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JP7729091B2 - 改質剤及び成形体の製造方法 - Google Patents

改質剤及び成形体の製造方法

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JP7729091B2
JP7729091B2 JP2021117165A JP2021117165A JP7729091B2 JP 7729091 B2 JP7729091 B2 JP 7729091B2 JP 2021117165 A JP2021117165 A JP 2021117165A JP 2021117165 A JP2021117165 A JP 2021117165A JP 7729091 B2 JP7729091 B2 JP 7729091B2
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Description

本発明は、改質剤及び成形体の製造方法に関する。更に詳しくは、ポリエチレン、ポリアミド及び相容化剤を含む改質剤、更には、これを用いた成形体の製造方法に関する。
ポリオレフィン、ポリアミド及び相容化剤の3成分を用いて耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成物を得る技術が下記特許文献1及び2に開示されている。
国際公開第2013-094763号パンフレット 国際公開第2013-094764号パンフレット
上記特許文献1及び2には、ポリアミドに対する反応性基を有する変性エラストマーを相容化剤として利用する点、ポリオレフィンとは別途に溶融混錬した相容化剤とポリアミドとの溶融混錬物を利用する点、得られた溶融混錬物とポリオレフィンと溶融混錬して目的物である熱可塑性樹脂組成物を得る点、ポリアミドとして植物由来ポリアミド11を利用できる点、が開示されている。
ところで、近年、持続可能な社会構築、及び、それに伴う環境負荷低減がクローズアップされ、材料技術分野においても、その対応が益々強く望まれている。具体的には、CO排出削減という観点から、石油などの化石由来原料に代えて、植物由来原料を利用する技術が注目され、汎用樹脂においては、ポリアミドだけでなく、ポリオレフィンについても植物由来品が上市されるに至っている。しかしながら、長く利用されてきた化石由来樹脂に比べて、いずれもグレードが少なく、各種用途に適するよう調整が進んでいないという実情がある。このため、従来利用されてきた化石由来樹脂を、そのまま植物由来樹脂へ置換できる状況になく、植物由来樹脂の割合を増大させるには様々な困難があるという問題がある。
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、ポリエチレン、ポリアミド及び相容化剤の3成分を含み、環境負荷低減を実現しながら、ポリオレフィン(但し、ポリエチレンを除く)に対して耐衝撃性を付与できる改質剤を提供することを目的とする。更に、この改質剤を用いた成形体の製造方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1]本発明の改質剤は、改質対象樹脂がポリオレフィン(但し、ポリエチレンを除く)であり、前記改質対象樹脂の耐衝撃性を向上させることができる改質剤であって、
ポリエチレン(PE)、ポリアミド及び相容化剤を含み、
前記相容化剤が、前記ポリアミドに対する反応性基を有する変性エラストマーであり、
前記ポリエチレン(PE)及び前記ポリアミドのISO16620-2によるバイオベース炭素含有率が80%以上であることを要旨とする。
[2]本発明の改質剤では、前記ポリエチレン(PE)、前記ポリアミド及び前記相容化剤の合計を100質量%とし、前記ポリエチレン(PE)の質量割合をRPE2質量%、前記ポリアミドの質量割合をRPA質量%、前記相容化剤の質量割合をRCB質量%、とした場合に、
1≦RCB(質量%)≦70且つ0.3≦RPE2/RPA≦3.5とすることができる。
[3]本発明の改質剤では、前記ポリエチレン(PE)を、高密度ポリエチレンにすることができる。
[4]本発明の改質剤では、前記ポリエチレン(PE)のMFR(230℃/2.16kg)を、20g/10分以下にすることができる。
[5]本発明の改質剤では、前記ポリアミドを、主鎖中の隣り合ったアミド結合同士に挟まれた炭化水素基の直鎖炭素数が6以上である構造を有するものにできる。
[6]本発明の改質剤では、前記相容化剤を、エチレン及びそれ以外のα-オレフィンに由来する共重合鎖を主骨格とし、前記反応性基が酸変性基であるものにできる。
[7]本発明の改質剤では、前記ポリオレフィンを、ブロックポリプロピレンにすることができる。
[8]本発明の改質剤では、MFR(230℃/2.16kg)を、3~17g/10分にすることができる。
[9]本発明の改質剤では、前記ポリアミド及び前記相容化剤の溶融混練物と、前記ポリエチレン(PE)と、を溶融混練して得ることができる。
[10]本発明の成形体の製造方法は、改質対象樹脂であるポリオレフィン(但し、ポリエチレンを除く)と、本発明の改質剤とをドライブレンドした原料を成形する成形工程を備えることを要旨とする。
[11]本発明の成形体の製造方法では、前記改質対象樹脂と前記改質剤との合計を100質量%とした場合に、前記改質剤を30~70質量%にすることができる。
本発明の改質剤によれば、環境負荷低減を実現しながら、ポリエチレンを除くポリオレフィンに対して耐衝撃性を付与できる。
本発明の成形体の製造方法によれば、予備混錬工程を経ることなく、少ない工程数によって簡便に、環境負荷低減を実現しながら、優れた耐衝撃性を有するポリエチレン基質の成形体を得ることができる。
実験例1の試験片表面を5000倍に拡大して得られた相構造 実験例1の試験片表面を10000倍に拡大して得られた相構造 実験例1の試験片表面を20000倍に拡大して得られた相構造 実験例5の試験片表面を5000倍に拡大して得られた相構造 実験例5の試験片表面を10000倍に拡大して得られた相構造 実験例5の試験片表面を20000倍に拡大して得られた相構造
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
尚、本明細書では、「XX~YY」の記載は、「XX以上YY以下」を意味する。
[1]改質剤
本発明の改質剤は、改質対象樹脂がポリオレフィン(但し、ポリエチレンを除く)ポリオレフィン用改質剤である。本発明の改質剤の配合によって、ポリエチレンを除くポリオレフィンの耐衝撃性を向上させるという改質を実現できる。
本発明の改質剤は、ポリエチレン(PE)、ポリアミド及び相容化剤を含む。このうち、相容化剤は、ポリアミドに対する反応性基を有する変性エラストマーである。
また、ポリエチレン(PE)は、ISO16620-2によるバイオベース炭素含有率が80%以上である。即ち、植物由来ポリエチレン(植物由来PE)である。
更に、ポリアミドは、ISO16620-2によるバイオベース炭素含有率が80%以上である。即ち、植物由来ポリアミド(植物由来PA)である。
〈1〉ポリエチレンPE
ポリエチレンPEは、ISO16620-2の規格に準じて測定されたバイオベース炭素含有率が80%以上である(本明細書では、当該ポリエチレンを、単に「植物由来PE」とも記載する)。このバイオベース炭素含有率は、全構成炭素に占める14Cの割合に基づき、植物由来の炭素含有率(バイオベース炭素含有率)を算出した値である。
本発明で用いる植物由来PEは、バイオベース炭素含有率が80%以上(100%であってもよい)のものであればよく、更に、85%以上の植物由来PEでもよいし、更には、90%以上の植物由来PEでもよい。
尚、バイオベース炭素含有率は、ISO16620-2以外にも、ASTM D6866の規格に準じて測定された値を利用できる。通常、これらの規格による値は、実質、同じ値となる。
植物由来PEは、メチレン基(-CH-)が連なった構造(メチレン鎖)を主骨格とする重合体である。メチレン鎖は、特にエチレンに由来する構成単位である。
