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JP7610589B2 - 照射器具及びプラズマ装置 - Google Patents

照射器具及びプラズマ装置 Download PDF

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JP7610589B2
JP7610589B2 JP2022516902A JP2022516902A JP7610589B2 JP 7610589 B2 JP7610589 B2 JP 7610589B2 JP 2022516902 A JP2022516902 A JP 2022516902A JP 2022516902 A JP2022516902 A JP 2022516902A JP 7610589 B2 JP7610589 B2 JP 7610589B2
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Description

本発明は、照射器具及びプラズマ装置に関する。
創傷治療等を目的としてプラズマを利用する技術が提案されている(JP2017-508485A参照)。JP2017-508485Aに開示された創傷治療用器具は、治療すべき創傷部位にプラズマ流を向けて創傷のプラズマ治療を行うものである。JP2017-508485Aの創傷治療用器具は、筐体と、筐体の内部に収容される圧電トランスと、を備える。JP2017-508485Aの創傷治療用器具においては、圧電トランスが、高電圧端において発生する高電圧を用いて、プラズマを発生させる。
圧電トランスの高電圧端においてプラズマを発生させる場合、器具のうちプラズマを発生させて照射する先端部分の太さが、圧電トランスの太さに応じて太くなってしまう。この場合、器具の先端部分を狭い隙間に挿入することが求められるような用途、例えば、歯科治療において人や動物の口内に器具の先端部分を挿入する用途には、器具を適用しにくくなってしまう。
本発明は、このような課題を効果的に解決し得る照射器具及びプラズマ装置を提供することを目的とする。
本発明による照射器具は、筐体に収容される圧電トランスと、前記圧電トランスに接続され、前記圧電トランスから電圧が印加される第1電極と、前期第1電極により発生するプラズマおよび前記プラズマによって生じる活性ガスの少なくとも一方を吐出する照射口と、を備え、前記第1電極の少なくとも一部は、前記圧電トランスと前記照射口との間に配置される。
本発明による照射器具は、前記第1電極の少なくとも一部に対向する第2電極を備えてもよい。
本発明による照射器具において、前記第2電極は、前記第1電極の軸線を中心とした周囲から前記第1電極を囲っていてもよい。
本発明による照射器具において、前記第1電極は、前記第1電極の軸線の延びる方向において前記圧電トランスに接続されている側とは反対側に位置する第1端部を有し、本発明による照射器具において、前記第2電極は、前記軸線を中心とした周囲から前記第1端部を囲っていてもよい。
本発明による照射器具において、前記第2電極は、前記第1電極の軸線の延びる方向において、前記第1電極の寸法よりも大きな寸法を有してもよい。
本発明による照射器具において、前記第2電極は、前記第1電極の軸線に垂直な径方向において、前記圧電トランスの寸法よりも小さな寸法を有してもよい。
本発明による照射器具において、前記第1電極は、前記第1電極の軸線に垂直な径方向において、前記圧電トランスの寸法よりも小さな寸法を有してもよい。
本発明によるプラズマ装置は、上記記載の照射器具と、前記圧電トランスに電圧を印加する電力源と、前記圧電トランスと前記電力源とを接続する電圧供給線と、を備える。
本発明の、照射器具及びプラズマ装置によれば、照射器具の先端部分の太さを小さく抑えることができる。
本発明の一実施形態に係るプラズマ装置を示す模式図。 本発明の一実施形態に係るプラズマ装置の概略構成を示すブロック図。 本発明の一実施形態に係る照射器具の断面図。 図3の照射器具の斜視図。 図3の照射器具のV-V線に沿った断面図。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「直交」、「垂直」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
本発明のプラズマ装置は、プラズマジェット照射装置又は活性ガス照射装置である。プラズマジェット照射装置と活性ガス照射装置はいずれも、プラズマを発生させる。プラズマジェット照射装置は、発生したプラズマと活性種とを被照射物に直接照射する。活性種は、プラズマ中の気体又はプラズマ周辺の気体とプラズマとが反応して生成される。活性種は、例えば、活性酸素種や活性窒素種等である。活性酸素種は、例えば、ヒドロキシルラジカル、一重項酸素、オゾン、過酸化水素、スーパーオキシドアニオンラジカル等である。活性窒素種は、例えば、一酸化窒素、二酸化窒素、ペルオキシナイトライト、過酸化亜硝酸、三酸化二窒素等である。活性ガス照射装置は、活性種を含む活性ガスを被照射物に照射する。活性種は、プラズマ中の気体又はプラズマ周辺の気体とプラズマとが反応して生成される。
以下、照射器具及びプラズマ装置の一実施形態について説明する。本実施形態のプラズマ装置は、例えば活性ガス照射装置である。図1及び図2に示すように、本実施形態の活性ガス照射装置100は、照射器具10と、供給ユニット20と、ガス管路30と、電圧供給線40と、供給源70と、報知部80と、制御部90(演算部)と、を備える。
照射器具10は、照射器具10内で発生した活性ガスを吐出する。照射器具10は、医師等により操作されるものであり、人間の手で操作しやすい形状、大きさ及び重量を有する。照射器具10は、ガス管路30、接地線31及び電圧供給線40にて、供給ユニット20と接続されている。図1に示す例において、照射器具10は、外筒部材8、及び照射器具10の先端を構成するノズル9を備える。ノズル9は、後述する第2電極5の先端に取り付けられる。ノズル9は、内部に活性ガスの流路を有している。ノズル9内の活性ガスの流路は、照射器具10の内部のプラズマ発生用ガスの流路と連通している。照射器具10がノズル9を有する場合、活性ガスは、後述する第1電極4と第2電極5との間、及びノズル9の内部の流路を通って、ノズル9の先端に位置するノズル照射口9aから吐出される。
ガス管路30と電圧供給線40は、一本のケーブル32内に収納されている。特に、電圧供給線40は、後述する圧電トランス2と外部の電力源とを接続する。電力源は、圧電トランス2に電圧を印加する。供給ユニット20は、照射器具10に電力及びプラズマ発生用ガスを供給する。供給ユニット20は、供給源70を収容している。供給源70は、プラズマ発生用ガスを収容している。供給ユニット20は、例えば、100Vの家庭用電源等の電力源から電源供給を受ける。この場合、電圧供給線40は、圧電トランス2と供給ユニット20とを接続していることによって、供給ユニット20を介して圧電トランス2と電力源とを接続している。また、供給ユニット20は、内部に電力源として充電可能なバッテリを搭載してもよい。この場合、電圧供給線40は、圧電トランス2と供給ユニット20の内部の電力源とを接続している。
