本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を説明する。各図面に示される同一又は同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。
==本実施形態==
図1は、本実施形態の第1例のアンテナ10の平面図である。なお、図1Aは、アンテナ10のおもて面側の図であり、図1Bは、アンテナ10のうら面側の図である。また、図2は、アンテナ10の分解斜視図である。
<<方向等の定義>>
まず、図1及び図2を参照しつつ、アンテナ10における方向等(X方向、Y方向及びZ方向)を定義する。
図1及び図2に示されるように、基板11(後述)の板面に垂直な方向(板面に対する法線方向)をX方向とする。また、図2に示されるように、基板11のおもて面からうら面に向かう方向を+X方向とし、基板11のうら面からおもて面に向かう方向を-X方向とする。ここで、基板11の板面のうち、ケーブル接続部12が設けられる側の面を「おもて面」と呼び、おもて面の反対側の面を「うら面」と呼ぶ。
また、図1に示されるように、一対のおもて面側第2線路部31A(後述)が並ぶ方向をY方向とし、第1線路部21(後述)が延びる方向をZ方向とする。そして、上述の+X方向と共に右手系の直交三軸となるように、+Y方向及び+Z方向が定まる。なお、-Y方向及び-Z方向は、それぞれ+Y方向及び+Z方向の反対方向として定まる。
図1及び図2では、アンテナ10の方向等の理解を容易にするために、+X方向、+Y方向及び+Z方向の各々の方向を矢印付き線分で表している。なお、これらの矢印付き線分の交点は、座標原点を意味するものではない。
本実施形態のアンテナ10では、基板11の外形が略長方形である。このため、Y方向を「幅方向」と、Z方向を「長手方向」と呼ぶことがある。また、Y方向は、基板11の短辺に沿う方向でもあり、Z方向は、基板11の長辺に沿う方向でもある。ここで、「略長方形」は、「略四辺形」に含まれる。また、「略四辺形」とは、例えば、4つの辺からなる形状をいい、例えば、少なくとも一部の角が辺に対して斜めに切り欠かれていても良い。また、「略四辺形」の形状では、辺の一部に切り込み(凹部)や出っ張り(凸部)が設けられていても良い。
本実施形態のアンテナ10では、例えば、図1に示されるように、基板11の長手方向に沿う方向に同軸ケーブル1が接続されている。したがって、このような基板11の形状の特徴や、同軸ケーブル1の延びる方向等が、アンテナ10における方向等の理解の助けとなる。
なお、上述した方向等の定義については、特記した場合を除き、本明細書の他の実施形態においても共通である。
<<第1例のアンテナ10の概要>>
次に、図1及び図2を参照しつつ、本実施形態の第1例のアンテナ10の概要を説明する。
アンテナ10は、移動通信用の広帯域アンテナである。本実施形態のアンテナ10は、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等に使用される2.4GHz帯及び5GHz帯の電波に対応する。また、アンテナ10は、直線偏波に対応するアンテナである。直線偏波は、例えば、偏波面が大地に対して垂直の場合は垂直偏波と呼ばれ、偏波面が大地に対して水平面の場合は水平偏波と呼ばれることもある。
但し、アンテナ10が対応する通信規格及び周波数帯は、上述のものに限定するものではなく、他の通信規格及び周波数帯であっても良い。アンテナ10は、例えば、テレマティクス、V2X(Vehicle to Everything:車車間通信、路車間通信)、GSM、UMTS、LTE、5G用の周波数帯の少なくとも一部の周波数帯の電波に対応しても良い。
また、アンテナ10は、MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)による通信に対応しても良い。MIMOによる通信では、アンテナ10で構成される複数のアンテナの各々からデータを送信し、複数のアンテナで同時にデータを受信する。さらに、アンテナ10は、キーレスエントリー用のアンテナや、スマートエントリー用のアンテナであっても良い。
アンテナ10には、図1及び図2に示されるように、同軸ケーブル1が接続される。同軸ケーブル1は、アンテナ10に接続される給電線である。同軸ケーブル1は、図1A及び図2に示されるように、内部導体である信号線2と、外部導体であるグランド線3とで構成されている。なお、図1A及び図2では、同軸ケーブル1のシースに覆われたグランド線3を破線で示している。そして、信号線2は、基板11に形成される第1導体部20に接続され、グランド線3は、基板11に形成される第2導体部30に接続される。
ここで、「接続する」とは、物理的に接続することに限定されず、「電気的に接続する」ことを含む。そして、「電気的に接続する」とは、例えば、対象同士を導体でつなぐことや、電子回路、電子部品等でつなぐことを含む。
アンテナ10は、基板11と、ケーブル接続部12と、第1導体部20と、第2導体部30と、給電部40とを有する。
基板11は、第1導体部20及び第2導体部30として機能する導体パターンが形成される板状部材である。本実施形態のアンテナ10では、基板11は、プリント基板(PCB:Printed-Circuit Board)である。また、本実施形態のアンテナ10では、基板11は、リジッド基板であるが、これに限られず、フレキシブル基板であっても良い。なお、基板11には、第1導体部20及び第2導体部30として機能する導体パターンのほか、フィルタ等の回路素子が別途設けられても良い。
基板11は、誘電層16を有する。
誘電層16は、誘電体材料により形成される層である。本実施形態では、誘電層16は、PCBに使用されるガラスエポキシ樹脂等の誘電体材料により形成される。但し、誘電層16は、フェノール樹脂等、ガラスエポキシ樹脂以外の誘電体材料により形成されても良い。
