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JP7736056B2 - 映像音響出力モジュールおよび映像音響提示装置 - Google Patents

映像音響出力モジュールおよび映像音響提示装置

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JP7736056B2
JP7736056B2 JP2023502134A JP2023502134A JP7736056B2 JP 7736056 B2 JP7736056 B2 JP 7736056B2 JP 2023502134 A JP2023502134 A JP 2023502134A JP 2023502134 A JP2023502134 A JP 2023502134A JP 7736056 B2 JP7736056 B2 JP 7736056B2
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Description

本開示は、映像音響出力モジュールおよび映像音響提示装置に関し、特に、より性能の向上を図ることができるようにした映像音響出力モジュールおよび映像音響提示装置に関する。
従来、画素ごとにLED(Light Emitting Diode)を配置し、個々のLEDを駆動することによって映像を表示する大画面の表示装置が開発されている。
また、特許文献1には、このような大画面の表示装置において、表示部の背面に複数のスピーカを配置することによって、画面上の任意の位置に映像と同期した音像を定位させる技術が開示されている。
特開2012-235426号公報
ところで、上述したような大画面の表示装置は、今後、市場の動向として予測される低ピッチ化や高輝度化などの性能の向上を図るのに伴って、LEDを駆動させるために多数の駆動チップを実装する構成となることが想定される。このような構成とした場合、良好な音響を出力することが可能な構造としつつ、適切な放熱対策が必要となる。そこで、適切な放熱対策を備え、かつ、性能の向上を図ることが求められている。
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、より性能の向上を図ることができるようにするものである。
本開示の一側面の映像音響出力モジュールは、映像を表示する表示面および前記表示面に対して反対側を向く実装面を有し、前記実装面に前記映像を表示させるための駆動を行う駆動チップが実装された表示基板と、前記表示基板の前記実装面に対して高伝熱性を備える伝熱性充填素材を介して固定され、熱伝導性の高い材質からなる放熱板と、前記放熱板に対して固定され、音響信号に応じて振動する音響素子とを備える。
本開示の一側面においては、表示基板には、映像を表示する表示面に対して反対側を向く実装面に映像を表示させるための駆動を行う駆動チップが実装され、熱伝導性の高い材質からなる放熱板が、表示基板の実装面に対して高伝熱性を備える伝熱性充填素材を介して固定され、音響信号に応じて振動する音響素子が、放熱板に対して固定される。
本開示の一側面の映像音響提示装置は、映像を表示する表示面および前記表示面に対して反対側を向く実装面を有し、前記実装面に前記映像を表示させるための駆動を行う駆動チップが実装された表示基板と、前記表示基板の前記実装面に対して高伝熱性を備える伝熱性充填素材を介して固定され、熱伝導性の高い材質からなる放熱板と、前記放熱板に対して固定され、音響信号に応じて振動する音響素子とを有する映像音響出力モジュールと、複数の前記映像音響出力モジュールが敷き詰められて固定されるメインプレートとを備える。
本開示の一側面においては、映像音響出力モジュールにおいて、表示基板には、映像を表示する表示面に対して反対側を向く実装面に映像を表示させるための駆動を行う駆動チップが実装され、熱伝導性の高い材質からなる放熱板が、表示基板の実装面に対して高伝熱性を備える伝熱性充填素材を介して固定され、音響信号に応じて振動する音響素子が、放熱板に対して固定される。そして、複数の映像音響出力モジュールが、メインプレートに敷き詰められて固定される。
本技術を適用した映像音響提示装置の一実施の形態の構成例を示す図である。 映像音響出力モジュールの平面的および断面的な構成例を示す図である。 映像音響出力モジュールの積層構成を説明する斜視図である。 映像音響出力モジュールの組み立て工程を説明する図である。 段付きビスを利用した固定方法を説明する図である。 ボルトおよびマグネットを利用した固定方法を説明する図である。 伝熱部材の第1のバリエーションについて説明する図である。 伝熱部材の第2のバリエーションについて説明する図である。 伝熱部材の第3のバリエーションについて説明する図である。 放熱板の溝形状を説明する図である。 溝形状の他の寸法例を示す図である。 放熱板およびメインプレートの表面処理について説明する図である。 音質を向上させる構成例を示す図である。
