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JP7628671B2 - シリカの結晶化の制御方法、抑制方法、および燃焼装置 - Google Patents

シリカの結晶化の制御方法、抑制方法、および燃焼装置 Download PDF

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Description

本発明は、シリカの結晶化の制御方法、抑制方法、および燃焼装置に関する。
籾殻等のバイオマス燃料は、分解されにくく、産業廃棄物となりやすい。一方で、バイオマス燃料を燃焼させれば、エネルギーと、工業原料等としてのシリカとの両方を取り出すことができる。
純シリカは、通常のボイラーの燃焼温度よりも遥かに高い温度(クリストバライト:867℃~1470℃、トリジマイト:1470℃~1727℃)でないと、結晶化しないが、バイオマス燃料は、シリカの他、K、Na等の無機元素を含み、これらの共融点効果により比較的低温の600℃~900℃でも籾殻中のシリカは結晶化してしまう。このため、バイオマス燃料を燃焼処理すると、エネルギーを得ることができるが、バイオマス燃料に含まれるシリカが燃焼過程で結晶化するおそれがある。具体的には、バイオマス燃料に含まれるシリカ(SiO・nHO)は非晶質であるが、燃焼の際にはクリストバライトや石英などの結晶性シリカを生じる。この結晶性シリカは、アスベストと同レベルの人体に有害な物質として認識されている。
このようなことから、共融点効果を抑制するために、籾殻のシリカ以外の無機元素を酸水溶液で洗浄して、結晶化温度を高温側にシフトさせる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第6618131号
しかしながら、この技術においては、酸水溶液等の薬品投入、乾燥エネルギー、およびそのための設備が必要となるため、実装が困難である。したがって、未だ、燃焼処理時のシリカの結晶化を簡便な方法で制御または抑制する技術は開発されていないのが現状である。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものである。すなわち、燃焼処理時のシリカの結晶化を簡便な方法で制御できるシリカの結晶化の制御方法、および燃焼装置を提供することを目的とする。また燃焼処理時のシリカの結晶化を簡便な方法で抑制できるシリカの結晶化の抑制方法を提供することを目的とする。
[1]非晶質のシリカを含むバイオマス燃料の燃焼処理における前記シリカの結晶化を制御する制御方法であって、600℃以上1150℃以下の燃焼温度および前記燃焼温度での保持時間に基づいて、前記シリカが非晶質状態にある非晶質領域と、前記シリカが結晶状態にある結晶領域とを決定する工程と、前記非晶質領域および前記結晶領域に基づいて、前記バイオマス燃料の燃焼温度、前記バイオマス燃料の燃焼開始時からの総経過時間、および前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の降温速度を制御する工程とを備える、制御方法。
[2]前記非晶質領域と前記結晶領域の決定は、以下のステップを含み、ステップ1:バイオマス燃料を600℃以上1150℃以下の燃焼温度内の任意の第1温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰を前記第1温度でt分間保持した後に、前記灰に含まれるシリカが非晶質状態にあるか否かの確認を行い、ステップ2:ステップ1の結果、前記シリカが非晶質状態にあると確認された場合には、再度前記バイオマス燃料を前記第1温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第1温度での保持時間を前回の保持時間からt分間増やした状態で再度前記確認を行い、前記シリカが結晶状態にある保持時間TC1(min)を見出すまで、このステップを繰り返し行い、保持時間TC1と、TC1-tで表され、かつ前記シリカが非晶質状態にある保持時間TA1(min)とを見出し、ステップ1の結果、前記シリカが結晶状態にあると確認された場合には、再度前記バイオマス燃料を前記第1温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第1温度での保持時間を前回の保持時間からt分間減らした状態で再度前記確認を行い、前記シリカが非晶質状態にある保持時間TA1(min)を見出すまで、このステップを繰り返し行い、保持時間TA1と、TA1+tで表され、かつ前記シリカが結晶状態にある保持時間TC1(min)とを見出し、ステップ3:バイオマス燃料を600℃以上1150℃以下の燃焼温度内の前記第1温度より低い第2温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰を第2温度でt分間保持した後に、前記灰に含まれるシリカが非晶質状態にあるか否かの確認を行い、ステップ4:ステップ3の結果、前記シリカが非晶質状態にあると確認された場合には、再度前記バイオマス燃料を前記第2温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第2温度での保持時間を前回の保持時間からt分間増やした状態で再度前記確認を行い、シリカが結晶状態にある保持時間TC2(min)を見出すまで、このステップを繰り返し行い、保持時間TC2と、TC2-tで表され、かつ前記シリカが非晶質状態にあるTA2(min)とを見出し、ステップ3の結果、前記シリカが結晶状態にあると確認された場合には、再度前記バイオマス燃料を前記第2温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第2温度での保持時間を前回の保持時間からt分間減らした状態で再度前記確認を行い、シリカが非晶質状態にある保持時間TA2(min)を見出すまで、このステップを繰り返し行い、保持時間TA2と、TA2+tで表され、かつ前記シリカが結晶状態にあるTC2(min)とを見出し、ステップ5:横軸を温度(℃)とし、縦軸を保持時間(min)としたグラフにおいて、TA1、TC1、TA2、TC2をプロットして、TA1とTA2を直線で結ぶとともにTC1とTC2を直線で結び、ステップ6:横軸を温度(℃)とし、縦軸を保持時間(min)としたグラフにおいて、少なくとも保持時間TA1およびTA2に基づいて近似関数Tを求め、かつ少なくとも保持時間TC1およびTC2に基づいて近似関数Tを求めて、前記近似関数Tの下側領域を前記非晶質領域とし、前記近似関数Tの上側領域を前記結晶領域とする、上記[1]に記載の制御方法。
[3]前記ステップ5と前記ステップ6の間に、以下のステップを含み、ステップA:TA1とTA2を結んだ前記直線およびTC1とTC2を結んだ前記直線に基づいて、それぞれ600℃以上1150℃以下の燃焼温度内の前記第1温度よりも高く、または前記第2温度よりも低い任意の第3温度に外挿した予測保持時間T´A3(min)、T´C3(min)を読み取り、ステップB:バイオマス燃料を前記第3温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第3温度での保持時間をそれぞれ前記予測保持時間T´A3、T´C3にした状態で、それぞれ前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰に含まれるシリカが非晶質状態にあるか否かの確認を行い、ステップC:ステップBの結果、T´A3でシリカが非晶質状態にあると確認された場合には、T´A3をシリカが非晶質状態にある保持時間TA3(min)とし、シリカが結晶状態にあると確認された場合には、再度前記バイオマス燃料を前記第3温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第3温度での保持時間を前回の保持時間からt分間減らした状態で前記確認を繰り返し行い、シリカが非晶質状態にある保持時間TA3を見出し、T´C3でシリカが結晶状態で存在していると確認された場合には、T´C3を保持時間TC3(min)とし、シリカが非晶質状態にあると確認された場合には、再度前記バイオマス燃料を前記第3温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第3温度での保持時間を前回の保持時間からt分間増やした状態で確認を繰り返し行い、シリカが結晶状態にある保持時間TC3を見出し、前記ステップ6は、横軸を温度(℃)とし、縦軸を保持時間(min)としたグラフにおいて、少なくとも保持時間TA1、TA2、およびTA3に基づいて近似関数Tを求め、かつ少なくとも保持時間TC1、TC2、およびTC3に基づいて近似関数Tを求めて、前記近似関数Tの下側領域を前記非晶質領域とし、前記近似関数Tの上側領域を前記結晶領域とするステップである、上記[2]に記載の制御方法。
