[go: up one dir, main page]

JP7597281B1 - 鋳片の製造方法 - Google Patents

鋳片の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7597281B1
JP7597281B1 JP2024552781A JP2024552781A JP7597281B1 JP 7597281 B1 JP7597281 B1 JP 7597281B1 JP 2024552781 A JP2024552781 A JP 2024552781A JP 2024552781 A JP2024552781 A JP 2024552781A JP 7597281 B1 JP7597281 B1 JP 7597281B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slab
reduction
thickness
continuous casting
soft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2024552781A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2024262308A1 (ja
Inventor
圭吾 外石
則親 荒牧
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority claimed from PCT/JP2024/020427 external-priority patent/WO2024262308A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7597281B1 publication Critical patent/JP7597281B1/ja
Publication of JPWO2024262308A1 publication Critical patent/JPWO2024262308A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)

Abstract

適切な品質の鋳片を得ることが可能な鋳片の製造方法を提供する。所定のサイズの鋳片を、連続鋳造機を用いて製造する鋳片の製造方法である。鋳片の製造方法は、連続鋳造機において鋳片が冷却される冷却水の条件、鋳片の引き抜き速度及び、鋳片の組成を用いて求められる鋳片の固相率に基づいて、連続鋳造機において鋳片に対して軽圧下を行う開始点及び、軽圧下が終了する終点を含む軽圧下領域を設定する軽圧下領域設定工程と、鋳片の厚さ、鋳片の幅、鋳片の引き抜き速度に基づいて、軽圧下領域における圧下勾配を設定する圧下勾配設定工程と、鋳片の固相率に基づいて、軽圧下領域において二次冷却を行う区間として第1の強度区間及び、第1の強度区間よりも強い強度で二次冷却を行う第2の強度区間を設定する二次冷却強度設定工程と、設定された軽圧下領域、圧下勾配、第1の強度区間及び、第2の強度区間を用いて連続鋳造を行う、連続鋳造工程と、を含む。

Description

本発明は、厚さが350mm以上でありかつ、前記厚さに対する幅の比が1.6~7.2である鋳片を、連続鋳造機を用いて製造する鋳片の製造方法に関する。
鋼の連続鋳造では、溶鋼は冷却により凝固して鋳片となる。鋳片は鋳造方向に引き抜かれる。溶鋼の凝固の最終過程においては、未凝固層とも称される未凝固の溶鋼が凝固収縮に伴って鋳片の引き抜き方向に流動する、いわゆる吸引流動が生じる。未凝固層には、炭素(C)、燐(P)、硫黄(S)、マンガン(Mn)などの溶質元素が濃化している。この溶質元素が鋳片の中心部に流動して凝固すると、いわゆる中心偏析が発生する。
中心偏析は、鋼製品、特に厚鋼板の品質を劣化させる。例えば、厚鋼板は、石油輸送用や天然ガス輸送用のラインパイプ材として用いられる。これらのラインパイプ材に中心偏析が存在すると、サワーガスの作用により中心偏析を起点として水素誘起割れが発生するおそれがある。
また、厚鋼板を海洋構造物、貯槽、石油タンクなどに用いた場合にも、ラインパイプ材として用いた場合と同様の問題が発生する。また、近年では、低温条件、或いは、強い腐食環境等の厳しい使用環境下において鋼製品が使用される。このような厳しい使用環境においては、鋼板の品質をより高めることが求められており、鋳片の中心偏析の低減に関する要求が益々高まっている。
鋼材は、連続鋳造工程で製造した鋳片を圧延工程で圧延することによって製造される。従来では、連続鋳造工程から圧延工程に至るまで、鋳片の中心偏析を低減することが行われている。
鋳片の中心偏析を改善する方法として、未凝固層を有する鋳片を連続鋳造機内で圧下する、凝固末期軽圧下方法が知られている。凝固末期軽圧下方法は、鋳片の凝固完了位置付近に配された圧下ロールにより、連続鋳造中の鋳片を徐々に圧下して鋳片を製造する方法である。凝固末期軽圧下方法は、圧下速度が凝固収縮量に相当する程度で行われる。凝固末期軽圧下方法を用いで鋳片を製造することにより、鋳片の中心部での空隙の発生や、濃化溶鋼の流動を抑止することができる。これにより、鋳片の中心偏析が抑制される。
凝固末期軽圧下方法によって鋳片の中心偏析の発生を効果的に防止するためには、鋳片に軽圧下を付与する期間の始期と終期及び、軽圧下の圧下量を適切に設定することが重要である。
例えば、特許文献1には、鋳片に軽圧下を付与する連続鋳造方法において、軽圧下を付与する区間の単位時間あたりの圧下量を規定することが開示されている。特許文献1においては、圧下量を規定するにあたり、圧下開始時の鋳片表面温度と、圧下位置での鋳片の未凝固層の厚さと、が用いられている。
特許文献2及び特許文献3には、複数のロール対でブルーム鋳片を圧下しつつ、連続鋳造する連続鋳造方法において、鋳片の厚さ中心部の固相率に応じて圧下速度を大きくすることが開示されている。尚、特許文献2及び特許文献3では、鋳片の厚さ中心部の固相率が0.1ないし0.3に相当する温度となる時点から流動限界固相率に相当する温度となる時点までの領域において、圧下が行われている。
特許文献4には、鋳片に対して圧下を付与しつつ連続鋳造する鋼の連続鋳造において、鋳片の長手方向に垂直な断面形状の情報と、当該断面における未凝固部形状の情報と、に基づいて、圧下条件を調整することが開示されている。
特開平8-132203号公報 特開平3-90263号公報 特開平3-90259号公報 特開2003-71552号公報
しかしながら、鋳片のサイズによっては、特許文献1~4の何れを用いても適切な品質の鋳片を得ることができない問題があり、連続鋳造機を用いた鋳片の製造方法にはさらなる改良が望まれている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、鋳片のサイズによらず適切な品質の鋳片を得ることが可能な厚さ連続鋳造機を用いた鋳片の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の特徴を有する。
[1]
厚さが350mm以上でありかつ、前記厚さに対する幅の比が1.6~7.2である鋳片を、連続鋳造機を用いて製造する鋳片の製造方法であって、
前記連続鋳造機において前記鋳片が冷却される冷却水の条件、前記鋳片の引き抜き速度及び、前記鋳片の組成を用いて求められる前記鋳片の固相率に基づいて、前記連続鋳造機において前記鋳片に対して軽圧下を行う開始点及び、前記軽圧下が終了する終点を含む軽圧下領域を設定する軽圧下領域設定工程と、
前記鋳片の厚さ、前記鋳片の幅及び、前記鋳片の引き抜き速度に基づいて、前記軽圧下領域における圧下勾配を設定する圧下勾配設定工程と、
前記鋳片の前記固相率に基づいて、前記軽圧下領域において二次冷却を行う区間として第1の強度区間及び、前記第1の強度区間よりも強い強度で前記二次冷却を行う第2の強度区間を設定する二次冷却強度設定工程と、
設定された前記軽圧下領域、前記圧下勾配、前記第1の強度区間及び、前記第2の強度区間を用いて連続鋳造を行う、連続鋳造工程と、
を含む、鋳片の製造方法。
[2]
前記軽圧下領域設定工程において、前記鋳片の厚さ方向の中心部の前記固相率が0.1となる位置を前記開始点とし、前記鋳片の厚さ方向の前記中心部の前記固相率が流動限界固相率となる位置を前記終点として前記軽圧下領域を設定し、
前記圧下勾配設定工程において、前記軽圧下領域の圧下勾配が、下記の(1)式及び下記の(2)式の関係を満足するように設定され、
前記二次冷却強度設定工程おいて、前記第2の強度区間における前記二次冷却の水量密度が(3)式を満足するように設定される、[1]に記載の鋳片の製造方法。

