように値への影響は生じなかった。図6Dの結果によると、mの値はグリース(すなわち、基油)の蒸発に影響しない。
図6Eは、増ちょう剤の分子量Mthickを変化させた際の変化量ΔMの変化を説明するためのグラフ図である。実線651、652、653、654、655は順に、1600、800、320、160、80の場合を示す。図6Eの結果によると、Mthickがより大きいほど、グリース(すなわち、基油)の蒸発が抑制される。
[装置構成]
図7は、本実施形態に係る手法を用いてグリースの蒸発の測定もしくは予測を行うことが可能な情報処理装置の構成例を示す図である。情報処理装置700は、処理部701、記憶部702、外部IF(Interface)703、表示部704、操作部705、および通信部706を含んで構成される。情報処理装置700は、例えば、PC(Personal Computer)などの汎用的な情報処理装置にて構成されてもよいし、専用の装置として構成されてもよい。
図7は、本実施形態に係る手法を用いてグリースの蒸発の測定もしくは予測を行うことが可能な情報処理装置の構成例を示す図である。情報処理装置700は、処理部701、記憶部702、外部IF(Interface)703、表示部704、操作部705、および通信部706を含んで構成される。情報処理装置700は、例えば、PC(Personal Computer)などの汎用的な情報処理装置にて構成されてもよいし、専用の装置として構成されてもよい。
処理部701は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Single Processor)、または専用回路などから構成されてよい。記憶部702は、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の揮発性および不揮発性の記憶媒体により構成され、処理部701からの指示により各種情報の入出力が可能である。処理部701は、本実施形態に係る算出方法に係るプログラムやアプリケーション、各種データを記憶部702から読み出して実行することにより、上述した算出方法を実装可能である。
外部IF703は、外部装置に接続されるためのインターフェースである。例えば、本実施形態に係る手法を、測定の際に用いる場合には、測定対象の周辺環境における温度や大気圧などの情報を測定するためのセンサなどに接続されてよい。表示部704は、本実施形態に係る手法により得られた結果を出力するための部位あり、処理部701からの指示により、ユーザへの出力を行う。操作部705は、ユーザからのパラメータの入力や各種指示の入力を受け付けるための部位である。通信部706は、外部装置と通信を行うためのネットワークインターフェースであり、例えば、本実施形態に係る手法により得られた結果を外部へ出力するように構成されてよい。
上記のような情報処理装置において、上述した数式およびフィッティングにより得られたフィッティングパラメータを設定しておき、測定対象から初期時間からの経過時間(Δt)および初期のグリース高さ(z)の入力を受け付けることで、時間経過に伴うグリースの蒸発量を予測することが可能となる。
以上、本実施形態の構成により、グリースの蒸発量を簡易に予測することが可能となる。特に、グリースの構成に応じた蒸気圧降下および毛細管力による影響を考慮して、蒸発量を予測することが可能となる。
<その他の実施形態>
本発明において、上述した1つ以上の実施形態の機能を実現するためのプログラムやアプリケーションを、ネットワーク又は記憶媒体等を用いてシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。
本発明において、上述した1つ以上の実施形態の機能を実現するためのプログラムやアプリケーションを、ネットワーク又は記憶媒体等を用いてシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。
また、1つ以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array))によって実現してもよい。
