JP7795155B1 - 溶融めっき鋼材 - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2024年8月15日に、日本に出願された特願2024-135644号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
[1]本開示の一態様に係る溶融めっき鋼材は、鋼材と、前記鋼材の表面に配置されためっき層と、を有する溶融めっき鋼材であり、
前記めっき層が、質量%で、
Al:10%超、40%未満、
Mg:4.0%以上、15.0%以下、
Si:0%以上、2.0%以下、
V :0%以上、3.0%以下、
Mn:0%以上、3.0%以下、
Cr:0%以上、3.0%以下、
Mo:0%以上、3.0%以下、
Sn:0%以上、0.7%以下、
Bi:0%以上、0.3%以下、
In:0%以上、0.3%以下、
Ca:0%以上、0.6%以下、
Y :0%以上、0.3%以下、
La:0%以上、0.3%以下、
Ce:0%以上、0.3%以下、
Sr:0%以上、0.3%以下、
Li:0%以上、0.3%以下、
Ni:0%以上、3.0%以下、
Co:0%以上、3.0%以下、
Cu:0%以上、0.25%以下、
Ag:0%以上、0.25%以下、
Sb:0%以上、0.25%以下、
Pb:0%以上、0.25%以下、
B :0%以上、0.50%以下、
P :0%以上、0.50%以下、
Ti:0%以上、0.25%以下、
Nb:0%以上、0.25%以下、
Zr:0%以上、0.25%以下、
W :0%以上、0.25%以下、
Fe:0%以上、5.0%以下、
残部Zn及び不純物であり、
V及びMnの合計量ΣTR1:0.05%以上、3.0%以下、
Cr及びMoの合計量ΣTR1’:0%以上、3.0%以下、
ΣTR1+ΣTR1’:0.05%以上、3.0%以下、
Sn、Bi及びInの合計量Σα:0%以上、0.7%以下、
Ca、Y、La、Ce、Sr及びLiの合計量Σβ:0%以上、0.6%以下、
Ni及びCoの合計量ΣTR2:0%以上、3.0%以下、
Cu、Ag、Sb、Pb、B、P、Ti、Nb、Zr及びWの合計量Σγ:0%以上、1.00%以下、
である化学組成を有し、
前記めっき層の表面から前記鋼材に向けて、前記鋼材の厚さ方向にGDS分析した場合の元素分布プロファイルにおいて、Fe濃度が95%に達する深さ位置を前記めっき層と前記鋼材との界面とし、前記めっき層の前記表面から前記界面までの間隔を前記めっき層の厚みtとした場合、前記合計量ΣTR1が0.1%以上を示す深さの割合が、前記厚みtに対して10%以上である。
[2]上記[1]の溶融めっき鋼材は、前記化学組成におけるVおよびMnをTR1とした場合、前記めっき層中に、TR1含有金属間化合物を含有し、前記めっき層の断面において、前記TR1含有金属間化合物の合計の面積率が1%以上であってもよい。
[3]上記[1]または[2]の溶融めっき鋼材は、前記化学組成におけるNiおよびCoをTR2とした場合、前記元素分布プロファイルにおいて、TR2濃度の最大値を示す深さをt(TR2)、TR1濃度の最大値を示す深さをt(TR1)としたとき、下記(1)式を満たしてもよい。
t(TR2)-t(TR1)≦0.30t ・・・(1)
[4]上記[1]または[2]の溶融めっき鋼材は、Cu-Kα線を使用し、X線出力が50kV及び300mAである条件で測定した、前記めっき層の前記表面のX線回折パターンにおいて、下記(4)式に規定するI1及び下記(5)式に規定するI2が、下記(2)式及び(3)式を満たしてもよい。
1.5≦I1 …(2)
1.5≦I2 …(3)
I1=(Imax(10.5°~11.0°)/(I(10.5°)+0.2{|I(11.0°)-I(10.5°)|}) …(4)
I2=(Imax(20.2°~20.5°))/(I(20.2°)+0.667{|I(20.5°)-I(20.2°)|}) …(5)
式(4)及び式(5)において、Imax(k~m°)は回折角度k~m°の間におけるX線回折強度の最大値であり、I(n°)は回折角度n°におけるX線回折強度であり、k、m、nはそれぞれ式(4)及び式(5)中に示される回折角度(2θ)である。
また、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。なお、「~」の前後に記載される数値に「超」または「未満」が付されている場合の数値範囲は、これら数値を下限値または上限値として含まない範囲を意味する。
このドロスが巻き込まれためっき鋼材は、密着性が低下し、またはめっき欠陥を含む。ただし、これらの浮遊ドロスは、添加する遷移金属元素の濃度を一定の範囲内に制限すれば微細であるので、めっき浴の温度を600℃近傍まで上昇させることで、浮遊ドロスをめっき浴中に再溶解させることができる。
この要因は、Zn-Al-Mg系めっき鋼材において、鋼材表面下(つまり、鋼材表層)に形成されるV,Mnに起因する微細な酸化物がめっき付着性を阻害するためである。
従って、めっき浴に遷移金属元素を添加する場合には、鋼材内部に過度な元素拡散をさせない手段を講じることで、めっき層の健全化を維持することができ、その結果、不良部の少ない耐食性に優れためっき鋼材を製造することが可能である。
