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JP7712771B2 - 粘着剤層形成用塗料、及び化粧シート - Google Patents

粘着剤層形成用塗料、及び化粧シート

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JP7712771B2
JP7712771B2 JP2021005431A JP2021005431A JP7712771B2 JP 7712771 B2 JP7712771 B2 JP 7712771B2 JP 2021005431 A JP2021005431 A JP 2021005431A JP 2021005431 A JP2021005431 A JP 2021005431A JP 7712771 B2 JP7712771 B2 JP 7712771B2
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Description

本発明は、粘着剤層形成用塗料に関する。更に詳しくは、本発明は、透明性と難燃性に優れる粘着剤層を形成することのできる粘着剤層形成用塗料、及び該粘着剤層形成用塗料を用いて形成された粘着剤層を含む化粧シート(粘着フィルム)に関する。
従来から、建築物の内装、例えば、壁や天井の表面に、化粧、装飾された化粧シート(粘着フィルム)を貼り、化粧、装飾することが行われている。化粧シートを壁等に施工する際には、壁等の表面と化粧シートの粘着剤層の表面との間にエアや異物を噛み込んだりして膨れや皺などの外観不良を発生させることなく、施工することが求められる。そのため作業性の観点からは、化粧シートを作業し易い大きさに分割して施工することが好ましい。また化粧シートの製品幅は、通常は、建築物の壁や天井の幅よりも狭いため、化粧シート同士をジョイントし突合せ状態にして貼り付けるのが通常である。ところが、化粧シート同士をジョイントし突合せ状態にした箇所が、施工が完璧ではない;化粧シートの基材フィルムが収縮した;などの何らかの原因により、施工直後から又は施工後経時的に、化粧シートと化粧シートとの継目が僅かに隙間の開いた状態(以下、この現象を「メスキ」と呼ぶことがある。)になり、それが目立って、壁等の意匠性を損なうという問題(以下、「メスキ問題」と呼ぶことがある。)があった。また建築物の内装に用いる化粧シートでは、暗褐色の木目柄などの化粧シートが好まれている。暗褐色の化粧シート同士の継目から白色の粘着剤が見えると、メスキは特に目立つことになる。そこで、メスキ問題の対策として、透明性の高い粘着剤が要望されている。
更に、建築物の内装に使用される材料には、建築基準法により、防火材料の使用が義務付けられている。この防火材料は「不燃材料」、「準不燃材料」、及び「難燃材料」などに分類されており、国土交通省の告示により定められた試験に合格したものが、審査認定を受けて使用されている。従って、建築物の内装に用いる化粧シートは、化粧仕上げ材料として、少なくとも何れかの審査認定を受ける必要がある。
特開2018‐178080号公報 特開2010‐229367号公報 特開2010‐229327号公報
本発明の課題は、透明性と難燃性に優れる粘着剤層を形成することのできる粘着剤層形成用塗料、及び該粘着剤層形成用塗料を用いて形成された粘着剤層を含む化粧シートを提供することにある。本発明の更なる課題は透明性、難燃性、及び粘着力に優れる粘着剤層を形成することのできる粘着剤層形成用塗料、並びにメスキ問題が解決され、建築物の内装材として好適に用いることができる化粧シートを提供することにある。
本発明者は、鋭意研究した結果、特定の粘着剤層形成用塗料により、上記課題を達成できることを見出した。
即ち、本発明の諸態様は以下の通りである。
[1].
(A)アクリル系重合体 100質量部;
(B)ビスフェノールA構造を有する化合物の臭素化物、イソシアネート環構造を有する化合物の臭素化物、及びリン酸アルキルエステルの臭素化物からなる群から選択される1種以上 3~120質量部;及び、
(C)五酸化二アンチモン 1~40質量部;
を含む粘着剤層形成用塗料。
[2].
三酸化二アンチモンを含まない[1]項に記載の粘着剤層形成用塗料。
[3].
更に(D)1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物 0.01~10質量部;を含む[1]項又は[2]項に記載の粘着剤層形成用塗料。
[4].
上記成分(B)ビスフェノールA構造を有する化合物の臭素化物、イソシアネート環構造を有する化合物の臭素化物、及びリン酸アルキルエステルの臭素化物からなる群から選択される1種以上中の臭素原子の含有量が40~80質量%である[1]~[3]項の何れか1項に記載の粘着剤層形成用塗料。
[5].
上記成分(B)ビスフェノールA構造を有する化合物の臭素化物、イソシアネート環構造を有する化合物の臭素化物、及びリン酸アルキルエステルの臭素化物からなる群から選択される1種以上の配合量と上記成分(C)五酸化二アンチモンの配合量との和が12~105質量部である[1]~[4]項の何れか1項に記載の粘着剤層形成用塗料。
[6].
上記成分(B)ビスフェノールA構造を有する化合物の臭素化物、イソシアネート環構造を有する化合物の臭素化物、及びリン酸アルキルエステルの臭素化物からなる群から選択される1種以上の配合量と上記成分(C)五酸化二アンチモンの配合量との質量比が1/1~9/1である[1]~[5]項の何れか1項に記載の粘着剤層形成用塗料
[7].
[1]~[6]項の何れか1項に記載の粘着剤層形成用塗料を用いて形成された粘着剤層を含む化粧シート。
[8].
上記粘着剤層の可視光線透過率が80%以上である[7]項に記載の化粧シート。
[9].
上記化粧シートのJIS Z0237:2009の10粘着力に従い、標準状態で測定したステンレス試験板に対する180°引き剥がし粘着力が10~50N/25mmである[7]項又は[8]項に記載の化粧シート。
[10].
[1]~[6]項の何れか1項に記載の粘着剤層形成用塗料を用いて形成された粘着剤層を含み;
一般財団法人建材試験センターの防耐火性能試験・評価業務方法書の4.10.2発熱性試験方法(り)の基準に合格する;
建築物の内装に使用される材料。
[11].