[4]前記第1温度および前記第2温度は、それぞれ750℃以上950℃以下の温度範囲内にある、上記[2]に記載の制御方法。
[5]前記第1温度と前記第2温度の温度差は50℃以上である、上記[4]に記載の制御方法。
[6]前記第1温度、前記第2温度、および前記第3温度は、それぞれ750℃以上950℃以下の温度範囲内にある、上記[3]に記載の制御方法。
[7]前記第1温度と前記第2温度の温度差は50℃以上であり、前記第3温度が前記第1温度よりも高い場合には、前記第1温度と前記第3温度の温度差が50℃以上であり、前記第3温度が前記第2温度よりも低い場合には、前記第2温度と前記第3温度の温度差が50℃以上である、上記[6]に記載の制御方法。
[8]前記バイオマス燃料が、穀物殻である、上記[1]ないし[7]のいずれか一項に記載の制御方法。
[9]非晶質のシリカを含むバイオマス燃料の燃焼処理における前記シリカの結晶化を抑制する抑制方法であって、600℃以上1150℃以下の燃焼温度および前記燃焼温度での保持時間に基づいて、シリカが非晶質状態にある非晶質領域と、シリカが結晶状態にある結晶領域とを決定する工程と、前記非晶質領域および前記結晶領域に基づいて、前記非結晶領域から外れないように前記バイオマス燃料の燃焼温度、前記バイオマス燃料の燃焼開始時からの総経過時間、および前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の降温速度を制御する工程とを備える、抑制方法。
[10]前記バイオマス燃料が、穀物殻である、上記[9]に記載の抑制方法。
[11]非晶質のシリカを含むバイオマス燃料を燃焼させる燃焼器と、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰を冷却する冷却器と、予め600℃以上1150℃以下の燃焼範囲および前記燃焼温度での保持時間に基づいて決定された前記シリカが非晶質状態にある非晶質領域および前記シリカが結晶状態にある結晶領域に基づいて、前記バイオマス燃料の燃焼温度、前記バイオマス燃料の燃焼開始時からの総経過時間、および前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の降温速度を制御する制御部と、を備える、燃焼装置。
[12]前記非晶質領域と前記結晶領域は、以下のステップによって決定され、ステップ1:バイオマス燃料を600℃以上1150℃以下の燃焼温度内の任意の第1温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰を前記第1温度でt分間保持した後に、前記灰に含まれるシリカが非晶質状態にあるか否かの確認を行い、ステップ2:ステップ1の結果、前記シリカが非晶質状態にあると確認された場合には、再度前記バイオマス燃料を前記第1温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第1温度での保持時間を前回の保持時間からt分間増やした状態で再度前記確認を行い、前記シリカが結晶状態にある保持時間TC1(min)を見出すまで、このステップを繰り返し行い、保持時間TC1と、TC1-tで表され、かつ前記シリカが非晶質状態にある保持時間TA1(min)とを見出し、ステップ1の結果、前記シリカが結晶状態にあると確認された場合には、再度前記バイオマス燃料を前記第1温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第1温度での保持時間を前回の保持時間からt分間減らした状態で再度前記確認を行い、前記シリカが非晶質状態にある保持時間TA1(min)を見出すまで、このステップを繰り返し行い、保持時間TA1と、TA1+tで表され、かつ前記シリカが結晶状態にある保持時間TC1(min)とを見出し、ステップ3:バイオマス燃料を600℃以上1150℃以下の燃焼温度内の前記第1温度より低い第2温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰を第2温度でt分間保持した後に、前記灰に含まれるシリカが非晶質状態にあるか否かの確認を行い、ステップ4:ステップ3の結果、前記シリカが非晶質状態にあると確認された場合には、再度前記バイオマス燃料を前記第2温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第2温度での保持時間を前回の保持時間からt分間増やした状態で再度前記確認を行い、シリカが結晶状態にある保持時間TC2(min)を見出すまで、このステップを繰り返し行い、保持時間TC2と、TC2-tで表され、かつ前記シリカが非晶質状態にあるTA2(min)とを見出し、ステップ3の結果、前記シリカが結晶状態にあると確認された場合には、再度前記バイオマス燃料を前記第2温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第2温度での保持時間を前回の保持時間からt分間減らした状態で再度前記確認を行い、シリカが非晶質状態にある保持時間TA2(min)を見出すまで、このステップを繰り返し行い、保持時間TA2と、TA2+tで表され、かつ前記シリカが結晶状態にあるTC2(min)とを見出し、ステップ5:横軸を温度(℃)とし、縦軸を保持時間(min)としたグラフにおいて、TA1、TC1、TA2、TC2をプロットして、TA1とTA2を直線で結ぶとともにTC1とTC2を直線で結び、ステップ6:横軸を温度(℃)とし、縦軸を保持時間(min)としたグラフにおいて、少なくとも保持時間TA1およびTA2に基づいて近似関数Tを求め、かつ少なくとも保持時間TC1およびTC2に基づいて近似関数Tを求めて、前記近似関数Tの下側領域を前記非晶質領域とし、前記近似関数Tの上側領域を前記結晶領域とする、上記[11]に記載の燃焼装置。
