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JP7799061B2 - コンピュータにより生体分子分析装置の流路における液搬送を制御する方法、および生体分子精製システム - Google Patents

コンピュータにより生体分子分析装置の流路における液搬送を制御する方法、および生体分子精製システム

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JP7799061B2
JP7799061B2 JP2024533457A JP2024533457A JP7799061B2 JP 7799061 B2 JP7799061 B2 JP 7799061B2 JP 2024533457 A JP2024533457 A JP 2024533457A JP 2024533457 A JP2024533457 A JP 2024533457A JP 7799061 B2 JP7799061 B2 JP 7799061B2
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Description

本開示は、コンピュータにより生体分子分析装置の流路における液搬送を制御する方法、および生体分子精製システムに関する。
遺伝子の分析をする際は、例えば前処理としてサンプルの溶解、核酸の精製・増幅を行い、増幅産物を検出するという流れをとる。この工程には、コンタミのリスクや煩雑なサンプル調整が伴う。そのため従来は、研究所等のように実験設備が整った環境にサンプルを送付し、専門の知識と技術を持った検査官がサンプル調整と計測を行い、データ解析を行う流れが一般的であった。しかし、サンプルの輸送に時間がかかることや、実験設備の維持には多額の設備費・人件費が必要であることが問題点として挙げられる。また、効率を上げるためにバッチ処理を導入している場合、急ぎのサンプルを割り込ませるのは困難である。
近年、サンプルの導入から計測・データの取得までを全自動で実施する、StoA(Sample-to-answer)システムが、様々な分野で登場しつつある。StoAシステムに、チャンバや流路、試薬が統合された、流路チップが用いられる場合がある。流路チップを導入することで、以下のメリットが得られる。つまり、(i)非専門家でも容易に計測できる、(ii)短時間でデータを取得できる、(iii)可搬性の高い装置が設計可能、(iv)手技に由来するばらつきの低減、(v)試薬の保管が容易となる、である。
StoA流路チップの利用分野としては、潜在的な応用も含めると、例えば法医学、体外診断、動植物の種の同定、バイオディフェンス、医薬、バイオテクノロジー、ライフサイエンス、防衛、公衆衛生、及び農業があげられる。StoA流路チップで遺伝子分析を行う場合、分析間でサンプルが混ざることを防ぐため、サンプルに直に触れる流路の一部または全体は一回の計測ごとに使い捨てにすることが望ましい。使い捨てチップのコストを下げるには、製造しやすい設計や、安価な材料を使用するといった対策が挙げられる。
しかし、そのような安価なチップでは、バルブやチップ貼り合わせ強度などによってチップの耐圧が律速される。例えば、特許文献1の場合、流路チップは熱可塑性樹脂を2枚張り合わせた単純な構造をとっている。このチップの耐圧はバルブによって律速され、68kPaであると記載がある。また、例えば、特許文献2の場合、流路チップの耐圧は例えば124kPaであると記載がある。対比として、大掛かりな流路システムの場合、例えば液体クロマトグラフィーでは、溶液搬送に使用できる圧力は数MPaを超える。さらに、核酸の精製で広く用いられるスピンカラムの場合、最大で500kPaの圧力をかけることが可能である。このように、StoA流路チップでサンプル処理を実施する際に用いることができる圧力はベンチトップと比較して低い傾向がある。
StoAシステムでは、限られた空間と圧力で溶液の搬送を自動で完結させなくてはいけないため、流路に気泡が存在するのは好ましくない。空気が流路の中に挟まることによって、溶液の搬送が不完全になることや、予期せぬ動作がもたらされることが懸念されるからである。このような流路中に空気が存在することによって生じる課題を解決するため、非特許文献1によれば、空気が抜けるような材料を流路に用いている。また、非特許文献2、および特許文献3によれば、空気を抜くための構造を流路中に設置している。なお、高圧をかけて、空気を圧縮する、または移動させることで解決することも可能である。
米国特許第10233491号明細書 米国特許第9354199号明細書 特許第6613212号明細書
シリカなどの精製膜を用いた核酸の精製・回収では、シンプルな流路構造で高い回収効率が達成可能である。しかし、空気が逃げることができる空間が限られた流路で本精製方式を実施する場合以下のような課題が生じる。膜が格納されたチャンバに空気が侵入すると、空気は膜チャンバを越えなくてはいけない。例えば、膜に溶解産物が通ったのちに、膜が溶解産物で濡れている状態で空気が通過する際、印加する圧力は下記式(1)によって定義されるラプラス圧Pを超える必要がある。
ここで、θ、d、γは、それぞれ、膜を濡らしている液と膜の接触角、膜の細孔径、液の表面張力である。目の細かいシリカ膜を精製に使用する場合、dが小さいため、ラプラス圧は顕著に高くなると考えられる。
この点、特許文献3、非特許文献1、および非特許文献2に開示の技術のように、空気を抜くための構造を設けることにより、空気が膜を通過することを回避することもできる。
しかし、このアプローチを採る場合、流路に追加の構造をもたらさなくてはいけなくなる。この追加の構造に関し、使用可能な材質の制限があったり、追加の構造を設けることにより、チップの高コスト化・大型化が懸念されたりする。
さらに、特許文献1の場合、精製チャンバに設置された精製膜は流路の全面を覆っていない。この場合、空気は精製膜の脇を超えるため、前述の課題は生じないが、膜に触れる溶解産物の割合が低下するため、回収率の低下が懸念される。
本開示は、このような状況に鑑み、追加の流路構造がなくても、流体(空気、窒素、その他の気体)が精製膜を超えることを防ぐ技術を提案する。
上記課題を解決するため、本開示は、一例として、コンピュータにより生体分子分析装置の流路における液搬送を制御する方法であって、生体分子分析装置は、第1液を収容する第1チャンバと、第2液を収容する第2チャンバと、精製膜を有する膜チャンバと、廃液チャンバと、を有し、上記方法は、コンピュータにより、第1チャンバから廃液チャンバに繋がる第1流路と第2チャンバから延設される第2流路との合流点を少なくとも超えるまで第2液を搬送制御し、第2流路から第1および第2液とは異なる流体を排出することと、コンピュータにより、第1液を第1チャンバから膜チャンバを経由して廃液チャンバに搬送制御することと、コンピュータにより、第2チャンバの第2液を第2チャンバから膜チャンバに搬送制御することと、を含む、方法を提案する。
本開示に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになるものである。また、本開示の態様は、要素及び多様な要素の組み合わせ及び以降の詳細な記述と添付される請求の範囲の様態により達成され実現される。本明細書の記述は典型的な例示に過ぎず、本開示の請求の範囲又は適用例を如何なる意味においても限定するものではない。
本開示の技術によれば、追加の流路構造がなくても、空気が精製膜を超えることを防ぐことができる。
本実施形態による生体分子分析装置100の構成例を示す図である。 生体分子分析装置100の一部と流路チップ114の派生形を示す図である。 生体分子分析装置100用いて生体分析を行う手順例を示す図である。 コンピュータ115の内部構成例を示す図である。 実施例1による流路チップ114の主要部であって、サンプル溶解手順202完了時または実施中の流路チップ114の主要部を備える精製システム301の構成例を示す図である。 実施例1による精製プロセスI~Vを示す図である。 図6に示したプロセスに対応するフローチャートである。 比較例による精製プロセスを説明するための図である。 図8による精製プロセスのフローチャートである。 実施例1の実験で、搬送時の溶液の位置を表す模式図とそれに応じて測定された圧力変化を示す図である。 実施例2による流路チップ114の主要部であって、サンプル溶解手順202完了時または実施中の流路チップ114の主要部を備える精製システム400の構成例を示す図である。 実施例2による精製プロセスI~Vを説明するための図である。 実施例3による流路チップ114の主要部であって、サンプル溶解手順202完了時または実施中の流路チップ114の主要部を備える精製システム500の構成例を示す図である。 実施例3による精製プロセスI~VIを説明するための図である。 図14に示す精製プロセスに対応するフローチャートである。 実施例4による流路チップ114の主要部であって、サンプル溶解手順202完了時または実施中の流路チップ114の主要部を備える精製システム600の構成例を示す図である。 実施例4による精製プロセスI~Vを説明するための図である。 実施例5による精製プロセスI~Vを説明するための図である。 実施例6による精製プロセスI~Vを説明するための図である。
本実施形態は、各実施例を通じて、流路チップにおける液搬送に必要な圧力を下げることにより、流路チップに構造的堅牢性を必要とせずに精製膜を設置する技術を提案する。まず、本実施形態による生体分子分析装置の各特徴について説明し、次に各実施例の説明に移行する。本願の添付図面では、機能的に同じ要素は同じ番号で表示される場合もある。なお、添付図面は本開示の原理に則った具体的な実施形態と実装例を示しているが、これらは本開示の理解のためのものであり、決して本開示を限定的に解釈するために用いられるものではない。また、本実施形態では、当業者が本開示を実施するのに十分詳細にその説明がなされているが、他の実装・形態も可能で、本開示の技術的思想の範囲と精神を逸脱することなく構成・構造の変更や多様な要素の置き換えが可能であることを理解する必要がある。従って、以降の記述をこれに限定して解釈してはならない。
更に、本開示の実施形態において、コンピュータ制御による動作は、汎用コンピュータ上で稼動するソフトウェアで実装してもよいし、専用ハードウェア又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせで実装してもよい。
(1)生体分子分析装置の特徴
<流路チップ>
本実施形態において、「流路チップ(または単にチップ)」とは、試薬やチャンバ、流路を内部に備える、使い捨て、あるいは複数回利用可能なカートリッジを指す。流路チップは、溶液の搬送動力源を内部に備えていてもよい。また、一部またはすべての試薬がチップの中に存在していてもよい。チャンバの一部には、温調機能や分子の捕捉機能、検出機能、電圧印加機能が備えられていてもよい。