[7]~[9]項の何れか1項に記載の化粧シートを含み;
一般財団法人建材試験センターの防耐火性能試験・評価業務方法書の4.10.2発熱性試験方法(り)の基準に合格する;
建築物の内装に使用される材料。
本発明の粘着剤層形成用塗料を用いて形成された粘着剤層は透明性、難燃性に優れる。本発明の好ましい粘着剤層形成用塗料を用いて形成された粘着剤層は透明性、難燃性、及び粘着力に優れる。そのため、本発明の化粧シート(粘着フィルム)はメスキ問題が解決(実用上、十分に満足できるレベルにまで、メスキが生じたとしても目立たないように)されている。そのため、本発明の化粧シート(粘着フィルム)は建築物の内装材として好適に用いることができる。
本明細書において「樹脂」の用語は、2種以上の樹脂を含む樹脂混合物や、樹脂以外の成分を含む樹脂組成物をも含む用語として使用する。本明細書において「フィルム」の用語は、「シート」と相互交換的に又は相互置換可能に使用する。本明細書において、「フィルム」及び「シート」の用語は、工業的にロール状に巻き取ることのできるものに使用する。「板」の用語は、工業的にロール状に巻き取ることのできないものに使用する。また本明細書において、ある層と他の層とを順に積層することは、それらの層を直接積層すること、及び、それらの層の間にアンカーコートなどの別の層を1層以上介在させて積層することの両方を含む。
本明細書において数値範囲に係る「以上」の用語は、ある数値又はある数値超の意味で使用する。例えば、20%以上は、20%又は20%超を意味する。数値範囲に係る「以下」の用語は、ある数値又はある数値未満の意味で使用する。例えば、20%以下は、20%又は20%未満を意味する。また数値範囲に係る「~」の記号は、ある数値、ある数値超かつ他のある数値未満、又は他のある数値の意味で使用する。ここで、他のある数値は、ある数値よりも大きい数値とする。例えば、10~90%は、10%、10%超かつ90%未満、又は90%を意味する。更に、数値範囲の上限と下限とは、任意に組み合わせることができるものとし、任意に組み合わせた実施形態が読み取れるものとする。例えば、ある特性の数値範囲に係る「通常10%以上、好ましくは20%以上である。一方、通常40%以下、好ましくは30%以下である。」や「通常10~40%、好ましくは20~30%である。」という記載から、そのある特性の数値範囲は、一実施形態において10~40%、20~30%、10~30%、又は20~40%であることが読み取れるものとする。
実施例以外において、又は別段に指定されていない限り、本明細書及び特許請求の範囲において使用されるすべての数値は、「約」という用語により修飾されるものとして理解されるべきである。特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限しようとすることなく、各数値は、有効数字に照らして、及び通常の丸め手法を適用することにより解釈されるべきである。
1.粘着剤層形成用塗料:
本発明の粘着剤層形成用塗料は、(A)アクリル系重合体;(B)ビスフェノールA構造を有する化合物の臭素化物、イソシアネート環構造を有する化合物の臭素化物、及びリン酸アルキルエステルの臭素化物からなる群から選択される1種以上;及び、(C)五酸化二アンチモン;を含む。本発明の粘着剤層形成用塗料は、好ましくは更に(D)1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物;を含む。以下、各成分について説明する。
(A)アクリル系重合体:
上記成分(A)はアクリル系重合体であり、典型的には、(メタ)アクリル酸エステルを主成分(通常50質量部以上、典型的には80質量部以上)とする共重合体である。ここで(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを意味する。上記成分(A)アクリル系重合体は、粘着剤の主剤として、粘着性を発現するとともに、上記成分(B)、(C)、及び上記成分(D)などのその他の任意成分を包含する働きをする。
上記成分(A)としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルと;カルボキシル基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル、及びこれらと共重合可能なその他のモノマーの1種又は2種以上との共重合体をあげることができる。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2‐エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、及び(メタ)アクリル酸ステアリルなどをあげることができる。
上記カルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、及び(メタ)アクリル酸2‐カルボキシエチルなどをあげることができる。上記エポキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、及び(メタ)アクリル酸4‐ヒドロキシブチルグリシジルエーテルなどをあげることができる。上記水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3‐ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3‐ヒドロキシブチル、及び(メタ)アクリル酸4‐ヒドロキシブチルなどをあげることができる。上記その他のモノマーは、通常、炭素・炭素二重結合を有する化合物であり、典型的にはエチレン性二重結合を有する化合物である。上記その他のモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、及びスチレンなどをあげることができる。なお(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸の意味である。
上記成分(A)の酸価は、冬の寒い時期の施行性を良好にする観点から、好ましくは90mgKOH/g以下、より好ましくは78mgKOH/g以下、更に好ましくは72mgKOH/g以下、最も好ましくは67mgKOH/g以下であってよい。一方、初期粘着力、剥れの防止、めくれの防止、及びメスキの発生の防止の観点から、好ましくは20mg/KOH以上、より好ましくは33mgKOH/g以上、更に好ましくは39mgKOH/g以上、最も好ましくは44mgKOH/g以上であってよい。
本明細書において酸価は、試料1g中に含有する遊離脂肪酸、樹脂酸などを中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数であり、JIS K0070-1992の3.1中和滴定法に従い測定した値である。
上記成分(A)の質量平均分子量は、粘着剤に適度な硬度を付与し、剥れ、めくれ、及びメスキの発生を防止する観点から、好ましくは30万以上、より好ましくは50万以上、更に好ましくは55万以上、最も好ましくは65万以上であってよい。一方、塗工性の観点から、好ましくは120万以下、より好ましくは100万以下、更に好ましくは85万以下であってよい。
本明細書において質量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用して求める。GPC測定は、昭和電工株式会社の高速液体クロマトグラフィシステム「SHODEX GPC-101(商品名)」、ポリスチレンカラム(排除限界が4×10のカラムと1×10のカラムを各1本連結して使用。)を使用し、測定温度40℃、流速 1mL/分、移動相 高速液体クロマトグラフィー用のテトラヒドロフラン(THF)、及び試料濃度1mg/mLの条件で行う。分子量の較正曲線は標準ポリスチレンを使用して作成する。なおGPCの理論及び測定の実際については、共立出版株式会社の「サイズ排除クロマトグラフィー 高分子の高速液体クロマトグラフィー、著者:森定雄、初版第1刷1991年12月10日」、株式会社オーム社の「合成高分子クロマトグラフィー、編者:大谷肇、寶崎達也(「崎」はつくりの上部が「立」)、初版第1刷2013年7月25日」などの参考書を参照することができる。
