以下、実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付す。
(実施の形態1)
図1に、実施の形態1に係る設備機器システム1の全体構成を示す。設備機器システム1は、空調対象の空間を空調する空調システムである。ここで、空調とは、空調対象の空間の空気の温度、湿度、清浄度、気流等を調整することであって、具体的には、暖房、冷房、除湿、加湿、空気清浄等である。
図1に示すように、設備機器システム1は、制御システム10と、複数の空調機40と、を備える。ここで、制御システム10は、複数の撮影装置20と、制御装置30と、を備える。また、複数の空調機40のそれぞれは、室内空間2の外部に設置される室外機41と、室内空間2の内部に設置される設備機器である室内機42と、を備える。
図2に、設備機器システム1による空調対象の空間である室内空間2の例を示す。室内空間2は、オフィスビル、工場、住宅等における一室である。複数の室内機42及び複数の撮影装置20のそれぞれは、一例として、室内空間2の天井に設置されている。複数の室内機42のそれぞれは、室内空間2内の各エリアをできるだけ均一に空調することができるように、ほぼ等間隔を空けた位置に分散して設置されている。
複数の撮影装置20のそれぞれは、赤外線カメラを備えており、赤外線カメラにより室内空間2を撮影することで室内空間2における熱分布を示す熱画像を取得する。室内空間2には、予め定められた数の室内機42毎に1つの撮影装置20が設置されている。図2の例では、4つの室内機42に対して1つの撮影装置20が、その4つの室内機42のほぼ中央の位置に設置されており、周囲4つの室内機42により空調されるエリアを撮影する。
図3に示すように、各撮影装置20は、制御部21と、記憶部22と、撮影部23と、回転駆動部24と、通信部25と、を備える。これら各部は通信バスを介して接続されている。
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備える。CPUは、中央処理装置、中央演算装置、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)等とも呼び、撮影装置20の制御に係る処理及び演算を実行する中央演算処理部として機能する。制御部21において、CPUは、ROMに格納されているプログラム及びデータを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて、撮影装置20を統括制御する。
また、制御部21は、DSP、GPU(Graphics Processing Unit)等の画像処理用のプロセッサと、処理される画像を一時的に保存するバッファメモリと、を備える。制御部21は、周知の画像処理の手法を用いて、撮影部23により得られた撮影画像を処理する。
記憶部22は、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等の不揮発性の半導体メモリを備えており、いわゆる二次記憶装置又は補助記憶装置としての役割を担う。記憶部22は、制御部21が各種処理を行うために使用するプログラム及びデータを記憶する。また、記憶部22は、制御部21が各種処理を行うことにより生成又は取得するデータを記憶する。
撮影部23は、室内空間2を撮影することにより、室内空間2内の様子を表す撮影画像を取得する。具体的に説明すると、撮影部23は、赤外線で室内空間2を撮影する赤外線カメラを備える。赤外線カメラは、赤外線を集光するレンズ、レンズによる集光位置に配置された撮像素子、撮像素子により得られた画像を表す電気信号をデジタルデータに変換するA/D(Analog/Digital)変換器等を含む。撮影部23は、赤外線で室内空間2を撮影することにより、室内空間2の熱分布を表す熱画像を取得する。撮影部23は、撮影手段の一例である。
回転駆動部24は、モータ、アクチュエータ等の駆動部材を備えており、撮影部23を回転させてその光軸の向きを変化させる。具体的に説明すると、回転駆動部24は、撮影部23を、図2において破線矢印で示す範囲で、鉛直方向の回転軸の周りに回転させる。これにより、回転駆動部24は、撮影部23に、撮影装置20の周囲に設置された4つの室内機42により空調されるエリアを撮影させる。
通信部25は、制御装置30と通信するための通信インタフェースを備える。通信部25は、制御装置30との間で有線又は無線により通信可能に接続されており、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN等の周知の通信規格に則って通信する。
図2に戻って、制御装置30は、複数の空調機40による室内空間2の空調を制御する装置である。制御装置30は、一例として、室内空間2に存在するユーザにより操作され、各空調機40に様々な指令を送信するリモコンであって、室内空間2の側壁に設置されている。
図4に示すように、制御装置30は、制御部31と、記憶部32と、入力受付部33と、表示部34と、通信部35と、を備える。これら各部は通信バスを介して接続されている。
制御部31は、CPU、ROM及びRAMを備える。CPUは、中央処理装置、中央演算装置、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP等とも呼び、制御装置30の制御に係る処理及び演算を実行する中央演算処理部として機能する。制御部31において、CPUは、ROMに格納されているプログラム及びデータを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて、制御装置30を統括制御する。
記憶部32は、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性の半導体メモリを備えており、いわゆる二次記憶装置又は補助記憶装置としての役割を担う。記憶部32は、制御部31が各種処理を行うために使用するプログラム及びデータを記憶する。また、記憶部32は、制御部31が各種処理を行うことにより生成又は取得するデータを記憶する。
入力受付部33は、タッチパネル、スイッチ、押圧ボタン等の入力デバイスを備えており、作業者から入力を受け付ける。例えば、入力受付部33は、空調機40に対する操作を受け付ける。入力受付部33は、入力受付手段の一例である。
表示部34は、LCD(Liquid Crystal Display)パネル、有機EL(Electro-Luminescence)等の表示デバイスを備える。表示部34は、図示しない表示駆動回路によって駆動され、制御部31による制御のもとで様々な画像を表示する。表示部34は、表示手段の一例である。
通信部35は、複数の撮影装置20及び複数の空調機40を含む外部の装置と通信するための通信インタフェースを備える。通信部35は、各撮影装置20及び各空調機40との間で有線又は無線により通信可能に接続されており、有線LAN、無線LAN等の周知の通信規格に則って通信する。
図1に戻って、複数の空調機40のそれぞれは、空調対象の空間である室内空間2を空調する。各空調機40は、一例として、CO2(二酸化炭素)、HFC(ハイドロフルオロカーボン)等を冷媒として用いたヒートポンプ式の空調設備である。
