JP7678315B2 - 高周波焼入れ用鋼、高周波焼入れ鋼部品及びその製造方法 - Google Patents
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Description
805≦10.4×A+1.4×B≦1004 :式(4)
A:酸化物中のAl2O3の含有量(質量%)
B:酸化物中のCaOの含有量(質量%)
つまり、被削性の向上と溶融割れの抑制を両立する融点を有するには、式(4)を満たす酸化物を含む介在物を多くすればよい。(以下、式(4)を満たすような組成を有する酸化物を「適正融点酸化物」と呼ぶ場合がある。)
10.4×A+1.4×B≦404 :式(5)
さらに、Ca、Al、Sの含有量の関係を適正化することで、好ましい介在物になるよう制御できることを明らかにした。
高周波焼入れ用鋼であって、化学組成が、質量%で、
C:0.31~0.60%、
Si:0.51~1.00%、
Mn:0.50~2.00%、
P:0.050%以下、
S:0.006~0.040%、
Cr:0~0.19%、
Ca:0.0006~0.0023%、
Al:0.021~0.050%、
V:0~0.099%、
N:0.0250%以下、及び、
O:0.0050%以下
を含有し、残部はFe及び不純物からなり、
下記式(1)~(3)を満たすことを特徴とする高周波焼入れ用鋼。
0.01≦Ca/Al≦0.12 ・・・式(1)
Ca-0.0008×Ln(S)≦0.00493 ・・・式(2)
Al+1091×S3-61.5×S2+1.59×S≦0.0567 ・・・式(3)
ここで、式(1)~式(3)中の各元素記号には、それぞれ対応する元素の含有量(質量%)が代入され、対応する元素が含有されていない場合、その元素記号には「0」が代入される。
[2]
前記[1]に記載の高周波焼入れ用鋼であって、鋼中に存在する円相当径が1.0μm以上の酸化物を含む介在物で、式(4)を満たす酸化物を含む介在物の個数密度が0.15個/mm2以上、式(5)を満たす酸化物を含む介在物の個数密度が0.15個/mm2以下であり、式(4)を満たす酸化物を含む介在物のうち、CaS:10質量%以上を含む複合介在物の個数の割合が50%以上であり、当該複合介在物の円相当径の平均値dと標準偏差σが式(6)を満たすことを特徴とする高周波焼入れ用鋼。
805≦10.4×A+1.4×B≦1004 ・・・式(4)
10.4×A+1.4×B≦404 ・・・式(5)
ただし、式(4)及び式(5)中のA及びBは以下のとおりである。
A:酸化物をCaO-Al2O3-SiO2の3元系酸化物と見なしたとき、酸化物中のAl2O3の含有量(質量%)
B:酸化物をCaO-Al2O3-SiO2の3元系酸化物と見なしたとき、酸化物中のCaOの含有量(質量%)
d+3σ≦20・・・式(6)
[3]
前記[1]又は[2]に記載の高周波焼入れ用鋼であって、下記式(7)を満たすことを特徴とする高周波焼入れ用鋼。
60×C+5.5×Si+29Mn-29V≧58 ・・・式(7)
ここで、式(7)中の各元素記号には、それぞれ対応する元素の含有量(質量%)が代入され、対応する元素が含有されていない場合は、その元素記号には「0」が代入される。
[4]
前記[1]~[3]のいずれか1項に記載の高周波焼入れ用鋼であって、下記式(8)を満たすことを特徴とする高周波焼入れ用鋼。
244≦462×C+102×Si+7×Mn≦316 ・・・式(8)
ここで、式(8)中の各元素記号には、それぞれ対応する元素の含有量(質量%)が代入され、対応する元素が含有されていない場合は、その元素記号には「0」が代入される。
[5]
前記[1]~[4]のいずれか1項に記載の高周波焼入れ用鋼であって、下記式(9)を満たすことを特徴とする高周波焼入れ用鋼。
149×C+36×Si+70×Mn+76×V≧155 ・・・式(9)
ここで、式(9)中の各元素記号には、それぞれ対応する元素の含有量(質量%)が代入され、対応する元素が含有されていない場合は、その元素記号には「0」が代入される。
[6]
前記[1]~[5]のいずれか1項に記載の高周波焼入れ用鋼であって、
前記化学組成はさらに、前記Feの一部に代えて、
Ti:0.039%以下、
Nb:0.050%以下、及び、
Zr:0.0019%以下からなる群から選択される1種以上を含有する高周波焼入れ用鋼。
[7]
前記[1]~[6]のいずれか1項に記載の高周波焼入れ用鋼であって、
前記化学組成はさらに、前記Feの一部に代えて、
Mo:0.095%以下、
Cu:0.50%以下、及び、
Ni:0.50%以下からなる群から選択される1種以上を含有する高周波焼入れ用鋼。
[8]
前記[1]~[7]のいずれか1項に記載の化学組成である鋼からなり、表面から200μm深さまでの領域における最大の圧縮残留応力が300MPa以上である部分を含むことを特徴とする高周波焼入れ鋼部品。
[9]