上記成分(A)のガラス転移温度は、低温施工時の作業性を良好にする観点から、好ましくは-30℃以下、より好ましくは-40℃以下、更に好ましくは-50℃以下、最も好ましくは-55℃以下であってよい。一方、高温時の粘着力を保持し、剥れ、めくれ、及びメスキの発生を防止する観点から、好ましくは-80℃以上、より好ましくは-70℃以上、更に好ましくは-60℃以上であってよい。
本明細書において上記成分(A)のガラス転移温度は、常法によって求められる計算値、即ち下記式(Foxの式)から求められる値である。
1/(Tg+273)=W/(Tg+273)+W/(Tg+273)+W/(Tg+273)+・・・+W/(Tg+273)
式中、Tgは、n種の単量体からなる重合体のガラス転移温度(℃)であり、W、W、W・・・Wは、単量体組成物中の各単量体の質量%であり、Tg、Tg、Tg・・・Tgは、各単量体のホモポリマーのガラス転移温度(℃)である。各ホモポリマーのガラス転移温度は、例えば、ポリマーハンドブックなどに記載されている数値を使用することができる。
上記成分(A)としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
(B)ビスフェノールA構造を有する化合物の臭素化物等:
上記成分(B)は、ビスフェノールA構造を有する化合物の臭素化物、イソシアネート環構造を有する化合物の臭素化物、及びリン酸アルキルエステルの臭素化物からなる群から選択される1種以上である。上記成分(B)は、難燃性を発現する働きをする。
上記ビスフェノールA構造を有する化合物の臭素化物は、ビスフェノールA(2,2‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールAのフェノール性水酸基の1個又は2個が置換された構造を有する化合物、又はこれらを主要構成モノマー(通常50質量%以上、好ましくは75質量%以上)とするオリゴマーの臭素化物である。上記ビスフェノールA構造を有する化合物の臭素化物は、実施形態の1つにおいて、ビスフェノールAの芳香環中の水素原子の1個又は2個以上が臭素原子に置換された化合物、該化合物のフェノール性水酸基の1個又は2個が置換された構造を有する化合物、又はこれらを主要構成モノマー(通常50質量%以上、好ましくは75質量%以上)とするオリゴマーであってよい。上記ビスフェノールA構造を有する化合物の臭素化物は、典型的な実施形態の1つにおいて、2,2‐ビス(3,5‐ジブロモ‐4‐ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「TBBA」と略すことがある。)、TBBAのフェノール性水酸基の1個又は2個が置換された構造を有する化合物、又はこれらを主要構成モノマー(通常50質量%以上、好ましくは75質量%以上)とするオリゴマーであってよい。
上記ビスフェノールA構造を有する化合物の臭素化物としては、例えば、2,2‐ビス(3,5‐ジブロモ‐4‐ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2‐ビス(3,5‐ジブロモ‐4‐メトキシフェニル)プロパン、2,2‐ビス(3,5‐ジブロモ‐4‐(2,3‐ジブロモプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2‐ビス(4‐アリルオキシ‐3,5‐ジブロモフェニル)プロパン、2,2‐ビス(3,5‐ジブロモ‐4‐(2‐ヒドロキシエチル)フェニル)プロパン、及び、これらの1種又は2種以上のオリゴマー、エポキシオリゴマー、並びにカーボネートオリゴマーなどをあげることができる。
上記イソシアネート環構造を有する化合物の臭素化物は、一般式(1)で表される化合物である。
一般式(1)中、R、R、Rは芳香環、脂肪族環状基、エーテル基、又はエステル基を含んでいてもよい脂肪族炭化水素基であって、これらの少なくとも何れか1個は、水素原子の1個又は2個以上が臭素原子に置換されている。R、R、Rは互いに違っていてもよく、同じであってもよい。
上記イソシアネート環構造を有する化合物の臭素化物は、典型的な実施形態の1つにおいて、イソシアヌル酸トリスアルキル化合物の臭素化物であってよい。該イソシアヌル酸トリスアルキル化合物の臭素化物の有するアルキル基は、通常、芳香環、脂肪族環状基、エーテル基、又はエステル基を含んでいてもよい脂肪族炭化水素基であって、水素原子の1個又は2個以上が臭素原子に置換されている。
上記イソシアネート環構造を有する化合物の臭素化物としては、例えば、イソシアヌル酸トリス(2,3‐ジブロモプロピル)などをあげることができる。
上記リン酸アルキルエステルの臭素化物は、一般式(2)で表される化合物である。
一般式(2)中、R’、R’、R’は芳香環、脂肪族環状基、エーテル基、若しくはエステル基を含んでいてもよい脂肪族炭化水素基又は水素であって、これらの少なくとも何れか1個は、芳香環、脂肪族環状基、エーテル基、又はエステル基を含んでいてもよい脂肪族炭化水素基であり、これらの少なくとも何れか1個は、水素原子の1個又は2個以上が臭素原子に置換されている。R’、R’、R’は互いに違っていてもよく、同じであってもよい。
上記リン酸アルキルエステルの臭素化物は、典型的な実施形態の1つにおいて、リン酸トリスアルキルエステルの臭素化物であってよい。該リン酸トリスアルキル化合物の臭素化物の有するアルキル基は、通常、芳香環、脂肪族環状基、エーテル基、又はエステル基を含んでいてもよい脂肪族炭化水素基であって、水素原子の1個又は2個以上が臭素原子に置換されている。
上記リン酸アルキルエステルの臭素化物としては、例えば、リン酸トリス(トリブロモネオペンチル)などをあげることができる。
上記成分(B)としては、これらの中で、高温時(夏場)の粘着力の観点、及びリワーク性(施工時に貼り直しをしたときの糊残りの起こり難さ)の観点から、上記ビスフェノールA構造を有する化合物の臭素化物、及び上記イソシアネート環構造を有する化合物の臭素化物が好ましい。
上記成分(B)中の臭素原子の含有量は、難燃性の観点から、通常40質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは55質量%以上であってよい。一方、透明性の観点から、通常80質量%以下、好ましくは75質量%以下、より好ましくは70質量%以下であってよい。
上記成分(B)としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
上記成分(B)の配合量は、上記成分(A)100質量部に対して、難燃性の観点から、通常3質量部以上、好ましくは10質量部以上、より好ましくは15質量部以上、更に好ましくは20質量部以上であってよい。一方、透明性、及び粘着力の観点から、通常120質量部以下、好ましくは90質量部以下、より好ましくは75質量部以下、更に好ましくは60質量部以下、より更に好ましくは45質量部以下、最も好ましくは30質量部以下であってよい。
(C)五酸化二アンチモン:
上記成分(C)は五酸化二アンチモンである。上記成分(C)は、上記成分(B)との相乗効果により、難燃性を高める働きをする。
上記成分(C)五酸化二アンチモンと三酸化二アンチモンとは、しばしば酸化アンチモンと総称される。そして、三酸化二アンチモンは白色顔料(アンチモンホワイト)としても使用されている。それにも係わらず、上記成分(C)五酸化二アンチモンを含む粘着剤が透明性を発現することは驚くべきことである。
上記成分(C)の平均粒子径は、特に制限されない。上記成分(C)の平均粒子径は、粘着剤中での分散性、粘着剤層形成用塗料の塗工性の観点から、通常50μm以下、好ましくは40μm以下、より好ましくは25μm以下であってよい。一方、取扱性の観点から通常0.001μm以上、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.1μm以上であってよい。