本発明の実施形態に係る溶融めっき鋼材について説明する。
本実施形態の溶融めっき鋼材は、鋼材と、鋼材の表面に配置されためっき層と、を有する。
Al:10%超、40%未満、
Mg:4.0%以上、15.0%以下、
Si:0%以上、2.0%以下、
V :0%以上、3.0%以下、
Mn:0%以上、3.0%以下、
Cr:0%以上、3.0%以下、
Mo:0%以上、3.0%以下、
Sn:0%以上、0.7%以下、
Bi:0%以上、0.3%以下、
In:0%以上、0.3%以下、
Ca:0%以上、0.6%以下、
Y :0%以上、0.3%以下、
La:0%以上、0.3%以下、
Ce:0%以上、0.3%以下、
Sr:0%以上、0.3%以下、
Li:0%以上、0.3%以下、
Ni:0%以上、3.0%以下、
Co:0%以上、3.0%以下、
Cu:0%以上、0.25%以下、
Ag:0%以上、0.25%以下、
Sb:0%以上、0.25%以下、
Pb:0%以上、0.25%以下、
B :0%以上、0.50%以下、
P :0%以上、0.50%以下、
Ti:0%以上、0.25%以下、
Nb:0%以上、0.25%以下、
Zr:0%以上、0.25%以下、
W :0%以上、0.25%以下、
Fe:0%以上、5.0%以下、
残部Zn及び不純物であり、
V及びMnの合計量ΣTR1:0.05%以上、3.0%以下、
Cr及びMoの合計量ΣTR1’:0%以上、3.0%以下、
ΣTR1+ΣTR1’:0.05%以上、3.0%以下、
Sn、Bi及びInの合計量Σα:0%以上、0.7%以下、
Ca、Y、La、Ce、Sr及びLiの合計量Σβ:0%以上、0.6%以下、
Ni及びCoの合計量ΣTR2:0%以上、3.0%以下、
Cu、Ag、Sb、Pb、B、P、Ti、Nb、Zr及びWの合計量Σγ:0%以上、1.00%以下、である。
なお、V、Mn、CrおよびMoはいずれも遷移金属元素であるが、本明細書においては、VおよびMnを「遷移金属元素TR1」、CrおよびMoを「遷移金属元素TR1’」と表記する場合がある。また、V、Mn、CrおよびMoを総称して「遷移金属元素TR」と表記する場合もある。
めっきの対象となる鋼材について説明する。
鋼材は、例えば主に鋼板であるが、そのサイズに特に制限はない。鋼板は、通常の溶融亜鉛めっき工程に適用可能なものであればよい。具体的には、連続溶融亜鉛めっきライン(CGL)など、溶融金属に浸漬して凝固させる工程で適用可能な鋼板がこれに当てはまる。鋼板のサイズとしては、例えば、板厚10mm以下、板幅2000mm以下のものを適用できるが、鋼板のサイズはこれに限定されるものではない。
次に、鋼材上に設けられるめっき層について説明する。
本実施形態に係るめっき層は、Zn-Al-Mg系合金層を含む。ZnにAl、Mgなどの合金元素が含有されると耐食性が改善する。そのため、Zn-Al-Mg系合金層を含む本実施形態のめっき層の場合、めっき層の厚さが小さい薄膜、例えば、通常のZnめっき層の半分程度の厚みでも、Znめっき層と同等以上の耐食性を発揮できる。
めっき層には、Al-Fe系界面合金層を含んでもよい。
次に、めっき層の平均化学組成について説明する。
めっき層全体の平均化学組成は、めっき層がZn-Al-Mg系合金層の単層構造の場合は、Zn-Al-Mg系合金層の平均化学組成である。また、めっき層がAl-Fe系界面合金層及びZn-Al-Mg系合金層の積層構造の場合は、Al-Fe系界面合金層及びZn-Al-Mg系合金層の合計の平均化学組成である。なお、めっき前の鋼材(原板)の表面に、あらかじめプレめっき層が設けられている場合には、プレめっき層由来のNi、Co等もこの成分組成に含まれる。
Alは、めっき層の主体を構成する元素である。Al含有量が10%超になると、めっき層の融点が純Znよりも高くなる。また、本実施形態におけるめっき層の厚さを増大させるのに必要な遷移金属元素は、Zn、Mgにはほとんど固溶しない。そのため、遷移金属元素を含有させるためには一定量以上のAlが必要である。そのために最低限必要な濃度が10%超であるため、Al含有量は10%超である。また、Alは、V含有金属間化合物、および/またはMn含有金属間化合物(以下、V含有金属間化合物およびMn含有金属間化合物を総称してTR1含有金属間化合物ともいう)を形成するために必須の元素である。Al含有量は、好ましくは11%以上、より好ましくは12%以上、さらに好ましくは18%以上であり、さらにより好ましくは25%以上である。
一方、Al含有量が40%以上になると、めっき浴と地鉄の反応性が高まり、Al-Fe系界面合金層の抑制が困難になり、厚いめっき厚での加工性確保が厳しくなる。また、Al-Fe系界面合金層が厚く形成される分だけ、Zn-Al-Mg系合金層の厚さが減少する。従って、Al含有量を40%未満とする。Al含有量は、好ましくは38%以下であり、より好ましくは35%以下である。