前記[8]に記載の高周波焼入れ鋼部品の製造方法であって、前記[1]~[7]のいずれか1項に記載の化学組成を有する高周波焼入れ用鋼を加工して部材を製造する工程、前記部材を高周波焼入れする工程、前記高周波焼入れした部材を焼戻しする工程、前記焼戻した部材に表面から厚み方向に0.05~0.40mmの深さを切削加工する切削加工工程を有することを特徴とする高周波焼入れ鋼部品の製造方法。
本実施形態の高周波焼入れ用鋼の化学組成は、次の元素を含有する。
炭素(C)は、高周波焼入れ鋼部品の疲労強度を高めるため、0.31%以上含有するとよい。一方、Cは鋼材の融点を低下させるため多量に含有すると、高周波焼入れ時に溶融割れが発生しやすくなるので、C含有量は0.60%以下にするとよい。従って、C含有量は0.31以上0.60%以下である。C含有量の好ましい下限は0.32%、0.33%、0.34%、0.35%、0.36%、0.37%、又は0.38%にするとよい。C含有量の好ましい上限は0.59%、0.58%、0.57%、0.56%、0.55%、0.54%、0.53%、0.52%、0.51%、0.50%、0.49%、又0.48%にするとよい。
シリコン(Si)は、製鋼工程において鋼を脱酸する。Siはさらに固溶強化によりフェライトの強度を高めるため、高周波焼入れ鋼部品の疲労強度を高めるため、0.51%以上含有するとよい。一方、SiはCとの親和力が弱く、加熱時において、Cは、Siが固溶している粒内よりも、粒界に偏析するため、粒界付近の融点を下げ、高周波焼入れ時に溶融割れが発生しやすくなるので、Si含有量は1.00%以下にするとよい。従って、Si含有量は0.51以上1.00%以下である。Si含有量の好ましい下限は0.52%、0.54%、0.56%、0.58%、又は0.60%にするとよい。Si含有量の好ましい上限は0.95%、0.90%、0.85%、0.80%、0.75%、又は0.70%にするとよい。
マンガン(Mn)は、Cとの親和力が強いため、加熱時において、CはMnが固溶している粒内に留まる。そのため、Cの粒界への偏析が抑制され、高周波焼入れ時の溶融割れの発生を抑制できるので、0.50%以上含有するとよい。一方、Mnは鋼材の融点を低下させ、多量に含有すると高周波焼入れ時に溶融割れが発生しやすくなるため、Mn含有量は2.00%以下にするとよい。従って、Mn含有量は0.50%以上2.00%以下である。Mn含有量の好ましい下限は0.55%、0.60%、0.65%、0.70%、0.75%、0.80%、0.85%、0.90%、0.95%、0.98%、1,00%、1.01%、1.02%、1.03%、1.04%、又は1.05%にするとよい。Mn含有量の好ましい上限は1.95%、1.80%、1.85%、1.75%、1.70%、1.65%、1.60%、1.55%、1.50%、1.45%、又は1.40%にするとよい。
燐(P)は不純物であって、鋼材の融点を低下させるだけでなく粒界に偏析するため、高周波焼入れ時に溶融割れが発生しやすくなるので、P含有量は0.050%以下にするとよい。P含有量はできるだけ少ない方が好ましい。P含有量の好ましい上限は0.040%、0.035%、0.030%、0.025%、0.020%、又は0.015%にするとよい。P含有量は望ましくは0%でもよいが、P含有量の過剰な低減は製造コストを高めるため、精錬の経済性を考慮すれば、P含有量の好ましい下限は0%超、0.001%、又は0.002%にしてもよい。
硫黄(S)は硫化物を生成し、被削性を高めるので、0.006%以上含有するとよい。一方、Sは多量に含有すると鋼材の融点を低下させ、高周波焼入れ時に溶融割れが発生しやすくなるので、S含有量は0.040%以下にするとよい。従って、S含有量は0.006%以上0.040%以下である。S含有量の好ましい下限は0.008%、0.010%、0.013%、0.015%、又は0.020%にするとよい。S含有量の好ましい上限は0.035%、0.030%、0.025%、又は0.023%にしてもよい。
クロム(Cr)は、特に含有しなくてもよい。しかし、Mnと同様に、CrはCとの親和力が強いため、加熱時において、CはCrが固溶している粒内に留まる。そのため、Cの粒界への偏析が抑制され、高周波焼入れ時の溶融割れの発生を抑制できる。一方、Crは鋼材の融点を低下させ、高周波焼入れ時に溶融割れが発生しやすくなるため、Cr含有量は0.19%以下にするとよい。従って、Cr含有量は0%以上0.19%以下である。上記効果を得るため、Crを含有するのであれば、Cr含有量は0.01%以上にするとよく、さらに好ましい下限は0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、又は0.10%にするとよい。Cr含有量の好ましい上限は0.18%、0.17%、0.16%、又は0.15%にするとよい。