また、植物由来PEには、エチレンの単独重合体、及び、エチレンと他のオレフィレンとの共重合体が含まれる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。植物由来PEが、共重合体である場合、非エチレン由来単位(他のオレフィン由来単位)は、全構成単位数のうち50%以下(更には30%以下、更には10%以下)であることが好ましい。非エチレン由来単位の割合が低い方が、バイオベース炭素含有率を大きくできるからである。即ち、植物由来PEとしては、非エチレン由来単位の割合が少なく(例えば、10%以下)、実質的なエチレン単独重合体が好ましい。
尚、上述の他のオレフィンとしては、炭素数3のオレフィン(プロピレン)、炭素数4のオレフィン(1-ブテン等)、炭素数5のオレフィン(3-メチル-1-ブテン、1-ペンテン等)、炭素数6のオレフィン(3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン等)、炭素数8のオレフィン(1-オクテン等)などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
植物由来PEの諸特性は限定されないが、密度0.942g/cm以上の高密度ポリエチレンであることが好ましい。また、植物由来PEのMFR(230℃/2.16kg)は、35g/10分以下であることが好ましい。植物由来PEのMFRが35g/10分以下(通常、1g/10分以上)であることにより、結果的に、得られる改質剤が優れた改質性能を有することができる。このMFRは、更に20g/10分以下が好ましく、15g/10分以下がより好ましい。下限値は限定されないが、溶融混錬のしやすさという観点からは、2g/10分以上が好ましく、3g/10分以上がより好ましい。
尚、本発明において、ポリエチレンのMFR(230℃/2.16kg)は、ISO1133又はASTM D1238の規格に準じて測定された値とする。これらの規格による値は、通常、実質同じ値となる。
また、植物由来PEの密度は、上述の通り、0.942g/cm以上が好ましく、更には、密度0.950g/cm以上がより好ましい。密度の上限値は限定されないが、0.954g/cm以下であることが好ましい。
上述したMFR及び密度の両立は、ポリエチレンの直鎖性、分岐量及び分子量等により調節できる。
尚、本発明において、ポリエチレンの密度は、ISO1183又はASTM D792の規格に準じて測定された値とする。これらの規格による値は、通常、実質同じ値となる。
更に、植物由来PEのMFR(230℃/2.16kg)は、小さいことが好ましい。具体的には、後述する植物由来PAと相容化剤とから得られる溶融混錬物のMFR(230℃/2.16kg)に対してより近いMFRであることが好ましい。即ち、植物由来PAと相容化剤との混練は、両者は反応によって促進され得ると考えられ、両者の混練ではMFR差の影響を受け難い。これに対し、植物由来PEと溶融混錬物(植物由来PAと相容化剤との溶融混錬物)との混練では、両者は反応されないため、これらのMFR差の影響を受けやすいと考えられる。従って、植物由来PEのMFRと溶融混錬物のMFRとを近づけることによって混練性が良好になり、それに伴って耐衝撃性が向上させることができると考えられる。
具体的には、植物由来PEのMFR(230℃/2.16kg)をMPE2(g/10分)とし、植物由来PAと相溶化剤との溶融混錬物のMFR(230℃/2.16kg)をMPX(g/10分)とした場合に、これらの比MPE2/PX(=MPE2/MPX)は、0.5≦MPE2/PX≦20であることが好ましく、1≦MPE2/PX≦17であることがより好ましく、2≦MPE2/PX≦13であることが更に好ましく、5≦MPE2/PX≦10であることが特に好ましい。
尚、MPXの範囲は限定されないが、例えば、0.1≦MPX(g/10分)≦10とすることができ、更に0.5≦MPX(g/10分)≦5とすることができ、更に1≦MPX(g/10分)≦3とすることができる。
〈2〉ポリアミド
ポリアミドは、ISO16620-2の規格に準じて測定されたバイオベース炭素含有率が80%以上である(本明細書では、当該ポリアミドを、単に「植物由来PA」とも記載する)。このバイオベース炭素含有率は、全構成炭素に占める14Cの割合に基づき、植物由来の炭素含有率(バイオベース炭素含有率)を算出した値である。
本発明で用いる植物由来PAは、バイオベース炭素含有率が80%以上(100%であってもよい)のものであればよく、更に、90%以上の植物由来PAでもよいし、更には、95%以上の植物由来PAでもよい。
尚、バイオベース炭素含有率は、ISO16620-2以外にも、ASTM D6866の規格に準じて測定された値を利用できる。通常、これらの規格による値は、実質、同じ値となる。
植物由来PAは、アミド結合(-NH-CO-)を介して炭化水素基(特にメチレン鎖)が連なった構造を主骨格とする重合体である。
植物由来PAを構成する単量体としては、6-アミノカプロン酸、11-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε-カプロラクタム、ウンデカンラクタム、ω-ラウリルラクタムなどのラクタムなどが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、高バイオベース炭素含有率という観点からは、植物由来の11-アミノウンデカン酸が多く含まれることが好ましい。
更に、植物由来PAは、ジアミンとジカルボン酸との共重合により得ることもできる。この場合、単量体としてのジアミンには、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、1,13-ジアミノトリデカン、1,14-ジアミノテトラデカン、1,15-ジアミノペンタデカン、1,16-ジアミノヘキサデカン、1,17-ジアミノヘプタデカン、1,18-ジアミノオクタデカン、1,19-ジアミノノナデカン、1,20-ジアミノエイコサン、2-メチル-1,5-ジアミノペンタン、2-メチル-1,8-ジアミノオクタン等の脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス-(4-アミノシクロヘキシル)メタン等の脂環式ジアミン、キシリレンジアミン(p-フェニレンジアミン及びm-フェニレンジアミンなど)等の芳香族ジアミンなどが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、高バイオベース炭素含有率という観点からは、植物由来の1,10-ジアミノデカン及び/又は1,5-ジアミノペンタンが多く含まれることが好ましい。
更に、単量体としてのジカルボン酸には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシリン酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸のような脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸のような脂環式ジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸、更には、フランジカルボン酸などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、高バイオベース炭素含有率という観点からは、植物由来のセバシン酸、フランジカルボン酸、及び/又は、グルタル酸が多く含まれることが好ましい。
更に、植物由来PAは、その主鎖中の隣り合ったアミド結合同士に挟まれた炭化水素基の直鎖炭素数が6以上である構造を有することが好ましい。
従って、植物由来PAとしては、ポリアミド11(PA11)、ポリアミド1010(PA1010)、ポリアミド1012(PA1012)、ポリアミド610(PA610)、ポリアミド510(PA510)、ポリアミド(PA410)、ポリアミド(PA10T)、ポリアミド11T(PA11T)、ポリアミドMXD10(MXD10)等が挙げられる。これらのポリアミドは、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。更に、2種以上である場合、混合樹脂からなるペレット及びペレット混合物の両方を含む。
また、植物由来PAは、アミノ酸やラクタムの単独重合体、及び、ジアミンとジカルボン酸との共重合体のいずれかを問わず、これらの重合体を形成するモノマーが植物原料に由来することにより植物由来PAとなる。モノマーは、その全量が植物由来モノマーでもよいし、一部のみが植物由来モノマー(即ち、他部に化石由来モノマーを含んでもよい)でもよい。即ち、植物由来PAは、結果として、バイオベース炭素含有率が80%以上であればよい。