0.05/(V×α)<Z<2.0/(V×α)・・・(1)
α=(β×(D/Do)+γ)・・・(2)
W1≧10・・・(3)
但し、(1)式、(2)式及び、(3)式において、Vは鋳片引き抜き速度(m/min)である。αは厚さ係数(-)である。Zは圧下勾配(mm/m)である。Dは鋳型直下での鋳片の厚さ(mm)である。Doは鋳型直下での鋳片の基準厚さ(mm)である。W1は水量密度(L/m/min)である。β及び、γは、鋳片11の幅W2(mm)によって定まる係数である。β及び、γは、鋳片の幅W2の範囲によって下記のように表される。
W2≦1300では、β=-0.51、γ=1.54
1300<W2≦1700では、β=-0.49、γ=1.56
1700<W2≦2100では、β=-0.47、γ=1.58
2100<W2では、β=-0.45、γ=1.60

[3]
前記鋳片の厚さに基づいて、前記鋳片の総圧下量を設定する総圧下量設定工程を有し、
前記総圧下量設定工程において、下記の(4)式の関係を満足するように前記総圧下量が設定される、[1]又は[2]に記載の鋳片の製造方法。

Rt<(D/Do)×(10/α)・・・(4)
但し、(4)式におけるRtは鋳片の総圧下量(mm)である。Dは鋳型直下での鋳片の厚さ(mm)である。Doは鋳型直下での鋳片の基準厚さ(mm)である。αは厚さ係数(-)である。
本発明の連続鋳造機を用いた鋳片の製造方法によれば、鋳片のサイズによらず適切な品質の鋳片を得ることが可能となる。
連続鋳造機の全体構成を示す側面図である。 ロールセグメントの側面図である。 ロールセグメントの正面図である。 鋳片の製造方法の処理工程を示すフロー図である。
本発明者らは、軽圧下を鋳片に付与して鋳片を鋳造する連続鋳造において、鋳片に圧下力を付与する範囲(以下、「軽圧下帯」とも称する)における最適な圧下速度は、鋳片の厚さに応じて変化することを経験により得た。
鋳片の厚さは、圧延後の鋼製品の厚さと、鋼製品の仕様上必要とされる圧延時の圧下比と、に基づいて設定される。従って、鋳片の厚さは、例えば、鋼製品の仕様に応じて設定される。設定された厚さの鋳片が、軽圧下方法を適用して鋳造されたことがない場合には、その鋳片の厚さに適した軽圧下での圧下速度を新たに設定する必要がある。
軽圧下での圧下速度は、例えば、圧下勾配を数水準設定した実機での鋳造実験で求めることができる。圧下速度の設定には、多大な時間と費用を要する。軽圧下の圧下勾配の設定には、簡便に求めることが要求されている。
ここで、「圧下勾配」とは、相対するロールのロール間の間隔(以下、「ロール開度」とも称する)が鋳造方向下流側に向かって順次狭くなるように設定された際の当該ロール開度の変化量である。圧下勾配は、通常、1mあたりのロール開度の変化量(mm/m)で表示される。この圧下勾配(mm/m)と鋳片引き抜き速度(m/min)とを乗算した値が圧下速度(mm/min)となる。
特許文献1では、軽圧下を効果的に実施するための指標として、鋳片の未凝固層の厚さに着目して連続鋳造が行われている。特許文献1では、鋳造方向の下流側における圧下、即ち、鋳片の未凝固層の厚さが小さい状態での圧下ほど、圧下ロールで設定した圧下量が鋳片の固液界面に伝わる割合(以下、「圧下効率」とも称する)が小さくなるという知見に基づいて当該着目がなされている。
しかし、本発明者らの経験では、中心偏析は、未凝固層の厚さがおよそ10mm以下の鋳片の中心部の領域で顕在化する。特許文献1の記載によれば、未凝固層の厚さが10mmと0mmとでは、必要圧下速度の差異は10%程度である。このような圧下速度の差異では、中心偏析を十分に抑止することができない恐れがある。また、特許文献1の[実施例]では1種類の鋳片の厚さ(250mm)の試験結果が記載されており、この特許文献1に記載された最適圧下条件が、異なる鋳片の厚さの場合にも有効であるかは不明である。
特許文献2、3では、厚さ×幅が、300mm×500mm、162mm×162mm、380mm×560mmの3種類の鋳片に対して試験が行われている。特許文献2、3は、何れも、ブルーム鋳片の軽圧下鋳造に関するものである。ブルーム鋳片は、スラブ鋳片よりも引き抜き方向に直交した方向の断面の幅と厚さとの比(幅/厚さ)が小さい。このため、ブルーム鋳片は、凝固末期の軽圧下の圧下効率がスラブ鋳片よりも小さくなる。ブルーム鋳片を鋳造する際には、圧下量が凝固末期に近づくほど大きく設定されている。特許文献2、3のブルーム鋳片の例では圧下量は、特許文献1のスラブ鋳片の例と比較すると約2~3倍程度大きい。この圧下条件をスラブ鋳片の軽圧下に適用することはできない問題がある。
また、特許文献1~3では、鋳造の引き抜き方向に沿って軽圧下帯の圧下勾配を変化させることが行われている。このため、これらの例では、鋳片支持ロールのロール開度の設定が複雑であり、実機で実現するためには設備の構造も複雑になる問題がある。
特許文献4では、ブルーム鋳片を対象とし、鋳片の長手方向に垂直な断面形状の情報、即ち、鋳片の幅と厚さとに基づいて圧下条件を設定している。
特許文献4では、鋳片の幅と厚さとの比と、鋳片の未凝固部分の幅と厚さとの比を利用して圧下条件を設定しており、鋳片の厚さそのものを用いて圧下条件を設定していない。
ブルーム鋳片の場合、連続鋳造機内における鋳片の上面及び、下面の冷却の比によって、鋳片の未凝固層の形状が上下方向に扁平になる場合がある。また、鋳片の左面及び、右面での冷却の比によって、鋳片の未凝固層の形状が左右方向に扁平になる場合がある。これらの鋳片の未凝固層の扁平は、いずれか一方のみではなく両方生じる恐れがある。特許文献4は、これらの両方の扁平が生じた場合であっても、最適な軽圧下を可能とすることを目的としている。
長辺が短辺よりも格段に長いスラブ鋳片は、未凝固層の扁平が鋳片の左右方向に生じやすい。従って、未凝固層の扁平が左右方向及び、上下方向で生じることを前提とした特許文献4を用いても、スラブ鋳片に対しては中心偏析を有効に抑止することができない問題がある。
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1は、連続鋳造機の側面を示している。図1に示すように、連続鋳造機100は、取鍋(図示せず)から供給される溶鋼10を貯留する器状に形成されたタンディッシュ20を有する。タンディッシュ20の底部には、貯留した溶鋼10を排出する浸漬ノズル21が設置されている。また、タンディッシュ20には、溶鋼10の流量を調整するためのスライディングノズル22が設けられている。
連続鋳造機100は、タンディッシュ20から排出された溶鋼10を冷却する鋳型30を有する。鋳型30は、上部及び、下部に開口を有しかつ、溶鋼10を収容するキャビティを有する筒状に形成されている。キャビティは、互いに対向して配置された一対の板状の長辺及び、当該長辺の対向面に対して垂直な方向において互いに対向して配置された一対の板状の短辺によって構成される。
上部の開口から流入した溶鋼10は、鋳型30のキャビティで冷却されて鋳片11の外殻が形成される。鋳片11は、鋳型30の下方に形成された開口から引き抜かれる。尚、鋳型30において行われる溶鋼10の冷却は、一次冷却とも称される。
鋳片11は、スラブ鋳片である。鋳片11は、未凝固層11aと、未凝固層11aの周囲を覆う凝固シェル11bと、を有する。凝固シェル11bは、鋳型30で溶鋼10が冷却された際に形成された鋳片11の外殻である。
