以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。なお、以下の説明では、複数の図面に表れる同一符号の部分は、同一もしくは同等の部分又は部材を示す。断面図として、切断面のみを示す端面図を用いる場合がある。
また以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための発光装置を例示するものであって、本発明を以下に示す実施形態に限定するものではない。以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張している場合がある。
以下に示す図でX軸、Y軸及びZ軸により方向を示す場合があるが、X軸に沿うX方向は、実施形態に係る発光装置が備える第1領域を少なくとも含む平面内での所定方向を示し、Y軸に沿うY方向は、上記平面内でX方向に直交する方向を示し、Z軸に沿うZ方向は、上記平面に直交する方向を示すものとする。
またX方向で矢印が向いている方向を+X方向、+X方向の反対方向を-X方向と表記し、Y方向で矢印が向いている方向を+Y方向、+Y方向の反対方向を-Y方向と表記し、Z方向で矢印が向いている方向を+Z方向、+Z方向の反対方向を-Z方向と表記する。実施形態では、発光装置が備える発光部は一例として+Z方向側に光を照射するものとする。また発光部の光軸はZ軸に沿っている。本明細書においてZ軸に沿うとは、ある対象がZ軸に対して±10°の範囲内の傾きを有することを含む。但し、これらのことは、発光装置の使用時における向きを制限するわけではなく、発光装置の向きは任意である。
実施形態に係る発光装置は、発光部と、該発光部が発する光を透過又は通過させる光学部材と、発光部と光学部材との間の距離を変化させる可変機構とを有するものである。或いは、実施形態に係る発光装置は、発光部と、該発光部が発する光を透過又は通過させる光学部材と、発光部と光学部材との間に配置され、発光部からの光の配光を定める発光側配光部材と、発光部と発光側配光部材との間の距離を変化させる可変機構とを有するものである。この可変機構は、発光部の光軸に沿う方向に発光部と光学部材との間の距離を変化させる。または、この可変機構は、発光部の光軸に沿う方向に発光部と発光側配光部材との間の距離を変化させる。このような発光装置は、各種の照明又は光照射等の用途に使用される。
実施形態では、光学部材は、第1色度の光を取り出し可能な第1領域と、該第1色度とは異なる第2色度の光を取り出し可能な第2領域とを含み、発光部が発する光のうち、第1領域及び第2領域のそれぞれを透過又は通過して混色された光を取り出し可能である。また実施形態では、発光部と光学部材との間の距離、或いは発光部と発光側配光部材との間の距離を、可変機構により発光部の光軸に沿う方向に変化させる。これにより、混色された光の色度を任意に変化可能とし、光の調色の自由度が高い発光装置を提供する。ここで、調色とは光の色を調節することをいう。
以下、実施形態を詳細に説明する。
[第1実施形態]
(発光装置1の構成例)
図1は、第1実施形態に係る発光装置1の構成の一例を示す図である。図1(a)は上面図、図1(b)は図1(a)のIA-IA切断線に沿う断面図である。
図1に示すように、発光装置1は、発光部実装基板11と、発光素子12と、支持体13と、波長変換板14と、アクチュエータ15とを有する。
発光部実装基板11は、平面視が略矩形状である板状部材であり、発光素子や各種電気素子を実装可能な、配線を備える基板である。発光部実装基板11には、金属基板、紙フェノール基板、紙エポキシ基板、又はガラスエポキシ基板等の各種材質の基板を適用できる。
発光素子12は、発光部実装基板11の+Z方向側の面に実装され、光を発する発光部の一例である。発光素子12は、電圧が印加されることで自ら発光する半導体素子である。発光素子12は、少なくとも半導体積層体を備え、少なくとも一対の極性の異なる電極、例えばp側電極及びn側電極を有する。
半導体の材料には、波長変換部材が含有する蛍光体等の波長変換物質を効率良く励起できる短波長の光を発光可能な材料である、窒化物半導体を用いることが好ましい。窒化物半導体は、主として一般式InxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)で表される。発光素子12の発光ピーク波長は、発光効率、並びに波長変換物質の励起及びその発光との混色関係等の観点から、400nm以上530nm以下が好ましく、420nm以上490nm以下がより好ましく、450nm以上475nm以下がよりいっそう好ましい。また、半導体の材料は、InAlGaAs系半導体、InAlGaP系半導体等を用いることもできる。本開示において一例として、発光素子12として青色に発光する発光素子を用いた発光装置を説明する。
なお、発光装置1が有する発光部は、発光素子12に限定されるものではなく、キセノンランプ又は発光素子12がパッケージに入れられたLED(Light Emitting Diode)等の各種光源も利用可能である。但し、波長変換部材が含有する波長変換物質を効率良く励起するためには、短波長の光を発する発光素子が好ましい。
支持体13は、Z軸に直交する断面が略矩形状である筒状部材である。筒の中心軸はZ軸に沿っている。支持体13は、筒の内側に発光素子12が配置されるように、発光部実装基板11の+Z方向側の面に設けられている。
支持体13の材質には、特に制限はなく、発光装置1の用途に応じて金属材料又は樹脂材料等を適宜選択できる。
波長変換板14は、第1色度の光を取り出し可能な第1領域141と、第1色度とは異なる第2色度の光を取り出し可能な第2領域142とを含み、発光素子12が発する光を透過させる光学部材の一例である。
第1領域141は、板状に形成された波長変換板14の略中央に設けられ、平面視が略矩形状に形成された領域である。第1領域141は、発光素子12が発する光を第1波長の光に変換する波長変換部材を含む。第1領域141は、波長変換部材が変換した第1波長の光を第1色度の光として取り出し可能である。図1(b)では、発光素子12が発する光を実線で表示し、第1色度の光121を破線で表示している。