流路チップの材質は、当該技術分野で一般的に用いられている材料であれば特に限定されるものではない。例えば、DNAの吸着量が少ない材料として、ポリプロピレンや環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタラート、ポリウレタン、を用いるのがよい。また、表面に負に帯電するような修飾を施すことで、吸着量を抑えることも望ましい。そのほかの材料としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、タングステン、モリブデン、クロム、白金、チタン、ニッケル等の金属;ステンレス、ハステロイ、インコネル、モネル、ジュラルミン等の合金;シリコン;ガラス、石英ガラス、溶融石英、合成石英、アルミナ、サファイア、セラミクス、フォルステライト及び感光性ガラス等のガラス材料;ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン樹脂、ABS樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene樹脂)、ジメチルポリシロキサン(PDMS)、ナイロン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂及び塩化ビニル樹脂等のプラスチック;アガロース、デキストラン、セルロース、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、キチン、キトサン、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
流路の断面積は大きすぎると液残りやサンプルロスが生じることが懸念される。また、断面積が大きすぎると圧力の印加が困難になる。その一方で、断面積が小さすぎると溶液の搬送に高圧が必要になるか、搬送にかかる時間が長くなるなどの課題がある。よって、流路の断面積は、1μm~314mmの範囲、より好適な構成として、断面積は400μm~100mm、さらに好適な構成として、断面積は0.01mm~10mmの範囲とすることができる。
流路の長さは短すぎると、バルブなどの要素が盛り込みにくく、長すぎるとチップの大型化が懸念される。ゆえに、チップの構成をつなぐ流路の長さは、1μm~100cmとすることができる。より好適な範囲として1mm~50cmとすることができる。さらに、好適な範囲として5mm~30cmとすることができる。
<チャンバ>
チャンバは、液体や固体を格納することができる空間を意味し、流路と同等、あるいは流路より大きい径を有する。チャンバ内に試薬を保管してもよく、チャンバ内でPCRや溶解、精製などを実施してもよい。
チャンバの容量は、例えば、0.01μL~10Lである。容量が10Lよりも大きいと、装置の持ち運びが困難になる。より好適な例としては、チャンバの容量は0.1μL~2Lとすることができる。なお、すべてのチャンバがチップの中に設置されている必要はなく、装置本体や別の独立したチップに備えられていてもよい。
チップ内にチャンバを設置する場合、チャンバの容量は0.01μL~50mLとすることができる。なお、50mLよりも大きいと、チップが巨大化し、保管が困難になる。
チップには1種類以上の試薬が1つ以上の試薬保管チャンバに格納されている。これらは、意図しないタイミングで混合すると性能の低下、そのほか予期せぬ結果を招くため、使用直前までバルブ、フィルム、空気、あるいは自発的な混合を防げるほど細い流路、またはそれらの組み合わせからなる隔壁機構で隔てられていることが望ましい。また、試薬を外気から隔離することで、長期間の保管と、チップの可搬性を実現する。
チップの外に試薬が保管されている場合(チャンバが流路チップに対して外付けする場合)も同様に、外気と隔離された状態で試薬が保管されていることが望ましく、バルブ、フィルム、空気等でほかの精製システム構成要素と隔てられている。
<精製システム>
本実施形態において、「精製システム」とは、流路チップに備えられた精製膜と精製膜を格納する膜チャンバによって、溶解チャンバに格納されている溶解産物に含まれる生体分子を捕捉し、続いて洗浄液チャンバに格納されている洗浄液で溶解産物を洗うシステムを意味する。
溶解チャンバや洗浄液チャンバは流路チップの外に備え付けるようにしてもよく、どちらかがチップの中に設けられるようにしてもよい。
精製システムは、特定の生体分子を選択的に回収するように構成してもよい。例えば、たんぱくやDNA、イオン等が含まれる液体から、DNAを選択的に取り出すことができる。また、RNA、生体ポリマ(核酸、タンパク質、脂質、多糖)や、生体モノマ(アミノ酸、脂質、糖、核酸塩基)とその誘導体を構造中に含む分子を回収するための精製システムであってもよい。また、これらの分子のうち複数種類を回収するようなシステムであってもよい。一例として、精製膜にシリカ膜を採用した、DNAとRNAを回収することができるシステムがある。
<サンプル種>
本実施形態による精製システムに供されるサンプルは、生体由来サンプルであれば特に限定されるものではない。サンプルの由来となる生体も特に限定されるものではなく、脊椎動物(例えば哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類、両生類など)、無脊椎動物(例えば昆虫、線虫、甲殻類など)、植物、原生生物、植物、真菌、細菌、ウイルスなどの任意の生体に由来するサンプルを用いることができる。
また、サンプルを採取する際は、スワブやろ紙、布などを担体に用いることができ、担体ごと精製システムに導入するようにしてもよい。
<溶解産物>
膜チャンバにサンプルを搬送する際、サンプルは、流路を流れることが可能な形態である必要がある。そのため、サンプルの状態が固形である場合(例えばスワブサンプルなど)には、固形サンプルを溶解バッファで溶解又は懸濁させることにより、流体から成る溶解産物にすることが好ましい。サンプルは完全に溶解される必要はなく、溶解後も固形・または高粘度を呈する部位は、溶解チャンバに保持されてもよい。また、サンプルが気体サンプル(例えば空気、呼気など)である場合には、気体サンプルに含まれる細胞を溶媒に懸濁させることにより液体サンプルとすることが好ましい。サンプルを溶解産物にするための調製方法は、当該技術分野において慣用的に行われており、当業者であれば容易に理解することができる。例えば、溶解バッファは、次亜塩素酸カルシウムなどの塩素化材料を含むことができる。別の例として、物質は、DNAase、RNAase、プロテアーゼなどの酵素活性を含むことができる。必要に応じて、溶解バッファにはChaotrope、界面活性剤、KOH等生体分子が遊離しやすくなるような物質や、精製膜に核酸が結合しやすくなる物質が加えられていてもよい。必要に応じて混合物は加熱・攪拌等の処理が加えられていてもよい。
本実施形態において、「溶解産物」とは、溶解バッファを用いて生体由来のサンプルを粘度100,000mPa・s以下の液体状にした物質を意味する。より好ましい状態として、溶解産物は10,00mPa・s以下の粘度を有するようにしてもよい。さらに好ましい状態として、溶解産物は1000mPa・s以下の粘度を有するようにしてもよい。
<溶液搬送制御>
溶液の搬送制御にはバルブを用いるようにしてもよい。また、流路抵抗による溶液制御が行われてもよい。
本実施形態(各実施例)では、溶液の搬送動力に空気圧を用いている。なお、溶液の搬送動力には、空気圧や機械的な圧縮、遠心力などが用いられてもよい。
搬送に用いる圧力は高すぎるとチップの耐圧を超え、低すぎると搬送に必要な時間が長くなり、計測時間が延びることにつながる。ゆえに、搬送に使う圧力は0.1kPa~1MPaの範囲とすることができる。より狭い範囲では、0.1kPa~500kPa、さらに狭い範囲では0.1kPa~200kPaで溶液の搬送を完了することができる。また、搬送に使う時間は1つのステップにつき最大1時間、より狭い範囲では10分、さらに狭い範囲では5分以内に実施することができる。また、搬送する液量は多すぎると搬送に必要な時間や圧力が高くなり、チップのコストが高くなり、かつ試薬のコストも高くなる。ゆえに、搬送する液量は一つの試薬につき、1L以内、より狭い範囲では10mL以内、さらに狭い範囲では2mL以内とすることができる。
<洗浄液>
本実施形態において、「洗浄液」とは、精製膜に付着しており、のちの工程に不要な物質を洗い流すために用いられる液体を意味する。なお、洗浄液は不要な物質を全て洗い流すことができなくてもよく、必要な物質を一部またはすべて洗い流してしまってもよい。
上記式(1)によると、本実施形態においては、洗浄液として、以下の特徴を備えるものを用いることができる。まず、溶解産物よりも蒸発スピードが高いものが好適である。また、溶解産物と洗浄液に相溶性があることが望ましい。さらに、溶解産物よりも精製膜に対する接触角が小さい(濡れ性が低い)か、界面張力が低いことが望ましい。このような要件を満たす洗浄液の例としてエタノールやイソプロパノールが挙げられる。また、これらのアルコールを10%以上含むような液体も洗浄液として用いることができる。なお、上記の条件を満たさない溶液を用いてもよい。
洗浄液の数は1種類でもよく、2種類以上存在していてもよい。洗浄液を2種類以上用いることで、より高効率に洗浄を実施することが可能である。また、それらは1つのチャンバに格納されていてもよく、2つ以上のチャンバに格納されていてもよい。2種類以上の洗浄液を使用する場合、それらの搬送の間に空気が挟まっていてもよく、挟まっていなくてもよい。ただし、1つめの洗浄液よりも2つめ以降の洗浄液の蒸発速度が早いこと、または表面張力が小さいこと、精製膜に対する接触角が小さいことを特徴として備える場合は、それらを連続で搬送することが望ましい。
<精製膜>
膜の種類として、シリカ膜を挙げることができる。精製膜の他の例として、DNAを吸着できるセルロースを主成分とする固体基材、カルボキシル化粒子、イオン交換樹脂を挙げることができる。特に、表面に水酸基やシリカ基を有する膜を用いることができる。膜は、100μm以上の粒子を保持できる膜であればどのようなものでもよい。また、厚みは1μm以上であることが好適である。さらに、目が細かいほどよりDNAを高効率に回収することができるため、10μm以上、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは0.1μm以上の粒子を保持できる膜を用いることができる。
精製膜の体積は、小さすぎると、吸着できる生体分子の量が少なくなる。一方、体積が大きすぎると、精製またはその後のステップで意図しない分子吸着が起きる確率や、溶液の搬送効率が悪くなることが懸念される。後述の各実施例では面積12.5mmの膜を用いることとしているが、例えば、1mm~314mmの膜を用いることもでき、大きさについては限定されない。
<検出方法>
本精製システムの下流にはPCRによる増幅が行われる。増幅後、CE(Capillary Electrophoresis)による検出が行われる。他の例として、MPS(Massively parallel sequencing)、パイロシーケンシング、サンガーシーケンシング、ナノポアシーケンシング、クロマトグラフィー、電気測定、分光法、NMR、RFLP(Restriction Fragment Length Polymorphisms)等を用いることができる。