鋳片11は、厚さが350mm以上である。鋳片11の厚さは、例えば、350~600mmである。鋳片11は、厚さが厚いほど圧下比を稼ぐことができるため好ましい。尚、鋳片11の厚さは、鋳型30の下方に形成された開口における短辺の長さによって設定することができる。
鋳片11の厚さが350mm以上になると、従来では中心偏析の発生頻度が高まる傾向がある。本発明の鋳片の製造方法では、厚さが350mm以上でありかつ、当該厚さに対する幅の比が1.6~7.2である鋳片11に対して中心偏析の発生を抑止することが可能である。
鋳片11の厚さを600mm以下とすることにより、中心部の組織を微細化することができる。また、垂直曲げ型の連続鋳造機100において、鋳片11に曲げ、矯正を適切に行うことが可能となる。
鋳片11は、厚さに対する幅の比(幅/厚さ)が、例えば、1.6~7.2である。尚、鋳片11の幅は、鋳型30の下方に形成された開口における長辺の長さによって設定することができる。厚さに対する幅の比を1.6~7.2にすることによって、圧下不足、圧下過多となることを抑止することができる。
連続鋳造機100は、鋳型30の下方に設けられている鋳片支持ロール40を有する。鋳片支持ロール40は、サポートロール41、ガイドロール42及び、ピンチロール43を有して構成されている。
サポートロール41は、円筒状に形成されるもので、鋳片11の表面及び、裏面を挟み込むように対となって配されている。サポートロール41は、鋳造方向の下流に向かって列状に複数配されている。
ガイドロール42は、円筒状に形成されるもので、サポートロール41に続いて配されている。ガイドロール42は、鋳片11の表面及び、裏面を挟み込むように対となって配されている。ガイドロール42は、鋳造方向の下流に向かって列状に複数配されている。
ピンチロール43は、円筒状に形成されるもので、ガイドロール42に続いて配されている。ピンチロール43は、鋳片11の表面及び、裏面を挟み込むように対となって配されている。ピンチロール43は、鋳造方向の下流に向かって列状に複数配されている。
鋳型30で凝固シェル11bが形成された鋳片11は、冷却水によって二次冷却される。具体的には、互いに隣り合う鋳片支持ロール40(サポートロール41、ガイドロール42ピンチロール43)の間には、スプレーノズル(図示せず)が配置されている。二次冷却水を噴霧するスプレーノズルが配されている区間を二次冷却帯とも称する。尚、スプレーノズルとしては、水スプレーノズルや、エアーミストスプレーノズル等を用いることができる。
鋳片11は、二次冷却帯において鋳造方向に移動しつつ、スプレーノズルから噴霧された冷却水により冷却される。二次冷却に用いられる冷却水は、二次冷却水とも称される。
鋳片支持ロール40が設けられている区間においては、鋳片11の厚さ方向に圧力が付与される軽圧下領域(以下、軽圧下帯とも称する)44が設けられている。軽圧下帯44においては、互いに対向して対となって配置されるサポートロール41、ガイドロール42及び、ピンチロール43の間隔が漸次狭くなるように配置されている。軽圧下帯44においては、例えば、凝固収縮量に相当する程度の圧下量が鋳片11に付与される。
対となって配置されているサポートロール41、ガイドロール42及び、ピンチロール43の間隔は、ロール開度とも称される。軽圧下帯44においては、ロール開度を調整することにより圧下勾配が設定される。
圧下勾配は、例えば、鋳造方向1mあたりのロール開度の絞り込み量(mm/m)を用いて調整される。尚、軽圧下帯44における圧下の速度(mm/min)は、圧下勾配(mm/m)に鋳片11の引き抜き速度(m/min)を乗算することで得られる。
図1に示す連続鋳造機100においては、軽圧下帯44は、鋳造方向において連続して設けられる2つのロールセグメント45によって構成されている。各々のロールセグメント45は、3対の鋳片支持ロール40によって構成されている。
軽圧下帯44を構成するロールセグメント45の数は特には制限されず、1基以上であればよい。また、各々のロールセグメント45を構成する鋳片支持ロール40の数は特には制限されず、2対以上の鋳片支持ロール40で構成されるとよい。
連続鋳造機100は、鋳片支持ロール40に続いて設けられている搬送ロール50を有する。また、連続鋳造機100は、搬送ロール50の上方に設けられている鋳片切断機60を有する。鋳片切断機60は、所定のタイミングで動作することにより、鋳片11を所定の長さに切断する。
鋳片11は、凝固が内部まで進行し、軽圧下帯44の凝固完了位置13において凝固が完了する。鋳片11は、凝固が完了すると、鋳片切断機60によって切断される。
図2は、連続鋳造機のロールセグメント45の側面を示している。図3は、連続鋳造機のロールセグメント45の正面を示している。図2及び3においては、3対の鋳片支持ロール40によって1のロールセグメント45を構成した例が示されている。
ロールセグメント45は、上下方向において互いに対向して設けられた矩形の板状の一対のフレーム46,47を有する。一対のフレーム46,47の対向面には、ロールチョック48が複数設けられている。鋳片支持ロール40は、ロールチョック48に支持されている。一対のフレーム46,47は、その四隅に設けられたタイロッド49によって支持されている。尚、タイロッド49は、鋳造方向の上流側の両サイドに一対配されている。また、タイロッド49は、鋳造方向の下流側の両サイドにおいて一対配されている。
各々のタイロッド49には、ウォームジャッキWJが設けられている。ウォームジャッキWJは、モータMTに接続されている。フレーム46,47の間隔は、ウォームジャッキWJをモータMTによって動作させることにより調整することができる。
圧下勾配の調整は、互いに対向する鋳片支持ロール40の間隔を調整することにより行うことができる。互いに対向する鋳片支持ロール40の間隔は、フレーム46,47の間隔に応じた値となる。したがって、フレーム46,47の間隔を調整することにより、圧下勾配を調整することができる。尚、フレーム46の移動量は、ウォームジャッキWJの動作量に応じた量となる。したがって、予めウォームジャッキWJの動作量に応じた量を記録しておくことにより、ロールセグメント45の圧下勾配をウォームジャッキWJの動作量に応じて設定することができる。
尚、圧下勾配の調整は、鋳片支持ロール40に鋳片11からの負荷が作用しない条件下で行われるとよい。このような条件としては、例えば、ロールセグメント45に鋳片11がない状態が挙げられる。
以上で説明した連続鋳造機100を用いて、鋳片11を製造する方法を説明する。図4は、連続鋳造機100を用いた鋳片11の製造方法を示すフロー図である。
図4に示されるように、連続鋳造機100において鋳片11に対して軽圧下を行う開始点及び、軽圧下が終了する終点を含む軽圧下帯44を設定する軽圧下領域設定工程(ステップS01)が行われる。
ステップS01の軽圧下領域設定工程において、軽圧下を行う開始点及び、軽圧下が終了する終点は、鋳片11が冷却される冷却水の条件、鋳片11の引き抜き速度及び、鋳片11の組成を用いて求められる鋳片11の固相率に基づいて設定される。
具体的には、軽圧下帯44の開始点は、鋳片11の厚さ方向の中心部の固相率が0.1に相当する位置以前で設定するとよい。鋳片11の厚さ方向の中心部は、例えば、鋳片11の厚さ方向の中心から15mm以内の範囲とすることができる。軽圧下が終了する終点は、鋳片11の厚さ方向の中心部の固相率が流動限界固相率に達した位置で設定するとよい。
固相率は、凝固が開始される前を0とし、凝固が完了した時を1.0として定義される。したがって、連続鋳造機100において鋳片11の厚さ方向の中心部の固相率が1.0となる位置は、凝固が完了する位置に該当する。
