いくつかの実施形態の詳細な説明
本記載は、当業者が本発明を製造及び使用することを可能にし、本発明のいくつかの実施形態、適合、変形、代替、及び使用を説明する。任意の添付図面と共に本発明の以下の詳細な記載を参照して考慮すると、本発明のこれら及び他の実施形態、特徴、及び利点は当業者にはより明らかになるであろう。
本明細書及び特許請求の範囲において使用する場合、文脈がそうでないと明白に示さない限り、単数形「a」、「an」、及び「the」は、複数の指示対象を含む。他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。百分率に基づく全ての組成物の数及び範囲は、他に示されない限り、重量百分率である。数又は条件の全ての範囲は、任意の適切な小数点で四捨五入された範囲内に含有される任意の特定の値を包含することを意味する。
他に記載されない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用されるパラメータ、反応条件、成分の濃度などを表す全ての数は、いかなる場合も、「約」という用語により修飾されていると理解されるべきである。したがって、反対を示さない限り、以下の明細書及び特許請求の範囲において記載される数値パラメータは、少なくとも特定の分析技術に応じて異なり得る近似値である。
「含む(including)」、「含有する(containing)」又は「特徴とする(characterized by)」と同義である「含む(comprising)」という用語は包括的又はオープンエンドであり、記載されていない追加の要素又は方法ステップを排除しない。「含む(comprising)」は請求項用語において使用される専門用語であり、指名された請求項要素が必須であるが、他の請求項要素が追加されてもよく、それでもその請求項の範囲内の構築物を形成することを意味する。
本明細書で使用される場合、「からなる(consisting of)」という語句は、請求項において指定されていないあらゆる要素、ステップ、又は成分を排除する。「からなる(consisting of)」という語句(又はその変化形)は、プリアンブルの直後ではなく請求項本文の文節中に現れる場合、その文節に記載される要素のみを限定し;他の要素は全体としての請求項から排除されない。本明細書で使用される場合、「から本質的になる(consisting essentially of)」という語句は、特許請求される主題の基本及び新規の特徴に実質的に影響を与えないものに加えて、規定の要素又は方法ステップに請求項の範囲を限定する。
「含む(comprising)」、「からなる(consisting of)」、及び「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語に関して、これらの3つの用語の1つが本明細書で使用される場合、本開示及び請求される主題は、他の2つの用語のいずれかの使用を含み得る。したがって、他に明確に記載されないいくつかの実施形態において、「含む(comprising)」の例はどれも、「からなる(consisting of)」によって、或いは「から本質的になる(consisting essentially of)」によって置き換えることができる。
本発明は、いくつかの変形において、水蒸気の放出を可能にするように構成されたツインスクリューシステム(例えば、ツインスクリュー押出機)を用いて水性ナノセルローススラリーを脱水及び乾燥することに基づいている。本発明は、いくつかの変形において、ナノセルロースのための分散/乾燥剤を選択して組み込むことにも基づいており、ここで、分散/乾燥剤は、ツインスクリューシステムにおいて脱水されるナノセルローススラリーに添加される。1つ又は複数のシステム通気口を有するツインスクリューシステムは、分散/乾燥剤と併用して、ナノセルローススラリーを脱水するために驚くほどうまく機能することが発見された。システム通気口から水が除去されると、分散/乾燥剤は、ナノセルロースが凝集及び不可逆的に自己結合するのを防止する。
背景において説明されるように、多くの場合、複合体製品は、別個のナノセルロース粒子を組み込み、且つ、製造又は使用中にそれらの粒子の結合(凝集)を防止することが望ましい。セルロース系バイオマスから、又は細菌合成によって製造される場合、ナノセルロースは、通常、水分散液として入手可能である。薄い水分散液中では、ナノセルロース粒子は非凝集のままであるか、又は可逆的に凝集する。ほとんどのポリマー系の場合、例えば、水分散液自体をポリマーマトリックス中に導入することはできず、まず水を除去する必要がある。水溶液系の場合でも、製品の配送コスト、及び添加剤と共に最終用途製品系に導入される水の量を最小限にするために、できるだけ少ない水を含有する添加剤製品が好ましい。一般的に、添加剤と共に過剰の水を製品系に導入することは容認できず、したがって、製品は、通常のレベルを超えて脱水又は乾燥されなければならない。
本発明は、乾燥又は脱水(濃縮)形態のナノセルロースの製造を可能にする突破口であり、広範なプラスチック、エラストマー、及び接着剤、並びに電子インク、シーラント、及び他の非水系用途を含む非ポリマーマトリックス中に取り込めるようにする。また本発明は、水溶液系における分散のために、輸送及び貯蔵を目的としてナノセルロースを濃縮するための方法も提供する。
本明細書において意図される「分散/乾燥剤」は、乾燥又は脱水されている間にナノセルロースの不可逆的な凝集を防止するように機能する化学物質又は化学物質の組合せである。本明細書に開示される分散/乾燥剤は、水分散液が乾燥又は脱水(水の除去)されている間にナノセルロース粒子間の結合を防止することによって、別個のナノセルロース粒子を保持するように選択される。有効な分散/乾燥剤がなければ、約20wt%の固体スラリーになるまでの熱による乾燥を通して、ナノセルロース粒子間の不可逆的な結合が観察された。また分散/乾燥剤は、ナノセルロースが複合体製品中に組み込まれている間も別個のナノセルロース粒子を保持し、ナノセルロースの有効性が最大になるように、複合体製品の配合の間に個々のナノセルロース粒子を有効且つ容易に解放する。乾燥又は脱水中にナノセルロースが自己結合することを低減又は防止するために、分散/乾燥剤を、ナノセルロースの表面と十分に相互作用をするように及び/又はナノセルロース粒子間に均一に分配するように選択することができ、それにより、ナノセルロースの凝集が低減又は防止される。
本特許出願において、「脱水」は、ナノセルローススラリーからの液体水の除去を意味する。「乾燥」は、通常、熱エネルギーを用いてナノセルロースから全ての水を除去することを含むそれ以下の、比較的高い脱水の程度を指す。
本明細書において、「ナノセルロース分散濃縮物」は、少なくともナノセルロース及び分散/乾燥剤を含有する組成物を指す。「脱水ナノセルロース」、「乾燥ナノセルロース」、「脱水ナノセルローススラリー」などは、ナノセルロースを含有し、そして任意選択的に分散/乾燥剤を含有する組成物を指す。
本発明の例示的な実施形態がこれから記載される。これらの実施形態は、特許請求されるような本発明の範囲を限定することは意図されない。ステップ(又はシステムのユニット操作)の順序は、任意の論理的順序で変更されてもよく、いくつかのステップ若しくはユニットは省略されてもよく、及び/又は他のステップ若しくはユニットが追加されてもよい。本明細書における第1のステップ、第2のステップなどへの言及は、いくつかの実施形態を説明するためだけのものである。また、ステップ又はユニットの場所は、1つ又は複数の現場において異なり得る。また、「実施形態」への言及は全て非限定的であり、文脈がそうでないと明白に指示しない限り、任意の他の開示される実施形態に関する選択肢でもあると考えられることは理解されるべきである。図面において、点線は、任意選択的なユニット操作又はストリームを示す。
本発明のいくつかの変形は、
ナノセルローススラリー供給サブシステムであって、ナノセルローススラリーがナノセルロース及び水を含む、ナノセルローススラリー供給サブシステムと、
分散/乾燥剤のための入口と、
ナノセルローススラリー供給サブシステムと流動連通するツインスクリュー押出機であって、ナノセルローススラリー及び分散/乾燥剤を徹底的に混合するように構成され、且つナノセルローススラリーから水の少なくとも一部を除去するために1つ又は複数の押出機通気口を有するように構成されたツインスクリュー押出機と、
ナノセルロース及び分散/乾燥剤を含むナノセルロース分散濃縮物を回収するための押出機出口と、
ナノセルロース分散濃縮物を含有する粉末を生成するように構成された、任意選択的な粉砕装置と
を含む、ナノセルローススラリー脱水システムを提供する。
いくつかの実施形態において、例えば、希薄なスラリー(例えば、約8wt%以下の固体)を加工する場合、ナノセルローススラリー供給サブシステムは、スラリーがツインスクリュー押出機に供給される前に、ナノセルローススラリーを混合するために内部回転攪拌器及び/又はワイピングブレードを有するように構成される。供給サブシステムからツインスクリュー押出機へのナノセルローススラリーの添加速度を計量するために、コントロールバルブが使用され得る。
いくつかの実施形態において、ナノセルローススラリー脱水システムは、押出機における水の除去の前に、ナノセルローススラリーから水の少なくとも一部を除去するように構成されたナノセルローススラリー予備濃縮ユニットを含む。スラリーの予備濃縮は、ツインスクリュー押出機に供給される全体積を低減するために有利であり、ナノセルロースベースで、より高い能力が得られる。ナノセルローススラリー予備濃縮ユニットは、熱分離(水の蒸発)ではなく水の機械的分離を用いて、全体のエネルギーコストを削減することができる。機械的分離は、遠心力若しくは求心力などの機械力、又はろ過媒体若しくは膜を通る水の透過を引き起こす圧力などの物理力を用いて分離が達成されることを意味する。
例えば、ナノセルローススラリー予備濃縮ユニットは、遠心分離機又はろ過装置であり得る。例示的な遠心分離機は、遠心力と共に高速回転を用いて、連続的に除去される(デカントされる)水から、水よりも高い密度を有するナノセルロースを分離するデカンタ遠心分離機である。例示的なろ過装置は、高圧の空気(又は別の不活性ガス)を用いて、ナノセルロースのマットと、水に富んだろ液とを生じる加圧フィルタである。ろ過装置は、フィルタープレス、ベルトプレスなどを含む。
ナノセルローススラリーが予備濃縮ユニットにより予備濃縮されて、約15wt%超の固体を含むナノセルロースを提供する場合、ナノセルロース供給サブシステムは本質的に、伝統的なホッパー供給システムからなることができる。ホッパーは、湿潤固体を押出機に供給するためによく知られている。湿潤固体が自由流動材料でない場合、ホッパーは、供給材料の架橋を防止するために回転攪拌器及び/又はワイピングブレードを有するか、或いはホッパーの振動を伴うように設計され得る。
いくつかの実施形態において、分散/乾燥剤のための入口は、ナノセルローススラリー供給サブシステムへの入口であり、これは、ナノセルローススラリーの供給ストリームと同じ入口であってもよいし、図1に示されるように別の入口であってもよい。特定の実施形態において、ナノセルローススラリー及び分散/乾燥剤は、供給サブシステムへの供給の前、例えばナノセルローススラリーの製造の後に組み合わされるか、又はナノセルロースの製造と一体化もされる。他の実施形態において、分散/乾燥剤のための入口は、例えば、供給ポート(例えば、図1を参照)又はサイドポートを通る、直接ツインスクリュー押出機への入口である。また、ナノセルローススラリー供給サブシステムへの入口及びツインスクリュー押出機への入口の両方が分散/乾燥剤のために存在していてもよい。
本明細書で意図される場合、「ツインスクリューシステム」は、好ましくはスクリュー又はローター間の間隙が小さい、回転(半径方向)する少なくとも2つの中実スクリュー又はローターを利用して、加工中の材料にかなりのせん断力を付与する機械である。材料がナノセルローススラリーである本発明の場合、高せん断と、好ましくは小さい間隙とにより、水の蒸発のために露出される表面積が大きい薄い材料層が形成される。高せん断力は、ナノセルローススラリーと分散/乾燥剤との徹底的な混合を可能にする。また場合により、使用される分散/乾燥剤に依存して、水が放出されるにつれて、ツインスクリュー又はローターにより提供される徹底的な混合が粒子のタンブリング及び破砕をもたらし、したがって粒子の乾燥は比較的均一である。
ツインスクリューシステムは、連続システム、半連続システム、セミバッチシステム、又はバッチシステムであり得る。ツインスクリューシステムが連続又は半連続ツインスクリュー押出機である場合、材料は、供給サブシステムから押出機出口へシステムを通して軸方向に、一定時間連続的に搬送される。ツインスクリューシステムがバッチ又はセミバッチツインローターミキサーである場合、材料は最初にシステムに添加され、次に通気口又は水蒸気除去を除いてシステムは通常閉鎖され、次にローター間の間隙が好ましくは小さい、半径方向に回転する2つのローターによって生じる高せん断力による徹底的な混合を受ける。一定時間(バッチ時間)の後、システムは開放され、加工された材料が回収される。セミバッチシステムでは、システムを一定時間動作させることができ、そして材料は定期的にシステムに添加されるか、又はシステムから取り出され得る(例えば、水の放出は間欠的でよく、又は脱水されたナノセルロースは、定期的にバルブから回収され得る)。バッチ又はセミバッチの場合、供給サブシステムは、最初に負荷され得る容器自体であってもよく、またシステム出口も、バッチ動作の後の容器自体であってもよい。セミバッチツインローターミキサーの例については本明細書中の実施例1~8を、そして連続ツインスクリュー押出機の例については実施例9~11を参照されたい。
ツインスクリューシステムがツインスクリュー押出機である場合、中実スクリューは通常、金属又は金属合金、例えばステンレス鋼から、任意選択的に炭化クロムなどのセラミックコーティングを用いて製造される。スクリューは単一部品として製造されてもよいし、セグメント化されてシャフト上で組み立てられてもよい。スクリューは、互いに平行に配置されていてもよいし、スクリュー軸が互いに平行でなく、むしろ押出機の長さに沿って収束する円錐配置であってもよい。
ツインスクリュー押出機は、共回転ツインスクリュー押出機、逆回転ツインスクリュー押出機、又は別のタイプのツインスクリュー押出機(例えば、ギアポンプ押出機)であり得る。2つのスクリューが同じ半径方向に回転(共回転)するように設計される場合、ツインスクリューは共回転スクリューである。2つのスクリューが反対の半径方向に回転するように設計される場合、ツインスクリューは逆回転スクリューである。スクリューのフライトは、2つのスクリューが互いに噛合する(噛合スクリュー)ように、又は互いに完全には噛合しない(非噛合スクリュー)ように設計され得る。スクリューは、スクリューの周りの外壁を形成し、それにより加工中の材料を含有する1つ又は複数のバレル内に含有される。
連続システムの場合、逆回転ツインスクリュー押出機は、有益な材料供給及び搬送特徴を有する。また、逆回転ツインスクリュー押出機内の滞留時間及び材料温度制御は比較的均一である。しかしながら、空気の封入、高圧の発生、及び低い最大スクリュー速度は不利であり得る。共回転ツインスクリュー押出機の利点は、スクリューが互いをきれいに拭い(セルフワイピング)、高スクリュー速度及び高出力が良好な混合と共に実現され得ることである。共回転ツインスクリュー押出機は、スクリュー及びバレルの摩耗の低減のためにも望ましいことがある。
連続システムの場合、スクリューは、スクリュー長さに沿って異なるスクリュー要素を組み込むように設計されてもよい。このようなスクリュー要素は、フライト要素、混合要素、及びゾーン化要素を含み得るが、これらに限定されない。フライト要素は、材料を、バレルポートを越えてミキサーを通過させ、ダイから押出機の外へ送り出す。混合要素は、加工されている種々の成分の混合を促進する。ゾーン化要素は、2つの動作を隔てる。いくつかの要素は多機能性であってもよい。
連続システムの場合、ツインスクリュー押出機の混合効率は、スクリューに沿って多数の混合要素を組み込むことによって増大させることができる。これら及び他の要素は中心シャフト上にはめ込まれて、スクリューセクションを構築し得る。好ましくは、要素の長さ、数、及び形態は容易に変更され得る。要素は、逆スクリューフライト、混練ディスク、ピン、ローター、スロット付き羽根、ブリスターリングなどの種々の形態をとり得る。混合要素は、伸長混合(extensional mixing)及び平面せん断を加工中の材料に付与して、分散混合を促進するように設計され得る。混合要素は、ストリームの分割及び再結合をもたらして、分配混合を促進するように設計され得る。
連続システムの場合、スクリュー外径、スクリュー内径、及びチャネル深さは、利用可能な自由体積及びトルク(したがって、半径方向せん断力)を決定するので、これらのパラメータは、重要なツインスクリュー押出機設計パラメータである。チャネル深さが増大すると、スクリュー内径が減少し、結果的に達成可能なシャフトトルクが小さくなる。
一般的に言えば、スクリュー設計は、特定の用途に適合されるであろう(例えば、ナノセルロースのタイプ、分散/乾燥剤、所望される脱水の程度、スルーアウト(throughout)など)。ツインスクリュー押出機における当業者は、既知の原理及び計算を用いてスクリュー設計をカスタマイズすることができるであろう。
本明細書は参照によって、ツインスクリュー押出機の原理及び設計パラメータのその教示について、Goff et al., The Dynisco Extrusion Processors Handbook, 2nd edition, 2000を本明細書に組み込む。また本明細書は参照によって、ツインスクリュー押出機の種々の設計及び動作原理のその教示について、Martin, “Twin Screw Extruders as Continuous Mixers for Thermal Processing: a Technical and Historical Perspective”, AAPS PharmSciTech, Vol. 17, No. 1, February 2016も本明細書に組み込む。
3つ以上のスクリューを使用する押出機は、本明細書中のツインスクリュー押出機の範囲内に含まれる。3スクリュー押出機において、3つのスクリューは全て共回転していてもよいし、又は2つのスクリューが共回転し、1つのスクリューが他のスクリューの半径方向に関して逆回転してもよい。
ギアポンプ押出機は、2つの噛合ギアの作用によって材料を移動させる、簡単なツインスクリュー押出機であり、これは本質的に、比較的短い長さのスクリュー又はローターである。ギアは通常、金属又は金属合金、例えばステンレス鋼から、任意選択的に炭化クロムなどのセラミックコーティングを用いて製造される。2つのギアが同じ半径方向に回転(共回転)するように設計される場合、ギアポンプ押出機は共回転ギアポンプ押出機である。2つのギアが反対の半径方向に回転するように設計される場合、ギアポンプ押出機は逆回転ギアポンプ押出機である。ギアのフライトは、2つのギアが互いに噛合するように、又は互いに完全には噛合しないように設計され得る。
いくつかの実施形態において、ツインスクリューシステムは、連続的ではなくバッチ式で動作されるギアポンプ押出機である。噛合ギアは共回転又は逆回転するように設計することができ、ギアのフライトは、2つのギアが互いに噛合するように、又は互いに完全には噛合しないように設計され得る。ギアポンプ押出機は最初に、ナノセルローススラリーと、任意選択的に分散-乾燥剤とが負荷される。バッチギアポンプは、一定時間(バッチ時間)動作されて、徹底的な高せん断混合及び通気口からの水蒸気の放出を可能にする。
いくつかの実施形態において、ツインスクリューシステムは、バッチ又はセミバッチツインローターミキサーである。ツインローターミキサーは、噛合されてもされなくてもよい2つのローターを有するように構成される。2つのローターが回転し(半径方向)、加工中の材料にかなりのせん断力が付与される。高せん断力は、ナノセルローススラリーと分散/乾燥剤との徹底的な混合を可能にする。ローターは通常、金属又は金属合金、例えばステンレス鋼から、任意選択的に炭化クロムなどのセラミックコーティングを用いて製造される。2つのローターは、同じ半径方向(共回転)又は反対の半径方向(逆回転)に回転するように設計され得る。本明細書の実施例1~8はセミバッチツインローターミキサーを利用する。原則として、このようなツインローターミキサーは、商業規模まで拡大され得る。
