JP7665261B2 - 新規lrp1結合ペプチド - Google Patents
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Description
XN-X5-X6-X7-X8-X9-X10-X11-X12-X13-X14-X15 (1)で表されるアミノ酸配列を有する直鎖状ペプチド若しくは環状ペプチド、又はそれらの薬理学的に許容される塩である。
〔1〕
上述の式(1):
XN-X5-X6-X7-X8-X9-X10-X11-X12-X13-X14-X15 (1)
(式中、XNは、1~4個の任意のアミノ酸残基であり、X5とX15は、それぞれ独立にセリン、スレオニン、システイン、D体システイン、又はプロリンを表し、X6は、セリン、ホモセリン、スレオニン、アロスレオニン、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノブタン酸、オルニチン、リジン、アルギニン、プロリン、cis-4-ヒドロキシ-プロリン、又はtrans-4-ヒドロキシ-プロリンを表し、X7は、ヒスチジン、チロシン、O-メチル-チロシン、フェニルアラニン、4-アミノ-フェニルアラニン、4-フルオロ-フェニルアラニン、又は4-クロロ-フェニルアラニンを表し、X8は、オルニチン、リジン、ホモリジン、アルギニン、又はホモアルギニンを表し、X9は、メチオニン、ノルロイシン、リジン、アルギニン、チロシン、O-メチル-チロシン、フェニルアラニン、4-アミノ-フェニルアラニン、4-フルオロ-フェニルアラニン、又は4-クロロ-フェニルアラニンを表し、X10は、メチオニン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、バリン、リジン、又はアルギンを表し、X11とX14は、それぞれ独立にメチオニン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、バリン、2-アミノヘプタン酸、又は2-アミノオクタン酸を表し、X12は、アラニン、D体アラニン、又は2-アミノイソ酪酸を表し、X13は、グリシン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、又はグルタミン酸を表し、N末端アミノ基及びC末端カルボキシ基は、修飾されていても欠失していてもよく、X5とX15は環状化に関与する場合はシステイン又はD体システインであり、それぞれの側鎖-SH基の間で、ジスルフィド結合、メチレン基、アセチルメチレン基、エチレン基、又はプロピレン基のリンカーを介して共有結合を形成し、それによって式(1)のペプチドは分子内に1つの環状構造を有していてもよい。)で表されるアミノ酸配列を有する直鎖状ペプチド若しくは環状ペプチド、又はそれらの薬理学的に許容される塩。
〔2〕
下記式(3):
XN-X5-X6-X7-X8-X9-X10-X11-X12-X13-X14-Pro-X16 (3)
(式中、XNは、1~4個の任意のアミノ酸残基であり、X5とX16は、それぞれ独立にセリン、スレオニン、システイン、D体システイン、又はプロリンを表し、X6は、セリン、ホモセリン、スレオニン、アロスレオニン、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノブタン酸、オルニチン、リジン、アルギニン、プロリン、cis-4-ヒドロキシ-プロリン、又はtrans-4-ヒドロキシ-プロリンを表し、X7は、ヒスチジン、チロシン、O-メチル-チロシン、フェニルアラニン、4-アミノ-フェニルアラニン、4-フルオロ-フェニルアラニン、又は4-クロロ-フェニルアラニンを表し、X8は、オルニチン、リジン、ホモリジン、アルギニン、又はホモアルギニンを表し、X9は、メチオニン、ノルロイシン、リジン、アルギニン、チロシン、O-メチル-チロシン、フェニルアラニン、4-アミノ-フェニルアラニン、4-フルオロ-フェニルアラニン、又は4-クロロ-フェニルアラニンを表し、X10は、メチオニン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、バリン、リジン、又はアルギンを表し、X11とX14は、それぞれ独立にメチオニン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、バリン、2-アミノヘプタン酸、又は2-アミノオクタン酸を表し、X12は、アラニン、D体アラニン、又は2-アミノイソ酪酸を表し、X13は、グリシン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、又はグルタミン酸を表し、N末端アミノ基及びC末端カルボキシ基は、修飾されていても欠失していてもよく、X5とX16は環状化に関与する場合はシステイン又はD体システインであり、それぞれの側鎖-SH基の間で、ジスルフィド結合、メチレン基、アセチルメチレン基、エチレン基、又はプロピレン基のリンカーを介して共有結合を形成し、それによって式(3)のペプチドは分子内に1つの環状構造を有していてもよい。)で表されるアミノ酸配列を有する直鎖状ペプチド若しくは環状ペプチド、又はそれらの薬理学的に許容される塩。
〔3〕
下記式(3):
XN-X5-X6-X7-X8-X9-X10-X11-X12-X13-X14-Pro-X16 (3)