カルシウム(Ca)は脱酸元素であり、軟質なCa酸化物を生成する。さらにCaSを生成し、Ca酸化物と複合介在物を形成する。高周波焼入れ後の切削加工において、この複合介在物が工具上に堆積することで保護膜を形成して工具摩耗を軽減するためCa含有量は0.0006%以上にするとよい。一方、Ca含有量が多いと、上記複合介在物が粗大化し、疲労特性を悪化させるので、Ca含有量は0.0023%以下にするとよい。従って、Ca含有量は0.0006%以上0.0023%以下である。Ca含有量の好ましい下限は、0.0007%、0.0008%、0.0009%、又は0.0010%にするとよい。Ca含有量の好ましい上限は0.0022%、0.0021%、0.0020%、0.0019%、0.0018%、0.0017%、0.0016%、又は0.0015%にするとよい。
アルミニウム(Al)は脱酸元素で鋼中ではAl2O3を形成する。Alを添加しすぎると酸素(O)を消費するため、特に高周波焼入れ後の被削性を向上するのに必要であるCa酸化物が生成しにくくなる場合があるので、Al含有量は0.050%以下にするとよい。一方、Al含有量が少なすぎると、融点が低い酸化物が多く生成し、溶融割れが発生しやすくなるのでAl含有量は0.021%以上にするとよい。従って、Al含有量は0.021%以上0.050%以下である。Al含有量の好ましい下限は0.022%、0.023%、0.024%、又は0.025%にするとよい。Al含有量の好ましい上限は0.048%、0.046%、0.044%、0.042%、0.040%、0.038%、0.037%、0.036%、0.035%、0.031%、又は0.028%にするとよい。
バナジウム(V)は、Vは熱間鍛造後の冷却過程でV析出物として鋼材中のフェライト中に析出し、フェライトの強度を高めるため、高周波焼入れ鋼部品の疲労強度が高まるが、特に含有しなくてもよい。一方、V含有量が多いと、V窒化物が増加することで粒内のフェライトが増加し、高周波焼入れ後もフェライトが残存して高周波焼入れ鋼部品の疲労強度を低下させる場合があるので、V含有量は0.099%以下にするとよい。従って、V含有量は0%以上0.099%以下である。上記効果を得るため、Vを含有するのであれば0.001%以上にするとよく、好ましい下限は0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%、0.009%、又は0.010%にするとよい。V含有量の好ましい上限は0.098%、0.095%、0.090%、0.080%、0.070%、0.060%、0.050%、0.040%、0.030%、又は0.020%にするとよい。
窒素(N)は、熱間鍛造後の冷却時において、窒化物及び/又は炭窒化物を形成して鋼材を析出強化し、高周波焼入れ後の疲労強度が高まるが、特に含有しなくてもよい。一方、N含有量が多いと、鋼材の熱間加工性が低下するので、N含有量は0.0250%以下含有してもよい。N含有量の過剰な低減は製造コストを高めるため、精錬の経済性を考慮すれば、N含有量の好ましい下限は0.0001%、0.0005%、0.0010%、0.0020%、0.0030%、0.0040%、又は0.0050%にするとよい。N含有量の好ましい上限は0.0230%、0.0200%、0.0180%、0.0150%、0.0120%、0.0100%、又は0.0080%にするとよい。
酸素(O)は不純物であり、少ないほど望ましい。O含有量が多いと、鋼中で酸化物を形成し、高周波焼入れ鋼部品の疲労強度を低下するので、O含有量は0.0050%以下にするとよい。O含有量の好ましい上限は0.0030%、又は0.0020%にするとよい。O含有量の過剰な低減は製造コストを引き上げるため経済性を考慮すれば、O含有量の好ましい下限は0.0001%、0.003%、0.0005%、又は0.0008%にするとよい。
なお、Ca酸化物を生成するためには、0.25≦Ca/O≦5.0を満たすことが好ましい。ここで、式中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
チタン(Ti)は、熱間鍛造工程の冷却過程において炭化物及び/又は炭窒化物を形成して、結晶粒を微細化する。これにより、高周波焼入れ鋼部品の靱性を高めることができる。この効果を得るためにTi含有量を好ましくは0.001%以上、0.002%以上、0.003%以上、0.005%以上、0.007%以上、0.009%以上、0.010%以上、0.011%以上、0.015%以上、0.020%以上、又は0.021%以上にしてもよい。一方、Ti含有量を多くしても上記効果が飽和して、製造コストが高くなるので、Ti含有量は0.039%以下にするとよい。Ti含有量のさらに好ましい上限は0.038%、0.035%、又は0.030%にするとよい。