以下、本技術を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<映像音響提示装置の構成例>
図1は、本技術を適用した映像音響提示装置の一実施の形態の構成例を示す図である。
図1に示すように、映像音響提示装置11は、複数の映像音響出力モジュール12が隙間なく敷き詰められるようにメインプレート13に固定されて構成されており、複数の映像音響出力モジュール12の全体で1枚の大画面の映像を表示する。また、映像音響提示装置11では、個々の映像音響出力モジュール12が独立して音響を出力することができ、全体の映像において音源となる画像を表示する映像音響出力モジュール12から音響を出力することにより、映像と音源とを一致させることができる。つまり、映像音響提示装置11は、音源となる画像(例えば、図示される音符)から音響が出力されているように音像を定位させることができる。
<映像音響出力モジュールの構成例>
図2および図3を参照して、映像音響出力モジュール12の構成例について説明する。
図2は、映像音響出力モジュール12の平面的および断面的な構成例を示す図であり、図3は、映像音響出力モジュール12の積層構成を説明する斜視図である。
図2のAには、メインプレート13に対して固定される側から見た映像音響出力モジュール12の平面構成の一例が示されている。図2のBには、図2のAに示すa-a方向から見た映像音響出力モジュール12の断面構成の一例が示されている。
図2に示すように、映像音響出力モジュール12は、LED基板21、パッキング22、放熱板23、音響素子24、および伝熱性接着剤25を備えて構成される。図3に示すように、映像音響出力モジュール12は、LED基板21および放熱板23がパッキング22を挟み込むように積層された構成となる。
LED基板21は、映像を表示する表示面(図2のBにおいて左側を向く面)に、映像の各画素となる複数のLED素子がアレイ状に配置されて構成される。LED基板21の表示面に対して反対側を向く実装面には、それらのLEDを駆動するための駆動チップ31が実装されている。例えば、図3に示す構成例では、9個の駆動チップ31が3×3となる配置でLED基板21の実装面に実装される。
LED基板21の実装面には、複数の接続部32(図2のAに示す構成例では4つの接続部32)が実装される。例えば、接続部32は、映像音響出力モジュール12に映像などの電気信号を供給するための信号線の接続に利用される。
LED基板21の実装面には、円筒形状の内面に雌ネジが形成された複数のスタッド33が設けられる。スタッド33は、映像音響出力モジュール12のメインプレート13への固定に利用される。図2のAに示す構成例では、10個のスタッド33が設けられている。例えば、それらのスタッド33は、映像音響出力モジュール12の左右の両辺近傍に沿ってそれぞれ4つずつ設けられるとともに、映像音響出力モジュール12の中央において音響素子24が配置される位置の上側および下側に1つずつ設けられる。
パッキング22は、LED基板21の実装面に実装される駆動チップ31の厚み以上の厚さのシール部材で、LED基板21および放熱板23の間に充填される伝熱性接着剤25の漏れを防止するのに利用される。例えば、パッキング22は、図3に示すように、LED基板21および放熱板23の外周、スタッド33の外周、および接続部32の外周に応じた形状に形成される。従って、パッキング22は、映像音響出力モジュール12の側面方向だけでなく、スタッド33および接続部32に応じて放熱板23に形成される開口部からの伝熱性接着剤25の漏れを防止することができる。
放熱板23は、例えば、アルミニウムなどのように熱伝導性の高い材質が用いられ、LED基板21の駆動チップ31において発生した熱を放出する。また、放熱板23には、LED基板21の接続部32およびスタッド33が設けられている位置に応じて、それぞれ対応する形状の開口部が設けられている。
音響素子24には、例えば、印加される電圧に応じて歪みを発生させるピエゾ素子などを採用することができる。音響素子24には、映像音響出力モジュール12に表示される映像の音源に従った音響信号が供給される。音響素子24が、音響信号に応じて振動することによって、映像音響出力モジュール12全体が振動し、映像音響出力モジュール12から音響が出力される。