ツインローターミキサーは、羽根付きローターを有する空洞(又は混合チャンバ)を含有し、ここで、羽根は、材料を反対方向にポンピングし、徹底的に混合する。ツインローターミキサーのローターは、羽根の数、形状、及び角度が特定の用途に対して最適化されるように設計され得る。ローターは一般に、2つ又は4つのフライトを有するが、他の数のフライトも可能である。ツインローターミキサーのローターは、例えば、接線ローター、ローラーローター、デルタローター、カムローター、シグマローター、バンバリーローター、又は他の工業的に利用可能なローターから選択され得る。ツインローターミキサーのいくつかの実施形態において、2つのローターはわずかに異なる速度で互いに対して回転する。各ローターは、ほぼスパイラル形態でローターの長さに沿って延在するブレードを有する。各ローターは、水又は適切な加熱剤の通過による冷却又は加熱を可能にするように中心が除去されていてもよい。商業規模のツーウィングローターの一例は、周知のバンバリー設計である。
バッチ又はセミバッチシステムの場合、ツインローターミキサーの混合効率は、多数の混合要素をローターに組み込むことによって増大させることができる。ローター要素は、種々の形態をとることができる。ローター混合要素は、伸長混合及び平面せん断を加工中の材料に付与して、分散混合を促進するように設計され得る。ローター混合要素は、ストリームの分割及び再結合をもたらして、分配混合を促進するように設計され得る。一般的に言えば、ローター設計は、特定の用途に適合されるであろう(例えば、ナノセルロースのタイプ、分散/乾燥剤、所望される脱水の程度、スルーアウトなど)。ツインローターミキサーにおける当業者は、既知の原理及び計算を用いてローター設計をカスタマイズすることができるであろう。
ツインスクリューシステムは、例えば約120℃~約300℃の平均システム温度で動作するように設計され得る。ツインスクリューシステムは、好ましくは、脱水又は乾燥されているナノセルロースの熱分解開始温度よりも低く、且つ好ましくは、分散/乾燥剤の熱分解開始温度よりも低い、最大システム温度で動作するように設計される。いくつかの実施形態において、ツインスクリューシステムがツインスクリュー押出機である場合、複数の押出機ゾーンが存在し、ここで、押出機ゾーンのそれぞれのゾーン温度は、コントロールパネル又はコンピュータインターフェースなどによって、独立して制御され得る。ツインスクリューシステムがバッチ又はセミバッチツインローターミキサーである場合、ミキサーは、所望により、単一の温度又は時間と共に変化する温度で動作され得る。
ツインスクリューシステムは、水蒸気、熱油、電気加熱素子、及びこれらの組合せからなる群から選択される熱伝達媒体によって加熱され得る。ツインスクリューシステムは、冷却水、空気、油、及びこれらの組合せからなる群から選択される熱伝達媒体によって冷却され得る。ツインスクリュー押出機の場合、加熱及び冷却構成は、ツインスクリュー押出機の長さに沿った所望の温度プロファイル、スループット、存在する材料、せん断速度、スクリュー設計、及び他のパラメータに基づいて設計され得る。
いくつかの実施形態において、ツインスクリューシステムは、バレル又はミキサーボウルの周りにストラップ又はボルト固定された抵抗コイル、バンド、又はカフを用いて電気的に加熱される。熱電対による開始などの要求に応じて、電流は、コイル内側の抵抗ワイヤを通過される。抵抗は熱を生じ、熱伝達によってバレル又はミキサーボウル温度、並びにシステム内部温度が上昇される。ツインスクリュー押出機の場合、所望の温度を達成するために必要とされる抵抗設定値は、スクリュー回転速度、システム内の圧力、及びスループットに依存し得る。
いくつかの実施形態において、ツインスクリュー押出機は、1つ又は複数のバレルのための水蒸気加熱を有するように構成される。熱電対による開始などの要求に応じて、水蒸気は、間接加熱のためにバレル表面に導入され(すなわち、水蒸気は直接押出機内に導入されない)、それにより、熱伝達によってバレル温度及び押出機内部温度が上昇される。ツインスクリュー押出機の場合、所望の温度を達成するための水蒸気圧力及び流速は、スクリュー回転速度、システム内の圧力、及びスループットに依存し得る。
いくつかの実施形態において、ツインスクリュー押出機には、過剰な加熱が発生したとき(例えば、電気加熱が設定点を超えたとき、又はせん断加熱が過剰になったとき)に、温度を低下させるための空気冷却システムが備えられる。例示的な空気冷却システムは、要求に応じてバレルの周りに空気を循環させるファンからなる。
いくつかの実施形態において、ツインスクリュー押出機には、バレルを包囲する密封コイル内部に含有される冷却水を用いる閉ループ熱交換器などの液体冷却システムが備えられる。設定点温度を超えたら、冷却水蒸気が凝縮して追加の熱を吸収するように、この冷却水からの蒸気が水流により冷却される。
ツインスクリューシステムは、好ましくは、ナノセルローススラリーから水の少なくとも一部を除去するために、1つ又は複数のシステム通気口を有するように構成される。「通気口」は、ポート、可変動バルブ、圧力逃しバルブ、圧力逃しディスク、透水性膜、又は水蒸気がシステムから放出されるのを可能にする他のデバイスである。通気口は通常開放されていてもよいし、又は通常閉鎖されていてもよく、例えば、通気口は、十分な外向きの蒸気圧が存在する場合にだけ、又は要求に応じてだけ開くように設計され得る。ツインスクリュー押出機の場合、通気口は、押出機通気口と呼ばれることもある。ツインローターミキサーの場合、通気口はミキサー通気口と呼ばれることもある。
ツインスクリュー押出機のいくつかの実施形態において、押出機通気口は、バレルに組み込まれる。これら又は他の実施形態において、押出機通気口は、軸方向に離接するバレルの間の通気口リング又は他の通気口要素内に構成され得る。ギアポンプ押出機の場合、押出機通気口は、例えば、ギアボックス、ケースシール、又は吸気ポートに組み込まれ得る。
一般に、システム通気口は、水蒸気などの揮発性物質、及び封入空気がシステムから除去されるのを可能にする。本発明において、ナノセルローススラリーの脱水又は乾燥は、少なくとも水が除去されることを意味する。他の成分は、時に非意図的にシステム通気口から除去され得る(例えば、固体の少量の取込み)。いくつかの実施形態において、システム通気口は、一部の水の除去だけでなく、ナノセルロース製造プロセスに由来する成分、例えば、酸、糖分解化合物、又はリグニン由来化合物の除去も可能にする。
システム通気口の数は、例えば、ツインスクリュー押出機の全長又はツインローターミキサーの全体積に応じて異なることができ、例えば、1、2、3、4、5、又はそれ以上である。押出機通気口の配置は、ツインスクリュー押出機の長さに沿って異なり得る。例えば、押出機の長さに沿って上昇する温度プロファイルが存在する場合、押出機通気口は、水の蒸発がより速いか又は熱力学的により有利である、押出機の末端付近に配置され得る。
システム通気口は、蒸気が大気に逃れることを可能にしてもよいし、又は、例えば、蒸気が捕獲されて潜在的に他の目的のために再使用されるか若しくは組成について分析されるように、フローラインに適応されてもよい。フローラインは、通気口が真空下にあるように真空システムと連通していてもよい。複数の通気口が利用される場合、通気口のそれぞれは、同じサイズであっても異なるサイズであってもよく、すなわち、1つの通気口は、別の通気口よりも大きい開口領域(より多い蒸気の放出のため)を有し得る。
いくつかの実施形態において、システム通気口の少なくとも1つは真空下で動作される。複数のシステム通気口が利用される場合、システム通気口のそれぞれが真空下で動作されてもよいし、又はシステム通気口の全てが真空下で動作されなくてもよい。真空圧は、約0.01バール~約0.99バール(絶対圧)、例えば、約0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、0.95バールであり得る。複数のシステム通気口が存在する場合、これらは、同じ圧力又は異なる圧力で動作され得る。実例として、3つのシステム通気口が存在する場合(図1で暗示される)、3つの通気口は全て、0.1バールの絶対圧である-0.9バールのゲージ圧で動作する共通の真空システムに接続され得る。又は、例えば、1つの通気口は大気圧(1バール)であるが、2つのシステム通気口は0.5バールの圧力であってもよい。
ツインスクリュー押出機出口は、通常、押出機ダイを有するように構成される。押出機ダイは、押出機の末端に位置するアセンブリであり、脱水されたナノセルロースを流出させるためのオリフィスを含有する。押出機ダイは金属又は金属合金のブロックであり、スクリュー及び/又はバレルと同じ材料であってもよい。特定の実施形態では、押出機通気口は、押出機出口又はその付近において、押出機ダイの一部として構成される。押出機出口が大気に開放される際、追加量の水蒸気の放出が起こり得ることにも留意されたい。
押出機通気口の数及びサイズ並びに真空レベルに加えて、他のパラメータもツインスクリュー押出機からの水の除去効率を決定し得る。例えば、特に押出機通気口を有するゾーン内でのより長い滞留時間は、水塊が通気口へ輸送される時間が多くなるので役に立つ。スクリュー設計は、1つ又は複数のスクリュー要素が、押出機通気口からの水のフラッシング及び除去を増強するように最適化され得る。高せん断速度からの混合物のより高い表面積は、拡散及び/又は対流による物質輸送の制限を低減することによって役に立ち得る。当然ながら、押出機内又は押出機ゾーン内の温度及び圧力は、熱力学的平衡において水が液体状態で存在するか又は蒸気状態で存在するかを決定し得る。真の平衡は存在してもしなくてもよい。
化学工学の当業者は、ツインスクリューシステムを用いて実験を行い、通気口の数及びサイズ、真空圧、スクリュー又はローター設計、並びにシステム内のプロセス条件を変更して、脱水又は乾燥の所望の程度を達成するために必要とされる通気口の数を決定することができる。代替的又は付加的に、化学工学の当業者は、ツインスクリューシステムをシミュレートし、通気口の数、真空圧、及びプロセス条件を変更して、脱水又は乾燥の所望の程度を達成するために必要とされる通気口の数を計算又は推定することができる。例えば、各通気口は、蒸気が完全に解放され、且つ固体取込みのない、1つの平衡フラッシュ段階としてモデル化できることが仮定され得る。実際には、ツインスクリューシステムにおける高表面積(薄膜)により、各通気口において2回以上の平衡フラッシュが生じ得る。
任意選択的な粉砕装置が存在する場合、システムの出口(例えば、押出機出口)が本質的に粉砕装置の入口であるように、粉砕装置はシステムの出口に直接接続され得る。代替的に、ナノセルロース分散濃縮物は出口から捕集され、次に、潜在的にその後の時点及び/又は異なる場所で粉砕装置に導入されてもよい。粉砕装置は、例えば、ハンマーミル、ボールミル、ジェットミル、インパクトクラッシャー、パルベライザー、ケージミル、グラインダー、又は押出機から選択され得る。粉砕装置は、ナノセルロース分散濃縮物の粒子サイズを、例えば約10ミクロン~約1ミリメートルの平均サイズ範囲、例えば、約25、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は950ミクロンまで低下させるように動作され得る。
本発明のいくつかの変形は、必ずしも分散/乾燥剤を使用するとは限らない。これらの変形のいくつかにおいて、ナノセルローススラリー脱水システムは、
ナノセルローススラリー供給サブシステムであって、ナノセルローススラリーがナノセルロース及び水を含む、ナノセルローススラリー供給サブシステムと、
ナノセルローススラリー供給サブシステムと連通するツインスクリューシステムであって、ナノセルローススラリーをせん断するように構成され、且つナノセルローススラリーから水の少なくとも一部を除去するために1つ又は複数のシステム通気口を有するように構成されたツインスクリュー押出機と、
ナノセルローススラリーを含有する粉末を生成するように構成された、任意選択的な粉砕装置と、
脱水ナノセルロースを回収するための出口と
を含む。
本発明は、上記のように、システム及び方法の両方を提供する。図1の例示的な略図は、システム(システム要素(例えば、ツインスクリュー押出機)が示される)、及び方法(方法ステップ(例えば、ツインスクリュー押出機を通る搬送)が示される)の両方を説明する。図1において、分散/乾燥剤は任意選択的であるが、好ましい。ナノセルローススラリーを分散/乾燥剤と混合するための混合ユニットは任意選択的である。また、ナノセルローススラリーを予備濃縮するための遠心分離機又はろ過ユニットも任意選択的である。いくつかの好ましい実施形態では、分散/乾燥剤が使用され、遠心分離機又はろ過ユニットが含まれる。粒子グラインダーは任意選択的である。
図2は、本発明のいくつかの方法を示す例示的なフローチャートを提供する。ナノセルローススラリーを脱水又は乾燥させるための方法は、連続的、半連続的、又はバッチ式であり得る。
本発明は、ナノセルローススラリーを脱水及び任意選択的に乾燥させるための方法を提供し、本方法は、
(a)ナノセルロース及び水を含むナノセルローススラリーを提供するステップと、
(b)ナノセルロースに適合するように選択され、好ましくは、最終用途に適合するように選択された分散/乾燥剤を提供するステップと、
(c)ツインスクリューシステム(例えば、ツインスクリュー押出機又はツインローターミキサー)において、ナノセルローススラリー及び分散/乾燥剤を徹底的に混合するステップと、
(d)ツインスクリューシステムにおいて、1つ又は複数のシステム通気口を通してナノセルローススラリーから水の少なくとも一部を除去して、ナノセルロース分散濃縮物を生成するステップと、
(e)任意選択的に、ナノセルロース分散濃縮物を粉砕して、残留水分を有していてもいなくてもよい粉末を生成するステップと、
(f)ナノセルロース分散濃縮物を固体形態又は液体形態で回収するステップと
を含む。
いくつかの実施形態において、ナノセルローススラリーは、ステップ(c)の前に、ナノセルローススラリーから水の少なくとも一部を除去するために、ナノセルローススラリー予備濃縮ステップにおいて予備濃縮される。ナノセルローススラリー予備濃縮ステップは、例えば、遠心分離及び/又はろ過であり得る。
分散/乾燥剤は、例えば、ワックス、ポリオレフィン、オレフィン-無水マレイン酸コポリマー、オレフィン-アクリル酸コポリマー、ポリオール、脂肪酸、脂肪アルコール、ポリオール-グリセリドエステル、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン-アルキルエステル、ポリアクリルアミド、デンプン、セルロース誘導体、微粒子、及びこれらの組合せ又は反応生成物からなる群から選択され得る。種々の分散/乾燥剤についてのさらなる議論は、本明細書において後で見出すことができる。
いくつかの実施形態において、分散/乾燥剤は、ステップ(c)の前に、ナノセルローススラリーに添加される。これら又は他の実施形態において、分散/乾燥剤は、例えば添加剤入口ポートを通して、直接ツインスクリューシステムに添加され得る。好ましくは、ナノセルローススラリー及び分散/乾燥剤は、混合物をツインスクリューシステムに添加する前に、攪拌混合タンク又はインラインミキサーなどの混合ユニット(図1を参照)において混ぜ合わされる。特定の実施形態において、ナノセルローススラリー供給サブシステムは、ナノセルローススラリー及び分散/乾燥剤を攪拌するように構成される。
ツインスクリューシステムは、共回転ツインスクリュー押出機、逆回転ツインスクリュー押出機、又は別のタイプのツインスクリュー押出機(例えば、ギアポンプ押出機)などのツインスクリュー押出機であり得る。ツインスクリュー押出機のいくつかの設計及び動作原理は、上記で議論された。
ツインスクリューシステム温度は、好ましくは、モニター及び制御される。システム温度はシステム内部の材料の温度を指し、外側のバレル又はミキサーボウルの温度ではないが、バレル又はミキサーボウル温度が測定され、システム温度と相関されてもよい。ツインスクリュー押出機が複数の押出機ゾーンを含有する場合、押出機ゾーンのそれぞれのゾーン温度は、独立してモニター及び制御されることが好ましい。温度の制御は、周知の技術を用いてコンピュータにより実行されるプログラム可能な制御論理を利用し得る。
ツインスクリューシステムは、例えば約120℃~約250℃の平均システム温度で動作され得る。平均システム温度は、全ての測定温度の平均として計算されてもよいし、又は温度測定値及び他のパラメータ(例えば、放出される水の量、出口での固体濃度など)に基づいて推定されてもよい。連続ツイン押出機押出機において、ゾーン温度、すなわち異なる空間点での温度が測定され得る。バッチ又はセミバッチツインローターミキサーにおいて、異なる時点での温度を測定することができ、システムは一定の温度であっても、時間と共に変化する温度であってもよい。ツインスクリュー押出機の場合、スクリューの周り及びスクリュー間の局所温度プロファイルは通常複雑なので、所与の押出機ゾーンにおいても、測定温度はそのゾーン内の平均を表す。種々の実施形態において、平均押出機温度は、約、少なくとも約、又は最大で約120℃、125℃、130℃、135℃、140℃、145℃、150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、200℃、210℃、220℃、230℃、240℃、又は250℃である。
ツインスクリューシステムは、例えば約150℃~約300℃の最大押出機温度で動作され得る。種々の実施形態において、最大システム温度は、約、又は最大で約150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、200℃、210℃、220℃、230℃、240℃、250℃、260℃、270℃、280℃、290℃、又は300℃である。ツインスクリューシステムは、好ましくは、ナノセルロースの熱分解開始温度(以下で定義される)よりも低い最大システム温度で動作される。
特定の連続的な実施形態では、ゾーン温度は、ツインスクリュー押出機の長さに沿って上昇する。他の特定の実施形態では、ゾーン温度は、ツインスクリュー押出機の長さに沿って低下する。また、押出機に沿って単調でない温度プロファイルを有することも可能である。
ツインスクリューシステムは、水蒸気、熱油、電気加熱素子、及びこれらの組合せからなる群から選択される熱伝達媒体によって加熱され得る。ツインスクリューシステムは、冷却水、空気、油、及びこれらの組合せからなる群から選択される熱伝達媒体によって冷却され得る。加熱及び冷却構成は、所望の温度プロファイル、スループット、存在する材料、せん断速度、スクリュー又はローター設計、及び他のパラメータに基づいて設計され得る。
連続ツインスクリュー押出機は、軸方向せん断速度及び半径方向せん断速度を含む広範囲のせん断速度で動作され得る。本発明の範囲を全く限定することなく、ツインスクリュー押出機は、約10s-1~約200s-1、例えば、約、又は少なくとも約20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、又は190s-1の平均軸方向せん断速度で動作され得る。本発明の範囲を全く限定することなく、ツインスクリュー押出機は、約100s-1~約10000s-1(103/s)、例えば、約、又は少なくとも約110、125、150、200、300、400、500、1000、2000、3000、4000、又は5000s-1の平均半径方向せん断速度で動作され得る。通常、半径方向せん断速度は、軸方向せん断速度よりも著しく高い。特に半径方向せん断の場合、局所せん断速度は、平均せん断速度よりも実質的に高いことがあることに留意されたい。
バッチ又はセミバッチツインローターミキサーは、広範囲のせん断速度で動作され得る。本発明の範囲を全く限定することなく、ツインローターミキサーは、約10s-1~約10000s-1、例えば、約、又は少なくとも約25、50、100、125、150、200、300、400、500、1000、2000、3000、4000、又は5000s-1の平均半径方向せん断速度で動作され得る。
ツインスクリューシステムは、例えば約30秒~約120分の平均ナノセルロース滞留時間で動作され得る。種々の実施形態において、平均ナノセルロース滞留時間は、約、少なくとも約、又は最大で約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、又は100分である。ツインスクリューシステムがバッチシステムである場合、滞留時間はバッチ時間である(例えば、実施例1において、滞留時間は90分である)。
多相システムは、異なる相に対して別個の滞留時間分布を有するので、且つ水の少なくとも一部がツインスクリュー押出機から出るので、水の滞留時間は一般に様々であろう。種々の実施形態において、水の平均滞留時間は、約、少なくとも約、又は最大で約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10分である。