<その他の補足事項>
本実施形態を説明するための全図において同一機能を有するものは同一の符号を付すようにし、その繰り返しの説明は可能な限り省略するようにしている。以下、本実施形態の各実施例について添付図面に基づいて詳細に説明する。各実施例に記載する測定方法、デバイスの構造、物質の種類および材料は、本実施形態の思想を具現化するための一例であり、測定原理やデバイスの材料および寸法などを厳密に特定するものではない。また、各実施例に記載する具体的な圧力値は、本実施形態の思想を具現化するための一例であり、それらを厳密に特定するものではない。さらに、各実施例に記載する具体的なサンプル種、および精製キットの組成や液量は、本実施形態の思想を具現化するための一例であり、化学組成や時間を厳密に定義するための一例ではない。また、各実施例に記載する具体的な測定対象物の種類や溶液の種類、およびそれらの濃度は、本実施形態の思想を具現化するための一例であり、化学組成を厳密に定義するための一例ではない。
<生体分子分析装置の構成例>
図1は、本実施形態による生体分子分析装置100の構成例を示す図である。生体分子分析装置100は、流路チップ114と、生体分子分析を実施するためのコンピュータ115と、を備えている。
流路チップ114は、採取したサンプルを導入・溶解するための溶解チャンバ101と、精製膜102が格納された膜チャンバ108と、DNAの増幅などを行う反応チャンバ103と、廃液チャンバ107と、チップの外と流体的に接続されたポート109と、を有する。なお、流路チップ114内における各チャンバの配置およびチャンバ間の流路接続については各実施例で異なるため、チャンバ配置および流路接続と溶解産物および洗浄液の搬送動作については後述する。
精製膜102には、Whatman社が販売するガラスファイバーメンブレンGF/Fを直径4mmに切り出したものを設置した。精製膜102にはそれ以外の膜を用いてもよい。また、精製膜の直径(矩形の場合はに長手方向の長さ)は、0.1mm~100mmのサイズの範囲とすることができる。
溶液の搬送は、ポート109を介して圧力を印加することにより行い、チップの外と試薬や増幅産物などのやり取りを行うことができる。なお、圧力の印加は、チップの外に備えられた圧力発生装置を用いて行うことができる。また、図1による流路チップ114は、試薬などを保管するためのチャンバ104、105、および106を内包する構成を採っている。また、膜チャンバ108に関しては、膜で隔てられた空間のうち溶解チャンバ101に近い部位の容量が10μLで、廃液チャンバ107に近い部位の容量は10μLである。溶解バッファチャンバ104はサンプルを溶解するための溶解バッファ110を、洗浄液チャンバ105は洗浄液111を、試薬チャンバ106は溶出液または反応に使われる試薬112をそれぞれ格納する。なお、上記の機能は一部、同一のチャンバに統合されていてもよい。上述のチップ構成要素の位置関係は図1に限らず、流路の接続が図1と異なっていてもよい。
図2は、生体分子分析装置100の一部と流路チップ114の派生形を示す図である。図2では、溶解バッファチャンバ104、洗浄液チャンバ105、および廃液チャンバ107を流路チップ114の外に備える構成となっている。このような形態を採ることにより、流路チップ114の小型化と低コスト化のメリットを享受できる。
<生体分析手順の例>
図3は、生体分子分析装置100用いて生体分析を行う手順例を示す図である。図3に示されるように、生体分析は、例えば、サンプル受付手順201と、サンプル溶解手順202と、サンプル生成手順203と、サンプル増幅手順204と、サンプル検出手順205とを含む。
サンプル受付手順201では、サンプルが溶解チャンバ101に格納される前後に、チャンバ104から溶解バッファ110が溶解チャンバ101に搬送される(サンプルを溶解チャンバ101に導入するステップ)。
次に、サンプル溶解手順202では、溶解が開始される。サンプル生成手順203では、溶解産物113が溶解チャンバ101から精製膜102に送られ、DNAを膜に結合させ、精製が行われる。精製後に、洗浄液などを乾燥させるステップが入ってもよい。溶出したDNAは、反応チャンバ103に搬送される。
サンプル増幅手順204では、精製されたDNAが増幅される。サンプル検出手順205では、増幅されたDNAの計測が実施される。サンプル検出手順205は、流路チップ114の中で実施してもよく、流路チップ114の外の検出部に搬送されて別途設けられた計測部で実施してもよい。
なお、手順201から205は並行して行ってもよい。また、一部の手順が抜けていてもよいし、他の手順が組み込まれてもよい。
<コンピュータ115の内部構成例と制御動作>
図4は、コンピュータ115の内部構成例を示す図である。コンピュータ115は、プロセッサ(図示せず)と、ユーザーインターフェイス1151と、データベース(記憶デバイス)1152と、を備える。
ユーザーインターフェイス1151は、入力画面と出力画面を備えており、図3の実施手順に関係するパラメータ、例えば各ステップの時間や温度、圧力、流量、手順などをユーザーから受け付けて、データベース1152に保管することができる。また、データベース1152には、各種パラメータを予め保存しておくことができる。
コンピュータ115は、データベース1152に記録されている各種パラメータに基づいて、流路チップ114のバルブの開閉、温度制御、印加圧力・流量の制御の実行することができる。また、コンピュータ115は、図3に示した全ての実施手順を自動で制御することができる。なお、図3に示した実施手順の一部をユーザーが補助・実施してもよい。
(2)実施例
図5から図7を参照して、実施例1について説明する。
<流路チップ114の主要部を備える精製システム301の構成例>
図5は、実施例1による流路チップ114の主要部であって、サンプル溶解手順202完了時または実施中の流路チップ114の主要部を備える精製システム301の構成例を示す図である。
精製システム301は、溶解チャンバ101と、洗浄液チャンバ105と、廃液チャンバ107と、膜チャンバ108と、バルブ302、303、304、305、および315と、チャンバ間を接続する流路306、307、308、309、310、311、および312と、ポート109と、を備える。ポート109は1つでなくてもよく、各機能に1つずつ設置されていてもよい。例えば、流路311および310にそれぞれ専用のポートが付与されていてもよい。
溶解チャンバ101は、溶解産物113を内部に保持しており、洗浄液チャンバ105は洗浄液111を内部に保持している。また、液面検出センサ313が廃液チャンバ107に、液面検出センサ314が溶解チャンバ101に設置されている。液面検出センサは1つ以上設置されていてもよく、設置されていなくてもよい。また、溶解チャンバ101や廃液チャンバ107の他のチャンバに液面検出センサを設置してもよい。
図5に示されるように、溶解チャンバ101の排出口から延設される流路306と洗浄液チャンバ105の排出口から延設される流路307とが接続点(合流点)316で合流し、流路308となって膜チャンバ108の導入口に繋がっている。膜チャンバ108の排出口から延設される流路309は、廃液チャンバ107の下部(底面部:必ずしも底面でなくてもよい)の導入口に繋がっている。また、ポート109からは2つの流路310および流路311が延設され、流路310は廃液チャンバ107の上部(天面部:必ずしも天面でなくてもよい)に繋がり、流路311は洗浄液チャンバ105の導入口に繋がっている。さらに、流路312は、廃液チャンバ107の上部(天面部:必ずしも天面でなくてもよい)に繋がっている。
また、図5に示されるように、バルブ302は流路307に、バルブ303は流路311に、バルブ304は流路310に、バルブ305は流路306に、バルブ315は流路312にそれぞれ設けられている。
<精製プロセス>
図6は、実施例1による精製プロセスI~Vを示す図である。また、図7は、図6に示したプロセスに対応するフローチャートである。なお、各プロセスにおける各バルブの開閉および圧力印加による溶解産物113および洗浄液111の搬送制御は、上記コンピュータ(プロセッサ)115によって行われる。
(i)プロセスI
プロセスIは、サンプル溶解手順202における溶解中または溶解が完了した直後の状態を示している。このとき、バルブ302、303、304、305、および315は閉じている(ステップ701)。
(ii)プロセスII
プロセスIIでは、バルブ302、303、および315が解放され(ステップ702)、洗浄液111が、洗浄液チャンバ105から膜チャンバ108に、30kPa以下の圧力で30秒以下の時間、押し出される(ステップ703)。この時、流路307内の空気が流路308または306に移動し、流路307に洗浄液111が充填される。プロセスIIにおける流路307内の空気を排出することが、溶解産物113と洗浄液111の間に空気を挟まずに連続的な搬送を実現する上で重要となる。
(iii)プロセスIII
プロセスIIIにおいて、バルブ302、303、および315が閉められ、バルブ305および304が解放されて(ステップ704)、印加圧力-60kPaで1分間、900μL分の溶解産物113が溶解チャンバ101から膜チャンバ108を経由して廃液チャンバ107に搬送される(ステップ705)。溶解産物113の搬送量(900μL)は、液面検出センサ314や所定圧力(60kPa)の印加時間(1分間)に基づいてコンピュータ115により制御される。
(iv)プロセスIV
プロセスIVにおいて、溶解産物113に後続の空気が流路306および308と流路307の分岐点(接続点(合流点)316)を超える前にバルブ304および305が閉められ、バルブ302、303、および315が開放されて(ステップ706)、印加圧力60kPaで3分間、500μL分の洗浄液111が洗浄液チャンバ105から膜チャンバ108を経由して廃液チャンバ107に搬送される(ステップ707)。洗浄液111の搬送量(500μL)は、液面検出センサ314や所定圧力(60kPa)の印加時間(3分間)に基づいてコンピュータ115により制御される。
プロセスI~IVで示される動作を実行することにより、溶解産物113と洗浄液111の間に空気を挟まずに連続的な搬送を実施することができる。
<比較例>
図8は、比較例による精製プロセスを説明するための図である。図9は、図8による精製プロセスのフローチャートである。
(i)プロセスI
プロセスIは、サンプル溶解手順202における溶解中または溶解が完了した直後の状態を示している(ステップ901)。このとき、バルブ302、303、304、および305は閉じている。
(ii)プロセスII
プロセスIIにおいて、バルブ304および305が解放され(ステップ902)、溶解産物113を溶解チャンバ101から膜チャンバ108を経由して廃液チャンバ107に搬送される(ステップ903)。
(iii)プロセスIII