このように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) グリースの蒸発量の予測方法であって、
前記グリースに含まれる基油と増ちょう剤による蒸気圧降下に基づく第1の式により得られる第1の物質量と、前記増ちょう剤による毛細管力に基づく第2の式により得られる第2の物質量のうち、より小さい物質量の値を用いて、前記グリースの変化量を算出する算出工程と、
前記算出された変化量を前記グリースの蒸発量として出力する出力工程と、
を有する予測方法。
この構成によれば、グリースの蒸発量を簡易に予測することが可能となる。特に、グリースの構成に応じた蒸気圧降下および毛細管力による影響を考慮して、蒸発量を予測することが可能となる。
(1) グリースの蒸発量の予測方法であって、
前記グリースに含まれる基油と増ちょう剤による蒸気圧降下に基づく第1の式により得られる第1の物質量と、前記増ちょう剤による毛細管力に基づく第2の式により得られる第2の物質量のうち、より小さい物質量の値を用いて、前記グリースの変化量を算出する算出工程と、
前記算出された変化量を前記グリースの蒸発量として出力する出力工程と、
を有する予測方法。
この構成によれば、グリースの蒸発量を簡易に予測することが可能となる。特に、グリースの構成に応じた蒸気圧降下および毛細管力による影響を考慮して、蒸発量を予測することが可能となる。
(2) 前記第1の式は以下の式により規定される、(1)に記載の予測方法。
Nm:第1の物質量[mol/s・m2]
P:絶対圧[Pa]
Pvap:基油の蒸気圧[Pa]
noil:基油の物質量[mol]
nthick:増ちょう剤の物質量[mol]
DAB:二成分(気化した基油および雰囲気ガス)拡散係数[m2/s]
yB,lm:雰囲気ガスに対流の影響で変化する値[-]
R:ガス定数[J/K・mol]
T:温度[K]
Z:容器上面から液面までの距離(=z2-z1)[m]
z1:液面高さ[m]
z2:容器高さ(>z1)[m]
yB1:液面高さz1の位置における気体Bのモル分率[-]
yB2:容器高さz2における気体Bのモル分率[-]
MA:気化した基油の分子量[g/mol]
MB:雰囲気ガスの分子量[g/mol]
σAB:衝突距離[nm](=(σA+σB)/2)
σA:気化した基油の分子径[nm]
σB:雰囲気ガスの分子径[nm]
ΩD:衝突積分[-]
P:絶対圧[Pa]
Pvap:基油の蒸気圧[Pa]
noil:基油の物質量[mol]
nthick:増ちょう剤の物質量[mol]
DAB:二成分(気化した基油および雰囲気ガス)拡散係数[m2/s]
yB,lm:雰囲気ガスに対流の影響で変化する値[-]
R:ガス定数[J/K・mol]
T:温度[K]
Z:容器上面から液面までの距離(=z2-z1)[m]
z1:液面高さ[m]
z2:容器高さ(>z1)[m]
yB1:液面高さz1の位置における気体Bのモル分率[-]
yB2:容器高さz2における気体Bのモル分率[-]
MA:気化した基油の分子量[g/mol]
MB:雰囲気ガスの分子量[g/mol]
σAB:衝突距離[nm](=(σA+σB)/2)
σA:気化した基油の分子径[nm]
σB:雰囲気ガスの分子径[nm]
ΩD:衝突積分[-]
この構成によれば、グリースの構成に応じた蒸気圧降下による影響を考慮して、蒸発量を予測することが可能となる。
(3) 前記第2の式は以下の式により規定される、(1)または(2)に記載の予測方法。
Nc:第2の物質量[mol/s・m2]
δ:フィッティングパラメータ[m2]
ε:粒子層の空間率[-]
k:フィッティングパラメータ[-]
k’:フィッティングパラメータ[-]
m:フィッティングパラメータ[-]
ρ:基油の密度[g/m3]
T:温度[K]
θ:基油の粒子に対する接触角[rad.]
M:分子量[g/mol]
μ:基油の粘度[Pa・s]
z:粒子層の長さ[m]
za:屈曲した流路の平均長さ[m]
δ:フィッティングパラメータ[m2]
ε:粒子層の空間率[-]
k:フィッティングパラメータ[-]
k’:フィッティングパラメータ[-]
m:フィッティングパラメータ[-]
ρ:基油の密度[g/m3]
T:温度[K]
θ:基油の粒子に対する接触角[rad.]
