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JP7748508B1 - ケイ酸アルカリ水溶液の製造方法 - Google Patents

ケイ酸アルカリ水溶液の製造方法

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JP7748508B1 JP2024106877A JP2024106877A JP7748508B1 JP 7748508 B1 JP7748508 B1 JP 7748508B1 JP 2024106877 A JP2024106877 A JP 2024106877A JP 2024106877 A JP2024106877 A JP 2024106877A JP 7748508 B1 JP7748508 B1 JP 7748508B1
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Abstract

【課題】もみ殻灰を原料としたケイ酸アルカリ水溶液の製造において、シリカの利用率を高める。
【解決手段】本発明のケイ酸アルカリ水溶液の製造方法は、もみ殻灰を原料としてケイ酸アルカリ水溶液のスラリーを調製し、スラリーを残渣物とケイ酸アルカリ水溶液に固液分離し、残渣物を水洗し、水洗で得られた洗浄後溶液を次サイクルのスラリー調製用の原料に追加するサイクルを繰り返すことを含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、ケイ酸アルカリ水溶液の製造方法に関する。
湿式法シリカの原料として、ケイ酸ナトリウム水溶液が使用されている。ケイ酸ナトリウム水溶液は、一般的には、天然の砂(例えば、珪砂、珪石および珪酸塩白土など)、水酸化ナトリウムおよび水(水酸化ナトリウム水溶液を使用する場合を含む)を概ね70℃以上の高温下で混合することで、下記の反応式に従って製造される。
・化学反応式
2NaOH+nSiO2 → Na2O・nSiO2+H2O n:モル比
(ケイ酸ナトリウム水溶液)
地球環境を守るため持続可能な社会の実現が求められる昨今、ケイ酸ナトリウム水溶液の製造において、天然の砂に替えて、持続的に再生が可能なシリカ材料が検討されており、その1つが、バイオマスボイラやバイオマス発電で、シリカ成分の多いもみ殻原料を燃焼させた際に生じるもみ殻灰である(特許文献1及び2)。
原料としてもみ殻灰を使用した場合、得られる水溶液は、通常、アルカリ金属成分としてナトリウムに加えてもみ殻灰由来のカリウムを含有する。したがって、これ以降の説明では、アルカリ金属成分が特にナトリウムに限定されているケイ酸化合物を「ケイ酸ナトリウム」(Na2O・nSiO2)と称し、ナトリウム以外のアルカリ金属成分を含むケイ酸化合物を一般に「ケイ酸アルカリ」と称する。本発明および本明細書において、ケイ酸アルカリはケイ酸ナトリウムを含む意味である。ケイ酸ナトリウムおよびケイ酸アルカリの品質を表す指標として使用される「モル比」は、ケイ酸ナトリウムの場合には「SiO2/Na2Oモル比」を意味し、ケイ酸アルカリの場合には「SiO2/(Na2O+K2O)モル比」(すなわち、酸化ナトリウム及び酸化カリウムの合計モル量に対するシリカのモル量の比)を意味する。
特表2007-510613号公報 特表2007-522069号公報
もみ殻灰をシリカ源とする場合、ケイ酸アルカリ水溶液は、もみ殻灰、水酸化ナトリウムおよび水を混合して、所定のシリカ濃度及びモル比のケイ酸アルカリ水溶液を含むスラリーを調製し、スラリーを固液分離に供してスラリーからケイ酸アルカリ水溶液を分離することで得られる。従来、固液分離後の残渣物はそのまま廃棄されている。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、残渣物中には、固形分質量のおよそ2~5倍質量のケイ酸アルカリ水溶液が残留していることが判明した。湿式法シリカの製造に使用される一般的なケイ酸アルカリ水溶液において、モル比は概ね3.0~4.0でありかつシリカ濃度は概ね13~28質量%である。これらの値は比較的高く、残渣物の廃棄により、相当量のシリカが、固形分に付随してケイ酸アルカリ水溶液として廃棄されていることになる。
そこで、資源の無駄を削減するために、原料として用意されたもみ殻灰中の総シリカ量に対する利用されたシリカ量の割合(シリカの利用率)を高めることが望まれる。
本発明は、もみ殻灰を原料としたケイ酸アルカリ水溶液の製造において、シリカの利用率を高めることができる、ケイ酸アルカリ水溶液の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題は、ケイ酸アルカリ水溶液の製造過程で生じる固液分離後の残渣物からシリカを回収し、回収したシリカをケイ酸アルカリ水溶液の製造原料として使用することにより、解決できた。具体的には、下記[1]の発明により、好ましくは[2]以降の発明により、上記課題は解決された。
[1]
下記工程(A)~(C)を1回以上繰り返すことを含み、SiO2/(Na2O+K2O)モル比が3.0~4.0の範囲でありかつシリカ濃度が13~28質量%の範囲である目的のケイ酸アルカリ水溶液を得る、ケイ酸アルカリ水溶液の製造方法:
・工程(A)
下記原料(1)~(3)を混合して又は下記原料(1)~(4)を混合して、もみ殻灰から抽出されたシリカを含むケイ酸アルカリ水溶液を含むスラリーを調製する工程、
(1) もみ殻灰、
(2) 工程(C)から供給されたケイ酸アルカリ水溶液、
(3) 水酸化ナトリウム、
(4) 水、
・工程(B)
工程(A)で調製したスラリーをケイ酸アルカリ水溶液及び残渣物に固液分離し、目的のケイ酸アルカリ水溶液を得る工程、
・工程(C)
工程(B)で得られた残渣物を水洗し、洗浄後溶液の少なくとも一部を原料(2)として工程(A)に供給する工程。
[2]
工程(A)において、原料は、下記(a)及び(b)を満たす割合で配合される、[1]に記載の製造方法:
(a) 原料(1)の組成比に基づくシリカ量及び酸化カリウム量、原料(2)から供給されるシリカ量、酸化ナトリウム量及び酸化カリウム量、並びに原料(3)の酸化ナトリウム換算量に基づいて算出されるSiO2/(Na2O+K2O)モル比が、目的のケイ酸アルカリ水溶液のSiO2/(Na2O+K2O)モル比以上である、
(b) 原料(1)の組成比に基づくシリカ量、原料(2)から供給されるシリカ量、及び原料中の水の量に基づいて算出されるシリカ濃度が、目的のケイ酸アルカリ水溶液のシリカ濃度以上である。
[3]
工程(C)において、水洗時の水量が、水洗後溶液のシリカ濃度が0.5~15質量%となる量である、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]
原料(1)が、シリカ含有量が80質量%以上であるもみ殻灰である、[1]~[3]のいずれか1項に記載の製造方法。
[5]
工程(A)~(C)においてシリカ系鉱物を添加しない、[1]~[4]のいずれか1項に記載の製造方法。
[6]
工程(B)及び工程(C)における固液分離が、圧力0.15~0.8MPaの条件で加圧ろ過を実施することを含む、[1]~[5]のいずれか1項に記載の製造方法。
[7]
前記加圧ろ過がフィルタプレスにより実施される、[6]に記載の製造方法。
[8]
工程(B)及び工程(C)における固液分離が、前記加圧ろ過の後、圧力0.15~0.8MPaの条件で残渣物を圧搾することを含む、[6]又は[7]に記載の製造方法。
[9]
工程(A)のスラリーの調製を、温度105~300℃かつ圧力0.20~8.60MPaの条件下で行う、[1]~[8]のいずれか1項に記載の製造方法。
[10]
工程(A)のスラリーの調製において、もみ殻灰中のシリカの溶解率が80質量%以上となるように混合物の温度及び溶解時間を調整する、[1]~[9]のいずれか1項に記載の製造方法:
ここで、もみ殻灰中のシリカの溶解率は、下記式2に基づいて算出される。
式2:
[11]
原料(1)のもみ殻灰が、乾燥状態で400~800g/Lの見掛け密度を有しかつ30質量%以下の水分量を有する加工されたもみ殻灰である、[1]~[10]のいずれか1項に記載の製造方法。
[12]
工程(A)において、原料は、下記(a)及び(b)を満たす割合で配合され、
(a) 原料(1)の組成比に基づくシリカ量及び酸化カリウム量、原料(2)から供給されるシリカ量、酸化ナトリウム量及び酸化カリウム量、並びに原料(3)の酸化ナトリウム換算量に基づいて算出されるSiO2/(Na2O+K2O)モル比が、目的のケイ酸アルカリ水溶液のSiO2/(Na2O+K2O)モル比以上である、
(b) 原料(1)の組成比に基づくシリカ量、原料(2)から供給されるシリカ量、及び原料中の水の量に基づいて算出されるシリカ濃度が、目的のケイ酸アルカリ水溶液のシリカ濃度以上である、
工程(C)において、水洗時の水量が、水洗後溶液のシリカ濃度が0.5~15質量%となる量であり、