例えば、音響素子24は、両面に接着性を備えた接着テープ41を利用して貼り付けることで放熱板23に対して固定される。図2のAに示す構成例では、3カ所に接着テープ41を貼り付けることで音響素子24が放熱板23に固定されている。なお、音響素子24の全面を貼り付けるようにしたり、接着剤やネジなどを利用した固定方法を採用したりしてもよい。
伝熱性接着剤25は、例えば、高い伝熱性を備える接着剤であり、LED基板21で発生した熱を放熱板23に伝熱するために放熱板23との間に充填される伝熱性充填素材である。例えば、伝熱性接着剤25は、LED基板21および放熱板23の間に充填された後に硬化することで、LED基板21および放熱板23を接着させることができる。
このように映像音響出力モジュール12は構成されており、例えば、映像の低ピッチ化や高輝度化などの性能の向上を図るのに伴って、LED基板21の実装面に多数の駆動チップ31が実装されたとしても、良好な音響を出力することができるとともに、適切な放熱対策を施すことができる。つまり、LED基板21に音響素子24を実装するエリアが確保することができないくらい多数の駆動チップ31が実装された構成でも、映像音響出力モジュール12から音響を出力することができる。さらに、LED基板21および放熱板23を伝熱性接着剤25により接着することにより、駆動チップ31で発生した熱を放熱板23から良好に放熱することができる。即ち、映像音響出力モジュール12は、音源となる画像から音響が出力されているように音像を定位させることができる映像音響提示装置11について、より性能の向上を図ることができる。
なお、本実施の形態においては、LED基板21に対して伝熱性接着剤25を介して放熱板23を接着する構成例について説明するが、このような接着以外の方法でLED基板21の実装面を覆うように放熱板23を固定する様々な方法を用いることができる。例えば、パッキング22に対して両面に接着性を備えた接着テープを貼り付け、パッキング22を介してLED基板21および放熱板23を固定する方法、または、ネジなどを利用してLED基板21および放熱板23を固定する方法を用いてもよい。このような方法を用いる場合、LED基板21の実装面の凹凸を埋めて固化する非接着性の伝熱性充填素材(例えば、高伝熱性を備えるギャップフィラーなど)を充填し、LED基板21の実装面に対して放熱板23を固定することが好適である。
<映像音響出力モジュールの組み立て工程>
図4を参照して、映像音響出力モジュール12の組み立て工程について説明する。
図4の1段目に示すように、駆動チップ31およびスタッド33が実装されたLED基板21の実装面にパッキング22が載置される。
図4の2段目に示すように、パッキング22の内側におけるLED基板21の実装面に対して、伝熱性接着剤25を充填する。
図4の3段目に示すように、放熱板23の貫通穴にスタッド33が貫通するようにLED基板21に対して放熱板23を重ね合わせ、伝熱性接着剤25を利用して、LED基板21および放熱板23を固定する。
図4の4段目に示すように、接着テープ41(図2のA参照)を放熱板23の中央の所定個所に貼り付け、接着テープ41を利用して音響素子24を貼り付けることで、放熱板23に対して音響素子24を固定する。
このような工程により、映像音響出力モジュール12を組み立てることができる。ここで、放熱板23には空気抜き用の小穴が設けられており、LED基板21に対して放熱板23を重ね合わせて所定の厚みとなるまで伝熱性接着剤25を押し潰す工程で、伝熱性接着剤25との間に挟み込まれている空気を放熱板23の小穴から排出することができる。このように、伝熱性接着剤25との間に空気が挟み込まれないようにすることで、空気によって伝熱効果が低下してしまうことを回避することができる。
<映像音響出力モジュールの固定方法>
図5および図6を参照して、映像音響出力モジュール12をメインプレート13に固定する固定方法について説明する。
例えば、図5には、段付きビス51を利用して、映像音響出力モジュール12をメインプレート13に対して固定する固定方法の一例が示されている。
図示するように、メインプレート13には、映像音響出力モジュール12のスタッド33に合わせて、段付きビス51を貫通可能な貫通穴が形成されている。そして、メインプレート13の貫通穴を貫通させて、段付きビス51の雄ネジをスタッド33の雌ネジに螺合させることで、映像音響出力モジュール12がメインプレート13に固定される。また、メインプレート13には、映像音響出力モジュール12の音響素子24の位置に合わせて音響素子24より大きな開口部が設けられている。なお、図示するのと同様の隙間がメインプレート13との間に設けられるような長さのスタッド33を利用することで、段付きビス51に替えて通常のビスを用いて映像音響出力モジュール12をメインプレート13に固定することができる。