本明細書において、粒子の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法で測定した粒子径分布曲線において、粒子の小さい方からの累積が50質量%となる粒子径である。上記粒子径分布曲線は、例えば、日機装株式会社のレーザー回折・散乱式粒度分析計「MT3200II(商品名)」を使用して測定することができる。
上記成分(C)の配合量は、上記成分(A)100質量部に対して、難燃性の観点から、通常1質量部以上、好ましくは3質量部以上、より好ましくは4質量部以上、更に好ましくは5質量部以上、最も好ましくは6質量部以上であってよい。一方、透明性、及び粘着力の観点から、通常40質量部以下、好ましくは30質量部以下、より好ましくは25質量部以下、更に好ましくは20質量部以下、より更に好ましくは15質量部以下、最も好ましくは10質量部以下であってよい。
上記成分(B)の配合量と上記成分(C)の配合量との質量比(上記成分(B)の配合量/上記成分(C)の配合量)は、難燃性の相乗効果の観点から、通常1/1~9/1、好ましくは1.5/1~6/1、より好ましくは2/1~4.5/1、更に好ましくは2.5/1~3.6/1であってよい。
上記成分(B)の配合量と上記成分(C)の配合量との和は、上記成分(A)100質量部に対して、難燃性の観点から、通常4質量部以上、好ましくは12質量部以上、より好ましくは18質量部以上、更に好ましくは25質量部以上であってよい。一方、透明性、粘着力の観点から、通常160質量部以下、好ましくは105質量部以下、より好ましくは80質量部以下、更に好ましくは60質量部以下、最も好ましくは50質量部以下であってよい。
(D)1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物:
上記成分(D)は、1分子中に2個以上のイソシアネート基(-N=C=O)を有する化合物である。上記成分(D)は、上位成分(A)中の水酸基と反応してウレタン結合を形成するなどして、粘着剤層に適度な硬度を付与し、剥れ、めくれ、及びメスキを防止する働きをする。
上記成分(D)としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、及びメチレンビス-4-シクロヘキシルイソシアネート;トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体等のポリイソシアネート;及び、上記ポリイソシアネートのブロック型イソシアネート等のウレタン架橋剤などを挙げることができる。
上記成分(D)としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。また、本発明の目的に反しない限度において、所望により、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジエチルヘキソエートなどの触媒を添加してもよい。
上記成分(D)の配合量は、任意成分であるから特に制限されない。上記成分(D)の配合量は、上記成分(A)100質量部に対して、上記成分(D)の使用効果を確実に得る観点から、通常0.01質量部以上、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、更に好ましくは0.2質量部以上、最も好ましくは0.3質量部以上であってよい。一方、低温時(冬場)の粘着力を保持する観点から、通常10質量部以下、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下、更に好ましくは2質量部以下、最も好ましくは1.6質量部以下であってよい。
本発明の粘着剤層形成用塗料には、塗工し易い濃度に希釈するため、所望に応じて溶剤を含ませてもよい。上記溶剤は粘着剤成分と反応したり、これらの成分の自己反応(劣化反応を含む)を触媒(促進)したりしないものであれば、特に制限されない。上記溶剤としては、例えば、1‐メトキシ‐2‐プロパノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸n‐ブチル、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ダイアセトンアルコール、及びアセトンなどをあげることができる。上記溶剤としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
本発明の粘着剤層形成用塗料には、本発明の目的に反しない限度において、上記成分(A)~(D)以外の任意成分を、所望に応じて、更に含ませることができる。上記任意成分としては、例えば、上記成分(B)、(C)以外の難燃剤、光重合開始剤、帯電防止剤、界面活性剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、汚染防止剤、印刷性改良剤、酸化防止剤、耐候性安定剤、耐光性安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、顔料、及び上記成分(C)以外のフィラーなどの添加剤をあげることができる。上記任意成分の配合量は、特に制限されないが、上記成分(A)を100質量部として、通常10質量部以下、あるいは0.01~10質量部程度であってよい。
本発明の粘着剤層形成用塗料は、透明性の観点から、好ましくは三酸化二アンチモンを含まない。ここで「含まない」とは意図的に配合していないことを意味する。三酸化二アンチモンを意図的に配合する場合、上記成分(A)100質量部に対して、通常1質量部以上の量を配合する。従って、「三酸化二アンチモンを含まない」とは、上記成分(A)100質量部に対して、三酸化二アンチモンの含有量が通常1質量部未満、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下、更に好ましくは0.01質量部以下、最も好ましくは0.001質量部以下と言い換えることができる。
本発明の粘着剤層形成用塗料は、これらの成分を混合、攪拌することにより得ることができる。
2.化粧シート(粘着フィルム):
本発明の化粧シート(粘着フィルム)は、本発明の粘着剤層形成用塗料を用いて形成された粘着剤層を含む。本発明の化粧シート(粘着フィルム)は、通常は、フィルム基材の片面の上に、本発明の粘着剤層形成用塗料を用いて粘着剤層が形成されている。
2‐1.粘着剤層:
本発明の化粧シート(粘着フィルム)の含む粘着剤層は、本発明の粘着剤層形成用塗料を用いて形成される。
本発明の粘着剤層形成用塗料を用いて粘着剤層を形成する方法は、特に制限されず、公知のウェブ塗布方法を使用することができる。上記ウェブ塗布方法としては、ロール・トゥ・ロールの方法で生産性良く塗料を塗布する観点から、例えば、ロッドコート、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、キスリバースコート、及びダイコートなどの方法が好ましい。
本発明の化粧シート(粘着フィルム)の粘着剤層の厚みは、粘着フィルムの用途、及びその重要な特性を勘案して適宜決定する。本発明の粘着フィルム(化粧シート)の粘着剤層の厚みは、十分な粘着力を確保する観点から、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上、更に好ましくは20μm以上、最も好ましくは30μm以上であってよい。一方、容易に施工できるようにする観点から、通常100μm以下、好ましくは80μm以下、より好ましくは60μm以下、更に好ましくは50μm以下であってよい。
2‐2.フィルム基材:
上記フィルム基材は、本発明の化粧シート(粘着フィルム)の基材となる層である。