図3は、照射器具10における、照射器具10の延びる方向に沿う面の断面(縦断面)図である。図4は、図3の照射器具10を示す斜視図である。図5は、図3の照射器具10のV-V線に沿った断面を示す断面図である。なお、図3~5においては、外筒部材8及びノズル9の図示は省略している。図3に示すように、照射器具10は、第1電極4と、第1電極4の少なくとも一部に対向する第2電極5とを備える。第1電極4は軸線O1を有する。なお、第1電極4の軸線O1とは、例えば、第1電極4の延びる方向d1に延び、方向d1において第1電極4が位置する範囲に位置する、仮想の線分である。以下、軸線O1の延びる方向d1を軸線方向d1とも称する。
図3に示す例において、照射器具10は、筐体1と、圧電トランス2と、管状誘電体3と、Oリング6a、6bと、圧電トランス用ケース7aと、緩衝材7b、7cと、を更に備える。
圧電トランス2は、印加された電圧を昇圧するものである。圧電トランス2によって、電力源から印加された電圧を昇圧して、高電圧を用いてプラズマを生成することができる。図3に示す例において、圧電トランス2は、印加された電圧を機械的な振動に変換する入力領域2aと、入力領域2aの振動を電圧に変換する出力領域2bとを有する。図3に示すように、入力領域2aには、電圧供給線40が接続されている。図3に示す例において、電圧供給線40は、圧電トランス2を収容する圧電トランス用ケース7aに設けられた孔部7a1を通って延びている。また、出力領域2bには、後述する第1電極4が接続されている。電圧供給線40を介して外部の電力源から印加された電圧は、入力領域2aによって機械的な振動に変換される。入力領域2aの振動は、出力領域2bによって電圧に変換されて第1電極4に印加される。圧電トランス2によって、電圧を一度機械的な振動に変換し、機械的な振動を再び電圧に変換することで、電力源から印加される電圧を昇圧して第1電極4に印加することができる。
本実施の形態において、圧電トランス2は、後述する筐体1に収容されている。図3に示す例において、圧電トランス2は圧電トランス用ケース7aに収容されており、圧電トランス用ケース7aが筐体1に収容されている。
圧電トランス2の形状は、例えば軸線方向d1に延びる直方体である。軸線O1に垂直な方向d2(以下、径方向d2とも称する。)における圧電トランス2の寸法w1は、例えば3cm以上20cm以下である。
また、図3に示す例において、圧電トランス2と圧電トランス用ケース7aとの間には、第1緩衝材7bが設けられている。第1緩衝材7bは、圧電トランス2と圧電トランス用ケース7aとの位置関係を定めつつ、圧電トランス2の機械的な振動を許容する。第1緩衝材7bの材料は、圧電トランス2の機械的な振動を大きく減衰させるものでなければ、特に限られない。第1緩衝材7bの材料は、例えばゴム等の弾性的に変形する材料である。また、図3に示す例において、圧電トランス用ケース7aと筐体1との間には、第2緩衝材7cが設けられている。第2緩衝材7cの材料は、例えば第1緩衝材7bの材料と同様である。図示はしないが、照射器具10は、第2緩衝材7cを備えなくてもよい。
圧電トランス2は、巻線トランス等の他の変圧器と比較して、小さくすることができる。このため、変圧器として圧電トランス2を用いることによって、変圧器を、使用者によって把持される筐体1に収容し、変圧器を照射器具10の一部としつつ、照射器具10を小型にすることができる。
第1電極4は、圧電トランス2に接続され、圧電トランス2からプラズマを生成するための電圧が印加される電極である。電圧が印加されることによって、第1電極4はプラズマを発生させる。第1電極4の少なくとも一部は、圧電トランス2と、照射器具10の後述する照射口5aとの間に配置される。図3に示す例においては、第1電極4の全体が、圧電トランス2と、照射器具10の後述する照射口5aとの間に配置されている。これによって、第1電極4に電圧が印加されることで、圧電トランス2と照射口5aとの間においてプラズマが発生する。本実施の形態に係る第1電極4は、軸線方向d1に延びる円柱状の形状を有する。第1電極4は、軸線方向d1における両端に位置する、第1端部4aと第2端部4bとを有する。図3に示す例において、照射器具10は、圧電トランス2の出力領域2b及び第1電極4の第2端部4bに接続する導線50を更に備える。そして、第1電極4は、導線50を介して、圧電トランス2の出力領域2bに接続されている。図3に示す例において、導線50は、圧電トランス用ケース7aに設けられた孔部7a2を通って延びている。
第1電極4の材料は、導電材であれば特に制限はなく、公知のプラズマ装置の電極に使用できる金属を適用できる。第1電極4の材料としては、ステンレス、銅、タングステン等の金属、カーボン等を例示できる。また、導線50の材料は、導電性を有し、且つ圧電トランス2の機械的な振動が第1電極4に伝わることが抑制されるような柔軟な材料であれば、特に限られない。
圧電トランス2から第1電極4に印加される電圧は、第1電極4と第2電極5との間でプラズマが生成される限り、特に限られない。プラズマ発生用ガスとして、後述する窒素を主成分とするガスを用いてプラズマを生成する場合、第1電極4に印加される電圧は、例えば0.5kVpp以上20kVpp以下である。第1電極4に印加される電圧は、より好ましくは2kVpp以上18kVpp以下であり、更に好ましくは5kVpp以上15kVpp以下である。なお、「kVpp」のうち「pp」は、peak to peakの略である。
第2電極5は、第1電極4の少なくとも一部に対向する電極である。図3及び図5に示す例において、第2電極5は、第1電極4の一部に対向している。一例として、第2電極5は、軸線O1を中心とした周囲から第1電極4を囲う。図3に示す例において、第2電極5は、第1電極4の端部4a、4bのうち、第1電極4の軸線方向d1において圧電トランス2に接続されている側とは反対側に位置する第1端部4aを、軸線O1を中心とした周囲から囲っている。図3及び図5に示す例において、第2電極5は、軸線O1を中心とした周囲から、第1端部4aを含む第1電極4の一部を囲っている。本実施の形態において、第2電極5は、第1電極4の一部の周囲を周回する略円筒状の電極である。本実施の形態において、第2電極5は、電気的に接地されている。図示はしないが、第2電極5は、例えば接地線に接続されていることによって、電気的に接地されている。
照射器具10が、電圧が印加される第1電極4とともに、接地されている第2電極5を備えることによって、第1電極4によりプラズマを発生させる際に、プラズマを生成するための電界を、より強めることができる。第1電極4と第2電極5との間にプラズマ発生用ガスを供給し、第2電極5と対向する第1電極4に電圧を印加することで、第1電極4と第2電極5との間に放電を生じさせ、プラズマ発生用ガスを電離させてプラズマを生成することができる。この場合、第1電極4と第2電極5とがプラズマを発生させているといえる。また、プラズマは、対向する第1電極4と第2電極5との間において発生する。