固相率は、鋳片11が冷却される冷却水の条件、鋳片11の引き抜き速度及び、鋳片11の組成を用いて求めることができる。また、中心部の固相率は、二次元の凝固伝熱計算によって鋳片11の温度分布を求め、その結果に基づいて推定することができる。鋳片11の厚さ方向の中心部の固相率は、鋳片11の表面の温度から推測した値を用いることができる。
尚、凝固伝熱計算としては、例えば、一般的に実施されている鋳型内冷却、二次冷却体内のスプレーノズルやロールの配置とそれによる冷却、さらに輻射・対流伝熱冷却を考慮した二次元凝固伝熱解析法を用いることができる。このような二次元凝固伝熱解析法として種々の方法が提案されているが、特開2002-178117に記載の方法が、計算負荷も少なく、オンライン・リアルタイムでの計算に用いることができる。
鋳片11の厚さ方向の中心部の固相率が0.1を超えてから軽圧下を開始しても、それ以前に濃化溶鋼の流動が発生する可能性がある。濃化溶鋼の流動が発生すると、中心偏析が発生し、中心偏析軽減効果を十分に得ることができない恐れがある。鋳片11の厚さ方向の中心部の固相率が0.1となるまでに軽圧下を開始するとよい。
流動限界固相率は0.7~0.8とされている。鋳片11の厚さ方向の中心部の固相率が0.7~0.8になるまでは、軽圧下帯44において圧下するとよい。
鋳片11の厚さ方向の中心部の固相率が流動限界固相率を超えた後は、未凝固層11aは移動しないため、軽圧下による効果が弱まる。このため、軽圧下は、流動限界固相率で停止することが好ましい。
尚、固相率が流動限界固相率以上になった状態で圧下すると、鋳片11の強度が流動限界固相率未満の場合よりも大きくなる。このため、軽圧下時に大きな反力が発生し、鋳片11が適切に圧下されないおそれがある。
次いで、鋳片11の厚さ、鋳片11の幅、鋳片11の引き抜き速度に基づいて、軽圧下帯44における圧下勾配を設定する圧下勾配設定工程(ステップS02)が行われる。
鋳片11の凝固の末期に軽圧下が行われると、鋳片11の中心偏析が低減することが一般的に知られている。軽圧下が行われると、圧下の作用を受けて鋳片11の凝固シェル11bが変形する。凝固シェル11bが変形すると、設定通りの圧下速度で圧下することができない場合がある。このため、鋳片11に加えた圧下量に対する凝固界面に伝わる圧下量の比率で表される圧下効率が低下するおそれがある。
圧下効率は、凝固シェル11bの厚さが大きくなると、圧下効率が小さくなる傾向がある。鋳片11の厚さが厚くなるほど、凝固シェル11bの厚さも厚くなり、圧下効率が小さくなる。
例えば、幅が2100mm、厚さが350~600mm、すなわち、厚さに対する幅の比(幅/厚さ)が3.5~6.0の鋳片11を製造する場合、軽圧下の条件は、次のようにして求めることができる。尚、軽圧下の条件としては、鋳片11の厚さ、軽圧下帯44の圧下勾配、鋳片11の引き抜き速度及び、二次冷却条件を設定するとよい。
鋳片11の厚さ、軽圧下帯44の圧下勾配、鋳片11の引き抜き速度は、下記の(1)式及び、(2)式の関係を満足するように設定される。また、二次冷却条件は、下記の(3)式を満足するように設定される。
0.05/(V×α)<Z<2.0/(V×α)・・・(1)
α=(β×(D/Do)+γ)・・・(2)
W1≧10・・・(3)
(1)~(3)式において、Vは鋳片引き抜き速度(m/min)である。αは厚さ係数(-)である。Zは圧下勾配(mm/m)である。Dは鋳型直下における鋳片の厚さ(mm)である。Doは鋳型直下における鋳片の基準厚さ(mm)である。W1は水量密度(L/m/min)である。β及びγは、鋳片の幅W2(mm)によって定まる係数である。
β及び、γは、鋳片11の幅W2の範囲によって下記のように表される。
W2≦1300では、β=-0.51、γ=1.54
1300<W2≦1700では、β=-0.49、γ=1.56
1700<W2≦2100では、β=-0.47、γ=1.58
2100<W2では、β=-0.45、γ=1.60
上記の(1)~(4)式について以下のようにして求めることができる。先ず、(1)式を求めるために、厚さが350mmの鋳片11を連続鋳造する際の軽圧下帯44における圧下勾配の最適範囲を求めるとよい。圧下勾配の最適範囲は、例えば、実機での鋳造実験によって求めることができる。
次に、鋳片11の厚さの影響による補正値を求めるとよい。補正値は、例えば、軽圧下時の鋳片11の変形に関する数値シミュレーションにより求めることができる。数値シミュレーションは、鋳片11の厚さを150~600mmの範囲で行うことができる。シミュレーション結果から、鋳片11の厚さと圧下効率との関係を求め、補正値として厚さ係数αを算出した。
鋳片11の厚さの一次の近似式として、厚さ係数αを算出する(2)式の係数を得た。厚さ係数αの値は、鋳片11の厚さDが大きいほど小さくなる。これは、鋳片厚さDが大きくなるほど圧下効率が小さくなることを表している。
尚、鋳型直下での鋳片11の基準厚さDoは、(2)式の厚さ係数αが1となる鋳片11の厚さであり、2100mm幅の鋳片11の場合、基準厚さDoは187mmである。
鋳造対象の鋳片11の厚さが基準厚さの187mmと異なると、基準厚さの圧下効率から圧下効率が変化する。鋳片11の厚さの変化に伴う圧下効率の変化は、圧下勾配を調整することによって調整することができる。
具体的には、圧下効率が基準厚さの圧下効率よりも小さい場合は、圧下勾配を大きく調整し、圧下効率が基準厚さの圧下効率よりも大きい場合は、圧下勾配を小さく調整するとよい。その結果、鋳片引き抜き速度、厚さ係数α、圧下勾配の関係式として(1)式を得た。
0.05/(V×α)<Z<2.0/(V×α)・・・(1)
上記のようにして求めた(1)式にしたがった圧下勾配で軽圧下することで、鋳片11に対する圧下効率を適切なものとすることができる。これにより、鋳片11での中心偏析、ポロシティの発生を防止し、また、圧下過剰による鋳片11での逆V偏析や内部割れの発生を防止することができる。
連続鋳造機100で鋳造される鋳片11の幅は1000~2500mmと広範囲である。そこで、鋳片11の厚さが350~600mm、幅が1000~2500mmで、厚さに対する幅の比(幅/厚さ)が1.6~7.2である鋳片の全範囲において厚さ係数αを求めた。
軽圧下帯44での軽圧下時の圧下抵抗の主体は、鋳片11の短辺側の凝固の完了した部位である。この部位の鋳片11の幅方向の長さの絶対値は、鋳片11の厚さが同じ場合には、鋳片11の幅の大小には関係せずにほぼ同等になる。
尚、内部に未凝固層が存在する範囲は、未凝固層が存在することから圧下抵抗が小さい。当該圧下抵抗は、鋳片11の短辺側の両端部の凝固が完了した部位と比較して無視できるほど小さい。
例えば、幅が1600mmの鋳片11は、幅が2100mmの鋳片11よりも、短辺側の凝固が完了した部位の幅に対する割合が大きくなる。このため、1600mm幅の鋳片11の圧下抵抗は、2100mm幅の鋳片11よりも大きくなる。
2100mm幅の鋳片11とで同一の圧下勾配で、1600mm幅の鋳片11に対して軽圧下した場合、圧下抵抗による反力が皿バネの設定応力を上回るおそれがある。この場合、軽圧下の際にロール開度が拡大され、設定された圧下勾配よりも実際の圧下勾配が小さくなるおそれがある。
幅が1000mm~2500mmの鋳片11について、上述の数値シミュレーションと同様の数値シミュレーションを行い、各々の厚さ係数αを求めた。