第2領域142は、波長変換板14における第1領域141の周囲に第1領域141を囲むように設けられ、平面視における外形が略矩形状に形成された領域である。第2領域142は、発光素子12が発する光を第2波長の光に変換する波長変換部材を含む。第2領域142は、波長変換部材が変換した第2波長の光を第2色度の光として取り出し可能である。図1(b)では、第2色度の光122を点線で表示している。
第1領域141及び第2領域142がそれぞれ含む波長変換部材は、シリコーン等の樹脂、ガラス、セラミック等を母材として波長変換物質を含有する部材でもよく、ガラス等の成形体の表面に波長変換物質を印刷した部材でもよく、波長変換物質の焼結体であってよい。波長変換物質は、発光素子が発する一次光の少なくとも一部を吸収して、一次光とは異なる波長の二次光を発する部材である。
波長変換物質としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Y3(Al,Ga)5O12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu3(Al,Ga)5O12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb3(Al,Ga)5O12:Ce)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)3(O,N)4:Eu)、α系サイアロン蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN3:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、K2SiF6:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K2(Si,Al)F6:Mn)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn)等のフッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する蛍光体(例えば、CsPb(F,Cl,Br,I)3)、又は、量子ドット蛍光体(例えば、CdSe、InP、AgInS2又はAgInSe2)等を用いることができる。上記の蛍光体は粒子である。また、これらの波長変換物質のうちの1種を単体で、又はこれらの波長変換物質のうち2種以上を組み合わせて用いることができる。
アクチュエータ15は、発光素子12と波長変換板14との間の距離を変化させる可変機構の一例である。アクチュエータ15は、Z軸に沿って移動可能な移動子151を含み、支持体13に設けられている。発光素子12の光軸12cは、発光素子12が有する発光面の中心に略一致し、発光部の光軸に対応する。アクチュエータ15は、発光素子12の光軸12cに沿う方向に、発光素子12と波長変換板14との間の距離を変化させることができる。
アクチュエータ15には、磁石が作る磁界の中を、コイルを含む移動子が並進運動するボイスコイルモータや、金属製弾性体で発生した固有振動を、摩擦力によって移動子の並進運動に変換する超音波モータ等を使用できる。
但し、可変機構は上記構成に限定されるものではなく、発光素子12の光軸12cに沿う方向に発光素子12と波長変換板14との間の距離を変化させることができれば如何なる構成であってもよい。例えば、モータ等の駆動部を備えず、人が手動により、発光素子12の光軸12cに沿う方向に発光素子12と波長変換板14との間の距離を変化させてから波長変換板14を固定する構成であってもよい。
移動子151は、Z軸に直交する断面が略矩形状である筒状に形成され、筒の内側面に波長変換板14を固定している。アクチュエータ15は、移動子151をZ軸に沿って移動させることで、波長変換板14をZ軸に沿って移動させ、発光素子12と波長変換板14との間の距離を変化させることができる。
なお、波長変換板14として平面視が略矩形状である板状部材を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば略円形状又は略多角形状等であってもよいし、例えばシート状等のように板状でなくてもよい。第1領域141についても、平面視が略円形状又は略多角形状等であってもよい。
同様に、支持体13及びアクチュエータ15は、筒の軸に直交する断面が略矩形状である筒状部材を例示したが、これに限定されるものではない。波長変換板14の形状に合わせて断面を略円形状又は略多角形状等にすることもできる。
(波長変換板14の製作方法例)
ここで、波長変換板14の製作方法について説明する。図2は、発光装置1における波長変換板14の製作方法の一例を説明する図である。図2(a)乃至図2(f)は各製作工程を示す図である。
図2において、21a乃至21fは各製作工程における波長変換板14の上面図である。また22a乃至22fは各製作工程の上面図に示したIIA-IIA切断線乃至IIF-IIF切断線のそれぞれに沿う断面図である。
まず、図2(a)に示すように、基台23上に、第2領域142に含まれる波長変換部材24を塗布して硬化させる。続いて、図2(b)に示すように、基台23上の波長変換部材24に、パンチング加工により平面視が略矩形状である複数の凹部25を形成する。凹部25は波長変換部材24を貫通して基台23の表面に到達する孔である。凹部25の個数は、1個の基台23から製作する波長変換板14の個数に応じて適宜調整できる。なお、凹部25は波長変換部材24を必ずしも貫通しなくてよい。
続いて、図2(c)に示すように、図2(b)で形成された凹部25内に、ポッティング加工により、第1領域141に含まれる波長変換部材26の液滴を供給する。続いて、図2(d)に示すように、凹部25内に供給された波長変換部材26の液滴を硬化させる。
続いて、図2(e)に示すように、波長変換部材24及び基台23をダイシング加工により所望のサイズに切断する。切断部27はダイシング加工により切断された部分を示している。続いて、図2(f)に示すように、基台23が取り外される。これにより波長変換板14が完成する。
このような製作工程により、波長変換板14を製作できる。なお、波長変換板14の製作方法は、図2に示す工程以外の工程を含んでもよい。