上記フィルム基材としては、例えば、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステルなどのポリエステル系樹脂;アクリル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂;セロファン、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、及びアセチルセルロースブチレートなどのセルロース系樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体、スチレン・エチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体、及びスチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体などのスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリ塩化ビニリデン系樹脂;ポリフッ化ビニリデンなどの含弗素系樹脂;その他、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリエーテルエーテルケトン、ナイロン、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエーテルイミド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン;などの樹脂フィルムをあげることができる。これらのフィルムは、無延伸フィルム、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムを包含する。またこれらの1種以上を2層以上積層した積層フィルムを包含する。更にこれらのフィルムは透明であってもよく、不透明であってもよく、隠蔽性を有するものであってもよく、着色されたものであってもよく、固有の色を有するものであってもよい。
上記フィルム基材は、典型的な実施形態の1つにおいて、化粧シート(粘着フィルム)を貼合することにより物品を化粧、装飾する目的から、着色され隠蔽性を有するものであってよい。
これらの中で上記フィルム基材としては、冬の寒い時期、及び夏の暑い時期の何れの時期においても良好な施工性を付与する観点、及び難燃性の観点から、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムが好ましい。
上記ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムの材料として用いるポリ塩化ビニル系樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル(塩化ビニル単独重合体);塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・(メタ)アクリル酸共重合体、塩化ビニル・(メタ)アクリル酸メチル共重合体、塩化ビニル・(メタ)アクリル酸エチル共重合体、塩化ビニル・マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル・エチレン共重合体、塩化ビニル・プロピレン共重合体、塩化ビニル・スチレン共重合体、塩化ビニル・イソブチレン共重合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル・スチレン・無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル・スチレン・アクリロニトリル三元共重合体、塩化ビニル・ブタジエン共重合体、塩化ビニル・イソプレン共重合体、塩化ビニル・塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン・酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル・アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル・各種ビニルエーテル共重合体等の塩化ビニルと塩化ビニルと共重合可能な他のモノマーとの塩化ビニル系共重合体;後塩素化ビニル共重合体等のポリ塩化ビニルや塩化ビニル系共重合体を改質(塩素化等)したもの;などをあげることができる。更には塩素化ポリエチレン等の、化学構造がポリ塩化ビニルと類似する塩素化ポリオレフィンを用いてもよい。これらの中で、ポリ塩化ビニル(塩化ビニル単独重合体)が好ましい。上記ポリ塩化ビニル系樹脂としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
上記ポリ塩化ビニル系樹脂には、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物に通常使用される他の樹脂を、更に含ませることができる。他の樹脂の配合割合は、本発明の目的に反しない限り特に制限されない。他の樹脂の配合割合は、上記ポリ塩化ビニル系樹脂と他の樹脂の合計を100質量%として、通常0~40質量%、好ましくは0~30質量%、より好ましくは5~25質量%であってよい。
上記他の樹脂としては、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体;エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体;エチレン・(メタ)アクリル酸エチル共重合体;メタクリル酸エステル・スチレン/ブタジエンゴムグラフト共重合体、アクリロニトリル・スチレン/ブタジエンゴムグラフト共重合体、アクリロニトリル・スチレン/エチレン・プロピレンゴムグラフト共重合体、アクリロニトリル・スチレン/アクリル酸エステルグラフト共重合体、メタクリル酸エステル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体、メタクリル酸エステル・アクリロニトリル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体等のコアシェルゴム;などをあげることができる。他の樹脂としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
上記ポリ塩化ビニル系樹脂には、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物に通常使用される可塑剤を、更に含ませることができる。上記可塑剤の配合量は、上記ポリ塩化ビニル系樹脂(上記他の樹脂を使用する実施形態にあっては、上記ポリ塩化ビニル系樹脂と上記他の樹脂との合計)100質量部に対して、通常100質量部以下、好ましくは5~50質量部、より好ましくは10~30質量部、更に好ましくは15~25質量部であってよい。
上記可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤、イタコン酸エステル系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、シクロヘキサンジカルボキシレート系可塑剤、及びエポキシ系可塑剤などをあげることができる。
上記可塑剤としては、例えば、多価アルコールとして、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-へキサンジオール、1,6-へキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどを用い、多価カルボン酸として、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、トリメリット酸、ピメリン酸、スベリン酸、マレイン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などを用い、必要により一価アルコール、モノカルボン酸をストッパーに使用したポリエステル系可塑剤をあげることができる。
