以下、本発明の実施形態について、図1乃至図7に基づいて説明する。1は本発明の加熱調理装置としてのオーブントースターである。このオーブントースター1は、本体2と扉体3とを有して構成される。前記本体2は、その内部に焼成室4が形成されると共に、正面側に開口部5を有する。そして、この開口部5は、前記扉体3によって開閉可能とされる。また、前記焼成室4内には、二本の第一のヒータ6a,6bと、二本の第二のヒータ7a,7bと、焼き網8が設けられる。前記第一のヒータ6a,6bは、前記焼き網8の下方に、前後方向に並べて設けられる。また、前記第二のヒータ7a,7bは、前記焼き網8の上方に、前後方向に並べて設けられる。更に、前記焼き網8は、前記扉体3の開動作に伴って前方に引き出されると共に、前記扉体3の閉動作に伴って後方に押し込まれるように構成される。なお、9は前記扉体3を開閉する際に掴むハンドルである。
前記第一のヒータ6a,6bは何れもランプヒータであり、本実施形態の場合、何れもハロゲンランプヒータと呼ばれるものである。図示しないが、ハロゲンランプヒータは、ガラス管内にタングステン等のフィラメントを挿入し、前記ガラス管内にハロゲンガスを封入したものである。即ち、ハロゲンランプヒータは、白熱電球と同様の構造ということができる。そして、ハロゲンランプヒータのフィラメントの材質であるタングステンは、高温になるほど電気抵抗値が大きくなるという特性があり、常温における電気抵抗値に対し、発熱時の温度における電気抵抗値が10倍以上となる。従って、ハロゲンランプヒータである前記第一のヒータ6a,6bは、通電開始の瞬間に大きな突入電流が流れやすい。なお、ハロゲンランプヒータは、近赤外線が多く放射される近赤外線ヒータである。一方、前記第二のヒータ7a,7bは、何れもカーボンヒータである。図示しないが、カーボンヒータは、ガラス管内に炭素発熱体を挿入し、前記ガラス管内に不活性ガスを封入したものである。そして、前記炭素発熱体は、常温時における電気抵抗値と発熱時の温度における電気抵抗値の差が小さい。従って、カーボンヒータである前記第二のヒータ7a,7bは、通電開始時に突入電流が殆ど流れない。なお、カーボンヒータは、遠赤外線が多く放射される遠赤外線ヒータである。
図2は、前記オーブントースター1の電気回路の概略説明図である。この図に示すように、前記第一のヒータ6a,6bと第二のヒータ7a,7bは、交流電源10に対し並列に接続される。また、前記第一のヒータ6aと第一のヒータ6bも、前記交流電源10に対し並列に接続される。なお、前記第二のヒータ7a,7bは、直列に接続される。そして、前記第一のヒータ6aと直列に、第一のリレー11aが接続される。同様に、前記第一のヒータ6bと直列に、第一のリレー11bが接続される。更に、前記第二のヒータ7a,7bの直列回路と直列に、第二のリレー12が接続される。なお、前記第一のリレー11a,11b及び前記第二のリレー12は、それぞれ常開型である。そして、これらのリレー11a,11b,12を作動させるためのリレー駆動回路13が設けられる。なお、14は制御回路、15は操作部、16は表示部、17は前記焼成室4内の温度を検出する温度検出素子としての温度センサである。
次に、本実施形態の作用について説明する。まず使用者は、図示しない電源プラグを前記交流電源10に接続し、前記扉体3を開いて前記焼き網8上に被調理物であるパン等を載置した後、前記扉体3を閉じる。そして、前記操作部15を操作することで、前記制御回路14が前記リレー駆動回路13を介して、常開型の前記各リレー11a,11b,12をオンにする。より詳細に説明すると、前記リレー駆動回路13は、まず前記第一のリレー11aをオンにし、その1秒後に前記第一のリレー11bをオンにし、更にその1秒後に前記第二のリレー12をオンにする。