室外機41と室内機42とは、図示を省略するが、冷媒が流れる冷媒回路を介して接続されている。室外機41は、冷媒を圧縮して冷凍回路を循環させる圧縮機と、冷媒回路を流れる冷媒の方向を切り換える四方弁と、冷媒回路を流れる冷媒と室外の空気との間で熱交換を行う室外熱交換器と、冷媒回路を流れる冷媒を減圧して膨張させる膨張弁と、室外の空気を室外熱交換器に送る室外ファンと、を備える。室内機42は、冷媒回路を流れる冷媒と室内空間2の空気との間で熱交換を行う室内熱交換器と、室内空間2の空気を室内熱交換器に送る室内ファンと、を備える。
室外機41と室内機42とは、いずれもCPU、ROM、RAM、通信インタフェース及び読み書き可能な不揮発性の半導体メモリを備えており、制御装置30から送信される制御指令に応じて強調動作し、空調機40全体を制御する。具体的に説明すると、室外機41は、圧縮機の駆動周波数、四方弁の切り換え、室外ファンの回転速度、及び、膨張弁の開度を制御する。また、室内機42は、室内ファンの回転速度を制御する。これにより、室内空間2が空調される。
次に、図5を参照して、設備機器システム1の機能的な構成について説明する。
図5に示すように、複数の撮影装置20のそれぞれは、機能的に、撮影画像取得部210と、人検知部220と、推定部230と、送信部240と、を備える。これらの各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、ROM又は記憶部22に格納される。そして、CPUが、ROM又は記憶部22に記憶されたプログラムを実行することによって、これらの各機能を実現する。
撮影画像取得部210は、撮影部23に室内空間2を撮影させることにより、室内空間2の撮影画像を取得する。具体的に説明すると、撮影画像取得部210は、回転駆動部24を駆動させて撮影部23を、図2において破線矢印で示した範囲で回転させながら、撮影部23に撮影させる。そして、撮影画像取得部210は、撮影部23が回転により光軸の向きを変えながら撮影した複数の撮影画像を繋ぎ合わせて、パノラマ画像化を行う。これにより、撮影画像取得部210は、自装置の周囲に設置されている4つの室内機42により空調される空間の撮影画像を取得する。
図6に、撮影画像取得部210により取得された撮影画像50の例を示す。撮影画像50は赤外線カメラにより撮影されているため、室内空間2に存在する人が検知可能な状態で撮影される。ここで、人は、具体的には、室内空間2の居住者、利用者等である。一例として、撮影画像50には、室内空間2に存在する複数の人P1~P6が撮影されている。撮影画像取得部210は、このような撮影画像50を一定の周期で繰り返し取得することにより、室内空間2の時系列的な変化を捉える。
このように、各撮影装置20において、撮影画像取得部210は、室内空間2を撮影部23に回転させながら撮影させることで、室内空間2に人P1~P6が存在する場合に、人P1~P6が撮影された撮影画像50を取得する。撮影画像取得部210は、制御部21が撮影部23及び回転駆動部24と協働することにより実現される。撮影画像取得部210は、撮影画像取得手段の一例である。
図5に戻って、人検知部220は、室内空間2が撮影された撮影画像50から、室内空間2において着座している人を検知する。ここで、着座とは、椅子、床等に座ることを意味する。室内空間2に存在する人として、主に、歩いている人、立ち止まっている人、及び、着座している人が存在する。これらのうち、人検知部220は、室内空間2において着座している人の有無を判定する。そして、人検知部220は、着座している人が存在している場合、その位置情報を取得する。
まず、人検知部220は、撮影画像50から室内空間2に存在しているか人を検知する。具体的に説明すると、人検知部220は、赤外線により撮影された撮影画像50の画素値に基づいて、室内空間2の温度分布を解析する。そして、人検知部220は、室内空間2の温度分布の形状及び動きが、人の形状及び動きに合致する場合に、その温度分布の領域に人が存在していると判定する。人検知部220は、例えば図6に示した撮影画像50から、室内空間2に存在している6人の人P1~P6を検知する。
続いて、人検知部220は、検知された人の画像を予め定められた基準画像と比較することにより、検知された人が着座しているか否かを判定する。基準画像は、着座している人の典型的な状態を示す画像であって、テンプレートとして予め記憶部22に記憶されている。比較の結果、検知された人の画像が基準画像と予め定められた誤差の範囲内で合致する場合に、人検知部220は、検知された人が着座していると判定する。
例えば図6に示した撮影画像50に撮影されている6人の人P1~P6のうちの4人の人P1~P4は座席に座っている一方で、2人の人P5,P6は立っている。そのため、人検知部220は、室内空間2に存在すると判定された6人の人P1~P6のうちの4人の人P1~P4を、着座している人として検知する。
このようにして、人検知部220は、室内空間2が撮影された撮影画像50から室内空間2において着座している少なくとも1人の人を検知する。そして、人検知部220は、検知した着座している少なくとも1人の人の位置情報を、記憶部22又はRAMに保存する。人検知部220は、制御部21が記憶部22と協働することにより実現される。人検知部220は、人検知手段の一例である。
より詳細には、人検知部220は、撮影画像50内を複数の小領域に区分けし、小領域の単位で着座している人の位置を特定する。具体的には図7に示すように、人検知部220は、撮影画像50内を256個の小領域に区分けし、区分けした小領域のそれぞれに0から255の位置IDを付する。人検知部220は、このような小領域の単位で、撮影画像50から着座している人を検知し、その位置情報を保存する。
図5に戻って、推定部230は、人検知部220により検知された人の知的生産性の度合いを推定する。ここで、知的生産性とは、室内空間2に存在している人が着座して行う事務仕事、執筆、勉強等の知的作業の生産性を意味する。言い換えると、知的生産性は、知的作業の成果がどの程度効率的に生み出されているかの指標である。
推定部230は、人検知部220により検知された着座している人の動作量に基づいて、その人の知的生産性の度合いを推定する。着座している人の動作量は、具体的には、頭部の動作量、手腕部の動作量、及び、離席による体全体の動作量である。
着座している人の動作量が相対的に小さい場合、その人は知的作業に集中している可能性が高い。逆に、着座している人の動作量が相対的に大きい場合、その人は知的作業に集中していない可能性が高い。そのため、推定部230は、着座している人の動作量が相対的に小さい場合に、その人の知的生産性が相対的に高いと推定し、着座している人の動作量が相対的に大きい場合に、その人の知的生産性が相対的に低いと推定する。
推定部230は、例えば図6に示した撮影画像50から検知された着座している人P1~P4のそれぞれの領域のうちの、頭部に対応する領域、手腕部に対応する領域、及び体全体に対応する領域の時系列な変化量を測定する。これにより、推定部230は、着座している人P1~P4のそれぞれの動作量を取得する。そして、推定部230は、測定された変化量を予め定められた少なくとも1つの閾値と比較することにより、着座している人P1~P4のそれぞれの知的生産性の度合いを、複数段階に分けて表す。