また、第1電極4の少なくとも一部に、接地された第2電極5が対向しており、特に第2電極5が軸線O1を中心とした周囲から第1電極4を囲っていることによって、第1電極4が発する電場を第2電極5により抑制することができる。このため、照射器具10を把持する使用者の感電を抑制することができる。使用者の感電を抑制する観点からは、図3に示す第2電極5の軸線方向d1における寸法w3は、第1電極4の軸線方向d1における寸法w2よりも大きいことが好ましい。これによって、第1電極4の広い範囲が第2電極5によって覆われ、使用者の感電を、より効果的に抑制することができる。第2電極5によって使用者の感電が十分に抑制されている場合、照射器具10は、使用者の感電を抑制する保護部材の機能を有する他の部材、例えば、後述する外筒部材8やノズル9等の部材を備えなくてもよくなる。この場合、保護部材の機能を有する他の部材を省略することによって、照射器具10の先端側に位置する先端部分の太さを、より細くすることができる。
第2電極5の材料は、導電材であれば特に制限はなく、公知のプラズマ装置の電極に使用する金属を適用できる。第2電極5の材料としては、ステンレス、銅、タングステン等の金属、カーボン等を例示できる。
照射器具10は、発生したプラズマおよびプラズマによって生じる活性ガスの少なくとも一方を吐出する照射口5aを更に備える。図3において、照射口5aは、照射器具10の先端側(図3における左側)における第2電極5の端部に設けられている。照射口5aは、後述する管状誘電体3の内空部3aを、照射器具10の外部と通じさせている。
管状誘電体3は、内空部3aを有する部材である。図3~5に示す例において、管状誘電体3は、軸線方向d1に延びる円筒状の部材である。図3及び図5に示すように、管状誘電体3の内空部3aには、第1電極4が配置される。
図3及び図5に示す例において、第1電極4は、管状誘電体3の内面と離間して配置されている。また、第2電極5は、管状誘電体3の外面に接するように配置されている。
管状誘電体3の材料としては、公知のプラズマ装置に使用する誘電体材料を適用できる。管状誘電体3の材料は、例えば、ガラス、セラミックス、合成樹脂等である。管状誘電体3の誘電率は低いほど好ましい。
管状誘電体3の内径Rは、径方向d2における第1電極4の寸法w4を勘案して適宜決定できる。内径Rは、後述する距離sを所望の範囲とするように決定する。
第1電極4と管状誘電体3とを離間して配置する場合において、第1電極4の外面と管状誘電体3の内面との距離sは、0.05mm~5mmが好ましく、0.1mm~1mmがより好ましい。距離sが上記下限値以上であれば、後述するように管状誘電体3の内空部3aをプラズマ発生用ガスの流路として用いる場合に、所望量のプラズマ発生用ガスを容易に通流できる。距離sが上記上限値以下であれば、プラズマをさらに効率的に発生させ、活性ガスの温度を低くできる。
筐体1は、使用者によって把持され、且つ圧電トランス2を収容する部材である。図3に示す例において、筐体1は、圧電トランス用ケース7aを収容することによって、圧電トランス2を収容している。図3~5に示す例において、筐体1は、軸線方向d1に延びる略筒状の部材である。一例として、筐体1は、圧電トランス2を収容する第1部分1aと、第1電極4の少なくとも一部を収容する第2部分1bと、を有する。図3~5に示す例において、第1部分1a及び第2部分1bは、ともに軸線方向d1に延びる略円筒状の形状を有する。図示はしないが、第1部分1a及び第2部分1bの形状は、四角筒状、六角筒状、八角筒状等の多角筒形状でもよい。
図3に示す例において、第1部分1aは、内側に、径方向d2に対して傾斜した傾斜面1eを有する。また、圧電トランス用ケース7aは、傾斜面1eと接触するように径方向d2に対して傾斜したケース傾斜面7a3を有する。圧電トランス用ケース7aは、筐体1の第1部分1a側(図3における右側)から、ケース傾斜面7a3が傾斜面1eに接触するように第1部分1aの内部に押し込まれることによって、筐体1に対して固定される。
図3に示す例においては、第2電極5の一部が、筐体1の第2部分1bに挿入され、第2部分1bと第2電極5とが接触している。一例として、筐体1と第2電極5とは、図示しない固定手段によって、互いに対して固定される。例えば、筐体1及び第2電極5が図示しないネジ穴を有し、第2電極5が筐体1に対してネジ止めされる。
また、管状誘電体3の一部が、筐体1の第2部分1bに挿入され、第2部分1bと管状誘電体3とが接触している。図3に示す例においては、第2電極5が、軸線O1に沿った一方の側から、Oリング6aを介して、管状誘電体3に接触し、管状誘電体3の軸線O1に沿った一方の側への移動を規制している。また、筐体1が、軸線O1に沿った他方の側から、Oリング6bを介して、管状誘電体3に接触し、管状誘電体3の軸線O1に沿った他方の側への移動を規制している。Oリング6a、6bは、弾力性のある樹脂部材からなる部材であり、管状誘電体3の外周面に密着するような内径を有する。これによって、管状誘電体3は、軸線方向d1への移動が規制されている状態で保持される。
また、筐体1は、第1電極4に接触する部分を有していてもよく、筐体1が第1電極4に接触することによって第1電極4の移動が規制されていてもよい。また、圧電トランス用ケース7aが第1電極4に接触することによって、第1電極4の移動が規制されていてもよい。図3に示す例においては、圧電トランス用ケース7aが、第1電極4の第2端部4bに接触し、第1電極4の軸線方向d1への移動を規制している。また、第1電極4は、第2端部4b側に、径方向d2の外方への突出長さが最も大きくなっている拡径部4cを有する。そして、筐体1が、拡径部4cに接触し、第1電極4の径方向d2への移動を抑制している。
筐体1の材料は、特に制限はないが、絶縁性を有する材料が好ましい。絶縁性の材料は、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等である。熱可塑性樹脂は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアセタール(POM)、変成ポリフェニレンエーテル(mPPE)、等である。熱硬化性樹脂は、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂等である。その他に、絶縁性の材料として、ポリエチレンテレフタレート(PET)を主原料に、ガラス短繊維や無機フィラー等を充填複合したものを用いることもできる。このような材料としては、例えばユニチカ株式会社製のユニレート(登録商標)が挙げられる。筐体1の材料としては、PEEK又はmPPEが、筐体1の材料に適した樹脂の物性を有しているため、より好ましい。
