以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付すことにより重複説明を省略する。
本実施形態の連結装置は、例えば、製造工場、物流倉庫などにおいて、各種製造部品、荷物等の搬送物を搬送するために用いられる無人搬送車(以下、単に「搬送車」とも称する。)と、搬送対象物(搬送対象)とを連結するために用いられる。
図1は、本実施形態の搬送車10と、搬送車10に取り付けられた連結装置20とを備える搬送装置を示している。連結装置20は、搬送車10に対して回動可能に結合される搬送車側結合部21と、搬送対象物の下側フレームを解除可能に把持する連結部22と、を備える。搬送車10は、ガイドラインに沿って移動するAGV、ガイドラインに関わらず自律走行するAMR、またはそれらを組み合わせて両方実行可能にした搬送車であってもよい。
搬送車側結合部21は、搬送車10の上部に位置し、搬送車10によって下方から支持される。本例の搬送車側結合部21は、搬送車10の上部に設けられた鉛直方向(上下方向)に延びる軸部11を中心に回動可能に結合される。ここで「回動」とは、360°回転する必要はなく、例えば180°、90°以下の範囲など、所定の範囲内で変位する場合も含む。搬送者側結合部21は、搬送車10に対して回動不能に固定されていてもよい。搬送車側結合部21は、搬送車10に対して上下方向には変位しないが、変位する構成であってもよい。搬送車側結合部21の(搬送車10に対する)上記軸部11を中心とする相対的な位置(角度)は、内部のモータ又はアクチュエータ等の駆動装置によって制御される。搬送車側結合部21は基本的に、連結部22が搬送車10の後方側に位置するように、搬送車10に対して設置される。搬送車側結合部21は、搬送車10に対して取り外し可能であってもよい。
図2は、連結部22を側面視で拡大した図である。図2に示すように、連結部22は、下側フレーム51の水平板部511を下側から支持する下側支持部23、下側支持部23の先端側から上方に突出し、水平板部511の側面511aに係合する突起部24、及び、解除姿勢と把持姿勢との間で軸部25aを支点に変位する変位部25とを有する。図2は、変位部25が解除姿勢の状態を示している
変位部25は、把持姿勢において下側フレーム51を上側から支持する上側支持部26と、下側フレーム51を手前側(搬送車10側)から支持する側面支持部27と、を有する。上側支持部26と側面支持部27は部材同士が固定され、実質的に一体化されており、解除姿勢と把持姿勢との間で一緒に変位する。上側支持部26は、把持姿勢において下側フレーム51の垂直板部512の上端部(端面)に当接することで、下側フレーム51の上方への移動を抑制する。側面支持部27は、把持姿勢において垂直板部512の外側面に当接することにより、下側フレーム51が突起部24から離れる方向に移動することを抑制する。本例の軸部25aは、2つの回転軸で構成されており、変位部25の側面支持部27が鉛直方向に延在する状態を維持したまま、解除姿勢と把持姿勢との間で変位部25が変位できるように構成されている。変位部25の構成は図示例に限られず、1つの回転軸のみからなる軸部で揺動変位するようにしてもよいし、側面支持部27が水平方向にスライドし、上側支持部26が鉛直方向にスライドする構造であってもよい。当該スライド機構の場合、直線移動をガイドするためのレール等のガイド部材を設けてもよい。
図3は、変位部25が把持姿勢で、連結部22が下側フレーム51を把持している状態を示す。連結部22は、本例では把持姿勢において下側支持部23と上側支持部26とで下側フレーム51を上下方向に挟み込んでいるが、必須の構成ではない。また、本例では突起部24と側面支持部27とで下側フレームを奥行方向に挟み込むことで、下側フレーム51を把持する。なお、側面支持部27は必須の構成ではなく、側面支持部27は常に下側フレーム51と接している必要はない。つまり、突起部24があれば、水平方向に台車が離脱することを抑制できる。また、下側支持部23と上側支持部26とで下側フレーム51を上下方向に挟み込むことで、摩擦によって下側フレーム51の奥行方向の変位も抑制できる。また突起部24と側面支持部27とで下側フレームを奥行方向に挟み込むことで、摩擦によって下側フレーム51の上下方向の変位も抑制できる。
図3に示すように、上側支持部26は、垂直板部512の内面よりも内側(かご台車の内側)に突出しないように構成されている。また、下側支持部23及び突起部24は、水平板部511の上面よりも突出しないように構成されている。
変位部25は、図2の解除姿勢から図3の把持姿勢に変位する際、奥行方向においては突起部24に向かう方向(前方)に、上下方向においては、下側支持部23に向かう方向(下方)に変位する。本例では、下側支持部23の基端部と、側面支持部27の下端部にそれぞれ設けた軸部25aとそれらを連結する部材により、側面支持部27は、鉛直方向に延在する角度を維持した状態で変位する。
図4は、搬送車10に設置された連結装置20を搬送対象物50(カゴ台車)に連結するため、搬送車10が搬送対象物50に近づけていく様子を示す。この時、変位部25は解除姿勢となっている。搬送車10は、搬送対象物50の左右の車輪52の間(且つ地面と支持フレーム51の間)に、水平支持部23の先端が差し込まれるように、搬送対象物50に近づいていく。連結部22は、搬送対象物50における左右方向の中央部分に連結されることが好ましい。
図5は、連結部22を拡大して示す図である。なお、図5においては、搬送対象物の全体は示しておらず、下側フレーム51のみを模式的に図示している。下側フレーム51は、例えばL字型の断面を有する金属製の部材であり、水平方向に延在する水平板部511と、鉛直方向に延在する垂直板部512とを有する。下側フレーム51は、これにかぎられず、例えば矩形の断面の部材等で構成されてもよい。
ここで水平支持部23の先端側(突起部24よりも先端側)には、先端に向けて斜め下向きに傾斜する傾斜ガイド面28が設けられている。下側支持部23の先端は、傾斜ガイド面28を設けたことにより先細り形状となっており、徐々に上下方向の大きさ(高さ)が小さくなっている。このような構成により、搬送対象物50に対する連結部22の連結時において、滑らかに下側フレーム51の下側に下側支持部23を差込み、適切な連結位置にガイドすることができる。
下側支持部23は、搬送対象物50を連結する過程において、該搬送対象物50と接触することにより弾性的に上下方向に変位可能に構成され、変位した下側支持部23を元の位置に戻すための付勢部材が設けられている。付勢部材は、コイルスプリング(コイルバネ)、板バネ、アクチュエータ等とすることができるが、これに限られない。本例では、図5に示すように、2本のコイルスプリング31が付勢部材として設けられている。2本のコイルスプリング31は、搬送車側結合部21から外側に延在する上側のフレーム32と下側のフレーム33の間に設置され、互いに平行に配置されている。上側のフレーム32と下側のフレーム33は互いに平行であり、連結部22を支持している。コイルスプリング31は、下側支持部23が下方に変位するとコイルスプリング31が伸びて圧縮方向の力が働くことで、下側支持部23が元の位置に向けて上昇する。