次に図3は、発光装置1における波長変換板14の製作方法の他の例を説明する図である。図3(a)及び図3(b)は製作工程の一部を示す図である。図3において、31a及び31bは製作工程の一部における波長変換板14の上面図である。また32a及び32bは各製作工程の上面図に示したIIIA-IIIA切断線及びIIIB-IIIB切断線のそれぞれに沿う断面図である。
図3(a)は、図2(a)及び図2(b)に示した製作工程と同様にして、基台23上の波長変換部材24に、パンチング加工により平面視が略矩形状で複数の孔である凹部25が形成された状態を示している。
図3(b)は、凹部25に嵌め込み可能なサイズで予め形成された波長変換部材28が、凹部25に嵌め込まれた状態を示している。この後、図2(e)に示した製作工程と同様に、波長変換部材24及び基台23がダイシング加工により所望のサイズに切断される。その後、図2(f)に示した製作工程と同様に、基台23が取り外される。これにより、波長変換板14が完成する。
このような製作工程によっても波長変換板14を製作できる。
(発光装置1における調色)
図4は、発光装置1における調色を説明する図である。図4(a)は色変化前を示す図、図4(b)は色変化後を示す図である。図4は、図1(b)と同様に、図1(a)のIA-IA切断線に沿う断面を示している。
図4(a)では、波長変換板14における発光素子12側の面と発光素子12における波長変換板14側の面との間の距離はd1である。この状態では、発光素子12が発する光はほぼ全て第1領域141を透過する。
発光装置1は、第1領域141が取り出した第1色度の光を出射させる。第1領域141に含まれる波長変換部材は、波長変換物質により光拡散作用を有するため、第1領域141が取り出す光は、発光素子12が発する光と比較して光拡散性が高い光となる。なお以降では、説明を簡単にするため、波長変換板14における発光素子12側の面と、発光素子12における波長変換板14側の面と、の間の距離を光学部材距離という。
図4(b)は、アクチュエータ15の駆動により、波長変換板14が図4(a)の状態から+Z方向に上昇した後、停止した状態を示している。光学部材距離はd2(d2>d1)である。この状態では、発光素子12が発する光のうちの一部は第1領域141を透過し、他の一部は第2領域142を透過する。
発光装置1は、第1領域141が取り出した第1色度の光と、第2領域142が取り出した第2色度の光とが混色された光を出射させる。第1領域141及び第2領域142のそれぞれが取り出す光は、波長変換部材の光拡散作用により発光素子12が発する光に対して光拡散性が高くなるため、混色した光の色ムラ又は照度ムラを抑制する作用が得られる。
光学部材距離に応じて、第1色度の光121と第2色度の光122との間での光強度の比が変化するため、混色された光の色度が変化する。発光装置1は、光学部材距離を変化させることで、混色された光の色度を調色でき、調色された光を出射させることができる。
移動子151の位置と出射させる光の色度との間には対応関係があるため、発光装置1が移動子151の位置を検出する検出部を備え、移動子151の位置の検出結果に基づいて調色すると、より精密に調色を行える。
(色度変化例)
図5は、発光装置1の色度変化の一例を説明する図である。図5(a)乃至図5(c)は発光装置1の状態を示す図、図5(d)はxy色度図である。
図5に示す例では、第1領域141は、発光素子12が発する光を、CIE1931色度図において色温度5500Kを目標にした色度座標(x,y)=(0.33,0.34)付近の白色(第1色度)に対応する波長の光に変換する。また第2領域142は、発光素子12が発する光を550[nm]以上で590[nm]以下である黄色(第2色度)に対応する波長の光に変換する。
図5(a)では光学部材距離はdaであり、図5(b)では光学部材距離はdbであり、図5(c)では光学部材距離はdcである。なお、da<db<dcである。図5(d)に示すxy色度図は、色度座標x及びyを座標軸にして色度を表示したものである。図5(d)におけるプロット31は図5(a)の状態で混色された光の色度を示し、プロット32は図5(b)の状態で混色された光の色度を示し、プロット33は図5(c)の状態で混色された光の色度を示している。
図5(d)に示すように、混色された光の色度が光学部材距離に応じて変化する。図5(d)における色度変化30は、プロット31、32及び33を結んだ線に沿う直線状に近い変化になる。アクチュエータ15は光学部材距離を任意に変化可能であるため、発光装置1は光学部材距離の変化に応じて光の色度を任意に変化させることができる。
(発光装置1の作用効果)
以上説明したように、発光装置1は、発光素子12(発光部)と、発光素子12が発する光を透過させる波長変換板14(光学部材)と、発光素子12と波長変換板14との間の距離を変化させるアクチュエータ15(可変機構)とを有する。アクチュエータ15は、発光素子12の光軸12cに沿う方向に発光素子12と波長変換板14との間の距離を変化させる。
波長変換板14は、第1色度の光121を取り出し可能な第1領域141と、第1色度とは異なる第2色度の光122を取り出し可能な第2領域142とを含み、発光素子12が発する光のうち、第1領域141及び第2領域142のそれぞれを透過して混色された光を取り出し可能である。
本実施形態では、発光素子12と波長変換板14との間の光学部材距離をアクチュエータ15により変化させることで、光学部材距離に応じて、第1色度の光121と第2色度の光122との間での光強度の比が変化するため、混色された光の色度を変化させる。発光装置1は、アクチュエータ15による光学部材距離の変化に応じて、光の色度を任意に変化させることができる。これにより、光の調色の自由度が高い発光装置を提供できる。