ツインスクリュー押出機内での材料の滞留時間分布は、押出機が完全充填されるか、又は欠乏供給(starve-fed)されるかに依存するであろう。完全充填される押出機は、動作中、封入空気を除いて内部体積の全てにおいて材料が存在することを意味する。欠乏供給される押出機において、動作中、材料(ナノセルロース又は水)を含有しない押出機の内部領域が存在する。スクリュー間隙がより多く充填されるほど、ナノセルロース滞留時間分布は狭くなる。反対に、スクリューがより欠乏するほど、ナノセルロース滞留時間分布は広くなる。欠乏スクリューは、完全充填プラグフローと比較して、軸方向により十分に混合されたフローパターンを与え得る。押出機通気口を有する軸方向混合ゾーンにおける水の局所滞留時間及び物質輸送がより大きいので、軸方向混合は、水除去のために望ましい可能性がある。
いくつかの実施形態において、システム通気口の少なくとも1つは真空下で動作される。ステップ(d)が複数のシステム通気口を利用する場合、システム通気口のそれぞれが真空下で動作されてもよいし、又はシステム通気口の全てが真空下で動作されなくてもよい。
ステップ(d)で生成されるナノセルロース分散濃縮物中に、ナノセルロースは、例えば、約10wt%~約90wt%の濃度で存在し得る。
出発ナノセルローススラリーはそれ自体、様々なナノセルロース濃度、例えば約1wt%~約10wt%、例えば、約、又は少なくとも約、又は最大で約2、3、4、5、6、7、8、又は9wt%のナノセルロースを有し得る。予備濃縮ステップ(例えば、遠心分離)が使用される場合、ツインスクリューシステムに供給されるナノセルローススラリーは、広範なナノセルロース濃度、例えば、約10wt%~約40wt%、例えば、約、又は少なくとも約、又は最大で約5、10、15、20、又は25wt%のナノセルロースを有し得る。
本発明の種々の実施形態において、ナノセルロース分散濃縮物は、乾燥重量ベースで、約、又は少なくとも約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50wt%(全ての中間範囲を含む)のナノセルロース濃度を有し得る。ナノセルローススラリーを大幅に脱水又は乾燥させる特定の実施形態では、ナノセルロース分散濃縮物は、乾燥重量ベースで、約、又は少なくとも約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99、99.5、99.9、又は100wt%(全ての中間範囲を含む)のナノセルロース濃度を有し得る。ナノセルロースでないナノセルロース分散濃縮物の残りは、水、分散/乾燥剤、及び潜在的に他の添加剤であり得る。
種々の実施形態において、ナノセルローススラリーから除去された水を、押出機に供給された材料中に存在する全ての水で割ったものとして計算される、ツインスクリューシステムによるナノセルローススラリーからの水除去の程度は、約10%~100%で異なり得る。水除去の程度は、約、又は少なくとも約15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は99%(全ての中間範囲を含む)であり得る。
予備濃縮ステップを使用する種々の実施形態において、ナノセルローススラリーから除去された水を、ツインスクリューシステムに供給された材料中に存在する全ての水で割ったものとして計算される、システム全体(予備濃縮ユニットにおける機械的分離及びツインスクリューシステムにおける熱分離)によるナノセルローススラリーからの水除去の程度は、約25%~100%で異なり得る。水除去の程度は、約、又は少なくとも約30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、又は100%(全ての中間範囲を含む)であり得る。これらの実施形態において、予備濃縮ステップから除去される水は、例えば、システムから除去される全ての水の約10%~約90%であり得る。
分散/乾燥剤は、ナノセルロース分散濃縮物中に、例えば、約5wt%~約65wt%の濃度で存在し得る。いくつかの実施形態において、ナノセルロース分散濃縮物中のナノセルロース対分散/乾燥剤の重量比は、約0.5~約2から選択される。
ナノセルロースは、セルロースナノ結晶、セルロースナノフィブリル、ミクロフィブリル化セルロース、又はこれらの組合せを含み得る。いくつかの実施形態において、ナノセルロースはリグニン含有ナノセルロースを含む。特定の実施形態において、ナノセルロースはリグニン被覆ナノセルロースを含む。
いくつかの方法は、必ずしも分散/乾燥剤を使用するとは限らない。これらの方法のいくつかにおいて、ナノセルローススラリーを脱水するための方法は、
(a)ナノセルロース及び水を含むナノセルローススラリーを提供するステップと、
(b)任意選択的に、例えば遠心分離又はろ過により、ナノセルローススラリーを予備濃縮するステップと、
(c)ツインスクリューシステムにおいて、ナノセルローススラリーをせん断し、1つ又は複数のシステム通気口を通してナノセルローススラリーから水の少なくとも一部を除去して、脱水ナノセルロースを生成するステップと、
(d)任意選択的に、ナノセルロース分散濃縮物を粉砕して、粉末を生成するステップと、
(e)脱水ナノセルロースを固体形態又は液体形態で回収するステップと
を含む。
分散/乾燥剤が使用されない場合、ナノセルロースの不可逆的な凝集を回避するために、あまり大幅に脱水しないのが適切であり得る。上記のステップ(d)で回収される脱水ナノセルロース中に、ナノセルロースは、例えば、約10wt%~約25wt%の濃度で存在し得る。分散/乾燥剤を使用せずにナノセルロースを脱水する種々の実施形態において、脱水されたナノセルロースは、乾燥重量ベースで、約、又は少なくとも約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50wt%(全ての中間範囲を含む)のナノセルロース濃度を有し得る。
限定することなく経験則で、ナノセルローススラリーは、乾燥温度プロファイルに応じて、不可逆的な凝集が有意になり始める前に、ナノセルロースが約10~25wt%になるまで脱水され得る。その経験則にもかかわらず、ツインスクリュー押出機の使用(分散/乾燥剤を使用しない場合でも)は、ツインスクリュー押出機内で起こる特に徹底的な混合から得られる利益を提供する。例えば、ナノセルロース凝集の程度又は凝集の可逆性は、分散/乾燥剤(存在する場合)とは無関係に、他のデバイスと比較して、脱水又は乾燥のためにツインスクリューシステムが使用される場合に改善され得る。しかしながら、特にナノセルローススラリーを大幅に脱水(例えば、完全に乾燥)する場合、本発明において分散/乾燥剤を使用することが好ましい。
分散/乾燥剤を使用せずにナノセルロースを脱水又は乾燥させる種々の実施形態において、ツインスクリュー押出機によるナノセルローススラリーからの水除去の程度は、約10%~100%で異なり得る。水除去の程度は、約、又は少なくとも約15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は99%(全ての中間範囲を含む)であり得る。
予備濃縮ステップを使用するが、分散/乾燥剤を使用しない種々の実施形態において、ナノセルローススラリーから除去された水を、押出機に供給された材料中に存在する全ての水で割ったものとして計算される、システム全体(予備濃縮ユニットにおける機械的分離及びツインスクリューシステムにおける熱分離)によるナノセルローススラリーからの水除去の程度は、約25%~100%で異なり得る。水除去の程度は、約、又は少なくとも約30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は99%(全ての中間範囲を含む)であり得る。これらの実施形態において、予備濃縮ステップから除去される水は、例えば、システムから除去される全ての水の約10%~約90%であり得る。
いくつかの変形は、
(a)約5wt%~約90wt%のナノセルロースと、
(b)ナノセルロースに適合するように選択される、約5wt%~約95wt%の分散/乾燥剤と
を含むナノセルロース分散濃縮物の生成に使用され、
ここで、分散/乾燥剤は、ワックス、ポリオレフィン、オレフィン-無水マレイン酸コポリマー、オレフィン-アクリル酸コポリマー、ポリオール、脂肪酸、脂肪アルコール、ポリオール-グリセリドエステル、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン-アルキルエステル、ポリアクリルアミド、デンプン、セルロース誘導体、微粒子、及びこれらの組合せ又は反応生成物からなる群から選択され、
且つ、ナノセルロース分散濃縮物は、固体形態又は液体形態である。
いくつかの実施形態において、ナノセルロースは約10wt%~約90wt%の濃度で存在し、分散/乾燥剤は、約5wt%~約65wt%の濃度で存在する。種々の実施形態において、ナノセルロースは、約、少なくとも約、又は最大で約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、又は90wt%(全ての中間範囲を含む)の濃度で存在する。これら又は他の実施形態において、分散/乾燥剤は、約、少なくとも約、又は最大で約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、又は95wt%(全ての中間範囲を含む)の濃度で存在する。
いくつかの実施形態において、ナノセルロース及び分散/乾燥剤の合計は、約、少なくとも約、又は最大で約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99、又は100wt%である。ナノセルロース分散濃縮物は、本質的に、ナノセルロース及び分散/乾燥剤からなっていてもよく、すなわち、任意の他の機能性成分が存在しなくてもよい。
いくつかの実施形態において、ナノセルロース対分散/乾燥剤の重量比は、約0.5~約2から選択される。種々の実施形態において、ナノセルロース対分散/乾燥剤の重量比は、約、少なくとも約、又は最大で約0.1、0.2、0.5、0.75、0.9、1、1.1、1.25、1.5、1.8、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10(全ての中間範囲を含む)である。
ナノセルロース分散濃縮物は、完全に乾燥していてもよいし、約0.1wt%~約90wt%の濃度の水を含有していてもよい。種々の実施形態において、ナノセルロース分散濃縮物は、約、又は最大で約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、又は70wt%の水(全ての中間範囲を含む)を含有する。
ナノセルロース分散濃縮物はさらに、水、C1~C8アルコール、C2~C8ポリオール、及びこれらの組合せからなる群から選択される極性液体溶媒などの液体溶媒を含み得る。付加的又は代替的に、芳香族炭化水素、例えば、トルエン、キシレン、又はリグニン誘導体などの非極性液体溶媒が存在し得る。
いくつかの実施形態において、ナノセルロース分散濃縮物はさらに、天然ゴム又は合成ゴムなどのエラストマーを含む。ナノセルロース分散濃縮物中のエラストマーの濃度は、約0.1wt%~約80wt%、例えば、約0.2、0.3、0.4、0.5、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、又は75wt%であり得る。
ナノセルロース分散濃縮物は、ナノセルロース、水、分散/乾燥剤、及び溶媒に加えて、添加剤又は他の成分を含有し得る。例えば、添加剤は、相溶化剤、可塑剤、酸化防止剤、着色剤、難燃剤、造核剤、粘度調整剤、密度調整剤、殺有害生物剤、除草剤、細菌消毒薬、ウィルス不活性化剤などを含み得る。このような添加剤は、製造された後のナノセルロース分散濃縮物に添加されてもよいし、又は、例えばナノセルローススラリー供給サブシステムなどにおいて、ツインスクリュー押出機上流のプロセスに導入されてもよい。
ナノセルロース分散濃縮物は、対象のマトリックス(例えば、ポリマー)中に好ましくは再分散可能なナノセルロースを含有する組成物である。ナノセルロース分散濃縮物の再分散性は、必ずしもポリマーではない他の系、例えば、水、プロパノール、又は他の液体若しくは固体においても試験又は表示され得る。
特定の実施形態では、ナノセルロース分散濃縮物又は脱水ナアノセルロースは、水溶液中に再分散される。このような実施形態の典型的な例では、ナノセルロースを輸送するために出発ナノセルローススラリーから水が除去され(水の重量の輸送を回避するため)、使用場所で異なる水が加え戻される。好ましくは、ナノセルロースは、均質化又は他の機械的リファイニング(標準的な産業混合以外に)を必要とすることなく、ナノセルローススラリーを形成するために水中に容易に分散可能である。例えば、ナノセルロース分散濃縮物粉末は、タンク攪拌により、例えば30分間で、非常に容易に水中で個々のナノ粒子にばらばらになり得る。
ナノセルロース分散濃縮物又は脱水ナノセルロースは、ツインスクリュー押出機から回収され、任意選択的に包装され得る。包装は、例えば、小さい容器、管、バイアル、ジャー、バッグ、スーパーサック、又はバケツであり得る。特定の実施形態では、ナノセルロース分散濃縮物は、乾燥粉末などの粉末形態で貯蔵される。いくつかの実施形態において、ナノセルロース分散濃縮物は、特定の複合体系に合わせた使用説明書と共に包装されたナノセルロース分散濃縮物を含むキットの一部である。
分散/乾燥剤は、好ましい実施形態で使用される場合、選択されたナノセルロースとの適合性、及び好ましくは最終用途の製品との適合性に基づいて選択される。いくつかの実施形態において、分散/乾燥剤は、ナノセルロース中に存在する極性基と水素結合することができる化学成分及び/又は官能基を含有する。ナノセルロース極性基は少なくとも-OHを含み、ある程度-O-を含む。官能基化ナノセルロースが利用される場合には、他の極性基が存在し得る。他の実施形態では、分散/乾燥剤は、必ずしも、ナノセルロース中に存在する極性基と水素結合できるわけではない。これら又は他の実施形態において、分散/乾燥剤は、粒子スペーサーの役割を果たす成分を含有する。粒子スペーサーはナノセルロース粒子を物理的に分配するだけでなく、ナノセルロース相をはじくこともない。ナノセルロースをはじくと、ナノセルロースの自己会合及び凝集が起こり、乾燥中の不可逆的な結合につながるので、これは重要である。むしろ、分散/乾燥剤内の粒子スペーサーは、ナノセルロースがこのようにして会合することを防止し、それにより、不可逆的な凝集を低減又は防止する。
また分散/乾燥剤は、経済(コスト又は利用可能性)、現場で副産物としてそれを製造できること、又はその環境的持続可能性にも基づいて選択され得る。いくつかの実施形態において、分散/乾燥剤はバイオベースであり、生分解性であり、及び/又は堆肥化可能である。
いくつかの実施形態において、分散/乾燥剤は、ナノセルロース及び任意選択的にナノセルロース-ポリマー複合体製品に適合するように官能基化された官能基化ポリアルキレンワックスである。本明細書で使用される場合、「官能基化された」水素含有化合物は、少なくとも1つの水素原子が官能基によって置換されたものである。限定するものではないが、-Hは、-OH、-COOH、=O、又は他の酸素含有官能基によって置換され得る。特定の実施形態では、例えば、-Hは、非酸素含有官能基、例えば、金属、ハロゲン、窒素、硫黄、又はこれらの成分を含有する基によって置換され得る。
官能基化ポリアルキレンワックスは、官能基化ポリエチレンワックス、官能基化ポリプロピレンワックス、官能基化ポリブチレンワックス、又はこれらの組合せであり得る。特定の実施形態では、分散/乾燥剤は、エチレン又は官能基化エチレンの低分子量オリゴマー又はポリマーである。官能基化エチレンが利用される場合、各繰返し単位は、他の官能基によって置換されている平均約0.1~約4.0個の水素原子を有し得る。エチレン又は官能基化エチレンの数平均重合度は、2~1000、例えば5~500であり得る。種々の実施形態において、エチレン又は官能基化エチレンの数平均重合度は、少なくとも、又は最大で、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、25、50、75、100、150、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000(全ての中間範囲を含む)である。
いくつかの実施形態において、分散/乾燥剤は、(a)1つ又は複数のC2~C4オレフィンと、(b)無水マレイン酸とのコポリマーである。C2オレフィンはエチレンであり、C3オレフィンはプロピレンであり、C4オレフィンは、1-ブテン、2-ブテン、イソブテン、ブタジエン、又はこれらの組合せである。C2~C4オレフィンは、官能基化エチレンなどの官能基化オレフィンであり得る。無水マレイン酸は式C2H2(CO)2Oを有する有機化合物であり、マレイン酸の酸無水物である。本明細書における目的のために、マレイン酸のポリマー又はその塩も、無水マレイン酸のポリマーであるとみなされる。例えば、無水マレイン酸は、5-ヒドロキシメチルフルフラールから製造することができ、5-ヒドロキシメチルフルフラール自体はバイオマスから誘導され得る(グルコース脱水)。またC2~C4オレフィンも、例えば、糖の発酵により生じるアルコールの脱水によって、バイオマスから製造することができる。
C2~C4オレフィン及び無水マレイン酸のコポリマーは、ブロックコポリマー、交互コポリマー、ランダムコポリマー、又はこれらの組合せであり得る。オレフィンがエチレンである場合、例えば、コポリマーは、ポリ(エチレン-alt-無水マレイン酸)及び/又はポリ(エチレン-graft-無水マレイン酸)であり得る。グラフトコポリマーは、ホモポリマーの1つ又は複数のブロックが枝として主鎖にグラフトされたタイプのコポリマーであり、ホモポリマーの1つ又は複数の側鎖が主鎖の骨格に結合された分枝状コポリマーであることを意味する。したがって、ポリ(エチレン-graft-無水マレイン酸)は、エチレンがマレイン酸又は無水マレイン酸によって官能基化された、官能基化エチレンのポリマーであると考えることもできる。このタイプのコポリマーは、マレイン化ポリエチレンとも呼ばれ得る。
いくつかの実施形態において、分散/乾燥剤は、(a)1つ又は複数のC2~C4オレフィンと、(b)アクリル酸とのコポリマーである。C2オレフィンはエチレンであり、C3オレフィンはプロピレンであり、C4オレフィンは、1-ブテン、2-ブテン、イソブテン、ブタジエン、又はこれらの組合せである。C2~C4オレフィンは、官能基化エチレンなどの官能基化オレフィンであり得る。アクリル酸は、式CH2=CHCOOHを有する有機化合物である。本明細書における目的のために、アクリル酸のポリマー又はその塩も、無水アクリル酸のポリマーであるとみなされる。
C2~C4オレフィン及びアクリル酸のコポリマーは、ブロックコポリマー、交互コポリマー、ランダムコポリマー、又はこれらの組合せであり得る。通常、アクリル酸は、エチレン重合(例えば、フリーラジカル共重合)と同様に、その二重結合を越えて重合して、グラフトコポリマー、又はエチレンがアクリル酸によって官能基化された官能基化エチレンのポリマーと考えることができるコポリマーをもたらす。
いくつかの実施形態において、分散/乾燥剤は、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロール、ブチレングリコール、ポリブチレングリコール、ブタンジオール、又はこれらの組合せから選択されるポリオールを含む。いくつかの実施形態において、ポリオールは、ステアリン酸などの脂肪酸によってエステル化される。
特定の実施形態では、分散/乾燥剤はグリセロールであるか、又はグリセロールを含むか、又は溶媒としてのグリセロール中に溶解される。グリセロールは、高い沸点(約290℃)、及び3つのヒドロキシル基(C原子当たり1つのOH基)を有する。ナノセルロースが乾燥されると、グリセロールは、水素結合の形成によってナノセルロース粒子の間に入ることができ、これにより、そうでなければナノセルロース粒子の間に生じ得るH結合の形成、及び結果として生じる凝集が阻止される。グリセロールの高い沸点は、乾燥粉末での使用にとって有益である。粉末は、ポリ乳酸(PLA)などの疎水性のポリマーマトリックス中に分散され得る。ナノセルロース粒子間のグリセロールは、PLAが押出加工される際に可塑剤として機能してもよいし、又はグリセロールは、加工中に真空によって除去されてもよいし、若しくはこれらの組合せであってもよい。