プロセスIIIにおいて、溶解産物113の搬送が完了したらバルブ305および304は閉じられる(ステップ904)。
(iv)プロセスIV
プロセスIVにおいて、バルブ302、303、および315が開放され(ステップ904)、洗浄液111が洗浄液チャンバ105から膜チャンバ108を経由して廃液チャンバ107に搬送される(ステップ905)。
(v)プロセスV
プロセスVは、全量あるいは所定量の洗浄液111が膜チャンバ108を経由して廃液チャンバ107まで搬送された後の状態を示している。
当該比較例による精製プロセスの場合、流路307と308に存在する空気が溶解産物113と洗浄液111の間に入る。このため、洗浄液111が膜に到達するには溶解産物113と精製膜102の間に発生するラプラス圧を超える必要がある。
<技術的効果について>
実施例1による溶解産物および洗浄液の搬送動作の技術的効果を確認するため、流路に空気が入った場合と入らなかった場合で溶液搬送に必要な圧力を簡易な流路系で比較実験を行った。なお、ここでは実施例1による実験結果に基づいて技術的効果を議論するが、ここで挙げる技術的効果は、後述の実施例2から実施例4、および派生形の実施例についても同様である。
(i)実験条件
流路系では、Qiagen社のQIK(Qiaamp investigator kit DNA)のプロトコルに従って調整した溶解産物と、QIKの洗浄液(AW1)を用いた。溶解産物と洗浄液はそれぞれ1.5mLのチューブに入れ、シリンジポンプで加圧し、ポリカーボネート製の膜チャンバに搬送した。膜チャンバが保持できる溶液の体積は約20μLで、膜で中央が隔てられており、上流・下流の容量はどちらも約10μLである。精製膜の接液面積は3.1mmに設定した。膜チャンバを通過した溶解産物と洗浄液は、膜チャンバ後方に設置された廃液チューブで回収した。シリンジポンプの押し出し速度は4mL/minに設定した。
実施例1によらない手順(比較例)の搬送(手順A)では、溶解産物100μL、空気100μL、洗浄液(QIK洗浄液 AW1)500μLを順次膜チャンバに搬送し、圧力の時間変化を測定した。実施例1による搬送方式を再現するため、手順Bでは、溶解産物100μLと洗浄液500μLを、空気を挟まずに連続的に搬送した。膜は、Whatman社のガラスファイバーメンブレンGF/Fを使用した。
(ii)実験結果
図10は、上述した実験で、搬送時の溶液の位置を表す模式図とそれに応じて測定された圧力変化を示す図である。図10において、破線グラフは手順A(比較例)の結果を示し、実線グラフは手順B(実施例1)の結果を示す。
シリンジポンプの押し出し速度は溶液の移動速度よりも大きいので、溶解産物が膜を通過する間、圧力は時間と共に上昇し、溶解産物が膜から抜けきる直前では20kPaとなった(図10(実線・破線)ステップ(a)→(b))。
手順Aの場合、溶解産物が抜けきって空気が膜に入ると、液面が動かなくなった。さらに、シリンジポンプを押し続けると、80kPa以上で空気がゆっくり膜を越え始めた。180kPaに到達したタイミングで、洗浄液が膜チャンバに到達した(図10(破線)ステップ(c)→(d))。洗浄液が膜を越え、抜けきった後は30kPa前後まで圧力が急激に下がることを確認した(図10(破線)ステップ(d))。
手順Bの場合、溶解産物が抜け切って洗浄液が膜に入る際に、溶液は止まらない(図10(実線)ステップ(b)→(c))。洗浄液が抜けきるまで40kPaを超えることは無かった。別途、洗浄液単体を搬送したときの必要圧力を確認したところ、40kPa以内で搬送が完了した(データ掲載無し)。
(iii)実験結果考察
以上のように、手順A(比較例)と手順B(実施例1)の実験結果から、実施例1(後述する他の実施例も同様)による搬送方式を用いることで、必要圧力を1/3に低減できることを確認した。
なお、洗浄液が抜けた後に、空気が入る際に高圧が必要ではない理由として、洗浄液の蒸発速度が溶解産物よりも大幅に高いことが挙げられる。洗浄液(QIK、AW1)は体積50%以上がエタノールで構成されている。
本実施例では、溶解産物と洗浄液を連続で搬送して2種類の液の搬送に必要な最大圧力を下げた。本実施例の効果は、上述したキットのみに限定されることはなく、溶解産物または洗浄液の組成が異なっていてもよい。サンプル検出手順205までに第2液(洗浄液)を抜ききる場合、より圧力低減の効果が得やすいような第1液(溶解産物)と第二の液の組み合わせとして、以下の要件が挙げられる。
(a)第1液よりも、第2液の方が蒸発速度が早い;
(b)第1液よりも第2液の方が表面張力が低い;
(c)第1液よりも第2液の方が膜に対して接触角が大きい;
(d)第1液よりも第2液の方が粘度が小さい
第1液の主成分が水である場合、前述の条件を1つ以上満たす第2液として、炭素数が4以下のアルコールを10%以上含む溶液が挙げられる。より好ましくは、炭素数3以下のアルコールを30%以上含む溶液が挙げられる。さらに好ましくは、エタノールを40%以上含む溶液が挙げられる。その他、第1液の組成に応じて適切な第2液を選んでもよく、第2液の組成に応じて第1液を選んでもよい。
本開示の実施例1(実験結果)によれば、必要圧力を下げることができる。そして、必要圧力を下げることにより、構造的に弱い流路チップに高密度な精製膜を設置することができるようになる。ここで、構造的に弱いチップとは、バルブやチップの貼り合わせや柔らかい素材を使用したチップなどが挙げられる。構造的に弱いチップの製造は、チップコストの削減、チップの高機能化などのメリットがある。また、必要圧力を下げることで、高圧をかけることによって阻害される化学反応を効率よく進めることができる。さらに、高圧をかけることによって生体分子の計測を容易にすることができる。
なお、圧力を下げること以外に、本開示の技術を利用することで、溶液の搬送にかかる時間を短縮することができる。本開示の技術を利用することで、溶解産物が通過した後、洗浄前に膜が乾燥するのを防げるので生体分子の収率の上昇や、洗浄効率の上昇などのメリットを享受できる。
(iv)DNA回収のための膜について
生体分子分析装置100では、高密度な膜を設置することで、高効率なDNAの回収が実現できる。目の細かさの指標として「粒子保持能(Particle retention size)」というものがある。これは、粒子保持能に記載の値以上の粒径をもつ粒子が膜に保持されることを意味する。すなわち、この値が小さいほど、膜の目が細かいことを意味する。精製膜として用いる膜は、粒子保持能100μm以上とすることができる。例えば、Whatman社が販売する「Fusion5」という膜よりも目の細かいものを用いるのが望ましい。また、より高効率にDNAを回収できる膜として、Whatman社が販売する「GF/D」という膜が挙げられる。この膜の粒子保持能は2.7μmである。また、より高効率にDNAを回収できる膜として、Whatman社が販売する「GF/F」という膜が挙げられる。この膜の粒子保持能は0.7μmである。
また、膜を複数枚重ねることで高効率なDNAの回収が実現できる。例えば、GF/Fの場合2枚以上重ねることで、1枚のみで精製するよりも高効率にDNAを回収できる。膜の厚みは、0.001mm以上あることが望ましい。GF/Fの場合は膜の厚みは0.6mmである。
(v)膜チャンバ108について
膜チャンバ108の体積は溶解チャンバ101または洗浄液チャンバ105の体積の30%以下である。2液が共通で通過する流路の、進行方向と垂直方向の断面積はチャンバの最大の断面積の50%以下で、2液が共通で通過する流路の体積は2液それぞれに対して50%以下である。ゆえに、溶解産物と洗浄液は、廃液チャンバの手前で50%以上混合されることは無い。そのため、本開示の技術を用いて溶液を搬送しても、DNAの結合効率が顕著に落ちることはない。
膜チャンバ108の大きさは、0.1μL~1mLである。膜チャンバ108は小さければ小さいほど、溶出時のロスが減るため、より好適な膜チャンバ108の大きさとして0.1μL~100μL、さらに好適には0.1μL~30μLが望ましい。
(vi)流路について
流路307の体積は、0.1μL~1L(長い流路を用いる場合には流路の体積が大きくなる)である。流路307の体積を1Lよりも大きくする場合、溶液の搬送に時間がかかる。逆に体積が小さい場合、流路幅を狭くするか、チャンバ間の距離を小さくする必要があり、設計の自由度が減る。また、チップの外にチャンバが存在する場合体積は大きいものが望ましい。流路が細すぎると流路の詰まりなど予期せぬ動作をする懸念がある。より好適な流路の体積として、1μL~100mL、別の実施例では30μL~100mLである。
また、流路307の体積は、膜チャンバ108における精製膜102よりも上部の空間108_1の体積と同じあるいはそれよりも大きくすることができる。
なお、精製後に乾燥を行う場合、流路の太さをある程度確保することが望ましい。この場合、流路302および303の太さは0.03mmであることが望ましい。
<プロセスの切り替え制御について>
(i)液面検出センサを用いた制御
図6における、プロセスI、II、III、IV、およびVの切り替えに、液面検出センサを用いることができる。例えば、プロセスIIIからIVに切り替えるときは、液面検出センサ313や314を用いる。液面検出センサ313や314として、電気的、光学的、音波、力学的に検出するセンサを用いることができる。
液面検出センサ313を用いる場合、プロセスIIIからIVに切り替える際に、廃液チャンバ107の液面が液面検出センサ313を超えるのを検出したシグナルを用いればよい。ただし、液面検出センサ313は、溶解チャンバ101内の溶解産物113の残量が10%を切ったタイミングで、廃液チャンバ107の液面を検出できるような位置に設置する必要がる。
また、液面検出センサ314を用いる場合、プロセス手順IIからIIIに切り替える際に、溶解チャンバの液面が液面検出センサ314を下回るのを検出したシグナルを用いればよい。ただし、液面検出センサ314は、溶解チャンバ101の溶解産物113の残量が10%を切ったタイミングで、液面を検出できるような位置に設置する必要がある。
(ii)圧力と時間などによる制御
図6における、プロセスI、II、III、およびIVの切り替えに、予め設定された圧力と時間を用いてもよい。また、圧力と時間は、操作者が調整できるようなものでもあってよい。さらに、溶解チャンバ101などに粘度を測定するような機構が付いていてもよい。
また、流量センサや圧力センサを特定の場所に設置して、プロセス切り替えのタイミングを定義してもよい。
図7、図11、および図12を参照して、実施例2について説明する。
<流路チップ114の主要部を備える精製システム301の構成例>
図11は、実施例2による流路チップ114の主要部であって、サンプル溶解手順202完了時または実施中の流路チップ114の主要部を備える精製システム400の構成例を示す図である。