下側支持部23の高さは、予め搬送対象物50の下側フレーム51に対応する高さに設定されている。連結装置20を取り付けた状態の搬送車10がカゴ台車等の搬送対象物50に近づいていく過程で、傾斜ガイド面28に下側フレーム51の外面下端部が接触すると、下側支持部23は傾斜ガイド面28の傾斜に沿って弾性的に下方に変位し、下側フレーム51が突起部24を乗り越えた際に、下側フレーム51の下面に下側支持部23の上面が当接する位置まで上昇する。そして、変位部25が解除姿勢から把持姿勢に変位すると、連結部22が下側フレーム51を把持して、搬送対象物50が搬送車10に連結される(図3参照)。
図6に示すように、搬送車10と搬送対象物50が連結装置20によって連結された状態で、搬送車が任意の目的地に移動することで、搬送対象物50(カゴ台車及び搬送される物品、荷物等)を当該目的位置に搬送することができる。
図6の例では、連結装置20に設けられた補助固定輪34が地面に接地していないが、図7に示すように、補助固定輪34が地面に接地するようにしてもよい。例えば、搬送対象物50の車輪52のうち、連結装置20側に位置する2つの車輪が固定輪である場合には、図6に示すように地面から浮かせた状態で搬送し、搬送対象物50の車輪52が全て自在輪である場合には図7に示すように補助固定輪34を接地させた状態で搬送するようにしてもよい。また、連結装置20から遠い位置にあるする2つの車輪が固定輪である場合に、図6に示すように地面から浮かせた状態で搬送してもよい。さらに、6つの車輪を有する六輪台車の場合、中央の2つが固定輪であり、その場合であっても、図6に示すように地面から浮かせた状態で搬送してもよい。つまり、搬送対象物50の車輪の種類、数、位置の情報に応じて、搬送時における補助固定輪34の接地又は非接地を選択してもよい。このような車輪の情報及び補助固定輪34の接地または非接地の条件に関する情報は、予め記憶部に記憶しておいてもよいし、ユーザが任意のタイミングで入力して制御したり記憶したりしてもよい。なお、補助固定輪34は、搬送車側結合部21に結合されており、アクチュエータ等の駆動装置によって、上下動することで、接地状態と非接地状態との間で変位する。上下動は、水平方向に延びる軸部を支点に揺動するものでもよいし、レール等に沿って上下にスライドするものでもよい。
本例において、補助固定輪34は、搬送車側結合部21から延びる支持アーム35の先端部に設けられている。支持アーム35は、上側のフレーム32、下側のフレーム33、及び連結部22の下方に位置する。補助固定輪34は、連結部22よりも前方(搬送車10から見て遠くなる方向)に位置して、搬送対象物50の下方に潜り込むように構成されているが、これに限られない。補助固定輪34と連結部22は、連結装置20の左右方向の中心に位置し、搬送車10の周囲において同じ周方向位置に配置される。搬送車に対して連結装置20が回転すると、補助固定輪34と連結部22は共に周方向に移動する。支持アーム35は、搬送車側結合部21から下方に延び、屈曲して前方に延びているが、形状は適宜変更可能である。
本実施形態では、連結部22に対して下側フレーム51が適切な位置に配置されていることを検出するセンサ29が設けられている。センサ29は、下側支持部23に隣接して配置してもよい。その場合、下側支持部23によって下側フレーム51の水平板部511が適切に支持されているか否かを判定することができる。すなわち、センサ29が下側支持部23を検出した場合には、下側フレーム51が適切な位置にあると判定することができる。センサ29は複数設けられていることが好ましい。センサ29は、押し込まれることで電流が流れて物体の有無を検出る物理スイッチでもよいし、赤外線センサ等でもよい。なお、センサ29は必須の構成ではなく、センサ29なしで連結部22が動作するようにしてもよい。例えば、ユーザからの入力に応じて連結部を解除姿勢から把持姿勢に変位させてもよいし、予め定められたプログラムに従って自動的に連結部を解除姿勢から把持姿勢に変位させてもよいし、搬送対象物に対する搬送車の距離及び角度が予め定めた範囲となった場合に、連結部を解除姿勢から把持姿勢に変位させてもよい。
図8に示すように、本例のセンサ29は、左右方向に間隔を空けて配置される一対のセンサ29a、29bで構成される。一対のセンサ29a、29bは、左右方向に間隔を空けて配置される一対の下側支持部23の間に位置しており、各下側支持部23に隣接して配置される。各下側支持部23は、それぞれのセンサ29を挟む一対の板状部材で構成されていてもよい。
本実施形態では、搬送対象物50の下側フレーム51を下側から持ち上げることで、下側フレーム51と突起部24との係合を解除するエジェクタ30を備える。なお、下側フレーム51を下側から持ち上げるとは、相対的に突起部24に対して下側フレーム51が相対的に上側に移動すればよい。つまり、エジェクタ30が突起部24に対して上昇することによって、下側フレーム51に対して突起部24が(本例では弾性的に)下方に移動するものでもよい。本例のエジェクタ30は、左右方向に間隔を空けて配置された一対の下側支持部23の外側にそれぞれ位置する押し上げ部(30a、30b)を備える。左右一対の押し上げ部(30a、30b)は、一対の下側支持部23の内側に隣接配置されてもよい。エジェクタ30は、1つの押し上げ部で構成されてもよい。例えば、一対の下側支持部23の間に位置してもよい。エジェクタ30は、搬送対象物を離脱させる際に、連結部を解除姿勢とした状態で駆動(上昇)する。また、搬送対象物を離脱させた後は、降下して元の位置に戻る。連結部が把持姿勢の間、エジェクタは常に降下した状態となる。このようなエジェクタ30の動作は、予め定められ記憶部に記憶された情報に基づいて、制御部によって制御される。または、ユーザが入力部を介して入力した指示情報に基づいて、エジェクタ30が動作するようにしてもよい。
本実施形態の連結装置は、搬送対象物の下側フレームに対して解除可能に連結される連結部と、前記下側フレームに対する前記連結部の連結を解除するためのエジェクタと、を備え、前記連結部は、前記下側フレームの水平板部を下側から支持する下側支持部、及び前記下側支持部の先端側から上方に突出し、前記水平板部の側面に係合する突起部を有し、前記エジェクタは、前記突起部に近接配置される左右一対の押し上げ部を有し、前記押し上げ部は、前記突起部に対して相対的に上昇して前記下側フレームを下側から持ち上げるように動作することで、前記突起部と前記下側フレームとの係合を解除する。このような構成により、搬送対象物の下側フレームに下側から係合する突起部で、搬送車に対して搬送対象物を連結させることができる。