また、本実施形態では、第1領域141は、発光素子12が発する光を第1波長の光に変換する波長変換部材を含み、第2領域142は、発光素子12が発する光を第2波長の光に変換する波長変換部材を含む。本実施形態において、第1波長と第2波長とは異なっていてもよいし、同じであってもよい。第1波長と第2波長とが異なる場合は、例えば第1領域の波長変換部材と第2領域の波長変換部材とにそれぞれ異なる波長変換物質が含まれる。第1波長と第2波長とが同じである場合は、例えば第1領域の波長変換部材と第2領域の波長変換部材とにそれぞれ含まれる波長変換物質が同一で、かつ濃度が異なっていてもよい。また、第1領域の波長変換部材と第2領域の波長変換部材とにそれぞれ含まれる波長変換物質が複数種類かつ同一の場合、第1領域と第2領域とにそれぞれ含まれる波長変換物質の配合比が異なっていてもよい。
第1領域141及び第2領域142の各領域に含まれる波長変換部材には、様々な波長に変換するものを選択できるため、各波長変換部材が変換した光を混色させることで、光の調色の自由度をさらに高めることができる。また、波長変換部材は発光素子12が発する光をより拡散させるため、混色した光の色ムラ又は照度ムラを好適に抑制できる。
また本実施形態では、第2領域142は、第1領域141の周囲に設けられている。これにより、例えば第1領域141が含まれる平面内において、第2領域142で変換された光と第1領域141で変換された光の混色の異方性が抑制されるため、発光装置1で調色される光の色ムラを抑制できる。色ムラを抑制する観点では、第2領域142は、第1領域141の周囲に第1領域141を囲むように設けられていることが好ましい。
また本実施形態では、第1色度として白色の光、また第2色度として黄色の光を例示したが、これに限定されるものではなく、発光装置1の用途に応じて第1色度及び第2色度を適宜選択可能である。
さらに、本実施形態は、第2領域142が、発光素子12が発する光を波長変換させずに通過させる通過部を含んでいてもよい。通過部は、発光素子12が発する光のうち、少なくとも可視光の波長に対して光透過性を有する材料を含む。可視光の波長は380[nm]以上で780[nm]以下である。
第2領域142は、発光素子12が発し、通過部を通過する光を第2色度の光として取り出し可能である。第2領域142は、例えばガラス、ポリカーボネートやシリコーン等の樹脂である。
このとき波長変換板14は、可視光に対して光透過性を有する素材を含んで構成された板状部材の第1領域141に対応する位置に形成された貫通孔に、第1領域141を構成する部材を嵌め込むこと等により製作できる。
なお、第1領域141が、発光素子12が発する光を波長変換させずに通過させる通過部を含む構成とすることもできる。すなわち、第1領域141又は第2領域142の何れか一方のみが波長変換物質を含む波長変換板を用いることもできる。
<第1実施形態の第1変形例>
次に、第1実施形態の第1変形例に係る発光装置1aについて説明する。なお、上述した実施形態で説明したものと同一の構成部には、同じ符号を付し、重複する説明を適宜省略する。この点は、以降に示す各実施形態及び変形例においても同様とする。
(発光装置1aの構成例)
図6は、発光装置1aの構成の一例を示す断面図である。図6(a)は色変化前を示す図、図6(b)は色変化後を示す図である。図6は、発光装置1aが有するフィルタ板の第1領域と第2領域とを含む断面を示している。
図6に示すように、発光装置1aは、フィルタ板14aと、LED12aとを有する。フィルタ板14aは、第1色度の光を取り出し可能な第1領域141aと、第1色度とは異なる第2色度の光を取り出し可能な第2領域142aとを含み、LED12aが発する光を透過又は通過させる光学部材の一例である。
第1領域141aは、板状に形成されたフィルタ板14aの中央部分に設けられ、LED12aが発する光を通過させる貫通孔である通過部を含む。この通過部は、平面視が略矩形状に形成されている。第1領域141aは、LED12aが発し、第1領域141aを通過する光を第1色度の光として取り出し可能である。図6では、第1色度の光121aを実線で表示している。
第2領域142aは、フィルタ板14aにおける第1領域141aの周囲に第1領域141aを囲むように設けられ、平面視における外形が略矩形状に形成された領域である。第2領域142aは、LED12aが発する光のうち、第2波長の光を透過させるカラーフィルタを含む。第2領域142aは、カラーフィルタを透過した第2波長の光を第2色度の光として取り出し可能である。図6では、第2色度の光122aを一点鎖線で表示している。
第2領域142aに含まれるカラーフィルタは、例えばシリコーン等の樹脂やガラスを母材として、金属酸化物を含む無機化合物や有機化合物からなる色素物質を含有する部材である。色素物質は、LED12aが発する一次光の少なくとも一部を吸収して、一次光に含まれる波長のうちの一部の波長を含む二次光を透過させる部材である。
フィルタ板14aは、カラーフィルタを含む板状部材に、第1領域141aに対応する貫通孔を形成することで製作できる。
LED12aは、光を発する発光部の一例であり、発光部実装基板11の+Z方向側の面に実装される。LED12aは、例えば白色光を発光する。LED12aは、少なくとも一対の極性の異なる電極128を有する発光素子125と、発光素子125上に配置され、波長変換物質を含有する波長変換部材126と、発光素子125の側面及び波長変換部材126の側面を少なくとも覆う光反射性の被覆部材127とを少なくとも備える。LED12aの平面視の形状は、例えば一辺が1mm以上3mm以下の正方形である。
LED12aが備える発光素子125には、第1実施形態で示した発光素子12と同様のものを使用できる。またLED12aが備える波長変換部材126には、第1実施形態で示した波長変換板14に含まれる波長変換部材と同様のものを使用できる。LED12aが備える発光素子125の平面視の形状及びLED12aが備える波長変換部材126の平面視の形状は、例えば一辺が0.5mm以上2mm以下の正方形である。平面視において、波長変換部材126のサイズは発光素子125と同等又は大きいことが好ましい。
被覆部材127は、発光素子125からの光を上面側(+Z方向)側に取り出すために光反射性を有することが好ましく、平面視において外周の幅が50μm以上であることが好ましい。被覆部材127は、例えば、発光素子125の発光ピーク波長に対する光反射率が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらにより好ましい。また、被覆部材127は、白色であることが好ましく、被覆部材127の母材中に、例えば酸化チタン、酸化マグネシウムなどの白色顔料を含有してなることが好ましい。被覆部材127の母材は、例えばシリコーン、エポキシ、フェノール、ポリカーボネート、アクリル等の樹脂又はこれらの変性樹脂が挙げられる。