[13]前記ステップ5と前記ステップ6の間に、以下のステップを含み、ステップA:TA1とTA2を結んだ前記直線およびTC1とTC2を結んだ前記直線に基づいて、それぞれ600℃以上1150℃以下の燃焼温度内の前記第1温度よりも高く、または前記第2温度よりも低い任意の第3温度に外挿した予測保持時間T´A3(min)、T´C3(min)を読み取り、ステップB:バイオマス燃料を前記第3温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第3温度での保持時間をそれぞれ前記予測保持時間T´A3、T´C3にした状態で、それぞれ前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰に含まれるシリカが非晶質状態にあるか否かの確認を行い、ステップC:ステップBの結果、T´A3でシリカが非晶質状態にあると確認された場合には、T´A3をシリカが非晶質状態にある保持時間TA3(min)とし、シリカが結晶状態にあると確認された場合には、再度前記バイオマス燃料を前記第3温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第3温度での保持時間を前回の保持時間からt分間減らした状態で前記確認を繰り返し行い、シリカが非晶質状態にある保持時間TA3を見出し、T´C3でシリカが結晶状態で存在していると確認された場合には、T´C3を保持時間TC3(min)とし、シリカが非晶質状態にあると確認された場合には、再度前記バイオマス燃料を前記第3温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第3温度での保持時間を前回の保持時間からt分間増やした状態で確認を繰り返し行い、シリカが結晶状態にある保持時間TC3を見出し、前記ステップ6は、横軸を温度(℃)とし、縦軸を保持時間(min)としたグラフにおいて、少なくとも保持時間TA1、TA2、およびTA3に基づいて近似関数Tを求め、かつ少なくとも保持時間TC1、TC2、およびTC3に基づいて近似関数Tを求めて、前記近似関数Tの下側領域を前記非晶質領域とし、前記近似関数Tの上側領域を前記結晶領域とするステップである、上記[12]に記載の燃焼装置。
[14]前記第1温度および前記第2温度は、それぞれ750℃以上950℃以下の温度範囲内にある、上記[12]に記載の燃焼装置。
[15]前記第1温度と前記第2温度の温度差は50℃以上である、上記[14]に記載の燃焼装置。
[16]前記第1温度、前記第2温度、および前記第3温度は、それぞれ750℃以上950℃以下の温度範囲内にある、上記[13]に記載の燃焼装置。
[17]前記第1温度と前記第2温度の温度差は50℃以上であり、前記第3温度が前記第1温度よりも高い場合には、前記第1温度と前記第3温度の温度差が50℃以上であり、前記第3温度が前記第2温度よりも低い場合には、前記第2温度と前記第3温度の温度差が50℃以上である、上記[16]に記載の燃焼装置。
[18]前記バイオマス燃料が、穀物殻である、上記[11]ないし[17]のいずれか一項に記載の燃焼装置。
本発明に係るシリカの結晶化の制御方法、および燃焼装置によれば、燃焼処理時のシリカの結晶化を制御できる。また、シリカの結晶化の抑制方法によれば、燃焼処理時のシリカの結晶化を抑制できる。
図1は、バイオマス燃料の燃焼温度と保持時間の関係を示す相図である。 図2は、非晶質領域および結晶領域を決定する際のステップを示すブロック図である。 図3は、実施形態に係る燃焼装置の概略構成図である。 図4は、例1~10における籾殻の燃焼温度、総経過時間、および降温速度の関係を示す相図である。 図5は、例3、8に係るシリカのX線回折パターンである。 図6は、例3~6、8~10に係るシリカの走査型電子顕微鏡写真である。
以下、本発明の実施形態に係るシリカの結晶化の制御方法、抑制方法、および燃焼装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、バイオマス燃料の燃焼温度と保持時間の関係を示す相図であり、図2は、非晶質領域および結晶領域を決定する際のステップを示すブロック図であり、図3は、実施形態に係る燃焼装置の概略構成図である。
<<シリカの結晶化の制御方法および抑制方法>>
非晶質シリカを含むバイオマス燃料を用意する。バイオマス燃料としては、非晶質シリカを含んでいれば、特に限定されず、例えば、籾殻、大麦、小麦、ライ麦、稗、粟、または雑穀等の穀物殻が挙げられる。
非晶質シリカを含むバイオマス燃料を用意した後、600℃以上1150℃以下の燃焼温度および燃焼温度での保持時間に基づいて、シリカが非晶質状態にある非晶質領域と、シリカが結晶状態にある結晶領域とを決定する。具体的には、バイオマス燃料の燃焼温度および燃焼温度での保持時間の関係を示す相図から、これらの領域は、決定することができる。相図は、以下のようにして作製される。
まず、バイオマス燃料を用意し、用意したバイオマス燃料を、埃を除く程度に水で軽く洗い、乾燥した後、例えば、遊星ボールミルにより所定の回転速度で粉砕する。
上記粉砕したバイオマス燃料を燃焼装置内に供給した後、燃焼装置内で、500mL/minの空気気流下で20℃/minの昇温速度で、600℃以上1150℃以下の燃焼範囲内の任意の第1温度に昇温させて、燃焼させる。バイオマス燃料の燃焼で生成された灰を第1温度でt分間保持した後に直ちに自然放冷して、得られた灰において、X線回折法によってシリカが非晶質状態にあるか否かの確認を行う(ステップ1:図2のS1)。X線回折法によるシリカの非晶質状態の確認においては、シリカが結晶化していると、ピークやショルダーが現れるので、ピークやショルダーが存在しているか否かによってシリカが結晶状態にあるか非晶質状態にあるかが確認できる。第1温度は、750℃以上950℃以下、具体的には、例えば、875℃以上925℃以下とすることができ、またtは10分以上15分以下であってもよい。
ステップ1の結果、シリカが非晶質状態にあると確認された場合には、再度バイオマス燃料を第1温度で燃焼させて、バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の第1温度での保持時間を前回の保持時間からt分間増やした状態で再度上記確認を行い、シリカが結晶状態にある保持時間TC1(min)を見出すまで、このステップを繰り返し行い、保持時間TC1と、TC1-tで表され、かつシリカが非晶質状態にある保持時間TA1(min)とを見出す(ステップ2(1):図2のS2(1))。なお、この場合のTA1(min)は、シリカが結晶化する最長時間とみなすことができる。また、例えば、非晶質領域と結晶領域の境界に近いTA1を効率良く見出す観点から、tは1.6~8.7分程度とすることが適している。
ステップ1の結果、シリカが結晶状態にあると確認された場合には、再度バイオマス燃料を第1温度で燃焼させて、バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の第1温度での保持時間を前回の保持時間からt分間減らした状態で再度上記確認を行い、シリカが非晶質状態にある保持時間TA1(min)を見出すまで、このステップを繰り返し行い、保持時間TA1と、TA1+tで表され、かつシリカが結晶状態にある保持時間TC1(min)とを見出す(ステップ2(2):図2のS2(2))。なお、この場合のTC1(min)は、シリカが結晶化する最短時間とみなすことができる。また、例えば、非晶質領域と結晶領域の境界に近いTC1を効率良く見出す観点から、tは1.6~8.7分程度とすることが適している。
また、同様に、バイオマス燃料を600℃以上1150℃以下の燃焼温度内の第1温度より低い第2温度で燃焼させて、バイオマス燃料の燃焼で生成された灰を第2温度でt分間保持した後に、得られた灰において、X線回折法によってシリカが非晶質状態にあるか否かの確認を行う(ステップ3:図2のS3)。第2温度は、750℃以上950℃以下、具体的には、例えば、775℃以上825℃以下とすることができ、またtは480~800分程度であってもよい。精度を高める観点から、第1温度と第2温度の温度差は、50℃以上であることが好ましい。
ステップ3の結果、シリカが非晶質状態にあると確認された場合には、再度バイオマス燃料を第2温度で燃焼させて、バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の第2温度での保持時間を前回の保持時間からt分間増やした状態で再度上記確認を行い、シリカが結晶状態にある保持時間TC2(min)を見出すまで、このステップを繰り返し行い、保持時間TC2と、TC2-tで表され、かつシリカが非晶質状態にあるTA2(min)とを見出す(ステップ4(1):図2のS4(1))。なお、この場合のTA2(min)は、シリカが結晶化する最長時間とみなすことができる。また、例えば、非晶質領域と結晶領域の境界に近いTA2を効率良く見出す観点から、tは70~350分程度とすることが適している。