このように、映像音響出力モジュール12をメインプレート13に固定する際に、伝熱性を備えるとともに高いクッション性を備えた伝熱部材52が映像音響出力モジュール12およびメインプレート13の間に挟み込まれる。これにより、金属部材であるメインプレート13へ放熱板23から伝熱部材52を介して効率良く熱を伝達させることができ、より放熱性能の向上を図ることができる。
また、伝熱部材52が備えるクッション性によって、映像音響出力モジュール12から音響を出力させる際の振動に対し、メインプレート13が抵抗となることが回避される。つまり、伝熱部材52を介して映像音響出力モジュール12をメインプレート13に固定する固定方法によって、映像音響出力モジュール12が自由に振動することができ、例えば、音圧が低下するなどの悪影響を低減することができる。これにより、映像音響出力モジュール12の音響性能の低下を抑制させつつ、放熱性能を向上させることができる。
図6には、ボルト53およびマグネット54を利用して、映像音響出力モジュール12をメインプレート13に対して固定する固定方法の一例が示されている。
図示するように、メインプレート13には、映像音響出力モジュール12のスタッド33に合わせて、ボルト53のネジ頭を収納可能な凹形状の座繰り部が形成されるとともに、その座繰り部の反対側にマグネット54が固定されている。また、映像音響出力モジュール12のスタッド33には、ボルト53が螺合されている。そして、映像音響出力モジュール12をメインプレート13に近づけると、マグネット54の磁力によってボルト53が引き寄せられ、ボルト53のネジ頭がメインプレート13の座繰り部に入り込むように、映像音響出力モジュール12がメインプレート13に固定される。なお、ボルト53に替えて段付きネジを用いることにより、ネジ頭の高さを一定にすることができ良好である。
また、図6に示す固定方法においても、図5を参照して説明した固定方法と同様に、映像音響出力モジュール12およびメインプレート13の間に伝熱部材52が挟み込まれる。
図7乃至図9を参照して、伝熱部材52のバリエーションについて説明する。なお、図7乃至図9に示す映像音響出力モジュール12においては、音響素子24の図示は省略されている。
図7のAには、メインプレート13に対して固定される側から見た映像音響出力モジュール12の平面構成の一例が示されている。図7のBには、図7のAに示すb-b方向から見た映像音響出力モジュール12の断面構成の一例が示されている。
図7に示す第1のバリエーションである伝熱部材52aには、水平熱伝導性に優れたグラファイトを利用したサーマルフォームガスケットが用いられる。図示するように、正方形の伝熱部材52aが、メインプレート13の6カ所の位置、例えば、図3に示した3×3で配置された駆動チップ31の上段の3カ所および下段の3カ所に対応する位置に貼り付けられる。
また、伝熱部材52aとして用いられるサーマルフォームガスケットは、1または複数のグラファイトシート層により構成され、例えば、1層または5層のグラファイトシート層からなるサーマルフォームガスケットを採用することができる。例えば、サーマルフォームガスケットは、グラファイトシート層を厚くすることにより、熱を伝導する効果を向上させることができる。
図8のAには、メインプレート13に対して固定される側から見た映像音響出力モジュール12の平面構成の一例が示されている。図8のBには、図8のAに示すb-b方向から見た映像音響出力モジュール12の断面構成の一例が示されている。
図8に示す第2のバリエーションである伝熱部材52bには、図7の伝熱部材52aと同様に、サーマルフォームガスケットが用いられる。図示するように、図7の伝熱部材52aは正方形であるのに対し、伝熱部材52aは、伝熱部材52aは正方形を半分に細分割した長方形となっている。例えば、サーマルフォームガスケットは、グラファイトシート層を細分割することにより、熱を伝導する効果を向上させることができる。
図9のAには、メインプレート13に対して固定される側から見た映像音響出力モジュール12の平面構成の一例が示されている。図9のBには、図9のAに示すb-b方向から見た映像音響出力モジュール12の断面構成の一例が示されている。
図9に示す第3のバリエーションである伝熱部材52cには、高い熱伝導率と柔軟性を兼ね備えた伝熱シートが用いられる。図示するように、正方形の伝熱部材52aが、メインプレート13の6カ所の位置、例えば、図3に示した3×3で配置された駆動チップ31の上段の3カ所および下段の3カ所に対応する位置に貼り付けられる。
<放熱性の向上>
図10乃至図12を参照して、放熱板23の放熱性の向上について説明する。