原料(1)が、シリカ含有量が80質量%以上であるもみ殻灰であり、
工程(A)~(C)においてシリカ系鉱物を添加せず、
工程(B)及び工程(C)における固液分離が、圧力0.15~0.8MPaの条件で加圧ろ過を実施することを含み、
前記加圧ろ過がフィルタプレスにより実施され、
工程(B)及び工程(C)における固液分離が、前記加圧ろ過の後、圧力0.15~0.8MPaの条件で残渣物を圧搾することを含み、
工程(A)のスラリーの調製を、温度105~300℃かつ圧力0.20~8.60MPaの条件下で行い、
工程(A)のスラリーの調製において、もみ殻灰中のシリカの溶解率が80質量%以上となるように混合物の温度及び溶解時間を調整し、ここで、
もみ殻灰中のシリカの溶解率は、下記式2に基づいて算出され、
式2:
原料(1)のもみ殻灰が、乾燥状態で400~800g/Lの見掛け密度を有しかつ30質量%以下の水分量を有する加工されたもみ殻灰である、[1]に記載の製造方法。
本発明のケイ酸アルカリ水溶液の製造方法により、もみ殻灰を原料としたケイ酸アルカリ水溶液の製造において、シリカの利用率を高めることができる。
図1は、参考例1における溶解時間と、シリカ濃度、モル比およびシリカ溶解率との関係を示すグラフである。 図2は、比較例1における溶解時間と、シリカ濃度、モル比およびシリカ溶解率との関係を示すグラフである。 図3は、比較例2における溶解時間と、シリカ濃度、モル比およびシリカ溶解率との関係を示すグラフである。 図4は、本発明における各工程を概略的に示すフロー図である。 図5は、比較例2と比較して、実施例3における溶解時間と、シリカ濃度、モル比およびシリカ溶解率との関係を示すグラフである。
<ケイ酸アルカリ水溶液の製造方法>
本発明のケイ酸アルカリ水溶液の製造方法は、下記工程(A)~(C)を1回以上繰り返すことを含み、SiO2/(Na2O+K2O)モル比が3.0~4.0の範囲でありかつシリカ濃度が13~28質量%の範囲である目的のケイ酸アルカリ水溶液を得る方法である:
・工程(A)
下記原料(1)~(3)を混合して又は下記原料(1)~(4)を混合して、もみ殻灰から抽出されたシリカを含むケイ酸アルカリ水溶液を含むスラリーを調製する工程、
(1) もみ殻灰、
(2) 工程(C)から供給されたケイ酸アルカリ水溶液、
(3) 水酸化ナトリウム、
(4) 水、
・工程(B)
工程(A)で調製したスラリーをケイ酸アルカリ水溶液および残渣物に固液分離し、目的のケイ酸アルカリ水溶液を得る工程、
・工程(C)
工程(B)で得られた残渣物を水洗し、洗浄後溶液の少なくとも一部を原料(2)として工程(A)に供給する工程。
本発明の製造方法では、工程(A)から工程(C)までの一連の工程を1サイクルとして、これを1回以上繰り返して複数回実施する。繰り返し回数は、生産性や作業効率、装置のメンテナンスなど考慮して適宜設定できる。繰り返し回数は、例えば2回以上、3回以上または4回以上であることが好ましく、10回以上であることがより好ましい。
本発明の製造方法により得られる目的のケイ酸アルカリ水溶液は、3.0~4.0の範囲のSiO2/(Na2O+K2O)モル比および13~28質量%の範囲のシリカ濃度を有する。モル比およびシリカ濃度がそれぞれ上記範囲にあることで、本発明の製造方法により得られたケイ酸アルカリ水溶液を既存のケイ酸アルカリ水溶液と同様の用途で使用できる。モル比およびシリカ濃度がそれぞれ上記範囲にあるケイ酸アルカリ水溶液は、特に湿式法シリカ(沈殿法シリカおよびゲル法シリカなど)の製造用原料として適している。例えば、沈殿法シリカの場合、モル比3.0~3.5およびシリカ濃度10~18質量%のケイ酸アルカリ水溶液が好適に使用され、ゲル法シリカの場合、シリカ濃度20~30質量%のケイ酸アルカリ水溶液が好適に使用される。上記の目的のケイ酸アルカリ水溶液は、そのままこれらの用途に使用することもでき、例えば水や市販のシリカの添加により若干の品質調整を行った後にこれらの用途に使用することもできる。そのようにして製造した湿式法シリカは、従前の湿式法シリカと同様に、ゴムまたはタイヤの補強充填剤、塗料用艶消し剤および歯磨き用または工業用研磨剤など、多くの公知用途に使用することができる。
モル比は、好ましくは3.1~3.7の範囲であり、より好ましくは3.2~3.6の範囲である。シリカ濃度は、好ましくは15~25質量%の範囲であり、より好ましくは18~22質量%の範囲である。
本発明のケイ酸アルカリ水溶液はもみ殻灰から製造しているので、微量のカリウム成分を含む。このようにもみ殻灰を用いて製造したケイ酸アルカリ水溶液において、例えばモル%表示で、酸化ナトリウム濃度に対する酸化カリウム濃度のモル比K2O/Na2Oは通常0.01以上である。したがって、もみ殻灰を用いて製造したケイ酸アルカリ水溶液は、当該モル比K2O/Na2Oに基づいて、シリカ系鉱物(珪砂、珪石および珪酸塩白土など、シリカ成分を含む鉱物)を用いて製造したケイ酸アルカリ水溶液と区別することができる。モル比K2O/Na2Oは0.30以下であることが好ましい。当該モル比K2O/Na2Oが0.30以下であることにより、湿式法シリカを中和合成する際に中和反応のバラツキが生じにくくなり、湿式法シリカの品質が安定しやすい。
工程(A)
工程(A)は、原料(1)~(3)を混合して又は原料(1)~(4)を混合して、もみ殻灰から抽出されたシリカを含むケイ酸アルカリ水溶液を含むスラリーを調製する工程である。
原料(1)は、シリカ源であるもみ殻灰である。もみ殻灰は、シリカ成分を多く含み、持続可能な社会の実現が求められる昨今、再生可能材料として注目されている。もみ殻灰は、乾燥状態で400~800g/Lの見掛け密度を有し、30質量%以下の水分量を有することが好ましい。
もみ殻灰の見掛け密度は、もみ殻灰に圧密または粉砕する加工を加えて高くすることができる。通常、燃焼後の未加工のもみ殻灰の見掛け密度は、350g/L以下、多くは300g/L以下であり、つまり、本発明の製造方法において使用されるもみ殻灰は、未加工のもみ殻灰よりも高い見掛け密度を有することが好ましい。もみ殻灰が、適度に高い見掛け密度を有し、適度な重量を有することにより、溶液への沈み込み性が改善し、さらに溶媒の吸い込みが少なくなる。その結果、未加工のもみ殻灰と比べて、より多くの量のもみ殻灰を容器に投入することができ、シリカ濃度を上げやすい利点がある。高い見掛け密度を有するもみ殻灰は、容量の小さい容器でスラリー調製を行う場合に特に有用である。また、水分量が30質量%以下であることにより、もみ殻灰は、輸送に適した範囲の重量と適度な固形状態とを維持しやすい。加えて、もみ殻灰が適度に高い見掛け密度を有することにより、嵩張らず、輸送効率および保管効率が改善されやすい。
輸送効率、保管効率および溶液への沈み込み性がより改善され、高濃度スラリーがより得やすい観点から、見掛け密度の範囲の下限は、450g/L以上であることが好ましく、500g/L以上であることがより好ましく、550g/L以上であることがさらに好ましい。溶液への沈み込み性がより改善される観点から、見掛け密度の範囲の上限は、750g/L以下であることが好ましく、730g/L以下であることがより好ましく、720g/L以下であることがさらに好ましい。
見掛け密度は乾燥状態(概ね水分量1.5質量%未満)で測定する。燃焼後の未加工のもみ殻灰は通常、乾燥状態であり、そのままの状態で見掛け密度を測定することができる。乾燥状態にないもみ殻灰の見掛け密度は、充分な乾燥処理(例えば125℃、6時間)を行った後、測定することができる。
もみ殻灰の水分量は、25質量%以下、20質量%以下、15質量%以下、10質量%以下でもよい。もみ殻灰がある程度の水分量を含むことにより、粉塵の飛散を抑制でき、梱包、輸送および開梱時のハンドリング性、さらにはもみ殻灰を水溶液に投入する際のハンドリング性がより改善する。加えて、もみ殻灰がある程度の水分量を含むことにより、重量の適度な増加に起因して、もみ殻灰の溶液への沈み込み性がより改善する。水分量は、0.1質量%以上、0.5質量%以上、0.7質量%以上、1.0質量%以上でもよい。水分量は、もみ殻灰への水の追加および乾燥処理などの任意の処理により調整できる。もみ殻灰の水分量は、全く調整されなくてもよい、つまり水を全く追加しなくてもよい。