Mgは、Znと同様に、めっき層の主体を構成する元素である。Mgは、めっき層の耐食性を確保するための元素である。Mgは、Zn-Al-Mg系合金層中に、耐食性に優れ比較的硬質なMgZn2相を形成させる。また、Mgは遷移金属元素と結合して、種々の性能を向上させるのに有効な元素である。Mg含有量が4.0%未満では、遷移金属元素などと適切な化合物を形成しなくなるため、Alと遷移金属元素との化合物の形成が促進され、ドロスが発生し、健全なめっき層が形成できない場合がある。従って、Mg含有量は4.0%以上とする。Mg含有量は、好ましくは4.5%以上、より好ましくは4.8%以上、さらに好ましくは5.0%以上、よりさらに好ましくは6.0%以上である。
一方、Mg含有量が15.0%超となると、発生するドロスの量が多くなり、めっき層が付着しない不めっき部が増えるおそれがある。そのため、Mg含有量は15.0%以下とする。Mg含有量は、好ましくは、13.0%以下、10.0%以下である。
Siは、めっき浴とFeとの反応を抑制する作用を有する。一般的に、めっき浴中に多量に遷移金属元素TRを含有すると反応が過剰になることから、Siなどを併用することで、ある程度の遷移金属元素の拡散を抑制することもできる。他方、遷移金属元素と多量のSiが混在すると、部分的に界面部や鋼材表面(Fe表面)で酸化物が発生し、めっき層が密着しなくなる、いわゆる“不めっき”を引き起こす場合がある。したがってSi含有量は2.0%以下である。Si含有量は、好ましくは、1.5%以下、1.0%以下、0.30%以下である。プレめっき層を利用する場合は、Siを含有しなくても素地との反応性は十分に抑制できる。Siは含まれなくてもよいため、Si含有量の下限は0%である。Si含有量は、好ましくは、0.01%以上、より好ましくは0.1%以上である。
Mn:0%以上、3.0%以下
V及びMnの合計量ΣTR1:0.05%以上、3.0%以下
V及びMn(遷移金属元素TR1)は、Al、Mgを含有するZn系めっき浴に含有されると、めっき浴の比重を増大させ、めっき浴の粘度を向上させる作用を有する。これにより、めっき浴から鋼材を引き上げる際に、鋼材に対する溶融金属の付着量が多くなり、めっき層の厚みが厚くなる。また、めっき浴中に遷移金属元素TR1が含まれることで、めっき相の凝固の初期段階においてAl18(TR1)2Mg3に代表されるAl-Mg-TR1系金属間化合物(TR1含有金属間化合物)が形成され、めっき層の厚みの増大化がより促進される。このような金属間化合物の形成による厚みの増大効果と、比重および粘度の上昇効果のうち、どちらの効果が大きいかは切り分けることが難しいが、いずれの効果も遷移金属の添加効果と考えられる。Al,Mgが適切な濃度範囲にある際、これらの効果は、遷移金属元素TR1が0.05%以上でめっき付着量が大きくなる傾向にある。そのため、V及びMn(遷移金属元素TR1)の各含有量は、0.05%以上とすることが好ましい。より好ましくは、遷移金属元素TR1の各含有量は0.1%以上、0.3%以上、0.5%以上、0.7%以上または1.0%以上である。
遷移金属元素TR1の含有量が3.0%超では、めっき浴の温度を高めたとしても、これらの浮遊ドロスを完全溶解させることが困難であり、また、めっき浴の粘性が極めて高くなって鋼材のめっき浴からの引き上げ時に溶融金属の付着量が低減し、めっき層の厚みが極端に薄くなる。また、めっき外観が大幅に悪化する。このため、V及びMn(遷移金属元素TR1)の各含有量は3.0%以下とする。より好ましくは、遷移金属元素TR1の各含有量は2.5%以下、2.0%以下である。
本実施形態では、VおよびMnによる上述の効果を得るために、V及びMnの濃度の合計量ΣTR1は0.03~3.0%とする。必ずしもV及びMnの両方が含まれる必要はなく、V又はMnの一方の濃度がこの範囲内であってもよい。そのため、V及びMnの濃度の下限は0%である。
合計量ΣTR1は、好ましくは、0.2%以上、0.3%以上、0.5%以上、0.7%以上または1.0%以上である。また、合計量ΣTR1は、好ましくは、2.5%以下、2.0%以下である。
Mo:0%以上、3.0%以下
CrおよびMo(遷移金属元素TR1’)は、V,Mnと類似の効果をもつ元素である。V,Mnが含有される場合、VおよびMnの一部が、Crおよび/またはMoと置換して、VおよびMnと同様の効果を発揮させることができる。従って、CrおよびMoを遷移金属元素TR1’と定義する。CrおよびMoの各含有量は、VおよびMnと同様に3.0%以下とする。より好ましくは、CrおよびMoの各含有量の各含有量は2.5%以下、2.0%以下である。なお、CrおよびMoの各含有量は0%でもよい。CrおよびMoの各含有量は、0.05%以上とすることが好ましく、より好ましくは、0.1%以上、0.3%以上、0.5%以上、0.7%以上または1.0%以上である。
Cr、Mo(遷移金属元素TR1’)を含有する金属間化合物は、犠牲防食作用が小さい傾向にある。これは形成した金属間化合物がCr、Moの酸化被膜に起因する高い電位を示すことが予測され、腐食におけるめっき層内の溶出タイミングが遅くなる傾向にあるためと考えられる。他方、V、Mn(遷移金属元素TR1)は金属間化合物の酸化皮膜を強固にする作用を有しないため、めっき層の腐食において適切なタイミングで溶出し、明瞭に耐食性に貢献することができることがわかった。