また、図1に示す例において照射器具10は、電気的に接地された外筒部材8を備える。一例として、外筒部材8は、略筒状の形状を有し、内部に第1電極4及び第2電極5の全体を収容する、導電性の部材である。照射器具10が外筒部材8を有することによって、照射器具10が発する電場を抑制し、照射器具10を扱う使用者の感電を効果的に防ぐことができる。図示はしないが、照射器具10は、外筒部材8を備えなくてもよい。
また、図1に示す例において、照射器具10は、ノズル9を備える。ノズル9は、導電性の部材であってもよく、導電性を有しない樹脂製の部材であってもよい。ノズル9が導電性を有する場合には、ノズル9によって照射器具10が発する電場を抑制し、照射器具10を扱う使用者の感電を効果的に防ぐことができる。図示はしないが、照射器具10は、ノズル9を備えなくてもよい。照射器具10がノズル9を備えない場合、照射器具10は、第2電極5の照射口5aから活性ガスを照射する。
照射器具10において、第1電極4と第2電極5との間には、供給ユニット20からプラズマ発生用ガスが供給される。図3及び図5に示す例においては、第1電極4と管状誘電体3とが離間して配置されている。この場合、管状誘電体3の内空部3aをプラズマ発生用ガスの流路として用いて、第1電極4と第2電極5との間にプラズマ発生用ガスを供給してもよい。また、図示はしないが、第2電極5が管状誘電体3と離間して配置されている場合、第2電極5と管状誘電体3との間の隙間をプラズマ発生用ガスの流路として用いて、第1電極4と第2電極5との間にプラズマ発生用ガスを供給してもよい。
第1電極4と第2電極5との間にプラズマ発生用ガスを供給する方法は、特に限られない。図示はしないが、筐体1に貫通孔が設けられていてもよい。この場合、ガス管路30を介して照射器具10に供給されたプラズマ発生用ガスが、筐体1の貫通孔を介して、第1電極4と第2電極5との間へと供給される。
本実施の形態に係る発明において、印加された電圧を昇圧する変圧器である圧電トランス2が筐体1に収容され、照射器具10の一部となっていることの作用効果について説明する。仮に、変圧器を筐体1に収容せずに、筐体1の外部に配置する場合について考える。この場合、変圧器と、照射器具10の第1電極4とを、配線によって接続することによって、変圧器を用いて第1電極4に高電圧を印加することができる。
しかしながら、この場合、変圧器が筐体1の外部に配置されているために、変圧器と第1電極4とを、十分な長さを有する配線によって接続する必要がある。そして、変圧器と第1電極4とを接続する配線は、変圧器によって昇圧された高電圧に耐え得る必要があるため、太くなってしまう。このため、十分な長さを有し且つ太い配線を用いる必要が生じる。そして、照射器具10から延び出す配線が太いと、配線が照射器具10の操作の邪魔になりやすいために、照射器具10の操作性が低下する。
また、配線に高電圧が印加されると、配線がコンデンサのように機能し、配線にエネルギーが蓄えられる。この場合、第1電極4に電圧を印加するために、電力源によって、エネルギーが配線に蓄えられる分だけ過剰な電力を供給しなければならない。ここで、変圧器が筐体1の外部に配置されていると、筐体1の外部の変圧器と第1電極4とを配線によって接続する必要があるため、変圧器によって昇圧された高電圧が印加される配線の長さが長くなってしまう。高電圧が印加される配線の長さが長いと、配線に蓄えられるエネルギーが特に大きくなり、電力源によって、特に大きな電力を供給することが必要になってしまう。
これに対し、本実施の形態に係る発明においては、変圧器である圧電トランス2が筐体1に収容され、照射器具10の一部となっている。このため、圧電トランス2及び第1電極4に接続する導線50の長さを短くすることができる。また、照射器具10から照射器具10の外部へと延び出す長い配線である電圧供給線40に印加される電圧は、圧電トランス2によって昇圧される前の低電圧となる。このため、電圧供給線40を細くし、電圧供給線40が照射器具10の操作の邪魔になりにくくして、照射器具10の操作性を向上することができる。また、電圧供給線40に高電圧が印加されて大きなエネルギーが蓄えられてしまうことが抑制される。このため、電力源によって供給する電力を、小さく抑えることができる。
また、本実施の形態に係る発明においては、圧電トランス2が照射器具10の一部になっているために、照射器具10のうち、圧電トランス2と外部の電力源とを接続している部分には、圧電トランス2によって昇圧される前の低電圧が印加される。このため、変圧器が照射器具10の外部に位置する場合と比較して、照射器具10の内部における高電圧が印加される部分の割合を小さくすることができる。これによって、使用者等の感電を防ぐために照射器具10に設けられる保護部材を、減らすことができる。
次に、圧電トランス2に接続される第1電極4及び第1電極4に対向する第2電極5の作用効果について説明する。仮に、照射器具10が第1電極4を有さず、圧電トランス2の出力領域2b側の端部においてプラズマを発生させる場合について考える。この場合、照射器具10の先端側に位置する先端部分の太さは、圧電トランス2の出力領域2b側の端部の太さに応じて、太くなってしまう。なお、照射器具10の先端部分の太さ、及び圧電トランス2の端部の太さとは、図3に示す例においては、照射器具10の先端部分、及び圧電トランス2の端部の、径方向d2における寸法である。そして、圧電トランス2の寸法は圧電トランス2に求められる変圧器としての性能に応じて定めなければならないため、圧電トランス2の端部を細くすることによって照射器具10の先端部分を細くすることは困難である。照射器具10の先端部分が太いと、照射器具10の先端部分を狭い隙間に挿入することが求められるような用途には、照射器具10を適用しにくくなってしまう。
また、照射器具10には、活性ガスを照射する照射対象に対して、圧電トランス2の電場の作用によるダメージを与えないこと、特に、照射対象が人や動物等である場合には、照射対象を感電させないことが求められる。照射対象への電場の作用によるダメージを抑制するためには、圧電トランス2の端部を照射対象から十分に離した状態で、活性ガスを照射することも考えられる。しかしながら、この場合、プラズマが発生する部分と照射対象との距離が長くなってしまうため、照射対象に達するまでに失活する活性ガスの割合が大きくなってしまう。圧電トランス2の端部を照射対象に近づけつつ照射対象への電場の作用によるダメージを抑制するために、圧電トランス2の端部の周囲に、接地された電極を設けることも考えられる。しかしながら、この場合、接地された電極を設けた分だけ、照射器具10の先端部分が更に太くなってしまう。
これに対して、本実施の形態に係る照射器具10は、圧電トランス2に接続され、圧電トランス2から電圧が印加される第1電極4を備える。第1電極4の太さは、圧電トランス2の寸法とは無関係に定めることができる。このため、第1電極4を細くすることによって、照射器具10の先端部分を十分細くし、照射器具10の先端部分を細くすることが求められる用途、例えば照射器具10の先端部分を狭い隙間に挿入することが求められる用途にも、照射器具10を適用することができる。また、接地された第2電極5を、第1電極4の少なくとも一部に対向させることによって、第2電極5によって照射対象への電場の作用によるダメージを抑制しつつ、接地された電極を圧電トランス2の端部の周囲に設ける場合よりも、照射器具10の先端部分を細くすることができる。照射器具10の先端部分が十分細いことによって、照射器具10を、例えば口腔内用治療器具、歯科用治療器具として用いることができる。なお、第2電極5が、第1端部4aを、軸線O1を中心とした周囲から囲っている場合、第2電極5によって、特に効果的に照射対象への電場の作用によるダメージを抑制することができる。