植物由来PAの諸特性は限定されないものの、密度1.15g/cm以下のポリアミドであるとともに、MFR(230℃/2.16kg)が50g/10分以下であることが好ましい。植物由来PAのMFRが50g/10分以下(通常、1g/10分以上)であることにより、結果的に、得られる改質剤が優れた改質性能を有することができる。このMFRは、更に40g/10分以下が好ましく、35g/10分以下がより好ましい。下限値は限定されないが、溶融混錬のしやすさという観点からは、3g/10分以上が好ましく、5g/10分以上がより好ましい。
尚、本発明において、植物由来PAのMFR(230℃/2.16kg)は、ISO1133又はASTM D1238の規格に準じて測定された値とする。これらの規格による値は、通常、実質同じ値となる。
また、植物由来PAの密度は、上述の通り、1.15g/cm以下が好ましく、更には、密度1.08g/cm以下がより好ましい。密度の下限値は限定されないが、0.98g/cm以上であることが好ましい。
これらのMFR及び密度の両立は、植物由来PAの直鎖性、分岐量及び分子量等により調節できる。
尚、本発明において、植物由来PAの密度は、ISO1183又はASTM D792の規格に準じて測定された値とする。これらの規格による値は、通常、実質同じ値となる。
〈3〉相容化剤
相溶化剤は、植物由来PAに対する反応性基を有した変性エラストマーである。更に、相容化剤は、植物由来PEに対して親和性を有する成分であることが好ましい。この場合、植物由来PEと植物由来PAとに対する相容化作用を有する成分となる。即ち、植物由来PEと植物由来PAとの相容化剤であることが好ましい。
また、相容化剤は、本改質剤内において、植物由来PAとその全部が反応されていてもよいが、その一部のみが反応されていてもよい。
変性エラストマーが有する反応性基としては、植物由来PAに対する反応性を有すればよいが、例えば、酸無水物基(-CO-O-OC-)、カルボキシル基(-COOH)及びエポキシ基{-CO(2つの炭素原子と1つの酸素原子とからなる三員環構造)}、オキサゾリン基(-CNO)及びイソシアネート基(-NCO)等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
反応性基による変性エラストマーの変性量は限定されず、変性エラストマーの1分子中に1以上の反応性基を有すればよく、更に、1以上50以下の反応性基を有することが好ましく、3以上30以下の反応性基を有することがより好ましく、5以上20以下の反応性基を有することが特に好ましい。
変性エラストマーとして、反応性基を導入できる各種単量体を用いた重合体(反応性基を導入できる単量体を用いた重合に得られた変性エラストマー)、各種重合体の酸化分解物(酸化分解により反応性基が形成された変性エラストマー)、各種重合体に対する有機酸のグラフト重合物(有機酸のグラフト重合により反応性基が導入された変性エラストマー)などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
反応性基を導入できる単量体としては、重合性不飽和結合と酸無水物基とを有する単量体、重合性不飽和結合とカルボキシル基とを有する単量体、重合性不飽和結合とエポキシ基とを有する単量体などが挙げられる。
具体的には、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ブテニル無水コハク酸等の酸無水物、及びマレイン酸、イタコン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボン酸が挙げられる。これらは1種のみ用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらの化合物のうちでは、酸無水物が好ましく、無水マレイン酸及び無水イタコン酸がより好ましく、無水マレイン酸が特に好ましい。
更に、変性エラストマーの骨格を構成する樹脂(以下、「骨格樹脂」という。)の種類は特に限定されず、種々の熱可塑性樹脂を用いることができる。この骨格樹脂としては、オレフィン系エラストマー(オレフィン系熱可塑性エラストマー)、及び/又は、スチレン系エラストマー(スチレン系熱可塑性エラストマー)を用いることができる。
このうち、オレフィン系エラストマーとしては、2種以上のオレフィンを共重合してなるものが挙げられる。
オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、及び炭素数4~8のα-オレフィン等が挙げられる。このうち炭素数4~8のα-オレフィンとしては、1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン等が挙げられる。
これらのなかでも、オレフィン系エラストマーとしては、エチレンとそれ以外のα-オレフィンとの共重合体が好ましい。即ち、相溶化剤としては、エチレン及びそれ以外のα-オレフィンに由来する共重合鎖を主骨格として、植物由来PAに対する反応性基を有する変性エラストマーが好ましい。このようなオレフィン系エラストマーを用いた場合には、特に優れた耐衝撃特性を有する成形体を与える熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。そして、エチレン以外のα-オレフィンとしては、炭素数3~8のα-オレフィンが好ましく、炭素数4~8のα-オレフィンがより好ましい。
上述のうち、エチレンと炭素数3~8のα-オレフィンとの共重合体としては、エチレン・プロピレン共重合体(EPR)、エチレン・1-ブテン共重合体(EBR)、エチレン・1-ペンテン共重合体、エチレン・1-オクテン共重合体(EOR)が挙げられる。また、プロピレンと炭素数4~8のα-オレフィンとの共重合体としては、プロピレン・1-ブテン共重合体(PBR)、プロピレン・1-ペンテン共重合体、プロピレン・1-オクテン共重合体(POR)等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。更に、2種以上である場合、混合樹脂からなるペレット及びペレット混合物の両方を含む。
一方、スチレン系熱可塑性エラストマーは、スチレン骨格を有するスチレン系熱可塑性エラストマーである。このスチレン系熱可塑性エラストマーを用いた場合には、特に優れた耐衝撃特性を有した成形体を製造できる。
より具体的なスチレン系熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体、及びその水添体が挙げられる。
このうち、スチレン系化合物としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-t-ブチルスチレン等のアルキルスチレン、p-メトキシスチレン、ビニルナフタレン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
一方、共役ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、メチルペンタジエン、フェニルブタジエン、3,4-ジメチル-1,3-ヘキサジエン、4,5-ジエチル-1,3-オクタジエン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
即ち、スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体(SIS)、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン共重合体(SEBS)、スチレン-エチレン/プロピレン-スチレン共重合体(SEPS)等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。更に、2種以上である場合、混合樹脂からなるペレット及びペレット混合物の両方を含む。これらのなかでも、SEBSが好ましい。