もみ殻灰中のシリカ含有量および炭素含有量は、特に限定されないが、もみ殻灰はシリカ源として使用されるため、シリカ含有量は多いことが好ましく、不純物となる炭素の含有量は少ないことが好ましい。もみ殻灰中のシリカ含有量は、稲の種類や育成地域、もみ殻灰の燃焼方法(ボイラ種類や燃焼条件など)によって異なる。例えば、もみ殻の燃焼温度が500℃程度である場合、シリカ含有量は低下しやすく、70質量%未満になりやすい。また、もみ殻の燃焼温度がより高い温度(例えば600℃以上)である場合、より高いシリカ含有量を有するもみ殻灰が得られやすい。もみ殻灰中のシリカ含有量は、例えば70質量%以上であり、80質量%以上または85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。シリカ含有量の上限は、典型的には概ね98質量%以下である。もみ殻灰中のシリカ含有量は、例えば蛍光X線分析装置またはICP発光分析装置で測定することができる。もみ殻灰中の炭素含有量は、0.1~8.0質量%であることが好ましい。一般的な燃焼設備から排出されたもみ殻灰中の炭素含有量は概ね0.1質量%以上である。もみ殻灰中の炭素含有量は0.3質量%以上、0.5質量%以上または1.0質量%以上でもよい。もみ殻灰中の炭素含有量が8.0質量%以下であることで、もみ殻の不完全燃焼成分が低減し、もみ殻灰の品質(例えばシリカ成分の含有量)が向上する。もみ殻灰中の炭素含有量は6.0質量%以下、5.0質量%以下または4.0質量%以下であることが好ましい。もみ殻灰中の炭素含有量は、もみ殻の燃焼温度が高いほど低下しやすい。もみ殻灰中の炭素含有量は、例えば炭素分析装置で測定することができる。
もみ殻灰について、レーザー回折法による体積平均粒子径D50は5.0~200μmの範囲にあることが好ましい。体積平均粒子径D50が5.0~200μmであることにより、見掛け密度が400~800g/Lの範囲に維持されやすくなる。さらに、体積平均粒子径D50が5.0μm以上であることにより、過剰な粉塵の発生が抑制されてハンドリング性がより改善する。さらに、体積平均粒子径D50が5.0~200μmであることにより、粒子間の空隙量が適切な範囲になり、もみ殻灰を溶液に投入した際、もみ殻灰は適度に溶液を吸収するようになる。その結果、適度な重量と相まって、もみ殻灰が溶液へ沈み込むのに要する時間が短縮され、沈み込み性がより改善される。粒度分布における1.0μm以下の微粒子の割合は可能な限り少ない方が好ましいため、体積平均粒子径D50は10~150μmであることが好ましく、15~100μmであることがより好ましく、20~80μmであることが特に好ましい。
粒度分布測定は、市販のレーザー回折式粒度分布測定装置により行うことができる。具体的には、粒度分布測定は、試料を所定の濃度になるように水に分散させ、測定装置内の循環システム内に分散液を投入し、D50の数値が安定したときの値を測定値として採用する。もみ殻灰が、後述する圧密による成型体として加工される場合、上記方法で測定した体積平均粒子径D50が5.0~200μmの範囲になるように圧密の条件を調整することが好ましい。
もみ殻灰の形態は、粉体および成型体のどちらでもよく、成型体の形状も特に限定されない。
高い見掛け密度を有する上記もみ殻灰は、未加工のもみ殻灰に圧密または粉砕の加工処理を実施することにより得られる。圧密は、もみ殻灰を押し固める処理をいい、粉砕は、もみ殻灰を砕く処理をいう。加工処理は、圧密および粉砕のどちらか1つでもよく、両方の処理を同時にまたは順番に実施してもよい。加工処理の種類や条件によっては、圧密か粉砕か区別できない場合もあり、どちらかに区別する必要はない。
圧密および粉砕の種類は特に限定されない。粉砕処理は、乾式でも湿式でもよい。乾式処理の場合、粉塵が発生しやすいが、前処理工程が不要で効率的に処理を行える。湿式処理の場合、スラリー化工程などの前処理が必要であるが、粉塵の発生を抑制できる。乾式粉砕処理は、例えば、ローラミル、高速回転ミル(ピンミル)、ジェットミル、ボールミル、ビーズミルなどの市販の乾式粉砕機を使用して実施できる。湿式粉砕処理は、例えば、インラインミキサー、ジェットミル、ボールミル、ビーズミルなどの市販の湿式粉砕機を使用して実施できる。粉砕によって、もみ殻灰中の植物由来の構造体を破壊し、粒子間の空隙を減少させることができ、これにより、もみ殻灰の見掛け密度を高くすることができる。圧密処理は、例えば、圧縮ローラやブリケッティングローラを用いたローラコンパクタおよび打錠などの市販の造粒機を使用して実施できる。圧密によって、もみ殻灰を押し固め、粒子間の空隙を減少させることができ、これにより、粉塵の発生を抑制しながらもみ殻灰の見掛け密度を高くすることができる。圧密および粉砕の両方を実施した場合には、もみ殻灰中の植物由来の構造体を破壊しながら、かつ、もみ殻灰を押し固めることができるため、粉塵の発生を抑制しながらより高い見掛け密度が得られやすい。
原料(2)は、工程(C)から供給されたケイ酸アルカリ水溶液である。原料(2)は、もみ殻灰を原料とするケイ酸アルカリ水溶液の製造過程で生じた残渣物から回収したシリカを含む。原料(2)をケイ酸アルカリ水溶液の製造において使用することで、資源の無駄を削減し、シリカ利用率を高めることができる。
原料(2)は、後述するように、目的のケイ酸アルカリ水溶液を得る際の固液分離後の残渣物の水洗によって得られた溶液であるから、目的のケイ酸アルカリ水溶液を水で希釈した溶液ともいえる。シリカのモル量およびアルカリ金属成分のモル量は希釈されても変化しないから、原料(2)のモル比は目的のケイ酸アルカリ水溶液と同じである。これに対し、希釈により、原料(2)のシリカ濃度は目的のケイ酸アルカリ水溶液よりも低下する。
原料(2)の使用量は、目的のケイ酸アルカリ水溶液のモル比およびシリカ濃度ならびに原料(2)のモル比およびシリカ濃度に応じて適宜調整することができる。原料(2)の使用量は、もみ殻灰100質量部に対し、例えば100~500質量部であり、好ましくは150~450質量部、より好ましくは200~400質量部である。原料(2)の使用量が上記範囲にあることで、サイクルごとにケイ酸アルカリ水溶液の製造条件(特に、工程(A)における原料の配合バランス)を変更する必要性が減り、ケイ酸アルカリ水溶液の継続的な製造が促進される。
原料(3)は水酸化ナトリウムであり、原料(4)は水である。原料(3)および(4)は、水酸化ナトリウム水溶液の形態で投入されてもよい。原料(3)および(4)は、もみ殻灰を溶解する溶媒として機能する。水は、原料(2)に含まれているため、原料(2)に含まれる水で充分である場合には、原料(4)は別途投入しなくてもよい。
原料(3)の使用量は、目的のケイ酸アルカリ水溶液のモル比およびシリカ濃度に応じて適宜調整することができる。原料(3)の使用量は、もみ殻灰100質量部に対し、例えば5~50質量部であり、好ましくは10~40質量部、より好ましくは15~35質量部である。原料(4)の使用量は、目的のケイ酸アルカリ水溶液のモル比およびシリカ濃度に応じて適宜調整することができる。原料(4)の使用量は、もみ殻灰100質量部に対し、例えば5~100質量部であり、好ましくは10~70質量部、より好ましくは15~50質量部である。原料(3)および(4)の使用量が上記範囲にあることで、サイクルごとにケイ酸アルカリ水溶液の製造条件(特に、工程(A)における原料の配合バランス)を変更する必要性が減り、ケイ酸アルカリ水溶液の継続的な製造が促進される。
原料(4)の水の温度は、もみ殻灰中のシリカの溶解を促進する観点から、温水であることが好ましい。温水の温度は、例えば40~95℃であり、好ましくは50~85℃であり、60~80℃でもよい。製造時におけるエネルギー削減の観点から、熱回収を利用した温水を使用することが好ましい。
本発明の製造方法において、原料(1)~(4)以外の他の原料を添加することができる。他の原料としては、追加のシリカ源となるシリカ系鉱物が挙げられる。持続可能な社会の実現の観点から、シリカ系鉱物の添加量は少ないことが好ましく、シリカ系鉱物を添加しないことがより好ましい。すなわち、本発明の製造方法において、工程(A)、ひいては工程(A)~(C)においてシリカ系鉱物を添加しないことが好ましい。本発明の製造方法では、工程(A)~(C)のサイクルを通して、シリカ源として原料(1)および(2)のみを使用し、継続的にケイ酸アルカリ水溶液を製造することが可能である。
原料の配合は、もみ殻灰中のシリカの溶解率を事前に想定し、シリカ溶解率が想定値に到達したときに、目標値のモル比(3.0~4.0)およびシリカ濃度(13~28質量%)が得られるように、原料(1)~(3)または原料(1)~(4)の配合バランスをとることが好ましい。これにより、工程(A)の終了時において、混合物中のケイ酸アルカリ水溶液は、3.0~4.0の範囲のSiO2/(Na2O+K2O)モル比および13~28質量%の範囲のシリカ濃度を有することができる。もみ殻灰中のシリカの溶解率は、もみ殻灰中の総シリカ質量に対する水溶液中に溶解したシリカ質量の割合であり、詳細な算出方法は実施例の項において説明する。
工程(A)において、原料は、下記条件(a)及び(b)を満たす割合で配合されることが好ましい。条件(a)は、もみ殻灰中のシリカの溶解率が100%である(もみ殻灰中のシリカすべてが溶解した)と仮定したときに、原料(1)~(3)から供給されるシリカ、酸化ナトリウム及び酸化カリウムに基づくモル比が、目的のケイ酸アルカリ水溶液のモル比以上であることを規定している。条件(b)は、もみ殻灰中のシリカの溶解率が100%であると仮定したときに、原料(1)および(2)から供給されるシリカに基づくシリカ濃度が、目的のケイ酸アルカリ水溶液のシリカ濃度以上であることを規定している。