径方向d2における第1電極4の寸法w4は、活性ガス照射装置100の用途(即ち、照射器具10の大きさ)等を勘案して、適宜決定できる。活性ガス照射装置100が口腔内用治療器具である場合、寸法w4は、0.5mm以上20mm以下が好ましく、1mm以上10mm以下がより好ましい。寸法w4が上記下限値以上であれば、第1電極4を容易に製造できる。加えて、寸法w4が上記下限値以上であれば、照射器具10の先端部分を十分細くすることができる。また、寸法w4が上記上限値以下であれば、第1電極4の表面積が大きくなり、プラズマをより効率的に発生させて、治癒等をより促進できる。また、寸法w4が上記上限値以下であれば、照射器具10を過度に大きくすることなく、プラズマをより効率的に発生し、治癒等をより促進できる。
また、図3に示す例において、第1電極4の径方向d2における寸法w4は、圧電トランス2の径方向d2における寸法w1よりも小さい。これによって、照射器具10が第1電極4を有さず、圧電トランス2の端部においてプラズマを発生させる場合よりも、照射器具10の先端部分を細くすることができる。
活性ガス照射装置100が口腔内用治療器具である場合、径方向d2における第2電極5の寸法w5は、1mm以上15mm以下が好ましく、3mm以上6mm以下がより好ましい。
また、図3に示す例において、第2電極5の径方向d2における寸法w5は、圧電トランス2の径方向d2における寸法w1よりも小さい。これによって、第2電極5を設けつつ、照射器具10が圧電トランス2の端部においてプラズマを発生させる場合よりも、照射器具10の先端部分を細くすることができる。
また、図3に示す例において、径方向d2における筐体1の第2部分1bの寸法w7は、径方向d2における筐体1の第1部分1aの寸法w6よりも小さい。活性ガス照射装置100が口腔内用治療器具である場合、径方向d2における第2部分1bの寸法w7は、3mm以上20mm以下が好ましく、5mm以上10mm以下がより好ましい。これによって、照射器具10のうち、軸線方向d1において第2部分1bが位置する部分の太さを、十分に細くすることができる。
次に、図1を参照して、本実施形態の活性ガス照射装置100のうち照射器具10以外の部分の詳細について説明する。図1に示すような供給ユニット20は、照射器具10に電気およびプラズマ発生用ガスを供給する。供給ユニット20は、圧電トランス2を介して第1電極4に印加する電圧及び周波数を調節できる。供給ユニット20は、供給源70を収容する供給ユニット筐体21を備えている。供給ユニット筐体21は、供給源70を離脱可能に収容する。これにより、供給ユニット筐体21に収容された供給源70内のガスがなくなったとき、プラズマ発生用ガスの供給源70を交換することができる。
供給源70は、第1電極4と第2電極5との間にプラズマ発生用ガスを供給する。供給源70は、内部にプラズマ発生用ガスが収容された耐圧容器である。図2に示すように、供給源70は、供給ユニット筐体21内に配置された配管75に対して着脱可能に装着されている。配管75は、供給源70とガス管路30とを接続している。配管75には、電磁弁71、圧力レギュレータ73、流量コントローラ74及び圧力センサ72(残量センサ)が取り付けられている。
電磁弁71が開状態となると、供給源70から配管75及びガス管路30を介して照射器具10にプラズマ発生用ガスが供給される。図示の例では、電磁弁71は、弁開度が調節できる構成ではなく、開閉の切り替えのみができる構成である。なお電磁弁71は、弁開度が調節できる構成であってもよい。圧力レギュレータ73は、電磁弁71と供給源70との間に配置されている。圧力レギュレータ73は、供給源70から電磁弁71に向かうプラズマ発生用ガスの圧力を低下(プラズマ発生用ガスを減圧)させる。
流量コントローラ74は、電磁弁71とガス管路30との間に配置されている。流量コントローラ74は、電磁弁71を通過したプラズマ発生用ガスの流量(単位時間当たりの供給量)を調整する。流量コントローラ74は、プラズマ発生用ガスの流量を、例えば3L/minに調整する。
圧力センサ72は、供給源70におけるプラズマ発生用ガスの残量V1を検出する。圧力センサ72は、残量V1として、供給源70内の圧力(残圧)を測定する。圧力センサ72は、圧力レギュレータ73と供給源70との間(圧力レギュレータ73よりも一次側)を通過するプラズマ発生用ガスの圧力(一次圧)を、供給源70の圧力として測定する。圧力センサ72としては、例えば、キーエンス社のAP-V80シリーズ(具体的には、例えばAP-15S)等を採用することができる。
なお、供給源70における実際の残量V1(体積)は、圧力センサ72が測定する残圧と、供給源70の容量(内部容積)と、から算出される。供給源70として、多様な容量の供給源70を使用する前提の場合、例えば、実際の供給源70の容量を、図示しない入力部のシステム画面上で選択することで、演算用の容量を設定してもよい。また、供給源70として、定用量の供給源70を使用する前提の場合、制御部90がその容量を予め記憶しておいてもよい。
配管75の供給源70側の端部には、継手76が設けられている。継手76には、供給源70が着脱可能に装着されている。供給源70を継手76に着脱させることで、電磁弁71、圧力レギュレータ73、流量コントローラ74及び圧力センサ72(以下、「電磁弁71等」という。)を供給ユニット筐体21に固定したまま、プラズマ発生用ガスの供給源70を交換することができる。この場合、交換前の供給源70、交換後の供給源70のいずれについても共通の電磁弁71等を使用することができる。なお電磁弁71等は、供給源70に固定され、供給源70と一体的に供給ユニット筐体21から離脱可能であってもよい。
図1に示すように、ガス管路30は、供給ユニット20から照射器具10にプラズマ発生用ガスを供給する経路である。ガス管路30は、照射器具10の管状誘電体3の後端部に接続している。ガス管路30の材料は特に制限はなく、公知のガス管に用いる材料を適用できる。ガス管路30の材料としては、例えば、樹脂製の配管、ゴム製のチューブ等を例示でき、可撓性を有する材料が好ましい。
電圧供給線40は、供給ユニット20から照射器具10に電圧を供給する配線である。電圧供給線40は、上述の通り圧電トランス2に接続しているとともに、不図示のフットスイッチに接続している。電圧供給線40の材料は特に制限はなく、公知の電圧供給線に用いる材料を適用できる。電圧供給線40の材料としては、絶縁材料で被覆した金属導線等を例示できる。