相溶化剤の諸特性は限定されないものの、密度0.90g/cm以下の変性エラストマーであるとともに、MFR(230℃/2.16kg)が10g/10分以下であることが好ましい。相容化剤のMFRが10g/10分以下(通常、0.5g/10分以上)であることにより、結果的に、得られる改質剤が優れた改質性能を有することができる。このMFRは、更に7g/10分以下が好ましく、5g/10分以下がより好ましい。上限値は限定されないが、溶融混錬のしやすさという観点からは、0.5g/10分以上が好ましく、1.0g/10分以上がより好ましい。
尚、本発明において、相容化剤のMFR(230℃/2.16kg)は、ISO1133又はASTM D1238の規格に準じて測定された値とする。これらの規格による値は、通常、実質同じ値となる。
また、相容化剤の密度は、上述の通り、0.90g/cm以下が好ましく、更には、0.89g/cm以下がより好ましい。密度の下限値は限定されないが、0.85g/cm以上であることが好ましい。
これらのMFR及び密度の両立は、相容化剤の直鎖性、分岐量、分子量及び変性量等により調節できる。
尚、本発明において、相容化剤の密度は、ISO1183又はASTM D792の規格に準じて測定された値とする。これらの規格による値は、通常、実質同じ値となる。
変性エラストマーの分子量は特に限定されないが、重量平均分子量が、10,000以上500,000以下であることが好ましく、35,000以上500,000以下であることがより好ましく、35,000以上300,000以下であることが特に好ましい。尚、重量平均分子量はGPC法(標準ポリスチレン換算)により測定される。
〈4〉各成分の配合
本発明の改質剤を構成する植物由来PE、植物由来PA及び相容化剤の合計を100質量%とした場合に、植物由来PEの質量割合をRPE2質量%とし、植物由来PAの質量割合をRPA質量%とし、相容化剤の質量割合をRCB質量%とする。
この場合、相容化剤の質量割合RCB(質量%)は、1~70質量%が好ましく、更に2~60質量%が好ましく、更に2~50質量%が好ましく、更に3~40質量%が好ましく、更に3~35質量%が好ましく、更に4~30質量%が好ましい。
また、植物由来PEの質量割合RPE2と植物由来PAの質量割合RPAとの比(RPE2/RPA)は0.3~3.5であることが好ましい。この比(RPE2/RPA)は、更に0.4~2.0とすることができ、0.35~2.00とすることができ、0.40~1.50とすることができ、0.45~1.20とすることができる。
一方で、本発明の改質剤は、改質対象樹脂がポリプロピレン(特にブロックポリプロピレン)である場合、RPE2<RPAよりもRPE2≧RPAの方が、得られる改質された樹脂組成物におけるポリオレフィン総量を大きくしながら、優れた耐衝撃性を得る傾向にある。即ち、ポリオレフィンよりもポリアミドの方が高い耐衝撃性を有するため、通常、ポリアミドの配合割合が大きくすることで優れた耐衝撃性を得ることができる。しかしながら、本発明の改質剤では、ポリアミドが多い改質剤よりもポリオレフィンが少ない改質剤の方が優れた耐衝撃付与性能を有する。より具体的には、比(RPE2/RPA)は、1~3.5が好ましく、更に1.0~3.3が好ましく、更に1.2~3.0が好ましく、更に1.5~2.5が好ましく、更に1.8~2.3が好ましい。そして、この比(RPE/RPA)は、相容化剤の質量割合RCBが30質量%以下の範囲において特に有効である。
また、植物由来PEの質量割合RPE2(質量%)は、10~90質量%が好ましく、更に13~85質量%が好ましく、更に17~80質量%が好ましく、更に20~75質量%が好ましく、更に23~70質量%が好ましく、更に25~65質量%が好ましい。
更に、植物由来PAと相容化剤との合計割合RPA+CB(質量%)は、10~90質量%が好ましく、更に15~87質量%が好ましく、更に20~83質量%が好ましく、更に25~80質量%が好ましく、更に30~77質量%が好ましく、更に35~75質量%が好ましい。
また、植物由来PAの質量割合RPA(質量%)は、1~80質量%が好ましく、更に3~75質量%が好ましく、更に5~70質量%が好ましく、更に10~75質量%が好ましく、更に15~70質量%が好ましく、更に20~65質量%が好ましい。
更に、植物由来PA及び相容化剤の合計を100質量%とした場合に、相容化剤の質量割合は、3~70質量%が好ましく、更に4~65質量%が好ましく、更に5~60質量%が好ましく、更に6~55質量%が好ましく、更に7~45質量%が好ましく、更に8~40質量%が好ましい。
また、特に植物由来PAの質量割合RPAが、植物由来PEの質量割合RPE2より少なくなる範囲(即ち、RPA<RPE2)において、高い耐衝撃性付与効果を発揮できる改質剤を得ようとする場合は、RPE2:RPA:RCBは、50~80質量%:20~45質量%:1~25質量%が好ましく、52~70質量%:24~40質量%:3~18質量%がより好ましく、55~65質量%:27~35質量%:6~14質量%が特に好ましい。上記の範囲では、ポリオレフィン(特にポリプロピレン)のシャルピー衝撃強度を、改質によって3倍以上向上、更には、4倍以上向上させることができる。
本発明の改質剤の流動性は限定されないものの、密度0.93~1.00g/cmであるとともに、MFR(230℃/2.16kg)を3g/10分以上(通常、30g/10分以下)にすることができる。このMFRは、更に6g/10分以上にすることができ、更に12g/10分以上にすることができ、更に17g/10分以上にすることができる。上限値は限定されないが、27g/10分以下にすることができる。また、特に3~30g/10分にすることができ、更に、3~27g/10分にすることができ、更に3~17g/10分にすることができ、更に3~12g/10分にすることができる。
尚、本発明において、相容化剤のMFR(230℃/2.16kg)は、ISO1133又はASTM D1238の規格に準じて測定された値とする。これらの規格による値は、通常、実質同じ値となる。
本発明の改質剤の相構造は限定されないが、通常、特定の相構造(1)~(3)を有する。具体的には、(1)植物由来PAを連続相(A)とし、植物由来PEを分散相(B)とする相構造を有することができる(図1~図3参照)。更に、分散相(B)は、植物由来PEを含む連続相(B)(即ち、分散相内連続相B)と、分散相内連続相B中に分散された微分散相(B)(即ち、分散相内分散相B)と、を有することができる(図3参照)。
また、(2)植物由来PEを連続相(A)とし、植物由来PAを分散相(B)とする相構造を有することができる(図4~図6参照)。更に、分散相(B)は、植物由来PAを含む連続相(B)(即ち、分散相内連続相B)と、分散相内連続相B中に分散された微分散相(B)(即ち、分散相内分散相B)と、を有することができる(図6参照)。特に微分散相(B)を有する相構造により、優れた耐衝撃特性を得ることができる。
更には、(3)の相構造として、上記(1)及び上記(2)の相構造が混在された共連続構造を呈することができる。
特に上記(1)及び(2)の相構造を呈する場合には、微分散相(B)を有する相構造により、優れた耐衝撃特性を得ることができる。また、同様に(3)の共連続構造を有する場合にも優れた耐衝撃特性を得ることができる。
前述の相構造を有する場合、連続相内に含まれた分散相の大きさは限定されないが、その平均径(平均粒子径)は、10000nm以下であることが好ましく、より好ましくは50~8000nm、更に好ましくは100~4000nmである。この分散相の平均径は、電子顕微鏡を用いて得られる画像において、無作為に選択された50個の分散相の最大長さの平均値(nm)である。
また、前述の分散相内分散相を有する場合、分散相内に含まれた微分散相の大きさは限定されないが、その平均径(平均粒子径)は、5~1000nmであることが好ましく、より好ましくは5~600nm、更に好ましくは10~400nm、特に好ましくは15~350nmである。この微分散相の平均径は、電子顕微鏡を用いて得られる画像において、無作為に選択された100個の微分散相の最大長さの平均値(nm)である。
〈5〉改質剤の製造
本発明の改質剤はどのように製造してもよいが、植物由来PA及び変性エラストマーの溶融混練物と、植物由来PEと、を溶融混練して得ることができる。即ち、本発明の改質剤は、植物由来PA及び相容化剤の溶融混練物、並びに、植物由来PE、を溶融混練する溶融混練工程を備える製造方法により得ることができる。
植物由来PA及び相容化剤の溶融混練物は、溶融状態の組成物、又は、軟化状態の組成物であってもよいし、ペレット化等により固形化されたものであってもよい。