本実施形態において、前記左右一対の押し上げ部はそれぞれ、前記連結部の幅方向の中心から見て、前記突起部よりも前記幅方向の外側に位置するようにしてもよい。ここで、図18、図19、図20は、連結部、エジェクタ、及び下側フレームの関係を模式的に示す平面図である。例えば、図18に示すように、2つの突起部24が下側フレーム51に係合した把持状態から、中央の単独のエジェクタ30が下側フレーム51を押し上げるようにして突起部24と下側フレーム51の係合を解除する際、図19に示すように、下側フレーム51(つまり被連結物)が連結装置に対して斜めになると、エジェクタ30が下側フレーム51から離脱して、2つの突起部24のうちの一方の係合が解除できずに残ってしまう(つまり、被連結物の連結が解除できない)可能性がある。これに対して、図20のように、2つの突起部24の外側にそれぞれエジェクタ30が設けられていることで、仮に下側フレーム51が斜めになっても、一対のエジェクタ30が下側フレーム51に確実に接触するので、2つの突起部24の係合を解除することができる。
本実施形態において、前記連結部は、解除姿勢と把持姿勢との間で軸部を支点に変位する変位部を備え、前記連結部は、前記把持姿勢において前記変位部の側面支持部と前記突起部とで前記下側フレームを奥行方向に挟み込むことで、前記下側フレームを把持するようにしてもよい。奥行方向のがたつきを防ぐことができるとともに、摩擦力によって上下方向のがたつきも抑制することができる。
本実施形態において、変位部は、前記解除姿勢から前記把持姿勢に変位する際、前記奥行方向においては前記突起部に向かう方向に変位し、前記上下方向においては、前記下側支持部に向かう方向に変位するようにしてもよい。これに限られず、変位部が奥行方向のみに変位するようにしてもよいし、上下方向のみに変位するようにしてもよい。
本実施形態において、連結部は、前記把持姿勢において前記変位部の上側支持部と前記下側支持部とで前記下側フレームを上下方向に挟み込むようにしてもよい。これにより、連結強度を高めることができる。
本実施形態において、連結部は、前記突起部よりも先端側に位置し、前記下側支持部の先端側に向けて斜め下向きに傾斜する傾斜ガイド面を有するようにしてもよい。
本実施形態において、下側支持部は、前記搬送対象物の連結の際に、該搬送対象物との接触により弾性的に下方に変位可能に構成され、下方に変位した前記下側支持部を元の位置に戻す付勢部材が設けられているようにしてもよい。これにより、さらにスムーズな連結と解除が可能となる。
本実施形態において、下側支持部は、互いに間隔を空けて配置される左支持部と右支持部とを有し、前記突起部は、前記左支持部に対応する左突起部と、前記右支持部に対応する右突起部とを有するようにしてもよい。これにより、連結強度を高めるとともに、連結時の安定性を高めることができる。また、図8のように、左支持部と右支持部とが、センサ29を挟む2枚の板(鋼板)で構成されていてもよい。左突起部と右突起部も2枚の板(鋼板)で構成されていてもよい。
本実施形態において、前記左支持部及び前記右支持部にそれぞれ、下側フレームを検出するセンサが設けられていてもよい。これによれば、何れか片方が外れていた場合に検出することができるので、連結の確実性、安全性を高めることができる。
本実施形態において、奥行方向において、前記エジェクタの先端よりも、前記連結部の先端が前側に突出しているようにしてもよい。これにより、エジェクタの先端が連結時に被連結物に接触しにくくなるので、連結の確実性、安全性を高めることができる。
本実施形態において、奥行方向において、前記エジェクタの先端は、前記突起部の近傍に位置するようにしてもよい。これにより、突起部と下側フレームとの連結解除の確実性を高めることができる。
本実施形態では、搬送対象物50の下側フレーム51のサイズに応じて、上下方向における下側支持部23と上側支持部26の間隔、及び、奥行方向における突起部24と側面支持部27の間隔、を変更可能に構成されている。例えば、上側支持部26を構成する部材が、変位部25のベース部材に対してボルト等の締結具によって着脱可能となっている。上側支持部26の位置(上下方向位置)を変更することで、上下方向における下側支持部23と上側支持部26の間隔を変更することができる。同様に、突起部24を構成する部材が締結具によって着脱可能となっていれば、突起部24の水平方向の位置を変更することで、奥行方向における突起部24と側面支持部27の間隔を変更することができる。本例に限られず、下側支持部23、側面支持部27等を構成する部材の位置が変更可能となっていてもよい。また、搬送対象物50に対応するように、下側支持部23、上側支持部26、突起部24、側面支持部27等を構成する部材の形状を変更するようにしてもよい。
本実施形態では、搬送車側結合部21と搬送車10の結合部に、電力供給及び通信のためのコネクタ等が設けられ、搬送車10と連結装置20との間で、互いに電力供給及び信号の通信(送受信)が可能となっている。具体的に、搬送車10からの電力供給及び制御信号によって、連結装置20の連結部22や補助固定輪34の上下動等の動作を制御することができる。なお、連結装置20自体に後述する制御部や記憶部、通信部、電源等が設けられていてもよく、搬送車からの電力供給や制御信号なしで動作するようにしてもよい。
本実施形態では、連結装置20に、撮像部36が設けられている。撮像部36は、連結部20の上側に位置する。また、連結装置20の幅方向(左右方向)における撮像部36の取付位置が、連結部20及び補助固定輪34に重なるように設けられることが好ましい。つまり、撮像部36の撮影方向が、連結部20の延在方向に一致し、撮像部36の中心が連結部20の左右方向の中心と一致することが好ましい。撮像部36は、撮像機能及び測距機能(深度検出機能)を有するセンサとすることができる。具体的には、例えば、Intel社のRealSense(登録商標)のDepth Camera等で構成される。制御部は、撮像部36の取得情報に基づいて搬送対象物50の位置及び連結装置に対する相対的な角度(姿勢)を推定することができる。制御部は、撮像部36の撮影画像の解析等により、障害物の存在(障害物の有無)や姿勢(カゴ台車に触れている等)、距離(撮像部36からの距離)、状態(人が作業しているか、歩いているか、座っているか、倒れているか)を検出することもできる。画像解析によって、予め記憶部に記憶される複数の選択肢の中から何れかを制御部が選択するようにしてもよい。このような情報に基づいて、例えば進行方向に障害物(物品、人を含む)を検出した場合には進行を停止するようにしてもよい。あるいは、作業員がカゴ台車内の物品を出し入れしていることを検出した場合には、連結動作や解除動作を停止したりしてもよい。逆に、障害物がない場合や作業員が作業していない(もしくは作業を終了した)ことを判定した場合には、連結動作又は解除動作を開始するようにしてもよい。このように、制御部は、撮像部36からの取得情報に基づいて、搬送車及び連結装置を制御することができる。また撮像部36は、図4のように、補助固定輪34を支持する支持アーム35の上部に設けてもよい。連結部20の上側と下側の両方に撮像部36を設けることで撮像範囲が拡大することに加えて、搬送対象物等の検出精度(位置、姿勢の推定精度)を高めることができるので、連結動作の効率性及び安全性を高めることができる。なお、撮像部36は必須の構成ではない。