(式中、XNは、1~4個の任意のアミノ酸残基であり、X6とX16は、それぞれ独立にセリン、スレオニン、システイン、D体システイン、又はプロリンを表し、X5は、セリン、ホモセリン、スレオニン、アロスレオニン、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノブタン酸、オルニチン、リジン、アルギニン、プロリン、cis-4-ヒドロキシ-プロリン、又はtrans-4-ヒドロキシ-プロリンを表し、X7は、ヒスチジン、チロシン、O-メチル-チロシン、フェニルアラニン、4-アミノ-フェニルアラニン、4-フルオロ-フェニルアラニン、又は4-クロロ-フェニルアラニンを表し、X8は、オルニチン、リジン、ホモリジン、アルギニン、又はホモアルギニンを表し、X9は、メチオニン、ノルロイシン、リジン、アルギニン、チロシン、O-メチル-チロシン、フェニルアラニン、4-アミノ-フェニルアラニン、4-フルオロ-フェニルアラニン、又は4-クロロ-フェニルアラニンを表し、X10は、メチオニン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、バリン、リジン、又はアルギンを表し、X11とX14は、それぞれ独立にメチオニン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、バリン、2-アミノヘプタン酸、又は2-アミノオクタン酸を表し、X12は、アラニン、D体アラニン、又は2-アミノイソ酪酸を表し、X13は、グリシン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、又はグルタミン酸を表し、N末端アミノ基及びC末端カルボキシ基は、修飾されていても欠失していてもよく、X6とX16は環状化に関与する場合はシステイン又はD体システインであり、それぞれの側鎖-SH基の間で、ジスルフィド結合、メチレン基、アセチルメチレン基、エチレン基、又はプロピレン基のリンカーを介して共有結合を形成し、それによって式(3)のペプチドは分子内に1つの環状構造を有していてもよい。)で表されるアミノ酸配列を有する直鎖状ペプチド若しくは環状ペプチド、又はそれらの薬理学的に許容される塩。
〔4〕
XNが、Lys-Gly-Thr-Pro又はGly-Thr-Proである、〔1〕~〔3〕のいずれか一つに記載の直鎖状ペプチド若しくは環状ペプチド、又はそれらの薬理学的に許容される塩。
〔5〕
〔1〕~〔4〕のいずれかに記載のアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が欠失、付加、及び/又は置換したアミノ酸配列を含み、LRP1結合活性を有する直鎖状ペプチド若しくは環状ペプチド、又はそれらの薬理学的に許容される塩。
〔6〕
〔1〕~〔5〕、以下〔14〕~〔21〕のいずれか一つに記載のペプチドの誘導体、及び/又は修飾体。
〔7〕
前記誘導体又は修飾体が、N末端、C末端、又はアミノ酸の側鎖に直接又はリンカーを介して、アジド基、アルキン基、シクロオクチン基又はテトラジン基を有する〔6〕に記載の、ペプチドの誘導体又は修飾体。
〔8〕
〔1〕~〔7〕、以下〔14〕~〔21〕のいずれか一つに記載のペプチド又はその誘導体若しくはその修飾体を含む医薬、診断薬、及び/又は試薬。
〔9〕
〔6〕に記載のペプチドの誘導体又は修飾体と、薬物とが直接又はリンカーを介して連結されている、ペプチド薬物複合体。
〔10〕
前記薬物が、抗体、核酸、又は生理活性ペプチドである〔9〕に記載のペプチド薬物複合体。
〔11〕
〔1〕~〔5〕、以下〔14〕~〔21〕のいずれか一つに記載のアミノ酸配列の中で天然アミノ酸のみで構成されるアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド、又は前記ポリヌクレオチドと配列同一性70%以上の塩基配列を有し、かつLRP1結合活性を有するペプチドをコードするポリヌクレオチド。
〔12〕
〔11〕に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
〔13〕
〔1〕~〔5〕、以下〔14〕~〔21〕のいずれか一つに記載のアミノ酸配列を提示する細胞、酵母、バクテリア、ウイルス、リポソーム、又はナノ粒子。
〔14〕
下記式(6):
X1-X2-X3-X4-XL-X7-X8-X9-X10-X11-X12-X13-X14-XM (6)
(XLは、X5-X6であり、XMは、X15-X16であり、ペプチド分子内の環状化に関与する場合、それぞれ独立にアミノ基、カルボキシ基、チオール基、アリル基、アルキニル基、アジド基、若しくはハロゲン原子を有するアミノ酸残基、又はそれらの誘導体を表し、ペプチド分子内の環状化に関与しない場合、X5、X6、又はX15は、それぞれ独立に任意のアミノ酸残基、又はそれらの誘導体を表し、X16は、任意のアミノ酸残基、それらの誘導体、又は欠失を表し、X7は、置換基を有していてもよい炭化水素基を有するアミノ酸残基、置換基を有していてもよい芳香族炭素環基を有するアミノ酸残基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基を有するアミノ酸残基、又はそれらの誘導体を表し、X8は、正電荷を有するアミノ酸残基、又はそれらの誘導体を表し、X11、X12及びX14は、それぞれ独立に置換基を有していてもよい炭化水素基を有するアミノ酸残基、又はそれらの誘導体を表し、X13は、置換基を有していてもよい炭化水素基を有するアミノ酸残基、負電荷を有するアミノ酸残基、又はそれらの誘導体を表し、X9、X10は、それぞれ独立に任意のアミノ酸残基、又はそれらの誘導体を表し、X1、X2、X3、X4は、それぞれ独立に任意のアミノ酸残基、それらの誘導体、又は欠失を表し、XLとXMの間は直接的な又はリンカーを介した間接的な共有結合を形成することで式(6)のペプチドは分子内に1つの環状構造を有していてもよく、その場合のXLとXMの間の共有結合は、それらの主鎖-主鎖間、主鎖-側鎖間、側鎖-主鎖間、又は側鎖-側鎖間のいずれの結合であってもよく、N末端アミノ基及びC末端カルボキシ基は、修飾されていても欠失していてもよい。)
で表されるアミノ酸配列からなる直鎖状ペプチド及び環状ペプチド、又はそれらの薬理学的に許容される塩。
〔15〕
X5とX15のCα炭素原子間の結合、X6とX15のCα炭素原子間の結合、X5とX16のCα炭素原子間の結合、又はX6とX16のCα炭素原子間の結合が、それぞれ独立に下記式(7):
CαL-(CH2)A-Z-(CH2)B-CαM (7)
(式中、Lは4又は5であり、Mは14又は15であり、AとBは、それぞれ独立に0~2のいずれかの整数を表し、AとBの総和は、0~4のいずれかの整数であり、Zは、S-S、CH2-CH2、S-CH2、CH2-S、O-CH2、CH2-O、CH=CH、NH-C(=O)、N(CH3)-C(=O)、NH-C(=S)、N(CH3)-C(=S)、O-C(=O)、C(=O)-NH、C(=O)-N(CH3)、C(=S)-NH、C(=S)-N(CH3)、C(=O)-O、CH2-CH2-CH2、S-CH2-CH2、CH2-CH2-S、CH2-S-CH2、O-CH2-CH2、CH2-CH2-O、CH2-O-CH2、S-CH2-S、S-C(=CH2)-S、S-(C(=O)-CH3)-S、S-(CH2)2-S、S-(CH2)3-S、S-CH2-C(=O)-CH2-S、S-CH2-C(=CH2)-CH2-S、S-(CH2)4-S、S-CH2-CH=CH-CH2-S、S-CH2-C6H4-CH2-S(フェニレン環へのメチレン基の結合部位は、オルト、メタ及びパラの何れであってもよい)、S-CH2-C(=O)-CH2-S、又はS-CH2-C(=CH2)-CH2-Sを表す。)
で表される構造を含む〔14〕に記載の直鎖状ペプチド及び環状ペプチド、又はそれらの薬理学的に許容される塩。
〔16〕
X8が、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノブタン酸、オルニチン、リジン、ホモリジン、アルギニン、ホモアルギニン、それらのD体アミノ酸、それらのNメチル化アミノ酸、それらのαメチル化アミノ酸、又はそれらの誘導体である、請求〔14〕又は〔15〕に記載の直鎖状ペプチド及び環状ペプチド、又はそれらの薬理学的に許容される塩。
〔17〕
X12が、アラニン、D体アラニン、2-アミノイソ酪酸、2-アミノブタン酸、D体2-アミノブタン酸、イソバリン、D体イソバリン、バリン、D体バリン、イソロイシン、D体イソロイシン、ロイシン、D体ロイシン、それらのNメチル化アミノ酸、それらのαメチル化アミノ酸、又はそれらの誘導体である、〔14〕から〔16〕のいずれか一つに記載の直鎖状ペプチド及び環状ペプチド、又はそれらの薬理学的に許容される塩。
〔18〕
X11とX14が、それぞれ独立にメチオニン、下記式(8):
下記式(9)
下記式(10)
で表されるアミノ酸残基であるか、又はそれらの誘導体である、〔14〕~〔17〕のいずれか一つに記載の直鎖状ペプチド及び環状ペプチド、又はそれらの薬理学的に許容される塩。
〔19〕
X7が、下記式(8):
下記式(9)
下記式(10)
下記式(11)
下記式(12)
下記式(13)
で表されるアミノ酸残基であるか、又はそれらの誘導体である、〔14〕から〔18〕のいずれか一つに記載の直鎖状ペプチド及び環状ペプチド、又はそれらの薬理学的に許容される塩。
〔20〕
X13が、グリシン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、D体アラニン、D体アスパラギン酸、D体グルタミン酸、D体アスパラギン、D体グルタミン、それらのNメチル化アミノ酸、それらのαメチル化アミノ酸、又はそれらの誘導体である、〔14〕から〔19〕のいずれか一つに記載の直鎖状ペプチド及び環状ペプチド、又はそれらの薬理学的に許容される塩。
〔21〕
ペプチド分子内の環状化に関与しないXLとXMが、それぞれ独立にアラニン、イソバリン、ノルバリン、セリン、ホモセリン、スレオニン、アロスレオニン、O-メチル化-セリン、O-メチル化-ホモセリン、O-メチル化-スレオニン、O-メチル化-アロスレオニン、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノブタン酸、オルニチン、リジン、アルギニン、プロリン、cis-4-ヒドロキシ-プロリン、trans-4-ヒドロキシ-プロリン、アゼチジン-2-カルボン酸、ピペコリン酸、D体セリン、D体ホモセリン、D体スレオニン、D体アロスレオニン、D体O-メチル化-セリン、D体O-メチル化-ホモセリン、D体O-メチル化-スレオニン、D体O-メチル化-アロスレオニン、D体2,3-ジアミノプロピオン酸、D体2,4-ジアミノブタン酸、D体オルニチン、D体リジン、D体アルギニン、D体プロリン、D体cis-4-ヒドロキシ-プロリン、D体trans-4-ヒドロキシ-プロリン、D体アゼチジン-2-カルボン酸、D体ピペコリン酸、それらのNメチル化アミノ酸、それらのαメチル化アミノ酸、又はそれらの誘導体である、〔14〕から〔20〕のいずれか一つに記載の直鎖状ペプチド及び環状ペプチド、又はそれらの薬理学的に許容される塩。