なお、発光装置1aが有する発光部は、LED12aに限定されるものではなく、キセノンランプ等の各種光源を利用可能であるが、フィルタ板14aが多様な波長の光を選択的に透過させるために、白色光を発するものが好ましい。
(発光装置1aにおける調色)
図6(a)では、フィルタ板14aの-Z方向側の面とLED12aの+Z方向側の面との間の光学部材距離はd1である。この状態では、LED12aが発する光はほぼ全て第1領域141aを通過する。発光装置1aは、第1領域141aが取り出した第1色度の光を出射させる。
図6(b)は、アクチュエータ15の駆動により、フィルタ板14aが図6(a)の状態から+Z方向に上昇した後、停止した状態を示している。光学部材距離はd2(d2>d1)である。この状態では、LED12aが発する光のうちの一部は第1領域141aを通過し、他の一部は第2領域142aを透過する。
発光装置1aは、第1領域141aが取り出した第1色度の光と、第2領域142aが取り出した第2色度の光とが混色された光を出射させる。光学部材距離に応じて、第1色度の光121aと第2色度の光122aとの間での光強度の比が変化するため、混色された光の色度が変化する。発光装置1aは、光学部材距離を変化させることで、混色された光の色度を調色でき、調色された光を出射させることができる。
(発光装置1aの作用効果)
以上説明したように、発光装置1aは、LED12a(発光部)と、LED12aが発する光を透過又は通過させるフィルタ板14a(光学部材)と、LED12aとフィルタ板14aとの間の距離を変化させるアクチュエータ15(可変機構)とを有する。アクチュエータ15は、LED12aの光軸12acに沿う方向にLED12aとフィルタ板14aとの間の距離を変化させる。
フィルタ板14aは、第1色度の光121aを取り出し可能な第1領域141aと、第1色度とは異なる第2色度の光122aを取り出し可能な第2領域142aとを含み、LED12aが発する光のうち、第1領域141aを通過した光と、第2領域142aを透過した光と、が混色された光を取り出し可能である。
発光装置1aは、LED12aとフィルタ板14aとの間の距離をアクチュエータ15により変化させることで、混色された光の色度を変化させる。発光装置1aは、アクチュエータ15による光学部材距離の変化に応じて、光の色度を任意に変化させることができる。これにより、光の調色の自由度が高い発光装置を提供できる。
また本実施形態では、カラーフィルタを含んでフィルタ板14aを構成するため、光学部材を安価且つ簡単に製作できる。
<第1実施形態の第2変形例>
次に、図7は、第1実施形態の第2変形例に係る発光装置1bの構成の一例を示す断面図である。図7(a)は色変化前を示す図、図7(b)は色変化後を示す図である。図7は、発光装置1bが有するフィルタ板の第1領域と第2領域とを含む断面を示している。
図7に示すように、発光装置1bはフィルタ板14bを有する。フィルタ板14bは、第1領域141bと、第2領域142bとを含む。
第1領域141bは、板状に形成されたフィルタ板14bの中央部分に設けられ、LED12aが発する光のうち、第1波長の光を透過させるカラーフィルタを含む。第1領域141bは、平面視が略矩形状に形成されている。第1領域141bは、LED12aが発し、第1領域141bを透過する光を第1色度の光として取り出し可能である。図7では、第1色度の光121bを一点鎖線で表示している。
第2領域142bは、フィルタ板14bにおける第1領域141bの周囲に第1領域141bを囲むように設けられ、平面視における外形が略矩形状に形成された領域である。第2領域142bは、LED12aが発する光を波長変換させずに通過させる通過部を含む。第2領域142bに含まれる通過部は、LED12aが発する光のうち、少なくとも可視光の波長に対して光透過性を有する材料を含む。可視光の波長は380[nm]以上で780[nm]以下である。
第2領域142aは、LED12aが発し、通過部を通過する光を第2色度の光として取り出し可能である。第2領域142aは、例えばガラス、ポリカーボネートやシリコーン等の樹脂である。図7では、LED12aの光及び第2色度の光122bを実線で表示している。
フィルタ板14bは、可視光に対して光透過性を有する素材を含んで構成された板状部材の第1領域141bに対応する位置に形成された貫通孔に、第1領域141bを構成する部材を嵌め込むこと等により製作できる。
発光装置1bにおける調色作用及び効果は、発光装置1aと同様である。なお、本変形例に係る発光装置1bと第1変形例に係る発光装置1aでは、第1領域又は第2領域の何れか一方がカラーフィルタを含むフィルタ板を例示したが、第1領域又は第2領域の両方がカラーフィルタを含むフィルタ板を用いることもできる。また、第1領域又は第2領域の何れか一方がカラーフィルタを含むフィルタ板であり、他方が波長変換物質を含む波長変換板を用いることもできる。
<第1実施形態の第3変形例>
図8は、第1実施形態の第3変形例に係る発光装置1cの構成の一例を示す断面図である。図8(a)は色変化前を示す図、図8(b)は色変化後を示す図である。図8は、発光装置1cが有する波長変換板の第1領域と第2領域とを含む断面を示している。
図8に示すように、発光装置1cは、光拡散部16を有する。光拡散部16は、波長変換板14を挟んで発光素子12とは反対側に設けられ、波長変換板14を透過又は通過した光を拡散させる。
光拡散部16は、金属又は樹脂材料を含んで構成され、発光素子12が発する光の波長と同程度以上の幅及び高さで、幅及び高さが位置によりランダムに異なる凹凸形状を有する板状部材である。凹凸形状は、光拡散部16を透過する光を拡散させる。
但し、光拡散部16は、上記のものに限定されず、透過する光を拡散させるものであれば如何なるものであってもよい。例えば散乱性粒子を含有する樹脂材料を含んで構成されてもよい。