ニオブ(Nb)は、熱間鍛造工程の冷却過程において炭化物及び/又は炭窒化物を形成して、結晶粒を微細化する。これにより、高周波焼入れ鋼部品の靱性が高まる。Nbが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。上記効果を得るためのNb含有量の好ましい下限は0.001%、0.002%、0.003%、0.005%、0.007%、0.010%、0.013%、0.016%、又は0.020%にするとよい。一方、Nb含有量を多くしても上記効果が飽和して、製造コストが高くなるので、Nb含有量は0.050%以下にするとよい。Nb含有量のさらに好ましい上限は0.040%、又は0.030%にするとよい。
ジルコニウム(Zr)は、熱間鍛造工程の冷却過程において、炭化物及び/又は炭窒化物を形成して、結晶粒を微細化する。これにより、高周波焼入れ鋼部品の靱性を高めることができる。Zrが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。上記効果を得るためのZr含有量の好ましい下限は0.0001%であり、さらに好ましくは0.0003%、0.0005%、0.0007%、又は0.0008%にするとよい。一方、Zr含有量を多くしても上記効果が飽和して、製造コストが高くなるので、Zr含有量は0.0019%以下にするとよい。Zr含有量のさらに好ましい上限は0.0017%、又は0.0015%にするとよい。
モリブデン(Mo)は高周波焼入れ鋼部品の疲労強度を高める。Moが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。上記効果を得るためのMo含有量の好ましい下限は0.001%、0.005%、0.010%、0.015%、又は0.020%にするとよい。一方、Mo含有量が多くなると、熱間加工性が低下する場合があるので、Mo含有量は0.095%以下にするとよい。Mo含有量のさらに好ましい上限は0.090%、0.080%、0.070%、0.060%、又は0.050%にするとよい。
銅(Cu)は高周波焼入れ鋼部品の疲労強度を高める。Cuが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。上記効果を得るためのCu含有量の好ましい下限は0.01%、又は0.02%にするとよい。一方、Cu含有量が多くなると、高周波焼入れ時に溶融割れが発生しやすくなる場合があるので、Cu含有量は0.50%以下にするとよい。Cu含有量のさらに好ましい上限は0.40%、0.30%0.20%、0.17%、0.13%、0.10%、0.07%、又は0.05%にするとよい。
ニッケル(Ni)は高周波焼入れ鋼部品の疲労強度を高める。Niが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。上記効果を得るためのNi含有量の好ましい下限は0.01%、又は0.02%にするとよい。一方、Ni含有量が多くなると、高周波焼入れ時に溶融割れが発生しやすくなる場合があるので、Ni含有量は0.50%以下にするとよい。Ni含有量のさらに好ましい上限は0.40%、0.30%、0.20%、0.10%、又は0.05%にするとよい。
上記化学組成はさらに、式(1)を満たす。
0.01≦Ca/Al≦0.12 :式(1)
ここで、式(1)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。対応する元素が含有されていない場合、その元素記号には「0」が代入される。ここで、以下Ca/AlをF1として説明する。
F1=Ca/Al
上記化学組成はさらに、式(2)を満たす。
Ca-0.0008×Ln(S)≦0.00493 :式(2)
ここで、式(2)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。対応する元素が含有されていない場合、その元素記号には「0」が代入される。ここで、以下Ca-0.0008×Ln(S)をF2として説明する。なお、Lnは自然対数を意味する。
F2=Ca-0.0008×Ln(S)
上記化学組成ではさらに、式(3)を満たす。
Al+1091×S3-61.5×S2+1.59×S≦0.0567 :式(3)
ここで、式(3)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。対応する元素が含有されていない場合、その元素記号には「0」が代入される。ここで、以下Al+1091×S3-61.5×S2+1.59×SをF3として説明する。
F3=Al+1091×S3-61.5×S2+1.59×S
鋼中に含まれる酸化物は主にCaO-Al2O3-SiO2の3元系酸化物と見なすことができ、酸化物の融点は主にAl2O3とCaOの含有量で決まる。特に粒径1μm以上の介在物の影響が大きい。高周波焼入れ後の切削加工において、工具上に酸化物を含む介在物を堆積させることで保護膜を形成して工具摩耗を軽減するためには、粒径1μm以上の大きさの介在物が、ある程度軟化するとよい。そこで、粒径1μm以上の介在物であって、適正融点酸化物を含む介在物の個数密度が0.15個/mm2以上であるとよい。
