以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲にかかる発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。説明の明確化のため、以下の記載および図面は、適宜、省略、および簡略化がなされている。なお、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
<実施の形態1>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態1にかかる制御システムを搭載した車両の構成図である。本実施の形態にかかる制御システムは、車両に設けられた赤外線カメラを制御する。図1に示す車両90は、赤外線カメラ10、制御システム11およびディスプレイ12を含む。
赤外線カメラ10は、車両90の周辺を撮像するように車両90に設けられている。赤外線カメラ10は例えば車両90の前方に固定され、車両90の前方を撮像する。赤外線カメラ10は制御システム11と通信可能に接続し、制御システム11から所定の指示信号を受け取り、受け取った指示信号に応じて動作する。また赤外線カメラ10は、制御システム11に対して、赤外線カメラ10が撮像した画像(熱画像ともいう)にかかる画像データ(熱画像データともいう)を供給する。赤外線カメラ10は、所謂遠赤外線カメラである。
制御システム11は、車両90の任意の場所に固定され、赤外線カメラ10およびディスプレイ12のそれぞれと通信可能に接続している。制御システム11は、赤外線カメラ10を制御して、赤外線カメラ10が生成した画像データを取得し、取得した画像データをディスプレイ12に表示させる。
ディスプレイ12は、例えば液晶パネルや有機エレクトロルミネッセンスパネルを含む表示装置であって、車両90において運転者が視認可能な位置に設けられている。ディスプレイ12は、制御システム11を介して赤外線カメラ10が撮像した画像を表示する。
上述の構成により、制御システム11は、赤外線カメラ10が撮像した画像を運転者が視認可能な態様によりディスプレイ12に表示させる。これにより、制御システム11は、車両90の周辺の物体を運転者に認識させることができる。
次に、図2を参照して、赤外線カメラ10の構成について説明する。図2は、赤外線カメラの構成図である。図2に示す赤外線カメラ10は主な構成として、筐体101、対物レンズ102、シャッタ103、赤外線センサ104、カメラ制御回路105および温度センサ106を有している。
筐体101は、赤外線カメラ10の各構成を収容し、車両90に固定される。対物レンズ102は、赤外線カメラ10が撮像する範囲から入射する赤外線を受け、赤外線センサ104に投射する。シャッタ103は、遮光性の板材を含み、対物レンズ102と赤外線センサ104との間に開閉可能に介在する。
シャッタ103は、閉じた状態のときに、対物レンズ102から赤外線センサ104へ入射する光を遮る。一方、シャッタ103は、開いた状態のときに、対物レンズ102から赤外線センサ104へ入射する光を遮らない。また、シャッタ103は、赤外線センサ104から見て黒体であり、シャッタ103を閉じた状態で、赤外線センサ104のキャリブレーションを行う。
赤外線センサ104は、アレイ状に配置された感熱素子で構成され、対物レンズ102を介して入射する赤外光を受け、感熱素子の各々の抵抗値変化によって画像データを生成する。赤外線センサ104はカメラ制御回路105と通信可能に接続し、カメラ制御回路105から所定の制御信号を受けて動作する。赤外線センサ104は、画像データを生成すると、生成した画像データをカメラ制御回路105に供給する。
なお、赤外線センサ104は、所定の強さより強い太陽光を所定期間以上受けると、太陽光を受けた範囲の素子の出力が飽和する。また、太陽光を受けた範囲の素子の温度が規定値以上に上昇するため、素子の不可逆な変形や特性の変化などの異常状態が生じる。そのため、赤外線カメラ10は、赤外線センサ104を直射日光から保護するために、シャッタ103を有する。
また、赤外線センサ104のダイナミックレンジは、歩行者等の物体を検出するための分解能が比較的に高くなるように設定されている。そのため、赤外線センサ104は、異常を起こさない温度範囲であっても、温度の高い物体を撮影した範囲の素子の出力が飽和する。