精製システム400は、溶解チャンバ101と、洗浄液チャンバ105と、廃液チャンバ107と、膜チャンバ108と、バルブ401、402、403、404、405、および406と、チャンバ間を接続する流路407、408、409、410、411、412、および413と、ポート109と、を備える。ポート109は1つでなくてもよく、機能ごとに1つずつ設置されていてもよい。また、例えば、流路413および412にそれぞれ専用のポートが付与されていてもよい。溶解チャンバ101は溶解産物113を内部に保持しており、洗浄液チャンバ105は洗浄液111を内部に保持している。
図11に示されるように、溶解チャンバ101の排出口から延設される流路407は、膜チャンバ108の導入口に繋がっている。膜チャンバ108の排出口から延設される流路408と洗浄液チャンバ105の排出口から延設される流路409とが接続点(合流点)414で合流し、流路410となって廃液チャンバ107の下部(底面:必ずしも底面でなくてもよい)の導入口に繋がっている。ポート109から延設される流路は分岐点415で流路412と流路413に分かれる。流路413は、洗浄液チャンバ105の導入口に繋がっている。流路412は廃液チャンバ107の上部(天面:必ずしも天面でなくてもよい)に繋がっている。さらに、流路411も廃液チャンバ107の上部(天面:必ずしも天面でなくてもよい)に繋がっている。
また、図11に示されるように、バルブ401は流路407に、バルブ402は流路409に、バルブ403は流路410に、バルブ404は流路411に、バルブ405は流路412、バルブ406は流路413にそれぞれ設けられている。
<精製プロセス>
図12は、実施例2による精製プロセスI~Vを説明するための図である。精製プロセスのフローチャートは図7と同様である。
(i)プロセスI
プロセスIは、サンプル溶解手順202における溶解中または溶解が完了した直後の状態を示している。このとき、バルブ401、402、403、404、405、および406は閉じている。
(ii)プロセスII
プロセスIIでは、バルブ402、406、403および404が解放され、洗浄液111が洗浄液チャンバ105から60kPa以下の圧力で30秒以下の時間、押し出される。この時、流路409内の空気が流路408または410に移動し、流路409に洗浄液111が充填される。このように、プロセスIIにおける流路409内の空気を排出することが、溶解産物113と洗浄液111の間に空気を挟まずに連続的な搬送を実現する上で重要となる。
(iii)プロセスIII
プロセスIIIにおいて、バルブ402および406が閉められ、バルブ401、403、および405が解放され、印加圧力-60kPaで2分間、900μL分の溶解産物113が溶解チャンバ101から膜チャンバ108を経由して廃液チャンバ107に搬送される。
(iv)プロセスIV
プロセスIVにおいて、溶解産物113がすべて膜チャンバ108まで搬送されたらバルブ403および405が閉められ、バルブ402および406が開放され、印加圧力60kPaで3分間、500μL分の洗浄液111が洗浄液チャンバ105から膜チャンバ108を経由して溶解チャンバ101に搬送される。
(v)プロセスV
プロセスVは、洗浄液111を洗浄液チャンバ105から膜チャンバ108を経由して溶解チャンバ101に搬送している途中の状態を示している。
(vi)プロセスVI
プロセスVIは、全量あるいは所定量の洗浄液111を洗浄液チャンバ105から膜チャンバ108を経由して溶解チャンバ101に搬送した後の状態を示している。
以上のような動作手順を採ることにより、溶解産物113と洗浄液111の間に空気を挟まずに連続的な溶解産物113と洗浄液111搬送を実施することができる。
なお、図12のプロセスIIIにおいて印加する圧力と時間は、上述の数値に限定されないことは言うまでもない。また、溶解産物113の90%以上を搬送可能な時間と圧力の組み合わせであることが必要である。さらに、溶解産物113をほぼすべて溶解チャンバ101から精製膜102まで搬送するために必要な時間と圧力を別途実験で確認し、実施プログラムで設定してもよい。
図13、図14、および図15を参照して、実施例3について説明する。
<流路チップ114の主要部を備える精製システム301の構成例>
図13は、実施例3による流路チップ114の主要部であって、サンプル溶解手順202完了時または実施中の流路チップ114の主要部を備える精製システム500の構成例を示す図である。
精製システム500は、溶解チャンバ101と、洗浄液チャンバ105と、廃液チャンバ107と、膜チャンバ108と、バルブ501、502、503、504、および505と、チャンバ間を接続する流路506、507、508、509、510、および511と、ポート109と、を備える。ポート109は1つでなくてもよく、機能ごとに1つずつ設置するようにしてもよい。また、例えば、流路510、511にそれぞれ専用のポートを設けるようにしてもよい。溶解チャンバ101は、溶解産物113を内部に保持しており、洗浄液チャンバ105は洗浄液111を内部に保持している。
図13に示されるように、溶解チャンバ101の排出口から延設される流路506は、膜チャンバ108の2つある導入口(上部あるいは天面:必ずしも天面でなくてもよい)の一方に繋がっている。膜チャンバ108の排出口から延設される流路508は、廃液チャンバ107の下部(底面:必ずしも底面でなくてもよい)の導入口に繋がっている。洗浄液チャンバ105の排出口から延設される流路507は、膜チャンバ108のもう一方の導入口に繋がっている。ポート109から延設される流路511は洗浄液チャンバ105の導入口に繋がっている。また、ポート109から延設される別の流路510は、廃液チャンバ107の上部(天面:必ずしも天面でなくてもよい)に繋がっている。さらに、流路509も廃液チャンバ107の上部(天面:必ずしも天面でなくてもよい)に繋がっている。
また、図13に示されるように、バルブ501は流路506に、バルブ502は流路507に、バルブ503は流路509に、バルブ504は流路510に、バルブ505は流路511にそれぞれ設けられている。
<精製プロセス>
図14は、実施例3による精製プロセスI~VIを説明するための図である。図15は、図14に示す精製プロセスに対応するフローチャートである。
(i)プロセスI
プロセスIは、サンプル溶解手順202における溶解中または溶解が完了した直後の状態を示している(ステップ1501)。このとき、バルブ501、502、503、504、および505は閉じている。
(ii)プロセスII
プロセスIIでは、バルブ501および504が解放され(ステップ1502)、印加圧力-60kPaで2分間、900μL分の溶解産物113が溶解チャンバ101から膜チャンバ108を経由して廃液チャンバ107に搬送される(ステップ1503)。
(iii)プロセスIIIおよびIV
プロセスIIIでは、溶解産物113がすべて膜チャンバ108まで搬送されたらバルブ504が閉じられ、バルブ502および505が開放され(ステップ1504)、印加圧力30kPaで30秒間、洗浄液111が洗浄液チャンバ105から膜チャンバ108を経由して流路506に向けて搬送される(ステップ1505)。この時、膜チャンバ108の導入口側の空間108_1に存在する空気が流路506に移動し、膜チャンバ108の空間108_1は洗浄液111で充填される。また、膜チャンバ108の排出口側の空間108_2は溶解産物113で充填されている。このように、プロセスIVにおいて膜チャンバ108内の空気を流路506に排出することが、溶解産物113と洗浄液111の間に空気を挟まずに連続的な搬送を実現する上で重要となる。
(iv)プロセスV
洗浄液が流路506に侵入開始したら、バルブ501が閉じられ、バルブ503が開放され(ステップ1506)、洗浄液111が洗浄液チャンバ105から膜チャンバ108を経由して廃液チャンバ107に搬送される(ステップ1507)。
(v)プロセスVI
プロセスVIは、全量あるいは所定量の洗浄液111を洗浄液チャンバ105から膜チャンバ108を経由して廃液チャンバ107に搬送した後の状態を示している。
以上のような動作手順を採ることにより、溶解産物113と洗浄液111の間に空気を挟まずに連続的な溶解産物113と洗浄液111の搬送を実施することができる。
図15、図16、および図17を参照して、実施例4について説明する。
<流路チップ114の主要部を備える精製システム600の構成例>
図16は、実施例4による流路チップ114の主要部であって、サンプル溶解手順202完了時または実施中の流路チップ114の主要部を備える精製システム600の構成例を示す図である。
精製システム600は、溶解チャンバ101と、洗浄液チャンバ105と、廃液チャンバ107と、膜チャンバ108と、バルブ601、602、603、604、605、および606と、チャンバ間を接続する流路607、608、609、610、611、612、および613と、ポート109と、を備える。ポート109は1つでなくてもよく、機能ごとに1つずつ設置するようにしてもよい。例えば、流路612、613にそれぞれ専用のポートが付与されていてもよい。溶解チャンバ101は溶解産物113を内部に保持しており、洗浄液チャンバ105は洗浄液111を内部に保持している。
図16に示されるように、溶解チャンバ101の排出口から延設される流路606と洗浄液チャンバ105の排出口から延設される流路608とが接続点(合流点)614で合流して流路609となり、流路609が膜チャンバ108の上部(天面:必ずしも天面でなくてもよい)の導入口に繋がっている。膜チャンバ108の下部(底面:必ずしも底面でなくてもよい)に設けられた排出口から延設される流路610は、廃液チャンバ107の下部(底面:必ずしも底面でなくてもよい)に設けられた導入口に繋がっている。また膜チャンバ108の上部(天面:必ずしも天面でなくてもよい)に設けられた排出口から延設される流路611は、廃液チャンバ107の上部(側面:必ずしも側面でなくてもよく、天面でもよい)に繋がっている。ポート109から延設される流路613は、洗浄液チャンバ105の導入口に繋がっている。また、ポート109から延設される別の流路612は、廃液チャンバ107の上部(天面:必ずしも天面でなくてもよい)に繋がっている。さらに、流路615も廃液チャンバ107の上部(天面:必ずしも天面でなくてもよい)に繋がっている。
また、図16に示されるように、バルブ601は流路607に、バルブ602は流路608に、バルブ603は流路615に、バルブ604は流路611に、バルブ605は流路612に、バルブ606は流路613にそれぞれ設けられている。
<精製プロセス>
図17は、実施例4による精製プロセスI~Vを説明するための図である。精製プロセスのフローチャートは図15と同様である。
(i)プロセスI
プロセスIでは、サンプル溶解手順202における溶解中または溶解が完了した直後の状態を示している。このとき、バルブ601、602、603、604、605、および606は閉じている。
(ii)プロセスII
プロセスIIでは、バルブ601および605が解放され、印加圧力-60kPaで2分間、900μL分の溶解産物113が溶解チャンバ101から膜チャンバ108を経由して廃液チャンバ107に搬送される。
(iii)プロセスIII