(a) 原料(1)の組成比に基づくシリカ量及び酸化カリウム量、原料(2)から供給されるシリカ量、酸化ナトリウム量及び酸化カリウム量、並びに原料(3)の酸化ナトリウム換算量に基づいて算出されるSiO2/(Na2O+K2O)モル比が、目的のケイ酸アルカリ水溶液のSiO2/(Na2O+K2O)モル比以上である、
(b) 原料(1)の組成比に基づくシリカ量、原料(2)から供給されるシリカ量、及び原料中の水の量に基づいて算出されるシリカ濃度が、目的のケイ酸アルカリ水溶液のシリカ濃度以上である。
言い換えれば、条件(a)および(b)は、原料(1)および(2)から供給されるシリカ量のみで、目的のケイ酸アルカリ水溶液の製造に必要なシリカ量を確保することを規定している。条件(a)および(b)が満たされる場合、もみ殻灰から必要な量のシリカが溶解した段階で、スラリー中のケイ酸アルカリ水溶液は目標値のモル比およびシリカ濃度を有することができる。これにより、工程(B)でろ過液として得られるケイ酸アルカリ水溶液は、そのまま目的のケイ酸アルカリ水溶液となる。
もみ殻灰中のシリカの溶解率は、80質量%以上であることが好ましい。シリカの溶解率は、資源の無駄を削減する観点から、好ましくは83%以上、より好ましくは85%以上である。シリカの溶解率の上限は、特に制限されず、例えば90%以下であり、95%以下または98%以下でもよい。シリカの溶解率に加えて、もみ殻灰中の酸化カリウムの溶解率を考慮すると、より正確なモル比を計算できる。もみ殻灰中の酸化カリウムは、シリカの溶解に伴って水に暴露されると、すみやかに水に溶解するため、シリカの溶解率を援用することができる。ただし、もみ殻灰中の酸化カリウム量は、シリカ量に比べて微量であり(例えば後述の表1)、溶解率の違いによる影響は小さい。
原料(1)~(4)を混合してスラリーを調製する際の温度および圧力は、適宜調整することができる。もみ殻灰の溶解を促進する観点から、スラリーの調製は高温加圧条件下で行うことが好ましく、温度105~300℃かつ圧力0.20~8.60MPaの条件下で行うことが好ましい。スラリー調製の際の温度は、好ましくは110~250℃であり、より好ましくは115~200℃である。スラリー調製の際の圧力は、好ましくは0.25~5.00MPaであり、より好ましくは0.30~2.00MPaである。高温加圧条件下でのスラリー調製は、オートクレーブなどの圧力容器を用いて行うことができる。
原料(1)~(4)を混合してスラリーを調製する際の原料の溶解時間は、適宜調整することができる。工程(A)におけるスラリー調製は、スラリー中のケイ酸アルカリ水溶液のモル比およびシリカ濃度が目標値に到達した段階で終了すればよい。もみ殻灰中のシリカの溶解率および生産性の観点から、溶解時間は、0.5~8時間であり、好ましくは1~7時間であり、より好ましくは1~5時間である。特に、スラリー調製において、もみ殻灰中のシリカの溶解率が80質量%以上となるように混合物の温度及び溶解時間を調整することが好ましい。
なお、本発明の製造方法において、最初のサイクルの工程(A)に対する前工程(C)は、常法により、つまり原料(2)を使用せず、もみ殻灰を溶解し、固液分離して得られた残渣物を水洗し、この水洗後の溶液を得る工程でよい。すなわち、最初のサイクルの工程(A)における原料(2)は、もみ殻灰の一般的な溶解方法によって得られた残渣物を水洗して得られた溶液でよい。
工程(B)
工程(B)は、工程(A)で調製したスラリーをケイ酸アルカリ水溶液および残渣物に固液分離し、目的のケイ酸アルカリ水溶液を得る工程である。
固液分離の方法は特に限定されない。固液分離は、一般的な固液分離装置を使用することで実施できる。固液分離は、一回のみ実施してもよく、異物をより取り除く観点から、複数回実施してもよい。
固液分離は、ろ過装置を用いて実施することが好ましい。ろ過装置としては、重圧ろ過法に属する遠心分離装置、加圧ろ過法に属するフィルタプレスおよび密閉式多段フィルタ、ならびに真空ろ過法に属するヌッチェ方式、ドラムフィルタ方式およびベルトフィルタ方式のろ過装置など、公知の装置を適宜選択して使用することができる。
固液分離は、ろ過能力や分離性能などの総合的観点から、フィルタプレスにより実施されることが好ましい。
フィルタプレスによる固液分離は、圧力0.15~0.8MPaの条件で加圧ろ過を実施することを含むことが好ましい。加圧ろ過における圧力は、好ましくは0.2~0.7MPaであり、より好ましくは0.3~0.7MPaである。
さらに、フィルタプレスによる固液分離の後、圧力0.15~0.8MPaの条件で残渣物を圧搾することを含むことが好ましい。残渣物を圧搾することで、残渣物に残留するケイ酸アルカリ水溶液を搾り取ることができ、残渣物から回収できるシリカ量がより増加する。圧搾における圧力は、好ましくは0.2~0.7MPaであり、より好ましくは0.3~0.7MPaである。工程(B)における圧搾は、次工程(C)での水洗を促進する観点から、水洗後に実施する圧搾よりも低い圧力で実施することが好ましい。これにより圧搾後の残渣物に水洗水が浸透しやすくなる。
工程(B)において、スラリーを固液分離することで、目的のケイ酸アルカリ水溶液および残渣物が得られる。
工程(B)において目的のケイ酸アルカリ水溶液を得て、工程(B)を過ぎた後に、必要に応じて、当該ケイ酸アルカリ水溶液の品質調整を行ってもよい。この品質調整には、例えば、珪砂を添加してシリカ濃度を調整すること、および他のケイ酸アルカリ水溶液、水酸化ナトリウムおよび公知の添加剤を添加してモル比およびpHなどの特性を調整することが含まれる。
工程(C)
工程(C)は、工程(B)で得られた残渣物を水洗し、洗浄後溶液の少なくとも一部を原料(2)として工程(A)に供給する工程である。本発明者らは、残渣物中に、固形分質量のおよそ2~5倍質量のケイ酸アルカリ水溶液が残留していることを見出した。工程(C)では、残渣物中に残留するケイ酸アルカリ水溶液少なくとも一部を水で抽出し、シリカを回収する。「洗浄後溶液」は、水洗(圧搾を含む)後に排出される溶液を意味し、本発明において洗浄後溶液は、残渣物から抽出されたケイ酸アルカリ水溶液を含む。本発明の製造方法では、洗浄後溶液の少なくとも一部を原料(2)として工程(A)に供給することで、シリカの利用率を高めることができる。
なお、本発明の製造方法において、最後のサイクルの工程(B)または工程(C)で生成された残渣物は、廃棄することができる。
洗浄後溶液は、目的のケイ酸アルカリ水溶液を水で希釈した溶液である。希釈されるだけなので、洗浄後溶液のシリカとアルカリ金属成分のモル比は目的のケイ酸アルカリ水溶液と同じである。これに対し、希釈により、洗浄後溶液のシリカ濃度は目的のケイ酸アルカリ水溶液よりも低下する。水洗時の水量は、水洗後溶液のシリカ濃度が0.5~15質量%となる量であることが好ましい。シリカ濃度が0.5質量%以上であることで、洗浄後溶液全量での使用が促進されかつ充分なシリカ含有量を確保できて、工程(A)での配合バランスを取りやすくなる。また、シリカ濃度が15質量%以下であることで、水洗に使用する水量を充分量確保でき、残渣物からのケイ酸アルカリ水溶液の抽出を容易にし、シリカ回収量が増加する。水洗時の水量は、シリカ濃度が1.0~10質量%となる量であることがより好ましく、シリカ濃度が1.5~6質量%となる量であることがさらに好ましい。
加えて、水洗後溶液のシリカ濃度が0.5~15質量%の範囲となるという観点から、水洗に使用する水の量は、残渣物100質量部に対し、100~700質量部であることが好ましく、200~600質量部であることが好ましい。
水洗時の水の温度は、特に制限されず、常温水でもよく、温水でもよい。残渣物からのケイ酸アルカリ水溶液の抽出量をより増やす観点から、温水であることが好ましい。温水の温度は、例えば30~80℃であり、好ましくは40~75℃であり、50~70℃でもよい。製造時のエネルギー削減の観点から、熱回収を利用した温水を使用することが好ましい。
さらに、水洗後は、工程(B)と同様に、圧力0.15~0.8MPaの条件で残渣物を圧搾することを含むことが好ましい。残渣物を圧搾することで、残渣物に残留するケイ酸アルカリ水溶液を搾り取ることができ、残渣物から回収できるシリカ量がより増加する。圧搾における圧力は、好ましくは0.2~0.7MPaであり、より好ましくは0.3~0.7MPaである。
工程(C)において、水洗で得られた洗浄後溶液の少なくとも一部は、原料(2)として工程(A)に供給される。資源の無駄を削減する観点から、洗浄後溶液の工程(A)への供給量は、多いことが好ましい。例えば、工程(A)への供給量は、洗浄後溶液の50質量%以上であり、75質量%以上であることがより好ましく、洗浄後溶液の全部を原料(2)として工程(A)に供給することがさらに好ましい。