このように前記各リレー11a,11b,12をオンにしてゆくことで、前記オーブントースター1のヒータ全体として、図3に示すような電流が流れる。即ち、前記第一のリレー11aをオンにした瞬間に、前記第一のヒータ6aに突入電流が流れる。この時点では、前記第一のヒータ6aに流れる電流が前記オーブントースター1のヒータに流れる電流となる。この際の突入電流は、前記第一のヒータ6a一本に流れる突入電流なので、比較的小さく抑えることができる。そして、この突入電流は、時間と共に小さくなる。そして、前記オーブントースター1のヒータに流れる電流は、前記第一のリレー11bをオンにするまでの1秒の間に、前記第一のヒータ6aの定格電流値に収束する。次に、前記第一のリレー11bをオンにした瞬間に、前記第一のヒータ6bに突入電流が流れる。この時点では、前記第一のヒータ6a,6bに流れる電流が前記オーブントースター1のヒータに流れる電流となる。この際の突入電流は、前記第一のヒータ6b一本に流れる突入電流なので、比較的小さく抑えることができる。そして、この突入電流は、時間と共に小さくなる。そして、前記オーブントースター1のヒータに流れる電流は、前記第二のリレー12をオンにするまでの1秒の間に、前記第一のヒータ6a及び6bの定格電流値の合計値に収束する。更に、前記第二のリレー12をオンにすると、前記第二のヒータ7a,7bには突入電流が流れず、最初から定格電流値の電流が流れる。この時点では、前記オーブントースター1の全てのヒータに電流が流れる。従って、前記第二のリレー12をオンにした瞬間には、前記オーブントースター1のヒータ全体として、各ヒータの定格電流値の合計値となる電流が流れる。
このように、前記第一のヒータ6a,6b、第二のヒータ7a,7bが通電し、前記焼成室4内の温度が上昇すると、前記温度センサ17が検知した前記焼成室4内の温度に基づいて、前記第一のヒータ6a,6b、第二のヒータ7a,7bがオンオフ制御される。この際、近赤外線が多く放射されるハロゲンランプヒータである前記第一のヒータ6a,6bと、遠赤外線が多く放射されるカーボンヒータである前記第二のヒータ7a,7bは、連動してオンオフ制御される。但し、前記制御回路14は、幾つかの加熱パターンのプログラムを実行可能に構成されており、プログラムによっては、一つのプログラム内で、全ヒータ6a,6b,7a,7bに通電させる第一の時間帯と、前記第一のヒータ6a,6bにのみ通電させる第二の時間帯を有するものがある。全ヒータ6a,6b,7a,7bに通電させる場合は、これらを連動してオンオフ制御させる。この場合、加熱開始時と同様に、前記第一のリレー11aをオンにして前記第一のヒータ6aに通電し、その1秒後に前記第一のリレー11bをオンにして前記第一のヒータ6bに通電し、その1秒後に前記第二のリレー12をオンにして前記第二のヒータ7a,7bに通電するように制御される。一方、前記第一のヒータ6a,6bにのみ通電させる場合は、これらを連動してオンオフ制御させる。この場合、加熱開始時と同様に、前記第一のリレー11aをオンにして前記第一のヒータ6aに通電し、その1秒後に前記第一のリレー11bをオンにして前記第一のヒータ6bに通電するように制御される。前記第一のヒータ6a,6bのオンオフ制御中であっても、前記第一のリレー11a,11bをオンにした瞬間に、前記第一のヒータ6a,6bに突入電流が流れるので、前記第一のヒータ6aと第一のヒータ6bに時差通電させることで、前記オーブントースター1のヒータ全体の突入電流を緩和させることができる。但し、加熱開始時とは異なり、前記第一のヒータ6a,6bのフィラメントがやや温まった状態なので、加熱開始時の突入電流に比べて、オンオフ制御中の突入電流は小さくなる。なお、前記第一のヒータ6a,6bのオンオフ制御時において、両者をオフにするタイミングは、同時であっても1秒ずらしても良い。