本実施形態のアンテナ10では、基板11は、図1及び図2に示されるように、1つの誘電層16の両面に導体パターンが形成される、両面基板(2層基板)である。但し、基板11は、1つの誘電層16の片面に導体パターンが形成される、片面基板(1層基板)であっても良い。また、基板11は、後述する図21及び図22に示されるアンテナ110のように、誘電層16とは別の誘電層17を有することにより、3層基板として構成されても良いし、4層以上の多層基板として構成されても良い。
以下では、図2に示されるように、基板11のおもて面側の層であって、導体パターン等が形成される層を「第1層13」と呼ぶことがある。また、基板11のうら面側の層であって、導体パターン等が形成される層を「第2層14」と呼ぶことがある。
ケーブル接続部12は、同軸ケーブル1をアンテナ10に接続するための部材である。本実施形態では、ケーブル接続部12は、図2に示されるように、同軸ケーブル1の端部を保持するリング状の保持部材により構成されている。そして、保持部材が半田付けにより基板11に接合される。但し、ケーブル接続部12は、上述の態様に限られず、例えば、コネクタにより構成されても良い。ケーブル接続部12は、基板11の-Z方向側の端部に設けられている。これにより、同軸ケーブル1は、基板11の端部に接続されることになる。
なお、本実施形態では、基板11は、図1B及び図2に示されるように、切り欠き部11Aを有する。切り欠き部11Aは、基板11において切り欠かれた領域である。そして、ケーブル接続部12は、切り欠き部11Aに位置している。具体的には、同軸ケーブル1の端部を保持する保持部材の一部が、切り欠き部11Aの内部に配置され、保持部材のY方向の両側が半田付けにより基板11の切り欠きの縁に接合される。
これにより、同軸ケーブル1が切り欠き部11Aの内部に位置し、同軸ケーブル1が接続されたアンテナ10の厚み(すなわち、X方向の大きさ)を小さくすることができ、アンテナ10を小型化できる。また、アンテナ10を薄型化できる。さらに、同軸ケーブル1の端部を保持する保持部材を、切り欠きを跨ぐように配置できるので、保持部材の基板11への半田付けを容易にすることができる。
したがって、基板11が切り欠き部11Aを有し、ケーブル接続部12が切り欠き部11Aに位置することにより、同軸ケーブル1をアンテナ10に接続しやすくすると共に、同軸ケーブル1が接続されたアンテナ10を小型化すると共に、薄型化することができる。
第1導体部20は、同軸ケーブル1の信号線2に接続される導体部である。第1導体部20は、第1層13(すなわち、基板11のおもて面側の層)に設けられる第1線路部21と、第2層14(すなわち、基板11のうら面側の層)に設けられる第1延伸部22とを有する。第1導体部20の詳細な説明については、後述する。
第2導体部30は、同軸ケーブル1のグランド線3に接続される導体部である。第2導体部30は、第2線路部31と、第2延伸部32とを有する。具体的には、第2線路部31は、おもて面側の第2線路部31Aと、うら面側の第2線路部31Bと、第2線路部31Aと第2線路部31Bとを接続するスルーホール31Cと、を有し、第2延伸部32は、本体部32Aと、付加部32Bと、本体部32Aと付加部32Bとを接続するスルーホール32Cとを有する。上記以外の第2導体部30の詳細な説明については、後述する。
第1導体部20及び第2導体部30は、基板11に形成される導体パターンであり、アンテナ10の対応する電波の周波数帯で共振するエレメントとして機能する。このように、アンテナ10のエレメントを基板11に導体パターンで形成することにより、アンテナ10全体の厚みが小さくなることでアンテナ10を薄型化することができ、アンテナ10の配置の自由度が向上する。また、アンテナ10のエレメントを基板11に導体パターンで形成することにより、アンテナ10のエレメント(第1導体部20及び第2導体部30)の保持が容易になる。
給電部40は、アンテナ10における給電点を含む領域である。本実施形態では、給電部40は、図1Bに示されるように、第1導体部20と第2導体部30との間に位置している。
ところで、移動通信用の広帯域アンテナにおいて、アンテナをさらに小型化することが求められることがある。このとき、同軸ケーブル側への漏洩電流が問題となることがあった。
そこで、本実施形態のアンテナ10では、第1導体部20及び第2導体部30は、スリーブダイポールアンテナとして動作するように設けられている。これにより、アンテナ10を小型化すると共に薄型化し、さらに漏洩電流を抑制することができる。以下では、アンテナ10の第1導体部20及び第2導体部30の特徴について説明する前に、アンテナ10を検討する際のモデルとなったアンテナ50、60及び70について説明する。
<<スリーブダイポールアンテナの検討>>
図3は、アンテナ50の図である。なお、図3Aは、アンテナ50の平面図であり、図3Bは、アンテナ50のエレメント部分の拡大図であり、図3Cは、+Z方向に見たときのアンテナ50のエレメント部分の斜視図であり、図3Dは、-Z方向に見たときのアンテナ50のエレメント部分の斜視図である。
発明者は、まず、漏洩電流を抑制するために有利なアンテナとして、スリーブダイポールアンテナに着目した。図3に示されるアンテナ50は、一般的なスリーブダイポールアンテナである。アンテナ50は、図3に示されるように、同軸ケーブル1が接続される。アンテナ50に接続される同軸ケーブル1は、図3Bに示されるように、上述したアンテナ10に接続される同軸ケーブル1と同様に、内部導体である信号線2と、外部導体であるグランド線3とで構成される。