図2に示すような制御部90は、情報処理装置を用いて構成される。すなわち、制御部90は、バスで接続されたCPU(Central Processor Unit)、メモリ及び補助記憶装置を備える。制御部90は、プログラムを実行することによって動作する。制御部90は、例えば、供給ユニット20に内蔵されていてもよい。制御部90は、照射器具10、供給ユニット20および報知部80を制御する。
制御部90には、不図示のフットスイッチが電気的に接続されている。照射器具10の使用者によりフットスイッチが操作されると、フットスイッチから制御部90に電気信号が送られる。制御部90が電気信号を受け付けると、制御部90は電磁弁71及び流量コントローラ74を作動させ、かつ圧電トランス2を介して第1電極4に電圧を印加する。
本実施形態では、使用者がフットスイッチを1回押したときに、制御部90が電気信号を受け付ける。すると制御部90が、電磁弁71を所定の時間、開放して電磁弁71を通過したプラズマ発生用ガスの流量を流量コントローラ74に調整させ、かつ圧電トランス2を介して第1電極4に電圧を所定の時間、印加する。その結果、供給源70から第1電極4と第2電極5との間に一定量のプラズマ発生用ガスが供給され、ノズル照射口9aから活性ガスが一定時間(例えば、数秒から数十秒程度、本実施形態では30秒)、継続して吐出される。
すなわち、本実施形態では、使用者によるフットスイッチを1回押下するあたりの活性ガスの吐出量が定まっている。このような、所定の吐出量の活性ガスを吐出する操作を単位操作と呼ぶ。本実施形態では、単位操作が、使用者によるフットスイッチの1回の押下である。単位操作1回あたりの活性ガスの吐出量(単位操作1回あたりの供給源70から第1電極4と第2電極5との間へのプラズマ発生用ガスの供給量)は、予め設定された固定値であってもよく、図示しない操作盤の操作等により設定可能な変動値であってもよい。
制御部90は、プラズマ発生用ガスの残回数N及び残時間Tのうちの少なくとも一方を残存情報として演算する。本実施形態では、制御部90は、残回数N及び残時間Tのうちの残回数Nのみを残存情報として演算する。残回数Nは、供給源70に残存するプラズマ発生用ガスによって、供給源70から第1電極4と第2電極5との間にプラズマ発生用ガスを供給することができる残りの単位操作の回数である。残時間Tは、供給源70に残存するプラズマ発生用ガスによって、供給源70から第1電極4と第2電極5との間にプラズマ発生用ガスを供給することができる残りの時間である。
残回数N及び残時間Tはいずれも、供給源70におけるプラズマ発生用ガスの残量V1から算出することができる。残回数Nは、残量V1と、フットスイッチの単位操作1回あたりのプラズマ発生用ガスの供給量V2と、に基づいて演算(N=V1/V2)することができる。また、直近数回のプラズマ発生用ガスの使用量(供給量)の平均値V2(平均値)を演算し、その平均値V2(平均値)をプラズマ発生用ガスの残量V1で除することにより、残回数Nを算出する。残時間Tは、残量V1と、供給源70から第1電極4と第2電極5との間に単位時間あたり供給されるプラズマ発生用ガスの供給量V3と、に基づいて演算(T=V1/V3)することができる。
報知部80は、残回数Nおよび残時間Tのうちの少なくとも一方を報知する。本実施形態では、報知部80は、残回数Nを表示する。報知部80は、制御部90が演算した残回数Nを数字で表示する。報知部80として、例えば、任意の数字を表示可能なディスプレイ装置を採用してもよく、機械式のカウンタを採用してもよい。
なお図示の例では、報知部80は、供給ユニット筐体21の外面に、供給ユニット筐体21と一体に設けられているが、供給ユニット20から独立して設けられていてもよい。また報知部80は、残回数Nを数字とは異なる形態により表示してもよい。例えば報知部80として、文字盤および針により形成されるアナログ表示をする構成を採用してもよい。さらに例えば、報知部80が、色の表示態様や、光の点灯の態様により残回数Nを報知してもよい。
さらに報知部80は、音声によって残回数Nを報知してもよい。この場合、報知部80としては、例えばスピーカ等を採用することができる。
本実施形態のように、使用者がフットスイッチを押したときに、供給源70から第1電極4と第2電極5との間に一定量のプラズマ発生用ガスが供給される場合には、残時間Tを報知することよりも残回数Nを報知することの方が使用者の利便性を高めることができる。
次に、活性ガス照射装置100の使用方法を説明する。例えば医師等の使用者は、照射器具10を持って移動させ、ノズル照射口9aを後述する被照射物に向ける。この状態で使用者がフットスイッチを押し、供給源70から照射器具10に電気及びプラズマ発生用ガスを供給する。照射器具10に供給したプラズマ発生用ガスは、管状誘電体3の後端部から管状誘電体3の内空部3aに流入する。プラズマ発生用ガスは、第1電極4と第2電極5とが対向する位置において電離し、プラズマになる。
本実施形態においては、第1電極4と第2電極5とが、プラズマ発生用ガスの流れる方向と直交する向きに対向している。第1電極4の外周面と第2電極5の内周面とが対向する位置で発生したプラズマは、管状誘電体3の内空部3aを通流しつつガス組成を変化させ、ラジカル等の活性種を含む活性ガスとなる。
生じた活性ガスはノズル照射口9aから吐出される。吐出された活性ガスは、ノズル照射口9a近傍の気体の一部をさらに活性化して活性種を生成する。これらの活性種を含む活性ガスは被照射物に照射される。
被照射物としては、例えば、細胞、生体組織、生物個体等を例示できる。生体組織としては、内蔵等の各器官、体表や体腔の内面を覆う上皮組織、歯肉、歯槽骨、歯根膜及びセメント質等の歯周組織、歯、骨等を例示できる。生物個体としては、ヒト、犬、猫、豚等の哺乳類;鳥類;魚類等のいずれでもよい。
プラズマ発生用ガスとしては、例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン等の希ガス;窒素;等である。これらのガスは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。プラズマ発生用ガスは、窒素を主成分とすることが好ましい。ここで、窒素を主成分とするとは、プラズマ発生用ガスにおける窒素の含有量が50体積%超であることをいう。即ち、プラズマ発生用ガスにおける窒素の含有量は、50体積%超が好ましく、70体積%以上がさらに好ましく、90体積%~100体積%が特に好ましい。プラズマ発生用ガス中、窒素以外のガス成分は、特に制限はなく、例えば、酸素、希ガス等を例示できる。
活性ガス照射装置100が口腔内用治療器具である場合、管状誘電体3に導入するプラズマ発生用ガスの酸素濃度は、1体積%以下が好ましい。酸素濃度が上限値以下であれば、オゾンの発生を低減できる。
管状誘電体3に導入するプラズマ発生用ガスの流量は、1L/min~10L/minが好ましい。管状誘電体3に導入するプラズマ発生用ガスの流量が下限値以上であると、被照射物における被照射面の温度の上昇を抑制しやすい。プラズマ発生用ガスの流量が上限値以下であると、被照射物の清浄化、賦活化又は治癒をさらに促進できる。