このように、近赤外線ヒータである前記第一のヒータ6a,6bと、遠赤外線ヒータである前記第二のヒータ7a,7bによって、前記焼き網8に載置されたパン等の被調理物を良好に加熱することができる。特に、前記第一のヒータ6a,6bと第二のヒータ7a,7bとを適切に制御することで、被調理物の種類に合わせて適切に被調理物を加熱することができる。
前記第一のヒータ6a,6bと第二のヒータ7a,7bの制御パターンとその作用について説明する。図4は、トーストモードにおける前記焼成室4の温度、及び各リレー11a,11b,12のオン・オフタイミングを示す説明図である。トーストモードで被調理物を加熱する場合、前記焼き網8に被調理物である食パンを載せ、前記扉3を閉じることで前記食パンを前記焼成室4内に収容し、前記操作部15を操作してトーストモードを選択し、調理開始する。このトーストモードでは、まず、前記各リレー11a,11b,12をオンにすることで、前記各ヒータ6a,6b,7a,7bの全てに通電する。なお、前記各リレー11a,11b,12のオンタイミングは、前述の通り、1秒ずつずらされる。また、前記各ヒータ6a,6b,7a,7bは、通電のオンオフを繰り返す訳ではなく、連続通電される。そして、前記第一のヒータ6aへの通電開始時間tt0から所定時間tt1が経過すると、前記第一のリレー11a,11bをオンにし続けることで、前記第一のヒータ6a,6bへの通電をオンにし続けると共に、前記第二のリレー12をオフにすることで、前記第二のヒータ7a,7bへの通電をオフにする。その後、前記第一のヒータ6aへの通電開始時間tt0から所定時間tt2が経過すると、前記第一のリレー11a,11bをオフにすることで、前記第一のヒータ6a,6bへの通電をオフにする。即ち、時間tt0から時間tt1までの第一の時間帯において、前記第一のヒータ6a,6bと第二のヒータ7a,7bの両方が通電される。また、時間tt1から時間tt2までの第二の時間帯において、前記第一のヒータ6a,6bのみが通電される。なお、時間tt1及びtt2は、焼き色や食パンの枚数によって予め設定されている。
このように前記ヒータ6a,6b,7a,7bに通電すると、まず、前記食パンは、その上下から加熱される。この際、前記焼成室4内は、全てのヒータ6a,6b,7a,7bによって加熱されるので、速やかに高温になる。そして、前記食パンの表面は、前記ヒータ6a,6b,7a,7bから放射される赤外線によって焼かれる。なお、上述したように、前記第一のヒータ6a,6bが近赤外線ヒータであり、下方から前記食パンを焼くのに対し、前記第二のヒータ7a,7bが遠赤外線ヒータであり、上方から前記食パンを焼くことになる。そして、前記第一のヒータ6a,6から放射される近赤外線は、前記食パンの内部を温める作用が強いのに対し、前記第二のヒータ7a,7bから放射される遠赤外線は、前記食パンの表面を焼く作用が強い。このため、第一の時間帯が終了した時間tt1の時点では、前記食パンの表面の焼き色は、上面の方が下面よりも濃い状態である。そして、時間tt1から時間tt2までの第二の時間帯で、前記第一のヒータ6a,6bのみを通電し続けることで、引き続き前記食パンの下面を前記第一のヒータ6a,6bから放射される赤外線によって加熱する。このようにすることで、前記食パンの上下両面の焼き色がほぼ同等になるようにすることができるばかりでなく、近赤外線によって前記食パンの内部が長く加熱されることで、表面が薄く焦がされ、内部が熱く加熱された状態でトーストが出来上がる。