なお、Crまたは/およびMo主体の金属間化合物であっても、その中にMn、Vが一定量含有されることで、上述したような酸化被膜による腐食タイミングの遅延は抑制されることも分かった。したがって、Crまたは/およびMo主体の金属間化合物中にV、Mn(遷移金属元素TR1)を取り込むことで金属間化合物の腐食のタイミングをコントロールできる。
上記の通り、遷移金属元素TRであるV、Mn、CrおよびMoが、Al、Mgを含有するZn系めっき浴に含有されると、めっき浴の比重が増大し、めっき浴の粘度が向上するため、得られるめっき層の厚みを増大できる。そのため、遷移金属元素TR1およびTR1´の合計含有量は0.05%以上である。一方、遷移金属元素TR1およびTR1´の合計含有量(ΣTR1+ΣTR1’)が3.0%超の場合、めっき浴の粘性が極めて高くなって鋼材のめっき浴からの引き上げ時に溶融金属の付着量が低減し、めっき層の厚みが極端に薄くなる。このため、遷移金属元素TR1およびTR1´の合計含有量は3.0%以下とする。より好ましくは、遷移金属元素TR1およびTR1´の合計含有量は2.5%以下、2.0%以下である。
Sn:0%以上、0.7%以下
Bi:0%以上、0.3%以下
In:0%以上、0.3%以下
Sn、Bi及びInの合計量Σα:0%以上、0.7%以下
元素群α(Sn、Bi、In)の各元素は、めっき層に含有されることによってめっき層の軟化を促す元素である。Sn、Bi、Inは、任意に含有できる元素であるので、それぞれの含有量の下限は0%である。Snを含有させると、めっき層中にMg9Sn5が形成する傾向にある。Biは、Mg3Bi2、InはMg3Inなども形成する。元素群αは、必要に応じて、耐食性や加工性等の特性向上を目的に含有させることが可能である。
Ca:0%~0.6%
Y :0%~0.3%
La:0%~0.3%
Ce:0%~0.3%
Sr:0%~0.3%
Li:0%~0.3%
Ca、Y、La、Ce、Sr及びLiの合計量ΣY:0%以上、0.6%以下
また、Caを含む元素群βの各元素の濃度の合計量Σβは、0~0.6%とする。合計量Σβは、好ましくは、0.5%以下、0.4%以下である。
Co:0%以上、3.0%
Ni及びCoの合計量ΣTR2:0~3.0%以下
NiおよびCoは、プレめっき層を構成する材料として採用可能な元素である。めっき前の鋼材(原板)にプレめっき層として、例えばNi層もしくはCo層が設けられている場合、これらは、最終的にめっき層に含有される。通常、プレめっき層として、めっき原板上にNiまたはCoを含む金属層を設けた場合、めっき層中に3.0%以下の範囲のNiまたはCoが混入する場合が多い。なお、これらプレめっき層は、めっき層と鋼材との界面に、層として最終的に偏在する場合が多いため、NiおよびCoの濃度は、Zn-Al-Mg合金層内の成分濃度としては小さい。なお、NiおよびCoは、プレめっき層以外にめっき浴に微量(例えば、0.25%以下)であれば添加も可能である。
Cu:0%以上、0.25%以下
Ag:0%以上、0.25%以下
Sb:0%以上、0.25%以下
Pb:0%以上、0.25%以下
B :0%以上、0.50%以下
P :0%以上、0.50%以下
Ti:0%以上、0.25%以下
Nb:0%以上、0.25%以下
Zr:0%以上、0.25%以下
W :0%以上、0.25%以下
Cu、Ag、Sb、Pb、B、P、Ti、Nb、Zr及びWの合計量Σγ:0%以上、1.00%以下
元素群γの元素は、任意で添加できる元素である。これらの元素のうち1種でのその濃度が0.10%以上であると、耐食性が向上する効果が得られる。そのため、これらの元素のうちいずれか1種でも、その濃度が0.10%以上であることが好ましい。
ただし、これらの元素の濃度の合計量Σγが過剰になると、不めっき等のめっき不良が生じる場合がある。そのため、合計量Σγは1.00%以下とする。合計量Σγは、好ましくは、0.50%以下である。
耐食性の観点から、Cu、Ag、Sb、Pb、Ti、Nb、Zr及びWの濃度はそれぞれ0.25%以下とする。BおよびPの濃度はそれぞれ、0.50%以下とする。
本実施形態の溶融めっき鋼材は、連続式の溶融めっき法により製造されるため、製造時にめっき原材からめっき層にFeが拡散する場合がある。前述の通り、本実施形態では、めっき層のAl濃度が高く、Al-Fe系界面合金層が形成される場合があるが、その厚みは薄い。またFeプレめっき層などを使用すると必然的にめっき層中にFeが拡散するため、FeはZn-Al-Mg合金層に含有される。その結果として、めっき層中にFeが最大5.0%まで含有することがある。Fe濃度は0%であってもよいが、Fe濃度が5.0%以下であれば、めっき層中の亀裂の発生頻度等に影響はない。よって、Fe含有量は5.0%以下とする。Fe濃度は、好ましくは、4.0%以下、3.0%以下、2.0%以下、1.0%以下である。Fe含有量は0%超でもよい。