805≦10.4×A+1.4×B≦1004 :式(4)
ただし、式(4)中のA及びBは以下のとおりである。
A:酸化物をCaO-Al2O3-SiO2の3元系酸化物と見なしたとき、酸化物中のAl2O3の含有量(質量%)
B:酸化物をCaO-Al2O3-SiO2の3元系酸化物と見なしたとき、酸化物中のCaOの含有量(質量%)
ここで、以下10.4×A+1.4×BをF4として説明する。
F4=10.4×A+1.4×B
一方、高周波加熱で鋼材が高温となった際、低融点の酸化物は加熱中に溶融することで、溶融割れの起点になる。そのため、酸化物の融点の指標となるF4が404以下となるような低融点酸化物の個数を制限すればよい。即ち、溶融割れを抑制するためには、粒径1μm以上の介在物であって、式(5)を満たす低融点酸化物を含む介在物の個数を0.15個/mm2以下にするとよい。
10.4×A+1.4×B≦404 :式(5) ただし、式(5)中のA及びBは以下のとおりであり、式(4)と同じである。
A:酸化物をCaO-Al2O3-SiO2の3元系酸化物と見なしたとき、酸化物中のAl2O3の含有量(質量%)
B:酸化物をCaO-Al2O3-SiO2の3元系酸化物と見なしたとき、酸化物中のCaOの含有量(質量%)
即ち、F4≦404である。
適正融点酸化物は、切削時の温度上昇の際に酸化物がある程度軟質化して工具上に付着し、保護膜となるため工具摩耗を抑制する。さらに、この酸化物がCaSを含む硫化物と複合して存在する複合介在物の場合、工具上に付着した際の保護膜作用が高まり、工具摩耗を抑制する効果が大きくなる。特にCaSを10質量%以上含んだ複合介在物(以下、CaS複合介在物と呼ぶ場合がある。)の個数の割合が、適正融点酸化物を含む介在物のうち50%以上であるとよい。CaS複合介在物の個数割合は、好ましくは55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、又は80%以上であるとよい。
上述のように、高周波焼入れ後の被削性を高めるためには、CaS複合介在物が重要である。一方、これらのCaS複合介在物が粗大化すると高周波焼入れ鋼部品の疲労特性に悪影響を及ぼす。疲労特性を高めるためには、CaS複合介在物の大きさを式(6)を満たすように制限することが効果的である。
d+3σ≦20:式(6)
ただし、式(6)中のd及びσは以下のとおりである。
d:円相当径(μm)が1.0μm以上で、CaS複合介在物として存在するものの円相当径の平均値
σ:CaS複合介在物の円相当径の標準偏差(μm)
60×C+5.5×Si+29Mn-29V≧58 :式(7)
ここで、式中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。対応する元素が含有されていない場合、その元素記号には「0」が代入される。ここで、60×C+5.5×Si+29Mn-29VをF7として以下説明する。
244≦462×C+102×Si+7×Mn≦316 :式(8)
ここで、式中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。対応する元素が含有されていない場合、その元素記号には「0」が代入される。ここで、462×C+102×Si+7×MnをF8として以下説明する。
149×C+36×Si+70×Mn+76×V≧155 :式(9)
ここで、式中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。対応する元素が含有されていない場合、その元素記号には「0」が代入される。ここで、149×C+36×Si+70×Mn+76×VをF9として以下説明する。
本実施形態の鋼材の製造方法の一例は次のとおりである。本実施形態の高周波焼入れ用鋼の製造方法は、精錬工程と、鋳造工程と、熱間加工工程とを備える。熱間加工工程は任意の工程であり、実施しなくてもよい。以下、各工程について説明する。
精錬工程では、上述の化学組成を有する溶鋼を製造する。精錬工程は既存の方法を適用することができる。例えば、次のとおりである。精錬工程は、一次精錬工程と二次精錬工程とを含む。一次精錬工程では、周知の方法で製造された溶銑に対して転炉での精錬を実施する。具体的には、溶銑に酸素を吹き付けて、炭素を除去する。二次精錬工程では、成分調整の合金元素を添加して、溶鋼の化学組成が、本実施形態の鋼材の化学組成を有する溶鋼を製造する。具体的には、一次精錬工程後、転炉から出鋼した溶鋼に対して脱酸処理を実施する。脱酸処理後、除滓処理を実施する。除滓処理後、二次精錬を実施する。二次精錬は例えば、複合精錬を実施する。例えば、初めにLF(Ladle Furnace)又はVAD(Vacuum Arc Degassing)を用いた精錬処理を実施する。さらに、RH(Ruhrstahl-Hausen)真空脱ガス処理を実施する。その後、合金成分の最終調整を行う。