上記フタル酸エステル系可塑剤としては、例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルヘキシル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジラウリル、フタル酸ジシクロヘキシル、及びテレフタル酸ジオクチルなどをあげることができる。
上記トリメリット酸エステル系可塑剤としては、例えば、トリ(2-エチルヘキシル)トリメリテート、トリ(n-オクチル)トリメリテート、及びトリ(イソノニル)トリメリテートなどをあげることができる。
上記アジピン酸エステル系可塑剤としては、例えば、アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、及びアジピン酸ジイソデシルなどをあげることができる。
上記エポキシ系可塑剤としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化脂肪酸オクチルエステル、及びエポキシ化脂肪酸アルキルエステルなどをあげることができる。
上記可塑剤としては、その他、トリメリット酸系可塑剤、テトラヒドロフタル酸ジエステル系可塑剤、グリセリンエステル系可塑剤、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジエステル系可塑剤、イソソルバイドジエステル系可塑剤、ホスフェート系可塑剤系、アゼライン酸系可塑剤、セバシン酸系可塑剤、ステアリン酸系可塑剤、クエン酸系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、ビフェニルテトラカルボン酸エステル系可塑剤、及び塩素系可塑剤などをあげることができる。
上記可塑剤としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
また上記ポリ塩化ビニル系樹脂には、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物に通常使用される物質を、本発明の目的に反しない限度において、更に含ませることができる。含む得る任意成分としては、顔料、無機フィラー、有機フィラー、樹脂フィラー;滑剤、酸化防止剤、耐候性安定剤、熱安定剤、核剤、離型剤、帯電防止剤、尿素-ホルムアルデヒドワックス、及び、界面活性剤等の添加剤;などをあげることができる。これらの任意成分の配合量は、ポリ塩化ビニル系樹脂と上記他の樹脂との合計を100質量部としたとき、通常50質量部以下、あるいは0.01~50質量部程度である。
上記ポリ塩化ビニル系樹脂を用いて上記ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムを得る方法は、特に制限されない。上記方法としては、例えば、カレンダーロール圧延加工機と引巻取機を備える装置を使用する方法、及び押出機、Tダイ、及び引巻取機を備える装置を使用する方法などをあげることができる。
上記カレンダーロール圧延加工機としては、例えば、直立型3本ロール、直立型4本ロール、L型4本ロール、逆L型4本ロール、及びZ型ロールなどをあげることができる。
上記押出機としては、例えば単軸押出機、同方向回転二軸押出機、及び、異方向回転二軸押出機などをあげることができる。
上記Tダイとしては、例えば、マニホールドダイ、フィッシュテールダイ、及び、コートハンガーダイなどをあげることができる。
上記ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムの厚みは、特に制限されないが、ハンドリング性の観点から、通常20μm以上、好ましくは50μm以上、より好ましくは80μm以上であってよい。一方、施工時の作業性の観点から、通常400μm以下、好ましくは300μm以下、より好ましくは250μm以下であってよい。
上記フィルム基材の実使用状態において正面となる面の上には、所望により、意匠感を高めるため、印刷層を設けてもよい。上記印刷層は、高い意匠性を付与するために設けるものであり、任意の模様を任意のインキと任意の印刷機を使用して印刷することにより形成することができる。ここで、実使用状態とは、化粧シートが各種物品の表面の化粧・加飾に用いられた状態をいう。また実使用状態において正面となる面とは、実使用状態において通常視認される面をいう。
印刷は、直接又はアンカーコートを介して、上記フィルム基材の実使用状態において正面となる面の上に、全面的に又は部分的に、施すことができる。模様としては、ヘアライン等の金属調模様、木目模様、大理石等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、寄木模様、及びパッチワークなどをあげることができる。印刷インキとしては、バインダーに顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、及び硬化剤等を適宜混合したものを使用することができる。上記バインダーとしては、例えば、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル・アクリル系共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、及び酢酸セルロース系樹脂などの樹脂、及びこれらの樹脂組成物を使用することができる。またアルミニウム、錫、チタン、及びインジウムなどの金属、並びにこれらの金属酸化物を、上記フィルム基材の実使用状態において正面となる面の上に、全面的に又は部分的に、公知の方法により蒸着してもよい。形成される金属又は金属酸化物の薄膜層により、金属調の意匠が施される。
上記印刷層の面の上に、上記印刷層を保護するため、更に保護塗膜層を設けてもよい。
上記保護塗膜層の形成用塗料としては、例えば、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、及び弗素系樹脂などを主剤とする塗料をあげることができる。これらの中で、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、及びアクリル系樹脂を主剤とする塗料が好ましい。上記保護塗膜層の形成用塗料としては、これらの1種又は2種以上の混合物を主剤とするものを用いることができる。
上記保護塗膜層の形成用塗料には、所望に応じて、1‐メトキシ‐2‐プロパノール、酢酸エチル、酢酸n‐ブチル、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ダイアセトンアルコール、及びアセトンなどの有機溶剤を用いることができる。
上記保護塗膜層の形成用塗料には、所望に応じて、帯電防止剤、界面活性剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、汚染防止剤、印刷性改良剤、酸化防止剤、耐候性安定剤、耐光性安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、着色剤、フィラーなどの添加剤を1種、又は2種以上含ませてもよい。
上記保護塗膜層の形成用塗料は、これらの成分を混合、攪拌することにより得られる
上記保護塗膜層の形成用塗料を用いて上記保護塗膜を形成する方法は特に制限されず、公知のウェブ塗布方法を使用することができる。上記方法としては、例えば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアナイフコート及びダイコートなどの方法をあげることができる。
上記保護塗膜層の厚みは、特に制限されない。上記保護塗膜層の厚みは、保護機能の観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは10μm以上であってよい。一方、ウェブのハンドリング性や塗膜形成時の作業性の観点から、上記保護塗膜層の厚みは、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下であってよい。