<本発明の効果>
本発明のケイ酸アルカリ水溶液の製造方法により、もみ殻灰を原料としたケイ酸アルカリ水溶液の製造において、シリカの利用率を高めることができる。具体的には、本発明の製造方法により、シリカの利用率を70%以上に高めることが可能であり、好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上に高めることが可能である。
モル比3.0以上かつシリカ濃度18質量%以上のケイ酸アルカリ水溶液を製造する場合、従来法によるスラリーの調製方法では、もみ殻灰を過剰に仕込み、モル比およびシリカ濃度が目標値となったところでスラリー調製を止めるのが一般的である。これは、もみ殻灰中のシリカの溶解率が100%に近づくと、シリカの溶解速度が極端に低下し(例えば参考例1)、溶解率100%を想定してスラリーを調製しても、溶解率が100%に到達するまでに長時間を要し、生産性が低下するからである。
上記のようなスラリーの調製方法では、一定量のもみ殻灰が溶解されずに、固形分として残ることを前提としており、固液分離後には多くの残渣物が生成される。本発明者らは、この残渣物中に、固形分質量のおよそ2~5倍質量のケイ酸アルカリ水溶液が残留していることを見出した。特に、スラリー調製において、シリカの溶解率を低く設定した場合には、残渣物中の固形分の増加に連動して、残渣物中に残留するケイ酸アルカリ水溶液は増加しやすい。このような残渣物は従来廃棄されており、多くのシリカがケイ酸アルカリ水溶液の製造に利用されていない(低いシリカの利用率)。
そこで、本発明者らは、ケイ酸アルカリ水溶液の製造工程の中で完結してシリカの利用率を高める方法を鋭意検討し、本発明に至った。本発明では、残渣物の水洗後の洗浄後溶液の少なくとも一部を原料(2)として工程(A)に供給する。洗浄後溶液は、残渣物から抽出されたケイ酸アルカリ水溶液を含む。すなわち、本発明では、従来、残渣物と一緒に廃棄されていたケイ酸アルカリ水溶液に含まれるシリカを回収し、このシリカをケイ酸アルカリ水溶液の製造の原料として活用することで、従来法と比べて、シリカの利用率を高めることができる。
特に、スラリー調製において、もみ殻灰の溶解率を考慮して、原料(1)~(3)または原料(1)~(4)の配合バランスをとることで、工程(A)~(C)のサイクルを通して、シリカ源として原料(1)および(2)のみを使用し、継続的にケイ酸アルカリ水溶液を製造することが可能である。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容および処理手順は、本発明の課題を解決できる範囲で、適宜、変更することができる。したがって、本発明の範囲は、以下に示す具体例に限定されるものではない。実施例において、特に述べない限り、「部」および「%」は質量基準である。
<分析方法>
●もみ殻灰の水分(加熱減量)(質量%)
水分量は、JIS K5101-15-1(顔料試験法-加熱減量)に基づき、105℃、2時間乾燥後の重量減量値から求めた。
●もみ殻灰の見掛け密度(g/L)
JIS K5101-12-1:2004(顔料試験法-見掛け密度又は見掛け比容-静置法)に基づき、専用測定器(目開き0.5mmのふるい、漏斗、容量30mLのシリンダ受器、受器台及び漏斗台)を用いて求めた。篩の上から刷毛で試料(もみ殻灰)を漏斗に落とし、へらを用いて受器に山盛りに溜まった試料の山の部分を削り取り、その後、試料の質量を測定した。単位をg/Lとするもみ殻灰の見掛け密度を、その質量に基づいて次式によって算出した。
式3:
●もみ殻灰のかさ密度(g/mL)
JIS K6220-1:2015(ゴム用配合剤-有機薬品-試験方法-第1部:全般)の「7.8 かさ密度」の項に基づき、専用測定器具(一般鋼材を用いて作製した内径22.00±0.05mm、内部深さ100mmのシリンダ、および外径21.80±0.05mm、長さ115mm、質量190gで内部に空洞のあるピストン)を用いて測定した。試料(もみ殻灰)を入れる前のシリンダにピストンを自然落下させて入れ、シリンダの上部に突出したピストンの高さを測定した。次いで、秤量した約1gの試料をシリンダに入れ、ピストンを5秒間かけて緩やかに落とし、木片でシリンダ側壁を軽くたたいてピストンをよくなじませ、シリンダの上部に突出したピストンの高さを測定した。シリンダ上部に突出したピストンの高さの変化とシリンダ内の底面積を用いて、単位をg/mLとするかさ密度を次式によって算出した。
式4:
●もみ殻灰の体積平均粒子径(D50)
レーザー回折式粒度分布測定装置(型式:SYNC30、マイクロトラック・ベル社製)を用いて粒度分布を測定し、粒度分布における体積積算累積値の50%の値(D50)を求めた。なお、超音波分散処理などを行わず、試料を直接測定装置に投入して測定した。
●もみ殻灰または固形分中の炭素量(質量%)
前処理として105℃で2時間、もみ殻灰を乾燥させた。その後、炭素量は、酸素気流中燃焼-非分散赤外線吸収法による炭素分析装置(型式:CS744、LECOジャパン合同会社製)を用いて、温度1,350℃、酸素流入圧0.24MPa、測定時間50秒の条件で試料に加熱処理を行い、装置内の赤外線検出器(NDIR)でCOガスおよびCO2ガスを定量することにより測定した。
●もみ殻灰または固形分中の炭素以外の無機成分組成(質量%)
波長分散型蛍光エックス線分析装置(型式:ZSX PrimusII、リガク社製)を用いて、まず炭素を除く元素について定性分析を行い、検出された無機不純物の種類を確認し、その後、検出された無機不純物の定量分析を行った。測定試料は、もみ殻灰をリング状の型に入れ加圧成型を行って作製したものである。定量した無機成分組成(炭素を除く)について、装置付属の解析ソフトで酸化物換算して濃度(質量%)を求めた。尚、測定試料の成型が難しい場合は、波長分散型蛍光エックス線分析用の市販のバインダーを添加し成型した後に、測定を行った。
●水溶液の成分組成
目開き1μmのメンブレンフィルタ付きシリンジで採取したケイ酸アルカリ水溶液試料(約0.2mL)を純水で10,000倍(検量線用標準液:20質量ppm)に希釈し、高分解能ICP発光分光分析装置(型式:PS3520DDII、日立ハイテクサイエンス社製)を用い、SiO2、Na2OおよびK2Oなどの含有成分の質量濃度をそれぞれ定量した。
●ケイ酸アルカリ水溶液中のシリカ濃度とモル比
水溶液の成分組成の測定で得られたSiO2、Na2OおよびK2Oの質量濃度を、モル量に換算してSiO2/(Na2O+K2O)モル比を求めた。具体的には、各成分のモル質量を60.08(SiO2)、61.98(Na2O)および94.19(K2O)とし、モル比を次式により計算した。
式5:
●ろ過後の残渣物中の固形分および残留溶液の各質量
ろ過後の残渣物を相当量の蒸留水で洗浄して、残留しているケイ酸アルカリ水溶液を取り除き、洗浄後の残渣物を乾燥機にて水分が蒸発するまで十分な時間(125℃×6時間)乾燥を行った後、ろ過後の残渣物中に含まれる固形分の質量を測定した。また、残渣物中の残留溶液の質量は、ろ過後の残渣物の全質量から固形分の質量を差し引くことで算出した。
●シリカの溶解率
シリカの溶解率は、もみ殻灰中の総シリカ質量および溶解途中または溶解後の各段階でのケイ酸アルカリ水溶液中に溶解したシリカ質量に基づいて、次式により計算した。ケイ酸アルカリ水溶液中に溶解したシリカ質量は、各段階での水溶液のシリカ濃度(質量%)および使用した水の量から算出した。
式2:
●シリカの利用率
シリカの利用率は、もみ殻灰中の総シリカ質量およびケイ酸アルカリ水溶液の製造において利用されたシリカ質量に基づいて、次式により計算した。ケイ酸アルカリ水溶液の製造において利用されたシリカ質量は、目的のケイ酸アルカリ水溶液中に含まれるシリカの質量、および残渣物から回収され、ケイ酸アルカリ水溶液の製造原料として還流され使用されるシリカの質量の合計であり、換言すれば、もみ殻灰として投入されたシリカのうち廃棄されなかったシリカの質量である。
式1:
<もみ殻灰原料の準備>
バイオマスボイラから排出されたもみ殻灰(見掛け密度:300g/L)を用意した。ローラコンパクタ(型式:FR125×40型、フロイント・ターボ社製)を用いて、ロール回転数9rpm、線圧5.8×103N/cm、スクリュー回転数90rpmの条件でこのもみ殻灰を圧縮造粒して、見かけ密度が590g/Lとなった加工されたもみ殻灰(以下、「もみ殻灰A」ともいう)を得た。もみ殻灰Aを以下のケイ酸アルカリ水溶液の製造におけるもみ殻灰原料として使用した。もみ殻灰Aの特性は表1のとおりである。
<参考例1>
まず、もみ殻灰A中のシリカの水酸化ナトリウム水溶液への溶解性を調べた。もみ殻灰Aの中に存在するシリカの100%が水酸化ナトリウム水溶液に溶解した(シリカ溶解率100%)と仮定した場合、シリカ濃度およびモル比がそれぞれ目標値の18.0質量%および3.3になる配合で原料を準備した。