残部にはZnおよび不純物を含有する。本実施形態の溶融めっき鋼材は、汎用性の高いZn系めっき鋼材であるため、めっき層の主相を構成する元素はZnである。Znの濃度を特に規定する必要はないが、Zn濃度を、質量%で、30~96%としてもよい。必要に応じて、その上限を90%、80%、70%又は60%としてよく、その下限を35%、45%、50%又は55%としてもよい。
次に、めっき層に含有される金属間化合物について説明する。
本実施形態に係るめっき層は、Zn-Al-Mg系合金めっきであることから、めっき層中にZn相、Al相、MgZn2相が含有される。また、本実施形態のめっき層には、遷移金属元素TR1含有の金属間化合物(TR1含有金属間化合物)が含有される。
MgZn2相は、めっき層の高耐食化を図るためにめっき層中に形成させる相である。
MgZn2相は、めっき層に耐食性を与え、硬質な相である。
Zn相は、めっき層中に存在し、三元共晶組織(Zn/Al/MgZn2三元共晶組織)として主に存在する。また、Zn相は、めっき層が多量のAlが含有するために、Al微細結晶とZn微細結晶とが互いに混ざり合い、Al相量が多い場合は、Al-Zn相(混合相)となって存在する。一方で、Zn相内にAl相量が多く含まれる場合は、Zn-Al相(混合相)である。その相量はめっき層全体に対しては少ないため、耐食性劣化、及び向上効果も確認できない場合が多い。なお、Zn、Alから構成される相は極めて加工性に富む。
Al相は、上記Zn-Al相、Al-Zn相内に微細粒として存在するか、3元共晶組織中にも存在する。また、Al濃度が高い領域では、粒成長し、粗大なAl相となって存在することがある。
本実施形態に係るめっき層には、(Al,Zn)18(Mg)3(TR1)2に例示されるTR1含有金属間化合物が含まれる。このようなTR1含有金属間化合物は、めっき層にTR1が含有されることによりめっき層中に形成される。また、めっき層中にCaが含有される場合、TR1は、Ca及びAlと結合して、Al10Ca(TR1)2を形成する場合もある。また、TR1は、Caが不足する場合には、Al及びMgと結合してAl18Mg3(TR1)2を形成する。また、AlとZn、MgとCaはそれぞれ、互いに原子半径が近いため、めっき層中ではAlの一部がZnに置換するとともに、Mgの一部がCaに置換した(Al,Zn)18(Ca,Mg)3(TR1)2として存在する場合もある。
また、めっき層においてCaが不足する領域では、(Al,Zn)18(Mg)3(TR1)2が形成する場合もある。
Ca、Siが含有される場合、上述したようなTR1含有金属化合物の他に、Al-Ca-Si化合物が形成される場合がある。また、TR1含有金属化合のうち、Alの一部はZnに置換される場合がある。CaもMgの一部と置換する場合がある。
金属間化合物を特定後、TR1含有金属間化合物の合計の面積分率を求める。
1.5≦I2 …(3)
I1=(Imax(10.5°~11.0°)/(I(10.5°)+0.2{|(I(11.0°)-I(10.5°)|}) …(4)
I2=(Imax(20.2°~20.5°))/(I(20.2°)+0.667{|I(20.5°)-I(20.2°)|}) …(5)
なお、これらの金属間化合物は、互いに回折ピークが類似しており、個々の区別をすることが困難であるため、すなわち、互いにAl及びMgが固溶しあい、Zn及びCaが固溶しあうため、ほぼ成分と構造が同構造になっていると想定され、回折ピークもほぼ同じ位置に現れる。従って、これらの遷移金属含有金属間化合物は、X線回折測定において互いに区別する必要はない。
次に、I(20.2°)-I(20.5°)の絶対値を求める。また、回折角度20.2°と20.5°との差分(0.3°)に対する、回折角度20.2°と20.4°との差分(0.2°)の比(0.2/0.3=0.667)を求める。そして、回折角度20.4°におけるバックグラウンド強度を、上記式(5)の分母に記載した数式により計算する。
次に、本実施形態の溶融めっき鋼材の製造方法について説明する。
本実施形態の溶融めっき鋼材は、連続溶融めっき法によって製造することが好ましい。なお、鋼材のサイズの制約のため、必要に応じて、バッチ式の溶融めっき法にて製造することも可能である。
ここで、本実施形態では、上述したように、浴中に添加された遷移金属元素TR1の拡散を十分に抑制し、めっき層内部に遷移金属元素TR1を取り残し、めっき層内に特定の金属間化合物(TR1含有金属間化合物)を形成する。しかし、通常のゼンジマー法でめっき層を形成すると、鋼材面(Fe面)への遷移金属元素TR1の拡散が活発となり、めっき浴浸漬時に遷移金属元素TR1がFe表面に集まって、還元効果が失われやすく、遷移金属元素TR1からなる酸化膜が発生する。このような状態のめっき層は、めっき非付着部の不めっきの発生や、加工時の剥離につながるため好ましくない。