連結装置20を搬送対象物50に連結する場合、搬送車の制御部は、撮像部36からの情報、及び、搬送車自体に設けられた撮像部(カメラやセンサを含む)の少なくとも何れかの情報に基づいて、適切な位置及び角度で連結装置20を搬送対象物50に接近させることができる。例えば、搬送対象物50の左右方向の中心(幅方向の中心)に連結装置20の連結部20が位置し、連結部20の真正面に搬送対象物50位置するように搬送車10を移動させる。
そして、連結部20に設けたセンサ29からの情報により、連結部20に対して適切な位置に搬送対象物50の下側フレーム51が配置されたと判定した場合、変位部25を解除姿勢から把持姿勢に変位させる。これにより、高い精度で下側フレーム51を連結部20で把持することができる。
搬送車が目的位置まで搬送対象物50を搬送し、連結を解除する場合、変位部25を把持姿勢から解除姿勢に変位させてから、搬送車を搬送対象物50から離れる方向(連結時と逆方向)に走行させることで、連結を解除することができる。その際にも、制御部は、連結部20に設けたセンサ29からの情報に基づいて、適切に下側フレーム51が連結部20から離脱したかを判定したり、撮像部36からの情報に基づいて、搬送対象物50が適切な姿勢で連結解除されたかを判定したりすることができる。なお、連結を解除する場合、変位部25を把持姿勢から解除姿勢に変位させてからエジェクタ30を上昇させもよいし、エジェクタ30なしで搬送車が移動することで離脱させてもよい。エジェクタがない場合、下側支持部23が下方に移動することで突起部24を乗り越え易くするようにしてもよい。
なお、搬送車の上部に回動可能な板状のターンテーブルを設け、そこに搬送車側結合部21を設置するようにしてもよい。その場合、ターンテーブルが連結装置とともに回動し、ディスクブレーキ等でターンテーブルの回転を抑制することで連結装置の回動を抑制することができる。
また、搬送車10に対する連結装置の回動角度をモータで制御する場合、モータが基本的に脱力していて自由に回転するが、必要なとき(ロックするために所定の角度にしたり、搬送者に対する搬送対象物の角度を調整したりする場合)のみ、モータを駆動させて回転して連結装置の回動角度(向き)を任意に変えられるようにしてもよい。モータは、連結装置を回動させるために設けられる専用モータでもよし、搬送車の駆動輪を制御するモータ等でもよい。
ここで、搬送対象物50は、例えば、かご台車、台車、キャビネット、パレット、コンベア、他の各種装置等とすることができるが、これに限られない。搬送対象物50は車輪52を備え、搬送車10に連結された状態で牽引されることで、搬送車に追従して移動する。つまり、搬送対象物50は基本的に、(搬送車10の進行方向を前方とした場合に)搬送車10の後方に位置するが、例えば搬送車10が後退する場合など、搬送車10の進行方向側に位置してもよい。また、搬送形態は、前方に位置する搬送車が後方の搬送対象物を引っ張る牽引搬送でもよいし、前方に位置する搬送対象物を搬送車が後方から押しながら移動する搬送形態でもよい。車輪52は、搬送物を積載するカゴ台車のかご部分などの底面に複数(例えば4個、6個等)設けられており、全て自在輪で構成されてもよいし、固定輪と自在輪とで構成されていてもよい。搬送対象物が固定輪と自在輪とを備える場合、搬送車が固定輪側に位置するように搬送車と搬送対象物を連結するようにしてもよいし、その逆でもよい。つまり、制御部は、搬送対象物の車輪の情報(固定輪の有無及びその位置)の情報に基づいて、搬送対象物に対する連結装置の把持位置(方向)を決定することも可能である。さらに、重量物が予め定めた所定の重量(1kg、10kg、50kg、100kgなど)を超える場合に、固定輪と逆側に搬送車を連結させるようにしてもよい。つまり、搬送対象物の車輪情報に加えて、搬送対象物の重量情報に基づいて、搬送対象物に対する連結装置の把持位置(方向)を決定することも可能である。このような連結装置の把持位置の決定に関する条件情報は予め記憶部に記憶されるか、ユーザからの入力情報によって記憶したり更新したりしてもよい。また、車輪情報、重量情報はユーザからの入力情報から取得してもよいし、搬送対象物からの送信される情報を受信するようにしてもよいし、搬送車又は連絡装置のカメラ画像の解析やセンサ検出情報から推定するようにしてもよい。
<搬送車の構成>
図9は、搬送車10の構成例を示す斜視図である。本例の搬送車10は無人搬送車であるが、人が乗ることが可能な各種車両にも適用可能である。図9の矢印15は搬送車の進行方向を示している。進行方向は、基本的に搬送車の前方であるが、状況に応じて後方でもあり得る。図9に示す通り、搬送車10は、連結装置20を結合するための軸部11、搬送車周辺の物体を検出する物体位置検出部12、駆動輪13、非駆動輪14を備えている。
例えば、搬送車には、物体位置検出部12が搭載されている。物体位置検出部12は、搬送車から物体(搬送対象物、人等を含む)までの相対的な距離、角度を検出する装置である。物体位置検出部12、撮像部36の一例としては、レーザー光を照射して物体に当たって跳ね返ってくるまでの時間を計測することで物体までの距離や方向を計測するレーザー距離センサ(LiDAR(Light detection and ranging)など)、ミリ波の送信信号と物体に反射して戻ってくる受信信号に基づいて物体までの距離を検出するミリ波レーダー、または、カメラで物体を撮影して撮影画像を解析することで物体までの距離を計測するカメラ式距離センサ、などを適用することができる。本実施形態では、物体位置検出部12を搬送車の上面部の進行方向前方に配置する例を示したが、これに替えて進行方向の前方側面に配置しても良い。また、前方だけでなく進行方向の後方側面や左右両側面に配置しても良い。
物体位置検出部12は、搬送車の周囲360度に対して物体を検出するようにしても良いが、少なくとも搬送車の進行方向15に対して物体を検出できるように構成されている。進行方向15は、搬送車の前方であっても後方であってもよい。