カメラ制御回路105は、MCU(Micro Controller Unit)を含む制御回路であって、シャッタ103および赤外線センサ104を制御する。またカメラ制御回路105は制御システム11と通信可能に接続し、制御システム11から制御信号を受け取り、受け取った制御信号に応じて、赤外線カメラ10の各構成を制御する。カメラ制御回路105は、赤外線カメラ10が撮像をしない場合にはシャッタ103が閉じた状態を保つよう制御する。カメラ制御回路105は、赤外線カメラ10が撮像をする場合にはシャッタ103が開いた状態となるよう制御する。またこのとき、カメラ制御回路105は、赤外線センサ104が生成した画像データを、制御システム11に供給する。
またカメラ制御回路105は、所定の条件下、シャッタ103を一時的に閉じる。所定の条件とは例えば、赤外線センサ104を保護する目的でシャッタ103を一時的に閉じる場合や、キャリブレーションを行う場合である。この場合、例えばカメラ制御回路105は、制御システム11からシャッタ103を一時的に閉じる指示を受ける。
カメラ制御回路105は温度センサ106と通信可能に接続し、温度センサ106から赤外線カメラ10内部の温度に関する測定データを受け取る。またカメラ制御回路105は温度センサ106から受け取った測定データを制御システム11に供給する。またカメラ制御回路105は温度センサ106から測定データを受け取り、受け取った測定データに応じてキャリブレーションを行ってもよい。
温度センサ106は赤外線カメラ10内部に設置され、赤外線カメラ10の温度を測定し、測定データをカメラ制御回路105に供給する。温度センサ106は赤外線センサ104の近傍に設置されているのが好ましい。
次に、図3を参照して、制御システム11について説明する。図3は、実施の形態1にかかる制御システムのブロック図である。制御システム11は主な構成として、制御IF120、ROM130、RAM140、システム制御回路150、画像データ取得部160、画像処理部170、画像認識部180および画像データ出力部190を有している。またこれらの構成は、バス110を介して適宜通信可能に接続されている。
制御IF120は、赤外線カメラ10を制御するための通信回線のインタフェースである。制御IF120は制御システム11が赤外線カメラ10を制御するための制御信号を、赤外線カメラ10に供給する。
ROM130(ROM(Read Only Memory))は、予め設定された情報またはデータを記憶する不揮発性のメモリである。ROM130は、例えば制御システム11が本実施の形態にかかる機能を実現するためのプログラムを予め記憶している。
RAM140(RAM(Random Access Memory))は、制御システム11が一時的にデータを展開できる記憶領域を有する揮発性のメモリである。RAM140は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)であってもよいし、システム制御回路150等に付随するレジスタを含んでもよい。RAM140は、ROM130が記憶するプログラムを展開して実行する領域を含む。またRAM140は、例えば赤外線カメラ10から供給された画像データを処理する場合等に利用され得る。
システム制御回路150は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの演算装置を含む。システム制御回路150は機能ブロックとして、判断部151および指示部152を含む。
判断部151は、制御システム11から取得した画像データにかかる熱画像について、この熱画像に飽和領域と低温領域とがいずれも含まれる場合に、これらの位置関係について所定の判断をする。より具体的には、判断部151は、この熱画像における飽和領域の周囲における所定の範囲内に低温領域が存在するか否かを判断する。
すなわち赤外線カメラ10が撮像する熱画像には、飽和領域として太陽の画像が含まれる可能性がある。また熱画像には、飽和領域として他車両のマフラ等の高温部分の画像が含まれる可能性もある。さらに、太陽の画像の周囲には空が撮像される可能性が高い。また熱画像に含まれる空の範囲は温度が非常に低い。一方、他車両のマフラ等の高温部分の画像の周囲には、空の温度を示すような低温領域が存在する可能性が低い。そのため、飽和領域の周囲に空に相当する低温領域、つまり空の温度を示す低温領域が存在する場合には、その飽和領域は太陽を撮像したものであると推定され得る。そこで、制御システム11は、飽和領域の周囲に空に相当する低温領域が存在するか否かの判断をする。判断部151は、この判断の結果を指示部152に供給する。