アンテナ50は、第1エレメント51と、第2エレメント52とを有する。
第1エレメント51は、同軸ケーブル1の信号線2に接続されるエレメントである。第1エレメント51は、図3Dに示されるように、+Z方向に開口する細長いスリーブの形状を有する。
第2エレメント52は、同軸ケーブル1のグランド線3に接続されるエレメントである。第2エレメント52は、図3Cに示されるように、-Z方向に開口する細長いスリーブの形状を有する。
具体的には、第1エレメント51及び第2エレメント52の各々は、図3に示されるように、底面を有する筒形状である。そして、第1エレメント51は、-Z方向側に底面を有し、第2エレメント52は、+Z方向側に底面を有する。
アンテナ50では、図3A及び図3Bに示されるように、第1エレメント51を構成するスリーブと、第2エレメント52を構成するスリーブとは、各々のスリーブの中心軸が同一となるように並べて配置される。言い換えると、第1エレメント51及び第2エレメント52は、長手方向に並ぶように配置される。
そして、同軸ケーブル1は、図3Bに示されるように、第1エレメント51と第2エレメント52との間に接続される。つまり、同軸ケーブル1の信号線2は、第1エレメント51の-Z方向側(第2エレメント52側)の端部に接続され、同軸ケーブル1のグランド線3は、第2エレメント52の+Z方向側(第1エレメント51側)の端部に接続される。そして、第1エレメント51及び第2エレメント52に接続された同軸ケーブル1は、第2エレメント52のスリーブの内部を通過して、-Z方向側に延び出ている。
アンテナ50の第2エレメント52では、図3Bの破線Aに示される-Z方向側の端部において、インピーダンスが最も高くなる。このため、アンテナ50では、同軸ケーブル1が第2エレメント52のスリーブの内部を通過するように配置されることによって、同軸ケーブル1側に流れる漏洩電流を抑制することができる。
また、アンテナ50では、アンテナ50の長手方向と、アンテナ50から延び出る同軸ケーブル1の方向とが同じとなる。このため、同軸ケーブル1をアンテナ50の長手方向の端部から延び出るように配置したい場合、スリーブダイポールアンテナとしてのアンテナ50を採用することは、特に有利である。
発明者は、次に、スリーブダイポールアンテナとしてのアンテナ50を、基板11に実装するために、アンテナ50の厚みを小さくすることを着想した。具体的には、発明者は、図3Dに示されるように、アンテナ50の第1エレメント51及び第2エレメント52を、破線で示される面で切断し、両端を取り去ることを着想した。
図4は、アンテナ60の図である。なお、図4Aは、アンテナ60の平面図であり、図4Bは、アンテナ60のエレメント部分の拡大図である。
アンテナ60は、アンテナ50の第1エレメント51及び第2エレメント52を、図3Dの破線で示される面で切断し、両端を取り去ったモデルのアンテナである。アンテナ60は、図4に示されるように、同軸ケーブル1が接続される。アンテナ60に接続される同軸ケーブル1は、図4Bに示されるように、上述したアンテナ50に接続される同軸ケーブル1と同様に、内部導体である信号線2と、外部導体であるグランド線3とで構成される。
第1エレメント61は、同軸ケーブル1の信号線2に接続されるエレメントである。第1エレメント61は、図4Bに示されるように、+Z方向に開口する細長いスリーブが切断された形状を有する。
第2エレメント62は、同軸ケーブル1のグランド線3に接続されるエレメントである。第2エレメント62は、図4Bに示されるように、-Z方向に開口する細長いスリーブが切断された形状を有する。
具体的には、第1エレメント61及び第2エレメント62の各々は、図4に示されるように、YZ平面に置かれた音叉のごとき形状である。
アンテナ50の第1エレメント51及び第2エレメント52を、図3Dの破線で示される面で切断し、両端を取り去ったこと以外のアンテナ60の特徴は、アンテナ50の特徴と同様である。つまり、アンテナ60では、図4A及び図4Bに示されるように、第1エレメント61を構成する部分的なスリーブと、第2エレメント62を構成する部分的なスリーブとは、各々の部分的なスリーブの中心軸が同一となるように並べて配置される。言い換えると、第1エレメント61及び第2エレメント62は、長手方向に並ぶように配置される。
そして、同軸ケーブル1は、図4Bに示されるように、第1エレメント61と第2エレメント62との間に接続される。つまり、同軸ケーブル1の信号線2は、第1エレメント61の-Z方向側(第2エレメント62側)の端部に接続され、同軸ケーブル1のグランド線3は、第2エレメント62の+Z方向側(第1エレメント61側)の端部に接続される。そして、第1エレメント61及び第2エレメント62に接続された同軸ケーブル1は、第2エレメント62の部分的なスリーブの内部を通過して、-Z方向側に延び出ている。
アンテナ60の第2エレメント62でも、アンテナ50の第2エレメント52と同様に、図4Bの破線Bに示される-Z方向側の端部において、インピーダンスが最も高くなる。このため、アンテナ60でも、アンテナ50と同様に、同軸ケーブル1が第2エレメント62の部分的なスリーブの内部を通過するように配置されることによって、同軸ケーブル1側に流れる漏洩電流を抑制することができる。
また、アンテナ60でも、アンテナ50と同様に、アンテナ60の長手方向と、アンテナ60から延び出る同軸ケーブル1の方向とが同じとなる。このため、同軸ケーブル1をアンテナ60の長手方向の端部から延び出るように配置したい場合、アンテナ60を採用することは、特に有利である。
次に、上述したアンテナ50及びアンテナ60について、電界分布及び指向性のシミュレーションを行い、漏洩電流の様子を検証した。以下では、これらの検証結果について説明する。