図10は、本実施形態に係る搬送車のハードウェア構成例を示す下面図である。搬送車の底面には、搬送車の進行方向15に対する左右両側の位置に駆動輪13が設けられ、各駆動輪13の前後の位置にはそれぞれ非駆動輪14が設けられる。駆動輪13は、モータの回転軸に接続されて駆動される車輪であり、右側の駆動輪と左側の駆動輪はそれぞれ個別に制御される。制御部は、駆動輪の回転速度を制御することにより、搬送車の速度を制御することができる。また制御部は、各駆動輪の回転速度や回転方向を個別に制御することにより、搬送車をカーブさせて走行させたり、その場で搬送車を回転させて向きを変えたり、停止させたり、後退させたりすることが可能となる。非駆動輪14は、駆動されない車輪で構成され駆動輪13により搬送車が移動することで受動的に回転する車輪である。非駆動輪14は、例えば、車輪と車軸を固定するフォークを有し、フォークは搬送車の底面部材と旋回可能に接続される回転キャスターで構成される。そのため、搬送車の進行方向や回転動作に応じて非駆動輪14の車輪回転方向が受動的に変化する。図10では、2つの駆動輪と、四隅に4つの非駆動輪を備える搬送車のハードウェア構成を例示したが、本発明は当該ハードウェア構成に限定されるものではなく、駆動輪2つと非駆動輪2つの計4輪の構成を採用することも可能であり、また当該4輪構成において前輪がステアリング可能となる構成を採用することも可能である。
搬送車の底面には、誘導ライン(ガイドライン)を検出する誘導ライン検出部16が設けられている。誘導ライン検出部16は、望ましくは駆動輪13よりも搬送車の進行方向前方に設けられる。これにより、誘導ラインがカーブしている位置を走行する場合に誘導ラインに追従して走行しやすくなり、また搬送車及び牽引する台車が進行する際にいち早く誘導ラインから情報を受信することでいち早く停止等の処理が実行できる。誘導ライン検出部は、上述したような誘導方式のタイプに応じたセンサが用いられる。誘導方式として、電磁誘導方式を用いる場合はピックアップコイル、磁気誘導方式を用いる場合は磁気センサ、画像認識方式を用いる場合はカメラが誘導ライン検出部のセンサとして用いられる。ガイドラインは、床面に限られず、建物の側壁面、天井面等に設けられていてもよく、当該ガイドラインを認識可能な位置(搬送車の下面、側面、上面等)に搬送車のセンサ(カメラを含む)を設置することができる。また、ガイドラインは、2次元又は3次元のマップデータ上に仮想的に設けられた軌道であってもよい。搬送車の制御部は、予め記憶部に記憶されるマップ情報及び軌道情報(移動経路情報)と、カメラやセンサ等の情報に基づいて推定した現在の自己位置情報と、に基づいて、仮想的なガイドラインに沿って搬送車の走行を制御するようにしてもよい。
図11は、本実施形態に係る動作エリア130の構成例を示す図である。図11に示す通り、動作エリア130内には、誘導ライン131が敷設されており、自律走行モードで走行する搬送車が予め設定された走行モード切替位置132において誘導ライン131を検出した場合には、自律走行モードから誘導走行モードに走行制御モードが切り替えられる。また、逆に誘導ライン上を誘導走行モードで走行する搬送車が予め設定された走行モード切替位置132に入った場合には、誘導走行モードから自律走行モードに走行制御モードが切り替えられる。荷物が収納されている棚やベルトコンベヤや作業員の作業位置の近接位置に搬送車を誘導するために、誘導ライン131で構成される軌道は、複数の分岐点を介して、棚や作業位置と近接する位置に敷設されている。
誘導ラインの敷設されていない自律走行エリアを自律走行モードで走行している搬送車10は、走行モード切替位置132に進入し、かつ誘導ライン131を検出することを条件に誘導ラインに追従する誘導走行モードに走行モードを変更する。他方、誘導ライン上を誘導走行モードで走行する搬送車が走行モード切替位置132に進入した場合には、誘導走行モードから自律走行モードに走行制御モードが切り替わり、搬送車は誘導ラインを離脱して、自律走行を開始する。
図11で示した誘導ライン131としては、後述するような、従来から利用されている様々な誘導方式の誘導ラインを適用することができる。具体的には、例えば、誘導ラインとして設置した金属線に微弱な交流電流を流すことで生じる磁場を搬送車側のピックアップコイルで検出する電磁誘導方式、誘導ラインとして床面に敷設した磁気テープを搬送車側の磁気センサで読み取る磁気誘導方式、または誘導ラインとして床面に敷設したコード(バーコード、二次元コードなど)の画像を搬送車側のカメラで撮影して画像処理を行う画像認識方式などを適用することができる。誘導ラインを、複数の二次元コードで構成する場合、誘導ラインは二次元コードに示すような二次元平面上にコード情報が印刷された複数の二次元コードが誘導ラインの敷設方向に向かって並んで印刷される。誘導ライン検出部16は、二次元コードを検出すると、当該二次元コードから取得したコード情報に基づいて、当該二次元コードの位置情報を取得する。誘導ラインを磁気テープで構成する場合、誘導ライン検出部16は、磁気テープを検出する磁気センサを搬送車の進行方向に向かって横方向に複数備える構成とすることができる。誘導ライン検出部16に設けられた複数の磁気センサは、それぞれ磁気テープを検出したか否かの検出信号を出力する。これにより、誘導ライン検出部16の中央に位置する磁気センサが磁気テープを検出するか、左右の端部に位置する磁気センサが磁気テープを検出するか、などによって、誘導ライン検出部16のどの位置に磁気テープが位置しているかを検出することができる。
<搬送システムの構成>
次に、本実施形態の搬送システムの構成を説明する。図12は、本実施形態に係る搬送システムの全体構成図の一例を示す図である。搬送システム1000は、複数の搬送車(10a, 10b)、搬送物である台車2000、搬送車の状態を表示又は搬送車へ指令を入力可能な操縦機3000、搬送車の運行に必要な情報を管理する統括制御装置4000、統括制御装置の情報を表示し統括制御装置に情報を入力する入出力装置5000、複数の搬送車(10a, 10b)と操縦機3000と統括制御装置4000を通信可能に接続する通信ネットワーク6000を備える。
また、搬送システム1000は通信ネットワーク6000を介して外部システム7000と接続させることもできる。搬送システム1000を製造工場に導入して、製造に必要な部品を収納庫から製造ラインに搬送する場合には、搬送システム1000は、外部システム7000として製造管理システムとシステム間連携を行う。この場合、製造管理システムから製造作業の稼働進捗状況に関する情報を取得すれば、搬送車による輸送量や輸送経路を製造作業の作業進捗状況に応じて動的に調整することができる。