そこで、本発明者らが最適な製法条件について検討した結果、遷移金属元素TR1をめっき層内に有効に残すためには、めっき原板に物理的な拡散障壁を形成することが有効であることを見出した。なお、「物理的な拡散障壁」とは、例えば、めっき原板の表面のFe面において、電気めっきによって析出したFe結晶との不整合面を形成することである。具体的には、めっき原板の表面のFe面に、Feめっき層(例えば、0.5~2.0g/m2)付着させる。これにより、Fe面とFeめっき層との間に結晶粒の連続が形成され、一時的な拡散防止効果が得られるとともに、その後、Feめっき層を形成させためっき原板を高温の浴へ浸漬させることによって、Feが溶解してめっき浴内に拡散していく。そして、多くのFeは遷移金属間化合物の核となってその成長を促し、その痕跡はほぼ残らず、めっき層内で遷移金属元素TR1を有効に残存させることができる。このような、本製法Bの場合は、Fe層の溶解を同時に促進するため、めっき浴温は590~620℃の範囲であることが好ましく、この温度範囲外では、不めっきや密着性に悪影響がでる場合がある。またさらに、遷移金属元素TR1の一部はFe面に拡散するため、めっき原板の酸化条件を十分に制御する必要がある。具体的には、露点0℃以上として、酸素と遷移金属元素TR1との反応を阻害することが有効である。
一方、上述した製法A(ゼンジマー法)の場合は、不めっきの要因となるCr、Mo、Mn、Vが、反応時に瞬時に界面に集まりやすいため、不めっきを引き起こしやすい。また、上述した製法A(ゼンジマー法)は、これら元素を反応時に界面に集まらせずにめっき浴の沖合に留まらせるといったFeめっき層の作用、効果も発現できないことから、製法上好ましくない。
また、よりめっき層内に効率的に遷移金属元素を残すためには、プレめっき層としてFeめっき層を形成する前に、Niプレめっき層、もしくはCoプレめっき層を形成してあげることが好ましい。Niプレめっき層もしくはCoプレめっき層は、遷移金属元素のFe面への拡散のさらなるバリアとして機能する。Niプレめっき層もしくはCoプレめっき層上に存在するFeめっき層は上記製法Bと同様、めっき時に遷移金属元素と反応し、その後、めっき層内に速やかに拡散していく。すなわち、Feめっき層と遷移金属元素とがめっき時に反応することによって、界面に集積しためっき浴が沖合に移動され、フレッシュなFe面が再度得られるという還元の反復効果を享受できる。これは、母材のFeと電気めっきによって析出したFeめっき層のFe結晶(微細粒)による結晶面の不整合性が、遷移金属元素との反応に関わっていると考えられる。Niプレめっき層のNiおよびCoプレめっき層のCoは、めっき浴側へ拡散するよりも、母材のFe面側に拡散する傾向にあり、めっき浴浸漬後もFe面に残りやすい。他方、その上面に形成されたFeめっき層のFeはめっき浴側に拡散していく傾向にある。
なお、下地にNiプレめっき層もしくはCoプレめっき層を備えている場合は、製法Bで採用するような露点制御などは必要ない。本製法Cの場合に有効なNiもしくはCoの付着量は0.5g/m2以上である。当該付着量が2.0g/m2以上の場合は、界面付近に遷移金属元素をより濃化させることができるため、犠牲防食上好ましい。
一方、Niプレめっき層もしくはCoプレめっき層を単体で用いた場合は、めっき浴へ浸漬した直後、NiもしくはCoが鋼材側に拡散すると同時に、Niプレめっき層もしくはCoプレめっき層上で遷移金属が集積して酸化被膜などが形成しやすい状況となる。その結果、Fe-Ni-遷移金属元素が形成するため、還元しにくい状況となり、酸化被膜が生じる。この場合、めっき密着性は劣り不めっきが発生してしまう。
連続溶融めっき法は、上記製法B、製法Cを満たすようにめっき原板を整えた上でゼンジマー法により行う。すなわち、鋼材をめっき浴に浸漬する前に、窒素-水素混合気体の焼鈍温度において、鋼材温度がめっき浴温以上になるまで鋼材を加熱する。通常、焼鈍雰囲気は水素を含有する窒素雰囲気とし、水素濃度は5%とし、600~800℃近傍の温度で加熱し、鋼材表面を十分に還元する。めっき基板にNiプレめっき層もしくはCoプレめっき層などのプレめっき層を施さない場合は、上記の通り、加湿し、露点調整を実施することが有効である。なお、めっき原板をめっき浴に侵入する際には、鋼材温度をめっき浴温になるまでN2ガスによる冷却を実施して、製造工程中にめっき浴温が変動しないようにする。
ここで、Fe層中のFeによる核発生から成長までは、600~300℃の間において液相が存在している状態での冷却速度が影響する。つまり、600~300℃の間では、高温ほど成長しやすく、低温ほど核発生が多くなり、成長しづらくなる。このため、600~450℃の高温領域はゆっくり冷却し、核の発生量を抑制することが好ましい。具体的には、例えばこの高温領域の冷却速度は5~20℃/秒の間に抑制することが好ましい。またプレめっきFeを利用した核成長を促すめっき原板を使用する必要がある。
まず、めっきに供するめっき原板(素地鋼材)として、100mm×200mm×0.8mmt、100mm×200mm×2.3mmの厚みの異なる2種類の冷延鋼板(JIS G 3141(2017)該当)を用意した(表中の「0.8mm板」および「2.3mm板」)。
めっき層は、下記の製法A~Eのいずれかを採用して製造した。
各製法いずれにおいても、めっき浴としてZn,Al,およびMgの純金属(純度3N以上)を混合し、表1に示すような化学組成を有するめっき層が得られるように、Zn-Al-Mg系溶融めっき浴を作製した。なお、表中の「原板」に記載の元素はめっき原板上に予め形成したプレめっき層の構成元素であり、当該元素に付された数値は付着量(g/m2)を意味する。