本明細書においてペプチドは、2つ以上のアミノ酸がアミド結合(ペプチド結合)で結合しているものを指し、例えば2~20アミノ酸がアミド結合したものとすることができる。また、ペプチド標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端がC末端(カルボキシ末端)である。ペプチド結合を形成するカルボニル基に隣接する1番目の炭素原子をCα炭素と称する。
[1]本開示の1つの実施形態における直鎖状ペプチド及び環状ペプチドは、下記式(1):
XN-X5-X6-X7-X8-X9-X10-X11-X12-X13-X14-X15 (1)
で表されるアミノ酸配列を有する。
式(1)において、XNは、1~4個の任意のアミノ酸残基であり、X5とX15は、それぞれ独立にセリン、スレオニン、システイン、D体システイン、又はプロリンを表し、X6は、セリン、ホモセリン、スレオニン、アロスレオニン、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノブタン酸、オルニチン、リジン、アルギニン、プロリン、cis-4-ヒドロキシ-プロリン、又はtrans-4-ヒドロキシ-プロリンを表し、X7は、ヒスチジン、チロシン、O-メチル-チロシン、フェニルアラニン、4-アミノ-フェニルアラニン、4-フルオロ-フェニルアラニン、又は4-クロロ-フェニルアラニンを表し、X8は、オルニチン、リジン、ホモリジン、アルギニン、又はホモアルギニンを表し、X9は、メチオニン、ノルロイシン、リジン、アルギニン、チロシン、O-メチル-チロシン、フェニルアラニン、4-アミノ-フェニルアラニン、4-フルオロ-フェニルアラニン、又は4-クロロ-フェニルアラニンを表し、X10は、メチオニン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、バリン、リジン、又はアルギンを表し、X11とX14は、それぞれ独立にメチオニン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、バリン、2-アミノヘプタン酸、又は2-アミノオクタン酸を表し、X12は、アラニン、D体アラニン、又は2-アミノイソ酪酸を表し、X13は、グリシン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、又はグルタミン酸を表わす。N末端アミノ基及びC末端カルボキシ基は、修飾されていても欠失していてもよく、X5とX15は環状化に関与する場合はシステイン又はD体システインであり、それぞれの側鎖-SH基の間で、ジスルフィド結合、メチレン基、アセチルメチレン基、エチレン基、又はプロピレン基のリンカーを介して共有結合を形成し、それによって式(1)のペプチドは分子内に1つの環状構造を有していてもよい。
式(2)において、X6は、セリン、スレオニン、又は2,3-ジアミノプロピオン酸を表し、X7は、ヒスチジン、チロシン、フェニルアラニン、又はトリプトファンを表し、X9は、チロシン、メチオニン、ノルロイシン、又はアルギニンを表わし、X10は、メチオニン、ノルロイシン、アルギニン、又はリジンを表し、X14は、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、又はノルロイシンを表す。
XN-X5-X6-X7-X8-X9-X10-X11-X12-X13-X14-Pro-X16 (3)
で表されるアミノ酸配列を有する。
上記式(3)において、XNは、1~4個の任意のアミノ酸残基であり、X5とX16は、それぞれ独立にセリン、スレオニン、システイン、D体システイン、又はプロリンを表し、X6は、セリン、ホモセリン、スレオニン、アロスレオニン、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノブタン酸、オルニチン、リジン、アルギニン、プロリン、cis-4-ヒドロキシ-プロリン、又はtrans-4-ヒドロキシ-プロリンを表し、X7は、ヒスチジン、チロシン、O-メチル-チロシン、フェニルアラニン、4-アミノ-フェニルアラニン、4-フルオロ-フェニルアラニン、又は4-クロロ-フェニルアラニンを表し、X8は、オルニチン、リジン、ホモリジン、アルギニン、又はホモアルギニンを表し、X9は、メチオニン、ノルロイシン、リジン、アルギニン、チロシン、O-メチル-チロシン、フェニルアラニン、4-アミノ-フェニルアラニン、4-フルオロ-フェニルアラニン、又は4-クロロ-フェニルアラニンを表し、X10は、メチオニン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、バリン、リジン、又はアルギンを表し、X11とX14は、それぞれ独立にメチオニン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、バリン、2-アミノヘプタン酸、又は2-アミノオクタン酸を表し、X12は、アラニン、D体アラニン、又は2-アミノイソ酪酸を表し、X13は、グリシン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、又はグルタミン酸を表わす。N末端アミノ基及びC末端カルボキシ基は、修飾されていても欠失していてもよく、X5とX16は環状化に関与する場合はシステイン又はD体システインであり、それぞれの側鎖-SH基の間で、ジスルフィド結合、メチレン基、アセチルメチレン基、エチレン基、又はプロピレン基のリンカーを介して共有結合を形成し、それによって式(3)のペプチドは分子内に1つの環状構造を有していてもよい。