発光装置1cにおける調色作用は、上述した発光装置1と同様である。
(発光装置1cの作用効果)
光拡散部16を透過した光は、光拡散部16の光拡散作用により、波長変換板14を透過した光に対して光拡散性がより高くなる。これにより、波長変換板14を透過して混色された光の色ムラ又は照度ムラを抑制できる。
図8では、発光装置1cが波長変換板14を備える構成を例示したが、発光装置1cは波長変換板14に代えてフィルタ板を備えてもよい。フィルタ板は波長変換板に対して光拡散性が低いため、混色した光の色ムラ又は照度ムラが大きくなりやすいが、光拡散部16を設けることで、これらを好適に抑制できる。
また、光拡散部16を設ける代わりに、波長変換板又はフィルタ板の+Z方向側又は-Z方向側の少なくとも一方の面に凹凸形状等を形成して面を荒らすことで、光拡散性を高め、混色された光の色ムラ又は照度ムラを抑制することもできる。また、波長変換板又はフィルタ板の第1領域又は第2領域の少なくとも一方が、散乱性粒子を含有する樹脂材料を含んで構成されてもよい。
また、光拡散部16は、発光装置1cのカバーとしての機能も有するため、光拡散部16を設けることで、発光装置1c内への異物の混入等を防ぐとともに、発光装置1cの美観を向上させることもできる。
[第2実施形態]
(発光装置1dの構成例)
図9は、第2実施形態に係る発光装置1dの構成の一例を示す断面図である。図9(a)は色変化前を示す図、図9(b)は色変化後を示す図である。図9は、発光装置1dが有する波長変換板の第1領域と第2領域とを含む断面を示している。
図9に示すように、発光装置1dは、フレネルレンズ17と、アクチュエータ15dとを有する。
フレネルレンズ17は、発光素子12と波長変換板14との間に配置され、発光素子12からの光の配光を定める発光側配光部材の一例であり、また発光側配光部材に含まれるレンズの一例である。
フレネルレンズ17は、レンズの曲面が略同心円形状の領域に分割され、所望の厚み内に折り畳まれるように形成されたレンズである。図9に示すように、フレネルレンズ17は、のこぎり刃状の断面形状を有する。またフレネルレンズ17は、発光素子12の光軸12c周りに軸対称の略同心円形状を有する。
発光装置1dの用途に応じてフレネルレンズ17の配光特性等の光学特性を適宜選択できる。フレネルレンズ17の光学特性は、略同心円形状における円の幅又は高さ等により決定できる。このようなフレネルレンズ17は、樹脂材料の射出成形加工等により製作可能である。
フレネルレンズ17は、波長変換板14の-Z方向側の面に密着するように設けられている。但し、フレネルレンズ17が波長変換板14の-Z方向側の面に接着剤等で接着され、フレネルレンズ17と波長変換板14が一体に構成されてもよい。
発光素子12が発した光は、フレネルレンズ17に入射し、フレネルレンズ17による屈折又は回折で伝搬方向が変化した後、波長変換板14に入射する。波長変換板14に含まれる第1領域141及び第2領域142のそれぞれで変換された光が混色される。
アクチュエータ15dは、発光素子12とフレネルレンズ17との間の距離を変化させる可変機構の一例である。アクチュエータ15dは、発光素子12とフレネルレンズ17との間の距離を変化させることで、混色された光の色度を変化させる。アクチュエータ15dの構成はアクチュエータ15と同様であり、距離を変化させる対象がアクチュエータ15とは異なっている。
(発光装置1dの作用効果)
本実施形態では、発光素子12と波長変換板14との間にフレネルレンズ17(発光側配光部材)を設けることで、フレネルレンズ17を透過した光の配光角を変化させる。これにより、発光装置1dにより調色された光の配光角を変化させることができる。また、発光素子12の光軸12cに対してフレネルレンズ17の略同心円形状を偏心させ、調色された光を出射させる方向を変化させることもできる。
また、発光素子12と波長変換板14との間にフレネルレンズ17を配置することで、発光素子12が発する光の広がりを抑制できるため、波長変換板14の面積を小さくでき、発光装置1dを小型化できる。またアクチュエータ15dにより波長変換板14を移動させる距離を、フレネルレンズ17を配置しない場合と比較して短くできるため、この点でも発光装置1dを小型化できる。
なお、上記以外の効果は第1実施形態で示したものと同様である。
また、本実施形態では、フレネルレンズ17が波長変換板14の-Z方向側の面に密着するように設けられた構成を例示したが、これに限定されるものではなく、発光素子12と波長変換板14との間であれば任意の位置に配置できる。つまり、波長変換板14の位置を固定しておき、フレネルレンズ17がアクチュエータ15dにより発光素子12と波長変換板14との間で移動することもできる。
また本実施形態では、発光側配光部材の一例としてフレネルレンズ17を例示したが、これに限定されるものではなく、平凸レンズ、両凸レンズ又はメニスカスレンズ、或いはこれらを組み合わせた組レンズ等の各種レンズを発光側配光部材として使用できる。但し、フレネルレンズ17を用いると、レンズの厚みを低減できるため、発光装置1dの小型化の観点でより好適である。
また本実施形態では、発光装置1dが波長変換板14を有する構成を例示したが、波長変換板14に代えてフィルタ板14a又は14bを有する構成であってもよい。また発光装置1dは、光拡散部16を必ずしも備えなくてよい。
また、フレネルレンズ17を設ける代わりに、波長変換板14の発光素子12側の面(-Z方向側の面)の少なくとも一部に略同心円形状を形成し、この面をフレネルレンズとして機能させることもできる。この場合には、波長変換板14は、平面視で発光素子12と重なり、波長変換板14の発光素子12側の面に発光素子12からの光の配光を定める配光部を含んでいる。つまり波長変換板14は、波長変換板14の発光素子12側の面に、フレネルレンズの略同心円形状を有する。
ここで、図10は、第2実施形態の変形例に係る発光装置1daの構成の一例を示す断面図であり、図10(a)は色変化前の図、図10(b)は色変化後の図である。このような構成でも、発光装置1dと同様の作用効果が得られる。
[第3実施形態]
(発光装置1eにおける配光角と色度の関係)
次に図11は、第3実施形態に係る発光装置1eにおける配光角と色温度の関係の第1例を示す図である。図11に示したφ軸は、発光装置1eが出射させる光の配光角を示し、K軸は、発光装置1eが出射させる光の色温度を示す。+φ方向は配光角が広くなる方向を示し、-φ方向は配光角が狭くなる方向を示す。+K方向は色温度が高くなる方向を示し、-K方向は色温度が低くなる方向を示す。
また、図11は、発光装置1eが有する構成の一部のみを表示し、光の配光角φ及び色温度Kがそれぞれ異なる4つの状態を、発光装置1ea、1eb、1ec及び1edとして表示している。
図11に示すように、発光装置1eは、フレネルレンズ18を有する。フレネルレンズ18は、波長変換板14を透過又は通過した光の配光を定める照射側配光部材の一例である。
フレネルレンズ18は、波長変換板14を挟んで発光素子12とは反対側に設けられ、アクチュエータ15とは別のアクチュエータにより、Z軸に沿って移動可能である。フレネルレンズ18の構成は、第2実施形態で示したフレネルレンズ17と同様であり、配置される位置がフレネルレンズ17とは異なっている。
フレネルレンズ18は、発光素子12が発し、波長変換板14を透過又は通過した後の光の配光を変化させることで、発光装置1dにより調色された光の配光角を変化させる。
ここで、フレネルレンズ18の中心における半球状領域の頂点と、波長変換板14のフレネルレンズ18側の面との距離をレンズ距離という。図11に示すように、発光装置1eaにおけるレンズ距離haは、発光装置1ebにおけるレンズ距離hbと等しく、発光装置1ecにおけるレンズ距離hcは、発光装置1edにおけるレンズ距離hdと等しい。レンズ距離hcは、レンズ距離haより長い。従って、レンズ距離が長いほど、発光装置1eにより調色された光の配光角は狭くなる。
一方、発光装置1eaにおける光学部材距離deaは、発光装置1ecにおける光学部材距離decと等しく、発光装置1ebにおける光学部材距離debは、発光装置1edにおける光学部材距離dedと等しい。光学部材距離deaは、光学部材距離debより長い。従って、光学部材距離が長いほど、発光装置1eにより調色された光の色温度は低くなる。
図12は、発光装置1eが出射させる光の配光角と色温度の関係の第2例を示すイメージ図であり、発光装置1eが出射させる光束を発光装置1eの出射方向側から見たときのイメージ図を示している。詳細には、図12は、発光装置1ea、1eb、1ec及び1edそれぞれの状態において出射された光の配光角φ及び色温度Kをイメージ図として表示している。
図12において、発光装置1ec及び発光装置1edに示すイメージ図は、発光装置1ea及び発光装置1ebに示すイメージ図と比較して、光束の直径が小さくなり、配光角が狭くなっている。図12において、発光装置1ea及び発光装置1ecに示すイメージ図は、発光装置1eb及び発光装置1edに示すイメージ図と比較して、光束の色味は赤みがかり、色温度が低くなっている。
(発光装置1eの作用効果)
以上説明したように、本実施形態では、波長変換板14(光学部材)を挟んで発光素子12(発光部)とは反対側に、波長変換板14を透過又は通過した光の配光を定めるフレネルレンズ18(照射側配光部材)を設けている。
レンズ距離を変化させることで、配光角φを変化させることができ、また光学部材距離を変化させることで色温度を変化させることができる。これにより、発光装置1eは、調色の自由度を高くするとともに所望の配光角で光を出射できる。
なお、本実施形態では、アクチュエータ15とは別のアクチュエータにより、フレネルレンズ18をZ軸に沿って移動させ、レンズ距離を変化させる構成を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、フレネルレンズ18を固定し、波長変換板14をZ軸に沿って移動させることで、レンズ距離を変化させてもよい。またフレネルレンズ18と波長変換板14を一体にしてアクチュエータ15により移動させてもよい。
また本実施形態では、発光装置1eが波長変換板14を有する構成を例示したが、波長変換板14に代えてフィルタ板14a又は14bを有する構成であってもよい。
また、上記以外の効果は第1実施形態で示したものと同様である。
<第3実施形態の変形例>
図13は、第3実施形態の変形例に係る発光装置1fの構成の一例を示す断面図である。図13(a)は色変化前を示す図、図13(b)は色変化後を示す図である。図13は、発光装置1fが有する波長変換板の第1領域と第2領域とを含む断面を示している。
図13に示すように、発光装置1fは、アレイレンズ19を有する。アレイレンズ19は、波長変換板14を透過又は通過した光の配光を定める照射側配光部材の一例である。
アレイレンズ19は、波長変換板14を挟んで発光素子12とは反対側に設けられている。またアレイレンズ19は、アクチュエータ15により、波長変換板14と一体にしてZ軸に沿って移動可能である。ここで、アレイレンズ19と波長変換板14とが一体であるとは、アレイレンズ19と波長変換板14とが離隔している状態と接している状態とを含む。
アレイレンズ19は、2次元配列した複数のレンズを含む光学素子である。複数のレンズの個数、間隔又は配置、或いは個々のレンズの直径、曲率半径又は形状等は、発光装置1fの用途に応じて適宜選択可能である。またアレイレンズ19は、ガラス又は樹脂等の材料を用いて製作できる。
このように、波長変換板14を挟んで発光素子12とは反対側にアレイレンズ19を設けることで、発光装置1fが出射させる光の配光を、例えばランバート配光等から変化させることができる。また発光装置1fの内部が見えなくなるため、発光装置1fの美観を向上させることもできる。
なお、本実施形態では、アクチュエータ15により、波長変換板14とアレイレンズ19が一体にZ軸に沿って移動する構成を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、アクチュエータ15とは別のアクチュエータにより、波長変換板14とは独立してアレイレンズ19をZ軸に沿って移動可能にしてもよい。また本実施形態では、発光装置1fが波長変換板14を有する構成を例示したが、波長変換板14に代えてフィルタ板14a又は14bを有する構成であってもよい。