ノズル照射口9aから照射する活性ガスの温度は、50℃以下が好ましく、45℃以下がより好ましく、40℃以下がさらに好ましい。ノズル照射口9aから照射する活性ガスの温度が上限値以下であると、被照射面の温度を40℃以下にしやすい。被照射面の温度を40℃以下にすることで、被照射部分が患部である場合にも、患部への刺激を低減できる。ノズル照射口9aから照射する活性ガスの温度の下限値は、特に制限はなく、例えば、10℃以上である。活性ガスの温度は、ノズル照射口9aにおける活性ガスの温度を熱電対で測定した値である。
ノズル照射口9aから被照射面までの距離(照射距離)は、例えば、0.01mm~10mmが好ましい。照射距離が上記下限値以上であれば、被照射面の温度を低くし、被照射面への刺激をさらに緩和できる。照射距離が上記上限値以下であれば、治癒等の効果をさらに高められる。
ノズル照射口9aから1mm以上10mm以下の距離で離れた位置の被照射面の温度は、40℃以下が好ましい。被照射面の温度が40℃以下であれば、被照射面への刺激を低減できる。被照射面の温度の下限値は特に制限はないが、例えば10℃以上である。被照射面の温度は、第1電極4と第2電極5との間に印加する交流電圧、照射する活性ガスの吐出量、第1電極4の先端部4dからノズル照射口9aまでの道のり等の組み合わせで調節できる。被照射面の温度は、熱電対を用いて測定できる。
活性ガスに含まれる活性種(ラジカル等)としては、ヒドロキシルラジカル、一重項酸素、オゾン、過酸化水素、スーパーオキシドアニオンラジカル、一酸化窒素、二酸化窒素、ペルオキシナイトライト、過酸化亜硝酸、三酸化二窒素等を例示できる。活性ガスに含まれる活性種の種類は、例えば、プラズマ発生用ガスの種類等にさらに調節できる。
活性ガス中におけるヒドロキシラジカルの密度(ラジカル密度)は、0.1μmol/L~300μmol/Lが好ましい。ラジカル密度が下限値以上であると、細胞、生体組織及び生物個体から選ばれる被照射物の清浄化、賦活化又は異常の治癒を促進しやすい。ラジカル密度が上限値以下であると、被照射面への刺激を低減できる。
ラジカル密度は、例えば、以下の方法で測定できる。DMPO(5,5-ジメチル-1-ピロリン-N-オキシド)0.2mol/L溶液0.2mLに対して、活性ガスを30秒間照射する。この際、ノズル照射口9aから液面までの距離を5.0mmとする。活性ガスを照射した溶液について、電子スピン共鳴(ESR)法を利用してヒドロキシルラジカル濃度を測定し、これをラジカル密度とする。
活性ガス中における一重項酸素の密度(一重項酸素密度)は、0.1μmol/L~300μmol/Lが好ましい。一重項酸素密度が下限値以上であると、細胞、生体組織及び生物個体等の被照射物の清浄化、賦活化又は異常の治癒を促進しやすい。上限値以下であると、被照射面への刺激を低減できる。
一重項酸素密度は、例えば、以下の方法で測定できる。TPC(2,2,5,5-テトラメチル-3-ピロリン-3-カルボキサミド)0.1mol/L溶液0.4mLに対して、活性ガスを30秒間照射する。この際、ノズル照射口9aから液面までの距離を5.0mmとする。活性ガスを照射した溶液について、電子スピン共鳴(ESR)法を利用して一重項酸素濃度を測定し、これを一重項酸素密度とする。
ノズル照射口9aから照射する活性ガスの流量は、1L/min~10L/minが好ましい。ノズル照射口9aから照射する活性ガスの流量が下限値以上であると、活性ガスが被照射面に作用する効果を充分に高められる。ノズル照射口9aから照射する活性ガスの流量が上限値未満であると、活性ガスの被照射面の温度が過度に高まることを防止できる。加えて、被照射面が濡れている場合には、被照射面の急速な乾燥を防止できる。さらに、被照射面が患部である場合には、患者への刺激を抑制できる。なお、活性ガス照射装置100において、ノズル照射口9aから照射する活性ガスの流量は、管状誘電体3へのプラズマ発生用ガスの供給量で調節できる。
活性ガス照射装置100によって生じる活性ガスは、外傷や異常の治癒を促進する効果を有する。活性ガスを細胞、生体組織又は生物個体に照射することによって、その被照射部分の清浄化、賦活化、又はその被照射部分の治癒を促進できる。
外傷や異常の治癒を促進する目的で活性ガスを照射する場合、その照射頻度、照射回数及び照射期間は特に制限はない。例えば、1L/min~5.0L/minの照射量で活性ガスを患部に照射する場合、1日1回~5回、毎回10秒~10分、1日~30日間、等の照射条件が、治癒を促進する観点から好ましい。
本実施形態の活性ガス照射装置100は、特に口腔内用治療器具、歯科用治療器具として有用である。また、本実施形態の活性ガス照射装置100は、動物治療用器具としても好適である。
以上において、具体例を参照しながら一実施の形態を説明してきたが、上述した具体例が一実施の形態を限定することを意図していない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した具体例と同様に構成され得る部分について、上述の具体例における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
上述の実施の形態においては、第1電極4が円柱状の形状を有する例について説明した。しかしながら、第1電極4の形状は、これに限られない。一例として、第1電極4は、角柱状、特に四角柱状の形状を有する。この場合、以下の作用によっても、第1電極4の第1端部4a側において、第1電極4によってプラズマを発生させることができる。第1電極4に電圧を印加することによって、第1電極4のうち、第1端部4a側に位置する角部に、局所的に特に高い電圧が生じる。これによって、角部の周辺のガスを電離させて、プラズマを発生させることができる。また、他の一例として、第1電極4は、第1端部4aが尖っている針状の形状を有してもよい。この場合、第1電極4のうち、尖っている第1端部4aに、局所的に特に高い電圧が生じるため、第1端部4aの周辺においてプラズマを発生させることができる。第1電極4の形状、又は第1電極4に印加する電圧の条件によっては、第1電極4の第1端部4aの周辺において、プラズマを発生させることもできる。第1電極4が、第1電極4の第1端部4a側においてプラズマを発生させることができる場合、照射器具10は、第2電極5を有しなくてもよい。
また、上述の実施の形態においては、照射器具10が、圧電トランス2と圧電トランス用ケース7aとの間に設けられている第1緩衝材7bを備える例について説明した。しかしながら、図示はしないが、照射器具10は、第1緩衝材7bを備えなくてもよい。
また、上述の実施の形態においては、照射器具10が導線50を備え、第1電極4が導線50を介して圧電トランス2の出力領域2bに接続されている例について説明した。しかしながら、第1電極4を圧電トランス2の出力領域2bに接続する方法は、これに限られない。他の一例として、第1電極4は、はんだ付けによって、圧電トランス2の出力領域2bに接続される。