指示部152は、赤外線カメラ10に対して所定の指示を出力する。より具体的には、指示部152は例えば、判断部151の判断結果を受け取る。そしてこの判断結果が、飽和領域の周囲に空の温度を示す低温領域が存在すると判断するものであった場合、指示部152は、赤外線カメラ10に対して赤外線センサ104の保護を指示する信号を出力する。より具体的には、指示部152は、赤外線カメラ10のシャッタ103を閉じる指示を出力する。制御IF120は、指示部152が出力した指示を、赤外線カメラ10に供給する。
画像データ取得部160は、赤外線カメラ10から熱画像にかかるデータである熱画像データ(入力熱画像データ)を取得するインタフェースである。画像データ取得部160は例えば赤外線カメラ10から定期的に画像データを取得する。例えば画像データ取得部160は、1フレームの画像を、15分の1秒毎に受け取る。画像データ取得部160は画像データを受け取ると、受け取った画像データを画像処理部170に供給する。
画像処理部170は、例えばGPU(Graphics Processing Unit)を含む画像処理回路によって実現される。画像処理部170は、RAM140と連携して、熱画像データに対して所定の処理を施す。画像処理部170の詳細は、後述する。
画像認識部180は、画像データ取得部160から熱画像データを受け取り、受け取った熱画像データにかかる熱画像から車両や人物等を検出する。より具体的には、画像認識部180は、例えば車両や人物などの検出対象物体を検出するための認識辞書を有し、認識辞書のデータを参照して、車両や人物などを検出する。画像認識部180は、車両や人物を検出すると、検出した車両や人物の位置、大きさに関する情報を生成し、生成した情報を、システム制御回路150に供給する。
画像データ出力部190は、画像処理部170が処理した画像データ(出力熱画像データ)を、ディスプレイ12に出力するためのインタフェースである。画像データ出力部190が出力する画像データはディスプレイ12の仕様に対応したデータフォーマットにしたがって出力される。このデータフォーマットは、例えばHDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)やDVI(Digital Visual Interface)等である。
次に、図4を参照して、画像処理部170について説明する。図4は、実施の形態1にかかる画像処理部170のブロック図である。画像処理部170は主な構成として、欠陥画素補正部171、NUC部172、飽和領域検出部173および低温領域検出部174を有する。
欠陥画素補正部171は、赤外線センサ104の欠陥画素を予め記憶し、記憶した欠陥画素の画素値を、周辺の画素の画素値から補間する処理(補間処理)を施す。欠陥画素補正部171は、画像データ取得部160を介して、赤外線カメラ10から入力熱画像データを受け取り、受け取った画像データに対して、上述の補間処理を施す。欠陥画素補正部171は補間処理を施した画像データを、NUC部172および飽和領域検出部173に供給する。
NUC部172は、入力された光に対して出力する画素値のばらつきを抑制するための較正処理であるNUC(Non-Uniformity Correction)を行う。NUC部172は、赤外線センサ104のそれぞれの画素が有する特性に対応したゲインとオフセット値の設定を予め有している。NUC部172は、欠陥画素補正部171から受け取った画像データに対して、予め有しているこの設定にしたがい、画像データのそれぞれの画素値を較正する。
飽和領域検出部173は、欠陥画素補正部171から欠陥画素が補正された画像データを受け取り、受け取った画像データの飽和領域を検出する。より詳細には、飽和領域検出部173は、飽和領域を検出するために、画像データ内の飽和領域を検索する。飽和領域は、飽和画素ないし実質的に飽和している画素が存在する領域である。飽和画素とは、画素データが上限値となった状態の画素をいう。例えば、撮像データの各画素の輝度レベルがゼロから16383までの14ビットで表現されている場合に、輝度レベルが16383の値を有する座標の画素を飽和画素という。
飽和領域検出部173は、例えば隣接する4個の画素が飽和画素であることを検出した場合に、飽和領域が存在すると判断する。あるいは飽和領域検出部173は、例えば近接する9個以上の画素が輝度値の上限の98パーセント以上である場合に、飽和領域が存在すると判断してもよい。飽和領域検出部173は、受け取った撮像データに飽和領域が存在すると検出した場合、飽和領域の検出結果を示す信号を、システム制御回路150に出力する。飽和領域の検出結果を示す信号には、飽和領域と判定された画素の位置に関するデータが含まれ得る。