ステップ3の結果、シリカが結晶状態にあると確認された場合には、再度バイオマス燃料を第2温度で燃焼させて、バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の第2温度での保持時間を前回の保持時間からt分間減らした状態で再度上記確認を行い、シリカが非晶質状態にある保持時間TA2(min)を見出すまで、このステップを繰り返し行い、保持時間TA2と、TA2+tで表され、かつシリカが結晶状態にあるTC2(min)とを見出す(ステップ4(2):図2のS4(2))。なお、この場合のTC2(min)は、シリカが結晶化する最短時間とみなすことができる。また、例えば、非晶質領域と結晶領域の境界に近いTC2を効率良く見出す観点から、tは70~350分程度とすることが適している。
その後、横軸を温度(℃)とし、縦軸を保持時間(min)とした片対数グラフ(縦軸が対数)において、TA1、TC1、TA2、TC2をプロットして、TA1とTA2を直線で結ぶとともにTC1とTC2を直線で結ぶ(ステップ5:図2のS5)。
そして、このグラフにおいて、それぞれ600℃以上1150℃以下の燃焼温度内の第1温度よりも高く、または第2温度よりも低い任意の第3温度に外挿した予測保持時間T´A3(min)、T´C3(min)を読み取る(ステップA:図2のSA)。ここで、第3温度が第2温度よりも低い場合には、T´A3(min)、T´C3(min)の他に、600℃以上1150℃以下の燃焼温度内の第1温度よりも高い任意の第4温度に外挿した予測保持時間T´A4(min)、T´C4(min)を読み取ることが好ましい。第3温度が第1温度よりも高い場合には、T´A3(min)、T´C3(min)の他に、600℃以上1150℃以下の燃焼温度内の第2温度よりも低い任意の第4温度に外挿した予測保持時間T´A4(min)、T´C4(min)を読み取ることが好ましい。このように予測保持時間T´A4(min)、T´C4(min)を読み取ることにより、精度が高い近似関数T、Tを得ることができる。
その後、バイオマス燃料を第3温度で燃焼させて、バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の第3温度での保持時間を予測保持時間T´A3、T´C3とした後に、それぞれ得られた灰において、X線回折法によってシリカが非晶質状態にあるか否かの確認を行う(ステップB:図2のSB)。
ステップBの結果、T´A3でシリカが非晶質状態にあると確認された場合には、T´A3をシリカが非晶質状態にある保持時間TA3(min)とし、またシリカが結晶状態にあると確認された場合には、再度バイオマス燃料を第3温度で燃焼させて、バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の第3温度での保持時間を前回の保持時間からt分間減らした状態で確認を繰り返し行い、シリカが非晶質状態にある保持時間TA3を見出す(ステップC(1):図2のSC(1))。第3温度は、750℃以上950℃以下、具体的には、例えば、750℃以上775℃以下または925℃以上950℃以下とすることができる。ここで、精度を高める観点から、第3温度が第1温度よりも高い場合には、第1温度と第3温度の温度差は、50℃以上であることが好ましく、第3温度が第2温度よりも低い場合には、第2温度と第3温度の温度差は、50℃以上であることが好ましい。また、例えば、非晶質領域と結晶領域の境界に近いTA3を効率良く見出す観点から、第3温度が750℃以上775℃以下の範囲にある場合には、tは1550分~3100分程度とすることが適し、また第3温度が925℃以上950℃以下の範囲にある場合には、tは10秒~20秒程度とすることが適している。
ステップBの結果、T´C3でシリカが結晶状態にある確認された場合には、T´C3を保持時間TC3(min)とし、シリカが非晶質状態にあると確認された場合には、再度バイオマス燃料を第3温度で燃焼させて、バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の第3温度での保持時間を前回の保持時間からt分間増やした状態で確認を繰り返し行い、シリカが結晶状態にある保持時間TC3を見出す(ステップC(2):図2のSC(2))。非晶質領域と結晶領域の境界に近いTC3を効率良く見出す観点から、第3温度が750℃以上775℃以下の範囲にある場合には、tは1550分~3100分程度とすることが適し、また第3温度が925℃以上950℃以下の範囲にある場合には、tは10秒~20秒程度とすることが適している。
また、予測保持時間T´A4(min)、T´C4(min)も読み取った場合には、バイオマス燃料を第4温度で燃焼させて、バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の第4温度での保持時間を予測保持時間T´A4、T´C4とした後に、それぞれ得られた灰において、X線回折法によってシリカが非晶質状態にあるか否かの確認を行う。その後のステップは、ステップC(1)およびステップC(2)と同様であるので、説明を省略する。
その後、EXCEL(マイクロソフト株式会社製)等の市販のソフトウェアを用いて、横軸を温度(℃)とし、縦軸を保持時間(min)とした片対数グラフ(縦軸が対数)において、少なくとも保持時間TA1、TA2、およびTA3に基づいて近似関数Tを求める(ステップ6:図2のS6)。なお、上記でTA4も見出した場合には、保持時間TA1、TA2、TA3、およびTA4に基づいて近似関数Tを求める。この際、4点の保持時間に基づいて近似関数Tを求めることが望ましいが、装置精度によってはTA4を得ることが難しい場合もあるので、その場合には、3点の保持時間に基づいて近似関数Tを求めても構わない。また、同様に、少なくとも保持時間TC1、TC2、およびTC3に基づいて近似関数Tを求める(ステップ6)。この際、4点の保持時間に基づいて近似関数Tを求めることが望ましいが、装置精度によってはTを得ることが難しい場合もあるので、その場合には、図1に示される3点の保持時間に基づいて近似関数Tを求めても構わない。そして、近似関数Tの下側領域を非晶質領域とし、近似関数Tの上側領域を結晶領域とする(ステップ6)。近似関数T、Tは、例えば、EXCEL(マイクロソフト株式会社製)の最小2乗近似の機能を使って求めることができる。縦軸は、対数であることが好ましい。近似関数Tと近似関数Tで挟まれる中間領域は、グレーゾーンで、測定精度が高い程、この領域は狭くなり、両者は一体に近くなり、相図としても精度も上がる。
上記においては、ステップA~ステップCを含んでいるが、ステップA~ステップCを含まなくてもよい。この場合、ステップ5において、グラフにTA1とTA2を結ぶ直線とともにTC1とTC2を結ぶ直線を引いた後、保持時間TA1およびTA2に基づいて近似関数Tを求めるとともに、保持時間TC1およびTC2に基づいて近似関数Tを求める。そして、近似関数Tの下側領域を非晶質領域とし、近似関数Tの上側領域を結晶領域とする。
このような相図を作製した後、この相図で表される非晶質領域と結晶領域に基づいて、バイオマス燃料の燃焼温度、バイオマス燃料の燃焼開始時からの総経過時間、およびバイオマス燃料の燃焼で生成された灰の降温速度を制御する。ここで、横軸を温度(℃)とし、縦軸を総経過時間(min)とした片対数グラフ(縦軸が対数)において、灰に関するデータをプロットし、プロットしたデータを曲線で結び灰の温度曲線を描画した場合(後述する図4参照)、灰の温度曲線の一部が結晶領域内に存在してしまうと、灰の温度曲線の他の部分が非晶質領域内に存在したとしても、シリカは結晶状態となってしまう。このため、シリカの結晶化を抑制する場合には、灰の温度曲線の全ての部分が非晶質領域内に存在するように燃焼温度、総経過時間および降温速度を制御する。