別の例として、搬送システム1000を物流倉庫に導入して、トラック等で荷物が倉庫に搬入される際に搬入物を搬入口から収納庫に搬送し、また倉庫から荷物を出荷する際に収納庫から出荷される荷物を搬出口へ搬送する場合には、搬送システム1000は、外部システム7000として物流管理システムとシステム間連携を行う。この場合、物流管理システムから搬入に関する情報や出荷に関する情報を取得すれば、搬送車による輸送量や輸送経路を変更することができる。
搬送システムが導入される施設では、一般的に複数の搬送車(10a, 10b)が稼働するため、それぞれの搬送車は通信ネットワーク6000を介して他搬送車や他構成要素と通信可能に連結される。例えば、搬送車は自機の検出部で検出した各種検出情報やその他の制御情報を操縦機3000や統括制御装置4000や他搬送車10に送信する。また搬送車10は台車2000と電気的に接続又は近距離通信手段で通信可能に接続され、台車から連結状態に関する情報や台車の識別情報などを受信可能に構成される。
操縦機3000は、各搬送車の状態情報を表示する機能と、指定した搬送車へ指令を入力する機能を備えている。例えば、操縦機に表示される搬送車の状態情報としては、各搬送車の識別情報、位置(座標、マップ上での位置)、速度、向き、走行履歴、搬送対象物の搬送履歴(搬送した搬送対象物の識別情報、搬送開始位置、搬送終了位置、搬送時刻、連結時刻、解除時刻等の時刻情報を含む)、搬送車に搭載されて搬送車の電源となるバッテリの充電量の情報、搬送車が取得するセンサ情報、撮影画像、搬送車が搬送する台車等の搬送物(搬送対象物)の識別情報、連結装置の情報、把持姿勢か解除姿勢か、連結装置のロックに関する情報(ロック状態か否か)、回動角度など、本システムで取得したり、記憶したりする情報の全てを表示可能である。搬送車へ入力する指令としては、例えば、搬送車の目的地(目的位置)に関する指令情報、台車との連結や連結解除の動作指令、搬送車の走行開始指令、搬送車の停止指令、充電ステーションへの帰還指令、搬送車に搬送させる搬送対象物の指示、連結指示、連結解除指示、回動ロック支持、ロック解除指示、回動角度の指示、ロック条件(ロック可能な回動角度)に関する指示、搬送する搬送対象物の識別情報、搬送開始位置、搬送終了位置、搬送時刻、連結時刻、解除時刻等の時刻情報などの指示情報である。
図13に本実施形態における統括制御装置4000の構成図を示す。統括制御装置4000は、施設エリアで運行される複数の搬送車の状態情報を記録する状態情報記録部4010と、複数の搬送車の動作シナリオを管理する動作シナリオ管理部4020と、搬送車の誘導ライン検出部により取得された誘導ラインの検出情報を含む搬送車の検出情報に基づいて作業エリアのマップを生成及び更新するマップ管理部4030と、搬送車の検出情報に基づいて誘導ライン及び搬送車の異常を判定する異常判定部4040と、外部の入出力装置5000及び通信ネットワーク6000と通信を行う通信部4050と、を有している。
状態情報記録部4010で記録される搬送車の状態情報は、例えば、運行中の複数の搬送車により検出される障害物検出位置、誘導ライン検出位置、搬送車の走行位置の履歴情報、更には、バッテリ充電量の情報、複数の搬送車と連結された台車の識別情報、複数の搬送車の動作モード(誘導走行モードまたは自律走行モード)、その他搬送車の検出部230で検出される各種検出情報、作業エリアのマップ情報などである。動作シナリオ管理部4020で管理される動作シナリオは、例えば、複数の搬送車それぞれの目的地の情報、目的地に行き着くまでに実行する複数の動作内容、複数動作の動作順序、複数動作の切替条件を含んでいる。
マップ管理部4030は、搬送車により検出される障害物検出位置、誘導ライン検出位置、搬送車の走行位置の履歴情報に基づいて、作業エリア内の障害物と誘導ラインの位置情報を含むマップを生成する。更に、マップ管理部4030は、1台又は複数台の搬送車により蓄積された誘導ラインの検出位置の情報に基づいて、マップに登録されている誘導ラインや作業エリアの情報を更新する。
異常判定部4040は、マップ情報に登録されている誘導ラインの位置情報と、搬送車で検出される誘導ラインの検出位置情報を含む搬送車の検出情報に基づいて、誘導ライン及び搬送車の異常を判定する。
入出力装置5000は、統括制御装置4000の状態情報記録部4010に記録された情報、マップ情報(マップの更新情報を含む)及び異常判定部による判定結果などを表示するとともに、動作シナリオ管理部4020で管理される動作シナリオを入力することで新規に動作シナリオを追加したり、更新したりすることができる。入出力装置5000に入力される情報は、例えば、任意の搬送車の目的地が誘導走行エリア110の作業エリアAであることや、誘導走行エリア110に進入して作業エリアAに行き着くための動作内容、動作切替条件などを含んでいる。
<搬送車の機能>
図14を用いて搬送車の有する機能を説明する。図14は本実施形態に係る搬送車の機能構成図を示す図である。搬送車10は、連結装置20,搬送車外部の台車2000や通信ネットワーク6000と通信を行う通信部210と、記録部220(記憶部を含む)、後述する各種センサを備えた検出部230、台車と連結するための連結装置、車輪を駆動させる車輪駆動部280、入力部240、表示部250、車輪駆動部280などの動作を制御する制御部260、を備えている。
記録部220は、通信部210が外部から受信した情報、検出部230が検出した検出情報、制御部が生成、出力した情報を記録する機能を有する。記録部220は、搬送車の目的位置、移動経路、移動履歴等の情報を記憶することができる。記録部220は、目的位置までの距離に応じた速度情報、当該速度情報を算出するための算出式(プログラム)情報等を記憶することができる。
検出部230は、物体位置検出部12、誘導ライン検出部16、走行距離検出部233、衝突検出部234、姿勢検出部235、充電量検出部236を備えている。物体位置検出部12は、前述した通り、レーザー光を照射して物体に当たって跳ね返ってくるまでの時間を計測することで物体までの距離や方向を計測するレーザー距離センサ(LiDAR(Light detection and ranging)など)、ミリ波の送信信号と物体に反射して戻ってくる受信信号に基づいて物体までの距離を検出するミリ波レーダー、または、カメラで物体を撮影して撮影画像を解析することで物体までの距離を計測するカメラ式距離センサ、などで構成される。制御部は、検出部の情報に基づいて、搬送車の現在位置、現在速度の情報を推定することができる。検出部230は、搬送車の現在位置を検出するGNSS等を含む位置センサ、搬送車の速度を検出する速度センサを備える。
誘導ライン検出部16は、上述したように誘導方式のタイプに応じたセンサが用いられる。誘導方式として、電磁誘導方式を用いる場合はピックアップコイル、磁気誘導方式を用いる場合は磁気センサ、画像認識方式を用いる場合はカメラが誘導ライン検出部のセンサとして用いられる。誘導ライン検出部は、誘導ラインの直上に位置している場合に誘導ラインを検出して検出信号を出力する。また、カメラにより二次元コードやバーコードを使った誘導ラインを読み取る画像認識方式の場合には、誘導ラインの検出信号に加えて、検出したコードの情報に基づいて位置情報を生成し、更にコードの画像情報を行うことで誘導ラインと搬送車の相対角度情報を生成することができる。