また、溶融混練工程では、どのような溶融混練装置を用いてもよい。例えば、押出機(一軸スクリュー押出機、二軸混練押出機等)、ニーダー、ミキサー(高速流動式ミキサー、バドルミキサー、リボンミキサー等)等を用いることができる。これらの装置は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。また、2種以上を用いる場合には連続的に運転してもよく、回分的に(バッチ式で)運転してもよい。更に、各原料は一括して混合してもよいし、複数回に分けて添加投入(多段配合)して混合してもよい。
融混練工程における混練温度は特に限定されないが、190~350℃が好ましく、200~300℃がより好ましく、205~260℃が更に好ましい。
上記方法では、溶融混練物を用いる。この溶融混練物を得る際は、植物由来PAと相容化剤とが反応する際に混練が行われる。従って、反応性基を有する相容化剤に起因して、植物由来PAの表面に反応性基が付加され、相容化剤が表面に結合された植物由来PAが形成されると考えられる。そして、更なる混練によって、表面に結合された植物由来PAがせん断され、未反応の植物由来PAの表面が現れる。すると、この未反応表面に対して、未反応の相容化剤が、更に反応すると考えられる。このように相容化剤が結合された植物由来PAがせん断され、未反応の植物由来PAの表面が現れ、この未反応表面に対して未反応相容化剤が反応することを繰り返すことで、植物由来PAと相容化剤とのより小さな反応物を、高いシェアに頼らず安定して形成できると考えられる。
そして、上述の過程で供給され得る相容化剤量が少ないと、相容化剤が結合された植物由来PAは小さくなり難く、供給され得る相容化剤量が十分に多いと、相容化剤が結合された植物由来PAは小さくなり易いと考えられる。
〈6〉改質対象樹脂(ポリエチレンを除くポリオレフィン)
本発明の改質剤により改質する改質対象樹脂は、ポリエチレンを除くポリオレフィンである。ポリエチレンは、その原料由来に関係なく全てのポリエチレンを意味する。即ち、化石由来ポリエチレンであってもよく、植物由来ポリエチレンであってもよく、両方の由来を有するポリエチレンであってもよい。
ポリオレフィンとしては、ISO16620-2によるバイオベース炭素含有率が80%未満である化石由来系ポリオレフィンであってもよいし、当該バイオベース炭素含有率が80%以上である植物由来系ポリオレフィンであってもよい。
ポリオレフィンを構成するオレフィンは限定されず、エチレン、炭素数3のオレフィン(プロピレン)、炭素数4のオレフィン(1-ブテン等)、炭素数5のオレフィン(3-メチル-1-ブテン、1-ペンテン等)、炭素数6のオレフィン(3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン等)、炭素数8のオレフィン(1-オクテン等)などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
即ち、ポリオレフィンとしては、ポリプロピレン、ポリ1-ブテン、ポリ1-ヘキセン、ポリ4-メチル-1-ペンテン等が挙げられる。これら重合体は1種のみで用いてもよく、2種以上を併用してもよい。更に、2種以上である場合、混合樹脂からなるペレット及びペレット混合物の両方を含む。
上述のうち、ポリプロピレンとしては、プロピレン単独重合体、及び、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体が挙げられる。後者としては、プロピレン・エチレン共重合体。プロピレン・1-ブテン共重合体、プロピレン・1-へキセン共重合体、プロピレン・1-オクテン共重合体、プロピレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体等が挙げられる。
また、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、ランダム共重合体であってもよく、ブロックポリプロピレン(ブロック共重合体)であってもよい。これらのうちでは、耐衝撃性に優れるという観点からはブロックポリプロピレンを利用できる。とりわけ、他のオレフィンがエチレンであるプロピレン・エチレンブロック共重合体を利用できる。プロピレン・エチレンブロック共重合体は、エチレンブロックを分散相として有するブロック共重合ポリプロピレンである。即ち、ホモポリプロピレンを連続相として、この連続相内にポリエチレンを含んだ分散相が存在するポリプロピレン樹脂である。このようなエチレンブロックを分散相として有するブロック共重合ポリプロピレンは、例えば、インパクトコポリマー、ポリプロピレンインパクトコポリマー、ヘテロファジックポリプロピレン、ヘテロファジックブロックポリプロピレン等とも称される。このブロックポリプロピレンは、耐衝撃性に優れるという観点において好ましい。
尚、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、全構成単位数のうちの50%以上がプロピレンに由来する単位である。
ポリオレフィンの諸特性は限定されないが、例えば、ポリプロピレンである場合、密度0.85~0.95g/cm(更には、密度0.88~0.92g/cm)のブロックポリプロピレンを用いることができる。また、そのMFR(230℃/2.16kg)は、限定されないが、例えば、15g/10分以上であることが好ましい。ポリプロピレンのMFRが15g/10分以上(通常、100g/10分以下)であることにより、結果的に、成形体において、より優れた耐衝撃特性を得ることができる。このMFRは、更に20g/10分以上が好ましく、25g/10分以上がより好ましい。上限値は限定されないが、溶融混錬のしやすさという観点からは、80g/10分以下が好ましく、50g/10分以下がより好ましい。
尚、本発明において、ポリオレフィンのMFR(230℃/2.16kg)は、ISO1133又はASTM D1238の規格に準じて測定された値とする。これらの規格による値は、通常、実質同じ値となる。また、MFR及び密度の両立は、ポリオレフィンの直鎖性、分岐量及び分子量等により調節できる。
〈7〉改質剤の添加材用担体としての利用
本発明の改質剤は、改質対象樹脂の耐衝撃性を向上させる目的で配合できる他、改質対象樹脂に対して添加材を添加する担体としても利用できる。この場合、耐衝撃性向上(改質)と共に、得られる成形体に添加材の添加を同時に行うことができる。
この場合、本発明の改質剤は、添加対象樹脂が、ポリオレフィン(但し、ポリエチレンを除く)であり、添加対象樹脂に対して添加材を添加するための担体であって、
添加材、ポリエチレン(PE)、ポリアミド及び相容化剤を含み、
前記相容化剤が、前記ポリアミドに対する反応性基を有する変性エラストマーであり、
前記ポリエチレン(PE)及び前記ポリアミドのISO16620-2によるバイオベース炭素含有率が80%以上である担体として換言することができる。
添加材の種類は限定されないが、例えば、難燃剤、難燃助剤、充填剤、着色剤、抗菌剤、帯電防止剤等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、本発明の改質剤を添加材用担体として利用する場合、植物由来PE、植物由来PA及び相容化剤の合計を100質量部とした場合に、添加材は、例えば、500質量部以下を配合できる。含まれる添加材量の下限値は限定されないが、例えば、1質量部とすることができる。
[2]成形体の製造方法
本発明の成形体の製造方法は、改質対象樹脂と、前述した本発明の改質剤とをドライブレンドした原料を成形する成形工程を備えることを特徴とする。即ち、本成形体の製造方法は、改質方法であると換言できる。
この改質に際しては、ドライブレンドを活用できる。即ち、改質剤をドライブレンドにより、改質対象樹脂であるポリオレフィン(但し、ポリエチレンを除く)の原料粒(ペレット、粒状物等)と混合した後、混合粒を成形することで改質成形体(例えば、形状賦形体)を得ることができる。一般に、改質の際には、両者を溶融混錬して得られた溶融混錬物をペレット化し、得られた改質ペレットを成形することにより、改質成形体(例えば、形状賦形体)を得るが、本方法では、溶融混錬を要さず、ドライブレンドによって優れた改質効果を得ることができる。即ち、本方法によれば、予備混錬工程を経ることなく、少ない工程数によって簡便に、環境負荷低減を実現しながら、優れた耐衝撃性を有するポリオレフィン基質の成形体を得ることができる。