具体的には、撹拌機を備えた容量240Lのステンレス製溶解タンクに温水(40~50℃の水、以下同様である)120Lと48.0質量%の水酸化ナトリウム水溶液26.42kgを入れて、撹拌を続けながら20分間かけてもみ殻灰A36.00kgを投入した。原料の総質量に対するもみ殻灰Aの質量の割合は約19.7%である。その後、撹拌しながらスラリーの温度を90℃まで昇温し、液温を90℃に保ったまま撹拌を8時間続けて、ケイ酸アルカリスラリーを得た。もみ殻灰の溶解作業の途中、適宜20mL程度のサンプリングを行い、5Cのろ紙(ADVANTEC社製)でろ過後、得られたケイ酸アルカリ水溶液のシリカ濃度およびモル比を測定した。
参考例1の結果を表2及び図1に示す。シリカ溶解率100%を目標に、液温90℃の維持と撹拌を8時間実施したにもかかわらず、シリカ溶解率は94.0%程度に留まり、シリカ濃度は目標値の18.0質量%には到達しなかった。シリカ溶解率が100%のときにモル比が目標値に達するように水酸化ナトリウム水溶液の投入量を調整したため、モル比も目標値の3.3には到達しなかった。
参考例1で得られた8時間後のケイ酸アルカリスラリーをろ過してケイ酸アルカリ水溶液を得た場合、高いシリカ利用率は期待できる。しかしながら、原料の溶解に多くの時間を要するにもかかわらず、ケイ酸アルカリ水溶液の物性は目標値に到達していないという欠点がある。ケイ酸アルカリ水溶液の物性を目標値に到達させるためには、さらなる溶解時間が必要である。参考例1の溶解方法における配合は、生産性の効率化という観点で改善が望まれる。
<比較例1>
比較例1は、参考例1と比べて短時間、具体的には2時間の溶解時間(想定溶解率約78%)で、ケイ酸アルカリ水溶液のシリカ濃度およびモル比が目標値(それぞれ18.0質量%および3.3)に到達するよう原料配合を改良した溶解方法の例である。参考例1の結果に基づいて、もみ殻灰A中のシリカ溶解率は2時間後に78.0%に到達することを考慮し、比較例1における原料の総質量に対するもみ殻灰Aの質量の割合を参考例1におけるものの約1.22倍にした。比較例1における溶解シリカの見積量に対する水酸化ナトリウム水溶液の量の割合は、参考例1におけるものと同じである。
比較例1におけるケイ酸アルカリ水溶液の調製手順は下記のとおりである。
工程(A):原料の混合とスラリーの調製
撹拌機を備えた容量240Lのステンレス製溶解タンクに温水93.50kgと48.0質量%の水酸化ナトリウム水溶液20.43kgを入れて、撹拌を続けながら20分間かけてもみ殻灰A36.00kgを投入した。原料の総質量に対するもみ殻灰Aの質量の割合は約24.0%である。その後、撹拌しながらスラリーの温度を90℃まで昇温し、液温を90℃に保ったまま撹拌を2時間続けて、ケイ酸アルカリスラリーを得た。もみ殻灰の溶解作業の途中、適宜20mL程度のサンプリングを行い、5Cのろ紙(ADVANTEC社製)でろ過後、得られたケイ酸アルカリ水溶液のシリカ濃度およびモル比を測定した。
工程(B):スラリーの固液分離
フィルタプレスを用いてチャージ圧0.4MPaの条件で、工程(A)で得られたスラリーにろ過を実施して、ケイ酸アルカリ水溶液および残渣物を得た。
比較例1の原料配合による溶解方法は、もみ殻灰をシリカ原料として使用する場合に、従来実施されている方法と概ね同じである。原料の総質量に対するもみ殻灰Aの質量の割合は、溶解時間の設定に応じて適宜調整可能である。このように100%未満のシリカ溶解率を想定した場合、もみ殻灰の残渣物中に未溶解のシリカが残留することとなる。
<比較例2>(シリカ利用率の改善検討)
比較例2は、参考例1の結果に基づき、シリカの溶解率および利用率を比較例1よりも改善するように改良した溶解方法の例である。具体的には4時間の溶解時間(想定溶解率約85%)で、ケイ酸アルカリ水溶液のシリカ濃度およびモル比が目標値(それぞれ18.0質量%および3.3)に到達するよう原料配合を調整した。
比較例2におけるケイ酸アルカリ水溶液の調製手順は下記のとおりである。
工程(A):原料の混合とスラリーの調製
撹拌機を備えた容量240Lのステンレス製溶解タンクに温水101.90kgと48.0質量%の水酸化ナトリウム水溶液22.33kgを入れて、撹拌を続けながら20分間かけてもみ殻灰A36.00kgを投入した。原料の総質量に対するもみ殻灰Aの質量の割合は約22.5%である。その後、撹拌しながらスラリーの温度を90℃まで昇温し、液温を90℃に保ったまま撹拌を4時間続けて、ケイ酸アルカリスラリーを得た。もみ殻灰の溶解作業の途中、適宜20mL程度のサンプリングを行い、5Cのろ紙(ADVANTEC社製)でろ過後、得られたケイ酸アルカリ水溶液のシリカ濃度およびモル比を測定した。
工程(B):スラリーの固液分離
比較例1と同じ方法で、工程(A)で得られたスラリーにろ過を実施して、ケイ酸アルカリ水溶液および残渣物を得た。
<比較例1および2の結果>
比較例1および2における溶解時間とシリカ濃度、モル比およびシリカ溶解率との関係を下記表3および図2~3に示す。さらに、表4は、比較例1および2における各原料の投入量、および各原料の成分内訳を示す。表5は、比較例1および2における固液分離後のケイ酸アルカリ水溶液および残渣物の質量、それらの成分内訳ならびにシリカ利用率を示す。
表4に関して、もみ殻灰、水酸化ナトリウム水溶液および水の質量は実測値であり、もみ殻灰中の成分内訳は、もみ殻中の炭素量および無機成分組成の分析値に基づく計算値であり、水酸化ナトリウム水溶液中の成分内訳は、水溶液濃度から求めた計算値である。表5に関して、ケイ酸アルカリ水溶液(ろ液)および残渣物の質量は実測値であり、ケイ酸アルカリ水溶液(ろ液)の成分内訳は、水溶液の成分組成の分析値に基づく計算値である。また、固形分および残留溶液の質量は、残渣物中の固形分および残留溶液の質量測定による分析値であり、固形分の成分内訳は、固形分中の炭素量および無機成分組成の分析値に基づく計算値であり、残留溶液の成分内訳は、水溶液の成分組成の分析値に基づく計算値である。他の表についても同様である。
工程(A):原料の混合とスラリーの調製
工程(B):スラリーの固液分離
<比較例1および2の結果の説明>
表3の結果から、各溶解時間におけるシリカ溶解率は、もみ殻灰の投入量の原料全体に対する割合を変えてもほぼ一定であることが分かった。比較例1(想定溶解率約78%)では、想定通り、シリカ濃度とモル比は参考例1と比べて2時間という短時間で目標値に到達することができた。比較例2(想定溶解率約85%)では、想定通り、シリカ濃度とモル比は参考例1と比べて4時間という短時間で目標値に到達することができた。
表5のとおり、比較例1で得られたケイ酸アルカリ水溶液の量は約103kgであり、比較例2で得られたケイ酸アルカリ水溶液の量は約124kgであった。シリカ溶解率を高く設定することで、同じ量のもみ殻灰(表4)から、より多くの目的のケイ酸アルカリ水溶液が得られることが分かる。
加えて、表5のとおり、ろ過後の残渣物は、水酸化ナトリウム水溶液へ溶解しなかった固形分と、残留溶液であるケイ酸アルカリ水溶液とを含むケーク状の混合物である。残渣物の質量は、固形分のおよそ5倍であり、本来抽出されるべきケイ酸アルカリ水溶液が残渣物中に多く残留していることが分かる。
具体的には、比較例1における残渣物の量は、約47kgであり、そのうちの約37kgは本来抽出されるべきケイ酸アルカリ水溶液であった。ケイ酸アルカリ水溶液の濃度から見積もると、水溶液中に溶解しているが廃棄され利用できていないシリカの量は約7kg(表5のb5)である。固形分中の未溶解のシリカと合わせれば、廃棄されるシリカ量は約14kg(表5のb7)である。結果として、比較例1におけるシリカの利用率は57.3%(表5のb9)という低い結果となった。
比較例2における残渣物の量は、約35kgであり、そのうちの約28kgは本来抽出されるべきケイ酸アルカリ水溶液であった。ケイ酸アルカリ水溶液の濃度から見積もると、水溶液中に溶解しているが廃棄され利用できていないシリカの量は約5kg(表5のb5)である。比較例2においてシリカ溶解率が比較例1より高く設定されたため、残渣物量および廃棄されるシリカ量は比較例1よりも減少した。それでも、固形分中の未溶解のシリカと合わせれば、廃棄されるシリカ量は約10kg(表5のb7)であり、未だ多くのシリカが廃棄されることになる。結果として、比較例2におけるシリカの利用率は69.3%(表5のb9)であり、比較例1と比べて増加したが、更なる改善の余地がある。
比較例1と2の結果から次の(i)および(ii)の点が分かった。
(i)シリカ溶解率を高く設定した原料配合とすればシリカ利用率をある程度改善することは可能である。
(ii)しかしながら、従来の方法では、ケイ酸アルカリ水溶液の一部がろ過後の残渣物に残留しているため、シリカ溶解率を約85%と高く設定してもシリカ利用率は70%未満に留まる。
