JP7699411B1 - 高ルテイン含有卵、加工食材、卵の生産方法及び採卵鶏用飼料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】産卵鶏に与える飼料を調製してルテインを高濃度に含有する卵を得る卵の生産方法であって、飼料1kgあたり100mg以上のルテインおよび飼料1kgあたり1000EPU以上のキシラナーゼを含有するキシラナーゼ豊富化飼料を産卵鶏に給与し、供与開始から所定の期間以上にキシラナーゼ豊富化飼料を給与された鶏に卵を産卵させる。ルテインを高濃度で含有する卵を生産することができるので、この生産方法で生産された卵を人が日々摂取すれば、人の目を光の刺激から保護し、目の健康維持に寄与することが可能となるので、眼病リスクの低減や眼病予防に役立てることができる。
【選択図】図1
Description
しかし、特許文献4、5、非特許文献1では、キシラナーゼを飼料に添加することによって一定の効果が得られることは記載されているものの、キシラナーゼの添加割合が卵に含まれるルテインの量に与える影響について具体的な記載はない。
本発明の採卵鶏用飼料は、本発明の卵の生産方法に使用される飼料であって、1kgあたり100mg以上のルテインおよび1kgあたり1000EPU以上のキシラナーゼを含有することを特徴とする。
まず、本実施形態の高ルテイン含有卵の生産に使用される飼料、つまり、本実施形態の採卵鶏用飼料について説明する。
本実施形態の採卵鶏用飼料は、採卵鶏の飼育に使用される飼料である。つまり、本実施形態の採卵鶏用飼料は、本実施形態の卵の生産方法に使用される飼料であり、基本飼料に添加飼料を配合して製造されたものである。
つぎに、本実施形態の卵の生産方法(以下、単に本生産方法という場合がある)を説明する。本生産方法は、上述した本実施形態の採卵鶏飼料(以下、単に「本採卵鶏用飼料」という場合がある)を採卵鶏に給与して卵を産卵させる方法である。本生産方法を採用することにより、卵へのルテインの移行を促進させることが可能になり、ルテインを高濃度で含有する卵(つまり本実施形態の高ルテイン含有卵、以下、「本高ルテイン含有卵」という場合がある)を効率よく生産することができる。
本採卵鶏用飼料の給与を開始してから所定の期間が経過すると、対象産卵鶏が産卵した卵は十分なルテインを含有した本高ルテイン含有卵となる。
したがって、対象産卵鶏への本採卵鶏用飼料の給与を継続しながら卵を収穫すれば、本高ルテイン含有卵を収穫(つまり生産)することができる。
また、換羽の状況に応じて育成途中で対象産卵鶏に本採卵鶏用飼料を給与する期間を適宜調整してもよい。例えば、対象産卵鶏となる雛の入雛期から本採卵鶏用飼料の給与し、換羽期では本採卵鶏飼料の給与を停止し、その間は換羽期に適した飼料を給与する。そして、換羽後に卵の卵質が適切となったタイミング(例えば、換羽後7週間から70日等)で対象産卵鶏に対して本採卵鶏飼料の給与を再開するようにしてもよい。
本実施形態の高ルテイン含有卵(本高ルテイン含有卵)は、卵中にルテインを高濃度で含有する卵である。具体的には、本高ルテイン含有卵は、卵における可食部100gあたり2.8mg以上のルテインを含有する卵である。本高ルテイン含有卵の可食部100g当たりにおけるルテインの含有量は、2.8mg以上、好ましくは2.9mg以上、より好ましくは3.0mg以上のルテインを含有する卵である。。
は、「1以上10以下」と同じ意味である。
また、本明細書において、「%」および「ppm」の値は、重量比を意味する。本明細書において、「1mg/kg」は「1ppm」と同じ意味である。本明細書において、含有量は、特に断りがない限り、質量または重量比で表される。
本実施形態の加工食材は、本実施形態の高ルテイン含有卵を使用して加工された食材であり、ルテインを多量に含む食材である。本実施形態の加工食材は、本実施形態の高ルテイン含有卵を使用して製造される食材であればよく、とくに限定されない。例えば、ゆで卵や卵焼きなどの卵を直接加工した食材や、マヨネーズやパスタソース、ドレッシング等のように本実施形態の高ルテイン含有卵を原料として製造される調味料やソース等を、本実施形態の加工食材として挙げることができる。
なお、卵のルテインの含有量は、同じ採卵日に採取された同じサイズの複数の卵の平均値として求めた。なお、卵のサイズは、卵重58~64gをMサイズ、卵重61~67をLMサイズ、卵重64~70gをLサイズとして分類した。