図10は、放熱板23の放熱性を向上させるための溝形状について説明する図である。
図10のAには、音響素子24が貼り付けられる面(以下、外面と称する)の放熱板23の平面構成の一例が示されている。図10のBには、放熱板23に設けられる溝に沿った方向に対して直交する方向での放熱板23の断面構成の一例が示されている。図10のCには、図10のBに示す二点鎖線の円形部分における放熱板23の断面構成が拡大して示されている。
例えば、図10のAおよびBに示すように、音響素子24を固定するための接着テープ41(図2のA参照)を貼り付ける個所において6mmの幅を残し、それ以外の個所において2mm幅の溝形状が、1mm幅の凸部を残すようなピッチで放熱板23の外面に形成される。
図10のCに示すように、2mmの厚みのアルミプレートの外面に1.5mmの深さの溝形状を形成することで放熱板23が構成される。
また、図11には、放熱板23の外面に形成される溝形状の他の寸法例が示されている。図11のCに示すように、2mmの厚みのアルミプレートの外面に1mmの深さの溝形状を形成することで放熱板23を構成してもよい。
このように、放熱板23に溝形状を形成することによって、主に対流による放熱性の向上を図ることができる。また、溝形状によって、放熱板23の重量や剛性を低下させることになる結果、加振効率の向上を図ることができ、映像音響出力モジュール12から出力される音響の音圧を向上させることができる。
図12は、放熱板23の放熱性を向上させるための表面処理について説明する図である。
例えば、放熱板23の放熱性を向上させるために、放熱板23の表面に表面処理を施して表面処理層61を形成し、メインプレート13の表面に表面処理を施して表面処理層62を形成することが検討される。具体的には、塗装やアルマイトなどを設ける表面処理を施すことが考えられる。
図12のAには、放熱板23に対して表面処理が施されずに表面処理層61が形成されていない構成と、メインプレート13に対して表面処理が施されずに表面処理層62が形成されていない構成との組み合わせが示されている。このような組み合わせの場合、放熱板23に表面処理層61が形成された構成と比較して、放熱板23からの熱の放射が小さくなるとともに、メインプレート13に表面処理層62が形成された構成と比較して、メインプレート13における熱の反射が大きくなる。ここでは、放熱板23から放射される熱の半分が、メインプレート13において反射されるイメージが図示されている。
図12のBには、放熱板23に対して表面処理を施して表面処理層61が形成された構成と、メインプレート13に対して表面処理が施されずに表面処理層62が形成されていない構成との組み合わせが示されている。このような組み合わせの場合、放熱板23に表面処理層61が形成されていない構成と比較して、放熱板23からの熱の放射が大きく(図示する例では2倍に)なるとともに、メインプレート13に表面処理層62が形成された構成と比較して、メインプレート13における熱の反射が大きくなる。ここでは、放熱板23から放射される熱の半分が、メインプレート13において反射されるイメージが図示されている。図12のBに示す組み合わせでは、図12のAに示した組み合わせに対して放熱性を約2倍に向上させる効果が得られる計算となる。
図12のCには、放熱板23に対して表面処理が施されずに表面処理層61が形成されていない構成と、メインプレート13に対して表面処理を施して表面処理層62を形成した構成との組み合わせが示されている。このような組み合わせの場合、放熱板23に表面処理層61が形成された構成と比較して、放熱板23からの熱の放射が小さくなるとともに、メインプレート13に表面処理層62が形成されていない構成と比較して、メインプレート13における熱の反射が小さくなる。ここでは、表面処理層62が形成されていなかったメインプレート13で反射されていた熱のうち、一部の熱(例えば、1/4の熱)が表面処理層62によってメインプレート13の内部に伝導され、残りの熱がメインプレート13において反射されるイメージが図示されている。図12のCに示す組み合わせでは、図12のAに示した組み合わせに対して放熱性を約1.5倍に向上させる効果が得られる計算となる。
図12のDには、放熱板23に対して表面処理を施して表面処理層61を形成した構成と、メインプレート13に対して表面処理を施して表面処理層62を形成した構成との組み合わせが示されている。このような組み合わせの場合、放熱板23に表面処理層61が形成されない構成と比較して、放熱板23からの熱の放射が大きくなるとともに、メインプレート13に表面処理層62が形成されていない構成と比較して、メインプレート13における熱の反射が小さくなる。ここでは、表面処理層62が形成されていなかったメインプレート13で反射されていた熱のうち、一部の熱(例えば、1/4の熱)が表面処理層62によってメインプレート13の内部に伝導され、残りの熱がメインプレート13において反射されるイメージが図示されている。図12のDに示す組み合わせでは、図12のAに示した組み合わせに対して放熱性を約3倍に向上させる効果が得られる計算となる。