図5は、カレーパンモードにおける前記焼成室4の温度、及び各リレー11a,11b,12のオン・オフタイミングを示す説明図である。カレーパンモードで被調理物を加熱する場合、前記焼き網8に被調理物であるカレーパンを載せ、前記扉3を閉じることで前記カレーパンを前記焼成室4内に収容し、前記操作部15を操作してカレーパンモードを選択し、調理開始する。なお、カレーパンモードで温める被調理物は、カレーパンに限らず、油分を多く含む具材が詰められた揚げパンが対象となるが、ここでは代表例として「カレーパン」と記載する。このカレーパンモードでは、まず、前記第一のリレー11a,11bをオンにすることで、前記第一のヒータ6a,6bに通電する。なお、前記第一のリレー11a,11bのオンタイミングは、前述の通り、1秒ずつずらされる。また、前記各ヒータ6a,6bは、前記温度センサ17からの信号に基づいて前記各リレー11a,11bをオンオフ制御することで、通電のオンオフが繰り返される。そして、前記第一のヒータ6aへの通電開始時間tc0から所定時間tc1が経過すると、前記第二のリレー12をオンにすることで、前記第二のヒータ7a,7bへの通電をオンにする。即ち、時間tc1以降は、前記各リレー11a,11b,12をオンオフ制御することで、全てのヒータ6a,6b,7a,7bがオンオフ制御されながら通電される。その後、前記第一のヒータ6aへの通電開始時間tc0から所定時間tc2が経過すると、前記各リレー11a,11b,12をオフにすることで、前記各ヒータ6a,6b,7a,7bへの通電をオフにする。即ち、時間tc0から時間tc1までの第二の時間帯において、前記第一のヒータ6a,6bのみがオンオフ制御されながら通電される。また、時間tc1から時間tc2までの第一の時間帯において、前記第一のヒータ6a,6bと第二のヒータ7a,7bの両方がオンオフ制御されながら通電される。
このように前記第一のヒータ6a,6bに通電すると、まず、前記カレーパンは、第二の時間帯で、近赤外線を多く含む赤外線によって、下方から加熱される。このように、まず前記カレーパンを下方から加熱することで、このカレーパンの具材に含まれる油分や水分、及び前記具材を包むパン部分の特に上部に含まれる油分が熱で流動性が高くなって重力で下方に偏る前に、前記第一のヒータ6a,6bによってパン部分の下側に含まれる油分を加熱して揚げた状態とする。同時に、前記カレーパンの具材は、前記第一のヒータ6a,6bから放射された近赤外線によって高温に加熱される。この際、前記カレーパンのパン部分の上部に含まれる油分の下方への移動は抑制される。その後、第一の時間帯で、全てのヒータ6a,6b,7a,7bによって前記カレーパン全体を加熱することで、加熱ムラが抑制される。特に、前記第二のヒータ7a,7bが遠赤外線ヒータであることから、前記カレーパンの上部表面のパン部分に含まれる油分が遠赤外線によって良好に加熱されることで、前記パン部分を揚げた状態を良好に再現することができる。また、近赤外線ヒータである前記第一のヒータ6a,6bによって下方から長時間加熱されることで、前記カレーパン内で重力によって下方に偏る具材を良好に加熱することができる。
なお、発明者は、トーストモードと同様に、前記第一のヒータ6a,6b及び第二のヒータ7a,7bに通電して加熱した後、前記第一のヒータ6a,6bのみに通電するようにして前記カレーパンを加熱した場合、即ち、第一の時間帯を第二の時間帯の前に設けた場合についてもテストしている。このように制御すると、前記カレーパンに含まれる油分や水分は、熱によって流動性が高まることで、重力によって前記カレーパンの下部に偏った。この結果、前記カレーパンは、下側になっていた部分が揚がった状態とならず、温まっただけで油分過多且つ水分過多な状態となってしまった。従って、カレーパン等の油分を多く含む具材が詰められた揚げパンを加熱する場合、他のパンとは異なり、近赤外線ヒータである前記第一のヒータ6a,6bによって前記カレーパン等の下部を加熱した後、前記第一のヒータ6a,6b及び第二のヒータ7a,7bによって前記カレーパン全体を加熱する、即ち、第二の時間帯を第一の時間帯の前に設けるのが適切であることが分かった。