その結果、鋳片11の厚さの一次の近似式として、厚さ係数αに関する(2)式を得た。β及びγは、鋳片11の幅W2(mm)によって定まる係数である。
α=(β×(D/Do)+γ)・・・(2)
β及びγは、鋳片11の幅W2(mm)応じて、
1000≦W2≦1300では、β=-0.51、γ=1.54
1300<W2≦1700では、β=-0.49、γ=1.56
1700<W2≦2100では、β=-0.47、γ=1.58
2100<W2≦2500では、β=-0.45、γ=1.60
となる。
また、連続鋳造操業の種々の鋳造条件において、予め二次元伝熱凝固計算などを用いて凝固シェル11bの厚さ及び、鋳片11の厚さ方向の中心部の固相率を求める。
軽圧下帯44に入る時点での鋳片11の厚さ方向の中心部の固相率が0.1以下になり、且つ、軽圧下帯44を出る時点での鋳片11の厚さ方向の中心部の固相率が流動限界固相率以上になるように、二次冷却水量又は、鋳片11の引き抜き速度を調整する。
次いで、鋳片11の総圧下量を設定する総圧下量設定工程(ステップS03)が行われる。ステップS03の総圧下量設定工程においては、鋳片11の総圧下量(Rt)及び、鋳片11の厚さは、下記の(4)式の関係を満足する範囲に設定されることが好ましい。
Rt<(D/Do)×(10/α)・・・(4)
Rtは鋳片の総圧下量(mm)である。
軽圧下は、最終凝固部の濃化溶鋼の流動を防止する効果がある一方で、圧下によって鋳片11を変形させる。このため、軽圧下によって凝固界面での内部割れが発生する場合がある。この内部割れの発生は、凝固界面に加えられた歪みの累積値が一定以上に達すると発生することが知られている。したがって、鋳片11の総圧下量が設定されることが好ましい。このように総圧下量を設定することにより、鋳片11の内部割れを抑止することができる。尚、ステップS03の総圧下量設定工程は、任意に行うことができる工程である。
さらに、鋳片11の固相率に基づいて、軽圧下帯44領域において二次冷却を行う区間として第1の強度区間及び、第1の強度区間よりも強い強度で二次冷却を行う第2の強度区間を設定する二次冷却強度設定工程(ステップS04)が行われる。
鋳片11の厚さが350mm以上になると、鋳片11の中心部の温度勾配が増加し、凝固組織が粗大となって中心偏析が悪化する場合がある。その結果、軽圧下の効果だけでは内質改善効果として不十分である。
そこで、軽圧下帯44領域において第1の強度区間及び、第2の強度区間を設定することで、鋳片11の凝固組織を微細化させることが可能となる。第1の強度区間は、例えば、軽圧下帯44の開始点から鋳片11の厚さ方向の中心部の固相率が0.2に至るまでの区間を設定することができる。
第2の強度区間は、例えば、鋳片11の厚さ方向の中心部の固相率が0.2から0.8までの区間を設定することができる。第2の強度区間は、例えば、10(L/m/min)以上の水量密度で冷却することが好ましい。このような水量密度で鋳片11を冷却することにより、凝固組織を微細化させることが可能となる。
最後に、上記のステップS01~04の各工程において設定された、軽圧下領域、圧下勾配、第1の強度区間及び、第2の強度区間を用いて連続鋳造を行う、連続鋳造工程(ステップS05)が行われる。
以上のように、本発明の鋳片の製造方法によれば、鋳片のサイズによらず適切な品質の鋳片を得ることが可能となる。特に、上記の(1)~(3)式を組み合わせて、軽圧下帯44及び、圧下勾配を設定することで、最適な圧下条件を簡便に求めることができる。すなわち、圧下量不足による中心偏析の発生や、過剰な圧下量による内部割れの発生を抑止することが可能となる。これにより、複数の水準からなる実機実験を行うような多大な時間と費用をかけることなく、多様な仕様の鋼製品製造の要求に迅速に対処することが可能となる。
連続鋳造機を用いて発明例1~9及び、比較例1~9の鋳片を鋳造し、鋳片の中心偏析度、ポロシティの有無及び、内部割れの有無の確認を行った。発明例1~9及び、比較例1~9の鋳片は、低炭素アルミキルド鋼を材料として用いた。発明例1~9及び、比較例1~9の鋳片は、厚さを350mm、400mm、450mmとし、幅を2000mmとして作製した。
発明例1~9及び、比較例1~9の鋳片の鋳造条件については、表1に示す。試験に用いた連続鋳造機は、図1に示す連続鋳造機100と同様である。
Figure 0007597281000001
試験の評価に用いた鋳片の中心偏析度は、以下の方法によって測定した。鋳片の引き抜き方向に直交した断面において、鋳片の厚さ方向に沿って等間隔で炭素濃度を分析し、その厚さ方向での最大値をCmaxとし、鋳造中にタンディッシュ内から採取した溶鋼で分析した炭素濃度を、C0として、Cmax/C0を中心偏析度とした。中心偏析度は、1.0に近いほど中心偏析の少ない鋳片であることを示す。本発明では、中心偏析度が1.10以上の鋳片は中心偏析の程度が悪いという判定を行った。
鋳片のポロシティ及び内部割れは、鋳片の引き抜き方向に直交した断面において、鋳片厚さの中央部付近の顕微鏡観察を行い、これらの有無を判定した。
それぞれの鋳片の引き抜き速度は、軽圧下帯における鋳片の厚さ方向の中心部での固相率が0.1から流動限界固相率までとなるように設定された。圧下勾配及び二次冷却水量密度は、発明例1~9では、上記の(1)式及び(2)式、(3)式を満足するように設定された。また、圧下勾配は、比較例1、4、7では、(1)式及び(2)式で定められる圧下勾配の最適範囲の下限を下回る値で設定された。圧下勾配は、比較例2、5、8では(1)式及び(2)式で定められる圧下勾配の最適範囲の上限を上回る値で設定された。更に、総圧下量(Rt)は、比較例2、5では、(4)式の上限値を上回る値で設定された。更に、第2の強度区間における二次冷却水量(W1)は、比較例3、6、9では、(3)式の下限値を下回る値で設定された。
表1に示す中心偏析度から明らかなように、発明例1~9では、中心偏析度は何れも1.10未満であり良好であった。また、発明例1~9には、鋳片にポロシティ及び内部割れは観察されなかった。
(1)式及び(2)式で求められる比較例1の圧下勾配の最適範囲は0.1~4.1mm/mである。比較例1では、圧下勾配が0.05mm/mに設定されている。比較例1では、圧下勾配が不足し、中心偏析度が1.100を超えた。また、比較例1では鋳片の内部にポロシティも観察された。比較例4、7では圧下勾配が不足し、中心偏析が1.100を超えた。また、比較例4,7では鋳片の内部にポロシティも観察された。
(1)式及び(2)式で求められる比較例2の圧下勾配の最適範囲は0.1~3.5mm/mである。比較例2では、圧下勾配が5mm/mに設定されている。比較例2の鋳片に内部割れが発生した。このため、比較例2の総圧下量が過大であると考えられる。
比較例5、8は圧下勾配が過剰であり、中心偏析が1.100を超えた。比較例5の鋳片に内部割れが発生した。このため、比較例5、8の総圧下量が過大であると考えられる。比較例5、8には、一部に過剰圧下の際に現れる逆V偏析も確認された。
比較例3,6,9では、中心偏析が1.100を超えた。比較例3,6,9では、凝固組織が粗大化し、中心偏析度及びポロシティが発明例1~9よりも悪化した。これは、比較例3,6,9が発明例1~9よりも第2の強度区間における冷却水量密度が低いためであると考えられる。
100 連続鋳造機
10 溶鋼
11 鋳片
11a 未凝固層
11b 凝固シェル
40 鋳片支持ロール
44 軽圧下帯(軽圧下領域)
45 ロールセグメント