低温領域検出部174は、画像データの所定領域において低温領域を検出する。より詳細には、低温領域検出部174は、所定領域において低温領域を検出するために、画像データの所定領域において低温領域を検索する。低温領域検出部174が低温領域の検索を行う所定領域とは、画像データ全体であってもよいし、飽和領域に応じて設定される領域であってもよい。
低温領域は、熱画像において比較的に低い温度を示す画素値を含む領域である。より具体的には、低温領域は、輝度値が比較的に小さい画素であって、飽和画素との輝度値の差が所定の閾値より大きい画素が存在する領域である。本実施の形態にかかる低温領域は、空の温度を検出することを目的として設定される。一般に熱画像において、空は例えば摂氏マイナス20度程度またはそれ以下に相当する画素値となる。そのため飽和画素との輝度値の差である閾値は、上述の温度が検出できるように設定される。赤外線センサ104が測定して出力する熱画像の輝度値は、環境温度により変化する。そのため、上述の閾値は、温度センサ106が測定する温度に応じて設定され得る。
なお、低温領域検出部174は、飽和画素との輝度値の差が上述の閾値より大きいことを判定するのに代えて、各画素の輝度値が所定の下限値を下回っていることを判定するものであってもよい。この場合の下限値は、温度センサ106が測定する温度に応じて設定されるものであってもよい。低温領域検出部174は、受け取った撮像データに低温領域が存在すると検出した場合、低温領域の検出結果を示す信号を、システム制御回路150に出力する。低温領域の検出結果を示す信号には、低温領域と判定された画素の位置に関するデータが含まれ得る。
次に、図5を参照して、制御システム11が実行する処理について説明する。図5は、実施の形態1にかかる制御方法のフローチャートである。図5に示すフローチャートは、例えば、制御システム11による赤外線カメラ10を用いた撮像が開始されることによって開始され、赤外線カメラ10を用いた撮像が行われている期間、繰り返し実行される。
まず、制御システム11の画像データ取得部160は、赤外線カメラ10から熱画像データを取得し(ステップS10)、これを画像処理部170に供給する。
次に、画像処理部170の飽和領域検出部173および低温領域検出部174は、欠陥補正が施された画像データから飽和領域および空の温度を示す低温領域を検索する(ステップS11)。画像処理部170は、かかる検索の結果として飽和領域および低温領域を検出すると、検出した飽和領域および低温領域の位置等に関するデータをシステム制御回路150に供給する。
次に、システム制御回路150は、画像処理部170が熱画像データに飽和領域および低温領域が存在することを検出したか否かを判断する(ステップS12)。より具体的には、システム制御回路150が有する判断部151が、この判断を行う。熱画像データに飽和領域および低温領域が存在することを検出したと判断する場合(ステップS12:YES)、システム制御回路150はステップS13に進む。一方、画像データに飽和領域および低温領域が存在することを検出したと判断しない場合(ステップS12:NO)、制御システム11は一連の処理を終了する。
ステップS13において、システム制御回路150の判断部151は、熱画像における飽和領域の周囲に低温領域が含まれるか否かを判断する(ステップS13)。飽和領域の周囲に低温領域が含まれると判断する場合(ステップS13:YES)、制御システム11はステップS14に進む。一方、飽和領域の周囲に低温領域が含まれると判断しない場合、(ステップS13:NO)、制御システム11は一連の処理を終了する。
ステップS14において、システム制御回路150の指示部152は、赤外線カメラ10の赤外線センサ104を保護することを指示する信号を出力する(ステップS14)。より具体的には例えば、指示部152は、赤外線カメラ10のシャッタ103を閉じる指示を出力する。制御システム11は、この指示に関する信号を、制御IF120を介して赤外線カメラ10に供給する。制御システム11は、シャッタ103を閉じる指示の信号を出力すると、一連の処理を終了する。
ステップS14において、シャッタ103を閉じた場合、指示部152は、例えば所定期間経過してからシャッタ103を開く指示の信号を出力する。この場合の所定期間とは、例えば、赤外線センサ104のキャリブレーションを行うための期間などである。または、例えば1秒間など予め設定された期間であってもよい。