また、照射器具10は、1つの圧電トランス2を備えてもよいし、複数の圧電トランス2を備えてもよい。照射器具10が複数の圧電トランス2を備える場合、1つの筐体1に複数の圧電トランス2が収容されていてもよい。照射器具10が複数の圧電トランス2を備える場合、第1電極4には、複数の圧電トランス2の各々が接続されて、複数の圧電トランス2から電圧が印加される。
第1電極4に複数の圧電トランス2から電圧が印加されることによって、以下の効果が得られる。複数の圧電トランス2の各々の容量が小さい場合であっても、第1電極4と第2電極5との間において、十分な量のプラズマを発生させることができる。また、第1電極4に流れる電流の大きさを確保しつつ、容量の大きな1つの圧電トランス2から第1電極4に電圧が印加される場合と比較して、複数の圧電トランス2の各々に流れる電流を小さくすることができる。言い換えれば、電流を、複数の圧電トランス2の各々に分散することができる。
また、照射器具10において、第1電極4と第2電極5とが対向する部分の軸線方向d1における寸法w8は、特に3mmより大きく20mmより小さい長さとすることができる。寸法w8が20mmより小さいことによって、第1電極4と第2電極5との間に生じる放電の電流が大きくなることが抑制される。このため、大きな電流が流れることによる圧電トランス2の機械的な破損を、より効果的に抑制することができる。また、寸法w8が3mmより大きいことによって、第1電極4と第2電極5との間において、特に十分効率的にプラズマが発生し、十分な量の活性種が生成される。このため、照射器具10を用いて、十分な量の活性種を被照射物に照射することができる。これによって、例えば照射器具10を治療器具として用いる場合に、特に十分な治療効果を得ることができる。上記の効果をさらに向上する観点からは、寸法w8を5mmより大きく15mmより小さい長さとすることが、さらに好ましい。
また、照射器具10において、第1電極4のうち第2電極5に対向する部分と、圧電トランス2の出力領域2bとの軸線方向d1における距離w9は、特に1mmより大きく100mmより小さい長さとすることができる。距離w9が100mmより小さいことの効果について説明する。第1電極4のうち第2電極5に対向する部分と圧電トランス2の出力領域2bとの間には、圧電トランス2の出力領域2bから第1電極4のうち第2電極5に対向する部分へと電圧を伝える伝達部分が位置する。例えば図3に示す例においては、第1電極4のうち第2電極5に対向する部分よりも圧電トランス2側に位置する部分と導線50とが、伝達部分に相当する。ここで、圧電トランス2から第1電極4のうち第2電極5に対向する部分に電圧を印加する際には、伝達部分にも電圧が印加される。この場合、伝達部分がコンデンサのように機能し、伝達部分にエネルギーが蓄えられる。このため、第1電極4のうち第2電極5に対向する部分に電圧を印加するために、エネルギーが伝達部分に蓄えられる分だけ大きな電力を供給することが必要になってしまう。言い換えれば、伝達部分の浮遊容量の分だけ大きな電力を供給することが必要になってしまう。この場合、圧電トランス2に流れる電流を大きくすることも必要になり得る。これに対し、距離w9が100mmより小さいことによって、伝達部分の軸線方向d1における長さを小さくすることができる。このため、伝達部分の浮遊容量を小さくして、圧電トランス2に流れる電流を大きくする必要なしに、第1電極4のうち第2電極5に対向する部分に十分な電圧を印加することができる。上記の効果をさらに向上する観点からは、距離w9を1mmより大きく40mmより小さい長さとすることが、さらに好ましい。
また、第2電極5の照射口5aが設けられている端部と、筐体1の圧電トランス2を収容する第1部分1aとの軸線方向d1における距離w10は、特に10mmより大きく150mmより小さい長さとすることができる。距離w10が10mmより大きく150mmより小さいことの効果について説明する。照射器具10は、口腔内用治療器具又は歯科用治療器具などとして用いられると想定される。また、距離w10は、照射器具10のうち圧電トランス2を収容する第1部分1aよりも照射口5a側の、圧電トランス2の寸法とは無関係に細く設計される部分の長さに相当する。当該部分の長さが10mmより大きく150mmより小さいことによって、照射器具10の先端部分を口腔内に挿入して照射器具10を操作することを、十分に容易にすることができる。上記の効果をさらに向上する観点からは、距離w10を30mmより大きく50mmより小さい長さとすることが、さらに好ましい。
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。

Claims (7)

  1. 筐体に収容される圧電トランスと、
    前記圧電トランスに接続され、前記圧電トランスから電圧が印加される第1電極と、
    前記第1電極により発生するプラズマおよび前記プラズマによって生じる活性ガスの少なくとも一方を吐出する照射口と、を備え、
    前記第1電極の少なくとも一部は、前記圧電トランスと前記照射口との間に配置され
    前記第1電極は、前記第1電極の軸線に垂直な径方向において、前記圧電トランスの寸法よりも小さな寸法を有する、照射器具。
  2. 前記第1電極の少なくとも一部に対向する第2電極を備える、請求項1に記載の照射器具。
  3. 前記第2電極は、前記第1電極の軸線を中心とした周囲から前記第1電極を囲っている、請求項2に記載の照射器具。
  4. 前記第1電極は、前記第1電極の軸線の延びる方向において前記圧電トランスに接続されている側とは反対側に位置する第1端部を有し、
    前記第2電極は、前記軸線を中心とした周囲から前記第1端部を囲っている、請求項3に記載の照射器具。
  5. 前記第2電極は、前記第1電極の軸線の延びる方向において、前記第1電極の寸法よりも大きな寸法を有する、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の照射器具。
  6. 筐体に収容される圧電トランスと、
    前記圧電トランスに接続され、前記圧電トランスから電圧が印加される第1電極と、
    前記第1電極により発生するプラズマおよび前記プラズマによって生じる活性ガスの少なくとも一方を吐出する照射口と、
    前記第1電極の少なくとも一部に対向する第2電極と、を備え、
    前記第1電極の少なくとも一部は、前記圧電トランスと前記照射口との間に配置され、
    前記第2電極は、前記第1電極の軸線に垂直な径方向において、前記圧電トランスの寸法よりも小さな寸法を有する、照射器具。
  7. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の照射器具と、
    前記圧電トランスに電圧を印加する電力源と、
    前記圧電トランスと前記電力源とを接続する電圧供給線と、を備える、プラズマ装置。
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