Claims (3)

  1. 厚さが350mm以上でありかつ、前記厚さに対する幅の比が1.6~7.2である鋳片を、連続鋳造機を用いて製造する鋳片の製造方法であって、
    前記連続鋳造機において前記鋳片が冷却される冷却水の条件、前記鋳片の引き抜き速度及び、前記鋳片の組成を用いて求められる前記鋳片の固相率に基づいて、前記連続鋳造機において前記鋳片に対して軽圧下を行う開始点及び、前記軽圧下が終了する終点を含む軽圧下領域を設定する軽圧下領域設定工程と、
    前記鋳片の厚さ、前記鋳片の幅及び、前記鋳片の引き抜き速度に基づいて、前記軽圧下領域における圧下勾配を設定する圧下勾配設定工程と、
    前記鋳片の前記固相率に基づいて、前記軽圧下領域において二次冷却を行う区間として第1の強度区間及び、前記第1の強度区間よりも強い強度で前記二次冷却を行う第2の強度区間を設定する二次冷却強度設定工程と、
    設定された前記軽圧下領域、前記圧下勾配、前記第1の強度区間及び、前記第2の強度区間を用いて連続鋳造を行う、連続鋳造工程と、
    を含む、鋳片の製造方法。
  2. 前記軽圧下領域設定工程において、前記鋳片の厚さ方向の中心部の前記固相率が0.1となる位置を前記開始点とし、前記鋳片の厚さ方向の前記中心部の前記固相率が流動限界固相率となる位置を前記終点として前記軽圧下領域を設定し、
    前記圧下勾配設定工程において、前記軽圧下領域の圧下勾配が、下記の(1)式及び下記の(2)式の関係を満足するように設定され、
    前記二次冷却強度設定工程おいて、前記第2の強度区間における前記二次冷却の水量密度が(3)式を満足するように設定される、請求項1に記載の鋳片の製造方法。