走行距離検出部233は、非駆動輪14または駆動輪13の回転数を検出し、当該回転数の検出情報と非駆動輪または駆動輪の直径(または円周長)の情報に基づいて搬送車の走行距離及び走行速度を計測することができる(この場合、走行距離検出部233が、速度センサとして機能し得る)。また、代替手段として、ミリ波を水平方向の任意の方向(壁面や床面でもよい)に照射して反射波を検出するミリ波センサを用いて、搬送車の走行速度を検出し、当該走行速度を積分することで走行距離を推定する手段を適用することも可能である。また、上記した方法以外のあらゆる走行距離を計測したり、走行速度を取得したりする方法を適用可能である。
衝突検出部234は、搬送車が物体や人に衝突したことを検出する機能を有する。具体的には、ジャイロセンサなどにより加速度を検出して、加速度の急変を検出した場合に衝突が発生したと判断することができる。代替手段として、搬送車の進行方向前方にバンパーと共に物理スイッチを設け、当該物理スイッチが押されたことにより衝突が発生したと判断する手段を適用することも可能である。また、上記以外の衝突検知方法を適用することができる。衝突検出部234が衝突を検出した場合には、搬送車を停止させ、衝突発生情報と衝突発生位置の少なくともいずれかの情報を記録部に記録すると共に、当該情報を統括制御装置4000及び操縦機3000に情報を通知する。姿勢検出部235は、磁気コンパス又は左右駆動輪の回転数の情報又は車輪のステアリング情報に基づいて、自車の向き(姿勢)を検出する。
充電量検出部236は、搬送車の電源であるバッテリの充電量を検出する。充電量検出部236で検出した充電量が所定値以下となった場合には、充電が必要と判断して、充電量減少の検知情報を記録部に記録すると共に、当該情報を統括制御装置4000及び操縦機3000に情報を通知する。更に、充電量が所定値以下であることを検出した場合に、上記処理に加えて充電スポットへ自動で移動して充電を行うようにしても良い。なお、充電量検出部236が要充電と判断するための前記所定値は、当該搬送車に設定された目的地までの距離と当該搬送車に連結された搬送物の重量の少なくともいずれかに基づいて予め設定された値であっても良い。
入力部240は、搬送車に搭載された物理スイッチ又はタッチパネル等で構成され、ユーザは動作指令等を直接搬送車に入力することができる。表示部250は、例えば、搬送車に搭載された液晶パネル等で構成され、搬送車の状態情報(検出部230での各種検出情報、走行モードの種別、現在実行中の動作シナリオなど)を表示することができる。
制御部260は、動作判定部261と、モード切替部262と、連結制御部263と、表示制御部264と、位置推定部265と、走行制御部266を備えている。動作判定部261は、動作シナリオ管理部4020から取得した自搬送車の動作シナリオに基づいて搬送車の動作を判定する。
モード切替部262は、動作シナリオ等により予め定められた条件、または入力部240で入力された指令に基づいて、搬送車の走行モードを誘導走行モードと自律走行モードの間でモードの切り替えを行う。連結制御部263は、動作シナリオ等で予め定められた条件、または入力部240で入力された指令に基づいて、連結装置の動作を制御して、台車等の搬送物との連結/非連結を制御する。表示制御部264は、前述した入力部240の入力IF及び表示部250を制御する。
位置推定部265は、走行距離検出部233で検出した走行距離と、姿勢検出部235で検出した自車の向きの情報と、記録部220に記録されているエリア全体のマップ情報に基づいて、走行エリア全体における自車の現在位置を含む所定時刻の位置を推定することができる。または、物体位置検出部12で計測した自車から物体までの距離や方向の情報と、記録部220に記録されているエリア全体のマップ情報に基づいて走行エリア全体における自車の位置を推定することも可能である。あるいは、二次元コードで構成された誘導ライン上を走行している場合には、二次元コードの識別情報と上記マップ情報とに基づいて走行エリア全体における自車の位置を推定することも可能である。位置推定部265は、搬送車に設けたGNSS等によって位置情報を取得することも可能である。
位置推定部265は、推定した自車位置情報と、物体位置検出部12で検出した自車から物体までの距離情報に基づいて、物体が存在する位置を推定することができる。また、誘導ライン検出部16で誘導ラインを検出した際の自車位置情報に基づいて、誘導ラインの設置位置を推定する。
走行制御部266は、動作判定部261、モード切替部262による判定情報の少なくともいずれかに基づいて、搬送車の走行を制御する。走行制御部266は、搬送車の前進、後退、停止、旋回、及び移動速度、旋回速度を制御することができる。具体的には、車輪駆動部280の有する右輪駆動部281、左輪駆動部282をそれぞれ個別に制御する。右輪駆動部281と左輪駆動部282は例えばモーターで構成され、各駆動輪の回転速度や回転方向を個別に制御することで、搬送車を任意の軌跡半径でカーブさせて走行させたり、搬送車を回転させて向きを変えたりすることが可能となる。
搬送車に設けたセンサからの情報に基づいて、ガイドラインの延在方向に対する搬送車の角度を推定する角度推定処理と、搬送車に設けたセンサからの情報に基づいて、ガイドラインの延在方向に垂直な方向におけるガイドラインと搬送車との相対位置を推定する相対位置推定処理と、搬送車の角度及び相対位置に基づいて、搬送車の向きを制御するようにしてもよい。例えば、カメラにより二次元コードやバーコードを使ったガイドラインを読み取る画像認識方式の場合には、誘導ラインの検出信号に加えて、検出したコードの情報に基づいて位置情報を生成し、更にコードの画像情報を行うことで誘導ラインと搬送車の相対角度情報を生成するようにしてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
本明細書において説明した装置は、単独の装置として実現されてもよく、一部または全部がネットワークで接続された複数の装置(例えばクラウドサーバ)等により実現されてもよい。例えば、搬送車の制御部260および記録部220は、互いにネットワークで接続された異なるサーバにより実現されてもよい。また、本明細書において説明した搬送システムでは、操縦機3000、統括制御装置4000、入出力装置5000がそれぞれネットワークを介して接続された別個のハードウェアで構成される例を説明したが、操縦機3000、統括制御装置4000、入出力装置5000の機能の一部又は全部が搬送車10に実装されていても良い。