本方法における改質剤の使用量は限定されないが、改質対象樹脂と改質剤との合計を100質量%とした場合に、改質剤が30~70質量%となるように用いることができる。更に、改質剤は、35~65質量%となるように用いることが好ましく、40~60質量%となるように用いることがより好ましい。
特に本発明の成形体の製造方法では、改質対象樹脂をブロックポリプロピレンとし、RPE2≧RPAである改質剤を用いることで、ポリオレフィン割合の大きく、耐衝撃性に優れた成形体を得ることができる。更には、相容化剤の質量割合RCBが30質量%以下の範囲において、比(RPE2/RPA)が、1~3.5、更には1.0~3.3、更には1.2~3.0、更には1.5~2.5、更には1.8~2.3である改質剤を用いることにより、ポリオレフィン割合がより大きく、耐衝撃性に優れた成形体を得ることができる。また、この場合、上述の通り、改質対象樹脂と改質剤との合計を100質量%とした場合に、改質剤を30~70質量%となるように用いることで、ポリオレフィン割合が大きく、耐衝撃性に優れた成形体を得ることができる。更に、上述の通り、改質剤は、35~65質量%となるように用いることが好ましく、40~60質量%となるように用いることがより好ましい。
成形する際は、公知のあらゆる成形方法を利用できる。具体的には、射出成形、押出成形(シート押出、異形押出)、Tダイ成形、ブロー成形、射出ブロー成形、インフレーション成形、中空成形、真空成形、発泡成形、圧縮成形、プレス成形、スタンピングモールド成形、トランスファ成形、インサート成形等が例示される。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
成形体の形状、大きさ及び厚さ等も特に限定されず、その用途も特に限定されない。成形体としては、例えば、自動車、鉄道車両(車両全般)、航空機機体(機体全般)、船舶・船体(船体全般)、自転車(車体全般)等の乗物に利用される各種用品等として用いられる。
このうち自動車用品としては、外装部品、内装部品、エンジン部品、電装部品等が挙げられる。具体的には、自動車用の外装部品としては、ルーフレール、フェンダー、フェンダーライナー、ガーニッシュ、バンパー、ドアパネル、ルーフパネル、フードパネル、トランクリッド、フューエルリッド、ドアミラーステー、スポイラー、フードルーバー、ホイールカバー、ホイールキャップ、グリルエプロンカバーフレーム、ランプベゼル、ドアハンドル(プルハンドル)、ドアモール、リアフィニッシャー、ワイパー、エンジンアンダーカバー、フロアーアンダーカバー、ロッカーモール、カウルルーバー、カウル(自動二輪車)等が挙げられる。
自動車用の内装部品としては、ドアトリム基材(FR、RR、BACK)、ポケット、アームレスト、スイッチベース、加飾パネル、オーナメントパネル、EA材、スピーカーグリル、クォータートリム基材等のトリム系部品;ピラーガーニッシュ;カウルサイドガーニッシュ(カウルサイドトリム);シールド、背裏ボード、ダイナミックダンパー、サイドエアバッグ周辺部品等のシート系部品;センタークラスター、レジスター、センターボックス(ドア)、グラブドア、カップホルダー、エアバッグ周辺部品等のインストルメントパネル系部品;センターコンソール;オーバヘッドコンソール;サンバイザー;デッキボード(ラゲージボード)、アンダートレイ;パッケージトレイ;ハイマウントストップランプカバー;CRSカバー;シートサイドガーニッシュ;スカッフプレート;ルームランプ;アシストグリップ;安全ベルト部品;レジスターブレード;ウォッシャーレバー;ウインドレギュレーターハンドル;ウインドレギュレーターハンドルのノブ;パッシングライトレバー等が挙げられる。
自動車用のエンジン部品としては、オルタネータターミナル、オルタネータコネクタ、ICレギュレータ、ライトディヤ用ポテンシォメータベース、排気ガスバルブ、燃料パイプ、冷却パイプ、ブレーキパイプ、ワイパーパイプ、排気パイプ、吸気パイプ、ホース、チューブ、エアインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレタメインボディー、キャブレタスペーサ、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパッドウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキパッド摩耗センサー、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース、トルクコントロールレバー等が挙げられる。
自動車用の電装部品としては、電池周辺部品、エアコン用サーモスタッド、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビューター、スタータースイッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウォッシャーノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ワイヤーハーネスコネクター、SMJコネクター、PCBコネクター、ドアグロメットコネクター、ヒューズ用コネクター等の各種コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、クリーナーケース、フィルターケース、パワートレーン等が挙げられる。
更に、成形体は、上述の乗物以外の非乗物用途においても各種用品等として用いられる。即ち、例えば、ロープ、スパンボンド、研磨ブラシ、工業ブラシ、フィルター、運搬用コンテナ、トレイ、運搬用台車、その他一般資材等の工業・産業資材;
コネクター、コイル、センサー、LEDランプ、ソケット、抵抗器、リレーケース、小型スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モータ、小型変速ギヤ、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピュータ関連部品等の電子部品;
発電機、電動機、変圧器、変流器、電圧調整器、整流器、インバーター、継電器、電力用接点、開閉器、遮断機、ナイフスイッチ、他極ロッド、電気部品キャビネット等の電気機器;
産業用ロボットの筐体、介護用ロボットの筐体、ドローン(遠隔操作によって飛行する飛行物体、自律的に飛行する飛行物体)の筐体、
VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤ、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・LD部品、CD・DVD部品、照明部品、冷蔵庫部品、洗濯機部品、エアコン部品、タイプライター・ワープロ部品、オフィスコンピューター部品、PC、ゲーム機、タブレット端末、携帯電話、スマートフォン、電話機及び関連部品、ファクシミリ部品、複写機部品、掃除・洗浄機器、モーター部品等の家電・事務製品;
カメラ、時計、顕微鏡、双眼鏡、望遠鏡、メガネ等の光学、精密機器;
食品トレイ、収納ボックス、収納トレイ、アタッシュケース、スーツケース、ヘルメット、水筒、瓶等の収納ケース、洗面用具、筆記用具、文房具、本立て、スキンケア器具、用具、食器、洗濯用具、掃除用具、衣料ハンガー、食品容器、開閉蓋(ガラス瓶等)等の日用品、生活用品;
おもちゃ等の娯楽品;
草刈り機の筐体、カバー、電動工具の筐体、カバー、各種クリップ等の工作・一般機械・部品;
テニスラケットストリング、スキー板・ボード、プロテクタ(野球、サッカー、モータスポーツ)、シューズ、シューズソール(靴底、スポーツシューズ用ソール)、アウトドア・登山用具等のスポーツ用品;
衣装ケース、テーブル、椅子(チェアー)、シューズボックス、台所用具、トイレ用具、入浴用具等の家具関係用品;
内外壁・屋根、断熱材、ドア・扉関連部品、窓材関連部品、床材関連部品、免震・制振部品、雨戸、雨どい、上水・下水関係部品(ライフライン関連)、駐車ガレージ、ガス・電気関係部品(ライフライン関連)、土木関係部品、信号機器、道路標識、パイロン、センターポール、ガードレール(ガードワイヤ)、工事用器材等の住宅、土木関係用品;
マウスピース、医療機器、医薬品容器等の医療関係用品;