このように、放熱板23に対して表面処理を施すこと、または、放熱板23およびメインプレート13の両方に対して表面処理を施すことによって、映像音響提示装置11は、より良好な放熱性を得ることができる。
なお、表面処理層61および表面処理層62を形成するような表面処理の他、表面に対して研磨や酸化処理を施すような表面処理によって放熱性の向上を図ってもよい。
<音質の向上>
図13を参照して、映像音響出力モジュール12の音質を向上させる構成例について説明する。
図13に示す映像音響出力モジュール12は、LED基板21および放熱板23の間に挟み込まれるように振動伝達部材71が設けられている。振動伝達部材71は、例えば、パッキング22と同等の厚みの金属により構成され、図13のAに示すように音響素子24の直下となる位置(平面視して音響素子24と重なる位置)に配置される。
つまり、図2に示した構成例の映像音響出力モジュール12は、音響素子24の直下には伝熱性接着剤25が設けられており、音響素子24の振動は伝熱性接着剤25を介してLED基板21に伝達する構成になっていた。このような構成では、硬化後の伝熱性接着剤25であっても硬度が低いため、音響素子24の振動が減衰してしまい、LED基板21まで振動が十分に伝達できないことが想定される。
そこで、図13に示すように、音響素子24の直下となる位置に硬度の高い振動伝達部材71を配置することで、音響素子24の振動を確実にLED基板21に伝達することができる。これにより、映像音響出力モジュール12の音質(例えば、周波数特性)を安定させることができ、より良好な音質の音響を出力することが可能となる。
<構成の組み合わせ例>
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
映像を表示する表示面および前記表示面に対して反対側を向く実装面を有し、前記実装面に前記映像を表示させるための駆動を行う駆動チップが実装された表示基板と、
前記表示基板の前記実装面に対して高伝熱性を備える伝熱性充填素材を介して固定され、熱伝導性の高い材質からなる放熱板と、
前記放熱板に対して固定され、音響信号に応じて振動する音響素子と
を備える映像音響出力モジュール。
(2)
前記表示基板に実装された状態の前記駆動チップの厚み以上の厚さで、前記表示基板および前記放熱板の間に充填される前記伝熱性充填素材の漏れを防止するパッキング
をさらに備える上記(1)に記載の映像音響出力モジュール。
(3)
複数の前記映像音響出力モジュールを固定するメインプレートとの間に挟み込まれる伝熱部材
をさらに備える上記(1)または(2)に記載の映像音響出力モジュール。
(4)
前記放熱板は、前記音響素子が固定される側の面に、複数の溝が設けられている
上記(3)に記載の映像音響出力モジュール。
(5)
前記放熱板および前記メインプレートの両方に対して、または、いずれか一方に対して表面処理が施される
上記(1)から(4)までのいずれかに記載の映像音響出力モジュール。
(6)
前記音響素子の直下となる位置で前記表示基板および前記放熱板の間に配置される振動伝達部材
上記(1)から(5)までのいずれかに記載の映像音響出力モジュール。
(7)
映像を表示する表示面および前記表示面に対して反対側を向く実装面を有し、前記実装面に前記映像を表示させるための駆動を行う駆動チップが実装された表示基板と、
前記表示基板の前記実装面に対して高伝熱性を備える伝熱性充填素材を介して固定され、熱伝導性の高い材質からなる放熱板と、
前記放熱板に対して固定され、音響信号に応じて振動する音響素子と
を有する映像音響出力モジュールと、
複数の前記映像音響出力モジュールが敷き詰められて固定されるメインプレートと
を備える映像音響提示装置。
(8)
複数の前記映像音響出力モジュールのうちの、少なくとも1つが、
前記表示基板に実装された状態の前記駆動チップの厚み以上の厚さで、前記表示基板および前記放熱板の間に充填される前記伝熱性充填素材の漏れを防止するパッキング
をさらに有する上記(7)に記載の映像音響提示装置。
(9)
複数の前記映像音響出力モジュールのうちの、少なくとも1つが、
複数の前記映像音響出力モジュールを固定するメインプレートとの間に挟み込まれる伝熱部材