本明細書において説明した装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。本実施形態に係る制御部260の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、PC等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
また、本明細書においてフローチャート図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
他の実施形態を図15に示す。本実施形態では、把持姿勢において下側フレーム51を上側から支持する上側支持部26が水平ではなく斜めに傾斜しており、下側フレーム51を手前側(搬送車10側)から支持する側面支持部27の役割を兼ねている。つまり、変位部25は、上側支持部26と側面支持部27として機能する傾斜面が設けられている。また、下側支持部23は、水平ではなく、突起部24に向けて斜め上向きとなるように傾斜している。下側支持部23が、突起部24に向けて斜め上向きとなるように傾斜していることで、下側フレーム51が(例えば歪んでいて)水平ではなく二点鎖線で示すように斜めであった場合でも、突起部24を確実に係合させることができる。
図16に示すように、連結装置20は、水平方向(連結装置の左右方向)に延びるヒンジ部37を支点に上下に揺動できるように構成されている。ヒンジ部37は、搬送車側結合部21と連結部22(及び本例では補助固定輪34、支持アーム35)との間に位置し、送車側結合部21に対する連結部22等の角度が変更可能である。これにより、例えば、搬送車が走行する地面と搬送対象物の車輪が接する地面とが平行でない(一方が坂道で他方が水平面など)場合に、ヒンジ部37を支点に連結部22が揺動し、搬送車と搬送対象物の両方の車輪を安定して接地させることができる。
ヒンジ部37は、揺動を抑制するためのロック機構が設けられていてもよい。例えば、予め定めた所定重量(1kg、10kg、50kg、100kgなど)を超える搬送対象物を搬送する場合に、ロック機構で連結部22の揺動を抑制するようにしてもよい。つまり、搬送対象物の重量に基づいて、制御部がヒンジ部37のロック要否を決定するようにしてもよい。これによれば、重量の大きい搬送対象物を安定して搬送することができる。
さらに、図17に示すようにヒンジ部37を支点に連結部22等を揺動させて(折り曲げて)、送車側結合部21の上方に連結部22等を配置すれば、搬送車及び連結装置をコンパクトに保管することができる。また、安全のために、図17の折りたたまれた状態でヒンジ部37をロックするようにしてもよい。これによれば、意図せず連結装置20が開いて作業者に接触する等の事故を防ぐことができる。
本実施形態では、搬送車に対する連結装置の回動角度を検出する回動状態検出部を備える。回動状態検出部は、例えば回転の変位を電気信号に変換し検出するエンコーダで構成されてもよいし、他のセンサ(角度センサ等)で構成してもよい。回動状態検出部を備えることで、搬送車に対する搬送対象物の位置及び向きを検出することができる。
また、回動状態検出部の情報に基づいて、後退する際の進行後方を推定することができる。具体的に、後退する際には連結装置の固定輪もしくは搬送対象物の固定輪の向きに進行するため、回動状態検出部の角度情報から、後退時の進行方向を推定することができる。搬送車の制御部は、当該進行方向の情報に基づいて、リアルタイムで駆動部を制御して進行方向を補正することで目的位置に向けて安全に後退することができる。また、搬送対象物の位置を推定することで、前進、後退等の走行中に、障害物に衝突することを防ぎながら走行することができる。つまり、搬送車の移動経路と、搬送者に対する搬送対象物の位置及び向きの情報から、搬送対象物の移動経路を推定することができるので、搬送対象物の予定移動経路上に障害物の有無を推定し、障害物がある場合には進行を停止したり、回避して走行することができる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(項目1)
搬送車と搬送対象物を連結する連結装置であって、
前記搬送対象物の下側フレームに対して解除可能に連結される連結部と、
前記下側フレームに対する前記連結部の連結を解除するためのエジェクタと、を備え、
前記連結部は、前記下側フレームの水平板部を下側から支持する下側支持部、及び前記下側支持部の先端側から上方に突出し、前記水平板部の側面に係合する突起部を有し、
前記エジェクタは、前記突起部に近接配置される左右一対の押し上げ部を有し、
前記押し上げ部は、前記突起部に対して相対的に上昇して前記下側フレームを下側から持ち上げるように動作することで、前記突起部と前記下側フレームとの係合を解除する、連結装置。
(項目2)
前記左右一対の押し上げ部はそれぞれ、前記連結部の幅方向の中心から見て、前記突起部よりも前記幅方向の外側に位置する、項目1に記載の連結装置。
(項目3)
前記連結部は、解除姿勢と把持姿勢との間で軸部を支点に変位する変位部を備え、
前記連結部は、前記把持姿勢において前記変位部の側面支持部と前記突起部とで前記下側フレームを奥行方向に挟み込むことで、前記下側フレームを把持する、項目1又は2に記載の連結装置。
(項目4)
前記変位部は、前記解除姿勢から前記把持姿勢に変位する際、前記奥行方向においては前記突起部に向かう方向に変位し、前記上下方向においては、前記下側支持部に向かう方向に変位する、項目3に記載の連結装置。
(項目5)
前記連結部は、前記把持姿勢において前記変位部の上側支持部と前記下側支持部とで前記下側フレームを上下方向に挟み込む、項目3に記載の連結装置。
(項目6)
前記連結部は、前記突起部よりも先端側に位置し、前記下側支持部の先端側に向けて斜め下向きに傾斜する傾斜ガイド面を有する、項目1又は2に記載の連結装置。
(項目7)
前記下側支持部は、前記搬送対象物の連結の際に、該搬送対象物との接触により弾性的に下方に変位可能に構成され、下方に変位した前記下側支持部を元の位置に戻す付勢部材が設けられている、項目1又は2に記載の連結装置。
(項目8)
前記下側支持部は、互いに間隔を空けて配置される左支持部と右支持部とを有し、
前記突起部は、前記左支持部に対応する左突起部と、前記右支持部に対応する右突起部とを有する、項目1又は2に記載の連結装置。
(項目9)
前記左支持部及び前記右支持部にそれぞれ、下側フレームを検出するセンサが設けられている、項目8に記載の連結装置。
(項目10)
奥行方向において、前記エジェクタの先端よりも、前記連結部の先端が前側に突出している、項目1又は2に記載の連結装置。
(項目11)
奥行方向において、前記エジェクタの先端は、前記突起部の近傍に位置する、請求項1又は2に記載の連結装置。