鋳造工程では、溶鋼を用いて、周知の鋳造方法により鋳片(スラブ又はブルーム)又は鋼塊(インゴット)を製造する。鋳造方法も既存の方法を適用することができ、例えば連続鋳造法や造塊法である。
熱間加工工程は、任意の工程である。つまり、熱間加工工程は実施してもよいし、実施しなくてもよい。熱間加工工程は、既存の熱間加工法を適用することができる。例えば次の通りである。熱間加工工程を実施する場合、熱間加工工程では、上記鋳造工程で製造された鋳片又は鋼塊に対して、熱間加工を実施して、高周波焼入れ用鋼(例えば棒鋼)を製造する。熱間加工工程は、例えば粗圧延工程のみであってもよいし、粗圧延工程と、仕上げ圧延工程とを含んでもよい。粗圧延工程は、例えば分塊圧延である。仕上げ圧延工程は、例えば連続圧延機を用いた仕上げ圧延である。連続圧延機では、例えば一対の水平ロールを有する水平スタンドと、一対の垂直ロールを有する垂直スタンドとが交互に一列に配列される。粗圧延工程及び仕上げ圧延工程での加熱温度は、例えば1000~1300℃である。
本実施形態の高周波焼入れ用鋼を用いた高周波焼入れ鋼部品の製造方法の一例は次のとおりである。上述の高周波焼入れ用鋼(鋳片、インゴット又は棒鋼)を熱間鍛造して、大気中で放冷し、高周波焼入れ鋼部品(例えばクランクシャフト)の粗部材を製造する。粗部材を機械加工することにより中間部材を得る。中間部材を高周波焼入れすることにより、素形材を得る。さらに、素形材に対して仕上げ加工(切削、研削)を施す。以上の工程により、高周波焼入れ鋼部品が製造される。
高周波焼入れ処理は、初めに高周波加熱を施し、その後焼入れを施す。高周波加熱及び焼入れは次の条件で行うことが好ましい。
周波数が低過ぎれば、加熱範囲が広がり、焼入れ時の歪みが大きくなる場合がある。一方、周波数が高過ぎれば、加熱範囲が表層のみに集中する。この場合、硬化層が薄くなり、疲労強度が低下する場合がある。従って、高周波加熱時の周波数は10~300kHzが好ましい。
加熱時間とは、中間部材の加熱が開始されてから水冷が開始されるまでの時間である。高周波加熱時の加熱時間が長過ぎれば、オーステナイト粒が粗大化し、疲労強度が低下する場合がある。一方、加熱時間が短過ぎれば、セメンタイトが十分に固溶せず、フェライトが残存する場合がある。従って、高周波加熱時の加熱時間は0.5~60s(秒)が好ましい。
高周波加熱後の焼入れは水冷、あるいはポリアルキレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールなどの高分子化合物系の水溶性焼入冷却材を使用して行う。液温は20~40℃の範囲とするのが好ましい。
高周波焼入れ後の焼戻しは、例えば150~350℃で0.5~3時間の条件で行うことが好ましい。この高周波焼入れ焼戻しによって、表面から0.05~0.40mmの深さにおける硬さを450~800HV程度とした素形材を得ることができる。
高周波焼入れ焼戻し後に、前記素形材の表層を切削加工することで表面の硬さが450~800HV程度に調整された高周波焼入れ鋼部品を得ることができる。なお、切削加工は部品表層のすべてに施す必要はなく、寸法精度や強度が求められる部分に選択的に施すことができる。また、部位によっては必要に応じて研削を行っても良い。
切削工具のすくい角α:-30°<α≦-5°
切削工具のすくい角αが-5°よりも大きければ、切削加工時に工具が欠損しやすくなる場合がある。一方、すくい角が-30°以下であれば、切削抵抗が大きくなり過ぎ、工具摩耗が増大する場合がある。従って、すくい角αは、-30°<α≦-5°であることが好ましい。
工具のノーズRが小さすぎれば表面粗さが大きくなり過ぎ、部品の疲労強度が低下する場合がある。一方、工具のノーズRが大きすぎれば、切削抵抗が大きくなり、工具摩耗が増大する場合がある。従って、工具のノーズRは0.4~1.2mmであることが好ましい。
送りが小さすぎれば、切削能率が低下し製造効率が低下する場合がある。一方、送りが大きすぎれば、切削抵抗が大きくなり、工具摩耗が大きくなる場合がある。従って、送りは0.1~0.4mm/revであることが好ましい。
切削速度が大きすぎれば、切削温度が上昇し、工具摩耗が発生する場合がある。一方、切削速度が小さすぎれば、切削能率が低下し製造効率が低下することに加え、切削温度が低く、鋼中の介在物の付着による工具上の保護膜が生成しない場合がある。従って、切削速度は50~500m/分が好ましい。
切込みが小さすぎれば、切削能率が低下し製造効率が低下する場合がある。一方、切込みが大きすぎれば、切削抵抗が大きくなり、工具摩耗が大きくなる場合がある。従って、切込みは0.05~0.40mmが好ましく、その上限は0.20mmであるとさらに好ましい。