基本飼料は、トウモロコシを主成分とする飼料(製品名:プログレス、日和産業株式会社製)を用いた。
添加飼料のうち、ルテインを含有する原料は、マリーゴールド花弁抽出処理物(販売業者:(株)イーダブルニューション・ジャパン、製品名:サマーコール 40B、ルテイン含有34.0g/kg)を用いた。
添加飼料のうち、キシラナーゼを含有する原料は、キシラナーゼを主成分に含有する製品(Huvepharm Japan株式会社製、商品名:ホスタザイムX(登録商標)、キシラナーゼ含有率1500EPU/g)を用いた。
また、各実施例の卵の収穫時期は、実施例1が2022年1月4日、実施例2が2023年6月26日、実施例3が2024年7月1日である。
飼料Aは、採卵鶏用飼料1tあたりサマーコールを3.0kg、ホスタザイムX(登録商標)を100g配合して調整した。つまり、飼料Aは、採卵鶏用飼料1kgあたりルテインの量が102mgとなり、採卵鶏用飼料1kgあたりキシラナーゼの量が1500EPUとなるようにサマーコールおよびホスタザイムXを配合して調整した。
あらん19は、採卵鶏用飼料1tあたりサマーコールを4.5kg、ホスタザイムX(登録商標)を100g配合して調整した。つまり、あらん19は、採卵鶏用飼料1kgあたりルテインの量が153mgとなり、採卵鶏用飼料1kgあたりキシラナーゼの量が1500EPUとなるようにサマーコールおよびホスタザイムXを配合して調整した。なお、あらん19は、採卵鶏用飼料中のたんぱく質の割合が19~19.3%になるように調製している。
あらん19αは、採卵鶏用飼料1tあたりサマーコールを4.95kg、ホスタザイムX(登録商標)を100g配合して調整した。つまり、あらん19αは、採卵鶏用飼料1kgあたりルテインの量が168.3mgとなり、採卵鶏用飼料1kgあたりキシラナーゼの量が1500EPUとなるようにサマーコールおよびホスタザイムXを配合して調整した。なお、あらん19αは、採卵鶏用飼料中のたんぱく質の割合が19~19.3%になるように調製している。
比較例2は、基本飼料(プログレスのみ)に、ホスタザイムX(登録商標)は配合せず、採卵鶏用飼料1tあたりサマーコールを3.0kg(つまり飼料1kgあたりルテインの量が102mg)となるように配合して調整した。比較例4の卵の収穫時期は、2021年7月30日である。
比較例3は、基本飼料(プログレスのみ)に、ホスタザイムX(登録商標)は配合せず、採卵鶏用飼料1tあたりサマーコールを4.5kg(つまり飼料1kgあたりルテインの量が153mg)となるように配合して調整した。比較例4の卵の収穫時期は、2021年10月15日である。
比較例4は、基本飼料(プログレスのみ)に、ホスタザイムX(登録商標)は配合せず、採卵鶏用飼料1tあたりサマーコールを6.0kg(つまり飼料1kgあたりルテインの量が204mg)となるように配合して調整した。比較例4の卵の収穫時期は、2021年10月15日である。
なお、比較例1~4は、供試鶏に給与する飼料を、基本飼料のみ(プログレスのみ)から前述した飼料に切り換えて60日後に収穫した卵で測定した結果である。
図1(A)に示すように、サマーコールを配合せずホスタザイムX(登録商標)のみを添加した比較例1では、卵の可食部に含まれるルテインの量はわずかであり、一般的な卵と同等である。つまり、キシラナーゼを添加しただけでは、卵の可食部に含まれるルテインの量を増加させる効果は無いことが分かる。
しかし、比較例2と比較例4とを比較すると、飼料に含まれるルテインの量を2倍にしているにもかかわらず、可食部100gに含まれるルテインの量は1.24倍程度しか増えていない。また、比較例3と比較例4の比較では、飼料に含まれるルテインの量が51mgも増加しているにも関わらず、可食部100gに含まれるルテインの量は0.02mgしか増えていない。
つまり、飼料に含まれるルテインを増加するだけでは、卵の可食部へのルテインの移行に限界があり、せいぜい可食部100gあたり2.9mg未満しかルテインに移行できないことが確認される。
しかも、実施例1~3では、飼料に含まれるルテインの量が同じ比較例と比べれば、可食部100gに含まれるルテインの量が多くなっている。そして、飼料に含まれるルテインの量が最も少ない実施例1であっても、実施例1の2倍のルテインを含む飼料を供与した比較例4よりも可食部100gに含まれるルテインの量が多くなっている。つまり、キシラナーゼの効果によりルテインの卵への移行が促進されていることが確認できる。