式(4)において、X6は、セリン、スレオニン、又は2,3-ジアミノプロピオン酸を表し、X7は、ヒスチジン、チロシン、フェニルアラニン、又はトリプトファンを表し、X9は、チロシン、メチオニン、ノルロイシン、又はアルギニンを表わし、X10は、メチオニン、ノルロイシン、アルギニン、又はリジンを表し、X14は、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、又はノルロイシンを表す。
XN-X5-X6-X7-X8-X9-X10-X11-X12-X13-X14-Pro-X16 (3)
で表されるアミノ酸配列を有する。
上記式(3)において、XNは、1~4個の任意のアミノ酸残基であり、X6とX16は、それぞれ独立にセリン、スレオニン、システイン、D体システイン、又はプロリンを表し、X5は、セリン、ホモセリン、スレオニン、アロスレオニン、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノブタン酸、オルニチン、リジン、アルギニン、プロリン、cis-4-ヒドロキシ-プロリン、又はtrans-4-ヒドロキシ-プロリンを表し、X7は、ヒスチジン、チロシン、O-メチル-チロシン、フェニルアラニン、4-アミノ-フェニルアラニン、4-フルオロ-フェニルアラニン、又は4-クロロ-フェニルアラニンを表し、X8は、オルニチン、リジン、ホモリジン、アルギニン、又はホモアルギニンを表し、X9は、メチオニン、ノルロイシン、リジン、アルギニン、チロシン、O-メチル-チロシン、フェニルアラニン、4-アミノ-フェニルアラニン、4-フルオロ-フェニルアラニン、又は4-クロロ-フェニルアラニンを表し、X10は、メチオニン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、バリン、リジン、又はアルギンを表し、X11とX14は、それぞれ独立にメチオニン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、バリン、2-アミノヘプタン酸、又は2-アミノオクタン酸を表し、X12は、アラニン、D体アラニン、又は2-アミノイソ酪酸を表し、X13は、グリシン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、又はグルタミン酸を表し、N末端アミノ基及びC末端カルボキシ基は、修飾されていても欠失していてもよく、X6とX16は環状化に関与する場合はシステイン又はD体システインであり、それぞれの側鎖-SH基の間で、ジスルフィド結合、メチレン基、アセチルメチレン基、エチレン基、又はプロピレン基のリンカーを介して共有結合を形成し、それによって式(3)のペプチドは分子内に1つの環状構造を有していてもよい。
式(5)において、X5は、セリン、スレオニン、又は2,3-ジアミノプロピオン酸を表し、X7は、ヒスチジン、チロシン、フェニルアラニン、又はトリプトファンを表し、X9は、チロシン、メチオニン、ノルロイシン、又はアルギニンを表わし、X10は、メチオニン、ノルロイシン、アルギニン、又はリジンを表し、X14は、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、又はノルロイシンを表す。
本実施形態のペプチドは、本発明の課題を解決するものである限り、その種々の誘導体、及び/又は修飾体も包含する。係る誘導体としては、ペプチドの飽和脂肪鎖が不飽和脂肪鎖に置換されているもの、ペプチドの原子の一部が放射性または非放射性の同位体原子を含む他の原子に置換されているもの、ペプチドのアミド結合がチオアミド結合(-NH-C(=S)-)に置換されているもの、ペプチドのアミド結合がアルケン(-C=C-)に置換されているもの、ペプチドのアミド結合がアルキル(-C-C-)に置換されているもの、ペプチドのアミド結合がヒドロキシエチレン(-C(-OH)-C-)に置換されているもの、ペプチドのアミド結合がエステル(-O-C(=O)-)に置換されているもの、ペプチドのアミド結合がアルケン(-C=C-)に置換されているもの、ペプチドのアミド結合が(-C-NH-)に置換されているもの、又はペプチドのアミド結合が(-C(=O)-C-)に置換されているものなどが挙げられ、係る修飾体としては、ペプチドのα位炭素が二置換されているもの、ペプチドのアミド結合がN-アルキル化されているもの、ペプチドの官能基の一部がハロゲン化、シアノ化、ニトロ化、オキソ化、ヒドロキシ化、アミノ化、デアミノ化、デヒドロ化、アミド化、アセチル化、メトキシ化、プレニル化、アルキル