プロセスIIIでは、溶解産物113がすべて膜チャンバ108まで搬送された後、バルブ601および605が閉じられ、バルブ602、606、604、および603が開放され、印加圧力30kPaで30秒間、洗浄液111が洗浄液チャンバ105から膜チャンバ108を経由して流路611に向けて搬送される。
(iv)プロセスIVおよびプロセスV
プロセスIVでは、洗浄液111が流路611に侵入したら、バルブ604が閉じられ、洗浄液111が洗浄液チャンバ105から膜チャンバ108を経由して廃液チャンバ107に搬送される。この時、膜チャンバ108の導入口側の空間108_1に存在する空気が流路611を介して廃液チャンバ107に移動し、膜チャンバ108の空間108_1は洗浄液111で充填される。また、膜チャンバ108の排出口側の空間108_2は溶解産物113で充填されている。このように、プロセスIVにおいて膜チャンバ108内の空気を流路611を介して廃液チャンバ107に排出することが、溶解産物113と洗浄液111の間に空気を挟まずに連続的な搬送を実現する上で重要となる。
(v)プロセスVI
プロセスVIは、全量あるいは所定量の洗浄液111を洗浄液チャンバ105から膜チャンバ108を経由して廃液チャンバ107に搬送した後の状態を示している。
以上のような動作手順を採ることにより、溶解産物113と洗浄液111の間に空気を挟まずに連続的な溶解産物113と洗浄液111の搬送を実施することができる。
実施例5は、実施例1の派生形である。実施例5による精製システム301’は、実施例1による精製システム301(図6参照)にバルブ701が追加された構成となっている。
<精製プロセス>
図18は、実施例5による精製プロセスI~Vを説明するための図である。
(i)プロセスI
プロセスIは、サンプル溶解手順202における溶解中または溶解が完了した直後の状態を示している。このとき、バルブ302、303、304、305、および701は閉じている。
(ii)プロセスII
プロセスIIでは、バルブ305、304、および701が解放され、印加圧力-60kPaで1分間、900μL分の溶解産物113が溶解チャンバ101から膜チャンバ108を経由して廃液チャンバ107に搬送される。
(iii)プロセスIII
プロセスIIIでは、搬送した溶解産物113に後続する空気702が流路306および308と流路307の分岐点(流路の接続点(合流点)316)を超える前にバルブ304および701が閉められ、バルブ302および303が開放され、印加圧力30kPaで30秒間、洗浄液111が洗浄液チャンバ105から溶解チャンバ101に流路306を経由して搬送される。この時、流路307内の空気が流路308または306に移動し、流路307に洗浄液111が充填される。プロセスIIIにおける流路307内の空気を排出することが、溶解産物113と洗浄液111の間に空気を挟まずに連続的な搬送を実現する上で重要となる。
(iv)プロセスIV
プロセスIVでは、バルブ315および701が開放され、60kPaで3分間、500μL分の洗浄液111が洗浄液チャンバ105から膜チャンバ108を経由して廃液チャンバ107に搬送される。
(v)プロセスV
プロセスVは、全量あるいは所定量の洗浄液111を洗浄液チャンバ105から膜チャンバ108を経由して廃液チャンバ107に搬送した後の状態を示している。
以上のような動作手順を採ることにより、溶解産物113と洗浄液111の間に空気を挟まずに連続的な溶解産物113と洗浄液111の搬送を実施することができる。
実施例6は、実施例2の派生形である。実施例6による精製システム400’は、実施例2による精製システム400(図11参照)にバルブ801が追加された構成となっている。
<精製プロセス>
図19は、実施例6による精製プロセスI~Vを説明するための図である。
(i)プロセスI
プロセスIは、サンプル溶解手順202における溶解中または溶解が完了した直後の状態を示している。このとき、バルブ401、402、403、404、405、406、および801は閉じている。
(ii)プロセスII
プロセスIIでは、バルブ401、403、405、および801が解放され、印加圧力-60kPaで2分間、900μL分の溶解産物113が溶解チャンバ101から膜チャンバ108を経由して廃液チャンバ107に搬送される。
(iii)プロセスIII
プロセスIIIでは、溶解産物113がすべて膜チャンバ108まで搬送されると、バルブ405および801が閉められ、バルブ402、406、およびバルブ404が解放され、洗浄液111が30kPa以下の圧力で30秒以下の時間、洗浄液チャンバ105から廃液チャンバ107に向けて押し出される。この時、流路409内の空気が流路410または廃液チャンバ107に移動する。この時、流路409内の空気が流路408または410に移動し、流路409に洗浄液111が充填される。このように、プロセスIIIにおいて流路409内の空気を排出することが、溶解産物113と洗浄液111の間に空気を挟まずに連続的な搬送を実現する上で重要となる。
(iv)プロセスIV
プロセスIVでは、バルブ403が閉じられ、バルブ801が開放され、500μL分の洗浄液111が、60kPaで3分間、洗浄液チャンバ105から膜チャンバ108を経由して溶解チャンバ101に搬送される。
(v)プロセスV
プロセスVは、全量あるいは所定量の洗浄液111を洗浄液チャンバ105から膜チャンバ108を経由して溶解チャンバ101に搬送した後の状態を示している。
以上のような動作手順を採ることにより、溶解産物113と洗浄液111の間に空気を挟まずに連続的な溶解産物113と洗浄液111の搬送を実施することができる。
(3)各実施例についての補足説明
(i)実施例1の場合、洗浄液と溶解産物を連続で搬送するには、図6に示すプロセスIIIからプロセスIVへの切り替えを正しいタイミングで行う必要がある。溶解産物113の搬送が長すぎると流路308に空気が入ってしまい、短すぎると溶解産物113が溶解チャンバ101に多く残り、収率が下がってしまう。このため、再現性の高い搬送を行うか、液面検出センサで搬送時間を定義する必要がある。
しかし、サンプル種が多様な場合、あるいは液の粘度が高い場合、溶解産物113の搬送の再現性は低くなる。また、液面検出センサを用いる場合、装置の構成要素が増えるため、コストが高くなる。また、液面検出センサが正しく動作しないリスクも存在する。
一方、実施例2の図11に示すプロセスIIIからプロセスIVへの切り替えと、実施例3の図14に示すプロセスIIからプロセスIIIへの切り替えと、実施例4の図17に示すプロセスIIからプロセスIIIへの切り替えでは、溶解産物113の搬送に必要な時間を超過しても、洗浄液111と溶解産物113を連続で搬送することができる。従って、これらの実施例では、実施例1で使用していた液面検出センサが無くても、収率を保ちつつ、液面検出センサを不要とする構成を実現することができる。
(ii)溶解産物113には、サンプルに由来する高分子、粒子や溶解バッファとの混合物に由来する沈殿物等が含まれる。これらが溶解産物113の搬送時に精製膜に引っ掛かり、後段で洗浄液111および溶出液の搬送の効率低下や乾燥時の流体(空気、窒素、その他の気体)の搬送の効率の低下を招く恐れがある。
この点、実施例3の場合、洗浄液111を溶解産物113と反対側から流すため、溶解産物搬送時に膜に引っかかった物体を押してスムーズな搬送を実現する効果もある。
(iii)実施例3、実施例4、実施例5(実施例1の派生形)、および実施例6(実施例2の派生形)4の場合、洗浄液111の搬送を複数回に分ける必要がない。このため、洗浄液チャンバ105を複数回の搬送に対応した構造にする必要がなくなる。例えば、試薬チャンバとして、US2006-134773A1に示されるような、アクチュエーターを用いた試薬搬送パックを用いてもよい。ただし、実施例5(実施例1の派生形)と実施例6(実施例2の派生形)の場合、バルブ701あるいはバルブ801を設けないと、流体(空気、窒素、その他の気体)が膜チャンバ108側に移動する可能性が出てくる。このため、バルブ701やバルブ801が無くても搬送は可能であるものの、さらなる安定した溶液搬送を実現するにはバルブ701あるは801を設けることができる。また、実施例3の流路について、実施例1よりも流路が長くなる傾向がある。さらに、実施例4の流路については、実施例1に対して追加の流路を要する。
(4)実施例のまとめ
各実施例では、精製膜を有する流路において、気泡を抜くための専用の構成を流路チップに設置することなく、2種類の溶液を連続で膜の設置された部位に搬送することを可能にし、溶液搬送に必要な圧力を下げることができる。これにより、ラプラス圧が高い気液界面の数を減らす、あるいはなくすことができ、また膜が濡れた状態で搬送しなくてはいけない流体(空気、窒素、その他の気体)の体積を減らす、あるいはなくすことができる。
(i)実施例1(図5および6参照)によれば、溶解チャンバ(第1チャンバ)101および洗浄液チャンバ(第2チャンバ)105と廃液チャンバ107との間に膜チャンバ108が配置された精製システム(生体分子分析装置)301の流路において、コンピュータ115により、溶解チャンバ101から廃液チャンバ107に繋がる流路306から309(第1流路)と洗浄液チャンバ(第2チャンバ)105から延設される流路307(第2流路)との合流点316を少なくとも超えるまで洗浄液(第2液)111を搬送制御し、流路307(第2流路)から流体(空気、窒素、その他の気体)を排出する。次に、コンピュータ115により、溶解産物(第1液)113を溶解チャンバ(第1チャンバ)101から膜チャンバ108を経由して廃液チャンバ107に搬送制御する。そして、コンピュータ115により、洗浄液チャンバ(第2チャンバ)105の洗浄液(第2液)111を洗浄液チャンバ(第2チャンバ)105から膜チャンバ108を経由して、廃液チャンバ107に搬送制御する。このようにすることにより、溶液搬送中に溶解産物113と洗浄液111との間に空気が混入することなく、溶解産物113と洗浄液111とを連続的に廃液チャンバ107まで搬送することが可能となる。流体(空気、窒素、その他の気体)を混入させることがないので、溶液搬送中の圧力を下げることができる(図10参照)ので、流路が多少構造的に弱くても採用することができ、精製システム301の製造コストを抑えることができる。
(ii)実施例2(図11および12参照)によれば、溶解チャンバ(第1チャンバ)101と洗浄液チャンバ(第2チャンバ)105との間に膜チャンバ108が配置され、膜チャンバ108および洗浄液チャンバ105が廃液チャンバ107に接続された精製システム(生体分子分析装置)400の流路において、コンピュータ115により、溶解チャンバ(第1チャンバ)101から廃液チャンバ107に繋がる流路407から408(第1流路)と洗浄液チャンバ(第2チャンバ)105から延設される流路409(第2流路)との合流点414を少なくとも超えるまで洗浄液(第2液)111を搬送制御し、流路409(第2流路)から流体(空気、窒素、その他の気体)を排出する。次に、コンピュータ115により、溶解産物(第1液)113を溶解チャンバ(第1チャンバ)101から膜チャンバ108を経由して廃液チャンバ107に搬送制御する。そして、コンピュータ115により、洗浄液チャンバ(第2チャンバ)105の洗浄液(第2液)111を洗浄液チャンバ(第2チャンバ)105から膜チャンバ108を経由して溶解チャンバ(第1チャンバ)101に搬送制御する。このようにすることにより、溶液搬送中に溶解産物113と洗浄液111との間に流体(空気、窒素、その他の気体)が混入することなく、溶解産物113を廃液チャンバ107に搬送した後、連続的に洗浄液111を溶解チャンバ101まで搬送することが可能となる。流体(空気、窒素、その他の気体)を混入させることがないので、溶液搬送中の圧力を下げることができる(実施例1と同様に図10参照)ので、流路が多少構造的に弱くても採用することができ、精製システム400の製造コストを抑えることができる。