図5は、同軸ケーブル1を接続したアンテナ50及びアンテナ60の電界分布を示す図である。なお、図5Aは、アンテナ50の電界分布を示す図であり、図5Bは、アンテナ60の電界分布を示す図である。また、図6は、アンテナ50及びアンテナ60の指向性の一例を示すグラフである。なお、図6A及び6Bは、2400MHzにおけるグラフであり、図6C及び6Dは、2450MHzにおけるグラフであり、図6E及び6Fは、2500MHzにおけるグラフである。図6において、図6A、図6C及び図6Eは、アンテナ50における指向性を示し、図6B、図6D及び図6Fは、アンテナ60における指向性を示している。
図5に示される電界分布は、アンテナに発生する漏洩電流を視覚的に表している。具体的には、アンテナに発生する漏洩電流が、同軸ケーブル1上に複数のくびれがある模様となって表れている。そして、漏洩電流の影響が大きくなると、図6に示されるアンテナの指向性においてリップルが発生するようになる。
アンテナ50では、図5A、図6A、図6C及び図6Eに示されるように、漏洩電流が少なく、良好な指向性を有する。一方、アンテナ60では、図5B、図6B、図6D及び図6Fに示されるように、アンテナ50と比べると、漏洩電流が多く、漏洩電流の影響により、2.4GHz帯での指向性にリップルが発生している。すなわち、アンテナ60は、アンテナ50と比べると、漏洩電流が多くなっている。
アンテナ50では、同軸ケーブル1の周囲全てが、インピーダンスが最も高くなる第2エレメント52の端部によって囲われていた。しかし、アンテナ60では、第2エレメント62が第2エレメント52の一部を取り去った形状であるため、同軸ケーブル1の周囲全てが、第2エレメント62の端部によって囲われていない。つまり、アンテナ60では、第2エレメント62のインピーダンスが最も高くなる部分が、同軸ケーブル1の周囲において閉じていないことになる。このため、アンテナ60は、アンテナ50と比べると、漏洩電流を抑制する効果が小さくなってしまうと考えられる。
そこで、発明者は、アンテナ60にシュペルトップ部を設けることで、漏洩電流を抑制する効果が向上することに着目した。
図7は、アンテナ70の斜視図である。
アンテナ70は、上述したアンテナ60と同様の第1エレメント61及び第2エレメント62のほかに、さらにシュペルトップ部71を有する。シュペルトップ部71は、アンテナ70の漏洩電流を抑制する部材である。シュペルトップ部71は、図7に示されるように、+Z方向に開口する細長いスリーブの形状を有する。具体的には、シュペルトップ部71は、筒形状であり、図7に示されるように、第2エレメント62に対して-Z方向側に位置している。
次に、上述したアンテナ70について、電界分布及び指向性のシミュレーションを行い、漏洩電流の様子を検証した。以下では、これらの検証結果について説明する。
図8は、同軸ケーブル1を接続したアンテナ70の電界分布を示す図である。また、図9は、アンテナ70の指向性の一例を示すグラフである。なお、図9Aは、2400MHzにおけるグラフであり、図9Bは、2450MHzにおけるグラフであり、図9Cは、2500MHzにおけるグラフである。
アンテナ70では、図8及び図9に示されるように、上述の図5B、図6B、図6D及び図6Fに示されるアンテナ60と比べると、漏洩電流が抑制され、指向性も改善されている。そこで、本実施形態のアンテナ10は、アンテナ70のこれらの検証結果における特性を目標としている。
発明者は、上述したアンテナ70を基にして、基板11に導体パターン(第1導体部20及び第2導体部30)を形成することにより、本実施形態のアンテナ10を実装した。すなわち、本実施形態のアンテナ10では、第1導体部20及び第2導体部30が、スリーブダイポールアンテナとして動作するように設けられる。また、本実施形態のアンテナ10では、第2導体部30の少なくとも一部が、漏洩電流を抑制する構造も有している。これにより、アンテナを小型化すると共に薄型化し、さらに漏洩電流を抑制することができる。
<<第1例のアンテナ10の詳細>>
以下では、アンテナを小型化すると共に、漏洩電流を抑制するアンテナ10の詳細な構成について、再び図1及び図2を参照しながら説明する。
第1導体部20は、第1線路部21と、第1延伸部22と、スルーホール24とを有する。
第1線路部21は、同軸ケーブル1の信号線2に相当する構成を、基板11に実装した部位である。第1線路部21は、図1A及び図2に示されるように、基板11の第1層13(すなわち、基板11のおもて面側の層)に形成されている。そして、第1線路部21の-Z方向側の端部は、信号線2に接続され、第1線路部21の+Z方向側の端部は、スルーホール24を介して第1延伸部22に接続されている。
第1延伸部22は、後述する第2延伸部32と共に、アンテナ10の対応する電波の周波数帯(例えば、2.4GHz帯及び5GHz帯)で共振するエレメントとしての構成を、基板11に実装した部位である。このため、第1延伸部22は、アンテナ10の対応する電波の周波数帯の使用波長(例えば、2.4GHz帯における波長)に応じた長さや幅を有するように形成される。
本実施形態のアンテナ10では、第1延伸部22の給電部40からの電気長は、アンテナ10の対応する電波の周波数帯で共振するように形成されている。例えば、第1延伸部22の給電部40からの電気長は、アンテナ10の対応する電波の周波数帯における波長の4分の1に相当するように形成されている。
ここで、「アンテナ10の対応する電波の周波数帯における波長の4分の1」とは、正確な値に限られず、所望の周波数帯で共振する値であれば良い。これは、アンテナ10の対応する電波の周波数帯における波長が必ずしも割り切れる整数で表現されないことや、実際の第1延伸部22の給電部40からの電気長が、様々な要因により変化するためである。なお、第1延伸部22の給電部40からの電気長は、アンテナ10の対応する電波の周波数帯で共振するように形成されていれば、アンテナ10の対応する電波の周波数帯における波長の4分の1に相当するように形成されなくても良い。