分散/乾燥剤は、100℃で1.0バール未満の蒸気圧、及び任意選択的に、180℃で0.001バール超、0.01バール超、又は0.1バール超の蒸気圧を有する極性分子であり得る。高温で比較的高い蒸気圧は、例えば、最終のポリマーの配合中に分散/乾燥剤を除去することが望ましい場合に有益であり得る。極性添加剤は、ポリオール、例えば、エチレングリコール、グリセロール、ブタンジオールなどであり得る。いくつかの実施形態において、極性添加剤は、炭素原子当たり少なくとも0.5個のOH基、例えば、炭素原子当たり少なくとも1.0個のOH基を含有する。OH基は、乾燥中のナノ粒子間の不可逆的な結合を防止する。極性添加剤は、有機でも無機でもよい。
いくつかの実施形態において、分散/乾燥剤は脂肪酸を含む。脂肪酸は、飽和又は不飽和の長い脂肪族鎖を有するカルボン酸である。天然に存在するほとんどの脂肪酸は、4~28個の偶数の炭素原子の非分枝鎖を有する。本明細書中の脂肪酸は、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、又はこれらの組合せから選択され得る。不飽和及び/又は分枝状である脂肪酸が使用されてもよい。
いくつかの実施形態において、分散/乾燥剤は脂肪アルコールを含む。脂肪アルコールは、4~26個の範囲の炭素原子を有する直鎖第1級アルコールである長鎖アルコールである。例示的な脂肪アルコールとしては、ラウリルアルコール(ドデカノール)、ステアリルアルコール、及びオレイルアルコールが挙げられる。脂肪アルコールは、油性液体(より小さい炭素数の場合)又はワックス状固体であってもよい。脂肪アルコールは、通常、偶数の炭素原子と、末端炭素に結合した単一のアルコール基(-OH)とを有する。不飽和のものもあれば、分枝状のものもある。不飽和及び/又は分枝状である脂肪アルコールが使用されてもよい。奇数の炭素原子を有する脂肪アルコールが使用されてもよい。エチレンをオリゴマー化することができ、オリゴマーはヒドロホルミル化を受けて、奇数のアルデヒドを生じ、これは続いて、水素化され得る。例えば、1-デセンから、ヒドロホルミル化によりC11アルコールが生じる。
いくつかの実施形態において、分散/乾燥剤は、シロキサンベースの添加剤を含む。シロキサンベースの添加剤は、メチル、C2~C24アルキル、エポキシド、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシル、アクリレート、及びこれらの組合せからなる群から選択される1つ又は複数の官能基を有するシロキサン又はポリシロキサン材料を含み得る。例示的なシロキサンベースの添加剤は、ポリジメチルシロキサンである。
シロキサンベースの添加剤は、好ましくは、疎水性部分及び親水性部分を提供する。通常、疎水性部分及び親水性部分は、分子又はポリマー鎖の反対の末端にある。シロキサンベースの添加剤は、好ましくは、水中のエマルションとして存在する。特定の実施形態では、分散/乾燥剤は、アルキルエステルポリジメチルシロキサンエマルションを含む。エマルションと共にナノセルロースを乾燥している間、ナノセルロースは乾燥中に油相液滴を包囲し、そして水が除去されるときにナノセルロースは油相内に引きずり込まれる。特定の実施形態では、シロキサンベースの添加剤は、乾燥中に水素結合を阻止する助剤として機能する。
いくつかの実施形態において、分散/乾燥剤は、デンプン、例えば、カチオンデンプン、両性デンプン、熱可塑性デンプン、又はこれらの組合せを含む。
カチオンデンプンは正に帯電しており、これは、ナノセルロース粒子がやや負の表面電荷を有する場合に望ましいことがある。例示的なカチオンデンプンは、第4級アンモニウムカチオンデンプン及び第4級アミノカチオンデンプンを含む。
両性デンプンは、正及び負に帯電した置換基を含有する加工デンプンである。例示的な両性デンプンは、第4級アンモニウムカチオン基と、アニオン基としてのリン酸基とを含有する。
熱可塑性デンプンは、デンプンのヒドロキシル基と水素結合することができる、比較的低いレベル(例えば、15~30wt%)の分子によって可塑化されたデンプンである。デンプン可塑剤は、水、ポリオール(例えば、グリセロール)、ペンタエリトリトール、糖アルコール(例えば、ソルビトール)、ポリ(オキシエチレン)、ポリ(オキシプロピレン)、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、又はこれらの組合せであり得る。
いくつかの実施形態において、分散/乾燥剤は微粒子を含む。微粒子は、クレイ、ナノクレイ、タルク、ウォラストナイト、炭酸カルシウム(例えば、沈降炭酸カルシウム)、シリカ、マイカ、カオリン、ニッケル、ガラス繊維、ベントナイト、黒雲母、イライト、カオリン、バーミキュライト、ゼオライト、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、又はこれらの組合せから選択され得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、微粒子は、好ましくは正電荷である表面電荷を有する。低pHでの酸性溶液処理などの既知の表面処理を使用して、微粒子上に表面電荷を提供することができる。界面接着を改善するためのシリル化など、微粒子のための他の表面処理が行われてもよい。
特定の実施形態では、分散/乾燥剤は、少なくとも1つの脂肪酸及び少なくとも1つの微粒子を含む。脂肪酸及び微粒子は非反応形態で存在してもよいし、又は分散/乾燥剤中で互いに反応されてもよい。これらの実施形態では、分散/乾燥剤は、例えば、(a)カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、又はこれらの組合せから選択される脂肪酸と、(b)クレイ、ナノクレイ、タルク、ウォラストナイト、炭酸カルシウム、シリカ、マイカ、カオリン、リモナイト、ガラス繊維、ベントナイト、黒雲母、イライト、カオリン、バーミキュライト、ゼオライト、又はこれらの組合せとを含み得る。脂肪酸及び微粒子の両方を有する例示的な分散/乾燥剤には、タルク及びステアリン酸が含まれる。脂肪酸及び微粒子の両方を有する別の例示的な分散/乾燥剤には、炭酸カルシウム及びステアリン酸が含まれる。
種々の実施形態において、分散/乾燥剤は、カルシウム又は亜鉛などの金属カチオンと関連してアイオノマーを含み、中性塩を形成する。種々の実施形態において、分散/乾燥剤は、アニオンと関連して、正電荷を有する成分(例えば、表面帯電微粒子又はカチオンデンプン)を含み、中性塩を形成する。
存在する場合、分散/乾燥剤は、分散及び乾燥されるナノセルロースの性質に基づいて選択されなければならない。特に、ナノセルロースの親水性は、少なくとも部分的に、適切な分散/乾燥剤を決定し得る。適切な分散/乾燥剤を選択する際に、組成、粒子サイズ、融点、及び他の因子も考慮され得る。
親水性分子又は分子の一部は、水及び他の極性物質との相互作用が、油又は他の疎水性溶媒との相互作用よりも熱力学的に有利なものである。親水性分子は、通常、電荷分極されており、水素結合することができる。一方、疎水性分子は、水又は他の極性分子に引き付けられない。ナノセルロースは、通常、非常に親水性であるが、そうでないこともある。いくつかの実施形態において、例えば、リグニン含有ナノセルロースは、比較的疎水性である。リグニン自体は純粋に疎水性ではないので、リグニン含有ナノセルロースにおいても、通常、まだいくらか親水性が存在する。
好ましい実施形態において、分散/乾燥剤(又は分散/乾燥剤の一部)の親水性は、ナノセルロースの親水性に一致、又は類似するように選択され、したがって、これらは相結合し、分散/乾燥剤は、ナノセルロースの領域を離間させる。
いくつかの実施形態において、分散/乾燥剤の親水性は、少なくとも部分的に、ポリマーの親水性又は最終複合体すなわち最終仕様製品中の他のマトリックス材料にも基づいて選択される。分散/乾燥剤は、例えば分子の2つの末端において、親水性成分及び疎水性成分の両方を有するように設計され得る。このような実施形態では、例えば、親水性末端はナノセルロース表面に付着するが、疎水性末端は、配合の間に疎水性ポリマー上に捉えられる。
いくつかの実施形態において、分散/乾燥剤は、その融点に基づいて選択される。これらの実施形態では、分散/乾燥剤は、ナノセルロース分散濃縮物の乾燥中に、少なくとも部分的に融解する。乾燥したナノセルロース分散濃縮物が冷却されると、分散/乾燥剤は、ナノセルロースが均一に分散された固相に戻る。一例として、ポリエチレンワックス(官能基化された変形を含む)は、およそ100~150℃の範囲の融点を有する。ツインスクリューシステムの少なくとも一部は、選択された分散/乾燥剤の融点以上で動作されなければならない。
分散/乾燥剤は、ナノセルロースの分散の増強に加えて、他の機能を有し得る。例えば、いくつかの実施形態において、分散/乾燥剤は、相溶化剤(マトリックス材料とナノセルロースとの間)、可塑剤、密度調整剤、粘度調整剤、又は靱性調整剤として機能し得る。分散/乾燥剤は、最終材料に、色又は質感などの補助的な特質も提供し得る。
いくつかの変形において、技術的なスキームには、以下のステップが提供される(図2のフローチャートも参照)。第1に、ナノセルローススラリーが提供される。第2に、分散/乾燥剤がナノセルロース及び好ましくは最終複合材料に適合するように、選択されたナノセルロース材料に基づいて、分散/乾燥剤が選択される。第3に、任意選択的に、ナノセルローススラリーが、遠心分離機又はろ過装置を用いて予備濃縮される。第4に、分散/乾燥剤と、ナノセルロースと、任意選択的に他の成分とを組み合わせ、1つ又は複数のシステム通気口からの水の放出を伴うツインスクリューシステムを通して材料を搬送することによって、ナノセルロース分散濃縮物が作製される。第5に、任意選択的に、ナノセルロース分散濃縮物が粉砕されて、乾燥粉末(例えば、10wt%未満の水)を生成し得る。第6に、任意選択的に、最終用途において、例えば、ナノセルロースとポリマーなどのマトリックス材料とを含有する組成物製品を製造するために、ナノセルロース分散濃縮物が使用され得る。ナノセルロースはマトリックス材料のいくつかの特性(例えば、機械的強度、粘度など)を改善することもできるし、又は再生可能な内容物を材料に提供することもできる。
いくつかの変形は、ナノセルロース分散濃縮物を製造するための方法を提供し、本方法は、
ナノセルロース及び水を含むナノセルローススラリーを提供するステップと、
ナノセルロースに適合するように分散/乾燥剤を選択するステップであって、分散/乾燥剤が、ワックス、ポリオレフィン、オレフィン-無水マレイン酸コポリマー、オレフィン-アクリル酸コポリマー、ポリオール、脂肪酸、脂肪アルコール、ポリオール-グリセリドエステル、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン-アルキルエステル、ポリアクリルアミド、デンプン、セルロース誘導体、微粒子、及びこれらの組合せ又は反応生成物からなる群から選択されるステップと、
任意選択的に、ナノセルローススラリーを予備濃縮して、水の第1の部分を除去するステップと、
ツインスクリューシステムを用いて、ナノセルローススラリー及び分散/乾燥剤を混合し、少なくとも水の第2の部分(又は、予備濃縮ステップが省略される場合には第1の部分)を除去して、ナノセルロース分散濃縮物を生成するステップと、
任意選択的に、ナノセルロース分散濃縮物を粉砕して、粉末を生成するステップと、
ナノセルロース分散濃縮物を固体形態又は液体形態で回収するステップと
を含む。
ナノセルローススラリー中の水は、少なくとも部分的に、別の極性溶媒によって置き換えることができる。通常、ナノセルロースは水溶液中で製造されるが、厳密に必須というわけではない。ナノセルロースを製造するためのバイオマス分画手順は、原則として、水の代わりに又は水に加えて、グリセロール又はエタノールなどの極性溶媒を使用する。したがって、本開示の大部分は、出発ナノセルローススラリー中の主要な又は唯一の極性溶媒として水に言及しているが、水以外の1つ又は複数の極性溶媒が利用され得ることは理解されるであろう。
いくつかの変形において、ナノセルロース分散濃縮物を製造するための方法は、
ナノセルロース及び水を含むナノセルローススラリーを提供するステップと、
ナノセルロースに適合するように分散/乾燥剤を選択するステップであって、分散/乾燥剤が、ワックス、ポリオレフィン、オレフィン-無水マレイン酸コポリマー、オレフィン-アクリル酸コポリマー、ポリオール、脂肪酸、脂肪アルコール、ポリオール-グリセリドエステル、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン-アルキルエステル、ポリアクリルアミド、デンプン、セルロース誘導体、微粒子、及びこれらの組合せ又は反応生成物からなる群から選択されるステップと、
ナノセルローススラリー及び分散/乾燥剤を混合して、混合物を生成するステップと、
機械的分離を用いて、混合物を予備濃縮する、及び/又は分散/乾燥剤との混合の前にナノセルローススラリーを予備濃縮するステップと、
ツインスクリューシステムを用いて、水の少なくとも一部を除去して、ナノセルロース分散濃縮物を生成するステップと、
任意選択的に、ナノセルロース分散濃縮物を粉砕して、粉末を生成するステップと、
ナノセルロース分散濃縮物を固体形態又は液体形態で回収するステップと
を含む。
本明細書に開示される全ての方法は、バッチ式で、連続的に、又は半連続的に実行され得る。実験室規模、パイロット規模、セミワーク規模、及び商業規模を含め、フィードスルーアウト(feed throughout)は大きく異なり得る。
様々な実施形態において、ナノセルロース分散濃縮物は、約、又は最大で約70wt%、60wt%、50wt%、45wt%、40wt%、35wt%、30wt%、25wt%、20wt%、15wt%、10wt%、9wt%、8wt%、7wt%、6wt%、5wt%、4wt%、3wt%、2.5wt%、2wt%、1.5wt%、1wt%、0.9wt%、0.8wt%、0.7wt%、0.6wt%、0.5wt%、0.4wt%、0.3wt%、0.2wt%、0.1wt%、0.05wt%、0.01wt%、又は0wt%(任意の中間範囲を含む)の水分濃度の水(例えば、約0.5~1.5wt%の水又は約0.1~7wt%の水)を含有し得る。
ナノセルロースは、非結合水分及び結合水分を特徴とし得る。この比率は一般に、他の因子が全て同じである非リグニン含有ナノセルロースと比べて、リグニン含有ナノセルロースでは異なる。したがって、装置の配置及び動作パラメータは、システム供給物中の非結合水分対結合水分の比率に適応され得る。いくつかの実施形態において、予備濃縮ステップ(例えば、ろ過又は遠心分離による)は非結合水の除去を標的とし、高せん断力と熱エネルギーとの併用により、ツインスクリューシステムは結合水を除去することができる。
本発明は、様々な種類のナノセルロース材料に対応する。ナノセルロースは、化学的手段、機械的手段、又は化学的及び機械的手段の組合せを用いて、バイオマスをサブミクロンのセルロースナノフィブリル又はナノ結晶に破壊することによって製造することができる。細菌ナノセルロース及び尾索類由来のナノセルロースなどのナノセルロースを製造するための他の方法も利用可能である。
通常、ナノセルロースの製造は、2つの主要な段階で起こる。第1の段階は、リグニン、ヘミセルロース、抽出成分、及び無機汚染物質などのバイオマス中の非セルロース成分の大部分を除去するための、バイオマスの精製である。この段階は通常、従来のパルプ化及び漂白によって実施される。セルロースナノフィブリルの製造のために、第2の段階は、通常、必要とされる機械的エネルギーの量を低下させるための化学的処理又は酵素処理の有無にかかわらず、精製バイオマス繊維の機械的リファイニングを伴う。セルロースナノ結晶の場合、第2の段階は通常、精製繊維の酸性加水分解と、その後の高せん断機械的処理を伴う。
ナノセルロースは、酸触媒、リグニンの溶媒、及び水の存在下でリグノセルロース系バイオマスを分画して、セルロースに富んだ固体を生成した後、セルロースに富んだ固体を機械的処理して、ナノセルロース又はその前駆体を生成することから得ることができる。いくつかの実施形態において、リグニンの溶媒は、脂肪族アルコール(例えば、エタノール)であり、酸触媒は、二酸化硫黄、亜硫酸、三酸化硫黄、硫酸、元素硫黄、スルホン酸、リグノスルホン酸、及びこれらの組合せからなる群から選択される硫黄含有化合物である。
ナノセルロースは、AVAP(登録商標)リグノセルロース系バイオマス分画プロセスから得ることができる。非晶質セルロースを加水分解するために酵素又は別個の酸処理ステップを必要とすることなく、ナノ繊維又はナノ結晶の形成の間に非常に高い結晶化度が生成及び維持され得ることが見出された。高結晶化度は、機械的に強力な繊維又は良好な物理的強化特性につながることができ、これは、例えば、複合体、強化ポリマー、並びに高強度紡糸繊維及びテキスタイルにとって有利である。
いくつかの実施形態において、ナノセルロースは疎水性ナノセルロースを含む。これら又は他の実施形態において、ナノセルロースは親水性ナノセルロースを含む。特定の実施形態では、ナノセルロースは、リグニン含有セルロースナノ結晶(例えば、リグニン被覆セルロースナノ結晶)及び/又はリグニン含有セルロースナノフィブリル(例えば、リグニン被覆セルロースナノフィブリル)を含む。
いくつかの実施形態において、ナノセルロース材料は、リグニンの少なくとも一部がセルロースに富んだ固体(ナノセルロース前駆体)の表面に付着することにより、少なくとも部分的に疎水性である。これら又は他の実施形態において、ナノセルロース材料は、機械的リファイニングの後にリグニンの少なくとも一部がナノセルロース材料の表面に付着することにより、少なくとも部分的に疎水性である。
いくつかの実施形態において、酸は、約5wt%~約30wt%の濃度のSO2である。いくつかの実施形態において、分画温度は、約130℃~約180℃である。いくつかの実施形態において、分画時間は、約15分~約4時間である。プロセスは、可溶化リグニンの一部が意図的にセルロースに富んだ固体の表面に戻って付着し、それにより、セルロースに富んだ固体を少なくとも部分的に疎水性にするように制御され得る。
繊維上へのリグニンの付着を促進しやすいプロセス条件、例えば、延長された時間及び/又は温度、又は低減されたリグニンの溶媒の濃度が使用され得る。代替的又は付加的に、最初の分画の間に可溶化されたリグニンの少なくとも一部を付着させるように1つ又は複数の洗浄ステップがなされてもよい。1つのアプローチは、水及び溶媒の溶液ではなく水で洗浄することである。リグニンは通常水に溶解しないので、沈殿し始めるであろう。任意選択的に、表面に付着されるリグニンの量を最適化するために、分画、洗浄、又は他のステップの間にpH及び温度などの他の条件が変更されてもよい。任意選択的に、疎水性ナノセルロース材料を製造するための方法はさらに、リグニンを化学的に修飾して、ナノセルロース材料の疎水性を増大させることを含み得る。
代替的又は付加的に、ナノセルロースは、水蒸気又は熱水の存在下、任意選択的に分画触媒(例えば、酢酸)を用いてリグノセルロース系バイオマスを分画して、セルロースに富んだ固体を得た後、セルロースに富んだ固体の機械的リファイニングによりナノセルロースを生成することから得ることができる。これらのステップは、まとめて熱水-機械的処理と呼ぶことができる。分画のための反応溶液は、本質的に水蒸気又は熱水からなることができる。「水蒸気又は熱水」は、所与の温度及び圧力における熱力学によって決定される1つ又は複数の段階にある水を指すことに留意されたい。分画の温度は、約120℃~約220℃、例えば、約150~200℃であり得る。水は、水蒸気、過水熱蒸気、過飽和水蒸気、又は加圧液体水の形態であり得る。いくつかの実施形態において、分画ステップは、約1分~約60分、例えば、約2、2.5、3、3.5、4、5、7.5、10、12.5、15、20、25、30、35、40、45、50、又は55分の滞留時間で実行される。
熱水-機械的処理を用いる実施形態において、セルロースに富んだ固体は通常かなりの濃度のリグニンを含有する。したがって、これらの実施形態は、疎水性ナノセルロースが所望される場合に有益であり得る。熱水-機械的処理は、高リグニン含量のためにナノリグノセルロースと呼ぶことができるナノセルロースを生成し得る。ナノリグノセルロースは、完全乾燥、無灰分、及び無アセチルベースで、約35wt%~約80wt%のセルロースナノフィブリル、セルロースミクロフィブリル、又はこれらの組合せ、約15wt%~約45wt%のリグニン、及び約5wt%~約20wt%のヘミセルロースを含有し得る。存在するリグニンのうち、一部はナノセルロース粒子を被覆し得るが、リグニンの残りはナノセルロース粒子の内部にある。