溶融めっき法として、ゼンジマー法を採用した。すなわち、めっき原板をめっき浴に浸漬する前に、窒素-水素混合気体の焼鈍温度において、鋼材温度がめっき浴温以上になるまで鋼材を加熱した。焼鈍雰囲気は、5%の水素を含む窒素雰囲気(N2-5%H2)とし、800℃近傍の温度で1分間程度加熱保持し、鋼材表面を十分に還元した。加湿は実施せず露点は-40℃とした。なお、めっき原板をめっき浴に侵入させる際には、製造工程中にめっき浴温が変動しないように、原板温度がめっき浴温になるまでN2ガスによる冷却を実施した。めっき浴温は600℃とした。
めっき浴への浸漬時間は3秒とした。引き上げ速度とN2ガスワイピングを適用して、めっき厚さtを25μm(±2)μmとした。
また、めっき原板の引き上げ後、600~200℃までの温度域を、10℃/秒の冷却速度で冷却した。その後は、自然放冷とした。
溶融めっき法として、ゼンジマー法を採用するが、めっき原板に予めFeめっき層を形成した。Feめっきは、FeSO4・7H2O:600g/L、6.7A/dm2、浴温47℃の条件下で、所定のFe量となるように通電時間を調整して実施した。
その後の、めっき条件は、露点を0℃とした以外、製法Aと同様とした。
溶融めっき法として、ゼンジマー法を採用するが、めっき原板に予め、プレめっき層としてNi層、もしくはCo層を形成した上で、製法Bと同様のFeめっきを実施した。
Niプレめっきは、NiSO4・6H2O:340g/L、NiCl2・6H2O:70g/L、H3BO3:40g/L、浴温50℃、5A/dm2の条件下で、所定のNi量となるように通電時間を調整して実施した。
Coプレめっきは、H2SO4:0.5g/L、CoSO4・6H2O:246g/L、H3BO3:45g/L、浴温50℃、5A/dm2の条件下で、所定のCo量となるように通電時間を調整して実施した。
その後の、めっき条件は、めっき条件は製法Aと同様とした。
溶融めっき法として、ゼンジマー法を採用するが、めっき原板に予め、プレめっき層としてNi層、もしくはCo層のみ形成した。
その後の、めっき条件は、めっき条件は製法Aと同様とした。
製法Eは製法Cと類似する。製法Eでは、製法Cでめっきを実施し、めっき浴から原板を引き上げた後、ミスト冷却を実行し、30℃/秒の冷却速度で30℃まで冷却した。
得られためっき鋼材中央部から面積4cm2のサンプルを切り出した。めっき層の表面からのGDS、XRD、および深さ方向の断面観察をEPMAで実施し、めっき層を解析した。結果を、表3に示す。なお、表3中の「式(1)」の欄は、「(t(TR2)-t(TR1))/t」の計算結果を示している。
次に、得られためっき鋼材の各性能を「0.8mm板」および「2.3mm板」を用いて評価した。具体的には、めっき厚さ影響、密着性、犠牲防食性および光沢度について調査した。
めっき厚さへの影響については次の試験により評価した。
サンプルサイズ100×200×0.8mmのめっき原板を、めっき浴に浸漬する前に、N2-5%H2の還元雰囲気のもとで焼鈍し、原板表面を還元した。その後、めっき浴に3秒以上浸漬して、原板を垂直方向に引き上げた。
引き上げ速度を10mm/秒、50mm/秒、100mm/秒の3パターンにおいてそれぞれ試験を行った。この際、ワイピングは適用しなかった。
めっき層の厚さは、付着量から換算した。具体的には、得られためっき鋼板の中心部からφ50mmの試料を採取し、インヒビターを入れた10%塩酸に浸漬してめっき層のみを剥離して剥離前後の重量差からめっき付着量を求めた。めっき層の厚さは付着量を成分の理論密度で除した値で算出した。これら3水準をN=3で繰り返し試験を実施し、全サンプルの平均値から平均めっき厚さを求めた。評価基準は以下の通りとし、「S」、「A」、「B」、「C」および「D」を合格とし、「E」を不合格とした。
平均めっき厚さが30μm超、31.5μm以下…「A」
平均めっき厚さが27μm超、30μm以下…「B」
平均めっき厚さが24μm超、27μm以下…「C」
平均めっき厚さが21μm超、24μm以下…「D」
平均めっき厚さが21μm以下…「E」
めっき層の密着性(不めっき)は、1t曲げ試験により評価した。
まず、得られためっき鋼材から、めっき層を含むように、40mm×120mm×0.8mmのサイズのサンプルを採取した。次いで、採取されたサンプルを、長手方向(120mm)中央で曲げた(片面長さ60mm)。
サンプルには予め、めっき鋼板の両面にテープをしっかりと貼り付けた。1t(鋼板の板厚一枚分)を内側に挟み、ジグで180℃曲げを行い完全にプレスすることで、内側に鋼板一枚分のスペースをもつ曲げ試験片が作製される。その後、内側の鋼板を取り外し、テープを勢いよく引っ張り剥がした。この際に、内側、外側のテープを黒色の厚紙に貼り付けて加工部におけるめっき剥離粉の有無を確認した。評価基準は以下の通りとし、「G」を合格とし、「B」を不合格とした。
表裏共に剥離粉なし…「Good(G)」