をさらに備える上記(7)または(8)に記載の映像音響提示装置。
(10)
複数の前記映像音響出力モジュールのうちの、少なくとも1つが、
前記放熱板は、前記音響素子が固定される側の面に、複数の溝が設けられている
上記(7)から(9)までのいずれかに記載の映像音響提示装置。
(11)
前記放熱板および前記メインプレートの両方に対して、または、いずれか一方に対して表面処理が施される
上記(9)に記載の映像音響提示装置。
(12)
複数の前記映像音響出力モジュールのうちの、少なくとも1つが、
前記音響素子の直下となる位置で前記表示基板および前記放熱板の間に配置される振動伝達部材
をさらに備える上記(7)から(11)までのいずれかに記載の映像音響提示装置。
なお、本実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。
11 映像音響提示装置, 12 映像音響出力モジュール, 13 メインプレート, 21 LED基板, 22 パッキング, 23 放熱板, 24 音響素子, 25 伝熱性接着剤, 31 駆動チップ, 32 接続部, 33 スタッド, 41 接着テープ, 51 段付きビス, 52 伝熱部材, 53 ボルト, 54 マグネット, 61および62 表面処理層, 71 振動伝達部材

Claims (12)

  1. 映像を表示する表示面および前記表示面に対して反対側を向く実装面を有し、前記実装面に前記映像を表示させるための駆動を行う駆動チップが実装された表示基板と、
    前記表示基板の前記実装面に対して高伝熱性を備える伝熱性充填素材を介して固定され、熱伝導性の高い材質からなる放熱板と、
    前記放熱板に対して固定され、音響信号に応じて振動する音響素子と
    を備える映像音響出力モジュール。
  2. 前記表示基板に実装された状態の前記駆動チップの厚み以上の厚さで、前記表示基板および前記放熱板の間に充填される前記伝熱性充填素材の漏れを防止するパッキング
    をさらに備える請求項1に記載の映像音響出力モジュール。
  3. 複数の前記映像音響出力モジュールを固定するメインプレートとの間に挟み込まれる伝熱部材
    をさらに備える請求項1に記載の映像音響出力モジュール。
  4. 前記放熱板は、前記音響素子が固定される側の面に、複数の溝が設けられている
    請求項1に記載の映像音響出力モジュール。
  5. 前記放熱板および前記メインプレートの両方に対して、または、いずれか一方に対して表面処理が施される
    請求項3に記載の映像音響出力モジュール。
  6. 前記音響素子の直下となる位置で前記表示基板および前記放熱板の間に配置される振動伝達部材
    をさらに備える請求項1に記載の映像音響出力モジュール。
  7. 映像を表示する表示面および前記表示面に対して反対側を向く実装面を有し、前記実装面に前記映像を表示させるための駆動を行う駆動チップが実装された表示基板と、
    前記表示基板の前記実装面に対して高伝熱性を備える伝熱性充填素材を介して固定され、熱伝導性の高い材質からなる放熱板と、
    前記放熱板に対して固定され、音響信号に応じて振動する音響素子と
    を有する映像音響出力モジュールと、
    複数の前記映像音響出力モジュールが敷き詰められて固定されるメインプレートと
    を備える映像音響提示装置。
  8. 複数の前記映像音響出力モジュールのうちの、少なくとも1つが、
    前記表示基板に実装された状態の前記駆動チップの厚み以上の厚さで、前記表示基板および前記放熱板の間に充填される前記伝熱性充填素材の漏れを防止するパッキング
    をさらに有する請求項7に記載の映像音響提示装置。
  9. 複数の前記映像音響出力モジュールのうちの、少なくとも1つが、
    複数の前記映像音響出力モジュールを固定するメインプレートとの間に挟み込まれる伝熱部材
    をさらに備える請求項7に記載の映像音響提示装置。
  10. 複数の前記映像音響出力モジュールのうちの、少なくとも1つが、
    前記放熱板は、前記音響素子が固定される側の面に、複数の溝が設けられている
    請求項7に記載の映像音響提示装置。
  11. 前記放熱板および前記メインプレートの両方に対して、または、いずれか一方に対して表面処理が施される
    請求項9に記載の映像音響提示装置。
  12. 複数の前記映像音響出力モジュールのうちの、少なくとも1つが、
    前記音響素子の直下となる位置で前記表示基板および前記放熱板の間に配置される振動伝達部材
    をさらに備える請求項7に記載の映像音響提示装置。
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