以上、制御システム11が実行する処理である制御方法について説明した。上述の制御方法において、制御システム11は、飽和領域と低温領域との位置関係に応じて赤外線センサ104を保護する指示の信号を出力する。すなわち制御システム11は、飽和領域の周囲において空に相当する低温領域が存在する場合には、赤外線センサ104の保護を指示する信号を出力する。一方、制御システム11は、飽和領域の周囲において空に相当する低温領域が存在しない場合には、赤外線センサ104の保護を指示する信号を出力しない。これにより、上述の制御方法は、熱画像の画質劣化を抑制し、且つ、センサ機能の中断を抑制することができる。
次に、図6を参照して本実施の形態にかかる制御システム11の機能について説明する。図6は、実施の形態1にかかる制御システムの機能を説明するための図である。図6は、赤外線カメラ10が撮像した画像の一例を示している。図6に示す画像D11は、走行中の車両90の前方を赤外線カメラ10が撮像したものである。画像D11は、車両90の前方を走行する他車両990の画像を含む。他車両990の画像は、マフラ991の画像を含む。また画像D11は、太陽800の画像および空801の画像も含む。
画像D11は、マフラ991の画像に相当する画素に飽和領域が生じ得る。すなわち、飽和領域検出部173は、マフラ991の領域(破線のハッチングが施された楕円の領域)において飽和した画素を飽和領域として検出し得る。同様に、画像D11は、太陽800の画像に相当する画素に飽和領域が生じ得る。すなわち、飽和領域検出部173は、太陽800の領域(破線のハッチングが施された円の領域)において飽和した画素を飽和領域として検出し得る。また画像D11は、空801の画像に相当する画素に低温領域が生じ得る。すなわち、低温領域検出部174は、空801の領域(実線のハッチングが施された領域)を低温領域として検出し得る。
このとき判断部151は、飽和領域の周囲に低温領域が存在するか否かを判断する。具体的には、判断部151は、飽和領域の周囲に、所定の判断領域を設定する。判断領域は、飽和領域を中心として画定される所定の領域である。図6において、太陽800の周囲において太線の二点鎖線により示された矩形は、太陽800に対応する飽和領域の周囲に設定された判断領域A11の境界を示している。同様に、マフラ991の周囲において太線の二点鎖線により示された矩形は、マフラ991に対応する飽和領域の周囲に設定された判断領域A11の境界を示している。
上述の状況において、判断部151は、太陽800とマフラ991のそれぞれに対応する飽和領域に設定した判断領域内に、低温領域が存在するか否かを判断する。図6に示すように、判断領域A12には低温領域が含まれない。そのため、判断部151は、マフラ991の画像に対応する飽和領域の周囲には、空に相当する低温領域が存在すると判断しない。したがって、指示部152は、マフラ991の画像に対応する飽和領域から赤外線センサ104の保護を指示する信号を出力しない。
一方、図6に示すように、判断領域A11には空801の画像に対応する低温領域が含まれる。そのため、判断部151は、太陽800の画像に対応する飽和領域の周囲に低温領域が存在すると判断する。したがって、指示部152は、太陽800の画像に対応する飽和領域から赤外線センサ104の保護を指示する信号を出力する。
なお、上述の赤外線センサ104は、サーマルセンサ、または、ボロメータと言い換えてもよい。上述の制御システム11は、赤外線カメラ10およびディスプレイ12の少なくともいずれか一方を含む構成であってもよい。
以上、実施の形態1について説明した。上述の通り、実施の形態1によれば、熱画像の画質劣化を抑制し、且つ、センサ機能の中断を抑制する制御システム、制御方法およびプログラムを提供することができる。
<実施の形態2>
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2は、制御システム11が実行する処理が、実施の形態1と異なる。
実施の形態2にかかる制御システム11は、画像処理部170の飽和領域検出部173が飽和領域を検出すると、検出した飽和領域に対して判断領域を設定する。さらに画像処理部170は、設定した判断領域内において低温領域を検出するために、判断領域において低温領域を検索する。そして低温領域検出部174は、検索の結果をシステム制御回路150に供給する。
図7は、実施の形態2にかかる制御方法のフローチャートである。図7に示すフローチャートは、ステップS11およびステップS12に代えて、ステップS21からステップS24を実行する点が、図5に示すフローチャートと異なる。
まず、実施の形態2にかかる制御システム11の画像データ取得部160は、赤外線カメラ10から熱画像データを取得し(ステップS10)、これを画像処理部170に供給する。