M:分子量[g/mol]
μ:基油の粘度[Pa・s]
z:粒子層の長さ[m]
za:屈曲した流路の平均長さ[m]
この構成によれば、グリースの構成に応じた毛細管力による影響を考慮して、蒸発量を予測することが可能となる。
前記算出工程において、以下の式により規定される第3の式を用いて、前記グリースの変化量を算出する、(1)~(3)のいずれかに記載の予測方法。
zt:時点tにおける液面高さ[m]
zt+Δt:時点tから時間tが経過した後の液面高さ[m]
Δz:zの変化量[m]
M:分子量[g/mol]
ρ:液体の密度[g/m3]
N:単位時間、単位面積あたりに液体が移動する物質量[mol/s・m2]
Δt:経過時間[s]
Nm:第1の物質量[mol/s・m2]
Nc:第2の物質量[mol/s・m2]
zt+Δt:時点tから時間tが経過した後の液面高さ[m]
Δz:zの変化量[m]
M:分子量[g/mol]
ρ:液体の密度[g/m3]
N:単位時間、単位面積あたりに液体が移動する物質量[mol/s・m2]
Δt:経過時間[s]
Nm:第1の物質量[mol/s・m2]
Nc:第2の物質量[mol/s・m2]
この構成によれば、グリースの構成に応じた蒸気圧降下および毛細管力による影響を考慮して、蒸発量を予測することが可能となる。
(5) グリースの蒸発量の予測装置であって、
前記グリースに含まれる基油と増ちょう剤による蒸気圧降下に基づく第1の式により得られる第1の物質量と、前記増ちょう剤による毛細管力に基づく第2の式により得られる第2の物質量のうち、より小さい物質量の値を用いて、前記グリースの変化量を算出する算出手段と、
前記算出された変化量を前記グリースの蒸発量として出力する出力手段と、
を有する予測装置。
この構成によれば、グリースの蒸発量を簡易に予測することが可能となる。特に、グリースの構成に応じた蒸気圧降下および毛細管力による影響を考慮して、蒸発量を予測することが可能となる。
前記グリースに含まれる基油と増ちょう剤による蒸気圧降下に基づく第1の式により得られる第1の物質量と、前記増ちょう剤による毛細管力に基づく第2の式により得られる第2の物質量のうち、より小さい物質量の値を用いて、前記グリースの変化量を算出する算出手段と、
前記算出された変化量を前記グリースの蒸発量として出力する出力手段と、
を有する予測装置。
この構成によれば、グリースの蒸発量を簡易に予測することが可能となる。特に、グリースの構成に応じた蒸気圧降下および毛細管力による影響を考慮して、蒸発量を予測することが可能となる。
(6) コンピュータに、
グリースに含まれる基油と増ちょう剤による蒸気圧降下に基づく第1の式により得られる第1の物質量と、前記増ちょう剤による毛細管力に基づく第2の式により得られる第2の物質量のうち、より小さい物質量の値を用いて、前記グリースの変化量を算出する算出工程と、
前記算出された変化量を前記グリースの蒸発量として出力する出力工程と、
を実行させるためのプログラム。
この構成によれば、グリースの蒸発量を簡易に予測することが可能となる。特に、グリースの構成に応じた蒸気圧降下および毛細管力による影響を考慮して、蒸発量を予測することが可能となる。
グリースに含まれる基油と増ちょう剤による蒸気圧降下に基づく第1の式により得られる第1の物質量と、前記増ちょう剤による毛細管力に基づく第2の式により得られる第2の物質量のうち、より小さい物質量の値を用いて、前記グリースの変化量を算出する算出工程と、
前記算出された変化量を前記グリースの蒸発量として出力する出力工程と、
を実行させるためのプログラム。
この構成によれば、グリースの蒸発量を簡易に予測することが可能となる。特に、グリースの構成に応じた蒸気圧降下および毛細管力による影響を考慮して、蒸発量を予測することが可能となる。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
なお、本出願は、2023年05月29日出願の日本特許出願(特願2023-088048)に基づくものであり、その内容は本出願の中に参照として援用される。