製造された高周波焼入れ用鋼の縦断面のR/2位置(高周波焼入れ用鋼の縦断面における、高周波焼入れ用鋼の中心軸と外表面とを結ぶ直線(半径R)の中央位置)からサンプルを採取した。採取したサンプルの表面のうち、上記高周波焼入れ用鋼の縦断面に相当する表面を観察面とした。観察面を鏡面研磨した後、SEMを用いて、上述の方法により介在物、酸化物の各測定を行った。得られた結果を表2に示す。
上記の鏡面研磨した観察面をナイタール液でエッチングし、光学顕微鏡でミクロ組織を観察した。光学顕微鏡の400倍(約0.32mm×0.24mmの視野)で20視野撮影し、画像解析によりフェライト域の面積を測定し、全撮影面積に占めるフェライト域の面積の割合を算出することで求めた。硬さは上記の観察面を研磨したサンプルを用いてビッカース硬さを測定した。得られた結果を表2に示す。
製造された高周波焼入れ用鋼に対して、高周波焼入れ用鋼から高周波焼入れ鋼部品を製造する工程における熱間鍛造を模擬する熱処理を実施した。具体的には、鋼材を1100℃に加熱して30分保持した。その後、鋼材を大気中で放冷し、模擬粗部材を製造した。模擬粗部材は、直径55mmの棒鋼であった。
模擬粗部材の長手方向に対して垂直な断面のR/2位置から、幅10mm、厚さ3mm、長さ10mmの試験片を機械加工により作製した。試験片の長さ方向は、模擬粗部材の長手方向と平行であった。また、試験片の長手方向に平行な中心軸が、R/2位置と一致した。この試験片は模擬中間部材に相当する。
直径55mmの模擬粗部材から、機械加工を実施して、直径35mm長さ300mmの円柱形状の丸棒試験片を製造した。丸棒試験片に対して、周波数100kHz、加熱時間2.0秒の条件で高周波加熱を実施し、その後5~15%の希釈濃度の水溶性焼入冷却材を試験片に噴射することによって、前記高周波加熱後の試験片を焼入れし、その後、300℃で2時間の条件で焼戻しをすることにより、被削性試験片(模擬素形材)を作製した。
被削性試験は、切削工具の逃げ面摩耗量(μm)によって評価した。高周波焼入れ焼戻し後の模擬素形材について、汎用旋盤による旋削加工を実施した。切削工具は、4NC-DNGA150412-BNC200:住友電工ハードメタル(株)製)の工具を利用した。切削条件は、切込み0.15mm、切削速度400m/分、送り0.2mm/revとし、乾式で行った。試験片1本あたり1パスの切削加工を行い、複数の試験片について切削加工を繰り返し、合計の切削時間が9分となるまで切削加工した後に、切削工具の逃げ面摩耗量を測定した。逃げ面摩耗量の測定には、マイクロスコープを用いた。工具逃げ面が測定物台と平行になるように工具を設置し、倍率200倍で摩耗部を観察した。この時の、摩耗部中心付近で摩耗が最大となる部分の切れ刃から摩耗先端部までの距離を測定し、逃げ面摩耗量とした。本測定において逃げ面摩耗量が100μm以下の場合が合格である。被削性評価の結果を表2の「工具摩耗」欄に示す。逃げ面摩耗量は90μm以下が好ましい。
製造された模擬粗部材から、回転曲げ疲労試験片を採取した。回転曲げ疲労試験片の中心軸の方向が模擬粗部材の中心軸の方向と一致するように、回転曲げ疲労試験片を作製した。回転曲げ疲労試験片に対し、有効硬化層深さが1mm±0.2mmとなるように高周波焼入れを行い、その後300℃で90分間の焼戻しを行った。その後、4NC-VNGA160404-BNC200:住友電工ハードメタル(株)製)の工具を用い、回転曲げ疲労試験片の切欠部を切削速度が50m/分、切込みが0.1mmで、水溶性切削油を用いて切削加工を行った。図4は疲労試験に供した切欠付き小野式回転曲げ疲労試験片の模式図である。切欠底での直径は6.72mmであるが、高周波焼入れ前の段階では切欠底での直径を6.92mmとして試験片を作製し、高周波焼入れ後の切削加工で切込み0.1mmで加工することで、図4の形状とした。
上記の小野式回転曲げ疲労試験片で、疲労試験を行っていない試験片を用い、切欠底を試験片の長手方向に対して垂直な断面で切断して樹脂に埋め込み、表層を研磨した後、表層から50μmの位置で、ビッカース硬度を測定した。結果を表2に示す。
上記の小野式回転曲げ疲労試験片で、疲労試験を行っていない試験片を用い、切欠底において、表面から200μm以下の深さ領域における最大の圧縮残留応力を測定した。本実施例ではいずれの場合も最大の圧縮残留応力は300MPa以上であった。
表2に試験結果を示す。表2を参照して、試験番号1~16の鋼材は、化学組成が適切であり、かつ、式(1)~(3)を満たした。そのため、各試験番号の鋼材は、CaOとAl2O3の含有量が適正融点酸化物の個数密度が0.15個/mm2以上、低融点酸化物の個数密度が0.15個/mm2以下であり、適正融点酸化物のうち平均組成における質量%での含有量でCaS:10%以上を含む複合介在物として存在する個数の割合が50%以上であり、当該の複合介在物の円相当径の平均値と標準偏差が式(6)を満たした。そのため、溶融割れが発生しなかった。さらに、工具摩耗量は100μm以下であり、被削性は高かった。さらに、回転曲げ疲労試験の疲労強度は500MPa以上であり、疲労強度は高かった。