ナノセルロースは、好ましくは、リグノセルロース系バイオマスから得られる。本明細書で使用される場合、「リグノセルロース系バイオマス」は、セルロース及びリグニンを含有する任意の材料を意味する。リグノセルロース系バイオマスは、ヘミセルロースも含有し得る。1つ又は複数のタイプのバイオマスの混合物を使用することができる。いくつかの実施形態において、バイオマス原料は、スクロース含有成分(例えば、サトウキビ又はエネルギーケイン(energy cane))及び/又はデンプン成分(例えば、トウモロコシ、小麦、コメなど)に加えて、リグノセルロース成分(例えば、上記のもの)の両方を含む。種々の水分レベルが出発バイオマスと関連し得る。バイオマス原料は乾燥している必要はないが、そうであってもよい。一般に、バイオマスは、微粒子又はチップの形態であるが、出発バイオマスの粒子サイズは重要でない。
ナノセルロースを作製するためのバイオマス原料は、ハードウッド、ソフトウッド、森林残渣、ユーカリ、産業廃棄物、パルプ及び紙廃棄物、消費者廃棄物、又はこれらの組合せから選択され得る。いくつかの実施形態では、食用作物、一年草、エネルギー作物、又は他の毎年再生可能な原料に関連するリグノセルロース系バイオマスを含む農業残渣が利用される。例示的な農業残渣としては、トウモロコシの茎、トウモロコシ繊維、麦わら、サトウキビバガス、サトウキビストロー、稲わら、オート麦わら、大麦わら、ススキ(miscanthus)、エネルギーケインわら/残渣、又はこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
他のナノセルロース源には、細菌ナノセルロース、尾索類由来のナノセルロース、硫酸によるパルプの処理、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシラジカル(TEMPO)によるパルプの処理、又はセルラーゼ酵素によるパルプの処理が含まれる。いくつかの実施形態において、本明細書で用いられるナノセルロースは、細菌ナノセルロースではない、尾索類に由来しない、硫酸加水分解から得られない、TEMPOから得られない、及び/又はリグノセルロース系バイオマス又はセルロースの酵素加水分解によって得られない。
本明細書で意図される場合、「ナノセルロース」は、ミクロフィブリル化セルロース、ナノフィブリル化セルロース、微結晶性セルロース、ナノ結晶性セルロース、及び微粒子化又はフィブリル化溶解パルプを含むがこれらに限定されない、様々なセルロース系材料を含むように広く定義される。特定の実施形態では、ナノセルロースは、ナノメートルスケールの少なくとも1つの長さ寸法(例えば、直径)を有する粒子を含む。いくつかの実施形態において、ナノセルロースは、例えば、特定のミクロフィブリル化セルロースの場合など、全ての平均寸法が1ミクロンよりも大きい粒子を有する。
「ナノフィブリル化セルロース」又は同等に「セルロースナノフィブリル」は、ナノメートルサイズの粒子若しくは繊維、又はミクロンサイズ及びナノメートルサイズの両方の粒子若しくは繊維を含有するセルロース繊維又は領域を意味する。「ナノ結晶性セルロース」又は同等に「セルロースナノ結晶」は、ナノメートルサイズのドメイン、又はミクロンサイズ及びナノメートルサイズの両方のドメインを含有するセルロース粒子、領域、又は結晶を意味する。「ミクロンサイズ」は1μm~100μmを含み、「ナノメートルサイズ」は0.01nm~1000nm(1μm)を含む。これらの材料のいずれかにおいて、より大きいドメイン(長い繊維を含む)も存在し得る。
ナノセルロースの特定のサイズ及び形状は、幅及び/又は長さがナノメートルスケールからミクロンスケールまでの範囲であり得る。セルロースナノ繊維は通常、5~20nmの幅寸法及び500~5000nmの長さ寸法を有し、セルロースの非晶質ドメイン及び結晶性ドメインの両方を含有する。セルロースナノ結晶は通常、3~8nmの幅及び100~500nmの長さを有し、主に結晶性である。これらの範囲及び寸法が典型的であるが、本発明は、粒子形状又は粒子寸法に関係なく全てのナノセルロース材料を包含する。
いくつかの実施形態は、ナノセルロース結晶及びフィブリルのブレンドを用いる。ナノセルロース結晶及びフィブリルのブレンドは、1%~99%のナノセルロース結晶、及び99%~1%のナノセルロースフィブリルをそれぞれ含有し得る。種々の実施形態において、ナノセルロース結晶及びフィブリルのブレンドは、2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%(全て重量百分率)のナノセルロース結晶を含有し、ナノセルロースの残りがナノセルロースフィブリルである。
いくつかの実施形態は、セルロースナノフィブリル及びミクロフィブリルのブレンドを用いる。セルロースナノフィブリル及びセルロースミクロフィブリルのブレンドは、1%~99%のセルロースナノフィブリル及び99%~1%のセルロースミクロフィブリルをそれぞれ含有し得る。種々の実施形態において、セルロースナノフィブリル及びミクロフィブリルのブレンドは、2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%(全て重量百分率)のセルロースナノフィブリルを含有し、残りがセルロースミクロフィブリルである。
ナノセルロースフィブリルはナノセルロース結晶よりもはるかに大きいので、ナノセルロースブレンドの1つの特徴は、存在する粒子サイズの範囲が広いことである。ナノセルロース結晶の幅は、例えば、約2ナノメートル~約10ナノメートル、又は約3ナノメートル~約6ナノメートルで異なり得る。ナノセルロース結晶の長さは、例えば、約50ナノメートル~約500ナノメートル、又は約100ナノメートル~約350ナノメートルで異なり得る。ナノセルロースフィブリルの幅は、例えば、約5ナノメートル~約100ナノメートル、又は約10ナノメートル~約50ナノメートルで異なり得る。ナノセルロースフィブリルの長さは、例えば、約200ナノメートル~約10ミクロン、又は約400ナノメートル~約3ミクロンで異なり得る。ブレンド中の平均ナノセルロース粒子幅は、約3ナノメートル~約50ナノメートル、例えば、約5ナノメートル~約30ナノメートルで異なり得る。ブレンド中の平均ナノセルロース粒子長さは、約50ナノメートル~約5ミクロン、例えば、約100ナノメートル~約2ミクロンで異なり得る。
いくつかの変形において、ナノセルロースは、
(a)リグノセルロース系バイオマス原料を提供することと、
(b)酸、リグニンの溶媒、及び水の存在下で原料を分画して、セルロースに富んだ固体と、ヘミセルロース及びリグニンを含有する液体とを生成することと、
(c)セルロースに富んだ固体を機械的に処理して、セルロースフィブリル及び/又はセルロース結晶を形成し、それにより、少なくとも60%の結晶化度(すなわち、セルロース結晶化度)を有するナノセルロース材料を生成することと、
(d)ナノセルロース材料を回収することと
を含むプロセスから得られる。
いくつかの実施形態において、酸は、二酸化硫黄、亜硫酸、三酸化硫黄、硫酸、リグノスルホン酸、及びこれらの組合せからなる群から選択される。特定の実施形態において、酸は二酸化硫黄である。
いくつかの実施形態において、ステップ(c)の間、セルロースに富んだ固体は、セルロースに富んだ固体1トン当たり約5000キロワット時未満、例えば、セルロースに富んだ固体1トン当たり約4000、3000、2000、又は1000キロワット時未満の全機械的エネルギーで処理される。エネルギー消費は、任意の他の適切な装置で測定され得る。機械的処理装置を駆動するモーターによって引き込まれる電流を測定する電流計は、全機械的エネルギーの推定値を得るための1つの方法である。
ステップ(c)における機械的処理は、例えば、粉砕、破砕、ビーティング、超音波処理、又は任意の他の手段であるが、決してこれらに限定されない1つ又は複数の既知の技術を用いて、セルロースにおいてナノフィブリル及び/又はナノ結晶を形成又は放出することができる。本質的に、任意のタイプのミル、又は繊維を物理的に分離する装置を利用することができる。このようなミルは業界において周知であり、バレービーター、シングルディスクリファイナー、ダブルディスクリファイナー、広角及び狭角の両方を含むコニカルリファイナー、シリンドリカルリファイナー、ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、及び他の同様の粉砕又は破砕装置が含まれるが、これらに限定されない。例えば、Smook,Handbook for Pulp&Paper Technologists,Tappi Press,1992;及びHubbe et al.,“Cellulose Nanocomposites:A Review,”BioResources 3(3),pages 929-980 (2008)を参照されたい。
機械的処理の程度は、プロセスの間中いくつかの手段のいずれかによってモニターされ得る。特定の光学機器は、繊維長分布及び微粉%(% fines)に関する連続データを提供することができ、これらはどちらも、機械的処理ステップの終点を定義するために使用され得る。時間、温度、及び圧力は、機械的処理の間に変化し得る。例えば、いくつかの実施形態において、周囲温度及び圧力で約5分間~2時間の超音波処理が利用され得る。
いくつかの実施形態において、セルロースに富んだ固体の一部はナノフィブリルに転換されるが、セルロースに富んだ固体の残りはフィブリル化されない。種々の実施形態において、セルロースに富んだ固体の約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、又は実質的に全てが、ナノフィブリルにフィブリル化される。
いくつかの実施形態において、ナノフィブリルの一部はナノ結晶に転換されるが、ナノフィブリルの残りはナノ結晶に転換されない。種々の実施形態において、ナノフィブリルの約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、又は実質的に全てが、ナノ結晶に転換される。乾燥の間に、少量のナノ結晶がまた集合し、ナノフィブリルを形成することが可能である。
機械的処理の後に、ナノセルロース材料は、粒子サイズによって分類され得る。材料の一部は、別のプロセス、例えば、グルコースを生じるための酵素加水分解を受けることができる。このような材料は、例えば、良好な結晶化度を有し得るが、望ましい粒子サイズ又は重合度を有さないことがある。
ステップ(c)はさらに、1つ若しくは複数の酵素又は1つ若しくは複数の酸によるセルロースに富んだ固体の処理を含み得る。酸が用いられる場合、酸は、二酸化硫黄、亜硫酸、リグノスルホン酸、酢酸、ギ酸、及びこれらの組合せからなる群から選択され得る。ヘミセルロースに関連する酸、例えば、酢酸又はウロン酸は、単独で又は他の酸と共に使用され得る。また、ステップ(c)は、熱によるセルロースに富んだ固体の処理も含み得る。いくつかの実施形態において、ステップ(c)は、酵素又は酸を全く使用しない。
ステップ(c)において、酸が使用される場合、酸は、例えば、硫酸、硝酸、又はリン酸などの強酸であり得る。より弱い酸は、より激しい温度及び/又は時間において使用され得る。酸の代わりに、又は潜在的に、酸加水分解の前又は後に順次的な構成で、セルロース(すなわち、セルラーゼ)及び恐らくヘミセルロース(すなわち、ヘミセルラーゼ活性を有する)を加水分解する酵素がステップ(c)において使用されてもよい。
いくつかの実施形態において、方法は、セルロースに富んだ固体を酵素的に処理して、非晶質セルロースを加水分解することを含む。他の実施形態において、又は酵素処理の前若しくは後に順次的に、方法は、セルロースに富んだ固体を酸処理して非晶質セルロースを加水分解することを含み得る。
いくつかの実施形態において、方法はさらに、ナノ結晶性セルロースを酵素的に処理することを含む。他の実施形態において、又は酵素処理の前若しくは後に順次的に、方法はさらに、ナノ結晶性セルロースを酸処理することを含む。
所望により、酵素処理は、機械的処理の前に、又は恐らく機械的処理と同時に使用され得る。しかしながら、好ましい実施形態では、非晶質セルロースを加水分解するため、又はナノ繊維の単離の前に繊維壁の構造を弱めるために、酵素処理は必要ではない。
機械的処理の後、ナノセルロースが回収され得る。セルロースナノフィブリル及び/又はナノ結晶の分離は、ナノフィブリルの完全性を保存しながら細胞壁の超微細構造を分解することができる装置を用いて達成され得る。例えば、ホモジナイザーが使用され得る。いくつかの実施形態において、幅が1~100nmの範囲の成分フィブリルを有するセルロース凝集フィブリルが回収され、ここで、フィブリルは、互いに完全には分離されていない。
方法はさらに、ステップ(c)の前に、及び/又はステップ(c)の一部として、セルロースに富んだ固体を漂白することを含み得る。代替的又は付加的に、方法はさらに、ステップ(c)の間に、及び/又はステップ(c)の後に、ナノセルロース材料を漂白することを含み得る。酵素漂白を含む任意の既知の漂白技術又はシーケンスが使用され得る。
任意選択的に、方法はさらに、ステップ(b)及び/又はステップ(c)において非晶質セルロースをグルコースに加水分解し、グルコースを回収し、グルコースを発酵産物に発酵させることを含む。任意選択的に、方法はさらに、ヘミセルロース由来のヘミセルロース糖を回収し、発酵させ、又はさらに処理することを含む。任意選択的に、方法はさらに、リグニンを回収し、燃焼させ、又はさらに処理することを含む。
ナノセルロース材料はナノフィブリル化セルロースを含んでいてもよいし、又は本質的にナノフィブリル化セルロースからなっていてもよい。ナノセルロース材料はナノ結晶性セルロースを含んでいてもよいし、又は本質的にナノ結晶性セルロースからなっていてもよい。いくつかの実施形態において、ナノセルロース材料はナノフィブリル化セルロース及びナノ結晶性セルロースを含んでいてもよいし、又は本質的にナノフィブリル化セルロース及びナノ結晶性セルロースからなっていてもよい。
いくつかの実施形態において、セルロースに富んだ固体(すなわち、ナノセルロース前駆体材料)の結晶化度は、少なくとも60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%又はそれ以上である。これら又は他の実施形態において、ナノセルロース材料の結晶化度は、少なくとも60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%又はそれ以上である。結晶化度は、任意の既知の技術を用いて測定され得る。例えば、X線回折及び固体13C核磁気共鳴が利用され得る。
いくつかの実施形態において、ナノセルロース材料は、約100~約3000、例えば、約125、150、175、200、225、250、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、2000、2500、又は2600の平均重合度を特徴とする。例えば、ナノセルロース材料は、約300~約700、又は約150~約250の平均重合度を特徴とし得る。ナノセルロース材料は、ナノ結晶の形態である場合、100未満、例えば、約75、50、25、又は10未満の重合度を有し得る。材料の一部は、3000、4000、又は5000を超える重合度を有し得る。
いくつかの実施形態において、ナノセルロース材料は、単一のピークを有する重合度分布を特徴とする。他の実施形態では、ナノセルロース材料は、2つのピーク、例えば、150~250の範囲の中心にある1つのピークと、300~700の範囲の中心にある別のピークとを有する重合度分布を特徴とする。
いくつかの実施形態において、ナノセルロース材料は、約10~約1000、例えば、約15、20、25、35、50、75、100、150、200、250、300、400、又は500の、粒子の平均長さ対幅アスペクト比を特徴とする。ナノフィブリルは、一般に、ナノ結晶よりも高いアスペクト比と関連している。ナノ結晶は、例えば、約100nm~500nmの長さ範囲、及び約4nmの直径を有することができ、これは、25~125のアスペクト比になる。ナノフィブリルは、約2000nmの長さ、及び5~50nmの直径範囲を有することができ、これは、40~400のアスペクト比になる。いくつかの実施形態において、アスペクト比は、50未満、45未満、40未満、35未満、30未満、25未満、20未満、15未満、又は10未満である。
いくつかの実施形態において、ナノセルロースは、0.05wt%未満の硫黄、例えば、約0.02wt%以下の硫黄を含有し、検出不能な硫黄も含まれる。いくつかの実施形態において、ナノセルロース粒子の表面に結合した硫酸ハーフエステル基はナノセルロースの熱安定性を低減し得るので、ナノセルロースは、これらの基を含有しない。
材料の「熱分解開始温度」は、材料の熱重量分析によって定義される。熱重量分析(TGA)としても知れられている熱による重量分析は、制御された雰囲気中で試料が制御された温度プログラムにさらされたときに、物質の質量が温度又は時間の関数としてモニターされる技術である。熱重量分析は、PerkinElmer STA6000 Simultaneous Thermal Analyzer (London, UK)を利用することができる。横座標(x軸)は温度であり、縦座標(y軸)は重量パーセント(%)である。TGA熱曲線の下降は、重量損失が生じたことを示す。TGA熱曲線から、重量損失が始まる温度を示す外挿開始温度を計算することができる。外挿開始温度は再現可能な温度計算であり、TGAのためのASTM及びISOによって使用されることが規定される。外挿開始温度は、ピークの前縁での最大傾斜点における接線と、外挿されるベースラインとの交差点である。この技術は、ナノセルロース又は分散/乾燥剤に適用され得る。
本明細書の目的で、ナノセルロースの熱分解開始温度を決定するために、PerkinElmer STA6000 Simultaneous Thermal Analyzerを用いて、40mL/分の流速の窒素雰囲気下で、サンプルは10℃/分の加熱速度で50℃から600℃まで加熱される。質量は温度の関数として測定される。水の損失以外の質量損失は、材料の熱分解を示す。TGAグラフからの外挿開始温度は、ナノセルロース又は分散/乾燥剤の推定熱分解開始温度である。
いくつかの好ましい実施形態において、例えば、酸触媒、リグニンの溶媒、及び水を用いる分画から生成されるBioPlus(登録商標)セルロースナノ結晶又はナノフィブリルの場合など、ナノセルロースは、約、又は少なくとも約300℃、310℃、320℃、又は330℃の熱分解開始温度を特徴とする。他の実施形態において、ナノセルロースは、約220℃~約300℃の熱分解開始温度を特徴し、例えば、TEMPOから生成されるセルロースナノフィブリルの場合は約225℃、又は硫酸から生成されるセルロースナノ結晶の場合は約285℃である。
任意選択的に、ナノセルロース自体は1つ又は複数の表面官能基によって官能基化されて、ナノセルロース誘導体を生じる。このような官能基化は、例えば、マトリックスポリマーとの適合性を改善するため、又はナノセルロースに特別な特性を付与するために実行され得る。ナノセルロースは、大きい表面積及び高濃度の表面ヒドロキシル基を有するので、標的化表面修飾は、実質的に任意の所望の表面官能性を導入することができる。
例えば、ナノセルロース誘導体は、ナノセルロースエステル、ナノセルロースエーテル、ナノセルロースエーテルエステル、アルキル化ナノセルロース化合物、架橋ナノセルロース化合物、酸官能基化ナノセルロース化合物、塩基官能基化ナノセルロース化合物、及びこれらの組合せからなる群から選択され得る。種々のタイプのナノセルロースの官能基化又は誘導体化、例えば、ポリマーを用いる官能基化、化学的表面修飾、ナノ粒子(すなわち、ナノセルロースに加えて、他のナノ粒子)を用いる官能基化、無機物若しくは界面活性剤による修飾、又は生化学的修飾が使用され得る。
脱水ナノセルロースは、広範な最終用途で使用され得る。多数の実施形態において、ナノセルロースはマトリックス材料に組み込まれて、ナノセルロース含有複合材料を形成する。シングルスクリュー押出機、ツインスクリュー押出機、射出成形ライン、圧縮成形ライン、混練機、カレンダー、ロータ-ステータ分散ミル、高せん断ミキサー、攪拌タンク、又はインラインミキサーなど(限定されない)の様々な装置を用いて、ナノセルロースを配合して複合材料を製造することができる。
マトリックス材料は、マトリックスポリマーであり得る。例えば、マトリックスポリマーは、ポリオレフィン、ポリオール、ポリエステル、ポリアミド、ポリ乳酸、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリスチレン、スチレン系ゴム、天然ゴム、合成ゴム、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリ(アミド-エナミン)、ポリ酸無水物、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリ(アルケンジカルボキシレート)、シリコーン、熱可塑性樹脂エラストマー、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、合成ゴム、天然ゴム、炭素質ポリマー、及びこれらの組合せ又はコポリマーからなる群から選択され得る。