また、上記以外の効果は第1実施形態で示したものと同様である。
[第4実施形態]
(発光装置1gの色度変化例)
次に図14は、第4実施形態に係る発光装置1gの色度変化の一例を示す図である。図14(a)乃至図14(c)は発光装置1gの状態を示す図、図14(d)はxy色度図である。図14(a)乃至図14(c)では、発光素子12が発する光を実線で表示し、第1色度の光121を破線で表示している。
図14に示すように、発光装置1gは、波長変換板14gを有する。また、波長変換板14gは、第1領域141gと、第2領域142gと、第3領域143gとを有する。第2領域142gは第1領域141gを囲むように設けられ、第3領域143gは第2領域142gを囲むように設けられている。
第3領域143gは、第1領域141gが取り出す第1色度、及び第2領域142gが取り出す第2色度のそれぞれとは異なる第3色度の光を取り出し可能である。波長変換板14gは、第1領域141g、第2領域142g及び第3領域143gのそれぞれを透過又は通過して混色された光を取り出し可能である。図14(a)乃至図14(c)では、発光素子12が発する光を実線で表示し、第1色度の光を破線で表示し、第2色度の光を点線で表示し、第3色度の光を一点鎖線で表示している。
図14に示す例では、第1領域141gは、発光素子12が発する光を、CIE1931色度図において色温度5500Kを目標にした色度座標(x,y)=(0.33,0.34)付近の白色(第1色度)に対応する波長の光に変換する。また第2領域142gは、発光素子12が発する光を550[nm]以上で590[nm]以下である黄色(第2色度)に対応する波長の光に変換する。また第3領域143gは、発光素子12が発する光を640[nm]以上で770[nm]以下である赤色(第3色度)に対応する波長の光に変換する。
アクチュエータ15は、発光素子12と波長変換板14gとの間の距離を変化させることで、混色された光の色度を変化させる。図14(a)では光学部材距離はdaであり、図14(b)では光学部材距離はdbであり、図14(c)では光学部材距離はdcである。図14(d)におけるプロット41は、図14(a)の状態で混色された光の色度を示し、プロット42は、図14(b)の状態で混色された光の色度を示し、プロット43は、図14(c)の状態で混色された光の色度を示している。
図14(d)に示すように、混色された光の色度が光学部材距離に応じて変化する。ここで、図14(d)に示す黒体放射軌跡50は、外部からの光エネルギーを完全に吸収し、全てのエネルギーを100[%]放射する理想的な物体(黒体)を熱していった場合に放射される光の色度変化を示すものである。上述した図5(d)に示した発光装置1の色度変化30では、プロット31、32及び33はほぼ線形に変化するため、黒体放射軌跡50の曲線からずれる。
これに対し、本実施形態では、第2領域142gの周囲に赤色の光を取り出し可能な第3領域143gを設けている。そのため、光学部材距離が長くなると、発光素子12が発する光は第3領域143gに到達し、第3領域143gは赤色の光を取り出す。これにより、発光装置1gが出射させる光の色は赤色側にシフトする。その結果、混色された光の色度変化40は、黒体放射軌跡50に沿う変化となる。
(発光装置1gの作用効果)
以上説明したように、本実施形態では、波長変換板14gは、第1色度及び第2色度のそれぞれとは異なる第3色度の光を取り出し可能な第3領域143gを含み、第1領域141g、第2領域142g及び第3領域143gのそれぞれを透過して混色された光を取り出し可能である。
アクチュエータ15は、発光素子12と波長変換板14gとの間の距離を変化させることで、混色された光の色度を変化させる。この光の色度変化40は、黒体放射軌跡50に沿う。これにより、発光装置1gは、黒体放射軌跡50に沿って色度が変化する光を取り出し、出射させることができる。
また、本実施形態では、発光装置1gがフレネルレンズ等の発光側配光部材を備えない構成を例示したが、発光装置1gはこれを備えてもよい。この場合には、アクチュエータ15は、発光素子12と発光側配光部材との間の距離を変化させることで、混色された光の色度を変化させる。この光の色度変化は黒体放射軌跡に沿う。これにより、上述した発光装置1gと同様の作用効果を得ることができる。
また、発光装置1gは、光拡散部、又はアレイレンズ等の照射側配光部材を備えることもできる。
[第5実施形態]
次に、図15は、第5実施形態に係る発光装置1hを説明する図である。図15(a)はフィルタ板14aを示す図、図15(b)は波長変換板14を示す図、図15(c)及び図15(d)はxy色度図である。
発光装置1hは、複数の光学部材を着脱可能に構成されており、フィルタ板14aと波長変換板14とを相互に交換できるようになっている。例えば色温度を調整する用途では、LEDが発する白色の光を取り出し可能な第1領域と、LEDが発する光を透過して黄色(暖色)の光を取り出し可能な第2領域とを含むフィルタ板14aを発光装置1hに装着する。
一方、色被り対策等の他の用途では、マゼンタの光を取り出し可能な第1領域と、グリーンの光を取り出し可能な第2領域を含む波長変換板14とを発光装置1hに装着する。なお色被りとは、写真全体の色調が特定の色に偏っている状態をいう。
発光装置1hは、フィルタ板14aを装着した場合には、図15(c)に示すように、白色から黄色までの色度変化60に沿って調色できる。また発光装置1hは、波長変換板14を装着した場合には、図15(d)に示すように、マゼンタからグリーンまでの色度変化70に沿って調色できる。
発光装置1hの構成により、さらに自由度が高い調色を行うことができる。なお、第5実施形態は、上述した各実施形態と組み合わせることもできる。
以上、好ましい実施形態等について詳説したが、上述した実施形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
なお、第1領域は、発光部が発する光を通過させる通過部を含み、また第2領域は、発光部が発する光を透過させる透過部を含んでもよい。
本発明の発光装置は、照明、カメラのフラッシュライト、車載のヘッドライト等に好適に利用できる。但し、本発明の発光装置はこれら用途に限定されるものではない。