総経過時間は、特に限定されないが、例えば、0分~13日間の範囲内で調整することができる。ただし、燃焼温度にもよるが、総経過時間が短いほど、上記灰の温度曲線が下側に存在するので、非晶質領域に留まりやすくなる。
バイオマス燃料の燃焼で生成された灰を降温させると、上記灰の温度曲線が左側(低温側)に曲がる。降温速度が大きければ、大きいほど、灰の温度曲線が大きく左側に曲がる。このため、燃焼処理時の最高到達温度や保持時間にもよるが、降温速度が大きければ、非晶質領域に留まりやすくなる。降温速度は、バイオマス燃料の種類等によっても異なるが、例えば、0.05℃/min~20℃/minの範囲内で調整してもよい。
近似関数T、Tは、バイオマス燃料の種類、または籾殻であっても産地等が異なることにより変化するので、燃焼対象のバイオマス燃料に合わせて近似関数T、Tを求める必要がある。
このようなシリカの結晶化の制御方法や抑制方法は、例えば、以下の燃焼装置やプログラムによって実現することができる。
<<燃焼装置>>
図3に示される燃焼装置10は、燃焼器11と、冷却器12と、灰回収器13と、制御部14とを備えている。燃焼器11に供給されるバイオマス燃料は、予め粉砕器で粉砕されたものであることが好ましい。
燃焼器11は、バイオマス燃料を燃焼させて、燃焼ガス15と、灰16とを生成するためのものである。燃焼器11は、バーナーとなっているが、バーナーの代わりに例えば、バイオマス燃料に熱を与えてバイオマス燃料を燃焼させる加熱器であってもよい。燃焼器11は、燃焼室11Aと、燃焼室11Aにバイオマス燃料を供給する供給管11Bと、燃焼室11Aに空気を供給する空気供給管11Cと、図示しない点火燃焼器などの点火手段とを備えている。供給管11Bより供給されるバイオマス燃料を、空気供給管11Cより供給される空気と混合するとともに、点火手段で点火させることにより、バイオマス燃料が燃焼室11A内で燃焼する。燃焼器11の出口からは、可燃性ガスが主に燃焼されることで生じた燃焼ガス15と、灰16とが排出される。
冷却器12は、燃焼器11で生成された灰を、速やかに所定の温度まで冷却するためのものである。冷却器12は、図3に示すように、冷却媒体12Aが貯留される缶体12Bと、缶体12B内に配置された燃焼ガス導入部12C、複数の煙管12D、ガス集合部12Eとを備えている。冷却器12においては、燃焼器11の出口より排出される灰16を、燃焼ガスと一緒に受け入れて、冷却媒体12Aとの熱交換により、燃焼ガス15ごと灰16の温度を所望の温度まで冷却することができる。冷却器12の出口付近には、温度センサ(図示せず)が配置されており、灰の温度を測定できるように構成されている。
灰回収器13は、排気ダクト17を介して導入された冷却処理後の灰16を、燃焼ガス15から分離して回収するためのものである。灰回収器13は、上部が円筒形状とされ、下部が下方へ向けて縮径する円錐筒形状とされた外筒13Aと、外筒13Aの中心部に同心状に挿入配置された内筒13Bと、外筒13Aの下側に設けられた捕集ボックス13Cとを備えている。灰回収器13においては、燃焼ガス15は内筒13Bを介して外部に取り出され、燃焼ガス15から分離された灰16は、捕集ボックス13Cに捕集される。
<制御部>
制御部14は、燃焼温度、バイオマス燃料の燃焼開始時からの総経過時間、およびバイオマス燃料の燃焼で生成された灰の降温速度等を制御するためのものである。燃焼温度は、燃焼器11内に配置された温度センサで測定される温度であり、灰の温度は、冷却器12の出口付近に配置された温度センサで測定される温度であり、制御部14は、これらの温度に基づいて燃焼器11に投入する空気の流量と冷却器12内の冷媒の動きを調整するように構成されている。
制御部14は、コンピュータとなっている。制御部14は、燃焼器11(例えば、空気供給管11C)および冷却器12と電気的に接続されており、燃焼温度、総経過時間、および灰の降温速度を制御可能となっている。
制御部14は、予め600℃以上1150℃以下の燃焼温度および燃焼温度の保持時間に基づいて決定された非晶質領域および結晶領域に基づいて、バイオマス燃料の燃焼温度、バイオマス燃料の燃焼開始時からの総経過時間、およびバイオマス燃料の燃焼で生成された灰の降温速度を制御するものである。非結晶領域および結晶領域は、上述したステップによって決定される。保持温度は、特に限定されないが、例えば、0分~13日間の範囲内で制御することができ、また降温速度は、バイオマス燃料の種類等によっても異なるが、例えば、0.05℃/min~20℃/minの範囲内で制御することができる。
制御部14における上記制御は、制御プログラムによって実行される。制御プログラムは、コンピュータに、予め600℃以上1150℃以下の燃焼温度および燃焼温度の保持時間に基づいて決定された非晶質領域および結晶領域に関する情報の入力を受け付けるステップと、入力された上記情報に基づいて、バイオマス燃料の燃焼温度、バイオマス燃料の燃焼開始時からの総経過時間、およびバイオマス燃料の燃焼で生成された灰の降温速度を制御することを実行させるものである。
本実施形態によれば、非晶質領域および結晶領域に基づいて、バイオマス燃料の燃焼温度、バイオマス燃料の燃焼開始時からの総経過時間、およびバイオマス燃料の燃焼で生成された灰の降温速度を制御するだけで、シリカの結晶化を制御することができるので、簡便な方法でシリカの結晶化を制御することができる。
本実施形態によれば、非晶質領域および結晶領域に基づいて、非結晶領域から外れないようにバイオマス燃料の燃焼温度、バイオマス燃料の燃焼開始時からの総経過時間、およびバイオマス燃料の燃焼で生成された灰の降温速度を制御するだけで、シリカの結晶化を抑制することができるので、簡便な方法でシリカの結晶化を抑制することができる。
また、バイオマス燃料を炭化させる過程でも、シリカが非晶質領域内となるようにバイオマス炭の燃焼温度および保持時間を保持しないと、バイオマス炭がシリカを有害な結晶性シリカとして含有してしまうことになる。これに対して、非晶質シリカを含むバイオマス炭は、土壌改良や有機栽培に利用可能である。
本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの記載に限定されない。図4は、例1~10におけるシリカの燃焼温度、総経過時間、および降温速度の関係を示す相図であり、図5は、例3、8に係るシリカのX線回折パターンであり、図6は、例3~6、8~10に係るシリカの走査型電子顕微鏡写真である。
<籾殻>
以下においては、籾殻として、京都地方で採取されたOryza sativa, japonicaの籾殻を埃を除く程度に水で軽く洗い、乾燥した後、遊星ボールミル(型番「LA-PO.1」、株式会社伊藤製作所製)により400rpmで30分処理して粉砕したものを用いた。
<燃焼装置>
以下においては、燃焼装置として、燃焼およびその後の冷却過程について、できる限り正確な温度制御下で行うために、熱分析装置(TG/DTA)(製品名「Thermo plus TG8120」、株式会社リガク製)を利用した。
<X線回折装置>
以下においては、X線回折装置として、高輝度X線発生装置(製品名「MicroMax 007HF」、株式会社リガク製)を用いた。このX線回折装置によるX線回折像の記録は、灰を直径1mmの軟質ガラスキャピラリー(Hilgenberg社製)に詰めて、ラウエカメラに設置して40kV、30mAで発生したCuKα線を60分間照射することによって行われた。
<相図の作製>
上記粉砕した籾殻10mgをプラチナ製の試料パンに入れ、500mL/minの空気気流下で20℃/minの速度で第1温度として900℃まで昇温して籾殻を燃焼させて、籾殻の燃焼で生成された灰をそのままの温度でtとして9分間保持した。その後、直ちに自然放冷した。そして、得られた灰において、X線回折装置によるX線回折法によってシリカが非晶質状態にあるか否かを確認した。