化などの修飾を受けているもの(例えば、ペプチドのアミノ基の一部がアセチル化やアルキル化やデアミノ化されているもの、ペプチドのカルボキシ基の一部がアミドやエステルになっているものなど)、ペプチドのSがスルホキシドS(=O)又はスルホンS(=O)2になっているもの、ペプチドがケミカルリンカーを介して多量体化しているもの、ペプチドがビオチン標識化されているもの、ペプチドが蛍光標識化されているもの、ペプチドが発光標識化されているもの、さらには直接的又はリンカーを介してアルキル鎖、ポリエチレングリコール、抗体、レクチン類、糖鎖、酵素、ペプチド、ペプトイド、膜透過性ペプチド、低分子化合物、核酸、又はタンパク質のユビキチン化を誘導する分子などとペプチドを融合・コンジュゲートさせたもの等が挙げられるが、これらに限定されない。
本開示のペプチドは、コンジュゲート(複合体)であってもよい。この複合体は、本開示のペプチドと、このペプチドに結合したリンカーと、リンカーに結合した「ある分子」とを含む複合体である。この複合体は、少なくとも「ある分子」が関門組織を通過可能である複合体であることが好ましい。複合体全体として関門組織を通過可能であってもよい。
後述する実施例に示される通り、本実施形態で表されるアミノ酸配列群の代表例である配列1~46は、LRP1結合活性を有している。そして、配列2は、インビトロ血液脳関門モデルにおいて血液側ウェルから脳側ウェルに移行するため、血液脳関門を通過する能力を有している。本実施形態で表されるアミノ酸配列群は、これらの代表例と類似のアミノ酸配列及び立体構造的特徴を有することから、それらもLRP1結合活性と血液脳関門を通過する能力を有している可能性が極めて高いと考えられる。そして、本発明のペプチドとのコンジュゲート体、融合体、移植体もLRP1結合活性と血液脳関門を通過する能力を有している可能性が極めて高いと考えられる。
本実施形態のペプチドは、液相法、固相法、又は液相法と固相法を組み合わせたハイブリッド法等の化学合成法等、公知のペプチドの製造方法などによって製造することができる。
本開示に係る医薬組成物は、上述したアミノ酸配列からなるペプチドを有効成分として含み、ペプチドがLRP1に結合し、LRP1のRMTを介して中枢神経系組織に移行することが可能である。上記の医薬組成物の投与形態は特に限定されず、経口的投与でも非経口的投与でもよい。非経口投与としては、例えば、筋肉内注射、静脈内注射、皮下注射等の注射投与、経皮投与、経粘膜投与(経鼻、経口腔、経眼、経肺、経膣、又は経直腸投与)等が挙げられる。医薬組成物中のペプチドは、代謝及び排泄されやすい性質に鑑みて、各種の修飾を行うことができる。例えば、ペプチドにアルキル鎖、ポリエチレングリコール、又は糖鎖などを付加することで、血中滞留時間を長くする、抗原性を低下させることができる。また、ポリ乳酸・グリコール(PLGA)などの生体内分解性の高分子化合、多孔性ヒドロキシアパタイト、リポソーム、表面修飾リポソーム、不飽和脂肪酸で調製したエマルジョン、ナノパーティクル、マイクロ粒子、ナノスフェア等を徐放化基剤として用い、これにペプチドを内包させてもよい。経皮投与する場合、弱い電流を皮膚表面に流して角質層を透過させることもできる(イオントフォレシス法)。
一実施形態では、本開示のペプチドをコードするポリヌクレオチドが提供される。このポリヌクレオチドは、本開示のペプチドのアミノ酸配列の中で天然アミノ酸のみで構成されるアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド又は当該ポリヌクレオチドと所定の配列同一性を有する塩基配列を有するポリヌクレオチドであり得る。塩基配列の同一性の程度は、約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、さらにより好ましくは約95%以上であり得る。塩基配列同一性は自体公知の方法により決定できる。例えば、塩基配列同一性(%)は、上述したアミノ酸配列同一性(%)と同様の方法により決定できる。
本開示の一実施形態に係る発現ベクターは、発現されるべき目的ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド又は発現されるべき目的ポリヌクレオチド、及び当該ポリヌクレオチドに機能的に連結されたプロモーターを含み得る。「プロモーターがポリヌクレオチドに機能的に連結されている」とは、プロモーターが、その制御下にあるポリヌクレオチド自体の発現又はポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドの発現を可能とするように、該遺伝子をコードするポリヌクレオチドに結合していることを意味する。
本開示の別の態様において、本開示のペプチドを提示する細胞、リポソーム、又はナノ粒子が提供される。当該細胞は、生体から所望の細胞を単離し、この細胞に本開示のペプチドを体外でコンジュゲートするか、又は本開示のペプチドを発現するベクターを細胞内に導入して細胞表面に提示させることにより作製することができる。当該リポソーム又はナノ粒子は、本開示のペプチドをコンジュゲートするか、本開示ペプチドと脂肪鎖のコンジュゲート体を調製し、脂肪鎖を介して脂質膜に挿入することでリポソーム又はナノ粒子の表面に提示させることにより作製することができる。
BSA:Bovine serum albumin