代替的又は付加的に、マトリックス材料は、紙、板紙、繊維及び木材複合体(例えば、パーティクルボード及び成形パルプ製品)、エマルション、ヒドロゲル、炭素、有機固体、無機固体、油、有機液体、無機液体、セメント系材料(例えば、コンクリート又はセメント)、ミネラル、セラミック、金属、金属合金、ガラス、並びにこれらの組合せからなる群から選択される材料などの、ポリマー以外の材料であってもよい。非ポリマーマトリックス材料は、例えば、接着剤マトリックス、電池電極マトリックス、バイオインクマトリックス、又は電子インクマトリックスであってもよい。
いくつかの実施形態において、マトリックス材料は、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリスチレン、スチレン系ゴム、天然ゴム、合成ゴム、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリ(アミド-エナミン)、ポリ酸無水物、ポリアクリレート、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリ(アルケンジカルボキシレート)、シリコーン、熱可塑性樹脂エラストマー、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、合成ゴム、天然ゴムから選択されるポリマー、又はこれらの組合せ若しくはコポリマーを含む。いくつかのポリマーブレンドは、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、脂肪族-芳香族コポリエステル、ポリ乳酸及び脂肪族-芳香族コポリエステルの両方、ポリエチレン及び/又はポリプロピレンを含む。
種々の実施形態において、ポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ(エチレン-co-アクリル酸)、ポリ(乳酸)(又はポリ乳酸)、ポリ(グリコール酸)(又はポリグリコリド)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(ブチレンアジペート-co-テレフタレート)、ポリ(ブチレンスクシネート)、ポリ(ヒドロキシブチレート-co-ヒドロキシバレレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリ(ブチルアクリレート)、ポリ(tert-ブチルアクリレート-co-エチルアクリレート-co-メタクリル酸)、ポリ(エチルアクリレート)、ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリアクリロニトリル、ポリ(アクリロニトリル-co-メチルアクリレート)、ポリ(スチレン-co-無水マレイン酸)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(アルキルメタクリレート)、ポリビニルシクロヘキサン、ポリ(ビスフェノールAカーボネート)、ポリ(炭酸プロピレン)、ポリ(1,4-ブチレンアジペート)、ポリ(1,4-ブチレンスクシネート)、ポリ(1,4-ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンスクシネート)、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(テトラヒドロフラン)、ポリ(エチルビニルエーテル)、ポリジメチルシロキサン、ナイロン(脂肪族ポリアミド)、及びこれらの組合せ又はコポリマーからなる群から選択される。また炭素質ポリマーが複合体に組み込まれてもよい。炭素質ポリマーの例としては、ポリアセナフチレン、黒鉛、グラフェン、炭素繊維、及びリグニンが挙げられる。
複合体製品中に含まれ得るポリマーは、例えば、疎水性、部分的に疎水性、又は親油性であり得る。親水性ポリマーは、適切なコーティング又は成分の組合せ(例えば、ポリマーの相互貫入ネットワーク)を用いて、少なくとも部分的に疎水性になるように修飾され得る。
ポリマー又はコポリマーは、アクリル、アミド、炭素、カーボネート、ジエン、エステル、エーテル、フルオロカーボン、イミド、オレフィン、有機酸(例えば、乳酸、グリコール酸、コハク酸、ヒドロキシプロピオン酸など)、スチレン、シロキサン、ビニルアセタール、塩化ビニル及びビニリデン、ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルピリジン、ビニピロリドン(vinypyrrolidone)、並びにこれらの組合せからなる群から選択される1つ又は複数のモノマーを重合させることによって製造され得る。
複合体中のポリマーは、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、又はこれらの組合せを含み得る。熱硬化性ポリマーには、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ尿素、ポリイソプレン(天然ゴム又は合成ゴムを含む)、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、ポリエポキシド、ポリイミド、ポリシアヌレート、ポリフラン、シリコーン、及びこれらの組合せ又はコポリマーが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、マトリックスポリマーは特にエラストマーである。例示的なエラストマーとしては、天然ゴム(例えば、天然ラテックス未加硫ゴム)及び合成ゴムが挙げられる。天然ゴムは、主に、ポリ-シス-イソプレンである。合成ゴムは、種々の石油系モノマーから作製される。最も一般的な合成ゴムは、スチレン及び1,3-ブタジエンの共重合から得られるスチレン-ブタジエンゴム(SBR)である。他の合成ゴムは、イソプレン(2-メチル-1,3-ブタジエン、ポリイソプレンをもたらす)、クロロプレン(2-クロロ-1,3-ブタジエン)、及び架橋のためのわずかな割合のイソプレンを伴うイソブチレン(メチルプロペン)(ブチルゴムが作製される)から調製される。
いくつかの実施形態において、マトリックスポリマーはバイオベースであり、生分解性であり、及び/又は堆肥化可能である。これら又は他の実施形態において、担体ポリマーはバイオベースであり、生分解性であり、及び/又は堆肥化可能である。いくつかの実施形態において、マトリックスポリマー又は担体ポリマーは、本明細書における参照によって本明細書に援用されるVroman and Tighzert, “Biodegradable Polymers,” Materials 2009, 2, 307-344に記載される任意のポリマーなどの生分解性ポリマーであるか、又はこれらを含む。いくつかの実施形態において、例えば、13C分析により測定可能であるように、ナノセルロース含有複合体製品は、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は100%の再生可能炭素含量を有する。
1つ又は複数の添加剤を複合材料に含ませることができ、ここで、添加剤は、相溶化剤、可塑剤、酸化防止剤、着色剤、難燃剤、造核剤、粘度調整剤、密度調整剤、及びこれらの組合せからなる群から選択され得る。例示的な添加剤としては、クレイ、ナノクレイ、タルク、ウォラストナイト、炭酸カルシウム、シリカ、マイカ、カオリン、ニッケル、ガラス繊維、炭素、セルロース繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、ジュート繊維、ポリエチレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリアミド繊維、及びこれらの組合せが挙げられるが、決してこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、リグニン由来炭素、又はリグニンなどの炭素質添加剤が使用される。
フィルム、コーティング、パッケージング、器具、繊維、布地、衣料、耐久消費財、不織布などを含む、多くのタイプの複合体製品が可能である。複合体製品は、例えば、ペレット、押出成形部品、射出成形部品、ブロー成形部品、紡糸繊維、層状シート、フィルム、フォーム、容器、バッグ、工学部品、3D印刷基材、3D印刷部品、又はこれらの組合せの形態であり得る。
ナノセルロース含有複合体は3D印刷され得る。3次元(3D)印刷又は付加製造は、特殊なプリンターを用いて物体がその3次元形態で作成されるプロセスである。プリンターは、3Dモデリングプログラムの補助によりコンピュータで作成された設計ファイルから指示を受け取る。印刷される物体のファイル又はデジタル青写真は次に2次元(2D)表示にスライスされ、プリンターに送信される。ファイルに含有される情報に従って材料の層が造形される;完全な物体が印刷されるまで、層は付加され続ける。3D印刷のプロセスは、2D印刷と比較して、はるかに多くの時間を必要とし、かなりの設備投資を伴うが、原則としてあらゆる幾何構造を印刷する能力などの幅広い利点を提供する。
本明細書で提供されるいくつかの複合体製品において、ナノセルロースが分散された製品は、ポリマー単独と比べて、又は分散/乾燥剤を含まない、及び/又はツインスクリューシステム脱水又は乾燥を使用しない以外は同一である複合体と比べて、より高い引張弾性率を有する。
本明細書で提供されるいくつかの複合体製品において、ナノセルロースが分散された製品は、ポリマー単独と比べて、又は分散/乾燥剤を含まない、及び/又はツインスクリューシステム脱水又は乾燥を使用しない以外は同一である複合体と比べて、より高い引張弾性率を有する。
本明細書で提供されるいくつかの複合体製品において、ナノセルロースが分散された製品は、ポリマー単独と比べて、又は分散/乾燥剤を含まない、及び/又はツインスクリューシステム脱水又は乾燥を使用しない以外は同一である複合体と比べて、より高い圧縮弾性率を有する。
本明細書で提供されるいくつかの複合体製品において、ナノセルロースが分散された製品は、ポリマー単独と比べて、又は分散/乾燥剤を含まない、及び/又はツインスクリューシステム脱水又は乾燥を使用しない以外は同一である複合体と比べて、より高い靱性を有する。
本明細書で提供されるいくつかの複合体製品において、ナノセルロースが分散された製品は、ポリマー単独と比べて、又は分散/乾燥剤を含まない、及び/又はツインスクリューシステム脱水又は乾燥を使用しない以外は同一である複合体と比べて、より良好な水分バリア及び/又は酸素バリア特性を有する。
ナノセルロース粒子の固有の特性に起因して、そしてツインスクリューシステム脱水又は乾燥、及び分散/乾燥剤の結果としてそれらのナノセルロース粒子が複合体中で十分に分散されているので、複合体製品の引張弾性率、圧縮弾性率、靱性、及び他の特性が改善される。
最終複合体中のナノセルロースの分散度は、測定又は定性的に評価され得る。分散度は、凝集度に反比例する。完全な均一分散が存在する場合、粒子凝集は存在しない。本発明は、全ての単一のナノ粒子が全ての他のナノ粒子から単離されているような完全な分散を必要としない。
ナノセルロース分散は、例えば、走査電子顕微鏡法、透過電子顕微鏡法、干渉顕微鏡法、共焦点レーザー走査顕微鏡法、光学顕微鏡法、小角X線散乱、原子間力顕微鏡法、動的光散乱、ナノトモグラフィー、又は熱重量分析などの技術を用いて測定又は定性的に評価され得る。図3~10(それぞれ、実施例1~8を参照)は、良好な分散(凝集なし)を明らかにする光学顕微鏡写真であり、不十分な分散(著しい粒子凝集)を示す光学顕微鏡写真である図11及び12とは対照的である。
ナノセルロース分散は、既知のナノセルロース分散を有する検証されたポリマーが関連特性について試験される較正技術を用いて測定又は定性的に評価することもできる。次に、同じ特性について試験サンプルが測定され、これは、所定のグラフ、等式、又はルックアップテーブルを用いてナノセルロース分散度と相関される。
複合体製品において、存在する場合、分散/乾燥剤は、ナノセルロースと同じ相中、マトリックス材料と同じ相中、及び/又は別個の相中に存在し得る。分散/乾燥剤は、ナノセルロース粒子とマトリックス材料との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、分散/乾燥剤は、ナノセルロース粒子を包囲する。
いくつかの実施形態において、ナノセルロース含有複合体製品は、触媒、触媒基材、又は共触媒として構成される。いくつかの実施形態において、ナノセルロース含有複合体製品は、電気化学的に電流又は電圧を伝達又は貯蓄するように構成される。
いくつかの実施形態において、ナノセルロース含有複合体製品は、フィルタ、膜、又は他の分離装置に組み込まれる。
いくつかの実施形態において、ナノセルロース含有複合体製品は、添加剤としてコーティング、ペンキ、又は接着剤に組み込まれる。いくつかの実施形態において、ナノセルロース含有複合体製品は、セメント添加剤である。
ナノセルロース含有複合体製品は、開示される組成物のいずれかを含み得る。多数の複合体製品が可能である。例えば、複合体製品は、構造物体、フォーム、エアロゲル、炭素複合体、フィルム、コーティング、コーティング前駆体、電流又は電圧キャリア、フィルタ、膜、触媒、触媒基材、コーティング又はコーティング添加剤、ペンキ又はペンキ添加剤、接着剤又は接着剤添加剤、インク又はインク添加剤、セメント添加剤、紙コーティング又は紙添加剤、増粘剤、レオロジー調整剤、掘削流体用添加剤、及びこれらの組合せ又は誘導体からなる群から選択され得る。
本明細書で提供されるナノセルロース含有複合体製品は、食品パッケージング及び印刷用紙における用途のために、高い酸素バリア及び木材繊維への親和性を有することが予想されるので、コーティング材料として適している。代替的又は付加的に、例えば、バリア特性を改善するため、又は核形成を改善するために、ナノセルロース含有複合体製品を製品に組み込むことができる。
本明細書で提供されるナノセルロース含有複合体製品は、ペンキの耐久性を改善するための添加剤として適しており、ペンキ及びワニスを紫外線放射により生じる摩耗から保護する。
本明細書で提供されるナノセルロース含有複合体製品は、食品及び化粧品製品における増粘剤として適している。ナノセルロースは、チキソトロピー性、生分解性、寸法安定性の増粘剤(温度及び塩の付加に対して安定である)として使用することができる。本明細書で提供されるナノセルロース-ポリマー複合体製品は、エマルション及び粒子安定化フォームのためのピッカリング安定剤として適している。ナノセルロースの大きい表面積は、その生分解性と組み合わされて、非常に多孔質で機械的に安定したエアロゲルのためにナノセルロースを魅力的な材料にする。
他の実施形態において、ナノセルロース分散濃縮物は、構造物体、フォーム、エアロゲル、炭素複合体、フィルム、コーティング、コーティング前駆体、電流又は電圧キャリア、フィルタ、膜、触媒、触媒基材、コーティング添加剤、ペンキ添加剤、接着剤添加剤、セメント添加剤、紙コーティング、増粘剤、レオロジー調整剤、掘削流体用添加剤、及びこれらの組合せ又は誘導体に組み込まれる。
本発明に適した他の用途には、高強度紡糸繊維及びテキスタイル、先進複合材料、バリアフィルム、ペンキ、ラッカー、接着剤、切替可能な光学素子、医薬品、薬物送達系、骨置換、歯の修復、紙、パッケージング、建築製品、食品及び化粧品用の添加剤、並びにヒドロゲルが含まれる。
航空宇宙及び輸送用複合体は、開示されるナノセルロース分散濃縮物から利益を得ることができる。自動車用用途には、ポリプロピレン、ポリアミド(例えば、ナイロン)、又はポリエステル(例えば、PBT)を含むナノセルロース複合体が含まれる。
本明細書で提供されるナノセルロース分散濃縮物は、再生可能及び生分解性の複合体のための強度増強添加剤として適している。分散/乾燥剤は、パッケージング、建設材料、器具、及び再生可能な繊維における用途のために、破壊靱性の改善及びクラック形成の防止のための2つの有機相間のバインダーとして機能し得る。
本明細書で提供されるナノセルロース分散濃縮物は、フレキシブルディスプレー、フレキシブル回路、印刷可能な電子機器、及びフレキシブルソーラーパネルにおける用途のために、透明且つ寸法安定性の強度増強添加剤として適している。
本明細書で提供されるナノセルロース分散濃縮物は、クラック低減並びに靱性及び強度の増大を可能にする複合体及びセメント添加剤に適している。発泡多孔性ナノセルロース-コンクリートハイブリッド材料は、クラック低減及び強度が増大された軽量構造を可能にする。
ナノセルロースによる強度増強は、水分及び酸素バリア特性が増強された、高強度、かさ高、高充填剤含量の紙及び板材における用途のために、結合領域及び結合強度の両方を増大させる。パルプ及び紙産業は、特に、本明細書で提供されるナノセルロース分散濃縮物から利益を得ることができる。
いくつかの実施形態において、ナノセルロース分散濃縮物は、増粘剤又はレオロジー調整剤として組み込まれる。例えば、ナノセルロース分散濃縮物は、油回収流体及び/又はガス回収流体など(限定されない)の掘削又は破砕流体における添加剤であり得る。
ナノセルロース分散濃縮物は、一般に、ナノセルロース分散濃縮物の組込みから利益を得ることができる任意の系において有用であり得る。本明細書で議論されるように、系には、ポリマー、オリゴマー、紙、板紙、繊維及び木材複合体、エマルション、ヒドロゲル、炭素、有機固体、無機固体、油、有機液体、無機液体、セメント系材料(例えば、コンクリート又はセメント)、ミネラル、セラミック、金属、金属合金、ガラス、又はこれらの組合せが含まれるが、決してこれらに限定されない。非ポリマーマトリックス材料は、例えば、接着剤マトリックス、電池電極マトリックス、バイオインクマトリックス、又は電子インクマトリックスであり得る。
実施例
実施例1:ナノセルロース分散濃縮物及びナノセルロース-ポリプロピレン複合体の調製
リグニン被覆ナノフィブリルは、酸触媒(二酸化硫黄)、リグニンの溶媒(エタノール)、及び水の存在下でリグノセルロース系バイオマス(ソフトウッドチップ)を分画して、セルロースに富んだ固体を生成した後、セルロースに富んだ固体を機械的処理して、リグニン被覆ナノフィブリルを生成することから得られる。リグニン被覆ナノフィブリルは、約3wt%の固体を含む水性懸濁液中に存在する。水性懸濁液は、ナノセルローススラリーと呼ばれることもある。
分散/乾燥剤は、リグニン被覆ナノフィブリル及び選択されたマトリックスポリマー(ポリプロピレン)に基づいて、エチレン及び無水マレイン酸のコポリマーであるように選択される。特定の分散/乾燥剤は、Honeywell A-C(登録商標)573Aワックス(Honeywell Performance Materials and Technologies, Morris Plains, New Jersey, USA)であり、これは、粉末形態のエチレン無水マレイン酸コポリマーである。Honeywell A-C(登録商標)573Aワックスは、無水マレイン酸及びプロピレン又はエチレンの低分子量コポリマーである。無水マレイン酸による非極性プロピレン又はエチレンの官能基化により、非極性及び極性の両方の特徴を有するコポリマーが提供される。Honeywellによると、無水マレイン酸は、ポリマー分解を伴わずに極性を提供する。
出発ナノセルロース分散スラリーは、機械的攪拌下で2,917グラムのリグニン被覆ナノフィブリルの水性懸濁液を88グラムの上記の分散/乾燥剤と組み合わせて、出発スラリーをもたらすことによって生成される。出発ナノセルロース分散スラリーは、最初に、約3wt%のナノセルロース(リグニン被覆ナノフィブリル)及び約94wt%の水を含有する。出発スラリーは、100回転/分(RPM)の混合ブレード速度及び120℃の温度で混合する、Haake Rheomix 3000ミキサーを備えたBrabender PL200 Plasti-Corderトルクレオメーターからなる実験室規模のツインスクリューシステムを用いて、熱及びせん断下でセミバッチプロセスにより乾燥される。水が蒸発してミキサーボウル内の体積が減少するにつれて、ツインスクリューシステムに連続的にスラリーが添加される。スラリーが全て供給されるまで、そして材料から水分が全て蒸発するまでプロセスは約90分間継続され、この時点で、ツインスクリューシステムから乾燥濃縮物が回収される。加工時間、及び乾燥中に除去することが必要な水の量は、例えば、遠心分離によりスラリーを予備濃縮することによって、大幅に低減することができる。加熱混合の間に、水は、押出機内に含有されるナノセルローススラリーから蒸発させられる。せん断混合において水が除去されると、ナノセルロースは、凝集及び自己結合が防止され、ワックス相は、ナノセルロース粒子間のスペーサーの役割を果たす。