この結果、シリカが非晶質状態にあると確認された場合、籾殻を900℃で燃焼させて、籾殻の燃焼で生成された灰の900℃での保持時間を前回の保持時間からtとして2分間増やした状態で再度上記確認を行い、シリカが結晶状態にある保持時間TC900℃(min)を見出すまで、このステップを繰り返し、保持時間TC900℃(min)と、TC900℃-2(min)で表され、かつシリカが非晶質状態にある保持温度TA900℃(min)とを見出した。
また、シリカが結晶状態にあると確認された場合、籾殻を900℃で燃焼させて、籾殻の燃焼で生成された灰の900℃での保持時間を前回の保持時間からtとして2分間減らした状態で再度上記確認を行い、シリカが非晶質状態にある保持時間TA900℃(min)を見出すまで、このステップを繰り返し、保持時間TA900℃(min)と、TA900℃+2(min)で表され、かつシリカが結晶状態にある保持温度TC900℃(min)とを見出した。
同様に、第2温度として800℃まで昇温して籾殻を燃焼させて、籾殻の燃焼で生成された灰を800℃でtとして66分間保持した。その後、直ちに自然放冷した。そして、得られた灰において、X線回折装置によるX線回折法によってシリカが非晶質状態にあるか否かを確認した。
この結果、シリカが非晶質状態にあると確認された場合、籾殻を800℃で燃焼させて、籾殻の燃焼で生成された灰の800℃での保持時間を前回の保持時間からtとして150分間増やした状態で再度前記確認を行い、シリカが結晶状態にある保持時間TC800℃(min)を見出すまで、このステップを繰り返し行い、保持時間TC800℃と、TC800℃-150(min)で表され、かつシリカが結晶状態にある保持温度TA800℃(min)とを見出した。
また、シリカが結晶状態にあると確認された場合には、籾殻を800℃で燃焼させて、籾殻の燃焼で生成された灰の800℃での保持時間を前回の保持時間からtとして150分間減らした状態で再度前記確認を行い、シリカが非晶質状態にある保持時間TA800℃(min)を見出すまで、このステップを繰り返し行い、保持時間TA800℃と、TA800℃+150で表され、かつシリカが結晶状態にある保持温度TC800℃(min)とを見出した。
その後、横軸を温度(℃)とし、縦軸を保持時間(min)とした保持時間が対数の片対数グラフにおいて、TC900℃、TA900℃、TC800℃、TA800℃をプロットして、TA900℃とTA800℃を直線で結ぶとともにTC900℃とTC800℃を直線で結び、それぞれ750℃に外挿した予測保持時間T´A750℃(min)、T´C750℃(min)を読み取り、また950℃に外挿した予測保持時間T´A950℃(min)、T´C950℃(min)を読み取った。
その後、籾殻を750℃で燃焼させて、籾殻の燃焼で生成された灰の750℃での予測保持時間T´A750℃、T´C750℃経過後に、それぞれ得られた灰において、X線回折法によってシリカが非晶質状態にあるか否かの確認を行った。また、同様に、籾殻を950℃で燃焼させて、予測保持時間T´A950℃経過後に、それぞれ得られた灰において、X線回折装置によるX線回折法によってシリカが非晶質状態にあるか否かの確認を行った。
この結果、T´A750℃でシリカが非晶質状態にあると確認された場合には、T´A750℃をシリカが非晶質状態にある保持時間TA750℃(min)とし、またシリカが結晶状態にあると確認された場合には、籾殻を750℃で燃焼させて、籾殻の燃焼で生成された灰の750℃での保持時間を前回の保持時間からtとして790分間減らした状態で確認を繰り返し行い、シリカが非晶質状態にある保持時間TA750℃を見出した。
また、T´C750℃でシリカが結晶状態にある確認された場合には、T´C750℃を保持時間TC750℃(min)とし、シリカが非晶質状態にあると確認された場合には、籾殻を750℃で燃焼させて、籾殻の燃焼で生成された灰の750℃での保持時間を前回の保持時間からtとして790分間増やした状態で確認を繰り返し行い、シリカが結晶状態にある保持時間TC750℃を見出した。
また、T´A950℃でシリカが非晶質状態にあると確認された場合には、T´A950℃をシリカが非晶質状態にある保持時間TA950℃(min)とし、またシリカが結晶状態にあると確認された場合には、籾殻を950℃で燃焼させて、籾殻の燃焼で生成された灰の950℃での保持時間を前回の保持時間から1.5分間減らした状態で確認を繰り返し行い、シリカが非晶質状態にある保持時間TA950℃を見出した。
その後、EXCEL(マイクロソフト株式会社製)を用いて、横軸を温度(℃)とし、縦軸を保持時間(min)とした保持時間が対数である片対数グラフにおいて、保持時間TA900℃、TA800℃、TA750℃、およびTA950℃に基づいて近似関数Tを求めた(図4参照)。同様に、保持時間TC900℃、TC800℃、およびTC750℃に基づいて近似関数Tを求めた。そして、近似関数Tの下側領域を非晶質領域とし、近似関数Tの上側領域を結晶領域とした。具体的には、T関数は、y=4×1015-0.037x(相関係数R=0.9974)であり、T関数は、y=1015-0.036x(相関係数R=0.9987)であった(図4参照)。近似関数T、Tは、EXCEL(マイクロソフト株式会社製)の最小2乗近似の機能を使って求めた。
<例1~例10>
上記粉砕した籾殻10mgをプラチナ製の試料パンに入れて、燃焼装置で燃焼した。具体的には、まず、500mL/minの空気気流下で20℃/minの昇温速度で種々の最高到達温度xmax℃まで昇温し、籾殻を燃焼させた。その後、籾殻の燃焼で生成された灰をxend℃まで一定速度r℃/minで制御して冷却し、その後自然放冷した。xmax、r、xendは表1に示すとともに、図4の相図に灰のデータをプロットした。
Figure 0007628671000001
<X線回折法による測定>
例1~例10において、燃焼後に得られた粉末状の灰をX線回折装置によってX線回折(XRD)像を記録したところ、例4、5、8~10においては、α-クリストバライトに帰属される4つのピークとα-石英に帰属されるショルダーが見られた(図5参照)。これに対し、例1、2、3、6、7においては、結晶由来のピークが見られなかった(図5参照)。これにより、例4、5、8~10においては、シリカが結晶状態にあり、また例1、2、3、6、7においては、シリカが非晶質状態にあることが確認された。この結果から、図4に示される近似関数Tの下側領域の非晶質領域内に存在するように制御すると、シリカは非晶質状態となり、また図4に示される近似関数Tの下側領域の非晶質領域外となると、シリカは結晶状態となることが確認された。
<走査型電子顕微鏡写真の撮影>
例3~6、8~10において、燃焼後に得られた粉末状の灰を、導電性テープを用いて試料台にマウントして、走査型電子顕微鏡(SEM)(製品名「S-4800」、株式会社日立ハイテクノロジーズ)により加速電圧1kV、3万倍で観察したところ、図6に示される写真が得られた。図6から例4、5、8~10においては、シリカが結晶状態にあることが確認された。また、図6から、例3、6は、シリカが非晶質状態にあることが確認された。
これらの結果から、非晶質領域と結晶領域に基づいて、燃焼温度、燃焼開始時からの総経過時間および降温速度を制御することによって、シリカの結晶化を制御または抑制することができることが確認された。
10…燃焼装置
11…燃焼器
12…冷却器
13…灰回収器
14…制御部

Claims (10)

  1. 非晶質のシリカを含むバイオマス燃料の燃焼処理における前記シリカの結晶化を制御する制御方法であって、
    600℃以上1150℃以下の燃焼温度および前記燃焼温度での保持時間に基づいて、前記シリカが非晶質状態にある非晶質領域と、前記シリカが結晶状態にある結晶領域とを決定する工程と、
    前記非晶質領域および前記結晶領域に基づいて、前記バイオマス燃料の燃焼温度、前記バイオマス燃料の燃焼開始時からの総経過時間、および前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の降温速度を制御する工程と、を備え、