    0.05/(V×α)<Z<2.0/(V×α)・・・(1)
    α=(β×(D/Do)+γ)・・・(2)
    W1≧10・・・(3)
    但し、(1)式、(2)式及び、(3)式において、Vは鋳片引き抜き速度(m/min)である。αは厚さ係数(-)である。Zは圧下勾配(mm/m)である。Dは鋳型直下での鋳片の厚さ(mm)である。Doは鋳型直下での鋳片の基準厚さ(mm)である。W1は水量密度(L/m/min)である。β及び、γは、鋳片11の幅W2(mm)によって定まる係数である。β及び、γは、鋳片の幅W2の範囲によって下記のように表される。
    W2≦1300では、β=-0.51、γ=1.54
    1300<W2≦1700では、β=-0.49、γ=1.56
    1700<W2≦2100では、β=-0.47、γ=1.58
    2100<W2では、β=-0.45、γ=1.60
  3. 前記鋳片の厚さに基づいて、前記鋳片の総圧下量を設定する総圧下量設定工程を有し、
    前記総圧下量設定工程において、下記の(4)式の関係を満足するように前記総圧下量が設定される、請求項1又は2に記載の鋳片の製造方法。

    Rt<(D/Do)×(10/α)・・・(4)
    但し、(4)式におけるRtは鋳片の総圧下量(mm)である。Dは鋳型直下での鋳片の厚さ(mm)である。Doは鋳型直下での鋳片の基準厚さ(mm)である。αは厚さ係数(-)である。
JP2024552781A 2023-06-20 2024-06-04 鋳片の製造方法 Active JP7597281B1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023100473 2023-06-20
JP2023100473 2023-06-20
PCT/JP2024/020427 WO2024262308A1 (ja) 2023-06-20 2024-06-04 鋳片の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP7597281B1 true JP7597281B1 (ja) 2024-12-10
JPWO2024262308A1 JPWO2024262308A1 (ja) 2024-12-26