RP-HPLC:Reverse-phase high performance liquid chromatography
HRP:Horseradish peroxidase
SA:Streptavidin
D-PBS:Dulbecco’s Phosphate buffered saline
ELISA:Enzyme-linked immunosorbent assay
Ac:Acetyl
Cys:L-Cysteine
Gly:Glycine
Ala:L-Alanine
Ser:L-Serine
Thr:L-Threonine
Pro:L-Proline
cHyp:cis-4-Hydroxy-L-Proline
tHyp:trans-4-Hydroxy-L-Proline
Tyr:L-Tyrosine
Trp:L-Tryptophan
Phe:L-Phenylalanine
4fF:4―fluoro―L-Phenylalanine
4cF:4―chloro―L-Phenylalanine
His:L-Histidine
Lys:L-Lysine
Orn:L-Ornithine
Arg:L-Arginine
Val:L-Valine
Leu:L-Leucine
Ile:L-Isoleucine
Nle:L-Norleucine
Ahep:(S)-2-Aminoheptanonic acid
Aoc:(S)-2-Aminooctanonic acid
Aib:2-Aminoisobutyric acid
Asp:L-Aspartic acid
Glu:L-Glutamic acid
5-FAM:5-Carboxyfluorescein
DX:D-amino acid X
c(XY):Cyclization between amino acid X to amino acid Y
本実施例に使用した全てのペプチドの化学合成は、株式会社スクラム(東京、日本)に委託し、9-フルオレニルメトキシカルボニル基(Fmoc基)をαアミノ基の保護基として用いる標準的な固相合成法を自動合成機SyroII(Biotage社製)で実施した。C末端に位置する側鎖保護アミノ酸-レジンを合成カラムに入れて、装置をセットした。続いて、Fmoc基で保護した次アミノ酸に1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロフォスフェート(HATU)/ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を加えて活性化し、カラムに入れて反応させた。反応終了後に洗浄し、20%ピペリジンを用いて、Fmoc基を脱保護した。本工程を繰り返すことで、ペプチド鎖を伸長し、最終アミノ酸のFmoc基を脱保護した後、装置からペプチドレジンを取り出した。ペプチドレジンに30%ヘキサフルオロ-2-プロパノール(HFIP)/ジクロロメタン(DCM)を加えて、レジンから直鎖の側鎖保護ペプチドを切り出し、エーテル沈殿によって側鎖保護ペプチドを回収した。SunFire C18カラム(10×150mm)(Waters社製)を用いたRP-HPLCによって、側鎖保護ペプチドを精製した後、凍結乾燥した。ペプチドの環状化は、非特許文献8や非特許文献9に記載の手法を参考とした。本実施例で合成したペプチドの理論分子量、実測分子量、純度、環状化タイプ、アミノ酸配列を表1及び表2に示す。また、これらの中で配列2と配列46の構造式を図7に示す。なお、表1及び表2において、D体表記のないアミノ酸残基はL体を示す。
ペプチドのLRP1に対する結合活性を評価するため、ELISA法による結合試験を構築した。以下、本ELISA法を簡単に説明する。まず、ヤギ抗ヒトIgG-Fcγポリクローナル抗体(カタログNo.109-0005-008、Jackson ImmunoResearch社製)をD-PBSを用いて、1μg/50μL/ウェルで96穴マキシソーププレート(カタログNo.439454、Nunc社製)に添加し、4℃で一晩コートした後、0.5%BSA/D-PBSをさらに300μL/ウェルで添加し、室温で30分間ブロックした。0.1%Tween20/D-PBSでプレートを洗浄後、LRP1の組み換えタンパク質であるLRP1クラスター2-Fcキメラタンパク質(カタログNo.2368-L2-050、R&D system社製)、LRP1クラスター3-Fcキメラタンパク質(カタログNo.48248-L3-050、R&D system社製)、又はLRP1クラスター4-Fcキメラタンパク質(カタログNo.5395-L4-050、R&D system社製)を0.5%BSA/D-PBSを用いて、100ng/50μL/ウェルで添加し、室温で30分間、コートされた抗体と反応させた。0.1%Tween20/PBSでプレートを洗浄後、0.5%BSA/D-PBSを用いて、ビオチン化ペプチドである配列45と配列46を任意の濃度に調製し、50μL/ウェルで添加した。室温で30分間反応後、0.1%Tween20/D-PBSでプレートを洗浄した。プレートにキャプチャーされたLRP1の組み換えタンパク質に結合した配列45と配列46をSA-HRP(カタログNo.ab7403、アブカム社製)で検出した。HRPの定量には、TMB-ELISA Substrate Solution(カタログNo.34028、サーモフィッシャー社製)を用いて、吸光度450nmを測定した。