    前記非晶質領域と前記結晶領域の決定は、以下のステップを含み、
    ステップ1:バイオマス燃料を600℃以上1150℃以下の燃焼温度内の任意の第1温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰を前記第1温度でt分間保持した後に、前記灰に含まれるシリカが非晶質状態にあるか否かの確認を行い、
    ステップ2:ステップ1の結果、前記シリカが非晶質状態にあると確認された場合には、再度前記バイオマス燃料を前記第1温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第1温度での保持時間を前回の保持時間からt分間増やした状態で再度前記確認を行い、前記シリカが結晶状態にある保持時間TC1(min)を見出すまで、このステップを繰り返し行い、保持時間TC1と、TC1-tで表され、かつ前記シリカが非晶質状態にある保持時間TA1(min)とを見出し、ステップ1の結果、前記シリカが結晶状態にあると確認された場合には、再度前記バイオマス燃料を前記第1温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第1温度での保持時間を前回の保持時間からt分間減らした状態で再度前記確認を行い、前記シリカが非晶質状態にある保持時間TA1(min)を見出すまで、このステップを繰り返し行い、保持時間TA1と、TA1+tで表され、かつ前記シリカが結晶状態にある保持時間TC1(min)とを見出し、
    ステップ3:バイオマス燃料を600℃以上1150℃以下の燃焼温度内の前記第1温度より低い第2温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰を第2温度でt分間保持した後に、前記灰に含まれるシリカが非晶質状態にあるか否かの確認を行い、
    ステップ4:ステップ3の結果、前記シリカが非晶質状態にあると確認された場合には、再度前記バイオマス燃料を前記第2温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第2温度での保持時間を前回の保持時間からt分間増やした状態で再度前記確認を行い、シリカが結晶状態にある保持時間TC2(min)を見出すまで、このステップを繰り返し行い、保持時間TC2と、TC2-tで表され、かつ前記シリカが非晶質状態にあるTA2(min)とを見出し、ステップ3の結果、前記シリカが結晶状態にあると確認された場合には、再度前記バイオマス燃料を前記第2温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第2温度での保持時間を前回の保持時間からt分間減らした状態で再度前記確認を行い、シリカが非晶質状態にある保持時間TA2(min)を見出すまで、このステップを繰り返し行い、保持時間TA2と、TA2+tで表され、かつ前記シリカが結晶状態にあるTC2(min)とを見出し、
    ステップ5:横軸を温度(℃)とし、縦軸を保持時間(min)としたグラフにおいて、TA1、TC1、TA2、TC2をプロットして、TA1とTA2を直線で結ぶとともにTC1とTC2を直線で結び、
    ステップ6:横軸を温度(℃)とし、縦軸を保持時間(min)としたグラフにおいて、少なくとも保持時間TA1およびTA2に基づいて近似関数Tを求め、かつ少なくとも保持時間TC1およびTC2に基づいて近似関数Tを求めて、前記近似関数Tの下側領域を前記非晶質領域とし、前記近似関数Tの上側領域を前記結晶領域とする、制御方法。
  2. 前記ステップ5と前記ステップ6の間に、以下のステップを含み、
    ステップA:TA1とTA2を結んだ前記直線およびTC1とTC2を結んだ前記直線に基づいて、それぞれ600℃以上1150℃以下の燃焼温度内の前記第1温度よりも高く、または前記第2温度よりも低い任意の第3温度に外挿した予測保持時間T´A3(min)、T´C3(min)を読み取り、
    ステップB:バイオマス燃料を前記第3温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第3温度での保持時間をそれぞれ前記予測保持時間T´A3、T´C3にした状態で、それぞれ前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰に含まれるシリカが非晶質状態にあるか否かの確認を行い、
    ステップC:ステップBの結果、T´A3でシリカが非晶質状態にあると確認された場合には、T´A3をシリカが非晶質状態にある保持時間TA3(min)とし、シリカが結晶状態にあると確認された場合には、再度前記バイオマス燃料を前記第3温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第3温度での保持時間を前回の保持時間からt分間減らした状態で前記確認を繰り返し行い、シリカが非晶質状態にある保持時間TA3を見出し、T´C3でシリカが結晶状態で存在していると確認された場合には、T´C3を保持時間TC3(min)とし、シリカが非晶質状態にあると確認された場合には、再度前記バイオマス燃料を前記第3温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第3温度での保持時間を前回の保持時間からt分間増やした状態で確認を繰り返し行い、シリカが結晶状態にある保持時間TC3を見出し、
    前記ステップ6は、横軸を温度(℃)とし、縦軸を保持時間(min)としたグラフにおいて、少なくとも保持時間TA1、TA2、およびTA3に基づいて近似関数Tを求め、かつ少なくとも保持時間TC1、TC2、およびTC3に基づいて近似関数Tを求めて、前記近似関数Tの下側領域を前記非晶質領域とし、前記近似関数Tの上側領域を前記結晶領域とするステップである、請求項1に記載の制御方法。
  3. 前記第1温度および前記第2温度は、それぞれ750℃以上950℃以下の温度範囲内にある、請求項1に記載の制御方法。
  4. 前記第1温度と前記第2温度の温度差は50℃以上である、請求項3に記載の制御方法。
  5. 前記第1温度、前記第2温度、および前記第3温度は、それぞれ750℃以上950℃以下の温度範囲内にある、請求項2に記載の制御方法。
  6. 前記第1温度と前記第2温度の温度差は50℃以上であり、前記第3温度が前記第1温度よりも高い場合には、前記第1温度と前記第3温度の温度差が50℃以上であり、前記第3温度が前記第2温度よりも低い場合には、前記第2温度と前記第3温度の温度差が50℃以上である、請求項5に記載の制御方法。
  7. 記バイオマス燃料が、穀物殻である、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の制御方法。
  8. シリカを含むバイオマス燃料の燃焼処理における前記シリカの結晶化を抑制する抑制方法であって、
    600℃以上1150℃以下の燃焼温度および前記燃焼温度での保持時間に基づいて、シリカが非晶質状態にある非晶質領域と、シリカが結晶状態にある結晶領域とを決定する工程と、
    前記非晶質領域および前記結晶領域に基づいて、前記バイオマス燃料の燃焼温度、前記バイオマス燃料の燃焼開始時からの総経過時間、および前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の降温速度を、前記シリカが前記非結晶領域内に存在するように制御する工程と、を備え、
    前記非晶質領域と前記結晶領域の決定は、以下のステップを含み、
    ステップ1:バイオマス燃料を600℃以上1150℃以下の燃焼温度内の任意の第1温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰を前記第1温度でt 分間保持した後に、前記灰に含まれるシリカが非晶質状態にあるか否かの確認を行い、