本実施形態のアンテナ10では、第1延伸部22は、図1Bに示されるように、給電部40からY方向の両側に延びるように形成されている。Y方向の両側に延びる第1延伸部22の、各々の給電部40からの電気長は、アンテナ10の対応する電波の周波数帯における波長の4分の1に相当するように形成されている。
第1延伸部22は、図1B及び図2に示されるように、基板11の第2層14(すなわち、基板11のうら面側の層)に形成されている。そして、第1延伸部22の-Z方向側の端部は、スルーホール24を介して第1線路部21に接続されている。
第1延伸部22は、屈曲部23を有する。屈曲部23は、第1延伸部22の+Z方向側の端部から屈曲してさらに延伸する部位である。これにより、第1延伸部22の給電部40からの電気長は、基板11が小さくても、アンテナ10の対応する電波の周波数帯で共振するために必要な電気長を確保することができる。なお、屈曲部23は、第1延伸部22の長さをさらに延伸するような形状であれば良く、屈曲形状に限定されない。すなわち、屈曲部23は、湾曲形状、折曲形状、蛇行形状等を有する形状であっても良い。
本実施形態のアンテナ10では、屈曲部23は、第1延伸部22の内側に屈曲するように形成されているが、外側に屈曲するように形成されても良い。また、屈曲部23は、第1延伸部22の+Z方向側の端部以外から延び出るように形成されても良い。さらに、屈曲部23は、Y方向の両側に延びる第1延伸部22の各々に、同様の形状で形成されているが、片方の第1延伸部22のみに形成されても良い。また、Y方向の両側に延びる第1延伸部22について、それぞれ異なる形状を有する屈曲部23が形成されても良い。例えば、+Y方向側に延びる第1延伸部22の端部には、内側に屈曲する屈曲部23が形成され、-Y方向側に延びる第1延伸部22の端部には、外側に屈曲する屈曲部23が形成されても良い。
スルーホール24は、基板11の第1層13に形成される第1線路部21と、基板11の第2層14に形成される第1延伸部22とを接続する部位である。スルーホール24により、第1線路部21と、第1延伸部22とが電気的に接続される。
第2導体部30は、第2線路部31と、第2延伸部32と、を有する。
第2線路部31は、同軸ケーブル1のグランド線3に相当する構成を、基板11に実装した部位である。第2線路部31は、図1及び図2に示されるように、基板11の第1層13(すなわち、基板11のおもて面側の層)に形成されているおもて面側第2線路部31Aと、基板11の第2層14(すなわち、基板11のうら面側の層)に形成されているうら面側第2線路部31Bとで構成されている。
おもて面側第2線路部31Aは、第1導体部20の第1線路部21に沿ってZ方向に延びるように形成されている。さらに、おもて面側第2線路部31Aは、第1線路部21のY方向の両側に一対形成されている。そして、一対のおもて面側第2線路部31Aの、各々の-Z方向側の端部は、グランド線3に接続されている。
うら面側第2線路部31Bは、おもて面側第2線路部31Aと同様に、Z方向に延びるように形成されている。うら面側第2線路部31Bの+Z方向側の端部は、第2延伸部32の本体部32Aに接続されている。うら面側第2線路部31Bは、ケーブル接続部12と給電部40との間に設けられる。
なお、本実施形態では、第2線路部31は、第1線路部21に平行となるように配置されている。しかし、第1線路部21と第2線路部31とが互いに結合することがなければ、第1線路部21及び第2線路部31とが非平行であっても良いし、少なくとも一方が湾曲したり、蛇行したりしていても良い。
第2線路部31は、スルーホール31Cをさらに有する。スルーホール31Cは、基板11の第1層13に形成されるおもて面側第2線路部31Aと、基板11の第2層14に形成されるうら面側第2線路部31Bとを接続する部位である。スルーホール31Cにより、おもて面側第2線路部31Aと、うら面側第2線路部31Bとが電気的に接続される。
なお、本実施形態のアンテナ10では、スルーホール31Cは、図1及び図2に示されるように、おもて面側第2線路部31Aに沿うZ方向に並んで複数配置されている。そして、各々のスルーホール31Cがおもて面側第2線路部31Aと、うら面側第2線路部31Bとを接続している。なお、多数のスルーホール31Cが配置されることで、あたかも導体で形成された壁が設けられているように機能する。
本体部32Aと、付加部32Bと、スルーホール32Cとを有する第2延伸部32は、第1延伸部22と共に、アンテナ10の対応する電波の周波数帯(例えば、2.4GHz帯及び5GHz帯)で共振するエレメントとしての構成を、基板11に実装した部位である。このため、第2延伸部32は、アンテナ10の対応する電波の周波数帯の使用波長(例えば、2.4GHz帯における波長)に応じた長さや幅を有するように形成される。
本実施形態のアンテナ10では、第2延伸部32の給電部40からの電気長は、アンテナ10の対応する電波の周波数帯で共振するように形成されている。例えば、第2延伸部32の給電部40からの電気長は、アンテナ10の対応する電波の周波数帯における波長の4分の1に相当するように形成されている。なお、第2延伸部32の給電部40からの電気長は、アンテナ10の対応する電波の周波数帯で共振するように形成されていれば、アンテナ10の対応する電波の周波数帯における波長の4分の1に相当するように形成されなくても良い。