出発ナノセルロース分散スラリーから水が本質的に全て除去された時点で、約50wt%のナノセルロース(リグニン被覆ナノフィブリル)及び約50wt%の分散/乾燥剤を含有するナノセルロース分散濃縮物が結果として得られる。全ての水を除去することが好ましいが、ナノセルロース分散濃縮物中にいくらかの残留水分が残ることも可能である。ナノセルロース分散濃縮物のために他のナノセルロース濃度が使用され得ることも認識されるであろう。
上記で得られたナノセルロース分散濃縮物は次に、Bel-Artマイクロミルにおいて粉末に粉砕される。得られた粉末は次に、以下のように、ポリプロピレン中に分散される。4重量部のナノセルロース分散濃縮物(2部のナノセルロース及び2部の分散/乾燥剤を意味する)及び96重量部のポリプロピレンランダムコポリマー(ExxonMobil, Houston, Texas, USA)が組み合わされ、Brabenderトルクレオメーターにおいて混合される。レオメーターは、40RPMの速度及び150℃の温度で11分間動作される。得られたナノセルロース-ポリマー複合体は図3の光学顕微鏡写真(倍率100x)で示され、ポリプロピレン中に均一に分散した2wt%のナノセルロース(リグニン被覆ナノフィブリル)が示される。
実施例2:ナノセルロース分散濃縮物及びナノセルロース-ポリプロピレン複合体の調製
リグニン被覆ナノフィブリルは、酸触媒(二酸化硫黄)、リグニンの溶媒(エタノール)、及び水の存在下でリグノセルロース系バイオマス(ソフトウッドチップ)を分画して、セルロースに富んだ固体を生成した後、セルロースに富んだ固体を機械的処理して、リグニン被覆ナノフィブリルを生成することから得られる。リグニン被覆ナノフィブリルは、約3wt%の固体を含む水性懸濁液(スラリー)中に存在する。
分散/乾燥剤は、リグニン被覆ナノフィブリル及び選択されたマトリックスポリマー(ポリプロピレン)に基づいて、エチレン及びアクリル酸のコポリマーであるように選択される。特定の分散/乾燥剤は、Honeywell AClyn(登録商標)295Aワックス(Honeywell Performance Materials and Technologies, Morris Plains, New Jersey, USA)であり、これは、亜鉛により98%中和された(腐食保護)粉末形態のエチレンアクリル酸コポリマーの亜鉛アイオノマーである。
出発ナノセルロース分散スラリーは、機械的攪拌下で2,917グラムのリグニン被覆ナノフィブリルの水性懸濁液を88グラムの上記の分散/乾燥剤と組み合わせることによって生成される。出発ナノセルロース分散スラリーは、最初に、約3wt%のナノセルロース(リグニン被覆ナノフィブリル)及び約94wt%の水を含有する。出発スラリーは、100RPMの混合ブレード速度及び120℃の温度で混合する、Haake Rheomix 3000ミキサーを備えたBrabender PL200 Plasti-Corderトルクレオメーターからなる実験室規模のツインスクリューシステムを用いて、熱及びせん断下でセミバッチプロセスにより乾燥される。水が蒸発してミキサーボウル内の体積が減少するにつれて、ツインスクリューシステムに連続的にスラリーが添加される。スラリーが全て供給されるまで、そして材料から水分が全て蒸発するまでプロセスは約90分間継続され、この時点で、ツインスクリューシステムから乾燥濃縮物が回収される。加工時間、及び乾燥中に除去することが必要な水の量は、例えば、遠心分離によりスラリーを予備濃縮することによって、大幅に低減することができる。加熱混合の間に、水は、押出機内に含有されるナノセルローススラリーから蒸発させられる。せん断混合において水が除去されると、ナノセルロースは、凝集及び自己結合が防止され、ワックス相は、ナノセルロース粒子間のスペーサーの役割を果たす。
出発ナノセルロース分散スラリーから水が本質的に全て除去された時点で、約50wt%のナノセルロース(リグニン被覆ナノフィブリル)及び約50wt%の分散/乾燥剤を含有するナノセルロース分散濃縮物が結果として得られる。全ての水を除去することが好ましいが、ナノセルロース分散濃縮物中にいくらかの残留水分が残ることも可能である。ナノセルロース分散濃縮物のために他のナノセルロース濃度が使用され得ることも認識されるであろう。
上記で得られたナノセルロース分散濃縮物は次に、Bel-Artマイクロミルにおいて粉末に粉砕される。得られた粉末は次に、以下のように、ポリプロピレン中に分散される。4重量部のナノセルロース分散濃縮物及び96重量部のポリプロピレンランダムコポリマー(ExxonMobil, Houston, Texas, USA)が組み合わされ、Brabenderトルクレオメーターにおいて混合される。レオメーターは、40RPMの速度及び150℃の温度で11分間動作される。得られたナノセルロース-ポリマー複合体は図4の光学顕微鏡写真(倍率100x)で示され、ポリプロピレン中に均一に分散した2wt%のナノセルロース(リグニン被覆ナノフィブリル)が示される。
実施例3:ナノセルロース分散濃縮物及びナノセルロース-ポリプロピレン複合体の調製
リグニン被覆ナノフィブリルは、酸触媒(二酸化硫黄)、リグニンの溶媒(エタノール)、及び水の存在下でリグノセルロース系バイオマス(ソフトウッドチップ)を分画して、セルロースに富んだ固体を生成した後、セルロースに富んだ固体を機械的処理して、リグニン被覆ナノフィブリルを生成することから得られる。リグニン被覆ナノフィブリルは、約3wt%の固体を含む水性懸濁液(スラリー)中に存在する。
分散/乾燥剤は、リグニン被覆ナノフィブリル及び選択されたマトリックスポリマー(ポリプロピレン)に基づいて、エチレン及びアクリル酸のコポリマーであるように選択される。特定の分散/乾燥剤は、Honeywell AClyn(登録商標)201Aワックス(Honeywell Performance Materials and Technologies, Morris Plains, New Jersey, USA)であり、これは、カルシウムにより47%中和された粉末形態のエチレンアクリル酸コポリマーのカルシウムアイオノマーである。
出発ナノセルロース分散スラリーは、機械的攪拌下で2,917グラムのリグニン被覆ナノフィブリルの水性懸濁液を88グラムの上記の分散/乾燥剤と組み合わせることによって生成される。出発ナノセルロース分散スラリーは、最初に、約3wt%のナノセルロース(リグニン被覆ナノフィブリル)及び約94wt%の水を含有する。出発スラリーは、100RPMの混合ブレード速度及び120℃の温度で混合する、Haake Rheomix 3000ミキサーを備えたBrabender PL200 Plasti-Corderトルクレオメーターからなる実験室規模のツインスクリューシステムを用いて、熱及びせん断下でセミバッチプロセスにより乾燥される。水が蒸発してミキサーボウル内の体積が減少するにつれて、ツインスクリューシステムに連続的にスラリーが添加される。スラリーが全て供給されるまで、そして材料から水分が全て蒸発するまでプロセスは約90分間継続され、この時点で、ツインスクリューシステムから乾燥濃縮物が回収される。加工時間、及び乾燥中に除去することが必要な水の量は、例えば、遠心分離によりスラリーを予備濃縮することによって、大幅に低減することができる。加熱混合の間に、水はナノセルローススラリーから蒸発させられる。せん断混合において水が除去されると、ナノセルロースは、凝集及び自己結合が防止され、ワックス相は、ナノセルロース粒子間のスペーサーの役割を果たす。
出発ナノセルロース分散スラリーから水が本質的に全て除去された時点で、約50wt%のナノセルロース(リグニン被覆ナノフィブリル)及び約50wt%の分散/乾燥剤を含有するナノセルロース分散濃縮物が結果として得られる。全ての水を除去することが好ましいが、ナノセルロース分散濃縮物中にいくらかの残留水分が残ることも可能である。ナノセルロース分散濃縮物のために他のナノセルロース濃度が使用され得ることも認識されるであろう。
上記で得られたナノセルロース分散濃縮物は次に、Bel-Artマイクロミルにおいて粉末に粉砕される。得られた粉末は次に、以下のように、ポリプロピレン中に分散される。4重量部のナノセルロース分散濃縮物及び96重量部のポリプロピレンランダムコポリマー(ExxonMobil, Houston, Texas, USA)が組み合わされ、Brabenderトルクレオメーターにおいて混合される。レオメーターは、40RPMの速度及び150℃の温度で11分間動作される。得られたナノセルロース-ポリマー複合体は図5の光学顕微鏡写真(倍率100x)で示され、ポリプロピレン中に均一に分散した2wt%のナノセルロース(リグニン被覆ナノフィブリル)が示される。
実施例4:ナノセルロース分散濃縮物及びナノセルロース-ポリプロピレン複合体の調製
リグニン被覆ナノフィブリルは、酸触媒(二酸化硫黄)、リグニンの溶媒(エタノール)、及び水の存在下でリグノセルロース系バイオマス(ソフトウッドチップ)を分画して、セルロースに富んだ固体を生成した後、セルロースに富んだ固体を機械的処理して、リグニン被覆ナノフィブリルを生成することから得られる。リグニン被覆ナノフィブリルは、約3wt%の固体を含む水性懸濁液(スラリー)中に存在する。
分散/乾燥剤は、リグニン被覆ナノフィブリル及び選択されたマトリックスポリマー(ポリプロピレン)に基づいて、エチレン及びアクリル酸のコポリマーであるように選択される。特定の分散/乾燥剤は、Honeywell A-C(登録商標)540Aワックス(Honeywell Performance Materials and Technologies, Morris Plains, New Jersey, USA)であり、これは、粉末形態のエチレンアクリル酸コポリマーである。Honeywell A-C(登録商標)540Aワックスは5wt%のアクリル酸を含有する。
出発ナノセルロース分散スラリーは、機械的攪拌下で2,917グラムのリグニン被覆ナノフィブリルの水性懸濁液を88グラムの上記の分散/乾燥剤と組み合わせることによって生成される。出発ナノセルロース分散スラリーは、最初に、約3wt%のナノセルロース(リグニン被覆ナノフィブリル)及び約94wt%の水を含有する。出発スラリーは、100RPMの混合ブレード速度及び120℃の温度で混合する、Haake Rheomix 3000ミキサーを備えたBrabender PL200 Plasti-Corderトルクレオメーターからなる実験室規模のツインスクリューシステムを用いて、熱及びせん断下でセミバッチプロセスにより乾燥される。水が蒸発してミキサーボウル内の体積が減少するにつれて、ツインスクリューシステムに連続的にスラリーが添加される。スラリーが全て供給されるまで、そして材料から水分が全て蒸発するまでプロセスは約90分間継続され、この時点で、ツインスクリューシステムから乾燥濃縮物が回収される。加工時間、及び乾燥中に除去することが必要な水の量は、例えば、遠心分離によりスラリーを予備濃縮することによって、大幅に低減することができる。加熱混合の間に、水はナノセルローススラリーから蒸発させられる。せん断混合において水が除去されると、ナノセルロースは、凝集及び自己結合が防止され、ワックス相は、ナノセルロース粒子間のスペーサーの役割を果たす。
出発ナノセルロース分散スラリーから水が本質的に全て除去された時点で、約50wt%のナノセルロース(リグニン被覆ナノフィブリル)及び約50wt%の分散/乾燥剤を含有するナノセルロース分散濃縮物が結果として得られる。全ての水を除去することが好ましいが、ナノセルロース分散濃縮物中にいくらかの残留水分が残ることも可能である。ナノセルロース分散濃縮物のために他のナノセルロース濃度が使用され得ることも認識されるであろう。
上記で得られたナノセルロース分散濃縮物は次に、Bel-Artマイクロミルにおいて粉末に粉砕される。得られた粉末は次に、以下のように、ポリプロピレン中に分散される。4重量部のナノセルロース分散濃縮物及び96重量部のポリプロピレンランダムコポリマー(ExxonMobil, Houston, Texas, USA)が組み合わされ、Brabenderトルクレオメーターにおいて混合される。レオメーターは、40RPMの速度及び150℃の温度で11分間動作される。得られたナノセルロース-ポリマー複合体は図6の光学顕微鏡写真(倍率100x)で示され、ポリプロピレン中に均一に分散した2wt%のナノセルロース(リグニン被覆ナノフィブリル)が示される。
実施例5:ナノセルロース分散濃縮物及びナノセルロース-ポリプロピレン複合体の調製
リグニン被覆ナノフィブリルは、酸触媒(二酸化硫黄)、リグニンの溶媒(エタノール)、及び水の存在下でリグノセルロース系バイオマス(ソフトウッドチップ)を分画して、セルロースに富んだ固体を生成した後、セルロースに富んだ固体を機械的処理して、リグニン被覆ナノフィブリルを生成することから得られる。リグニン被覆ナノフィブリルは、約3wt%の固体を含む水性懸濁液(スラリー)中に存在する。
分散/乾燥剤は、リグニン被覆ナノフィブリル及び選択されたマトリックスポリマー(ポリプロピレン)に基づいて、エチレン及びアクリル酸のコポリマーであるように選択される。特定の分散/乾燥剤は、Honeywell A-C(登録商標)580ワックス(Honeywell Performance Materials and Technologies, Morris Plains, New Jersey, USA)であり、これは、ペレット形態のエチレンアクリル酸コポリマーである。Honeywell A-C(登録商標)580ワックスは10wt%のアクリル酸を含有し、75の酸価を有する。
出発ナノセルロース分散スラリーは、機械的攪拌下で2,917グラムのリグニン被覆ナノフィブリルの水性懸濁液を88グラムの上記の分散/乾燥剤と組み合わせることによって生成される。出発ナノセルロース分散スラリーは、最初に、約3wt%のナノセルロース(リグニン被覆ナノフィブリル)及び約94wt%の水を含有する。出発スラリーは、100RPMの混合ブレード速度及び120℃の温度で混合する、Haake Rheomix 3000ミキサーを備えたBrabender PL200 Plasti-Corderトルクレオメーターからなる実験室規模のツインスクリューシステムを用いて、熱及びせん断下でセミバッチプロセスにより乾燥される。水が蒸発してミキサーボウル内の体積が減少するにつれて、ツインスクリューシステムに連続的にスラリーが添加される。スラリーが全て供給されるまで、そして材料から水分が全て蒸発するまでプロセスは約90分間継続され、この時点で、ツインスクリューシステムから乾燥濃縮物が回収される。加工時間、及び乾燥中に除去することが必要な水の量は、例えば、遠心分離によりスラリーを予備濃縮することによって、大幅に低減することができる。加熱混合の間に、水はナノセルローススラリーから蒸発させられる。せん断混合において水が除去されると、ナノセルロースは、凝集及び自己結合が防止され、ワックス相は、ナノセルロース粒子間のスペーサーの役割を果たす。
出発ナノセルロース分散スラリーから水が本質的に全て除去された時点で、約50wt%のナノセルロース(リグニン被覆ナノフィブリル)及び約50wt%の分散/乾燥剤を含有するナノセルロース分散濃縮物が結果として得られる。全ての水を除去することが好ましいが、ナノセルロース分散濃縮物中にいくらかの残留水分が残ることも可能である。ナノセルロース分散濃縮物のために他のナノセルロース濃度が使用され得ることも認識されるであろう。
上記で得られたナノセルロース分散濃縮物は次に、Bel-Artマイクロミルにおいて粉末に粉砕される。得られた粉末は次に、以下のように、ポリプロピレン中に分散される。4重量部のナノセルロース分散濃縮物及び96重量部のポリプロピレンランダムコポリマー(ExxonMobil, Houston, Texas, USA)が組み合わされ、Brabenderトルクレオメーターにおいて混合される。レオメーターは、40RPMの速度及び150℃の温度で11分間動作される。得られたナノセルロース-ポリマー複合体は図7の光学顕微鏡写真(倍率100x)で示され、ポリプロピレン中に均一に分散した2wt%のナノセルロース(リグニン被覆ナノフィブリル)が示される。
実施例6:ナノセルロース分散濃縮物及びナノセルロース-ポリ乳酸複合体の調製
リグニン被覆ナノ結晶は、酸触媒(二酸化硫黄)、リグニンの溶媒(エタノール)、及び水の存在下でリグノセルロース系バイオマス(ハードウッドチップ)を分画して、セルロースに富んだ固体を生成した後、セルロースに富んだ固体を機械的処理して、リグニン被覆ナノ結晶を生成することから得られる。リグニン被覆ナノ結晶は、約6wt%の固体を含む水性懸濁液(スラリー)中に存在する。
分散/乾燥剤は、リグニン被覆ナノ結晶及び選択されたマトリックスポリマー(ポリ乳酸)に基づいて、エチレン及びアクリル酸のコポリマーであるように選択される。特定の分散/乾燥剤は、Honeywell A-C(登録商標)540Aワックス(Honeywell Performance Materials and Technologies, Morris Plains, New Jersey, USA)であり、これは、粉末形態のエチレンアクリル酸コポリマーである。Honeywell A-C(登録商標)540Aワックスは、5wt%のアクリル酸を含有する。
出発ナノセルロース分散スラリーは、機械的攪拌下で1,458グラムのリグニン被覆ナノ結晶の水性懸濁液を88グラムの上記の分散/乾燥剤と組み合わせることによって生成される。出発ナノセルロース分散スラリーは、最初に、約6wt%のナノセルロース(リグニン被覆ナノ結晶)及び約89wt%の水を含有する。出発スラリーは、100RPMの混合ブレード速度及び120℃の温度で混合する、Haake Rheomix 3000ミキサーを備えたBrabender PL200 Plasti-Corderトルクレオメーターからなる実験室規模のツインスクリューシステムを用いて、熱及びせん断下でセミバッチプロセスにより乾燥される。水が蒸発してミキサーボウル内の体積が減少するにつれて、ツインスクリューシステムに連続的にスラリーが添加される。スラリーが全て供給されるまで、そして材料から水分が全て蒸発するまでプロセスは約90分間継続され、この時点で、ツインスクリューシステムから乾燥濃縮物が回収される。加工時間、及び乾燥中に除去することが必要な水の量は、例えば、遠心分離によりスラリーを予備濃縮することによって、大幅に低減することができる。加熱混合の間に、水はナノセルローススラリーから蒸発させられる。せん断混合において水が除去されると、ナノセルロースは、凝集及び自己結合が防止され、ワックス相は、ナノセルロース粒子間のスペーサーの役割を果たす。
出発ナノセルロース分散スラリーから水が本質的に全て除去された時点で、約50wt%のナノセルロース(リグニン被覆ナノ結晶)及び約50wt%の分散/乾燥剤を含有するナノセルロース分散濃縮物が結果として得られる。全ての水を除去することが好ましいが、ナノセルロース分散濃縮物中にいくらかの残留水分が残ることも可能である。ナノセルロース分散濃縮物のために他のナノセルロース濃度が使用され得ることも認識されるであろう。
上記で得られたナノセルロース分散濃縮物は次に、Bel-Artマイクロミルにおいて粉末に粉砕される。得られた粉末は次に、以下のように、ポリ乳酸中に分散される。1重量部のナノセルロース分散濃縮物及び99重量部のポリ乳酸(INGEO(登録商標)PLA 4043D、NatureWorks LLC, Minnetonka, Minnesota, USA)が組み合わされ、Brabenderトルクレオメーターにおいて混合される。レオメーターは、40RPMの速度及び140℃の温度で11分間動作される。得られたナノセルロース-ポリマー複合体は図8の光学顕微鏡写真(倍率100x)で示され、ポリ乳酸中に均一に分散した0.5wt%のナノセルロース(リグニン被覆ナノ結晶)が示される。
実施例7:ナノセルロース分散濃縮物及びナノセルロース-ポリ乳酸複合体の調製
リグニン被覆ナノ結晶は、酸触媒(二酸化硫黄)、リグニンの溶媒(エタノール)、及び水の存在下でリグノセルロース系バイオマス(ハードウッドチップ)を分画して、セルロースに富んだ固体を生成した後、セルロースに富んだ固体を機械的処理して、リグニン被覆ナノ結晶を生成することから得られる。リグニン被覆ナノ結晶は、約6wt%の固体を含む水性懸濁液(スラリー)中に存在する。
分散/乾燥剤は、リグニン被覆ナノフィブリル及び選択されたマトリックスポリマー(ポリ乳酸)に基づいて、エチレン及びアクリル酸のコポリマーであるように選択される。特定の分散/乾燥剤は、Honeywell A-C(登録商標)580ワックス(Honeywell Performance Materials and Technologies, Morris Plains, New Jersey, USA)であり、これは、ペレット形態のエチレンアクリル酸コポリマーである。Honeywell A-C(登録商標)580ワックスは10wt%のアクリル酸を含有し、75の酸価を有する。