得られためっき鋼材の異なる位置から、50×100×2.3mmの長方体サンプルを3つ採取した。なお、切断端面にみられるシャー部分の影響を排除するため、4端面を鏡面研磨した。このサンプルを0.01MのNaCl水溶液に10秒完全に浸漬して、湿度45%、温度30℃に、240時間、水平におき、このサイクルを3セット繰り返した。
240時間後の4端面における赤錆面積率を測定した。3つのサンプルで同じ試験を実施し、平均を赤錆面積率とする。評価基準は以下の通りとし、「EX」、「VG」および「G」を合格とし、「B」を不合格とした。
赤錆面積率が10%以上、20%未満…「Very Good(VG)」
赤錆面積率が20%以上、30%以下…「Good(G)」
赤錆面積率が30%超…「Bad(B)」
2.3mm板のサンプル中央部から光沢試験用のサンプルを切り出し、当該サンプルを用いて光沢度を測定した。
具体的には、サンプルの表面に対し、光沢度計によって、JIS Z 8741:1997に規定される60°光沢(G60)を測定した。0.8mmで製造したサンプルを使用した。めっき鋼材の表面のランダム10か所の60°光沢を求めて、これらの平均値を求めた。評価基準は以下の通りとし、「FA」の場合を良好(つまり光沢度が低い)と判断した。
60°光沢(G60)が40超…「dazzling(DZ)」
Claims (4)
- 鋼材と、
前記鋼材の表面に配置されためっき層と、を有する溶融めっき鋼材であり、
前記めっき層が、質量%で、
Al:10%超、40%未満、
Mg:4.0%以上、15.0%以下、
Si:0%以上、2.0%以下、
V :0%以上、3.0%以下、
Mn:0%以上、3.0%以下、
Cr:0%以上、3.0%以下、
Mo:0%以上、3.0%以下、
Sn:0%以上、0.7%以下、
Bi:0%以上、0.3%以下、
In:0%以上、0.3%以下、
Ca:0%以上、0.6%以下、
Y :0%以上、0.3%以下、
La:0%以上、0.3%以下、
Ce:0%以上、0.3%以下、
Sr:0%以上、0.3%以下、
Li:0%以上、0.3%以下、
Ni:0%以上、3.0%以下、
Co:0%以上、3.0%以下、
Cu:0%以上、0.25%以下、
Ag:0%以上、0.25%以下、
Sb:0%以上、0.25%以下、
Pb:0%以上、0.25%以下、
B :0%以上、0.50%以下、
P :0%以上、0.50%以下、
Ti:0%以上、0.25%以下、
Nb:0%以上、0.25%以下、
Zr:0%以上、0.25%以下、
W :0%以上、0.25%以下、
Fe:0%以上、5.0%以下、
残部Zn及び不純物であり、
V及びMnの合計量ΣTR1:0.05%以上、3.0%以下、
Cr及びMoの合計量ΣTR1’:0%以上、3.0%以下、
ΣTR1+ΣTR1’:0.05%以上、3.0%以下、
Sn、Bi及びInの合計量Σα:0%以上、0.7%以下、
Ca、Y、La、Ce、Sr及びLiの合計量Σβ:0%以上、0.6%以下、
Ni及びCoの合計量ΣTR2:0%以上、3.0%以下、
Cu、Ag、Sb、Pb、B、P、Ti、Nb、Zr及びWの合計量Σγ:0%以上、1.00%以下、
である化学組成を有し、
前記めっき層の表面から前記鋼材に向けて、前記鋼材の厚さ方向にGDS分析した場合の元素分布プロファイルにおいて、Fe濃度が95%に達する深さ位置を前記めっき層と前記鋼材との界面とし、前記めっき層の前記表面から前記界面までの間隔を前記めっき層の厚みtとした場合、前記合計量ΣTR1が0.1%以上を示す深さの割合が、前記厚みtに対して10%以上である、溶融めっき鋼材。 - 前記化学組成におけるVおよびMnをTR1とした場合、
前記めっき層中に、TR1含有金属間化合物を含有し、
前記めっき層の断面において、前記TR1含有金属間化合物の合計の面積率が1%以上である、請求項1に記載の溶融めっき鋼材。 - 前記化学組成におけるNiおよびCoをTR2とした場合、
前記元素分布プロファイルにおいて、TR2濃度の最大値を示す深さをt(TR2)、TR1濃度の最大値を示す深さをt(TR1)としたとき、下記(1)式を満たす、請求項1または2に記載の溶融めっき鋼材。
t(TR2)-t(TR1)≦0.30t ・・・(1) - Cu-Kα線を使用し、X線出力が50kV及び300mAである条件で測定した、前記めっき層の前記表面のX線回折パターンにおいて、下記(4)式に規定するI1及び下記(5)式に規定するI2が、下記(2)式及び(3)式を満たす、請求項1または請求項2に記載の溶融めっき鋼材。
1.5≦I1 …(2)
1.5≦I2 …(3)
I1=(Imax(10.5°~11.0°)/(I(10.5°)+0.2{|I(11.0°)-I(10.5°)|}) …(4)
I2=(Imax(20.2°~20.5°))/(I(20.2°)+0.667{|I(20.5°)-I(20.2°)|}) …(5)
式(4)及び式(5)において、Imax(k~m°)は回折角度k~m°の間におけるX線回折強度の最大値であり、I(n°)は回折角度n°におけるX線回折強度であり、k、m、nはそれぞれ式(4)及び式(5)中に示される回折角度(2θ)である。
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