例えば、推定部230は、知的生産性の度合いを、動作量が予め定められた1つの閾値よりも大きいか小さいかによって、知的生産性が高いか低いかの2段階で表す。或いは、推定部230は、複数の閾値を用いることで、知的生産性の度合いを3段階以上で表しても良い。
このように、推定部230は、室内空間2において着座している少なくとも1人の人の知的生産性の度合いを、その動作量に基づいて推定する。推定部230は、制御部21が記憶部22と協働することにより実現される。推定部230は、推定手段の一例である。
送信部240は、推定部230により推定された結果を示す送信情報を制御装置30に送信する。具体的に説明すると、送信部240は、人検知部220により検知された着座している人の位置と、推定部230により推定された知的生産性の度合いと、を示す送信情報を生成する。
図8に、送信部240により制御装置30に送信される送信情報の具体例を示す。図8に示すように、送信情報は、撮影装置アドレスと、撮影画像50から検知された着座している人の位置IDと、その人の知的生産性の度合いと、が対応付けられた情報である。
撮影装置アドレスは、送信情報の送信元の撮影装置20のアドレスである。室内空間2に設置されている複数の撮影装置20のそれぞれには、互いに識別可能なように異なるアドレスが付されている。位置IDは、図7に示した小領域のIDである。図8の例では、送信情報は、位置ID(1,2,33,34)の4つの小領域に対応する位置に着座している人が存在し、その人の知的生産性の度合いは“1”と推定されることを示している。また、送信情報は、位置ID(66,67)の2つの小領域に対応する位置に着座している人が存在し、その人の知的生産性の度合いは“2”と推定されることを示している。
このように、撮影画像50から着座している4人の人P1~P4が検知された場合、送信部240は、検知された4人の人P1~P4のそれぞれの位置と知的生産性の度合いとが対応付けられた送信情報を生成する。そして、送信部240は、通信部25を介して制御装置30と通信し、生成した送信情報を制御装置30に送信する。
送信部240は送信情報として撮影画像50そのものを送信しないため、送信されるデータの容量を節約することができる。送信部240は、制御部21が通信部25と協働することにより実現される。送信部240は、送信手段の一例である。
図5に戻って、制御装置30は、機能的に、受信部310と、設備制御部320と、出力部350と、を備える。これらの各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、ROM又は記憶部32に格納される。そして、CPUが、ROM又は記憶部32に記憶されたプログラムを実行することによって、これらの各機能を実現する。
受信部310は、複数の撮影装置20のそれぞれから送信された送信情報を受信する。具体的に説明すると、受信部310は、複数の撮影装置20のうちのいずれかの送信部240により送信情報が送信されると、通信部35を介した通信により、送信された送信情報を受信する。受信部310は、制御部31が通信部35と協働することにより実現される。受信部310は、受信手段の一例である。
設備制御部320は、推定部230により推定された知的生産性の度合いに応じて、設備機器である複数の室内機42を制御する。設備制御部320は、受信部310により受信された送信情報により示される、室内空間2において着座している複数の人の知的生産性の度合いの入力を受ける。そして、設備制御部320は、入力として受けた知的生産性の度合いに応じて、制御対象の室内機42と制御内容とを決定し、通信部35を介して制御対象の室内機42に制御信号を出力する。設備制御部320は、制御部31が通信部35と協働することにより実現される。設備制御部320は、設備制御手段の一例である。
より詳細には、設備制御部320は、図5に示すように、集計部330と制御指令部340の機能を備える。集計部330及び制御指令部340は、それぞれ集計手段及び制御指令手段の一例である
集計部330は、複数の撮影装置20のそれぞれにおいて推定された知的生産性の度合いを集計し、室内空間2内の複数のエリアのそれぞれにおける知的生産性の相対値を算出する。ここで、室内空間2内の複数のエリアは、設備制御部320による空調制御の単位である。
図9に、室内空間2内が複数のエリアに区分けされた例を示す。一例として、図9に示すように、室内空間2は、1~8のエリアIDが付された8つのエリアに区分けされる。8つのエリアのそれぞれには、室内機42が1つずつ設置されている。すなわち、各エリアは、1つの室内機42により空調される範囲に相当する。より詳細には、1~4のエリアIDが付された4つのエリアは、左側の撮影装置20の周囲のエリアであって、左側の撮影装置20により撮影される。また、5~8のエリアIDが付された4つのエリアは、右側の撮影装置20の周囲のエリアであって、右側の撮影装置20により撮影される。
このような室内空間2における位置とエリアとの対応関係は、図10に示すエリアテーブル60により定められている。エリアテーブル60は、予め記憶部32に記憶されており、撮影装置アドレスと、小領域の位置IDと、エリアIDと、の対応関係を定めている。具体的には、エリアテーブル60は、アドレス“101”の撮影装置20により撮影された撮影画像50における位置ID“0~7”の位置は、エリアID“1”のエリアに含まれることを定めている。また、エリアテーブル60は、アドレス“102”の撮影装置20により撮影された撮影画像50における位置ID“0~7”の位置は、エリアID“5”のエリアに含まれることを定めている。
集計部330は、受信部310により複数の撮影装置20のいずれかから送信情報が受信されると、受信された送信情報から撮影装置アドレスと位置IDと知的生産性の度合いとを読み取る。そして、集計部330は、エリアテーブル60を参照して、送信情報から読み取った撮影装置アドレスと位置IDとに対応するエリアIDを特定する。エリアIDを特定すると、集計部330は、同じ送信情報から読み取った知的生産性の度合いが、特定したエリアIDのエリアにおける知的生産性の度合いであると判定する。
なお、1つのエリアに着座している複数の人が存在する場合には、集計部330は、その複数の人の知的生産性の度合いの平均値を、そのエリアの知的生産性として算出する。また、着座している人が1人も存在しないエリアがある場合、そのエリアについては知的生産性を向上させる必要がないため、集計部330は、そのエリアの知的生産性を算出しない。
このように、集計部330は、複数の撮影装置20のそれぞれから送信された送信情報に基づいて、室内空間2内の8つのエリアのそれぞれにおける知的生産性の度合いを集計する。そして、集計部330は、各エリアにおける知的生産性の相対値を算出する。具体的に説明すると、集計部330は、複数のエリア間で知的生産性の度合いを比較し、各エリアにおける知的生産性が他のエリアに比べて相対的に高いか低いかを判定する。