配列1にアミノ酸置換を導入したペプチドのLRP1に対する結合活性及びプロテアーゼによる分解に対する耐性を配列2のそれらと比較するため、図2に示すELISA法による競合結合試験を構築した。配列2又はアミノ酸置換ペプチドをマウス血漿と混合(Plasma incubation)した直後(0時間)又は37℃で24時間後、血漿濃度が十分に低くなるように、さらに任意の終濃度となるように希釈して配列46(500nM)と混合し、上述の競合結合試験に供した。配列46のLRP1クラスター4-Fcキメラタンパク質に対する結合は、溶液中に共存する配列2又はアミノ酸置換ペプチドのLRP1クラスター4-Fcキメラタンパク質に対する結合と競合するため、配列2又はアミノ酸置換ペプチドの濃度依存的に阻害される。すなわち、配列2又はアミノ酸置換ペプチドのLRP1クラスター4-Fcキメラタンパク質に対する結合活性は、配列46の結合に対する競合的な阻害活性として検出される。LRP1クラスター4-Fcキメラタンパク質をキャプチャーしていないウェルに対する配列46の結合値を阻害活性100%、配列2やアミノ酸置換ペプチドを添加していないウェルに対する配列46の結合値を阻害活性0%として、配列2及びアミノ酸置換ペプチドの阻害活性値を%で算出した。
LRP1クラスター4-Fcキメラタンパク質に対する競合結合試験をn=4(±SEM)で検討した結果を図3に示す。血漿と培養0時間の配列2は添加濃度依存的に配列46の結合を阻害した。500nMの配列2が添加されたウェルにおける配列46(500nM)の結合は平均52.4%であり、配列2と配列46がLRP1クラスター4に対する結合を1:1で競合していることが示された。血漿と培養24時間の配列2も添加濃度依存的に配列46の結合を阻害した。しかしながら、2000nM相当の配列2が添加されたウェルにおける配列46(500nM)の結合は平均50.6%であった。すなわち、2000nM相当がウェルに添加されたにも関わらず500nM相当の阻害活性しか示さなかったことになり、およそ75%の配列2がマウス血漿と24時間培養している間に分解されたことが示された。DMSOをマウス血漿と混合した直後に同様の試験に供した結果、配列46(500nM)の結合は、まったく阻害されず、結合系に混入する血漿が系阻害していないことが示された。
配列2と同様に多くのアミノ酸置換ペプチドも、マウス血漿との混合24時間後は、マウス血漿との混合直後に競合試験に供した場合と比較して、一様に阻害活性が減弱したことから、マウス血漿中で分解されたことが示された。
図5には、血液脳関門を通過する能力を評価するためのインビトロの血液脳関門モデルの概要を示す。ラット型BBBキット(カタログNo.RBT-24H、ファーマコセル社製)とサル型BBBキット(カタログNo.MBT-24H、ファーマコセル社製)を用いて試験を行った。これらのキットは生体内でのBBB特性(各種の受容体やトランスポーターの発現の有無やタイトジャンクションの形成能など)を保持しており、薬物の脳内移行性を見積もる評価系として幅広く利用されている(非特許文献6および7)。インサートウェルを血管側、ボトムウェルを脳側とし、インサートウェルに添加されたペプチドが内皮細胞/メンブレンフィルター/ペリサイトで構成される三層の底面を透過する量を評価した。また、BBB機能を表すTEER値(経上皮電気抵抗値)を試験前後で測定し、ペプチドの添加がBBB機能に影響しないことを確認した。
<合成方法>
合成は株式会社スクラム(東京、日本)に委託した。9-フルオロメトキシカルボニル基(Fmoc)をαアミノ基の保護基として用いる標準的な固相合成法を自動合成機SyruII(Biotage社製)で実施することで、まず以下の直鎖状ペプチド前駆体を合成した。
DBCO-KS-487と6-アジド-ヘキサン酸をDMSO/PBS(50/50)(pH7.5)中で適当量混合し、室温で反応させた後、RP-HPLCでDBCO-KS-487のピーク位置の移動を評価した。この結果を図8に示す。図8の反応前のグラフにはDBCO-KS-487に由来するピーク(10.200min)が示されるが、図8の反応後のグラフにはDBCO-KS-487に由来するピーク(10.248min)がほぼ消失した。図8の反応後のグラフに示すように、新たなピーク(7.904min及び9.285min)が生まれた。図8(反応前及び反応後)に示す結果より、環状ペプチドに付加させたDBCO基はクリック反応するための活性を保持していることが示された。
Claims (5)
- 配列番号1~46からなる群から選択される配列番号で表されるアミノ酸配列を含み、LRP1結合活性を有する直鎖状ペプチド若しくは環状ペプチド、又はそれらの薬理学的に許容される塩。
- 請求項1に記載のペプチドを含む医薬、診断薬、及び/又は試薬。
- 請求項1に記載のアミノ酸配列の中で天然アミノ酸のみで構成されるアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド。
- 請求項3に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
- 請求項1に記載のアミノ酸配列を提示する細胞、酵母、バクテリア、ウイルス、リポソーム、又はナノ粒子。
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