(iii)実施例3(図13および図12参照)によれば、膜チャンバが上流側に溶解チャンバ(第1チャンバ)101に繋がる第1導入口と洗浄液チャンバ(第2チャンバ)105と繋がる第2導入口と廃液チャンバ107に繋がる排出口とを有し、溶解チャンバ(第1チャンバ)101から延設された流路506(第1流路)が膜チャンバ108の第1導入口に繋がり、洗浄液チャンバ(第2チャンバ)105から延設された流路507(第2流路)が膜チャンバ108の第2導入口に繋がり、膜チャンバ108の排出口から延設された流路508(第3流路)が廃液チャンバ107に繋がる、精製システム(生体分子分析装置)500の流路において、コンピュータ115により、溶解産物(第1液)113を溶解チャンバ(第1チャンバ)101から膜チャンバ108を経由して廃液チャンバ107に搬送する。次に、コンピュータ115により、洗浄液(第2液)を洗浄液チャンバ(第2チャンバ)105から膜チャンバ108の第2導入口から膜チャンバ108の第1および第2導入口と精製膜との間の空間108_1に搬送し、当該空間108_1を洗浄液(第2液)111で充填した状態で洗浄液(第2液)111を膜チャンバ108の第1導入口から流路506(第1流路)側に排出する。そして、コンピュータ115により、洗浄液(第2液)111が流路506(第1流路)側に存在する状態で、洗浄液(第2液)を、洗浄液チャンバ(第2チャンバ)から膜チャンバ108を経由して廃液チャンバ107に搬送する。このようにすることにより、溶液搬送中に溶解産物113と洗浄液111との間に流体(空気、窒素、その他の気体)が混入することなく、溶解産物113と洗浄液111を連続的に廃液チャンバ107まで搬送することが可能となる。流体(空気、窒素、その他の気体)を混入させることがないので、溶液搬送中の圧力を下げることができる(実施例1と同様に図10参照)ので、流路が多少構造的に弱くても採用することができ、精製システム500の製造コストを抑えることができる。
(iv)実施例4(図16および図17参照)によれば、精製膜102と、溶解チャンバ(第1チャンバ)101と洗浄液チャンバ(第2チャンバ)105が流路609を介して繋がる導入口と、廃液チャンバ107との連絡口と、および排出口を有する膜チャンバ108と、溶解チャンバ(第1チャンバ)101から延設され、膜チャンバ108の導入口に繋がる流路607から609(第1流路)と、洗浄液チャンバ(第2チャンバ)105から流路607から609(第1流路)との合流点614まで延設された流路608(第2流路)と、膜チャンバ108の導入口と精製膜との間の第1空間108_1に設けられた連絡口と廃液チャンバ107とを繋ぐ流路611(連絡流路)と、膜チャンバ108の排出口から延設され、廃液チャンバ107に繋がる流路610(第3流路)と、を備える精製システム(生体分子分析装置)600の流路において、コンピュータ115により、溶解産物(第1液)113を溶解チャンバ(第1チャンバ)101から膜チャンバ108を経由して廃液チャンバ107に搬送する。次に、コンピュータ115により、洗浄液(第2液)113を洗浄液チャンバ(第2チャンバ)105から膜チャンバ108の導入口から第1空間108_1および流路611(連絡流路)に搬送する。そして、コンピュータ115により、第1空間108_1と流路611(連絡流路)を洗浄液(第2液)111で充填させた状態で、洗浄液(第2液)111を洗浄液チャンバ(第2チャンバ)105から膜チャンバ108を経由して、廃液チャンバ107に搬送する。このようにすることにより、溶液搬送中に溶解産物113と洗浄液111との間に流体(空気、窒素、その他の気体)が混入することなく、溶解産物113と洗浄液111を連続的に廃液チャンバ107まで搬送することが可能となる。流体(空気、窒素、その他の気体)を混入させることがないので、溶液搬送中の圧力を下げることができる(実施例1と同様に図10参照)ので、流路が多少構造的に弱くても採用することができ、精製システム600の製造コストを抑えることができる。
100 生体分子分析装置
101 溶解チャンバ
102 精製膜
103 反応チャンバ
104 溶解バッファチャンバ
105 洗浄液チャンバ
106 試薬チャンバ
107 廃液チャンバ
108 膜チャンバ
109 ポート
114 流路チップ
115 コンピュータ
301、301’、400、400’、500、600 精製システム
313、314 液面検出センサ

Claims (28)

  1. コンピュータにより生体分子分析装置の流路における液搬送を制御する方法であって、
    前記生体分子分析装置は、第1液を収容する第1チャンバと、第2液を収容する第2チャンバと、精製膜を有する膜チャンバと、廃液チャンバと、を有し、
    前記方法は、
    前記コンピュータにより、前記第1チャンバから前記廃液チャンバに繋がる第1流路と前記第2チャンバから延設される第2流路との合流点を少なくとも超えるまで前記第2液を搬送制御し、前記第2流路から前記第1および第2液とは異なる流体を排出することと、
    前記コンピュータにより、前記第1液を前記第1チャンバから前記膜チャンバを経由して前記廃液チャンバに搬送制御することと、
    前記コンピュータにより、前記第2チャンバの前記第2液を前記第2チャンバから前記膜チャンバに搬送制御することと、
    を含む、方法。
  2. 請求項1において、
    前記第1チャンバおよび前記第2チャンバと前記廃液チャンバとの間に前記膜チャンバが配置され、
    前記方法は、さらに、
    前記コンピュータにより、前記膜チャンバまで搬送した前記第2液をさらに前記廃液チャンバに搬送制御することを含む、方法。
  3. 請求項1において、
    前記第1チャンバと前記第2チャンバとの間に前記膜チャンバが配置され、
    前記方法は、さらに、
    前記コンピュータにより、前記膜チャンバまで搬送した前記第2液をさらに前記第1チャンバに搬送制御することを含む、方法。
  4. 請求項1において、
    前記コンピュータは、入力された、前記第1液および前記第2液の流量の情報に応答して印加圧力およびバルブの開閉を制御し、前記第1液および前記第2液の各搬送を実行する、方法。
  5. 請求項4において、
    前記第1チャンバおよび前記第2チャンバと前記廃液チャンバとの間に前記膜チャンバが配置され、
    前記コンピュータは、(i)前記第1流路における前記合流点よりも前記第1チャンバ側に設けられた第1バルブを閉じ、前記第2流路に設けられた第2バルブを開けて送液圧力を印加することにより、前記第2液を、前記合流点を少なくとも超えるまで搬送し、(ii)次に、前記第2バルブを閉じ、前記第1バルブを開けて送液圧力を印加することにより、前記第1液を前記第1チャンバから前記膜チャンバを経由して前記廃液チャンバに搬送し、(iii)さらに、前記第1バルブを閉じ、前記第2バルブを再度開けて送液圧力を印加することにより、前記第2液を前記第2チャンバから前記膜チャンバを経由して前記廃液チャンバに搬送する、方法。
  6. 請求項4において、
    前記第1チャンバと前記第2チャンバとの間に前記膜チャンバが配置され、
    前記コンピュータは、(i)前記第1チャンバと前記膜チャンバとの間に設けられた第1バルブを閉じ、前記第2流路に設けられた第2バルブと前記合流点と前記廃液チャンバとの間に設けられた第3バルブを開けて送液圧力を印加することにより、前記第2液を、前記合流点を少なくとも超えるまで搬送し、(ii)次に、前記第2バルブを閉じ、前記第1および第3バルブを開けて送液圧力を印加することにより、前記第1液を前記第1チャンバから前記膜チャンバを経由して前記廃液チャンバに搬送し、(iii)さらに、前記第3バルブを閉じ、前記第1および第2バルブを開けて送液圧力を印加することにより、前記第2液を前記第2チャンバから前記膜チャンバを経由して前記第1チャンバに搬送する、方法。
  7. 請求項4において、
    前記第1チャンバおよび前記第2チャンバと前記廃液チャンバとの間に前記膜チャンバが配置され、
    前記コンピュータは、(i)前記合流点と前記第1チャンバとの間に設けられた第1バルブと前記合流点と前記膜チャンバとの間に設けられた第2バルブとを開け、前記第2流路に設けられた第3バルブを閉じて送液圧力を印加することにより、前記第1液を、前記第1チャンバから前記膜チャンバを経由して前記廃液チャンバに搬送して前記第3バルブから前記廃液チャンバの導入口までを前記第1液で充填させ、(ii)次に、前記第2バルブを閉じ、前記第1および第3バルブを開けて送液圧力を印加することにより、前記第2液を少なくとも前記合流点を超えるまで搬送し、(iii)さらに、前記第1および第2バルブを閉じ、前記第3バルブを開けて送液圧力を印加することにより、前記第2液を前記第2チャンバから前記膜チャンバを経由して前記廃液チャンバに搬送する、方法。
  8. 請求項4において、
    前記第1チャンバと前記第2チャンバとの間に前記膜チャンバが配置され、
    前記コンピュータは、(i)前記第1チャンバと前記膜チャンバとの間に設けられた第1バルブと、前記膜チャンバと前記合流点との間に設けられた第2バルブと、前記合流点と前記廃液チャンバとの間に設けられた第3バルブとを開け、前記第2流路に設けられた第4バルブを閉じて送液圧力を印加することにより、前記第1液を、前記第1チャンバから前記膜チャンバを経由して前記廃液チャンバに搬送し、(ii)次に、前記第1液を、前記合流点を少なくとも超えるまで搬送し、(iii)次に、前記精製膜と前記膜チャンバの第1液排出口との間の空間と当該第1液排出口と前記第2バルブとの間の流路を前記第1液で充填した状態を維持して前記第2バルブを閉め、前記3バルブおよび第4バルブを開けて送液圧力を印加することにより、前記第2液を前記第2チャンバから前記廃液チャンバに向けて搬送して前記第2流路に含まれている流体であって前記第1液および第2液とは異なる流体を廃液チャンバに排出し、(iv)さらに、前記第3バルブを閉じ、前記第1バルブ、前記第2バルブ、および前記第4バルブを開けて送液圧力を印加することにより、前記第2液を前記第2チャンバから前記膜チャンバを経由して前記第1チャンバに搬送する、方法。
  9. 請求項1において、