図6は、冷凍カレーパンモードにおける前記焼成室4の温度、及び各リレー11a,11b,12のオン・オフタイミングを示す説明図である。冷凍カレーパンモードで被調理物を加熱する場合、前記焼き網8に被調理物である冷凍カレーパンを載せ、前記扉3を閉じることで前記冷凍カレーパンを前記焼成室4内に収容し、前記操作部15を操作して冷凍カレーパンモードを選択し、調理開始する。なお、冷凍カレーパンモードで温める被調理物は、冷凍カレーパンに限らず、油分を多く含む具材が詰められた揚げパンを冷凍したものが対象となるが、ここでは代表例として「冷凍カレーパン」と記載する。この冷凍カレーパンモードでは、カレーパンモードとは異なり、まず、前記各リレー11a,11b,12をオンにすることで、前記各ヒータ6a,6b,7a,7bの全てに通電する。なお、前記各リレー11a,11b,12のオンタイミングは、前述の通り、1秒ずつずらされる。また、前記各ヒータ6a,6b,7a,7bは、前記温度センサ17からの信号に基づいて前記各リレー11a,11b,12をオンオフ制御することで、通電のオンオフが繰り返される。そして、前記第一のヒータ6aへの通電開始時間tf0から所定時間tf1が経過すると、前記第一のリレー11a,11bのみをオンオフ制御し続けることで、前記第一のヒータ6a,6bをオンオフ制御しながら通電し続けると共に、前記第二のリレー12のオンオフ制御を停止してオフにすることで、前記第二のヒータ7a,7bへの通電をオフにする。その後、前記第一のヒータ6aへの通電開始時間tf0から所定時間tf2が経過すると、前記第一のリレー11a,11bをオフにすることで、前記第一のヒータ6a,6bへの通電をオフにする。即ち、時間tf0から時間tf1までの第一の時間帯において、前記第一のヒータ6a,6bと第二のヒータ7a,7bの両方がオンオフ制御されながら通電される。また、時間tf1から時間tf2までの第二の時間帯において、前記第一のヒータ6a,6bのみがオンオフ制御されながら通電される。
このように前記ヒータ6a,6b,7a,7bに通電すると、まず、前記冷凍カレーパンは、その上下から加熱される。この際、前記焼成室4内は、全てのヒータ6a,6b,7a,7bによって加熱されるので、速やかに高温になる。そして、前記冷凍カレーパンの表面のパン部分に含まれる油分は、前記ヒータ6a,6b,7a,7bから放射される赤外線によって加熱される。これによって、前記冷凍カレーパンの表面のパン部分は揚げられた状態となる。なお、上述したように、前記第一のヒータ6a,6bが近赤外線ヒータであり、下方から前記冷凍カレーパンを加熱するのに対し、前記第二のヒータ7a,7bが遠赤外線ヒータであり、上方から前記冷凍カレーパンを加熱することになる。そして、前記第一のヒータ6a,6から放射される近赤外線は、前記冷凍カレーパンの内部を温める作用が強いのに対し、前記第二のヒータ7a,7bから放射される遠赤外線は、前記冷凍カレーパンの表面の油分を加熱する作用が強い。このため、第一の時間帯が終了した時間tf1の時点では、前記冷凍カレーパンの表面の揚がり具合は、上側が下側よりも良好である。そして、時間tf1から時間tf2までの第二の時間帯で、前記第一のヒータ6a,6bのみをオンオフ制御しながら通電し続けることで、第二の時間帯で引き続き前記冷凍カレーパンの下側を前記第一のヒータ6a,6bから放射される赤外線によって加熱する。このようにすることで、前記冷凍カレーパン全体の揚がり具合がほぼ同等になるようにすることができるばかりでなく、近赤外線によって前記冷凍カレーパンの内部が長く加熱されることで、表面が良好に揚げられ、内部が熱く加熱された状態でカレーパンが出来上がる。