図5に戻って、出力部350は、複数のエリアのそれぞれにおける知的生産性の度合いを示す情報を出力する。具体的に説明すると、出力部350は、図11に示すように、室内空間2内の8つのエリアを示す画像を表示部34に表示する。そして、出力部350は、表示部34に表示された各エリアの位置に、集計部330により算出された各エリアにおける知的生産性の相対値を示す情報、すなわち各エリアの知的生産性が高いか低いかを示す情報を表示する。
このような情報が表示されることにより、ユーザは、室内空間2における知的生産性の度合いの分布を容易に確認することができる。出力部350は、制御部31が表示部34と協働することにより実現される。出力部350は、出力手段の一例である。
図5に戻って、制御指令部340は、集計部330により算出された各エリアの知的生産性の相対値に基づいて、制御対象の室内機42と制御内容とを決定する。そして、制御指令部340は、制御対象の室内機42に制御信号を出力し、制御対象の室内機42に、決定した制御内容で空調させる。
より詳細には、制御指令部340は、集計部330により算出された、室内空間2内の複数のエリアのそれぞれにおける知的生産性の相対値と、複数のエリアのそれぞれの空調状態と、に応じて、複数の室内機42を制御する。ここで、エリアの空調状態は、エリア内の空調環境に関する状態である。具体的には、エリアの空調状態は、そのエリアに設けられた室内機42が稼働することによる各エリアの空気温度、空気湿度、風量等の状態を意味する。各エリアの適宜の場所には、温度センサ、湿度センサ、風量センサ等の各種センサが設置されており、各エリアの空調状態は、各種センサの計測により取得される。
制御指令部340は、まず、複数のエリア間で知的生産性の度合いを比較する。そして、制御指令部340は、室内空間2の全エリアにおける知的生産性が均一であるか否かを判定する。言い換えると、制御指令部340は、室内空間2に知的生産性が相対的に高いエリアと低いエリアとが存在するかを判定する。
第1に、全エリアにおける知的生産性が均一でない場合、すなわち知的生産性が相対的に高いエリアと低いエリアとが存在する場合、制御指令部340は、知的生産性が相対的に低いエリアにおける室内機42による空調の設定を変更する。これにより、制御指令部340は、知的生産性が相対的に低いエリアにおける知的生産性の改善を図る。そのために、制御指令部340は、全エリアにおける知的生産性が均一でない場合、次に、各エリアの現在の空調状態を比較する。
複数のエリアのうちの第1のエリアにおける知的生産性の度合いが、複数のエリアのうちの第2のエリアにおける知的生産性の度合いよりも高い場合、制御指令部340は、第1のエリアの空調状態と第2のエリアの空調状態とが同じか否かを判定する。具体的に説明すると、制御指令部340は、第1のエリアと第2のエリアとにおける空気温度、空気湿度、風量等の空調状態を示すパラメータが、予め定められた誤差の範囲内で一致しているか否かを判定する。
判定の結果、第1のエリアの空調状態と第2のエリアの空調状態とが異なる場合、制御指令部340は、第2のエリアの空調状態を、第1のエリアの空調状態と同じ空調状態に変更する制御を、第2のエリアの室内機42に指令する。具体的に説明すると、制御指令部340は、知的生産性が相対的に低い第2のエリアに設けられた室内機42に制御信号を出力し、第2のエリアの空調状態が第1のエリアの空調状態と同じになるように、第2のエリアにおける空調の運転モード、設定温度、設定湿度、風量、風向き等の設定を変更する。
例えば、第2のエリアの空気温度が第1のエリアの空気温度よりも高い場合、制御指令部340は、第2のエリアの空気温度が第1のエリアの空気温度と同じになるように、第2のエリアに設けられた室内機42による空調の設定温度を下げる。或いは、第2のエリアの空気湿度が第1のエリアの空気湿度よりも高い場合、制御指令部340は、第2のエリアの空気湿度が第1のエリアの空気湿度と同じになるように、第2のエリアに設けられた室内機42による空調の設定湿度を下げる。これにより、制御指令部340は、知的生産性が低いエリアに居る人の知的生産性を、知的生産性が高いエリアに居る人の知的生産性に近付ける。
なお、複数のエリアで面積が異なる場合、複数のエリアに存在する人の数が異なる場合等の理由により、複数のエリアを同じ設定で空調しても同じ空調状態にならないことがある。そのため、複数のエリアの空調状態が同じであっても、これらのエリアの空調の設定が同じになるとは限らない。
これに対して、第1のエリアにおける知的生産性の度合いが第2のエリアにおける知的生産性の度合いよりも高く、且つ、第1のエリアの空調状態と第2のエリアの空調状態とが同じである場合、制御指令部340は、第2のエリアの空調状態を異なる空調状態に変更する制御を、第2のエリアの室内機42に指令する。具体的に説明すると、制御指令部340は、知的生産性が相対的に低い第2のエリアに設けられた室内機42に制御信号を出力し、第2のエリアにおける空調の運転モード、設定温度、設定湿度、風量、風向き等の設定を、現在とは異なる設定に変更する。これにより、制御指令部340は、知的生産性が相対的に低い第2のエリアに居る人の知的生産性の改善を図る。
より詳細には、制御指令部340は、予め決められた規則に従って、第2のエリアにおける空調の設定を変更する。例えば、設定温度を変更した後、知的生産性が改善されなかった場合、制御指令部340は、次の変更時には、設定湿度を変更する、風量を変更する、風向きを変更する等のように、前回とは変更内容を変える。これにより、知的生産性が相対的に低い第2のエリアにおける空調状態が柔軟に調整されるため、第2のエリアにおける知的生産性の改善を図ることができる。
第2に、全エリアにおける知的生産性が均一である場合、制御指令部340は、次に、全エリアにおける知的生産性の度合いが予め定められた閾値よりも高いか否かを判定する。言い換えると、制御指令部340は、全エリアにおける知的生産性が高い状態で均一であるか、それとも低い状態で均一であるかを判定する。
閾値は、推定部230が知的生産性の度合いを数値化した際に用いた閾値を用いることができる。例えば、推定部230により知的生産性の度合いが1つの閾値を用いて2段階で数値化された場合、制御指令部340は、その1つの閾値を用いて、全エリアにおける知的生産性の度合いが高いか否かを判定する。或いは、推定部230により知的生産性の度合いが複数の閾値を用いて3段階以上で数値化された場合、制御指令部340は、複数の閾値のうちの1つを用いて、全エリアにおける知的生産性の度合いが高いか否かを判定しても良い。
判定の結果、全エリアにおける知的生産性の度合いが予め定められた閾値よりも低い場合、制御指令部340は、全エリアの空調状態を異なる空調状態に変更する制御を、全エリアの室内機42に指令する。具体的に説明すると、制御指令部340は、全エリアに設けられた室内機42に制御信号を出力し、全エリアにおける空調の運転モード、設定温度、設定湿度、風量、風向き等の設定を、現在とは異なる設定に変更する。これにより、制御指令部340は、室内空間2の全体における知的生産性の改善を図る。