次に、画像処理部170の飽和領域検出部173は、欠陥補正が施された画像データから飽和領域を検索する(ステップS21)。
次に、画像処理部170は、飽和領域検出部173が飽和領域を検出したか否かを判断する(ステップS22)。飽和領域検出部173が飽和領域を検出しなかった場合には、画像処理部170は飽和領域検出部173が飽和領域を検出したと判断しない。この場合(ステップS22:NO)、制御システム11は一連の処理を終了する。飽和領域検出部173が飽和領域を検出したと判断する場合(ステップS22:YES)、飽和領域検出部173は、検出した飽和領域の位置等に関するデータを低温領域検出部174に供給し、画像処理部170はステップS23に進む。
ステップS23において、低温領域検出部174は、画像データの飽和領域に対して判断領域を設定し、判断領域内の低温領域を検索する(ステップS23)。
次に、システム制御回路150の判断部151は、低温領域検出部174が判断領域において空に相当する低温領域を検出したか否かを判断する(ステップS24)。低温領域検出部174が低温領域を検出しなかった場合には、判断部151は低温領域検出部174が低温領域を検出したと判断しない。すなわちこの場合は、画像データに飽和領域は存在するものの、空に相当する低温領域が飽和領域の周囲に存在しなかったことを意味している。この場合(ステップS24:NO)、制御システム11は一連の処理を終了する。一方、低温領域検出部174が低温領域を検出したと判断する場合(ステップS24:YES)、画像処理部170は、検出した飽和領域および低温領域の位置等に関するデータをシステム制御回路150に供給し、システム制御回路150はステップS13に進む。
ステップS13において、システム制御回路150の判断部151は、熱画像における飽和領域の周囲に低温領域が含まれるか否かを判断する(ステップS13)。なお、本実施の形態にかかる「飽和領域の周囲」とは、低温領域検出部174が設定した判断領域を指す。飽和領域の周囲すなわち判断領域に低温領域が含まれると判断する場合(ステップS13:YES)、制御システム11はステップS14に進む。一方、この判断領域に低温領域が含まれると判断しない場合、(ステップS13:NO)、制御システム11は一連の処理を終了する。
次に、図8を参照して、本実施の形態にかかる制御システム11の機能について説明する。図8は、実施の形態2にかかる制御システムの機能を説明するための図である。図8に示す画像D21は、図6と同様に、太陽800、空801および他車両990の画像がそれぞれ含まれる。
図8に示すように、実施の形態2にかかる制御システム11は、飽和領域に対応した判断領域A11および判断領域A12において低温領域を検索する。そのため、本実施の形態にかかる低温領域検出部174は、判断領域A11の内部の領域に低温領域を検出するが、その他の領域について低温領域を検出しない。
このような構成により、本実施の形態にかかる制御システム11は、飽和領域に対応した判断領域内の低温領域を検索すればよい。そのため、赤外線センサ104の保護を指示する信号を出力するまでの処理を早くすることができる。
以上、実施の形態2について説明した。実施の形態2によれば、熱画像の画質劣化を効率よく抑制し、且つ、センサ機能の中断を抑制する制御システム、制御方法およびプログラムを提供することができる。
<実施の形態3>
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態3にかかる制御システム11は、低温領域を検索する手法および低温領域を検出する方法が、上述の実施の形態と異なる。
本実施の形態にかかる判断部151は、判断領域内における飽和領域と低温領域との距離を測定する。この場合、例えば判断部151は、飽和領域の中心部から低温領域の中心部までの距離を測定する。そして判断部151は、飽和領域と低温領域との距離が所定の閾値距離未満である場合に、飽和領域の周囲に低温領域が存在すると判断する。なお、判断部151は、飽和領域の端部と低温領域の端部との最短距離を測定するものであってもよい。
本実施の形態にかかる画像処理部170は、飽和領域の大きさを測定してもよい。またこの場合、判断部151は、測定した飽和領域の大きさに応じて判断領域の大きさおよび閾値距離のうち少なくともいずれか一方を設定するものであってもよい。さらにこの場合、判断部151は、低温領域検出部174に対して設定した判断領域または閾値距離に関する情報を提供してもよい。