靴等の衣料関係用品、
農機具、農耕用具、植木鉢(プランタ)、漁具、養殖関係器具、林業具等の農業・林業・水産業関係用品;などが挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
[1]各原料成分
(1)植物由来PE
植物由来PEとして、下記ポリエチレンを用意した。
HDPE(ブラスケム社製、品名「SHC7260」)、密度0.953g/cm、MFR(230℃/2.16kg)12g/10分、バイオベース炭素含有率94%以上
(2)植物由来PA
植物由来PAとして、下記のポリアミドを用意した。
PA11(アルケマ社製、品名「Rilsan BMN O」)、密度1.03g/cm、MFR(230℃/2.16kg)32g/10分、バイオベース炭素含有率99%以上
(3)相容化剤
相溶化剤として、下記のエチレン・1-ブテン共重合体を用意した。
無水マレイン酸変性EBR(三井化学社製、品名「タフマー MH7020」)、密度0.866g/cm、MFR(230℃/2.16kg)1.5g/10分
(4)改質対象樹脂
改質対象樹脂として、下記非植物由来PP及び下記植物由来PEを用意した。
非植物由来PP:ブロックポリプロピレン(株式会社プライムポリマー社製、品名「J817U」)、密度0.90g/cm、MFR(230℃/2.16kg)31g/10分、バイオベース炭素含有率0%
植物由来PE:HDPE(ブラスケム社製、品名「SHA7260」)、密度0.955g/cm、MFR(230℃/2.16kg)32g/10分、バイオベース炭素含有率94%以上
[2]溶融混錬物の調製
上記植物由来PAと上記相容化剤とを、6:1又は3:1の配合比(質量基準)でドライブレンドした後、二軸溶融混練押出機(株式会社プラスチック工学研究所製、スクリュー径30mm、L/D=42)に投入し、混練温度210℃、押出速度3.0kg/時間、スクリュー回転数200回転/分の条件で溶融混練を行い、ペレタイザーを介して、溶融混練物のペレットを得た。得られた溶融混錬物のMFR(230℃/2.16kg)は、植物由来PA:相容化剤が6:1である溶融混錬物AのMFRは5.9g/10分であり、植物由来PA:相容化剤が3:1である溶融混錬物BのMFRは0.98g/10分であった。
[3]改質剤の調製
(1)実験例1及び実験例9の改質剤の調製
上記[2]で得られた溶融混合物Aと植物由来PEとを、7:3の配合比(質量基準)でドライブレンドした後、二軸溶融混練押出機(株式会社プラスチック工学研究所製、スクリュー径30mm、L/D=42)に投入し、混練温度210℃、押出速度3.0kg/時間、スクリュー回転数200回転/分の条件で混合を行い、ペレタイザーを介して、実験例1及び実験例9の改質剤(ペレット)を得た。得られた改質剤は、密度0.99g/cm、MFR(230℃/2.16kg)22.8g/10分であった。
(2)実験例5及び実験例13の改質剤の調製
上記[2]で得られた溶融混合物Bと植物由来PEとを、4:6の配合比(質量基準)でドライブレンドした後、二軸溶融混練押出機(株式会社プラスチック工学研究所製、スクリュー径30mm、L/D=42)に投入し、混練温度210℃、押出速度3.0kg/時間、スクリュー回転数200回転/分の条件で混合を行い、ペレタイザーを介して、実験例5及び実験例13の改質剤(ペレット)を得た。得られた改質剤は、密度0.94g/cm、MFR(230℃/2.16kg)4.9g/10分であった。
[4]成形体の製造
(1)実験例2~3の成形体の製造
上記[3]で得られた実験例1の改質剤と、改質対象樹脂である非植物由来PP(ブロックポリプロピレン)とを、1:1の配合比(実験例2)、及び、1:4の配合比(実験例3)、でドライブレンドした後、得られたドライブレンド原料を、射出成形機(100トン射出成形機)のホッパーに投入し、設定温度210℃、金型温度60℃の射出条件で射出成形して、実験例2~3の成形体(評価用成形体)を得た。
(2)実験例6~7の成形体の製造
上記[3]で得られた実験例5の改質剤と、改質対象樹脂である非植物由来PP(ブロックポリプロピレン)とを、1:1の配合比(実験例6)、及び、1:4の配合比(実験例7)、でドライブレンドした後、得られたドライブレンド原料を、射出成形機(100トン射出成形機)のホッパーに投入し、設定温度210℃、金型温度60℃の射出条件で射出成形して、実験例6~7の成形体(評価用成形体)を得た。
(3)実験例1及び実験例5の成形体
上記[3]で得られた実験例1及び実験例5の改質剤を射出成形機(100トン射出成形機)のホッパーに投入し、設定温度210℃、金型温度60℃の射出条件で射出成形して、実験例1及び実験例5の成形体(評価用成形体)を得た。尚、実験例1及び実験例9の成形体は、同じものである。更に、実験例5及び実験例13の成形体は、同じものである。
(4)実験例4及び実験例8の成形体
上記[1](4)で用意した非植物由来PPを射出成形機(100トン射出成形機)のホッパーに投入し、設定温度210℃、金型温度60℃の射出条件で射出成形して、実験例4及び実験例8の成形体(評価用成形体)を成形した。尚、実験例4及び実験例8の成形体は、同じものである。
(5)実験例10及び実験例11の成形体
上記[3]で得られた実験例9の改質剤と、改質対象樹脂である植物由来PEとを、1:1の配合比(実験例10)、及び、1:4の配合比(実験例11)、でドライブレンドした後、得られたドライブレンド原料を、射出成形機(100トン射出成形機)のホッパーに投入し、設定温度210℃、金型温度60℃の射出条件で射出成形して、実験例10~11の成形体(評価用成形体)を得た。
(6)実験例14及び実験例15の成形体
上記[3]で得られた実験例13の改質剤と、改質対象樹脂である植物由来PEとを、1:1の配合比(実験例14)、及び、1:4の配合比(実験例15)、でドライブレンドした後、得られたドライブレンド原料を、射出成形機(100トン射出成形機)のホッパーに投入し、設定温度210℃、金型温度60℃の射出条件で射出成形して、実験例14~15の成形体(評価用成形体)を得た。
(7)実験例9及び実験例13の成形体
上記[3]で得られた実験例9及び実験例13の改質剤を射出成形機(100トン射出成形機)のホッパーに投入し、設定温度210℃、金型温度60℃の射出条件で射出成形して、実験例9及び実験例13の成形体(評価用成形体)を得た。尚、実験例9及び実験例1の成形体は、同じものである。更に、実験例13及び実験例5の成形体は、同じものである。
(8)実験例12及び実験例16の成形体
上記[1](4)で用意した植物由来PEを射出成形機(100トン射出成形機)のホッパーに投入し、設定温度210℃、金型温度60℃の射出条件で射出成形して、実験例12及び実験例16の成形体(評価用成形体)を成形した。尚、実験例12及び実験例16の成形体は、同じものである。
[5]評価用成形体の評価
(1)密度の測定
密度を、ISO1183に準拠して測定した。
試験温度:23℃
乾燥条件:真空乾燥80℃×8時間以上
(2)MFRの測定
MFR(230℃/2.16kg)を、ISO1133に準拠して測定した。
試験装置:メルトインデクサ(株式会社東洋精機製作所製、型式「F-F01」)
試験温度:230℃
試験荷重:2.16kgf
乾燥条件:真空乾燥80℃×8時間以上
(3)シャルピー衝撃強度の測定
上記[4]で得られた実験例1~16の成形体を用い、ISO179に準拠してシャルピー衝撃強度(試験温度23℃)の測定を行った。その結果を表1及び表2に示した。尚、このシャルピー衝撃強度の測定では、ノッチ(タイプA)を有する試験片を用い、温度23℃において、エッジワイズ試験法による衝撃の測定を行った。
尚、表1及び表2における耐衝撃性倍率は、改質対象樹脂(植物由来PE又は非植物由来PP)のシャルピー衝撃強度を1.0とした場合に、対応する実験例におけるシャルピー衝撃強度の倍率を示している。
また、全ポリオレフィン量は、各実験例に含まれるポリオレフィン(植物由来PE、植物由来PE、非植物由来PP)の総量を示している。
[6]モルフォルジー
実験例1及び実験例5の各試験片を用いて相構造を観察した。この相構造は、各試験片を、酸素プラズマエッチング処理(100Wで1分間の酸素プラズマエッチング処理)した後、更に、オスミウムコート処理を施した処理面を、電界放出形走査型電子顕微鏡(FE-SEM)で観察して得た。