より詳細には、制御指令部340は、予め決められた規則に従って、全エリアにおける空調の設定を変更する。例えば、設定温度を変更した後、知的生産性が改善されなかった場合、制御指令部340は、次の変更時には、設定湿度を変更する、風量を変更する、風向きを変更する等のように、前回とは変更内容を変える。これにより、空調状態が柔軟に調整されるため、室内空間2全体における知的生産性の改善を図ることができる。
これに対して、全エリアにおける知的生産性の度合いが予め定められた閾値よりも高い場合、全エリアの知的生産性を改善する必要がない。そのため、この場合、制御指令部340は、全エリアにおける空調の設定を変更しない。
このように、制御指令部340は、知的生産性が低いエリアにおける知的生産性が高くなるように、知的生産性が低いエリアに設けられた室内機42による空調の設定を変更する。これにより、室内空間2の全エリアに存在する人の知的生産性の向上を図る。
以上のように構成された制御システム10において実行される設備制御処理の流れについて、図12に示すシーケンス図を参照して、説明する。図12に示す設備制御処理は、設備機器システム1が正常に空調を実行可能な状態において、適宜のタイミングで繰り返し実行される。
設備制御処理を開始すると、まず各撮影装置20において、制御部21は、撮影画像取得部210として機能し、室内空間2の撮影を行う(ステップS1)。具体的に説明すると、制御部21は、回転駆動部24により撮影部23を回転させながら、撮影部23に室内空間2を撮影させる。そして、制御部21は、撮影部23を回転させながら撮影した撮影画像をパノラマ画像化する。これにより、制御部21は、例えば図6に示したような、赤外線により室内空間2が撮影された撮影画像50を取得する。
撮影画像50を取得すると、制御部21は、人検知部220として機能し、取得した撮影画像50から着座している人を検知する(ステップS2)。具体的に説明すると、制御部21は、撮影画像50から室内空間2に存在している人を検知する。そして、制御部21は、検知された人の画像が予め定められた基準画像と合致する場合に、その人が着座していると判定する。
着座している人を検知すると、制御部21は、推定部230として機能し、検知した人の知的生産性の度合いを推定する(ステップS3)。具体的に説明すると、制御部21は、着座している人の頭部、手腕部、体全体等の動作量を測定する。そして、制御部21は、測定した動作量が予め定められた閾値よりも大きいか否かに応じて、着座している人の知的生産性の度合いを推定する。
知的生産性の度合いを推定すると、制御部21は、送信部240として機能し、着座している人の位置と知的生産性の度合いとを示す送信情報を、制御装置30に送信する(ステップS4)。複数の撮影装置20のいずれかから送信情報が送信されると、制御装置30において、制御部31は、受信部310として機能し、送信された送信情報を受信する。
制御装置30において、制御部31は、送信情報を受信すると、集計部330として機能し、室内空間2内の各エリアにおける知的生産性の相対値を算出する(ステップS5)。具体的に説明すると、制御部31は、複数の撮影装置20のそれぞれから送信された送信情報を集計し、室内空間2内の各エリアにおける知的生産性が他のエリアに比べて相対的に高いか低いかを判定する。
各エリアにおける知的生産性の相対値を算出すると、制御部31は、出力部350として機能し、表示処理を実行する(ステップS6)。具体的には図11に示したように、制御部31は、ステップS5で算出した各エリアにおける知的生産性の相対値を示す情報を、表示部34に表示する。
表示処理を実行すると、制御部31は、制御指令部340として機能し、空調制御処理を実行する(ステップS7)。ステップS7における空調制御処理の詳細は、図13に示すフローチャートを参照して説明する。
図13に示す空調制御処理を開始すると、制御部31は、ステップS5で算出した各エリアにおける知的生産性の相対値を参照して、全エリアの知的生産性が均一であるか否かを判定する(ステップS701)。言い換えると、制御部31は、室内空間2内の複数のエリアの中に、知的生産性の度合いが相対的に高いエリアと低いエリアとが存在するか否かを判定する。
全エリアの知的生産性が均一でない場合(ステップS701;NO)、制御部31は、次に、全エリアの空調状態が同じであるか否かを判定する(ステップS702)。言い換えると、制御部31は、全エリアにおける空気温度、空気湿度、風量等の空調状態を示すパラメータが誤差の範囲内で一致しているか否かを判定する。
全エリアの空調状態が同じでない場合(ステップS702;NO)、制御部31は、知的生産性が低いエリアの空調状態を、知的生産性が高いエリアと同じ空調状態に変更するように、知的生産性が低いエリアにおける空調の設定を変更する(ステップS703)。これにより、制御部31は、知的生産性が低いエリアに居る人の知的生産性を、知的生産性が高いエリアに居る人の知的生産性と同じになるように調整する。
これに対して、全エリアの空調状態が同一である場合(ステップS702;YES)、制御部31は、知的生産性が低いエリアの空調状態を、現在とは異なる空調状態に変更するように、知的生産性が低いエリアにおける空調の設定を変更する(ステップS704)。例えば、制御部31は、知的生産性が低いエリアの空調の運転モード、設定温度、設定湿度、風量、風向き等を、現在とは異なる設定に変更する。これにより、制御部31は、知的生産性が低いエリアに居る人の知的生産性の改善を図る。
一方で、ステップS701において、全エリアの知的生産性が均一である場合(ステップS701;YES)、制御部31は、全エリアの知的生産性が予め定められた閾値よりも高いか否かを判定する(ステップS705)。言い換えると、制御部31は、全エリアの知的生産性が相対的に高い状態で均一であるか否かを判定する。
全エリアの知的生産性が閾値よりも低い場合(ステップS705;NO)、制御部31は、全エリアの空調状態を、現在とは異なる空調状態に変更するように、全エリアにおける空調の設定を変更する(ステップS706)。例えば、制御部31は、全エリアの空調の運転モード、設定温度、設定湿度、風量、風向き等を、現在とは異なる設定に変更する。これにより、制御部31は、全エリアに居る人の知的生産性の改善を図る。
これに対して、全エリアの知的生産性が閾値よりも高い場合(ステップS705;YES)、全エリアの知的生産性を改善する必要が無いため、制御部31は、全エリアの室内機42による現在の空調の設定を変更しない。以上により、図13に示した空調制御処理、及び、図12に示した制御システム10による設備制御処理は終了する。
なお、ステップS704,S706で知的生産性が低いエリアの空調状態を変更すると、知的生産性が却って低下する可能性もある。その場合であっても、ステップS7の空調制御処理が繰り返し実行されることにより、知的生産性が低いエリアに居る人の知的生産性が高くなるまで、知的生産性が低いエリアの空調状態が変更され続ける。そのため、制御システム10により設備制御処理が繰り返し実行されることにより、室内空間2の全体における知的生産性を向上させることができる。