本発明者らは、ケイ酸アルカリ水溶液の一部がろ過後の残渣物中に残留し、水溶液中に溶解しているが利用できていないシリカが存在することに着目した。鋭意検討した結果、本発明者らは、そのようなシリカを回収しながら目的のケイ酸アルカリ水溶液を製造することを可能にする方法を新たに見出し、これにより、シリカ利用率の改善に成功した。以下、具体的に実施例を用いて説明する。
<実施例1>(シリカ利用率の更なる改善検討、第1サイクル)
実施例1は、比較例2で得られた残渣物からシリカを回収し、回収したシリカを目的のケイ酸アルカリ水溶液の製造に利用する例である。実施例1のように、本発明における最初のサイクルの工程(A)に対する前工程(C)は、もみ殻灰の一般的な溶解方法によって得られた残渣物を水洗し、水洗後の溶液を得る工程でよい。図4は、本発明における各工程を概略的に示すフロー図である。
前工程(C):残渣物の水洗
比較例2で得られた残渣物35.36kgを温水115kgで水洗し、洗浄後溶液を回収タンクに回収した。固液分離は、比較例1の工程(B)と同様の手順で行った。得られた洗浄後溶液の質量は115.00kgであった。洗浄後溶液の一部20mL程度を取り出し、成分分析用のサンプルとして使用した。また、水洗後の残渣物についても、固形分および残留溶液の質量測定、ならびに固形分および残留溶液それぞれの成分分析を行った。回収した洗浄後溶液を次工程の(A)に供給した。
工程(A):原料の混合とスラリーの調製
撹拌機を備えた容量240Lのステンレス製溶解タンクに、上記前工程(C)で得られた洗浄後溶液(図4の符号2)115.00kgと、48.0質量%の水酸化ナトリウム水溶液22.33kgと、濃度調整のための温水9.62kgを入れて、撹拌を続けながら20分間かけてもみ殻灰A(図4の符号1)36.00kgを投入した。もみ殻灰中のシリカの溶解率は、比較例2と同様に約85%に設定した。原料の総質量に対するもみ殻灰Aの質量の割合は約19.7%である。その後、撹拌しながらスラリーの温度を90℃まで昇温し、液温を90℃に保ったまま撹拌を4時間続けて、ケイ酸アルカリスラリーを得た。もみ殻灰の溶解作業の途中、適宜20mL程度のサンプリングを行い、5Cのろ紙(ADVANTEC社製)でろ過後、得られたケイ酸アルカリ水溶液のシリカ濃度およびモル比を測定した。
工程(B):スラリーの固液分離
比較例1と同じ方法で、工程(A)で得られたスラリーにろ過を実施して、残渣物(図4の符号3)および目的のケイ酸アルカリ水溶液(図4の符号4)を得た。
工程(C):残渣物の水洗
工程(B)で得られた残渣物35.36kgを温水115.00kgで水洗し、洗浄後溶液を回収タンクに回収した。得られた洗浄後溶液の質量は115.00kgであった。洗浄後溶液の一部20mL程度を取り出し、成分分析用のサンプルとして使用した。また、水洗後の残渣物についても、固形分および残留溶液の質量測定、ならびに固形分および残留溶液それぞれの成分分析を行った。この工程(C)は、実施例2の工程(A)の前工程であり、ここで得られた洗浄後溶液は、実施例2の工程(A)において原料として使用される。
<実施例2>(第2サイクル)
実施例2は、実施例1で得られた残渣物からシリカを回収し、回収したシリカを目的のケイ酸アルカリ水溶液の製造に利用する例である。
前工程(C):残渣物の水洗
実施例2の工程(A)の前工程は、実施例1の工程(C)である。実施例1の工程(C)で得られた洗浄後溶液115.00kgを、次工程(A)にて原料として使用する。
工程(A):原料の混合とスラリーの調製
実施例1と同様の手順でスラリーを調製した。すなわち、撹拌機を備えた容量240Lのステンレス製溶解タンクに、上記前工程(C)で得られた洗浄後溶液115.00kgと、48.0質量%の水酸化ナトリウム水溶液22.33kgと、濃度調整のための温水9.62kgを入れて、撹拌を続けながら20分間かけてもみ殻灰A36.00kgを投入した。原料の総質量に対するもみ殻灰Aの質量の割合は約19.7%である。その後も実施例1と同様である。
工程(B):スラリーの固液分離
比較例1と同じ方法で、工程(A)で得られたスラリーにろ過を実施して、ケイ酸アルカリ水溶液および残渣物を得た。
工程(C):残渣物の水洗
工程(B)で得られた残渣物35.36kgを実施例1の工程(C)と同様の手順で水洗し、同様に測定および分析を行った。得られた洗浄後溶液の質量は115.00kgであった。この工程(C)は、第3サイクルの工程(A)の前工程であり、ここで得られた洗浄後溶液は、第3サイクルの工程(A)において原料として使用される。第3サイクル以降は、第2サイクルと同様の手順で実施できるため、詳細な説明は省略する。
<実施例1および2の結果>
表6は、実施例1および2の前工程(C)における水洗条件、ならびにろ過後の洗浄後溶液および残渣物の質量、さらにはそれらの成分内訳を示す。表7は、工程(A)における各原料の投入量、および各原料の成分内訳を示す。表8は、工程(B)における固液分離後のケイ酸アルカリ水溶液および残渣物の質量、ならびにそれらの成分内訳を示す。表9は、実施例1および2の工程(C)における水洗条件、ならびにろ過後の洗浄後溶液および残渣物の質量、さらにはそれらの成分内訳を示す。表9は、実施例1および2におけるシリカ利用率も示す。
前工程(C):残渣物の水洗
工程(A):原料の混合とスラリーの調製
工程(B):スラリーの固液分離
工程(C):残渣物の水洗
<実施例1の結果の説明>
表6のとおり、前工程(C)の水洗処理(フィルタプレスを含む)により、115.00kgの洗浄後溶液と、35.36kgの残渣物とが得られた。
前工程(C)で得られた洗浄後溶液中のシリカ濃度は3.6質量%(表6のc5)であり、洗浄水により希釈されたため、目標値の18.0質量%から低下した。これに対し、モル比は水洗の前後で目標値の3.3が維持された。洗浄後溶液には、4.09kg(表6のc7)のシリカが含まれていた。このシリカは、比較例2で得られた残渣物から回収されたシリカである。
水洗後の残渣物の量は35.36(表6のc8)であり、水洗前の質量(表6のc1)から変化はなく、水洗後においても、残渣物には残留溶液が含まれていた。残渣物の固形分中に含まれるシリカの量は水洗の前後で変化はなかった(表5のb4と表6のc9)。しかしながら、水洗後の残留溶液中に含まれるシリカ量は1.01kg(表6のc10)であり、水洗前の残留溶液中に含まれるシリカ量5.09kg(表5のb5)の1/5程度に減少した。この差が回収されたシリカに相当する。
表7に示す配合は、シリカ溶解率約85%を想定し、4時間後にケイ酸アルカリ水溶液のシリカ濃度およびモル比が目標値(それぞれ18.0質量%および3.3)に到達するよう調整した。
表8のとおり、スラリーの固液分離により、147.59kg(表8のe1)の目的のケイ酸アルカリ水溶液と、35.36kgの残渣物(表8のe3)とが得られた。
比較例2で得られた目的のケイ酸アルカリ水溶液量124.88kg(表5のb1)と比較して、目的のケイ酸アルカリ水溶液の製造量は約18%増加した。シリカ量に注目すると、実施例1で得られた目的のケイ酸アルカリ水溶液中のシリカ量は26.57kg(表8のe2)であり、比較例2で得られた目的のケイ酸アルカリ水溶液中のシリカ量は22.48kg(表5のb2)であり、その差は4.09kgである。前工程(C)において残渣物から回収したシリカ4.09kg(表7のd4)を含む洗浄後溶液を原料として利用することで、目的のケイ酸アルカリ水溶液の製造量が増加したことが分かる。
工程(B)における残渣物の量は、もみ殻灰の投入量と溶解率に対応して、比較例2と同じ35.36kg(表8のe3)であり、固形分および残留溶液の質量ならびにそれらの成分内訳も比較例2と同じであった。この結果から、本発明の実施の有無にかかわらず、目的のケイ酸アルカリ水溶液を得た後の残渣物は一定のシリカを含むことが分かり、資源の無駄を削減する観点から、本発明で規定する工程(A)~(C)を繰り返すことが好ましいといえる。
表9のとおり、工程(C)の水洗処理(フィルタプレスを含む)により、115.00kgの洗浄後溶液と、35.36kgの残渣物とが得られた。
工程(C)で得られた洗浄後溶液には、4.09kg(表9のf5)のシリカが含まれており、これは、前工程(C)で得られた洗浄後溶液中のシリカ量4.09kg(表6のc7)と同じである。実施例1の工程(C)で得られた洗浄後溶液は、実施例2の工程(A)の原料として利用することができる。この際、工程(C)で得られた洗浄後溶液(表9のf4)は、前工程(C)で得られた洗浄後溶液(表6のc4)と同じ成分組成であるから、実施例2における製造条件は、実施例1におけるものから変更する必要はない。このように、本発明で規定する工程(A)~(C)は、同じ製造条件で繰り返し実施でき、継続的なケイ酸アルカリ水溶液の製造が可能である。
工程(C)で得られた残渣物(表9のf6)は廃棄されることになる。廃棄対象の固形分に含まれるシリカ量4.87kg(表9のf7)は比較例2の場合(表5のb4)と同じである。これに対し、廃棄対象の残留溶液中に含まれるシリカ量は1.01kg(表9のf8)であり、比較例2の場合におけるシリカ量5.09kg(表5のb5)の1/5程度に減少した。