出発ナノセルロース分散スラリーは、機械的攪拌下で1,458グラムのリグニン被覆ナノ結晶の水性懸濁液を88グラムの上記の分散/乾燥剤と組み合わせることによって生成される。出発ナノセルロース分散スラリーは、最初に、約6wt%のナノセルロース(リグニン被覆ナノ結晶)及び約89wt%の水を含有する。出発スラリーは、100RPMの混合ブレード速度及び120℃の温度で混合する、Haake Rheomix 3000ミキサーを備えたBrabender PL200 Plasti-Corderトルクレオメーターからなる実験室規模のツインスクリューシステムを用いて、熱及びせん断下でセミバッチプロセスにより乾燥される。水が蒸発してミキサーボウル内の体積が減少するにつれて、ツインスクリューシステムに連続的にスラリーが添加される。スラリーが全て供給されるまで、そして材料から水分が全て蒸発するまでプロセスは約90分間継続され、この時点で、ツインスクリューシステムから乾燥濃縮物が回収される。加工時間、及び乾燥中に除去することが必要な水の量は、例えば、遠心分離によりスラリーを予備濃縮することによって、大幅に低減することができる。加熱混合の間に、水はナノセルローススラリーから蒸発させられる。せん断混合において水が除去されると、ナノセルロースは、凝集及び自己結合が防止され、ワックス相は、ナノセルロース粒子間のスペーサーの役割を果たす。
出発ナノセルロース分散スラリーから水が本質的に全て除去された時点で、約50wt%のナノセルロース(リグニン被覆ナノ結晶)及び約50wt%の分散/乾燥剤を含有するナノセルロース分散濃縮物が結果として得られる。全ての水を除去することが好ましいが、ナノセルロース分散濃縮物中にいくらかの残留水分が残ることも可能である。ナノセルロース分散濃縮物のために他のナノセルロース濃度が使用され得ることも認識されるであろう。
上記で得られたナノセルロース分散濃縮物は次に、Bel-Artマイクロミルにおいて粉末に粉砕される。得られた粉末は次に、以下のように、ポリ乳酸中に分散される。1重量部のナノセルロース分散濃縮物及び99重量部のポリ乳酸(INGEO(登録商標)PLA 4043D、NatureWorks LLC, Minnetonka, Minnesota, USA)が組み合わされ、Brabenderトルクレオメーターにおいて混合される。レオメーターは、40RPMの速度及び140℃の温度で11分間動作される。得られたナノセルロース-ポリマー複合体は図9の光学顕微鏡写真(倍率100x)で示され、ポリ乳酸中に均一に分散した0.5wt%のナノセルロース(リグニン被覆ナノ結晶)が示される。
実施例8:非水化学系のためのナノセルロース分散濃縮物の調製
リグニン被覆ナノセルロースフィブリルは、酸触媒(二酸化硫黄)、リグニンの溶媒(エタノール)、及び水の存在下でリグノセルロース系バイオマス(ソフトウッドチップ)を分画して、セルロースに富んだ固体を生成した後、セルロースに富んだ固体を機械的処理して、リグニン被覆ナノ結晶を生成することから得られる。リグニン被覆ナノ結晶は、約3wt%の固体を含む水性懸濁液(スラリー)中に存在する。
分散/乾燥剤は、ステアリン酸のアンモニウム塩であるアンモニアステアレートエマルションであるように選択される。ステアリン酸はC17H35CO2Hの化学式を有する18炭素鎖の脂肪酸であり、ナノセルロース及びリグニンヒドロキシル基と反応することができる極性ヘッド基と、有機溶媒中の溶解性を付与する非極性鎖とを有する二官能性のために選択される。
出発ナノセルロース分散スラリーは、3889グラムのリグニン被覆ナノフィブリルの水性懸濁液を、水性エマルション形態の58グラムのアンモニアステアレート分散/乾燥剤と混合することによって生成される。出発ナノセルロース分散スラリーは、最初に、約3wt%のナノセルロース(リグニン被覆ナノフィブリル)及び約96wt%の水を含有する。出発スラリーは、100RPMの混合ブレード速度及び120℃の温度で90分間混合する、Haake Rheomix 3000ミキサーを備えたBrabender PL200 Plasti-Corderトルクレオメーターからなる実験室規模のツインスクリューシステムを用いて、熱及びせん断下でセミバッチプロセスにより乾燥される。水が蒸発してミキサーボウル内の体積が減少するにつれて、ツインスクリューシステムに連続的にスラリーが添加される。スラリーが全て供給されるまで、そして材料から水分が全て蒸発するまでプロセスは約90分間継続され、この時点で、ツインスクリューシステムから乾燥濃縮物が回収される。加工時間、及び乾燥中に除去することが必要な水の量は、例えば、遠心分離によりスラリーを予備濃縮することによって、大幅に低減することができる。加熱混合の間に、水はナノセルローススラリーから蒸発させられる。せん断混合において水が除去されると、ナノセルロースは、凝集及び自己結合が防止され、ステアリン酸(又はステアレート)は、ナノセルロース粒子間のスペーサーの役割を果たす。
出発ナノセルロース分散スラリーから水が本質的に全て除去された時点で、約67wt%のナノセルロース(リグニン被覆ナノフィブリル)及び約33wt%の分散/乾燥剤を含有するナノセルロース分散濃縮物が結果として得られる。全ての水を除去することが好ましいが、ナノセルロース分散濃縮物中にいくらかの残留水分が残ることも可能である。ナノセルロース分散濃縮物のために他のナノセルロース濃度が使用され得ることも認識されるであろう。
上記で得られたナノセルロース分散濃縮物は次にハンマーミルにおいて粉砕され、以下のように、一般的な可塑剤のフタル酸ジイソノニル(DINP)中に分散される。約2重量部のナノセルロース分散濃縮物及び98重量部のDINPが、ボルテックスミキサーにおいて、周囲条件で4分間組み合わされる。得られた安定したチキソトロピー性のナノセルロース非水系分散は、図10の光学顕微鏡写真(倍率400x)で示され、DINP中に均一に分散した約1.3wt%のナノセルロース(リグニン被覆ナノフィブリル)が示される。
比較例A:ナノセルロースの脱水/乾燥のためのツインスクリューシステムではなくオーブン乾燥
リグニン被覆ナノセルロースフィブリルは、酸触媒(二酸化硫黄)、リグニンの溶媒(エタノール)、及び水の存在下でリグノセルロース系バイオマス(ソフトウッドチップ)を分画して、セルロースに富んだ固体を生成した後、セルロースに富んだ固体を機械的処理して、リグニン被覆ナノ結晶を生成することから得られる。リグニン被覆ナノ結晶は、約3wt%の固体を含む水性懸濁液(スラリー)中に存在する。
分散/乾燥剤は、ステアリン酸のアンモニウム塩であるアンモニアステアレートエマルションであるように選択される。ステアリン酸はC17H35CO2Hの化学式を有する18炭素鎖の脂肪酸であり、ナノセルロース及びリグニンヒドロキシル基と反応することができる極性ヘッド基と、有機溶媒中の溶解性を付与する非極性鎖とを有する二官能性のために選択される。
出発ナノセルロース分散スラリーは、3889グラムのリグニン被覆ナノフィブリルの水性懸濁液を58グラムのアンモニアステアレート分散/乾燥剤と水性エマルション形態で混合することによって生成される。出発ナノセルロース分散スラリーは、最初に、約3wt%のナノセルロース(リグニン被覆ナノフィブリル)及び約96wt%の水を含有する。
出発ナノセルロース分散スラリーは、スラリーから水を蒸発させるためにオーブン乾燥される。水が本質的に全て除去された時点で、約67wt%のナノセルロース(リグニン被覆ナノフィブリル)及び約33wt%の分散/乾燥剤を含有するナノセルロース分散濃縮物が結果として得られる。
得られたナノセルロース分散濃縮物は次にハンマーミルにおいて粉砕され、以下のように、一般的な可塑剤のフタル酸ジイソノニル(DINP)中に分散される。約2重量部のナノセルロース分散濃縮物及び98重量部のDINPが、ボルテックスミキサーにおいて、周囲条件で4分間組み合わされる。得られたナノセルロースの非水分散は、図11の光学顕微鏡写真(倍率400x)で示され、DINP中に分散されていない大きい凝集体が示される。この悪い結果は、乾燥のために熱オーブンではなくツインスクリューシステムを利用する実施例8からの図10において観察された良好な分散と対照的である。
比較例B:ナノセルロースの脱水/乾燥のためのツインスクリューシステムではなく高強度混合
リグニン被覆ナノフィブリルは、酸触媒(二酸化硫黄)、リグニンの溶媒(エタノール)、及び水の存在下でリグノセルロース系バイオマス(ソフトウッドチップ)を分画して、セルロースに富んだ固体を生成した後、セルロースに富んだ固体を機械的処理して、リグニン被覆ナノフィブリルを生成することから得られる。リグニン被覆ナノフィブリルは、約6wt%の固体を含む水性懸濁液(出発スラリー)中に存在する。
分散/乾燥剤は、リグニン被覆ナノ結晶及び選択されたマトリックスポリマー(ポリ乳酸)に基づいて、エチレン及びアクリル酸のコポリマーであるように選択される。特定の分散/乾燥剤は、Honeywell A-C(登録商標)540Aワックス(Honeywell Performance Materials and Technologies, Morris Plains, New Jersey, USA)であり、これは、粉末形態のエチレンアクリル酸コポリマーである。Honeywell A-C(登録商標)540Aワックスは、5wt%のアクリル酸を含有する。
出発スラリーは、加熱ジャケット及び蒸気放出のための通気口を備えた3800RPMで動作されるFM10L Henschel(登録商標)ミキサーを用いて、熱及びせん断下でセミバッチプロセスにより乾燥される。分散/乾燥剤は溶融し、加熱された容器の側面をコーティングし、ナノセルロースとは混ざり合わない。激しい水蒸気の発生がある。乾燥中、分散/乾燥剤は、水との不適合性のために側面に分離することが観察される。この悪い結果は、乾燥のためにスクリューのない高強度ミキサーではなくツインスクリュー押出機を利用する実施例1とは対照的である。ツインスクリュー押出機において、ワックス相及び水は強制的に合わせられ、通気口を通って水の蒸気相が逃れることを除いて、互いに離れることができない。
比較例C:ナノセルロース脱水/乾燥のための分散/乾燥剤を使用しないオーブン乾燥
リグニン被覆ナノフィブリルは、酸触媒(二酸化硫黄)、リグニンの溶媒(エタノール)、及び水の存在下でリグノセルロース系バイオマス(ソフトウッドチップ)を分画して、セルロースに富んだ固体を生成した後、セルロースに富んだ固体を機械的処理して、リグニン被覆ナノフィブリルを生成することから得られる。リグニン被覆ナノフィブリルは、約6wt%の固体を含む水性懸濁液(出発スラリー)中に存在する。
出発ナノセルロース分散スラリーはオーブン乾燥されて、スラリーから水を蒸発させる。図12は、フタル酸ジイソノニル中2wt%のナノセルロース(リグニン被覆ナノフィブリル)の不十分なナノセルロース分散(顕著な粒子凝集)を示す、例示的な光学顕微鏡写真(倍率100x)であり、ここで、ナノセルロースは、分散/乾燥剤を使用せず、且つツインスクリューシステムではなくオーブン乾燥を用いて乾燥されている。
実施例9:パイロット規模のツインスクリュー押出機を用いたナノセルロースの脱水
リグニン被覆ナノフィブリルは、酸触媒(二酸化硫黄)、リグニンの溶媒(エタノール)、及び水の存在下でリグノセルロース系バイオマス(ソフトウッドチップ)を分画して、セルロースに富んだ固体を生成した後、セルロースに富んだ固体を機械的処理して、リグニン被覆ナノフィブリルを生成することから得られる。リグニン被覆ナノフィブリルは、約6.3wt%のナノセルロース固体を含む水性懸濁液(出発スラリー)中に存在する。
それぞれ36mmの外径(D)及び1.44mのスクリュー長さ(L=40D)を有する共回転スクリューを備えたパイロット規模のツインスクリュー押出機が設計される。ツインスクリュー押出機への供給タンクは、ナノセルローススラリーのスクリューへの制御された供給のために内部ワイピングブレードを有するように構成される。ツインスクリュー押出機は8つの加熱ゾーン(バレル)を有し、押出機出口ダイに近い7番目のバレルに1つの押出機通気口を有する。押出機通気口は、水蒸気の放出が観察され得るように、真空下ではなく1バールの圧力で動作される。各加熱ゾーンバレルは、電気ヒーターと、熱伝達媒体(例えば、水蒸気、油、又は冷却水)のためのジャケット入口及びジャケット出口とを有するように構成される。この実施例では、各ゾーンの設定点温度に達するように電気ヒーターが使用され、水蒸気又は冷却水は使用されない。
ナノセルローススラリーは、10ポンド/時(約4.5kg/時)の供給速度でツインスクリュー押出機に供給される。ツインスクリュー押出機スクリュー速度は330RPMである。材料はツインスクリュー押出機を一度通過し、推定滞留時間は1分未満である。水蒸気の放出が観察される。
2つの温度プロファイル、以下の表1のラベル付きのプロファイル9(a)及び9(b)がこの実施例9で試験される。表1において、Txは、コントロールパネルから記録されるゾーンx(x=1~8)の測定温度である。
表1から観察されるように、温度プロファイル9(a)は、23wt%のナノセルロースである脱水ナノセルロース材料をもたらし、これは、湿った粉末である。プロファイル9(a)の平均温度は約118℃である。温度プロファイル9(b)は、61wt%のナノセルロースである脱水ナノセルロース材料をもたらし、これは、自由流動粉末である。プロファイル9(b)の平均温度は約137℃である。押出機通気口が真空下で動作されると、さらにより高い脱水の程度が実現され得ることが予想される。
実施例10:パイロット規模のツインスクリュー押出機を用いたナノセルロースの脱水
リグニン被覆ナノフィブリルは、酸触媒(二酸化硫黄)、リグニンの溶媒(エタノール)、及び水の存在下でリグノセルロース系バイオマス(ソフトウッドチップ)を分画して、セルロースに富んだ固体を生成した後、セルロースに富んだ固体を機械的処理して、リグニン被覆ナノフィブリルを生成することから得られる。リグニン被覆ナノフィブリルは、約8.9wt%のナノセルロース固体を含む水性懸濁液(出発スラリー)中に存在する。
それぞれ36mmの外径(D)及び1.44mのスクリュー長さ(L=40D)を有する共回転スクリューを備えたパイロット規模のツインスクリュー押出機が設計される。ツインスクリュー押出機への供給タンクは、ナノセルローススラリーのスクリューへの制御された供給のために内部ワイピングブレードを有するように構成される。ツインスクリュー押出機は8つの加熱ゾーン(バレル)を有し、押出機出口ダイに近い7番目のバレルに1つの押出機通気口を有する。押出機通気口は、水蒸気の放出が観察され得るように、真空下ではなく1バールの圧力で動作される。各加熱ゾーンバレルは、電気ヒーターと、熱伝達媒体(例えば、水蒸気、油、又は冷却水)のためのジャケット入口及びジャケット出口とを有するように構成される。この実施例では、各ゾーンの設定点温度に達するように電気ヒーターが使用され、水蒸気又は冷却水は使用されない。
ナノセルローススラリーは、20分の試験中、10ポンド/時(約4.5kg/時)の供給速度でツインスクリュー押出機に供給される。ツインスクリュー押出機スクリュー速度は300RPMである。材料はツインスクリュー押出機を一度通過し、推定滞留時間は1分未満である。水蒸気の放出が観察される。
2つの温度プロファイル、以下の表2のラベル付きのプロファイル10(a)及び10(b)がこの実施例10で試験される。表2において、Txは、コントロールパネルから記録されるゾーンx(x=1~8)の測定温度である。
表2から観察されるように、温度プロファイル10(a)は、31.4wt%のナノセルロースである脱水ナノセルロース材料をもたらし、これは、湿潤粉末である。プロファイル10(a)の平均温度は約123℃である。温度プロファイル10(b)は、36.1wt%のナノセルロースである脱水ナノセルロース材料をもたらし、これは、湿潤粉末である。プロファイル10(b)の平均温度は約136℃である。
実施例11:商業規模のツインスクリュー押出機を用いたナノセルロースの脱水
リグニン被覆ナノフィブリルは、酸触媒(二酸化硫黄)、リグニンの溶媒(エタノール)、及び水の存在下でリグノセルロース系バイオマス(ソフトウッドチップ)を分画して、セルロースに富んだ固体を生成した後、セルロースに富んだ固体を機械的処理して、リグニン被覆ナノフィブリルを生成することから得られる。リグニン被覆ナノフィブリルは、約7.6wt%のナノセルロース固体を含む水性懸濁液(出発スラリー)中に存在する。
それぞれ65mmの外径(D)及び4.5mのスクリュー長さ(L=69D)を有する共回転スクリューを備えたツインスクリュー押出機が設計される。ナノセルロースは、バケツからツインスクリュー押出機の口へ直接注がれる。ツインスクリュー押出機は8つの加熱ゾーン(バレル)を有し、押出機出口ダイに近い7番目のバレルに1つの押出機通気口を有する。押出機通気口は、水蒸気の放出が観察され得るように、真空下ではなく1バールの圧力で動作される。各加熱ゾーンバレルは、電気ヒーターと、熱伝達媒体(例えば、水蒸気、油、又は冷却水)のためのジャケット入口及びジャケット出口とを有するように構成される。この実施例では、各ゾーンに対して電気ヒーターが使用され、水蒸気又は冷却水は使用されない。
ナノセルローススラリーは、約300RPMのスクリュー速度で動作されるツインスクリュー押出機に供給される。1回通過したら材料を回収し、その材料を再度ツインスクリュー押出機内に供給することによって、材料はツインスクリュー押出機を6回通過される。各通過によって前回の通過よりも乾燥された材料が生じることが観察される。水蒸気の放出は各通過の間に観察される。
以下の表3は、最後の通過の間の各ゾーンの測定温度を示す。表3において、Txは、コントロールパネルから記録されるゾーンx(x=1~8)の測定温度である。平均測定温度は約132℃である。
表3から観察されるように、この実験は、96wt%のナノセルロースである脱水ナノセルロース材料をもたらし、これは、自由流動乾燥粉末である。
この脱水の程度は、押出機通気口が真空下で動作され、及び/又はツインスクリュー押出機がより高いゾーン温度で動作されると、より少ない通過で実現され得ることが予想される。また、遠心分離などにより、約15~25wt%の固体(例えば)まで出発スラリーを予備濃縮すると、ツインスクリュー押出機から除去される水の量が低下され、所望の脱水の程度を達成するために必要とされる通過の回数が低減されるであろう。
これらの実施例9~11は、ナノセルロースのツインスクリュー押出機脱水が、予想外に有効であり、ロバストであり、そして押出機生成物ストリーム中の広範な水分含量に対して容易に調整可能であることを実証する。ツインスクリューにより提供される徹底的な混合が粒子のタンブリング及び破砕をもたらし、したがって粒子の乾燥は比較的均一である。これらの試験において、ツインスクリュー押出機は、95wt%を超える固体であるナノセルロースの微細な粉末を生成するように構成され得ることが示される。微細な粉末生成物は、取扱い及び搬送が容易であり、著しい含水量を有する粘弾性ナノセルロース材料の取扱いに関する課題が回避される。
この詳細な説明において、本発明を理解及び実施することができる方法に関する、本発明の複数の実施形態及び非限定的な例が言及されている。本明細書中に明記される特徴及び利点の全てを提供するわけではない他の実施形態が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく利用されてもよい。本発明は、本明細書に記載される方法及びシステムの日常的な実験及び最適化を包含する。このような修正及び変形は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれると考えられる。
本明細書で引用される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、それぞれの刊行物、特許、又は特許出が本明細書中に具体的に且つ個々に記載されたかのように、参照によってその全体が本明細書中に援用される。
上記の方法及びステップが特定の順序で起こる特定の事象を示す場合、当業者は、特定のステップの順序付けが修正されてもよく、且つこのような修正が本発明の変形に従うものであることを認識するであろう。さらに、ステップのいくつかは、可能である場合に、平行するプロセスと同時に実施され得るだけでなく、順次実施されてもよい。
したがって、本発明の変形が存在し、それが本開示の趣旨内に含まれるか、又は特許請求の範囲において見出される本発明と同等である限りにおいて、本特許は、それらの変形も包含し得ることが意図される。本発明は、特許請求の範囲によってのみ限定されるものとする。