以上説明したように、実施の形態1に係る制御システム10は、室内空間2が撮影された撮影画像50から、室内空間2において着座している人を検知し、検知された人の知的生産性の度合いを推定し、推定された知的生産性の度合いに応じて、複数の室内機42による室内空間2の空調を制御する。このように、着座している人を検知してからその人の知的生産性の度合いを推定するため、移動中で室内空間2を単に通過している人、室内空間2で動き回る作業をしている人等の知的生産性を推定することを避けることができる。その結果、知的生産性の推定誤差を抑えることができるため、室内空間2における知的生産性を的確に向上させることができる。
特に、実施の形態1に係る制御システム10は、撮影装置20と制御装置30との組み合わせという簡単な構成で実現することができる。そのため、実施の形態1に係る制御システム10は、既存の赤外線を利用した空調システムを用いて、追加設備を必要とせずに低コストで実現することができる。また、推定された知的生産性の度合いのエリア間の相対値に基づいて空調制御を行うため、高度な推定機能及び学習機能を必要としない。そのため、省メモリ且つ少ない計算負荷で、室内空間2に存在するより多くの人の知的生産性の向上を図ることができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態1と同様の構成及び機能については、適宜説明を省略する。
実施の形態1では、設備制御部320は、推定部230により推定された知的生産性の度合いに応じて、室内空間2の空調を制御した。これに対して、実施の形態2では、制御システム10は、ユーザから制御対象のエリア及び制御内容の指定を受け付け、受け付けた指定に従って室内空間2の空調を制御する。
図14に示すフローチャートを参照して、実施の形態2に係る制御装置30により実行される操作受付処理について説明する。実施の形態2に係る制御システム10は、実施の形態1と同様に、図12に示した設備制御処理を実行する。その中で、制御装置30は、ステップS6において、実施の形態1で説明した表示処理の代わりに、図14に示す操作受付処理を実行する。
操作受付処理を開始すると、制御部31は、ステップS5で算出した各エリアにおける知的生産性の相対値を表示する(ステップS601)。具体的には図11に示したように、制御部31は、ステップS5で算出した各エリアにおける知的生産性の相対値を示す情報を、表示部34に表示する。
知的生産性の相対値を表示すると、制御部31は、制御対象のエリアの指定を受け付ける(ステップS602)。ユーザは、入力受付部33を操作して、複数のエリアのうちから空調の設定を変更したいエリアを指定する。
例えば、入力受付部33が表示部34に重ねて配置されるタッチパネルである場合、ユーザは、表示部34に表示された複数のエリアのうちの1つをタッチすることにより、制御対象のエリアを指定する。制御部31は、このようにユーザから制御対象のエリアの指定を受け付ける。
制御対象のエリアの指定を受け付けると、制御部31は、指定されたエリアにおける空調設定画面を表示する(ステップS603)。複数のエリアにおける1つのエリアが指定された場合、制御部31は、例えば図15に示すように、指定されたエリアにおける運転モード、設定温度、設定湿度、風量、風向き等の設定画面を表示部34に表示する。
空調設定画面を表示すると、制御部31は、制御内容の指定を受け付ける(ステップS604)。ユーザは、図15に示した空調設定画面が表示された状態において、入力受付部33を操作して、指定されたエリアにおける空調の設定を入力する。制御部31は、このようにユーザから入力された空調の設定を、指定されたエリアにおける制御内容として受け付ける。
制御内容の指定を受け付けると、制御部31は、操作が終了したか否かを判定する(ステップS605)。操作が終了していない場合(ステップS605;NO)、制御部31は、処理をステップS602に戻す。そして、制御部31は、引き続き、制御対象のエリア及び制御内容の指定を受け付ける。
最終的に、操作が終了すると(ステップS605;YES)、制御部31は、指定されたエリアの室内機42を、指定された制御内容に従って制御する(ステップS606)。例えば、制御内容の指定として設定温度の変更が受け付けられた場合、制御部31は、指定されたエリアに設けられた室内機42による空調の設定温度を変更する。或いは、制御内容の指定として運転モードの変更が受け付けられた場合、制御部31は、指定されたエリアに設けられた室内機42による空調の運転モードを変更する。このように、制御部31は、複数のエリアのうちの指定されたエリアにおける空調の設定を、指定された制御内容に従って変更する。以上により、図14に示した操作受付処理を終了する。
このような操作受付処理を終了すると、制御部31は、図13に示したステップS7の空調制御処理を実行する。このとき、制御部31は、複数のエリアのうちの制御対象のエリアに関しては空調制御処理を省略し、複数のエリアのうちの制御対象のエリア以外のエリアにのみ、空調制御処理を実行する。言い換えると、ユーザから制御対象のエリア及び制御内容の指定が受け付けられた場合、制御部31は、制御対象のエリアに関しては、各エリアの知的生産性の度合いに応じた自動的な空調制御よりも、ユーザによる操作を優先する。
このように、実施の形態2に係る制御システム10は、室内空間2内の各エリアにおける知的生産性の相対値を示す情報を表示し、それを見たユーザから制御対象のエリア及び制御内容の指定を受け付ける。これにより、室内空間2における各エリアの空調状態をユーザが個別に制御することができる。そのため、各エリアにおける知的生産性をより的確に向上させることができる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態1,2と同様の構成及び機能については、適宜説明を省略する。
上記実施の形態1,2では、設備制御部320は、室内空間2において着座している人の知的生産性の度合いに応じて空調を制御した。これに対して、実施の形態3では、設備制御部320は、着座している人の知的生産性の度合いに加えて、その人の嗜好に応じて空調を制御する。
実施の形態3において、複数の撮影装置20の構成及び機能は実施の形態1と同様である。制御装置30において、受信部310は、複数の撮影装置20のそれぞれから送信された送信情報を受信する。集計部330は、受信部310により受信された送信情報を集計し、室内空間2内の各エリアにおける知的生産性の相対値を算出する。これに加えて、集計部330は、各エリアにおいて着座している人の嗜好を特定する。そして、制御指令部340は、集計部330により算出された各エリアにおける知的生産性の相対値と各エリアにおいて着座している人の嗜好とに応じて、複数の室内機42を制御する。
具体的に説明すると、集計部330は、図16に示す嗜好テーブル70を参照して、室内空間2において着座している人の嗜好を特定する。嗜好テーブル70は、予め記憶部32に記憶されており、撮影装置アドレスと、座席の位置IDと、嗜好IDと、の対応関係を定めている。具体的には、嗜好テーブル70は、アドレス“101”の撮影装置20により撮影された撮影画像50における位置ID“1~2”の位置に、嗜好ID“1”の人の座席が存在することを定めている。また、嗜好テーブル70は、アドレス“102”の撮影装置20により撮影された撮影画像50における位置ID“3~4”の位置に、嗜好ID“2”の人の座席が存在することを定めている。