また、実施例1と実施例3とを比較すると、飼料に含まれるルテインの量は約1.65倍であり、にもかかわらず、可食部100gに含まれるルテインの量は1.1倍程度の増加している。そして、実施例2と実施例3とを比較すると、飼料に含まれるルテインの量が15mgしか増えていないにもかかわらず、可食部100gに含まれるルテインの量は0.12mgも増加している。
つまり、キシラナーゼを飼料に配合することによって、可食部100gに含まれるルテインの量が多くでき、キシラナーゼを配合しない場合における限界値よりも多くのルテインを卵に移行できることが確認される。しかも、飼料に配合するルテインの量が多くなっても、その増加に応じてルテインを卵に移行する効果を維持できることが確認される。
準備期間をどの程度とすることが望ましいかについて確認した。実験では、卵の可食部100gに含まれるルテインの量を2.9mg以上とできる準備期間がどの程度必要であるかを確認した。
図1に示すように、準備期間が40日や50日でもある程度のルテインが卵に移行されていることが確認できるが、40日や50日の時点では可食部100gに含まれるルテインの量は2.6mg程度であった。
一方、60日経過時点では、可食部100gに含まれるルテインの量は2.9mgとなっており、可食部100gに含まれるルテインの量は2.9mgとするためには、準備期間は60日以上とすることが望ましいことが確認された。
本発明の高ルテイン含有卵について、検体の卵黄の色味を評価した。
なお、検体とした卵は、実施例1と同様の飼料(飼料A)を使用して飼育した供試鶏から収穫した卵(実施例4)である。
検体の卵を割って1個ずつプラスチックカップに割入れカラザをつけたまま軽くガラス棒で混ぜたのち、ポリトロンで攪拌(15000rpm、30秒)した。撹拌した試料をアルミカップ(大きさ6号)に16g~17g入れ(アルミカップの約2/3程度)、表面の泡を取り除いた。そして、泡を取り除いた液面を、色彩色差計で1点測定した(表では生卵の測定結果)。
ついで、100℃、30分間加熱した後、アルミカップを剥いで、加熱物を焼き面と水平にカットした断面を色彩色差計で1点測定した(表では加熱卵の測定結果)。
検体の卵から卵黄液のみを分離し、分離した卵黄をアルミカップ(大きさ6号)に1個ずつ入れた。アルミカップ内において、ガラス棒でよく攪拌し、表面の泡を取り除いた。そして、泡を取り除いた液面を、色彩色差計で1点測定した(表では生卵の測定結果)。
ついで、100℃、30分間加熱した後、アルミカップを剥いで、加熱物を焼き面と水平にカットした断面を色彩色差計で1点測定した(表では加熱卵の測定結果)。
図3の結果から、実施例4の全卵では、比較例と比べて、生卵、加熱卵ともに、黄色みが有意に高く、見た目も鮮やかなであった。とくに加熱卵においては、黄色み(b値)は、その差が比較例と比べて2倍程度と顕著な差を示した。
また、実施例4の卵黄のみの測定結果では、生卵では赤みがわずかに強い印象をうけたが、加熱卵においては、比較例と比べて、黄色みが有意に高く、見た目も鮮やかなであった。
したがって、本発明の高ルテイン含有卵は、ルテインを摂取するための食品として適しており、卵重が約60g以上のものを1日3個程度食べることにより、眼病リスクの低減や眼病予防が期待できる。
Claims (4)
- 産卵鶏に与える飼料を調製してルテインを高濃度に含有する卵を得る卵の生産方法であって、
飼料1kgあたり100mg以上のルテインおよび飼料1kgあたり1000EPU以上のキシラナーゼを含有するキシラナーゼ豊富化飼料を産卵鶏に給与し、
供与開始から所定の期間以上にキシラナーゼ豊富化飼料を給与された鶏に卵を産卵させる
ことを特徴とする卵の生産方法。 - 卵に含有されるルテインが、卵の可食部100gにおいて2.9mg以上である
ことを特徴とする請求項1記載の卵の生産方法。 - 産卵鶏が白色レグホン種である
ことを特徴とする請求項1記載の卵の生産方法。 - 請求項1~3の卵の生産方法に使用される飼料であって、
1kgあたり100mg以上のルテインおよび1kgあたり1000EPU以上のキシラナーゼを含有する
ことを特徴とする採卵鶏用飼料。
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