本実施形態のアンテナ10では、第2延伸部32は、図1B及び図2に示されるように、給電部40からY方向の両側に延びるように形成されている。つまり、第2延伸部32は、給電部40から延びて、うら面側第2線路部31Bを挟むように位置する。Y方向の両側に延びる第2延伸部32の、各々の給電部40からの電気長は、アンテナ10の対応する電波の周波数帯における波長の4分の1に相当するように形成されている。
上述したように、第2延伸部32は、本体部32Aと、付加部32Bと、スルーホール32Cとを有する。
本体部32Aは、第2延伸部32のうち、基板11の第2層14(すなわち、基板11のうら面側の層)に形成されている部位である。
付加部32Bは、アンテナ10の対応する電波の周波数帯で共振するために必要な電気長を確保するために、本体部32Aに付加的に設けられる部位である。付加部32Bは、基板11の第1層13(すなわち、基板11のおもて面側の層)に形成されている。
ここで、付加部32Bは、基板11の第1層13に形成されるのではなく、基板11の第2層14に形成されても良い。すなわち、付加部32Bは、第1延伸部22の屈曲部23のように、本体部32Aが形成される層と同じ層に形成されても良い。この場合、付加部32Bが、例えば、本体部32Aの端部から内側に屈曲するように形成されることになる。しかし、付加部32Bが、第2線路部31(うら面側第2線路部31B)と近接することにより結合してしまい、特性に悪影響を与えてしまうことがある。
このため、付加部32Bは、本体部32Aが形成される層と異なる層に設けることで、アンテナ10の対応する電波の周波数帯で共振するために必要な電気長を確保すると共に、第2線路部31に近接することによる特性への悪影響を抑制することができる。
スルーホール32Cは、基板11の第1層13に形成される付加部32Bと、基板11の第2層14に形成される本体部32Aとを接続する部位である。スルーホール32Cにより、付加部32Bと、本体部32Aとが電気的に接続される。
本実施形態のアンテナ10では、図1Bに示されるように、第1導体部20の第1延伸部22と、第2導体部30の第2延伸部32とは、基板11の同じ第2層14に位置する。そして、同じ第2層14に位置する第1導体部20と第2導体部30とが対向する領域内において、第1導体部20及び第2導体部30は、自己相似形状部41を有する。これにより、特に5GHz帯において、広帯域に対応するアンテナ10を実現することができる。
ここで、「自己相似形状」とは、スケール(サイズ比)を変えても形状が相似形になる形状である。但し、第1導体部20及び第2導体部30は、自己相似形状部41を有していなくても良い。
なお、以下では、第1線路部21及び第2線路部31の少なくとも一方のことを、単に「線路部」と呼ぶことがある。また、第1延伸部22及び第2延伸部32の少なくとも一方のことを、単に「延伸部」と呼ぶことがある。
本実施形態のアンテナ10では、図1A及び図1Bに示されるように、ケーブル接続部12が位置する基板11の層(すなわち、第1層13)と、第2導体部30の一部が位置する基板11の層(すなわち第2層14)と、は互いに異なる。すなわち、アンテナ10の線路部が形成される層と、アンテナ10の延伸部が形成される層と、は互いに異なる。これにより、基板11を小型化すると共に、VSWR特性を向上させることができる。
図10は、アンテナ10の線路部の図である。なお、図10Aは、アンテナ10の線路部の断面図であり、図10Bは、アンテナ10の線路部の断面を模式化した図である。
本実施形態のアンテナ10の線路部は、図10Aに示されるように、グランド線3に接続されるうら面側第2線路部31Bと、信号線2に接続される第1線路部21とによりマイクロストリップラインに類似する構造を構成している。さらに、本実施形態のアンテナ10の線路部は、さらに、側面にグランドとして機能する導体としてのスルーホール31Cが配置されている。このように、本実施形態のアンテナ10では、図10Bに示されるように、信号線2に接続される第1線路部21と、グランド線3に接続される第2線路部31との同軸構造のうち、半分が構成された形状となっている。
図11は、アンテナ10の周波数特性の一例を示すグラフである。
この図において、横軸は周波数を表し、縦軸は電圧定在波比(VSWR)を表す。また、図11において、アンテナ10における計算結果が実線で示されている。
アンテナ10は、図11に示されるように、2.4GHz帯の、特に2400MHz~2500MHzの範囲において、良好なVSWR特性を有する。また、アンテナ10は、図11に示されるように、5GHz帯の5500~6000MHzの範囲においても、良好なVSWR特性を有する。
図12は、同軸ケーブル1を接続したアンテナ10の電界分布を示す図である。また、図13は、アンテナ10の指向性の一例を示すグラフである。なお、図13Aは、2400MHzにおけるグラフであり、図13Bは、2450MHzにおけるグラフであり、図13Cは、2500MHzにおけるグラフである。
図12及び図13に示されるように、第1導体部20及び第2導体部30が、スリーブダイポールアンテナとして動作するように設けられることにより、アンテナ10の漏洩電流は、ある程度抑制されている。但し、図13Cに示されるように、2.4GHz帯の上限である2500MHz付近で指向性が悪化してしまう。このように、アンテナ10は、目標とするアンテナ70の特性に対して改善する余地がある。
アンテナ10の対応する電波の周波数帯で共振する構造に関しては、エレメント(延伸部)の電気長が与える影響が支配的である。このため、基板11の誘電層16による波長短縮効果が与える影響は相対的に小さくなる。一方、漏洩電流を抑制する構造に関しては、アンテナ10の線路部と延伸部との間の関係で決まるため、線路部と延伸部との間にある基板11の誘電層16の影響が大きくなってしまい、波長短縮が起こりやすくなってしまう。