嗜好テーブル70において、嗜好IDは、空調の嗜好の内容を示す値である。図17に、嗜好IDと空調の嗜好の内容との対応関係を定めたテーブルの例を示す。図17に示すように、嗜好IDは、“暑がり”を“1”、“寒がり”を“2”のように、室内空間2に存在する人の空調の嗜好の内容を異なる値で定めている。
集計部330は、受信部310により受信された送信情報から、撮影装置アドレスと、室内空間2において着座している人の位置ID及び知的生産性の度合いと、を読み取る。そして、集計部330は、嗜好テーブル70を参照して、読み取った撮影装置アドレスと位置IDとに対応する嗜好IDを特定する。これにより、集計部330は、室内空間2において着座している人の空調の嗜好を特定する。
制御指令部340は、集計部330により算出された各エリアにおける知的生産性の相対値と着座している人の空調の嗜好とに応じて、複数の室内機42を制御する。具体的に説明すると、制御指令部340は、図13に示した空調制御処理におけるステップS704,S706において、知的生産性の度合いが相対的に低いエリアの空調状態を現在とは異なる空調状態に変更する場合に、そのエリアにおいて着座している人の空調の嗜好を参照する。そして、制御指令部340は、そのエリアの空調状態を、そのエリアにおいて着座している人の空調の嗜好に合うように変更する。
例えば、知的生産性の度合いが相対的に低いエリアにおいて着座している人の空調の嗜好が暑がりである場合、制御指令部340は、そのエリアの設定温度を下げるように、そのエリアにおける空調の設定を変更する。これに対して、知的生産性の度合いが相対的に低いエリアにおいて着座している人の空調の嗜好が寒がりである場合、制御指令部340は、そのエリアの設定温度を上げるように、そのエリアにおける空調の設定を変更する。なお、1つのエリアに着座している複数の人が存在する場合には、そのエリアにおける空調の嗜好は、例えば多数決により決められる。
このように、実施の形態3に係る制御システム10は、室内空間2において着座している人の知的生産性の度合いに加えて、その人の嗜好に応じて、室内空間2の空調を制御する。これにより、嗜好データを用いない場合に比べて、室内空間2における知的生産性をより的確に向上させることができる。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について説明する。実施の形態1~3と同様の構成及び機能については、適宜説明を省略する。
図18に、実施の形態4に係る設備機器システム1aの全体構成を示す。実施の形態4に係る設備機器システム1aは、複数の撮影装置20と、制御装置30と、複数の照明機器80と、を備える。すなわち、上記実施の形態1~3では、設備機器システム1は、設備機器として複数の室内機42を備える空調システムであった。これに対して、実施の形態4では、設備機器システム1aは、設備機器として複数の照明機器80を備える照明システムである。
複数の照明機器80のそれぞれは、光を照射して室内空間2を明るくする。室内空間2内の複数のエリアのそれぞれには、照明機器80が1つずつ設けられている。
実施の形態4において、設備制御部320は、推定部230により推定された、室内空間2において着座している人の知的生産性の度合いに応じて、複数の照明機器80を制御する。実施の形態4に係る設備機器システム1aの各機能は、実施の形態1~3で説明した“室内機42”を“照明機器80”に置き換え、“空調”を“照明”と置き換えることで、同様に説明することができる。
具体的に説明すると、設備制御部320は、集計部330により算出された、室内空間2内の複数のエリアのそれぞれにおける知的生産性の相対値と、複数のエリアのそれぞれの照明状態と、に応じて、複数の照明機器80を制御する。ここで、エリアの照明状態は、エリア内の照明環境に関する状態である。具体的には、エリアの照明状態は、そのエリアに設けられた照明機器80が稼働することによるエリアの明度、色温度等の状態を意味する。各エリアの適宜の場所には、明るさセンサ、色温度センサ等の各種センサが設置されており、各エリアの照明状態は、各種センサの計測により取得される。
制御指令部340は、集計部330により算出された各エリアにおける知的生産性の相対値に応じて、知的生産性が相対的に低いエリアに居る人の知的生産性が向上するように、知的生産性が相対的に低いエリアに設けられている照明機器80の照明の明度、色温度等の設定を変更する。
このように、実施の形態4に係る制御システム10は、室内空間2において着座している人の知的生産性の度合いに応じて、複数の照明機器80による照明を制御する。このように照明を制御することによっても、空調を制御することと同様に、室内空間2における知的生産性を向上させることができる。
また、実施の形態4において、制御指令部340は、実施の形態3と同様に、室内空間2において着座している人の知的生産性の度合いに加えて、その人の嗜好に応じて、複数の照明機器80を制御しても良い。具体的に説明すると、集計部330は、記憶部32に記憶されている嗜好テーブル70を参照して、室内空間2内の各エリアにおいて着座している人の嗜好を特定する。
嗜好テーブル70は、実施の形態3と同様に、撮影装置アドレスと、座席の位置IDと、嗜好IDと、の対応関係を定めている。但し、実施の形態4における嗜好IDは、照明の嗜好の内容を示す値である。
図19に、嗜好IDと空調の嗜好の内容との対応関係を定めたテーブルの例を示す。図19に示すように、嗜好IDは、“蛍光色好み”を“1”、“暖色系好み”を“2”、“明るめ好み”を“3”、“暗め好み”を“4”のように、室内空間2に存在する人の照明の嗜好の内容を異なる値で定めている。
集計部330は、このような嗜好IDを参照して、室内空間2において着座している人の照明の嗜好を特定する。制御指令部340は、集計部330により算出された各エリアにおける知的生産性の相対値と着座している人の照明の嗜好とに応じて、複数の照明機器80を制御する。制御指令部340による照明制御処理は、実施の形態3の空調制御処理において“空調”を“照明”に置き換えることにより同様に説明することができる。
(変形例)
以上、実施の形態を説明したが、各実施の形態を組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
例えば、上記実施の形態では、人検知部220は、撮影画像50から室内空間2に存在している人を検知し、検知された人の画像が予め定められた基準画像に合致する場合に、検知された人が着座していると判定した。しかしながら、人検知部220は、基準画像を用いることに代えて又は加えて、検知された人の高さと動作量との少なくとも一方が予め定められた基準値よりも小さい場合に、検知された人が着座していると判定しても良い。
ここで、人の高さは、例えば、撮影画像50において人が存在していると判定された領域の縦方向における長さの情報により得られる。また、人の動作量は、撮影画像50から検知された人の動きの大きさであって、撮影画像50において人が存在していると判定された領域の位置の時系列的な変化量の情報により得られる。室内空間2において着座している人の高さは、典型的には、立っている人の高さよりも低くなる。また、室内空間2において着座している人の動作量は、典型的には、立っている人の動作量よりも小さくなる。そのため、人検知部220は、撮影画像50から検知された人の高さ又は動作量の情報を取得し、人の高さ又は動作量が基準値よりも小さい場合に、検知された人が着座していると判定しても良い。