    ステップ2:ステップ1の結果、前記シリカが非晶質状態にあると確認された場合には、再度前記バイオマス燃料を前記第1温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第1温度での保持時間を前回の保持時間からt 分間増やした状態で再度前記確認を行い、前記シリカが結晶状態にある保持時間T C1 (min)を見出すまで、このステップを繰り返し行い、保持時間T C1 と、T C1 -t で表され、かつ前記シリカが非晶質状態にある保持時間T A1 (min)とを見出し、ステップ1の結果、前記シリカが結晶状態にあると確認された場合には、再度前記バイオマス燃料を前記第1温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第1温度での保持時間を前回の保持時間からt 分間減らした状態で再度前記確認を行い、前記シリカが非晶質状態にある保持時間T A1 (min)を見出すまで、このステップを繰り返し行い、保持時間T A1 と、T A1 +t で表され、かつ前記シリカが結晶状態にある保持時間T C1 (min)とを見出し、
    ステップ3:バイオマス燃料を600℃以上1150℃以下の燃焼温度内の前記第1温度より低い第2温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰を第2温度でt 分間保持した後に、前記灰に含まれるシリカが非晶質状態にあるか否かの確認を行い、
    ステップ4:ステップ3の結果、前記シリカが非晶質状態にあると確認された場合には、再度前記バイオマス燃料を前記第2温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第2温度での保持時間を前回の保持時間からt 分間増やした状態で再度前記確認を行い、シリカが結晶状態にある保持時間T C2 (min)を見出すまで、このステップを繰り返し行い、保持時間T C2 と、T C2 -t で表され、かつ前記シリカが非晶質状態にあるT A2 (min)とを見出し、ステップ3の結果、前記シリカが結晶状態にあると確認された場合には、再度前記バイオマス燃料を前記第2温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第2温度での保持時間を前回の保持時間からt 分間減らした状態で再度前記確認を行い、シリカが非晶質状態にある保持時間T A2 (min)を見出すまで、このステップを繰り返し行い、保持時間T A2 と、T A2 +t で表され、かつ前記シリカが結晶状態にあるT C2 (min)とを見出し、
    ステップ5:横軸を温度(℃)とし、縦軸を保持時間(min)としたグラフにおいて、T A1 、T C1 、T A2 、T C2 をプロットして、T A1 とT A2 を直線で結ぶとともにT C1 とT C2 を直線で結び、
    ステップ6:横軸を温度(℃)とし、縦軸を保持時間(min)としたグラフにおいて、少なくとも保持時間T A1 およびT A2 に基づいて近似関数T を求め、かつ少なくとも保持時間T C1 およびT C2 に基づいて近似関数T を求めて、前記近似関数T の下側領域を前記非晶質領域とし、前記近似関数T の上側領域を前記結晶領域とし、
    前記バイオマス燃料が、穀物殻である、抑制方法。
  9. 非晶質のシリカを含むバイオマス燃料を燃焼させる燃焼器と、
    前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰を冷却する冷却器と、
    予め600℃以上1150℃以下の燃焼温度および前記燃焼温度での保持時間に基づいて決定された前記シリカが非晶質状態にある非晶質領域および前記シリカが結晶状態にある結晶領域に基づいて、前記バイオマス燃料の燃焼温度、前記バイオマス燃料の燃焼開始時からの総経過時間、および前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の降温速度を制御する制御部と、を備え、
    前記非晶質領域と前記結晶領域は、以下のステップによって決定され、
    ステップ1:バイオマス燃料を600℃以上1150℃以下の燃焼温度内の任意の第1温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰を前記第1温度でt分間保持した後に、前記灰に含まれるシリカが非晶質状態にあるか否かの確認を行い、
    ステップ2:ステップ1の結果、前記シリカが非晶質状態にあると確認された場合には、再度前記バイオマス燃料を前記第1温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第1温度での保持時間を前回の保持時間からt分間増やした状態で再度前記確認を行い、前記シリカが結晶状態にある保持時間TC1(min)を見出すまで、
    このステップを繰り返し行い、保持時間TC1と、TC1-tで表され、かつ前記シリカが非晶質状態にある保持時間TA1(min)とを見出し、ステップ1の結果、前記シリカが結晶状態にあると確認された場合には、再度前記バイオマス燃料を前記第1温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第1温度での保持時間を前回の保持時間からt分間減らした状態で再度前記確認を行い、前記シリカが非晶質状態にある保持時間TA1(min)を見出すまで、このステップを繰り返し行い、保持時間TA1と、TA1+tで表され、かつ前記シリカが結晶状態にある保持時間TC1(min)とを見出し、
    ステップ3:バイオマス燃料を600℃以上1150℃以下の燃焼温度内の前記第1温度より低い第2温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰を第2温度でt分間保持した後に、前記灰に含まれるシリカが非晶質状態にあるか否かの確認を行い、
    ステップ4:ステップ3の結果、前記シリカが非晶質状態にあると確認された場合には、再度前記バイオマス燃料を前記第2温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第2温度での保持時間を前回の保持時間からt分間増やした状態で再度前記確認を行い、シリカが結晶状態にある保持時間TC2(min)を見出すまで、このステップを繰り返し行い、保持時間TC2と、TC2-tで表され、かつ前記シリカが非晶質状態にあるTA2(min)とを見出し、ステップ3の結果、前記シリカが結晶状態にあると確認された場合には、再度前記バイオマス燃料を前記第2温度で燃焼させて、前記バイオマス燃料の燃焼で生成された灰の前記第2温度での保持時間を前回の保持時間からt分間減らした状態で再度前記確認を行い、シリカが非晶質状態にある保持時間TA2(min)を見出すまで、このステップを繰り返し行い、保持時間TA2と、TA2+tで表され、かつ前記シリカが結晶状態にあるTC2(min)とを見出し、
    ステップ5:横軸を温度(℃)とし、縦軸を保持時間(min)としたグラフにおいて、TA1、TC1、TA2、TC2をプロットして、TA1とTA2を直線で結ぶとともにTC1とTC2を直線で結び、
    ステップ6:横軸を温度(℃)とし、縦軸を保持時間(min)としたグラフにおいて、少なくとも保持時間TA1およびTA2に基づいて近似関数Tを求め、かつ少なくとも保持時間TC1およびTC2に基づいて近似関数Tを求めて、前記近似関数Tの下側領域を前記非晶質領域とし、前記近似関数Tの上側領域を前記結晶領域とする、燃焼装置。
  10. 記バイオマス燃料が、穀物殻である、請求項9に記載の燃焼装置。
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