なお、前述した通り、冷凍カレーパンモードでは、カレーパンモードとは異なり、先に第一の時間帯で、前記各リレー11a,11b,12をオンオフ制御することで、前記各ヒータ6a,6b,7a,7bの全てにオンオフ制御しながら通電し続けた後、第二の時間帯で、前記第一のリレー11a,11bのみをオンオフ制御し続けることで、前記第一のヒータ6a,6bのみをオンオフ制御しながら通電し続けると共に、前記第二のリレー12のオンオフ制御を停止してオフにすることで、前記第二のヒータ7a,7bへの通電をオフにする。即ち、冷凍カレーパンモードは、第一の時間帯が第二の時間帯の前に設けられる。これは、冷凍カレーパンの場合、調理開始時点における温度、特に、内部に詰められた具材の温度が低いため、油分や水分の流動性が低く、前記冷凍カレーパン全体を加熱しても、常温のカレーパンとは異なり、前記冷凍カレーパンの下部が油分過多且つ水分過多な状態となりにくいためである。従って、前記冷凍カレーパンの場合、第一の時間帯で具材を包むパン部分に含まれる油分を加熱してパン部分が揚がった状態にした後、第二の時間帯で内部の具材を高温に加熱した方が良い。
図7は、冷凍フランスパンモードにおける前記焼成室4の温度、及び各リレー11a,11b,12のオン・オフタイミングを示す説明図である。冷凍フランスパンモードで被調理物を加熱する場合、前記焼き網8に被調理物である冷凍フランスパンを載せ、前記扉3を閉じることで前記冷凍フランスパンを前記焼成室4内に収容し、前記操作部15を操作して冷凍フランスパンモードを選択し、調理開始する。この冷凍フランスパンモードでは、まず、前記各リレー11a,11b,12をオンにすることで、前記各ヒータ6a,6b,7a,7bの全てに通電する。なお、前記各リレー11a,11b,12のオンタイミングは、前述の通り、1秒ずつずらされる。また、前記各ヒータ6a,6b,7a,7bは、前記温度センサ17からの信号に基づいて前記各リレー11a,11b,12をオンオフ制御することで、通電のオンオフが繰り返される。そして、前記第一のヒータ6aへの通電開始時間tb0から所定時間tb1が経過すると、前記第一のリレー11a,11bのみをオンオフ制御し続けることで、前記第一のヒータ6a,6bのみをオンオフ制御しながら通電し続けると共に、前記第二のリレー12のオンオフ制御を停止してオフにすることで、前記第二のヒータ7a,7bへの通電をオフにする。その後、前記第一のヒータ6aへの通電開始時間tb0から所定時間tb2が経過すると、前記第一のリレー11a,11bをオフにすることで、前記第一のヒータ6a,6bへの通電をオフにする。即ち、時間tb0から時間tb1までの第一の時間帯において、前記第一のヒータ6a,6bと第二のヒータ7a,7bの両方がオンオフ制御されながら通電される。また、時間tb1から時間tb2までの第二の時間帯において、前記第一のヒータ6a,6bのみがオンオフ制御されながら通電される。
このように前記ヒータ6a,6b,7a,7bに通電すると、まず、前記冷凍フランスパンは、その上下から加熱される。この際、前記焼成室4内は、全てのヒータ6a,6b,7a,7bによって加熱されるので、速やかに高温になる。そして、前記冷凍フランスパンの表面は、前記ヒータ6a,6b,7a,7bから放射される赤外線によって加熱される。なお、上述したように、前記第一のヒータ6a,6bが近赤外線ヒータであり、下方から前記冷凍フランスパンを加熱するのに対し、前記第二のヒータ7a,7bが遠赤外線ヒータであり、上方から前記冷凍フランスパンを加熱することになる。そして、前記第一のヒータ6a,6bから放射される近赤外線は、前記冷凍フランスパンの内部を温める作用が強いのに対し、前記第二のヒータ7a,7bから放射される遠赤外線は、前記冷凍フランスパンの表面を加熱する作用が強い。このため、第一の時間帯が終了した時間tb1の時点では、前記冷凍フランスパンの表面の加熱具合は、上面の方が下面よりも強い状態である。特に、フランスパンの場合、厚めに切られることが多いので、この傾向が強い。そして、時間tb1から時間tb2までの第二の時間帯で、前記第一のヒータ6a,6bのみをオンオフ制御しながら通電し続けることで、第二の時間帯で引き続き前記冷凍フランスパンの下面を前記第一のヒータ6a,6bから放射される赤外線によって加熱する。