本発明の粘着剤層形成用塗料を用いて形成される粘着剤層は、下記実施例の(イ‐3)可視光線透過率に従い測定される可視光線透過率が、透明性の観点から、通常80%以上、好ましくは82%以上、より好ましくは84%以上、更に好ましくは86%以上、より更に好ましくは88%以上、最も好ましくは90%以上であってよい。下記実施例の(イ‐3)可視光線透過率に従い測定される可視光線透過率はより高い方が好ましい。
本発明の粘着剤層形成用塗料を用いて形成される粘着剤層は、下記実施例の(ロ)白色度に従い測定されるL*の値が、メスキを目立ち難くする観点から、好ましくは43以下、より好ましくは38以下、更に好ましくは34以下であってよい。下記実施例の(ロ)白色度に従い測定されるL*の値はより低い方が好ましい。
本発明の化粧シート(粘着フィルム)は、JIS Z0237:2009の10粘着力に従い、標準状態(温度23℃±1℃、湿度50%±5%)で測定される方法1(ステンレス試験板に対する180°引き剥がし粘着力)の粘着力(下記実施例の(ニ)粘着力に従い測定される粘着力)が、好ましくは10N/25mm以上、より好ましくは14N/25mm以上、更に好ましくは17N/25mm以上、最も好ましくは20N/25mm以上であってよい。一方、リワーク性の観点から、好ましくは50N/25mm以下、より好ましくは40N/25mm以下であってよい。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
測定方法
(イ)透明性:
(イ‐1)サンプルの作成:
ロールコーターを使用し、(γ‐1)三菱ケミカル株式会社の厚み38μmの片面易剥離処理された二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム「MRF38(商品名)」の易剥離面の上に、粘着剤層形成用塗料を乾燥後の厚みが45μmとなるように塗布し、乾燥炉で乾燥し、粘着剤層を形成した。次に、該粘着剤層の面の上に、新たな上記フィルム(γ‐1)を、その易剥離面が上記粘着剤層側となるように積層、貼合し、測定サンプルを得た。
(イ‐2)ヘーズ:
JIS K7136:2000に従い、日本電色工業株式会社の濁度計「NDH2000(商品名)」を使用し、上記(イ‐1)で作成したサンプルを用い、該サンプルの後から積層した上記フィルム(γ‐1)側の面から光を入射する条件でヘーズを測定した。なお上記JISの適用範囲の規定に係わらず、40%を超える測定値もそのまま表に記載した。
(イ‐3)可視光線透過率:
上記(イ‐1)で作成したサンプルをそのまま(ガラスに貼合しないで)測定したこと以外は、JIS A5759:2008に従い、日本分光株式会社の紫外可視近赤外分光光度計「V-570(商品名)」を使用し、上記サンプルの後から積層した上記フィルム(γ‐1)側の面から光を入射する条件で可視光線透過率を測定した。
(ロ)白色度:
ロールコーターを使用し、下記剥離フィルム(β‐1)の易剥離面の上に、粘着剤層形成用塗料を乾燥後の厚みが45μmとなるように塗布し、乾燥炉で乾燥し、粘着剤層を形成した。次に、該粘着剤層の面の上に、下記基材フィルム(α‐1)を積層、貼合し、測定サンプルを得た。該測定サンプルの剥離フィルム側の面を測定面として、JIS Z8722:2009に従い、コニカミノルタジャパン株式会社の分光測色計「CM600d(商品名)」を使用し、幾何条件c、鏡面反射となる成分を含む条件で、XYZ座標を測定し、これを換算することによりL*a*b*座標を算出した。メスキの目立ち易さの指標として、表にはL*の値を記載した。
L*a*b*座標については、コニカミノルタジャパン株式会社のホームページ(下記アドレス)などを参照することができる。
http://www.konicaminolta.jp/instruments/knowledge/color/part1/07.html
(ハ)発熱性試験:
(ハ‐1)サンプルの作成:
1辺の大きさが99mmの正方形で厚み12.5mmの石膏ボードの一方の正方形の面の上に、アイカ工業株式会社の合成ゴム系プライマー「ベンリダインRT(商品名)」0.89g(固形分換算0.10g)を一様に塗布し、更にその上に化粧シート(粘着フィルム)を重ね、貼合した。このとき該化粧シート(粘着フィルム)の粘着剤層側の面が貼合面となるようにした。続いて、上記化粧シート(粘着フィルム)が、上記石膏ボードの正方形の面から食み出した部分をカットし、サンプルを得た。該サンプルは、発熱性試験を行う前に、温度23℃±2℃、相対湿度50%±5%で一定質量になるように養生した。
(ハ‐2)発熱性試験:
建築基準法第2条第9号、及び建築基準法施行令第108条の2の規定に基づく認定についての一般財団法人建材試験センターの防耐火性能試験・評価業務方法書の4.10.2発熱性試験方法(り)に従い、上記(ハ‐1)で作成したサンプルについて、発熱性試験を行い、以下の基準で評価した。
A:4.10.2発熱性試験方法(り)の基準に余裕をもって合格した。即ち、加熱開始後20分間の総発熱量が、7MJ/m以下であること;加熱開始後20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないこと;及び、加熱開始後20分間、発熱速度が、7秒以上継続して200kW/mを超えないこと;の全ての条件を満足した。
B:4.10.2発熱性試験方法(り)の基準に合格した。即ち、加熱開始後20分間の総発熱量が、8MJ/m以下であること;加熱開始後20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないこと;及び、加熱開始後20分間、発熱速度が、10秒以上継続して200kW/mを超えないこと;の全ての条件を満足した。
C:4.10.2発熱性試験方法(り)の基準の防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないこと;は満足したが、加熱開始後20分間の総発熱量が、8MJ/m以下であること;加熱開始後20分間、発熱速度が、10秒以上継続して200kW/mを超えないこと;の少なくとも何れかを満足しなかった。
(ニ)粘着力:
JIS Z0237:2009の10粘着力に従い、標準状態(温度23℃±1℃、湿度50%±5%)で、方法1(ステンレス試験板に対する180°引き剥がし粘着力)の粘着力を測定した。
使用した原材料:
(A)アクリル系重合体:
(A‐1)酸価51.8mgKOH/g、質量平均分子量80万、及びガラス転移温度-58℃のアクリル系重合体(アクリル酸2‐エチルヘキシル、アクリル酸、メタクリル酸グリシジル、及びメタクリル酸2‐ヒドロキシエチルに由来する構成単位を含む)の溶剤希釈液。固形分(アクリル系重合体の含有量)45質量%。
(B)ビスフェノールA構造を有する化合物の臭素化物等:
(B‐1)東ソー株式会社の臭素系難燃剤(TBBA)「フレームカット120G(商品名)」、平均粒子径31μm、臭素原子の含有量59質量%。
(B‐2)帝人株式会社の臭素系難燃剤(2,2‐ビス(4‐アリルオキシ‐3,5‐ジブロモフェニル)プロパン)「ファイヤガードFG‐3200(商品名)」、平均粒子径281μm、臭素原子の含有量51質量%。
(B‐3)帝人株式会社の臭素系難燃剤(TBBAのカーボネートオリゴマー)「ファイヤガードFG‐7000(商品名)」、平均粒子径5μm、臭素原子の含有量53質量%。
(B‐4)帝人株式会社の臭素系難燃剤(TBBAのカーボネートオリゴマー)「ファイヤガードFG-7500(商品名)」、平均粒子径23μm、臭素原子の含有量52質量%。
(B‐5)帝人株式会社の臭素系難燃剤(TBBAのカーボネートオリゴマー)「ファイヤガードFG‐8500(商品名)」、平均粒子径4μm、臭素原子の含有量58質量%。
(B‐6)第一工業製薬株式会社製、臭素系難燃剤(2,2‐ビス(3,5‐ジブロモ‐4‐(2,3‐ジブロモプロポキシ)フェニル)プロパン)「ピロガードSR‐720N(商品名)」、平均粒子径40μm、臭素原子の含有量67質量%。