実施するための例示に過ぎない。従って、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。
2 クランクシャフトのエッジ部
10 溶融割れ
Claims (9)
- 高周波焼入れ用鋼であって、化学組成が、質量%で、
C:0.31~0.60%、
Si:0.51~1.00%、
Mn:0.50~2.00%、
P:0.050%以下、
S:0.006~0.040%、
Cr:0~0.19%、
Ca:0.0006~0.0023%、
Al:0.021~0.050%、
V:0~0.099%、
N:0.0250%以下、及び、
O:0.0050%以下
を含有し、残部はFe及び不純物からなり、
下記式(1)~(3)を満たすことを特徴とする高周波焼入れ用鋼。
0.01≦Ca/Al≦0.12 ・・・式(1)
Ca-0.0008×Ln(S)≦0.00493 ・・・式(2)
Al+1091×S3-61.5×S2+1.59×S≦0.0567 ・・・式(3)
ここで、式中の各元素記号には、それぞれ対応する元素の含有量(質量%)が代入され、対応する元素が含有されていない場合、その元素記号には「0」が代入される。 - さらに、鋼中に存在する円相当径が1.0μm以上の酸化物を含む介在物で、式(4)を満たす酸化物を含む介在物の個数密度が0.15個/mm2以上、式(5)を満たす酸化物を含む介在物の個数密度が0.15個/mm2以下であり、式(4)を満たす酸化物を含む介在物のうち、CaS:10質量%以上を含む複合介在物の個数の割合が50%以上であり、当該複合介在物の円相当径の平均値dと標準偏差σが式(6)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の高周波焼入れ用鋼。
805≦10.4×A+1.4×B≦1004 ・・・式(4)
10.4×A+1.4×B≦404 ・・・式(5)
ただし、式(4)及び式(5)中のA及びBは以下のとおりである。
A:酸化物をCaO-Al2O3-SiO2の3元系酸化物と見なしたとき、酸化物中のAl2O3の含有量(質量%)
B:酸化物をCaO-Al2O3-SiO2の3元系酸化物と見なしたとき、酸化物中のCaOの含有量(質量%)
d+3σ≦20・・・式(6) - さらに、下記式(7)を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の高周波焼入れ用鋼。
60×C+5.5×Si+29Mn-29V≧58 ・・・式(7)
ここで、式中の各元素記号には、それぞれ対応する元素の含有量(質量%)が代入され、対応する元素が含有されていない場合、その元素記号には「0」が代入される。 - さらに、下記式(8)を満たすことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の高周波焼入れ用鋼。
244≦462×C+102×Si+7×Mn≦316 ・・・式(8)
ここで、式中の各元素記号には、それぞれ対応する元素の含有量(質量%)が代入され、対応する元素が含有されていない場合、その元素記号には「0」が代入される。 - さらに、下記式(9)を満たすことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の高周波焼入れ用鋼。
149×C+36×Si+70×Mn+76×V≧155 ・・・式(9)
ここで、式中の各元素記号には、それぞれ対応する元素の含有量(質量%)が代入され、対応する元素が含有されていない場合、その元素記号には「0」が代入される。 - 前記化学組成はさらに、前記Feの一部に代えて、
Ti:0.039%以下、
Nb:0.050%以下、及び、
Zr:0.0019%以下からなる群から選択される1種以上を含有する請求項1~5のいずれか1項に記載の高周波焼入れ用鋼。 - 前記化学組成はさらに、前記Feの一部に代えて、
Mo:0.095%以下、
Cu:0.50%以下、及び、
Ni:0.50%以下からなる群から選択される1種以上を含有する請求項1~6のいずれか1項に記載の高周波焼入れ用鋼。 - 請求項1~7のいずれか1項に記載の化学組成であり、表面から200μm深さまでの領域における最大の圧縮残留応力が300MPa以上であることを特徴とする高周波焼入れ鋼部品。
- 請求項8に記載の高周波焼入れ鋼部品の製造方法であって、請求項1~7のいずれか1項に記載の化学組成を有する高周波焼入れ用鋼を加工して部材を製造する工程、前記部材を高周波焼入れする工程、前記高周波焼入れした部材を焼戻しする工程、前記焼戻した部材に表面から厚み方向に0.05~0.40mmの深さを切削加工する切削加工工程を有することを特徴とする高周波焼入れ鋼部品の製造方法。
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