このようにすることで、前記冷凍フランスパンの上下両面の加熱具合がほぼ同等になるようにすることができるばかりでなく、近赤外線によって前記冷凍フランスパンの内部が長く加熱されることで、全体として良好に加熱された状態にすることができる。特に、フランスパンの場合、他のパンに比べて内部が疎なので、内部まで熱が伝わりにくい。このため、近赤外線によって前記冷凍フランスパンを長く加熱することで、全体として良好に加熱された状態にすることができる。
以上のように、本発明は、開口部5を有すると共に内部に焼成室4を有する本体2と、この本体2の開口部5を開閉可能に取り付けられる扉3と、前記焼成室4の下部に設けられる第一のヒータ6a,6bと、前記焼成室4の上部に設けられる第二のヒータ7a,7bと、前記第一のヒータ6a,6bと第二のヒータ7a,7bとの間に設けられる焼き網8と、前記焼成室4内の温度を検出する温度検出素子としての温度センサ17と、操作部15とを有する加熱調理装置としてのオーブントースター1において、前記第一のヒータ6a,6bが近赤外線ヒータであり、前記第二のヒータ7a,7bが遠赤外線ヒータであり、一つのプログラム中で、前記第一のヒータ6a,6bと第二のヒータ7a,7bの両方に通電する第一の時間帯と、前記第一のヒータ6a,6bにのみ通電する第二の時間帯を有するプログラムを実行する制御回路14を有することで、第二のヒータから放射された遠赤外線により比較的表面が加熱されやすい被調理物の上側よりも、第一のヒータから放射された近赤外線により表面が比較的加熱されにくい被調理物の下側の方を長時間加熱することで、被調理物の上下をムラなく加熱することができると共に、近赤外線により長時間加熱することで、被調理物の内部を良好に加熱することができる。
また本発明は、前記制御回路14が、一つのプログラム中で、それぞれ前後方向に並べて設けられる前記第一のヒータ6a,6bと第二のヒータ7a,7bの両方に通電する第一の時間帯の後、前記第一のヒータ6a,6bにのみ通電する第二の時間帯を有するプログラムを実行することにより、前記焼成室4内を短時間で高温にして被調理物を良好に加熱した後、比較的加熱不足の被調理物の下部及び内部を加熱することで、短時間で被調理物を良好に加熱することができる。
更に本発明は、前記制御回路14が、一つのプログラム中で、前記第一のヒータ6a,6bにのみ通電する第二の時間帯の後、前記第一のヒータ6a,6bと第二のヒータ7a,7bの両方に通電する第一の時間帯を有するプログラムを実行することにより、特に油分が多い具材が内部に詰められている揚げパン等の被調理物の場合、内部に詰められた具材に含まれる油分や水分及び具材を包むパン部分の特に上部に含まれる油分が、熱で流動性が高くなって重力で下方に偏る前に、前記第一のヒータ6a,6bによってパン部分の下側を加熱して揚げた状態とすると共に、近赤外線により具材を加熱することで油分や水分の下方への移動を抑制し、その後、両ヒータ6a,6b,7a,7bによって被調理物全体を加熱することで、加熱ムラを抑制して被調理物を揚げた状態を良好に再現することができる。
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上記実施形態では、トーストモード、カレーパンモード、冷凍カレーパンモード、冷凍フランスパンモードを例示したが、それ以外のパンの加熱モードを同様に設定してもよく、また、オーブントースター以外の加熱調理装置に対して適用してもよい。更に、本実施形態では、第一の時間帯において、第一のヒータと第二のヒータが連動してオンオフ制御されるが、第一のヒータと第二のヒータを独立してオンオフ制御してもよい。要は、第一の時間帯において、第一のヒータと第二のヒータが通電可能なプログラムを制御回路が実行すればよい。