得られたSEM像のうち、実験例1の表面を5000倍に拡大した像を図1に、実験例1の表面を10000倍に拡大した像を図2に、実験例1の表面を20000倍に拡大した像を図3に示した。更に、実験例5の表面を5000倍に拡大した像を図4に、実験例5の表面を10000倍に拡大した像を図5に、実験例5の表面を20000倍に拡大した像を図6に示した。
[7]実験例の効果
表1の実験例3及び実験例7の結果から、非植物由来PP(ブロックポリプロピレン)に対して、4:1の配合比(質量基準)で改質剤を配合した場合には、十分な改質効果を得難いことが分かるものの、実験例2及び実験例6の結果から、非植物由来PP(ブロックポリプロピレン)に対して、1:1の配合比(質量基準)で改質剤を配合した場合には、高い改質効果が得られることが分かる。
また、実験例2及び実験例6の結果から、シャルピー衝撃強度が71kJ/mである実験例2の全植物由来樹脂量は45質量%である。また、シャルピー衝撃強度が71kJ/mである実験例6の全植物由来樹脂量は45質量%である。即ち、改質剤のポリアミド割合及びポリエチレン割合がRPA>RPE2である実験例2と、RPA<RPE2である実験例6と、において実質的に同じ耐衝撃性と環境性能が得られていることが分かる。
一方で、表2の結果からは、植物由来PE(ポリエチレン)に対する改質効果は、実験例10において2.2倍、実験例14において3.8倍であるのに対して、本願の改質態様である実験例2及び実験例6のいずれにおいても、4.7倍と高い改質効果が得られていることが分かる。
また、図1~3の結果から、実験例1の改質剤は、植物由来PAを連続相Aとし、植物由来PEを分散相Bとし、更に、分散相B内に、分散相内連続相Bと微分散相Bとを有する相構造であることが分かる。更に、図4~6の結果から、実験例5の改質剤は、植物由来PEを連続相Aとし、植物由来PAを分散相Bとし、更に、分散相B内に、分散相内連続相Bと微分散相Bとを有する相構造であることが分かる。
尚、本発明においては、上記の具体的な実施例に記載されたものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述及び図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的及び例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料及び実施例を参照したが、本発明をここに掲げる開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
A;連続相、
B;分散相、
;連続相(分散相B内の連続相)、
;微分散相(分散相B内の分散相)。

Claims (20)

  1. 改質対象樹脂がポリプロピレンであり、前記改質対象樹脂との合計を100質量%とした場合に30質量%以上の配合により、前記改質対象樹脂の耐衝撃性を向上させることができる改質剤であって、
    ポリエチレン(PE)、ポリアミド及び相容化剤を含み、
    前記相容化剤が、前記ポリアミドに対する反応性基を有する変性エラストマーであり、
    前記ポリアミドのISO16620-2によるバイオベース炭素含有率が80%以上であり、
    前記ポリエチレン(PE)は、MFR(230°C/2.16kg)が20g/10分以下であり、ISO16620-2によるバイオベース炭素含有率が80%以上の高密度ポリエチレンであり、
    前記ポリエチレン(PE )、前記ポリアミド及び前記相容化剤の合計を100質量%とした場合に、前記ポリエチレン(PE )の質量割合R PE2 (質量%)と、前記ポリアミドの質量割合R PA (質量%)とがR PE2 ≧R PA を満たすことを特徴とする改質剤。
  2. 前記ポリエチレン(PE)、前記ポリアミド及び前記相容化剤の合計を100質量%とし、前記ポリエチレン(PE)の質量割合をRPE2質量%、前記ポリアミドの質量割合をRPA質量%、前記相容化剤の質量割合をRCB質量%、とした場合に、
    1≦RCB(質量%)≦70且つ0.3≦RPE2/RPA≦3.5である請求項1に記載の改質剤。
  3. 前記ポリエチレン(PE)、前記ポリアミド及び前記相容化剤の合計を100質量%とした場合に、前記相容化剤の質量割合RCB(質量%)が、4~30質量%である請求項1又は2に記載の改質剤。
  4. 前記ポリアミドが、主鎖中の隣り合ったアミド結合同士に挟まれた炭化水素基の直鎖炭素数が6以上である構造を有する請求項1乃至のうちのいずれかに記載の改質剤。
  5. 前記相容化剤が、エチレン及びそれ以外のα-オレフィンに由来する共重合鎖を主骨格とし、前記反応性基が酸変性基である請求項1乃至のうちのいずれかに記載の改質剤。
  6. 前記ポリプロピレンが、ブロックポリプロピレンである請求項1乃至のうちのいずれかに記載の改質剤。
  7. MFR(230℃/2.16kg)が、3~17g/10分である請求項1乃至のうちのいずれかに記載の改質剤。
  8. 前記ポリアミド及び前記相容化剤の溶融混練物と、前記ポリエチレン(PE)と、を溶融混練して得られる請求項1乃至のうちのいずれかに記載の改質剤。
  9. 改質対象樹脂がブロックポリプロピレンであり、前記改質対象樹脂との合計を100質量%とした場合に30質量%以上の配合により、前記改質対象樹脂の耐衝撃性を向上させることができる改質剤であって、
    ポリエチレン(PE)、ポリアミド及び相容化剤を含み、
    前記相容化剤が、前記ポリアミドに対する反応性基を有する変性エラストマーであり、
    前記ポリアミドのISO16620-2によるバイオベース炭素含有率が80%以上であり、
    前記ポリエチレン(PE)は、MFR(230°C/2.16kg)が20g/10分以下であり、ISO16620-2によるバイオベース炭素含有率が80%以上の高密度ポリエチレンであることを特徴とする改質剤。
  10. 前記ポリエチレン(PE)、前記ポリアミド及び前記相容化剤の合計を100質量%とし、前記ポリエチレン(PE)の質量割合をRPE2質量%、前記ポリアミドの質量割合をRPA質量%、前記相容化剤の質量割合をRCB質量%、とした場合に、
    1≦RCB(質量%)≦70且つ0.3≦RPE2/RPA≦3.5である請求項に記載の改質剤。
  11. 前記ポリエチレン(PE)、前記ポリアミド及び前記相容化剤の合計を100質量%とした場合に、前記相容化剤の質量割合RCB(質量%)が、4~30質量%である請求項又は10に記載の改質剤。
  12. 前記ポリエチレン(PE)、前記ポリアミド及び前記相容化剤の合計を100質量%とした場合に、前記ポリエチレン(PE)の質量割合RPE2(質量%)と、前記ポリアミドの質量割合RPA(質量%)とがRPE2≧RPAを満たす請求項乃至11のうちのいずれかに記載の改質剤。
  13. 前記ポリアミドが、主鎖中の隣り合ったアミド結合同士に挟まれた炭化水素基の直鎖炭素数が6以上である構造を有する請求項乃至12のうちのいずれかに記載の改質剤。
  14. 前記相容化剤が、エチレン及びそれ以外のα-オレフィンに由来する共重合鎖を主骨格とし、前記反応性基が酸変性基である請求項乃至13のうちのいずれかに記載の改質剤。
  15. MFR(230℃/2.16kg)が、3~17g/10分である請求項乃至14のうちのいずれかに記載の改質剤。
  16. 前記ポリアミド及び前記相容化剤の溶融混練物と、前記ポリエチレン(PE)と、を溶融混練して得られる請求項乃至15のうちのいずれかに記載の改質剤。
  17. 改質対象樹脂であるポリプロピレンと、請求項1乃至のうちのいずれかに記載の改質剤とをドライブレンドした原料を成形する成形工程を備えることを特徴とする成形体の製造方法。
  18. 前記改質対象樹脂と前記改質剤との合計を100質量%とした場合に、前記改質剤が30~70質量%である請求項17に記載の成形体の製造方法。
  19. 改質対象樹脂であるブロックポリプロピレンと、請求項乃至16のうちのいずれかに記載の改質剤とをドライブレンドした原料を成形する成形工程を備えることを特徴とする成形体の製造方法。
  20. 前記改質対象樹脂と前記改質剤との合計を100質量%とした場合に、前記改質剤が30~70質量%である請求項19に記載の成形体の製造方法。
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