<<第2例のアンテナ80>>
そこで、後述するアンテナ80のように、漏洩電流を抑制する構造の電気長を、延伸部の電気長と独立して調整することにより、アンテナ10の漏洩電流を、さらに抑制することができる。なお、「漏洩電流を抑制する構造」のことを「シュペルトップ構造」と呼ぶことがある。
図14は、本実施形態の第2例のアンテナ80の平面図である。なお、図14Aは、アンテナ80のおもて面側の図であり、図14Bは、アンテナ80のうら面側の図である。
第2例のアンテナ80では、第2導体部30の第2延伸部32が、調整部33をさらに有するほかは、第1例のアンテナ10の構成と同様である。
調整部33は、第2延伸部32の本体部32Aの、うら面側第2線路部31B側に設けられた付加的な導体部分である。これにより、本体部22Aとうら面側第2線路部31Bとの間隔が小さくなり、シュペルトップ構造内部の経路長Lや容量Cが変化する。これにより、シュペルトップ構造を独立して調整することができる。すなわち、第2例のアンテナ80は、第1例のアンテナ10からさらに、シュペルトップ構造を独立して調整したアンテナである。
図15は、アンテナ80の周波数特性の一例を示すグラフである。
この図において、横軸は周波数を表し、縦軸は電圧定在波比(VSWR)を表す。また、図15において、アンテナ80における計算結果が実線で示されている。
アンテナ80は、図15に示されるように、アンテナ10と同様に、2.4GHz帯の、特に2400MHz~2500MHzの範囲において、良好なVSWR特性を有する。また、アンテナ80は、アンテナ10と同様に、5GHz帯の5500~6000MHzの範囲においても、良好なVSWR特性を有する。
図16は、同軸ケーブル1を接続したアンテナ80の電界分布を示す図である。
図17は、アンテナ80の指向性の一例を示すグラフである。なお、図17Aは、2400MHzにおけるグラフであり、図17Bは、2450MHzにおけるグラフであり、図17Cは、2500MHzにおけるグラフである。
図16及び図17に示されるように、シュペルトップ構造を独立して調整することにより、アンテナ80の漏洩電流は、アンテナ10よりも、さらに抑制されている。したがって、アンテナ80は、図8及び図9に示されるアンテナ70の特性にかなり近づいていることがわかる。
図18は、アンテナ80の指向性の一例を示すグラフである。なお、図18Aは、5100MHzにおけるグラフであり、図18Bは、5400MHzにおけるグラフであり、図18Cは、5700MHzにおけるグラフである。
アンテナ80の漏洩電流は、図18に示されるように、5GHz帯においても、ある程度抑制されているが、図16及び図17に示される2.4GHz帯と比較すると、指向性にリップルが発生している。しかし、5GHz帯は、進行波としての動作が期待されるため、2.4GHz帯と比較すると、漏洩電流に対する許容度が大きく、シュペルトップ構造を独立して調整する必要性は高くない。
<<第1変形例のアンテナ90>>
上述したアンテナ10及びアンテナ80では、第1導体部20及び第2導体部30が、異なる形状を有していた。しかし、後述する第1変形例のアンテナ90のように、第1導体部20及び第2導体部30が、同様の形状を有していても良い。
つまり、上述したアンテナ10及びアンテナ80では,第1導体部20の第1延伸部22は、端部から屈曲してさらに延伸する屈曲部23を有していた。しかし、第1変形例のアンテナ90では、第2導体部30の第2延伸部32と同様の構成を有していても良い。
図19は、本実施形態の第1変形例のアンテナ90の平面図である。なお、図19Aは、アンテナ90のおもて面側の図であり、図19Bは、アンテナ90のうら面側の図である。
第1延伸部22は、本体部22Aと、付加部22Bと、スルーホール25とを有する。
本体部22Aは、第1延伸部22のうち、基板11の第2層14(すなわち、基板11のうら面側の層)に形成されている部位である。
付加部22Bは、アンテナ10の対応する電波の周波数帯で共振するために必要な電気長を確保するために、本体部22Aに付加的に設けられる部位である。付加部22Bは、基板11の第1層13(すなわち、基板11のおもて面側の層)に形成されている。
スルーホール25は、基板11の第1層13に形成される付加部22Bと、基板11の第2層14に形成される本体部22Aとを接続する部位である。スルーホール25により、付加部22Bと、本体部22Aとが電気的に接続される。
第1変形例のアンテナ90では、第1延伸部22が、第2導体部30と同様の外形を有するほかは、アンテナ80の構成と同様である。
<<第2変形例のアンテナ100>>
上述したアンテナ10及びアンテナ80では、第1導体部20の第1延伸部22と、第2導体部30の第2延伸部32とは、基板11の同じ第2層14に位置していた。しかし、第1延伸部22と第2延伸部32とは、同じ層に位置しなくても良い。後述する第2変形例のアンテナ100のように、第1延伸部22と第2延伸部32とが、異なる層に位置していても良い。
図20は、本実施形態の第2変形例のアンテナ100の平面図である。なお、図20Aは、アンテナ100のおもて面側の図であり、図20Bは、アンテナ100のうら面側の図である。
アンテナ100では、第1延伸部22は、基板11の第1層13(すなわち、基板11のおもて面側の層)に形成されている。第1延伸部22の-Z方向側の端部は、第1線路部21に接続されている。したがって、スルーホール24は存在しない。
第2変形例のアンテナ100では、第1導体部20の第1延伸部22が、基板11の第1層13に形成され、スルーホール24が存在しないほかは、アンテナ80の構成と同様である。
<<第3変形例のアンテナ110>>