本発明は、グリースの蒸発量を簡易に予測することが可能となる効果を有し、例えば、転がり軸受、回転装置、摺動装置などに用いることができるがこれらに限定されず、グリースを利用もしくは設計する環境下にて利用可能である。
700…情報処理装置
701…処理部
702…記憶部
703…外部IF
704…表示部
705…操作部
706…通信部
701…処理部
702…記憶部
703…外部IF
704…表示部
705…操作部
706…通信部
Claims (6)
- グリースの蒸発量の予測方法であって、
前記グリースに含まれる基油と増ちょう剤による蒸気圧降下に基づく第1の式により得られる第1の物質量と、前記増ちょう剤による毛細管力に基づく第2の式により得られる第2の物質量のうち、より小さい物質量の値を用いて、前記グリースの変化量を算出する算出工程と、
前記算出された変化量を前記グリースの蒸発量として出力する出力工程と、
を有する予測方法。 - 前記第1の式は以下の式により規定される、請求項1に記載の予測方法。
Nm:第1の物質量[mol/s・m2]
P:絶対圧[Pa]
Pvap:基油の蒸気圧[Pa]
noil:基油の物質量[mol]
nthick:増ちょう剤の物質量[mol]
DAB:二成分(気化した基油および雰囲気ガス)拡散係数[m2/s]
yB,lm:雰囲気ガスに対流の影響で変化する値[-]
R:ガス定数[J/K・mol]
T:温度[K]
Z:容器上面から液面までの距離(=z2-z1)[m]
z1:液面高さ[m]
z2:容器高さ(>z1)[m]
yB1:液面高さz1の位置における気体Bのモル分率[-]
yB2:容器高さz2における気体Bのモル分率[-]
MA:気化した基油の分子量[g/mol]
MB:雰囲気ガスの分子量[g/mol]
σAB:衝突距離[nm](=(σA+σB)/2)
σA:気化した基油の分子径[nm]
σB:雰囲気ガスの分子径[nm]
ΩD:衝突積分[-] - 前記第2の式は以下の式により規定される、請求項1に記載の予測方法。
Nc:第2の物質量[mol/s・m2]
δ:フィッティングパラメータ[m2]
ε:粒子層の空間率[-]
k:フィッティングパラメータ[-]
k’:フィッティングパラメータ[-]
m:フィッティングパラメータ[-]
ρ:基油の密度[g/m3]
T:温度[K]
θ:基油の粒子に対する接触角[rad.]
M:分子量[g/mol]
μ:基油の粘度[Pa・s]
z:粒子層の長さ[m]
za:屈曲した流路の平均長さ[m] - 前記算出工程において、以下の式により規定される第3の式を用いて、前記グリースの変化量を算出する、請求項1から3のいずれか一項に記載の予測方法。
zt:時点tにおける液面高さ[m]
zt+Δt:時点tから時間tが経過した後の液面高さ[m]
Δz:zの変化量[m]
M:分子量[g/mol]
ρ:液体の密度[g/m3]
N:単位時間、単位面積あたりに液体が移動する物質量[mol/s・m2]
Δt:経過時間[s]
Nm:第1の物質量[mol/s・m2]
Nc:第2の物質量[mol/s・m2] - グリースの蒸発量の予測装置であって、
前記グリースに含まれる基油と増ちょう剤による蒸気圧降下に基づく第1の式により得られる第1の物質量と、前記増ちょう剤による毛細管力に基づく第2の式により得られる第2の物質量のうち、より小さい物質量の値を用いて、前記グリースの変化量を算出する算出手段と、
前記算出された変化量を前記グリースの蒸発量として出力する出力手段と、
を有する予測装置。 - コンピュータに、
グリースに含まれる基油と増ちょう剤による蒸気圧降下に基づく第1の式により得られる第1の物質量と、前記増ちょう剤による毛細管力に基づく第2の式により得られる第2の物質量のうち、より小さい物質量の値を用いて、前記グリースの変化量を算出する算出工程と、
前記算出された変化量を前記グリースの蒸発量として出力する出力工程と、
を実行させるためのプログラム。
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