(B‐7)第一工業製薬株式会社の臭素系難燃剤(イソシアヌル酸トリス(2,3‐ジブロモプロピル))「ピロガードSR‐750(商品名)」、平均粒子径9μm、臭素原子の含有量65質量%。
(B‐8)大八化学工業株式会社の臭素系難燃剤(リン酸トリス(トリブロモネオペンチル))「CR‐900(商品名)」、平均粒子径31μm、臭素原子の含有量69質量%。
(B’)ビスフェノールA構造を有する化合物の臭素化物等以外の臭素系難燃剤:
(B’‐1)アルベマール日本株式会社の臭素系難燃剤(1,2‐ビス(ペンタブロモフェニル)エタン)「SAYTEX8010(商品名)」、平均粒子径6μm、臭素原子の含有量82質量%。
(B’‐2)アルベマール日本株式会社の臭素系難燃剤(N、N‐エチレン‐ビス(テトラブロモフタルイミド))「SAYTEX BT‐93(商品名)」、平均粒子径3μm、臭素原子の含有量67質量%。
(C)五酸化二アンチモン:
(C‐1)三津和化学薬品株式会社の五酸化二アンチモン「五酸化アンチモン(V)(商品名)」、平均粒子径16μm。
(C‐2)株式会社高純度化学研究所の五酸化二アンチモン「五酸化アンチモン(商品名)」、平均粒子径19μm。
(C’)三酸化二アンチモン:
(C’‐1)山中産業株式会社の三酸化二アンチモン「MSA‐S(商品名)」、平均粒子径2μm。
(D)1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物:
(D‐1)東ソー株式会社の1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物の溶剤希釈液(主成分はトリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート3付加物)「コロネートL‐55E(商品名)」、固形分(1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物の含有量)55質量%。
(α)基材フィルム:
(α‐1)リケンテクノス株式会社のポリ塩化ビニル系樹脂フィルム「S2340 FC2015(商品名)」、厚み160μm、L*、a*、b*座標がL*=25.2、a*=-0.1、b*=-1.1の黒色。
(β)剥離フィルム:
(β‐1)東レフィルム加工株式会社の片面易剥離処理された二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム「セラピールWZ(商品名)」、厚み38μm。
例1
上記成分(A‐1)100質量部、上記成分(B‐1)25質量部、上記成分(C‐1)7.5質量部、上記成分(D‐1)1質量部(固形分換算0.55質量部。表には固形分換算の値を記載)、酢酸エチル 140質量部、及びメチルエチルケトン(表には「MEK」と記載)20質量部を混合攪拌し、粘着剤層形成用塗料を得た。次に、ロールコーターを使用し、上記剥離フィルム(β‐1)の易剥離面の上に、上記で得た粘着剤層形成用塗料を乾燥後の厚みが45μmとなるように塗布し、乾燥炉で乾燥して粘着剤層を形成し、積層体1を得た。続いて図1に概念図を示す装置を使用し、上記で得た積層体1と基材フィルム2(上記基材フィルム(α‐1))とを、積層体1の粘着剤層が基材フィルム2側となるように重ねて、温度30℃に予熱された回転する金属鏡面ロール3と回転する圧着ロール4との間に、積層体1が金属鏡面ロール3側となるように供給投入し、押圧し、化粧シート(粘着フィルム)5を得た。上記試験(イ)~(ニ)を行った。結果を表1に示す。
例2~20
粘着剤層形成用塗料の配合を表1又は表2に示すように変更したこと以外は、例1と同様に行った。結果を表1又は表2に示す。
本発明の粘着剤層形成用塗料を用いて形成された粘着剤層は透明性、及び難燃性に優れていた。本発明の好ましい粘着剤層形成用塗料を用いて形成された粘着剤層は透明性、難燃性、及び粘着力に優れていた。また透明性に優れ、白色度が低いことから、本発明の好ましい粘着剤層形成用塗料を用いて粘着剤層が形成された化粧シート(粘着フィルム)はメスキ問題が解決されていると考察した。更に発熱性試験の結果から、本発明の好ましい粘着剤層形成用塗料を用いて粘着剤層が形成された化粧シート(粘着フィルム)を用いて化粧、装飾された部材は、「不燃材料」の審査認定を受けることができると考察した。
本発明の粘着剤層形成用塗料は、上述のように好ましい特性を有するものであるから、化粧シート以外の物、例えば、化粧シート以外の粘着フィルムの粘着剤層を形成するのにも有用であることは、当業者にとっては自明であろう。
実施例で使用したラミネート装置の概念図である。
1:剥離フィルムと粘着剤層との積層体
2:基材フィルム
3:金属鏡面ロール
4:圧着ロール
5:化粧シート(粘着フィルム)

Claims (12)

  1. (A)アクリル系重合体 100質量部;
    (B)ビスフェノールA構造を有する化合物の臭素化物、及びイソシアネート環構造を有する化合物の臭素化物からなる群から選択される1種以上 3~120質量部;並びに、
    (C)五酸化二アンチモン 1~40質量部;
    を含む粘着剤層形成用塗料(但し、含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物を含むものを除く)
  2. (A)アクリル系重合体 100質量部;
    (B)ビスフェノールA構造を有する化合物の臭素化物、及びイソシアネート環構造を有する化合物の臭素化物からなる群から選択される1種以上 3~120質量部;並びに、
    (C)五酸化二アンチモン 1~40質量部;
    を含み、ここで上記成分(C)五酸化二アンチモンの平均粒子径が0.1~50μmである粘着剤層形成用塗料。
  3. 三酸化二アンチモンを含まない請求項1又は2に記載の粘着剤層形成用塗料。
  4. 更に(D)1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物 0.01~10質量部;を含む請求項1~3の何れか1項に記載の粘着剤層形成用塗料。
  5. 上記成分(B)ビスフェノールA構造を有する化合物の臭素化物、及びイソシアネート環構造を有する化合物の臭素化物からなる群から選択される1種以上中の臭素原子の含有量が40~80質量%である請求項1~4の何れか1項に記載の粘着剤層形成用塗料。
  6. 上記成分(B)ビスフェノールA構造を有する化合物の臭素化物、及びイソシアネート環構造を有する化合物の臭素化物からなる群から選択される1種以上の配合量と上記成分(C)五酸化二アンチモンの配合量との和が12~105質量部である請求項1~5の何れか1項に記載の粘着剤層形成用塗料。
  7. 上記成分(B)ビスフェノールA構造を有する化合物の臭素化物、及びイソシアネート環構造を有する化合物の臭素化物からなる群から選択される1種以上の配合量と上記成分(C)五酸化二アンチモンの配合量との質量比が1/1~9/1である請求項1~6の何れか1項に記載の粘着剤層形成用塗料
  8. 請求項1~7の何れか1項に記載の粘着剤層形成用塗料を用いて形成された粘着剤層を含む化粧シート。
  9. 上記粘着剤層の可視光線透過率が80%以上である請求項8に記載の化粧シート。
  10. 上記化粧シートのJIS Z0237:2009の10粘着力に従い、標準状態で測定したステンレス試験板に対する180°引き剥がし粘着力が10~50N/25mmである請求項8又は9に記載の化粧シート。
  11. 請求項1~7の何れか1項に記載の粘着剤層形成用塗料を用いて形成された粘着剤層を含み;
    一般財団法人建材試験センターの防耐火性能試験・評価業務方法書の4.10.2発熱性試験方法(り)の基準に合格する;
    建築物の内装に使用される材料。
  12. 請求項8~10の何れか1項に記載の化粧シートを含み;
    一般財団法人建材試験センターの防耐火性能試験・評価業務方法書の4.10.2発熱性試験方法(り)の基準に合格する;
    建築物の内装に使用される材料。
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