Family

ID=93793915

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2024552781A Active JP7597281B1 (ja) 2023-06-20 2024-06-04 鋳片の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7597281B1 (ja)
CN (1) CN121285438A (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004525767A (ja) * 2000-10-20 2004-08-26 エス・エム・エス・デマーク・アクチエンゲゼルシャフト 鋼材から成る鋳造ストランド、特に鋼塊サイズ又は粗形鋼サイズを有する鋳造ストランドを連続鋳造し、引き続き変形させるための方法及び装置
JP2015009264A (ja) * 2013-07-01 2015-01-19 Jfeスチール株式会社 鋼の連続鋳造方法
JP2019048322A (ja) * 2017-09-11 2019-03-28 新日鐵住金株式会社 連続鋳造機の2次冷却制御装置、連続鋳造機の2次冷却制御方法、およびプログラム
WO2020203715A1 (ja) * 2019-04-02 2020-10-08 Jfeスチール株式会社 鋼の連続鋳造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004525767A (ja) * 2000-10-20 2004-08-26 エス・エム・エス・デマーク・アクチエンゲゼルシャフト 鋼材から成る鋳造ストランド、特に鋼塊サイズ又は粗形鋼サイズを有する鋳造ストランドを連続鋳造し、引き続き変形させるための方法及び装置
JP2015009264A (ja) * 2013-07-01 2015-01-19 Jfeスチール株式会社 鋼の連続鋳造方法
JP2019048322A (ja) * 2017-09-11 2019-03-28 新日鐵住金株式会社 連続鋳造機の2次冷却制御装置、連続鋳造機の2次冷却制御方法、およびプログラム
WO2020203715A1 (ja) * 2019-04-02 2020-10-08 Jfeスチール株式会社 鋼の連続鋳造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2024262308A1 (ja) 2024-12-26
CN121285438A (zh) 2026-01-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6115735B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP6384679B2 (ja) 熱延鋼板の製造方法
JP5604946B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
RU2678112C2 (ru) Способ непрерывного литья стали
JP3427794B2 (ja) 連続鋳造方法
JP5910577B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP7597281B1 (ja) 鋳片の製造方法
US11471936B2 (en) Continuous casting method of steel
EP0127319B1 (en) Continuous casting apparatus for the production of cast sheets
WO2024262308A1 (ja) 鋳片の製造方法
JP5870966B2 (ja) 連続鋳造鋳片の製造方法
JP3111954B2 (ja) 連続鋳造方法
KR20260006676A (ko) 주편의 제조 방법
JP3275835B2 (ja) 連続鋳造方法および連続鋳造機
JP7609290B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法及び連続鋳造機
JP3876768B2 (ja) 連続鋳造方法
JP5195636B2 (ja) 連続鋳造鋳片の製造方法
JP3994852B2 (ja) 垂直曲げ型連続鋳造機による連続鋳造方法およびそれにより製造される鋳片
JP7679800B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP3240978B2 (ja) 連続鋳造鋳片の製造方法
JP3498586B2 (ja) 連続鋳造方法
JP3114679B2 (ja) 連続鋳造方法
JP2000176616A (ja) 薄鋳片の連続鋳造方法
JP2025151246A (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP4636052B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240904

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20240904

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20241029

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20241111

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7597281

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150