    前記膜チャンバに接続されている前記第1流路の断面積は、314mm以下である、方法。
  10. 請求項1において、
    前記精製膜は、0.1μm以上の粒子を保持することができる、方法。
  11. 請求項1において、
    前記精製膜の組成は、シリカである、方法。
  12. 請求項1において、
    前記第1液は、核酸、タンパク質、脂質、または多糖を含む生体ポリマ、あるいはアミノ酸、脂質、糖、または核酸塩基を含む生体モノマ前記生体ポリマまたは前記生体モノマの誘導体を構造中に含む分子を有する物質からなる群から選択される分子のうち少なくとも1種類以上を含む、方法。
  13. 請求項1において、
    前記第2液は、前記第1液よりも蒸発速度が速い、表面張力が低い、あるいは膜に対して接触角が大きい、方法。
  14. 請求項1において、
    前記第1液は溶解産物であり、前記第2液は洗浄液であり、前記流体は空気である、方法。
  15. 請求項1において、
    前記コンピュータは、前記第1液が前記精製膜を通過した後、前記流体が前記精製膜を通過するのに必要な圧力よりも小さい圧力で、前記第1および第2液の搬送を行う、方法。
  16. 請求項4において、
    前記コンピュータは、前記第1液と前記第2液の搬送の切り替えタイミングを、液面検出センサまたは、時間、圧力、あるいはこれらの組み合わせで定義する、方法。
  17. 請求項1において、
    前記第2流路の体積は、前記精製膜と前記膜チャンバの導入口との間の第1空間の体積以上である、方法。
  18. コンピュータにより生体分子分析装置の流路における液搬送を制御する方法であって、
    前記生体分子分析装置は、第1液を収容する第1チャンバと、第2液を収容する第2チャンバと、精製膜を有する膜チャンバと、廃液チャンバと、を有し、前記膜チャンバは第1導入口および第2導入口と排出口を有し、前記第1チャンバから延設された第1流路が前記膜チャンバの前記第1導入口に繋がり、前記第2チャンバから延設された第2流路が前記膜チャンバの前記第2導入口に繋がり、前記膜チャンバの前記排出口から延設された第3流路が前記廃液チャンバに繋がり、
    前記方法は、
    前記コンピュータにより、前記第1液を前記第1チャンバから前記膜チャンバを経由して前記廃液チャンバに搬送することと、
    前記コンピュータにより、前記第2液を前記第2チャンバから前記膜チャンバの前記第2導入口から前記膜チャンバの前記第1および第2導入口と前記精製膜との間の第1空間に搬送し、当該第1空間を前記第2液で充填した状態で前記第2液を前記膜チャンバの前記第1導入口から前記第1流路側に排出することと、
    前記コンピュータにより、前記第2液が前記第1流路側に存在する状態で、前記第2液を、前記第2チャンバから前記膜チャンバを経由して前記廃液チャンバに搬送することと、
    を含む、方法。
  19. 請求項18において、
    前記コンピュータは、入力された、前記第1液および前記第2液の流量の情報に応答して印加圧力およびバルブの開閉を制御し、前記第1液および前記第2液の各搬送を実行する、方法。
  20. 請求項19において、
    前記コンピュータは、(i)前記第1流路に設けられた第1バルブを開け、前記第2流路に設けられた第2バルブを閉じて送液圧力を印加することにより、前記第1液を前記第1チャンバから前記膜チャンバを経由して前記廃液チャンバに搬送し、(ii)次に、前記膜チャンバの前記精製膜と前記排出口との間の第2空間を前記第1液で充填させた状態で、前記第1および第2バルブを開けて送液圧力を印加することにより、前記膜チャンバの前記第1空間を前記第2液で充填しながら、前記第2液を前記第1導入口から前記第1流路側に排出し、(iii)さらに、前記第1バルブを閉じて送液圧力を印加することにより、前記第2液が前記第1流路側に存在する状態で、前記第2液を前記第2チャンバから前記膜チャンバを経由して前記廃液チャンバに搬送する、方法。
  21. コンピュータにより生体分子分析装置の流路における液搬送を制御する方法であって、
    前記生体分子分析装置は、第1液を収容する第1チャンバと、第2液を収容する第2チャンバと、精製膜を有する膜チャンバと、廃液チャンバと、を有し、前記第1チャンバから延設された第1流路が前記膜チャンバの導入口に繋がり、前記第2チャンバから延設された第2流路が前記第1流路と合流点で合流し、さらに、前記膜チャンバの前記導入口と前記精製膜との間の第1空間と前記廃液チャンバとを繋ぐ連絡流路が設けられており、
    前記方法は、
    前記コンピュータにより、前記第1液を前記第1チャンバから前記膜チャンバを経由して前記廃液チャンバに搬送することと、
    前記コンピュータにより、前記第2液を前記第2チャンバから前記膜チャンバの前記導入口から前記第1空間および前記連絡流路に搬送することと、
    前記コンピュータにより、前記第1空間と前記連絡流路を前記第2液で充填させた状態で、前記第2液を前記第2チャンバから前記膜チャンバを経由して、前記廃液チャンバに搬送することと、
    を含む、方法。
  22. 請求項21において、
    前記コンピュータは、入力された、前記第1液および前記第2液の流量の情報に応答して印加圧力およびバルブの開閉を制御し、前記第1液および前記第2液の各搬送を実行する、方法。
  23. 請求項22において、
    前記コンピュータは、(i)前記第1流路に設けられた第1バルブを開け、前記第2流路に設けられた第2バルブを閉じて送液圧力を印加することにより、前記第1液を前記第1チャンバから前記膜チャンバを経由して前記廃液チャンバに搬送し、(ii)次に、前記精製膜と前記膜チャンバの排出口との間の第2空間を前記第1液で充填させた状態で、前記第1バルブを閉め、前記第2流路に設けられた第2バルブと前記連絡流路に設けられた第3バルブを開けて送液圧力を印加することにより、前記膜チャンバの前記第1空間と前記連絡流路を前記第2液で充填し、(iii)さらに、前記第3バルブを閉めて送液圧力を印加することにより、前記第2液が前記連絡流路に存在する状態を維持しながら、前記第2液を前記第2チャンバから前記膜チャンバを経由して前記廃液チャンバに搬送する、方法。
  24. 流路を有する生体分子分析装置と、
    前記流路における液搬送を制御するコンピュータと、を備え、
    前記生体分子分析装置は、
    第1液を収容する第1チャンバと、
    第2液を収容する第2チャンバと、
    廃液チャンバと、
    精製膜を有し、前記第1チャンバおよび前記第2チャンバと前記廃液チャンバとの間に配置された膜チャンバと、
    を備え、
    前記コンピュータは、
    前記第1チャンバから前記廃液チャンバに繋がる第1流路と前記第2チャンバから延設される第2流路との合流点を少なくとも超えるまで前記第2液を搬送制御し、前記第2流路から前記第1および第2液とは異なる流体を排出する処理と、
    前記第1液を前記第1チャンバから前記膜チャンバを経由して前記廃液チャンバに搬送制御する処理と、
    前記第2チャンバの前記第2液を前記第2チャンバから前記膜チャンバを経由して前記廃液チャンバに搬送制御する処理と、
    を実行する、生体分子精製システム。
  25. 流路を有する生体分子分析装置と、
    前記流路における液搬送を制御するコンピュータと、を備え、
    前記生体分子分析装置は、
    第1液を収容する第1チャンバと、
    第2液を収容する第2チャンバと、
    精製膜を有し、前記第1チャンバと前記第2チャンバとの間に配置された膜チャンバと、
    廃液チャンバと、を備え
    前記コンピュータは、
    前記第1チャンバから前記廃液チャンバに繋がる第1流路と前記第2チャンバから延設される第2流路との合流点を少なくとも超えるまで前記第2液を搬送制御し、前記第2流路から前記第1および第2液とは異なる流体を排出する処理と、
    前記第1液を前記第1チャンバから前記膜チャンバを経由して前記廃液チャンバに搬送制御する処理と、
    前記第2チャンバの前記第2液を前記第2チャンバから前記膜チャンバを経由して前記第1チャンバに搬送制御する処理と、
    を実行する、生体分子精製システム。
  26. 流路を有する生体分子分析装置と、
    前記流路における液搬送を制御するコンピュータと、を備え、
    前記生体分子分析装置は、
    第1液を収容する第1チャンバと、
    第2液を収容する第2チャンバと、
    精製膜、第1導入口、第2導入口、および排出口を有する膜チャンバと、
    廃液チャンバと、
    前記第1チャンバから延設され、前記膜チャンバの前記第1導入口に繋がる第1流路と、
    前記第2チャンバから延設され、前記膜チャンバの前記第2導入口に繋がる第2流路と、
    前記膜チャンバの前記排出口から延設され、前記廃液チャンバに繋がる第3流路と、を備え、
    前記コンピュータは、
    前記第1液を前記第1チャンバから前記膜チャンバを経由して前記廃液チャンバに搬送する処理と、
    前記第2液を前記第2チャンバから前記膜チャンバの前記第2導入口から前記膜チャンバの前記第1および第2導入口と前記精製膜との間の第1空間に搬送し、当該第1空間を前記第2液で充填した状態で前記第2液を前記膜チャンバの前記第1導入口から前記第1流路側に排出する処理と、
    前記第2液が前記第1流路側に存在する状態で、前記第2液を、前記第2チャンバから前記膜チャンバを経由して前記廃液チャンバに搬送する処理と、
    を実行する、生体分子精製システム。
  27. 流路を有する生体分子分析装置と、
    前記流路における液搬送を制御するコンピュータと、を備え、
    前記生体分子分析装置は、
    第1液を収容する第1チャンバと、
    第2液を収容する第2チャンバと、
    廃液チャンバと、
    精製膜、導入口、前記廃液チャンバとの連絡口、および排出口を有する膜チャンバと、
    前記第1チャンバから延設され、前記膜チャンバの前記導入口に繋がる第1流路と、
    前記第2チャンバから前記第1流路と合流点まで延設された第2流路と、
    前記膜チャンバの前記導入口と前記精製膜との間の第1空間に設けられた前記連絡口と前記廃液チャンバとを繋ぐ連絡流路と、
    前記膜チャンバの前記排出口から延設され、前記廃液チャンバに繋がる第3流路と、
    を備える生体分子精製システム。
  28. 請求項27において、
    前記コンピュータは、
    前記第1液を前記第1チャンバから前記膜チャンバを経由して前記廃液チャンバに搬送する処理と、
    前記第2液を前記第2チャンバから前記膜チャンバの前記導入口から前記第1空間および前記連絡流路に搬送する処理と、
    前記第1空間と前記連絡流路を前記第2液で充填させた状態で、前記第2液を前記第2チャンバから前記膜チャンバを経由して、前記廃液チャンバに搬送する処理と、
    を実行する、生体分子精製システム。
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