基板11は、上述したアンテナ10及びアンテナ80では、1つの誘電層16の両面に導体パターンが形成される、両面基板(2層基板)であった。しかし、後述する第3変形例のアンテナ110のように、誘電層16とは別の誘電層17を有することにより、3層基板として構成されても良い
図21は、本実施形態の第3変形例のアンテナ110の斜視図である。図22は、アンテナ110の分解斜視図である。
第3変形例のアンテナ110では、図21及び図22に示されるように、基板11は、誘電層16と、ケーブル接続部12とを有するほかに、誘電層16とは別の誘電層17をさらに有する。すなわち、基板11は、3層基板として構成されている。
以下では、図22に示されるように、誘電層16と誘電層17との間の層を「第3層15」と呼ぶことがある。
第3変形例のアンテナ110では、第3層15に、第1線路部21と、第2延伸部32の付加部32Bとが形成されている。その他の第3変形例のアンテナ110の構成は、アンテナ80の構成と同様である。
図23は、アンテナ110の線路部の図である。なお、図23Aは、アンテナ110の線路部の断面図であり、図23Bは、アンテナ110の線路部の断面を模式化した図である。
第3変形例のアンテナ110の線路部は、図23Aに示されるように、グランド線3に接続されるうら面側第2線路部31Bと、信号線2に接続される第1線路部21とによりマイクロストリップラインに類似する構造を構成している。さらに、第3変形例のアンテナ110の線路部は、さらに、側面にグランドとして機能する導体としてのスルーホール31Cが配置されている。このように、第3変形例のアンテナ110では、図23Bに示されるように、信号線2に接続される第1線路部21と、グランド線3に接続される第2線路部31との同軸構造の全てが構成された形状となっている。
図10Bに示されるアンテナ10では、同軸構造の半分が構成された形状であるのに対し、第3変形例のアンテナ110では、同軸構造の全てが構成された形状となっている。このため、第3変形例のアンテナ110は、アンテナ10と比較すると、線路部としての機能が優れている。
==まとめ==
以上、本発明の実施の形態であるアンテナ10,80,90,100及び110について説明した。
本実施形態のアンテナ10,80,90,100及び110は、例えば、図1、図2,図14,図19,図20~図22に示されるように、基板11と、基板11に形成される第1導体部20及び第2導体部30と、を備える。また、第1導体部20は、信号線2に接続され、第2導体部30は、グランド線3に接続され、第1導体部20及び第2導体部30が、スリーブダイポールアンテナとして動作する。これにより、アンテナを小型化すると共に薄型化し、さらに漏洩電流を抑制することができる。
また、本実施形態のアンテナ10,80,90,100及び110において、例えば、図1、図2,図14,図19,図20~図22に示されるように、同軸ケーブル1が接続されるケーブル接続部12をさらに備え、ケーブル接続部12は、基板11の端部に設けられている。これにより、アンテナを小型化すると共に薄型化し、さらに漏洩電流を抑制することができる。
また、本実施形態のアンテナ10,80,90,100及び110において、例えば、図1、図2,図14,図19,図20~図22に示されるように、基板11には、切り欠き部11Aが形成され、ケーブル接続部12は、切り欠き部11Aに位置している。これにより、同軸ケーブル1を基板11に接続しやすくすると共に、アンテナを小型化できる。
また、本実施形態のアンテナ10,80,90,100及び110において、例えば、図1、図2,図14,図19,図20~図22に示されるように、ケーブル接続部12が位置する基板11の第1層13と、第2導体部30の少なくとも一部(例えば、第2延伸部32の本体部32A)が位置する基板11の第2層14と、は互いに異なる。これにより、基板11を小型化すると共に、VSWR特性を向上させることができる。
また、本実施形態のアンテナ10,80,90,100及び110において、例えば、図1、図2,図14,図19,図20~図22に示されるように、第2導体部30は、基板11の一の第2層14から別の第1層13に延びるように設けられる。これにより、アンテナが共振するのに必要な電気長を確保することができる。
また、本実施形態のアンテナ10,80,90及び110において、例えば、図1、図2,図14,図19,図21及び図22に示されるように、第1導体部20の少なくとも一部(例えば、第1延伸部22)と、第2導体部30の少なくとも一部(例えば、第2延伸部32)とは、基板11の同じ第2層14に位置する。これにより、広帯域に対応するアンテナを実現することができる。
また、本実施形態のアンテナ10,80,90及び110において、例えば、図1、図2,図14,図19,図21及び図22に示されるように、同じ第2層14に位置する第1導体部20と第2導体部30とが対向する所定領域内において、第1導体部20及び第2導体部30は、自己相似形状部41を有する。これにより、広帯域に対応するアンテナを実現することができる。
また、本実施形態のアンテナ10,80,90,100及び110において、例えば、図1、図2,図14,図19,図20~図22に示されるように、基板11は、同軸ケーブル1が接続されるケーブル接続部12を有し、第2導体部30は、ケーブル接続部12と給電部40との間に設けられるうら面側第2線路部31Bと、給電部40から延びて、うら面側第2線路部31Bを挟むように位置する一対の第2延伸部32(本体部32A)と、を有する。これにより、アンテナを小型化すると共に、漏洩電流を抑制することができる。
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。