次に、図9を参照して、実施の形態3にかかる制御システム11の処理について説明する。図9は、実施の形態3にかかる制御方法のフローチャートである。実施の形態3にかかる制御方法は、ステップS13に代えてステップS31を有する点が、図7に示したフローチャートと異なる。
ステップS24において、システム制御回路150の判断部151は、低温領域検出部174が低温領域を検出したか否かを判断する(ステップS24)。低温領域検出部174が低温領域を検出したと判断する場合(ステップS24:YES)、システム制御回路150はステップS31に進む。
ステップS31において、判断部151は、飽和領域と低温領域とが閾値距離未満であるか否かを判断する(ステップS31)。飽和領域と低温領域とが閾値距離未満であると判断されない場合(ステップS31:NO)、制御システム11は一連の処理を終了する。一方、飽和領域と低温領域とが閾値距離未満であると判断する場合(ステップS31:YES)、判断部151はステップS14に進み、指示部152が赤外線センサ104の保護を指示する信号を出力する(ステップS14)。
次に、図10を参照して実施の形態3にかかる制御システム11の機能についてさらに説明する。図10は、実施の形態3にかかる制御システムの機能を説明するための図である。図10に示す画像D31は、図8と同様に、太陽800、空801および他車両990の画像がそれぞれ含まれる。
実施の形態3にかかる制御システム11は、飽和領域に対応した判断領域A31および判断領域A32において低温領域を検索する。このとき低温領域検出部174は、判断領域A32および判断領域A32を所定の単位領域に分割し、かかる単位領域が低温領域となり得るかを判断する。この場合、例えば低温領域検出部174はこの単位領域に含まれる画素のヒストグラムを集計し、低温領域に相当する画素の割合が例えば90パーセント以上の場合にはかかる単位領域を低温領域と判断する。なお、上述の90パーセントは一例である。低温領域検出部174が低温領域と判断するためのパーセンテージは90パーセントに限られない。
図10に示す判断領域A31において、低温領域検出部174は複数の単位領域U31を設定し、それぞれの単位領域U311が低温領域であるか否かを判断する。低温領域検出部174は、それぞれの単位領域U31が低温領域であるか否かを示すデータを、システム制御回路150に供給する。
システム制御回路150の判断部151は、画像処理部170から飽和領域および低温領域に関するデータを受け取ると、受け取ったデータを用いて、飽和領域と低温領域との距離を算出する。そして判断部151は、飽和領域と低温領域とが閾値距離未満か否かを判断する。この場合、判断部151は、例えば飽和領域の中心と、低温領域であると判断された単位領域の中心とを結んだベクトルのベクトル値を用いて飽和領域と低温領域との距離を算出する。
図10に示す画像D31において、低温領域検出部174は判断領域A31に対して低温領域を検索する。その結果、低温領域検出部174は、判断領域A31における複数の単位領域を低温領域であると判断する。一方、低温領域検出部174は判断領域A32に対して低温領域を検索するが、低温領域を検出しない。
太陽800の画像の周囲に点線により示された円は、太陽800に相当する飽和領域の中心から半径D800の閾値距離を示している。また、太い実線により示された単位領域U311の中心は、閾値距離未満の位置に存在している。この場合、判断部151は、太陽800に相当する飽和領域と単位領域U311とが閾値距離未満であると判断する。
なお、判断部151は、上述した判断以外の判断を行ってもよい。例えば判断部151は、飽和領域と低温領域との間に存在する画素数から所定の閾値距離を算出してもよい。より具体的には例えば判断部151は、熱画像データが横方向320画素、縦方向240画素の場合、飽和領域から10画素などの値を閾値と設定し、飽和領域と低温領域とが所定の閾値距離未満であることを判定してもよい。
なお、上述の例において、判断領域A31は正方形であって、一辺は長さD31である。この長さD31は、太陽800に相当する飽和領域の大きさにより設定され得る。また判断領域A32の一辺は、長さD32である。この長さD32は、マフラ991に相当する飽和領域の大きさにより設定され得る。すなわち飽和領域の大きさが比較的に小さい場合における判断領域の一辺の長さは、飽和領域の大きさが比較的に大きい場合における判断領域の一辺の長さよりも小さく設定され得る。