表9のとおり、実施例1において、ケイ酸アルカリ水溶液の製造において利用されたシリカ質量は26.57kg(表9のf11)であった。したがって、シリカの利用率(もみ殻灰中の総シリカ質量に対する利用されたシリカ質量の割合)は、81.9%である。比較例1および2のシリカ利用率それぞれ、57.3%および69.3%と比較して、本発明により、シリカ利用率が大きく増加することがわかる。
<実施例2の結果の説明>
実施例2では、実施例1の工程(C)で得られた洗浄後溶液を含む原料に基づいて目的のケイ酸アルカリ水溶液を製造する。この洗浄後溶液も、前工程の残渣物から回収されたシリカを含むものである。これにより、実施例2においても、目的のケイ酸アルカリ水溶液を製造することができ、シリカ利用率を実施例1と同様に増加させることができた。
<実施例3>(加圧条件下での溶解)
オートクレーブなどの圧力容器を用いてもみ殻灰の溶解速度を向上させるための実験を行った。
撹拌装置を備えた1Lのオートクレーブに、撹拌を行いながら温水365g、24.0質量%の水酸化ナトリウム水溶液205.00g、およびもみ殻灰165.00gを投入し、容器に蓋をした。その後、150℃および0.47MPaの高温加圧条件でもみ殻灰の溶解を行った。溶解実験は、0.5時間、1時間、1.5時間および2時間の処理時間でそれぞれ実施した。溶解終了後は圧力を開放し、得られたスラリーを静置して室温まで冷却した。
容量3Lの吸引ろ過瓶に150mmΦの磁性ブフナー漏斗(ヌッチェ)を取り付け、冷却したスラリーにろ紙(目開き1μm、規格5C、ADVANTEC社製)にて吸引ろ過を行って、未溶解残渣を取り除き、ケイ酸アルカリ水溶液を得た。
得られたケイ酸アルカリ水溶液の物性を調べた。
<実施例3の結果の説明>
比較例2と比較した実施例3の結果を表10と図5に示す。
表10および図5のとおり、高温加圧条件下でもみ殻灰の溶解を実施する実施例3の方法により、比較例2と比べてより短時間で高濃度のケイ酸アルカリ水溶液を製造することができた。具体的には、シリカ濃度18.0質量%およびモル比3.3のケイ酸アルカリ水溶液を製造する場合、比較例2では4時間を要したが、実施例3では1.5時間で製造可能であった。
高温加圧条件下でのもみ殻灰の溶解方法は、実施例1および2の工程(A)でもみ殻灰を溶解する際に採用可能である。実施例3の結果は、実施例1および2におけるもみ殻灰の溶解時間、ひいてはケイ酸アルカリ水溶液の製造に要する時間の短縮が可能であることを示している。
<実施例4>(圧搾)
実施例2の工程(C)で得られた残渣物35.36kgに対して、0.7MPaの圧力で圧搾をかけた。その結果、残留溶液をさらに絞り取ることができ、最終的に残渣物の質量は、25%減少し、約26.52kgになった。
残渣物への圧搾は、工程(C)に加えて、工程(B)でも採用可能である。実施例4の結果は、実施例1および2において残渣物からのケイ酸アルカリ水溶液の取り出しを促進し、ひいてはシリカ利用率の更なる改善が可能であることを示している。
<発明の効果>
以上の説明のとおり、本発明の方法によって、もみ殻灰からケイ酸アルカリ水溶液を製造する場合において、もみ殻灰中に存在するシリカの利用率を向上させると同時に、産業廃棄物となる残渣物の量を削減することができる。

Claims (12)

  1. 下記工程(A)~(C)を1回以上繰り返すことを含み、SiO2/(Na2O+K2O)モル比が3.0~4.0の範囲でありかつシリカ濃度が13~28質量%の範囲である目的のケイ酸アルカリ水溶液を得る、ケイ酸アルカリ水溶液の製造方法:
    ・工程(A)
    下記原料(1)~(3)を混合して又は下記原料(1)~(4)を混合して、もみ殻灰から抽出されたシリカを含むケイ酸アルカリ水溶液を含むスラリーを調製する工程、
    (1) もみ殻灰、
    (2) 工程(C)から供給されたケイ酸アルカリ水溶液、
    (3) 水酸化ナトリウム、
    (4) 水、
    ・工程(B)
    工程(A)で調製したスラリーをケイ酸アルカリ水溶液及び残渣物に固液分離し、目的のケイ酸アルカリ水溶液を得る工程、
    ・工程(C)
    工程(B)で得られた残渣物を水洗し、洗浄後溶液の少なくとも一部を原料(2)として工程(A)に供給する工程。
  2. 工程(A)において、原料は、下記(a)及び(b)を満たす割合で配合される、請求項1に記載の製造方法:
    (a) 原料(1)の組成比に基づくシリカ量及び酸化カリウム量、原料(2)から供給されるシリカ量、酸化ナトリウム量及び酸化カリウム量、並びに原料(3)の酸化ナトリウム換算量に基づいて算出されるSiO2/(Na2O+K2O)モル比が、目的のケイ酸アルカリ水溶液のSiO2/(Na2O+K2O)モル比以上である、
    (b) 原料(1)の組成比に基づくシリカ量、原料(2)から供給されるシリカ量、及び原料中の水の量に基づいて算出されるシリカ濃度が、目的のケイ酸アルカリ水溶液のシリカ濃度以上である。
  3. 工程(C)において、水洗時の水量が、水洗後溶液のシリカ濃度が0.5~15質量%となる量である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 原料(1)が、シリカ含有量が80質量%以上であるもみ殻灰である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  5. 工程(A)~(C)においてシリカ系鉱物を添加しない、請求項1又は2に記載の製造方法。
  6. 工程(B)及び工程(C)における固液分離が、圧力0.15~0.8MPaの条件で加圧ろ過を実施することを含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
  7. 前記加圧ろ過がフィルタプレスにより実施される、請求項6に記載の製造方法。
  8. 工程(B)及び工程(C)における固液分離が、前記加圧ろ過の後、圧力0.15~0.8MPaの条件で残渣物を圧搾することを含む、請求項6に記載の製造方法。
  9. 工程(A)のスラリーの調製を、温度105~300℃かつ圧力0.20~8.60MPaの条件下で行う、請求項1又は2に記載の製造方法。
  10. 工程(A)のスラリーの調製において、もみ殻灰中のシリカの溶解率が80質量%以上となるように混合物の温度及び溶解時間を調整する、請求項1又は2に記載の製造方法:
    ここで、もみ殻灰中のシリカの溶解率は、下記式2に基づいて算出される。
    式2:
  11. 原料(1)のもみ殻灰が、乾燥状態で400~800g/Lの見掛け密度を有しかつ30質量%以下の水分量を有する加工されたもみ殻灰である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  12. 工程(A)において、原料は、下記(a)及び(b)を満たす割合で配合され、
    (a) 原料(1)の組成比に基づくシリカ量及び酸化カリウム量、原料(2)から供給されるシリカ量、酸化ナトリウム量及び酸化カリウム量、並びに原料(3)の酸化ナトリウム換算量に基づいて算出されるSiO2/(Na2O+K2O)モル比が、目的のケイ酸アルカリ水溶液のSiO2/(Na2O+K2O)モル比以上である、
    (b) 原料(1)の組成比に基づくシリカ量、原料(2)から供給されるシリカ量、及び原料中の水の量に基づいて算出されるシリカ濃度が、目的のケイ酸アルカリ水溶液のシリカ濃度以上である、
    工程(C)において、水洗時の水量が、水洗後溶液のシリカ濃度が0.5~15質量%となる量であり、
    原料(1)が、シリカ含有量が80質量%以上であるもみ殻灰であり、
    工程(A)~(C)においてシリカ系鉱物を添加せず、
    工程(B)及び工程(C)における固液分離が、圧力0.15~0.8MPaの条件で加圧ろ過を実施することを含み、
    前記加圧ろ過がフィルタプレスにより実施され、
    工程(B)及び工程(C)における固液分離が、前記加圧ろ過の後、圧力0.15~0.8MPaの条件で残渣物を圧搾することを含み、
    工程(A)のスラリーの調製を、温度105~300℃かつ圧力0.20~8.60MPaの条件下で行い、
    工程(A)のスラリーの調製において、もみ殻灰中のシリカの溶解率が80質量%以上となるように混合物の温度及び溶解時間を調整し、ここで、
    もみ殻灰中のシリカの溶解率は、下記式2に基づいて算出され、
    式2:
    原料(1)のもみ殻灰が、乾燥状態で400~800g/Lの見掛け密度を有しかつ30質量%以下の水分量を有する加工されたもみ殻灰である、請求項1に記載の製造方法。
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