上記実施の形態では、推定部230は、人検知部220により検知された人の動作量に基づいて、その人の知的生産性の度合いを推定した。しかしながら、推定部230は、動作量に代えて又は加えて、人検知部220により検知された人の生体情報に基づいて、その人の知的生産性の度合いを推定しても良い。ここで、生体情報は、具体的には、体温、呼吸数、心拍数等である。
体温は、赤外線により撮影された撮影画像50における温度分布の情報により得られる。推定部230は、撮影画像50から検知された着座している人の領域の温度により、その人の体温の情報を取得する。また、呼吸数及び心拍数は、例えば、人に取り付けられるセンサの測定により得られる。推定部230は、通信部25によりセンサと通信し、センサにおいて測定された呼吸数及び心拍数の測定データを取得する。このような生体情報と知的生産性の度合いとの関係は、例えば機械学習により学習されて、学習済みモデルとして予め記憶部22に記憶される。このとき、学習済みモデルは、人毎に分けて学習されても良い。そして、推定部230は、学習済みモデルを用いて、着座している人の生体情報からその人の知的生産性の度合いを推定する。
上記実施の形態では、室内空間2内の複数のエリアのそれぞれに1つずつ設備機器である室内機42又は照明機器80が設置されていた。しかしながら、エリアと設備機器とが1対1で対応していることに限らず、1つのエリア当たりに複数の設備機器が設置されていても良い。或いは、複数のエリア当たりに1つの設備機器が設置されていても良い。例えば、1つの室内機42に互いに異なるエリアに空調空気を吹き出す複数の吹き出し口が設けられており、設備制御部320は、各エリアにおける知的生産性の度合いに応じて各吹き出し口から吹き出される空調空気を個別に制御することにより、各エリアにおける空調状態を個別に制御しても良い。
また、室内空間2内におけるエリアの数は、複数であることに限らず、1つであっても良い。室内空間2内におけるエリアが1つである場合、設備制御部320は、そのエリアにおいて着座している少なくとも1人の人の知的生産性の度合いに応じて、設備機器を制御する。例えば、設備制御部320は、そのエリアにおいて着座している少なくとも1人の人の知的生産性の度合いが閾値よりも小さい場合、そのエリアの状態、すなわち空調状態又は照明状態を現在の状態とは異なる状態に変更する制御を、設備機器である室内機42又は照明機器80に指令する。これにより、室内空間2における知的生産性を向上させることができる。
上記実施の形態では、室内空間2に複数の撮影装置20が設置されており、1つの撮影装置20がその周囲の4つのエリアを撮影した。しかしながら、室内空間2に設置される撮影装置20の数は1つであっても良い。また、撮影装置20は、室内空間2内における必要な範囲の熱分布を取得することができるものであれば、撮影部23を回転駆動させることができなくても良い。
上記実施の形態では、撮影装置20は、赤外線で室内空間2を撮影することにより、室内空間2の熱分布を示す熱画像を取得した。しかしながら、撮影装置20は、赤外線に限らず、例えば可視光で室内空間2を撮影することにより、可視画像を取得しても良い。そして、人検知部220は可視画像から着座している人を検知し、推定部230は検知された人の知的生産性の度合いを推定しても良い。
上記実施の形態では、撮影装置20が人検知部220と推定部230の機能を備えており、制御装置30が設備制御部320の機能を備えていた。しかしながら、制御装置30が人検知部220と推定部230の機能を備えていても良い。この場合、撮影装置20において、送信部240は、撮影画像取得部210により取得された撮影画像50を制御装置30に送信する。そして、制御装置30において、人検知部220は、撮影装置20から送信された撮影画像50から着座している人を検知し、推定部230は、検知された人の知的生産性の度合いを推定する。
或いは、撮影装置20が人検知部220の機能を備えており、制御装置30が推定部230と設備制御部320の機能を備えていても良い。このように、制御システム10における各機能を撮影装置20と制御装置30とのどちらが備えるかは自由である。
また、撮影装置20が設備制御部320の機能を備えていても良い。言い換えると、撮影装置20と制御装置30とが独立した装置であることに限らず、撮影装置20が制御装置30の機能を備えていても良い。この場合、撮影装置20単体で制御システムとして機能する。
上記実施の形態では、制御部21,31において、CPUがROM又は記憶部22,32に記憶されたプログラムを実行することによって、図5に示した各部として機能した。しかしながら、制御部21,31は、専用のハードウェアであってもよい。専用のハードウェアとは、例えば単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらの組み合わせである。制御部21,31が専用のハードウェアである場合、各部の機能それぞれを個別のハードウェアで実現してもよいし、各部の機能をまとめて単一のハードウェアで実現してもよい。
また、各部の機能のうち、一部を専用のハードウェアによって実現し、他の一部をソフトウェア又はファームウェアによって実現してもよい。このように、制御部21,31は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又は、これらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
本開示に係る撮影装置20又は制御装置30の動作を規定する動作プログラムを既存のパーソナルコンピュータ、情報端末装置等のコンピュータに適用することで、当該コンピュータを、本開示に係る撮影装置20又は制御装置30として機能させることも可能である。
また、このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、CD-ROM(Compact Disk ROM)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Optical Disk)、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布してもよいし、インターネット等の通信ネットワークを介して配布してもよい。
本開示は、本開示の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この開示を説明するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。すなわち、本開示の範囲は、実施の形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして請求の範囲内及びそれと同等の開示の意義の範囲内で施される様々な変形が、この開示の範囲内とみなされる。