以上、実施の形態3について説明した。なお、図10に示した例は、実施の形態2に示した図8の例と同様に、判断領域を設定し、設定した判断領域内の低温領域を検索する例を示した。しかし、実施の形態3にかかる制御システム11は、実施の形態1に示したように、画像データ全体の低温領域を検索し、そのうえで、飽和領域と低温領域との距離を判断するものであってもよい。
以上、実施の形態3について説明した。実施の形態3によれば、熱画像の画質劣化を好適に抑制し、且つ、センサ機能の中断を好適に抑制する制御システム、制御方法およびプログラムを提供することができる。
<実施の形態4>
次に、実施の形態4について説明する。実施の形態4にかかる制御システム11は、判断部151の処理が、上述の実施の形態と異なる。
本実施の形態にかかる判断部151は、熱画像における飽和領域が存在する位置より高い位置に低温領域が存在するか否かをさらに判断する点が、上述の実施の形態と異なる。すなわち本実施の形態にかかる判断部151は例えば、飽和領域の周囲に低温領域が存在すると判断した場合に、この低温領域が熱画像において飽和領域の位置より高い位置に存在するか否かを判断する。ここで飽和領域の位置より高い位置か否かは、例えば飽和領域の中心の画素より高さ方向で上の位置に低温領域が含まれるか否かにより判断される。
図11は、実施の形態4にかかる制御方法のフローチャートである。本実施の形態にかかる制御方法は、ステップS13に代えてステップS41を有する点が、図7に示したフローチャートと異なる。また本実施の形態にかかるフローチャートは、ステップS31に代えてステップS41を有する点が、図9に示したフローチャートと異なる。
図11のフローチャートのステップS24において、システム制御回路150の判断部151は、低温領域検出部174が低温領域を検出したか否かを判断する(ステップS24)。低温領域検出部174が低温領域を検出したと判断する場合(ステップS24:YES)、システム制御回路150はステップS41に進む。
ステップS41において、判断部151は、飽和領域の上方に低温領域が存在するか否かを判断する(ステップS41)。飽和領域の上方に低温領域が存在すると判断しない場合(ステップS41:NO)、制御システム11は一連の処理を終了する。一方、飽和領域の上方に低温領域が存在すると判断する場合(ステップS41:YES)、判断部151はステップS14に進み、指示部152が赤外線センサ104の保護を指示する信号を出力する(ステップS14)。
次に、図12を参照して実施の形態4にかかる制御システム11の機能についてさらに説明する。図12は、実施の形態4にかかる制御システムの機能を説明するための図である。図12に示す画像D41は、太陽800、空801および他車両990の画像がそれぞれ含まれる。
本実施の形態にかかる低温領域検出部174は、飽和領域の検出をした後に、飽和領域の上方に対応する判断領域を設定し、この判断領域において低温領域を検索する。図12において、判断領域A41は、太陽800の上方に対応する判断領域である。従って、飽和領域の上方とは、飽和領域に連続した上方ともいえる。また判断領域A42は、マフラ991の上方に対応する判断領域である。低温領域検出部174はこのように判断領域を設定し、設定した判断領域に低温領域が存在するか否かを判断する。図12に示した例では、判断部151は判断領域A41に低温領域が存在すると判断する。これにより、制御システム11は、図12に示すように、太陽の下方に空が存在しない場合に、効率よく低温領域を検出できる。
以上、実施の形態4について説明した。なお、図12に示した例は、実施の形態2に示した図8の例と同様に、判断領域を設定し、設定した判断領域内の低温領域を検索する例を示した。しかし、実施の形態4にかかる制御システム11は、実施の形態1に示したように、画像データ全体の低温領域を検索し、そのうえで、飽和領域の上方に低温領域が存在することを判断するものであってもよい。
また実施の形態4において説明した機能は、飽和領域の位置に応じて実行されてもよい。実施の形態4にかかる制御システム11は、例えば飽和領域の中心の位置が熱画像の下端から3分の2の範囲に存在する場合に、上述の機能を発揮するものであってもよい。またこの場合、飽和領域の中心の位置が熱画像の下端から3分の2より上方に存在する場合には、制御システム11は例えば実施の形態1または実施の形態2に相当する機能を発揮するものであってもよい。
以上、実施の形態4について説明した。実施の形態4によれば、熱画像の画質劣化を抑制し、且つ、センサ機能の中断を抑制する制御システム、制御方法およびプログラムを提供することができる。
上述のプログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。